従来から、剪断力を利用してプラスチックや木片、紙、金属、ゴム、繊維、皮革等の被破砕物を破砕する剪断式の破砕機(シュレッダー)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このような剪断式破砕機1の分割刃2は、図9及び図10示すように、駆動軸3及び従動軸4のそれぞれに設けられた刃物取付台5の外表面に対して、外側から半径方向に着脱自在に固定ボルト6で固定されている。この分割刃2によって様々な被破砕物を破砕することができる。
この破砕機1が備えているそれぞれの駆動軸3及び従動軸4には、図10に示すように、それぞれの軸方向に複数の刃物取付台5とスペーサ7とが交互に配置されている。そして、駆動軸3(又は従動軸4)の刃物取付台5に取り付けられている互いに軸方向に隣合う2つの分割刃2間の空間には、従動軸4(又は駆動軸3)の刃物取付台5に取り付けられた分割刃2が入り込むように配置されている。
そして、これらの駆動軸3及び従動軸4に設けられ、それぞれの軸方向に互いに隣合うように配置されている分割刃2は、例えば0.5〜1.0mm程度の微少隙間を隔てて配設されており、分割刃2の先端部及び側部の各角部で被破砕物を剪断破砕することができるようになっている。この剪断破砕は、いわゆる、鋏のような剪断作用によって行なわれるものである。
そして、これらの各分割刃2は、両方の側面が2つのスペーサ7によって挟み込まれるようにして取り付けられているので、この2つのスペーサ7によって、各分割刃2の軸方向の位置決めを行うことができ、しかも、剪断時の軸方向の力を支持することができる。
ところで、この図10に示す破砕機1によると、種々雑多な被破砕物を破砕していると、被破砕物中の水分等によって、分割刃2と刃物取付台5とが錆等によって固着してしまう場合がある。
また、分割刃2は、被破砕物を破砕することによって、その先端部及び側部のそれぞれの角部から摩耗するが、角部の摩耗量が大きくなると剪断破砕能力が大幅に低下するので、破砕能力を維持するために摩耗した分割刃2を交換する必要がある。
しかし、前記したように、分割刃2が錆等によって刃物取付台5に固着している場合、分割刃2を刃物取付台5から取り外すことは、非常に困難であり、分割刃2を交換するのに多くの時間と労力を要してしまうことがある。そして、このような交換作業を行う間は、破砕機1を停止させる必要があるので、破砕機1の稼働率が低下する。
そこで、図11に示す分割刃交換装置8が提供されている。この分割刃交換装置8は、分割刃2の交換作業を迅速に行うことができるようにするものである。この分割刃交換装置8を使用して、刃物取付台5に固着している分割刃2を取り外すときは、まず、分割刃2を固定している固定ボルト6(図示せず)を取り外す。
そして、図11の二点鎖線で示すように、この分割刃交換装置8の押圧部材9を固定ボルト孔10に挿入して、この押圧部材9の下端を固定ボルト孔10の座面11に当接させる。このとき、ガイド部材12の先端は、固定ボルト孔10の底面13から離れた状態となっている。
そして、ガイド部材12を不回動に保持した状態で、ガイド部材12のネジ部12aに螺合している移動操作部材14(ナット)を所定方向に回転させる。このとき、押圧部材9は、その下端が固定ボルト孔10の座面11に当接しているので、ガイド部材12のネジ部12aに螺合しているテーパ部材15が、移動操作部材14側へと上昇移動する。このようにして、テーパ部材15がガイド部材12に沿って上昇移動すると、テーパ部材15は、押圧部材9の下部に形成された押圧部9aを外向きに広げることができ、これによって、押圧部9aの外面を、固定ボルト孔10の内面に強力に圧接させることができる。その結果、押圧部9aの外面(押圧部材9)と固定ボルト孔10の内面(分割刃2)とが、互いに強固に接合した状態となる。
次に、移動操作部材14を逆方向に回転させて上昇移動させることにより、移動操作部材14を押圧部材9から引き離す。
しかる後に、ガイド部材12を所定方向に回転させることによって、ガイド部材12を刃物取付台5側に下降移動させて、ガイド部材12の先端を刃物取付台5(固定ボルト孔11の側面13)に当接させる。
この状態から更にガイド部材12を所定方向に回転させる。このとき、ガイド部材12の先端は、刃物取付台5に当接しているので、これ以上、下降移動しないので、テーパ部材15、及びこれと一体的に接合した押圧部材9及び分割刃2が、刃物取付台5から引離される方向に上昇移動する。
このようにして、分割刃2を刃物取付台5から取り外すことができ、交換用の分割刃2と交換することができる。
しかし、図11に示す従来の分割刃交換装置8を使用しても、分割刃2を刃物取付台5から容易に取り外すことができないことがある。
このような状況が起こる原因は、永い間不明であったが、本件出願人の鋭意研究の末、その原因が究明された。つまり、分割刃2を両側から挟み込むように配置されている2つのスペーサ7の分割刃2の側面と対向する外面角部(外周面の一部の外面の角部)が、分割刃2の側面に対して強力に圧接しているということがその原因として究明された。
そして、2つのスペーサ7の各外面角部と、分割刃2の各側面とが互いに強力に圧接した状態では、圧接部分の摩擦抵抗が極めて大きいものとなり、分割刃2を刃物取付台5から容易に取り外すことができない状態となる。
