JP5644458B2 - キャップ装置及び液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、インクジェット式プリンターなどの液体噴射装置及びこれに備えられるキャップ装置に関する。
一般に、液体噴射ヘッドのノズルからターゲットに対して液体を噴射する液体噴射装置としてインクジェット式プリンターが知られている。こうしたプリンターでは、印刷休止時や不使用時に記録ヘッド(液体噴射ヘッド)のノズル内のインク(液体)の乾燥を抑えるために、有底箱状のキャップを記録ヘッドに対してノズルを囲うように当接させる、いわゆるキャッピングを行うようにしている。
この場合、記録ヘッドのキャッピング中はキャップ内が保湿されるが、周囲の温度変化などによってキャップ内の圧力が変化した場合には、ノズル内のインクのメニスカスが破壊されてしまうことがある。このため、記録ヘッドのキャッピング中には、キャップ内を保湿しながら大気開放させておく必要がある。そして、従来、キャッピング中にキャップ内を保湿しながら大気開放させるプリンターとしては、特許文献1に示すものが知られている。
すなわち、この特許文献1に記載のプリンターでは、保護キャップ部(キャップ部材)に極細ステンレス製パイプ部材で構成された長い連通パイプが差し込まれた構成になっている。そして、細長い連通パイプを介して保護キャップ部内を大気開放することで、記録ヘッドのキャッピング中でも、保護キャップ部内の湿度低下が抑制されるようにしている。この場合、連通パイプの長さが長いほど保護キャップ部内の湿度低下の抑制効果は高くなる。
特開2002−331673号公報
ところで、特許文献1のプリンターは、長い連通パイプが保護キャップ部から下方に向かって真っ直ぐに長く延びる構成であるため、その長い連通パイプ分のスペースを確保しなければならず、大型化してしまうという問題がある。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、大型化することなく、キャップ部材内を保湿しつつ大気開放することが可能なキャップ装置及び液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のキャップ装置は、ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドに対して前記ノズルを囲うように当接可能に構成されるとともに貫通孔を有する有底箱状のキャップ部材と、前記貫通孔に挿嵌可能な軸部材と、前記貫通孔の内周面及び前記軸部材の外周面のうち少なくとも一方に形成され、前記キャップ部材の内外を連通する連通路を構成する溝とを備え、前記軸部材は多角柱状をなすとともに、前記貫通孔は前記軸部材と対応する多角形状をなしている
この発明によれば、貫通孔の内周面及び軸部材の外周面のうち少なくとも一方に形成された溝がキャップ部材の内外を連通する連通路を構成するため、貫通孔の内周面及び軸部材の外周面のうち少なくとも一方の範囲内で該溝を長くすることで、キャップ部材や軸部材を大きくしなくても、連通路の距離を十分に確保することができる。したがって、大型化することなく、キャップ部材内を保湿しつつ大気開放することが可能となる。また、貫通孔に対する軸部材の軸線を中心とした回転方向の位置決めを行うことが可能となる。
本発明のキャップ装置において、前記溝は、前記軸部材の外周面に形成されている。
この発明によれば、連通路を容易に形成することが可能となる。
本発明のキャップ装置において、前記連通路は、前記軸部材を貫通している。
この発明によれば、連通路の距離を稼ぐことが可能となる。
本発明のキャップ装置において、前記軸部材は、前記ノズルから前記キャップ部材内に前記液体が滴下した場合に該液体が前記連通路に浸入することを抑制する液体浸入抑制部を備えている。
この発明によれば、キャップ部材内に滴下した液体が連通路に浸入することが液体浸入抑制部によって抑制されるので、液体によって連通路が目詰まりすることを抑制することが可能となる。
本発明のキャップ装置において、前記軸部材の複数の側面のうち少なくとも2つに前記溝が形成されている。
この発明によれば、連通路の距離を効果的に稼ぐことが可能となる。
本発明のキャップ装置において、前記貫通孔は前記キャップ部材の底壁に設けられ、前記キャップ部材の内底面上には凸部が前記貫通孔を囲むように設けられている。
この発明によれば、キャップ部材内に液体が滴下した場合に、凸部によって該液体がキャップ部材の内底面上を流れて貫通孔に達することを抑制することが可能となる。
本発明の液体噴射装置は、ノズルからターゲットに液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、前記ノズルを囲うように前記液体噴射ヘッドのキャッピングを行うキャッピング手段とを備え、前記キャッピング手段を上記構成のキャップ装置によって構成した。
