JP5641520B2 - 防振ゴム装置 - Google Patents

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Description

本発明は、防振ゴム装置に係り、特に、自動車等の車両のエンジンマウントとして好適に用いられる防振ゴム装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する二つの部材間に介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、それら二つの部材にそれぞれ取り付けられる第一の取付部材と第二の取付部材とを、それらの間に介装された、ブロック部と筒部のうちの少なくとも何れか一方を有するゴム弾性体からなる本体ゴム部にて連結した構造の防振ゴム装置が知られている。このような防振ゴム装置は、例えば、自動車等の車両のエンジンマウントや、サスペンションマウント、ボデーマウント等として、一般に使用されている。
ところで、上記の如き構造の防振ゴム装置では、本体ゴム部が有するブロック部と筒部のうちの少なくとも何れか一方に、内側に凹んだくびれ部が設けられることがある。このくびれ部は、主に、第一及び第二の取付部材と本体ゴム部のそれぞれの連結部分の形状の違いや第一及び第二の取付部材の本体ゴム部に対する取付構造上の理由等から設けられる場合と、本体ゴム部の耐久性を高めるために、外部からの荷重による弾性変形により応力が集中する応力集中部位を、本体ゴム部のブロック部や筒部の高さ方向の中央部分に存在させることを意図して設けられる場合がある。なお、前者の場合にあっても、弾性変形による応力集中部位が、くびれ部に存在する。また、ここで言うくびれ部とは、本体ゴム部の全周に亘って、又は1周に満たない長さで周方向に延びる、内側に凹んだ凹所を言う。以下、同一の意味において使用する。
このようなくびれ部を有する本体ゴム部を備えた防振ゴム装置を長期間使用すると、くびれ部にクラックが発生することがある。しかも、かかる防振ゴム装置が、例えば車両用エンジンマウント等に適用されて、エンジンルーム内等の100℃程度以上の高温に達する箇所で長期間使用される場合には、くびれ部に対するクラックの発生が顕著となる傾向がある。このくびれ部でのクラックの発生は、本体ゴム部を構成するゴムの酸化が、主たる原因と考えられている。また、そのようなゴムの酸化は、雰囲気温度の上昇によって著しく促進されるために、エンジンルーム内等の高温環境下での使用によってクラックの発生が顕著となるものと考えられる。
そこで、従来では、本体ゴム部でのクラック発生を防止するために、例えば、本体ゴム部を形成するゴム材料の種類を高耐熱性のものに変更したり、或いは本体ゴム部のくびれ部の形状を改良したりする対策が講じられている。しかしながら、それらの対策を講じた場合には、ゴム材料の種類の変更により材料コストが高騰するといった問題や、本体ゴム部の形状変更によって所望の防振特性を得ることが困難となるといった不具合が生ずる恐れがあった。
かかる状況下、例えば、特開平7−197967号公報(特許文献1)には、本体ゴム部の外周面の全面を耐熱性のゴム膜にて被覆して、かかるゴム膜を本体ゴム部の外周面に全面接着してなる構造の防振装置が開示されている。このような構造の防振装置では、高温環境下での使用の際に、本体ゴム部の外周面が高温雰囲気中に晒されることが防止されることで、本体ゴム部の耐熱性の向上が図られている。
ところが、かかる従来の防振装置においては、本体ゴム部の外周面の全面に、ゴム膜が接着されているため、ゴム膜が、本体ゴム部のばね特性に対して少なからぬ影響を及ぼす。それ故、防振装置に要求される防振性能を得るには、ゴム膜のばね特性を考慮して、本体ゴム部のばね特性をチューニングしなければならず、それが、極めて面倒であった。また、ゴム膜を本体ゴム部に接着するために、余分なコストや作業が必要とされるといった不具合もあった。しかも、ゴム膜が、単に耐熱性を有するだけのものであるため、本体ゴム部の外周面が、ゴム膜を透過する酸素と接触するのを防ぐことが難しく、従って、本体ゴム部の酸化を十分に防止することができなかったのである。
