JP5639633B2 - 難加工性材料のウォータージェット加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パイプ形状のワークを切断加工する際に、エンジニアリングプラスチックなどの難加工性樹脂や、無機繊維を使用した複合材などの難加工性材料で形成されるワークの切断加工において、ウォータージェットによる切断加工方法に関する。
一般にプラスチック材料は軽量ではあるが、弾性率が低く構造用材料としては適していない。そこで、ガラス繊維のように弾性率の高い無機性材料との複合材が、軽量で強度の高い材料として用いられ、小型船舶の船体、自動車・鉄道車両の内外装、ユニットバス及び浄化槽などの住宅設備機器で大量に使われている。
また、強化材はガラス繊維の他、炭素繊維を用いる場合もあり、航空機、自動車の主要な構造部材、建築、橋梁の耐震補強など、建設分野でも広く使われるようになっている。これらの複合材は、機械強度が高く、切削加工等が難しく、難加工性材料と言われる。
また、前記複合材と同様な難加工性材料であるエンジニアリングプラスチックは、金属に比べて生産工程が大幅に簡略化でき、その優れた機械強度、耐熱性、電気特性、寸法安定性などにより、機械部品(歯車や軸受けなど)、OA(オフィスオートメーション)機器、情報・通信機器、電気・電子機器、家庭電化機器、自動車分野、建築分野等の様々な分野において幅広く利用されている。これらは摩耗が少なく軽量で、かつ金属部品よりも大量生産にも向くため、製品価格を押し下げる原動力ともなっており、利用分野は増加傾向にある。
特にエンジニアリングプラスチック製品は、一般に、大量生産方式で製造され、従って金型を用いた射出成形により製造される場合が多いが、近年では、金型が使えないような形状、射出成形では成形不可能な複雑な形状、より良い寸法精度、仕上げ面精度が求められる状況も増加している。また、製品ニーズの多様化が進み、製品のモデルチェンジが早くなり、多品種少量生産が増えて来たため、金型を用いた成形加工から、金型を必要としない材料を直接加工する切削加工が注目されるようになっている。
従来、パイプ状のエンジニアリングプラスチック製のワークを切断加工して製品部材を切り出す方法としては、金属製の丸鋸による切断加工が用いられているが、エンジニアリングプラスチックは、金属に比べて熱伝導率が小さく、また、融点も約160℃〜300℃と非常に低いという特徴を持っているため、丸鋸の刃がエンジニアリングプラスチックを切削する際に発生する熱が蓄積し、切削屑が溶けて丸鋸や切断面に溶着する等の問題が発生し易い。
従って、丸鋸での切断加工は熱の発生に留意しながら時間をかけて徐々に切断加工されている。また、一般に丸鋸の刃の厚みは2〜3mmと厚いために、切削幅も2〜3mmとなる。この刃の厚み分がロス材となり、材料歩留まりを低下させる原因になることがあった。
一方、熱に弱い材料を切断加工する方法として、ウォータージェットによる切断加工が知られている。このウォータージェット加工は、0.1〜1mmのノズル穴から100〜400MPa程度に加圧された水を噴射しワークを切断加工する技術で、加工部に熱が加わらないことから、熱に弱い物質の加工に有利とされ、また、切削幅が1mm以下であることから、材料歩留まりが向上するという特徴がある。
このウォータージェット加工をパイプ状のエンジニアリングプラスチックの加工に適用した場合、例えば、パイプの外周方向から水流を噴射すると、噴射された高圧力水の水流はパイプの肉厚部分を貫通した瞬間に、その反対側のパイプの内面に達し、水流もわずかながら末広がりになることから貫通後の先の肉厚部分にも設計外の切削傷を発生させる不具合があった。
また、歯車や軸受け等の製品に使われるような機械強度に優れたエンジニアリングプラスチックは、水のみの噴射では切削力が不十分で切断面が粗くなり、バリやカエリが発生し易く実用に耐えないことから、噴射する水にガーネットサンド等の研摩材を添加して切削力を上げる方法も行われているが、高価な研摩材を消費することやノズルの寿命低下が激しいこと等により、ランニングコストが著しく高くなり利用場面は極一部に限られている。
