JP5643928B2 - 抗疲労剤 - Google Patents

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本発明は、抗疲労剤に関する。
近年、抗疲労作用を有する物質又は組成物が種々知られるようになっている。例えば、特許文献1には、ビオプテリン関連物質を含有する抗疲労組成物が開示されている。また、特許文献2には、アミノ酸(特にトリプトファン)を含有する抗疲労組成物が開示されている。
特開2005−15417号公報 特開2006−213693号公報
ところで、抗疲労剤としては、日常的に摂取可能で、飲食品の成分として使用可能なものが望ましい。しかしながら、そのような抗疲労剤に関しては、未だその種類が少なく、消費者の需要が十分に満たされていないのが実情である。
そこで、本発明は、日常的に摂取可能で、飲食品の成分として使用可能な新規の抗疲労剤を提供することを課題とする。
本発明は、少なくとも1種のウメポリフェノールを有効成分として含有する抗疲労剤を提供する。ここで、「抗疲労」とは、肉体的疲労を回復若しくは軽減させ、又は予防することを意味し、肉体的疲労の予防には、例えば、疲れにくくすること又は持久力を向上させることが含まれる。
肉体的疲労は、主として、生体内でエネルギーの消費がエネルギーの供給を上回ることによって生じる。本発明の抗疲労剤は、哺乳動物の生体内において、TCA(トリカルボン酸)サイクルの回転を促進することを可能とする。そして、そのような作用を介して、エネルギー(ATP)の産生を促進し、これにより、肉体的疲労を回復若しくは軽減させ、又は予防することを可能とする。
生体内では、脂肪酸の分解により多量のアセチルCoAが生じる。アセチルCoAは基本的にはTCAサイクルで代謝されるが、例えば、糖の供給又は利用が不十分となると、TCAサイクルの回転率が低下し、TCAサイクルだけではアセチルCoAを処理しきれなくなり、その結果、ケトン体(アセト酢酸、3−ヒドロキシ酪酸及びアセトン)が生成し、その血中濃度が上昇する。他方、生体内でTCAサイクルの回転が促進されると、アセチルCoAの代謝が促進されて、ケトン体の生成が抑制され、その結果、血中ケトン体濃度(血中総ケトン体濃度、血中アセト酢酸濃度、血中3−ヒドロキシ酪酸濃度、等)の上昇が抑制されるか、その低下が促進される。
本発明の抗疲労剤はまた、TCAサイクルの回転を促進することを介して、ケトン体の生成を抑制し、これにより、血中ケトン体濃度(血中総ケトン体濃度、血中アセト酢酸濃度、血中3−ヒドロキシ酪酸濃度、等)の上昇を抑制し、又はその低下を促進することを可能とする。したがって、本発明の抗疲労剤は、例えば、哺乳動物(特にヒト)における血中ケトン体濃度(血中総ケトン体濃度、血中アセト酢酸濃度、血中3−ヒドロキシ酪酸濃度、等)の上昇を抑制し、又はその低下を促進するために使用することもでき、更に、例えば、ケトーシスの治療又は予防のために使用することもできる。なお、血中ケトン体濃度、より具体的には、例えば、血中総ケトン体濃度、血中アセト酢酸濃度及び血中3−ヒドロキシ酪酸濃度は、肉体的疲労のバイオマーカーとして使用することができる。
本発明の抗疲労剤は、クエン酸を有効成分として更に含有することが好ましい。クエン酸を更に含有すると、ウメポリフェノールとクエン酸とが相乗的に作用して、抗疲労剤の上述の効果が増幅される。この場合、より高い効果が得られる点で、クエン酸の含有量は、ウメポリフェノール1質量部に対して、2〜1000質量部が好ましく、4〜500質量部がより好ましく、5〜200質量部が更に好ましい。
有効成分であるウメポリフェノールはウメに由来するものであり、また、クエン酸は各種飲食品の成分として多用されているものであり、いずれも、生体に対する安全性は極めて高い。従って、本発明の抗疲労剤は、生体に対する安全性が高く、日常的、継続的に摂取可能であり、医薬品成分としてのみならず、飲食品(飲料、食品)、飲食品添加物、飼料、飼料添加物等の成分として使用することもできる。
