JP5642608B2 - 可動板ユニットの製造方法 - Google Patents

可動板ユニットの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5642608B2
JP5642608B2 JP2011079549A JP2011079549A JP5642608B2 JP 5642608 B2 JP5642608 B2 JP 5642608B2 JP 2011079549 A JP2011079549 A JP 2011079549A JP 2011079549 A JP2011079549 A JP 2011079549A JP 5642608 B2 JP5642608 B2 JP 5642608B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
movable plate
movable
vibration
width
storage member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011079549A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012215204A (ja
Inventor
史暁 徳橋
史暁 徳橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2011079549A priority Critical patent/JP5642608B2/ja
Priority to PCT/JP2011/064836 priority patent/WO2012002402A1/ja
Publication of JP2012215204A publication Critical patent/JP2012215204A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5642608B2 publication Critical patent/JP5642608B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Description

本発明は、車両等のエンジンマウントやサスペンション等に用いられ、振動発生部からの振動を吸収減衰する防振装置に用いられる可動板ユニットの製造方法に関する。
自動車には、エンジン、サスペンション、ブレーキなどの振動発生源と車体との間に防振装置が配設され、車体への振動の伝達が抑制され、サブフレームなどの固有振動が減衰されるようになっている。この種の防振装置として、液封式のブッシュ型防振装置がある。
一般的に、液封式のブッシュ型防振装置は、外筒、内筒、及び、外筒と内筒とを連結する弾性体を備え、外筒と内筒との間に相互に連通された一対の液室が構成されている。このような構成の液封式のブッシュ型防振装置は、主振動の入力方向が径方向になるように設置されており、振動の入力により弾性体が弾性変形すると共に、一対の液室間で流体が流動し、防振効果が発揮されるようになっている。
上記のような液封式のブッシュ型防振装置では、一対の液室を連通させる制限流路は、予め所定の周波数帯域の振動に対応可能なようにチューニングされている。入力した振動の周波数がチューニングされている周波数帯域よりも大きくなると、制限流路内で目詰まりが発生し、液体の流動による防振効果を得られないため、高周波の振動入力に対応する連通部を設けることがある。例えば、特許文献1では、高周波振動に対応するために、一対の液室間に可動部材を配置し、液室間の圧力変動によって可動部材が微少変位することにより、防振装置の高動バネ化を防いで、防振効果を得ている。
しかしながら、特許文献1では、可動部材の軸方向両端部をゴム弾性体で挟んで保持し、ゴム弾性体の弾性変形により可動部材を変位させている。このように可動部材をゴム弾性体で保持すると、可動部材の振動特性はゴム弾性体の弾性や形状に依存することになる。チューニングを考慮して、ゴム弾性体の可動部材を保持する部分の形成や、それと別体である可動部材を精度よく形成することは難しい。
特開2008−196569号公報
