JP5637796B2 - 難分解性物質を含む排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

難分解性物質を含む排水の処理方法及び処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガス化プラント排水の処理方法及び処理装置に関し、特にチオシアン類、シアン類、ポリチオン酸類、有機物などの難分解性物質が複数種類含まれているガス化プラント排水の処理方法及び処理装置に関する。
石油系(重質油、アスファルトを含む)や石炭系(コールタールを含む)等の化石燃料を部分酸化して得られるいわゆるガス化ガスには、煤塵、硫黄化合物等の不純物が含まれているため、湿式法又は乾式法による精製工程を用いる必要がある。湿式法で精製する場合、例えば湿式洗浄工程から排出される湿式洗浄排水(ガス化プラント排水とも称される)には、チオシアン類(SCN類)、シアン類(CN類)、チオ硫酸を含むポリチオン酸類、有機酸を含む有機物などに代表されるCOD成分、さらには、アンモニア、固形物が含まれることが知られている(非特許文献1、非特許文献2)。
これらのうち、チオシアン類、シアン類、ポリチオン酸類、有機物等のCOD成分は、ギ酸、酢酸、アルコール類等と同様に分解しにくい難分解性物質であるため、従来の排水処理法である湿式触媒酸化処理、生物処理、次亜塩素酸などの酸化剤による処理では十分かつ安定的に分解処理してCODを規制値以下まで低減することができなかった。さらには各物質ごとに適する処理方法を組み合わせることが考えられるが、この場合は処理システムが複雑になるため、工業的に現実性のあるものではなかった。
そこで、難分解性物質を一括して処理するべく、促進酸化法や触媒酸化法をはじめとする様々な処理方法が提案されてきた。例えば、特許文献1には、チオ硫酸イオン等の難分解性物質を含む排水に超臨界状態又は亜臨界状態の反応流体を接触させて、難分解性物質を加水分解及び酸化還元で分解する方法が開示されている。
また、特許文献2及び特許文献3には、チオ硫酸イオン等の難分解性物質を含む排水に酸化剤を添加した後、紫外線を照射して難分解性物質を分解する方法が開示されており、特許文献4には、難分解性物質を含む排水に酸化剤を添加した後、鉄粉や鉄化合物からなる触媒層に通水して難分解性物質を分解する方法(フェントン反応)が開示されている。
さらに、特許文献5には、チオ硫酸イオン等の難分解性物質を含む排水を弱塩基性又は中塩基性のアニオン交換樹脂に接触させて難分解性物質を吸着して除去する方法が開示されており、特許文献6には、難分解性物質や溶存金属を含む排水をキレート樹脂に接触させて先ず溶存金属を除去した後、高温高圧の条件下で難分解性物質を湿式触媒酸化により分解する方法が開示されている。
特開2005−152806号公報 特開2005−224771号公報 特開2007−216225号公報 特開2001−286876号公報 特開2003−305467号公報 特開2009−022878号公報
「II−3 石炭・重質油等からのガス化燃料」火力原子力発電、Vol.50、No.10 「超臨界水中におけるチオ硫酸ナトリウム及びチオシアン酸ナトリウムの分解反応」日本エネルギー学会、Vol.85、No.2、2006
しかしながら、特許文献1に示す超臨界状態又は亜臨界状態の反応流体による処理方法は、大量に排出される湿式洗浄排水の処理法としては処理コストの観点から適切でなく、特許文献2及び特許文献3に示す酸化剤と紫外線照射による処理方法は、湿式洗浄排水に含まれる固形物の量や着色の程度によっては、紫外線照射の効率が低下するという問題があった。
また、過酸化水素、オゾン、次亜塩素酸などの酸化剤を使用する特許文献2〜4の処理方法では、酸化剤が自己分解することによる効率低下の問題を避けることができない上、不要な中間生成物が生成することもあった。加えて、過酸化水素や次亜塩素酸からは酸素ガス、塩素系ガス、オゾンガスが発生することがあり、これらガスに対する安全性、防爆性を考慮に入れると、適用できる設備に限界があった。さらに、特許文献5や特許文献6に示す処理方法では、アニオン交換樹脂や湿式触媒のロスなどの問題があった。
また、上記した従来技術による処理方法は、ほとんどが少量に排出される排水を対象としており、しかも排水に含まれる複数の難分解性物質のうちの一種類だけを分解処理することを前提としていた。従って、多成分系で構成される難分解性物質を含み、大量に排出されるガス化プラント排水に対しては、上記した従来技術による処理方法を適用するのは容易ではなかった。
