<第1実施形態>
本発明に係る遊技機の第1実施形態たるスロットマシン1について、図1〜図23を参照して説明する。
(スロットマシンの概要)
スロットマシン1の構成の概略について図1〜図3を参照して説明する。図1はスロットマシンの正面図、図2はスロットマシンの電気的構成を示すブロック図、図3は回転リールの図柄配列の一例を示す図である。
本実施形態に係るスロットマシン1(本発明の「遊技機」に相当)は、メダルなどの遊技媒体が規定数投入されることを条件とする遊技者のスタートスイッチ9およびストップスイッチ10L,10M,10Rの操作に基づいて1回の遊技が実行されるものであって、例えば、図1および図2に示すように構成されている。すなわち、このスロットマシン1では、前面が開放された箱型の筐体の前面が前面パネル2により開閉自在に閉塞され、この前面パネル2のほぼ中央高さの位置に操作板3が配設されると共に、この操作板3の上方に正面板4が配設されている。
そして、この正面板4には横長矩形の表示窓5が設けられている。また、表示窓5の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する左・中・右リール6L,6M,6R(本発明の「可変表示列」に相当)を有する表示手段が配置されている。
左・中・右リール6L,6M,6Rそれぞれの周面には、図3に示すように、所定の個数(この実施形態では21個)の図柄が所定の配列で設けられている。また、左・中・右リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数の図柄には、種類が異なる複数種類の図柄(この実施形態では、スイカ、ベル、リプレイ、チェリー、白7、青7、赤7の7種類)が含まれている。なお、各リール6L,6M,6Rは、複数種類の図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて形成されている。また、各リール6L,6M,6Rが回転すると、各リール6L,6M,6Rそれぞれの周面に設けられた複数種類の図柄が所定の順序でそれぞれ表示窓5に変動表示される。また、各リール6L,6M,6Rの回転が停止すると、各リール6L,6M,6Rのそれぞれについて、表示窓5の上段、中段および下段のそれぞれに1個ずつの合計3個の図柄が表示されるように設定されている。すなわち、全てのリール6L,6M,6Rが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓5に停止表示される。
また、各リール6L,6M,6Rをそれぞれ独立して回転駆動できるように、各リール6L,6M,6Rには、それぞれステッピングモータにより構成されるリール用のモータが連結されている。
さらに、操作板3には、遊技者所有のものとして内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル投入を指示するためのベットスイッチ7、クレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ8、各リール6L,6M,6Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるレバー状のスタートスイッチ9、左・中・右リール6L,6M,6Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させる左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10R、クレジットメダルを払い出すための精算スイッチ11、例えば遊技者が演出に参加するときに使用されるチャンススイッチ12、およびメダル投入口13が設けられている。なお、本実施形態では、1ゲーム(1回の遊技)に必要なメダル投入数(規定数)は、3枚の1種類が設定されている。また、各リール6L,6M,6Rそれぞれにより複数種類の図柄を可変表示する可変表示列が形成されており、各ストップスイッチ10L,10M,10Rは、各リール6L,6M,6Rのそれぞれに対応して設けられている。なお、チャンススイッチ12が遊技者により操作されると、例えば、役抽選の結果を報知する演出が実行される。
ベットスイッチ7、最大ベットスイッチ8、各ストップスイッチ10L,10M,10R、精算スイッチ11、チャンススイッチ12それぞれは、ボタン状の操作部と、操作部の内部に配置され遊技者による操作部の操作に伴い移動する検知片を検出するセンサとを備えている。すなわち、ベットスイッチ7はベットスイッチ用センサ7aを備え、最大ベットスイッチ8は最大ベットスイッチ用センサ8aを備え、左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rそれぞれは左・中・右ストップスイッチ用センサ10La,10Ma,10Raを備え、精算スイッチ11は精算スイッチ用センサ11aを備え、チャンススイッチ12はチャンススイッチ用センサ12aを備えている。
また、操作部は、遊技者により操作されていない状態ではセンサが検知片を検知しないように、遊技者による操作部の押圧方向とは反対の方向に常時ばねで付勢されている。そして、ボタン状の操作部を備える「ストップスイッチ」等の各ボタン状スイッチの操作部が遊技者により押し込まれると、「ストップスイッチ」等の各ボタン状スイッチに対する操作状態が押圧状態となる。また、遊技者による操作部の押し込みに伴い検知片が移動し、移動した検知片がセンサにより検知される。その後、遊技者が手を離すことにより「ストップスイッチ」等の各ボタン状スイッチに対する押圧状態が終了すると、ばねの付勢力によってボタン状の操作部が初期位置に復帰移動することにより、検知片がセンサにより検知されなくなるので、センサによる検知片の検知状態が終了する。
スタートスイッチ9は、レバー状の操作部と、遊技者による操作部の操作に伴い移動する検知片を検出するスタートスイッチ用センサ9aとを備えている。スタートスイッチ9は、遊技者によるレバー状の操作部に対する操作状態と、スタートスイッチ用センサ9aによる検知片の検知状態との関係を除いて、上記した「ストップスイッチ」等のボタン状スイッチとほぼ同様の構成を備えている。
すなわち、本実施の形態では、遊技者によりスタートスイッチ9のレバー状の操作部が下方に押し込まれると、スタートスイッチ9に対する操作状態が押圧状態となる。そして、遊技者によるレバー状の操作部の押し込みに伴い検知片が移動し、移動した検知片がスタートスイッチ用センサ9aにより検知されなくなって、スタートスイッチ用センサ9aによる検知片の検知状態が終了する。その後、遊技者が手を離すことによりスタートスイッチ9に対する押圧状態が終了すると、ばねの付勢力によってレバー状の操作部が初期位置に復帰移動することにより、検知片がスタートスイッチ用センサ9aにより検知される。