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、高周波振動の入力時において防振効果を得るための可動板を含む可動板ユニットを、簡易に形成することのできる可動板ユニットの製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の可動板ユニットの製造方法は、液体の流通方向に離間して対向配置されて可動空間を構成し液体の連通孔が構成された一対の幅板部、及び、該一対の幅板部同士を離間距離を保持しつつ連結する連結部、を有する収納部材と、該一対の幅板部の間に構成される可動空間に配置され該可動空間内で前記流通方向に移動可能であると共に前記連通孔を閉鎖可能な可動板、を有する可動板ユニットの製造方法であって、前記収納部材の前記可動空間に面する一部に前記可動板を形成する可動板材料を接触させつつ配置して、前記可動板の形成処理を行い、その後、前記可動板を前記可動空間内で前記流通方向へ移動させるものである。
本発明で製造される可動板ユニットは、一対の幅板部が連結部によって離間距離を維持されつつ配置された収納部材を有し、この収納部材内の離間部分に構成される可動空間に可動板が収納され、可動空間内で可動板が移動するものである。
本発明の可動板ユニットの製造方法では、収納部材の可動空間に面する一部に可動板を形成する可動板材料を接触させつつ配置して、可動板の形成処理を行う。ここで、可動板を形成する可動板材料としては、未加硫ゴムや溶融状態の樹脂を用いることができる。未加硫ゴムを用いた場合には、形成処理は加硫処理を含むものとなる。このように、収納部材に接触させつつ収納部材を用いて可動板の形成処理を行うことにより、可動板を収納部材へ組み付ける作業が不要となり、簡易に製造することができる。また、可動板を収納部材の一部に接触させているので、通常、接触部分は形成処理後に密着している。したがって、可動板ユニットの製造過程において、可動板の収納部材からの脱落を抑制することができる。
可動板の形成処理の後には、可動板を可動空間内で流通方向へ移動させて、収納部材との密着を解除し、可動空間内で移動できるようにすることができる。
本発明の請求項2に係る可動板ユニットの製造方法は、前記形成処理において、前記可動板材料は一方の前記幅板部の内側面に接触配置されていること、を特徴とする。
このように、幅板部の内側面に可動板材料を接触配置して形成処理を行うことにより、可動板は幅板部の内側面に密着することから、形成処理の後、連通孔から流入する液体の液圧を用いて、可動板と幅板部との密着状態を解除することができる。
本発明の請求項3に係る可動板ユニットの製造方法は、前記収納部材は、前記可動空間を開閉可能な分割形状とされ、前記形成処理において、分割された前記収納部材の一部を金型内に配置し、金型内の前記可動空間に、前記可動板材料を射出すること、を特徴とする。
このように、可動空間を開閉可能な分割形状の収納部材を用いることにより、分割された収納部材の一部を用いて可動板の形成処理を行うことができる。
以上説明したように本発明に係る防振装置によれば、高周波振動の入力時において防振効果を得るための可動板を含む可動板ユニットを、簡易に形成することができる。
本実施形態に係る防振装置の外筒と外筒を取り外した状態の斜視図である。 本実施形態に係る防振装置の制限流路部材を取り外した分解斜視図である。 本実施形態に係る防振装置の第1制限流路が構成されている側の側面図である。 本実施形態に係る防振装置を筒軸方向と垂直に切断した断面図である。 図4のV−V断面図である。 図4のVI−VI断面図である。 本実施形態に係る防振装置の可動板ユニットの断面図である。 本実施形態に係る可動板ユニットの(A)は斜視図であり、(B)は分解斜視図である。 本実施形態に係る可動板ユニットの製造方法の手順の説明図である。 本実施形態に係る可動板ユニットの製造方法の手順の説明図である。 本実施形態に係る可動板ユニットの製造方法の加硫処理における状態の説明図である。 本実施形態に係る可動板ユニットの製造方法の加硫処理後の手順の説明図である。 本実施形態の変形例に係る可動板ユニットの斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の可動板ユニットの製造方法についての詳細を説明する。図1から図6には、本発明の製造方法で製造される可動板ユニット30が組み込まれる防振装置10が示されている。
防振装置10は、内筒12及び外筒14を備えている。外筒14は、円筒形状とされ、内周壁面にゴム膜14Aが加硫接着されている。内筒12は、外筒14よりも小径の軸状円筒形状とされ、外筒14の筒内に外筒14と同軸的に配置されている。以下、内筒12及び外筒14の軸心に沿った方向を「軸方向S」とする。内筒12及び外筒14は、一方が振動発生部となるサスペンション(図示せず)側に連結され、他方が振動受け部となる車体(図示せず)側に連結される。また、本実施形態の防振装置10において、主振動の入力方向は、図4に示す矢印F方向となるように設置される。
