JP5638417B2 - スチールコード被覆用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤ - Google Patents

スチールコード被覆用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP5638417B2
JP5638417B2 JP2011033558A JP2011033558A JP5638417B2 JP 5638417 B2 JP5638417 B2 JP 5638417B2 JP 2011033558 A JP2011033558 A JP 2011033558A JP 2011033558 A JP2011033558 A JP 2011033558A JP 5638417 B2 JP5638417 B2 JP 5638417B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
filler
rubber latex
mass
steel cord
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011033558A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012172016A (ja
Inventor
隆義 木村
隆義 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tire and Rubber Co Ltd filed Critical Toyo Tire and Rubber Co Ltd
Priority to JP2011033558A priority Critical patent/JP5638417B2/ja
Publication of JP2012172016A publication Critical patent/JP2012172016A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5638417B2 publication Critical patent/JP5638417B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Tires In General (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Description

本発明は、スチールコード被覆用ゴム組成物およびその製造方法に関し、特に、空気入りタイヤのベルト、カーカス、チェーハーなどのスチールコードを被覆するためのトッピングゴムとして好適に用いられるゴム組成物およびその製造方法、ならびに該ゴム組成物をスチールコードのトッピングゴムに用いた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤ、特にラジアルタイヤでは、乗用車タイヤのベルト層、トラック・バス用など大型タイヤのベルト、カーカス、チェーハー層などの補強材としてスチールコードが多用されている。タイヤの使用期間が長期化する中、スチールコードによる補強効果を高め、耐久性を長期にわたり維持することが重要視されており、スチールコードを被覆するゴム組成物にはスチールコードとの優れた接着性が要求されている。
下記特許文献1および2には、シリカを含有するゴム組成物において、シランカップリング剤とともに、ホウ酸亜鉛やホウ酸を配合したものが開示されている。しかしながら、これらはホウ酸化合物をシランカップリング剤の反応効率向上のために配合したものであり、スチールコードとゴムの接着性向上を目的としたものではない。
また、下記特許文献3では、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、無機ホウ酸金属塩およびホウ酸エステルのうち少なくとも1種と、フェノール類化合物またはフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂と、そのメチレン供与体としてのヘキサメチレンテトラミンまたはメラミン誘導体と、を併用したスチールコード被覆用ゴム組成物が記載されている。かかるゴム組成物の加硫ゴムは、初期接着性、耐熱接着性および湿熱接着性の全ての接着性がバランス良く向上するが、本発明者が鋭意検討した結果、加硫ゴムの低発熱性および耐疲労性の点で、さらなる改良の余地があることが判明した。
ところで、従来からゴム業界においては、カーボンブラックなどの充填材を含有するゴム組成物を製造する際の加工性や充填材の分散性を向上させるために、ゴムウエットマスターバッチを用いることが知られている。これは、充填材と分散溶媒とを予め一定の割合で混合し、機械的な力で充填材を分散溶媒中に分散させた充填材含有スラリー溶液と、ゴムラテックス溶液と、を液相で混合し、その後、酸などの凝固剤を加えて凝固させたものを回収して乾燥するものである。ゴムウエットマスターバッチを用いる場合、充填材とゴムとを固相で混合して得られるゴムドライマスターバッチを用いる場合に比べて、充填材の分散性に優れ、加工性や補強性などのゴム物性に優れるゴム組成物が得られる。このようなゴム組成物を原料とすることで、例えば低発熱性と耐疲労性に優れた空気入りタイヤなどのゴム製品を製造することができる。
天然ゴムウエットゴムマスターバッチの製造方法として、下記特許文献4では、カーボンブラックなどの充填材をあらかじめ水中に分散させたスラリー溶液と、天然ゴムラテックスとを混合する工程を含む天然ゴムウエットマスターバッチの製造方法であって、スラリー溶液中の充填材の粒度分布を90体積%粒径(D90)で30μm以下に調整した天然ゴムマスターバッチの製造方法が記載されている。また、天然ゴムウエットマスターバッチゴム組成物として、下記特許文献5では、カーボンブラックをあらかじめ水中に分散させたスラリー溶液と天然ゴムラテックスとを混合してなる製造方法により得られた天然ゴムウエットマスターバッチゴム組成物が記載されている。
特開2007−084756号公報 特開2007−077322号公報 特開2010−235674号公報 特開2004−99625号公報 特開2006−213804号公報
しかしながら、本発明者らの鋭意検討の結果、上述した特許文献に記載の製造方法で得られた天然ゴムウエットマスターバッチゴム組成物の加硫ゴムでは、発熱性、強度、および耐疲労性の点でさらなる改良の余地があることが判明した。加えて、これらの特許文献に記載の製造方法では、カーボンブラックをあらかじめ水中に分散させたスラリー溶液を天然ゴムラテックスと混合する工程を有するところ、スラリー溶液調整後に天然ゴムラテックスとの混合工程までに時間を要する場合、スラリー溶液中でカーボンブラックなどの充填材の再凝集が進行し易く、かつ天然ゴムウエットマスターバッチとした後でも、充填材の再凝集が進行し易く、最終的なゴム組成物中にて局所的なカーボンブラックの分散不良が発生する恐れがあることが判明した。スラリー溶液中、さらには天然ゴムウエットマスターバッチ中で充填材の再凝集が進行し、局所的なカーボンブラックの分散不良が発生すると、発熱性、強度、および耐疲労性の点で、物性の低下が見られる。したがって、ゴムウエットマスターバッチの製造工程では、最終的な加硫ゴムの物性を考慮した場合、さらなる改良の余地があるのが実情であった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、初期接着性、耐熱接着性および湿熱接着性がバランス良く改良され、かつ発熱性、および耐疲労性に優れた加硫ゴムの原料となるゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。即ち、本発明に係るスチールコード被覆用ゴム組成物は、少なくとも充填材、分散溶媒、およびゴムラテックス溶液を原料として得られたゴムウエットマスターバッチと、下記一般式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、第13族元素を有する無機金属化合物と、を含有する。

