図1は、本発明の実施の形態に係る照明装置の実施例1における種々の点灯状態における外観図である。図1(A1)はライン状のLED照明灯2、4および6が一直線に配置され、全て点灯している様子を示す。各LED照明灯2、4および6は、それぞれ内部に多数の白色LED8、10および11等が一列に配置されており、これをそれぞれ透過拡散性のカバーが覆う構造となっている。なお、図1(A1)では白色LED8、10および11等を模式的に大きく図示しているが、実際には各LED照明灯2、4および6にはもっと多くの白色LED(例えば288個)が列状に配置されている。
また、各LED照明灯2、4および6は互いに端部同士が密接して配置されているので、例えばLED照明灯2の図上左端の白色LED10はLED照明灯4の右端の白色LED11と近接した位置で発光し、且つ個々の透過拡散性のカバーのために個々の白色LEDは識別できないので、各LED照明灯2、4および6は継ぎ目のない連続した一本のLED照明灯のように発光する。
図1(A2)はLED照明灯2、4および6が全て消灯している様子を示す。このように、実施例1における最も単純な点灯状態は、図1(A1)と図1(A2)との間でLED照明灯2、4および6が全体として一本のLED照明灯のように点灯または消灯するものである。実施例1はまた、LED照明灯毎の点灯制御も可能である。図(A3)はその一例であって、LED照明灯2が消灯されているとともにLED照明灯4、6は消灯されている。図(A3)のような点灯は、例えば講演会場の照明において、LED照明灯6側にプロジェクタの投影スクリーンがあり、LED照明灯2側に聴講者の座席があって、メモをとるための照明が必要な場合などに好適である。
本発明の実施例1では、さらに、各LED照明灯2、4および6内の白色LEDがそれぞれ6つの区分毎に独立して点灯制御可能となっている。その詳細は後述する。上記のように、実施例1では各LED照明灯2、4および6は継ぎ目のない一本のLED照明灯のように発光するので、その一部を点灯させる場合、点灯と消灯の区切りは必ずしも図1(A3)のようにLED照明灯の境目である必要はなく、LED照明灯の途中であってもよい。図1(B1)から(B3)はこの様子を示したものである。
例えば、図1(B1)は、LED照明灯4および6とともにLED照明灯2の左から1/6を消灯させ、LED照明灯2の残りの5/6を点灯させたものである。また、図1(B2)は、LED照明灯6とともにLED照明灯4の左から4/6を消灯させ、LED照明灯4の残りの2/6をLED照明灯2とともに点灯させたものである。ここで注目すべきは、LED照明灯2とLED照明灯4の点灯部分が継ぎ目なく点灯して見えることである。還元すれば、LED照明灯2、4および6は継ぎ目のない一本のLED照明灯のごとく機能し、その点灯と消灯の区切りはLED照明灯4の途中の部分となっていることである。同様に、図1(B3)は、LED照明灯6の左から2/6を消灯させ、LED照明灯6の残りの4/6をLED照明灯4および2とともに点灯させたものである。この場合、点灯と消灯の区切りはLED照明灯6の途中の部分となる。
上記のように、実施例1は、LED照明灯間の継ぎ目がないように発光させるとともに各LED照明灯内の白色LEDを複数に区分して独立制御可能とすることにより、点灯と消灯の区切をフレキシブルに制御できる。これは、例えば上記のプロジェクタの投影スクリーンがある講演会場の照明において、会場の条件に応じた最適の照明を可能とする。なお、このような制御においては、点灯と消灯の区切が偶々図1(A3)のようにLED照明灯間の境目となることを妨げない。つまり、点灯と消灯の区切という観点からは、LED照明灯間の境目とLED照明灯の途中は全く等価である。実際の点灯と消灯の区切の変更は、後述のように、直線方向に移動可能なレバーをリモートコントローラに設け、これをLED照明2から6の列方向に対応してスライドさせることにより容易に操作可能である。
本発明の実施例1は、さらに、PWM(パルス幅変調)制御により点灯時の明るさを調光可能であり、かつその調光をLED照明灯単位だけでなく上記の各LED照明灯内の白色LEDの6つの区分毎に独立して制御可能である。従って、図1(A1)のように全てのLED照明灯2、4および6を点灯させた場合においてその明るさを全体的に調節できるほか、LED照明灯の列方向にグラデーションをつけて調光することが可能である。図1(C1)から図1(C3)はその様子を図示したものである。
図1(C1)は、LED照明灯単位でグラデーションをつけた例であり、LED照明灯2はデューティー100%、LED照明灯4はデューティー50%、LED照明灯6はデューティー25%でそれぞれ制御している。換言すれば、デューティー変化の区切りがLED照明灯の境目になっている例である。これに対し、図1(C2)は、各LED照明灯内の白色LEDの6つの区分毎の独立制御によりグラデーションをつけた例である。つまり、LED照明灯2の右から5/6はデューティー100%、LED照明灯2の残り1/6とLED照明灯4の右から4/6はデューティー50%、LED照明灯4の残り2/6とLED照明灯6の右から4/6はデューティー25%、LED照明灯6の残り2/6はデューティー13%でそれぞれ制御している。換言すれば、デューティー変化の区切りがLED照明灯の途中になっている例である。この場合も、デューティーが同じLED照明灯同士の境目は継ぎ目なく連続している。
図1(C3)は、図1(2)と同様にして、デューティー変化の区切りがLED照明灯の途中になっている例であるが、一方向にデューティーが変化するのではなく、一連のLED照明灯2、4および6において中央から両端に向かってだんだん明るさが小さくなるような調光が行われている。また、LED照明灯2および6において、デューティー変化の区切りがLED照明灯の途中においてそれぞれ二箇所生じている。
図1(C1)から図(C3)のようなグラデーション調光は、日中における窓のある部屋の照明に好適である。図1(C1)および図(C2)はいずれも、図において部屋の左側に窓があり、外部からの採光が可能な窓近くでは照明を落とし、部屋全体の明るさを均一にするとともに節電を図るものである。同様のことは図1(A1)および図(B1)か図(B3)のような制御により窓近くのLED照明灯またはその一部分を完全に消灯することによっても大まかには可能であるが、完全な消灯は部屋のイメージを暗くすることもあるので、図1(C1)や図(C2)のようなグラデーション調光が可能であることは部屋の明るさを均一にするとともに心理上も有益である。なお、図1(C3)のようなグラデーション調光は部屋の両側に窓がある場合に好適である。
