JP5639255B1 - ヨウ素核種を含有する放射性廃水の生物学的浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヨウ素核種を含有する放射性廃水を生物学的に浄化する放射性廃水の浄化方法及び装置を提供する。【解決手段】装置は、放射性ヨウ素を含有する廃水が流入される無酸素槽110と、無酸素槽と連通されて嫌気状態の廃水が流入され、金属還元バクテリア供給源(source)121、電子供与体122、及び銅イオン供給源123を備えた微生物浄化槽120とからなり、無酸素槽で嫌気状態となった廃水は、微生物浄化槽120で金属還元バクテリアにより放射性ヨウ素と銅イオンとが結合してヨウ化銅となって沈殿し、廃水中の放射性ヨウ素が汚泥として除去される。【選択図】図1

Description

本発明は、ヨウ素核種を含有する放射性廃水を生物学的に浄化する放射性廃水の浄化方法及び装置に関する。
水溶液中に存在するヨウ素を除去することは容易ではないため、原子力発電所、放射性同位元素利用機関などで発生する放射性廃水からヨウ素を除去することが大きい問題となっている。
半減期が相対的に短いヨウ素‐125、ヨウ素‐132、ヨウ素‐133等の場合、一定期間放置することで放射能を減衰させることができるが、ヨウ素核種を含有する放射性廃水の発生量が非常に多いため、放射性廃水そのものを集水槽に長期間保管して放射性廃水を浄化する方法は、現実的に不可能である。また、ヨウ素‐129は半減期が極めて長いため、放置するだけでは放射能を減衰することがほとんど不可能であるだけでなく、人体に摂取される場合、人体内に濃縮されて持続的に放射線を放出するため、深刻な害を与えることになる。
ヨウ素核種を含有する放射性廃水を浄化するために、韓国公開特許第2010‐0030250号に開示されたように、活性炭やアニオン交換樹脂などを用いて放射性ヨウ素を凝集して除去している(例えば特許文献1参照)。しかし、活性炭やアニオン交換樹脂などを用いる場合にもこれらを随時に取り替えなければならないため、これによる2次放射性廃棄物が多量発生し、コストが高くかかる。また、廃水に高濃度の放射性ヨウ素が含有されている場合には、活性炭を用いた吸着やアニオン交換方法の単独では、ヨウ素を除去するに限界がある。
韓国公開特許第2010‐0030250号
本発明は、ヨウ素核種を含有する放射性廃水浄化装置及び方法を提供することをその目的とし、より詳細には、経済的で、且つ迅速に放射性廃水を浄化することができるとともに、高レベル放射性廃水の処理が可能である上で、廃水を浄化する際に生成される放射性廃棄物の量が著しく減少され、ヨウ素核種を極めて安定して除去することができる放射性廃水浄化装置及び方法に関するものである。
本発明による放射性廃水浄化装置は、放射性ヨウ素を含有する廃水を浄化する装置であって、放射性ヨウ素を含有する廃水が流入される無酸素槽と、無酸素槽と連通されて嫌気状態の廃水が流入され、金属還元バクテリア供給源(source)、電子供与体、及び銅イオン供給源が供給される微生物浄化槽と、を含み、微生物浄化槽で、金属還元バクテリアにより放射性ヨウ素と銅イオンとが結合してヨウ化銅となって沈殿されて、廃水中の放射性ヨウ素が汚泥として除去される。
本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置は、無酸素槽と微生物浄化槽とを開閉可能に連通させる第1移送管と、第1移送管と連結され、無酸素槽の廃水を微生物浄化槽に移送させる第1移送ポンプと、微生物浄化槽の下部と連通されて開閉可能に設けられる汚泥排出管と、汚泥排出管と連結され、微生物浄化槽から汚泥を排出させる汚泥排出ポンプと、をさらに含むことができる。
本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置は、微生物浄化槽とそれぞれ連結された金属還元バクテリア供給源保管槽と、電子供与体保管槽と、銅イオン供給源保管槽と、をさらに含むことができる。
本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置は、制御部をさらに含み、制御部は、タンパク質量に基づき100ppm以下の金属還元バクテリアが投入されるように、金属還元バクテリア供給源を投入することができる。
本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置において、制御部は、を基準として、1mM〜1.5mMの銅イオンが廃水に含有された放射性ヨウ素1mMと相互作用されるように銅イオン供給源を投入することができる。
本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置において、金属還元バクテリアは、シュードモナス(Pseudomonas)、シュワネラ(Shewanella)、クロストリジウム(Chlostridium)、デスルフォビブリオ(Desulfovibrio)、デスルフォスポロシナス(Desulfosporosinus)、デスルフォトマクラム(Desulfotomaculum)、アネロミキソバクター(Anaeromyxobacter)、及びジオバクター(Geobacter)属から選択される何れか1つ又は2つ以上であることができる。
