JP5644426B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータの動力を、ステアリング操作を補助するためのアシスト力としてラック軸に付与する電動パワーステアリング装置に関する。
この種の電動パワーステアリング装置(EPS)としては、例えば、特許文献1が挙げられる。特許文献1の電動パワーステアリング装置において、ラック軸が収容されたギヤハウジングには、電動モータがカラー(エンドハウジング)を介して固定されている。そして、電動モータの駆動により発生する動力は、ベルト式伝動機構を介してラック軸に伝達されるようになっている。図5の模式図に示すように、ベルト式伝動機構は、電動モータ90により回転駆動される入力プーリ91と、ラック軸にボールねじ機構を介して連結される出力プーリ92と、入力プーリ91及び出力プーリ92に掛け渡されたベルト93と、からなる。
また、電動パワーステアリング装置は、ベルト93の張力調整部(ベルトの張力調整機構)を備える。この張力調整部は、カラー94の一対の結合部位95それぞれに形成されたボルト挿通孔95a,95bより構成される。2つのボルト挿通孔95a,95bのうち一方(図5では左方)のボルト挿通孔95aは円孔状に形成され、他方(図5では右方)のボルト挿通孔95bは上下方向に延びる長孔状に形成されている。各ボルト挿通孔95a,95bに挿通された調整ボルトB(図5では、他方のボルト挿通孔95bに挿通された調整ボルトBのみ図示)は、ギヤハウジングに螺合される。
そして、ベルト93の張力調整は、円孔状のボルト挿通孔95aを揺動支点として、カラー94をギヤハウジングに対して揺動させる。このとき、カラー94は、長孔状のボルト挿通孔95bの長さにより許容される調整域T内において揺動される。そして、カラー94の揺動により、入力プーリ91の回転中心線91aと、出力プーリ92の回転中心線92aとの距離Dが調整され、ベルト93の張力が適切に調整されたならば、各調整ボルトBをギヤハウジングに螺合することで、ベルト93の張力調整が完了する。
特開2005−343434号公報
ところで、入力プーリ91は、ベルト93の張力により出力プーリ92側へ常時引張られている。そして、特許文献1の電動パワーステアリング装置においては、長孔状のボルト挿通孔95bの長さ方向が、入力プーリ91が出力プーリ92側へ引張られる方向に延びている。このため、ベルト93の張力により、電動モータ90が長孔状のボルト挿通孔95bに沿って出力プーリ92側へ引き寄せられ、ベルト93が緩んで張力が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ベルト張力の低下を防止することができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ラック軸を収容するハウジングには、該ハウジングを貫通した固定部材がモータに固定されることにより前記モータが固定され、前記モータの駆動により発生する動力を該モータの出力軸からベルトを介して前記ラック軸に伝達し、前記動力を、ステアリング操作を補助するためのアシスト力として前記ラック軸に付与する電動パワーステアリング装置において、前記ベルトの張力調整機構として、円形状の調整ピン挿通孔を前記ハウジングに有するとともに、前記調整ピン挿通孔に挿通される調整ピンを有しており、前記調整ピンに、前記調整ピン挿通孔に回転可能に挿通支持される軸部が形成されるとともに、前記軸部の中心から偏心した位置に、前記固定部材を前記モータに固定するために該固定部材が挿通される貫通孔が形成され、前記ハウジングには、前記固定部材とは別の固定部材が挿通される挿通孔が形成されるとともに、該挿通孔は長孔状に形成されていることを要旨とする。
