以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図11を用いて本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシン1の構成について説明する。ここで、図1はスロットマシン1の正面図であり、図2はスロットマシン1の制御の概略を示すブロック図であり、図3はリール外周面の図柄配列の一例を示す説明図であり、図4は役と図柄の組み合わせを示す説明図であり、図5はこのスロットマシン1における制御システムを示すブロック図であり、図6は操作手段の操作とリールの作動のタイミングを示す説明図であり、図7は最小遊技時間を説明するための説明図であり、図8はストップボタンの押し順と入賞との関係を示す説明図であり、図9は各遊技状態に対して設定された役抽選テーブルの当選確率を示す説明図であり、図10は電源投入時の設定値設定手段150の処理を示すフローチャートであり、図11はこのスロットマシン1における遊技状態の遷移を示す説明図である。
このスロットマシン1は、図1に示すように、3個のリール21a〜21cに表示されている図柄を所定のライン上に揃えることにより、所定の枚数の遊技メダルを獲得する遊技を提供するものであり、図2に示すように、リール21a〜21cにより図柄を表示する図柄表示手段20と、遊技者の操作を受け付ける操作手段30と、遊技の制御を行うメイン制御基板100と、遊技に対する演出を行う演出手段40と、この演出手段40を制御するサブ制御基板200と、から構成されている。
(メイン制御基板100)
メイン制御基板100は、スロットマシン1における遊技の進行や演出等を含む全体を統括制御する手段であり、役の抽選を行う役抽選手段110、図柄表示手段20の駆動(回転及び停止)制御を行うリール制御手段120、図柄表示手段20が停止したときの図柄の判定を行う停止図柄判定手段130、入賞時の遊技メダルの払出し等を制御する払出し制御手段140、出玉率に関する設定値を設定する設定値設定手段150、役抽選手段110の抽選結果等を記憶するフラグ情報記憶手段160、役抽選手段110で特別役に当選したときに、後述する有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止するまで(入賞するまで)当選した状態を保持する特別役持ち越し手段170、遊技の進行や状態を制御する遊技状態制御手段180、及び、後述するフリーズ制御を行うフリーズ制御手段190を有して構成されている。このメイン制御基板100は、図5に示すように、演算等を行うメインCPU101と、役の抽選を行うための乱数発生器102と、メインCPU101が各種制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM103と、遊技の進行等に必要なプログラムを記憶しておくROM104と、サブ制御基板200と通信を行うI/F回路105と、を有しており、これらはバス106で接続されてデータの送受信が可能に構成されている。このメイン制御基板100において、メインCPU101は、ROM104に記録された遊技用制御プログラムをRAM103に展開して実行し、遊技の制御を行うように構成されている。
このメイン制御基板100の出力側(図2中、右側)には、図柄表示手段20が電気的に接続されている。この図柄表示手段20は、円筒外周面に沿って多種の図柄が描かれた回転可能な3個のリール21(左リール21a、中リール21b、右リール21c)、リール駆動手段22(左リール駆動手段22a、中リール駆動手段22b、右リール駆動手段22c)、及び、リール位置検出手段23(左リール位置検出手段23a、中リール位置検出手段23b、右リール位置検出手段23c)を有して構成されている。3個のリール21a〜21cは、左右方向に並列に設けられており、スロットマシン1の前扉3に形成されたリール表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、これらのリール21a〜21cは、スロットマシン1のリール表示窓11からは、合計9個の図柄が見えるように配置されている。このリール21a〜21cの各々には、例えば、図3に示すように0番から20番までの21個の図柄が表示されており、番号が増加する順で変動表示される。なお、この図3において、赤7、青7、及び、特別図柄は、このスロットマシン1の後述する特別役に特に関係する図柄である。また、ブランクは役を構成しない図柄である。また、リール駆動手段22a〜22cは、ステッピングモータ等で構成され、リール21a〜21cの各々の回転中心部に連結され、その作動はメイン制御基板100のリール制御手段120により制御される。さらに、リール位置検出手段23a〜23cは、各々のリール21a〜21cの停止位置を検出し、有効ライン上に表示されている図柄を判定するためのものであり、このリール位置検出手段23a〜23cによる検出値はメイン制御基板100により読み出され停止図柄判定手段130に渡される。また、このメイン制御基板100の出力側には、遊技メダルを払出すホッパー装置50が接続されており、その動作は払出し制御手段140により制御される。
また、メイン制御基板100の入力側(図2中、左側)には、操作手段30が電気的に接続されており、この操作手段30はベットボタン31(1ベットボタン31a及びMAXベットボタン31b)、スタートレバー32、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)、及び、精算ボタン34を有している。スタートレバー32は、図柄表示手段20として設けられたリール21a〜21cを始動させるときに操作するレバーであって、始動手段としての機能を有している。また、ストップボタン33(33a〜33c)は、回転しているリール21a〜21cの各々を停止させるときに遊技者が操作するボタンであって、停止手段としての機能を有している。また、ベットボタン31は、遊技者が貯留メダル(クレジット)をスロットマシン1に投入する(ベットする)ときに操作するスイッチであって、その操作によって図柄組み合わせラインが有効化される。なお、図1に示すメダル投入口51は、ベットボタン31と同様に、有効ラインを有効化するために遊技メダルを投入する部分であり、このメダル投入口51からの遊技メダルの投入は、ベットボタン31の操作に含まれるものである。なお、1回の単位遊技にベット可能な枚数を超えて遊技メダルが投入された場合には、所定の枚数の範囲内でこのスロットマシン1の内部(遊技媒体貯留手段141)に貯留されるように構成されている。また、精算ボタン34は、スロットマシン1の内部に貯留された遊技メダル及びベットされた遊技メダルを払い出すためのボタンである。
(役抽選手段110)
役抽選手段110は、乱数値を発生させる乱数発生手段111と、この乱数発生手段111から乱数値を抽出する乱数抽出手段112と、複数の役の各々の当選確率が乱数値の取り得る範囲に対応して定義された役抽選テーブルを記憶する役抽選テーブル記憶手段114と、乱数抽出手段112により取得された乱数値及び役抽選テーブルにより役に当選したか否かを判定する乱数判定手段113と、を有して構成されている。ここで、役としては、図4に示すように、複数種類の特別役、複数種類の小役、及び、リプレイが設けられている。この役抽選手段110は、何らかの役に当選したときは、後述するフラグ情報記憶手段160に対して当選した役のフラグをオンにする。
ここで、特別役とは、その役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、遊技メダルは払い出されないが、特別遊技状態(通常遊技以上に遊技メダルの獲得が期待できる、遊技者にとって有利となる特別遊技が実行される状態)に移行されるという役であり、BB(ビックボーナス)や、MB(ミドルボーナス)が設けられている。BBは、特別遊技の1つであるBB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役であり、MBは特別遊技の他の1つであるMB遊技(いわゆる、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技メダルが3枚投入されて遊技が行われた場合には、図4に示す特別役の何れかに対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、BB遊技若しくはMB遊技に移行するように構成されている。なお、BB遊技は、一般遊技と所定小役が高確率で当選するボーナスゲームとを、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、345枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。また、MB遊技は、全ての小役が、抽選が行われることなく当選した状態となり、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、253枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。なお、このMB遊技においては、後述するリール制御手段120は、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから、1コマ分以内で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるよう定められている(本実施形態に係るスロットマシン1では、左リール21aが該当する)。また、特別役はこれらのBB及びMBに限定されることはなく、RB(レギュラーボーナス)やSB(シングルボーナス)を設けることもできる。RBは、特別遊技の1つであるRB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る条件作動装置が作動する遊技)に移行させる役であり、このRB遊技においては、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームを12回行うか、8回入賞するまで繰り返し行うことができる。また、SBの図柄の組合せが有効ライン上に揃うと1遊技のSB遊技が行われるが、このSBは遊技状態を制御するための役として用いられることもある。
また、小役とは、その図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、予め定められた枚数の遊技メダルが払い出される役であり、小役の種類に応じて、その役に対応する図柄の組み合わせ及び払出される遊技メダルの枚数が異なるように設定されている。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図4に示すように小役1〜小役3が設定されている。なお、小役3における「any」とは、任意の図柄を意味する。このスロットマシン1において、小役1の図柄が有効ライン上に揃うと、後述する通常遊技中に入賞したときは4枚の遊技メダルが払い出され、特別遊技中に入賞したときは8枚の遊技メダルが払い出される。また、小役2の図柄が有効ライン上に揃うと6枚の遊技メダルが払い出され、小役3の図柄が有効ライン上に揃うと2枚の遊技メダルが払い出される。さらに、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持して再度遊技が行えるようにした役である。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図4に示すようにリプレイ1〜リプレイ4が設定されている。
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、操作手段30のスタートレバー32及びストップボタン33が操作されたタイミングに応じて、リール21a〜21cの回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、図6に示すように、リール制御手段120は、時刻t0においてスタートレバー32が操作されると、リール21a〜21cを回転させ、その後、時刻t1〜t3においてストップボタン33a〜33cが操作される毎に、後述する遊技状態制御手段180で管理されている遊技状態(例えば、通常遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選手段110による抽選の結果、並びに、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)が操作されたタイミングに基づいて、当該操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cの停止位置を決定すると共に、リール駆動手段(ステッピングモータ)22a〜22cの駆動を制御して、その決定した位置でリール21a〜21cの各々の回転を停止させる。
ここで、スロットマシン1のリール表示窓11を含む部分には、図示しないが、図柄組み合わせラインが設けられている。この「図柄組み合わせライン」とは、リール21a〜21cの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組み合わせを形成させるラインである。本実施形態では、上述のようにリール表示窓11に表示される3×3の図柄に対して、水平方向の中段、上段及び下段にそれぞれ設けられたラインと、右下がり及び左下がりの斜め方向の各ラインの合計5本から構成されている。そして、各リール21a〜21cの上下に連続する3図柄は、それぞれ1以上の図柄組み合わせライン上に位置している。なお、この図柄組み合わせラインの構成は一例であって、本発明がこの構成に限定されることはない。
さらに、5本の図柄組み合わせラインのうち、遊技者によって投入された遊技メダルの枚数に応じて、図柄組み合わせラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。「有効ライン」とは、本実施形態では、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止したときに、入賞と判定されその役に応じた利益が遊技者に付与されるラインである。一方、「無効ライン」とは、図柄組み合わせラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(遊技メダルの払い出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組み合わせの成立対象となっていないラインである。
