JP5641111B2 - 穀物乾燥機 - Google Patents

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Description

本発明は、穀物乾燥部の前後に熱風供給部と排風排出部を対応配置して穀粒等を循環乾燥する穀物乾燥機に関するものである。
特許文献1の例の如く、穀物乾燥機は、機体上部に穀粒を貯留する貯留部と、その下方で受けた穀粒を乾燥する穀物乾燥部の前後に熱風供給部と排風排出部を備え、乾燥処理後の穀粒を集めて再度貯留部に戻すための集穀部とを段積み状に構成する。穀物乾燥部は、貯留部から受けた穀粒等を熱風に曝すための穀粒流下通路を挟んで熱風室および排風室を形成し、バーナによって熱風を発生する熱風供給部を熱風室と連通し、また、吸引ファンによって排風を排出する排風排出部を排風室と連通し、さらに、高速高品質乾燥のために、排風を分流して熱風室に戻すための排風分流部を備える。
特開2009−24948号公報
上記構成の穀物乾燥機は、排風排出部が箱体の後方に突設されていることから、機体の奥行長さが大きくなり、コンパクト化のネックとなるのみならず、排風循環のための排風分流部を付設することにより、その分の全長増加を招くという問題があった。
本発明は、穀物乾燥部の奥行長さを抑えてコンパクト化を可能とする排風循環式の穀物乾燥機を提供することにある。
請求項1に係る発明は、
箱体内部に、穀粒が流下する穀粒流下通路(13)と、熱風室(8)および排風室(12)とを形成し、
排風室(12)の上部を左右の傾斜ガイド部(13a)により山形に形成すると共に、下部を左右の穀粒流下通路(13)により形成し、
排風室(12)の後部に設ける排風ファン(6)で吸引された排風を箱体外側に排出案内する排風ダクト(20)を設け、
排風ダクト(20)を通過する排風を熱風室(8)に供給する循環ダクト(21)を設け、
排風ファン(6)の回転翼(6b)を覆う導入筒(6a)を箱体内側の排風室(12)に設け、排風ダクト(20)及び循環ダクト(21)を箱体外側に設け、
導入筒(6a)の上部に、かつ、左右の傾斜ガイド部(13a)の間にファンモータ(61)を設け、ファンモータ(61)の後方に箱体外側と連通する開口部(W)を設け、
開口部(W)の後方には循環ダクト(21)を着脱自在に構成することを特徴とする穀物乾燥機とする。
請求項1に係る発明の穀物乾燥機は、箱体内側に排風ファン(6)を配置することによって排風ダクト(20)の背面側の突出が抑えられ、機体全長の短縮化が可能となる。
また、傾斜ガイド部(13a)によって挟まれる空間に外付けのファンモータ(61)が収容されることから、無駄なスペースを生かしてコンパクトに構成することができる。
また、循環ダクト(21)を取外すと、開口(W)からファンモータ(61)のメンテナンスが可能となる
穀物乾燥機の穀物乾燥部の内部構成を説明する透視斜視図 穀物乾燥機の穀物乾燥部の内部構成を説明する正面図 排風排出部の要部背面斜視図 排風排出部の要部縦断面図 穀物乾燥部の通風流線を表す作用平面図 乾燥機の動作制御のシステム構成図 乾燥機の動作制御のフローチャート1 乾燥機の動作制御のフローチャート2 開始時期の特性線図 係数特性線図(a)および開始時期の特性線図(b)
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
図1、図2は、それぞれ穀物乾燥機の穀物乾燥部の内部構成を説明する透視斜視図、正面図である。
穀物乾燥機は、機体の上部で穀粒を貯留する貯留部(不図示)から穀粒を受けつつ一定速度で下端から繰出しながら乾燥する穀物乾燥部3、この穀物乾燥部3で乾燥した穀粒を集めて再度貯留部に移送するための集穀部4とを設ける。そして貯留部に張り込まれた穀粒は穀物乾燥部3で乾燥されて集穀部4から再度貯留部に供給され調質される構成で外観が箱体状のいわゆる穀物循環式の構成である。そして、本実施の形態では、後述するバーナ5側を前側(前面)、排風ファン6側を後側(背面)と呼ぶ。
