JP5638492B2 - 繊維強化プラスチック構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
また、コア材の表面の溝をなくし、フローメディアを強化繊維基材の表面に配置することも考えられる。しかし、この製造方法では、意匠層がFRP構造体の表面に一体成形されないので、意匠層を後工程でFRP構造体の表面に形成する必要があり、生産性が低下してしまう。
図1はこの発明の実施の形態1に係る繊維強化プラスチック構造体を示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る繊維強化プラスチック構造体の製造方法を説明する断面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る繊維強化プラスチック構造体の製造方法における樹脂拡散用の溝が形成された表面樹脂層を示す平面図、図4は図3のA部拡大図、図5は図4のV−V矢視断面図、図6はこの発明の実施の形態1に係る繊維強化プラスチック構造体の製造方法における表面樹脂層への樹脂拡散用の溝の形成工程を説明する工程断面図である。
第1樹脂拡散用の溝7aが第1表面樹脂層6aの第1繊維強化プラスチック層3a側の面に形成されているので、第1表面樹脂層6aの接着面積が増大するとともに、樹脂5が第1樹脂拡散用の溝7a内に充填されているので、くさび効果が作用する。そこで、第1表面樹脂層6aの接着強度が大きくなり、第1表面樹脂層6aの剥離の発生が抑えられる。
成形下型10の表面に塗布された第1ゲルコート層11aの表面に第1樹脂拡散用の溝7aを形成しているので、第1樹脂拡散用の溝7aをコア材2の表面に形成する必要がない。そこで、第1樹脂拡散用の溝7aをコア材2の表面に形成する煩雑な機械加工が不要となり、生産性が高められる。また、第1ゲルコート層11a(第1表面樹脂層6a)の接着面積が増大するので、第1ゲルコート層11a(第1表面樹脂層6a)の接着強度が大きくなり、第1ゲルコート層11a(第1表面樹脂層6a)の剥離の発生が抑えられる。さらに、成形下型10の表面模様が第1表面樹脂層6aの外表面に写されるので、意匠性が高められる。
第1樹脂拡散用の溝7aの溝方向と1層目の第1強化繊維織物13aの繊維方向とが45°ずれているので、第1強化繊維織物13aの繊維が第1樹脂拡散用の溝7a内に入り込まない。そこで、第1樹脂拡散用の溝7a内の液状の樹脂の流れが第1強化繊維織物13aの繊維に阻害されず、第1樹脂拡散用の溝7a内を液状の樹脂が面方向に効果的に拡散される。
また、上記実施の形態1では、格子状の溝相当部が突設された第1押し型材12を用いるものとしているが、第1押し型材としてフローメディア15を用い、フローメディア15を第1ゲルコート層11aに押し付けても、樹脂拡散用の溝を第1ゲルコート層の表面に形成できる。
図7はこの発明の実施の形態2に係る繊維強化プラスチック構造体を示す断面図、図8はこの発明の実施の形態2に係る繊維強化プラスチック構造体の製造方法を説明する断面図である。
この実施の形態2においても、成形下型10の表面および鋼板20の表面模様が第1および第2表面樹脂層6a,6bの外表面に写されるので、意匠性が高められる。
図9はこの発明の実施の形態3に係る繊維強化プラスチック構造体を示す断面図、図10はこの発明の実施の形態3に係る繊維強化プラスチック構造体の製造方法を説明する断面図である。
また、上記各実施の形態では、第1および第2ゲルコート層の表面に押し型材を押し付けて、押し型材に形成された溝相当部を第1および第2ゲルコート層の表面に刻装し、樹脂拡散用の溝を第1および第2ゲルコート層の表面に形成するものとしているが、第1および第2ゲルコート層の表面への樹脂拡散用の溝の形成方向はこれに限定されない。例えば、多数のローラを所定のピッチで軸方向に配列した治具を第1および第2ゲルコート層の表面上を縦横に走行させ、格子状の樹脂拡散用の溝を第1および第2ゲルコート層の表面に形成してもよい。また、第1および第2ゲルコート層を成形下型および鋼板の表面に形成し、格子状部材を第1および第2ゲルコート層上に載置し、さらにゲルコート樹脂を格子状部材が載置された第1および第2ゲルコート層に塗布した後、格子状部材を取り除いて、格子状の樹脂拡散用の溝を第1および第2ゲルコート層の表面に形成してもよい。
Claims (12)
- コア材と、上記コア材の少なくとも片面に重ねられて該コア材に固着された繊維強化プラスチック層と、上記繊維強化プラスチック層の表面を覆うように形成された表面樹脂層と、を備え、
上記表面樹脂層は、ゲルコート層であり、
溝が、上記ゲルコート層の上記繊維強化プラスチック層の表面に接する表面の全面に形成されており、
上記繊維強化プラスチック層のマトリックスを構成する樹脂が上記溝に充填されていることを特徴とする繊維強化プラスチック構造体。 - 上記溝は、溝相当部を上記ゲルコート層の表面に押し付けて形成された押圧溝であることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチック構造体。