特開平7−197967号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、高温環境下での長期使用による本体ゴム部のくびれ部でのクラックの発生防止対策が、面倒な作業を実施することなく、しかも本体ゴム部のばね特性への影響を十分に抑えつつ、経済的に有利に講じられてなる防振ゴム装置を提供することにある。
そして、本発明者は、かかる課題の解決のために、先ず、防振ゴム装置の高温環境下での使用により本体ゴム部のくびれ部で生ずるクラックの発生状況について、検証した。その結果、防振ゴム装置を高温環境下で長期に亘って使用すると、くびれ部のうちでも、本体ゴム部の弾性変形により応力が集中する部位の表面に、先ず、小さな亀裂が発生し、その後、本体ゴム部の繰り返しの弾性変形によって、かかる亀裂が本体ゴム部内に進行していくことで、くびれ部において、使用に支障を来す程のクラックが形成されることを見出したのである。
本発明は、そのような知見に基づいて、本発明者が更に鋭意研究を重ねた結果、完成したものであって、その要旨とするところは、(a)互いに離間して配置された第一の取付部材と第二の取付部材との間に介装されて、それら第一の取付部材と第二の取付部材とを連結する、ブロック部と筒部のうちの少なくとも何れか一方を有するゴム弾性体からなり、該第一の取付部材と該第二の取付部材とを相互に接近させる方向に入力される荷重による弾性変形により応力が集中する応力集中部位を含むくびれ部が、該ブロック部と筒部のうちの少なくとも何れか一方に設けられた本体ゴム部と、(b)該本体ゴム部の前記くびれ部の応力集中部位に対して、引張変形状態で外挿されて、かかる引張変形状態からの復元力に基づいて、該応力集中部位の外周面に非接着で密着せしめられた、該本体ゴム部よりも高い耐ガス透過性を有するゴムリングとを含んで構成したことを特徴とする防振ゴム装置にある。
なお、本発明の好ましい態様の一つによれば、防振ゴム装置が、車両用エンジンマウントとして適用される。
また、本発明の望ましい態様の一つによれば、前記ゴムリングが、ブチルゴム製のものか、又はクロロプレンゴム製のものにて構成される。
すなわち、本発明に従う防振ゴム装置においては、本体ゴム部のくびれ部のうちの応力集中部位の外周面が、その全周に亘って、本体ゴム部よりも高い耐ガス透過性を有するゴムリングにて被覆されて、保護されている。それ故、かかる防振ゴム装置が、例えば、高温環境下で使用された際に、くびれ部のうちで、クラックの発生起点となる応力集中部位の外周面が、高温雰囲気中に晒されることが有利に防止され、また、ゴムリングを透過した酸素と接触することも、十分に抑制される。それ故、高温環境下での使用により、くびれ部の応力集中部位の表面に、小さな亀裂が発生することが効果的に防止乃至は抑制され、それによって、くびれ部にクラックが発生することが有効に抑制される。そして、たとえクラックが発生したとしても、その発生時期を十分に遅らせることができる。
また、ゴムリングが、本体ゴム部の外周面の全面ではなく、かかる外周面の一部を構成する、くびれ部のうちの応力集中部位の外周面だけに密着されている。このため、ゴムリングを本体ゴム部の外周面の全面に密着させる場合に比して、ゴムリングによる本体ゴム部のばね特性への影響を十分に小さくできる。
しかも、ゴムリングをくびれ部の応力集中部位に密着させるには、単に、ゴムリングを拡径するように引っ張り、弾性変形させて、くびれ部に外挿した後、その引張状態を解消するだけの極めて単純な作業を行うだけで良い。それ故、ゴムリングを本体ゴム部の外周面に接着する場合とは異なって、ゴムリングのくびれ部への装着に際して、接着剤等の特別な資材や、接着に要する設備等が不要とされ、また、それらを使用した面倒な作業を行う必要もない。