穀物乾燥部3については、機体の前面板3aと背面板3bとの間に左右の穀粒流下通路13,13を架設し、それぞれの穀粒流下通路13,13を挟むように、左右の外側の熱風室8,8と中央の排風室12とを形成する。左右の穀粒流下通路13,13は、熱風が透過可能な網材構成の穀粒通路であり、上端部を貯留部と連通し、両下端部を定量繰出弁14に合流して下方の集穀部4に臨む。また、左右の穀粒流下通路13,13によって囲まれた排風室12は、頂部を山形とする左右の傾斜ガイド部13a,13aによって両流れに形成する。この左右の傾斜ガイド部13a,13aは、前面板3aと背面板3bとの間に架設した左右のフレーム13b、13bによって支持する。
穀物乾燥部3の前面位置には外気を加熱するバーナ5を備えて熱風を熱風室8に供給する熱風供給部Sを配置し、背面位置には排風室12から排風を吸引排出する排風ファン6を備える排風排出部Tを配置する。
排風排出部Tは、要部の背面斜視図および縦断面図をそれぞれ図3、図4に示すように、背面板3bから箱体外側に排風ダクト20を突出して設け、排風ダクト20の上部に循環ダクト21を連結するとともに、排風ダクト20から前方に連通して背面板3bから箱体内側に向かって排風室12に導入筒6aを張出し、これをファン胴として固定翼6cと回転翼6bを取付けることにより排風ファン6をその先端が排風室12内に張出すように構成する。また、導入筒6aの上部にファンモータ61を配置し、背面側に伝動ベルト62を設けて回転翼6bを駆動する。
この伝動ベルト62は、外付けのファンモータ61によって回転翼6bを駆動することから、伝動ベルト62が排風ファン6のファン胴を貫通するための開口からの排風漏れが避けられないが、ファンモータ61が排風ファン6と一体的に排風室12に内設されることから、外気に対する排風漏れを生じることなく、外付けのファンモータ61による簡易なファン駆動部を構成することができる。
排風ダクト20内には第一調節弁23を設けて循環ダクト21を上方に連通し、この循環ダクト21には第二調節弁22を内設して両者を連動調節可能に排風を切替える切替弁として構成し、この循環ダクト21から熱風室8,8を前面板3aまで縦断する戻しダクト27,27を介して戻し排風を混合ダクトAに供給し、混合ダクトAでバーナ5からの熱風と混合して熱風室供給口Pより熱風室8,8に供給する。
そして、第一調節弁23は第一調節弁調節モータ23mでその開度を調節し、第二調節弁22は第二調節弁調節モータ22mでその開度を調節する構成であり、この2つの調節弁22,23で排風ファン6で排出された排風を箱体外側に排出案内する割合と循環ダクト21側に案内する割合を調節している。
例えば、排風を全て箱体外側に排出するときには第二調節弁22を全閉とすると共に、第一調節弁23を全開とし、排風を全て箱体内側に戻すときには第二調節弁22を全開とし第一調節弁23を全閉とする。
また、排風ファン6やファンモータ61、伝動ベルト62の取付けおよびメンテナンスのために、上記循環ダクト21は着脱可能に構成する。本実施の形態では、着脱する部材は図示しないが、ノブボルト等で着脱可能としており、また、循環ダクト21と第二調節弁22は一体構成としている。
この循環ダクト21によって覆われる範囲の背面板3bに排風室12の形状の開口Wを形成し、かつ、左右の傾斜ガイド部13a,13aを支持して前面板3aに至る左右のフレーム13b、13bに沿って背面板3bから左右のガイドレール63,63を設け、この左右のガイドレール63,63によってモーターベースを吊るようにしてファンモータ外付けの排風ファン6を出し入れ可能に支持する。
上記構成の穀物乾燥機は、穀物乾燥部3の通風流線を表す作用平面図を図5に示すように、穀物乾燥部3の排風室12内に導入筒6aを張り出し、この導入筒6aをファン胴とする排風ファン6を排風室12の内部に張り出して構成することにより、背面側への排風ダクト20の突出量が抑えられることから、穀粒流下通路13の必要寸法を確保しつつ、機体全長の短縮化が可能となる。また、循環ダクト21を備える場合についても、背面板3bから循環ダクト21の構成に必要な最小限度の突出寸法増加で済むことから、機体の全長寸法を抑えてコンパクトに構成することができる。