本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置において、金属還元バクテリア供給源は、金属還元バクテリア粉末又は金属還元バクテリアを含有する培養液であることができる。
本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置において、電子供与体は、カルボキシ基含有有機酸、スルホン酸基含有有機酸、及び水素ガスから選択される1つ又は2つ以上であることができる。
本発明による放射性廃水浄化装置は、無酸素槽で放射性廃水が嫌気化された後、微生物反応組で金属還元バクテリア供給源、電子供与体、及び銅イオン供給源と嫌気化された廃水とが混合されるという極めて単純な構成により、金属還元バクテリアにより1価に還元された銅イオンがヨウ素核種と強く結合してヨウ素化銅の結晶鉱物として沈殿されて除去される。これにより、簡単な装置で経済的で、且つ迅速に放射性廃水を浄化することができるという長所があり、非常に高い効率及び選択性でヨウ素核種を除去することができるという長所がある。また、廃水の浄化過程で発生する2次放射性物質の処理体積を大きく減少させることができ、2次放射性物質の安全性が高いという長所がある。さらに、高レベル放射性廃水の処理が可能であって、放射性核種が除去された廃水を放出するための後処理装置が不要であるとともに、放射性廃水の処理過程における放射能の人体への露出を防止することができ、自動化運転が可能であるという長所がある。
本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置の一構成図を図示した図面である。 本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置の他の構成図を図示した図面である。 本発明の一実施例にしたがって、ヨウ素アニオンを含有する水溶液におけるヨウ素の除去速度を測定して図示した図面である。 本発明の一実施例によるバイオミネラリゼーションメカニズムにより生成されたヨウ化銅の結晶鉱物を観察した電子顕微鏡写真と、元素分析の結果とを図示した図面である。
発明を行うための形態
以下、添付図面を参照して本発明の放射性廃水浄化装置及び方法を詳細に説明する。以下で紹介される図面は、当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするための例として提供されるものである。したがって、本発明は、以下で提示される図面に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。また、以下で提示される図面は、本発明の思想を明確にするために誇張されて図示されることがある。この際、用いられる技術用語及び科学用語において、他の定義がなければ、この発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が通常的に理解する意味を有し、下記の説明及び添付図面において、本発明の要旨を不明瞭にする可能性のある公知機能及び構成についての説明は省略する。
本発明による放射性廃水浄化装置は、放射性ヨウ素を含有する廃水を浄化する装置であって、放射性ヨウ素を含有する廃水が流入される無酸素槽と、無酸素槽と連通されて嫌気状態の廃水が流入され、金属還元バクテリア供給源(source)、電子供与体、及び銅イオン供給源が供給される微生物浄化槽と、を含み、微生物浄化槽で、金属還元バクテリアにより放射性ヨウ素と銅イオンとが結合してヨウ化銅となって沈殿され、廃水中の放射性ヨウ素が汚泥として除去される。
本発明による放射性廃水浄化装置は、バイオミネラリゼーションにより廃水に含有された放射性ヨウ素を除去することができる。より詳細には、本発明による放射性廃水浄化装置は、銅イオン供給源により生成される2価の銅イオンが金属還元バクテリアによって1価のイオンに還元され、還元された銅イオンが選択的に放射性ヨウ素と非常に強く結合して安定した結晶鉱物を形成することで、廃水に含有された放射性ヨウ素を除去することができる。
上述したように、本発明による放射性廃水浄化装置は、無酸素槽及び微生物浄化槽の極めて簡単な装置により、経済的で、且つ迅速に放射性廃水を浄化することができるという長所があり、廃水に他のアニオン(Cl-、CO3 2-、SO4 2-など)が存在する場合にもヨウ素アニオンが選択的に除去されるため、非常に高い効率及び選択性を有するという長所がある。また、廃水に含有されたヨウ素核種をヨウ化銅という非常に安定した結晶鉱物として除去することにより、廃水の浄化過程で発生する2次放射性廃棄物の処理体積を大きく減少させることができるとともに、2次放射性廃棄物の長期に亘る処分安定性を高めることができるという長所がある。さらに、バイオミネラリゼーションにより放射性ヨウ素を固相で除去することにより、高濃度の放射性ヨウ素を含有する高レベル放射性廃水の処理が可能であって、高い処理効率を有するという長所がある。さらに、浄化過程で廃水のpHがほぼ中性を維持するため、放射性核種が除去された廃水を放出するためにpHを調節するpH調節工程が不要であるという長所がある。また、廃水を嫌気化し、バイオミネラリゼーションを用いて結晶鉱物として放射性ヨウ素を除去するという極めて簡単な構成により放射性廃水を浄化することができるため、放射能の露出を最小化することができ、自動化運転が可能であるという長所がある。
