JP5644236B2 - フッ素含有水の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明はフッ素含有水の処理方法に係り、特に、フッ素含有水を反応塔に上向流通水して反応塔内で炭酸カルシウム粒子と接触させてフッ素をフッ化カルシウムとして効率的に除去・回収する方法に関する。
半導体製造分野やその関連分野、太陽電池製造分野、各種金属材料、単結晶材料、光学系材料等の表面処理分野では、フッ素を含む廃水が排出される。
従来、フッ素含有水の処理方法として、フッ素含有水を炭酸カルシウム充填塔に通液して、フッ素を結晶性の良いフッ化カルシウムに転換して除去、回収する方法が提案されている。また、このような方法において、炭酸カルシウム充填塔を2塔以上直列に連結し、フッ素含有水を、第1塔内の炭酸カルシウムが、フッ素含有水中のフッ素と反応して完全にフッ化カルシウムとなるまで第1塔より最終塔まで順次通水し、第1塔の炭酸カルシウムが完全にフッ化カルシウムになったとき、第1塔内のフッ化カルシウムを抜き出した後に新しい炭酸カルシウムを充填し、この塔を最終塔として設置して通水を行う所謂メリーゴーランド方式でフッ素含有水を処理することにより、高純度のフッ化カルシウムを回収する方法も知られている(例えば、特許文献1〜3)。
従来、このようなフッ素含有水の処理に用いられる炭酸カルシウム充填塔に充填する炭酸カルシウム粒子としては、過度に粒径の小さい炭酸カルシウム粒子ではフッ素含有水中に溶解して反応に寄与しなくなることから、通常、粒径が0.3mm程度のものが用いられている。
特開平6−254571号公報 特開平7−136667号公報 特開平5−253578号公報
しかしながら、粒径0.3mm程度の炭酸カルシウム粒子では、
(1) 粒子が比較的大きいために充填塔内で流動し難く、このために塔内で固着し易い。
(2) 粒子の小さいものに比べて比表面積が小さいため、フッ素との反応速度が遅い。
ことから、これらの問題を解決するために、従来では、充填塔内にフッ素含有水を上向流で通水し、塔上部から取り出した処理水の一部を塔下部に循環する循環方式として塔内線速度を高めることにより、塔内の炭酸カルシウム粒子を流動させて固着を防止し、また、循環通水とすることで反応を十分に進行させるようにしているが、循環通水方式では、循環のための動力、循環通水とするための反応塔容積が大きく、工業的に不利である。
これに対して、粒径0.05mm以下の小粒径の炭酸カルシウム粒子であれば、流動性が高く、固着し難く、また、比表面積が大きいことからフッ素との反応速度も速いために、循環方式とすることなく一過式で通水することができるが、小粒径の炭酸カルシウムは水に溶解し易く、このためにフッ素との反応に寄与する割合が少ない;一過式の通水では、塔内線速度が小さく、炭酸カルシウム粒子の流動の偏りが起きる結果、塔底部などで死水域(デッドスペース)が形成され、この部分の炭酸カルシウム粒子が反応に寄与しなくなる或いは固着する;といった問題があった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、反応活性及び流動性に優れた小粒径の炭酸カルシウム粒子を用いて、反応塔にフッ素含有水を一過式で上向流通水することにより、フッ素を効率的に除去、回収する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、小粒径の炭酸カルシウム粒子を反応塔に充填してからフッ素含有水を通水するのではなく、反応塔に上向流でフッ素含有水を通水している際に反応塔の上方から投入することにより、フッ素含有水中のフッ素と効率的に反応させることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 反応塔下部からフッ素含有水を上向流で通水して、該反応塔内の炭酸カルシウム粒子と該フッ素含有水中のフッ素との反応で該フッ素をフッ化カルシウムとして除去し、フッ素が除去された処理水を該反応塔上部より取り出すフッ素含有水の処理方法において、該フッ素含有水を該反応塔に一過式にて上向流通水すると共に、該フッ素含有水が通水されている該反応塔に、該反応塔上部から、粒径が0.05mm以下である炭酸カルシウム粒子を投入することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