このリール制御手段120は、回転しているリール21a〜21cに対してストップボタン33a〜33cが押されると、その時点から所定の範囲内で対応するリール21a〜21cを停止するように構成されている。具体的には、ストップボタン33a〜33cの各々が押されると、対応するリール21a〜21cの回転を所定の時間Ts内で停止させるように構成されている。この時間Tsは、例えば0.19秒であって、これは、リール21a〜21cに表示されている図柄の4コマ分に相当する。すなわち、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cが操作された時点で、その操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cを、当該リールの有効ライン上に位置する図柄を含めて5図柄以内に停止させることができる。そのため、リール制御手段120は、役抽選手段110による抽選の結果、いずれの役にも当選していないときは、いずれかの役を構成する図柄が有効ライン上にあるときにストップボタン33a〜33cが押されたとしても、有効になっている図柄組み合わせライン(有効ライン)上にどの役の図柄の組み合わせも停止しないように、各リール21a〜21cの停止位置を定める。一方、何らかの役に当選している場合には、リール制御手段120は、上記所定の範囲内において、対応する図柄がある場合には有効になっている図柄組み合わせライン(有効ライン)上に当選した役の図柄の組み合わせが停止するように、各リール21a〜21cの停止位置を定める。
また、リール制御手段120は、特別役に当選し、後述する特別役持ち越し手段170によりその特別役が持ち越されている遊技において、小役やリプレイに当選しているときは、これらの小役やリプレイを優先して有効ライン上に停止させるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。なお、このようなリール21a〜21cを停止させる際の制御は、リール制御用のテーブルを用いて行ってもよい。
また、リール制御手段120は、前の遊技と次の遊技との間隔が所定の時間(最小遊技時間)T0以上になるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。すなわち、図6に示すように、時刻t0においてスタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始したときから最小遊技時間T0が経過した後に次の遊技が開始されたとき(時刻t0から時間T0が経過した時刻t4よりも後の時刻t5において再びスタートレバー32が操作されたとき)は、そのスタートレバー32の操作に応じてリール21a〜21cの回転を開始させる(時刻t5にリール21a〜21cの回転を開始させる)。しかし、図7に示すように、最小遊技時間T0が経過する時刻t4より前の時刻t5′においてスタートレバー32が操作されたときは、リール制御手段120は、スタートレバー32が操作された時点(時刻t5′)ではリール21a〜21cの回転は開始させず、最小遊技時間T0が経過した時点(時刻t4)においてリール21a〜21cの回転を開始させる。なお、この最小遊技時間T0としては、例えば、4.1秒が設定される。
ここで、上述した小役1は、6つの小役1A〜小役1Fから構成されている。この小役1A〜1Fは、その図柄の組み合わせはすべて共通であるが、3つのストップボタン33a〜33cの押し順により、図柄の組み合わせの停止位置が異なるように設定されている。図8(a)に示すように、例えば小役1A当選時には、リール制御手段120は、ストップボタン33の押し順が「左中右」であるときは、有効ライン上にベルの図柄が表示されるようにリール33の停止制御を行い(図8(a)の「○」印)、それ以外の押し順では、有効ライン上にベルの図柄が停止しないように制御を行う(図8(a)の「×」印)。小役1B〜小役1Fについても同様である。
また、リプレイ2(2A〜2F)、リプレイ3(3A〜3F)及びリプレイ4(4A〜4F)も、それぞれの図柄の組み合わせは共通であるが、ストップボタン33の押し順により、図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うか揃わないかが制御されるように構成されている。例えば、図8(b)に示すように、リプレイ2A当選時には、リール制御手段120は、ストップボタン33の押し順が、「左中右」であるときは、有効ライン上にリプレイ2の図柄の組み合わせが停止するように制御を行い(図8(b)の「○」印)、それ以外の押し順では、リプレイ2の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃わないように制御を行う(図8(b)の「×」印)。
また、図9には、後述する各遊技状態における役の当選確率も示している。ここで、特別役はBB及びMB毎の合算の当選確率を示している。また、各役に示される「−」は、その遊技状態では当該役の抽選は行われないことを示している。なお、MBが当選して入賞したときの特別遊技状態においては、役の抽選は行われず、全ての小役が当選した状態で遊技が行われる。さらに、どの役にも当選しない確率(いわゆる「ハズレ」の場合の確率)は、特別役、小役及びリプレイ(再遊技役)の当選確率の合計を1から引いた確率である。
また、この図9において、例えば「リプレイ1+リプレイ2A」は、「リプレイ1」と「リプレイ2A」が重複して当選するように構成されていることを示している。ここで、上述したように、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの各々が操作されると、対応するリール21a〜21cを、その操作がされたときに有効ライン上に位置する図柄を含めて5図柄以内に停止するように構成されている。図3に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、リール21a〜21cの何れにおいても、リプレイの図柄は、互いの間隔が5コマ以内になるように配置されている。そのため、リール21a〜21cの各々がどのような回転位置にあったとしても、ストップボタン33a〜33cの操作がされると、リール制御手段120は、有効ライン上にリプレイの図柄を引き込むことができる。同様に、リール制御手段120は、リール21a〜21cのベルの図柄もストップボタン33a〜33cの操作タイミングに関わらず、有効ライン上に引き込むことができる。また、右リール21cのチェリーの図柄も同様である。そのため、これらの図柄で構成されたリプレイ1〜4が当選すると、リール制御手段120は、これらの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えるように制御する。なお、リール制御手段120は、押し順が設定されたリプレイの図柄の組み合わせを優先して有効ライン上に揃えるように制御を行う。すなわち、リール制御手段120は、「リプレイ1+リプレイ2A」が当選したときは、ストップボタン33a〜33cの押し順が「左右中」のときはリプレイ2Aの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うように制御を行い、それ以外の押し順の時はリプレイ1の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うように制御を行う。また、「リプレイ1+リプレイ3A+リプレイ4A」が当選したときは、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの押し順が「左中右」のときはリプレイ3Aの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うように制御を行い、「中左右」、「中右左」、「右左中」及び「右中左」のときはリプレイ4Aの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うように制御を行い、それ以外の押し順(「左右中」)のときはリプレイ1の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うように制御を行う。
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、リール21a〜21cの全てが停止したときに、上述の有効ライン上のいずれかに役の図柄の組み合わせが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役が成立した(入賞した)と判定する。このとき、停止図柄判定手段130は、リール位置検出手段23a〜23cを用いて、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上に位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の成立(入賞)の有無を判定する。なお、リール21a〜21cを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、リール21a〜21cが実際に停止してから停止図柄判定手段130が図柄の組み合わせを判定するのではなく、リール制御手段120によってテーブルを用いてリール21a〜21cの停止位置が定められた時に、有効ライン上に停止する図柄の組み合わせを判定するようにしてもよい。
(払出し制御手段140)
払出し制御手段140は、停止図柄判定手段130による判定の結果、成立(入賞)している役(本実施形態に係るスロットマシンにおいては小役1〜3)に応じたメダルの払出しを行う。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1においては、払出し制御手段140に設けられた遊技媒体貯留手段141により、内部に所定の枚数(例えば50枚)の遊技メダルを貯留することができる(以下、このスロットマシン1の内部に貯留されている遊技メダルを「クレジット」と呼ぶ)。メダル投入口51から最大のベット数(本実施の形態では3枚)以上の遊技メダルが投入されるか、若しくは、遊技メダルが払い出される役に入賞すると、払出し制御手段140は、その遊技メダルを遊技媒体貯留手段141に記憶(内部に貯留)する。なお、貯留されている遊技メダル(クレジット)の枚数が所定の枚数(上述の場合50枚)を超えると、払出し制御手段140は、超えた枚数の遊技メダルの払出しを、ホッパー装置50に行わせるように構成されている。また、払出し制御手段140は、精算ボタン34が操作されると、ベットされている遊技メダル及び貯留されている遊技メダル(クレジット)の払出しを、ホッパー装置50に行わせるように構成されている。このとき、ベットされている遊技メダル及び遊技媒体貯留手段141の貯留数は0になる。
(設定値設定手段150)
設定値設定手段150は、図示しない設定キーの操作により、本実施形態に係るスロットマシン1における役の抽選や払い出しに関する設定等を行うものである。このスロットマシン1においては、電源がオフされている状態で設定キーをオンにして電源を投入し、所定の操作を行って設定値を入力した後、設定キーをオフすると、この設定値が設定値記憶手段151に記憶されるように構成されている。例えば、1〜6までの6段階の設定値を設定することができ、役抽選手段110は、当該設定値に応じて役の当選確率を変化させ、これにより、払い出される遊技メダルの出玉率(払出し率)を変化させるように構成されている。したがって、図9に示す当選確率は一例である。また、本実施形態においては設定値の変更が行われると遊技に関する情報のうちの一部(特別役の当選フラグや通常遊技状態、再遊技確率変動遊技状態などの遊技状態)は保持される一方、他の情報(リールの駆動状態や小役の当選フラグなど)は初期化される。なお、本実施形態に係るスロットマシン1においては、特別遊技状態RT6にあるときは、上記操作を行っても設定値の変更ができないように構成されている。また、ボーナス内部中状態RT4においても設定値の変更ができないように構成しても良い。
図10に示すように、設定値設定手段150は、電源が投入されると、前扉3が開放されていて、且つ、設定キーがオンになっているかを判定する(ステップS530)。さらに、設定値設定手段150は、前扉3が開放された状態で設定キーがオンになっていると判断すると、RAM103の状態をチェックする(ステップS531)。例えば、RAM103が、記憶しているデータのチェックサムを生成してこれらのデータとともに記憶する機能を有する場合、設定値設定手段150は、RAM103の現在のデータから求められるチェックサムと、RAM103に記憶されているチェックサムとを比較し、一致をすればRAM103が正常であると判断し、一致しなければ異常であると判断する。設定値設定手段150は、このRAM103の状態のチェックの結果から(ステップS532)、正常であると判断すると正常な状態で設定値の変更が開始される旨の制御コマンド(正常設定値変更開始コマンド)をサブ制御基板200に送信し(ステップS533)、異常であると判断すると異常がある状態で設定値の変更が開始される旨の制御コマンド(異常設定値変更開始コマンド)をサブ制御基板200に送信する(ステップS534)。そして、設定値設定手段150は、設定キーがオフされるのを監視し(ステップS535)、設定キーがオフされると、設定された設定値を設定値記憶手段151に記憶させるとともに、この設定値を含む制御コマンド(設定値変更終了コマンド)をサブ制御基板200に送信する(ステップS536)。また、ステップS530で設定キーがオフであると判断すると、設定値設定手段150はサブ制御基板200に対して電源断復帰時コマンドを送信する(ステップS537)。
(フラグ情報記憶手段160)
フラグ情報記憶手段160は、役抽選手段110によって何らかの役に対するフラグがオンになった場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶する。なお、後述するように、フラグ情報記憶手段160に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。すなわち、特別役の場合、フラグ情報記憶手段160に記憶されている情報は、特別遊技の図柄が有効ライン上に揃ったことを条件として消去され、特別役の図柄が有効ライン上に揃わなければ次遊技以降、当該図柄が有効ライン上に揃うまで持ち越されるのに対し、それ以外の役の場合には、その役に対する図柄が有効ライン上に揃うか否かに関わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。