本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置において、処理対象となる放射性廃水は、1mMに達する放射性ヨウ素(ヨウ素核種)、及び放射線量1,000Bq/mLに達するヨウ素核種を含有する。この際、放射性ヨウ素(ヨウ素核種)は、ヨウ素イオン(I-)、ヨウ素酸イオン(IO3 -)、及びヨウ素(I2)から選択される1つ又は2つ以上の物質を含むことができる。
放射性ヨウ素は、ヨウ素イオンの形態(化学種)だけでなく、ヨウ素酸イオン(IO3 -)及びヨウ素(I2)の形態(化学種)で廃水中に存在することができる。従来のように活性炭やイオン交換樹脂を用いて廃水中の放射性ヨウ素を除去する場合、廃水中のヨウ素核種が存在する形態によってその除去効率が非常に異なるため、多様な種類の放射性ヨウ素を除去するには限界がある。しかし、本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置は、微生物浄化槽の前段に無酸素槽を備えることにより、装置に流入される廃水に含有されている多様な放射性ヨウ素の化学種を全て除去することができるという長所がある。
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置を図示した構成図である。図1に図示したように、放射性廃水浄化装置100は、無酸素槽110と、無酸素槽110と連通される微生物浄化槽120と、を含むことができる。詳細には、放射性廃水の流れを基準として、無酸素槽110が微生物浄化槽120の前段に備えられることができる。
無酸素槽110に流入される廃水は、放射性ヨウ素を含有する廃水であり、ヨウ素イオン(I-)、ヨウ素酸イオン(IO3 -)、及びヨウ素(I2)から選択される1つ又は2つ以上の放射性ヨウ素を含有する廃水である。バイオミネラリゼーションによりヨウ素を結晶鉱物として除去する本発明の思想によると、廃水中の放射性ヨウ素の濃度は、特に制限されないが、無酸素槽110に流入される放射性廃水は10mMに達する高濃度の放射性ヨウ素(ヨウ素核種)を含有することができる。
無酸素槽110は、外部から放射性廃水が流入される廃水流入管70を備えることができる。この際、廃水流入管は弁により開閉可能な管であることができる。無酸素槽110は、浄化しようとする放射性廃水を受けて、放射性廃水を嫌気状態に変化させる役割を果たすことができる。無酸素槽110で放射性廃水が嫌気化されることにより、放射性廃水に含有された多様なヨウ素化学種((IO3 -、I2)がヨウ素イオン(I-)の単一化学種に変換されることができる。この際、嫌気状態とは、廃水中の溶存酸素(DO;dissolved oxygen)が除去された状態を意味する。このような点で、無酸素槽110は嫌気槽110とも称することができるということは勿論である。
流入された放射性廃水の状態を嫌気状態に変化させるために、即ち、放射性ヨウ素としてヨウ素イオン(I-)の単一化学種を含有する廃水を形成するために、無酸素槽110に還元剤が供給されることができる。詳細には、無酸素槽110と連結される還元剤保管槽により還元剤が供給されることができる。この際、無酸素槽110には、還元剤によって溶存酸素が効果的に除去されるように、通常の撹拌装置が備えられていることができるということは勿論である。また、無酸素槽110は、放射能の外部流出を防止することができる密閉型反応槽であることができる。還元剤としては、無酸素槽を嫌気化することができる還元剤であれば使用可能である。具体的且つ非限定的な例として、還元剤は、シュウ酸、ギ酸、亜硫酸ナトリウム、及び亜硫酸水素ナトリウムからなる群から選択される1つ又は2つ以上の物質であることができる。
還元剤により嫌気化された廃水は微生物浄化槽120に流入されることができる。微生物浄化槽120には金属還元バクテリア供給源、電子供与体、及び銅イオン供給源が供給され、微生物浄化槽120で金属還元バクテリア供給源、電子供与体、及び銅イオン供給源と嫌気化された廃水とが混合されることができる。
廃水中の放射性ヨウ素核種は、微生物浄化槽120でバイオミネラリゼーションメカニズムにより汚泥として沈殿されて、廃水の浄化が行われる。そのために、図1に図示した一例のように、微生物浄化槽120は、沈殿された汚泥と放射性ヨウ素核種が除去された浄化水との効果的な分離のために、その下部が次第に狭くなるテーパ状を有することができる。この際、微生物浄化槽120のテーパ状の下部形状はコーン状を含むことができる。また、微生物浄化槽120には、バイオミネラリゼーションメカニズムによって嫌気化された廃水中のヨウ素核種がより迅速に除去されるように、ブレードを含む撹拌手段が備えられることができるということは勿論である。
銅イオン供給源は廃水に銅イオン(Cu2+)を提供し、金属還元バクテリア供給源は廃水に金属還元バクテリアを提供することができる。金属還元バクテリアは、銅イオン供給源により提供される銅イオンを還元させて1価の銅イオン(Cu1+)を生成し、1価の銅イオンがヨウ素アニオンと強く結合して、ヨウ化銅(CuI)の結晶鉱物を形成することができる。この際、電子供与体は、金属還元バクテリアを活性化させ、銅イオンの還元時に必要な電子を供給する役割を果たすことができる。
