JP5637676B2 - 現像液中のフォトレジスト溶解量の測定方法 - Google Patents

現像液中のフォトレジスト溶解量の測定方法 Download PDF

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本発明は現像液中のフォトレジスト溶解量の測定方法に関して、複数種のフォトレジストが溶解している場合に、現像液中のフォトレジスト全体の溶解量を近似的に定量して、現像不良を防止し、現像液を良好に更新できるものを提供する。
フォトレジストはプリント基板のパターン形成工程で使用され、基板の保護フィルムの役目を果し、樹脂中に含まれるカルボキシル基などの酸基によりアルカリ現像が可能となっている。
そこで、フォトレジストとして汎用されるドライフィルムに例をとって説明すると、例えば、ネガ型では、銅板上にドライフィルムを張り、その上にパターンをかたちどったマスクを張り合わせ、紫外線を照射して感光させた後、現像液に浸すと、マスクにより感光されていない部分が溶解・溶出する。
しかしながら、このパターン形成に際して、現像液中にドライフィルムが多量に溶解すると、現像不良が発生するため、予めドライフィルムの溶解量を把握したうえで、浴寿命を判断して現像液を更新することが重要であり、また、集積度の高い最近のファインパターンでは現像不良がなおさら顕著に発生し易いため、現像液中のドライフィルムの溶解量を判断することが強く要請される。
現像液中に含まれるドライフィルム溶解量については、従来、現像処理ラインで使用するドライフィルム固有の係数をドライフィルムメーカーが提供し、その係数(パラメータ)を中和滴定量に乗じて定量を行っていた。
しかしながら、プリント基板の製作過程では、多品種少量生産の傾向が強く、様々なパターンのプリント基板が製造されるため、現像処理に用いるドライフィルムも多種類に及んでいる。従って、複数のドライフィルをラインで使用する場合、どれか1つの係数(例えば、使用量が最も多い種類のドライフィルム)に合わせて濃度計算を行っているため、種類の多様化が進むほど所定の係数でカバーできるケースは減り、計算値と実際のドライフィルム全体の溶解量との乖離が増して、溶解量の分析精度が上がらないという問題があった。
そこで、ドライフィルムの溶解量測定の従来技術を挙げると、次の通りである。
(1)特許文献1
現像液中のドライフィルムの溶解量を光センサーを用いてその光の透過率により測定する方法であって、ドライフィルムの濃度により現像液の透明度が経時的に変化しても、当該溶解量を連続的に測定できる利点があり、いわば溶解量の原理的な測定方法を開示したものといえる。
(2)特許文献2
ドライフィルムが溶解したアルカリ性現像液の滴定方法において、酸による滴定開始前に現像液にノニオン性界面活性剤(プルロニック型など;段落16参照)を添加することにより(請求項1)、第2段終点付近のpHにおけるドライフィルム成分の析出や測定装置電極への付着を防止するとともに、その際に、第2段滴定量V2と第1段滴定量V1について、当該V2、或は両滴定量の差(V2−V1)がドライフィルムの溶け込み量と比例関係にあることに基づいて(段落9)、既知の一定量のドライフィルムが溶解した炭酸ナトリウム水溶液の滴定量とドライフィルム濃度との間の比例定数fを求めることで、滴定量からドライフィルムの溶け込み量を判断する方法が開示される(段落20〜22)。
(3)特許文献3
本出願人が先に開示したものであり、ドライフィルム現像液中の炭酸ナトリウムの濃度管理方法に関して、基本式の定数を適正に選択することで、設定pHに漸近する滴定曲線での滴定を迅速に行って、積層銅板の処理枚数に影響されずに正確な滴定量と補給量を算出できるものである(第2頁右上欄、第4頁右上欄〜左下欄)。
特開平1−151290号公報 特開平4−353763号公報 特開平1−180452号公報