(特別役持ち越し手段170)
特別役持ち越し手段170は、役抽選手段110により特別役に当選し、フラグ情報記憶手段160に、この特別役に対するフラグが立てられると、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで、その当選役を持ち越し(フラグが立てられた状態を維持し)、特別役の図柄が有効ライン上に揃うと特別役の持ち越しを終了する(フラグが下げられる)。なお、その他の役は、当選した遊技で図柄を揃えることができないと、フラグは下げられる(次遊技に持ち越すことはできない)。
(遊技状態制御手段180)
遊技状態制御手段180は、このスロットマシン1における遊技状態を制御するものであり、通常遊技制御手段181、特別遊技制御手段182、及び、再遊技確率変動遊技制御手段183を有して構成される。図10に示すように、このスロットマシン1の電源が投入されたときやリセットされたとき(「RAMクリア」とも呼ばれる)のような初期状態において、遊技状態制御手段180は、通常遊技制御手段181を実行し、このスロットマシン1は、通常遊技状態(非内部中)RT0になる。ここで、「非内部中」とは、電源投入やRAMクリア時のように特別役に当選していない状態のことを指す。
そして、この通常遊技状態RT0において、役抽選手段110により小役1A〜1Fのいずれかに当選し、当選した役に対応する押し順以外の操作がされると、小役1A〜1Fの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃わない状態、言い換えると、操作が一致しなかったときの図柄の組み合わせ(これを「ベルこぼし目」と呼ぶ)が有効ライン上に揃うと、遊技状態制御手段180は、再遊技確率変動遊技制御手段183を起動し、このスロットマシン1は、第1再遊技確率変動遊技状態RT1になる。再遊技確率変動遊技とは、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態RT0とは異なるように構成された遊技である。図9に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、通常遊技状態RT0のときも、第1再遊技確率変更遊技状態RT1のときも、リプレイ(リプレイ1及びリプレイ1+リプレイ2A〜2F)の当選確率はほぼ同じである。
このスロットマシン1においては、再遊技確率変動遊技制御手段183は、図10に示すように、リプレイの当選確率が異なる4つの遊技状態を有している。この図10に示すように、第1再遊技確率変動遊技状態RT1のときに、リプレイ2A〜2Fの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、再遊技確率変動遊技制御手段183は、遊技状態を第2再遊技確率変動遊技状態RT2に移行させる。また、第2再遊技確率変動遊技状態RT2のときに、リプレイ3A〜3Fの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、再遊技確率変動遊技制御手段183は、遊技状態を第3再遊技確率変動遊技状態RT3に移行させ、リプレイ4A〜4Fの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、第1再遊技確率変動状態RT1に移行させる。また、第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3において、上述のベルこぼし目が有効ライン上に揃うと、再遊技確率変動遊技制御手段183は、遊技状態を第1再遊技確率変動遊技状態RT1に移行させる。なお、図9に示す第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3のように、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態よりも高く設定されている遊技状態を「リプレイタイム(RT)」とも呼ぶ。
一方、通常遊技状態RT0及び第1〜第3再遊技確率変動遊技状態RT1〜RT3において、役抽選手段110により特別役に当選すると、ボーナス内部中状態RT4に移行する。ここで、「内部中」とは、特別役に当選はしているが、有効ライン上にこの特別役に対応する図柄を揃えていない状態のことである。本実施形態に係るスロットマシン1の遊技状態制御手段180においては、再遊技確率変動遊技制御手段183が実行される。なお、ボーナス内部中状態RT4に移行すると、特別役持ち越し手段170により、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで当選役が持ち越される(すなわち、ボーナス内部中状態RT4が継続される)。
ボーナス内部中状態RT4において、当選した特別役に対応する図柄を有効ライン上に揃えると、遊技状態制御手段180は特別遊技制御手段182を実行し(作動させ)、このスロットマシン1は、特別遊技状態RT5になる。特別遊技状態RT5に移行すると、所定の終了条件を満たすまで通常遊技以上の遊技メダルの獲得を期待できる遊技者にとって有利な遊技(特別遊技)が実行される。ここで、所定の終了条件とは、上述したように、例えばその特別遊技状態において、遊技者に対して所定の枚数以上の遊技メダルが払い出された場合である。この特別遊技状態RT5において所定の終了条件が満たされると、特別遊技制御手段182の作動が終了し、通常遊技制御手段181が実行されて通常遊技状態RT0に移行する。
なお、いずれの遊技状態においても、小役に当選して対応する図柄を有効ライン上に揃える(入賞する)と払出し制御手段140により所定の枚数の遊技メダルが払い出され(若しくは貯留され)、リプレイ(再遊技役)に当選して対応する図柄を有効ライン上に揃えると再遊技が実行されるように構成されている。また、以上の遊技状態の説明は一例であり、本発明がこの遊技状態の遷移に限定されることはない。
(フリーズ制御手段190)
フリーズ制御手段190は、所定の条件を満たしたときに、遊技の進行を所定時間不能にするフリーズを行う。このフリーズ制御手段190が制御するフリーズの詳細については後述する。
(サブ制御基板200)
このようなスロットマシン1においては、遊技の結果に外部からの影響を加えることができないように、遊技を制御するメイン制御基板100とその遊技に対する演出を制御するサブ制御基板200とは分離して構成されている。そのため、メイン制御基板100は、サブ制御基板200で実行される演出を制御するために、上述の当選結果や遊技状態等の遊技に関する情報(制御状態)を含む制御コマンドをサブ制御基板200に送信するように構成されており、サブ制御基板200の演出制御基板300は、この制御コマンドを受信してその演出の態様を決定し、演出手段40を構成する画像表示装置41、各種演出用ランプ42、及び、放音部(スピーカー)43により映像、光及び音響効果を用いて演出を行うように構成されている。
このサブ制御基板200において演出制御基板300と画像音響生成基板400とは、図5に示すように、バス210に接続されている。演出制御基板300には、サブCPU310、乱数発生器320、RAM330、ROM340及びI/F回路350が設けられており、これらはバス210に接続されている。一方、画像音響生成基板400には、上述のバス210に接続された画像制御IC410及び音源IC440が設けられている。さらに、画像制御IC410には、ビデオRAM420及び画像ROM430と、画像表示装置41が接続されている。また、音源IC440には音源ROM450及びアンプ460が接続され、アンプ460には上部及び下部スピーカー43(43a,43b)が接続されている。また、バス210には、上述の各種演出用ランプ42(42a,42b)も接続されてその点灯・消灯動作が演出制御基板300により制御される。さらにバス210には、サブ入力手段44が接続されている。このサブ入力手段44は、サブ制御基板200で実行される演出に対して遊技者からの指示を与えるものであり、例えば、ボタン及び方向キーから構成されている。このサブ入力手段44は、例えば、図1に示すように、ストップボタン33a〜33cの上方に配置されている。
サブCPU310は、ROM340に記録された演出用制御プログラムをRAM330に展開して実行し、画像音響生成基板400に設けられた画像制御IC410及び音源IC440を制御して、画像表示装置41やスピーカー43(43a,43b)を用いて映像や音響効果による遊技の演出を行うように構成されている。なお、画像表示装置41に表示される映像は、画像制御IC410が、画像ROM430に記憶された画像情報をビデオRAM420に展開して実行することにより表示され、また、スピーカー43(43a,43b)から出力される音響効果(音楽、音声、効果音等)は、音源IC440が音源ROM450から取り出した音響情報から再生され、アンプ460を介してスピーカー43(43a,43b)から出力される。
なお、このサブCPU310で実行される演出は、上述のように、メイン制御基板100から送信される制御コマンドを、サブCPU310がI/F回路350を介して受信し、この制御コマンドに応じて決定・制御されるが、この演出の態様(パターン)の一部は、演出制御基板300に設けられた乱数発生器320で発生された乱数値を用いて決定されるように構成されている。
(メイン制御基板100での処理)
次に、図12〜図15を合わせて用いてメイン制御基板100で制御される各遊技における処理について説明する。ここで、図12は遊技開始時に遊技者がベット操作及びスタートレバー操作をするまでの処理の流れを示すフローチャートであり、図13はリールの回転から停止までの処理の流れを示すフローチャートであり、図14はリール停止後の処理の流れを示すフローチャートであり、図15は、1回の単位遊技において、メイン制御基板100からサブ制御基板200(演出制御基板300)に送信される制御コマンドの流れの一例を示す説明図である。なお、以降の説明において、メイン制御基板100のメインCPU101で実行される遊技用制御プログラムによる機能を「メイン制御手段」と呼ぶ。
遊技が開始されると、メイン制御手段は、遊技状態制御手段180により、遊技状態を管理する(ステップS500)。すなわち、現在の遊技状態が特別遊技状態RT5で、前の遊技において特別遊技の終了条件を満たしていれば通常遊技状態RT0に移行し、現在の遊技状態が通常遊技状態RT0で、前の遊技において再遊技確率変動遊技状態RT1への移行条件を満たしていれば再遊技確率変動遊技状態RT1に移行する。そして、メイン制御手段は、遊技の実行が可能になると、現在の遊技状態及び遊技メダルの受付(ベット)が可能になったことを示す遊技状態コマンドC1000をサブ制御基板200に送信する(ステップS501)。
遊技の開始時には、遊技者は、メダル投入ロ51から遊技メダルを投入するか、若しくは、ベットボタン31(1ベットボタン31a又はMAXベットボタン31b)を操作して遊技者の望む遊技メダルの数のベットを行う。メイン制御手段は、このベット操作が行われることを監視し(ステップS502)、ベット操作が行われると、メダル投入口51から投入された遊技メダルの枚数か若しくはベットボタン31の操作によりベットされた遊技メダルの枚数等の情報を含むベット情報をベットコマンドC1001としてサブ制御基板200に送信する(ステップS503)。なお、前の遊技でリプレイ(再遊技役)の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときは、遊技メダルが自動投入されたことを示すベットコマンドC1001が送信される。
さらに、メイン制御手段は、遊技者によりスタートレバー32が操作されたか否かを監視する(ステップS504)。そして、スタートレバー32が操作されると、役抽選手段110により役の抽選を行う(ステップS505)。この役抽選手段110による役の抽選が行われると、メイン制御手段は、スタートレバー32が操作された情報(始動操作情報)をスタートレバー受付コマンドC1002としてサブ制御基板200に送信し(ステップS506)、また、例えば、スタートレバー32が操作されたときに、所定時間だけリール21a〜21cの少なくとも一部の回転開始を遅らせる制御が行われる場合には、メイン制御手段のフリーズ制御手段190はサブ制御基板200に対して待機演出コマンドC1003を送信し(ステップS507)、さらに役の抽選結果である当選情報を含み演出態様の決定を指示するための条件装置状態番号コマンドC1004をサブ制御基板200に送信する(ステップS508)。
スロットマシン1の操作手段30の機能を一時停止状態にする「フリーズ演出」としては、例えば、遊技媒体の受け付け、または予めクレジットされた遊技媒体のベット数を定めるためのベットボタン31の操作を一時停止状態にすることも考えられるし、遊技を開始するためのスタートレバー32の操作を一時停止状態にすることも考えられるし、ストップボタン33a〜33cによるリール21a〜21cの停止操作を一時停止状態にすることも考えられる。ここで、操作手段30の機能を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく信号(例えば、遊技媒体の投入を感知するセンサからの信号、ベットボタン31、スタートレバー32またはストップボタン33a〜33cの操作に基づき操作手段30から送信される信号)の受け付けを所定期間行なわない場合があり得る。この場合、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、受け付けた信号を無効にする制御処理を行なうことも考えられるし、所定期間以内に遊技者の操作に基いて送信された信号を検知したときであっても、受け付け処理自体を行わないことも考えられる。また、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、遊技者の操作に基づく信号の受け付けは行なうが、受け付けた信号に基づいて実施する操作手段30の制御処理を所定期間実行せずに、所定期間経過後に受け付けた信号に基づいた制御処理を開始させる場合もあり得る。なお、スタートレバー32のフリーズに関しては、スタートレバー32を操作しても、所定期間リール21a〜21cの回転が開始されない場合や、所定期間、役抽選が開始されない場合を例示することができる。また、このようなフリーズ制御はスタートレバー32の操作時に限定されることはなく、例えば、全てのリール21a〜21cが停止したときに有効ライン上に特別役の図柄の組み合わせが揃っていた場合に(すなわち、次の遊技から特別遊技が行われることが確定したときに)、予め決められた時間だけフリーズ制御を行うように構成することができる。