従って、かくの如き本発明に従う防振ゴム装置においては、高温環境下での長期使用による本体ゴム部のくびれ部でのクラックの発生防止対策が、面倒な作業を行うことなく、しかも、本体ゴム部のばね特性に対して、殆ど影響を与えることもなしに、経済的に有利に講じられ得る。そして、その結果として、高温環境下での使用によっても、十分な防振特性が、余分なコストを掛けることなく、より長期に亘って安定的に確保され得るのである。
本発明に従う構造を有する防振ゴム装置の一実施形態を示す半截説明図である。 図1に示された防振ゴム装置が有するゴムリングの平面説明図である。 図2におけるIII−III断面説明図である。 本発明に従う構造を有する防振ゴム装置の別の実施形態を示す正面説明図である。 図4に示された防振ゴム装置の断面説明図である。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う防振ゴム装置の一実施形態としての自動車用エンジンマウントが、その半截形態において示されている。かかる図1から明らかなように、本実施形態のエンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と、それに離間配置された、第二の取付部材としての第二の取付金具14とが、それらの間に介装された本体ゴム部16にて、一体的に連結された構造を有している。そして、図示されてはいないものの、かかるエンジンマウント10にあっては、第一の取付金具12が、パワーユニット側に、第二の取付金具14が、車体側に、それぞれ取り付けられることにより、自動車のエンジンルーム内に配置された状態で、パワーユニットを車体に対して防振支持させるようになっている。なお、かくの如き装着状態下で、エンジンマウント10には、第一及び第二の取付金具12,14間に、図1中の上下方向において、主たる振動荷重が入力されることとなる。以下の説明において、上下方向とは、原則として、図1の上下方向を言う。
より詳細には、第一の取付金具12は、厚肉の円板状金具18と、この円板状金具18の一方の面の中心部に一体的に立設された取付ボルト20とを有している。かかる第一の取付金具12は、取付ボルト20によって、パワーユニット側に取り付けられるようになっている。
第二の取付金具14は、全体として、円筒形状を呈する薄肉の筒金具からなり、その内径が、第一の取付金具12の円板状金具18よりも大なる大きさとされている。この第二の取付金具14は、ボデーに固設された、図示しない筒状のブラケットを介して、ボデー側に取り付けられるようになっている。
そして、第一の取付金具12が、第二の取付金具14の上方に所定距離を隔てた位置において、取付ボルト20を上方に向かって突出させつつ、第二の取付金具14と同軸的に配置されており、それら第一の取付金具12と第二の取付金具14との間に、本体ゴム部16が、介装されている。この本体ゴム部16は、全体として、略円錐台状のブロック形態を呈し、その大径側の端面に、下方に向かって開口する大径の肉抜け凹所22が形成されて、なっている。換言すれば、本体ゴム部16は、低い高さで上下方向に延びる円柱状のブロック部24と、このブロック部24の下端部側の外周面から下方に向かって一体的に延び出した、下方に向かって次第に大径となる厚肉のテーパ状筒部26とを有して、構成されている。
そして、そのような本体ゴム部16におけるブロック部24の上端面に対して、第一の取付金具12が、円板金具18の下面において加硫接着されており、また、テーパ状筒部26の大径側端部の外周面に対して、第二の取付金具14が、その内周面において加硫接着されている。これによって、本体ゴム部16が、第一の取付金具12と第二の取付金具14とを一体的に連結している。
かくして、本実施形態のエンジンマウント10にあっては、第一の取付金具12が、パワーユニット側に、第二の取付金具14が、車体側に、それぞれ取り付けられて、自動車のエンジンルーム内に配置された状態下で、上下方向に振動荷重が入力されたとき、つまり、第一の取付金具12と第二の取付金具14とが互いに接近又は離隔する方向に振動荷重が入力されたときに、本体ゴム部16が弾性変形し、そして、その弾性変形に基づいて、振動荷重を吸収し得るようになっているのである。