(式中、Rは、水素、炭素数1〜10の直鎖アルキル基、または炭素数3〜10の分岐アルキル基であり、Rは、炭素数1〜10の直鎖アルキル基、または炭素数3〜10の分岐アルキル基である。)
ゴムウエットマスターバッチは、充填材が均一に分散し、経時的な充填材の分散安定性に優れている。したがって、かかるゴムウエットマスターバッチを含有することで、スチールコード被覆用ゴム組成物の加硫ゴムの発熱性、および耐疲労性が向上する。また、加硫促進剤として上記特定のスルフェンアミド系加硫促進剤を用いるとともに、上記特定の無機金属化合物を併用することにより、スチールコード被覆用ゴム組成物の加硫ゴムの初期接着性、耐熱接着性、および湿熱接着性がバランス良く向上する。
上記スチールコード被覆用ゴム組成物において、前記ゴムウエットマスターバッチが、前記充填材を前記分散溶媒中に分散させる際に、前記ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材を含有するスラリー溶液を製造後、前記スラリー溶液と残りの前記ゴムラテックス溶液とを混合し、次いで凝固・乾燥して得られたものであることが好ましい。充填材を分散溶媒中に分散させる際に、ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより製造された、ゴムラテックス粒子が付着した充填材は、ラテックス溶液中で分散安定性に優れ、充填材の再凝集が抑制される。したがって、ゴムラテックス粒子が付着した充填材を含有するスラリー溶液と残りのゴムラテックス溶液とを混合し、次いで凝固・乾燥して得られたゴムウエットマスターバッチにおいても、充填材が均一に分散し、経時的な充填材の分散安定性にも優れる。その結果、スチールコード被覆用ゴム組成物の加硫ゴムの発熱性、および耐疲労性がさらに向上する。
上記スチールコード被覆用ゴム組成物において、前記ゴムウエットマスターバッチが含有するゴム成分100質量部に対し、前記スルフェンアミド系加硫促進剤を0.1〜3質量部、前記無機金属化合物を0.2〜15質量部含有することが好ましい。かかる構成によれば、スチールコード被覆用ゴム組成物の加硫ゴムの初期接着性、耐熱接着性、および湿熱接着性がさらにバランス良く向上する。
上記スチールコード被覆用ゴム組成物において、前記無機金属化合物が、第13族元素としてホウ素またはアルミニウムを有することが好ましい。また、上記スチールコード被覆用ゴム組成物において、前記ゴムウエットマスターバッチが含有するゴム成分の全量を100質量部としたとき、天然ゴムを30〜100質量部、ジエン系合成ゴムを0〜70質量部含有し、かつ前記充填材として、カーボンブラックを1〜150質量部、シリカを40質量部未満含有し(ただし、前記カーボンブラックおよび前記シリカの合計量は20〜150質量部)、硫黄を1〜10質量部含有することが好ましい。これらの構成によれば、初期接着性、耐熱接着性および湿熱接着性が特にバランス良く改良され、かつ発熱性、および耐疲労性が非常に優れたものとなる。
上述のとおり、本発明に係るスチールコード被覆用ゴム組成物の加硫ゴムは、初期接着性、耐熱接着性および湿熱接着性がバランス良く改良され、かつ発熱性、および耐疲労性に優れる。したがって、前記いずれかに記載のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて得られた空気入りタイヤ、特に前記いずれかに記載のスチールコード被覆用ゴム組成物をベルトトッピングゴムに用いて得られた空気入りタイヤでは、耐久性が向上する。
本発明に係るスチールコード被覆用ゴム組成物の製造方法は、充填材を分散溶媒中に分散させる際に、ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材を含有するスラリー溶液を製造する工程(I)と、前記スラリー溶液と、残りの前記ゴムラテックス溶液とを混合して、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材含有ゴムラテックス溶液を製造する工程(II)と、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材含有ゴムラテックス溶液を凝固・乾燥して、ゴムウエットマスターバッチを製造する工程(III)と、前記ゴムウエットマスターバッチと、下記一般式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、第13族元素を有する無機金属化合物と、を乾式混合する工程(IV)と、を含むことを特徴とする。

(式中、Rは、水素、炭素数1〜10の直鎖アルキル基、または炭素数3〜10の分岐アルキル基であり、Rは、炭素数1〜10の直鎖アルキル基、または炭素数3〜10の分岐アルキル基である。)
上記製造方法によれば、充填材を分散溶媒中に分散させる際に、ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、ゴムラテックス粒子が付着した充填材を含有するスラリー溶液を製造する(工程(I))。これにより、充填材の表面の一部あるいは全部に、極薄いラテックス相が生成し、工程(II)において残りのゴムラテックス溶液と混合する際、充填材の再凝集を防止することができ、かつゴムラテックス粒子が付着した充填材含有ゴムラテックス溶液を凝固・乾燥する工程(III)においても、充填材の再凝集を抑制することができる。その結果、充填材が均一に分散し、経時的にも充填材の分散安定性に優れたゴムウエットマスターバッチを製造することができる。かかるウエットマスターバッチは充填材が均一に分散し、かつ経時的な分散材の再凝集も抑制されているため、これを原料として得られる加硫ゴムでは、発熱性、および耐疲労性が著しく向上する。
なお、上記製造方法では、単に充填材を分散溶媒中に分散させてスラリー溶液を製造する場合に比べて、スラリー溶液中の充填材の分散性に優れ、かつ充填材の再凝集を防止することができるため、スラリー溶液の保存安定性にも優れるという効果も奏する。
さらに、工程(IV)において、ゴムウエットマスターバッチと、特定のスルフェンアミド系加硫促進剤と、特定の第13族元素を有する無機金属化合物と、を乾式混合することにより、スチールコード被覆用ゴム組成物の加硫ゴムの初期接着性、耐熱接着性、および湿熱接着性がバランス良く向上する。
上記ゴムウエットマスターバッチの製造方法では、前記工程(I)において、添加する前記ゴムラテックス溶液の固形分(ゴム)量が、前記充填材との質量比で0.25〜15%であることが好ましい。また、前記工程(I)において、添加する前記ゴムラテックス溶液中の固形分(ゴム)濃度が、0.2〜5質量%であることが好ましい。これらの場合、ゴムラテックス粒子を充填材に確実に付着させつつ、充填材の分散度合いを高めたゴムウエットマスターバッチを製造することができる。
上記ゴムウエットマスターバッチの製造方法において、前記工程(I)が、あらかじめ前記ゴムラテックス溶液の少なくとも一部と前記分散溶媒とを混合した後、前記充填材を添加し、分散させることにより、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材を含有する前記スラリー溶液を製造する工程であることが好ましい。かかる製造方法によれば、工程(I)において、より確実かつより均一にゴムラテックス粒子が充填材に付着する。これにより、ゴムウエットマスターバッチを製造する全過程において、充填材の再凝集をより確実に抑制することができる。
