JP5643653B2 - 枢動可能に配置された切断素子のアセンブリを有するシェービング装置 - Google Patents

枢動可能に配置された切断素子のアセンブリを有するシェービング装置 Download PDF

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Description

本発明は、シェービング装置であって、互いに対して移動可能に配置され且つ前記装置の動作の間毛を切断する目的のために協働するように構成された、少なくとも2つの切断素子のアセンブリと、前記装置の動作の間、前記毛切断素子に互いに対して往復運動を実行させるための駆動手段と、前記駆動手段の一部であり、且つ、前記切断素子に対する実際の接触に基づいて、前記切断素子の少なくとも一方に往復運動をさせるように働く、少なくとも1つの駆動部材と、を有し、前記切断素子は枢軸のまわりに枢動可能であるシェービング装置に関する。
本発明はまた、上述したシェービング装置における使用のための切断素子、及び上述したシェービング装置における使用のための少なくとも2つの切断素子のアセンブリに関する。
最初のパラグラフにおいて定義されたようなシェービング装置は、例えば米国特許US6,357,118より知られている。本文献に記載されたシェービング装置は、筐体、該筐体に装着されたシェービングヘッドフレーム、及び少なくとも2つの協働する切断素子を備えたシェービングヘッドを有する乾式シェービング装置であり、該協働する切断素子の少なくとも一方は、往復切断素子である。更に、該シェービング装置は、該筐体に結合された支持フレームを有する。特に、該支持フレームは、該シェービングヘッドフレーム内にシェービングヘッドを装着するための2つの支持アームを持ち、更に枢軸を定義する機能をも持つ。シェービングヘッドフレームと2つの支持アームとの間には、円錐形の軸受が配置され、該円錐形の軸受にばね力を掛けるためのばねが備えられる。該シェービングヘッドは、ばね素子のばね力により作用される該円錐形の軸受により枢軸のまわりの枢動のために装着及び保持される。
往復切断素子を駆動する目的のため、米国特許US6,357,118より知られた該シェービング装置は、筐体内に配され且つ該切断素子への駆動する動きの伝達のための駆動素子を持つ電気駆動機構を有する。該駆動素子は回転軸として構成され、該回転軸に対して、二重偏心ドライブとして構成された偏心ドライブが、駆動する動きを駆動素子から支持フレームの壁における開口を通してシェービングヘッドフレームに備えられた振動橋構造へと伝達するために固定される。該振動橋構造は、二重偏心ドライブとして構成された偏心ドライブのピンが係合する、蟻継ぎ型の構成のスロットを持つ。支持アームが具備された支持フレームは、往復切断素子の動きの方向におけるシェービングヘッドの振動する動きを保証し、更に、円錐型の継ぎ手を通して、枢軸のまわりのシェービングヘッドの枢動を保証する。該枢軸の方向に関しては、支持フレームの2つの支持アームの末尾に配置されるものはそれぞれの円錐であり、該円錐は、装着された条件におけるシェービングヘッドを伴う円錐の頂点を通って延在するように配置される。
上述した既知のシェービング装置の筐体におけるシェービングヘッドの枢動可能な構成の主な機能は、シェービング装置の使用の間の輪郭への追従である。シェービング装置の能力を最大限に活用するようにシェービング装置を動かし位置させることが出来るのは非常に熟練したユーザのみであり、斯かるユーザは通常、該装置の取り扱いを確認するために鏡を必要とする。それ故、該装置の筐体に対して切断素子の位置を調節可能とすることにより、シェービング装置を輪郭への追従を自動的に実行するように構成されたものとすることが望ましい。なぜなら、該装置の性能のレベルは、シェービングされるべき肌に切断素子が配置される態様に関連するからである。
米国特許US6,357,118より知られた該シェービング装置は、自動的な輪郭への追従を可能とするように構成されている。しかしながら、その構造は非常に複雑であり、このことは、該装置の使用の間に該装置の筐体におけるシェービングヘッドの枢動を可能とする際に、かなりの数の構成要素が包含されるという事実に関連するものである。また、電気駆動機構が、枢軸受により振動のために装着されることも真である。該機構が比較的重いという事実に鑑みれば、このことはユーザによるシェービング装置の便利な取り扱いに寄与するものではない。