ところで、パイプ状のワークをウォータージェットで切断等の加工を行う際に、その加工面を滑らかにし、バリやカエリ等発生せず、他の部分に対する余分な切削傷等を生じさせないようにする方法として、パイプ状のワークの内側にウォータージェットのノズルを挿入し、所定の回転速度でワークを回転させながら、内側から外側に向かって水流を噴射する方法が開示されている(特許文献1を参照)。
特開平7−171799号公報
しかしながら、特許文献1に開示される、パイプ状のワークの内側にウォータージェットのノズルを挿入してパイプの内側から外側に向かって切断加工を行う方法では、ワークの内側へノズルを挿入することが必須であることから、ワークの内径がノズル寸法以上あることが必要で、小径のパイプへの適用が難しい。また、噴射した水流が肉厚部を貫通して切断されるまでの間、ワーク内部で激しい水流の跳ね返りや切削屑の飛散が起こるため、結果的にワーク内面に細かな傷を付けたり、ノズルを傷める危険性が高いという問題があった。
更に、ワークを切断し製品部材を順次切り出して行く場合には、切断分離された部材が、高圧水をノズルに供給する管に引っ掛かるために、切断した製品部材の回収に課題がある。
したがって、本発明の目的は、パイプ状の難加工性材料で形成されたワークをウォータージェットで切断加工する際に、対象となるワークが小径であっても、その加工面を滑らかにし、バリやカエリ等発生せず、他の部分に対する余分な切削傷等を生じさせないようにする加工方法を提供することにある。
更には、噴射した水流の跳ね返りや切削屑の飛散によるワーク内面の細かな傷やノズルの損傷を防止し、ワークから製品部材を順次切り出す加工方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を積み重ねた結果、エンジニアリングプラスチックのウォータージェットによる切断加工について、極僅かずつ切削しながら切り進むことで、研摩材を使用せずに水のみでエンジニアリングプラスチックを良好に切断加工できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題は、以下の(1)〜(10)によって達成される。
(1)無機繊維を使用する難加工性の複合材料または難加工性樹脂で形成され、中空部を有するパイプ状のワークをウォータージェットの噴射によって切断加工するウォータージェット加工方法において、前記パイプ状のワークの外周方向から中心へ向かってウォータージェットの噴射を行なう噴射手段と、前記ワークの一端を支持する支持手段と、該支持手段をワークと共に回転させる回転手段と、前記ワークの中空部に挿入し、噴射されたウォータージェットの水流による衝撃を吸収する衝撃吸収手段を備える装置を用い、前記支持手段と相対する側のワークの端から所定寸法の製品部材を順次切断加工を行ない、前記回転手段の回転速度と、前記噴射手段の噴射するウォータージェットの圧力を調整し、前記ワークが1回転する間に切削深さを0.5mm以下で切り進み切断することを特徴とする難加工性材料のウォータージェット加工方法。
(2)前記衝撃吸収手段が、ワークの中空部に導きいれた流動性のある衝撃吸収媒体であることを特徴とする(1)記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
(3)前記衝撃吸収手段が、ワークの中空に挿入した可動式のキャッチャーであることを特徴とする(1)記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
(4)前記キャッチャーが、ウォータージェットの水流を導入する空部を内方へ備え、該空部内に水流の当たる面を傾斜面で形成し、水流のワークへの跳ね返りを防止することを特徴とする(3)記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
(5)前記キャッチャーが、ウォータージェットの水流を導入する空部を内方へ備え、該空部内に水流の当たる球形の受け材を有し、水流のワークへの跳ね返りを防止することを特徴とする(3)記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
(6)前記球形の受け材を空部内に複数個備えることを特徴とする(5)記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