ところで、本実施形態のエンジンマウント10では、振動荷重の入力時に、本体ゴム部16の上端部側に応力が集中して、かかる上端部側部分に亀裂等が生ずるのを防ぐため、即ち、本体ゴム部16の耐久性向上を目的として、ブロック部24の上端部に、くびれ部28が形成されている。つまり、ブロック部24のテーパ状筒部26との連結部分よりも上側の部分で、本体ゴム部16のうちで周方向長さ(外周寸法)が最小となる部分に、凹状湾曲面形状の内面を有して、周方向に連続して延びる凹所が形成されており、この凹所が、くびれ部28とされている。更に換言すれば、くびれ部28は、テーパ状筒部26の小径側端部の外径と略同一の外径を有する円柱状のブロック部24において、周方向長さが最も小さい最小長さ部分と、ブロック部24高さ方向において、かかる最小長さ部分の両サイドに配置されて、最小長さ部分から離間するに従って次第に周方向長さが徐々に大きくなるような湾曲テーパ状の外周面を有する両サイド部分とを含んで構成されている。
このため、そのようなくびれ部28を有する本体ゴム部16においては、上下方向の振動荷重の入力によって弾性変形したときに生ずる応力が、くびれ部28の周方向長さが最も小さい最小長さ部分に集中するようになっている。即ち、かかるくびれ部28の最小長さ部分が、応力集中部30とされているのである。
そして、本実施形態では、かくの如き応力集中部30を含むくびれ部28に対して、ゴムリング32が外挿されている。このゴムリング32は、図1乃至図3に示されるように、全体として、薄い一定の厚さを有する、高さの低い円筒形状乃至は円環形状を呈している。そして、かかるゴムリング32の高さ(図3にhにて示される寸法)が、ブロック部24の高さ方向(図1の上下方向)におけるくびれ部28の長さ(本体ゴム部16の外周面に沿った長さで、図1にLにて示される寸法)よりも小さな高さとされており、また、その内径(図2にrにて示される寸法)が、くびれ部28の応力集中部30の外径(くびれ部28の最小外径で、図1にRにて示される寸法)よりも小さな大きさとされている。
さらに、ゴムリング32が、本体ゴム部16を形成するゴム材料(例えば、天然ゴム)よりも耐ガス透過性に優れたブチルゴムを用いて形成されている。よく知られているように、ブチルゴムは、耐ガス透過性に優れるだけでなく、十分な耐オゾン性を備えている。これによって、ゴムリング32に対して、ブチルゴムの特性に基づいた優れた耐ガス透過性と十分な耐オゾン性が付与されている。
そして、そのようなゴムリング32が、くびれ部28に対する外挿状態下で、応力集中部30と、ブロック部24の高さ方向において応力集中部30の両サイドに位置する部位とを含んだくびれ部28の一部を全周に亘って被覆している。また、ここでは、ゴムリング32の内径が、くびれ部28の応力集中部位30の外径よりも所定寸法だけ小さくされているため、くびれ部28に外挿されたゴムリング32が、拡径するように引張変形させられている。これによって、ゴムリング32が、引張変形状態からの復元力に基づいて、応力集中部30とその両サイド部位のそれぞれの外周面に対して、非接着で密着しているのである。
かくして、ゴムリング32が、くびれ部28の応力集中部30とその両サイド部位に対する密着カバーとして、くびれ部28に外挿されている。そして、それにより、エンジンマウント10が、エンジンルーム内でパワーユニットを車体に防振支持させての使用状態において、エンジンルーム内が高温となっても、くびれ部28の応力集中部30が、高温雰囲気中に直接に晒されることが防止されるようになっている。また、ゴムリング32が、耐ガス透過性に優れたブチルゴムを用いて形成されているため、酸素がゴムリング32を透過して、応力集中部30と接触することが、可及的に抑制されている。そして、それらによって、応力集中部30を形成するゴム材料が高温雰囲気下で酸化されることが、有利に防止乃至は抑制されるようになっている。