図5に示されるように、内筒12と外筒14との間には、中間筒16が配置されている。中間筒16は、軸方向Sの両端に一対の大径端部16Aを有し、軸方向Sの中間に一対の大径端部16Aを連結する中間部16Bを有している。図4に示されるように、中間部16Bは、大径端部16Aよりも小径とされ、筒軸を挟んで互いに対向する位置に一対の開口16Wが構成されている。開口16Wは、略矩形状とされ、周方向で所定の周長(本実施形態では全周長の1/4以上の長さ)を有し、軸方向Sで中間部16B全長に亘っている。一対の開口16Wが構成されることにより、中間部16Bは、内筒12を挟んで対向する両側に配置される。以下、中間部16Bの一方側を「高周波流路側中間部16BH」といい、他方側を「低周波流路側中間部16BL」という。高周波流路側中間部16BH及び低周波流路側中間部16BLは、内筒12の軸心を中心とする弧状とされており、第2内周部としての高周波流路側中間部16BHの周方向中間部の外面には、挟持部としての平坦面16Cが構成されている。この平坦面16Cの外側と外筒14との間に、後述する可動板ユニット30が挟持される。
内筒12と中間筒16の間には弾性体18が配置され、内筒12と中間筒16は、弾性体18により弾性的に連結されている。弾性体18は、内筒12の外周に固着されると共に、中間筒16の大径端部16A及び中間部16Bの内側に固着されている。弾性体18は、ゴムなどの弾性を有する部材で構成することができる。内筒12の外周で、中間部16Bの開口16Wに対向する部分は、弾性体18と一体的に形成された外膜18Bで覆われている。
高周波流路側中間部16BHの外周側には、弾性体18と一体的に高周波用連通部18Hが形成されている。高周波用連通部18Hは、軸方向Sの両端側から中央へ向かって互いに凸状となるように構成されている。高周波用連通部18Hの周方向中間部に構成される保持部18HMには、後述する可動板ユニット30が保持され、高周波用連通部18Hの周方向両端部には、後述する制限流路部材22が嵌め込み係合される。
低周波流路側中間部16BLの外周側には、弾性体18と一体的に低周波用連通部18Lが形成されている。低周波用連通部18Lの外周側で軸方向Sの中央部には、図3、図5に示すように、周方向に延びると共に端部で周方向に開放された低周波溝18Mが構成されている。低周波溝18Mは、外筒14のゴム膜14Aにより径方向外側が閉鎖され、第1制限流路22Cの一部を構成する。
内筒12の径方向外側で開口16Wに対応する部分には、一対の液室20A、20Bが構成されている。液室20A、20Bは、弾性体18及び後述する一対の制限流路部材22により囲まれて構成されている。
一対の制限流路部材22は、開口16Wに対応する位置で内筒12と外筒14の間に配置されている。図2にも示されるように、制限流路部材22は、外筒14の内面に沿って周方向に湾曲した弧形状とされている。制限流路部材22の外周面は外筒14の内周に沿った弧状の曲面とされ、外筒14の内周壁面に形成されたゴム膜14Aに密着されている。
制限流路部材22の、内周側の周方向中間部分には、ストッパ部24が構成されている。ストッパ部24は、内筒12の近傍まで径方向内側へ突出し、径方向の内側は内筒12の外周に沿った弧状の曲面とされている。ストッパ部24は、内筒12の外面から離間して配置されている。ストッパ部24の周方向の両外側には凹部25Aが構成され、ストッパ部24の軸方向Sの両外側には凹部25Bが構成されている。一対の制限流路部材22の内の一方の凹部25A、25Bに対応する空間に液室20Aが構成され、他方の凹部25A、25Bに対応する空間に液室20Bが構成される。液室20A、20Bは、互いに周方向に離間して配置されている。液室20A、20Bには、水またはオイル等の液体Lが封入されている。
一対の制限流路部材22の周方向の一端部には、第2制限流路部26が構成されている。第2制限流路部26の先端側は、高周波流路側中間部16BHの外周に配置され、高周波用連通部18Hに嵌め込み係合されている。一対の制限流路部材22の、第2制限流路部26の先端部同士は離間して配置され、離間部分に第2液室27が構成されている。第2制限流路部26の外周には、軸方向Sの中央に周方向に沿って第2溝26Mが構成されている。第2溝26Mは、先端側で周方向に開放されている。外筒14のゴム膜14Aにより第2溝26Mの径方向外側が閉鎖され、第2制限流路26Cが構成されている。第2制限流路部26の周方向で凹部25A(第2制限流路部26側の凹部25A)に対応する部分には、連通部26Aが構成されている。連通部26Aは、制限流路部材22を径方向に貫通しており、連通部26Aを介して、第2制限流路26Cと液室20A(または液室20B)とが連通されている。
