JP5640061B2 - 通信装置、通信プログラム、通信方法 - Google Patents
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Description
また、電話網を用いてITU−T勧告のT.30規格に準拠した通信プロトコルに従ってファクシミリ通信処理を実行するG3FAXを用いて、T.38規格に準拠した通信プロトコルに従ったファクシミリ通信処理を実行するためのゲートウェイが知られている。このゲートウェイは、G3FAXから電話網を介して受信したモデム信号をパケットに変換してインターネットを介して送信し、インターネットを介して受信したパケットをモデム信号に変換してG3FAXに送信する。
ところで、一般に、前記IAF又は前記ゲートウェイなどの通信装置は、プロセッサー、メモリー、通信帯域などの資源を複数の通信先端末との間で実行する通信処理に割り当てることによりインターネットを介して複数の通信処理を並行して実行することができる。
なお、例えば特許文献1には、予め設定されたセッション数を超えるセッションの開始要求を受信した場合に、そのセッションを確立させない構成が開示されている。
従って、本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、通信先端末がゲートウェイである場合の通信処理の成功率を高めることができる通信装置、通信プログラム及び通信方法を提供することにある。
また、本発明に係る通信プログラムは、端末判定手順及び接続管理手順をコンピューターに実行させるための通信プログラムである。前記端末判定手順は、パケット網を介して接続された通信先端末から通信開始要求を受信した場合に前記通信先端末が前記パケット網及び電話網の間の通信を中継するゲートウェイであるか否かを判定する。前記端末判定手順により前記通信先端末が前記ゲートウェイであると判定された場合は予め設定された第1の最大同時接続数の範囲で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させ、前記端末判定手順により前記通信先端末が前記ゲートウェイではないと判定された場合は前記第1の最大同時接続数よりも少ない予め設定された第2の最大同時接続数の範囲で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させる。
さらに、本発明に係る通信方法は、端末判定手順及び接続管理手順を実行する通信方法である。前記端末判定手順は、パケット網を介して接続された通信先端末から通信開始要求を受信した場合に前記通信先端末が前記パケット網及び電話網の間の通信を中継するゲートウェイであるか否かを判定する。前記端末判定手順により前記通信先端末が前記ゲートウェイであると判定された場合は予め設定された第1の最大同時接続数の範囲で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させ、前記端末判定手順により前記通信先端末が前記ゲートウェイではないと判定された場合は前記第1の最大同時接続数よりも少ない予め設定された第2の最大同時接続数の範囲で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させる。
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施の形態に係るMFP10が使用される通信システム1の概略構成について説明する。なお、前記MFP10は、少なくともファクシミリ通信処理を実行するファクシミリ機能を有すると共に、コピー機能、プリント機能及びスキャン機能などの他の機能を有する複合機である。
図1に示すように、前記通信システム1において、前記MFP10は、インターネット100(パケット網の一例)を介してIAF20及びGW30などの通信先端末に接続されている。また、前記GW30には電話網200を介してG3FAX40が接続されている。即ち、前記MFP10は、前記インターネット100、前記GW30、前記電話網200を介して前記G3FAX40に接続されている。なお、前記インターネット100はパケット網の一例に過ぎず、デジタルデータのリアルタイム通信に使用されるLAN及びイントラネットなどの他のパケット網であってもよい。
前記IAF20は、前記インターネット100を介して接続された通信先端末との間で、ITU−T勧告のT.38規格に準拠した通信プロトコルに従ってファクシミリ通信処理を実行するインターネットファクシミリ装置(Internet Aware FAX)である。前記IAF20は、前記ファクシミリ通信処理において、ITU−T勧告のT.30規格に準拠した通信プロトコルで使用される制御信号をデジタルデータで表したパケットを送受信する。