[2] [1]において、前記炭酸カルシウム粒子は、粉体として前記反応塔に投入されることを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
[3] [1]又は[2]において、前記反応塔への炭酸カルシウム粒子の投入量が、該反応塔に通水されるフッ素含有水中のフッ素の反応当量に対して0.9〜1.1倍当量であることを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記反応塔への炭酸カルシウム粒子の投入量を、該反応塔から取り出される処理水のpHが6以下となるように制御することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
] [1]ないし[]のいずれかにおいて、前記反応塔内上部に設けた筒状の炭酸カルシウム粒子投入部材の筒内を経て前記炭酸カルシウム粒子の投入を行う方法であって、該筒状の炭酸カルシウム粒子投入部材の上端は、該反応塔の上部水面より上方に突出し、下端は、該反応塔の処理水取出部水位よりも30cm以上下方に位置することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
] [1]ないし[]のいずれかにおいて、2塔以上の反応塔を直列に連結して前記フッ素含有水を1段目の反応塔から各反応塔に順次通水し、該1段目の反応塔の流入水の水質と流出水の水質がほぼ同一となった後に、該1段目の反応塔への通水を中止して2段目の反応塔に通水を切り替え、該1段目の反応塔内のフッ化カルシウムを含む粒子を取り出し、該1段目の反応塔を前記2塔以上の反応塔の最後段の反応塔として順次通水する工程を繰り返すメリーゴーランド方式で通水を行う方法であって、該フッ素含有水が通水される最後段の反応塔に対して前記炭酸カルシウム粒子の投入を行うことを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
] []において、前記炭酸カルシウム粒子を投入する最後段の反応塔は、前記フッ素含有水の通水に先立ち予め炭酸カルシウム充填層が形成されることなく、前記フッ素含有水の通水と炭酸カルシウム粒子の投入が行われることを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
本発明によれば、反応活性及び流動性に優れた小粒径粒径0.05mm以下の炭酸カルシウム粒子(請求項)を用い、これを予め反応塔内に充填して充填層を形成してからフッ素含有水を通水するのではなく、フッ素含有水を上向流通水する際に反応塔上部から粉体として投入することにより(請求項2)、反応塔での炭酸カルシウム粒子の流動の偏りによる死水域の形成が防止される(請求項1)。
小粒径の炭酸カルシウム粒子は、溶解し易いものではあるが、pH値に基いて炭酸カルシウム粒子の投入制御を行うことにより、炭酸カルシウムの溶解も防止することができる。
即ち、炭酸カルシウムとフッ素、例えばフッ化水素との反応は下記反応式(I)で表され、pH酸性条件下では、反応により生成した炭酸は、下記式(II)に従って、直ちに炭酸ガスとして水中に溶解することなく系外へ排出されるため、炭酸カルシウムに影響を及ぼさないが、pH中性以上の条件下では、下記式(III)に従って、重炭酸イオンとなる。生成した重炭酸イオンは酸として作用し、炭酸カルシウムを溶解させてしまう。
CaCO+2HF→CaF+HCO ・・・(I)
pH酸性:HCO→HO+CO(ガス発生) ・・・(II)
pH中性以上:HCO→H+HCO ・・・(III)
従って、本発明では、反応塔への炭酸カルシウム粒子の投入量を、好ましくは反応塔から取り出される処理水のpHが6以下となるように制御することにより、炭酸カルシウムの溶解を防止する(請求項4)。