制限流路部材22の外周面には、第1溝22Mが構成されている。第1溝22Mは、一端が低周波用連通部18Lの低周波溝18Mと連通されている。第1溝22Mは、制限流路部材22の外周面で周方向に延出されると共に軸方向にも屈曲され、所定の路長が確保されている。第1溝22Mの他端は、周方向で凹部25A(低周波用連通部18L側の凹部25A)に対応する部分には、連通部22Aが構成されている。外筒14のゴム膜14Aにより第1溝22Mの径方向外側が閉鎖され、第1制限流路22Cの一部が構成されている。連通部22Aを介して、液室20A(または液室20B)と第1制限流路22Cとが連通されている。
第1制限流路22Cは、一対の制限流路部材22の外面に構成された各々の第1溝22M、及び、低周波用連通部18Lの外面に構成された低周波溝18Mが、外筒14のゴム膜14Aによって径方向外側が閉鎖されて構成された1本の流路で構成されている。第1制限流路22Cによって、液室20Aと液室20Bとが連通されている。第1制限流路22Cは、液体Lが第1制限流路22Cを通して液室20Aと液室20Bの間を相互に流通し、第1制限流路22C内での液柱共振作用などにより、制振効果を得ることができるよう設定されている。第1制限流路22Cは、その路長や断面積が、周波数5Hz〜20Hzの範囲の、比較的低い周波数帯域の振動入力に適合するようにチューニングされている。
第2制限流路26Cは、液室20Aから、一対の制限流路部材22の一方側の第2制限流路部26に構成された連通部26A、第2溝26M、を経由して第2液室27へ至り、他方側の第2制限流路部26の第2溝26M、連通部26Aを経由して、液室20Bへ連通されている。第2制限流路26Cは、外筒14の内周で周方向に沿って構成されている。第2制限流路26Cは、第1制限流路22Cよりも高い周波数で、周波数30Hz〜60Hzの範囲の、比較的高い周波数帯域の振動入力に適合するようにチューニングされている。第2制限流路26Cは、内筒12を挟んで第1制限流路22Cと逆側に構成されている。
第2液室27には、可動板ユニット30が配設されている。図8(A)(B)に示すように、可動板ユニット30は、可動板32、及び、収納部材34を備えている。収納部材34は、箱状とされ、第1収納部37及び第2収納部38からなる2分割形状とされている。
図8(B)に示すように、第1収納部37は長方形板状とされ、中央に第1凹部37Aが構成されている。第1凹部37Aの底に第1幅板部37Bが形成されている。第1幅板部37Bには、貫通孔である複数の連通孔35Hが構成されている。第1凹部37Aの構成されていない外周は枠状とされ第1枠部37Cが構成されている。第2収納部38も長方形板状とされ、中央に第2凹部38Aが構成されている。第2凹部38Aの底に第2幅板部38Bが形成されている。第2幅板部38Bには、貫通孔である複数の連通孔35Hが構成されている。第2凹部38Aの構成されていない外周は枠状とされ第2枠部38Cが構成されている。
第1収納部37と第2収納部38は、互いに短手方向に沿った一端辺が連結されている。以下、この連結された一端辺を「連結部39」という。第1収納部37と第2収納部38は、第1凹部37Aと第2凹部38Aが内側になるように第1枠部37Cと第2枠部38Cとが当接され、第1収納部37の係合凹部37Dと第2収納部38の係合凸部38Dとが係合されている。第1凹部37Aと第2凹部38Aにより、可動空間34Rが構成されている(図7参照)。第1収納部37及び第2収納部38は、連結部39を中心に互いに回転可能とされおり、可動空間34Rを、開閉可能となっている。収納部材34は、樹脂材、金属材などの硬質部材により構成することができる。
図7に示すように、第1幅板部37Bと第2幅板部38Bとは、第1枠部37Cと第2枠部38Cにより離間距離が維持されており、可動空間34Rを挟んで周方向、すなわち液体Lの流通方向に距離D1離間して対向配置されている。第1幅板部37B及び第2幅板部38Bは、第2液室27の液室20A側と液室20B側とを分断するように配置されている。第1幅板部37B及び第2幅板部38Bに構成された連通孔35Hにより、第2液室27と可動空間34Rとが連通されている。
一方、高周波用連通部18Hの周方向中間部には、軸方向S外側に切り欠かれた保持部18HMが構成され、中間筒16の平坦面16C外側に対応する部分には、ゴム薄膜で覆われた平坦部18HPが構成されている。収納部材34は、外筒14と中間筒16の間に配置され、保持部18HMに保持される。収納部材34の径方向内側に配置される端面は平坦部18HPに圧接され、径方向外側に配置される端面は外筒14の内周壁面のゴム膜14Aに圧接されて、外筒14と中間筒16との間で挟持されている。これにより、第2液室27の液室20A側と液室20B側とが仕切られている。