特許文献1は光の透過率による原理的な測定方法を述べたものにとどまる。
また、特許文献2は、一つの既知のドライフィルムを前提したうえで、当該ドライフィルムの滴定量から得られた理論的な比例定数を基準として、現像液への溶け込み量を算出するものであるため、使用するドライフィルムが多種類になると、計算値と実際の溶解量との間の誤差が増す恐れがおおきく、前記パラメータを基準とする方法と同様の問題がある。
尚、特許文献3の濃度管理方法では、被測定液の種類や状態により決定される係数αや同じく定数βなどを経験則的に割り出す必要があり(第2頁左下欄)、また、試料液のpHを設定pHに近付けるためには滴定プログラムを何回か繰り返す必要があり(第3頁右上欄〜左下欄)、操作が煩雑である。
本発明は、複数種類のフォトレジストが溶解した現像液において、ドライフィルム全体の溶解量を誤差の少ない許容範囲内で定量することを技術的課題とする。
本発明者らは、複数種類の酸基を含むフォトレジストが溶解したアルカリ現像液について、各種のフォトレジストの濃度とそれに相当する中和滴定量、或は各種フォトレジストを単独溶解した場合の滴定量などの関係を鋭意研究した。
その結果、先ず、個別のフォトレジストが単独で溶解した現像液を想定してその滴定量を測定した場合に、複数種類のフォトレジストが混合溶解した現像液での当該個別のフォトレジストの混合割合が分かれば、上記単独溶解の現像液での滴定量をその混合割合に応じて案分し、この案分値をフォトレジストの全種類について合算することで、現像液に溶解するフォトレジスト全体の溶解量を少ない誤差で判断できるという新たな知見を得た。つまり、互いのフォトレジスト種に影響されることなく、フォトレジストの個別滴定量から混合液全体の滴定量を予測できるという加成性の成立を見い出すとともに、特に、中和滴定法に替えて吸光光度法を適用してもこの加成性が成立するという予測外の結果を突き止めて、本発明を完成した。
即ち、本発明1は、複数種のフォトレジストが溶解したプリント基板製造用の現像液中の当該フォトレジスト全体の溶解量を測定する方法において、
フォトレジストが酸基を含むフォトレジストであり、現像液がアルカリ現像液であって、 複数種のフォトレジストのうちの各個別のフォトレジストのみを現像液中に溶解させた場合の中和滴定値をPkとし、
その個別のフォトレジストの容積がフォトレジスト全体の容積に占める混合割合をXkとして、
このPkとXkを乗じた理論値Pk・Xkについて、フォトレジストの種類の数n(nは2以上の整数)だけ、k=1の場合の理論値P1・X1からk=nの場合の理論値Pn・Xnまでの全種類の理論値を合計した総和をもって、フォトレジスト全体の中和滴定値とすることを特徴とする中和滴定法による現像液中のフォトレジスト溶解量の測定方法である。
本発明2は、上記本発明1において、現像液中のフォトレジストの濃度が4.0×10-53/L以下であることを特徴とする中和滴定法による現像液中のフォトレジスト溶解量の測定方法である。
本発明3は、複数種のフォトレジストが溶解したプリント基板製造用の現像液中の当該フォトレジスト全体の溶解量を測定する方法において、
複数種のフォトレジストのうちの各個別のフォトレジストのみを現像液中に溶解させた場合の吸光光度法による吸光度値をQkとし、
その個別のフォトレジストの表面積(濃度)がフォトレジスト全体の表面積(濃度)に占める割合をXk とし、
フォトレジストの種類の数n(nは2以上の整数)に対応したk=1〜nのn個の各吸光度値Q k は一つの特定波長で測定した吸光度値であって、
このQkとXkを乗じた理論値Qk・Xkについて、フォトレジストの種類の数nだけ、k=1の場合の理論値Q1・X1からk=nの場合の理論値Qn・Xnまでの全種類の理論値を合計した総和をもって、フォトレジスト全体の吸光度値とすることを特徴とする吸光光度法による現像液中のフォトレジスト溶解量の測定方法である。