なお、各センサと検知片との関係は、上記した例に限定されるものではない。すなわち、各センサと検知片との関係は、各スイッチが備える操作部が遊技者により操作されると、操作部が初期位置にあるときとセンサによる検知片の検知状態が異なる状態になる関係であればよい。このようにすると、各スイッチの操作部が遊技者により操作されたことを検知ことができる。したがって、センサと検知片との関係は適宜変更可能である。
また、正面板4の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様を報知する演出を行ったりするための液晶表示器14が設けられている。液晶表示器14は液晶ディスプレイ(LCD)の駆動回路が設けられた液晶制御基板14aを備え、液晶制御基板14aにより駆動されることにより液晶表示器14の液晶ディスプレイに種々の映像が表示される。また、液晶表示器14の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための上部スピーカ15が設けられている。
また、操作板3の下方には、装飾画などが表示された下部パネル18が設けられ、この下部パネル18の下方には、メダルの払出口20や、この払出口20から払い出されるメダルを受ける受け皿21が設けられている。また、下部パネル18の左右には、音楽や音声などによる演出を行うための下部スピーカ16が設けられている。
また、各リール6L,6M,6Rを支持する支持枠体が筐体内の後壁に固定されて設けられており、各リール6L,6M,6Rは支持枠体に支持されて筐体内に配設されている。また、筐体内の支持枠体の下方には、メダルを払出口20に排出するためのホッパーユニット40が配設されている。また、メダル投入口13付近の裏面側には、メダル投入口13に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット40に導くメダルセレクタが配設されている。
また、前面パネル2の裏面にはメダル通路が設けられている。メダルセレクタにおいて非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット40から払い出されたメダルが、メダル通路を通って払出口20に排出される。なお、図2において、投入センサ31は、筐体内部のメダル投入口13の近傍に配置されているメダルセレクタに設けられ、メダル投入口13に投入されたメダルを1枚ずつ検出するものである。また、払出センサ32は、ホッパーユニット40の出口に設けられ、払出口20に払い出されるメダルを1枚ずつ検出するものである。
また、前面パネル2の上側の周縁部分に上部ランプ部22が設けられ、前面パネル2の下部パネル18の左右に下部ランプ部23が設けられている。各ランプ部22,23それぞれは、発光ダイオードや有機EL等の発光素子、一般的な電球などの発光手段を備え、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行う。
また、このスロットマシン1では、少なくとも遊技の進行に関する制御を行うメインCPU51が実装されたメイン制御基板52と、メイン制御基板52から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU61が実装されたサブ制御基板62とが別々に設けられており、メイン制御基板52からサブ制御基板62に対して各種のデータがコマンド形式で一方通行で送信される。
メイン制御基板52のRAM53はスロットマシン1の遊技に関するデータを一時的に記憶するものであり、各種のデータを格納するための各種の記憶領域がRAM53に形成される。また、メイン制御基板52のROM54は各種のデータを予め記憶するものであり、抽選テーブルなどの予め設定されたデータを含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)が格納されている。
また、メイン制御基板52のメインCPU51は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM54に格納された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。また、メインCPU51は、役抽選手段103による役抽選処理における抽選結果に関するデータ、各ベットスイッチ7,8、各ストップスイッチ10L,10M,10R、スタートスイッチ9等の遊技者により操作される操作器具の操作に関するデータ、などのメイン制御基板52における遊技の進行状況やスイッチ、センサの作動状況に関する情報を示す種々のデータをコマンド形式でサブ制御基板62のサブCPU61に送信する。
なお、約1.8ミリ秒ごとにメインCPU51において実行されるタイマ割込処理のタイミングで、種々のデータがコマンド形式でメイン制御基板52からI/Oポートを介してサブ制御基板62に送信される。
サブ制御基板62のRAM63は、各種データを一時的に記憶するものであり、各種のデータを格納するための各種の記憶領域がRAM63に形成される。また、サブ制御基板62のROM64には、演出用の各種データや各種プログラムなどが格納されている。また、サブ制御基板62のサブCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、メインCPU51から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(役抽選手段103による役抽選処理における抽選結果、各ベットスイッチ7,8、各ストップスイッチ10L,10M,10R、スタートスイッチ9、チャンススイッチ12等の操作器具が操作されたか、などに関するデータ)に基づいてROM64に格納されたプログラムを実行することで、遊技者に対して実行される遊技に関連する演出の内容を決定する。なお、本実施の形態では、チャンススイッチ12が操作されたか否かはサブ制御基板62において検出されるが、チャンススイッチ12が操作されたか否かが他のスイッチと同様にメイン制御基板52において検出されるようにして、チャンススイッチ12の操作に関する情報がメイン制御基板52からサブ制御基板62に出力されるようにしてもよい。
また、サブ制御基板62が有するI/Oポートを介して、液晶表示器14や各スピーカ15,16、各ランプ部22,23などの各種の演出機器がサブ制御基板62に接続されている。そして、サブCPU61において決定された演出の内容に基づく制御信号(演出コマンド)が各演出機器に対して出力される。そして、サブ制御基板62から出力された演出コマンドに応じて、サブCPU61において決定された内容に基づく演出が各演出機器において実行される。