上記発明によれば、調整ピンを調整ピン挿通孔内で回転させると、固定部材が軸部の中心を回転中心として公転し、この公転に伴い固定部材が固定されたモータも移動する。このため、モータの出力軸がラック軸に対し移動し、両軸間の距離が変化する結果、ベルト張力が調整される。ベルト張力を調整した状態では、ベルト張力により、モータの出力軸にはラック軸側への引寄せ力が作用するとともに、そのモータをハウジングに固定する固定部材にもラック軸側への引寄せ力が作用している。このとき、固定部材は調整ピンに挿通支持され、その調整ピンは円形状の調整ピン挿通孔に挿通支持されており、引寄せ力によって引寄せられる側に位置する調整ピンの端面は、調整ピン挿通孔の内面に当接し、常時支持されている。このため、固定部材に引寄せ力が作用していても固定部材がラック軸側へ移動することが防止され、ベルト張力の低下が防止される。
上記発明によれば、ベルトの張力調整の際、調整ピンを回転させモータを移動させると、別の固定部材が、挿通孔の長さ方向へ移動する。よって、挿通孔の長さ分だけモータの移動が許され、ベルト張力を調整することができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記ハウジングには前記出力軸が挿通される出力軸収容孔が形成されるとともに、前記ラック軸が挿通されるラック軸収容孔が形成され、前記出力軸収容孔とラック軸収容孔の中心軸同士を結ぶ直線を中央線とすると、前記挿通孔は、該挿通孔の中心線が前記中央線に対し交差するように形成されていることを要旨とする。
上記発明によれば、出力軸に対し、ベルトの張力に基づくラック軸側への引寄せ力が作用しても、挿通孔内面が別の固定部材に接触して、モータの移動を抑制し、ベルトの張力低下の防止に貢献することができる。
本発明によれば、ベルト張力の低下を防止することができる。
電動パワーステアリング装置の概略構成図。 (a)はベルトの張力調整機構を示す分解斜視図、(b)は調整ピンを示す斜視図。 (a)〜(c)は調整ピンを回転させてベルト張力を調整した状態の正面図。 ベルトの張力調整機構を示す図3(b)の4−4線断面図。 背景技術を示す模式図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置(EPS)10において、ラック軸11が挿通されるハウジング12は、ラック軸11のほぼ全体が収容される略円筒状の第1ハウジング14と、ラック軸11の一部が収容される略円筒状の第2ハウジング15とを接合して形成されている。また、第1ハウジング14の第2ハウジング15側外周面には、モータとしての電動モータ40をハウジング12に固定するためのエンドハウジング13が形成されている。
ハウジング12内において、ラック軸11の両端には、ラックエンド16を介してタイロッド17が連結されている。なお、本実施形態のラックエンド16には、周知のボールジョイントが用いられている。そして、タイロッド17の先端は、転舵輪18を支承するナックル(図示略)に連結されている。
また、ハウジング12内には、ステアリングシャフト19の基端側を構成するピニオン軸20がラック軸11と交差する状態で回転自在に支承されている。なお、本実施形態のステアリングシャフト19は、ピニオン軸20、及び一端にステアリング21が設けられたコラムシャフト22、並びにピニオン軸20とコラムシャフト22を接続するインターミディエイトシャフト23により構成されている。そして、ラック軸11の周面に形成されたラック歯11aは、このピニオン軸20と噛合されている。
すなわち、ラック軸11は、周知のラック&ピニオン機構24を介してステアリングシャフト19と連結されており、ステアリング21の操作に伴うステアリングシャフト19の回転は、このラック&ピニオン機構24によりラック軸11の往復動に変換される。そして、ラック軸11の軸方向への移動により、転舵輪18の舵角が変更される。
本実施形態のEPS10は、ボール螺子装置30を用いて電動モータ40の回転(動力)をラック軸11の往復動に変換することにより、操舵系にアシスト力を付与する所謂ラックアシスト型のEPSとして構成されている。より詳しくは、電動モータ40の出力軸40aと、ラック軸11とが互いの回転中心線P1,P2がほぼ平行となるようにハウジング12に対し電動モータ40が配置されたラックパラレル型のEPSとして構成されている。