続いて、メイン制御手段は、リール制御手段120により、リール駆動手段22a〜22cを駆動制御して、すべてのリール21a〜21cを回転させるように制御するが、まず、前の遊技の開始(リール21a〜21cの回転開始)から最小遊技時間が経過しているかを監視し(ステップS509)、最小遊技時間を経過しているときはこの最小遊技時間のカウントを0にセットして再度計時を開始する(ステップS510)とともに、全てのリール21a〜21cを回転させる(ステップS511)。なお、このステップS511においてリール制御手段120は、各リール21a〜21cの回転を開始させると、変動開始情報である第1〜第3回胴回転開始コマンドC1005〜C1007をサブ制御基板200に送信する。ここで、3つのリール21a〜21cのうち、左リール21aの回転が開始すると第1回胴回転開始コマンドC1005が送信され、中リール21bの回転が開始すると第2回胴回転開始コマンドC1006が送信され、右リール21cの回転が開始されると第3回胴回転開始コマンドC1007が送信される。そのため、第1〜第3回胴回転開始コマンドC1005〜C1007は、必ずしも図15に示される順番で送信されるわけではない。このようにして、リール21a〜21cがリール駆動手段22a〜22cによって回転されることで、リール21a〜21c上の図柄は、所定の速度でリール表示窓11内において上下方向に変動表示される。
遊技者が、各ストップボタン33a〜33cを操作すると、そのときに発生する操作信号がメイン制御基板100に入力される。リール21a〜21cが変動表示されている状態で、メイン制御手段は、遊技者のストップボタン33a〜33cに対する停止操作によりこの操作信号が入力されるのを監視し(ステップS512)、この操作信号を受信すると、リール制御手段120により、役の抽選結果とストップボタン33a〜33cが操作されたときのリール21a〜21c上の図柄の位置(受付位置)により、一意の停止位置を決め、ストップボタン33a〜33cに対応するリール駆動手段22a〜22cを駆動制御することにより、そのリール駆動手段22a〜22cに係るリール21a〜21cの停止制御を行う(ステップS513)。ここで、回転する3つのリール21a〜21cに対する停止操作のうち、3つのストップボタン33a〜33cがどの順序で操作されたとしても、最初の操作を第1停止と呼び、次の操作を第2停止と呼び、最後の操作を第3停止と呼ぶ。また、メイン制御手段は、3つのストップボタン33a〜33cが遊技者により押されて、対応するリール21a〜21cの回転が停止される毎に、ストップボタン33a〜33cの操作情報として、第1停止受付コマンドC1008及び回胴回転停止コマンドC1009、第2停止受付コマンドC1010及び回胴回転停止コマンドC1011、並びに、第3停止受付コマンドC1012及び回胴回転停止コマンドC1013をサブ制御手段に送信する(ステップS514)。これらの制御コマンドのうち、第1〜第3停止受付コマンドC1008,C1010,C1012は、ストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたことを示すコマンドであり、また、(第1〜第3)回胴回転停止コマンドC1009,C1011,C1013は、リール21a〜21cが停止したこと示すコマンドである。また、このストップボタン33a〜33cの操作情報には、3つのストップボタン33a〜33cのうちの操作されたストップボタンの順番や、中段に停止した図柄の情報(停止位置)、及び、ストップボタン33a〜33cが押されたときのリール21a〜21c各々の位置の情報であって、リール表示窓11の中段にある図柄に関する情報(図柄受付位置情報)が含まれる。このステップS512〜S514の処理は、全てのリール21a〜21cの回転が停止するまで繰り返される(ステップS515)。
次に、メイン制御手段は、停止図柄判定手段130により、有効ライン上にいずれかの役(抽選により当選した役)に対応する図柄が停止したか否かを判定し(ステップS516)、リール21a〜21cに停止した図柄に応じた演出の開始を指示するための、表示されている図柄の組み合わせに関する情報を示す作動図柄表示コマンドC1014をサブ制御基板200に送信する(ステップS517)。この作動図柄表示コマンドC1014は、例えば、特別役やリプレイの図柄が有効ライン上に揃った場合に、対応する演出の実行をサブ制御基板200に指示するためのコマンドであり、図柄に応じた演出が無い場合も送信される。また、メイン制御手段は、遊技メダルの払出しが開始されたことを示す情報をメダル払出開始コマンドC1015としてサブ制御基板200に送信する(ステップS518)。このメダル払出開始コマンドC1015には、払出されるメダルの枚数が設定されており、遊技メダルが払出される小役以外の図柄が有効ライン上に揃っているときは0枚が設定される。そして、以上の判定の結果、有効ライン上に特別役に対応する図柄(ボーナス図柄)が表示されていると判定したときは(ステップS519)、メイン制御手段は、遊技状態制御手段180により特別遊技制御手段182を実行し、特別遊技状態RT5(上述の場合、BB遊技若しくはMB遊技)に移行するとともに、予め決められた時間だけ、上述したフリーズ制御を行う(ステップS520)。また、有効ライン上にボーナス図柄が揃っていない場合に、小役1〜3に対応する図柄(小役図柄)が揃っている(入賞している)と判定したときは(ステップS521)、メイン制御手段は、払出し制御手段140により入賞した小役に対応する遊技メダルの払い出しを行い(ステップS522)、遊技メダルの払出しが終了するとメダル払出終了コマンドC1016をサブ制御基板200に送信する(ステップS523)。さらに、有効ライン上に小役図柄が揃っていない場合に、有効ライン上にリプレイ1〜4(再遊技役)に対応する図柄(リプレイ図柄)が揃っていると判定したときは(ステップS524)、メイン制御手段は、再遊技を実行する制御を行う(ステップS525)。こうして、一回の遊技に対する処理が終了すると、メイン制御手段はその情報を作動終了コマンドC1017としてサブ制御基板200に送信する(ステップS526)。
なお、図15には図示していないが、このスロットマシン1においてエラーが発生したことをメイン制御基板100が検知すると、サブ制御基板200に対してエラー通知コマンドが送信される。例えば、前扉3が開放されたことを検知すると、その旨を通知する制御コマンドとしてエラー通知コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。また、エラー状態から正常な状態に復帰したことを検知すると、その旨を通知する制御コマンドとしてエラー解除コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。例えば、前扉3が閉じられるとその旨を通知するエラー解除コマンドが送信される。また、メイン制御基板100は、ホッパー装置50において、遊技メダルが詰まったり、払い出す遊技メダルが無いために、遊技メダルの払出しに所定の時間以上を要していたりすることを検知すると、このホッパー装置50に異常がある旨を通知するエラー通知コマンドをサブ制御基板200に送信し、異常状態が解除されてエラー前の状態に戻ると、その旨を通知するエラー解除コマンドが送信される。また、遊技中に何らかの理由により電源が切断された場合には、再度電源が投入されたときに、図10を用いて説明したように、その旨を通知するエラー解除コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。さらに、前回の遊技が終了してから次の遊技のスタートレバー32が操作されるまでの間に精算ボタン34が操作されると、精算が開始されたことを精算が終了したことを示す制御コマンドがメイン制御基板100からサブ制御基板200に送信される。
(演出制御基板300による演出)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、メイン制御基板(メイン制御手段)100で制御される遊技の進行に応じて、単位遊技ごとに、サブ制御基板200の演出制御基板300により演出パターンが選択され、画像表示装置41、演出用ランプ42、放音部43等からなる演出手段40を用いた演出が実行される。まず、図16及び図17を用いてこの演出制御基板300で実行される演出について説明する。ここで、図16は演出制御基板300における演出状態の流れを示す説明図であり、図17は、第1特定演出におけるステージを説明するための説明図である。なお、以降の説明において、演出制御基板300のサブCPU310で実行される処理のうち、演出の実行に関する処理を「演出制御手段」と呼ぶ。
本実施形態に係るスロットマシン1の主な演出としては、通常の演出(通常演出)、内部中の演出及び特別遊技に対する演出(特別演出)に加えて、第1特定演出(以下、この演出が実行される遊技を「第1特定遊技」と呼ぶ)及び第2特定演出(以下、この演出が実行される遊技を「第2特定遊技」と呼ぶ)を有して構成されている。ここで、第2特定演出が行われる第2特定遊技は、いわゆるART遊技であり、AT遊技とRT遊技とが組み合わされている。AT遊技とは、上述した小役1やリプレイ2〜リプレイ4のようにストップボタン33a〜33cの押し順を伴う役が当選したときに、その押し順を上述の画像表示装置41等を用いて遊技者に報知することにより(以下、「アシスト」と呼ぶ)、遊技者に有利な遊技を提供するものである。また、RT遊技とは、遊技状態制御手段180により制御される再遊技確率変動遊技状態のうち、とくに、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態RT0よりも高く設定されている遊技状態(第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3)において行われる遊技である。なお、AT遊技として、ストップボタン33a〜33cの押し順を報知するのではなく、当選した小役の種類を報知するように構成することも可能である。また、第1特定演出が行われる第1特定遊技は、上述した第2特定遊技に進めるか否かを報知する演出であって、本実施形態に係るスロットマシン1においては、一連のストーリーが連続する複数の単位遊技に亘って展開される連続演出として構成されている。
なお、本実施形態に係るスロットマシン1においては、小役のうち、当選確率の低い小役3(以下、「レア小役」と呼ぶ)に当選すると、第2特定遊技の実行の当否を決定する抽選の権利が与えられ、この権利はレア小役に当選するたびに蓄積されるため、以降の説明ではこの権利を「ストック」と呼ぶ。レア小役に当選してこのストックを得ると、抽選が行われ、その結果が上述の第1特定演出が実行されて報知され、さらに、上記の抽選に当選すると、第2特定演出が実行される。
以下、図16に基づいて、通常演出が実行される状態を通常演出状態D0、第1特定演出が実行される状態を第1特定演出状態D1、第2特定演出が実行される状態を第2特定演出状態D2、内部中の演出が実行される状態を内部中演出状態D3、及び、特別遊技に対する演出(特別演出)が実行される状態を特別演出状態D4として説明する。
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1は、工場出荷時のような初期状態においては、通常遊技状態RT0にあり、演出制御手段は、この遊技状態での遊技に対して通常演出状態D0の演出を実行する。この通常演出状態D0においては、押し順を有する役が当選してもその報知は行われないため、例えば、役抽選手段110により小役1A〜1Fのいずれかに当選し、当選した役に対応する押し順以外の操作がされると、小役1A〜1Fの図柄の組合せが有効ライン上に揃わない状態、言い換えると、操作が一致しなかったときの図柄の組合せであるベルこぼし目が有効ライン上に揃い、第1再遊技確率変動遊技状態RT1になる。そして、このような通常遊技状態RT0又は第1再遊技確率変動遊技状態RT1において役抽選手段110によりレア小役(小役3)に当選すると、第2特定演出の当否を抽選する権利であるストックが与えられ、演出制御手段はこのストックに基づいて抽選を行うとともに、抽選結果を報知するために第1特定演出状態D1の演出を実行する。
この第1特定演出状態D1における演出は、上述したように一連のストーリーが、連続する複数の単位遊技に亘って展開される連続演出として構成されており、さらに、この連続演出は、前兆演出、バトル演出及びART遊技数報知演出から構成されている。前兆演出とは、第1特定演出の開始時に実行される演出であって後に続くバトル演出の導入演出としての位置づけを有している。また、バトル演出とは、ART遊技が付与されるか否かの結果を報知するための演出である。さらに、ART遊技数報知演出とは、バトル演出でART遊技を実行する権利を得たという表示がされたときに、そのART遊技に付与される遊技数を報知するための演出である。この第1特定演出状態D1においては、まず、後述する条件に基づいて複数のステージの中から1つのステージと、そのステージにおける位置が決定されて前兆演出が行われる。ここで、ステージとは、背景やバトル演出における敵キャラクタを決定するための演出の属性情報であって、例えば、図17(a)〜(c)に示すような山、湖、塔といったテーマが設けられている。また、その他の属性情報として各ステージには複数の位置が設定されている(図17においては、1〜6が相当)。演出制御手段は、前兆演出の開始時にこの前兆演出を行う遊技数を抽選で決定し、その遊技数の間、単位遊技毎に、決定されたステージ内で自キャラクタの位置を図17(a)〜(c)に示す番号の順で移動させて、各位置の背景等に基づいた画像を画像表示装置41に表示する。なお、図17(a)又は(b)に示すように、ステージの位置を循環して移動するように構成しても良いし、図17(c)に示すように、一部の位置を番号順に循環して移動するように構成しても良い。また、前兆演出は実行されずにバトル演出から開始される場合もある。また、前兆演出だけ実行されてバトル演出に移行しない場合もある。次に、前兆演出が終了すると、演出制御手段は、バトル演出を実行するが、その開始時に、バトル演出を行う遊技数を抽選で決定する。また、最後の前兆演出を実行したステージ上の位置に基づいて敵キャラクタを決定し、決定された遊技数のバトル演出(自キャラクタと敵キャラクタが戦闘を行う演出)を画像表示装置41に表示する。そして、バトル演出の最後の単位遊技において、全てのリール21a〜21cが停止すると、バトルの結果を画像表示装置41に表示する。ここで、このバトルの結果は、この第1特定演出状態D1における演出の開始時、すなわち、前兆演出の最初の単位遊技においてこの演出制御手段により抽選で決定されており、その結果に基づいて、演出が実行される。