本発明によれば、日常的に摂取可能で、飲食品の成分として使用可能な新規の抗疲労剤が提供される。また、そのような抗疲労剤を含有する飲食品(飲料、食品)、飼料等が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の抗疲労剤は、少なくとも1種のウメポリフェノールを有効成分として含有する。
本発明において、「ウメポリフェノール」とは、ウメ(Prunus mume)に含有されるポリフェノールのことであり、「ポリフェノール」とは、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基を有する化合物をいう。ウメポリフェノールとしては、例えば、カフェ酸、フェルラ酸、パラヒドロキシ桂皮酸及びそれらの誘導体が挙げられる。なお、本発明の抗疲労剤は、例えば、あるウメに含有されるポリフェノールの全種を有効成分として含有するものであってもよい。また、ウメポリフェノールは、ウメに含有されるポリフェノールと同種のものであれば、ウメに由来するものでなくてもよい。
ウメポリフェノールは、例えば、梅酢(生梅を塩蔵した際に抽出される液体)から抽出、精製することによって得ることができる。また、ウメ果汁、又はウメエキス、ウメピューレ等のウメ加工食品から抽出、精製又は単離することによって得ることもできる。
抗疲労剤中のポリフェノールのすべてがウメポリフェノールである場合、抗疲労剤中のウメポリフェノールの総量は、例えば、Folin−Ciocalteu法に従って定量することができる。
本発明の抗疲労剤は、好ましくは、クエン酸を有効成分として更に含有する。
本発明において、クエン酸は、無水クエン酸、クエン酸水和物、クエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム)等のいずれであってもよい。また、化学合成によって得られたものであっても、また、天然物からの単離、抽出等によって得られたものであってもよい。クエン酸としては、例えば、果汁(特にウメ果汁)に含有されるものが好適である。
クエン酸の含有量は、ウメポリフェノール1質量部に対して、好ましくは2〜1000質量部、より好ましくは4〜500質量部、更に好ましくは5〜200質量部である。
本発明の抗疲労剤は、固体、液体(水溶性又は脂溶性の溶液又は懸濁液)、ペースト等のいずれの形状でもよく、また、散剤、顆粒剤、錠剤、シロップ剤、トローチ剤、カプセル剤、注射剤等のいずれの剤形をとってもよい。また、放出制御製剤の形態をとることもできる。また、本発明の抗疲労剤は、少なくとも1種のウメポリフェノールからなるか、或いは、少なくとも1種のウメポリフェノールと、クエン酸と、からなるものであってもよい。
上述の各種製剤は、ウメポリフェノール(又は、ウメポリフェノール及びクエン酸)と、薬学的に許容される添加剤(賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、乳化剤、界面活性剤、基剤、溶解補助剤、懸濁化剤等)と、を混和することによって調製することができる。
例えば、賦形剤としては、ラクトース、スクロース、デンプン、デキストリン等が挙げられる。結合剤としては、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク等が挙げられる。崩壊剤としては、結晶セルロース、寒天、ゼラチン、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、デキストリン等が挙げられる。乳化剤又は界面活性剤としては、Tween60、Tween80、Span80、モノステアリン酸グリセリン等が挙げられる。基剤としては、セトステアリルアルコール、ラノリン、ポリエチレングリコール、米糠油、魚油(DHA、EPA等)、オリーブ油等が挙げられる。溶解補助剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、Tween80等が挙げられる。懸濁化剤としては、上述の界面活性剤の他、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明の抗疲労剤は、医薬、飲食品(飲料、食品)、飲食品添加物、飼料、飼料添加物等の成分として使用することができる。