次に、スペーサ7の外面角部と、分割刃2の側面とが互いに強力に圧接した状態となる理由を以下に説明する。駆動軸3及び従動軸4を回転させて、それぞれの軸3、4に取り付けられている複数の分割刃2によって被破砕物を剪断破砕するときに、被破砕物は、例えば従動軸4側の分割刃2の外面と、駆動軸3側のスペーサ7の外面との間に挟み込まれて圧縮される。その結果、スペーサ7の外面部には、このスペーサ7が取り付けられている駆動軸3に向かう中心方向の大きな圧縮力が働き、この圧縮力によって、スペーサ7の軸方向の隣に配置されている分割刃2の側面と対向する外面角部が、その分割刃2の側面に向かって拡がる方向に変形しようとして、分割刃2の側面に大きな圧接力が働く。
そして、例えば破砕作業が終了して、スペーサ7の外面部に働く大きな圧縮力が除去されたときでも、このスペーサ7の外面部に存在している残留応力によって、スペーサ7の外面角部は、分割刃2の側面に対して大きな圧接力が働いているからである。
本発明は、このような新しい知見の下になされたものであって、切断刃を刃物取付台から小さい力で簡単に取り外すことを可能にする破砕機の分割刃取付構造、及びそれを備える破砕機を提供することを目的としている。
本発明に係る破砕機の分割刃取付構造は、第1回転軸に設けられこの第1回転軸に伴って回転する刃物取付台を有し、この刃物取付台の周方向に分割されている複数の分割刃が前記刃物取付台に着脱自在に取り付けられて成る第1切断刃が前記第1回転軸に沿って2以上設けられ、前記第1回転軸に設けられ前記分割刃の側面の少なくとも一部を両側から挟み込むように第1スペーサが配置され、前記2以上の第1切断刃との間で被破砕物を剪断破砕する1又は2以上の第2切断刃を備える破砕機の分割刃取付構造において、前記分割刃の側面と対向する前記第1スペーサの外面角部に設けられ、前記第1スペーサの前記外面角部が、前記分割刃の側面を押圧する押圧力を低下させるための凹部を備えることを特徴とするものである。
本発明に係る破砕機の分割刃取付構造によると、第1回転軸を回転させることによって、2以上の第1切断刃と、1又は2以上の第2切断刃との間に被破砕物を挟み込んで、この被破砕物を順次、剪断破砕することができる。そして、このように被破砕物を剪断破砕するときに、被破砕物は、第2切断刃の外面と第1スペーサの外周面の一部の外面との間に挟み込まれて圧縮される。その結果、第1スペーサの外面部には、第1回転軸に向かう半径方向の圧縮力が働き、第1スペーサの分割刃と対向する外面角部は、分割刃の側面に向かって拡がる方向に変形する。
ただし、第1スペーサの外面角部には、凹部を設けてあるので、当該外面角部が分割刃の側面に当接しないようにすることができるし、当接することがあっても、当該外面角部が分割刃の側面を押圧する押圧力を低下させることができる。
これによって、分割刃を刃物取付台から取り外すときに、第1スペーサの外面角部と、分割刃の側面との摩擦抵抗を低下させることができるので、小さい力で分割刃を刃物取付台から取り外して例えば交換することが可能となる。
そして、このように、分割刃を刃物取付台から小さい力で取り外すことができるので、分割刃を刃物取付台に小さい力で取り付けることもできる。
この発明に係る破砕機の分割刃取付構造において、前記凹部は、前記第1切断刃と前記第2切断刃とで被破砕物を剪断破砕した後で、前記第1スペーサの外面から被破砕物を除去したときに、前記第1スペーサの外面角部が塑性変形している状態で、前記第1スペーサの前記外面角部が、前記分割刃の側面を押圧する押圧力が零又はそれに近い大きさとなるように形成されているものとすることができる。
このようにすると、分割刃を、刃物取付台から取り外すときに、分割刃の側面と、第1スペーサの外面角部との間での摩擦抵抗を零又はそれに近い大きさとなるようにすることができ、これによって、分割刃を、第1スペーサの存在によって邪魔されずに刃物取付台から取り外すことができる。
この発明に係る破砕機の分割刃取付構造において、前記凹部は、前記第1スペーサの周方向に直交する断面形状が略矩形であり、その断面の下辺が前記第1回転軸の中心軸と略平行する形状であり、又は、前記凹部の底面が、前記分割刃に向かうに従って前記第1回転軸の中心軸に接近するテーパ状若しくは外側に突出する凸状の傾斜面として形成されているものとすることができる。
このように構成すると、破砕機によって被破砕物を剪断破砕したことによって、第1スペーサの外面角部が分割刃の側面に向かって変形する形状及び大きさに応じて、第1スペーサの外面角部に対して、略矩形の凹部を設けたり、凹部の底面を、テーパ状若しくは外側に突出する凸状の傾斜面として形成して、第1スペーサの外面角部が、分割刃の側面を押圧する押圧力を有効に低下できるようにすることができる。これによって、分割刃を小さい力で刃物取付台から取り外すことが可能となる。
この発明に係る破砕機の分割刃取付構造において、前記刃物取付台に取り付けられた前記分割刃は、前記第1スペーサの外径よりも大きい外径に形成され、互いに軸方向に隣合う2つの前記分割刃の間に形成されている空間に前記第2切断刃が入り込むことによって、被破砕物を剪断破砕する構成とすることができる。