本発明4は、上記本発明3において、測定する吸光度値が250〜350nmの波長における数値であることを特徴とする吸光光度法による現像液中のフォトレジスト溶解量の測定方法である。
本発明1の測定方法は、多種類の酸基を含むフォトレジストが溶解した混合アルカリ現像液について、個別のフォトレジストが単独溶解した液での理論滴定値を個別滴定量とした場合、互いのフォトレジストの干渉を受けることなく、この個別滴定量の濃度割合に応じた合算値を、少ない誤差範囲内で混合液全体の中和滴定量と見做せる(つまり加成性が成立する)という発見に基づく。
従って、個別滴定量の理論値を測定することで、混合現像液での個別のフォトレジストの濃度割合が分かれば、混合現像液での滴定量からフォトレジスト全体の溶解量を簡便且つ正確に定量できることになる。
このため、前記パラメータに基づく従来の中和滴定法による分析精度の粗さの問題は解消され、同じく、前記特許文献2での比例定数に基づく測定方法の弊害もない。
一方、本発明3は、個別測定量の合算値を混合液全体の測定量に見做せるという加成性の原理を、本発明1の中和滴定法に替えて吸光光度法に適用したものである。
即ち、本発明3では、個別現像液での吸光度値の混合割合に応じた合算値を混合液全体の吸光度値と見做すことで、やはり混合現像液中のフォトレジスト全体の溶解量を簡便且つ正確に定量できるうえ、試料の吸光度を測定するだけなので、中和滴定法に比べてさらに迅速且つ簡単にフォトレジストの溶解量を判断できる。
このように、単独液と混合液との間で、前記中和滴定量だけでなく、吸光度についても加成性が成立することは、前述したように予測外の知見といえる。
本発明は多種類のフォトレジストが溶解した混合現像液について、個別のフォトレジストの単独溶解液での個別測定量の濃度割合に応じた合算値を、混合液全体の測定量として定量するフォトレジスト溶解量の測定方法であり、本発明の第一(即ち、上記本発明1)は中和滴定法によるものであり、第二(即ち、上記本発明3)は吸光光度法による測定方法である。
本発明のフォトレジストは、ネガ型、ポジ型、或はその他のドライフィルムを初め、液状レジストを含む概念である。
本発明の測定方法のうち、先ず、本発明1の中和滴定法を図1の滴定曲線により説明する。本発明1は中和滴定法を特徴とするため、酸基を含むフォトレジストとアルカリ現像液が対象となる。
新規の現像液(炭酸ナトリウム水溶液、図1では新液と表記)を例えば塩酸により中和滴定した場合、反応は以下の2段からなる。
Na2CO3 +HCl → NaHCO3+NaCl …(1)
NaHCO3+HCl → NaCl+H2O+CO2 …(2)
この場合、上記第一段反応(1)(pH8.3まで)の滴定量Aと第二段反応(2)(pH8.3〜4.0)の滴定量Bは理論的に等しい。
次いで、現像処理を行っている現像液(図1では旧液と表記)の場合には、処理によってNa2CO3に溶解したフォトレジスト成分(R-COOH)が溶液中に存在しており、次の中和反応が起こる。
Na2CO3+R−COOH → NaHCO3+R−COONa …(3)
そこで、この処理現像液(旧液)を中和滴定すると、前記第一段と第二段の反応は次の通りである。
Na2CO3 +HCl → NaHCO3+NaCl …(1)
NaHCO3 +HCl → NaCl+H2O+CO2 …(2a)
R−COONa+HCl → NaCl+R−COOH …(2b)
上記第一段反応(1)の滴定量は、炭酸ナトリウム成分のみに対する中和分である。また、第二段反応(2a)〜(2b)の滴定量は、炭酸水素ナトリウムに対する分(反応(2a)参照)とフォトレジストのNa塩に対する分(反応(2b)参照)の合計であるが、当該反応(2a)の炭酸水素ナトリウムは、上記反応(1)で炭酸ナトリウムより生じた分と前記反応(3)でフォトレジスト溶解時に生じた分の2つの反応に起因する。