(7)前記キャッチャーの外周部へ、ワーク切断後のリング状の被切断材を落下させずに受け取る材料保持部を備え、該材料保持部が凹部形状に形成されていることを特徴とする(3)記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
(8)円筒形ワークの先端部の円形端面部とセンサーとの距離を測定する切断確認センサーを用いて、測定距離の変動を検知することによりワークの切断終了を確認することを特徴とする(1)から(7)のいずれかに記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
(9)円筒形ワークの先端部の円周曲面部とセンサーとの距離を測定するワーク芯ブレ確認センサーを用いて、測定距離の変動を検知することによりワークの回転による芯ブレの有無を確認することを特徴とする(1)から(7)のいずれかに記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
(10)前記難加工性材料が、エンジニアリングプラスチックであることを特徴とする(1)から(9)いずれかに記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
本発明によれば、機械強度に優れ、水の噴射のみでの切断加工が難しかったパイプ状のエンジニアリングプラスチックのウォータージェット加工が可能となり、切断に研摩材を使用しないため、ランニングコストを抑えた切断加工が行える。さらには、丸鋸に比べ切削幅が0.1〜1mmと狭いため、定尺のワークから一定寸法の製品部材を数多く切り出す場合には、得られる製品部材の個数が増え、製品歩留まりが向上する。
ウォータージェットのノズルは切断対象のパイプの外側に配置できるため、噴射した水流がパイプの肉厚部を貫通するまでの間に問題となる水流の跳ね返りや切削屑の飛散によるワーク内面の細かな傷やノズルの損傷を防止できる。
また、パイプ径に影響され難く、中実棒状のエンジニアリングプラスチックへの適用も可能である。
ウォータージェット加工する際にワークを水や、粘性のある水溶液、あるいは、微粒子スラリー等の衝撃吸収媒体を含む槽に入れ、これら媒体をパイプ内部に導き入れた後に加工を開始することで、切断加工の直後に起こる貫通した水流の衝撃を吸収できる。また、衝撃吸収媒体は機械的な干渉がないため、ワークから、製品部材を連続的に順次切り出して行くことが可能となり、生産性が向上する。
さらには、ウォータージェットにおいて切断加工の直後に起こる貫通した水流の衝撃を吸収するキャッチャーをパイプ内部に挿入し可動式にすることで、ワークから、製品部材を連続的に順次切り出して行くことが可能となり、生産性が向上する。
本発明に係る加工装置の構成例を示した概略図である。 衝撃吸収手段が衝撃吸収媒体である場合の実施例を示した概略図である。 衝撃吸収手段が可動式キャッチャーである場合の実施例を示した概略図である。 衝撃吸収手段が可動式キャッチャーである場合の他の実施例を示した概略図である。 図1中のA−A矢視図である。 本発明に係る加工装置の別の実施例の加工部分の拡大図である。 本発明に係る加工装置のキャッチャーの断面図である。 本発明に係る加工装置の別の実施例のキャッチャーの断面図である。 本発明に係る加工装置の別の実施例のキャッチャーの断面図である。 本発明に係る加工装置の別の実施例の加工部分の拡大図である。 本発明に係る加工装置の別の実施例の加工部分の拡大図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に係るウォータージェットによる切断加工装置は、パイプ状のエンジニアリングプラスチック製であるワークの一端を支持する支持手段と、該支持手段をワークと共に回転させる回転手段と、前記ワークの中空部に挿入し、噴射されたウォータージェットの水流による衝撃を吸収する衝撃吸収手段で構成される。
パイプ状のワークの一端を支持する支持手段は、ワークをチャッキングするものであり、把持爪をパイプ状のワークの内側から拡げるようにチャッキングしても良く、ワークの外周からチャッキングしても良い。
支持手段には、回転数を制御できる減速機付きモーター等の回転手段が連結され、所定の回転数でワークを回転できるように制御手段を用いて回転数を任意の回転に制御できるようになされている。