この発明によれば、上記構成のキャップ装置と同様の作用効果を得ることが可能となる。
実施形態のインクジェット式プリンターの斜視図。 同プリンターの放置キャップ装置を示す断面図。 同放置キャップ装置のキャップ部材を示す斜視図。 同放置キャップ装置の斜視図。 同放置キャップ装置の軸部材を示す斜視図。 同放置キャップ装置の軸部材を示す斜視図。 同放置キャップ装置の軸部材を示す斜視図。 同放置キャップ装置の要部拡大断面図。 同放置キャップ装置の要部拡大断面図。
以下、本発明を液体噴射装置としてのインクジェット式プリンターに具体化した一実施形態について、図面に従って説明する。また、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は図1に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
図1に示すように、インクジェット式プリンター11の略矩形箱状をなすフレーム12内の下部には、その長手方向である左右方向に沿ってプラテン13が延設されている。プラテン13上には、フレーム12の背面下部に設けられた紙送りモーター14の駆動に基づいて、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての記録用紙Pが後方側から給送されるようになっている。
フレーム12内におけるプラテン13の上方には、該プラテン13の長手方向に沿ってガイド軸15が架設されている。ガイド軸15には、該ガイド軸15の軸線方向(左右方向)に沿って往復移動可能にキャリッジ16が支持されている。また、フレーム12の後壁内面におけるガイド軸15の両端部と対応する位置には、駆動プーリー17a及び従動プーリー17bが回転自在に支持されている。
駆動プーリー17aにはキャリッジ16を往復移動させる際の駆動源となるキャリッジモーター18の出力軸が連結されるとともに、これら一対のプーリー17a,17b間には一部がキャリッジ16に連結された無端状のタイミングベルト17が掛装されている。したがって、キャリッジ16は、ガイド軸15にガイドされながら、キャリッジモーター18の駆動力によりタイミングベルト17を介して左右方向に移動されるようになっている。
図1及び図2に示すように、キャリッジ16の下端部には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド19が支持されている。記録ヘッド19の下面には、複数のノズル20が開口している。各ノズル20は、前後方向に並ぶように配列されている。キャリッジ16上には、記録ヘッド19に対して液体としてのインクを供給するためのインクカートリッジ21が着脱可能に装着されている。
そして、インクカートリッジ21内のインクは、記録ヘッド19に備えられた圧電素子(図示略)の駆動により、インクカートリッジ21から記録ヘッド19へと供給され、該記録ヘッド19の各ノズル20からプラテン13上に給送された記録用紙Pに噴射されて印刷が行われるようになっている。
また、フレーム12内の右端部に位置する記録用紙Pと対応しないホームポジション領域(非印刷領域)には、記録ヘッド19のクリーニング、フラッシング、及び印刷休止時や不使用時における各ノズル20内のインクの蒸発の抑制などのメンテナンスを行うためのメンテナンス装置23が設けられている。
メンテナンス装置23は、記録ヘッド19のクリーニングやフラッシングに用いられる吸引キャップ装置24と、該吸引キャップ装置24の右側に配置されるとともに印刷休止時や不使用時における記録ヘッド19の各ノズル20内のインクの蒸発の抑制等に用いられるキャップ装置(キャッピング手段)としての放置キャップ装置25とを備えている。
次に、放置キャップ装置25の構成について詳述する。
図2〜図4に示すように、放置キャップ装置25は、上端が開口した有底矩形箱状をなすキャップ部材26と、該キャップ部材26に装着される軸部材27と、該キャップ部材26を昇降可能な図示しない昇降装置とを備えている。そして、記録ヘッド19がキャップ部材26の真上に位置するようにキャリッジ16をホームポジション領域に移動させた状態で、キャップ部材26を昇降装置によって上昇させることで、該キャップ部材26が記録ヘッド19に対して各ノズル20を囲うように当接(キャッピング)するようになっている。