演出制御手段は、バトルの結果が敗北のときは、ストックが有る場合は演出状態を第1特定演出状態D1にし、ストックが無い場合は演出状態を通常演出状態D0にする。一方、バトルの結果が勝利のときは、第1特定演出状態D1を継続し、次の単位遊技において、ART遊技数報知演出を行う。このART遊技数報知演出は、第2特定演出状態D2で行われる第2特定遊技(ART遊技)の遊技数(ART遊技数)を報知する演出であり、このART遊技数もバトル結果と同様に、第1特定演出状態D1における演出の開始時、すなわち、前兆演出の最初の単位遊技において、この演出制御手段により抽選で決定されている。演出制御手段は、ART遊技数報知演出が実行される単位遊技においてベット操作が行われるとART遊技数報知演出が開始し、全てのリール21a〜21cが停止すると、サブ入力手段44の操作(以降の説明においては、このサブ入力手段44を構成するボタンの操作)を促す演出を行うとともに、サブ入力手段44が操作されるとART遊技数を画像表示装置41に表示する。
さらに、演出制御手段は、このART遊技数報知演出の次の単位遊技より、第2特定演出状態D2による演出を実行する。この第2特定演出状態D2における演出は、上述したART遊技数の単位遊技に対して行われる。上述したように、この第2特定演出状態D2の演出では、ストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられた役(小役1及びリプレイ2〜リプレイ4が当選すると、その押し順が画像表示手段41に表示されて報知されるため、遊技者はその押し順に従ってストップボタン33a〜33cを操作することにより、遊技状態は第2再遊技確率変動遊技状態RT2から第3再遊技確率変動遊技状態RT3に移行し、結果としてこの第2特定演出状態D2における遊技は、第3再遊技確率変動遊技状態RT3で実行されることになる。なお、第3再遊技確率変動遊技状態RT3において第2特定遊技(ART遊技)が実行されているときは、アシストできる役は小役1A〜1Fである。そのため、遊技者が押し順を報知されたのにも関わらずその押し順で操作をしないと、小役1(ベル)のこぼし目が有効ライン上に揃い第1再遊技確率変動遊技状態RT1に移行してしまうが、上述のアシストを繰り返すことにより、第2特定演出状態D2における遊技では、第3再遊技確率変動遊技状態RT3で遊技を行うことができる。
ところで、第2特定演出状態D2でない場合でも、第1再遊技確率変動遊技状態RT1において当選したリプレイ2A〜2Fの押し順で遊技者がストップボタン33を操作してしまうと、第2再遊技確率変動遊技状態RT2に移行してしまうが、この演出状態では(ART状態以外の状態では)、リプレイ3A〜3F及びリプレイ4A〜4Fの押し順は報知されない。図8(b)に示すように、6通りの押し順のうち4通りの押し順がリプレイ4Aに割り当てられているため、これらの押し順が操作されたときにリプレイ4A〜4Fの図柄の組合せが有効ライン上に揃い、第1再遊技確率変動遊技状態RT1に戻すことができる。もちろん、リプレイ4A〜4Fに当選したときにその押し順を遊技者に報知して、第1再遊技確率変動遊技状態RT1に戻すように構成することも可能である。また、小役1に当選したときも、当選した押し順で操作できないと、ベルのこぼし目が有効ライン上に揃い、第1再遊技確率変動遊技状態RT1に戻すことができる。さらに、第2特定演出状態D2でないときに、偶然押し順が一致して第3再遊技確率変動遊技状態RT3に移行してしまった場合も同様である。このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、第2特定演出状態D2でないときに、メイン制御手段の遊技状態が、第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3で継続して実行されることはない。
この第2特定演出状態D2が終了すると、演出制御手段は、ストックがある場合は第1特定演出状態D1に戻り、ストックが無い場合は通常演出状態D2に戻って演出を実行する。なお、通常演出状態D0、第1特定演出状態D1及び第2特定演出状態D2にあるときに役抽選手段110により特別役に当選すると、演出制御手段は、そのときの演出状態に応じた演出を実行した後、内部中演出状態D3の演出を実行し、さらに特別役の図柄の組合せが有効ライン上に揃うと、次の単位遊技から特別演出状態D4の演出を実行する。また、特別演出状態D4が終了すると、演出制御手段は、第2特定演出状態D2のときに内部中演出状態D3から特別演出状態D4に移行したときは第2特定演出状態D2に戻り、それ以外の場合は、ストックの有無に応じて通常演出状態D0又は第1特定演出状態D1に戻る。
(演出制御基板300の構成)
次に、演出制御基板300において、上述の演出を行うための構成について図18を用いて説明する。なお、以降の説明においては、演出制御基板300(サブ制御基板200)のサブCPU310で実行される演出用制御プログラムによる機能を「演出制御手段311」と呼ぶ。ここで、図18は、演出制御基板300で実行される演出制御手段311の構成を示すブロック図である。
演出制御基板300のCPU310で実行される演出制御手段311は、図18に示すように、単位遊技毎に所定の役であるレア小役に当選したときに、ストックを与えるか否かを抽選で決定するストック抽選手段312と、上述の第1特定演出の属性情報であるステージ及び位置を決定するための情報でもあり、また、第1特定演出開始時に抽選により第2特定演出の実行及びその遊技数の当選確率を決定するための情報でもある2つの情報(以下、「モード1」及び「モード2」と呼ぶ)の状態を変更するためのモード変更手段313と、第1特定演出を開始するときの抽選等を行う特定演出開始手段314と、上述した演出状態に応じて演出を決定する演出決定手段315と、この演出決定手段の決定に基づいて演出を実行する演出実行手段316と、から構成されている。
また、演出制御基板300のRAM330には、ストック数を記憶するストック数記憶手段331と、メイン制御基板100から制御コマンドにより通知された遊技状態を記憶する遊技状態記憶手段332と、メイン制御基板100から制御コマンドにより通知された役の抽選結果である条件装置状態番号を記憶する条件装置状態番号記憶手段333と、第1特定演出開始時の抽選に用いられる抽選テーブルを記憶する第1特定演出抽選テーブル記憶手段334と、第1特定演出に関する情報を記憶する第1特定演出情報記憶手段335と、第2特定演出に関する情報を記憶する第2特定演出情報記憶手段336と、演出を抽選するための抽選テーブルを記憶する演出抽選テーブル記憶手段337と、演出パターンを記憶する演出パターン記憶手段338と、から構成されている。
(演出制御基板300での処理の流れ)
それでは、図19〜図35を用いて、本スロットマシン1の演出制御基板300における演出の制御について説明する。ここで、図19は、演出制御手段311全体の処理(演出制御処理)のフローチャートを示し、図20は、演出制御処理のうちのストック抽選処理のフローチャートを示し、図21は、演出制御処理のうちのモード変更処理のフローチャートを示し、図22は、モード1及びモード2の遷移の状態を示し、図23は、演出制御処理のうち特定演出開始処理のフローチャートを示し、図24は、バトル結果抽選テーブルの構成を示し、図25は、シナリオパターン及びシナリオ抽選テーブルの構成を示し、図26は、ステージ抽選テーブル及びスタート位置抽選テーブルの構成を示し、図27は、演出制御処理の演出実行処理のフローチャートであって、通常演出処理、内部中(通常)演出処理及び特別演出処理を示し、図28は、演出制御処理のうちの演出実行処理のフローチャートであって、第1特定演出制御処理のフローチャートを示し、図29は、演出制御処理のうちの演出実行処理のフローチャートであって、第1特定演出(前兆)処理を示し、図30は、演出制御処理のうちの演出実行処理のフローチャートであって、第1特定演出(バトル)処理の前段部分を示し、図31は、演出制御処理のうちの演出実行処理のフローチャートであって、第1特定演出(バトル)処理の後段部分を示し、図32は、演出制御処理のうちの演出実行処理のフローチャートであって、第1特定演出(報知)処理を示し、図33は、演出制御処理のうちの演出実行処理のフローチャートであって、第1特定演出(上乗せ)処理を示し、図34は、演出制御処理のうちの演出実行処理のフローチャートであって、内部中(特定)演出処理を示し、図35は、演出制御処理のうちの演出実行処理のフローチャートであって、第2特定演出処理を示す。
スロットマシン1のスタートレバー32が操作されると、役抽選手段110により役の抽選が行われ、スタートレバー受付コマンドC1002〜条件装置状態番号コマンドC1004がメイン制御基板100から送信される。図19に示すように、演出制御手段311のストック抽選手段312は、メイン制御手段(メイン制御基板100)から送信された情報(制御コマンド)に基づいて、ストック抽選処理を実行する(ステップS600)。このストック抽選処理S600は、メイン制御基板100の役抽選手段110において当選した役の情報から、レア小役に当選しているか否かを判断し、レア小役に当選している場合に抽選を行ってストックを付与するか否かを決定するものである。次に、演出制御手段311のモード変更手段313は、役抽選手段110において当選した役に基づいて、上述のモード1及びモード2を変更するか否かを決定する(ステップS610)。また、演出制御手段311の特定演出開始手段314は、第1特定演出を開始する条件が成立していると判断したときは、抽選等を行って第1特定演出の開始処理を行い(ステップS620)、さらに、このようにして決定された状態に基づいて、演出制御手段311の演出決定手段315及び演出実行手段316は、メイン制御基板100から送信される制御コマンドに基づいて、スタートレバー32が操作されてから第3停止のストップボタン33(33a〜33cのいずれか)が操作されて全てのリール21a〜21cが停止するまでの間に行う演出パターン、全てのリールが停止したときに何らかの役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃っていた(入賞していた)場合に行う演出パターン、及び、次の遊技のベットボタン31の操作時に行う演出パターンを決定し、この演出パターンに基づいて演出を行う演出実行処理を実行する(ステップS630)。本実施形態に係るスロットマシン1は、このステップS600〜S630までを、単位遊技毎に繰り返し実行するように構成されている。それでは、各処理の詳細について以降に説明する。なお、以降の説明における抽選は、演出制御基板300に設けられた乱数発生器320で発生される乱数値を用いて行っても良いし、サブCPU310のプログラムとして発生させた乱数値を用いても良い。
(ストック抽選処理S600)
図20に示すように、演出制御手段311のストック抽選手段312は、メイン制御基板100から遊技状態コマンドC1000及び条件装置状態番号コマンドC1004を受信すると、遊技状態コマンドC1000に含まれる遊技状態を抽出して、RAM330の遊技状態記憶手段332に記憶させ、条件装置状態番号コマンドC1004に含まれる役の抽選結果である条件装置状態番号を抽出して、RAM330の条件装置状態番号記憶手段333に記憶させる(ステップS601)。そして、条件装置状態番号記憶手段333に記憶されている条件装置状態番号がレア小役の当選を示すものでないときは、このストック抽選処理を終了する(ステップS602)。一方、条件装置状態番号がレア小役の当選を示すものであるときは、ストックを付与するか否かの抽選を行い(ステップS603)、当選したと判断したときは(ステップS604)、ストック数記憶手段331に記憶されているストック数STに1を加算して処理を終了し(ステップS605)、はずれたときはそのままストック抽選処理を終了する。なお、レア小役に当選したときは抽選処理を行わず必ずストックを付与するように構成しても良い。また、本実施形態ではメイン制御基板100の遊技状態に拘わらず、レア小役が当選したときは必ずストック抽選処理を行うように構成した場合について説明したが、遊技状態に応じて(例えばボーナス内部中状態RT4のときは)ストック抽選を行わないように構成することも可能である。
また、本実施形態では、レア小役の当選で抽選を行い、抽選に当選したときにストック数を1加算するように構成しているが、抽選で決定された2以上の値をストック数に加算するように構成しても良いし、レア小役に限定せず、小役の種類に応じて当選確率や加算されるストック数を変化させても良い。また、全ての小役の種類の当選に対して抽選を行っても良いし、一部の種類の小役の当選に対して抽選を行っても良い。また、ストック抽選の契機は小役の当選に限定されることはない。例えば、他の役の当選でも良いし、所定の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った場合でも良いし、所定の契機から所定の遊技数が実行されたことでも良い。
(モード変更処理S610)
上述したように、本実施形態におけるスロットマシン1では、第2特定演出の実行及びその遊技数の当選確率を決定する情報を「モード1」及び「モード2」という2つの情報で管理している。具体的には、「モード1」は第2特定演出への移行の当選確率(期待度)を示しており、本実施形態では「高」及び「低」の2つの状態を有している。また、「モード2」は第2特定演出へ移行するときに付与される遊技数の当選確率(期待度)を示しており、本実施形態では「1」、「2」及び「3」の3つの状態を有している。なお、これらのモード1及びモード2の構成は一例であって、それぞれ、2段階及び3段階に限定されることはない。また、モード1及びモード2の値はRAM330の第1特定演出情報記憶手段335に記憶される。