国際特許出願公開WO2005/092579は、2つの毛切断素子を持つシェービング装置を開示しており、ここで該毛切断素子のそれぞれは、刃先を持つ略V字型の歯の列を備える。切断開口が、協働する歯の各対の間に存在し、0度と30度との間のせん断角を持つ。該シェービング装置の動作の間、切断開口は完全には閉じられず、その結果、肌のダメージは著しく低減される。
国際特許出願公開WO2005/092579から知られたシェービング装置の特徴は、動作の間に互いに対する毛切断素子により実行される動きのストロークが、10μm乃至150μmの範囲となり得る点である。シェービング装置に馴染んだ者にとっては、これが非常に小さなストロークであることが明白であろう。シェービング装置が利用され切断素子が負荷を受けるときにストロークが残らないという状況を回避するため、切断素子及びこれら素子の駆動系の高い剛性(例えば少なくとも3N/μmの剛性)が必要とされる。換言すれば、シェービング装置のシェービング装置性能の低下を回避するためには、駆動力を供給するためのモータから、毛切断素子の歯の先に至るまで、シェービング装置の構成要素及び構成要素間の接続の剛性が高いことが重要である。
本発明の目的は、一方では駆動系が高い程度にまで剛性が高くなることが可能であり、他方では自動的な輪郭への追従を可能とすることが可能な、シェービング装置を提供することにある。駆動手段及び毛切断素子の全てが一体として動くようにすることも、選択肢として考えられる。しかしながら、該選択肢は現実的ではない。なぜなら、モータのような駆動源は比較的大きく重いからである。また、この選択肢が実現されるとすると、質量中心が、該装置の感触が不快なものとなる見込みが高く、また輪郭への追従が得られる実際の程度が非常に限られる見込みが高くなるほど、該装置の使用の間の肌に接するよう意図される該シェービング装置の領域から離れて位置することになってしまう。
一見すると、駆動系における適切な位置にヒンジを単に配置することが実現可能な選択肢に思われるかも知れないが、これも現実的ではないと考えられる。第一に、斯かるヒンジを通過するのに必要となる機能力伝達が高い。容易な輪郭への追従を可能とするためには、駆動系と往復切断素子との間のインタフェースに、過剰な力が掛かるように思われる。実際、駆動手段により生成される力は、ヒンジにおける回転運動において、高い摩擦力を生じる。第二に、殆どの既知の剛性の高いヒンジは、シェービング装置のようなハンドヘルド型の装置においては貴重である空間を占有してしまう。更に、斯かるヒンジが適用される場合には、複雑な構造的な手段を採用せずには、肌のレベルに枢軸を近くすることが不可能となる。
本発明は、駆動手段及び毛切断素子の全てが一体に動くようにすること、及び剛性の高いヒンジを適用することよりも、かなり優れた方法を提供することにより、以上に定義された目的を達成する。とりわけ、本発明は、シェービング装置であって、
互いに対して移動可能に配置され且つ前記装置の動作の間毛を切断する目的のために協働するように構成された、少なくとも2つの切断素子のアセンブリと、
前記装置の動作の間、前記毛切断素子に互いに対して往復運動を実行させるための駆動手段と、
前記駆動手段の一部であり、且つ、前記切断素子に対する実際の接触に基づいて、前記切断素子の少なくとも一方に往復運動をさせるように働く、少なくとも1つの駆動部材と、
を有し、斯かる接触は、前記切断素子の接触面に対する前記駆動部材の接触面の当接を含み、
前記切断素子は、前記駆動部材と前記切断素子との接触面と交差する枢軸のまわりに、前記駆動部材に対して枢動可能に構成された、シェービング装置を提供する。
本発明によるシェービング装置は、少なくとも1つの切断素子を駆動するための手段を有する。多くの実際的な場面において、シェービング装置は電動シェービング装置であり、少なくとも1つの切断素子に望ましい動きを課すための電動モータ及び適切な伝達装置が適用される。しかしながら、例えば燃料電池が適用される実施例のような、他の実施例も実現可能である。