また、ゴムリング32を構成するブチルゴムが十分な耐オゾン性を備えているところから、ゴムリング32がオゾンアタックにより損傷し、それにより、耐ガス透過性が低下して、応力集中部30に対する酸化防止効果が損なわれるようなことも、効果的に抑えられている。
さらに、ゴムリング32が、くびれ部28の応力集中部30とその両サイド部位のそれぞれの全周に密着されているため、ゴムリング32とくびれ部28との間に隙間が形成されることがない。それ故、そのような隙間を通じて、ゴムリング32とくびれ部28との間に酸素が進入して、応力集中部30を形成するゴム材料が酸化することも、十分に防止されるようになっている。
要するに、ゴムリング32は、くびれ部28の応力集中部30を酸化と熱影響から保護するカバーとしての機能を発揮するようになっている。そこで、そのような機能を十分に確保するために、ゴムリング32の厚さが1mm以上とされていることが、望ましい。しかしながら、ゴムリング32が余りに厚いと、ゴムリング32が密着状態で外挿される本体ゴム部16(ブロック部24)のばね特性に対するゴムリング32のばね特性の影響が大きくなる可能性がある。それを回避するには、ゴムリング32の厚さが、2mm以下とされていることが、好ましい。従って、ゴムリング32の厚さは、特に限定されるものではないものの、本体ゴム部16のばね特性を変化させることなく、くびれ部28の応力集中部30の耐酸化性と耐熱性とを十分に高める上で、有利には、1〜2mmの範囲内の比較的に薄い厚さとされる。
このように、本実施形態のエンジンマウント10にあっては、薄肉のゴムリング32が、くびれ部28の応力集中部30に非接着で密着した状態で外挿されていることによって、応力集中部30の酸化が防止され、その上、そのような応力集中部30の酸化が高温雰囲気下で促進することも、効果的に抑制される。それ故、本体ゴム部16を形成するゴム材料を高価な耐熱性のものに、何等変更しなくとも、エンジンルーム内の高温環境下での使用により、本体ゴム部16のくびれ部28にクラックが発生することが有利に抑制され、また、たとえクラックが発生したとしても、その発生時期を効果的に遅らせることができる。更に、ゴムリング32が薄肉とされているため、くびれ部28にゴムリング32が外挿されることで、本体ゴム部16のばね特性が変化するようなことも、有利に回避され得る。
また、かかるエンジンマウント10では、ゴムリング32が、くびれ部28の応力集中部30に引張状態で、非接着に外挿されて、くびれ部28に装着されている。そのため、ゴムリング32をくびれ部28に装着させる際には、単に、ゴムリング32を拡径するように引っ張り、弾性変形させて、くびれ部28に外挿した後、その引張状態を解消するだけの極めて単純な作業を行うだけで良い。それ故、ゴムリング32をくびれ部28の外周面に接着する場合とは異なって、接着剤等の特別な資材や、接着に要する設備等を用いることなく、また、それらを使用した面倒な作業を何等行うこともなしに、ゴムリング32をくびれ部28に装着できる。
従って、かくの如き本実施形態のエンジンマウント10にあっては、エンジンルーム内の高温環境下での使用に際して、十分な防振特性が、より長期に亘って安定的に確保され得るのであり、しかも、そのような十分な防振特性の確保が、余分なコストを掛けることなく、また、面倒な作業を行うこともなしに、極めて有利に実現され得るのである。
次に、図4及び図5には、本発明に従う防振ゴム装置の別の実施形態としての自動車用エンジンマウントが、その正面形態と縦断面形態とにおいて、それぞれ示されている。それらの図から明らかなように、本実施形態のエンジンマウント34は、第一の取付部材としての第一の取付金具36と、それに離間配置された、第二の取付部材としての第二の取付金具38とが、それらの間に介装された本体ゴム部40にて、一体的に連結された構造を有している。そして、かかるエンジンマウント34にあっては、第一の取付金具36が、パワーユニット側に、第二の取付金具38が、車体側に、それぞれ取り付けられることにより、自動車のエンジンルーム内に配置された状態で、パワーユニットを車体に対して防振支持させるようになっている。