銅イオン供給源は、ヨウ化銅の結晶鉱物を形成するための銅イオンを供給する源(source)であるため、廃水に銅イオンを提供し、且つ水に容易に溶解される如何なる銅塩も使用可能である。具体的且つ非限定的な例として、銅イオン供給源として用いられる銅塩は、硫酸銅、酢酸銅、塩化銅、臭化銅、塩素酸銅、過塩素酸銅、窒化銅、及び硝酸銅からなる群から選択される何れか1つ又は2つ以上の物質であることができる。
好ましくは、銅イオン供給源は硫酸銅であることができる。硫酸銅は、金属還元バクテリアによるヨウ素の除去効率を向上させることができる。詳細には、金属還元バクテリアによって硫酸塩が硫黄に還元されるとともに、2価の銅イオンが1価の銅に還元及び安定化され、CuIの結晶化鉱物が沈殿されて、ヨウ素の除去効率が向上されることができる。
金属還元バクテリア供給源は、粉末状の金属還元バクテリア自体又は金属還元バクテリアを含有する培養液であることができる。この際、金属還元バクテリアの粉末は、金属還元バクテリアを含有する液が凍結乾燥して形成された粉末であることができる。金属還元バクテリアは、シュードモナス(Pseudomonas)、シュワネラ(Shewanella)、クロストリジウム(Chlostridium)、デスルフォビブリオ(Desulfovibrio)、デスルフォスポロシナス(Desulfosporosinus)、デスルフォトマクラム(Desulfotomaculum)、アネロミキソバクター(Anaeromyxobacter)、及びジオバクター(Geobacter)から選択される何れか1つ又は2つ以上であることができる。
電子供与体は、金属還元バクテリアによるCu2+の還元過程で必要な電子を提供する役割を果たすことができる。そのために、電子供与体は、有機酸及び水素ガスから選択される1つ以上であることが好ましく、有機酸は、カルボキシ基含有有機酸、スルホン酸基含有有機酸、又はこれらの混合酸であることができる。カルボキシ基含有有機酸は、クエン酸、コハク酸、酒石酸、ギ酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、安息香酸、マイレン酸、グルコン酸、グリコール酸、及び乳酸から選択される何れか1つ又は2つ以上であることができる。スルホン酸基含有有機酸は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、アミノメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸(4‐メチルベンゼンスルホン酸)、トルエンスルホン酸ナトリウム、フェノールスルホン酸、ピリジンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、2‐メチルフェノールスルホン酸、及びメチルフェノールスルホン酸から選択される何れか1つ又は2つ以上であることができる。電子供与体が有機酸である場合、有機酸は、乳酸、酒石酸、及びクエン酸のようなオキシカルボン酸(oxycarboxylic acid)であることが好ましい。
電子供与体が水素ガスである場合、電子供与体は、純粋な水素ガス又は水素ガスと不活性ガスとが混合された混合ガスであることができ、混合ガスは水素ガスを0.5〜5容積%(vol%)含有することができる。
本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置は、微生物浄化槽120で浄化された浄化水を後処理することなく直ちに放流することができるという長所がある。これは、無酸素槽110で廃水中の多様な放射性ヨウ素化学種を単一ヨウ素アニオンに転換させ、金属還元バクテリアを用いて銅イオンとヨウ素アニオンとを化学的に結合させて、結晶鉱物として除去することにより得られる効果である。詳細には、金属還元バクテリア、好ましくは、シュードモナス(Pseudomonas)、シュワネラ(Shewanella)、クロストリジウム(Chlostridium)、デスルフォビブリオ(Desulfovibrio)、デスルフォスポロシナス(Desulfosporosinus)、デスルフォトマクラム(Desulfotomaculum)、アネロミキソバクター(Anaeromyxobacter)、及びジオバクター(Geobacter)から選択される何れか1つ又は2つ以上の金属還元バクテリアにより、銅イオンとヨウ素アニオンとが極めて優れた選択性を有して互いに結合されるが、この際、廃水中に含有された放射性ヨウ素と同量の銅イオンが形成されるように銅イオン供給源を投入することにより、放射性廃水の浄化が行われることができる。また、電子供与体がオキシカルボン酸(oxycarboxylic acid)である場合、極微量の電子供与体でも金属還元バクテリアの活性化が促進され、金属還元バクテリアによる1価の銅イオンへの還元が円滑になされることができる。上述したように、廃水中の放射性ヨウ素とほぼ同量の銅イオン供給源を用いる場合にも、放射性ヨウ素が効果的に除去されることができ、極微量の有機電子供与体を用いる場合にも、金属還元バクテリアの活性化による電子の供給が円滑になされることができる。微生物浄化槽120で浄化された浄化水を後処理することなく直ちに放流又は再利用することができる。
上述したように、廃水中の放射性ヨウ素の化学種をヨウ素イオン(I-)として単一化させ、バイオミネラリゼーションメカニズムによりヨウ素アニオンをヨウ化銅の結晶鉱物として除去するために、本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置は、無酸素槽110と連結された還元剤保管槽111と、微生物浄化槽120とそれぞれ連結された金属還元バクテリア供給源保管槽121と、電子供与体保管槽122と、銅イオン供給源保管槽123と、を含むことができる。