また、前記G3FAX40は、前記電話網200を介して接続された通信先端末との間で、T.30規格に準拠した通信プロトコルに従ってファクシミリ通信処理を実行するG3タイプのファクシミリ装置である。前記G3FAX40は、前記ファクシミリ通信処理において、T.30規格に準拠した通信プロトコルで使用される制御信号をアナログデータで表したモデム信号を送受信する。
前記GW30は、前記パケット網100及び前記電話網200の間の通信を中継するゲートウェイである。具体的に、前記GW30は、前記G3FAX40から受信した前記モデム信号を前記パケットに変換して前記インターネット100から前記MFP10等の通信先端末に送信する。また、前記GW30は、前記インターネット100を介して前記MFP10等の通信先端末から受信した前記パケットを前記モデム信号に変換して前記G3FAX40に送信する。これにより、前記G3FAX40は、前記電話網200及び前記インターネット100を介して接続された通信先端末との間でT.38規格に準拠した通信プロトコルに従ったファクシミリ通信処理を実行することができる。
前記MFP10は、メイン制御部11、操作表示部12、画像読取部13、画像メモリー14,画像形成部15、及び通信IF16などを備えた画像形成装置である。前記MFP10に設けられた前記構成要素各々は内部バス17によって接続されている。なお、前記MFP10は本発明に係る通信装置の一例に過ぎない。例えば、本発明は、通信機能を有するパーソナルコンピューター、タブレット端末、音声再生装置、テレビジョン受像器、前記IAF20及び前記GW30などの通信装置にも適用可能である。
前記画像読取部13は、原稿に光を照射したときの反射光をCCD等の撮像素子(光電変換素子)によって読み取る画像読取手段である。前記画像読取部13で読み取られた画像データは前記画像メモリー14に記憶される。
前記画像メモリー14は、ハードディスク又は半導体メモリーなどの不揮発性メモリーである。例えば、前記画像読取部13で読み取られた画像データは、前記メイン制御部11によって実行されるファクシミリ通信処理によって送信される。また、前記画像メモリー14には、前記メイン制御部11によって実行されるファクシミリ通信処理によって受信された画像データも記憶される。
前記画像形成部15は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置及び定着装置などを備えた電子写真方式の画像形成手段である。例えば、前記画像形成部15は、前記メイン制御部11によって実行されるファクシミリ通信処理によって受信した画像データに基づいて画像を形成する画像形成処理を実行する。
前記通信IF16は、前記MFP10を前記インターネット100に接続し、前記インターネット100を介してデータ通信を実行するための通信インターフェースである。前記通信IF16は、例えば前記インターネット100を介して送信する画像データを符号化し、前記インターネット100を介して受信する画像データを復号化する。
そして、前記メイン制御部11は、前記ROM112に予め記憶された各種の制御プログラムに従った処理を前記CPU111で実行することにより当該MFP10を統括的に制御する。例えば、前記メイン制御部11は、前記画像読取部13により原稿から画像データを読み取る画像読取処理を実行するスキャン機能、及び入力された画像データを前記画像形成部15により印刷する画像形成処理を実行するプリント機能などを具現する。
ここで、前記RAM113は揮発性の記憶手段、前記EEPROM114は不揮発性の記憶手段であって、前記CPU111が実行する各種の処理の一時記憶メモリー及び画像メモリーとして使用される。本実施形態において、前記RAM113及び前記EEPROM114は前記MFP10に設けられたメモリー資源の一例である。
また、前記メイン制御部11は、前記ROM112に予め記憶された通信プログラムを前記CPU111で実行することにより後述のファクシミリ通信処理(図2参照)及び接続管理処理(図3参照)を実行する。なお、前記通信プログラムは、CD、DVD、半導体メモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から前記EEPROM114又はハードディスク(不図示)等の記憶手段にインストールされるものであってもよい。本発明は、前記接続管理処理を前記CPU111に実行させるための前記通信プログラム又は前記通信プログラムが記録されたコンピューター読み取り可能な記録媒体の発明として捉えてもよい。