なお、約1.2ミリ秒ごとにサブCPU61において実行されるタイマ割込処理のタイミングで、サブCPU61において決定された内容に基づいてサブ制御基板62の出力バッファ66に設定されている演出コマンドがサブ制御基板62からI/Oポートを介して各演出機器に対して出力される。
以上のように構成されたスロットマシン1では、例えば次のような遊技が実行される。
まず、投入センサ31によりメダル投入口13からのメダル投入が検出されるか、あるいはベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8が操作されてクレジットメダルの投入指示があると、賭け数が設定される。そして、規定数の賭け数が設定された後にスタートスイッチ9が操作されると、まず、当選か否かを決定する乱数抽選がメイン制御基板52が備える抽選手段により行われ、ほぼ同時に、3個すべてのリール6L,6M,6Rの回転が開始する。
その後に、3個のストップスイッチ10L,10M,10Rのうちの1個が操作されると、当該操作されたストップスイッチに対応した各リール6L,6M,6Rのうちのいずれかの回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作が終了すると、3個すべてのリール6L,6M,6Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が所定の位置に停止すると入賞になり、ホッパーユニット40により遊技者に対して所定枚数のメダルが払い出されるか、または遊技者所有のメダルを消費することなく次回の遊技を実行可能なリプレイなどの所定の利益が遊技者に対して付与される。なお、メダルの払い出しに代えて、クレジットメダルとして内部に貯留されることもある。
また、メイン制御基板52の役抽選手段103による抽選結果などの遊技に関連する情報がコマンド形式でサブ制御基板62に送信される。そして、サブ制御基板62では、受信されたメイン制御基板52からのコマンドに基づいて、遊技の進行や役抽選手段103の抽選結果などの遊技状況に対応して予め設定された演出態様で各演出機器による演出が実行される。すなわち、液晶表示器14に動画や静止画等の映像を表示させたり、各スピーカ15,16から音楽を発生させたり、各ランプ部22,23を一斉にあるいは個別に点滅させたりする演出がサブ制御基板62において実行される。
(遊技状態の概要)
スロットマシン1の遊技状態の概要について、図4を参照して説明する。なお、図4は遊技状態の遷移を示す図である。
本実施形態のスロットマシン1では、遊技状態として、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態である特別遊技状態と、通常遊技状態よりも特別遊技状態に移行し易い状態である優遇遊技状態(チャンスゾーン)とを備えている。ここで、通常遊技状態において所定の優遇遊技移行条件が成立することを条件として、優遇遊技状態に移行するが、その移行前に、優遇遊技状態における特別遊技状態への移行のし易さの度合い(期待度)を報知(示唆)する期待度示唆区間を経由するように構成されている。また、優遇遊技状態において、所定の特別遊技状態移行条件が成立すると遊技状態が特別遊技状態に移行する。また、特別遊技状態へは、通常遊技状態において所定の特別遊技状態移行条件が成立した場合も移行する。特別遊技状態では、所定の特別遊技状態終了条件(例えば、規定ゲーム数の遊技の終了)が成立すると、遊技状態が通常遊技状態に移行する。なお、これらの各遊技状態については後で詳述する。
<メイン制御基板>
次に、メイン制御基板52が備える機能について、図5を参照して説明する。なお、図5はメイン制御基板の機能を示す機能ブロック図である。メイン制御基板52は、図5に示すように、ROM54に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
(1)通常遊技制御手段100
通常遊技制御手段100は、一般的な遊技状態である通常遊技状態での遊技を制御する。以下、通常遊技状態中の遊技について説明する。投入センサ31、ベットスイッチ7または最大ベットスイッチ8によりメダルの投入を検出すると、投入枚数に応じた本数の入賞ラインが有効になり、有効表示ランプが点灯する。そして、メダルの投入を条件にスタートスイッチ9が操作されたことを検出すると、役抽選手段103により予め設定された複数の当選役のいずれかに当選したかハズレかの抽選が行われるとともに、左・中・右リール6L,6M,6Rの全ての回転を開始させ、表示窓5に表示される各リール6L,6M,6Rの図柄を各リール6L,6M,6Rの回転角に合わせて判別することを開始する。
その後、左ストップスイッチ10Lが操作されたことを検出すると左リール6Lを停止させ、中ストップスイッチ10Mが操作されたことを検出すると中リール6Mを停止させ、右ストップスイッチ10Rが操作されたことを検出すると右リール6Rを停止させる。このように、各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作により対応する左・中・右リール6L,6M,6Rの回転が停止する。
そして、3個すべての左・中・右ストップスイッチ10L,10M,10Rを操作し終えると、3個すべての左・中・右リール6L,6M,6Rの回転が停止する。このとき、所定の図柄が所定の位置に停止すると、入賞となる。そして、入賞態様に応じた枚数のメダルがクレジットされるか、または払出口20から払い出される。また、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。
また、当選役としては、例えば、第1小役(ベル)、第2小役(スイカ)、第3小役(チェリー)、再遊技役といった複数の当選役が予め設定されている。そして、役抽選手段103による抽選結果には、第1小役当選と、第2小役当選と、第3小役当選と、再遊技役当選(Replay当選)と、ハズレとがある。また、入賞には、それぞれ所定枚数のメダルの払い出しに係る第1小役入賞、第2小役入賞および第3小役入賞と、再遊技(リプレイ)の実行に係る再遊技役入賞(リプレイ入賞)とがある。