図2は、実施例1の照明装置を天井に設置した際の配置図であり、天井13を下から見上げた状態を図示している。図2(A1)は、図1における図1(A1)の状態に対応するもので、天井13に配置されたLED照明灯が全て点灯している様子を示す。図2(A1)において、天井13には、LED照明灯2、4および6の列に加え、LED照明灯12、14および16の列、さらにはLED照明灯22、24および26の列の合計3列のLED照明灯が配置されている。各LED照明灯は後述する保持部によってそれぞれ天井13に設置され、後述する配線によりそれぞれ給電されている。
また、LED照明灯2、4および6が設置される天井13の保持部にはそれぞれ対応してICタグ18、19および20が設けられている。同様に、LED照明灯12、14および16にそれぞれ対応してICタグ18、19および20が、さらにLED照明灯22、24および26にそれぞれ対応してICタグ38、39および40がそれぞれ設けられている。ICタグ18、19、20、28、29、30、38、39および40には二種の情報が格納されている。その一つはICタグ固有のIDであり、他の一つはLED照明灯を制御するための制御信号のチャンネルである。例えば、ICタグ18、28および38には第1チャンネルが、ICタグ19、29および39には第2チャンネルが、また、ICタグ20、30および40には第3チャンネルが設定され記憶されている。チャンネル設定方法の詳細については後述する。
後述のように各LED照明灯にはICタグリーダライタが設けられており、LED照明灯が保持部に取り付けられた際、その取り付け位置のICタグよりチャンネル情報を読み取る。具体的には、上記のICタグの格納情報に基づく場合、LED照明灯2、12および22は第1チャンネルを、LED照明灯4、14および24は第2チャンネルを、LED照明灯6、16および26は第3チャンネルを読み取る。づまり、図2の縦方向に同じ列にあるLED照明灯には同じチャンネルが読み取られることになる。このようにして決められた各LED照明灯のチャンネルに基づき、後述するようにリモコンから各チャンネル毎に点灯状態を制御する信号が送信される。図2(A1)は、全てのチャンネルを通じてデューティー100%での全点灯信号が送信された結果のものである。
図2(B2)は、図1における図1(B2)の状態に対応するもので、3列のLED照明灯列の図2の右側がLED照明灯4、14、24のそれぞれ途中を区切りとして点灯している様子を示す。このような点灯状態とするためには、チャンネル1を通じてデューティー100%での全点灯信号を送信し、チャンネル2を通じて右側4/6のみをデューティー100%で点灯させる信号を送信するとともに、チャンネル3では消灯信号を送信する。これらの各チャンネルの信号の送信は、望む点灯状態を決定すれば自動的に行われるので、個別に手動で送信操作をする必要はない。図1でも述べたように、図2(B2)のような点灯状態は、図2の左側にプロジェクタの投影スクリーンがあり右側に聴講者の座席がある講演会場の照明等において好適である。
図2(C2)は、図1における図1(C2)の状態に対応するもので、3列のLED照明灯列の図2の右側に行くほど徐々に暗くなるようなグラデーション照明が行われている様子を示す。このような点灯状態とするためには、チャンネル1を通じて右側5/6がデューティー100%となるとともに残りがデューティー50%となる点灯信号を送信し、チャンネル2を通じて右側4/6がデューティー50%となるとともに残りがデューティー25%となる点灯信号を送信し、チャンネル3を通じて右側4/6がデューティー25%となるとともに残りがデューティー13%となる点灯信号をそれぞれ送信する。これらの各チャンネルの信号の送信も望むグラデーション状態を決定すれば自動的に行われるので、個別に手動で送信操作をする必要はない。図1でも述べたように、図2(C2)のような点灯状態は、図2の左側に窓があるような部屋の照明等において好適である。
図3は、実施例1の要部断面を模式的に示したブロック図であり、LED照明灯4を中心に図示している。また、図1、図2と同一の部分には同一の番号を付す。天井13には保持部52が取り付けられており、その内部を配線54が巡っている。また、図2でも述べたように、保持部52にはLED照明灯4、6などの取り付け場所にそれぞれ対応してICタグ19、20などが設けられている。
保持部52に交換可能に取り付けられるLED照明灯4は、白色LED群56を含む発光部58を有し、配線54に接続される電源部60から給電されている。白色LED群56は、図1の白色LED11などを総称したものである。なお、図示は省略しているが、電源部60は照明制御部62、無線通信部64、ICタグリーダライタ66などLED照明灯4内の他の部分にもそれぞれ必要な電圧を供給している。照明制御部62は、無線通信部64が受信するリモコン信号に基づいて発光部の点灯状態を制御する。
照明制御部62は、LED照明灯の制御のためのプログラムおよび必要なデータを記憶しておくための記憶部を有する。なお、無線通信部64が受信するリモコン信号は赤外線通信やZigbee(商標)などのWPAN(Wireless Personal Area Network)に基づくものである。また、ICタグリーダライタ66はLED照明灯4が保持部52に取り付けられたとき、ICタグ19と交信し、ICタグ固有のIDを読み取るとともに、チャンネルが格納されている場合にはこれも読み取って記憶する。また、ICタグ19にチャンネルが格納されていない場合にはICタグリーダライタ66からこれを書き込む。これらの機能の詳細は後述する。