反応塔への炭酸カルシウム粒子の投入量は、反応塔に通水されるフッ素含有水中のフッ素の反応当量に対して0.9〜1.1倍当量であることが、フッ素含有水中のフッ素を高度に除去、回収する上で好ましい(請求項3)。
また、本発明において、炭酸カルシウム粒子の投入は、反応塔内上部に設けた筒状の炭酸カルシウム粒子投入部材であって、上端が反応塔の上部水面より上方に突出し、下端が反応塔の処理水取出部水位よりも30cm以上下方に位置する炭酸カルシウム粒子投入部材の筒内を経て投入することが好ましい(請求項)。
即ち、小粒径の炭酸カルシウム粒子を粉体のまま投入する際、この粉体中には微粉状のものも一部含まれているため、この微粉状の炭酸カルシウムが、投入直後に反応塔のオーバーフロー口から処理水と共に反応塔から流出してしまい、反応に寄与しなくなるおそれがある。このような小粒径の炭酸カルシウム粒子を投入する際に、上述のような炭酸カルシウム粒子投入部材を用いると、炭酸カルシウム粒子投入部材の筒内部で微粉状の炭酸カルシウムを滞留して塔内の水と十分に接触し、反応に寄与することができるようになる。
本発明は、特に2塔以上の反応塔を直列に連結してメリーゴーランド方式でフッ素含有水の通水を行う際に、フッ素含有水が通水される最後段の反応塔に対して適用することが好ましく(請求項)、この場合において、炭酸カルシウム粒子を投入する最後段の反応塔には、フッ素含有水の通水に先立ち予め炭酸カルシウム充填層を形成することなく、フッ素含有水の通水と炭酸カルシウム粒子の投入とを行うことが、塔内の偏流を防止して死水域の形成を防ぐ上で好ましい(請求項)。
本発明が適用される反応塔の一例を示す模式的な断面図である。
以下に図面を参照して本発明のフッ素含有水の処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される反応塔1の一例を示す模式的な断面図であり、この反応塔1は、上部が開放した有底円筒形状であり、底部からフッ素含有水が導入され、上部のオーバーフロー口2から処理水が取り出されるように構成されている。3は炭酸カルシウム粒子投入部材であり、図1において、炭酸カルシウム粒子投入部材3は、反応塔1と同心状に反応塔1の上部に固定されており、その上端3Aは反応塔1の水面から突出し、下端3Bは反応塔1の水面下、反応塔1のオーバーフロー口2の水位より下方位置となるように鉛直方向に設けられている。
フッ素含有水は反応塔1の底部から導入されて上記のオーバーフロー口2から流出する。このフッ素含有水の上向流通水時に、本発明では、反応塔1の上部から、炭酸カルシウム粒子投入部材3の筒内を経て、炭酸カルシウム粒子を投入する。フッ素含有水内のフッ素は投入された炭酸カルシウム粒子と反応してフッ化カルシウムとして析出し、フッ素含有水から除去される。
反応塔1上部から投入する炭酸カルシウム粒子は、粒径が過度に大きいとフッ素との反応速度が遅く、小粒径の炭酸カルシウムを用いて反応速度を高めるという本発明の目的を達成し得ない。従って、本発明で用いる炭酸カルシウム粒子の粒径は0.05mm以下、好ましくは0.03mm以下で、平均粒径として0.01〜0.03mm程度、特に0.02〜0.03mm程度のものが好ましい。
また、投入する炭酸カルシウム粒子量が少な過ぎるとフッ素含有水中のフッ素を十分に除去し得ず、多過ぎても徒に炭酸カルシウム粒子使用量が増加して不経済である上に、未反応の炭酸カルシウムが残ると、フッ化カルシウムに転換されずに高純度のフッ化カルシウムが得られないという問題がある。従って、炭酸カルシウム粒子の投入量は、反応塔1に通水するフッ素含有水中のフッ素に対して反応当量の0.9〜1.1当量倍、特に0.95〜1.05当量倍とすることが好ましい。
なお、本発明において、炭酸カルシウム粒子は粉体のまま反応塔に投入する。炭酸カルシウム粒子を水スラリーとして投入した場合、スラリーとして添加される水量分の反応塔容量を必要とする上に、移送のためのポンプが必要となり、また、炭酸カルシウム粒子とフッ素含有水中のフッ素との反応効率の面でも粉体として投入することが好ましい。
