JP5643698B2 - 携帯端末及びプログラム - Google Patents
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Description
そこで、本発明の目的は、チューナの作動を要しない方法で放送波の受信品質を特定し、チューナの不要な作動による消費電力の量の増大を抑えることである。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本実施形態のシステムの全体構成を示す図である。
携帯端末10は、ここでは携帯電話端末であり、ユーザがワンセグ放送を視聴可能なように、テレビチューナやアンテナ等を備える。また、携帯端末10は、ネットワークNWに接続して無線通信を行うことができるものである。サーバ装置20は、例えば通信事業者によって管理されるサーバ装置であり、携帯端末10から見た外部装置である。サーバ装置20は、携帯端末10とネットワークNWを介して無線通信により互いが接続されている。また、サーバ装置20は、受信品質DB30を装置内に記憶している。受信品質DB30は、複数位置における放送波の受信品質を記憶する受信品質記憶部として機能し、複数の各位置での標準的な受信品質を管理するデータベースである。本実施形態の放送波は、ワンセグ放送の放送波である。受信品質は、放送波の伝送品質の指標となるパラメータであり、例えばビットエラーレート(BER;Bit Error Rate)や信号対雑音比(S/N比)により規定される。受信品質DB30が記憶する内容は、例えば各場所でBER試験や信号対雑音比の測定を行って得た測定結果により求められる。受信品質DB30のより詳細な構成については後述する。ネットワークNWは、ここでは移動体通信網、ゲートウェイ及びインターネットを含む通信網である。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を含む演算装置やメモリを備える。演算装置は、記憶部18に記憶されたプログラムをメモリに読み出して実行し、携帯端末10を制御する。音声入出力部12は、受話音声等を収音するマイクロホンや送話音声やワンセグ放送の音声を放音するスピーカを備え、携帯端末10に対する音声の入出力に関する機能を実現する。無線通信部13は、ネットワークNWに接続するためのインタフェースである。操作部14は、テンキー等の複数の操作子を備え、ユーザによる操作子の操作を受け付ける。表示部15は、例えば液晶駆動回路や液晶ディスプレイを備え、ワンセグ放送の映像を含む各種の画像を表示する。
図3に示すように、受信品質DB30では、「場所」及び「受信品質」の各フィールドに情報が記述され、これら各情報が対応付けられている。「場所」のフィールドには、受信品質DB30に受信品質が登録された各場所を識別する情報が記述される。ここでは、「場所」のフィールドには、緯度及び経度を特定可能な情報が記述されるものとする。「受信品質」のフィールドには、放送波の標準的な受信品質を示すパラメータとして、「◎」、「○」、「△」又は「×」のいずれかが記述される。ここでは、受信品質は4段階に区分され、前者のものほど受信品質が良好であることを示す。例えば、受信品質「◎」は、ワンセグ放送の視聴時において映像及び音声が途切れないこと意味する。また、受信品質「×」は、ワンセグ放送の視聴が不可能であることを示す。受信品質「○」及び「△」は、それぞれ中程度の受信品質を意味するが、ユーザはワンセグ放送を視聴することができるものの、一時的に放送内容が途切れることがあるものとする。
なお、ここでは受信品質が4段階に区分されているが、この区分数は一例であり、3以下又は5以上の複数段階に区分されていてもよい。
なお、受信品質DB30はあくまで標準的な受信品質を記憶するものであるから、常にこの受信品質を反映した受信感度で携帯端末10が放送波を受信できるとは限らない。例えば、受信品質が良好な場所であっても、携帯端末10の位置の周辺環境や外乱などの影響によって、放送波の受信感度が低下することはあり得るし、受信品質が不良である場所であっても、その一部の場所では放送波の受信感度が十分に確保される場合もあり得る。
続いて、携帯端末10の制御部11が実現する機能について説明する。
制御部11はプログラムを実行することにより、位置特定部111と、指示受付部112と、受信品質特定部113と、問合せ部114と、応答受付部115と、チューナ制御部116とに相当する各機能を実現する。
位置特定部111は、携帯端末10の現在位置を特定する。位置特定部111は、測位部17により携帯端末10の位置が測られると、測位部17で測られた位置を示す位置情報を取得する。位置特定部111は、取得した位置情報に基づいて携帯端末10の現在位置を特定する。