還元剤保管槽111は、無酸素槽110と開閉可能な管で連結されており、上述した還元剤自体又は還元剤の水溶液を供給することができる。この際、還元剤保管槽111と無酸素槽110との間を連結する管は、還元剤の移送及び定量供給のためのポンプと連結され得るということは勿論である。
金属還元バクテリア供給源保管槽121は、微生物浄化槽120と開閉可能な管(弁を備える管)で連結されており、上述の金属還元バクテリア供給源自体又は金属還元バクテリア供給源の水スラリー又は水分散液を供給することができる。この際、金属還元バクテリア供給源保管槽121と微生物浄化槽120との間を連結する管は、金属還元バクテリア供給源の移送及び定量供給のためのポンプと連結され得るということは勿論である。
電子供与体保管槽122は、微生物浄化槽120と開閉可能な管(弁を備える管)で連結されており、上述の電子供与体自体又は電子供与体の水溶液を保管及び供給することができる。この際、電子供与体が有機酸である場合、電子供与体保管槽122と微生物浄化槽120との間を連結する管は、電子供与体の移送及び定量供給のためのポンプと連結され得るということは勿論である。また、電子供与体が水素ガスである場合、電子供与体保管槽122と微生物浄化槽120との間を連結する管は、定量供給のためにMFC(Mass flow control)のような通常のガス流量制御手段と連結され得るということは勿論である。また、ガスが微生物浄化槽120内の廃水に効果的に供給されるように、電子供与体保管槽122と微生物浄化槽120との間を連結する管の微生物浄化槽120側の一端は、廃水に装入されるように微生物浄化槽120の内部に位置し、その一端に散気管が備えられることができる。
銅イオン供給源保管槽123は、微生物浄化槽120と開閉可能な管(弁を備える管)で連結されており、上述の銅イオン供給源自体又は銅イオン供給源の水溶液を保管及び供給することができる。この際、銅イオン供給源保管槽123と微生物浄化槽120との間を連結する管は、銅イオン供給源の移送及び定量供給のためのポンプと連結され得るということは勿論である。
図1に図示したように、放射性廃水浄化装置は、開閉可能な移送管である第1移送管10と、汚泥排出管30と、廃水又は汚泥を移動させるポンプ20又は40と、ヨウ素核種が除去された浄化水が排出される浄化水排出管50と、浄化水を排出させるポンプ60と、をさらに含むことができる。
詳細には、放射性廃水浄化装置は、無酸素槽110と微生物浄化槽120とを開閉可能に連通させる第1移送管10と、第1移送管10と連結され、無酸素槽110の廃水を微生物浄化槽120に移送させる第1移送ポンプ20と、微生物浄化槽120の下部と連通されて開閉可能に設けられる汚泥排出管30と、汚泥排出管30と連結され、微生物浄化槽120の汚泥を排出させる汚泥排出ポンプ40と、をさらに含むことができる。また、放射性廃水浄化装置は、微生物浄化槽120と連通されて開閉可能に設けられる浄化水排出管50と、浄化水排出管50と連結され、ヨウ素核種が除去された浄化水を排出させる浄化水排出ポンプ60と、をさらに含むことができる。
第1移送管10は、一端が無酸素槽110と結合され、他端が微生物浄化槽120と結合されており、無酸素槽110から微生物浄化槽120に嫌気状態の廃水が移送される通路を提供する。第1移送管10は、放射性廃水が無酸素槽110に流入されて一定水位を維持した状態で嫌気化される間に廃水が微生物浄化槽120に移動することを防止するとともに、嫌気化が完了した嫌気状態の廃水が微生物浄化槽120に移動するように、管の開閉を調節する弁が備えられた移送管であることができる。第1移送ポンプ20は、第1移送管10と連結されており、嫌気状態の廃水を無酸素槽110から第1移送管10を介して微生物浄化槽120に移動させることができる。
微生物浄化槽120で、放射性廃水中のアニオン性ヨウ素核種(I-)がヨウ化銅の結晶鉱物として除去されることができる。これにより、放射性ヨウ素核種は、微生物浄化槽120の下部に沈殿されて汚泥を形成するが、ヨウ化銅の結晶鉱物を含む汚泥は、微生物浄化槽120の下部と連通されて開閉可能に設けられる汚泥排出管30を介して排出及び除去されることができる。詳細には、汚泥排出管30は、管の開閉を調節する弁を含み、一端が微生物浄化槽120の下部と連結され、他端が排出された汚泥を保管する汚泥保管槽と連結されることができる。汚泥排出ポンプ40は、汚泥排出管30と連結されており、微生物浄化槽120の下部に沈殿された汚泥を汚泥排出管30を介して汚泥保管槽124に移動させることができる。この際、汚泥保管槽124の前段には、汚泥排出管を介して排出された汚泥を脱水する脱水槽がさらに備えられることができる。脱水槽により脱水された汚泥は、汚泥保管槽124に流入されて保管されることができる。この際、脱水された汚泥は、固相の放射性廃棄物として最終廃棄処理されることができる。
廃水中の放射性ヨウ素核種がヨウ化銅にバイオミネラリゼーションされて、微生物浄化槽120の下部には汚泥が生成され、汚泥の上部には放射性ヨウ素核種が除去された浄化水が生成される。この際、微生物浄化槽120と連結された開閉可能な浄化水排出管50を介して浄化水が排出されることができる。ヨウ素核種を除去する際の廃水のpHがほぼ中性を維持することができるため、排出された浄化水は後処理することなく直ちに放流又は再利用されることができる。