ラック軸11は、その外周に螺子溝が螺刻された螺子部11bを形成することにより、螺子軸として構成されている。そして、ボール螺子装置30は、この螺子部11bに複数のボール32を介してボール螺子ナット33を螺合することにより形成されている。
また、ボール螺子ナット33は、従動プーリ34と一体回転可能に構成されるとともに、この従動プーリ34の径方向外側には、ベルト35を介して駆動連結された駆動プーリ36が並列配置されている。そして、電動モータ40の出力軸40aには駆動プーリ36が連結されるとともに、この駆動プーリ36と従動プーリ34にはベルト35が掛け渡されている。電動モータ40における出力軸40aの回転動力は、駆動プーリ36、ベルト35、及び従動プーリ34を介してボール螺子ナット33に伝達されるとともに、ボール螺子ナット33のラック軸11に対する相対回転がラック軸11の往復動に変換される。したがって、本実施形態のEPS10は、従動プーリ34、ベルト35、及び駆動プーリ36からなるベルト式伝達機構を介して、モータトルクに基づく軸方向の押圧力(駆動力)を、ステアリング操作を補助するためのアシスト力(補助操舵力)として操舵系に付与する構成になっている。
次に、本実施形態のEPS10におけるベルト35の張力調整機構について説明する。
まず、電動モータ40側のベルト張力調整機構について説明する。図2(a)に示すように、電動モータ40において、モータハウジング41からの出力軸40aの突出側端面には、エンドプレート42が接合されている。このエンドプレート42の一端面には、出力軸40aを回転可能に支持する円筒状の支持部42aが突設されるとともに、エンドプレート42には、板状をなす一対のフランジ部43が支持部42aより外方へ延設されている。各フランジ部43それぞれにはネジ孔43aが形成されている。
次に、第1ハウジング14側のベルト35の張力調整機構について説明する。
図2(a)及び図3(a)に示すように、第1ハウジング14には、ラック軸11が収容されるラック軸収容孔14aが形成されるとともに、エンドハウジング13には、電動モータ40の出力軸40aが収容される出力軸収容孔13aが形成されている。また、第1ハウジング14において、エンドハウジング13の外周面には、それぞれ板状をなす第1モータ取付部50(図2(a)及び図3(a)では左側)と第2モータ取付部51(図2(a)及び図3(a)では右側)が、出力軸収容孔13aを挟んで互いに相反する方向へ延びるように形成されている。第1モータ取付部50には、長孔状をなす挿通孔としてのボルト挿通孔50aが形成されている。
ここで、第1ハウジング14において、出力軸収容孔13aの中心軸L1と、ラック軸収容孔14aの中心軸L2とを結ぶ仮想線(直線)を、第1ハウジング14の中央線Cとする。この場合、ボルト挿通孔50aの長さ方向に延びる中心線Nは、上記中央線Cに対して斜めに交差するようになっている。そして、ボルト挿通孔50aには、電動モータ40を固定するための別の固定部材としての第1ボルト52が挿通されるとともに、ボルト挿通孔50aを介して第1モータ取付部50(ハウジング12)を貫通した第1ボルト52は電動モータ40のネジ孔43aに螺合されようになっている。
第2モータ取付部51には、円孔状をなす調整ピン挿通孔51aが形成されている。また、第2モータ取付部51において、調整ピン挿通孔51aの周囲には、被掛止部としての掛止凹部51bが、調整ピン挿通孔51aを取り囲むように円環状に形成されている。
図2(b)に示すように、調整ピン挿通孔51aに挿通される調整ピン55は、円筒状をなす軸部56と、この軸部56の一端外周面から外方へ延設された正六角形状の頭部57とから形成され、この頭部57は軸部56より大径に形成されている。軸部56の外周面にはネジは形成されておらず、また、軸部56の外径は調整ピン挿通孔51aの孔径より若干小さく設定されている。このため、軸部56は、調整ピン挿通孔51a内では、その径方向への移動が規制された状態で回転可能に支持されている。