そして、例えば、「ベル」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第1小役入賞となり、所定枚数(例えば、12枚)のメダルが払い出される。また、例えば、「スイカ」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、第2小役入賞となり、所定枚数(例えば、6枚)のメダルが払い出される。また、例えば、左リール6Lの回転を停止させたときに「チェリー」の図柄が有効な入賞ライン上に停止すると、中・右リール6M,6Rに表示されている図柄の停止位置にかかわらず、第3小役入賞となり、所定枚数(例えば、1枚)のメダルが払い出される。また、例えば、「リプレイ」の図柄が有効な入賞ライン上に3個揃うと、リプレイ入賞となり、新たなメダルを投入することなく、前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことができる。なお、この実施形態では、第1小役には、押し順が規定されているものがあり(押し順ベル小役と称する)、規定された押し順通りにストップスイッチ10L,10M,10Rを操作しないと、第1小役が当選しているにもかかわらず入賞させることができないように構成されている。
(2)リプレイタイム遊技制御手段101
リプレイタイム遊技制御手段101は、再遊技役への当選確率を通常遊技状態よりも高く設定された遊技状態であるリプレイタイム遊技状態(RT)の遊技を制御するものである。なお、この実施形態では、RT遊技制御手段101は、ほぼ特別遊技状態のみで実行される遊技であり、後述するサブ制御基板62側で実行される当選小役等の報知演出と組み合わせることにより、特別遊技(いわゆる、アシストリプレイタイム:ART)が実行される。
リプレイタイム遊技状態へは、通常遊技状態において特定図柄が入賞ライン上に並ぶことにより移行する。この特定図柄は、所定の特別遊技状態移行条件の成立後に実行される当選小役等の報知演出(例えば、ストップスイッチ10L,10M,10Rの押し順報知演出)に依らなければ揃わないように構成されている。また、リプレイタイム遊技状態は、所定の通常遊技状態移行条件の成立により、通常遊技状態に移行するように構成されている。例えば、上記した押し順ベル小役が当選したにもかかわらず、入賞しなかった場合に通常遊技状態に移行する。
(3)テーブル選択手段102
テーブル選択手段102は、遊技状態の種類(通常遊技状態やRT遊技状態)、スロットマシン1に設定される周知の設定値(設定1から設定6)に基づき、複数の役抽選テーブル541から1つの役抽選テーブル541を選択するものである。すなわち、例えば通常遊技状態では、テーブル選択手段102は、役抽選テーブル541として、入賞確率の設定値(設定1〜設定6)に応じて役抽選テーブル541(通常遊技用役抽選テーブル)を選択する。
役抽選テーブル541は、後述するメイン乱数発生手段104が発生させる全範囲の乱数について、当選か否かをあらかじめ所定の割合で定めたものである。具体的には、役抽選テーブル541は、メイン乱数発生手段104が発生させる全範囲の乱数について、第1小役に当選にするか、第2小役に当選にするか、第3小役に当選するか、再遊技役に当選にするか、あるいはハズレにするかを、あらかじめ所定の割合で定めている。また、この役抽選テーブル541は、遊技状態(通常遊技状態やRT遊技状態)と設定値(設定1〜設定6)との組み合わせ毎に設けられている。
(4)役抽選手段103
役抽選手段103は乱数抽選を行うもので、図5に示すように、メイン乱数発生手段104と、メイン乱数抽出手段105と、役抽選判定手段106とを備えている。
(5)メイン乱数発生手段104
メイン乱数発生手段104は、抽選用の乱数を所定の範囲内で発生させるものである。また、メイン乱数発生手段104は、例えば、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成することができる(いわゆるハード乱数)。なお、メイン乱数発生手段104は、例えば、平均採中法で乱数を発生させる手段や、あるいは素数の加算によって乱数を発生させる手段によって構成することもできる。これらの手段は、例えば、メインCPU51に所定のプログラムを実行させることによって構成することができる(いわゆるソフト乱数)。また、ハード乱数とソフト乱数の双方を備え、それらの結果に基づき乱数をソフト的に生成するようにしてもよい。
(6)メイン乱数抽出手段105
メイン乱数抽出手段105は、メイン乱数発生手段104が発生する乱数値を所定の条件で抽出するものである。この実施形態では、メイン乱数抽出手段105は、スタートスイッチ9が操作されたタイミングで、役抽選手段103用の乱数から乱数値を抽出する。なお、メイン乱数発生手段104は、カウンタ回路などによって構成されるため、メイン乱数発生手段104が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。しかしながら、スタートスイッチ9が操作されるタイミングはランダムであると考えられるため、メイン乱数抽出手段105が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。
(7)役抽選判定手段106
抽選判定手段106は、メイン乱数抽出手段105が抽出した乱数と、テーブル選択手段102が選択した役抽選テーブル541とを照合して、乱数抽選結果の判定を行うものである。この役抽選判定手段106は、メイン乱数抽出手段105が抽出した乱数と、複数の役抽選テーブル541からテーブル選択手段102により選択された役抽選テーブル541とを照合して、乱数抽選の結果が、第1小役当選か、第2小役当選か、第3小役当選か、再遊技役当選か、あるいはハズレかを判定する。
(8)停止制御手段107
停止制御手段107は、遊技者によるストップスイッチ10L,10M,10Rに対する操作態様と役抽選手段103の役抽選結果とに基づき、停止テーブル542を用いてリール6L,6M,6Rの停止制御を行うものである。例えば、役抽選手段103による役抽選結果が複数の当選役(第1〜第3小役、再遊技役)のいずれかへの当選であった場合、停止制御手段107は、遊技者がストップスイッチ10L,10M,10Rを操作したタイミングが適切であれば、後述の図柄判定手段108により当選した役に入賞したと判定されるように、リール6L,6M,6Rの停止制御を行う。また、押し順ベル小役への当選であった場合には、ストップスイッチ10L,10M,10Rが正しい押し順で操作された場合に、押し順ベル小役に入賞したと判定されるように、リール6L,6M,6Rの停止制御を行う。
(9)図柄判定手段108
図柄判定手段108は、全てのリール6L,6M,6Rが停止したときの停止態様が所定の停止態様であれば、入賞と判定するものである。なお、入賞と判定される停止態様は、役毎に異なる停止態様が予め定められている。
(10)払出制御手段109