なお、問合せ部114は、受信品質が「◎」又は「○」である場合、受信不良条件を満たさないと判別して、ユーザに対して放送内容の再生開始の有無に関する問合せをしない。
チューナ制御部116は、応答受付部115により放送内容の再生を開始する旨の応答が受け付けられなかった場合、再生開始指示に応じてチューナ部16に放送内容の再生を開始させない。一方で、チューナ制御部116は、放送内容の再生を開始する旨の応答が応答受付部115で受け付けられた場合、チューナ部16に放送波に基づく放送内容の再生を開始させる。
なお、チューナ制御部116は、受信品質特定部113により特定された受信品質が「◎」又は「○」である場合であって受信不良条件を満たさない場合、直ちに、再生開始指示に応じてチューナ部16に放送内容の再生を開始させる。
次に、携帯端末10の動作について説明する。
制御部11は、ユーザの操作部14の操作により再生開始指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS1)。ここで、制御部11は、ワンセグ放送の視聴開始を指示する操作部14の操作がユーザにより行われて、再生開始指示を受け付けたと判断すると(ステップS1;YES)、ステップS2の処理に進む。
次に、制御部11は、チューナ部16による放送内容の再生開始の有無をユーザに問い合わせる(ステップS5)。ここでは、制御部11は、図6に示す内容の問合せ画面を表示部15に表示させて、この問合わせに対する応答をユーザに促す。図6に示すように、問合せ画面には、「放送波の受信状況が悪く、視聴が困難な可能性があります。起動しますか?」というメッセージとともに、「YES」と示されたソフトボタンSb1と、「NO」と示されたソフトボタンSb2とが配置されている。ユーザは操作部14を操作して問合せ画面のカーソルCを移動させて、ソフトボタンSb1又はSb2のいずれかを選択する。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
この第2実施形態の携帯端末10は、受信品質DB30を自端末内に有し、この受信品質DB30に基づいて受信品質を特定する点で、上述の第1実施形態の構成と相違する。以下の説明において、本実施形態の携帯端末10が備える構成のうち、第1実施形態の携帯端末10が備える構成と共通するものは同一の符号を付して表し、その各構成の説明を省略する。なお、携帯端末10のハードウェア構成は、第1実施形態のものと同じである。
携帯端末10は、図7に示すように、制御部11と、音声入出力部12と、無線通信部13と、操作部14と、表示部15と、チューナ部16と、測位部17と、記憶部18とを備える。記憶部18は、受信品質DB30を記憶する。受信品質DB30は、上述した第1実施形態と同様、図3に示される内容のデータベースであればよい。本実施形態の受信品質DB30は、例えばサーバ装置20から定期的に配信され、携帯端末10がこれを受信して記憶部18に記憶させることで、携帯端末10内に取り込まれる。
制御部11はプログラムを実行することにより、位置特定部111と、指示受付部112と、受信品質特定部113と、問合せ部114と、応答受付部115と、チューナ制御部116と、更新部117とに相当する各機能を実現する。これら各機能のうち、位置特定部111、指示受付部112、受信品質特定部113、問合せ部114、応答受付部115、及びチューナ制御部116の各機能は、上述した第1実施形態と同じ機能であるから、その説明を省略する。
そこで、更新部117は、チューナ部16で放送波に基づく放送内容が再生されている期間においてビットエラーレートやS/N比などの受信品質の程度を示すパラメータを算出し、算出したパラメータに対応する受信品質(「◎」、「○」、「△」又は「×」のいずれか)と、この受信品質の算出対象となった場所とを対応付けて受信品質DB30に記憶させる。
なお、携帯端末10の動作については、上述したステップS3の処理での受信品質を特定する処理が、記憶部18に記憶される受信品質DB30を参照する点で異なるだけであり、その他の動作は上述した第1実施形態と同じである。
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
[変形例1]