この場合、第一段での滴定量をA′とし、第二段でのそれをB′とすると、炭酸水素ナトリウムとフォトレジストのNa塩に対する滴定量は(B′−A′)となり、反応(2a)と反応(2b)での酸の反応モル数は等しいため、フォトレジストのNa塩に対する滴定量は(B′−A′)/2となり、この数値がフォトレジストの溶解量(即ち、濃度)に対応することになる。
そこで、多種類のフォトレジストが溶解している現像液の中和滴定法を述べるが、以下ではフォトレジストの種類は仮りにn種類(nは2以上の整数)と想定して説明する。
先ず、n種類のフォトレジストのうちの各個別のフォトレジストのみを現像液中に溶解させた場合の中和滴定値をPkとする。
この場合、感光・現像工程で使用するフォトレジストは厚みが40μm、現像液中での濃度についてはその表面積に基づいて0.25m2/Lで表記することが一般的であるため、厚み40μmのフォトレジストを0.25m2/Lの濃度で含有する現像液を基準として(容積換算では、0.25m2/L×40μm=1.0×10-53/L)、この単独含有液の酸による中和滴定量がPkとして測定される。
また、上記個別のフォトレジストの容積がフォトレジスト全体の容積に占める混合割合をXkとする。即ち、混合割合は容積を基本とするため、例えば、種類が同じで厚みが異なるフォトレジストの場合、前述の通り、厚みの基準は40μmなので、40μmに替えて厚みが仮りに20μmのフォトレジスト(表面積は同じとする)を使用した場合、容積は半分になるため、フォトレジストの混合割合Xkは基準の半分に置き換えることになる。
尚、本発明2に示すように、現像液中でのフォトレジストの濃度は、現実に使用される表面積に照らして1.0m2/L以下が好ましく、従って、容積換算では4.0×10-53/L以下が好ましい(即ち、4.0×10-53/L=1.0m2/L×40μm(一般的な厚み))。例えば、使用する個別のフォトレジストの表面積が標準より大きくて、フォトレジストの濃度が1.0m2/Lとなる場合には、前述したように、0.25m2/Lのフォトレジスト濃度(厚みは40μmが前提)を基準とするため、その個別のフォトレジストの混合割合Xkを(1.0/0.25=)4倍にして調整する必要がある。
現像工程の現場では、使用したフォトレジストの種類、その厚み、表面積などはオペレーターにより逐次把握されているため、上記混合割合Xkは比較的容易に算出することができる。
次いで、このPkとXkを乗じた積である理論値Pk・Xkについて、下式(p)に示すように、フォトレジストの種類の数nだけ、k=1の場合の理論値P1・X1からk=nの場合の理論値Pn・Xnまでの全種類の理論値を合計する。
Tp=P1・X1+P2・X2+ … +Pn-1・Xn-1+Pn・Xn …(p)
そして、この総和Tpをもってフォトレジスト全体の中和滴定値とするのである。
この場合、前述したとおり、互いのフォトレジストに影響されることなく、単独溶液の個別滴定量の合算値を混合液全体の滴定量と見做せるという加成性の原理が働くため、この合計量から、少ない誤差の範囲内で混合現像液での実際のフォトレジスト全体の溶解量を予測することができる。
一方、本発明3は本発明1の中和滴定法に替えて吸光光度法による測定方法である。
吸光度は従来公知の方法で測定すれば良い。但し、本発明4に示す通り、波長250〜350nmでの吸光度値の測定が適しており、特に275nm前後の波長での測定が好ましい。
先ず、n種類のフォトレジストのうちの各個別のフォトレジストのみを現像液中に溶解させた場合の吸光度値をQkとする。
この場合、前記中和滴定法と同様に、厚み40μmのフォトレジストを0.25m2/Lの濃度で含有する現像液を基準として、この単独含有液の酸による吸光度値がQkとして測定される。
また、上記個別のフォトレジストの容積がフォトレジスト全体の容積に占める混合割合をXkとする。この混合割合Xkについても、上記中和滴定法と同様に、フォトレジストの厚み、或は表面積などが上記基準値から外れた場合には、補足・調整が必要である。