調整ピン55には、その頭部57から軸部56全体を貫通する貫通孔58が形成されている。貫通孔58は、その中心C1が軸部56の中心C2から外方へずれた位置に形成され、貫通孔58は軸部56に対し偏心した位置に形成されている。また、頭部57の裏面には、一対の円錐状をなす掛止部57aが軸部56を挟んだ位置から突設されている。この掛止部57aは、調整ピン55を調整ピン挿通孔51a内に挿通した状態で、第2モータ取付部51の掛止凹部51bに掛止可能に形成されている。
図4に示すように、調整ピン55の貫通孔58には、固定部材としての第2ボルト53が挿通されるとともに、調整ピン挿通孔51aを介して第2モータ取付部51(ハウジング12)を貫通した第2ボルト53は電動モータ40のネジ孔43aに螺合されるようになっている。調整ピン55は、ネジ孔43aに螺合された第2ボルト53に対して相対回転可能になっている。そして、本実施形態では、第2モータ取付部51の調整ピン挿通孔51a、調整ピン55、及び第2ボルト53によりベルト35の張力調整機構が構成されている。
次に、上記エンドハウジング13に対する電動モータ40の固定構造について説明する。第1ボルト52は、第1モータ取付部50のボルト挿通孔50aに挿通されるとともに、第1モータ取付部50を貫通して電動モータ40のネジ孔43aに螺合されている。また、調整ピン55は、第2モータ取付部51の調整ピン挿通孔51aに挿通されるとともに、この調整ピン55の貫通孔58を貫通した第2ボルト53は、電動モータ40のネジ孔43aに螺合されている。また、第2ボルト53をネジ孔43aに螺合した状態では、頭部57の掛止部57aが、第2モータ取付部51の掛止凹部51bに掛止して、調整ピン55の回転を規制している。そして、第1及び第2ボルト52,53のネジ孔43aに対する螺合により、電動モータ40がエンドハウジング13に固定されている。
次に、ベルト35の張力調整について説明する。
まず、第2ボルト53を、ネジ孔43aから若干螺退させるとともに、掛止部57aが掛止凹部51bから外れるまで調整ピン55を調整ピン挿通孔51aから後退させる。なお、調整ピン55は、調整ピン挿通孔51aから後退させつつも調整ピン挿通孔51aでは回転可能に挿通支持されている。そして、調整ピン55の頭部57を工具(六角レンチ等)で把持して、調整ピン55を調整ピン挿通孔51a内で回転させると、第2ボルト53が軸部56(調整ピン55)の中心C2を回転中心として中心C2の回りを公転する。すると、第2ボルト53が螺合された電動モータ40が、第2ボルト53の公転に伴い移動する。このとき、電動モータ40の移動に伴い、電動モータ40に螺合されたもう1つの第1ボルト52も移動するが、その第1ボルト52の移動は長孔状のボルト挿通孔50aにより許される。そして、ボルト挿通孔50a内での第1ボルト52の移動により、電動モータ40は第1ボルト52を支点として揺動する。
図3(a)に示すように、第2ボルト53が調整ピン挿通孔51a内の下寄り(ラック軸11寄り)に位置するように調整ピン55を回転させると、電動モータ40はラック軸11に近付くように移動する。すると、出力軸収容孔13a内では、出力軸40a及び駆動プーリ36が、共にラック軸11及び従動プーリ34に近付くように移動する。その結果、出力軸40a(駆動プーリ36)の回転中心線P1と、ラック軸11(従動プーリ34)の回転中心線P2との間の距離はD1に調整される。
図3(b)に示すように、調整ピン55を回転させ、第2ボルト53を調整ピン挿通孔51a内の左寄り(出力軸40a寄り)に位置させると、電動モータ40はラック軸11から若干離れるように移動する。すると、出力軸収容孔13a内では、出力軸40a及び駆動プーリ36が、共にラック軸11及び従動プーリ34から若干離れるように移動する。その結果、出力軸40a(駆動プーリ36)の回転中心線P1と、ラック軸11(従動プーリ34)の回転中心線P2との間の距離はD2に調整される。この距離D2は、上記の距離D1より若干長くなる。