図8(B)に示されるように、可動板32は、長方形板状とされ、図7に示されるように、可動空間34Rに収納されている。可動板32は、ゴムなどの、収納部材34よりも軟質の部材で構成されており、厚みD2とされている。可動板32は、厚み方向が周方向となるように可動空間34R内に配置されており、厚みD2は第1幅板部37Bと第2幅板部38B間の距離D1よりも短くなっており、可動板32は、第1幅板部37Bと第2幅板部38B間において、距離D1の振幅で移動(振動)可能とされている。また、可動板32は、第1幅板部37B、第2幅板部38Bへ押し当てられることにより、第1幅板部37B、第2幅板部38Bに構成された連通孔35Hを閉鎖可能とされている。第1幅板部37Bと第2幅板部38B間の距離D1、及び、可動板32の厚みD2は、防振装置10において、所望の動バネ特性が得られるように、設定される。
次に、上記構成の可動板ユニット30の製造方法について説明する。ここでは、可動板32をゴム材により形成する場合について説明する。
まず、収納部材34を用意し、図9に示すように、収納部材34を開き可動空間34Rを開放状態とする。そして、第1収納部37を金型36で挟み込む。図10にも示すように、金型36は、上型36A、下型36Bに2分割されており、上型36Aには、第1収納部37を収納するための凹部36A−1と、第1凹部37Aを構成する内壁に沿った突枠36A−2が形成されている。また、生ゴムの注入口36A−3が構成されている。下型36Bには、連通孔35Hに対応する位置に、連通孔35Hへ挿入される突部36B−1が形成されている。
第1収納部37を金型36で挟み込んだ状態で、生ゴムを注入口36A−3から注入して、生ゴム32Aの加硫処理を行う。ここでの加硫処理は、収納部材34と生ゴム32Aとが非接着となるように行われる。なお、ここでの非接着は、加硫接着や接着剤による化学的な接着を除く、アンカー効果などの弱い接着を含む。アンカー効果による弱い接着であれば、後述する液体の押圧力により、容易に剥離することができる。
加硫処理が終了した後、図11に示すように、金型36を開放する。加硫処理を経た生ゴム32Aは、可動板32となって第1幅板部37Bへ密着されている。その後、第1収納部37と第2収納部38を合わせ、係合凸部38Dと係合凹部37Dを係合させて可動空間34Rを閉じる。この状態で収納部材34を保持部18HMへ嵌めこむ(図1参照)。そして、外筒14を外挿入して、防振装置10を組み立て、第2制限流路26Cに液体Lを流通させる。この液体Lからの圧力により、第1幅板部37Bに密着している可動板32(図12(A)参照)は、図12(B)に示すように、第1幅板部37Bから離れ、可動空間34R内で、振動可能となる。
次に、本実施形態の作用を説明する。
防振装置10の内筒12をサスペンション等の振動発生部へ連結し、外筒14を車体等の振動受部へ連結すると、振動発生部からの振動は内筒12、弾性体18、外筒14を介して振動受部へ伝達される。
比較的周波数が低く大振幅の振動(周波数5Hz〜20Hz、振幅±0.5mm前後)の入力時には、弾性体18が弾性変形して液室20A、20Bが拡縮し、液体Lが第1制限流路22Cを介して液室20Aと液室20Bとの間を行き来し、第1制限流路22C内部での液柱共振作用などにより、防振効果を得ることができる。このとき、第2制限流路26Cは、可動板32が幅板部35へ押し当てられることにより、幅板部35に構成された連通孔35Hが閉鎖され、液体Lの流通が行われない状態となる。
一方、比較的周波数が高く小振幅の振動(周波数30Hz〜60Hz、振幅±0.1mm以下)の入力時には、第1制限流路22Cが目詰まり状態となる。一方、第2制限流路26Cにおいて、可動板32は第1幅板部37Bと第2幅板部38Bの間で振動し、液体Lは連通孔35H通じて第2制限流路26C内で行き来し、液室20A、液室20Bの液圧上昇に伴う動バネ定数の上昇を抑制できるので、高い周波数域の振動も効果的に吸収することができる。
本実施形態の防振装置10によれば、低周波数帯域(周波数5Hz〜20Hz)の振動入力時における第2制限流路26Cの閉鎖と、高周波数帯域(周波数30Hz〜60Hz)の振動入力時における第2制限流路26Cの開放とを、可動板32による連通孔35Hの開閉により、簡易に切り換えることができる。