次いで、このQkとXkを乗じた理論値Qk・Xkについて、下式(q)に示すように、フォトレジストの種類の数nだけ、k=1の場合の理論値Q1・X1からk=nの場合の理論値Qn・Xnまでの全種類の理論値を合計する。
Tq=Q1・X1+Q2・X2+ … +Qn-1・Xn-1+Qn・Xn …(q)
そして、この総和Tqをもってフォトレジスト全体の吸光度値とするのである。
この場合、前述したとおり、互いのフォトレジストに影響されることなく、単独溶液の個別吸光度値の合算値を混合液全体の吸光度値と見做せるという加成性の原理が働くため、この合計量から、少ない誤差の範囲内で混合現像液での実際のフォトレジスト全体の溶解量を予測することができる。
以下、フォトレジストとして汎用されるドライフィルムを例にとって、本発明の中和滴定法によるドライフィルム溶解量の測定実施例、吸光光度法による同測定実施例を順次説明する。
但し、本発明は下記の実施例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
《中和滴定法によるドライフィルム溶解量の測定実施例》
(a)試料液の調製
先ず、市販されている任意のドライフィルムの中から、次の3種のフィルムA、B、Cを選択した。
ドライフィルムA:旭化成イーマテリアルズ(株)製のAQ−4077
ドライフィルムB:ニチゴーモートン(株)製のFXR40
ドライフィルムC:デュポンMRCドライフィルム(株)製の202J40
そして、当該3種のドライフィルムA〜Cにつき、所定の2種類を組み合わせて、現像液に想定した1.0重量%のNa2CO3水溶液(=10g/L)に溶解させて、試料溶液を調製した。
即ち、表面積0.25m2、厚み40μmの各ドライフィルムを基準として、夫々を単独で上記Na2CO3水溶液1.0Lに溶解させて単独液を調製するとともに、各フィルムを1/2の0.125m2に切りとり、A/2とB/2を上記Na2CO3水溶液1.0Lに溶解させた混合液(A/2+B/2)、同様に、混合液(A/2+C/2)、混合液(B/2+C/2)を調製した。
(b)中和滴定
中和滴定の手順は次の通りである。
(1)滴定前にpHメーターをpH4.01、6.86、9.18の液により校正した。
(2)試料液を一度撹拌し、凝集物などの固形物を採取しないようして、ピペットで5ml採取した。
(3)純水により希釈し、全量を約50mlとした後、0.05mol/L硫酸溶液により滴定を行い、滴定曲線を描くとともに、pH8.3〜4.0までに要した滴定量を求めた。 ちなみに、現場レベルの中和滴定では、液の採取から滴定値測定までのタイムラグはできるだけ短縮する必要があるが、当該実施例の試験レベルでは、複数種類のドライフィルムが溶解した混合現像液は、ドライフィルムの樹脂成分が現像液中に分散し懸濁した状態にあり、凝集などが起きる可能性もあるため、正確な測定を期す見地から、試料液を採取した後、数日経過して液の状態が安定する定常状態になってから中和滴定することが好ましい。蓋し、樹脂成分が試料液中で凝集すると、採取する液の部分によってはドライフィルムの濃度を正確に測定できない場合があるからである。
[単独液の滴定試験]
そこで、各ドライフィルムA〜Cの単独液について、中和滴定値の測定結果は下表1の通りである。尚、下表1のブランクは炭酸ナトリウム水溶液のみの滴定値である。
〈表1〉 単独液 ×(1/2)=理論計算値
ブランク 0.11 −−
A 1.160 0.580
B 0.920 0.460
C 0.970 0.485
[混合液の滴定試験]
次いで、混合液(A/2+B/2)、(A/2+C/2)、(B/2+C/2)について、中和滴定値の測定結果(左から2欄目)は下表2の通りである。
〈表2〉 混合液 理論計算値 誤差(%)
ブランク 0.110 −− −−
A/2+B/2 1.030 1.040 −1.24