放射能の人体への露出を防止し、且つ放射性核種を安全に除去するためには、自動化された廃水の浄化が行われることが好ましい。本発明の一実施例による放射性廃水浄化装置は、放射性廃水中に存在する酸素を除去した後、金属還元バクテリアのバイオミネラリゼーションメカニズムを用いて廃水中のヨウ素核種を鉱物結晶として除去するため、装置の自動化が極めて容易である。
図2は本発明の他の実施例による放射性廃水浄化装置の構成図である。図2に図示した一例のように、本発明による放射性廃水浄化装置は、放射性廃水の移送、放射性廃水の浄化に用いられる各物質の投入、汚泥及び浄化水の排出を制御する制御部200をさらに含むことができる。
具体的には、制御部200は、密閉槽である無酸素槽110に連結された開閉可能な放射性廃水流入管を制御することで、放射性廃水を流入するか否か及び無酸素槽110内の放射性廃水の量を調節することができる。また、制御部200は、第1移送管10及び第1移送ポンプ20を制御することで、廃水を無酸素槽110から密閉槽である微生物浄化槽120に移送するか否かを制御することができる。制御部200により一定量の放射性廃水が無酸素槽110に流入された後、制御部200は、還元剤保管槽111から無酸素槽110に一定量の還元剤が投入されるように、還元剤保管槽111の移送管及びポンプを制御することができる。制御部200により投入される還元剤の量は、無酸素槽110で処理される放射性廃水の量を考慮して適宜調節されることができ、廃水中の溶存酸素を除去するとともに、酸化ヨウ素(例:IO3 -、I2)を還元ヨウ素(I-)に転換させることができる程度の還元剤の量であれば十分である。具体的に、廃水に投入される還元剤の量は、廃水中の酸化ヨウ素の濃度と溶存酸素の濃度との和以上の濃度(還元剤濃度)となるように投入されることが好ましい。具体的且つ非限定的な例として、還元剤は0.01mM〜100mMの濃度となるように投入されることができる。
無酸素槽110で放射性廃水の嫌気化がなされた後、制御部200は、第1移送管10及び第1移送ポンプ20を制御することで、無酸素槽110から微生物浄化槽120に嫌気化された廃水を移動させることができる。その後、制御部200は、金属還元バクテリア供給源保管槽121、電子供与体保管槽122、及び銅イオン供給源保管槽123から微生物浄化槽120に、一定量の金属還元バクテリア供給源、電子供与体、及び銅イオン供給源が投入されるように、各保管槽121、122及び123の移送管の開閉及びポンプの作動を制御することができる。
制御部200は、バクテリアの活性化及び金属還元時に電子を供給する電子供与体、金属還元バクテリア供給源、及び銅イオン供給源が順に投入されるように、各保管槽121、122及び123の移送管の開閉及びポンプの作動を制御することができる。
制御部200による電子供与体の投入量は、金属還元バクテリアを活性化させるとともに、金属還元バクテリアによる還元反応時に必要な電子を円滑に供給することができる量であれば十分である。具体的には、例えば、電子供与体が水素ガスである場合、制御部は、溶存水素が10ppm(モル基準ppm)以下、具体的には0.1ppm〜10ppm、より具体的には0.1〜2ppmの濃度となるようにガスを廃水に吹き込むことができる。具体的には、例えば、電子供与体が有機酸である場合、廃水に投入された銅イオン供給源による銅イオン1 mMを基準として、1mM〜20mMの有機酸が供給されることができる。投入される有機酸が1mM未満である場合には、金属還元バクテリアの活性化及び1価銅イオンの生成が円滑になされない恐れがあり、20mMを超過する電子供与体が供給される場合には、銅イオンの生成効率の向上は微小であって、過度な電子供与体によって浄化水が汚染される恐れがあり、また金属還元バクテリアが過度に速く増殖して、ヨウ化銅の結晶鉱物が微粒化されることがある。
好ましくは、制御部200は、極微量の金属還元バクテリアを微生物浄化槽120に供給することができる。このような極微量の金属還元バクテリアは、浄化初期にヨウ化銅の核が多量生成されることを防止し、微生物浄化槽120内で金属還元バクテリアが増殖するにつれてヨウ化銅の核が粗大な結晶に成長するようにすることができる。これにより、粗大なサイズを有するヨウ化銅の結晶鉱物が形成されて、非常に効果的に汚泥として排出されるだけでなく、ヨウ化銅という2次放射性廃棄物の安定性を著しく高めることができる。
具体的に、制御部200は、100ppm(質量基準ppm)以下、好ましくは100ppm〜0.005ppm、より好ましくは10ppm〜0.005ppm、さらに好ましくは1ppm〜0.005ppmのタンパク質量の金属還元バクテリアが廃水に投入されるように、金属還元バクテリア供給源を供給することができる。10ppm以下、好ましくは1ppm以下の極微量の金属還元バクテリアにより、浄化初期に金属還元バクテリアによるヨウ化銅の核が多量生成されることを防止することができ、微生物浄化槽120内で金属還元バクテリアの自体増殖によって初期形成されたヨウ化銅の核の成長が促進され、結晶鉱物をマイクロメートルオーダーに粗大化させることができる。