このようにすると、第2切断刃が、互いに隣合う2つの分割刃の間に形成されている空間に入り込むことによって、分割刃及び第2切断刃のそれぞれの先端部及び側部の角部によって、被破砕物を剪断破砕することができる。そして、被破砕物は、第2切断刃の外面と第1スペーサの外面との間に挟み込まれて圧縮され、第1スペーサの外面角部は、前記のように、分割刃の側面に向かって拡がる方向に変形するが、その外面角部には、凹部を設けてあるので、第1スペーサの外面角部が、分割刃の側面を押圧する押圧力を低下させることができる。
この発明に係る破砕機の分割刃取付構造において、前記第1スペーサの外面部における、少なくとも前記分割刃の側面に挟み込まれている部分に対して、焼入れ加工を施したものとすることができる。
このようにすると、被破砕物を剪断破砕したことによって、第1スペーサの外面角部が、分割刃の側面に向かって拡がる方向の変形量(分割刃を取り外したときの塑性変形による変形量)を小さくすることができる。よって、第1スペーサの外面角部が、分割刃の側面を押圧する押圧力を更に低下させることができる。
本発明に係る破砕機の分割刃取付構造は、第1回転軸に設けられこの第1回転軸に伴って回転する刃物取付台を有し、この刃物取付台の周方向に分割されて成る複数の分割刃が前記刃物取付台に着脱自在に取り付けられている第1切断刃が前記第1回転軸に沿って2以上設けられ、前記第1回転軸に設けられ前記分割刃の側面の少なくとも一部を両側から挟み込むように第1スペーサが配置され、前記2以上の第1切断刃との間で被破砕物を剪断破砕する1又は2以上の第2切断刃を備える破砕機の分割刃取付構造において、前記第1スペーサの前記外面角部が、前記分割刃の側面を押圧する押圧力を低下させるための隙間を、前記分割刃の側面と、この側面と対向する前記第1スペーサの外面角部との間に形成したことを特徴とするものである。
本発明に係る破砕機の分割刃取付構造によると、前記のように、この破砕機で剪断破砕作業を行なうと、第1スペーサの外面部には、第1回転軸に向かう半径方向の圧縮力が働き、第1スペーサの分割刃と対向する外面角部は、分割刃の側面に向かって拡がる方向に変形する。
ただし、分割刃の側面と、この側面と対向する第1スペーサの外面角部との間には、隙間を形成してあるので、前記と同様に、第1スペーサの外面角部が分割刃の側面に当接しないようにすることができるし、当接することがあっても、当該外面角部が分割刃の側面を押圧する押圧力を低下させることができる。
これによって、分割刃を刃物取付台から小さい力で取り外すことができるし、分割刃を刃物取付台に小さい力で取り付けることもできる。
この発明に係る破砕機の分割刃取付構造において、前記凹部の内側空間又は前記隙間は、前記第1スペーサの外面部よりも硬度の小さい材料の埋め部材で埋められているものとすることができる。
このようにすると、破砕作業の際に、この埋め部材によって、凹部の内側空間又は隙間に被破砕物が進入することを防止できるので、被破砕物が、分割刃を取り外すときの抵抗とならないようにすることができる。そして、埋め材は、分割刃を取り外すときの大きな抵抗とならないように、第1スペーサの外面部よりも硬度を小さく設定することができる。
本発明に係る破砕機は、本発明の破砕機の分割刃取付構造を備えることを特徴とするものである。
本発明に係る破砕機によると、第1回転軸を回転させることによって、2以上の第1切断刃と、1又は2以上の第2切断刃との間に被破砕物を挟み込んで、この被破砕物を順次、剪断破砕することができる。そして、この破砕機に適用されている破砕機の分割刃取付構造は、本発明に係る破砕機の分割刃取付構造と同様に作用する。
この発明に係る破砕機において、第2回転軸に設けられこの第2回転軸に伴って回転する刃物取付台を有し、この刃物取付台の周方向に分割されている複数の分割刃が前記刃物取付台に着脱自在に取り付けられて成る前記第2切断刃が前記第2回転軸に沿って2以上設けられ、前記第2回転軸に設けられている前記分割刃の側面の少なくとも一部を両側から挟み込むように第2スペーサが前記第2回転軸に設けられ、前記分割刃の側面と対向する前記第2スペーサの外面角部に設けられ、前記第2スペーサの前記外面角部が、前記分割刃の側面を押圧する押圧力を低下させるための凹部を備えるものとすることができる。
このようにすると、本発明に係る破砕機の分割刃取付構造を、二軸剪断破砕機に適用することができる。この第1及び第2回転軸を回転させることによって、第1回転軸の第1切断刃と、第2回転軸の第2切断刃との間に被破砕物を挟み込んで、この被破砕物を、順次剪断破砕することができる。そして、第2スペーサの第2切断刃を構成する分割刃と対向する外面角部に設けられている凹部は、前記と同様に作用する。
この発明に係る破砕機において、前記第2切断刃は、固定部に固定して設けられている構成とすることができる。
このようにすると、本発明に係る破砕機の分割刃取付構造を、一軸剪断破砕機に適用することができる。
本発明に係る破砕機の分割刃取付構造、及び破砕機によると、第1スペーサの分割刃と対向する外面角部に、この外面角部が分割刃の側面を押圧する押圧力を低下させるための凹部を設けた構成としたので、分割刃を刃物取付台から小さい力で簡単に取り外すことが可能となるし、取り付けることも可能となる。