上記ゴムウエットマスターバッチの製造方法では、前記工程(I)において、前記スラリー溶液中、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材の90%体積粒径(D90)が31μm以上であることが好ましい。この場合、スラリー溶液中のカーボンブラックの分散性に優れ、かつカーボンブラックの再凝集を防止することができるため、スラリー溶液の保存安定性に優れると共に、最終的な加硫ゴムの発熱性、および耐疲労性が特に向上する。
本発明に係るスチールコード被覆用ゴム組成物は、少なくとも充填材、分散溶媒、およびゴムラテックス溶液を原料として得られたゴムウエットマスターバッチと、スルフェンアミド系加硫促進剤と、第13族元素を有する無機金属化合物と、を含有する。
本発明において、充填材とは、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムなど、ゴム工業において通常使用される無機充填材を意味する。上記無機充填材の中でも、本発明においてはカーボンブラックを特に好適に使用することができる。
カーボンブラックとしては、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなど、通常のゴム工業で使用されるカーボンブラックの他、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックは、通常のゴム工業において、そのハンドリング性を考慮して造粒された、造粒カーボンブラックであってもよく、未造粒カーボンブラックであってもよい。
分散溶媒としては、特に水を使用することが好ましいが、例えば有機溶媒を含有する水であってもよい。
ゴムラテックス溶液としては、天然ゴムラテックス溶液および合成ゴムラテックス溶液を使用することができる。
天然ゴムラテックス溶液は、植物の代謝作用による天然の生産物であり、特に分散溶媒が水である、天然ゴム/水系のものが好ましい。本発明において使用する天然ゴムラテックス中の天然ゴムの数平均分子量は、200万以上であることが好ましく、250万以上であることがより好ましい。合成ゴムラテックス溶液としては、例えばスチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴムを乳化重合により製造したものがある。
以下に、ゴムウエットマスターバッチの製造工程(工程(I)〜(III))について説明する。特に、本実施形態では、充填材としてカーボンブラック、ゴムラテックス溶液として、天然ゴムラテックス溶液を使用した例について説明する。この場合、カーボンブラックの分散度合いが非常に高く、かつ加硫ゴムとしたときの発熱性、および耐疲労性をさらに向上したゴムウエットマスターバッチを製造することができる。また天然ゴムラテックスについては濃縮ラテックスやフィールドラテックスといわれる新鮮ラテックスなど区別なく使用できる。
ゴムウエットマスターバッチの製造工程は、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させる際に、天然ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造する工程(I)と、スラリー溶液と、残りの天然ゴムラテックス溶液とを混合して、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を製造する工程(II)と、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を凝固・乾燥する工程(III)とを含む。
(1)工程(I)
工程(I)では、カーボンブラックを分散溶媒中に分散させる際に、天然ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造する。天然ゴムラテックス溶液は、あらかじめ分散溶媒と混合した後、カーボンブラックを添加し、分散させても良い。また、分散溶媒中にカーボンブラックを添加し、次いで所定の添加速度で、天然ゴムラテックス溶液を添加しつつ、分散溶媒中でカーボンブラックを分散させても良く、あるいは分散溶媒中にカーボンブラックを添加し、次いで何回かに分けて一定量の天然ゴムラテックス溶液を添加しつつ、分散溶媒中でカーボンブラックを分散させても良い。天然ゴムラテックス溶液が存在する状態で、分散溶媒中にカーボンブラックを分散させることにより、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造することができる。工程(I)における天然ゴムラテックス溶液中のゴム成分の添加量としては、使用する天然ゴムラテックス溶液中のゴム成分の全量(工程(I)および工程(II)で添加する全量)に対して、0.075〜12質量%が例示される。
工程(I)では、添加する天然ゴムラテックス溶液の固形分(ゴム)量が、カーボンブラックとの質量比で0.25〜15%であることが好ましく、0.5〜6%であることが好ましい。また、添加する天然ゴムラテックス溶液中の固形分(ゴム)濃度が、0.2〜5質量%であることが好ましく、0.25〜1.5質量%であることがより好ましい。これらの場合、天然ゴムラテックス粒子をカーボンブラックに確実に付着させつつ、カーボンブラックの分散度合いを高めたゴムウエットマスターバッチを製造することができる。
工程(I)において、天然ゴムラテックス溶液存在下でカーボンブラックおよび分散溶媒を混合する方法としては、高せん断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機を使用してカーボンブラックを分散させる方法が挙げられる。
上記「高せん断ミキサー」とは、ローターとステーターとを備えるミキサーであって、高速回転が可能なローターと、固定されたステーターと、の間に精密なクリアランスを設けた状態でローターが回転することにより、高せん断作用が働くミキサーを意味する。このような高せん断作用を生み出すためには、ローターとステーターとのクリアランスを0.8mm以下とし、ローターの周速を5m/s以上とすることが好ましい。このような高せん断ミキサーは、市販品を使用することができ、例えばSILVERSON社製「ハイシアーミキサー」が挙げられる。
本発明においては、天然ゴムラテックス溶液存在下でカーボンブラックおよび分散溶媒を混合し、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックを含有するスラリー溶液を製造する際、カーボンブラックの分散性向上のために界面活性剤を添加しても良い。界面活性剤としては、ゴム業界において公知の界面活性剤を使用することができ、例えば非イオン性界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン系界面活性剤などが挙げられる。また、界面活性剤に代えて、あるいは界面活性剤に加えて、エタノールなどのアルコールを使用しても良い。ただし、界面活性剤を使用した場合、最終的な加硫ゴムのゴム物性が低下することが懸念されるため、界面活性剤の配合量は、天然ゴムラテックス溶液の固形分(ゴム)量100質量部に対して、2質量部以下であることが好ましく、1質量部以下であることがより好ましく、実質的に界面活性剤を使用しないことが好ましい。