すなわち、ガス化プラント排水には、一般に、チオシアン類、シアン類、ポリチオン酸類、有機物などの難分解性物質が複数種類含まれているため、促進酸化法を2種類以上併用したり、多段で処理したりして、各難分解性物質ごとに分解工程若しくは除去工程を設置する必要があった。そのため、処理システムが複雑になる上、難分解性物質の濃度変化等の外乱の影響を受けやすく、処理性能の安定性が問題になることがあった。さらに、これら難分解性物質が分解して生じる分解生成物によっては、更なる処理が必要になることもあった。
また、ガス化プラント排水では、大量に消費する酸化剤や、高温での熱処理、高エネルギーの紫外線照射などのため処理コストが高くなる傾向にあるため、かかる高処理コストの問題も、化石燃料を部分酸化する周辺技術として解決しなければならない難題の一つとして認識されるようになってきた。
このように、従来から提案されているガス化プラント排水の処理技術は、処理コスト、処理システムの複雑さ、処理性能の安定性、安全性などの点において何らかの課題をかかえており、いずれも実用化の点において満足できる技術とはいえなかった。本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、チオシアン類、シアン類、チオ硫酸を含むポリチオン酸類、有機酸を含む有機物などに代表される難分解性物質を複数種類含み且つ大量に排出されるガス化プラント排水に対して、簡便なシステムで、安価かつ安定的に処理可能な処理方法及び処理装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明が提供する排水の処理方法は、化石燃料を部分酸化して得られるガスを湿式洗浄した際に排出される少なくともチオシアン類及び/又はシアン類からなる難分解性物質を含む排水の処理方法であって、排水を50℃〜200℃に加熱することと、排水に過硫酸及び過硫酸塩のうちの少なくとも一方を添加することとによって、排水に含まれる難分解性物質を酸化分解する工程と、該酸化分解された排水の少なくとも一部に硝酸除去処理を施す工程とからなることを特徴としている。
また、本発明が提供する排水の処理装置は、化石燃料を部分酸化して得られるガスを湿式洗浄した際に排出される少なくともチオシアン類及び/又はシアン類からなる難分解性物質を含む排水の処理装置であって、排水を50〜200℃に加熱する加熱手段と、排水に過硫酸及び過硫酸塩のうちの少なくとも一方を添加する添加手段と、排水を貯留して排水中に含まれる難酸化性物質を酸化分解する酸化処理槽と、前記酸化分解された排水の少なくとも一部に対して硝酸の除去処理を施す硝酸除去手段とから構成されることを特徴としている。
本発明によれば、難分解性物質であるチオシアン類、シアン類、チオ硫酸を含むポリチオン酸類、及び有機酸や芳香族を含む有機物等のうちのいずれかを複数種含み且つ大量に排出されるガス化プラント排水を、簡便なシステムで、安価かつ安定的に処理することができる。
本発明の排水の処理方法の一具体例を示す概略フロー図である。 本発明の排水の処理方法の他の具体例を示す概略フロー図である。
ガス化プラント排水には、チオシアン類、シアン類、チオ硫酸を含むポリチオン酸類、有機酸や芳香族を含む有機物、アンモニア、固形物などが複数種類含まれている。本発明の処理方法は、かかるガス化プラント排水を除害する方法であって、対象とする除害物質はCOD成分となる難分解性物質であり、具体的にはチオシアン類、シアン類、チオ硫酸を含むポリチオン酸類、有機酸や芳香族を含む有機物等である。
本発明は、上記した難分解性物質のうちのいずれかが複数種類含まれるガス化プラント排水に、過硫酸や過硫酸塩を添加して加熱することにより、下記の反応過程に示すような硫酸イオンラジカルやOHラジカルを発生させ、これらラジカルを難分解性物質に反応させて、難分解性物質を酸化分解するものである。
[化1]
2−+2e→2SO 2−
本発明で使用する過硫酸や過硫酸塩の例としては、限定するものではないが、ペルオキソ二硫酸(過硫酸、H)、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウムなどを挙げることができる。なお、以降の説明においては、特に明記しない限り、これら過硫酸や過硫酸塩を過硫酸と表記することがある。ところで、従来から過硫酸はOHラジカルの発生源となることから、ダイオキシン類や半導体関連物質などの難分解性の有機物で汚染された排水、土壌などを浄化する薬剤として提案されていた。