また、ワークを回転させた際の回転軸の芯振れを抑えるために、前記支持手段に加えて、一対の2個以上の支持ローラーを備えた支持台を設け、パイプ状のワークを載せても良い。
ウォータージェットの噴射手段であるノズルは、パイプ状のワークの外周方向から、ワークの中心である、ワークを回転させた際の回転軸方向に向かって噴射できるように配置されている。また、様々な寸法のワークに適用できるように、上下方向、及びワークの回転軸に対して平行方向に可動し、位置決めできることが好ましい。また、ノズルの穴径は0.1〜1mmが好ましく、製品歩留まりを考慮すると切削幅が小さい0.1〜0.3mmがより好ましい。
ウォータージェットの水の加圧は100〜400MPa程度で、概ねワークの回転速度が遅い場合には低圧側で使用し、ワークの回転速度が速い場合には高圧側で使用することが出来るが、本発明では、前記ワークの回転速度と、前記ワークの外周方向からワークの回転軸方向(中心方向)に向かって噴射する水流の圧力の調整により、前記ワークが1回転する間に0.5mm以下の切削深さで切り進み切断するようにする。
これにより、水のみによるエンジニアリングプラスチックのウォータージェット加工においても、バリやカエリが少ない、また、十分な切断面精度を持った加工が可能となる。尚、1回転する間の切削深さが0.5mm以上となる条件で切断加工を行なうと、切断面が粗くなり品質を低下させる。
前記ワークが1回転する間の切削深さが0.5mm以下と僅かであっても、ワークの回転速度を上げることで、例えば、肉厚20mmのパイプ状のエンジニアリングプラスチックのワークの場合、ワークが1回転する間の切削深さ、即ち、切り進む長さが0.5mmで、ワークの回転速度120rpmの条件で、20秒程度で切断できる。
本発明では、パイプ状のワークの外周方向から回転軸方向(中心方向)に向かってウォータージェットの水流を噴射する。そして、ワークに対して水流を噴射させながらワークを回転させるだけで、切断の進行は同一周上に沿って終点が始点に重なり、切断加工が進行する。
この時、ワークの肉厚部が切断されるまでの間、噴射された水流の跳ね返りと切削屑の飛散は、ワークの円周上の切断面に沿って水平方向に生じるため、ワークの切断面以外の部位に傷を付けることがない。尚、噴射された水流の跳ね返りと切削屑の飛散方向に、カバーを取り付け、水と切削屑を回収するようにしても良い。
本発明では、パイプ状のワークの中空部に、噴射されたウォータージェットの水流による衝撃を吸収する衝撃吸収手段を挿入する。これにより、噴射されたウォータージェットの水流がワークの肉厚部分を貫通した瞬間に生じるパイプの内面への切削傷を防止できる。
本発明に係る衝撃吸収手段としては、水、粘性のある液体、あるいは、微粒子スラリー等の流動性のある衝撃吸収媒体が挙げられる。例えば、ポリビニルアルコール等の高分子を溶かした溶液、シリコンオイル、グリセリン、デンプン粒子を分散させたスラリー等を用いることが出来る。これらの衝撃吸収媒体は流動性があるため、例えば、ワークを衝撃吸収媒体を入れた水槽に浸すことで、ワークの中空部に簡単に挿入できる。また、衝撃吸収媒体は機械的な干渉が起きないことから、ワークから製品部材を連続的に順次切り出して行くことが容易である。
更に、本発明では、噴射されたウォータージェットの水流による衝撃吸収手段として、可動式のキャッチャーをパイプ内部の中空部に挿入することが出来る。この時、可動式のキャッチャーの挿入方向は、ワークを支持する支持手段側からでも、その反対側からでも良い。
可動式のキャッチャーは、金属やセラミック等の噴射されたウォータージェットの水流の圧力に耐える材質からなり、水流を受ける部分に、ステンレス製の小球を詰めた容器や、金網等の積層材を設けることが好ましく、ワークの回転軸方向に対して水平に動かすことで、切断加工された製品部材をキャッチャー自体に引っ掛けることなく、順次回収できるようになる。
また、可動式のキャッチャーに圧力センサーを設けることも出来る。これにより噴射されたウォータージェットの水流がワークの肉厚部分を貫通し、切断加工が完了したタイミングを知ることが出来、水流の噴射の停止制御が行えるようになる。
本発明に係る実施例について、図を用いて説明する。
