JP5641383B2 - 縦型バイポーラトランジスタ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
このように、従来の縦型バイポーラトランジスタは、サリサイド工程が行われ、半導体基板のフィールド酸化膜103で区画された領域内において、コレクタ領域102、ベース領域104、エミッタ105の全表面にチタンシリサイド層109が形成される。
本発明は、このような事情によりなされたものであり、ベース側の空乏層が十分に広がり、リーク電流や接合耐圧低下の問題は発生しないサリサイド処理を行った縦型バイポーラトランジスタを提供する。
前記サリサイドオフセット領域上にはサリサイドプロテクタ層を有しているようにしても良い。前記サリサイドプロテクタ層は、前記エミッタ領域の周囲に設けられたサリサイドプロテクタ層と同一の層であるようにしても良い。前記サリサイドオフセット領域上のサリサイドプロテクタ層と前記エミッタ領域の周囲に設けられたサリサイドプロテクタ層とは、前記エミッタ領域の電極に電気的に接続されているようにしても良い。前記サリサイドプロテクタ層は、少なくともCVD酸化膜及びポリシリコンのいずれかからなるようにしても良い。
図1は、この実施例に係る縦型バイポーラトランジスタの断面図及び平面図(この平面図のA−A′線に沿う部分がこの断面図である)、図2は、サリサイド処理を行う前の縦型バイポーラトランジスタの断面図である。
図1に示すように、シリコンなどのP型半導体基板(P−SUB)1の主面領域には、N型ウエル領域(N−WELL)2及びP型ウエル領域(P−WELL)3が形成されている。この実施例ではN型ウエル領域2内のトランジスタを説明する。N型ウエル領域2は、LOCOS構造のフィールド酸化膜4により区画されている。N型ウエル領域2内にはP型不純物拡散領域が形成され、これをベース領域5とする。N型ウエル領域2は、コレクタ領域2として用いられる。ベース領域5内にはエミッタ領域(N+)6が形成されている。
次に、縦型バイポーラトランジスタにサリサイドプロテクタ層13として用いるCVD酸化膜を形成する方法を説明する。まず、半導体基板1上に所定の形状にパターニングされたCVD酸化膜をCVD法により形成する。次に、例えば、半導体基板1上に高融点金属であるチタン膜を30〜100nm程度の厚さでスパッタリング成長させる。サリサイドプロテクタ層13は、マスクとして用いられる。そして、窒素雰囲気中で700から800℃程度のランプアニール処理を行うことによって下地のシリコンとチタンが反応してチタンシリサイド層14が形成される(図1参照)。次に、フィールド酸化膜4上の反応生成物及び未反応のチタン膜をアンモニアと過酸化水素水の混合液でエッチング除去する。
この実施例では、サリサイドオフセット領域の存在により、縦型バイポーラトランジスタのベース側の空乏層が十分に広がり、リーク電流や接合耐圧低下等の問題の発生は従来より少ない。
図3は、この実施例に係る縦型バイポーラトランジスタの断面図及び平面図(この平面図のA−A′線に沿う部分が断面図に相当する)、図5は、この実施例に係る縦型バイポーラトランジスタの変形例の断面図及び平面図(この平面図のA−A′線に沿う部分が断面図に相当する)である。この実施例では、サリサイドプロテクタ層の構造が実施例1とは相違し、その他の構成は同じである。半導体基板内のトランジスタの他の構造は、実施例1と同じなので説明は省略する。
また、実施例1と同様に、オフセット部の幅、即ち、バーズビーク端からベース領域上サリサイド層端までの距離は、例えば、0.6μmである。この距離は、素子のスケール、濃度、動作電圧などを鑑みて決定されるが、ベース・コレクタ間の空乏層の広がりが妨げられない程度にサリサイド層端をバーズビークから遠ざける必要がある。
この変形例ではサリサイドプロテクタ層をポリシリコン膜を主として用い、一部にシリコン酸化膜などの絶縁膜を用いることに特徴がある。
半導体基板1表面には、ベース領域5のサリサイド層14が形成されていないサリサイドオフセット領域15の上、エミッタ領域6の周囲にサリサイド層の形成を防ぐサリサイドプロテクタ層33が形成されている。サリサイドプロテクタ層33は、ポリシリコン膜からなるサリサイドプロテクタ層23と、ポリシリコン以外の膜からなるサリサイドプロテクタ層13とから構成されている。サリサイドプロテクタ層13が被覆するサリサイドプロテクタ層23の一部は、エミッタ領域6を囲んでいる。ベース領域5は、N型ウエル領域(NWEL)2の一部を構成するコレクタ領域(NWLB)2a内に形成される。
この実施例では、サリサイドオフセット領域の存在により、縦型バイポーラトランジスタのベース側の空乏層が十分に広がり、リーク電流や接合耐圧低下等の問題の発生は従来より少ない。また、変形例において、サリサイドプロテクタ層13は、サリサイドプロテクタ層23とベース領域5との短絡を防ぐことが可能である。