リモコン68は、各LED照明灯を操作するための操作部70を有する。リモコン制御部72は操作部70による手動操作に基づいて無線制御部74にリモコン信号の送信を指示する。リモコン制御部72は、リモコン制御のためのプログラムおよび必要なデータを記憶しておくための記憶部を有する。各LED照明灯の無線通信部64は、リモコン68からのリモコン信号を受けて照明制御部62に伝達する。他のLED照明灯2、6等も上記に説明したLED照明灯4と同様の構成を持ち、それぞれ配線54から給電されるとともに、リモコン68からのリモコン信号によって制御される。
図4は、実施例1のLED照明灯の詳細構成を示すブロック図であり、図3と共通の部分には同一番号を付す。白色LED群56は、第1LED群82、第2LED群84、第3LED群86、第4LED群88、第5LED群90および第6LED群92の6つに区分されている。これは、図1で説明した発光の部分制御を可能とするためである。また、電源部60は二つに区分されており、第1電源部94は、第1LED群82、第2LED群84および第3LED群86に給電する。一方、第2電源部96は、第4LED群88、第5LED群90および第6LED群92に給電している。
第1LED群82、第2LED群84、第3LED群86、第4LED群88、第5LED群90および第6LED群92は、それぞれスイッチ素子98、100、102、104、106および108を介して定電流源110、112、114、116、118および120に接続されている。これによって、スイッチ素子98、100、102、104、106および108をそれぞれ個別に制御すれば、第1LED群82、第2LED群84、第3LED群86、第4LED群88、第5LED群90および第6LED群92の点灯状態を個別に制御できる。
スイッチ素子98、100、102、104、106および108は、それぞれPWM制御部122、124、126、128、130および132によりパルス駆動されており、それぞれのPWM制御におけるデューティーサイクルを100%からゼロの間で変更することによりフル点灯から消灯の間で第1LED群82、第2LED群84、第3LED群86、第4LED群88、第5LED群90および第6LED群92の明るさを独立に調光できる。
PWM制御部122、124および126にそれぞれ個別に与えられるデューティーサイクルは第1個別デューティー制御部134が制御する。一方、PWM制御部128、130および132にそれぞれ個別に与えられるデューティーサイクルは第2個別デューティー制御部136が制御する。第1個別デューティー制御部134および第2個別デューティー制御部136はそれぞれ照明制御部62によって制御されている。以上の構成により、無線通信部64から伝えられるリモコン信号に基づき、第1LED群82、第2LED群84、第3LED群86、第4LED群88、第5LED群90および第6LED群92の点灯と消灯および点灯時の明るさが個別に制御でき、図1に示したようなLED照明灯の途中を区切りとした点灯制御が可能となる。
図5は、実施例1の白色LED群等の詳細構成を示すブロック図であり、図4と共通の部分には同一番号を付す。なお、図5には第1電源部94が担当する部分だけを図示しているが、第2電源部が担当する部分も同様の構成である。図5に示すように各白色LED群に関連する構成はそれぞれ一つの基板上にまとめられている。具体的には、第1LED群82に関する構成は第1基板138に、第2LED群84に関する構成は第2基板140に、第3LED群86に関する構成は第3基板142に実装されている。つまり、一つのLED照明灯の点灯および消灯ならびに点当時の明るさの独立制御は基板毎に6つに区分して行われている。
また、図5に示すように、各基板内の各LED群は、白色LED直列接続144等を4本並列接続した回路構成となっている。直列接続LED144等はそれぞれ12個の白色LEDを直列接続したものである。この結果、第1電源部94は12個の白色LEDの直列接続を3つの基板の合計で全体として12列分並列接続した回路構成となる。なお、個々の白色LEDは電気的な直列接続または並列接続に関わらず、機械的にはLED照明灯内で一列に配置されている。この結果、第1LED群82から第6LED群92まで連続して288個の白色LEDがLED照明灯内で一列に配置されることになる。そして、既に述べたように、その両端の白色LEDは隣のLED照明灯の端部の白色LEDと近接した配置なになるので、境目のないライン状の証明が可能となる。
図6は、実施例1のリモコン68の詳細構成を示すブロック図であり、図3と共通の部分には同一番号を付す。点灯操作にあたっては、操作部70のオンボタン146を押すとリモコン操作部72は無線通信部74から全てのチャンネルについてデューティー100%の点灯を指示するリモコン信号を送信する。同様に、オフボタン148を押すとリモコン操作部72は無線通信部74から全てのチャンネルについて消灯を指示するリモコン信号を送信する。
また、分割ボタン150を押すと、リモコン操作部72は無線通信部74からそれぞれのチャンネルに分割点灯のためのリモコン信号を送信する。具体的には、ガイド152に沿って図面の左右方向にスライド操作可能な第1スライダ154の右側に対応するLED照明灯部分がデューティー100%で点灯し、左側に対応するLED照明灯部分が消灯するよう各チャンネルにリモコン信号を送信する。第1スライダ154による点灯部分と消灯部分の区分は、図1の(A3)、(B1)、(B2)および(B3)等に対応する。なお、スライドレバー自体は無段階にスライド可能であるが、区分がLED照明党の途中になる場合は、ガイド152に設けられた接点部分によって6分割のうちの最も近い分割点が検出される。
さらに、グラデーションボタン156を押すと、リモコン操作部72は無線通信部74からそれぞれのチャンネルにグラデーション点灯のためのリモコン信号を送信する。具体的には、第1スライダ154の左側が徐々に暗くなるグラデーションの始点となるようなリモコン信号を各チャンネルにリモコン信号を送信する。第1スライダ154によるグラデーション制御は、図1の(C1)または、(C2)に対応する。
以上のような、片側を消灯またはグラデーションとする制御を行う場合では、第2スライダ158は左端に退避させておく。これに対し、第2スライダ158を退避位置からガイド152内に出すと、第1スライダ154と第2スライダ158の内側がデューティー100%で点灯するとともに、これらの外側が消灯または第1スライダ154と第2スライダを始点として徐々に暗くなるようなリモコン信号が送信される。第2スライダがガイド152内に出ている時にグラデーションボタン156を押したときの点灯状況は図1(C3)に対応する。なお、分割またはグラデーション点灯状態にあるとき第1スライダ154または第2スライダ158をスライド操作すると、これに応じて基準点を代えるためのリモコン信号が自動的に送信される。