上述したように、制御部200により極微量の金属還元バクテリアが微生物浄化槽120に投入された後、浄化がなされる間に金属還元バクテリアが微生物浄化槽120内で自体増殖して、浄化初期及び浄化中期のバイオミネラリゼーションの速度を制御することにより、粗大な結晶鉱物の形態でヨウ素核種を除去することができる。そのためには、浄化中に、過度に速くないか又は過度に遅くない、適切な速度で金属還元バクテリアが増殖することが好ましいが、そのために、電子供与体としてオキシカルボン酸(oxycarboxylic acid)の有機酸が投入されることが好ましい。
好ましくは、制御部200は、放射性廃水に含有されたヨウ素核種とほぼ同量の銅イオンが形成されるように、銅イオン供給源を微生物浄化槽120に投入することができる。即ち、上述したように、廃水中にヨウ素核種とともに存在し得る他のアニオンによる影響を排除できるため、制御部200は、放射性廃水に含有されたヨウ素核種1mMを基準として、1mM〜1.5mMの銅イオンが廃水に形成されるように銅イオン供給源を微生物浄化槽120に供給することができる。1mM未満の銅イオンが形成されるように銅イオン供給源が投入される場合には、ヨウ素核種と1:1で結合できる銅イオンが足りないため、廃水中のヨウ素核種が完全に除去されない恐れがある。また、1.5mMを超過する銅イオンが形成されるように銅イオン供給源が投入される場合には、ヨウ素核種の除去効率の向上は微小であって、過度な銅イオン供給源によって浄化水が汚染される恐れがある。
微生物浄化槽120で金属還元バクテリアによるバイオミネラリゼーションメカニズムによって放射性ヨウ素核種が汚泥として沈殿されて、廃水の浄化が完了すると、制御部200は、汚泥排出管30及び汚泥排出ポンプ40を制御することで、微生物浄化槽120の下部に沈殿された汚泥を分離して排出した後、浄化水排出管50及び浄化水排出ポンプ60を制御することで、放射性核種が除去された浄化水を排出することができる。
上述したように、制御部200は、無酸素槽110に放射性廃水を流入させ、無酸素槽110に還元剤を投入して放射性廃水を嫌気化した後、嫌気化された放射性廃水を微生物浄化槽120に移送させ、微生物浄化槽120に電子供与体、金属還元バクテリア供給源、及び銅イオン供給源を順に投入(供給)してヨウ素核種をバイオバイオミネラリゼーションメカニズムにより汚泥として沈殿させた後、微生物浄化槽120に備えられた各排出口を介して汚泥及びヨウ素核種が除去された浄化水をそれぞれ分離して排出させることができる。
この際、無酸素槽110及び微生物浄化槽120それぞれに撹拌手段が備えられている場合、制御部200は、無酸素槽110で廃水の嫌気化が行われている間、及び微生物浄化槽120で嫌気化された廃水のバイオミネラリゼーションメカニズムによる浄化が行われている間に、撹拌がなされるように各撹拌手段を制御し、バイオミネラリゼーションメカニズムによる放射性ヨウ素核種の除去がなされた後には、沈殿がなされるように撹拌手段の作動を停止させて、所定時間静置状態に保つことができることは勿論である。
放射性廃水中のヨウ素核種の含量、処理される放射性廃水の量(処理体積、即ち、無酸素槽や微生物浄化槽のサイズ)などを考慮して、嫌気化時間、バイオミネラリゼーションメカニズムが行われる時間、及び汚泥としての沈殿のために静置する時間等を決定することができる。具体的且つ非限定的な例として、放射性ヨウ素1mMを含有する廃水及び1トンの廃水処理体積を基準として、制御部200は、無酸素槽110に還元剤を供給した後、嫌気化を1〜5時間行うことができ、微生物浄化槽120に電子供与体、金属還元バクテリア供給源、及び銅イオン供給源を供給した後、1〜10日間撹拌してヨウ素核種の結晶鉱物化を行った後、2〜12時間静置して、微生物浄化槽120の下部に汚泥が沈殿されるように無酸素槽110及び微生物浄化槽120を制御することができることは勿論である。
また、制御部200は、廃水の連続的な浄化が可能であるように、嫌気化された廃水が無酸素槽110から微生物浄化槽120に移動された後、微生物浄化槽120でバイオミネラリゼーションメカニズムによる浄化が行われている間に無酸素槽110で放射性廃水が嫌気化されるように、無酸素槽110及び微生物浄化槽120をそれぞれ制御することができることは勿論である。
ヨウ素アニオンによる影響とともに、CO3 2-、Cl-のように廃水によく存在するアニオンによる影響を観察するために、NaHCO3(3mM)、NaCl(1mM)、Na2SO4(1mM)及びヨウ素アニオン供給源としてNaI(1mM)を含有する水溶液を製造した。製造された水溶液に、銅イオン供給源としてCu(NO32・3H2O、電子供与体として乳酸ナトリウム(Na‐lactate)、金属還元バクテリアとしてデスルフォスポロシナス アウリピグメンティ(Desulfosporosinus auripigmenti)を用いた。銅イオン供給源の濃度は1mMであり、乳酸ナトリウムの濃度は10mMであって、金属還元バクテリアは、水溶液(100ml)にタンパク質量1ppm(質量ppm)のデスルフォスポロシナスが投入されるように、デスルフォスポロシナス培養液1mlを注入した。
図3は銅イオン供給源、電子供与体、及び金属還元バクテリアが投入された後、時間の経過につれて水溶液中に残留するヨウ素イオンの量(図3で「CO3+Cl+SiO4+Cu+バクテリア」)を測定して図示したものである。図3において、「CO3+Cl+SiO4+バクテリア」は、水溶液に銅イオン供給源を投入していないことを除き、同様の条件で実験を行った結果であり、図3において「CO3+Cl+SiO4」は、銅イオン供給源、電子供与体、及びバクテリアを投入していないことを除き、同様の条件で実験を行った結果である。