工程(I)において製造されるスラリー溶液中、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックは、90%体積粒径(μm)(「D90」)が、31μm以上であることが好ましく、35μm以上であることがより好ましい。この場合、スラリー溶液中のカーボンブラックの分散性に優れ、かつカーボンブラックの再凝集を防止することができるため、スラリー溶液の保存安定性に優れると共に、最終的な加硫ゴムの発熱性、および耐疲労性にも優れる。なお、本発明において天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックのD90は、カーボンブラックに加えて、付着した天然ゴムラテックス粒子も含めて測定した値を意味するものとする。
(2)工程(II)
工程(II)では、スラリー溶液と、残りの天然ゴムラテックス溶液とを混合して、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を製造する。スラリー溶液と、残りの天然ゴムラテックス溶液とを液相で混合する方法は特に限定されるものではなく、スラリー溶液および残りの天然ゴムラテックス溶液とを高せん断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機を使用して混合する方法が挙げられる。必要に応じて、混合の際に分散機などの混合系全体を加温してもよい。
残りの天然ゴムラテックス溶液は、次工程(III)での乾燥時間・労力を考慮した場合、工程(I)で添加した天然ゴムラテックス溶液よりも固形分(ゴム)濃度が高いことが好ましく、具体的には固形分(ゴム)濃度が10〜60質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。
(3)工程(III)
工程(III)では、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有ゴムラテックス溶液を凝固・乾燥する。凝固・乾燥方法としては、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有ゴムラテックス溶液中に凝固剤を含有させて、凝固後に乾燥させる凝固乾燥方法であってもよく、凝固させることなく乾燥させる乾固方法であってもよい。
凝固乾燥方法で使用する凝固剤としては、ゴムラテックス溶液の凝固用として通常使用されるギ酸、硫酸などの酸や、塩化ナトリウムなどの塩を使用することができる。
カーボンブラック含有天然ゴムラテックス溶液の乾燥方法としては、オーブン、真空乾燥機、エアードライヤーなどの各種乾燥装置を使用することができる。
本発明においては、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラックを含有するスラリー溶液と天然ゴムラテックス溶液とを液相で混合して得られた天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有ゴムラテックス溶液中に、凝集剤を含有させた後、得られた凝集体を回収し、乾燥させてもよい。凝集剤としては、ゴムラテックス溶液の凝集剤として公知のものを限定なく使用でき、具体的には例えば、カチオン性凝集剤が挙げられる。
工程(III)後に得られるゴムウエットマスターバッチは、ゴム100質量部に対して充填材として、カーボンブラックを1〜150質量部、シリカを40質量部未満含有することが好ましく(ただし、カーボンブラックおよびシリカの合計量は20〜150質量部)、カーボンブラックを20〜100質量部、シリカを30質量部未満含有することが好ましい。この場合、充填材の分散度合いと、加硫ゴムとしたときの発熱性および耐疲労性とを、バランス良く向上したゴムウエットマスターバッチを製造することができる。
工程(III)後に得られる天然ゴムウエットマスターバッチは、含有する充填材、特にカーボンブラックが均一に分散し、経時的なカーボンブラックの分散安定性に優れる。
(4)工程(IV)
工程(III)後に得られるゴムウエットマスターバッチと、下記一般式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、第13族元素を有する無機金属化合物と、を乾式混合することにより、本発明に係るスチールコード被覆用ゴム組成物を製造する(工程(IV))。加硫促進剤として上記特定のスルフェンアミド系加硫促進剤を用いるとともに、上記特定の無機金属化合物を併用することにより、スチールコード被覆用ゴム組成物の加硫ゴムの初期接着性、耐熱接着性、および湿熱接着性がバランス良く向上する。

(式中、Rは、水素、炭素数1〜10の直鎖アルキル基、または炭素数3〜10の分岐アルキル基であり、Rは、炭素数1〜10の直鎖アルキル基、または炭素数3〜10の分岐アルキル基である。)Rが水素以外の場合、RとRは同一でも異なってもよい。好ましくは、Rは直鎖アルキル基または分岐アルキル基であり、Rは分岐アルキル基である。
上記RおよびRにおけるアルキル基は、直鎖のアルキル基、または分岐構造を持つアルキル基であり、シクロアルキル基のような環状構造を持つものは含まれない。直鎖アルキル基の炭素数は1〜10であるが、より好ましくは1〜8であり、更に好ましくは1〜6である。分岐アルキル基の炭素数は3〜10であるが、より好ましくは3〜8である。これらアルキル基の好ましい具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2−エチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、n−ノニル基、2−エチルヘプチル基、n−デシル基、2−エチルオクチル基などが挙げられる。
式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤の具体例としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(BBS)、N−エチル−N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−n−プロピル−N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−イソプロピル−N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−n−ブチル−N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−イソブチル−N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−sec−ブチル−N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ(2−メチルヘキシル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなどが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、より好ましくは、N−エチル−N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−n−プロピル−N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ(2−メチルヘキシル)−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドを用いることである。
式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤の配合量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜3質量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜2質量部である。0.1質量部未満では、加硫が不十分となる場合があり、逆に、3質量部を超えると、ゴムとスチールコードとの接着性が悪化する場合がある。