しかし、ガス化プラント排水においては、主たる難分解性物質が無機系イオンであり、上記とは対象とする除害物質が異なるため、過硫酸を用いることはほとんど検討されてこなかった。ガス化プラント排水の処理に過硫酸を用いることが記載されている場合もなくはないが、この場合は紫外線照射の際に併用される酸化剤の一例として過酸化水素やオゾンなどとともにリストアップされているに過ぎず、さらにその効果は示されていない。
これに対して本発明者は、化石燃料のガス化工程の後段に設けられる湿式洗浄工程から排出される湿式洗浄排水の除害処理に際し、紫外線照射を行うことなく、単に過硫酸及び/又は過硫酸塩を添加して加熱処理するだけで湿式洗浄排水に含まれる複数種類の難分解性物質を簡易に酸化分解できることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、本発明者は、チオシアン類やシアン類を過硫酸の添加と加熱処理によって酸化分解すると、アンモニアと硝酸が副生することも確認した。よって、アンモニアのみならず、湿式洗浄排水には本来含まれていない硝酸も規制対象になる場合は、これらの処理が必要となる場合がある。
過硫酸は、過酸化水素、オゾン、又は次亜塩素酸と異なり、ガス化プラント排水に含まれる各種の難分解性物質に対して良好に作用し、それらを硫酸、炭酸ガス、又は窒素などにほとんど酸化分解できることがわかった。この酸化分解は、反応過程に硫酸イオンラジカルやOHラジカルが関与する反応であり、基本的に他のラジカル反応と同様の反応メカニズムであると推測されるが、過硫酸による加熱分解(酸化分解とも称する)では、他のラジカル反応に比べて極めて高効率で分解できることがわかった。
このため、従来法である湿式触媒酸化や次亜塩素酸などの酸化剤処理と異なり、酢酸、アルコール類、チオシアン類、又はポリチオン酸の酸化分解に際して、2種類以上の促進酸化工程を併用したり、同じ促進酸化工程を多段に設けたりする必要がない。
過硫酸による酸化分解が、上記したように各種の難分解性物質を高効率で分解できる理由は定かではないが、硫酸イオンラジカルによる酸化機構によるものと推測される。さらには加熱により発生したOHラジカルが、溶解している難分解性物質の近傍に、均一かつ高濃度に存在できることが高効率の分解に関係していると推測される。このように、本発明の処理方法では、硫酸イオンラジカル及びOHラジカルの酸化力を無駄なく最大限に利用していると考えられる。
また、過硫酸による酸化分解は、加熱することによって硫酸イオンラジカル、OHラジカルが発生し、かつ分解反応が速い上、液中での反応であることから過硫酸の自己分解が比較的少ない。よって、過硫酸の添加量は、分解率によるが、分解に必要な理論量に近い量でよく、その条件で良好に分解できることを見出した。また、過硫酸は、塩素のような装置材料の腐食要因を増大させることがなく、水溶液として添加することができるので危険なガスの発生もない。
よって、高価な耐腐食性材料を必要とせず、危険なガスの回収、無害化のための設備を設ける必要も無い。さらに、紫外線照射や触媒を用いなくてもよいので、基本的には排水の加熱手段と過硫酸を添加して酸化分解処理を行う酸化処理槽とを設けるだけでよい。なお、酸化処理槽に攪拌手段が設けられていれば、排水に添加した過硫酸を容易に均一混合できるのでより好ましい。また、酸化処理槽は、密閉系とするのが好ましい。その際、酸化処理槽のガス相からガスを大気放出する場合は、温度(圧力)制御とは別に、放出前のガスを冷却して得られた液体留分を還流として酸化処理槽内の液相部に戻す装置を設けるのが好ましい。
このように、本発明の処理方法は、複数種類の難分解性物質を含むガス化プラント排水に対して、その分解に必要な理論量程度の過硫酸を添加して加熱するだけで酸化分解が可能となる。よって、簡便な設備及びシステムで、安価且つ安定的にガス化プラント排水を処理することが可能となる。これは、複数種類の難分解性物質を含む排水を大量に処理しなければならない湿式洗浄排水の処理方法としては、極めて好適な方法であるといえる。
すなわち、本発明の処理方法は、ガス化プラント排水の温度を50℃〜200℃に加熱することと、ガス化プラント排水に過硫酸及び過硫酸塩のうちの少なくとも一方を添加することとによって、該過硫酸及び/又は過硫酸塩を熱分解してガス化プラント排水に含まれる複数種類の難分解性物質を酸化分解するものである。加熱する温度の上限を200℃にする理由は、過硫酸及び/又は過硫酸塩は高温になると自己分解が起こり、ロスが比較的大きくなるからである。
分解時間を短くできるという点では、上記温度範囲内において、できるだけ高温側に設定するのが有利であるが、ある程度温度を抑えることによって低圧操作が可能となるので、60℃〜100℃がより好ましい。50℃〜200℃に加熱する場合は反応時間が10分〜5時間程度となるが、60℃〜100℃であれば、反応時間をより実用的な30分〜180分にすることができる。