例えば、本発明の抗疲労剤は、水、清涼飲料水、果汁飲料、乳飲料、アルコール飲料、スポーツドリンク、栄養ドリンク等の飲料、又はパン類、麺類、米類、豆腐、乳製品、醤油、味噌、菓子類等の食品、に添加して使用することができる。これらの飲食品は、当分野で通常使用される他の添加物を更に含有していてもよく、そのような添加物としては、例えば、甘味料、苦味料、香料、リンゴファイバー、大豆ファイバー、肉エキス、黒酢エキス、ゼラチン、コーンスターチ、蜂蜜、動植物油脂;グルコース、フルクトース等の単糖類;スクロース等の二糖類;デキストロース、デンプン等の多糖類;エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコール類;ビタミンC等のビタミン類、が挙げられる。本発明の抗疲労剤はまた、特定保健用食品、特別用途食品、栄養補助食品、健康食品、機能性食品、病者用食品等の成分として使用することもできる。
本発明の抗疲労剤又はこれを含有する飲料等は、例えば、ウメ果汁、ウメエキス、ウメピューレ等であってもよい。
本発明の抗疲労剤は、ヒトに投与されても、非ヒト哺乳動物に投与されてもよい。投与量及び投与方法は、投与される個体の状態、年齢等に応じて適宜決定することができる。好適な投与方法としては、例えば、経口投与が挙げられる。
以下、実施例(試験例)に基づいて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔試験例1〕
(サンプルの調製)
表1に示す原料を配合して、試験サンプルを得た。また、表2に示す原料を配合して、対照サンプルを得た。原料の配合量は表1及び2に示す通りである。なお、「梅果汁」としては、梅果実搾汁液を濃縮、透明化した梅濃縮透明果汁、梅果実搾汁液を煮詰めて濃縮した梅肉エキス、及び梅果実をパルパー処理した梅ピューレ、の混合物(混合比は、ストレート換算で、梅濃縮透明果汁:梅肉エキス:梅ピューレ=260:64:2)を使用した。また、「酸味料」としては、市販の食品添加用のクエン酸及びクエン酸三ナトリウムを使用した。「安定剤」としては、ペクチン、ジェランガム等を使用し、「甘味料」としては、アセスルファムカリウム及びスクラロースを使用した。
Figure 0005643928
Figure 0005643928
(サンプルの分析)
得られた試験サンプル及び対照サンプルの成分分析を行った。結果を表3に示す。なお、表3において、各成分量の単位はg/100mLである。また、ポリフェノールの量は没食子酸相当量で示されている。
Figure 0005643928
なお、ポリフェノールは、Folin−Ciocalteu法に従って定量した。具体的には、サンプル(試験サンプル又は対照サンプル)0.1mL、純水8mL、及びFolin−Ciocalteu試薬0.5mLを混合、攪拌し、これに20%NaCO 1.5mLを加えて更に攪拌した。そして、50℃で5分間放置した後、765nmの吸光度を測定した。検量線は、50〜500ppmの没食子酸標準液を用いて作成した。
クエン酸は、次のようにして定量した。すなわち、サンプル(試験サンプル又は対照サンプル)1g及び5%過塩素酸5mLに水を加えて50mLとし、これを濾過し、得られた濾液をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した。HPLCの条件は下記の通りである。
・機種:LC−10ADvp(島津製作所)
・検出器:紫外可視分光光度計 SPD−10AVvp(島津製作所)
・カラム:Shodex RSpak KC−811×2,8mm×300mm(昭和電工)
・カラム温度:40℃
・移動層:3mmol/L過塩素酸
・反応液:0.2mmol/Lブロモチモールブルー含有15mmol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液
・流量:移動層 1.0mL/分;反応液 1.4mL/分
・測定波長:445nm
(運動負荷試験)