ここで、図2を参照しつつ前記MFP10の前記メイン制御部11によって実行される前記ファクシミリ通信処理の一例について説明する。なお、図2は、前記G3FAX40から前記MFP10へのファクシミリ送信が行われる場合の通信手順を示している。以下、前記ファクシミリ通信処理が実行されることにより前記MFP10と前記G3FAX40との間で行われる各通信手順をフェーズF1、F2、・・・と称する。
前記メイン制御部11は、前記インターネット100を介して接続された通信先端末との間で、予め定められたT.38規格に準拠した通信プロトコルに従ってファクシミリ通信処理を実行する。即ち、前記MFP10は、前記IAF20と同様に前記インターネット100に直接接続されてT.38規格に準拠したファクシミリ通信処理を実行するIAFの一形態である。ここに、係る処理を実行するときの前記メイン制御部11がファクシミリ通信手段に相当する。
本実施の形態では、前記MFP10及び前記GW30が、ITU−T勧告のH.323規格に準拠したセッション開始プロトコルに従ってセッション確立手順を実行する場合を例に挙げて説明する。なお、前記MFP10及び前記GW30が、RFC3261で定義されたSIP(Session Initiation Protocol)と称されるセッション開始プロトコルなどの他のセッション開始プロトコルに従ってセッション確立手順を実行することも他の実施形態として考えられる。ここに、これらのセッション確立手順に従って前記通信先端末との間でセッションを確立させるための処理を実行するときの前記メイン制御部11がセッション確立手段に相当する。
そして、前記G3FAX40は、前記GW30から前記DTを受信すると、通信先端末である前記MFP10のダイヤル番号を前記GW30に送信する(フェーズF3)。これにより、前記GW30は、通信開始要求としてH.323手順に基づく「SETUP」のメッセージを前記MFP10に送信する(フェーズF4)。このとき、前記GW30は、「SETUP」のメッセージに自己のIPアドレスなどの識別情報を付加する。これにより、前記メイン制御部11は、「SETUP」のメッセージに付加されている前記GW30のIPアドレスなどの識別情報を取得し、後述の前記通信先端末の種別の判定に利用する。
続いて、前記MFP10は、H.323手順に基づく「CONNECT」のメッセージを前記GW30に送信する(フェーズF5)。これにより、前記GW30と前記MFP10との間のセッションが成立し、T.38規格に基づく通信手順に従って以下のファクシミリ通信処理が開始される。但し、前記MFP10では、前記メイン制御部11によって後述する接続管理処理(図4参照)が実行されることにより、予め設定された最大同時接続数の範囲で「SETUP」に対応するセッションが確立される。そして、前記最大同時接続数の範囲を超える場合には「SETUP」に対応するセッションが拒否される。
次に、前記G3FAX40は、T.30規格に基づく「DCS」のモデム信号を前記GW30に送信する(フェーズF10)。これにより、前記GW30は、パケットに変換した「DCS」のメッセージを前記MFP10に送信する(フェーズF11)。続けて、前記G3FAX40は、T.30規格に基づく「TCF」のモデム信号を前記GW30に送信する(フェーズF12)。これにより、前記GW30は、パケットに変換した「TCF」のメッセージを前記MFP10に送信する(フェーズF13)。
これに対し、前記MFP10は、T.30規格に基づく「CFR」のメッセージを前記GW30に送信する(フェーズF14)。これにより、前記GW30は、モデム信号に変換した「CFR」を前記G3FAX40に送信する(フェーズF15)。
以上の通信手順が終了すると、前記G3FAX40は、前記GW30に画像データの送信を開始する(フェーズF16)。そして、前記GW30は、前記G3FAX40から受信した前記画像データをパケットに変換して前記MFP10に送信する(フェーズF17)。
次に、前記MFP10は、T.30規格に基づく「MCF」のメッセージを前記GW30に送信する(フェーズF20)。これにより、前記GW30は、モデム信号に変換した「MCF」を前記G3FAX40に送信する(フェーズF21)。
そして、前記G3FAX40は、T.30規格に基づく「DCN」のモデム信号を前記GW30に送信する(フェーズF22)。これにより、前記GW30は、パケットに変換した「DCN」のメッセージを前記MFP10に送信する(フェーズF23)。
以上の通信手順が終了すると、前記MFP10と前記GW30とのセッションが切断され、前記GW30と前記G3FAX40との通話も切断される。
そして、前記MFP10では、前記GW30からセッション要求を示す「SETUP」のメッセージを受信したときに確立している現在セッション数Nが前記最大同時接続数M以上である場合、その「SETUP」に対応するセッションの確立が拒否される。なお、前記最大同時接続数Mは、前記メイン制御部11の前記ROM112又は前記EEPROM114などの記憶手段に予め記憶されている。