図3(c)に示すように、調整ピン55を回転させ、第2ボルト53を調整ピン挿通孔51a内の上寄り(ラック軸11から離れた位置)に位置させると、電動モータ40はラック軸11から離れるように移動する。すると、出力軸収容孔13a内では、出力軸40a及び駆動プーリ36が、共にラック軸11及び従動プーリ34から離れるように移動する。その結果、出力軸40a(駆動プーリ36)の回転中心線P1と、ラック軸11(従動プーリ34)の回転中心線P2との間の距離はD3に調整される。この距離D3は、距離D1,D2より若干長くなる。
そして、電動モータ40を移動させて、出力軸40a及び駆動プーリ36と、ラック軸11及び従動プーリ34との距離を調整し、ベルト35の張力が適正な張力に調整されたら、調整ピン55の軸部56を調整ピン挿通孔51a内に挿入するとともに、掛止部57aを掛止凹部51bに掛止させる。その後、第2ボルト53の位置が変動しないようにしながら第1ボルト52及び第2ボルト53をフランジ部43のネジ孔43aに増し締めし、第1及び第2ボルト52,53によりエンドハウジング13に電動モータ40を固定する。
次に、ベルト35の張力調整機構の作用について説明する。
図3(a)〜(c)に示すように、ベルト35の張力が調整され、かつ電動モータ40がエンドハウジング13に固定された状態では、ベルト35の張力により、駆動プーリ36(電動モータ40)には、従動プーリ34側への引寄せ力が作用している。よって、電動モータ40をエンドハウジング13に固定する第2ボルト53に対しても、ベルト35の張力に基づく従動プーリ34側への引寄せ力が電動モータ40を介して作用している。このとき、第2ボルト53は調整ピン55に挿通支持され、その調整ピン55は円筒状の軸部56が、円形状の調整ピン挿通孔51aに挿通された状態で調整ピン挿通孔51a内に支持されている。すなわち、第2ボルト53を支持する調整ピン55は、その軸部56の外周側に調整ピン挿通孔51aの内面が位置し、引寄せ力によって引寄せられる側に位置する調整ピン55の周面(端面)は、調整ピン挿通孔51aの内面に当接して常時支持されている。このため、第2ボルト53に引寄せ力が作用していても、その第2ボルト53を支持する調整ピン55が従動プーリ34側へ移動することが防止されることから、第2ボルト53が従動プーリ34側へ移動することが防止される。その結果、駆動プーリ36が従動プーリ34側へ引寄せられることがなく、その引寄せに基づいたベルト35の緩みが防止される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ベルト35の張力調整機構において、調整ピン55の軸部56は円形状の調整ピン挿通孔51aに挿通支持されるとともに、調整ピン55の回転に伴い公転する第2ボルト53は、調整ピン55の中心C2から偏心した位置に挿通されている。このため、電動モータ40に固定された第2ボルト53に対し、ベルト35の張力に基づく従動プーリ34側への引き寄せ力が作用しても、第2ボルト53が従動プーリ34側へ移動することが防止され、駆動プーリ36が従動プーリ34側へ引寄せられない結果として、ベルト35の張力が低下することを防止することができる。
(2)第2ボルト53は、軸部56の中心C2から偏心した位置に挿通されるとともに、調整ピン55は、円形状の調整ピン挿通孔51a内に回転可能に挿通されている。そして、ベルト35の張力調整は、調整ピン55を調整ピン挿通孔51a内で回転させて第2ボルト53を公転させることで行われる。したがって、本実施形態の張力調整機構は、背景技術のように、ベルト張力の調整が、ベルト張力による引寄せ力の作用する方向へ延びる長孔を用いて行われる場合とは異なり、張力調整のために用いられていた長孔そのものが廃止されている。よって、本実施形態では、第2ボルト53に対し従動プーリ34側への引き寄せ力が作用しても、背景技術のように電動モータ40が長孔に沿って移動してしまうことはなく、ベルト35の張力の低下が発生しない。