なお、かくの如き装着状態下で、エンジンマウント10には、第一及び第二の取付金具36,38間に、図1中の上下方向において、主たる振動荷重が入力されることとなる。また、以下の説明において、上下方向とは、原則として、図4の上下方向を言う。更に、前記第一の実施形態と同様な構造とされた部材や部位については、図1と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
より詳細には、第一の取付金具36は、長手矩形の金属板が、複数箇所において屈曲されてなる形態を有している。そして、この第一の取付金具36は、その長さ方向の両端部に設けられたボルト挿通孔42,42に挿通された取付ボルト(図示せず)により、パワーユニット側に取り付けられるようになっている。
一方、第二の取付金具38は、全体として、長手矩形状を呈する金属平板からなっている。この第二の取付金具38は、下方に突出するように固定された2個の取付ボルト44,44によって、ボデー側に取り付けられるようになっている。
そして、第一の取付金具36と第二の取付金具38とが、上下方向において互いに対向し、且つ所定の間隔を隔てて配置されており、また、それら第一及び第二の取付金具36,38間に、本体ゴム部40が介装されている。この本体ゴム部40は、上下方向に延びるブロック形状を有している。
そして、そのような本体ゴム部40の上端面に対して、第一の取付金具36が加硫接着されている一方、その下端面に対して、第二の取付金具38が加硫接着されている。これによって、本体ゴム部40が、第一の取付金具36と第二の取付金具38とを一体的に連結している。
かくして、本実施形態のエンジンマウント34にあっては、第一の取付金具36が、パワーユニット側に、第二の取付金具38が、車体側に、それぞれ取り付けられて、自動車のエンジンルーム内に配置された状態下で、上下方向に振動荷重が入力されたとき、つまり、第一の取付金具36と第二の取付金具38とが互いに接近又は離隔する方向に振動荷重が入力されたときに、本体ゴム部40が弾性変形し、そして、その弾性変形に基づいて、振動荷重を吸収し得るようになっているのである。
ところで、かかるエンジンマウント34においては、上下方向の振動荷重の入力時に本体ゴム部40の高さ方向中央部分に応力を集中させることで、本体ゴム部40の耐久性を向上させるのを主たる目的として、本体ゴム部40の上端部と下端部とを除いた高さ方向中央部分が、略鼓状を呈するくびれ部28とされている。これによって、かかるくびれ部28の高さ方向の中央部に位置する、周方向長さが最も小さい最小長さ部分が、振動荷重の入力時に応力が集中する応力集中部30とされている。
そして、そのような本体ゴム部40のくびれ部28に対して、ブチルゴム製で、薄肉円筒状乃至は円環状を呈するゴムリング32が、応力集中部30と、本体ゴム部40の高さ方向において応力集中部30の両サイドに位置する部分の外周面を全周に亘って被覆するように、つまり、くびれ部28の応力集中部30を含んだ一部分を被覆するように、引張変形状態で外挿されている。これにより、ゴムリング32は、前記第一の実施形態に係るエンジンマウント10の本体ゴム部16のくびれ部28に外挿されたゴムリング32と同様に、引張状態からの復元力に基づいて、応力集中部30に非接触で密着している。
従って、かくの如き本実施形態のエンジンマウント34にあっても、前記第一の実施形態に係るエンジンマウント10において奏される作用・効果と同様な作用・効果が、極めて有効に享受され得るのである。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、本体ゴム部16,40の全体形状は、例示のものに、何等限定されるものではない。例えば、全体が筒形状とされていても良い。その場合には、くびれ部28や応力集中部30が、本体ゴム部の筒状を呈する部分に設けられる。また、本体ゴム部が、筒状を呈する部分とブロック状を呈する部分の両方を有する場合には、それらの筒部とブロック部のうちの少なくとも何れか一方に、くびれ部28や応力集中部30が形成されることとなる。