過硫酸及び/又は過硫酸塩の添加量は、除去対象となる難分解性物質の種類や濃度によって大幅に異なるが、高除去率を得るには、一般的には理論分解量(ガス化プラント排水中の全ての難分解性物質を分解するのに必要な化学量論量)の0.3〜10倍、好ましくは0.3〜5倍、さらに好ましくは0.5〜2倍である。この添加量が0.3倍より少ないと、分解率が小さくなったり、アンモニアや硝酸以外の窒素含有化合物やポリチオン酸などの中間生成物が生成したりする恐れがある。
一方、添加量の上限は、過硫酸の自己分解や反応速度を考慮して理論分解量より多めに設定されているが、理論分解量の10倍より多くなると、硝酸への酸化が進行し、原水に含まれるアンモニアの酸化も進行して、硝酸の除去のための大型設備が後段に必須となるので好ましくない。
上記した排水の加熱と過硫酸の添加により酸化分解が開始するが、その際、ガス化プラント排水のpHが強酸性領域にあれば、チオ硫酸の不均化による硫黄析出や硫化水素の発生が起こり、酸性領域にあれば、シアンガスの放散が起こる。一方、強アルカリ性領域にあればアンモニアガスの放散が起こる。よって、たとえ短時間であっても、酸化分解の際にガス化プラント排水のpHをこれらpH領域に入れるのは、分解率の低下や発生ガスの処理の必要性等の観点から好ましくない。
したがって、酸化分解の際は、ガス化プラント排水のpHを6〜9の中性付近に維持しておくのが好ましい。酸化分解の際のpHをこの中性付近に維持するには、例えば、過硫酸が熱分解して難分解性物質の酸化分解が開始する前の段階で排水に酸もしくはアルカリを添加してpH調整すればよい。具体的には、後述する酸化処理槽の前段に酸及び/又はアルカリ添加装置を備えたpH調整槽を設け、ここで排水のpHを7.0〜11.0程度のアルカリ性にすればよい。
なお、その後の酸化分解の進行に伴ってpHが低下する可能性があり、特に過硫酸は硫酸を副生しアルカリ不足となるので、pHが大きく低下することがある。従って、ナトリウム、カルシウム、カリウムなどのアルカリ剤を適宜添加してpH調整するのが好ましい。これにより、pHを6〜9程度の中性付近に維持することができる。
上記した条件の下で処理を行っても、場合によっては過硫酸の自己分解が多少生ずることがある。よって、過硫酸の自己分解を抑えつつ反応場の条件をより適切に設定することがより効率のよい反応の進行のためには重要となる。その際に課題となるのが、加熱方法と過硫酸の添加方法である。
一般に、ガス化プラント排水の加熱には、ガス化プラント排水と加熱媒体との温度差を利用して伝熱により加熱する方法が採用されるため、ガス化プラント排水側ではこの伝熱の伝熱面が高温部となる。よって、過硫酸を添加した後に加熱する場合は、この伝熱面で自己分解が進行する傾向にある。また、過硫酸の添加速度や添加後の過硫酸と排水との混合攪拌速度が反応の効率に影響する。従って、できるだけ素早く添加し、素早く混合する方法が求められる。
そこで、これらを考慮にいれて望ましい加熱方法と過硫酸の添加方法について検討した結果、ガス化プラント排水を加温した後に過硫酸を添加して速やか且つ充分に混合することが好ましいことが分かった。すなわち、図1に示すように、加熱工程1で排水を加熱し、必要に応じてpH調整工程2で排水のpHを調整した後、添加工程3で過硫酸を添加する順序でガス化プラント排水を処理することによって、比較的短時間で酸化分解反応を進行させることができる上、過硫酸の自己分解を抑えられることが分かった。なお、加熱工程1とpH調整工程2は順序が逆でもよい。
加熱工程1でガス化プラント排水を加温した後に添加工程3で過硫酸を添加する場合の具体的な装置としては、例えば、スチームや温水等の加熱媒体が流通するコイル及び/又はジャケットを備えた加熱槽を酸化処理槽の前段に設け、この加熱槽でガス化プラント排水を一旦受け入れて所定の温度に加熱してから酸化処理槽に移送し、酸化処理槽で過硫酸を添加して難分解性物質の酸化分解処理を行えばよい。なお、より効率よく加熱するため、加熱槽に攪拌機を設けてもよい。
さらに、十分な除去性能を維持しつつ過硫酸のロスをより一層少なくするため、過硫酸の添加量を2以上に分割して排水に添加してもよい。例えば、上記加熱槽で加熱されたガス化プラント排水が酸化処理槽に導入される前に、前述した化学量論量から求めた過硫酸の添加量のうちの30%〜90%、より好ましくは50%〜80%を加熱槽から酸化処理槽に向けた移送途中の配管内の排水に添加する。そして、過硫酸の添加量の残りを酸化処理槽内の排水に添加する。最初に添加する量が30%未満では分割の効果が得られず、90%より多ければ添加量を適切に制御することができなくなる。