反転ボタン160は、以上のような第1スライダ154または第2スライダ158を基準とする上記のような点灯関係を反転させる時に押される。従って、第2スライダ158が対比しているときに反転ボタン160を押すと第1スライダ154の左側がデューティー100%で点灯する。また、第2スライダ158がガイド152内に出ているときに反転ボタン160を押すと、第1スライダ154と第2スライダ158の外側がデューティー100%で点灯するようになる。
以上はLED照明灯のチャンネルが設定済みであることを前提としたものであるが、次に天井にLED照明灯を設置した初期に行うチャンネル設定について説明する。チャンネル設定はセットボタン162を押すことによって行われる。またリセットボタン164を押すとチャンネル設定がリセットされる。これらのセットボタン162およびリセットボタン164は、チャンネル設定後には通常使用する必要がないので誤操作を防止するたに操作部蓋166によって覆われている。なお、一度行ったチャンネル設定はICタグに記憶されるので、次回LED照明灯を取り替えたときは、特に設定操作を行わなくても、ICタグからその位置に対応するチャンネルがLED照明灯によって読み取られる。
ICタグへのチャンネル設定は、実施例1におけるLED照明灯制御に不可欠なので、これが未設定状態にある限り表示部168に「チャンネル未設定」表示170が表示され続け、チャンネル設定を促す。設定が完了すれば、「チャンネル未設定」表示170は消える。セットボタン162が押されると表示部168に天井レイアウト表示172が表示される。これは、図2に対応するものであり、天井に設置されるICタグの配置をLED照明灯のシンボル174で示したものである。そして各シンボル近傍にはチャンネル設定状態表示176、178等が表示される。因みにチャンネル設定状態表示176はICタグに「チャンネル1」が設定されていることを示し、チャンネル設定状態表示178の「?」はICタグがチャンネル未設定状態であることを示す。
チャンネル未設定のICタグが一つでもあると、表示部168に「次ICタグID選択」表示180が表示される。表示部68はタッチパネルになっているので、「次ICタグID選択」表示180の部分を押すとチャンネル未設定状態にあるICタグが一つ選択される。保持部52の施工の際にはICタグ位置とIDとの関係の管理は行わないので、選択されたICタグが天井のどこにあるかは不明である。
しかしながらチャンネル設定状態では、「次ICタグID選択」表示180の部分を押すことによって選択されたICタグに対応する位置にあるLED照明灯だけが点灯するので、選択されたICタグの位置を知ることができる。そして天井の点灯状態を見て、選択されたIDがチャンネル設定状態表示178に対応することがわかれば、チャンネル指定部表示182の「3」を押すことによってこの部分にチャンネル3を設定することができる。この設定操作によってチャンネル設定状態表示178において設定された「3」が点滅するので、間違いなければ「3」が点滅している設定状態表示178を押せばこの部分のチャンネル設定が確定する。以上の操作を繰返し、すべてのチャンネル設定状態表示が「?」からチャンネル数字に変わるとチャンネル設定は完了であり、これに対応して「次ICタグID選択」表示180およびチャンネル指定表示182が消える。また上記のように、「チャンネル未設定」表示170も消える。
図7は、図3の実施例1におけるLED照明灯4の照明制御部62の機能を示すフローチャートである。フローはLED照明灯を保持部52に取り付けることによってスタートする。フローがスタートすると、まずステップS2でICタグ19にチャンネルデータが書込み済みであるかどうかチェックする。そして書込み済みでなければステップS4でチャンネル設定信号がリモコンから受信しているかどうかチェックし、送信があればステップS6に進んで送信されたチャンネルをLED照明灯自身で仮記憶するとともに、ステップS8で送信されたチャンネルをICタグに書き込んでステップS10に移行する。
一方、ステップS2でICタグにチャンネルデータが書込み済みであればステップS12に進み、ICタグからチャンネルを読み取って記憶し、ステップS10に移行する。また、ステップS4でチャンネル設定信号の受信が確認できない場合はステップS14に進み、チャンネルを記憶済みであるかどうかチェックする。そして記憶済みでなければステップS16に進み、リモコンからどのチャンネルでリモコン信号が送信されても対応できるよう全チャンネルを受信可能としてステップS10に移行する。一方、ステップS14でチャンネル記憶済みが検出できた場合は直接ステップS10に移行する。以上によってどのような状態であってもリモコン信号に対応することができる。
ステップS10では、リモコンから信号点灯信号またはなんらかの点灯状態変更信号を受信したかどうかチェックする。受信があればステップS18に進み、現在自チャンネルを認識できる状態にあるかどうかチェックする。自チャンネルを認識できる状態とは、LED照明灯として自チャンネルを記憶している状態を意味する。そして自チャンネル認識可能であればステップS20に進み自チャンネル宛の点灯情報を読み取ってステップS22に進む。
ステップS22では、読み取った点灯情報にLED照明灯の途中の部分から点灯状態を変える必要のある複数のリモコン信号が含まれているかどうかチェックする。そして複数の信号が含まれていればステップS24に進み、各LED群個別のPWM制御を指示してステップS26に移行する。一方、ステップS18で自チャンネルを認識できないときはステップS28に移行し、最大デューティーを設定するとともにステップS30でLED照明灯内の全てのLED群に共通のPWM制御を指示してステップS26に移行する。これは自チャンネルが認識できなければ、なんらかの点灯信号である限り、リモコン信号の内容にかかわらず全LED群共通でデューティー100%の点灯を行うことを意味する。つまり、なんらかのリモコン信号があれば、具体的な指示は不明であっても、消灯信号でない限りはとにかく点灯させることを優先する。