本発明に係る実施例の装置の構成概略図を図1及び図5に示す。
中空部11を有するパイプ状のエンジニアリングプラスチックで形成されたワーク1の一端を、支持手段3により、前記ワーク1の内側から拡げるようにチャッキングしたものである。支持手段3は、回転手段4と連結され、所定の回転速度で回転させるようになっている。
また、図1では、ワーク1の回転軸方向の芯振れを抑えるために、2個のローラーで構成された1対の支持ローラー5を備えている。ウォータージェットのノズル2は、ワーク1の外周方向から回転軸方向に向けてウォータージェットを噴射できるように配置されており、回転手段4によりワーク1を所定の回転速度で回転させた状態で、ノズル2からウォータージェットを噴射することで切断加工が開始される。この時、ワーク1の回転速度と、ワーク1の外周方向から回転軸方向に向かって噴射するウォータージェットの圧力の調整により、ワーク1が1回転する間に0.5mm以下の切削深さで切り進み切断するようにする。
図2は、本発明に係る衝撃吸収手段6として、流動性のある衝撃吸収媒体6aの入った水槽8にワーク1を沈めた様子を示している。この場合、衝撃吸収媒体6aはワーク1の中空部11に流れ込み、ノズル2から噴射されたウォータージェットの水流がワーク1の肉厚部分を貫通した瞬間に生じるワーク1の内面への切削傷を防止する。また、衝撃吸収媒体6aは機械的な干渉が起きないことから、ワーク1から製品部材を連続的に順次切り出して行くことが可能となる。
図3は、本発明に係る衝撃吸収手段6として、ワーク1の中空部11に可動式のキャッチャー6bを挿入した様子を示している。可動式キャッチャー6bはワーク1の支持手段側から装入し、ノズル2から噴射されたウォータージェットの水流がワーク1の肉厚部分を貫通した瞬間に生じるワーク1の内面への切削傷を防止する。この時、可動式キャッチャー6bは切断加工が完了する毎に支持手段3側に動き、次の切断加工に備えるものである。ワーク1から切断された製品部材は、可動式キャッチャー6bが動く毎に回収できる。
図4は、本発明に係る衝撃吸収手段6として、ワーク1の中空部11に支持手段3とは反対の側から可動式キャッチャー6bを挿入した様子を示している。図4に示す例の場合、ワーク1から切断された製品部材が一旦、可動式キャッチャー6bに載った状態となるが、可動式キャッチャー6bが動く度に、製品部材が下方向へ落ちることで回収される。
図6には衝撃吸収手段として可動式のキャッチャー6bを用いた別の実施例を示している。図6に示すように、ワーク1の中空部11へキャッチャー6bが挿入されており、ノズル2からの水流をキャッチャー6bが受けることでワーク1の内面への切削傷が付くことを防止している。
図7に可動式キャッチャー6bの断面図を示している。この実施例のキャッチャー6bは、キャッチャー内部へ空部15を有している。
この空部15は、上部に開口された水流流入部21を備え、この水流流入部21から導入した水流が当たる部分へ角度を有して傾斜面16を形成している。
傾斜面16は、垂直に噴射される水流に対して傾斜されており、当たった水流が真上へ跳ね返らないようになされ、跳ね返った水流がワークの内面へ当たらないようになされている。これにより、水流の跳ね返りがワークの内面へ切削傷を付けることがない。
キャッチャー6bに導入された水流は、空部15の下部へ開口されて設けられる水流流出部22によりキャッチャー6bの外方へ排出される。この排出される水は、一度傾斜面16へ当たっていて噴射された時の圧力が軽減されており、ワークの内面は傷付かない。
また、キャッチャー6bの別の実施例として、図8に示す。
この実施例におけるキャッチャー6bは、空部15の内方へ球形の受け材17aを備えている。この球形の受け材17aは、空部15へ導入された水流が直接当たるように配置されており、キャッチャー6bの空部15に導入された水流は球形の受け材17aに当たり、水圧で受け材17aが回転することにより、水流の圧力が軽減される。
この時、水流の跳ね返りは上方へ上がらず、ワーク1の内面を傷つけることがない。
図8に示す例では、衝撃吸収手段6が球形の受け材17aを1つの受け材17aで構成している例を示しているが、1つの受け材17aに限定することなく、球形の受け材17bを多数個で構成することでも、同様の効果を奏することが可能である。