払出制御手段109は、図柄判定手段108によりメダル払い出しのある入賞と判定されたときに、入賞した役に応じた払出枚数だけメダルを払い出すものである。また、払出制御手段109は、メダルを払い出す場合、クレジットメダルの貯留枚数が上限値に達するまではクレジットメダルの貯留枚数を増加させ、クレジットメダルの貯留枚数が上限値(本実施の形態では、例えば、50枚)に達した後は、ホッパーユニット40を動作させて、所定の枚数のメダルを払出口20から受け皿21に払い出す。
(11)リール検出手段110
リール検出手段110は、左・中・右リール6L,6M,6Rの回転位置をそれぞれ検出するものである。すなわち、このリール検出手段130は、左・中・右リール6L,6M,6Rの回転中および回転停止時に、所定の基準位置(この実施形態では例えば、表示窓5の中段)に位置する図柄に対応するコマ番号をそれぞれ検出する。
(12)送信制御手段111
送信制御手段111は、役抽選手段103による役抽選結果、リール検出手段110により検出されたストップスイッチ10L,10M,10Rの種類および該ストップスイッチ10L,10M,10Rが操作されたときのリール6L,6M,6Rの回転位置(コマ番号)、ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作態様(押し順)などの遊技に関連する情報をコマンド形式でサブ制御基板62に送信するものである。
<サブ制御基板>
次に、サブ制御基板62が備える機能について図6〜図14を参照して説明する。なお、図6はサブ制御基板62の機能を示す機能ブロック図、図7は当選役別ART当選率の一例を示す図、図8は設定用抽選データテーブルの一例を示す図、図9〜11それぞれは報知演出コースの一例を示す図、図12は報知演出の具体例を説明するための図、図13は選択手段208の動作を説明するための図、図14は優遇遊技状態での演出内容を説明するための図である。
サブ制御基板62は、メイン制御基板52の送信制御手段111から送信された通信コマンドを受信し、メイン制御基板52の動作や状態に応じた演出を行うものである。図6に示すように、サブ制御基板62は、ROM64に格納されたプログラムを実行することにより実現される種々の機能や、ハードウェアにより実現される種々の機能を備えている。
(13)受信制御手段201
受信制御手段201は、メイン制御基板52の送信制御手段111により送信された種々のデータを含む通信コマンドを受信するとともに、受信した通信コマンドの種類に応じてサブ制御基板62が備える各機能に通知を行うものである。
(14)特別遊技制御手段200
特別遊技制御手段200は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態での遊技を制御するものである。この特別遊技状態の遊技としては、例えば、役抽選手段103の抽選結果を遊技者の告知する遊技であるアシストタイム(AT)遊技や、上記したリプレイタイム遊技とAT遊技とが組み合わされたアシストリプレイタイム(ART)遊技などがある。本実施形態では、特別遊技状態の遊技の一例としてART遊技が採用されている。以下、参考として、特別遊技の種々の態様について説明する。
「AT遊技」は、上記したように、役抽選手段103の抽選結果を遊技者に告知する遊技である。すなわち、AT遊技中は、役抽選手段103の抽選結果が、左・中・右リール6L,6M,6Rの停止操作前に遊技者に告知される。抽選結果の告知は、例えば、液晶表示器14に、抽選結果に対応した図柄を表示することによって行うことができる。また、抽選結果が、押し順ベル小役である場合には、入賞となる各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作順を例えば液晶表示器14に表示することで行うことができる。このように左・中・右リール6L,6M,6Rの停止操作前に抽選結果を告知すると、遊技者は、いずれの図柄を入賞ラインに揃えればよいか、あるいは、どの操作順序でストップスイッチ10L,10M,10Rを操作すればよいかが分かる。したがって、役抽選手段103による抽選結果が、予め設定された当選役に当選した場合には、当該当選役への入賞が容易となり、メダルの獲得枚数を増加させることができる。
「ART遊技」は、上記したように、AT遊技とリプレイタイム遊技とが組み合わされた遊技である。ART遊技中は、通常遊技状態よりも、再遊技役の当選確率が高く設定されているため、役抽選手段103の抽選結果がハズレとなる割合が低い。また、第1〜第3小役に当選した場合は、AT遊技と同様に、当選小役に対応する図柄や、入賞となる各ストップスイッチ10L,10M,10Rの操作順が液晶表示器14に表示されるため、当選役への入賞が容易になる。したがって、AT遊技と同様に、メダルの獲得枚数を増加させることができる。
(15)サブ乱数発生手段202・サブ乱数抽出手段203
本実施形態では、サブ制御基板62もメイン制御基板52と同様の構成のサブ乱数発生手段202とサブ乱数抽出手段203とを備えている。ここで、サブ乱数抽出手段203は、サブ乱数発生手段202が発生する特別遊技移行抽選手段204用の乱数から乱数値を抽出し、優遇遊技状態移行抽選手段205用の乱数から乱数値を抽出し、設定手段206用の乱数から乱数値を抽出する。
(16)特別遊技状態移行手段204
特別遊技状態移行手段204は、遊技状態を特別遊技状態へ移行させるか否かを抽選により決定し、抽選により移行させると決定した場合に遊技状態を特別遊技状態に移行させるもので、特別遊技移行抽選手段204aを備える。特別遊技移行抽選手段204aは、役抽選手段103の抽選結果に基づいて、遊技状態を特別遊技状態へ移行させるか否かの抽選を行うものである。本実施形態では、通常遊技状態および後述する優遇遊技状態それぞれで、1遊技(1ゲーム)毎に当該移行抽選が行われる。また、通常遊技状態、優遇遊技状態(期待度高)、優遇遊技状態(期待度中)、優遇遊技状態(期待度低)それぞれで個別の移行抽選テーブル(図示せず)が設けられており、各遊技状態に応じて特別遊技状態への移行の期待度が異なるように構成されている。
例えば、図7(a)に示すように、通常遊技状態では、役抽選手段103による抽選結果が、「ハズレ」、「再遊技役(リプレイ)」、「第1小役(ベル)」では、特別遊技状態(ART)に移行(ART当選)せず、「第3小役(チェリー)」の5%、「第2小役(スイカ)」の10%で特別遊技状態に移行(ART当選)するように、通常遊技状態用の移行抽選テーブルが設計されている。そして、特別遊技移行抽選手段204aは、ART移行抽選時における遊技状態(通常遊技状態または優遇遊技状態)に対応する移行抽選テーブルと、サブ乱数抽出手段203により抽出された特別遊技移行抽選手段204用の乱数値とを照合して、特別遊技移行抽選に当選したか否かを判定(決定)する。優遇遊技状態の場合は後述する。なお、図7は当選役別の特別遊技(ART)当選率を示す図であり、(a)通常遊技状態、(b)優遇遊技状態(期待度低)、(c)優遇遊技状態(期待度中)、(d)優遇遊技状態(期待度高)での当選役別ART当選率を示している。