さらに、本体ゴム部16,40が有する筒部やブロック部は、円筒形状や円柱形状以外の形状であっても良い。例えば、筒部は、楕円筒形状やテーパ筒形状、角筒形状を呈していても良く、また、ブロック部は、横断面が楕円形状を呈する柱状や、台形状や円錐台状の柱状、或いは角柱形状を呈していても良い。
更にまた、くびれ部28は、例示されたものの他、例えば、本体ゴム部16,40に、断面V字状の凹溝や、断面コ字状の凹溝、断面U字状の凹溝等を、全周に亘って周方向に延びるように、或いは一周に満たない長さで周方向に連続して延びるように形成し、そのような凹溝の形成部位をくびれ部28としても、何等差し支えない。そして、そのような各種のくびれ部28の応力集中部30に対して、ゴムリング32が非接着で密着するように外挿されるのである。
また、ゴムリング32の全体形状も、例示された円筒形状乃至は円環形状に、特に限定されるものではなく、くびれ部28の形状に対応した筒状乃至は環状を呈する形状とされる。
ゴムリング32を形成するゴム材料は、本体ゴム部16,40よりも高い耐ガス透過性を有するものであれば、如何なるゴム材料も用いられ得る。しかしながら、ゴムリング32に対して、より優れた耐ガス透過性と耐オゾン性とを付与するために、例示されたブチルゴムの他に、クロロプレンゴム等が、好適に用いられる。このクロロプレンゴムを用いてゴムリング32を形成することによって、ゴムリング32に対して、高い耐ガス透過性と、更に一層優れた耐オゾン性とが付与されることとなる。
また、ゴムリング32の厚さ及び高さ(幅)は、周方向や軸方向(高さ方向)において必ずしも一定である必要はなく、くびれ部28や応力集中部30の形状等に応じて、適宜に変更され得るものである。
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車用エンジンマウントに適用したものの具体例を示したが、本発明は、自動車用以外の車両用エンジンマウントや、自動車用、或いは自動車用以外のサスペンションマウント、ボデーマウント、或いはそれらのマウント以外の各種の防振ゴム装置の何れに対しても、有利に適用され得るものであることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
10,34 エンジンマウント 12,36 第一の取付金具
14,38 第二の取付金具 16,40 本体ゴム部
24 ブロック部 26 テーパ状筒部
28 くびれ部 30 応力集中部
32 ゴムリング

Claims (4)

  1. 互いに離間して配置された第一の取付部材と第二の取付部材との間に介装されて、それら第一の取付部材と第二の取付部材とを連結する、ブロック部と筒部のうちの少なくとも何れか一方を有するゴム弾性体からなり、該第一の取付部材と該第二の取付部材とを相互に接近させる方向に入力される荷重による弾性変形により応力が集中する応力集中部位を含むくびれ部が、該ブロック部と筒部のうちの少なくとも何れか一方に設けられた本体ゴム部と、
    該本体ゴム部の前記くびれ部の応力集中部位に対して、引張変形状態で外挿されて、かかる引張変形状態からの復元力に基づいて、該応力集中部位の外周面に非接着で密着せしめられた、該本体ゴム部よりも高い耐ガス透過性を有するゴムリングと、
    を含んで構成したことを特徴とする防振ゴム装置。
  2. 車両用エンジンマウントである請求項1に記載の防振ゴム装置。
  3. 前記ゴムリングが、ブチルゴム製である請求項1又は請求項2に記載の防振ゴム装置。
  4. 前記ゴムリングが、クロロプレンゴム製である請求項1又は請求項2に記載の防振ゴム装置。
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