キャップ部材26は、前後方向に長い略矩形板状の硬質の合成樹脂よりなる底壁28と、該底壁28の上面における周縁部に沿って立設されたエラストマーよりなる略矩形枠状の周壁29とを備えている。キャップ部材26の内底面28a(底壁28の上面)上における前後方向の中央部には、平面視で前後方向に長い平面視矩形状をなす凹部30が形成されている。左右方向において、凹部30の幅はキャップ部材26の内底面28aの幅よりも僅かに狭くなるように設定されている。
凹部30の内底面30aにおける前後方向の中央部には底壁28を貫通するように上下方向に延びる四角筒状の貫通部31が設けられるとともに、該貫通部31の内側は貫通孔32とされている。したがって、貫通孔32はキャップ部材26の内外を連通している。貫通部31の上端側は凹部30の内底面30aよりも上側に突出しているとともに、貫通部31の下端側は底壁28の下面よりも下側に突出している。そして、貫通部31における凹部30の内底面30aよりも上側に突出した部分は凸部31aとされている。
したがって、凹部30の内底面30a(キャップ部材26の内底面28a)上には、四角枠状の凸部31aが平面視で四角形状をなす貫通孔32を囲むように設けられていると言える。この場合、凸部31aは、その上端面が凹部30の上端とほぼ同じ高さになるように設定されている。凸部31aの前後方向の両側壁の上面における左右方向の中央部には、前後方向から見て矩形状をなす切欠部31bがそれぞれ設けられている。なお、キャップ部材26の貫通孔32には、軸部材27が挿嵌されている。
図2及び図5に示すように、軸部材27は、エラストマーによって構成されるとともに、貫通孔32に挿嵌される四角柱状の挿嵌部33と、該挿嵌部33の上端に一体に形成された平面視略矩形板状をなす液体浸入抑制部としての笠部34とを備えている。この場合、軸部材27は、挿嵌部33の上端が笠部34の下面中央部に連結された態様になっているため、左右方向から見て略T字状をなしている。
挿嵌部33の上端部における左側部には、切欠凹部35が形成されている。挿嵌部33の下端部におけるやや後寄りの位置には、該挿嵌部33を左右方向に貫通する貫通路36が形成されている。挿嵌部33の左側面(外周面)には、貫通路36から切欠凹部35まで延びる溝としての第1溝37が形成されている。すなわち、第1溝37は、蛇行するように延びるとともに、貫通路36と切欠凹部35とを連通している。
第1溝37の上端側の開口部37aは、上下方向において切欠凹部35を挟んで笠部34の下面と対向している。挿嵌部33の前後両側面における左右方向の中央部を挟んだ左右両側に前後方向から見て矩形状をなす凹部38が対をなすようにそれぞれ形成されている。この場合、各凹部38は、挿嵌部33の前後両側面における上端部、下端部、及び左右方向の中央部を除く領域に形成されている。
図6に示すように、挿嵌部33の右側面(外周面)の下端部におけるやや後寄りの位置には、挿嵌部33の左側面から延びる貫通路36が開口している。挿嵌部33の左側面には、溝としての第2溝39が形成されている。すなわち、第2溝39は、貫通路36から上側に向かって真っ直ぐに延びてから前側にUターンして下側に向かって蛇行しながら延びた後、真下に向かって真っ直ぐに延びて挿嵌部33の下面まで達している。つまり、第2溝39は、その一端側が貫通路36に開口するとともに、他端側が挿嵌部33の下面に開口している。
図2及び図7に示すように、笠部34の下面における挿嵌部33を挟んだ前後両側には、前後方向に延びる凸条40が対をなすように突設されている。各凸条40は、笠部34の下面の左右方向におけるほぼ中央に位置している。各凸条40は、軸部材27の挿嵌部33を貫通孔32に挿嵌した際に、キャップ部材26の凸部31aの各切欠部31bに挿入されるようになっている。そして、各凸条40は、笠部34の下面からの突出長さが各切欠部31bの深さよりも若干長くなるように設定されている。
図5及び図6に示すように、笠部34の上面において、左側端縁部、右側端縁部における前後両端部には、他の部位よりも若干低くなるように段差部41が形成されている。各段差部41の前後方向における外側の端部は、それぞれ下側に向かって直角に屈曲してから前後方向における外側に向かって下降するように傾斜している。なお、笠部34における各段差部41以外の前後両端部は、下側に向かってほぼ直角に屈曲している。
図8及び図9に示すように、軸部材27の挿嵌部33を貫通孔32に挿嵌して該軸部材27をキャップ部材26に装着した場合には、挿嵌部33の外周面が貫通部31の内周面31c(貫通孔32の内周面)と密着するようになっている。このとき、貫通部31の内周面31cと第1溝37とで囲まれた空間、貫通部31の内周面31cと第2溝39とで囲まれた空間、及び貫通路36により、キャップ部材26の内外を連通する連通路が構成される。すなわち、この連通路により、キャップ部材26内が大気開放される。
次に、軸部材27をキャップ部材26に装着する際の作用について説明する。