本発明は、シェービング装置における剛性の損失のない、且つ駆動源を移動させる必要のない、切断素子の枢動可能な構成が得られるような方法を提供する。このことは、切断素子を、該切断素子がシェービング装置の駆動手段の部材と接触する位置と交差する軸のまわりに枢動可能とすることにより実現される。このようにして、シェービング装置における駆動系の剛性が最適となり得る。なぜなら、駆動部材と切断素子との間に直接の接触が依然として存在するからである。他の重要な利点は、枢軸が肌のレベルに近いため、輪郭への追従が最も正確な態様で行われ得るという点である。実際的な実施例においては、切断素子が枢動可能である枢軸は、切断素子が互いに対して移動可能である方向に略平行に延在し、そのため、ユーザにとって自然に感じられる態様で輪郭への追従が行われ得る。
好適には、切断素子の枢動が摩擦力によって妨げられ過ぎないようにするため、駆動部材と切断素子との接触面の一方が凸状の形状を持ち、該接触面の他方が、該接触面の前記一方の凸状の形状と相補的な凹状の形状からは逸脱した形状を持つ。比較的小さな面積に亘ってのみ互いと触れることが可能なような形状とされた接触面を持つことにより、摩擦力の影響を比較的小さく保つことを達成し、駆動部材に対する切断素子の枢動は、輪郭への追従が実際に行われるに十分な程自由な程度にまで可能とされる。同時に、切断素子の往復運動の方向からみた接触面における剛性は高く、ヘルツ接触変形によってのみ影響を受ける。
実用的な実施例においては、駆動部材と切断素子との接触面の一方が凸型の形状を持ち、該接触面の他方が略平面状の形状を持つ場合に、比較的小さな面積の接触が達成され得る。
駆動部材及び切断素子の一方の接触面が、駆動部材及び接触素子の一方に装着される比較的小さな接触素子の一部であり、両方の接触面が略平面であることも可能である。斯かる場合には、接触素子が比較的小さいという事実に基づいて、比較的小さな面積の接触が達成される。実際に、接触素子の接触面の大きさは、接触の領域の大きさを定義する。接触素子の接触面の大きさが0.6mm以下であることが好適であり、これらの大きさが0.3mmよりも小さいことが更に好適である。接触素子は小さなピンであっても良く、例えば短いワイヤを切断することによって得られても良い。
駆動部材は、側面から切断素子に接触するように配置されても良いが、駆動部材及び切断素子の一方が、駆動部材及び切断素子の他方の少なくとも一部を収容するためのセクションを有することも可能である。例えば、駆動部材及び切断素子の一方が穴を備えられても良く、駆動部材及び切断素子の他方が、該穴に収容されるように構成されたピンを有しても良い。一つの可能性によれば、斯かる構成は外力で閉じるもの(force-closed)であり、このことは、ピンが遊びのある穴に収容されることを意味し、ピンと該穴を区切る面とが互いにバイアスを掛けられ、それにより駆動部材及び切断素子の接触面間の接触が保証され、駆動部材が往復運動を切断素子に課す機能を実行することが可能となる。他の可能性によれば、該構成は形態により閉じる(form-closed)ものであり、このことは、ピンが穴に堅く嵌合させられていることを意味する。当然、斯かる場合においては、駆動部材及び切断素子の接触面間の接触が、全ての状況下で保証される。
いずれの場合においても、本発明によれば、切断素子は、駆動部材及び切断素子の面が互いに接触する位置と交差する軸のまわりに枢動可能である。例えば、駆動部材がピンを有し、切断素子が該ピンを受容する穴を持つ場合には、該ピンは長方形の断面を持ち得、該穴は全体的に長方形な形状を持ち得、往復運動の方向において穴を区切る切断素子の表面が、凸状に曲がっている。外力で閉じる構成においては、ピンの一方の側が1つの凸状の面の上に触れ、切断素子が、駆動部材及び切断素子の面が互いに触れる位置と交差する軸のまわりに枢動可能である。形態により閉じる構成の場合においては、該ピンの2つの対向する側のそれぞれが凸状の面の上に触れ、切断素子が、駆動部材及び切断素子の面が互いに触れる位置と交差する軸のまわりに枢動可能である。いずれの場合においても、平坦な面と凸状の面との間で接触が確立されるという事実に基づき、摩擦力が、既に以上において説明したように、有用な輪郭への追従が行われるために十分に低いレベルに保たれる。