A/2+C/2 1.070 1.068 −0.01
B/2+C/2 0.980 0.944 3.82
(c)試験結果の分析
上表2によると、例えば、混合液(A/2+B/2)について、実測滴定値は1.030である。
一方、前記単独液の表1によると、ドライフィルムAの単独滴定値は1.160であり、混合液(A/2+B/2)でのAの混合割合は1/2であるため、ドライフィルムAの理論計算値(=個別滴定量と混合割合の積)は表1に示す通り、1.160×1/2=0.580である。同様に、ドライフィルムBの理論計算値は表1の通り、0.920×1/2=0.460であるため、混合液(A/2+B/2)の滴定量の理論計算値は、表2に示す通り、
(1.160×1/2)+(0.920×1/2)=0.580+0.460=1.040である。
ちなみに、当該混合液(A/2+B/2)でのドライフィルム全体の中和滴定値Tpを前記(p)式に基づいて解説すると、次式で表される。
Tp=P1・X1+P2・X2 …(p)
(上式(p)中、P1はドライフィルムAの単独滴定値、X1はその混合割合、P2は同Bの単独滴定値、X2はその混合割合である。)
従って、この理論計算値(1.040)と混合液の実測値(1.030)との誤差は{(1.040−1.030)/1.040}×100=−1.24%しかなく、実測値に近似することから、理論計算値をもってドライフィルム全体の実測滴定値(ひいては全体の溶解量)を予測・定量できることが分かる。
混合液(A/2+C/2)についても、理論計算値(1.068)と混合液の実測値(1.070)との誤差は−0.01%しかなく、混合液(B/2+C/2)についても、理論計算値(0.944)と混合液の実測値(0.980)との誤差は3.82%程度で、共に理論計算値をもってドライフィルム全体の実測滴定値(ひいては全体の溶解量)を予測・定量できることが分かる。
以上のように、中和滴定方式に基づく本測定実施例では、個別の滴定量の理論合計値から混合液の滴定量を予測できる加成性の成立が確認できた。
《吸光光度法によるドライフィルム溶解量の測定実施例》
(a)試料液の調製
前記中和滴定方式での調製例と同様の手順で、各ドライフィルムA〜Cの単独液、並びに混合液(A/2+B/2)、(A/2+C/2)、(B/2+C/2)を調製した。
(b)吸光度測定
(1)ドライフィルムの溶解液を一度撹拌し、凝集物などの固形物を採取しないようにして、ピペットで2ml採取した。
(2)予め10g/Lの炭酸ナトリウム溶液で洗浄したメスフラスコにその試料液を入れ、10g/L炭酸ナトリウム溶液により標線まで200mlにメスアップした。
(3)メスフラスコをよく振り、充分に撹拌させた後、希釈させた試料液を100mlビーカーに移した。
(4)UV吸光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製、分光光度計U−3310)により、純水でベースラインを引いた後、波長275nmでスキャンを行った。
測定条件は次の通りである。
セル長 :1cm
希釈液 :10g/Lの炭酸ナトリウム溶液
希釈倍率:100倍
[単独液の吸光度測定試験]
そこで、各ドライフィルムA〜Cの単独液について、吸光度の測定結果を示すと、下表3の通りである。
〈表3〉 単独液 ×(1/2)=理論計算値
ブランク 0.014 −−
A 0.362 0.181
B 0.527 0.264
C 0.296 0.148
[混合液の吸光度測定試験]
次いで、混合液(A/2+B/2)、(A/2+C/2)、(B/2+C/2)について、吸光度の測定結果(左から2欄目)は下表4の通りである。
〈表4〉 混合液 理論計算値 誤差(%)
ブランク 0.014 −−
A/2+B/2 0.452 0.445 1.69
A/2+C/2 0.316 0.329 −3.95
B/2+C/2 0.405 0.412 −1.58