図3から分かるように、CO3 2-、Cl-、SO4 2-のようなアニオンが共存するにもかかわらず、大部分のヨウ素イオン(I-)が選択的に除去されることを確認することができた。また、銅イオンが供給される場合にのみ、ヨウ素の除去効果が達成されており、銅が供給されていない場合には、金属還元バクテリアが存在するにもかかわらず、ヨウ素の除去効果がほとんど達成されないことが分かる。また、銅イオン供給源による銅イオンの濃度とヨウ素イオン(I-)の濃度とが同一であるにもかかわらず、ヨウ素イオンが効果的に除去されることを確認することができる。即ち、2価の銅イオンが金属還元バクテリアによって1価の銅イオンとなり、ヨウ素イオンと1:1で結合することで、CuI結晶鉱物(図4参照)の形態で大部分が除去されることが分かる。この際、CO3 2-、Cl-、SO4 2-のような他のアニオンは、大部分収容液中に溶存形態で残っていた。
図4は反応9日後に水溶液の下部に沈殿されたスラリーを回収して電子顕微鏡で観察した写真である。図4から分かるように、ヨウ化銅(CuI)鉱物の結晶が非常によく発達されており、サイズがμm以上である非常に粗大な鉱物結晶が形成されることが確認された。回収されたスラリーを化学的に分析した結果、ヨウ素及び銅以外に他のアニオンはほとんど検出されず、少量の炭酸(CO3)が含有されていた。また、ヨウ化銅の結晶鉱物は、沈殿が容易に発生し、空気中でほとんど酸化されずに安定化された結晶鉱物の形態を維持した。
以上のように、特定事項と限定された実施例及び図面により本発明が説明されたが、これは本発明のより全体的な理解のために提供されたものに過ぎず、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、このような記載から多様な修正及び変形が可能である。
したがって、本発明の思想は上述の実施例に限定されて決まってはならず、添付する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求範囲と均等または等価的変形がある全てのものなどが本発明の思想の範疇に属するといえる。
110 無酸素槽
120 微生物浄化槽
111 還元剤保管槽
121 金属還元バクテリア供給源保管槽
122 電子供与体保管槽
123 銅イオン供給源保管槽
10 第1移送管
20 第1ポンプ
30 汚泥排出管
40 汚泥排出ポンプ
50 浄化水排出管
60 浄化水排出ポンプ
70 放射性廃水流入管
200 制御部

Claims (8)

  1. 放射性ヨウ素を含有する廃水が流入される無酸素槽と、
    前記無酸素槽と連通されて嫌気状態の廃水が流入され、金属還元バクテリア供給源(source)、電子供与体及び銅イオン供給源が供給される微生物浄化槽と、を含み、
    前記微生物浄化槽で、金属還元バクテリアにより放射性ヨウ素と銅イオンとが結合してヨウ化銅となって沈殿されて、前記廃水中の放射性ヨウ素が汚泥として除去される、放射性廃水浄化装置。
  2. 前記無酸素槽と前記微生物浄化槽とを開閉可能に連通させる第1移送管と、
    前記第1移送管と連結され、無酸素槽の廃水を微生物浄化槽に移送させる第1移送ポンプと、
    前記微生物浄化槽の下部と連通されて開閉可能に設けられる汚泥排出管と、
    前記汚泥排出管と連結され、前記微生物浄化槽の汚泥を排出させる汚泥排出ポンプと、をさらに含む、請求項1に記載の放射性廃水浄化装置。
  3. 前記微生物浄化槽とそれぞれ連結された金属還元バクテリア供給源保管槽と、電子供与体保管槽と、銅イオン供給源保管槽と、をさらに含む、請求項1又は2に記載の放射性廃水浄化装置。
  4. 制御部をさらに含み、
    前記制御部は、タンパク質量100ppm以下の金属還元バクテリアが投入されるように、金属還元バクテリア供給源を投入する、請求項1に記載の放射性廃水浄化装置。
  5. 前記制御部は、廃水に含有された放射性ヨウ素1mMを基準として、1mM〜1.5mMの銅イオンが生成されるように銅イオン供給源を投入する、請求項4に記載の放射性廃水浄化装置。
  6. 前記金属還元バクテリアは、シュードモナス(Pseudomonas)、シュワネラ(Shewanella)、クロストリジウム(Chlostridium)、デスルフォビブリオ(Desulfovibrio)、デスルフォスポロシナス(Desulfosporosinus)、デスルフォトマクラム(Desulfotomaculum)、アネロミキソバクター(Anaeromyxobacter)及びジオバクター(Geobacter)属から選択される何れか1つ又は2つ以上である、請求項1に記載の放射性廃水浄化装置。
  7. 前記金属還元バクテリア供給源は、金属還元バクテリア粉末又は金属還元バクテリアを含有する培養液である、請求項1に記載の放射性廃水浄化装置。
  8. 前記電子供与体は、カルボキシ基含有有機酸、スルホン酸基含有有機酸及び水素ガスから選択される1つ又は2つ以上である、請求項1に記載の放射性廃水浄化装置。
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