従って、分割刃を交換するときに、分割刃を刃物取付台から取り外すことができないために、第1回転軸から複数の刃物取付台及び複数の第1スペーサを外して、しかる後に、複数の各刃物取付台から複数の分割刃を取り外すような手間の掛かる作業を行なう必要がなく、分割刃の交換作業を極めて簡単で迅速に行うことができる。
以下、本発明に係る破砕機の分割刃取付構造、及びそれを備える破砕機の一実施形態を、図1〜図3、及び図10を参照して説明する。この破砕機の分割刃取付構造18は、図3に示すように、破砕機17で被破砕物19を破砕することによって、スペーサ20の外周面における外面部20aであって第1分割刃21(又は第2分割刃22)と対向する外面角部23が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に向かって左右に拡がる方向に変形した場合でも、当該外面角部23が第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に当接しないようにすることによって、又は当接することがあっても、当該外面角部23が第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24を押圧する押圧力を低下させることができるようにして、破砕作業の後で、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を刃物取付台5から小さい力で、半径方向の外側に取り外して例えば交換できるようにするものである。
この図1及び図2に示す実施形態の破砕機17は、二軸剪断式破砕機であり、この図1及び図2に示す実施形態の破砕機17と、図10に示す従来の破砕機1とが相違するところは、図1及び図2に示す実施形態の破砕機17では、スペーサ20の外周面における外面部20aの両側の各外面角部23に凹部25を設けたのに対して、図10に示す従来の破砕機1では、スペーサ7の外面部20aの両側の各外面角部23に凹部25を設けてはおらず、直角の角部として形成されているところである。これ以外は、図10に示す従来の破砕機1と同等であり、同等部分を同一の図面符号で示す。
この実施形態の破砕機17は、図10に示す従来の破砕機1と同様に、ケーシング26を備えており、このケーシング26には、それぞれの両端部が軸受27によって回動自在に支持された駆動軸(第1回転軸)3と従動軸(第2回転軸)4とが設けられ、これら駆動軸3及び従動軸4は、所定の間隔を隔てて配置されている。これら駆動軸3及び従動軸4は、略矩形断面に形成され、駆動軸3及び従動軸4のそれぞれの一端部には、駆動ギヤ28及び従動ギヤ29が設けられ、この2つのギヤ28、29は互いに噛合っている。そして、駆動軸3には、駆動モータ30が連結している。また、図1に示すように、左側の駆動軸3は、時計方向に回転し、右側の従動軸4は、反時計方向に回転するように駆動される。
そして、駆動軸3及び従動軸4には、図10に示すものと同様にして、それぞれの軸方向に複数の刃物取付台5とスペーサ20とが交互に配置されて装着されている。そして、これら駆動軸3及び従動軸4のそれぞれに装着されている刃物取付台5及びスペーサ20が、軸方向に移動しないように、各軸3、4に設けられた鍔部31と、各軸3、4に螺合するナット32によって締付け固定されている。
また、図1に示すように、それぞれの刃物取付台5に取り付けられた第1分割刃21及び第2分割刃22は、スペーサ20の外径よりも大きい外径に形成されている。
更に、図1に示すように、駆動軸3(又は従動軸4)の刃物取付台5の外周面には、例えば6つの第1分割刃21(又は第2分割刃22)が固定ボルト33(取付手段)で着脱自在に取り付けられている。そして、図10に示すように、駆動軸3(又は従動軸4)の刃物取付台5に取り付けられた互いに隣合う2つの第1分割刃21間(又は第2分割刃22間)の空間(スペーサ20に相当する幅の空間)には、従動軸4(又は駆動軸3)の刃物取付台5に取り付けられた第2分割刃22(又は第1分割刃21)が入り込むように配置され、これによって、被破砕物19を剪断破砕するように構成されている。
これらの駆動軸3及び従動軸4に設けられ、それぞれの軸方向に互いに隣合うように配置されている第1分割刃21及び第2分割刃22は、例えば0.5〜1.0mm程度の微少隙間を隔てて配設されている。そして、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の先端部と、これと対向するスペーサ20の外周面との間隔は、例えば3mm程度となるように設定されている。
このように第1分割刃21、第2分割刃22及びスペーサ20が配置されている構成としたことによって、第1及び第2分割刃21、22の先端部及び側部の各角部で被破砕物19を剪断破砕することができるようになっている。この剪断破砕は、いわゆる、鋏のような剪断作用によって行なわれるものである。