さて、軸部材27をキャップ部材26に装着するには、まず、軸部材27の挿嵌部33を貫通孔32に挿嵌する。すると、キャップ部材26の凸部31aの各切欠部31bに軸部材27の各凸条40が挿入される。このとき、各凸条40は、笠部34の下面からの突出長さが各切欠部31bの深さよりも若干長くなるように設定されているため、各切欠部31bの底面に当接しても該各切欠部31bから少しはみ出した状態になる。
このため、各凸条40により、軸部材27の挿嵌部33が貫通孔32に過剰に挿入されることがなくなるので、軸部材27の笠部34の下面とキャップ部材26の凸部31aの上面とが接触することがなくなる。この結果、軸部材27の笠部34によって、第1溝37の上端側の開口部37aが塞がれることが回避されるので、連通路を介したキャップ部材26内の大気開放状態が維持される。
このように、キャップ部材26の各切欠部31bに軸部材27の各凸条40がそれぞれ挿入されることで、キャップ部材26に対する軸部材27の上下方向及び左右方向における位置決めがなされる。さらに、キャップ部材26の貫通孔32が平面視で四角形状をなすとともに軸部材27の挿嵌部33が四角柱状をなしているため、挿嵌部33を貫通孔32に挿嵌することで、キャップ部材26に対する軸部材27の軸線を中心とした回転方向の位置決めもなされる。
また、軸部材27の挿嵌部33の前後両側面には凹部38がそれぞれ形成されているため、該前後両側面においては上端部、下端部、及び左右方向の中央部が突出した状態になっている。すなわち、挿嵌部33の前後両側面ではこれら上端部、下端部、及び左右方向の中央部の各部位が相対的に突出状態にある。加えて、軸部材27はエラストマーによって構成されているため、挿嵌部33は可撓性を有している。
したがって、挿嵌部33が貫通孔32に挿嵌された状態では、挿嵌部33の前後両側面における突出状態にある各部位が貫通部31の内周面31c(貫通孔32の内周面)に対して確実に密着するため、挿嵌部33の前後両側面と貫通部31の内周面31cとのシール状態が安定する。
次に、インクジェット式プリンター11の印刷休止時及び不使用時の作用について説明する。
さて、インクジェット式プリンター11の印刷休止時や不使用時には、記録ヘッド19の各ノズル20内のインクの水分(溶媒成分)の蒸発を抑制するため、キャリッジ16をホームポジション領域に移動させた後、記録ヘッド19に対して各ノズル20を囲うように放置キャップ装置25を当接させた状態(キャッピング状態)に維持される。
このとき、キャップ部材26内が完全に密閉されていると、各ノズル20内のインク中の水分蒸発の抑制効果(保湿効果)は高まるが、周囲の温度などの環境変化に伴ってキャップ部材26内の圧力が変動した場合に、各ノズル20内のインクのメニスカスが破壊されてしまうことがある。
この点、本実施形態では、キャップ部材26に軸部材27を装着することで、該キャップ部材26の内外を連通する連通路が得られるため、該連通路を介してキャップ部材26内が大気開放される。このため、周囲の温度などの環境が変化してもキャップ部材26内の圧力変動が抑制されるので、各ノズル20内のインクのメニスカスが破壊されることが抑制される。
この場合、連通路を構成する第1溝37及び第2溝39は、挿嵌部33の4つの側面(外周面)のうち左右の2つの側面にそれぞれ形成されている。すなわち、連通路は、貫通部31の内周面31cと第1溝37とで囲まれた空間、貫通部31の内周面31cと第2溝39とで囲まれた空間、及び貫通路36によって構成されているため、キャップ部材26の範囲内に収まっている。加えて、連通路は、第1溝37に沿って延びてから挿嵌部33を貫通した後に第2溝39に沿って延びている。したがって、放置キャップ装置25では、連通路がコンパクトでありながら、該連通路の距離も十分に確保されてキャップ部材26内の保湿効果も得られる。
この結果、放置キャップ装置25は、大型化することなく、キャップ部材26内を保湿しつつ大気開放することができる。すなわち、放置キャップ装置25は、インクジェット式プリンター11の印刷休止時や不使用時に記録ヘッド19のキャッピングを行うことで、各ノズル20内のインク中の水分の蒸発を抑制しつつ、キャップ部材26内の圧力変動を抑えて各ノズル20内のインクのメニスカスが破壊されることを抑制することができる。
また、放置キャップ装置25による記録ヘッド19のキャッピング中に、インクジェット式プリンター11が揺らされたり衝撃を受けたりすると、各ノズル20内からインクがキャップ部材26内に滴下する場合がある。しかしながら、このような場合でも、放置キャップ装置25では、第1溝37の開口部37aが笠部34の下側に位置しているため、各ノズル20内から滴下したインクが該開口部37aから連通路内に浸入することが該笠部34によって抑制される。