図21に示すように、演出制御手段311のモード変更手段313は、条件装置状態番号記憶手段333に記憶されている条件装置状態番号がレア小役の当選を示すものであるか否かを判断し(ステップS611)、レア小役であるときは、モード1又はモード2のいずれか一方を上げるか否かの抽選を行い(ステップS612)、この抽選に当選したと判断したときは(ステップS613)、当選した方のモードを1上げる(ステップS614)。一方、この抽選にはずれたとき、および、上げようとするモードが既に最大値の場合はそのまま処理を終了する。また、ステップS611でレア小役に当選していないと判断したときは、次に、リプレイ(リプレイ1〜4いずれか)に当選しているか、あるいは、いずれの役にも当選していない(いわゆるハズレの場合)か、を判断し(ステップS615)、リプレイに当選しているか、いずれの役にも当選していないと判断すると、モード1又はモード2のいずれか一方を下げるか否かの抽選を行い(ステップS616)、この抽選に当選したと判断したときは(ステップS617)、当選した方のモードを1下げる(ステップS618)。一方、この抽選にはずれたとき、および、下げようとするモードが既に最小値の場合はそのまま処理を終了する。以上のように構成すると、本実施形態に係るスロットマシン1は、図22に示すように、一回の抽選でモード1又はモード2のいずれか一方の状態を抽選により1段階、上昇又は下降させるように構成されている。
なお、モード1及びモード2を1段階ずつ上下させるのではなく、抽選により上下させる段階数を決定しても良い。また、特定の役に当選したときは抽選を行わずに所定の状態に移行させる(例えば、モード1及びモード2の両方を最大値にする)ように構成しても良し、当選した役により当選確率を変化させるように構成しても良い。
(特定演出開始処理S620)
図23に示すように、演出制御手段311の特定演出開始手段314は、第1特定演出の開始条件が成立したか、すなわち、遊技状態記憶手段332に記憶されている遊技状態が通常遊技状態RT0又は第1再遊技確率変動遊技状態RT1であってストック数記憶手段331にストックが付与されている(ストック数STが0でない)と判断すると(ステップS621)、第1特定演出抽選テーブル記憶手段334に記憶されているバトル結果抽選テーブル334aを用いて第1特定演出の結果を決定する(ステップS622)。この第1特定演出の結果には、図24に示すように、バトル演出におけるバトルの結果(○が勝利を示し、×が敗北を示し、以下「バトル結果」と呼ぶ)及び、第2特定遊技における初期遊技回数(ART遊技数)が含まれている。すなわち、一回の抽選でバトル演出の勝敗(バトル結果)とART遊技数が決定される。また、このバトル結果抽選テーブル334aは、モード1及びモード2の組み合わせに対して、それぞれ当選確率が異なる抽選テーブルが設定されている。上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1は、モード1に対して2段階、モード2に対して3段階の状態が設定されているため、このバトル抽選テーブル334aには6種類の抽選テーブルが設けられている。したがって、特定演出開始手段314は、ステップS622の結果抽選においては、モード1及びモード2に基づいてバトル抽選テーブル334aから一つの抽選テーブルを選択し、この抽選テーブルを用いて抽選を行うように構成されている。なお、バトル結果が敗北のときのART遊技数は、後述するように、バトル演出中に特別役に当選して内部中になってバトル結果が差し替えられたときに付与される遊技数である。
次に、特定演出開始手段314は、第1特定演出抽選テーブル記憶手段334に記憶されているシナリオ抽選テーブル334bを用いて第1特定演出のシナリオパターンを決定する(ステップS623)。この第1特定演出のシナリオパターンは、図25(a)に示すように、前兆演出及びバトル演出の繰り返し回数(本実施形態では最大3回まで設定されているが、この回数に限定されることはない)、前兆演出及びバトル演出の勝敗及びそれぞれの遊技数が設定された複数のパターンが設定されており、バトル演出の勝敗に応じた前兆演出が実行されるように構成されている。また、図25(b)に示すように、このシナリオ抽選テーブル334bは、上述のバトル抽選テーブル334aによる抽選結果に応じて選択されるシナリオパターンが異なり、さらに、その選択確率が異なる複数の抽選テーブル(バトル結果の数と同じ数の抽選テーブル)が設定されている。すなわち、バトル結果が勝利のときは前兆演出及びバトル演出が勝利するシナリオパターンが選択され、バトル結果が敗北のときは前兆演出及びバトル演出が敗北するシナリオパターンが選択される。なお、図25(a)に示すように、前兆演出及びバトル演出の遊技数はそれぞれのシナリオ毎に決定される範囲が設定されている。
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、バトル演出中に特別役に当選して内部中になるとバトル結果が敗北のときは差し替えられて勝利になり、そのときに決定していたART遊技数での第2特定演出が実行される権利を得るように構成されている。ここで、図24に示すパターンQ−1のART遊技数は0であるが、図25(b)に示すようにこのパターンQ−1が選択されたときは必ずシナリオパターンP−6が選択される。図25(a)に示すように、このシナリオパターンP−6が選択されたときは前兆演出のみが実行されバトル演出は実行されないため特別役の当選によるバトル結果の差し替えが発生せず、このようにART遊技数が0に設定されている。
さらに、特定演出開始手段314は、第1特定演出抽選テーブル記憶手段334に記憶されているステージ抽選テーブル334cを用いて第1特定演出を行うステージを決定し、また、スタート位置抽選テーブル334dを用いてステージ上のスタート位置を決定する(ステップS624)。上述したように、第1特定演出が実行されるときのステージ及びそのスタート位置は、モード1及びモード2により決定されるが、本実施形態では、ステージをモード2に基づいて決定し、スタート位置をモード1に基づいて決定している。そのため、図26(a)に示すように、ステージ抽選テーブル334cはモード2の段階毎(3段階)の抽選テーブルが設けられており、図26(b)に示すように、スタート位置抽選テーブル334dはモード1の段階毎(2段階)の抽選テーブルが設けられている。なお、上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、ステージの各位置には、出現する敵キャラクタが設定されており、また、この敵キャラクタ毎に、付与されるART遊技数の範囲が決まっている。そのため、ステップS622のバトル抽選において当選したART遊技数が付与することができない敵キャラクタがいるステージが当選した場合、演出内容に不整合が発生する。このような不整合を回避しるために、本実施形態に係るスロットマシン1の特定演出開始手段314は、バトル抽選において当選したART遊技数が付与することができない敵キャラクタがいるステージが当選した場合には、ステップS624において、このART遊技数を付与することができるステージに差し替えるように構成されている。あるいは、当選したART遊技数に応じてステージ抽選テーブル334cを切り替えるように構成しても良い。
最後に、特定演出開始手段314は、上述の処理により決定されたバトル結果、シナリオパターン、ステージ及びスタート位置を第1特定演出情報記憶手段335に記憶し、ART遊技数を第2特定演出情報記憶手段336に記憶して、この処理を終了する(ステップS625)。なお、ステップS621で第1特定演出の開始条件を満たしていないと判断したときは、そのままこの処理を終了する。
(演出実行処理S630)
特定演出開始手段314による特定演出開始処理S620が終了すると、遊技状態記憶手段332に記憶されている遊技状態、及び、第1特定演出情報記憶手段335に記憶されている情報に基づいて現在の演出状態が決定される。具体的な演出状態としては、上述したように、通常遊技状態RT0又は第1再遊技確率変動遊技状態RT1であってストックが無い場合は通常演出状態D0であり、ストックが有る場合は第1特定演出状態D1であり、第1特定演出状態D1でバトル抽選の勝利に当選し第1特定演出が終了した後は第2特定演出状態D2であり、ボーナス内部中状態RT4であるときは内部中演出状態D3であり、特別遊技状態RT5であるときは特別演出状態D4であると判断される。それでは、各演出状態における演出決定手段315及び演出実行手段316の処理について説明する。
−通常演出処理S6300−
図27(a)に示すように、演出決定手段315は、現在の演出状態が通常演出状態D0であると判断すると、通常演出処理S6300を実行する。この通常演出処理S6300において演出決定手段315は、演出制御基板300の乱数発生器320から乱数値を取得し、この乱数値と演出抽選テーブル記憶手段337に記憶されている演出抽選テーブルとを用いて演出パターンを決定する。そして、演出実行手段316は、スタートレバー32の操作から次の単位遊技のベットまでの間において、演出決定手段315で決定された演出パターンを演出パターン記憶手段338から取り出して、画像音響生成基板400を介して画像表示装置41、演出用ランプ42及び放音部43からなる演出手段40を制御して通常演出を実行する(ステップS6301)。なお、以降の演出処理において、演出決定手段315及び演出決定手段316による演出パターンの選択及び実行は同じである。
−内部中(通常)演出処理S6302−
図27(b)に示すように、演出決定手段315は、現在の演出状態が内部中演出状態D3であると判断すると、内部中(通常)演出処理S6302を実行する。この内部中(通常)演出処理S6302において演出決定手段315は、通常演出処理S6300と同様に演出パターンを決定し、内部中における演出を演出実行手段316により実行する(ステップS6303)。この内部中における演出としては、特別役に当選して特別遊技が実行されることが確定していることを報知する演出、又は、当選している特別役の種類を報知する演出が行われる。そして、演出決定手段315は、全てのリール21a〜21cが停止して、作動図柄表示コマンドC1014に含まれる結果から特別役の図柄が有効ライン上に揃ったと判断すると(ステップS6304)、演出実行手段316により、次の単位遊技から特別遊技が開始されることを報知する演出(特別演出開始演出)を実行する(ステップS6305)。なお、上述したように、全てのリール21a〜21cが停止したときに、有効ライン上に特別役の図柄の組み合わせが揃うと、メイン制御手段100のフリーズ制御手段190は、予め決められた時間だけフリーズ制御を行い、演出制御手段311は、このフリーズ制御の時間に対応して、特別演出開始演出を実行する。
−特別演出処理S6306−
図27(c)に示すように、演出決定手段315は、現在の演出状態が特別演出状態D4であると判断すると、特別演出処理S6306を実行する。この特別演出処理S6306において演出決定手段315は、通常演出処理S6300と同様に演出パターンを決定し、特別遊技における演出を演出実行手段316により実行する(ステップS6307)。そして、演出決定手段315は、特別遊技が終了したか否かを判断し(ステップS6308)、特別遊技が終了したときは、特別遊技が終了したことを報知する演出(特別遊技終了演出)を演出実行手段316により実行する(ステップS6309)。
−第1特定演出処理S6310−
上述したように、通常遊技状態RT0又は第1再遊技確率変動遊技状態RT1の遊技においてレア小役に当選しストックが発生したとき、若しくは、特別遊技が終了して通常遊技状態RT0に移行したときにストックを有する場合には、第1特定演出制御処理S6310が実行される。図28に示すように、この第1特定演出制御処理S6310は、前兆演出(ステップS6320)及びバトル演出(ステップS6330)を抽選で決定した回数繰り返し(ステップS6351)、バトル結果が勝利の場合には(ステップS6352)、ART遊技数報知演出が実行される(ステップS6370)。また、このART遊技数報知演出が実行されている遊技においてレア小役に当選すると、レア小役に当選し続ける限り、ART遊技数上乗せ演出が実行される(ステップS6384)。以下に、各処理の詳細について説明する。
−第1特定演出(前兆)処理S6320−
図29に示すように、演出決定手段315は、現在の遊技が第1特定演出の前兆演出を開始した最初の遊技(1遊技目)であるか否かを判断し(ステップS6321)、1遊技目であると判断すると、まず、この前兆演出を行う遊技数(前兆遊技数M)を抽選で決定し、この前兆遊技数Mを第1特定演出情報記憶手段335に記憶させる(ステップS6322)。このとき、演出決定手段315は、図25(a)に示したシナリオパターンに応じて、当選しているシナリオパターンに設定された遊技数の範囲内で前兆遊技数Mを決定する。また、図25(a)に示すように、前兆遊技数Mが0の場合があるため、この前兆遊技数Mが0であると判断すると(ステップS6323)、演出決定手段315は、前兆演出を行わずに当該遊技において後述する第1特定演出(バトル)処理S6330に移行する(ステップS6324)。一方、ステップS6323で前兆遊技数Mが0でない場合は、ステップS6325に進む。また、ステップS6321で1遊技目でないと判断したときもステップS6325に進む。
この第1特定演出(前兆)処理S6320においても、通常演出処理S6300と同様に演出パターンを決定し、前兆演出を演出実行手段316により実行する(ステップS6325)。具体的には、上述したように、抽選で決定したステージのスタート位置の景色を背景に、自キャラクタを表示させるとともに、遊技毎に図17(a)〜(c)の各々に示した番号の順番で当該ステージ上の位置を移動させる演出を実行する。例えば、各位置には特定の背景画像が設定されており、演出実行手段316は、各単位遊技において、現在自キャラクタがいる位置の背景画像の中を移動する自キャラクタの画像(シーン)を画像表示装置41に表示する。そして、第1特定演出情報記憶手段335に記憶されている前兆遊技数Mから1を減算し(ステップS6326)、前兆遊技数Mが0であるか否かを判断し(ステップS6327)、0であるときは前兆演出を終了する(ステップS6328)。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1における前兆演出は、自キャラクタが、抽選で決まったステージのスタート位置から、遊技毎に、位置を移動する演出が実行される。なお、上述したように、この第1特定演出の前兆演出におけるステージとそのステージにおけるスタート位置は、モード1及びモード2に対応する抽選確率で決定される。また、このモード1及びモード2は、上述したように、それぞれが第2特定遊技(ART遊技)の実行の当選確率(期待値)と第2特定遊技の遊技数(ART遊技数)の当選確率(期待値)に関係付けられている。そのため、遊技者は、前兆演出という1つの演出、すなわち、前兆演出が開始したときのステージ及びそのスタート位置から、第2特定遊技の実行の期待値及びその遊技数の期待値の2つを推測することが可能となる。