また、可動板32とは異なる収納部材34で第2制限流路26Cを区画しているので、収納部材34の外周面において容易かつ確実に第2制限流路26Cを閉鎖するためのシールを行うことができる。
また、本実施形態では、可動板ユニット30の収納部材34を可動板32よりも硬質の材料で構成しているので、収納部材34の変形が抑制され、第1幅板部37Bと第2幅板部38Bの間の距離D1、可動板32の厚みD2を変更することにより、可動板ユニット30のチューニングを容易に行うことができる。
また、本実施形態の可動板ユニット30の製造方法によれば、収納部材34の可動空間34R内で可動板32を形成するので、可動板32を別に製造して組み込む必要がなく、可動板ユニット30を効率的に製造することができる。また、可動空間34R内で形成された可動板32は、第1幅板部37Bに密着しているので、金型36を開放する際、収納部材34を閉じる際に、可動板32の外部への脱落が抑制され、組み立て作業を容易にすることができる。
なお、本実施形態では、生ゴム32Aを第1幅板部37Bに接触させた状態で加硫処理を行ったが、生ゴム32Aを第1枠部37Cの内壁に接触させて加硫処理を行ってもよい。この場合にも、加硫処理後の可動板32の外部への脱落を抑制することができる。
また、本実施形態では、液体Lの液圧を用いて可動板32と第1幅板部37Bとの密着状態を解除したが、他の方法、例えば、連通孔35Hから治具を挿入して可動板32を押圧して可動板32と第1幅板部37Bとの密着状態を解除してもよい。
なお、収納部材34は、本実施形態のように、周方向に2分割として互いに接着して構成することもできるし、図13に示されるように、四角筒状の部材を一体成形し、筒の一端側を開口40Aとした収納部材40として構成することもできる。この形状の収納部材40を用いる場合には、可動板32の製造は、開口40Aから生ゴム32A及び中型36を可動空間34Rへ挿入し、加硫処理を行う。その後、中型36のみを可動空間34Rから取り外し、収納部材34を用いる場合と同様に防振装置10を組み立てた後、液体Lを連通孔35Hから流入させて、可動板32を収納部材40の内壁から離し、可動空間34R内で、振動可能にする。
また、本実施形態では、可動板32をゴム製とした場合について説明したが、可動板は樹脂材料で構成することもできる。
10 防振装置
12 内筒
14 外筒
18 弾性体
20A 液室
20B 液室
22C 第1制限流路
26C 第2制限流路
30 可動板ユニット
32 可動板
32A 生ゴム
34R 可動空間
34 収納部材
36 中型
37 第1収納部
37B 第1幅板部
38 第2収納部
38B 第2幅板部
39 連結部
40 収納部材
S 軸方向

Claims (3)

  1. 液体の流通方向に離間して対向配置されて可動空間を構成し液体の連通孔が構成された一対の幅板部、及び、該一対の幅板部同士を離間距離を保持しつつ連結する連結部、を有する収納部材と、該一対の幅板部の間に構成される可動空間に配置され該可動空間内で前記流通方向に移動可能であると共に前記連通孔を閉鎖可能な可動板、を有する可動板ユニットの製造方法であって、
    前記収納部材の前記可動空間に面する一部に前記可動板を形成する可動板材料を接触させつつ配置して、前記可動板の形成処理を行い、
    その後、前記可動板を前記可動空間内で前記流通方向へ移動させる、可動板ユニットの製造方法。
  2. 前記形成処理において、前記可動板材料は一方の前記幅板部の内側面に接触配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の可動板ユニットの製造方法。
  3. 前記収納部材は、前記可動空間を開閉可能な分割形状とされ、
    前記形成処理において、分割された前記収納部材の一部を金型内に配置し、金型内の前記可動空間に、前記可動板材料を射出すること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の可動板ユニットの製造方法。
JP2011079549A 2010-06-29 2011-03-31 可動板ユニットの製造方法 Active JP5642608B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011079549A JP5642608B2 (ja) 2011-03-31 2011-03-31 可動板ユニットの製造方法