このとき、各ノズル20内から笠部34の上面に滴下したインクが左右方向に流れた場合、該インクは各段差部41によって受け止められて前後方向に導かれる。このため、各ノズル20内から笠部34の上面に滴下したインクが左右方向から笠部34の下面を伝って挿嵌部33まで達することが抑制される。したがって、連通路がインクで目詰まりすることが抑制されるので、該連通孔を介したキャップ部材26内の大気連通状態が維持される。
またさらに、放置キャップ装置25による記録ヘッド19のキャッピング中に、キャップ部材26内にインクが少し多めに滴下された場合には、該インクがキャップ部材26の内底面28a、すなわち凹部30の内底面30aに溜まる場合がある。しかしながら、このような場合でも、放置キャップ装置25では、凹部30の内底面30a上に凸部31aが貫通孔32を囲むように設けられているため、凹部30の内底面30aに溜まったインクが流れて貫通孔32が該インクに晒されたり該インクが第1溝37の開口部37aから連通路内に浸入したりすることが該凸部31aによって抑制される。このため、連通路がインクで目詰まりすることが抑制されるので、該連通孔を介したキャップ部材26内の大気連通状態が維持される。
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)放置キャップ装置25において、キャップ部材26の内外を連通する連通路は、貫通部31の内周面31cと第1溝37とで囲まれた空間、貫通部31の内周面31cと第2溝39とで囲まれた空間、及び貫通路36によって構成されている。このため、キャップ部材26の範囲内で連通路の距離を十分に確保することができる。したがって、放置キャップ装置25を大型化することなく、キャップ部材26内を保湿しつつ大気開放することができる。
(2)放置キャップ装置25において、キャップ部材26の内外を連通する連通路を構成する第1溝37及び第2溝39は軸部材27の挿嵌部33の左右両側面に形成されるため、該連通路を容易に形成することができるとともに該連通路の距離を効果的に稼ぐことができる。
(3)放置キャップ装置25において、キャップ部材26の内外を連通する連通路は、第1溝37と第2溝39とが軸部材27の挿嵌部33を貫通する貫通路36を介して連通した構成になっているため、該連通路の距離を容易に稼ぐことができる。
(4)放置キャップ装置25において、軸部材27は第1溝37の開口部37aをその上側で覆う笠部34を備えているため、各ノズル20からキャップ部材26内にインクが滴下した場合に、該笠部34によって該滴下したインクが第1溝37の開口部37aから連通路に浸入することを抑制することができる。この結果、インクによって連通路が目詰まりすることを抑制することができるので、キャップ部材26内を大気連通状態に維持することができる。
(5)放置キャップ装置25において、軸部材27の挿嵌部33は四角柱状をなすとともに、貫通孔32は平面視で該挿嵌部33と対応する四角形状をなしている。このため、軸部材27の挿嵌部33を貫通孔32に挿嵌した際に、貫通孔32に対する軸部材27の軸線を中心とした回転方向の位置決めを行うことができる。
(6)放置キャップ装置25において、軸部材27はエラストマーによって構成されているため、軸部材27の挿嵌部33を貫通孔32に挿嵌した際に、挿嵌部33の外周面と貫通部31の内周面31c(貫通孔32の内周面)との密着性を高めることができる。この結果、連通路における両端の開口部以外の密閉性を高めることができる。
(7)放置キャップ装置25において、キャップ部材26の凹部30の内底面30a上には、凸部31aが貫通孔32を囲むように設けられている。このため、各ノズル20からキャップ部材26内にインクが多めに滴下して凹部30の内底面30aに溜まった場合に、該インクが内底面30a上を流れて貫通孔32に達することを凸部31aによって抑制することができる。したがって、貫通孔32がインクに晒されたりインクが第1溝37の開口部37aから連通路内に浸入したりすることを抑制することができる。この結果、連通路がインクで目詰まりすることを抑制できるので、該連通孔を介したキャップ部材26内の大気連通状態を維持することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・放置キャップ装置25において、軸部材27の各凸条40及びキャップ部材26の切欠部31bのうち少なくとも一方を省略してもよい。この場合、キャップ部材26に軸部材27を装着した際に、軸部材27の笠部34によって、第1溝37の上端側の開口部37aが塞がれないようにする必要がある。
・キャップ部材26の凸部31aは省略してもよい。