なお、この前兆演出が実行されている遊技において特別役に当選して内部中になると、演出決定手段315は、上述した内部中(通常)演出処理S6302を実行し、前兆演出は終了する。そして、この前兆演出は、特別遊技の終了後に再度最初から実行される。
−第1特定演出(バトル)処理S6330及び第1特定演出(報知1・2)処理S6370,S6384−
図30及び図31に示すように、演出決定手段315は、現在の遊技が第1特定演出のバトル演出を開始した最初の遊技(1遊技目)であるか否かを判断し(ステップS6331)、1遊技目であると判断すると、まず、このバトル演出を行う遊技数(バトル遊技数N)を抽選で決定し、このバトル遊技数Nを第1特定演出情報記憶手段335に記憶させる(ステップS6332)。このとき、演出決定手段315は、図25(a)に示したシナリオパターンに応じて、当選しているシナリオパターンに設定された遊技数の範囲内でバトル遊技数Nを決定する。さらに、ストック数記憶手段331に記憶されているストック数STから1を減算し(ステップS6333)、ステップS6334に進む。上述したように、前兆演出中に内部中になると、特別遊技が終了した次遊技から前兆演出が再度実行される(ストックが再度使用される)が、バトル演出中に内部中になると、そのバトル演出のバトル結果が勝利のときだけでなく、敗北であっても勝利に差し替えられて第2特定演出を実行する権利が与えられるため(ストックを消化するため)、このステップS6333でストックを1つ減らしている。一方、ステップS6331で1遊技目でないと判断したときもステップS6334に進む。
この第1特定演出(バトル)処理S6330においても、通常演出処理S6300と同様に演出パターンを決定し、前兆演出を演出実行手段316により実行する(ステップS6334)。具体的には、上述したように、前兆演出の最後の位置において、出現させることができる敵キャラクタから少なくとも1つの敵キャラクタを抽選等の手段を用いて選択し、その敵キャラクタと自キャラクタが戦闘を行う演出を実行する。そして、第1特定演出情報記憶手段335に記憶されているバトル遊技数Nから1を減算し(ステップS6335)、全てのリール21a〜21cが停止したか、すなわち、メイン制御手段100から第3停止受付コマンドC1012又は第3回胴回転停止コマンドC1013を受信したかを判断する(ステップS6336)。本実施形態に係るスロットマシン1においては、バトル演出が実行されている遊技において特別役に当選し内部中になると、特定演出開始手段314の抽選によるバトル結果が敗北のときは勝利に差し替えられ、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃わない限りは、バトル遊技数Nが0になるまでは、このバトル演出(第1特定演出)の遊技が継続されるように構成されている。そのため、全てのリール21a〜21cが停止した後のバトル演出は、内部中であるか否か、及び、特別役の図柄の組み合わせが有効ラインに揃ったか否かで変化する。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1において、第1特定演出が開始されるときの抽選でバトル結果が敗北であったしても、この第1特定演出のバトル演出が実行されている遊技において特別役に当選して内部中になると、そのバトル結果が勝利に差し替えられて第2特定演出(ART遊技)が実行される権利を得ることができる。このときのART遊技数はバトル結果とともに抽選で決定されている。このように、第1特定演出が開始されるときの抽選でバトル結果が敗北であって、バトル演出中に特別役に当選して内部中になると、バトル結果を法理に差し替えるとともに、第2特定演出が実行される権利を得ることができるが、第1特定演出が開始されるときの抽選でバトル結果が勝利となる場合であって、バトル演出中に特別役に当選して内部中になるときに得られる利益との差を出すため、図24に示すように、バトル結果が勝利のときはより多くのART遊技数が付与される機会が設けられている(バトル結果が敗北のときは最大で100ゲームしか得られないが、バトル結果が勝利のときは最大で500ゲームを得ることができる)。なお、このように抽選におけるバトル結果に応じて得られるART遊技数に差をつける代わりに、バトル結果に応じて、バトル を行った敵キャラクタから得られるART遊技数を変化させるように構成しても良い。例えば、敵キャラクタに勝利したときに、抽選でART遊技数を決定するようにし、さらに、得られるART遊技数が異なるような複数の抽選テーブルを設け、最初の抽選におけるバトル結果が勝利のときと敗北のときとで、この抽選テーブルを切り替えるように構成しても良い。
−バトル演出中に特別役に当選しない場合の演出の流れ−
まず、バトル演出が実行されている遊技において特別役に当選しない場合の演出の流れについて説明する。演出決定手段315は、メイン制御基板100から送信された作動図柄表示コマンドC1014に基づいて、有効ライン上に特別役の図柄の組み合わせが揃ったか否かを判断し(ステップS6337)、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃っていないと判断すると、次に第1特定演出情報記憶手段335に記憶されているバトル遊技数Nが0であるかを判断する(ステップS6338)。このステップS6338でバトル遊技数Nが0でないときは、次遊以降もバトル遊技数Nが0になるまでバトル演出を継続する。一方、演出決定手段315は、バトル遊技数Nが0であると判断すると、さらに、遊技状態記憶手段332に記憶されている現在の遊技状態がボーナス内部中状態RT4であるかを判断し(ステップS6339)、内部中で無いと判断すると、演出決定手段315は、演出実行手段316により画像表示装置41に対してバトル結果を報知する演出(バトル結果演出)を実行し(S6340)、一連のバトル演出を終了する(ステップS6347)。なお、バトル結果が敗北のときは、このバトル結果演出の実行を省略するように構成しても良い。また、バトル演出の最後の遊技、すなわち、バトル遊技数Nが0の遊技においては、スタートレバー32の操作からバトル結果演出を実行するように構成しても良い。
バトル演出で勝利の結果を示すバトル結果演出が行われると、演出決定手段315は、次の遊技において、第1特定演出(報知)処理S6370を実行し、第2特定演出の遊技数(ART遊技数)を報知する演出が行われる。図32に示すように、演出決定手段315は、通常演出処理S6300と同様に演出パターンを決定し、当該遊技においてART遊技数が報知されることを示唆する演出(「ART遊技数報知1演出」と呼ぶ)を演出実行手段316により実行する(ステップS6371)。例えば、前の遊技で勝利した自キャラクタが、敵キャラクタから装備品を奪う演出が実行される。そして、演出決定手段315は、第3停止受付コマンドC1012又は第3回胴回転停止コマンドC1013を受信して全てのリール21a〜21cが停止したと判断すると(ステップS6372)、作動図柄表示コマンドC1014に基づいて当該遊技で特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったか否かを判断し(ステップS6373)、揃っていないと判断すると、演出決定手段315は、遊技者に対してサブ入力手段44の操作を促す演出(「ART遊技数報知2演出」と呼ぶ)を演出実行手段316により実行する(ステップS6374)。例えば、画像表示装置41にサブ入力手段44のボタンを操作させるメッセージを表示しても良いし、放音部43によりアナウンスを流しても良い。そして、演出決定手段315は、サブ入力手段44の操作を検出するか、若しくは、次遊技のベット操作を検出すると(ステップS6375)、第2特定演出情報記憶手段336に記憶されているART遊技数を、例えば画像表示装置41に表示して報知する演出(「ART遊技数報知3演出」と呼ぶ)を演出実行手段316により実行する(ステップS6376)。さらに、演出決定手段315は、条件装置状態番号記憶手段333に記憶されている条件装置状態番号から、当該遊技でレア小役が当選したか否かを判断し(ステップS6377)、当該遊技でレア小役に当選していないと判断すると、この第1特定演出(報知)処理を終了する(ステップS6378)。一方、演出決定手段315は、ステップS6377でレア小役に当選していると判断すると、次の遊技で第1特定演出(上乗せ)処理S6384を実行する。なお、サブ入力手段44の操作だけでなく次遊技のベット操作でもART遊技数報知3演出を実行するのは、サブ入力手段44の操作を忘れて遊技を行う遊技者に対してもART遊技数の報知を行うためである。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1において、上述のART遊技数を報知する演出が実行される遊技においてレア小役に当選すると、次遊技でもう一度、ART遊技数を報知する演出が実行される。そのため、演出決定手段315は、ステップS6377でレア小役に当選していると判断すると、次の遊技で第1特定演出(上乗せ)処理S6384を実行する。この第1特定演出(上乗せ)処理S6384において、演出決定手段315は、まず、ART遊技数に上乗せする遊技数を抽選で決定し(ステップS6385)、決定した上乗せ遊技数を第2特定演出情報記憶手段336のART遊技数に加算する(ステップS6386)。そして、上述の第1特定演出(報知)処理S6370と同じ処理を繰り返し、上述したステップS6376のART遊技数報知3演出において、上乗せされた遊技数を報知する。なお、この第1特定演出(上乗せ)処理では、上乗せ遊技数を報知する代わりに、第1特定演出の開始時に抽選で決定していたART遊技数に上乗せ遊技数が加算された遊技数が報知するように構成しても良い。あるいは、第1特定演出(報知)処理S6370が実行される遊技で最初に得ていたART遊技数を報知し、第2特定演出(上乗せ)処理S6384が実行される遊技で上乗せ遊技数を合わせて報知するように構成しても良い。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、バトル演出の結果が勝利となると、次の遊技で第2特定演出の遊技数(ART遊技数)の報知が行われ、さらに、次の遊技から第2特定演出(ART遊技)が行われることになる。このART遊技数を報知する演出は、スタートレバー32の操作から全てのリール21a〜21cが停止するまでの演出(これからART遊技数を報知するという演出である上述のART遊技数報知1演出)、全てのリール21a〜21cの停止後に行われる演出(サブ入力手段44の操作を促す演出である上述のART遊技数報知2演出)、及び、サブ入力手段44の操作又は次遊技のベットにより行われる演出(ART遊技数を報知する演出である上述のART遊技数報知3演出)の3つの演出から構成されている。
−バトル演出中に特別役に当選した場合の演出の流れ−
次に、バトル演出中に特別役に当選し内部中になった場合の演出の流れについて説明する。図31のステップS6339で、現在の遊技状態がボーナス内部中状態RT4であると判断すると、演出決定手段315は、バトル結果が敗北であるかを判断し(ステップS6341)、敗北であるときはそのバトル結果を勝利に変更する(ステップS6342)。さらに、演出決定手段315は、ステップS6340で説明したバトル結果演出を実行し(ステップS6343)、第1特定演出(バトル)処理を終了する(ステップS6350)。そして、演出決定手段315は、次の遊技から、内部中(特定)演出処理S6360を実行する。図34に示すように、演出決定手段315は、通常演出処理S6300と同様に演出パターンを決定し、内部中の演出(特別遊技確定演出)を演出実行手段316により実行する(ステップS6361)。この特別遊技確定演出は、上述した内部中(通常)演出処理S6302と同様に、特別役に当選して特別遊技が実行されることが確定していることを報知する演出や当選している特別役の種類を報知する演出であるが、前の遊技まで実行されていたバトル演出との違和感を遊技者に与えないように、例えば、バトル演出と同じ背景や自キャラクタ及び敵キャラクタを利用した演出が実行される。そして、演出決定手段315は、第3停止受付コマンドC1012又は第3回胴回転停止コマンドC1013を受信して全てのリール21a〜21cが停止したと判断すると(ステップS6362)、作動図柄表示コマンドC1014に基づいて当該遊技で特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったか否かを判断し(ステップS6363)、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うまで、各遊技において特別遊技確定演出S6361を実行する。そして、ステップS6363で特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったと判断すると、すなわち、次の遊技から特別遊技が開始されると判断すると、演出決定手段315はまず、ステップS6371で説明したART遊技数報知1演出を演出実行手段316により実行する(ステップS6364)。さらに、演出決定手段315は、ART遊技数報知1演出が終了すると、続けて、ステップS6375で説明したART遊技数報知2演出に相当する演出であって、次の単位遊技から特別遊技が開始されることを報知するとともに、サブ入力手段44の操作を遊技者に促す演出(特別演出開始演出)を演出制御手段316により実行する(ステップS6365)。そして、演出決定手段315は、サブ入力手段44の操作を検出するか、若しくは、次遊技のベット操作を検出すると(ステップS6366)、第2特定演出情報記憶手段336に記憶されているART遊技数を報知するART遊技数報知3演出を演出実行手段316により実行し(ステップS6367)、この内部中(特定)演出処理S6360を終了する。なお、サブ入力手段44の操作を省略し、ステップS6365の特別遊技開始演出においてART遊技数を報知するように構成していも良い。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、バトル演出中に特別役に当選して内部中になると、バトル結果は必ず勝利に変更され、また、バトル演出が終了しても(バトル遊技数Nが0になっても)バトル結果の報知は行われず、内部中の演出が行われる。そして、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、全てのリール21a〜21cが停止した後に、まず、バトル結果及びART遊技数報知1演出が実行され、その後、ART遊技数を報知するためのサブ入力手段44の操作を促すとともに特別遊技が実行されることを報知する演出(ART遊技数報知2演出が加えられた特別遊技開始演出)が行われ、さらに、ART遊技数報知3演出が実行されるので、遊技者に対して必ずバトル演出の結果(ART遊技数)を報知することができる。なお、内部中(通常)演出処理S6302で説明したように、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、メイン制御基板100のメイン制御手段は所定の時間だけフリーズ制御を行い、演出決定手段315は、このフリーズ制御の時間に対応させて特別遊技開始演出を実行するように構成されているが、バトル演出中に特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときは、上述したようにまずバトル結果及びART遊技数報知1演出が実行され、その後、ART遊技数報知2演出、ART遊技数報知3演出が続けて実行される。このART遊技数報知1演出、ART遊技数報知2演出及びART遊技数報知3演出を合わせた(すなわち全体でART遊技数報知演出)時間は、特別遊技開始演出よりも長いため、特別遊技開始演出の時間に合わせて設定されたフリーズ制御手段190によるフリーズ実行時間は、ART遊技数報知1演出の途中で終了してしまうことになる(遊技操作が有効になる)。