このように過硫酸の添加量を分割して添加する場合は、酸化処理槽から排出される酸化処理後の排水中に含まれる過硫酸濃度を計測し、その値に基づいて最初に添加する過硫酸の添加量を調整するのが好ましい。これにより、原水中の難分解性物質の濃度が変動しても、それに追随して過硫酸の添加量を調整することによって負荷に追従できるので、結果的に過硫酸の消費量を削減することができる。
なお、高い除去率を確保するには、酸化処理槽から排出される酸化処理後の排水中にある程度過硫酸が残留するように、酸化処理槽に添加する過硫酸の量を調整するのが好ましい。この残留濃度は2〜50mg/L、より好ましくは2〜10mg/Lである。過硫酸の濃度の計測には、たとえば、ORP計、ヨウ素メトリー、イオンクロマトグラフィなどが使用できる。
本発明の処理方法では、ガス化プラント排水の加熱温度を制御することによって、難分解性物質の除去率(分解率又は分解除去率とも称する)や分解速度をコントロールすることができる。すなわち、加熱温度を上げることによって過硫酸からのラジカルの発生が促進されるとともに難分解性物質の酸化分解反応も促進されるので、排水量や難分解性物質の濃度に追従して難分解性物質の除去率を制御することが可能となる。さらに、ガス化プラント排水の加熱温度の制御と過硫酸の添加量の調整とを併用してもよい。これにより、過硫酸の消費量をより少なくしながら除去率や分解速度を良好にコントロールすることが可能となる。
上記加熱温度の制御や過硫酸添加量の調整は、具体的には、酸化処理槽から排出される酸化処理後の排水の過硫酸濃度、さらには温度、COD値、被分解物濃度を計測し、これらの値に基づいて加熱媒体の流量や過硫酸の添加量を調整することで可能となる。あるいは、処理前のガス化プラント排水の液性状、酸化分解反応の反応時間、反応温度及び反応時のpH、過硫酸の添加量等をパラメータにして作成した分解率推算式を用い、処理前のガス化プラント排水の液量、液性状が変動した場合、その変動に応じて温度(加熱媒体の流量)や過硫酸の添加量、さらには酸やアルカリの添加量を調整するシステムを組み入れてもよい。
酸化処理槽から排出される酸化処理後の排水は、そのまま河川等に放流するか、あるいは工場内で工業用水として使用してもよいが、分解率が不充分な場合、酸化処理槽の上流側に戻して循環処理してもよい。これにより、ガス化プラント排水の液性状が大きく変動するような場合においても、通常の分解率を確保することが可能となる。
また、本発明の処理方法では、過硫酸による分解の際に、より効率的に高い分解性能を得るため、ガス化プラント排水の加熱に加えて光エネルギーの照射を行ってもよい。また、過硫酸に加えて、補助酸化剤として例えば過酸化水素、次亜塩素酸、オゾンなどを併用してもよい。この場合、過硫酸の加熱により発生したラジカルによって補助酸化剤が分解され、これにより生ずるラジカルの酸化力が付加される。すなわち、紫外線照射などの酸化分解手段を用いずに、過酸化水素、次亜塩素酸を酸化分解させることが可能となる。
さらに、過硫酸の添加により分解したあと、光エネルギーの照射を行ってもよい。このように、高い液温のままの排水中に残留する過硫酸及び低濃度になった難分解性物質に対して光エネルギー照射を施すことによって、分解反応を完結に向けて進行させることができる。
以上説明したように、本発明の処理方法は、熱分解による酸化活性を利用したもので、基本的には一般的な反応槽を用いた加熱操作だけで酸化処理できることから比較的低温低圧で安定して処理でき、運転操作やメンテナンスが容易で簡便である。さらに、短時間で処理でき、かつ高価な触媒や紫外線を用いないので、安価で実用的である。また、酸化剤の使用量が少なく、有害なガスの発生がなく、有害な中間生成物の生成もほとんど無く、スラッジの発生もない。
ところで、ガス化プラント排水にはもともとアンモニア(NH)が含まれており、窒素排水規制をクリアするためには、上記した酸化処理槽の後段にNHの除去工程を設けることが必要となる場合があるが、窒素を含む化合物(例えば、SCN類、CN類が該当する)を過硫酸による酸化処理法で処理した場合は、酸化処理槽の後段に硝酸の除去工程を設けることが必要となる場合があることが分かった。
この点についてさらに研究をすすめると、過硫酸による酸化処理法によってNH及び硝酸が副生し、これらが処理後の排水中に含まれることを突き止めた。すなわち、ガス化プラント排水は還元ガスを湿式洗浄した際に発生する液であるため、硝酸は本来含まれていないことから、硝酸は過硫酸の分解によって副生されたものであることが確認できた。