このように構成された前記MFP10が、前記GW30から受信したセッション要求を拒否すると、「SETUP」などの通信開始要求を送信するために行われた前記G3FAX40及び前記GW30の間の通話が無駄になり、通信費用が浪費されることが問題となる。
そこで、前記MFP10では、前記制御部11によって後述の接続管理処理(図3参照)を実行することにより、前記MFP10と前記GW30との間における通信処理の成功率を高めている。なお、前記接続管理処理は、前記メイン制御部11によって全て実行される場合に限らず、複数の制御主体によって分散して処理されてもよい。
以下、図3を参照しつつ、前記メイン制御部11によって実行される前記接続管理処理の手順の一例について説明する。なお、前記メイン制御部11によって実行される処理手順をステップS11、S12、・・・と称する。
ステップS11において、前記メイン制御部11は、前記インターネット100を介して接続された通信先端末から通信開始要求を受信したか否かを判断する。具体的に、前記メイン制御部11は、前記通信IF16によりH.323に基づく「SETUP」のメッセージが受信された場合に前記通信開始要求を受信したと判断する。
ここで、前記メイン制御部11は、前記通信開始要求を受信したと判断すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させる。また、前記通信開始要求を受信するまでの間(S11のNo側)、前記メイン制御部11は処理を前記ステップS11で待機させる。
前記インターネット100を介して接続された通信先端末から通信開始要求を受信した場合、続くステップS12において、前記メイン制御部11は、前記通信開始要求の送信元である前記通信先端末が前記GW30であるか否かを判定する。ここに、係る処理が端末判定手順に相当し、係る処理を実行するときの前記メイン制御部11が端末判定手段に相当する。
具体的に、前記インターネット100を介して接続された前記GW30各々のIPアドレス等の識別情報が前記EEPROM114などの記憶手段に予め記憶されている。そして、前記メイン制御部11は、H.323規格に基づくSETUPメッセージに記述されているIPアドレス等の識別情報と前記EEPROM114に記憶されたIPアドレス等の識別情報とに応じて前記通信先端末が前記GW30であるか否かを判定する。なお、前記ステップS12における前記GW30であるか否かの判定は、特定の前記GW30であるか否かを判定するものに限らず、前記電話網200との間の通信を中継する不特定のゲートウェイであるか否かを判定するものであればよい。
また、前記IAF20のIPアドレス等の識別情報が前記EEPROM114などの記憶手段に予め記憶されていることも考えられる。この場合、前記メイン制御部11は、前記通信先端末が前記IAF20あるか否かを判定し、前記IAF20でない場合に前記通信先端末が前記GW30であると判定する。もちろん、前記GW30及び前記IAF20各々のIPアドレス等の識別情報が前記EEPROM114などの記憶手段に予め記憶されていることも考えられる。また、前記メイン制御部11がSIPに従ってセッションを確立させるものである場合、前記メイン制御部11は、SIPに基づくINVITEメッセージ(通信開始要求)に付加されたSDPパケットの記述に応じて前記通信先端末が前記GW30であるか前記IAF20であるかを判定することが可能である。例えば、前記メイン制御部11は、前記SDPパケット内にT.38関連の記述がある場合に、前記通信先端末が前記IAF20であると判定する。
ステップS13において、前記メイン制御部11は、前記通信先端末が前記GW30であるか否かに応じて処理を分岐する。具体的に、前記メイン制御部11は、前記ステップS12により前記通信先端末が前記GW30であると判定された場合は(S13のYes側)、処理をステップS14に移行させる。また、前記ステップS12により前記通信先端末が前記GW30ではないと判定された場合、即ち前記通信先端末が前記IAF20である場合(S13のNo側)、前記メイン制御部11は処理をステップS131に移行させる。
前記通信先端末が前記GW30であると判定された場合、続くステップS14において、前記メイン制御部11は、前記MFP10で現在確立している前記現在セッション数Nが前記最大同時接続数M以上であるか否かを判断する。
ここで、前記メイン制御部11は、前記現在セッション数Nが前記最大同時接続数M(第1の最大同時接続数に相当)以上であると判断すると(S14のYes側)、処理をステップS141に移行させる。また、前記現在セッション数Nが前記最大同時接続数M以上ではないと判断すると(S14のNo側)、前記メイン制御部11は処理をステップS15に移行させる。