・軸部材27は必ずしもエラストマーで構成する必要はなく、例えば硬質の合成樹脂や金属で構成してもよい。
・軸部材27の挿嵌部33を円柱状や楕円柱状にしてもよい。この場合、挿嵌部33の外周面には連通路を構成する溝を螺旋状に形成することが好ましい。さらにこの場合、貫通孔32の形状も挿嵌部33の形状に対応させる必要がある。
・軸部材27の挿嵌部33を四角柱状以外の多角柱状(例えば、三角柱状や六角柱状など)にしてもよい。この場合、貫通孔32の形状も挿嵌部33の形状に対応させる必要がある。さらにこの場合、挿嵌部33の複数の側面のうち少なくとも1つに連通路を構成する溝を形成してもよい。
・軸部材27において、笠部34を省略してもよい。
・軸部材27において、貫通路36を省略してもよい。この場合、第1溝37の下端側の開口部が大気開放されるとともに、第2溝39が省略される。
・キャップ部材26の貫通部31の内周面31c(貫通孔32の内周面)に連通路を構成する溝を形成するようにしてもよい。この場合、軸部材27の挿嵌部33の外周面に形成された第1溝37及び第2溝39は省略してもよいし省略しなくてもよい。
・キャップ部材26の周壁29に貫通孔32を形成するようにしてもよい。この場合、周壁29における貫通孔32を形成する部分は硬質の合成樹脂で構成することが好ましい。この場合、軸部材27から笠部34が省略されるとともに、周壁29の内周面における貫通孔32の直ぐ上側に板状の屋根が液体浸入抑制部として突設される。
・インクジェット式プリンター11において、ターゲットは、プラスチックフィルム、布、金属箔などであってもよい。
・上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式プリンター11に具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
11…液体噴射装置としてのインクジェット式プリンター、19…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、20…ノズル、25…キャップ装置(キャッピング手段)としての放置キャップ装置、26…キャップ部材、27…軸部材、28…底壁、31a…凸部、31c…連通路を構成する貫通部31の内周面(貫通孔32の内周面)、32…貫通孔、36…連通路を構成する貫通路、37…連通路を構成する溝としての第1溝、39…連通路を構成する溝としての第2溝、34…液体浸入抑制部としての笠部、P…ターゲットとしての記録用紙。

Claims (7)

  1. ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドに対して前記ノズルを囲うように当接可能に構成されるとともに貫通孔を有する有底箱状のキャップ部材と、
    前記貫通孔に挿嵌可能な軸部材と、
    前記貫通孔の内周面及び前記軸部材の外周面のうち少なくとも一方に形成され、前記キャップ部材の内外を連通する連通路を構成する溝と
    を備え
    前記軸部材は多角柱状をなすとともに、前記貫通孔は前記軸部材と対応する多角形状をなしていることを特徴とするキャップ装置。
  2. 前記溝は、前記軸部材の外周面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ装置。
  3. 前記連通路は、前記軸部材を貫通していることを特徴とする請求項2に記載のキャップ装置。
  4. 前記軸部材は、前記ノズルから前記キャップ部材内に前記液体が滴下した場合に該液体が前記連通路に浸入することを抑制する液体浸入抑制部を備えていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のキャップ装置。
  5. 前記軸部材の複数の側面のうち少なくとも2つに前記溝が形成されていることを特徴とする請求項に記載のキャップ装置。
  6. 前記貫通孔は前記キャップ部材の底壁に設けられ、前記キャップ部材の内底面上には凸部が前記貫通孔を囲むように設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載のキャップ装置。
  7. ノズルからターゲットに液体を噴射可能な液体噴射ヘッドと、
    前記ノズルを囲うように前記液体噴射ヘッドのキャッピングを行うキャッピング手段と
    を備え、
    前記キャッピング手段を請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載のキャップ装置によって構成したことを特徴とする液体噴射装置。
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