ユーザにしてみれば、少々受信品質が悪い場所であってもワンセグ放送を視聴したい場合もあれば、受信品質が良好である場合にだけワンセグ放送を視聴できれば十分という場合もあると考えられる。そこで、この変形例では、携帯端末10はユーザがどの程度ワンセグ放送の視聴を欲しているかを、ステップS6の処理の応答の結果から判定し、この判定結果に基づいて、ユーザに対するチューナ部16による放送内容の再生開始の有無に関する問合せの有無を変化させる。以下、第1実施形態の携帯端末10がこの変形例の構成を備えた態様を説明するが、第2実施形態の携帯端末10であっても同様に実施可能である。
制御部11はプログラムを実行することにより、位置特定部111と、指示受付部112と、受信品質特定部113と、問合せ部114と、応答受付部115と、チューナ制御部116と、応答特定部118とに相当する各機能を実現する。これら各機能のうち、位置特定部111、指示受付部112、受信品質特定部113、問合せ部114、応答受付部115、及びチューナ制御部116の各機能は、上述した第1実施形態と同じ機能であるから、その説明を省略する。
応答特定部118は、応答受付部115により再生開始する旨の応答が受け付けられた回数を数え、この回数を特定する。応答特定部118は、再生開始する旨の応答が受け付けられた回数が閾値以上(例えば、20回)になった場合に、その旨を問合せ部114及びチューナ制御部116に通知する。問合せ部114は、この通知を受け取った以降は、ユーザに対して再生開始の有無の問合せをしない。チューナ制御部116は、この通知を受け取った以降は、指示受付部112により再生開始指示が受け付けられたことを契機に、チューナ部16を作動させて放送内容の再生を開始させる。
なお、この変形例では、応答特定部118が再生開始する旨の応答が受け付けられた回数を特定することに代えて、当該応答が受け付けられた頻度を特定してもよい。この場合であっても、応答特定部118は、再生開始する旨の応答が受け付けられた頻度が閾値以上(例えば、最近1週間に5回以上)になった場合に、その旨を問合せ部114及びチューナ制御部116に通知して、問合せ部114及びチューナ制御部116が前掲のように機能すればよい。
上述した各実施形態の携帯端末10では、受信不良条件が固定的であったが、これを動的に変化させてもよい。ここでは、上述した変形例1と同様の理由により、携帯端末10がユーザがどの程度ワンセグ放送の視聴を欲しているかを、ステップS6の処理の応答の結果から判定し、この判定結果に基づいて、受信品質が不良であることを示す受信不良条件を設定する。この場合、変形例1の構成を以下のように変化させればよい。
問合せ部114は、応答特定部118により特定された回数又は頻度が閾値以上となった場合、当該回数又は頻度が閾値未満である場合から、受信不良条件を満たすと判別する受信品質を低い方にシフトさせる。例えば、デフォルトでは、問合せ部114は、受信品質が「△」又は「×」である場合に受信不良条件を満たすと判別してユーザに問合せをするが、再生開始する旨の応答回数又は頻度が閾値以上に達した場合には、受信品質が「△」である場合には問合せをせずに、「×」である場合にだけ問合せをする、という具合である。この構成であっても、上述した変形例1と同等の作用効果を奏するし、ユーザの携帯端末10の利用状況を考慮した態様で携帯端末10が動作することになる。
上述した各実施形態では、ユーザからの再生開始指示に応じて、制御部11は測位部17に現在位置を測らせていた。これに代えて、携帯端末10において、測位部17が例えば周期的に繰り返し測位する動作モードに設定されているときには、制御部11はステップS2の処理を省略して、再生開始指示を受け付ける操作を受け付けた時点での測位部17での最新の測位結果を用いて受信品質を特定するようにしてもよい。
また、携帯端末10はユーザによる各種の指示を音声認識などの技術を用いて再生開始指示や問合せに対する応答を受け付けてもよく、要するに、操作部14の操作以外の方法でユーザからの指示や応答を受け付けてもよい。また、応答受付部115でユーザからの応答を受け付けなかった場合には、チューナ制御部116はチューナ部16に放送内容を再生開始させないようにしてもよい。
また、携帯端末10はGPS測位方式以外の方法で自端末の現在位置を特定してもよい。携帯端末10、例えば、フェムトセルやマクロセルを構成する基地局単位の位置を測るものであってもよい。この場合、携帯端末10は、基地局から送信される各基地局を識別する基地局IDを取得して、この基地局IDが示す基地局のセルを現在位置として特定する。同様にして、携帯端末10は、基地局により構成されるセクタ単位の位置を測ってもよいし、IMCS(Inbuilding Mobile Communication System)(登録商標)と呼ばれるサービスで使用される中継装置単位の位置を特定してもよい。