例えば、前記最大同時接続数Mが「5」である場合、前記現在セッション数Nが4以下である場合は(S14のNo側)、処理がステップS15に移行され、前記現在セッション数Nが5以上である場合は(S14のYes側)、処理がステップS141に移行される。換言すれば、前記ステップS14において、前記メイン制御部11は、一つ以上のセッション資源が残っているか否かを判断している。
一方、前記通信先端末が前記GW30ではないと判定された、続くステップS131において、前記メイン制御部11は、前記現在セッション数Nが前記最大同時接続数Mから予め設定された確保数nを引いた値(第2の最大同時接続数に相当)以上であるか否かを判断する。前記確保数nは、前記MFP10と前記GW30との間のセッションを優先して確立させるために確保されるセッション資源の数として予め設定された1以上の整数である。
ここで、前記メイン制御部11は、前記現在セッション数Nが前記最大同時接続数Mから前記確保数nを引いた値以上であると判断すると(S131のYes側)、処理をステップS141に移行させる。また、前記現在セッション数Nが前記最大同時接続数Mから前記確保数nを引いた値以上ではないと判断すると(S131のNo側)、前記メイン制御部11は処理をステップS15に移行させる。
例えば、前記最大同時接続数Mが「5」であり、前記確保数nが「1」である場合、前記現在セッション数Nが「3」以下である場合は(S131のNo側)、処理がステップS15に移行され、前記現在セッション数Nが「4」以上である場合は(S131のYes側)、処理がステップS141に移行される。換言すれば、前記ステップS131において、前記メイン制御部11は、二つ以上のセッション資源が残っており、前記通信開始要求に対応するセッションを確立させた後に一つ以上のセッション資源が残っているか否かを判断している。
そして、ステップS141において、前記メイン制御部11は、前記MFP10が有する前記セッション資源を前記通信開始要求に割り当てることなく、前記ステップS11で受信した前記通信開始要求を拒否して当該接続管理処理を終了する。即ち、この場合には、前記通信開始要求に対応するセッションが確立されない。
一方、ステップS15において、前記メイン制御部11は、前記MFP10が有する前記セッション資源を前記通信開始要求に割り当て、前記MFP10と前記通信先端末との間で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させて、当該接続管理処理を終了する。
このように、前記メイン制御部11は、前記ステップS12により前記通信先端末が前前記GW30であると判定された場合は前記最大同時接続数Mの範囲で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させる。一方、前記ステップS12により前記通信先端末が前記GW30ではないと判定された場合、前記メイン制御部11は、前記最大同時接続数Mから前記確保数nを除いた値の範囲で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させる。ここに、係る処理が接続管理手順に相当し、係る処理を実行するときの前記制御部11が接続管理手段に相当する。
従って、前記通信先端末が前記IAF20である場合には、前記現在セッション数Nが前記最大同時接続数Mに達していなくても、前記確保数nが確保される状況でなければ前記通信開始要求に対応するセッションが確立されない。一方、前記通信先端末が前記GW30である場合には、前記現在セッション数Nが前記最大同時接続数Mに達するまで、前記通信開始要求に対応するセッションが確立される。即ち、前記確保数nに対応する最後の前記セッション資源は前記通信先端末が前記GW30である場合のみ使用される。これにより、前記GW30から前記MFP10に前記通信開始要求が送信されたときにビジー状態になる可能性が低減され、前記通信開始要求に対応するセッションが成功する可能性が高くなる。そのため、前記G3FAX40と前記GW30との間の通話が無駄になることを防止することができ、前記G3FAX40側の通信費用の浪費を抑制することができる。
なお、本実施形態では、前記ファクシミリ通信処理を実行する前記MFP10を例に挙げて説明したが、本発明は、音楽データ又は動画データなどのデータ通信処理、及びVoIPに従った音声伝送処理(IP電話)などを実行する通信装置に適用可能である。