運動負荷後の血中総ケトン体濃度、血中アセト酢酸濃度及び血中3−ヒドロキシ酪酸濃度の推移に対する、運動負荷直後の試験サンプル摂取の影響を確認するために、健常なヒト被験者10名(日本人、男性、38.0±4.1歳、BMI:20〜25)について、2群クロスオーバー法によるプラセボ対照二重盲検試験を実施した。10名の被験者は、各5名の2群(A群、B群)に無作為に分け、2回の試験において、A群及びB群の被験者を、試験群(試験サンプルを摂取させる群)及び対照群(対照サンプルを摂取させる群)に表4のように割り付けた。試験は、「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則に従って実施した。
Figure 0005643928
各回の試験は次のように実施した。すなわち、各被験者に運動(60分のエアロバイクこぎ)を負荷し、次いで、サンプル(試験サンプル又は対照サンプル)200mLを摂取させた。運動負荷直後(サンプル摂取直前)、摂取30分後、1時間後及び2時間後に血液を採取し、血中総ケトン体濃度(μmol/L)、血中アセト酢酸濃度(μmol/L)及び血中3−ヒドロキシ酪酸濃度(μmol/L)を測定した。各被験者には、少なくとも運動負荷開始6時間前から絶食させた。但し、ミネラルウォーターは十分に補給させた(特に採血後)。
試験結果を表5〜7に示す。表5〜7において、各項目の結果は、2回の試験から得られた10例のデータの平均±標準誤差で示されている。なお、試験中及び試験後、いずれの被験者にも有害事象(不快と感じられる、体調に関する自覚症状)は認められなかった。
Figure 0005643928
Figure 0005643928
Figure 0005643928
表5〜7から明らかなように、試験群の血中総ケトン体濃度、血中アセト酢酸濃度及び血中3−ヒドロキシ酪酸濃度は、いずれの時点においても、対照群と比較して顕著に低かった。
試験例1により、本発明の抗疲労剤を使用すれば、血中総ケトン体濃度、血中アセト酢酸濃度及び血中3−ヒドロキシ酪酸濃度の上昇が顕著に抑制されることが示された。また、本発明の抗疲労剤を使用すれば、疲労からの顕著な回復が可能となることが示された。
〔試験例2〕
(サンプルの調製)
梅酢(生梅を塩蔵した際に抽出される液体)から抽出、精製して、ポリフェノールを12.5w/w%含有する粉末を調製した。得られた粉末を、粉末の濃度が5.76w/w%となるように水に溶解させて、試験サンプルを得た。ここで、粉末は、ポリフェノールの他に、タンパク質約10w/w%、糖類約80w/w%を含有していた。粉末中のポリフェノール含有量は、Folin−Ciocalteu法に従って定量した。なお、対照サンプルとして、生理食塩水(0.9w/w%塩化ナトリウム水溶液)(日本薬局方)を用意した。
(遊泳試験)
肉体的持久力に対するサンプル摂取の影響を確認するために、マウス(BALB/c、雄性、5週齢、明期:6時〜18時)を用いて、反復法による遊泳試験を行った。水槽としては、プロペラ式流速計及びアニマルマーカー糞取り用具を備える京大石原改良型マウス運動量測定流水槽を使用した。
試験は以下のように実施した。なお、以下の説明において、「疲労困憊遊泳」とは、流速10L/分の下でマウスに遊泳を開始させ、5分経過毎に流速を1L/分ずつ上げていき、当該マウスが脱落するまで遊泳させることをいうものとする。また、疲労困憊遊泳における「遊泳時間」とは、疲労困憊遊泳の開始から脱落時(マウスの鼻先が水面下に没した状態が7秒間継続した時点)までの時間をいうものとする。
試験開始から7日間、マウス(50匹)を飼育施設で馴化させ、7日目に、流速10L/分の下、各マウスに10分間遊泳させた(慣らし遊泳)。
10日目、13日目、16日目及び19日目に、各マウスについて疲労困憊遊泳を行って、その遊泳時間を計測した。そして、4回の疲労困憊遊泳の結果に基づいて、群間で遊泳時間に有意差が生じないように、各15匹の2群(A群、B群)を決定した。
22〜25日目に、毎日、マウス用胃ゾンデを用いて、サンプル(試験サンプル又は対照サンプル)250μLを経口投与した。そして、25日目には、サンプル投与から30分後に、各マウスについて疲労困憊遊泳を行って、その遊泳時間を計測した(試行1)。試行1では、A群のマウスを試験群(試験サンプルを摂取させる群)に、B群のマウスを対照群(対照サンプルを摂取させる群)に割り付けた。
26〜32日目は、試験サンプル及び対照サンプルのいずれもマウスに投与しなかった(ウォッシュアウト期間)。