ステップS26では、消灯信号を受信したかどうかチェックする。そして受信がなければステップS10に戻り、以下ステップS10およびステップS18からステップS26を繰り返し、次のリモコン信号に備える。一方、ステップS26で消灯信号の受信を確認したときはステップS32に進み、全LED群を消灯させてステップS4に戻る。また、ステップS10で点灯信号または変更信号の受信を検出しないときもステップS4に戻る。このようにして、ステップS4からステップS10およびステップS14からステップS32の機能によって、種々の状況変化に対応することができる。
図8は、図3の実施例1におけるリモコン68のリモコン制御部72の機能を示す基本フローチャートである。フローはリモコン68への電池挿入などの給電開始によりスタートする。フローがスタートすると、ステップS42でチャンネル設定完了かどうかチェックする。そして設定完了であればステップS50に進む。一方、ステップS42でチャンネル設定完了が検知できないときはステップS46に進み、表示部168による「チャンネル未設定」表示の開始を指示し、ステップS48のチャンネル設定処理に入る。そしてチャンネル設定処理が終了するとステップS50に移行する。なお、後述のように、ステップS48のチャンネル設定処理は、設定開始操作が所定時間内に行われなければ直ちに終了する。この場合は、チャンネル未設定状態が継続する。チャンネル設定処理の詳細は後述する。
ステップS50では、点灯操作が行われたかどうかチェックする。点灯操作が検知できなければフローはステップS42に戻り、以下ステップS42からステップS50が繰り返され、点灯操作または必要に応じチャンネル設定操作を待つ。ステップS50で点灯操作が検知されるとステップS52に進み、「分割」または分割の変更の操作が行われたか否かチェックする。これらの操作が検知されなければステップS54に進み、「グラデーション」またはグラデーション変更の操作が行われたか否かチェックする。これらの操作が検知されなければステップS56に進み、点灯信号を送信済みかどうかチェックする。そして送信済みでなければステップS58に進み、全チャンネルにおいて最大デューティーでの点灯を指示する信号の送信を指示してステップS60に至る。これに対し、ステップS56で点灯信号送信済みであることが検知されれば直接ステップS60に移行する。ステップS56は、後述のようにフローがステップS52に戻って再びステップS56に至った時必要となる。
一方、ステップS52で「分割」操作または分割変更操作が行われたことが検知されるとステップS62に進み、チャンネル設定が完了しているかどうかチェックする。そしてチャンネル設定完であればステップS64に進み、分割点灯のための「分割」処理を行ってステップS60に至る。「分割」処理の詳細は後述する。これに対し、ステップS62でチャンネル設定完了が検知できない時は、チャンネル別の制御ができないのでステップS56に移行する。つまり、この場合「分割」/変更操作は無効となる。
また、ステップS54で「グラデーション」操作またはグラデーション変更操作が行われたことが検知されるとステップS66に進み、チャンネル設定が完了しているかどうかチェックする。そしてチャンネル設定完であればステップS68に進み、グラデーション点灯のための「グラデーション」処理を行ってステップS60に至る。「グラデーション」処理の詳細は後述する。これに対し、ステップS66でチャンネル設定完了が検知できない時は、チャンネル別の制御ができないのでステップS56に移行する。つまり、この場合「グラデーション」/変更操作は無効となる。
ステップS60では消灯操作が行われたかどうかチェックする。操作が検知できなければステップS52に戻り、以下、ステップS52からステップS64を適宜繰り返して種々の状況に対応する。この間、何も操作が行われなければ、ステップS52、ステップS54、ステップS56、ステップSS60を経てステップS52に戻るループを繰り返し、リモコン信号は何も送信されないので、LED照明灯の点灯状態に変化はないことになる。一方ステップS60で消灯操作が検知されるとステップS70において全チャンネルにおける消灯信号の送信が指示され、ステップS42に戻る。以下、適宜ステップS42からステップS70を繰り返して種々のリモコン操作に対応する。
図9は、図8のステップS48におけるチャンネル設定処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS72で所定時間内にセットボタン162によるチャンネル設定開始操作が行われたかどうかチェックする。操作が検知されるとステップS74に進みデフォルトで所定のチャンネルを指定する。チャンネル設定が行われていないときは図7のステップS16によりLED照明灯は全チャンネル受信可能となっているのでデフォルトのチャンネルは何でもよい。次いでステップS76では、表示部タッチパネルの「次ICタグID選択」部分によりタグIDして操作が行われたかどうかチェックし、操作が検知されるとステップS78に進む。一方、ステップS76で操作が検知できないときはステップS74に戻り、以下ステップS74とステップS76を繰り返して操作を待つ。
ステップS78では、IDにより指定されたICタグに対応するLED照明灯に点灯信号を送信する。これによってどの位置のICタグが指定されたのかがわかる。そしてステップS80に進み、点灯したLED照明灯の位置を確認した上でのチャンネル設定操作を待つ。チャンネル設定操作が検出されるとステップS82に進み、表示部168のチャンネル設定状態表示における設定チャンネル数字を点滅させて設定確認表示を行う。次いでステップS84で確認操作を待ち、確認操作を検知するとステップS86に進む。
ステップS86では、上記のようにして確定したチャンネル設定信号を指定ICタグに対応するLED照明灯にチャンネル設定信号を送信する。このチャンネル設定信号は図7のステップS8により指定ICタグに書き込まれるものである。次いでステップS88では、表示部168のチャンネル設定状態表示の点滅を止め、確定したチャンネル数字を表示する。