本発明は、以上に説明されたようなシェービング装置に関し、更に、該シェービング装置における使用のための切断素子に関する。該切断素子は、前記シェービング装置の前記駆動部材の少なくとも一部、とりわけ前記接触面を持つ一部を収容するための穴を備えても良く、このとき前記穴、とりわけ前記切断素子の前記接触面として働くことを意図された一部を区別する前記面の一部が、上述したように、摩擦力を適切なレベルに保つという理由のため、好ましくは凸状の形状を持つ。
多くの実際的な場面において、シェービング装置は、本体及び少なくとも2つの切断素子のアセンブリを有し、切断素子のアセンブリはシェービング装置の使い捨て部分を構成しても良く、それ故本体に対して着脱可能に構成される。本発明は言及されたようなアセンブリ(使い捨てであっても使い捨てでなくとも良い)にも関し、とりわけ、先行するパラグラフにおいて記載されたような切断素子、即ち穴と凸状の形状の接触面とを備えた切断素子を有するアセンブリに関する。
本発明の上述した及び他の態様は、本発明によるシェービング装置の以下の説明を参照しながら、説明され明らかとなるであろう。
本発明は図面を参照しながら以下に詳細に説明され、ここで同等の又は類似する部分は、同一の参照記号により示される。
本発明によるシェービング装置の斜視図を示す。 図1に示されたシェービング装置の毛切断素子の一部の斜視図を示す。 図1に示されたシェービング装置の構成要素、とりわけ、毛切断素子及び該毛切断素子を支持及び駆動するための手段の断面図を、互いに対する種々の位置において模式的に示す。 図1に示されたシェービング装置の構成要素、とりわけ、毛切断素子及び該毛切断素子を支持及び駆動するための手段の断面図を、互いに対する種々の位置において模式的に示す。 切断素子に対する実際の接触に基づいて切断素子に対して運動を課すように働く、図3及び4に示された駆動手段の部材の斜視図を模式的に示す。 図5に示されたような駆動部材及び該駆動部材に装着された切断素子の断面図を模式的に示す。 駆動部材及び図6に示されたような該駆動部材に装着された切断素子の一部の斜視図を模式的に示す。 図6及び7に示された切断素子の穴の輪郭を模式的に示す。 図6及び7に示された駆動部材及び切断素子の構成に関する、2つの異なる選択肢を示す。 図6及び7に示された駆動部材及び切断素子の構成に関する、2つの異なる選択肢を示す。 図6及び7に示された駆動部材及び切断素子の構成に関する、2つの異なる選択肢を示す。 図6及び7に示された駆動部材及び切断素子の構成に関する、2つの異なる選択肢を示す。
図1は、本発明によるシェービング装置1を示し、該シェービング装置1は、本体2、並びに2つの細長い毛切断素子4及び5のアセンブリ3を有し、該アセンブリ3は本体2に装着される。
シェービング装置1によりシェービング動作を実行する目的のため、シェービング装置1のユーザは、シェービング装置1の本体2を握り、毛が除去されるべき肌の領域に亘って切断素子4、5のアセンブリ3を動かす。シェービング装置1の動作の間、毛切断素子4及び5は、シェービング装置1の駆動手段により互いに対して動かされる。
図2において、シェービング装置1の毛切断素子4及び5の位置が示されている。毛切断素子4及び5の両方は、略V字型の歯6及び7の列を有する。毛切断素子4及び5のアセンブリ3において、毛切断素子4及び5は、毛切断素子4及び5の一方の歯6及び7が、毛切断素子4及び5の他方の歯6及び7の間の空間に位置するように装着される。それ故、2つの毛切断素子4及び5の歯6及び7の対8が識別され得る。歯6及び7のベースに向かう方向に収束する切断開口9は、1つの対8の歯6及び7間に存在する。
シェービング装置1の動作の間、毛切断素子4及び5は、歯6及び7の列が延在する方向に、互いに対して往復運動を実行するように駆動される。図2において双方向矢印Mにより示されたこの動きにより、歯6及び7間の切断開口9のサイズは、連続的に変化する。互いに対する毛切断素子4及び5の一方の極限位置において、切断開口9は最大となり、互いに対する毛切断素子4及び5の他方の極限位置において、切断開口9は最小となる。シェービング動作は、切断開口9における毛の捕獲を含み、この目的のため、シェービング装置1のユーザは、肌に沿って切断素子4及び5のアセンブリ3を動かす必要があり、切断開口9のサイズを減少させる。