本発明に係るゴム組成物において、加硫促進剤としては、基本的には、式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤を単独で用いるが、本発明の効果を損なわない限り、他の加硫促進剤を併用してもよい。他の加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などの加硫促進剤が挙げられる。
本発明に係るゴム組成物には、式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤とともに、第13族元素を有する無機金属化合物が配合される。かかる無機金属化合物を配合することにより、式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤を単独で用いた場合における不十分な接着性を改善して、初期接着性、耐熱接着性、湿熱接着性がいずれも良好なゴム組成物とすることができる。
第13族元素とは、元素周期表の第13族に属する元素であり(族番号はIUPAC勧告に従う。)、これには、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)が含まれる。これらの中でも、ホウ素、アルミニウム、ガリウムが好ましく、より好ましくはホウ素、アルミニウムである。すなわち、第13族元素を有する無機金属化合物としては、ホウ素またはアルミニウムを有する無機金属化合物が特に好ましく用いられる。
ホウ素を有する無機金属化合物としては、無機ホウ酸金属塩が特に好ましくは用いられる。なお、ホウ酸化合物としては、ホウ酸三ネオデカン酸などのホウ素含有有機酸の金属塩をゴム組成物に配合することも知られているが、このような有機酸の金属塩では、ゴム組成物の未加硫特性において粘度が上昇するなどの不具合が生ずるおそれがある。無機ホウ酸金属塩であれば、このような不具合がなく、上記のように接着性を改善することができる。
無機ホウ酸金属塩としては、ホウ酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩)、亜鉛塩、アルミニウム塩などの各種金属塩が挙げられる。無機ホウ酸金属塩の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛3.5水和物(2ZnO・3B・3.5HO)、四ホウ酸亜鉛(ZnB)、メタホウ酸亜鉛(Zn(BO)、塩基性ホウ酸亜鉛(ZnB・2ZnO)などのホウ酸亜鉛;メタホウ酸バリウム(n(BaO・B・HO))などのホウ酸バリウム;ホウ酸マグネシウム(2MgO・3B・nHO);ホウ酸カルシウム(CaO・B・nHO);メタホウ酸ナトリウム(NaBO・4HO)、二ホウ酸ナトリウム(Na・HO)、四ホウ酸ナトリウム(Na)、五ホウ酸ナトリウム(NaB・5HO)、六ホウ酸ナトリウム(Na10)、八ホウ酸ナトリウム(Na13)などのホウ酸ナトリウム;メタホウ酸カリウム(KBO)、四ホウ酸カリウム(K)、五ホウ酸カリウム(KB)、六ホウ酸カリウム(K10)、八ホウ酸カリウム(K13)などのホウ酸カリウム;ホウ酸アルミニウム(9Al・2B)などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
アルミニウムを有する無機金属化合物としては、無機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。アルミニウムはそれ自身が金属であるため、該無機金属化合物としては、ホウ素のように他の金属元素を含む必要はない。無機アルミニウム化合物としては、酸化アルミニウム(Al)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、硫酸アルミニウム(Al(SO・16HO)、硫酸カリウムアルミニウム(AlK(SO・12HO)などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。また、無機ホウ酸金属塩と無機アルミニウム化合物を併用して配合してもよい。
第13族元素を有する無機金属化合物の配合量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.2〜15質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。0.2質量部未満、あるいは15質量部を超えた場合、初期接着性、耐熱接着性、湿熱接着性のいずれかにおいて、改良効果が小さくなる場合がある。
本発明に係るゴム組成物には、メチレン受容体とメチレン供与体を配合してもよい。メチレン受容体の水酸基とメチレン供与体のメチレン基とが硬化反応することにより、ゴムとスチールコードの接着性を更に向上することができる。
メチレン受容体としては、フェノール類化合物、またはフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂が用いられる。該フェノール類化合物としては、フェノール、レゾルシンまたはこれらのアルキル誘導体が含まれる。アルキル誘導体には、クレゾール、キシレノールといったメチル基誘導体の他、ノニルフェノール、オクチルフェノールといった比較的長鎖のアルキル基による誘導体が含まれる。フェノール類化合物は、アセチル基などのアシル基を置換基に含むものであってもよい。
また、フェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂には、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂(即ち、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)、クレゾール樹脂(即ち、クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂)などの他、複数のフェノール類化合物からなるホルムアルデヒド樹脂が含まれる。これらは、未硬化の樹脂であって、液状または熱流動性を有するものが用いられる。
これらの中でも、ゴム成分や他の成分との相溶性、硬化後の樹脂の緻密さおよび信頼性の見地から、メチレン受容体としてはレゾルシンまたはレゾルシン誘導体が好ましく、特には、レゾルシン、またはレゾルシン−アルキルフェノール共縮合ホルマリン樹脂が好ましく用いられる。
これらフェノール類化合物またはフェノール系樹脂の配合量としては、ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは0.5〜4質量部である。
上記メチレン供与体としては、ヘキサメチレンテトラミンまたはメラミン誘導体が用いられる。該メラミン誘導体としては、例えば、メチロールメラミン、メチロールメラミンの部分エーテル化物、メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物などが用いられ、その中でもヘキサメトキシメチルメラミンが特に好ましい。
ヘキサメチレンテトラミンまたはメラミン誘導体の配合量としては、ジエン系ゴム成分100質量部に対して0.2〜20質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜8質量部である。