炭酸カルシウム粒子の投入は、連続的に行ってもよく、また、例えば5〜300分に1回の頻度で間欠的に行ってもよい。連続的に投入する場合の所定時間当りの炭酸カルシウム粒子の投入量、或いは間欠的に投入する場合の1回当りの炭酸カルシウム粒子の投入量は、上記のフッ素含有水中のフッ素の反応当量に対する割合や、以下に記載する塔内の好適pH値に応じて適宜決定される。
前述の如く、本発明で用いる小粒径の炭酸カルシウム粒子は、水に溶解し易いという欠点を有するが、pH値に基いて炭酸カルシウム粒子の投入制御を行うことにより、炭酸カルシウムの溶解を防止することができる。
本発明では、炭酸カルシウムの溶解を防止するために、反応塔内の反応液のpHが6以下、特に5以下となるように制御することが望ましい。一般にフッ素含有水に炭酸カルシウムを添加するとpHは高くなるため、炭酸カルシウム粒子が溶解し易くなる。このため、pHの低い状態で炭酸カルシウム粒子を少量ずつ投入することが炭酸カルシウム粒子の溶解防止の点からは好ましい。
従って、本発明では、反応塔1から流出する処理水又は反応塔上部の水のpHを測定し、このpHが6以下、特に5以下となるように炭酸カルシウムの投入量を制御することが好ましい。なお、このpH値は、炭酸カルシウム粒子の溶解防止の点からは低い方が望ましいが、フッ素との反応に必要量の炭酸カルシウム粒子の投入量を確保する上で通常4.5以上である。
また、炭酸カルシウム粒子の投入は、フッ素含有水が上向流で流れている反応塔に直接行うと、投入された炭酸カルシウム粒子の一部が処理水と共に反応塔から流出してしまい、反応に寄与しなくなるばかりか、処理水水質を低下させる原因となる。
即ち、前述の如く、小粒径の炭酸カルシウム粒子を粉体のまま投入する際、この粉体中には微粉状のものも一部含まれているため、この微粉状の炭酸カルシウムがオーバーフロー口から処理水と共に投入直後に反応塔から流出してしまい、反応に寄与しなくなるおそれがある。
従って、本発明では、図1に示す如く、反応塔1に筒状の炭酸カルシウム粒子投入部材3を設け、この炭酸カルシウム粒子投入部材3の筒内を経て炭酸カルシウム粒子を反応塔1に投入することが好ましい。前述の如く、この炭酸カルシウム粒子投入部材3は、反応塔1と同心状に反応塔1の上部に固定されており、その上端3Aは反応塔1の水面から突出し、下端3Bは反応塔1の水面下、反応塔1のオーバーフロー口2の水位より下方位置となるように鉛直方向に設けられている。このような炭酸カルシウム粒子投入部材3を用い、炭酸カルシウム粒子投入部材3の筒内部で微粉状の炭酸カルシウムを滞留させて塔内の水と十分に接触させることにより、このような微粉状の炭酸カルシウム粒子を反応に寄与させることができるようになる。
この炭酸カルシウム粒子投入部材3の下端3Bと反応塔1のオーバーフロー口2の水位との距離Lは、過度に短いとこのような炭酸カルシウム粒子投入部材3を設けることによる上記の効果を十分に得ることができず、過度に長いとフッ素含有水の上向流との接触効率が悪くなる。従って、この距離Lは、25〜100cm、例えば50cm程度で、反応塔の全有効塔高さLの1/20〜1/5程度であることが好ましい。
また、例えば、図1に示すような有底円筒形状の反応塔1に対して円筒状の炭酸カルシウム粒子投入部材3を設ける場合、反応塔1の直径(内径)に対して炭酸カルシウム粒子投入部材3の直径(内径)を1/5〜1/10程度とし、炭酸カルシウム粒子投入部材3は反応塔1と同心状に設けることが、微粉状の炭酸カルシウム粒子の流出防止、フッ素含有水との接触効率の向上の面で好ましい。
反応塔1へのフッ素含有水の上向流速は、反応塔1の上部から投入される炭酸カルシウム粒子との接触効率が十分に確保できるように、反応塔の直径や炭酸カルシウム粒子の投入量との相関において、適宜調整することが好ましく、例えば以下のような条件とすることが好ましい。
(1) 反応塔の直径:300〜1500mmの場合
フッ素含有水の上向流速:150〜5000L/h
炭酸カルシウム粒子の投入量:3〜100L/h
(2) 反応塔の直径:1500〜3000mmの場合
フッ素含有水の上向流速:5000〜20000L/h
炭酸カルシウム粒子の投入量:100〜400L/h