図9には、キャッチャー6bの構造において、複数の球形の受け材17bを用いる例を示している。
キャッチャー6bの空部15の内方へ多数の小型の球形の受け材17bを配置している。これらの受け材17bは、多数設けられることにより、水流の流れを分散でき、より水流の水圧を軽減することができ、水流による受け材17の磨耗を小さくすることができる。
本発明の他の実施例として、図6に示すようなワークの位置を検知する確認センサー24、25を備えることにより加工状態を監視することができる。
図6には、2つの確認センサー24、25を備えた装置を示している。
そのうちの1つの確認センサー24について説明する。図10に示すように、本実施例において、パイプ形状のワーク1の先端部の先端面である円形の端面部へ向けて、確認センサー24とワーク端面部との間の距離を測定するレーザー発信式の距離測定器を用いる切断確認センサー24を備えている。
ウォータジェット加工によってワーク1が切断されると、図10に示すように、ワーク1から離れた被切断材23が落下し、キャッチャー6bに引っかかり保持される。
この時、ワークの端面部は切断された後の切断面となり、切断確認センサー24で測定される確認センサー24とワークの端面部との間の距離に変動が生じる。この距離数値の変動を検知することにより、被切断材23が切断されたことを検知できる。
ワークの切断工程の終了を検知することで、ノズル2の次の切断位置への移動や、キャッチャー6bの移動を自動で制御することが可能となる。
また、図10に示すように、切断されたリング状の被切断材23を引っ掛けて保持するキャッチャー6bの外周形状が、キャッチャー6bの先端側から第1凸部18と、凹部20と、第2凸部19の順に形成されている。
このようにキャッチャーの外周部へ、ワーク切断後のリング状の被切断材を落下させずに受け取る材料保持部を備えており、この材料保持部が凹部20として形成されているので、リング状の被切断材23がキャッチャー6bの凹部20に引っかかって静置されるようになり、落下する被切断材23を確実に保持することができる。
図11には、別の確認センサー25を用いて、ワーク1の加工状態を監視する実施例を示す。
本実施例において、円筒形状のワーク1の先端部での外周面である円周局面部へ向けて、確認センサー25とワーク1の円周局面部との間の距離を測定するレーザー発信式の距離測定器を用いるワーク芯ブレ確認センサー25を備えている。
ウォータジェット加工時には、ワーク1は高速回転で回転されている。このワーク1はチャック等の支持手段によりワーク1の一方側端部を支持されて回転しているが、一方端側の片持ち状態であるので、ワーク1の回転数や、ワーク長さ、ワーク支持状態等の加工条件により、加工側のワーク他方側端部はワークの芯ブレを起こす場合がある。
このワークの芯ブレが発生すると、加工精度の悪化等の要因となるため、芯ブレ発生時には直ちにワーク1の回転を止め、加工作業を停止する必要がある。
本実施例に示すように、ワーク芯ブレ確認センサー25を用いて、確認センサー25とワーク1の円周曲面部との間の距離を測定し、測定する距離の変動を検知することにより、ワーク1の回転による芯ブレの有無を検知できる。
ワーク1の回転による芯ブレの発生を検知することにより、芯ブレ発生時のワーク1の回転停止や加工作業の休止を自動で制御することが可能となる。
前述の実施例において、切断確認センサー24とワーク芯ブレ確認センサー25の距離の測定方式をレーザー発信式で説明したが、これに限るものではなく例えば音波発信式等の多種多様な測定方式を選択して用いても良い。また、加工条件に問題なければ、前述のような遠隔式の測定方法でなく、測定面に接触させた接触子を備えた位置センサーを用いて検知して良い。
(試験例)
外径90mm、内径60mmで、肉厚15mmのパイプ状のエンジニアリングプラスチック(商品名:MCナイロン、クオドラントポリペンコ株式会社製)のワークについて、図4に示す方法で切断加工試験を行った。ウォータージェットの水圧を350MPaに固定し、ワークの回転速度を45rpm、100rpm、143rpm、250rpm、500rpmの条件で切断加工を行なった結果を表1に示す。尚、切断面の状態は、◎、○、△、×の3段階で評価した。