ところで、前記MFP10が前記IAF20との間で通信処理を実行する場合には、前記通信処理が前記インターネット100を介して高速で行われる。一方、前記MFP10が前記GW30を経由して前記G3FAX40との間で通信処理を実行する場合には、前記通信処理が前記電話網200を介して行われるため通信速度が低速になる。そのため、前記MFP10が前記GW30との間で通信処理を実行する場合に、前記MFP10が前記IAF20との間で通信処理を実行する場合と同様のメモリー資源が割り当てられると、そのメモリー資源が無駄になる。
また、前記MFP10が前記GW30を経由して前記G3FAX40との間で通信処理を実行する場合には、前記MFP10が前記IAF20との間で通信処理を実行する場合に比べて、通信のリアルタイム性が求められる。そのため、前記MFP10が前記GW30との間で通信処理を実行する場合には、前記MFP10が前記IAF20との間で通信処理を実行する場合よりも優先して処理が実行されることが望ましい。
そこで、前記メイン制御部11が、前記接続管理処理の他の例として、前記接続管理処理における前記ステップS15において、図4に示すステップS21〜S30の処理を実行することが考えられる。
まず、ステップS21において、前記メイン制御部11は、前記通信先端末が前記GW30であるか否かに応じて処理を分岐する。具体的に、前記メイン制御部11は、前記ステップS12により前記通信先端末が前記GW30であると判定された場合は(S21のYes側)、処理をステップS22に移行させる。また、前記ステップS12により前記通信先端末が前記GW30ではないと判定された場合は(S21のNo側)、前記メイン制御部11は処理をステップS24に移行させる。
ステップS22において、前記メイン制御部11は、前記MFP10で使用されていないメモリー資源として、予め設定された第1のメモリー容量のメモリー資源が残っているか否かを判断する。前記第1のメモリー容量は、前記通信先端末が前記GW30である場合に割り当てるメモリー資源の容量として予め設定された値である。前記第1のメモリー容量は、前記通信先端末が前記IAF20である場合に割り当てられるメモリー資源の容量として予め設定された第2のメモリー容量よりも少ない。なお、前記メモリー資源は、例えば前記メイン制御部11の前記RAM113及び前記EEPROM114において通信処理のために割り当てられた記憶領域である。
ここで、前記メイン制御部11は、前記第1のメモリー容量のメモリー資源が残っていると判断すると(S22のYes側)、処理をステップS23に移行させる。また、前記第1のメモリー容量のメモリー資源が残っていないと判断すると(S22のNo側)、前記メイン制御部11は処理をステップS26に移行させる。
そして、ステップS23において、前記メイン制御部11は、前記ステップS11で受信した前記通信開始要求に対応するセッションに、前記MFP10が有する前記メモリー資源のうち前記第1のメモリー容量のメモリー資源を割り当てる。
一方、ステップS24において、前記メイン制御部11は、前記MFP10で使用されていないメモリー資源として、予め設定された第2のメモリー容量のメモリー資源が残っているか否かを判断する。前記第2のメモリー容量は、前記通信先端末がIAF20である場合に割り当てるメモリー資源の容量として予め設定された値であって、前記第1のメモリー容量よりも多い値である。なお、前記第1のメモリー容量及び前記第2のメモリー容量の値は、例えば前記インターネット100及び前記電話網200の通信速度の理論値の比率に応じた比率(例えば同じ比率)で予め設定されることが考えられる。
ここで、前記メイン制御部11は、前記第2のメモリー容量のメモリー資源が残っていると判断すると(S24のYes側)、処理をステップS25に移行させる。また、前記第1のメモリー容量のメモリー資源が残っていないと判断すると(S24のNo側)、前記メイン制御部11は処理をステップS26に移行させる。
そして、ステップS25において、前記メイン制御部11は、前記ステップS11で受信した前記通信開始要求に対応するセッションに、前記MFP10が有する前記メモリー資源のうち前記第2のメモリー容量のメモリー資源を割り当てる。即ち、前記MFP10では、前記通信先端末が前記IAF20である場合、前記通信先端末が前記GW30である場合よりも前記メモリー資源が多く割り当てられる。ここに、前記ステップS21〜S5の処理を実行するときの前記メイン制御部11がメモリー管理手段に相当する。
従って、前記通信先端末が前記IAF20である場合に、十分な前記メモリー資源を確保して前記MFP10と前記IAF20との間で高速のデータ通信を実現することができ、前記MFP10のメモリー資源を有効活用することができる。