また、図1に示すように、それぞれの刃物取付台5の外周面には、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を取り付けることができる例えば6つの刃物取付面34が形成されている。これら各刃物取付面34には、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の下面が当接した状態で、この第1分割刃21(又は第2分割刃22)の後部下面に形成された凹状の段部35が係合するように凸状の係止段部36が形成されており、この係止段部36によって第1分割刃21(又は第2分割刃22)の周方向の位置決めがなされている。そして、この係止段部36は、第1分割刃21及び第2分割刃22が被破砕物19を破砕するときに、第1分割刃21及び第2分割刃22が外力によって、周方向に位置ずれを起こさないようにする機能も備えており、これによって、回転力を刃物取付台5から第1分割刃21(又は第2分割刃22)に伝達できるようになっている。
更に、この刃物取付面34に取付けられた第1分割刃21(又は第2分割刃22)は、図1及び図10に示すように、軸方向の両側に隣接するスペーサ20によって押圧されて位置決めされていると共に、軸方向に受ける力に対してもこのスペーサ20によって支持されている。
この第1分割刃21(又は第2分割刃22)のスペーサ20による軸方向の位置決めは、図1に示すように、刃物取付台5の刃物取付面34から半径方向の外側に突出するスペーサ20の突出部37(斜線で示す部分)が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24の下部を押圧することによってなされている。このように、第1分割刃21(又は第2分割刃22)をスペーサ20によって位置決めしていることによって、前記したように、互いに軸方向に対向して配置されている第1分割刃21と第2分割刃22との間隔が所定の隙間に規定されている。
また、第1分割刃21及び第2分割刃22が受ける軸方向の力も、隣接するスペーサ208の突出部37(図1に示す斜線部分)によって支持されている。この斜線部分で示すスペーサ20の突出部37は、図1に示すように、刃物取付台5の周囲に6つ設けられ、6つの各第1分割刃21(又は第2分割刃22)を、その下部の側面24で支持するように構成されている。
このように、第1分割刃21及び第2分割刃22がスペーサ20に密着した状態で駆動軸3及び従動軸4に取り付けられているので、いずれの第1分割刃21及び第2分割刃22に対して軸方向の力が作用したときでも、各第1分割刃21及び第2分割刃22は、隣接するスペーサ20によって軸方向の移動が阻止される。
そして、スペーサ20で両側から挟み込まれた第1分割刃21(又は第2分割刃22)は、図1に示すように、駆動軸3(又は従動軸4)の刃物取付台5の外周面に、固定ボルト33で着脱自在に取り付けられているので、固定ボルト33を取り外すことによって、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を各軸3、4の半径方向外側に移動させることができ、これによって、刃物取付台5から取り外すことができる。
なお、駆動軸3に設けられているスペーサ20が第1スペーサであり、従動軸4に設けられているスペーサ20が第2スペーサである。そして、駆動軸3に設けられている刃物取付台5及びこの刃物取付台5に取り付けられている複数の第1分割刃21が、第1切断刃であり、この第1切断刃は、駆動軸3に沿って複数設けられている。また、従動軸4に設けられている刃物取付台5及びこの刃物取付台5に取り付けられている複数の第2分割刃22が、第2切断刃であり、この第2切断刃は、従動軸4に沿って複数設けられている。
次に、本発明の特徴とする破砕機の分割刃取付構造18を説明する。この破砕機の分割刃取付構造18は、図2及び図3に示すように、刃物取付台5と、第1分割刃21と、スペーサ20と、第2分割刃22とを備え、これらは、駆動軸3及び従動軸4(図示せず)に装着されている。
そして、この駆動軸3に装着されている複数の各スペーサ20の外面部20aにおける第1分割刃21と対向する両側の各外面角部23には、凹部25が設けられている。同様に、図には示さないが、従動軸4に装着されている複数の各スペーサ20の外面部20aにおける第2分割刃22と対向する両側の各外面角部23にも、凹部25が設けられている。そして、駆動軸3及ぶ従動軸4に装着されている複数の各スペーサ20の外面部20aの両側の各外面角部23に設けられている凹部25の形状及び大きさは、実質的に同一である。
この凹部25は、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24と、この側面24と対向するスペーサ20の外面角部23との間に矩形の隙間を形成している。
なお、この実施例では、図1に示すように、スペーサ20の外周部における両方の各外面角部23の全周に亘って凹部25を形成してあるが、これに代えて、図1に示すスペーサ20の各突出部37(斜線で示す部分)として形成されている6つの各部分に凹部25を形成してもよい。
この凹部25は、第1分割刃21と第2分割刃22とで被破砕物19を剪断破砕するときに、スペーサ20の両側の各外面角部23が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24を押圧する押圧力が零又はそれに近い大きさとなるようにするものである。この実施形態では、凹部25は、図3に示すように、スペーサ20の周方向に直交する断面形状が略矩形であり、その断面の下辺が駆動軸3の中心軸と略平行する形状である。