さらに、SCN類、CN類の窒素だけでなく、原水に含まれているアンモニアの一部が酸化されて硝酸を副生することがわかった。このように、ガス化プラント排水を過硫酸で酸化処理する場合は、窒素排水規制をクリアするため、必要に応じて上記した酸化処理槽の後段に、NHだけでなく硝酸の除去工程を設けることになる。
以下、上記のアンモニア除去処理及び/又は硝酸除去処理を備えた処理方法の具体例について、図2を参照しながらより詳細に説明する。この図2に示す処理方法は、前述した図1に示す処理方法に加えて、過硫酸で酸化処理された後の排水の少なくとも一部に対して、アンモニア除去処理工程5及び/又は硝酸除去処理工程6で処理を行うことを特徴としている。
先ずアンモニア除去処理工程5について説明する。SCN類、CN類等の窒素を含む化合物を、前述した過硫酸による酸化処理法で処理した場合、処理された排水中には副生したNHが含まれる。図2に示すアンモニア除去処理工程5は、窒素排水規制をクリアするため、この副生NHを除去するものである。NH除去工程5では、例えば、ストリッピング法、触媒酸化法、生物処理法、膜処理法、次亜塩素酸による酸化処理などの方法を採用できる。
ストリッピング法は、NaOH、Ca(OH)等のアルカリ剤を用いて排水のpHを10以上に高めてから排水にスチーム、エアーなどのガスを導入してNHをストリッピングする方法であり、これによりNHが除去された排水が得られるとともにストリッピングされたNHは安水などの形態で回収できる。
なお、導入するガスがスチームの場合は、排水の温度を高めることができるので、NHを効率的に除去することができるという点においてより好ましい。また、このNH除去工程の前段では、前述したように過硫酸による酸化処理のため、排水の温度が50℃〜200℃に加熱されているので、ストリッピング法はこの加熱された液温を有効に利用することができる。原排水中にアンモニアを高濃度で含む場合には、過硫酸による分解処理の前段でアンモニアを除去することもできる。
触媒酸化法は、排水を高温にして過酸化水素や酸素などの酸化剤存在下で貴金属等の触媒に高温で接触させる方法である。前述したように、過硫酸による酸化処理では排水を50℃〜200℃に加熱するので、その後段に位置する触媒酸化法は、上記ストリッピング法と同様にこの熱を有効に利用することができる。また、この触媒酸化法は、残留する過硫酸を酸化剤として活用できる。さらに、NHを含めて難分解性物質についても分解することができる。よって、過硫酸による分解と触媒酸化法による分解を併用できるので、安定した高い除去率を得やすくなり、効率的な運用ができる。
なお、NH除去工程5は、もともと原水中に含まれているNHも同時に処理することができる。但し、原水中に高濃度のNHが含まれる場合には、NHの一部が硝酸になるので、場合によっては硝酸処理工程6の設置が必要となる。さらに、この硝酸処理工程6の規模が大きくなる場合は、加熱工程1と添加工程3との間にもNH除去工程5を設けてもよい。
次に硝酸除去工程6について説明する。SCN類、CN類等の窒素を含む化合物を上記した過硫酸で酸化処理すると、この酸化によりアンモニアが生成され、その一部から硝酸が副生することがわかった。そのため、排水の窒素規制をクリアするため、酸化処理槽の後段に、硝酸除去工程6を設けることが好ましいことがわかった。硝酸除去工程6に使用する具体的な硝酸処理方法としては、生物処理、電気透析、イオン交換樹脂、吸着、触媒還元、薬剤還元などを挙げることができる。また、硝酸除去工程6の前処理として膜処理を行い、硝酸が濃縮した濃縮液に対して上記の硝酸処理方法を行ってもよい。
上記したアンモニア除去処理工程5及び硝酸除去処理工程6は、アンモニアと硝酸をそれぞれ個別に除去するものであったが、生物処理を施すことによってこれら両方を効率よく処理することができる。その理由は、ガス化プラント排水中には有機物が含まれているので、過硫酸による酸化処理を制御することによって、酸化処理後の排水にアルコール類などの生物処理に好適な有機物を残留させることができる。
また、生物阻害を引き起こす物質は、過硫酸添加による分解で低濃度となるため、生物阻害についての対策を施す必要がない。さらに後段に生物処理を設けることにより、過硫酸の添加量を削減することも可能となる。ただし、過硫酸が残留する場合には、過硫酸を分解させることが望ましいので、活性炭の設置、触媒酸化、光エネルギー照射などの過硫酸分解工程を設置することが望ましい。