33〜36日目に、毎日、マウス用胃ゾンデを用いて、サンプル(試験サンプル又は対照サンプル)250μLを経口投与した。そして、36日目には、サンプル投与から30分後に、各マウスについて疲労困憊遊泳を行って、その遊泳時間を計測した(試行2)。試行2では、B群のマウスを試験群に、A群のマウスを対照群に割り付けた。
なお、試験期間中、遊泳開始前2時間はマウスに絶食させ、それ以外は市販のマウス用固形飼料を自由摂取させた。また、マウスに遊泳させる際は、遊泳中にマウスの毛が浮力を有しないように、遊泳開始直前にマウスの全身を濡らした。
遊泳装置は、遊泳開始3時間前から準備した。具体的には、水槽内に水を入れ、流速20L/分で1時間、ポンプを運転した後、水深を35cmに調節し、更に1時間運転を続けた。そして、ポンプ流量を安定させるために、試験開始1時間前から流速10L/分で運転した。吸水ポンプは、糞が吸い込まれないように、水底から数cm浮かせた位置に設置した。流速は、水面とプロペラ中心軸との距離を1.8cmに保持したまま、レーンごとに斜板から5cm、10cmの位置で測定した。水温は、遊泳開始前に34℃に調節し、以後34℃に保持した。
試行1及び2の結果を表8に示す。表8において、結果は、平均±標準偏差で示されている。なお、各試行において、群分け時の遊泳時間に対して30%以上の差があったマウスのデータは分析から除外した。
Figure 0005643928
表8から明らかなように、試行1及び2のいずれに関しても、試験群では、対照群と比較して遊泳時間が顕著に長かった。
〔試験例3〕
(サンプルの調製)
試験例2と同様にして、ポリフェノールを12.5w/w%含有する粉末を調製した。そして、粉末及びクエン酸を、粉末の濃度が5.76w/w%、クエン酸の濃度が5w/w%となるように水に溶解させた後、NaOHでpH7.0に調整して、試験サンプルを得た。なお、対照サンプルとして、生理食塩水(0.9w/w%塩化ナトリウム水溶液)(日本薬局方)を用意した。
(遊泳試験)
得られた試験サンプルについて、試験例2と同様にしてマウスの遊泳試験を行った(但し、A群、B群のマウス数は各12匹)。
試行1及び2の結果を表9に示す。表9において、結果は、平均±標準偏差で示されている。なお、各試行において、群分け時の遊泳時間に対して30%以上の差があったマウスのデータは分析から除外した。
Figure 0005643928
表9から明らかなように、試行1及び2のいずれに関しても、試験群では、対照群と比較して遊泳時間が顕著に長かった。
〔試験例4〕
(サンプルの調製)
5w/w%クエン酸水溶液をNaOHでpH7.0に調整して、試験サンプルを得た。なお、対照サンプルとして、生理食塩水(0.9w/w%塩化ナトリウム水溶液)(日本薬局方)を用意した。
(遊泳試験)
得られた試験サンプルについて、試験例2と同様にしてマウスの遊泳試験を行った。
試行1及び2の結果を表10に示す。表10において、結果は、平均±標準偏差で示されている。なお、各試行において、群分け時の遊泳時間に対して30%以上の差があったマウスのデータは分析から除外した。
Figure 0005643928
表10から明らかなように、試行1では、試験群の方が対照群より遊泳時間が長かったが、試行2では、試験群の方が対照群より遊泳時間が短かった。
試験例2〜4により、本発明の抗疲労剤を使用すれば、肉体的持久力が顕著に向上し、疲労の効果的な予防が可能となることが示された。また、ウメポリフェノール及びクエン酸の両方を含有する抗疲労剤を使用すれば、特に高い持久力増強効果及び疲労予防効果が得られることが示された。

Claims (3)

  1. 少なくとも1種のウメポリフェノールを有効成分として含有する抗疲労剤(但し、飲食品、飲食品添加物、飼料又は飼料添加物の態様を除く。)であって、持久力向上剤として使用される抗疲労剤。
  2. クエン酸を有効成分として更に含有する、請求項1に記載の抗疲労剤。
  3. クエン酸の含有量が、ウメポリフェノール1質量部に対して2〜1000質量部である、請求項2に記載の抗疲労剤。
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