本発明に係るゴム組成物には、接着性を更に向上させるために有機酸金属塩を配合してもよい。有機酸金属塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、オレイン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、マレイン酸コバルトなどの有機酸コバルト塩の他に、有機酸ニッケル塩、有機酸モリブデン塩などが挙げられ、この中でも加工性の点からナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルトが特に好ましい。
有機酸金属塩の配合量としては、ジエン系ゴム成分100質量部に対し、金属分換算で0.03〜0.40質量部であることが好ましい。0.03質量部未満であると初期接着性向上の効果が小さく、逆に0.40質量部を超えても接着性向上効果は得がたく、また酸化促進作用が大きくなり耐湿熱接着や耐熱接着性が低下する傾向となる。
本発明に係るゴム組成物においては、必要に応じて硫黄系加硫剤、シリカ、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫促進助剤、加硫遅延剤、有機過酸化物、老化防止剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤を配合することにより、本発明に係るゴム組成物を製造することができる。
硫黄系加硫剤としての硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。本発明に係るゴム組成物における硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましい。硫黄の含有量が1質量部未満であると、加硫ゴムの架橋密度が不足してゴム強度などが低下し、10質量部を超えると、特に耐熱性および耐疲労性の両方が悪化する。加硫ゴムのゴム強度を良好に確保し、耐熱性と耐疲労性をより向上するためには、硫黄の含有量がゴム成分100質量部に対して3〜8質量部であることがさらに好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、ゴムウエットマスターバッチ、スルフェンアミド系加硫促進剤および第13族元素を有する無機金属化合物に加えて、必要に応じて、メチレン受容体とメチレン供与体、有機酸金属塩、硫黄系加硫剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫促進助剤、加硫遅延剤、有機過酸化物、老化防止剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などを、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなどの通常のゴム工業において使用される混練機を用いて混練りすることにより得られる。
また、上記各成分の配合方法は特に限定されず、硫黄系加硫剤、および加硫促進剤などの加硫系成分以外の配合成分を予め混練してマスターバッチとし、残りの成分を添加してさらに混練する方法、各成分を任意の順序で添加し混練する方法、全成分を同時に添加して混練する方法などのいずれでもよい。
本発明に係るスチールコード被覆用ゴム組成物の加硫ゴムは、初期接着性、耐熱接着性および湿熱接着性がバランス良く改良され、かつ発熱性、および耐疲労性に優れる。したがって、本発明に係るスチールコード被覆用ゴム組成物をスチールコードのトッピングゴムに使用することにより製造されたベルト層、カーカス層および/またはチェーハー層などを備える空気入りタイヤは、特に耐久性に優れる。
以下に、この発明の実施例を記載してより具体的に説明する。使用原料および使用装置は以下のとおりである。
(使用原料)
a)天然ゴム(NR)
天然ゴム濃縮ラテックス溶液;レヂテックス社製((DRC(Dry Rubber Content))=60%)を蒸留水で25質量%に希釈したもの
RSS#3
b)充填材
カーボンブラック「N326」 「シースト300」;東海カーボン社製
c)第13族元素を有する無機金属化合物
ホウ酸亜鉛3.5水和物(2ZnO・3B・3.5HO) 「ファイヤーブレイクZB EF」;ボラックス社製
ホウ酸マグネシウム(2MgO・3B・nHO);富田製薬社製
酸化アルミニウム(Al);昭和電工社製
水酸化アルミニウム(Al(OH)) 「ハイジライト」;昭和電工社製
d)亜鉛華 「亜鉛華3号」;三井金属鉱業社製
e)老化防止剤 「サントフレックス6PPD」;フレキシス社製
f)レゾルシン;住友化学工業社製
g)ヘキサメトキシメチルメラミン 「サイレッツ963L」;三井サイテック社製
h)ステアリン酸コバルト(Co分9.5%);ジャパンエナジー社製
i)不溶性硫黄 「ミュークロンHS OT−20」;フレキシス社製
j)加硫促進剤
DCBS(一般式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤) 「ノクセラーDZ−G」;大内新興化学社製
BEBS(一般式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤) 「N−エチル−N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド」
BEHZ(一般式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤) 「BEHZ」;川口化学工業社製
BBS(一般式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤) 「ノクセラーNS−P」;大内新興化学社製
(評価)
評価は、各ゴム組成物を所定の金型を使用して、150℃で30分間加熱、加硫して得られたゴムについて行った。
(1)加硫ゴムの発熱性
JIS K6265に準じて、製造した加硫ゴムの発熱性を、損失正接tanδにより評価した。なお、tanδは、UBM社製レオスペクトロメーターE4000を使用し、50Hz、80℃、動的歪2%の状態で測定し、その測定値を指標化した。評価は、比較例1を100としたときの指数評価で示し、数値が小さいほど発熱性が低く、良好であることを意味する。
(2)加硫ゴムの耐疲労性
製造した加硫ゴムの耐疲労性を、JIS K6260に準拠して評価した。評価は、比較例1を100としたときの指数評価で示し、数値が大きいほど良好な耐疲労性を示す。
(3)加硫ゴムの初期接着性(%)
未加硫のゴム組成物をシーティングして、厚さ1mmのゴムシートを作製した。かかるゴムシート上に、黄銅メッキが施されたスチールコードを17本/25mmの間隔で並べ、その上に、ゴムシート、スチールコード、およびゴムシートを、この順番で積層することにより、2層のスチールコード層を3層のゴム層で挟んだ、被覆ゴム−スチールコード未加硫複合体のサンプルを作製した。かかる未加硫サンプルを150℃で30分間加硫して、被覆ゴム−スチールコード複合体のサンプルを作製した。かかるサンプルを、島津製作所(株)製オートグラフ「DCS500」を用いて、2層のスチールコード層間の剥離試験を行い、剥離後のスチールコードのゴム被覆率を目視にて観察し、初期接着性を0〜100%で評価した。数値が大きいほど初期接着性に優れることを意味する。
(4)加硫ゴムの湿熱老化後の接着性(%)
上記(3)で作製した「2層のスチールコード層を3層のゴム層で挟んだ、被覆ゴム−スチールコード未加硫複合体のサンプル」を、105℃×96時間、湿熱環境下で老化させ、老化後の接着性を上記(3)と同様の方法により評価した。
製造例1
0.5質量%に調整した希薄ラテックス水溶液にカーボンブラック60質量部を添加し、これにPRIMIX社製ロボミックスを使用してカーボンブラックを分散させることにより(該ロボミックスの条件:9000rpm、30分)、天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液を製造した(工程(I))。