(17)優遇遊技状態移行抽選手段205
優遇遊技状態移行抽選手段205は、遊技状態を通常遊技状態から該通常遊技状態よりも特別遊技状態に移行し易い状態である優遇遊技状態(チャンスゾーン)へ移行させるか否かを抽選により決定するものであり、通常遊技状態の1遊技(1ゲーム)毎に抽選を行う。なお、本実施形態では、役抽選手段103による抽選結果が第2小役(スイカ)当選であった場合は20%、第3小役(チェリー)当選であった場合は10%の確率で当該移行抽選で当選となるようにCZ移行抽選テーブル(図示せず)が設計されており、サブ乱数抽出手段203が抽出した優遇遊技状態移行抽選手段205用の乱数値と、当該CZ移行抽選テーブルとを参照して優遇遊技状態にさせるか否かを決定する。なお、このCZ移行抽選テーブルは、適宜、変更することができる。
本実施形態における優遇遊技状態中の遊技では、複数のキャラクタA〜Cのうちのいずれかを主人公とする映像演出が展開される。すなわち、優遇遊技状態中の演出として、それぞれ内容の異なる複数の演出を複数(この実施形態では3つ)にグループ分けした演出グループA〜Cが予め設定されており、優遇遊技状態中の遊技を各演出グループA〜Cのうちのいずれかで行うかを遊技者に選択可能に構成されている。具体的には、演出グループAはそれぞれキャラクタAを主人公とする複数の映像演出の集まり、演出グループBはそれぞれキャラクタBを主人公とする複数の映像演出の集まり、演出グループCはそれぞれキャラクタCを主人公とする複数の映像演出の集まりとなっており、遊技者が各キャラクタA〜Cのうちのいずれかを選択することにより、優遇遊技状態中の遊技では、選択したキャラクタA〜C(演出グループA〜C)を主人公とする映像が展開されるように構成されている。なお、演出グループA〜Cの選択および、優遇遊技状態での演出に関しては後述する。
(18)設定手段206
設定手段206は、優遇遊技状態中に実行される演出として予め定められた複数の演出グループA〜C(キャラクタA〜C)それぞれに対して、優遇遊技状態から特別遊技状態への移行のし易さの度合いを設定するものであり、抽選確率選択手段206aを備えている。優遇遊技状態での特別遊技状態への移行のし易さの度合いとして、それぞれ確率(優遇遊技でのART当選確率)が異なる複数の抽選確率(この実施形態では、「期待度低」、「期待度中」、「期待度高」の3つ)が予め設定されており、設定手段206は、各演出グループA〜Cそれぞれに対して、各抽選確率のうちのいずれかを設定する。なお、この実施形態において、設定手段206による設定は、優遇遊技状態移行抽選に当選する度に行われる。
この場合、図7に示すように、通常遊技状態(図7(a)参照)では、役抽選手段103による抽選結果が「ハズレ」である場合は、特別遊技状態に移行しないのに対して、優遇遊技状態では、役抽選手段103による抽選結果が「ハズレ」である場合であっても、期待度低(抽選確率)の優遇遊技状態で0.5%(図7(b)参照)、期待度中で2%(図7(c)参照)、期待度高で4%(図7(d)参照)の確率でそれぞれ特別遊技状態に移行するように構成されている。また、各小役(第1〜第3小役)についても、通常遊技状態の場合よりも特別遊技状態に移行する確率が高く設定されている。したがって、いずれの抽選確率の優遇遊技状態も、通常遊技状態より特別遊技状態に移行し易い状態となっている。なお、図7に示す、各遊技状態(通常遊技状態、優遇遊技状態(期待度低、期待度中、期待度高))それぞれの当選役別のART当選率に関しては、適宜、変更することができる。
設定手段206は、各演出グループA〜Cの抽選確率の設定を抽選により行う。具体的には、複数の抽選区分と、これらの各抽選区分それぞれに割り当てられた選択のされ易さを示す設定用抽選データ(振り分け率)とを格納する設定用抽選データテーブル641(図8参照)が、サブ制御基板62のROM64に予め記憶されている。この設定用抽選データテーブル641には、各抽選区分ごとに、各演出グループA〜Cそれぞれに設定手段206により設定される抽選確率(期待度低、期待度中、期待度高)の組み合わせが規定されている。なお、図8に示す設定用抽選データテーブルは、適宜、変更することができる。また、抽選確率選択手段206aによる抽選時の各抽選区分の選択のされ易さについては、(設定用抽選データの値)÷256×100[%]でそれぞれ算出することができる。
抽選確率選択手段206aは、サブ乱数抽出手段203が抽出した設定手段206用の乱数と、設定用抽選データテーブル641(設定用抽選データ)とを照合して、各抽選区分のうちのいずれかを選択するものである。そして、設定手段206は、抽選確率選択手段206aにより選択された抽選区分に規定された各抽選確率を各演出グループA〜Cそれぞれに設定する。
なお、本実施形態では、優遇遊技状態移行抽選手段205により遊技状態を優遇遊技状態に移行させると決定された(所定の移行条件の成立)後、後述する優遇遊技状態移行手段209により遊技状態が優遇遊技状態に移行する前に、報知手段207により、各演出グループA〜Cの情報と設定手段206により設定された特別遊技状態への移行のし易さの度合い(抽選確率:期待度)とを含む移行情報を、各演出グループA〜Cそれぞれについて報知するように構成されている。そして、報知手段207により報知された移行情報に基づき、遊技者がどの演出グループA〜Cの演出で優遇遊技状態を遊技するかを選択できるようになっている。以下、報知手段207について説明する。
(19)報知手段207
報知手段207は、上記したように、各演出グループA〜Cの情報と設定手段206により設定された特別遊技状態への移行のし易さの度合いとを含む移行情報を、各演出グループA〜Cそれぞれについて報知するものであり、報知演出コース判定手段207aと、報知演出実行手段207bとを備える。
報知手段207は、前記移行情報を、予め設定された報知期間(期待度示唆区間)に含まれる連続する複数の遊技(この実施形態では5ゲーム)が実行される間に報知する。この報知期間は、優遇遊技状態移行抽選手段205により遊技状態を優遇遊技状態に移行させると決定されてから優遇遊技状態移行手段209により遊技状態が優遇遊技状態に実際に移行するまでの区間内であればどのような範囲(区間)に設定してもかまわない。なお、この実施形態では、優遇遊技状態移行抽選手段205により遊技状態を優遇遊技状態に移行させると決定された次の遊技から連続する5ゲームの間に報知演出が実行され、6ゲーム目(演出選択遊技)は遊技者が各演出グループA〜Cのいずれかを選択するための演出(選択演出)が実行される。