また、排風排出部Tの排風ファン6の稼動により、熱風供給部Sから熱風が左右の熱風室8,8に供給され、この熱風が左右の穀粒流下通路13,13を通過することによって穀粒を乾燥し、その排風が排風室12から排風ファン6によって吸引排出され、また、排風の一部を循環ダクト21から左右の戻しダクト27,27を介して箱体前側に戻され、混合ダクトAで熱風と混合して熱風室8,8に供給することにより、高速乾燥が可能となる。
この場合において、穀粒流下通路13を通過した排風が排風室12の中央部に突出した位置から吸引されることから、穀粒流下通路13,13の乾燥作用が平均化されるので、上記穀物乾燥機は、穀粒流下通路13,13における穀物通過位置による乾燥斑を少なくすることができ、均一な乾燥が可能となる。
図5の作用について、説明する。
排風は循環ダクト21から戻しダクト27,27及び混合ダクトAを経て箱体前側の熱風室に供給されるものと、戻しダクト27,27の後端部周囲にある熱風室8,8の開口部分Rから熱風室8,8の後ろ側に供給されるものがある。
熱風はバーナ5から排風ファン6の作用と熱風室8,8の後ろ側に供給される排風の作用で、熱風室8,8の前後中央側に多く引き寄せられる。そのため、熱風が箱体内全体に平均化されて分布しやすくなり、また、排風との混合が良好になり、穀粒流下通路13,13における穀物通過位置による乾燥斑を少なくすることができ、均一な乾燥が可能となる。
その他の技術的な特長点をまとめると、以下のとおりである。
第1に、排風室12は、頂部を左右の傾斜ガイド部13a,13aによって山形に形成するとともに、それぞれの下部に穀粒流下通路13,13を形成し、これら左右の穀粒流下通路13,13の間に排風ファン6を配置してその上部の左右の傾斜ガイド部13a,13aの間に駆動用のファンモータ61を配置することにより、傾斜ガイド部13a,13aによって挟まれる空間に外付けのファンモータ61が収容されることから、無駄なスペースを生かして簡易な構成の乾燥装置をコンパクトに構成することができる。
第2に、ファンモータ61は、背面板3bの内方に配置するとともに、排風ダクト20の排出側から分流する循環ダクト21を着脱可能に設けて熱風室8,8に戻し可能に構成するとともに、循環ダクト21によって覆われる範囲内の背面板3bに排風室12の開口Wを形成し、ファンモータ61のモーターベースを左右のガイドレール63,63で支持することにより、ファンモータ外付けの排風ファン6を背面板3bの開口から滑り込ませるようにして容易に組付けができ、また、特段の点検蓋を要することなく、循環ダクト21を取外すだけで、背面板3bの開口Wからファンモータ61と伝動ベルト62のメンテナンスが可能となる。
(乾燥制御)
乾燥機の動作制御は、システム構成図を図6に示すように、制御部Fの入力側には、温度センサTA、湿度センサHA、水分計10等の信号を入力し、これらの状態に応じて機器制御可能に、バーナ5、排風ファン6、切替弁を構成する第一調節弁23と第二調節弁22等の構成機器を出力側に接続する。
制御部Fによる具体的な乾燥制御について図7のフローチャート1に基づいて説明すると、乾燥作業中は水分計10で検出する穀物水分値に応じた排風循環率になるように第一調節弁23及び第二調節弁22とを調節制御する排風戻し制御を行なう。
排風循環により高速乾燥する乾燥方法において、張込まれた穀物水分の層ムラを除去するために、乾燥途中で休止乾燥を取込む場合に、所定の休止基準水分値で休止する設定については、この休止基準水分値の近傍(例えば、+0.5%)まで乾燥が進んだことを判定する制御処理ステップS1(以下において、「S1」の如く略記する。)により、条件を満たした時は、徐々に、即ち、時間毎に排風循環率を低下させ(S2a、S2b)るよう第一調節弁23及び第二調節弁22とを設定角度毎に調節制御し、、循環無し又は少量の循環量にした上で、休止水分値に到達した時点において、乾燥機を休止させる(S3a〜S3c)。バーナのポストパージの時間も含める。