次いでステップS90では、設定したチャンネルを指定し、ステップS92でその設定チャンネルに消灯信号を送信する。これはステップS78で点灯させたLED照明灯を消灯させることに相当するが、チャンネル設定の確認を兼ねてICタグIDではなくチャンネル指定によりこの消灯を行うものである。そしてフローはステップS94に進み、全てのICタグがチャンネル設定済みかどうかチェックする。そしてチャンネル未設定のICタグが残っていればステップS74にもどり、次のICタグについてステップS74以下を繰り返す。一方、ステップS94で全チャンネル設定済みが検知されるとフローを終了する。なお、ステップS72で所定時間内のチャンネル設定開始操作が検知できなければ直ちにフローを終了する。
図10は、図8のステップS64における「分割」処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS102でスライダ位置情報を読み取る。次いでステップS104で複数種類の点灯信号が指示されているLED照明灯の有無をチェックする。これは、スライダがいずれかのLED照明灯の途中で点灯状態を変えるような位置にあるかどうかのチェックに該当するのでステップS102で得られる読取情報から判断できる。なお、「分割」処理の場合、「複数種類」とは点灯信号と消灯信号であり、一つのLED照明灯の一部を点灯させ一部を消灯させる場合に該当する。ステップS104でこのような場合に該当することが検知されるとステップS106に進み、複数種類の点灯信号を指示しているチャンネルを一つ選択する。
次いでステップS108では、選択したチャンネルにおいて6つのLED群に対してそれぞれ個別に独立した点灯または消灯信号を作成する。さらにステップS110では点灯させるべきLED群に最大デューティーを設定する。そしてステップS112に進み、複数種類の点灯信号を指示している全てのチャンネルについてステップS106からステップS110の処理が完了したかどうかチェックする。処理のチャンネルがあればステップS106に戻り、次のチャンネルについて同様の処理を行う。一方、ステップS112で全てのチャンネルについて処理が完了していればステップS114に移行する。また、ステップS104で複数種類の点灯信号が指示されているLED照明灯が全く検知されなかった時は直ちにステップS114に移行する。
ステップS114では、単一種類のリモコン信号つまり点灯または消灯のみを指示しているチャンネルを全て選択する。そしてステップS116においてこれらのチャンネルについてチャンネル毎に点灯または消灯の信号を作成する。さらにステップS118では点灯させるべきチャンネルに最大デューティーを設定してステップS120に移行する。
ステップS120では、反転操作が行われたかどうかチェックし、操作が検知されるとステップS122に進んで作成信号を反転させる処理を行ってステップS124に移行する。一方、ステップS120で反転操作が検出されないときは直接ステップS124に移行する。ステップS124では、以上のようにして作成したリモコン信号を各チャンネルにて送信しフローを終了する。
図11は、図8のステップS68における「グラデーション」処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS132でスライダ位置情報を読み取る。次いでステップS134で複数種類の点灯信号が指示されているLED照明灯の有無をチェックする。なお、「グラデーション」処理の場合、「複数種類」とは点灯信号と消灯信号のほか互いにデューティーの異なる点灯信号も該当する。ステップS134でこのような場合に該当することが検知されるとステップS136に進み、複数種類の点灯信号を指示しているチャンネルを一つ選択する。
次いでステップS138では、選択したチャンネルにおいて6つのLED群に対してそれぞれ個別に独立した点灯または消灯信号を作成する。さらにステップS140では点灯させるべきLED群のそれぞれに指定されたデューティーを設定する。そしてステップS142に進み、複数種類の点灯信号を指示している全てのチャンネルについてステップS106からステップS110の処理が完了したかどうかチェックする。未処理のチャンネルがあればステップS136に戻り、次のチャンネルについて同様の処理を行う。一方、ステップS142で全てのチャンネルについて処理が完了していればステップS144に移行する。また、ステップS134で複数種類の点灯信号が指示されているLED照明灯が全く検知されなかった時は直ちにステップS144に移行する。
ステップS44では、単一種類の点灯信号を指示しているチャンネルを一つ選択する。次いでステップS146では、選択したチャンネルに消灯信号を設定すべきかどうかチェックする。該当しなければステップS148に進み、選択したチャンネルのための点灯信号を作成し指定したデューティーを設定してステップS150に移行する。一方ステップS146において選択チャンネルに消灯信号を設定すべきことが検出された時はステップS152に進んで消灯信号を作成し、ステップS150に移行する。ステップS150では、単一種類の点灯信号を指示している全てのチャンネルについてステップS144からステップS148またはステップS152の処理が完了したかどうかチェックする。未処理のチャンネルがあればステップS144に戻り、次のチャンネルについて同様の処理を行う。一方、ステップS150で全てのチャンネルについて処理が完了していればステップS154に移行する。
ステップS154では、反転操作が行われたかどうかチェックし、操作が検知されるとステップS156に進んで作成信号を反転させる処理を行ってステップS124に移行する。一方、ステップS154で反転操作が検出されないときは直接ステップS158に移行する。ステップS158では、以上のようにして作成したリモコン信号を各チャンネルにて送信しフローを終了する。
図15は、本発明の実施の形態に係る照明装置の実施例5の要部を模式的に示したブロック図であり、図3の実施例1と共通の部分には同一の番号を付し説明は省略する。なお、実施例5におけるチャンネルの割り当ては実施例1と同様にして縦方向に配列されるLED照明灯群に共通のチャンネルを割り当てられる。従って、その点灯状態は実施例1と同様にして、図2のような態様となる。LED照明灯列の中央に配されるLED照明灯514は、図3の実施例1と構成とほぼ同一の構成を持つが、外部との通信は配線54を通じた高速電力線通信(PLC)によっており、電源部60に接続されたモデムなどのPLC通信部564を備えている。