毛切断素子4及び5の両方の歯6及び7は、毛を実際に切断する目的のため、刃先10及び11を備える。歯6及び7の各対8において、歯6及び7の刃先10及び11は互いに面する。毛切断素子4及び5の一方の歯7は、尖っていない刃先12をも備える。これらの刃先12は、他方の毛切断素子4の歯6の刃先10により切られる毛13を支持するように働く。
シェービング装置1により実行されるシェービング動作の有効性は、肌に対する切断素子4及び5の位置に密接に関連する。この事実に鑑み、本発明によるシェービング装置1においては、切断素子4及び5のアセンブリ3は、図示された例においては、毛切断素子4及び5の相対運動の方向に延在する枢軸のまわりに、本体2に対して枢動可能であるように装着される。シェービング動作の間、ユーザはシェービング装置1を肌に対して動かし、該ユーザは本体2を、シェービング装置1の適切な動作に適すると感じる位置に保つ。このようにして、肌に対する切断素子4及び5のアセンブリ3の位置が、粗く定義される。しかしながら、肌に対するアセンブリ3の位置の正確な適合は、アセンブリ3と肌との間の接触に基づいて得られる。本工程において、肌に対する本体2の位置とは或る程度独立して、アセンブリ3が肌の輪郭に追従することが可能である。なぜなら、アセンブリ3は、本体2に対して自由に枢動できるからである。図3及び4において、本体2に関連する毛切断素子4及び5を駆動するための部材14に対する、毛切断素子4及び5のアセンブリ3の2つの異なる位置が示されている。
図2により示された毛切断素子4及び5の構成を持つシェービング装置1において、互いに対する毛切断素子4及び5の往復運動のストロークは、比較的小さい。例えば、該ストロークは約100μmであっても良く、2つの毛切断素子4及び5は、約130μmの大きさのオーダーの互いに対する運動の自由度を持つ。更に、毛切断素子4及び5の動きの周波数は、約200Hzであっても良い。シェービング動作の間ストロークを維持するため、比較的高い駆動剛性が必要とされる。これに鑑み、剛性は好適には3N/μmよりも高い。
本発明によるシェービング装置1は、毛切断素子4及び5の枢動する構成と、比較的高い駆動剛性との両方を持つ。このことは、毛切断素子4及び5を、肌に最も近くに位置されることを意図される毛切断素子4及び5の少なくとも一方(例えば毛切断素子5)が駆動部材14に接触する位置と交差する軸のまわりに枢動可能とすることにより達成される。図において、枢軸は破線及び点線15により示される。以下、肌に最も近くに位置されることを意図される毛切断素子5は、上部毛切断素子5とも示される。
枢軸15の位置が駆動部材14と毛切断素子5との間の接触の位置により決定されるという事実のため、シェービング装置1の使用の間枢軸15が肌に近いことが達成され、それにより最適な輪郭への追従が可能である。更に、輪郭への追従及び関連する枢動する動きを実現するために、重い及び/又はかさばる構成要素は必要とされない。
駆動部材14は、図5により詳細に示される。実際的な実施例においては、シェービング装置1は、本体2における毛切断素子4及び5のアセンブリ3を装着するため、これら駆動部材14の少なくとも2つを有する。駆動部材14は、シェービング装置1の駆動系の端部にあり、毛切断素子4及び5に対して当接することにより毛切断素子4及び5に往復運動を実際に課すように構成される。図5において、毛切断素子4及び5に接触するように意図される駆動部材14の表面は、参照番号16により示される。図示される駆動部材14は、毛切断素子4及び5の両方を支持及び駆動するために適切である。完全さのため、このことは駆動部材14の必須の特徴ではない点に留意されたい。