(3)調整ピン55において、円筒状の軸部56には、軸部56より大径の頭部57が一体形成されている。この頭部57を工具で把持し、その工具を操作することで、調整ピン55を簡単に回転させることができ、ベルト35の張力調整を簡単に行うことができる。
(4)調整ピン55の頭部57に掛止部57aを形成し、第2ボルト53をネジ孔43aに増し締めしたとき、掛止部57aを第2モータ取付部51に形成された掛止凹部51bに掛止させた。この掛止により、電動モータ40の振動等による調整ピン55の回転を防止することができ、調整ピン55の回転に伴い第2ボルト53が移動することを防止して、ベルト35の張力の低下を防止することができる。
(5)ベルト35の張力調整機構において、電動モータ40をエンドハウジング13に固定するため、第2ボルト53に加え、第1ボルト52を用いた。この第1ボルト52は、エンドハウジング13の第1モータ取付部50に形成された長孔状のボルト挿通孔50aに挿通される。そして、ベルト35の張力調整の際は、ボルト挿通孔50aの長さ分だけ電動モータ40の移動が許される。ここで、ボルト挿通孔50aの中心線Nは、第1ハウジング14の中央線Cに対して斜めに交差するようになっている。このため、駆動プーリ36に対し、ベルト35の張力に基づく従動プーリ34側への引寄せ力が作用しても、ボルト挿通孔50a内面が第1ボルト52に接触して、電動モータ40の移動を抑制し、ベルト35の張力低下の防止に貢献することができる。
(6)ベルト35の張力調整機構は、第2モータ取付部51に形成した調整ピン挿通孔51a、ボルト状の調整ピン55、及び第2ボルト53からなる。そして、調整ピン挿通孔51aを所定形状に形成し、調整ピン55の所定位置に貫通孔58を形成するといった簡単、かつ安価な構成でベルト35の緩みを防止することができる。
(7)調整ピン55の軸部56を円筒状に形成し、その軸部56の中心C2から偏心した位置に貫通孔58を形成した。そして、中心C2を回転中心として調整ピン55を回転させ、その回転に伴う第2ボルト53の位置変化によりベルト35の張力を調整する。第2ボルト53の位置は、第2ボルト53の回転軌跡上の任意の位置となるため、微妙な張力調整を可能にする。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、ボルト挿通孔50aを長孔状に形成したが、ベルト35の張力調整の際に、調整ピン55の回転に伴う電動モータ40の移動を許すのであれば、ボルト挿通孔50aの形状は長孔状に限定されない。
○ 実施形態では、掛止部57aを頭部57に2つだけ形成したが、掛止部57aの数は任意に変更してもよい。
○ 実施形態では、掛止部57aが掛止する掛止凹部51bを第2モータ取付部51に形成したが、掛止凹部51bは無くてもよく、この場合は、以下のように変更してもよい。掛止部57aを、第2モータ取付部51(ハウジング12)における調整ピン挿通孔51aの周囲に嵌入させることで、第2モータ取付部51を塑性変形させ、その塑性変形した第2モータ取付部51を被掛止部として掛止部57aを掛止させてもよい。この場合、掛止部57a(調整ピン55)を硬度の高い材料(鉄等)で形成するとともに、被掛止部となる第2モータ取付部51(ハウジング12)を掛止部57aより硬度の低い材料(アルミニウム等)で形成することが好ましい。なお、掛止部を被掛止部に嵌入させたとき、被掛止部が弾性変形するように掛止部及び被掛止部の材料を適宜変更してもよい。
○ 第2ボルト53の掛止部57a、及び第2モータ取付部51の掛止凹部51bは無くてもよい。
○ 実施形態では、調整ピン55に掛止部57aを突設し、第2モータ取付部51に掛止凹部51bを凹設したが、第2モータ取付部51に掛止部を突設し、調整ピン55の頭部57に被掛止部としての掛止凹部を凹設してもよい。又は、第2モータ取付部51に掛止部を突設するとともに、調整ピン55の頭部57を被掛止部とし、頭部57に掛止部を嵌入させて掛止させてもよい。