図4は、この実施例に係る縦型バイポーラトランジスタの断面図及び平面図(平面図のA−A′線に沿う部分が断面図に相当する)である。実施例3では、サリサイドプロテクタ層の構造が実施例1及び実施例2とは相違し、その他の構成は実質的に同じである。したがって、半導体基板内のトランジスタの他の構造は、実施例1及び実施例2と同じなので説明は省略する。
半導体基板1表面には、ベース領域5のサリサイド層14が形成されていないサリサイドオフセット領域15の上及びエミッタ領域6の周囲に、サリサイド層の形成を防ぐサリサイドプロテクタ層33が形成されている。このサリサイドプロテクタ層33が形成されている領域では、サリサイド処理を行う際にサリサイド層が発生しない。サリサイドプロテクタ層33は、2種類のサリサイドプロテクタ層13及びサリサイドプロテクタ層23から構成されている。エミッタ領域6が形成されたベース領域5は、N型ウエル領域(N−WELL)2に含まれるコレクタ領域(NWLB)2a内に形成される。
このように、実施例3では、実施例1及び実施例2で用いたCVD酸化膜及びポリシリコン膜を併用する。即ち、平面的に見てリング状にサリサイドプロテクタ層23として接地電位ポリシリコン膜を形成し、更に、そのリング内側に、サリサイドプロテクタ層13としてCVD酸化膜を形成することによりサリサイドオフセット領域を確保する。サリサイドプロテクタ層13は、ベース領域5のコンタクト領域16の周囲及びエミッタ領域6の周囲に形成され、エミッタ領域6の周囲にはサリサイドプロテクタ層23を被覆するように形成されている。
この実施例では、サリサイドオフセット領域の存在により、縦型バイポーラトランジスタのベース側の空乏層が十分に広がり、リーク電流や接合耐圧低下等の問題の発生は従来より少ない。
2・・・コレクタ領域(N型ウエル領域)
2a・・・コレクタ領域
3・・・P型ウエル領域
4・・・フィールド酸化膜
5・・・ベース領域
6・・・エミッタ領域
7・・・基板電極
8・・・コレクタ電極
9・・・エミッタ電極
10・・・ベース電極
11、12、16・・・コンタクト領域
13、23、33・・・サリサイドプロテクタ層
14・・・サリサイド層
15・・・サリサイドオフセット領域
17・・・絶縁性セパレータ
Claims (6)
- 半導体基板に形成された第一導電型のコレクタ領域と、前記コレクタ領域内に形成された第二導電型のベース領域と、前記ベース領域内に形成された第一導電型のエミッタ領域と、前記ベース領域を囲むように前記コレクタ領域の表面部に形成されたフィールド酸化膜と、前記ベース領域上において高融点金属層とその下地の前記半導体基板との反応によって形成されたサリサイド層と、前記サリサイド層を介して前記ベース領域と接続し外部との接続を行うためのベース電極とを具備し、前記ベース領域の表面は、前記サリサイド層が形成されたサリサイド領域と、前記フィールド酸化膜の端部と前記サリサイド領域の端部との間に前記サリサイド層が形成されていないサリサイドオフセット領域とが設けられていることを特徴とする縦型バイポーラトランジスタ。
- 前記サリサイドオフセット領域上にはサリサイドプロテクタ層を有していることを特徴とする請求項1に記載の縦型バイポーラトランジスタ。
- 前記サリサイドプロテクタ層は、前記エミッタ領域の周囲に設けられたサリサイドプロテクタ層と同一の層であることを特徴とする請求項2に記載の縦型バイポーラトランジスタ。
- 前記サリサイドオフセット領域上のサリサイドプロテクタ層と前記エミッタ領域の周囲に設けられたサリサイドプロテクタ層とは、前記エミッタ領域の電極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の縦型バイポーラトランジスタ。
- 前記サリサイドプロテクタ層は、少なくともCVD酸化膜及びポリシリコンのいずれかからなることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の縦型バイポーラトランジスタ。
- 半導体基板に、第一導電型のコレクタ領域と、前記コレクタ領域内に形成された第二導電型のベース領域と、前記ベース領域内に形成された第一導電型のエミッタ領域と、前記ベース領域を囲むように前記コレクタ領域の表面部に形成されたフィールド酸化膜とを形成する工程と、前記フィールド酸化膜の端部と前記ベース領域の端部との間及び前記エミッタ領域の周囲にそれぞれサリサイドプロテクタ層を設ける工程と、前記サリサイドプロテクタ層が形成された表面を除いて、前記コレクタ領域、前記ベース領域及び前記エミッタ領域の表面に高融点金属層とその下地の前記半導体基板との反応によって形成されたサリサイド層を形成する工程と、それぞれ前記サリサイド層を介してそれぞれ前記コレクタ領域、前記ベース領域及び前記エミッタ領域と接続し外部との接続を行うためのコレクタ電極、ベース電極及びエミッタ電極を形成する工程とを具備したことを特徴とする縦型バイポーラトランジスタの製造方法。
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