図示される例においては、切断素子4及び5は、駆動部材14の一部を受容するための細長い穴17及び18を持ち、毛切断素子4及び5は、互いの上に配置されつつ駆動部材14に装着され、駆動部材14の一部は、穴17及び18を通ってピンのように延在する。説明されたような装着される構成は、図6及び7により明確に示されている。毛切断素子4及び5の穴17及び18は、図7に示されている。図7は更に、駆動部材14及び上部毛切断素子5の位置を示し、駆動部材14の接触面16は、往復運動の方向における毛切断素子5における穴18の区別する面である、毛切断素子5の接触面19と接触する。この位置において、上述した接触に基づいて、駆動部材14は、毛切断素子5に対して往復運動を課すことが可能である。ばねのような弾性手段(図示されていない)が、毛切断素子5の接触面19に対して駆動部材14を押し付けるために利用されても良く、このとき、駆動部材14及び毛切断素子5の接触面16及び19が互いに接触する位置が、デフォルトの位置であるようにされる。
有利にも、毛切断素子5の接触面19は、図8に示されるように凸状に曲がっている。本図において、接触面19の半径Rが示されている。接触面19が平坦である場合には、図示された例におけるように、駆動部材14の接触面16も略平坦だと仮定すると、駆動部材14と毛切断素子5との間にかなりの量の摩擦が存在することとなる。接触の面積を減少させることにより、シェービング動作の間の肌の一部への接触の影響下で、駆動部材14に対して毛切断素子5が枢動させられたときに小さな摩擦モーメントしか生成されず、該小さな摩擦モーメントは、必要とされる輪郭への追従を可能とするのに十分に小さいものとなり得る。更に、図示された構成においては、毛切断素子4及び5の往復運動の方向における剛性は高く、ヘルツ接触変形によってのみ影響を受ける。これに鑑み、接触面19の半径の最小値が、実現される必要のある最小の剛性により決定され、このとき該半径が適用される際に生じるヘルツ接触応力を考慮に入れる。
凸状に曲がった毛切断素子5の接触面19を持つ有利な選択肢に関しては、一般的に、駆動部材14と毛切断素子5との間の接触を、略平坦な面と凸状に曲がった面との間の接触とすることが有利である点に留意されたい。いずれの場合にも、輪郭への追従が可能となる程度に摩擦力を低減するため、面間の接触が比較的大きな面積に亘って起こる、凸状に曲がった面とそれに合致する凹状に曲がった面との組み合わせを利用しないことが好適である。毛切断素子5が凸状に曲がった面19を備え駆動部材14が略平坦な面16を持つことは必須ではなく、その逆も可能である。
駆動部材14及び毛切断素子5の面19が互いに対してバイアスされる構成は、外力で閉じる構成として知られる。斯かる構成における駆動部材14及び毛切断素子4及び5の一部の模式的な図は図9及び10に示され、ここでは駆動部材14の往復運動が両方向の矢印Mにより示され、駆動部材14に対して上部毛切断素子5を引く力が一方向の矢印Fにより示される。
枢動の間の摩擦を更に低減させるため、該構成は外力で閉じる代わりに形態により閉じるものであっても良い。形態により閉じる構成においては、駆動部材14は毛切断素子5の穴18の中に堅く固定され、そのため駆動部材14及び毛切断素子5の接触面16及び19に掛かる平均の力は、予め応力が加えられる外力で閉じる選択肢に比べて小さい。
本発明の範囲は以上に議論された例に限定されるものではなく、本発明の幾つかの修正及び変更が、添付される請求項に定義された本発明の範囲から逸脱することなく可能であることは、当業者には明らかであろう。本発明は図面及び明細書において詳細に図示され説明されたが、斯かる図示及び説明は単に説明又は例示するものであり、限定するものではないと解釈されるべきである。本発明は、開示された実施例に限定されるものではない。
完全さのため、本明細において用いられる「シェービング装置」なる語は、シェーバ、刈り込み器、グルーミング用器具、及び女性用脱毛器具を含む、肌に近い毛を切ることにより肌の一部をシェービングするための種々の器具をカバーするものと理解されるべきである。