ここで、図3に示す凹部25の大きさは、第1分割刃21と第2分割刃22とで被破砕物19を剪断破砕するときに、スペーサ20の外面部20aに掛かる力の大きさや、スペーサ20の材質及びスペーサ20の外面部20aの硬度等に応じて設定する必要がある。
ただし、凹部25は、第1分割刃21と第2分割刃22とで被破砕物19を剪断破砕するときに、スペーサ20の両側の各外面角部23が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24を押圧する押圧力が零又はそれに近い大きさとなるようにしたが、これに代えて、スペーサ20の両側の各外面角部23が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24を押圧する押圧力が所定の大きさに低下するようにしてもよい。
この所定の大きさの押圧力とは、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を比較的小さい力で、半径方向の外側に取り外すことができる大きさである。
次に、上記のように構成された破砕機17の作用を説明する。この破砕機17によると、駆動モータ30を駆動して、駆動軸3及び従動軸4を図1に示すように所定方向に回転させることによって、第2分割刃22(又は第1分割刃21)が、互いに隣合う2つの第1分割刃21(又は第2分割刃22)の間に形成されている空間に入り込むことによって、第1分割刃21及び第2分割刃22のそれぞれの先端部及び側部の角部によって、被破砕物19を順次、挟み込んで剪断破砕することができる。
そして、このように被破砕物19を剪断破砕するときに、図1に示すように、被破砕物19は、第2分割刃22(又は第1分割刃21)の外面と、駆動軸3(又は従動軸4)に装着されたスペーサ20の外面との間に挟み込まれて圧縮される。その結果、スペーサ20の外面部20aには、駆動軸3(又は従動軸4)に向かう中心方向の圧縮力が働き、スペーサ20の外面部20aであって第1分割刃21(又は第2分割刃22)と対向する外面角部23は、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に向かって拡がる方向に変形する(図3参照)。
ただし、スペーサ20の外面部20aの両側の各外面角部23には、凹部25を設けてあるので、当該外面角部23が第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に当接しないようにすることができるし、当接することがあっても、当該外面角部23が第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24を押圧する押圧力を所定の大きさに低下させることができる。
これによって、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を刃物取付台5から半径方向の外側に向かって取り外すときに、スペーサ20の両側の各外面角部23と、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24との摩擦抵抗を零又はそれに近い大きさとなるようにすることができ、これによって、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を、スペーサ20の存在によって邪魔されずに刃物取付台5から取り外すことができる。
また、スペーサ20の外面角部23と、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24との摩擦抵抗が所定の大きさに低下するように凹部25を形成すると、所定の小さい力で簡単に第1分割刃21(又は第2分割刃22)を刃物取付台5から取り外すことができる。
よって、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を刃物取付台5から小さい力で簡単に取り外すことが可能となるし、取り付けることも可能となり、第1分割刃21及び第2分割刃22の交換作業を迅速に行うことができる。
更に、凹部25は、図3に示すように、スペーサ20の周方向に直交する断面形状が略矩形であり、その断面の下辺が駆動軸3又は従動軸4の中心軸と略平行する形状としたので、破砕機17によって被破砕物19を剪断破砕したことによって、スペーサ20の外面部20aの両外面角部23が、スペーサ20の半径方向の所定の範囲(凹部25の深さよりも小さい範囲)において、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に向かって略均一に左右に拡がるように変形する場合は、スペーサ20の外面角部23が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24を押圧する押圧力を有効に低下させることができる。これによって、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を小さい力で刃物取付台5から取り外すことが可能となる。