所定の経過時間によって休止する設定の場合は、図8のフローチャート2に示すように、休止基準水分値に代えて休止基準時刻(S12b)を用い、その時刻に近づくと(例えば、30分前から)排風循環率を徐々に低下させる(S11)るよう第一調節弁23及び第二調節弁22とを設定角度毎に調節制御する。
(休止工程)
乾燥機の休止制御は、排風の温度を監視することにより、胴割が発生しないレベルまで穀温を下げた後に行う。また、休止乾燥モード運転中の休止時は、空気の出入りを防止するために切替弁を全閉にする(S3c)。この全閉制御によって運転休止時に切替弁を閉じることで、空気の出入りを防ぎ、外気の影響を受けにくくすることで、余計な乾燥進行を防ぎ、機体内の穀物状態の均一化を進めることができる。
このように、上記排風循環式穀物乾燥機は、制御部により、検出水分値に応じた排風循環率で排風循環乾燥動作をし、検出水分値が休止基準水分値の近傍の所定の水分値に到達すると排風循環率が所定速度で漸減し、休止基準水分値に到達すると排風の全排出動作をするとともに穀物乾燥動作を停止する。
したがって、上記排風循環式穀物乾燥機は、休止基準水分値における穀物乾燥の停止時には、排風の戻しによる蒸れを抑えつつ、穀温を高く維持することができ、その結果、水分移行を促進して水分斑の均一化を図ることができる。
(停止工程)
乾燥機の停止制御は、高速乾燥の場合は乾燥が速いので運転終了が夜半であることが多く、乾燥穀物の取出までの長時間の放置の間に、外気条件によって休止運転中に空気の出入りが起こると、通風部のみが乾燥が進んだり、あるいは水分が戻ったりすることがあることから、排風ダクトの排出側を閉じて外気の出入りを防止するモードを設け、乾燥が仕上がり、本機運転を終了する際は、切替弁を全閉に制御する(S5a〜S5c)。
(循環工程)
次に、排風循環の開始時期については、運転開始から所定時間の経過を待ってもごみが多い時は燃焼悪化を招き、また、運転開始からの穀物一巡を待っていると時間が無駄になることがあるので、図9の開始時期の特性線図に示すように、初期水分値に応じて排風循環開始時期を決定することにより、無駄時間を抑えつつ、バーナー燃焼を確保することができる。
また、穀物の張込量により穀物の一巡時間を算出した上で、図10(a)の係数特性線図に示すように、上記の初期水分値による排風循環開始時期を係数化し、その係数を穀物の一巡時間に積算することにより、図10(b)の開始時期の特性線図に示すように、張込量と対応した排風循環開始時期を得ることができる。
3 穀物乾燥部
3a 前面板
3b 背面板
6 排風ファン
6a 導入筒(ファン胴)
8 熱風室
11 穀物乾燥部
12 排風室
13 穀粒流下通路
13a 傾斜ガイド部
13b フレーム
20 排風ダクト
21 循環ダクト
22 第二調節弁(切替弁)
23 第一調節弁(切替弁)
61 ファンモータ
62 伝動ベルト
63 ガイドレール
S 熱風供給部
T 排風排出部
W 開口(点検窓)

Claims (1)

  1. 箱体内部に、穀粒が流下する穀粒流下通路(13)と、熱風室(8)および排風室(12)とを形成し、
    排風室(12)の上部を左右の傾斜ガイド部(13a)により山形に形成すると共に、下部を左右の穀粒流下通路(13)により形成し、
    排風室(12)の後部に設ける排風ファン(6)で吸引された排風を箱体外側に排出案内する排風ダクト(20)を設け、
    排風ダクト(20)を通過する排風を熱風室(8)に供給する循環ダクト(21)を設け、
    排風ファン(6)の回転翼(6b)を覆う導入筒(6a)を箱体内側の排風室(12)に設け、排風ダクト(20)及び循環ダクト(21)を箱体外側に設け、
    導入筒(6a)の上部に、かつ、左右の傾斜ガイド部(13a)の間にファンモータ(61)を設け、ファンモータ(61)の後方に箱体外側と連通する開口部(W)を設け、
    開口部(W)の後方には循環ダクト(21)を着脱自在に構成することを特徴とする穀物乾燥機。
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