本発明によるシェービング装置1は、ユーザの肌に当てられる間に、自動的な輪郭への追従を可能とするように構成される。とりわけ、少なくとも1つの切断素子4、5がシェービング装置1に枢動可能に配置され、枢軸15は、切断素子4、5に往復運動をさせるための駆動部材14により切断素子4、5が接触される少なくとも1つの位置と交差する。このようにして、高い駆動剛性が保証され、このことは切断素子4及び5の動きのストロークが比較的小さい場合(例えば100μmのオーダー)に特に重要である。輪郭への追従の機能が摩擦モーメントによって著しく妨げられるような状況を回避するため、駆動部材14と毛切断素子4及び5との接触が、凸状に曲がった表面の、相補的な凹状の形状とは逸脱した形状(略平面形状のような)を持つ表面との接触を含むことが好適である。
図面、説明及び添付される請求項を読むことにより、請求される本発明を実施化する当業者によって、開示された実施例に対する他の変形が理解され実行され得る。請求項において、「有する(comprising)」なる語は他の要素又はステップを除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる不定冠詞は複数を除外するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (11)

  1. シェービング装置であって、
    互いに対して移動可能に配置され且つ前記装置の動作の間毛を切断する目的のために協働するように構成された、少なくとも2つの切断素子のアセンブリと、
    前記装置の動作の間、前記毛切断素子に互いに対して往復運動を実行させるための駆動手段と、
    前記駆動手段の一部であり、且つ、前記切断素子に対する実際の接触に基づいて、前記切断素子の少なくとも一方に往復運動をさせるように働く、少なくとも1つの駆動部材と、
    を有し、斯かる接触は、前記切断素子の接触面に対する前記駆動部材の接触面の当接を含み、
    前記切断素子は、前記駆動部材と前記切断素子との接触面と交差する枢軸のまわりに、前記駆動部材に対して枢動可能に構成された、シェービング装置。
  2. 前記切断素子が枢動する前記枢軸は、前記切断素子が互いに対して移動可能な方向と略平行に延在する、請求項1に記載のシェービング装置。
  3. 前記駆動部材及び前記切断素子の接触面の一方は凸状の形状を持ち、前記接触面の他方は、前記接触面の一方の凸状の形状に対して相補的な凹状の形状とは逸脱した形状を持つ、請求項1に記載のシェービング装置。
  4. 前記駆動部材及び前記切断素子の接触面の一方は凸状の形状を持ち、前記接触面の他方は略平坦な形状を持つ、請求項1に記載のシェービング装置。
  5. 前記駆動部材及び前記切断素子の一方の接触面は、前記駆動部材及び前記切断素子の前記一方に装着された比較的小さな接触素子の一部であり、両方の前記接触面が略平面であり、前記接触素子の接触面の長さが0.6mm以下である、請求項1に記載のシェービング装置。
  6. 前記駆動部材及び前記切断素子の一方は、前記駆動部材及び前記切断素子の他方の少なくとも一部を収容するための部分を有する、請求項1に記載のシェービング装置。
  7. 前記駆動部材及び前記切断素子の前記一方の前記部分の中に収容される前記駆動部材及び前記切断素子の前記他方の前記一部は、前記部分の中に遊びを伴って収容され、前記部分と、前記駆動部材及び前記切断素子の前記一方の接触面とは、互いに向けてバイアスを掛けられる、請求項6に記載のシェービング装置。
  8. 前記駆動部材及び前記切断素子の前記一方の前記部分の中に収容される前記駆動部材及び前記切断素子の前記他方の前記一部は、前記部分の中に堅く固定される、請求項6に記載のシェービング装置。
  9. 前記駆動部材及び前記切断素子の一方は穴を備え、前記駆動部材及び前記切断素子の他方は、前記穴の中に収容されるように構成されたピンを有する、請求項1に記載のシェービング装置。
  10. 請求項1に記載のシェービング装置における使用のための切断素子であって、前記シェービング装置の前記駆動部材の少なくとも一部、とりわけ前記接触面を持つ一部を収容するための穴を備え、前記穴、とりわけ前記切断素子の前記接触面として働くことを意図された一部を区別する前記面の一部が凸状の形状を持つ、切断素子。
  11. 請求項10に記載の切断素子を有する、請求項1に記載のシェービング装置における使用のための少なくとも2つの切断素子のアセンブリ。
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