上述した各実施形態では、本発明の携帯端末を携帯電話端末に適用した場合を説明したが、本発明は、その他の携帯端末に適用することも可能である。例えば、本発明は、例えば、スマートフォンやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯ゲーム機等の様々な携帯端末に適用することができる。また、携帯端末によっては、携帯端末10の内部構成を適宜外部構成としても本発明を特定しうる。
上述した各実施形態では、携帯端末10がワンセグ放送の放送波に基づいて放送内容を再生するものであったが、本発明では放送の態様は特に問わない。すなわち、チューナ部は、デジタル放送の放送波に基づいて放送内容を再生するものであってもよいし、アナログ放送の放送波に基づいて放送内容を再生するものであってもよい。
また、携帯端末10の制御部11が実現する各機能は、複数のプログラムの組み合わせによって実現され、又は、複数のハードウェア資源の協働によって実現されうる。
Claims (5)
- 放送波に基づいて放送内容を再生するチューナ部と、
自端末の現在位置を特定する位置特定部と、
前記放送内容の再生開始の指示をユーザから受け付ける指示受付部と、
前記指示受付部により前記指示が受け付けられた場合、複数位置における前記放送波の受信品質を記憶する受信品質記憶部に記憶された、前記位置特定部により特定された現在位置での前記受信品質を特定する受信品質特定部と、
前記受信品質特定部により特定された受信品質が所定の受信不良条件を満たす場合、前記再生開始の有無をユーザに問い合わせる問合せ部と、
前記問合せ部による問合せに対するユーザからの応答を受け付ける応答受付部と、
前記応答受付部により前記再生開始する旨の応答が受け付けられなかった場合、前記指示に応じて前記チューナ部に前記放送内容の再生を開始させないチューナ制御部と、
前記応答受付部により前記再生開始する旨の応答が受け付けられた回数又は頻度を特定する応答特定部と
を備え、
前記問合せ部は、
前記応答特定部により特定された前記回数又は頻度が閾値以上となった場合、当該回数又は頻度が当該閾値未満の場合から、前記受信不良条件を満たすと判別する前記受信品質を低い方にシフトさせる
ことを特徴とする携帯端末。 - 前記受信品質記憶部を有する外部装置と無線通信する無線通信部を備え、
前記受信品質特定部は、
前記特定された現在位置での前記受信品質を通知するよう前記無線通信部により前記外部装置に要求し、前記無線通信部により当該外部装置から受信された通知に基づいて、前記受信品質を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。 - 自端末が前記受信品質記憶部を有し、
前記特定された現在位置と、当該位置で前記チューナ部が受信する放送波の受信品質とに基づいて、前記受信品質記憶部の記憶内容を更新する更新部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。 - 所定の位置における前記放送波の受信品質を示す更新データを外部装置から受信する無線通信部を備え、
前記更新部は、
前記無線通信部が受信した更新データに基づいて、前記受信品質記憶部の記憶内容を更新する
ことを特徴とする請求項3に記載の携帯端末。 - 放送波に基づいて放送内容を再生するチューナ部を有する携帯端末のコンピュータに、
前記携帯端末の現在位置を特定する位置特定ステップと、
前記放送内容の再生開始の指示をユーザから受け付ける指示受付ステップと、
前記指示受付ステップで前記指示が受け付けられた場合、複数位置における前記放送波の受信品質を記憶する受信品質記憶部に記憶された、前記位置特定ステップで特定された現在位置での前記受信品質を特定する受信品質特定ステップと、
前記受信品質特定ステップで特定された受信品質が所定の受信不良条件を満たす場合、前記再生開始の有無をユーザに問い合わせる問合せステップと、
前記問合せステップでの問合せに対するユーザからの応答を受け付ける応答受付ステップと、
前記応答受付ステップで前記再生開始する旨の応答が受け付けられなかった場合、前記指示に応じて前記チューナ部に前記放送内容の再生を開始させないチューナ制御ステップと、
前記応答受付ステップにおいて前記再生開始する旨の前記応答が受け付けられた回数又は頻度を特定する応答特定ステップと
を実行させ、
前記問合せステップにおいて、
前記応答特定ステップで特定された前記回数又は頻度が閾値以上となった場合、当該回数又は頻度が当該閾値未満の場合から、前記受信不良条件を満たすと判別する前記受信品質を低い方にシフトさせるためのプログラム。
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