これにより生物処理において安価且つ安定した性能が得られるので、例えば一般的な嫌気処理と好気処理を用いたりバイオフィルムリアクターを用いたりして消化や脱窒を行って、アンモニアと硝酸を連続的に生物処理することができる。生物処理する対象はアンモニア、硝酸の処理のどちらか一方であってもよい。なお、一般に排水にシアンが含まれていると生物育成阻害となるので、かかる排水は生物処理では処理できないといわれているが、図2に示す処理方法においては、事前に過硫酸によってシアンが分解されるので、このような問題はない。
排水中に残留する過硫酸は排水規制対象ではないが、強力な酸化力を有することから、放流前に除去することが好ましい。とくに、生物処理する場合には、過硫酸が生物処理阻害となる可能性があることから、アンモニア除去処理工程5及び硝酸除去処理工程6が生物処理の場合は、図2に示すように、アンモニア除去処理工程5及び硝酸除去処理工程6の前に過硫酸を除去することが好ましい。
残留する過硫酸を積極的に分解する方法としては、例えば排水を活性炭に接触させる活性炭処理法、亜硫酸を添加して除去する亜硫酸還元法などを挙げることができる。活性炭処理法では、例えば活性炭のpHを排水の導入前に酸性領域、好ましくはpH2〜6に調整してから液温を高い状態に保ったままこの活性炭に排水を通水することで簡便に過硫酸を分解することができる。その際、液中に触媒として金属類、好ましくは塩化鉄や硫酸鉄などを鉄換算で5〜100mg/L相当となるように添加することが好ましい。
(実施例1)
下記表1に示す5種類の難分解性物質のナトリウム塩を被分解物質としてそれぞれ純水に溶解し、難分解性物質換算で100mg/Lの濃度となるように調製して試料1〜5を作製した。これら試料1〜5の200mlをそれぞれ容量0.5Lのリービッヒ管付き丸底フラスコに入れ、オイルバスに浸漬して80℃まで加熱した。80℃まで昇温したのを確認後、表1に示す過硫酸濃度となるように過硫酸ナトリウム水溶液を添加し、60分間反応させた。
反応後は各試料をサンプリングして液分析を行い、分解率、生成物を把握した。なお、60分間の反応の途中にシリンダーを用いてサンプリングした液を、冷却してからpH測定しながらNaOH水溶液を用いてpH調整した。このようにして、過硫酸による分解試験を行った。その結果を下記の表1に示す。
Figure 0005637796
上記表1からわかるように、試料1〜5のいずれにおいても、高い分解率を達成することができた。なお、反応後の試料2、3及び4には液中にNHとNOが検出された。また、試料2では、分解試験後の液中の残留過硫酸濃度が120mg/Lであった。
次に、上記条件において副生する物質の種類や量を確認するため、NHとして100mg/Lの濃度となるように調製したアンモニア水溶液を作製し、上記と同様の条件にしてアンモニアの酸化を試みた。すなわち、アンモニア水溶液に対して、過硫酸として2133mg/Lの濃度となるように過硫酸ナトリウム水溶液を添加し、80℃で60分間反応させた。その結果、アンモニアの15%が硝酸に酸化されていた。また、加熱分解後の過硫酸は、添加した量の約65%(1350mg/L)が残留していた。
(実施例2)
上記60分間の反応を行った実施例1の試料3に対して、液に含まれるアンモニア及び硝酸の定量分析を行った。その結果、多くのアンモニアが検出され、硝酸は除去されたチオシアン(窒素分)の約10%が確認された。この60分間の反応を行った後の液にNaOH添加しながら加熱蒸留したところ、アンモニアを1mg/L以下まで放散できることを確認した。
さらに、アンモニアを100mg/Lを含む液を別途調製し、この液に過硫酸(S 2−)として2133mg/Lの濃度となるように過硫酸ナトリウムを添加し、実施例1と同様の条件で60分間反応させた。その結果、反応後の液に硝酸が検出され、その量は処理前のアンモニア(窒素分)の全量ではなく、約45%であった。
(比較例1)
実施例1の試料1に対して、加熱せずに室温のまま反応させた以外は実施例1と同様にして60分間反応させた。その結果、分解率は3%であった。
(実施例3)
実施例1の試料1に対して、過硫酸を添加した後に加熱した以外は実施例1と同様にして60分間反応させた。なお、80℃まで加熱するのに約20分を要した。その結果、分解率は84%であった。
(実施例4)
チオシアン、シアン及びギ酸の3種類をナトリウム塩として含む試料を調製し、この試料に対して実施例1と同様の条件で60分間の反応を行った。この試料にはチオシアン、シアン及びギ酸としてそれぞれ100mg/L含まれるようにした。60分間の反応前にpHを10.5に調整し、その後過硫酸を添加した。過硫酸の添加量は、実施例1の試料1、2、及び5に示す過硫酸量(濃度)の総量の約80%に相当する3000mg/L(過硫酸(S 2−)換算)とした。その結果、分解除去率は実施例1と同等であった。