- 上記溝は、縞状、格子状、ハニカム状、蜘蛛の巣状のいずれかの溝形状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の繊維強化プラスチック構造体。
- 成形下型の表面に第1ゲルコート層を形成する工程と、
上記第1ゲルコート層の上記成形下型と反対側の表面の全面に第1樹脂拡散用の溝を形成する工程と、
第1強化繊維基材とコア材とを重ねた状態で、該第1強化繊維基材を上記第1ゲルコート層に向けて上記成形下型内に配置する工程と、
上記コア材および上記第1強化繊維基材を封入するように封入用フィルムを上記成形下型に取り付ける工程と、
空気吸引口から該封入用フィルムの内部の空気を吸引して減圧する工程と、
減圧された上記封入用フィルムの内部に樹脂注入口から液状の樹脂を注入し、該液状の樹脂を上記第1樹脂拡散用の溝を流して上記第1強化繊維基材の面方向に拡散させて該第1強化繊維基材に含浸させ、硬化させる工程と、を備えた繊維強化プラスチック構造体の製造方法。 - 封入用フィルムを上記成形下型に取り付ける工程に先だって、第2強化繊維基材を上記コア材の上記第1強化繊維基材と反対側に重ねて上記成形下型内に配置する工程をさらに有し、
上記液状の樹脂を上記第1強化繊維基材に含浸させ、硬化させる工程において、該液状の樹脂を上記第2強化繊維基材に含浸させ、硬化させることを特徴とする請求項4記載の繊維強化プラスチック構造体の製造方法。 - 封入用フィルムを上記成形下型に取り付ける工程に先だって、成形上型の表面に第2ゲルコート層を形成し、該第2ゲルコート層の該成形上型と反対側の表面の全面に第2樹脂拡散用の溝を形成する工程と、上記第2ゲルコート層を上記第2強化繊維基材に向けて上記成形上型を該第2強化繊維基材の上に配置する工程と、をさらに有し、
封入用フィルムを上記成形下型に取り付ける工程において、上記コア材および上記強化繊維基材とともに、上記第2強化繊維基材および上記成形上型を封入し、
上記液状の樹脂を上記第1強化繊維基材に含浸させ、硬化させる工程において、該液状の樹脂を上記第2樹脂拡散用の溝を流して上記第2強化繊維基材の面方向に拡散させて上記第2強化繊維基材に含浸させ、硬化させることを特徴とする請求項5記載の繊維強化プラスチック構造体の製造方法。 - 成形上型の表面に第2ゲルコート層を形成する工程と、
上記第2ゲルコート層の上記成形上型と反対側の表面の全面に第2樹脂拡散用の溝を形成する工程と、
第2強化繊維基材とコア材とを重ねた状態で、該コア材を成形下型に向けて該成形下型内に配置する工程と、
上記第2ゲルコート層を上記第2強化繊維基材に向けて上記成形上型を該第2強化繊維基材の上に配置する工程と、
上記コア材、上記第2強化繊維基材および上記成形上型を封入するように封入用フィルムを上記成形下型に取り付ける工程と、
空気吸引口から該封入用フィルムの内部の空気を吸引して減圧する工程と、
減圧された上記封入用フィルムの内部に樹脂注入口から液状の樹脂を注入し、該液状の樹脂を上記第2樹脂拡散用の溝を流して上記第2強化繊維基材の面方向に拡散させて該第2強化繊維基材に含浸させ、硬化させる工程と、を備えた繊維強化プラスチック構造体の製造方法。 - 上記第2強化繊維基材と上記コア材とを上記成形下型内に配置する工程に先だって、第1強化繊維基材を上記成形下型内に配置し、
上記液状の樹脂を上記第2強化繊維基材に含浸させ、硬化させる工程において、該液状の樹脂を上記第1強化繊維基材に含浸させ、硬化させることを特徴とする請求項7記載の繊維強化プラスチック構造体の製造方法。 - 上記第1ゲルコート層の上記成形下型と反対側の表面の全面に第1樹脂拡散用の溝を形成する工程において、溝相当部が突設された第1押し型材を上記第1ゲルコート層の表面に押し付け、該溝相当部を該第1ゲルコート層の表面に刻装して、上記第1樹脂拡散用の溝を形成することを特徴とする請求項4記載の繊維強化プラスチック構造体の製造方法。
- 上記第2ゲルコート層の上記成形上型と反対側の表面の全面に第2樹脂拡散用の溝を形成する工程において、溝相当部が突設された第2押し型材を上記第2ゲルコート層の表面に押し付け、該溝相当部を該第2ゲルコート層の表面に刻装して、上記第2樹脂拡散用の溝を形成することを特徴とする請求項6又は請求項7記載の繊維強化プラスチック構造体の製造方法。
- 上記第1樹脂拡散用の溝は、上記第1ゲルコート層の上記樹脂注入口側から上記空気吸引口側に繋がった縞状、格子状、ハニカム状、蜘蛛の巣状のいずれか1つの溝形状に形成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項4又は請求項9記載の繊維強化プラスチック構造体の製造方法。
- 上記第2樹脂拡散用の溝は、上記第2ゲルコート層の上記樹脂注入口側から上記空気吸引口側に繋がった縞状、格子状、ハニカム状、蜘蛛の巣状のいずれか1つの溝形状に形成されていることを特徴とすることを特徴とする請求項6、請求項7および請求項10のいずれか1項に記載の繊維強化プラスチック構造体の製造方法。
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