ここで、報知期間にどのような報知演出が実行されるかは、予め定められた報知演出コースに基づいて行われる。すなわち、上記した設定用抽選データテーブル641には、図8に示すように、各抽選区分毎に、それぞれ演出内容が異なる複数の報知演出コースのいずれかが予め規定されている。そして、報知演出コース判定手段207aは、抽選確率選択手段206aにより決定された抽選区分に規定された報知演出コースがどのコースであるかを判定する。
報知演出実行手段207bは、報知演出コース判定手段207aにより判定された報知演出コースに基づいて報知区間の間に報知演出を実行するものであり、この実施形態では、液晶表示器14を用いた映像演出により行われる。このとき、サブ制御基板62のROM64には、各報知演出コース毎に、報知区間の5ゲームの間の演出パターンが設定された演出コースデータテーブル642(図9〜図11参照)が記憶されており、報知演出実行手段207bは、報知演出コース判定手段207aにより判定結果に基づいて、演出コースデータテーブル642から演出パターンを決定して報知演出を実行する。
ここで、報知演出コース判定手段207aにより報知演出コースがコース6であると判定された場合について説明する。この場合、設定手段206により、演出グループAには期待度低の抽選確率、演出グループBには期待度中の抽選確率、演出グループCには期待度高の抽選確率がそれぞれ設定される(図8参照)。そして、報知演出実行手段207bは、各演出グループA〜Cにそれぞれに対応する前記抽選確率(期待度)を報知期間(期待度示唆区間)の5ゲームで段階的に報知する演出を実行する。
具体的には、図12に示すように、報知演出の第1遊技目(1ゲーム目)には、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタCが横並びの映像が液晶表示器14により表示されるとともに、各キャラクタA〜Cそれぞれの周りには白色のオーラが表示される。なお、オーラの色は各演出グループA〜Cそれぞれに対応する特別遊技状態への移行のし易さの度合い(抽選確率:期待度低、期待度中、期待度高)を示唆するものであり、この実施形態では、白オーラ<青オーラ<黄オーラ<緑オーラ<赤オーラの順に期待度が高いことを示唆している。また、期待度(抽選確率)が低の場合は、白オーラまたは青オーラ、期待度中の場合は、黄オーラまたは緑オーラ、期待度高の場合は赤オーラが対応付けされており、報知演出の最終遊技(5ゲーム目)までに、対応付けされたオーラの色を表示して遊技者に各演出グループA〜C(各キャラクタA〜C)それぞれの前記移行情報を報知するように構成されている。
第2遊技目(2ゲーム目)には、キャラクタCのオーラのみが白色から青色に変化した映像が表示される。第3遊技目(3ゲーム目)には、キャラクタBのオーラが白いから青色に変化し、キャラクタCのオーラが青色から黄色に変化した映像が表示される。そして、第5遊技目(5ゲーム目)では、キャラクタAで白オーラ、キャラクタBで黄オーラ、キャラクタCで赤オーラが表示される。すなわち、報知演出実行手段207bは、各キャラクタA〜Cのオーラの色により、キャラクタA(演出グループA)に設定された期待度(抽選確率)が低、キャラクタB(演出グループB)に設定された期待度(抽選確率)が中、キャラクタC(演出グループC)に設定された期待度(抽選確率)が高であることを報知(示唆)する。以上のように、報知手段207は、液晶表示器14に、各キャラクタA〜Cを表示することで、優遇遊技状態で実行される映像演出の主人公に関する情報(演出グループA〜Cに関する情報)を報知するとともに、各キャラクタA〜Cそれぞれのオーラの色で設定手段206により設定された各演出グループA〜Cそれぞれの特別遊技状態への移行のし易さの度合い(抽選確率:期待度)を報知(移行情報の報知)する。
そして、報知演出実行手段207bは、第6遊技目(演出選択遊技)で、遊技者がキャラクタA〜C(演出グループA〜C)を選択するための選択演出を実行する。このとき、液晶表示器14には、「主人公をリールで狙え!!」という文字が表示されるとともに、キャラクタAの頭上には「赤7」、キャラクタBの頭上には「青7」、キャラクタCの頭上には「白7」が表示され、例えば、キャラクタAを選択希望する場合は、赤7を目押しするように促す演出が報知演出実行手段207bにより実行される。
このように第1遊技目から第5遊技目の間で段階的にオーラの色を変化させる報知演出を実行することで、遊技者は、報知区間中にオーラの色が変化するのを期待しながら遊技を行うことができるため、遊技者の興趣を高めることができる。なお、上記した報知演出は、一例であり、遊技者に対して、各演出グループA〜Cそれぞれの前記移行情報を報知するものであれば、如何なるものであってもかまわない。また、報知演出は段階的にオーラの色を変えて報知するものに限らず、最終結果である第5遊技目の演出をいきなり実行して直ちに移行情報を遊技者に報知してもかまわない。
(20)選択手段208
選択手段208は、報知手段207による前記移行情報の報知後の演出選択遊技で、遊技者により行われる予め定められた所定の選択操作に基づき、各演出グループA〜Cのいずれかを選択するものであり、停止操作判定手段208aと、演出グループ決定手段208bとを備える。
この場合、各ストップスイッチ10L,10M,10Rのうちの左ストップスイッチ10Lが選択用ストップスイッチ10Lとして機能している。また、選択用ストップスイッチ10Lに対応する左リール6Lを停止させる当該選択用ストップスイッチ10Lの操作タイミングに対して、各演出グループA〜Cのいずれかが選択されるように設定されている。例えば、図13に示すように、選択用ストップスイッチ10Lを操作したタイミングで表示窓5の中段に位置する図柄が、コマ番号1〜7の範囲ではキャラクタA(演出グループA)、コマ番号8〜14の範囲ではキャラクタB(演出グループB)、コマ番号15〜21の範囲ではキャラクタC(演出グループC)が選択されるように構成されている。この範囲は、概ね、表示窓5の表示範囲(上段、中段、下段)内に、赤7を「目押し」した場合は、キャラクタA(演出グループA)が選択され、青7を「目押し」した場合はキャラクタB(演出グループB)が選択され、白7を「目押し」した場合は、キャラクタC(演出グループC)が選択されるようになっており、図12に示す演出選択遊技において、報知演出に従って選択用ストップスイッチ10Lを操作すれば、遊技者が所望のキャラクタA〜C(演出グループA〜C)を選択できるようになっている。