○ 実施形態では、調整ピン55の頭部57を工具で操作して調整ピン55を回転させたが、頭部57は無くてもよく、頭部57の代わりに、軸部56から突設された操作部を操作して調整ピン55を回転させてもよい。
○ 実施形態では、モータとして電動モータ40に具体化したが、エンジン等の外部駆動源で駆動されるモータであってもよい。
○ 実施形態では、固定部材として第2ボルト53に具体化したが、固定部材は、電動モータ40をエンドハウジング13に固定できるのであれば、電動モータ40に形成された固定穴に圧入される圧入ピンであってもよく、その他の固定形式を有する固定部材であってもよい。
○ 実施形態では、固定部材として第2ボルト53を用いたが、第2ボルト53を用いてベルト35の張力を調整し、増し締めした後、さらに、第1ボルト52に加え別のボルトを用いて電動モータ40をエンドハウジング13に固定してもよい。
○ 実施形態では、出力軸40aに連結された駆動プーリ36と、ラック軸11に連結された従動プーリ34とにベルト35を掛け渡して動力伝達可能にしたが、動力伝達機構はこれに限らず、適宜変更してもよい。例えば、出力軸40aに連結したスプロケットと、ラック軸11に連結されたスプロケットとをチェーンで連結して動力伝達可能にしてもよい。
○ 実施形態では、調整ピン挿通孔51aを円形状に形成したが、調整ピン挿通孔51aは、その内側で調整ピン55の軸部56が回転可能であり、かつ従動プーリ34側への引寄せ力が作用しても、調整ピン55の引寄せ側の周面が当接し調整ピン55の移動を規制できるのであれば、ほぼ円形に近い楕円や多角形状であってもよい。
○ 実施形態では、調整ピン55の軸部56を円筒状に形成したが、軸部56は調整ピン挿通孔51a内で回転可能であれば、ほぼ円筒に近い筒状や多角筒状であってもよい。
C…中央線、C2…軸部の中心、L1,L2…中心軸、N…中心線、10…EPS(電動パワーステアリング装置)、11…ラック軸、12…ハウジング、13a…出力軸収容孔、14a…ラック軸収容孔、35…ベルト、40…モータとしての電動モータ、40a…出力軸、50a…挿通孔としてのボルト挿通孔、51a…調整ピン挿通孔、51b…被掛止部としての掛止凹部、52…別の固定部材としての第1ボルト、53…固定部材としての第2ボルト、55…調整ピン、56…軸部、57…頭部、57a…掛止部、58…貫通孔。

Claims (2)

  1. ラック軸を収容するハウジングには、該ハウジングを貫通した固定部材がモータに固定されることにより前記モータが固定され、前記モータの駆動により発生する動力を該モータの出力軸からベルトを介して前記ラック軸に伝達し、前記動力を、ステアリング操作を補助するためのアシスト力として前記ラック軸に付与する電動パワーステアリング装置において、
    前記ベルトの張力調整機構として、
    円形状の調整ピン挿通孔を前記ハウジングに有するとともに、
    前記調整ピン挿通孔に挿通される調整ピンを有しており、
    前記調整ピンに、前記調整ピン挿通孔に回転可能に挿通支持される軸部が形成されるとともに、前記軸部の中心から偏心した位置に、前記固定部材を前記モータに固定するために該固定部材が挿通される貫通孔が形成され
    前記ハウジングには、前記固定部材とは別の固定部材が挿通される挿通孔が形成されるとともに、該挿通孔は長孔状に形成されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記ハウジングには前記出力軸が挿通される出力軸収容孔が形成されるとともに、前記ラック軸が挿通されるラック軸収容孔が形成され、前記出力軸収容孔とラック軸収容孔の中心軸同士を結ぶ直線を中央線とすると、前記挿通孔は、該挿通孔の中心線が前記中央線に対し交差するように形成されている請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
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