なお、ステップS26において、前記メイン制御部11は、前記ステップS11で受信した前記通信開始要求に対応するセッションに前記メモリー資源を割り当てることなく、前記通信開始要求を拒否して当該接続管理処理を終了する。即ち、この場合には、前記通信開始要求に対応するセッションが確立されない。
次に、前記ステップS23又は前記ステップS25において前記メモリー資源が前記セッションに割り当てられると、続くステップS27において、前記メイン制御部11は、前記通信先端末が前記GW30であるか否かに応じて処理を分岐する。具体的に、前記メイン制御部11は、前記ステップS12により前記通信先端末が前記GW30であると判定された場合は(S27のYes側)、処理をステップS28に移行させる。また、前記ステップS12により前記通信先端末が前記GW30ではなく前記IAF20であると判定された場合は(S27のNo側)、前記メイン制御部11は処理をステップS29に移行させる。
ステップS28において、前記メイン制御部11は、前記通信開始要求に対応するセッション確立後に実行される通信処理の優先順位を前記MFP10における他のタスクの優先順位よりも高順位に設定する。
一方、ステップS29において、前記メイン制御部11は、前記通信開始要求に対応するセッションのタスクの優先順位を前記MFP10における他のタスクの優先順位と同じ又は他のタスクよりも低い低順位に設定する。
即ち、前記通信先端末が前記GW30である場合には、少なくとも前記通信先端末が前記GW30でない場合に比べてタスクの優先順位が高く設定される。ここに、前記ステップS27〜S29の処理を実行するときの前記メイン制御部11が優先度設定手段に相当する。
例えば、前記MFP10におけるタスクの優先順位が「1」〜「3」の3段階で設定され、前記メイン制御部11が前記優先順位「1」、「2」、「3」の順でタスクを優先的に処理する構成を考える。この場合、前記メイン制御部11は、前記ステップS28において、前記通信開始要求に対応するセッションのタスクの優先順位を「1」に設定し、前記ステップS29において、前記通信開始要求に対応するセッションのタスクの優先順位を「2」又は「3」に設定する。
これにより、前記MFP10では、前記通信先端末が前記GW30である場合は、前記通信開始要求に対応するセッションのタスクが優先的に処理されるため、前記MFP10と前記GW30との間のセッションのリアルタイム性が確保される。また、前記MFP10と前記GW30との間のセッションが優先して行われるため、前記GW30と前記G3FAX40との間の通話時間も短縮される。
なお、その後、ステップS30において、前記メイン制御部11は、前記ステップS15と同様に、前記MFP10が有する前記セッション資源を前記通信開始要求に割り当て、前記MFP10と前記通信先端末との間のセッションを確立させる。
なお、前記ステップS30を前記ステップS21の前段で実行することも考えられる。即ち、前記MFP10と前記通信先端末との間のセッションを確立させた後で、前記メモリー資源の割り当て及び前記タスク優先順位の変更などが行われることも他の実施形態として考えられる。
そこで、前記メイン制御部11が、前記通信先端末が前記GW30である場合に割り当てられた前記メモリー資源の使用量が前記通信先端末との通信処理の実行中に予め設定された上限値以上に達した場合に前記メモリー資源を増加させることが考えられる。具体的に、前記メイン制御部11は、既に前記通信先端末が前記GW30でない場合に割り当てられた前記メモリー資源の一部又は全部を前記GW30との間の前記通信処理に割り当てるものであることにより前記GW30との間の前記通信処理に割り当てられた前記メモリー資源を増加させることが考えられる。なお、前記上限値は、前記通信先端末が前記GW30である場合に割り当てられた前記メモリー資源が不足することを判断するために予め定められた値であって、例えば前記第1のメモリー容量の80%〜90%程度の値である。
これにより、前記通信処理が想定していた以上に早い速度で行われる場合は、前記通信先端末が前記GW30である場合の前記通信処理で使用可能な前記メモリー資源が増加する。従って、前記MFP10と前記GW30との間の通信処理をできるだけ早期に終了させることができる。
11:メイン制御部
111:CPU
112:ROM
113:RAM
114:EEPROM
12:操作表示部
13:画像読取部
14:画像メモリー
15:画像形成部
16:通信IF
17:内部バス
20:IAF
30:GW
40:G3FAX
100:インターネット(パケット網の一例)
200:電話網
F1、F2、・・・:通信手順(フェーズ)番号
S11、S12、・・・:処理手順(ステップ)番号
Claims (9)