(3) 反応塔の直径:3000〜50000mmの場合
フッ素含有水の上向流速:2000〜60000L/h
炭酸カルシウム粒子の投入量:400〜1200L/h
なお、本発明を適用する反応塔には、フッ素含有水を小粒径の炭酸カルシウム粒子を用いて循環通水することなく、高い反応効率を得るという本発明の効果を有効に発揮させるために、一過式で通水する。
このような処理を継続すると、反応塔内にフッ素との反応でフッ化カルシウムとなった粒子が堆積するため、適宜通水を停止して、このフッ化カルシウム粒子を取り出す。
本発明においては、反応塔内の偏流を少なくして、塔底部などで死水域が発生するのを防止する上で、また、炭酸カルシウム粒子の溶解を防止する上で、炭酸カルシウム粒子は、予め炭酸カルシウム粒子が充填されている反応塔に投入するよりも、炭酸カルシウム粒子の充填層が形成されていない反応塔に少量ずつ投入することが好ましい。従って、本発明は特に、2塔以上の反応塔を直列に連結してメリーゴーランド方式でフッ素含有水の通水を行う際に、該フッ素含有水が通水される最後段の反応塔に対して、炭酸カルシウム粒子の充填層を形成することなく適用することが好ましい。
即ち、通常のメリーゴーランド方式による処理では、前回のサイクルにおいて、最前段の反応塔内のフッ素含有水中のフッ素と反応してフッ化カルシウムとなった粒子を塔外へ排出した後、新品の炭酸カルシウム粒子を添加して塔内に充填層を形成して最終段の反応塔とするが、本発明においては、この反応塔に炭酸カルシウム粒子の充填層を形成せずに最後段の反応塔とし、この炭酸カルシウム充填層の形成されていない最終段の反応塔に対して、前段の反応塔の処理水であるフッ素濃度1000〜30000mg/L程度のフッ素含有水を一過式で上向流通水すると共に、上部から炭酸カルシウム粒子を投入することが好ましい。
なお、このメリーゴーランド方式の通水の切り替え自体は、常法に従って、例えば、以下のように行うことができる。即ち、特許文献3に記載されるように、2塔以上、例えば2〜4塔の複数の反応塔を直列に連結し、各反応塔の入口及び出口にフッ素濃度計又はpH計を設けておく。また、最後段の反応塔以外には炭酸カルシウム粒子の充填層を形成しておき、1段目の反応塔から順次フッ素含有水を上向流通水すると共に、最後段の反応塔に炭酸カルシウム粒子を投入する。1段目の反応塔の入口直前のフッ素濃度計又はpH計とこの1段目の反応塔の出口に設けたフッ素濃度計又はpH計の数値がほぼ同一になるまで通水処理し、ほぼ同一になった後に、1段目の反応塔への通水を中止して、2段目の反応塔に通水を切り替え、同時に、通水を中止した反応塔内のフッ化カルシウムを含む粒子を取り出し、新規の炭酸カルシウム粒子を添加することなく、これを最後段の反応塔として連結し、第2段目の反応塔から順次フッ素含有水を通水する。以下同様の手順で順次1段目反応塔を最後段に連結するメリーゴーランド方式の切り替えを行う。
このように、炭酸カルシウム粒子の充填層が形成されていない反応塔に対して本発明を適用した場合、本発明の効果が有効に発揮される。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
図1に示す反応塔1を用い、フッ素濃度10000mg/Lのフッ素含有水を50L/hの流速で一過式にて上向流通水すると共に、反応塔1の上部に設けた炭酸カルシウム粒子投入部材3を経て、粒径0.05mm以下、平均粒径0.03mmの炭酸カルシウム粒子を10分に1回の頻度で、1/3L/回の投入量で、処理水のpHが5以下、具体的には4.5〜5.0となるように投入した。炭酸カルシウム粒子の投入量は、通水したフッ素含有水のフッ素の反応当量に対して1.02倍当量であった。
なお、反応塔1は直径300mm、高さ300cm(即ち、L=300cm)の有底円筒形状であり、塔上端のオーバーフロー口2から処理水がオーバーフローすることにより取り出される。また、反応塔1に設けた炭酸カルシウム粒子投入部材3は、直径100mm、長さ400mmの円筒形であり、反応塔1に対して同心的に設けられている。この炭酸カルシウム粒子投入部材3の下端3Bは、反応塔のオーバーフロー口よりも30cm下方(即ち、L=30cm)に位置している。