次に、工程(I)で製造された天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液に、残りの天然ゴムラテックス溶液(固形分(ゴム)濃度25質量%となるように水を添加して調整されたもの)を、工程(I)で使用した天然ゴムラテックス溶液と合わせて、固形分(ゴム)量で100質量部となるように添加し、次いでSANYO社製家庭用ミキサーSM−L56型を使用して混合し(ミキサー条件11300rpm、30分)、カーボンブラック含有天然ゴムラテックス溶液を製造した(工程(II))。
工程(II)で製造されたカーボンブラック含有天然ゴムラテックス溶液に、凝固剤として蟻酸10質量%水溶液(pH1.2希釈品)をpH4に成るまで添加し、凝固物をスエヒロEPM社製スクリュープレスV−01型で水分率1.5%以下まで乾燥することにより、天然ゴムウエットマスターバッチ(表1および表2中では「NR/CB−WMB1」とする)を製造した(工程(III))。なお、NR/CB−WMB1中の天然ゴムを100質量部としたときのカーボンブラックの含有量は60質量部である。また、表1および表2中の配合量は、ゴム成分100質量部に対する配合量(質量部数)を意味する。
実施例1〜11
製造例1で得られた天然ゴムウエットマスターバッチに、一般式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤、第13族元素を有する無機金属化合物、および各種添加剤をバンバリーミキサーを用いて乾式混合してゴム組成物とし(工程(IV))、その加硫ゴムの物性を測定した。結果を表1に示す。
比較例1〜12
製造例1で得られた天然ゴムウエットマスターバッチに代えて、天然ゴム(RSS#3)、カーボンブラック、および各種添加剤をバンバリーミキサーを用いて乾式混合してゴム組成物とし、その加硫ゴムの物性を測定した。結果を表2に示す。
比較例13
製造例1で得られた天然ゴムウエットマスターバッチに、一般式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤および第13族元素を有する無機金属化合物を配合することなく、表2に記載の各種添加剤を配合し、バンバリーミキサーを用いて乾式混合してゴム組成物とし、その加硫ゴムの物性を測定した。結果を表2に示す。
表1の結果から、実施例1〜11に係るゴム組成物の加硫ゴムは、初期接着性、耐熱接着性および湿熱接着性がバランス良く改良され、かつ発熱性、および耐疲労性に優れることがわかる。一方、表2の結果から、比較例1〜12に係るゴム組成物の加硫ゴムは、特に発熱性および耐疲労性が特に悪化することがわかる。なお、比較例13に係るゴム組成物の加硫ゴムは、発熱性および耐疲労性は比較的良好であるが、接着性が悪化することがわかる。

Claims (9)

  1. 少なくとも充填材、分散溶媒、およびゴムラテックス溶液を原料として得られたゴムウエットマスターバッチと、下記一般式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、第13族元素を有する無機金属化合物と、を含有し、
    前記ゴムウエットマスターバッチが、前記充填材を前記分散溶媒中に分散させる際に、前記ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材を含有するスラリー溶液を製造する工程(I)と、前記スラリー溶液と、残りの前記ゴムラテックス溶液とを混合して、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材含有ゴムラテックス溶液を製造する工程(II)と、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材含有ゴムラテックス溶液を凝固・乾燥する工程(III)とを含むゴムウエットマスターバッチの製造工程により製造されたものであり、
    前記工程(I)において、添加する前記ゴムラテックス溶液の固形分(ゴム)量が、前記充填材との質量比で0.25〜15%であり、かつ添加する前記ゴムラテックス溶液中の固形分(ゴム)濃度が、0.2〜5質量%であるスチールコード被覆用ゴム組成物。

    (式中、Rは、水素、炭素数1〜10の直鎖アルキル基、または炭素数3〜10の分岐アルキル基であり、Rは、炭素数1〜10の直鎖アルキル基、または炭素数3〜10の分岐アルキル基である。)
  2. 前記ゴムウエットマスターバッチが含有するゴム成分100質量部に対し、前記スルフェンアミド系加硫促進剤を0.1〜3質量部、前記無機金属化合物を0.2〜15質量部含有する請求項1に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  3. 前記無機金属化合物が、第13族元素としてホウ素またはアルミニウムを有する請求項1または2に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  4. 前記ゴムウエットマスターバッチが含有するゴム成分の全量を100質量部としたとき、天然ゴムを30〜100質量部、ジエン系合成ゴムを0〜70質量部含有し、かつ前記充填材として、カーボンブラックを1〜150質量部、シリカを40質量部未満含有し(ただし、前記カーボンブラックおよび前記シリカの合計量は20〜150質量部)、硫黄を1〜10質量部含有する請求項1〜3のいずれかに記載のスチールコード被覆用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のスチールコード被覆用ゴム組成物を用いて得られた空気入りタイヤ。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のスチールコード被覆用ゴム組成物をベルトトッピングゴムに用いて得られた請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 充填材を分散溶媒中に分散させる際に、ゴムラテックス溶液の少なくとも一部を添加することにより、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材を含有するスラリー溶液を製造する工程(I)と、
    前記スラリー溶液と、残りの前記ゴムラテックス溶液とを混合して、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材含有ゴムラテックス溶液を製造する工程(II)と、
    ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材含有ゴムラテックス溶液を凝固・乾燥して、ゴムウエットマスターバッチを製造する工程(III)と、
    前記ゴムウエットマスターバッチと、下記一般式(1)で表されるスルフェンアミド系加硫促進剤と、第13族元素を有する無機金属化合物と、を乾式混合する工程(IV)と、を含むことを特徴とするスチールコード被覆用ゴム組成物の製造方法。

    (式中、Rは、水素、炭素数1〜10の直鎖アルキル基、または炭素数3〜10の分岐アルキル基であり、Rは、炭素数1〜10の直鎖アルキル基、または炭素数3〜10の分岐アルキル基である。)
  8. 前記工程(I)が、あらかじめ前記ゴムラテックス溶液の少なくとも一部と前記分散溶媒とを混合した後、前記充填材を添加し、分散させることにより、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材を含有する前記スラリー溶液を製造する工程である請求項7に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物の製造方法。