- パケット網を介して接続された通信先端末から通信開始要求を受信した場合に前記通信先端末が前記パケット網及び電話網の間の通信を中継するゲートウェイであるか否かを判定する端末判定手段と、
前記端末判定手段により前記通信先端末が前記ゲートウェイであると判定された場合は予め設定された第1の最大同時接続数の範囲で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させ、前記端末判定手段により前記通信先端末が前記ゲートウェイではないと判定された場合は前記第1の最大同時接続数よりも少ない予め設定された第2の最大同時接続数の範囲で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させる接続管理手段と、
を備えてなる通信装置。 - 前記端末判定手段により前記通信先端末が前記ゲートウェイであると判定された場合は、前記通信先端末との間の通信処理に予め設定された第1のメモリー容量のメモリー資源を割り当て、前記端末判定手段により前記通信先端末が前記ゲートウェイではないと判定された場合は前記通信先端末との間の通信処理に前記第1のメモリー容量よりも多い予め設定された第2のメモリー容量のメモリー資源を割り当てるメモリー管理手段を更に備えてなる請求項1に記載の通信装置。
- 前記メモリー管理手段が、前記通信先端末が前記ゲートウェイである場合に割り当てられた前記メモリー資源の使用量が予め設定された上限値以上に達した場合に、既に前記通信先端末が前記ゲートウェイでない場合に割り当てられた前記メモリー資源の一部又は全部を前記ゲートウェイとの間の通信処理に割り当てるものである請求項2に記載の通信装置。
- 前記端末判定手段により前記通信先端末が前記ゲートウェイであると判定された場合は、前記端末判定手段により前記通信先端末が前記ゲートウェイではないと判定された場合よりも、前記通信先端末とのセッション確立後に実行される通信処理の実行の優先順位を高く設定する優先度設定手段を更に備えてなる請求項1〜3のいずれかに記載の通信装置。
- 前記通信先端末との間でITU−T勧告T.38規格に準拠した通信プロトコルに従ってファクシミリ通信処理を実行するファクシミリ通信手段を備えてなる請求項1〜4のいずれかに記載の通信装置。
- ITU−T勧告H.323規格に準拠したセッション開始プロトコルに従って前記通信先端末との間のセッションを確立させるセッション確立手段を備えてなり、
前記端末判定手段が、ITU−T勧告H.323規格に基づくSETUPメッセージの記述に応じて前記通信先端末が前記ゲートウェイであるか否かを判定するものである請求項1〜5のいずれかに記載の通信装置。 - SIP(Session Initiation Protocol)に従って前記通信先端末との間のセッションを確立させるセッション確立手段を備えてなり、
前記端末判定手段が、SIPに基づくINVITEメッセージのSDPパケットの記述に応じて前記通信先端末が前記ゲートウェイであるか否かを判定するものである請求項1〜5のいずれかに記載の通信装置。 - パケット網を介して接続された通信先端末から通信開始要求を受信した場合に前記通信先端末が前記パケット網及び電話網の間の通信を中継するゲートウェイであるか否かを判定する端末判定手順と、
前記端末判定手順により前記通信先端末が前記ゲートウェイであると判定された場合は予め設定された第1の最大同時接続数の範囲で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させ、前記端末判定手順により前記通信先端末が前記ゲートウェイではないと判定された場合は前記第1の最大同時接続数よりも少ない予め設定された第2の最大同時接続数の範囲で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させる接続管理手順と、
をコンピューターに実行させるための通信プログラム。 - パケット網を介して接続された通信先端末から通信開始要求を受信した場合に前記通信先端末が前記パケット網及び電話網の間の通信を中継するゲートウェイであるか否かを判定する端末判定手順と、
前記端末判定手順により前記通信先端末が前記ゲートウェイであると判定された場合は予め設定された第1の最大同時接続数の範囲で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させ、前記端末判定手順により前記通信先端末が前記ゲートウェイではないと判定された場合は前記第1の最大同時接続数よりも少ない予め設定された第2の最大同時接続数の範囲で前記通信開始要求に対応するセッションを確立させる接続管理手順と、
を実行する通信方法。
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