次に、本発明に係る破砕機の分割刃取付構造18の技術的意義を、図4〜図6を参照して説明する。図4は、本発明の破砕機17に取り付けられている凹部25付きのスペーサ20を、従来の凹部25なしのスペーサ7に付け替えたものを示す部分拡大横断面図である。
この図4に示す従来のスペーサ7は、外周部の断面形状が矩形であり、このスペーサ7の外周部における第1分割刃21(又は第2分割刃22)に向かう側の両方の各外面角部23には、凹部25が設けられていないものである。従って、このように、スペーサ7が新品の状態では、図4に示すように、駆動軸3(又は従動軸4)に対して、刃物取付台5、スペーサ7、及び第1分割刃21(又は第2分割刃22)を精度良く組み立てることができる。
図4に示すように、この破砕機を使用して被破砕物19を破砕すると、スペーサ7の外面部22aと、第2分割刃22(又は第1分割刃21)の外面との間に被破砕物19が入り込み、それによって、スペーサ7の外面部20aは、駆動軸3(又は従動軸4)の中心方向に向かって圧縮力を受ける。
これによって、スペーサ7の外面部20aであってその隣に配置されている第1分割刃21(又は第2分割刃22)と対向する両方の各外面角部23が、その第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に向かって拡がる方向に変形しようとして、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に圧接する状態となる。このときも、スペーサ7の側面は、第1分割刃21(又は第2分割刃22)によって拘束されているので変形せず、新品時の形状と変わりがない。
図5は、破砕を行なうにつれて、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の先端部及び側部が磨耗してきている状態を示している。このときも、スペーサ7は、新品時の形状と変わりがない。
しかし、ここで磨耗している第1分割刃21(又は第2分割刃22)を交換するために、この第1分割刃21(又は第2分割刃22)を刃物取付台5から取り外そうとしても、スペーサ7の外面部20aにおける両方の各外面角部23が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に圧接する状態となっているので、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を刃物取付台5から取り外すことができないことがある。
そのような場合は、駆動軸3(又は従動軸4)から刃物取付台5及びスペーサ7を全て取り外し、しかる後に、複数の各刃物取付台5から複数の第1分割刃21(又は第2分割刃22)を取り外すことが必要となる。
これに対して、本発明では、スペーサ20の外面部20aにおける両方の各外面角部23が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に圧接することを解消又は抑制することができるので、磨耗している第1分割刃21(又は第2分割刃22)を交換するために、上記のように分解作業を行なう必要がなく、固定ボルト33を外すことによって、極めて簡単に多数の第1分割刃21(又は第2分割刃22)を刃物取付台5から迅速に取り外すことができる。
次に、図6(a)は、図5に示す刃物取付台5に取り付けられている磨耗した第1分割刃21を駆動軸3から取り外した状態を示しており、図6(b)は、図5に示す従来のスペーサ7を駆動軸3から取り外した状態を示している。図7は、図6(b)に示す従来のスペーサ7の外面部20aを示している。
この図7に示すように、スペーサ7を駆動軸3から取り外すと、図7に示すように、スペーサ7の外面部20aは、その外面部20aに残留する応力によって、その両方の外面角部23がスペーサ7の厚み方向(左右方向)に拡がって塑性変形することになる。
つまり、図5に示す状態で、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を刃物取付台5から強制的に取り外すことができたとしても、図7に示すように、スペーサ7の外面部20aが左右に拡がる方向に塑性変形するので、次に、例えば新品の第1分割刃21(又は第2分割刃22)を、互いに隣合う2つのスペーサ7の間の空間に装着しようとしても、スペーサ7の塑性変形した両方の外面角部23に邪魔されて、その空間に装着することができない。
そのような場合は、塑性変形して左右方向に突出した状態となっているスペーサ7の各外面角部23を削り落とす必要があり、手間が掛かる。
これに対して、本発明では、スペーサ20の外面部20aにおける両方の各外面角部23が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に圧接することを解消又は抑制することができるので、磨耗している第1分割刃21(又は第2分割刃22)を刃物取付台5から取り外したときに、スペーサ20の各外面角部23は、次に新品の第1分割刃21(又は第2分割刃22)を、その2つのスペーサ20の間の空間に装着するときの邪魔になることは無く、簡単にその2つのスペーサ20の間の空間に装着して取り付けることができる。