  9. 前記工程(I)において、前記スラリー溶液中、ゴムラテックス粒子が付着した前記充填材の90%体積粒径(D90)が31μm以上である請求項7または8に記載のスチールコード被覆用ゴム組成物の製造方法。
JP2011033558A 2011-02-18 2011-02-18 スチールコード被覆用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤ Active JP5638417B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011033558A JP5638417B2 (ja) 2011-02-18 2011-02-18 スチールコード被覆用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011033558A JP5638417B2 (ja) 2011-02-18 2011-02-18 スチールコード被覆用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012172016A JP2012172016A (ja) 2012-09-10
JP5638417B2 true JP5638417B2 (ja) 2014-12-10

Family

ID=46975232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011033558A Active JP5638417B2 (ja) 2011-02-18 2011-02-18 スチールコード被覆用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5638417B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7023697B2 (ja) * 2017-12-14 2022-02-22 Toyo Tire株式会社 ゴムウエットマスターバッチの製造方法
JP7023698B2 (ja) * 2017-12-14 2022-02-22 Toyo Tire株式会社 空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法および空気入りタイヤの製造方法
WO2019116752A1 (ja) * 2017-12-14 2019-06-20 Toyo Tire株式会社 ゴムウエットマスターバッチの製造方法、空気入りタイヤ用ゴム部材の製造方法および空気入りタイヤの製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5129928B2 (ja) * 2006-01-30 2013-01-30 株式会社ブリヂストン ゴムマスターバッチ及びその製造方法
JP5122123B2 (ja) * 2006-12-22 2013-01-16 住友ゴム工業株式会社 スチールコード被覆用ゴム組成物およびそれを用いたベルトを有するタイヤ
JP5356090B2 (ja) * 2009-03-30 2013-12-04 東洋ゴム工業株式会社 スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2010248422A (ja) * 2009-04-17 2010-11-04 Bridgestone Corp ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ
JP2011021108A (ja) * 2009-07-16 2011-02-03 Toyo Tire & Rubber Co Ltd ウエットマスターバッチの製造方法、該ウエットマスターバッチを用いて得られたゴム組成物、および該ゴム組成物を用いて得られた空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012172016A (ja) 2012-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5618878B2 (ja) 未加硫ゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤ
JP5651062B2 (ja) ゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤ
JP6215005B2 (ja) ゴム組成物の製造方法
JP5946387B2 (ja) ゴムウエットマスターバッチ
JP4738551B1 (ja) ゴムウエットマスターバッチおよびその製造方法、ゴム組成物ならびに空気入りタイヤ
JP5922403B2 (ja) ゴム組成物の製造方法およびゴム組成物
JP6153257B2 (ja) ゴムウエットマスターバッチの製造方法
JP6152058B2 (ja) 繊維プライコード被覆用ゴム組成物、空気入りタイヤ、及び繊維プライコード被覆用ゴム組成物の製造方法
JP2015048416A (ja) ゴムウエットマスターバッチおよびその製造方法、ゴム組成物ならびに空気入りタイヤ
JP5638417B2 (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤ
JP2012158666A (ja) ゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤ
JP2013181051A (ja) タイヤベーストレッド用ゴム組成物およびその製造方法、ならびに空気入りタイヤ
JP5312978B2 (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2010037435A (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP5356090B2 (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2008189896A (ja) スチールコード接着用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP6120729B2 (ja) ゴムウエットマスターバッチの製造方法
JP2012207088A (ja) ゴムウエットマスターバッチおよびその製造方法、ゴム組成物ならびに空気入りタイヤ
JP6820181B2 (ja) タイヤ部材の製造方法およびタイヤの製造方法
JP5501810B2 (ja) スチールコード被覆用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
JP2006347203A (ja) 空気入りタイヤ
JP6328532B2 (ja) ゴムウエットマスターバッチの製造方法
JP2015030825A (ja) ゴムウエットマスターバッチの製造方法
JP6735650B2 (ja) 更生タイヤの製造方法
JP2020023645A (ja) ゴム組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141010

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141022

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5638417

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250