LED照明灯512は、図3の実施例LED照明灯2、12、22と同様にしてLED照明灯列の右端に配置される。LED照明灯512はLED照明灯514と同様の構成を持つが、さらに右端部に照度センサ501を有する。これはLED照明灯列の右端部の明るさを測定するためのものである。一方、LED照明灯516は、図3の実施例LED照明灯6、16、26と同様にしてLED照明灯列の左端に配置される。LED照明灯516もLED照明灯514と同様の構成を持つが、さらに左端部に照度センサ503を有する。これはLED照明灯列の左端部の明るさを測定するためのものである。
LED照明灯512、514および516は上記のようにして一列に配されるとともにその列の両端の明るさを測定する機能を持つ。これは、図2のように部屋の左側窓があり、昼間は左側から外光が入射する場合において、室内の明るさが均一になるような照明を自動的に実現するためである。つまり、昼間において窓側の照度センサ503には外光が入射するので窓のない室内側の照度センサ501よりも照度が大きくなる。実施例5は、この照度差の自動演算に基づいて図2(2C)のような点灯をさせることにより、窓側の発光強度を落としてLED照明灯と外光との和が窓側と室内側で均等となるよう制御するものである。LED照明灯512、514および516のそれぞれのPLC通信部は配線54を通じたPLC通信により、照度センサの出力を交換したり、点灯の際のデューティー情報をやりとりしたりする。またこのような機能は、照明制御部の一つ(例えばLED照明灯516の照明制御部562)が主制御部となって全LED照明灯を統括する。
なお、実施例5では、縦方向に配列されるLED照明灯群に共通のチャンネルを割り当てているので、照度センサ501および503は、LED照明灯の全ての列の左右端にあるLED照明灯に設ける必要はなく、例えば中央のLED照明灯列のみに設けて他の列は中央の列に倣って共通チャンネルを通じた同様のデューティー情報で点灯させればよい。なお、個々のLED照明灯にそれぞれ個別のチャンネルを割り当てるとともにLED照明灯の各列の左右端それぞれ照度センサを設けるようにすれば、各列別にそれぞれ照度差に応じたきめ細かな制御も可能となる。
図15の実施例5では、上記のようにデューティーの制御はLED照明塔516の署名制御部562等が自律的に行うように構成しているので、スイッチボックス568は、操作部570の操作に応じスイッチ575により配線54に電力を供給するオンオフ制御のための有線の手元スイッチの機能を担当している。なお、スイッチボックス568は、さらに、LED照明灯群に上記のような昼間における外光を考慮した調光制御(以下、「昼間照明モード」と称する)を行わせるか又は単純な同一強度発光(以下、「通常モード」と称する)を行わせるかを切換える信号を操作部570に操作に応じて配線54を通じてLED照明灯群に伝達するためのPLC通信部574を有する。
なお、実施例5は、直結されるLED照明灯列の左右端の照度センサの情報交換およびそれに基づく自動調光制御に好適なので、PLC通信によるものとして構成した。しかし情報交換はPLC通信によるものに限るものではなく、LED照明灯照明灯間の専用通信線によって情報交換を行うよう構成してもよい。また、実施例5のような照度センサに基づく自動調光制御は、LED照明灯同士の情報交換によるものに限るものではなく、またその制御をLED照明灯自身で自律的に行わせるものに限るものではない。例えば図3の実施例1と同様にして、照度センサの情報交換を無線通信部によって行うようにするとともに、情報交換はリモコン68のリモコン制御部72を経由し、且つ照度センサ情報の比較処理や点灯のデューティー制御もリモコン制御部72によって統括的に行うようにしてもよい。
図16は、図15の実施例5におけるLED照明灯516の照明制御部562等の機能を示すフローチャートである。フローはスイッチ575によってLED照明灯516に給電が開始されることによってスタートする。なお、このフローは、図15の構成どおり照度センサの情報交換はLED照明灯同士で直接行うとともに照度センサ情報の比較処理や点灯のデューティー制御をLED照明灯自身で自律的に行わせるよう構成したものについてのものである。
フローがスタートすると、まずステップS162で準備処理が完了しているかどうかチェックする。そして未完ならばステップS164の準備処理を経てステップS166に移行する。一方、準備処理が完了していれば直接ステップS166に移行する。ステップS164の準備処理は、どのLED照明灯を主LED照明灯としてその制御部として統括制御を行うかの決定を行うとともに、照度センサで部屋の明るさを測定するにあたりLED照明灯自身の発光による照度寄与分を補正してLED照明灯以外の明るさを測定できるようにするためのものである。その詳細は後述する。
ステップS166では、自身が主LED照明灯であるかどうかチェックする。そして主照明灯である場合はステップS168に進み、LED照明灯がスイッチボックスからの操作に基づいて昼間照明モードに設定されているかどうかチェックする。昼間照明モードであればステップS170で窓側照度センサによる測光を行わせる。このときLED照明灯は点灯されていないから消灯時の測光となる。そしてステップS172において、消灯時窓側照度が所定以上かどうかチェックする。消灯時窓側照度が所定以上あれば、昼間において部屋の窓側と室内側で外光による有意な照度差が生じていることを意味するからステップS174に進み、消灯時の室内側照度センサによる測光を行わせる。
以上のようにして消灯時の窓側および室内側の測光を行った上、ステップS176においてそれらの測光値に基づき、消灯時測光差を演算する。そして演算された消灯時測光差に基づきステップS178において各チャンネル用の個別デューティー情報を暫定的に決定して送信する。その上でステップS180にて各チャンネルに点灯信号を送信する。これによって各LED照明灯は各チャンネル別の暫定デューティー情報に基づき、図2(C2)のような態様で点灯する。