30時間連続通水したところ、反応塔1内には60Lの粒子(反応により少なくとも一部がフッ化カルシウムとなった炭酸カルシウム粒子)が残留していた。この粒子を反応塔底部から抜き出したが、粒子の固着等はみられなかった。
また、この処理で得られた処理水のフッ素濃度は、100〜300mg/Lでフッ素が高度に除去されていた。
[比較例1]
実施例1において、炭酸カルシウム粒子の投入を行わず、フッ素含有水の通水に先立ち、予め、60Lの炭酸カルシウム粒子(粒径及び平均粒径は実施例1で用いたものと同一である。)を反応塔に充填して充填層を形成しておいたこと以外は同様にしてフッ素含有水の上向流通水を行った。
20時間連続して通水したところ、反応塔内の粒子は、炭酸カルシウムの溶解のために48Lに減少していた。また、この粒子のうち5Lは、反応塔底部に固着していた。
また、この処理で得られた処理水のフッ素濃度は800〜1500mg/Lでフッ素の除去効率も悪かった。
1 反応塔
2 オーバーフロー口
3 炭酸カルシウム粒子投入部材

Claims (7)

  1. 反応塔下部からフッ素含有水を上向流で通水して、該反応塔内の炭酸カルシウム粒子と該フッ素含有水中のフッ素との反応で該フッ素をフッ化カルシウムとして除去し、フッ素が除去された処理水を該反応塔上部より取り出すフッ素含有水の処理方法において、
    該フッ素含有水を該反応塔に一過式にて上向流通水すると共に、
    該フッ素含有水が通水されている該反応塔に、該反応塔上部から、粒径が0.05mm以下である炭酸カルシウム粒子を投入することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  2. 請求項1において、前記炭酸カルシウム粒子は、粉体として前記反応塔に投入されることを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  3. 請求項1又は2において、前記反応塔への炭酸カルシウム粒子の投入量が、該反応塔に通水されるフッ素含有水中のフッ素の反応当量に対して0.9〜1.1倍当量であることを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記反応塔への炭酸カルシウム粒子の投入量を、該反応塔から取り出される処理水のpHが6以下となるように制御することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項において、前記反応塔内上部に設けた筒状の炭酸カルシウム粒子投入部材の筒内を経て前記炭酸カルシウム粒子の投入を行う方法であって、該筒状の炭酸カルシウム粒子投入部材の上端は、該反応塔の上部水面より上方に突出し、下端は、該反応塔の処理水取出部水位よりも30cm以上下方に位置することを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項において、2塔以上の反応塔を直列に連結して前記フッ素含有水を1段目の反応塔から各反応塔に順次通水し、該1段目の反応塔の流入水の水質と流出水の水質がほぼ同一となった後に、該1段目の反応塔への通水を中止して2段目の反応塔に通水を切り替え、該1段目の反応塔内のフッ化カルシウムを含む粒子を取り出し、該1段目の反応塔を前記2塔以上の反応塔の最後段の反応塔として順次通水する工程を繰り返すメリーゴーランド方式で通水を行う方法であって、
    該フッ素含有水が通水される最後段の反応塔に対して前記炭酸カルシウム粒子の投入を行うことを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
  7. 請求項において、前記炭酸カルシウム粒子を投入する最後段の反応塔は、前記フッ素含有水の通水に先立ち予め炭酸カルシウム充填層が形成されることなく、前記フッ素含有水の通水と炭酸カルシウム粒子の投入が行われることを特徴とするフッ素含有水の処理方法。
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