ここで、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときに実行されるフリーズ実行時間を、ART遊技数報知演出に合わせた時間に設定すると、通常時に特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときに、その後から開始される特別遊技を行うことができなくなる時間が長くなってしまう。
また、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときに実行されるフリーズ実行時間とそれに対応した特別遊技開始演出を短く設定してしまうと、バトル演出中に特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った後に行われるART遊技数報知演出に、遊技者が気づかないまま次の遊技(特別遊技の1ゲーム目)に進んでしまうおそれがある。具体的には、遊技者がART遊技数報知演出に気づかずにベットボタン(31)を押下することによって、ART遊技数報知演出がキャンセルされ、次の遊技(特別遊技の1ゲーム目)に進んでしまうことを意味する。
そのため、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った後に行われるフリーズ実行時間は、バトル演出中に特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った後に行われるART遊技数報知演出が開始されたことが遊技者に判別できる程度の時間に設定しておくことが望ましい。
なお、本実施形態においては、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときに実行されるフリーズ実行時間を、ART遊技数報知演出が開始されたことが遊技者に判別できる程度の時間に設定しているが、それに限らずに、ART遊技数報知2演出やART遊技数報知3演出が開始されたことが遊技者に判別できる程度の時間に設定しても本実施形態には何ら問題はない。
−バトル演出中に特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った場合の演出の流れ−
一方、バトル演出中に特別役に当選して内部中になり、さらに、その特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、次遊技から特別遊技が始まるため、当該遊技で、バトル結果及びART遊技数を報知する必要がある。そのため、演出決定手段315は、図31のステップS6337で特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったと判断すると、バトル結果が敗北であるかを判断し(ステップS6344)、敗北であるときはそのバトル結果を勝利に変更する(ステップS6345)。さらに、演出決定手段315は、ステップS6340で説明したバトル結果演出、及び、ステップS6371で説明したART遊技数報知1演出を演出実行手段316により続けて実行する(ステップS6346)。さらに、演出決定手段315は、ART遊技数報知1演出が終了すると、続けて、ステップS6375で説明したART遊技数報知2演出に相当する演出であって、次の単位遊技から特別遊技が開始されることを報知するとともに、サブ入力手段44の操作を遊技者に促す演出(特別演出開始演出)を演出制御手段316により実行する(ステップS6347)。そして、演出決定手段315は、サブ入力手段44の操作を検出するか、若しくは、次遊技のベット操作を検出すると(ステップS6348)、第2特定演出情報記憶手段336に記憶されているART遊技数を報知する演出を演出実行手段316により実行し(ステップS6349)、第1特定演出(バトル)処理を終了する。この場合も、フリーズ制御が行われる時間は、上述のバトル結果演出及びART遊技数報知1演出が実行される時間よりも短くしておくことが望ましい。また、サブ入力手段44の操作を省略し、ステップS6347の特別遊技開始演出においてART遊技数を報知するように構成していも良い。
また、ART遊技数を報知する演出が実行されている遊技において特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときは(図32のステップS6373)、既にART遊技数報知1演出は実行されているため、演出決定手段315は、ステップS6375で説明したART遊技数報知2演出に相当する演出であって、次の単位遊技から特別遊技が開始されることを報知するとともに、サブ入力手段44の操作を遊技者に促す演出(特別演出開始演出)を演出制御手段316により実行する(ステップS6379)。そして、演出決定手段315は、サブ入力手段44の操作を検出するか、若しくは、次遊技のベット操作を検出すると(ステップS6380)、第2特定演出情報記憶手段336に記憶されているART遊技数を報知する演出を演出実行手段316により実行し(ステップS6381)、第1特定演出(報知1)処理S6370を終了する(ステップS6378)。また、サブ入力手段44の操作を省略し、ステップS6379の特別遊技開始演出においてART遊技数を報知するように構成していも良い。
以上のように、バトル演出及びART遊技数報知演出が実行されている遊技において特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときでも、バトル結果(勝利の結果)及びART遊技数を遊技者に対して報知するとともに、次の遊技から特別遊技が開始されることを報知することができる。
なお、本実施形態に係るスロットマシン1は、特別役とレア小役とを重複して当選させるように構成することも可能である。そのため、ART遊技数を報知する演出が実行される遊技において、特別役とレア小役とに重複当選したときは、ステップS6385〜S6386に示す上乗せ抽選及びその抽選結果のART遊技数への加算を行うとともに、このART遊技数を報知する演出を実行せずに内部中(特定)演出処理S6360を実行し、この内部中(特定)演出処理S6360において、特別役の図柄の組み合わせが揃ったときに、上乗せ遊技数が加算されたART遊技数を報知する。
また、バトル演出に勝利してART遊技数を報知する演出(第1特定演出(報知)処理S6370又は第1演出(上乗せ)処理S6384)が実行される遊技において、特別役に当選して内部中になると、上述した内部中(特定)演出処理S6360が実行されるが、この場合、演出決定手段315は、まず、ART遊技数の上乗せ抽選を行いその上乗せ遊技数を第1特定演出情報記憶手段335のART遊技数に加算し、その後、ステップS6361の処理から開始するように構成されている。すなわち、本実施形態に係るスロットマシン1においては、ART遊技数を報知する演出が実行される遊技において特別役に当選して内部中になると、特別な報酬(第2特定演出に対する上乗せ遊技数)を受けることができる。
また、以上の説明では、特別役の図柄が有効ライン上に揃ったと判断されたときに、バトル結果の差し替え(敗北から勝利に変更する)を行うように構成した場合について説明したが、この差し替えは、特別役に当選して内部中になった遊技で行っても良い。また、遊技結果を直接差し替えるのではなく、一旦敗北の演出を行った後、次の遊技でその結果を逆転させる演出を実行するように構成しても良い。
−第2特定演出処理S6390−
第1特定演出における抽選によりバトル結果が勝利になり、この第1特定演出が終了した次の遊技、若しくは、第1特定演出のバトル演出あるいはART遊技数報知演出中に特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃って実行された特別遊技が終了した次の遊技から、第2特定演出処理S6390が実行される。図35に示すように、演出決定手段315は、通常演出処理S6300と同様に演出パターンを決定し、ART遊技における演出を演出実行手段316により実行する(ステップS6391)。この演出は、通常の演出と同様でも良いし、押し順が報知されることを示唆する演出でも良い。そして、演出決定手段315は、条件装置状態番号記憶手段333に記憶されている条件装置状態番号が、アシスト役の当選を示すものであるか否かを判断し(ステップS6392)、アシスト役が当選しているときは、遊技者がストップボタン33a〜33cの操作を開始する前までに、当選しているアシスト役に応じた押し順を、画像表示装置41等を用いて報知する演出を演出実行手段316により実行する(ステップS6393)。一方、アシスト役が当選していないときは、通常の演出を実行する(ステップS6394)。ここで「アシスト役」とは、押し順が設定されている役であって、本実施形態に係るスロットマシン1では、主に小役1(小役1A〜小役1F)である。そして、演出決定手段315は、第2特定演出情報記憶手段336に記憶されているART遊技数Lから1を減算し(ステップS6395)、さらに、作動図柄表示コマンドC1014に基づいて特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったかを判断する(ステップS6396)。特別役の図柄の組み合わせが揃ったと判断すると、上述した特別遊技開始演出を実行し(ステップS6398)、この第2特定演出処理S6390を終了し、次の遊技から特別演出状態D4の演出を実行する(ステップS6399)。一方、特別役の図柄の組み合わせが揃っていないと判断すると、演出決定手段315は、ART遊技数Lが0であるか否かを判断し(ステップS6397)、0であると判断すると第2特定演出処理S6390を終了し、次の遊技から、第1特定演出状態D1又は通常演出状態D0の演出を実行する(ステップS6399)。一方、ART遊技数Lが0でないと判断すると、次の遊技においてもこの第2特定演出処理S6390を継続する。
このように、第2特定演出処理S6390が実行されている遊技において特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと次の遊技から特別遊技が実行されるが、第2特定演出情報記憶手段336に記憶されているART遊技数Lは保持されるため、特別遊技が終了した次の遊技から残りのART遊技数の遊技に対して第2特定演出が実行されることになる。また、この第2特定演出の遊技が終了した次の遊技からは、ストックがあるときは再度第1特定演出状態D1での遊技が実行され、ストックが無いときは通常演出状態D0での遊技が実行される。
本実施形態に係るスロットマシン1を以上のように構成すると、第1に、特定の遊技状態(リプレイの当選確率が高い第2及び第3再遊技確率変動遊技状態RT2,RT3)で遊技を行う第2特定演出の前に実行される第1特定演出において、この特定の遊技状態に関する2つの情報(モード1及びモード2)をそれぞれ異なる手段(ステージ及びそのステージにおけるスタート位置)により報知することにより、1つの演出(第1特定演出)により2つの情報(第2特定遊技の実行の期待値及びその遊技数の期待値)を報知することができる。また、このように、第1特定演出におけるステージ及びスタート位置を用いて2つの情報を報知することにより、演出の内容(ストーリー展開等)に制限を加えることなく、1つの演出で2つの情報の報知を行うことができる。
なお、これらの2つの情報の報知は、演出におけるステージ及びスタート位置に限定されることはなく、例えば、演出の背景における時間(朝・昼・番)や、出現する敵キャラクタの種類等により表現することができる。また、報知する情報も、第2特定遊技の実行の期待値及びその遊技数の期待値に限定されることはなく、例えば、上乗せされる遊技数の期待値を報知するように構成しても良い。
また、第2に、連続演出である第1特定演出が実行されている遊技において特別役が当選したときは、以降の遊技においてその特別役の図柄の組み合わせが揃ったときに、まず、連続演出の結果、すなわちバトル結果に基づく演出(バトル結果演出及びART遊技数報知演出)を実行し、その後、特別遊技開始演出を実行するように構成することにより、当該遊技の時間を必要以上に長くすることなく、連続演出の結果と特別遊技の開始を演出により報知することができる。特に、特別役の図柄の組み合わせが揃ったときにフリーズ制御が行われる遊技機では、そのフリーズ制御が実行されているときに連続演出の結果に基づく演出を実行することにより、遊技者に対してこの結果を確実に報知することができる。さらに、この連続演出の結果に基づく演出の実行時間をフリーズが行われる所定時間よりも長くすることにより、この遊技機に対して遊技者が操作をすることができない時間を有効に利用することができる。