(c)試験結果の分析
上表4によると、例えば、混合液(A/2+B/2)について、実測吸光度値は0.452である。
一方、前記単独液の表3によると、ドライフィルムAの単独吸光度値は0.362であり、混合液(A/2+B/2)でのAの混合割合は1/2であるため、ドライフィルムAの理論計算値は表3に示す通り、0.362×1/2=0.181である。同様に、ドライフィルムBの理論計算値は表3の通り、0.527×1/2=0.264であるため、混合液(A/2+B/2)の吸光度の理論計算値は、表4に示す通り、
(0.362×1/2)+(0.527×1/2)=0.181+0.264=0.445である。
従って、この理論計算値(0.445)と混合液の実測値(0.452)との誤差はわずか1.69%しかなく、実測値にほとんで一致することから、理論計算値をもってドライフィルム全体の実測吸光度(ひいては全体の溶解量)を予測・定量できることが分かる。
混合液(A/2+C/2)についても、理論計算値(0.329)と混合液の実測値(0.316)との誤差は−3.95%、混合液(B/2+C/2)についても、理論計算値(0.412)と混合液の実測値(0.405)との誤差は−1.58%にとどまり、共に理論計算値をもってドライフィルム全体の実測吸光度(ひいては全体の溶解量)を予測・定量できることが分かる。
以上のように、吸光光度方式に基づく本測定実施例についても、個別液の吸光度総和と混合液の吸光度との間に加成性の成立が確認できた。
炭酸ナトリウム水溶液にドライフィルムを溶解した場合の滴定曲線図である。

Claims (4)

  1. 複数種のフォトレジストが溶解したプリント基板製造用の現像液中の当該フォトレジスト全体の溶解量を測定する方法において、
    フォトレジストが酸基を含むフォトレジストであり、現像液がアルカリ現像液であって、 複数種のフォトレジストのうちの各個別のフォトレジストのみを現像液中に溶解させた場合の中和滴定値をPkとし、
    その個別のフォトレジストの容積がフォトレジスト全体の容積に占める混合割合をXkとして、
    このPkとXkを乗じた理論値Pk・Xkについて、フォトレジストの種類の数n(nは2以上の整数)だけ、k=1の場合の理論値P1・X1からk=nの場合の理論値Pn・Xnまでの全種類の理論値を合計した総和をもって、フォトレジスト全体の中和滴定値とすることを特徴とする中和滴定法による現像液中のフォトレジスト溶解量の測定方法。
  2. 現像液中のフォトレジストの濃度が4.0×10-53/L以下であることを特徴とする請求項1に記載の中和滴定法による現像液中のフォトレジスト溶解量の測定方法。
  3. 複数種のフォトレジストが溶解したプリント基板製造用の現像液中の当該フォトレジスト全体の溶解量を測定する方法において、
    複数種のフォトレジストのうちの各個別のフォトレジストのみを現像液中に溶解させた場合の吸光光度法による吸光度値をQkとし、
    その個別のフォトレジストの表面積(濃度)がフォトレジスト全体の表面積(濃度)に占める割合をXk とし、
    フォトレジストの種類の数n(nは2以上の整数)に対応したk=1〜nのn個の各吸光度値Q k は一つの特定波長で測定した吸光度値であって、
    このQkとXkを乗じた理論値Qk・Xkについて、フォトレジストの種類の数nだけ、k=1の場合の理論値Q1・X1からk=nの場合の理論値Qn・Xnまでの全種類の理論値を合計した総和をもって、フォトレジスト全体の吸光度値とすることを特徴とする吸光光度法による現像液中のフォトレジスト溶解量の測定方法。
  4. 測定する吸光度値が250〜350nmの波長における数値であることを特徴とする請求項3に記載の吸光光度法による現像液中のフォトレジスト溶解量の測定方法。
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