(実施例5)
実施例1の試料5に対して、過硫酸の添加を2回に分けて反応時間60分間の反応を2回行った以外は実施例1と同様にした。なお、1回目の添加量は500mg/Lとなる量とし、2回目の添加は、少量ずつ添加した。具体的には、イオンクラマトグラフィにて過硫酸を15分おきに検知し、過硫酸濃度が50mg/Lを超えないように留意しながら徐々に添加した。その結果、全過硫酸添加量を実施例1の92%に削減できた。
(実施例6)
実施例4の分解試験後の液100mg/L(過硫酸濃度20mg/L)に、塩化第二鉄10mg/L(鉄換算)を加えて、塩酸にてpHを3に調整し、水処理用の市販活性炭3gを添加して、10分間、常温でスターラー攪拌した。その結果、過硫酸濃度は2mg/L以下に低減した。液温度を35℃に上げて、市販活性炭3gを添加したところ、過硫酸濃度は1mg/L以下になった。
(参考例)
実施例1の試料2に対して、処理pH(設定値)を11.0とした以外は実施例1と同様の条件で分解実験を行った。その結果、多くのアンモニアガスの放散が認められると共に、実施例1と比較して分解率の低下がわずかに認められた。また、分解処理後の液中に残留する過硫酸濃度は半分程度に減少していた。
1 加熱工程
2 pH調整工程
3 添加工程
4 活性炭処理工程
5 アンモニア除去工程
6 硝酸除去工程

Claims (11)

  1. 化石燃料を部分酸化して得られるガスを湿式洗浄した際に排出される少なくともチオシアン類及び/又はシアン類からなる難分解性物質を含む排水の処理方法であって、排水を50℃〜200℃に加熱することと、排水に過硫酸及び過硫酸塩のうちの少なくとも一方を添加することとによって、排水に含まれる難分解性物質を酸化分解する工程と、前記酸化分解された排水の少なくとも一部に硝酸除去処理を施す工程とからなることを特徴とする排水の処理方法。
  2. 前記酸化分解の際に排水のpHを6〜9に調整することを特徴とする、請求項1に記載の処理方法。
  3. 前記酸化分解の処理が施された排水の少なくとも一部に対して、アンモニア除去処理を施すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の処理方法。
  4. 前記アンモニア除去処理若しくは前記硝酸除去処理又はこれら両方の処理が、生物処理法であることを特徴とする請求項3に記載の処理方法。
  5. 前記酸化分解の処理が施された排水をさらにpH2.0〜6.0に調整して活性炭処理することによって、排水に残留する過硫酸を接触分解することを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれかに記載の処理方法。
  6. 化石燃料を部分酸化して得られるガスを湿式洗浄した際に排出される少なくともチオシアン類及び/又はシアン類からなる難分解性物質を含む排水の処理装置であって、排水を50〜200℃に加熱する加熱手段と、排水に過硫酸及び過硫酸塩のうちの少なくとも一方を添加する添加手段と、排水を貯留して排水中に含まれる難分解性物質を酸化分解する酸化処理槽と、前記酸化分解された排水の少なくとも一部に対して硝酸の除去処理を施す硝酸除去手段とから構成されることを特徴とする処理装置。
  7. 前記酸化処理槽内の排水のpHを6〜9に調整するpH調整手段をさらに有していることを特徴とする、請求項6に記載の処理装置。
  8. 前記酸化処理槽の下流側に、酸化処理槽で処理された排水の少なくとも一部に対してアンモニアの除去処理を行うアンモニア除去手段をさらに有していることを特徴とする、請求項6又は7に記載の処理装置。
  9. 前記酸化処理槽の下流側に、前記酸化分解の処理が施された排水のpH調整を行うとともに該排水を活性炭に接触させる活性炭処理手段をさらに有していることを特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載の処理装置。
  10. 前記硝酸除去手段が、前記活性処理手段の下流側に位置する生物処理手段であることを特徴とする、請求項9に記載の処理装置。
  11. 前記酸化処理槽の下流側に、前記酸化分解の処理が施された排水のpH調整を行うとともに該排水を活性炭に接触させる活性炭処理手段をさらに有しており、前記アンモニア除去手段が、前記活性炭処理手段の下流側に位置する生物処理手段であることを特徴とする、請求項8に記載の処理装置。
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