評価結果に示すように、ワークが1回転する間に0.5mm以下の切削深さで切り進み切断すると切断面の状態が良くなり、実用的な切断加工が出来る。
本実施例では、パイプ状のエンジニアリングプラスチックで形成されたワークの切断加工方法を示したが、金属、及びカーボンやガラス等の無機繊維を使用した難加工性の複合材等で製造されたパイプ形状のワークにも適用可能である。
1 ワーク
2 噴射手段(ノズル)
3 支持手段(チャック)
4 回転手段
5 支持ローラ
6 衝撃吸収手段
6a 衝撃吸収媒体
6b キャッチャー
7 モータ
8 水槽
11 中空部
15 空部
16 傾斜面
17 受け材
20 凹部
23 被切断材
24 切断確認センサー
25 ワーク芯ブレ確認センサー

Claims (10)

  1. 無機繊維を使用する難加工性の複合材料または難加工性樹脂で形成され、中空部を有するパイプ状のワークをウォータージェットの噴射によって切断加工するウォータージェット加工方法において、
    前記パイプ状のワークの外周方向から中心へ向かってウォータージェットの噴射を行なう噴射手段と、
    前記ワークの一端を支持する支持手段と、該支持手段をワークと共に回転させる回転手段と、
    前記ワークの中空部に挿入し、噴射されたウォータージェットの水流による衝撃を吸収する衝撃吸収手段とを備える装置を用い、
    前記支持手段と相対する側のワークの端から所定寸法の製品部材を順次切断加工を行ない、前記回転手段の回転速度と、前記噴射手段の噴射するウォータージェットの圧力を調整し、前記ワークが1回転する間に切削深さを0.5mm以下で切り進み切断することを特徴とする難加工性材料のウォータージェット加工方法。
  2. 前記衝撃吸収手段が、ワークの中空部に導きいれた流動性のある衝撃吸収媒体であることを特徴とする請求項1記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
  3. 前記衝撃吸収手段が、ワークの中空に挿入した可動式のキャッチャーであることを特徴とする請求項1記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
  4. 前記キャッチャーが、ウォータージェットの水流を導入する空部を内方へ備え、該空部内に水流の当たる面を傾斜面で形成し、水流のワークへの跳ね返りを防止することを特徴とする請求項3記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
  5. 前記キャッチャーが、ウォータージェットの水流を導入する空部を内方へ備え、該空部内に水流の当たる球形の受け材を有し、水流のワークへの跳ね返りを防止することを特徴とする請求項3記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
  6. 前記球形の受け材を空部内に複数個備えることを特徴とする請求項5記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
  7. 前記キャッチャーの外周部へ、ワーク切断後のリング状の被切断材を落下させずに受け取る材料保持部を備え、該材料保持部が凹部形状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
  8. 円筒形ワークの先端部の円形端面部とセンサーとの距離を測定する切断確認センサーを用いて、測定距離の変動を検知することによりワークの切断終了を確認することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
  9. 円筒形ワークの先端部の円周曲面部とセンサーとの距離を測定するワーク芯ブレ確認センサーを用いて、測定距離の変動を検知することによりワークの回転による芯ブレの有無を確認することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
  10. 前記難加工性材料が、エンジニアリングプラスチックであることを特徴とする請求項1から9いずれかに記載の難加工性材料のウォータージェット加工方法。
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