さらにステップS182では、点灯中の窓側および室内側の照度センサによる測光を行わせ、ステップS184でそれらの測光値に基づき点灯中の測光差を演算する。そしてステップS186で差が所定以上かどうかチェックし、差が所定以上であればステップS188で各チャンネルにこの差を解消するための修正デューティー情報を送信しステップS182に戻る。以下、ステップS186で所定以上の差が検知される限りステップS182からステップS188を繰り返しでデューティーを修正する。そしてステップS186で差が所定以下となるとフローを終了する。以上のように、ステップS170およびステップS174からステップS178によって点灯前の段階でデューティーを演算により決定するとともに、ステップS182からステップS188では点灯中の明るさを実測してデューティーを修正する。
なお、ステップS168で昼間照明モード設定が検知されない時、または昼間照明モードに設定されている場合でもステップS172において消灯時の窓側照度が所定以下であるとき(つまり夜間等で窓側と室内側で消灯時の明るさに差がないとき)はステップS190に進み、全チャンネルに同一デューティー情報を送信するとともに、ステップS192で各チャンネルに点灯信号を送信してフローを終了する。また、ステップS166で自身が主LED照明灯であることが検知されないときはステップS194に進み、他のLED照明灯からの指示を待つ受動設定をしてフローを終了する。
なお、実施例4では、昼間照明モードにおいて一旦室内の均一照明状態が実現された後も、所定時間毎に割り込み信号を発生させ、この割り込み信号に応答してステップS182からステップS188を繰り返させるよう構成される。これによって、時間の経過や天候の変化による外の明るさの変化に常時対応してデューティーを変化させ、室内の照度の均一性を保持することができる。
図17は、図16のステップS164における準備処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートするとステップS202で同一LED照明灯列における窓側端および室内側端のLED照明灯間の交信が可能な状態かどうかチェックする。交信ができればステップS204で自身が照度センサを搭載しているLED照明灯かどうか確認する。そして照度センサ搭載LED照明灯であればステップS206において消灯時における測光情報を交換し、ステップS208で最大照度が所定以上かどうかチェックする。これは、準備処理を充分な外光がある昼間に行うためのものである。
ステップS208において所定以上の最大照度が検知されたときはステップS210に進み、交換した照度センサの測光値に有意差があるかどうかチェックする。これは、昼間照明モード制御を行う意義があるほどの外光による照度差が窓側と室内側で生じているかどうかを確認するためである。そして有意差があればステップS212に進み、自身が最大照度側の照度センサ(つまり窓側照度センサ)を搭載しているLED照明灯かどうかチェックする。そして該当すればステップS214で自身を主LED照明灯に設定する。
次いでステップS216以下において主LED照明灯としての機能を実行する。まずステップS216では、全チャンネルに同一デューティー情報を送信するとともにステップS218で各チャンネルに点灯信号を送信する。そしてステップS220で点灯中の測光情報を交換する。以上によって得られた情報に基づき、ステップS222では、窓側および室内側のそれぞれの照度センサについて点灯時と消灯時の差を演算する。つまりこの差がLED照明灯自身の発光による照度センサ出力への影響分となる。そこでステップS224では、窓側および室内側のそれぞれの照度センサに関するLED照明灯自身の発光による照度センサ出力への影響分を記憶する。この記憶値は、図16のステップS184における点灯中測光差演算において補正値として利用される。以上で補正値の決定ができたのでステップS226において各チャンネルに消灯信号を送信するとともに、ステップS228で準備処理完了のフラグをたててフローを終了する。
一方、ステップS204で自身が照度センサ搭載LED照明灯でなかったとき、またはステップS212で自身が窓側照度センサ搭載LED照明灯でなかったときはステップS230に進み、自身を従LED照明灯に設定してステップS228に移行する。また、ステップS202において同一LED照明灯列における窓側端および室内側端のLED照明灯間の交信が可能な状態であることが確認できなかったときは、照度センサ同士の測光情報交換ができない状態であることを意味するので、ステップS232に進み、自身を主照明灯に設定するとともにステップS234で昼間照明モードを禁止し、ステップS236で準備処理が未完である旨のフラグを立ててフローを終了する。これによって、準備処理未完で準備処理を終了しても図16においてステップS166からステップS190に進み点灯状態に入ることができる。
なお、ステップS204またはステップS212の判断においていずれのLED照明灯を主とするかはルールの問題なので、以上のように窓側照度センサ搭載LED照明灯を主LED照明灯とする場合に限らず、照度センサを搭載しないLED照明灯または、室内側照度センサ搭載LED照明灯を主LED照明灯とするべく図17を設計変更するとも可能である。要は、どのLED照明灯を主とするかが重要なのではなく、どれかのLED照明灯が間違いなく主LED照明灯として機能するよう混乱なしに決定することが重要である。
以上、実施例5は、実施例1と同様にして縦方向に配列されるLED照明灯群に共通のチャンネルを割り当てた場合を説明し、その点灯状態は図2のような態様となるものについて説明した。しかし、実施例5のような照度センサによる自動調光は、これに限られるものではない。例えば、図14の実施例4のようにLED照明灯2、4、6の列がチャンネル1、LED照明灯12、14、16の列がチャンネル2、LED照明灯22、24、26の列がチャンネル3となるようチャンネル割当行った場合でも同様の自動調光は可能である。この場合、窓側照度センサを例えばLED照明灯24に設けるとともに、室内側照度センサを例えばLED4に設けるようにすれば、窓側および室内側の照度センサの測光差により図14(C)のような態様の調光が可能となる。