PCT/JP2011/064836 WO2012002402A1 (ja) 2010-06-29 2011-06-28 防振装置 及び 可動板ユニットの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011079549A JP5642608B2 (ja) 2011-03-31 2011-03-31 可動板ユニットの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012215204A JP2012215204A (ja) 2012-11-08
JP5642608B2 true JP5642608B2 (ja) 2014-12-17

Family

ID=47268143

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011079549A Active JP5642608B2 (ja) 2010-06-29 2011-03-31 可動板ユニットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5642608B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02225837A (ja) * 1989-02-27 1990-09-07 Bridgestone Corp 防振装置
US5286011A (en) * 1992-12-04 1994-02-15 The Goodyear Tire & Rubber Company Bush type hydraulically damped mounting device
JPH06229440A (ja) * 1993-01-29 1994-08-16 Kinugawa Rubber Ind Co Ltd 液体封入型防振装置の流動規制具取付構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012215204A (ja) 2012-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5719724B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4820792B2 (ja) 流体封入式防振装置
WO2008069131A1 (ja) 液封防振装置
JP5557837B2 (ja) 防振装置
KR102203512B1 (ko) 음압 밸브를 갖는 유압 마운트
WO2012002402A1 (ja) 防振装置 及び 可動板ユニットの製造方法
JP2007278399A (ja) 防振装置
JP5642608B2 (ja) 可動板ユニットの製造方法
JP5284463B2 (ja) 液封入式防振装置
JP7146546B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP5925545B2 (ja) 液封入式防振装置
JP5280923B2 (ja) 防振装置
JP6710123B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP5642609B2 (ja) 防振装置
JP6047447B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP5666200B2 (ja) 防振装置
JP5666199B2 (ja) 防振装置
JP5689645B2 (ja) 防振装置
JP5081669B2 (ja) 防振装置
JP2018017305A (ja) 流体封入式筒形防振装置の製造方法と、それに用いられる流体封入式筒形防振装置の製造用冶具および流体封入式筒形防振装置の製造装置
JP3663841B2 (ja) 負圧制御型流体封入式マウント装置とその製造方法
JP6134208B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP7500407B2 (ja) 液封入式防振装置
JP2009236168A (ja) 負圧制御型流体封入式防振装置
JP2014190401A (ja) 流体封入式防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141014

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141029

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5642608

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250