ただし、上記実施形態では、図1に示すように、本発明を二軸剪断式破砕機17に適用したが、これに代えて、一軸剪断式破砕機に適用することができる。この場合は、例えば複数の第2分割刃をケーシング26に固定して設けた構成とすることができる。この複数の第2分割刃は、一体物として形成してもよく、2以上の分割型のものとしてもよい。
そして、上記実施形態では、図3に示すように、スペーサ20の外面部20aであって第1分割刃21(又は第2分割刃22)と対向する両方の各外面角部23に凹部25を設けたが、これに代えて、図8(a)、(b)に示すように、その両方の各外面角部23に、凹部38又は凹部39を設けてもよい。
この凹部38は、その底面が第1分割刃21(又は第2分割刃22)に向かうに従って駆動軸3(又は従動軸4)の中心軸に接近するテーパ状の傾斜面である。そして、凹部39は、その底面が第1分割刃21(又は第2分割刃22)に向かうに従って駆動軸3(又は従動軸4)の中心軸に接近し、かつ、外側に突出する凸状の傾斜面として形成されている。
このように構成すると、破砕機17によって被破砕物19を剪断破砕したことによって、スペーサ20の外面部20aの各外面角部23が第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に向かって変形する形状及び大きさに応じて、スペーサ20の各外面角部23に対して凹部38又は凹部39を形成して、スペーサ20の各外面角部23が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24を押圧する押圧力を有効に低下できるようにすることができる。これによって、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を小さい力で刃物取付台5から取り外すことが可能となる。
要は、破砕機17によって被破砕物19を剪断破砕したことによって、スペーサ20の外面部20aの外面角部23が第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に向かって変形するときに、スペーサ20の外面部20aの両方の各外面角部23が、このスペーサ20の半径方向の所定の範囲の部分において第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に向かって塑性変形しても、その側面24に接触しないように、又は小さい接触圧で接触するように、凹部25、38又39を各外面角部23に形成すればよい。これによって、スペーサ20の各外面角部23が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24を押圧する押圧力を有効に低下させることができる。
勿論、スペーサ20の外面部20aの両方の各外面角部23に凹部25、38又は39を設けたが、これに代えて、スペーサ20の外面部20aの一方の外面角部23に凹部25等を設けてもよい。このように、一方の外面角部23に凹部25等を設けても、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24を押圧する押圧力を必要なだけ低下させることができる。
また、上記実施形態のスペーサ20の外面部20aにおいて、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に挟み込まれている各部分に対して、高周波焼入れ等の焼入れ加工を施すことができる。勿論、スペーサ20の外面部20aの全周(外周面全体)に亘って焼入れ加工を施してもよい。
このようにすると、被破砕物19を剪断破砕したことによって、スペーサ20の外面部20aの外面角部23が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24に向かって拡がる方向の変形量(第1分割刃21(又は第2分割刃22)を取り外したときの塑性変形による変形量)を小さくすることができる。よって、スペーサ20の外面角部23が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)の側面24を押圧する押圧力を更に低下させることができる。
更に、上記実施形態では、図3に示すように、凹部25の内側を空間(隙間)としたが、これに代えて、図には示さないが、この凹部25の内側空間の略全体を、スペーサ20の外面部20aよりも硬度の小さい材料の埋め部材で埋めてもよい。
このようにすると、破砕作業の際に、この埋め部材によって、凹部25内の内側空間又は隙間に被破砕物19が進入することを防止できるので、被破砕物19が、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を取り外すときの抵抗とならないようにすることができる。そして、埋め材は、第1分割刃21(又は第2分割刃22)を取り外すときの大きな抵抗とならないように、スペーサ20の外面部よりも硬度を小さく設定することができる。この埋め材は、例えば金属製又は合成樹脂製としてもよい。