停止操作判定手段208aは、受信制御手段201により受信した、検出手段110の検出結果に基づき、停止操作されたストップスイッチ10L,10M,10Rが左ストップスイッチ10L(選択用ストップスイッチ10L)であるか否かを判定するとともに、選択用ストップスイッチ10Lが操作されたタイミングでの表示窓5の中段に位置する図柄に対応するコマ番号を判定する。また、演出グループ決定手段208bは、停止操作判定手段208aの判定したコマ番号が、どのキャラクタA〜C(演出グループA〜C)に対応するものかを判定することにより、遊技者の選択したキャラクタA〜C(演出グループA〜C)を決定する。
(21)優遇遊技状態移行手段209
優遇遊技状態移行手段209は、遊技状態を通常遊技状態から優遇遊技状態に移行させるものである。この優遇遊技状態移行手段209は、選択手段208による演出グループA〜Cの選択後に、遊技状態を優遇遊技状態に移行させる。
(22)優遇遊技制御手段210
優遇遊技制御手段210は、通常遊技状態よりも特別遊技状態に移行し易い状態である優遇遊技状態での遊技を制御するものであり、演出内容決定手段210aと演出実行手段210bとを備える。優遇遊技状態は、優遇遊技状態移行手段209により遊技状態が優遇遊技状態に移行してから、例えば、10遊技(ゲーム)の間、当該遊技状態が維持され、10遊技(ゲーム)が終了したときに、遊技状態が通常遊技状態に移行される。このとき、優遇遊技状態中の遊技では、選択手段208により選択された演出グループA〜Cに含まれる演出のいずれかが実行される。すなわち、選択されたキャラクタA〜Cを主人公とする演出が実行される。また、この場合の特別遊技状態への移行のし易さの度合い(期待度:抽選確率)は、選択されたキャラクタA〜C(演出グループA〜C)に対して設定手段206により設定された抽選確率(期待度)に決定される。
演出内容決定手段210aは、特別遊技移行抽選手段204aによる抽選結果に基づいて、優遇遊技状態での演出内容を決定する手段である。ここで、演出内容決定手段210aは、選択手段208により選択された演出グループA〜Cに含まれる複数の演出のうちのいずれかを決定する。以下、優遇遊技状態での演出の一例について、具体的に説明する。
優遇遊技状態中の遊技では、液晶表示器14を用いて、選択手段208により選択されたキャラクタA〜Cと、敵キャラクタA〜Cとが対戦する映像演出が展開される。このとき、図14(a)に示すように、対戦相手として設定手段206により設定された期待度(抽選確率)に応じた敵キャラクタA〜Cが設定される。例えば、選択されたキャラクタA〜C(演出グループA〜C)に設定された期待度(抽選確率)が高い場合(期待度高)は、敵キャラクタAが設定され、優遇遊技中は、選択したキャラクタA〜Cと敵キャラクタAとの対戦演出が1遊技毎に実行される。したがって、遊技者は対戦相手の敵キャラクタA〜Cによって優遇遊技状態での特別遊技状態への移行のし易さの度合いが分かるため、遊技者の興趣を高めることができる。なお、この実施形態では、期待度高が設定された優遇遊技状態の遊技全体(例えば、10ゲーム)での特別遊技状態への移行の期待度が50%、期待度中で45%、期待度低で40%に設定されている。
ここで、演出内容決定手段210aは、特別遊技移行抽選手段204aによる抽選結果がハズレ(「特別遊技状態に移行しない」とする抽選結果:ART非当選)である場合、選択したキャラクタA〜Cが攻撃した後、敵キャラクタA〜Cがその攻撃をガードするという演出内容、選択したキャラクタA〜Cが弱攻撃(例えば、パンチ攻撃)した後、敵キャラクタA〜Cがその攻撃で倒れないという演出内容、選択したキャラクタA〜Cが強攻撃(例えば、キック攻撃)した後、敵キャラクタA〜Cがその攻撃で倒れないという演出内容のうちのいずれかの演出内容を決定する。これらの各演出内容のうちのいずれかは、例えば、演出抽選テーブル(図示せず)を用いた抽選により決定することができる。
また、演出内容決定手段210aは、特別遊技移行抽選手段204aによる抽選結果が当選(「特別遊技状態に移行する」とする抽選結果:ART当選)である場合、例えば、選択したキャラクタA〜Cが弱攻撃した後、敵キャラクタA〜Cがその攻撃で倒されるという演出内容、選択したキャラクタA〜Cが強攻撃した後、敵キャラクタA〜Cがその攻撃で倒されるという演出内容のうちのいずれかを決定する。両演出内容のうちのいずれかは、例えば、演出抽選テーブル(図示せず)を用いた抽選により決定することができる。なお、この実施形態では、図14(b)に示すように、敵キャラクタA〜Cが攻撃する演出内容の場合は、ART当選の期待度が0%、選択したキャラクタA〜Cが弱攻撃する演出内容の場合は、ART当選の期待度が20%、選択したキャラクタA〜Cが強攻撃する演出内容の場合は、ART当選の期待度が50%と設定されており、この各期待度に応じて演出内容決定手段210aが、各演出内容のいずれかを決定するように構成されている。
演出実行手段210bは、液晶表示器14を用いて演出内容決定手段210aにより決定された演出内容を実行するものである。なお、演出内容決定手段210aおよび演出実行手段210bによる、選択手段208により選択された演出グループA〜Cに含まれる演出を実行する機能が本発明の「演出手段」に相当する。また、上記した演出内容は一例であり、特別遊技移行抽選手段204aによる抽選結果を遊技者に報知する演出内容であれば、どのような演出であってもかまわない。
(23)遊技状態フラグ設定手段211
遊技状態フラグ設定手段211は、遊技状態が、通常遊技状態、特別遊技状態(ART)、優遇遊技状態(CZ)、期待度示唆区間、演出選択遊技のいずれかであるかを示すフラグ、および、特別遊技状態への移行抽選に当選したか否かを示すART当選フラグなどのON(オン)、OFF(オフ)を設定するものである。
(24)遊技状態フラグ判定手段212
遊技状態フラグ判定手段212は、遊技状態フラグ設定手段211により設定されたフラグの状態により、遊技状態を判定するものである。
(動作)
次に、図15〜図23を参照して、本実施形態における動作の一例について説明する。
以下で説明する動作は、上記した種々の機能および手段と、説明は省略したが、メイン制御基板52のメインCPU51およびサブ制御基板62のサブCPU61が種々のプログラムを実行することにより実現されるその他の機能とにより実行される処理である。また、以下の処理で実行される各種のフラグのON(オン)またはOFF(オフ)に設定したり、カウンタの値を更新したりする処理については、周知の技術であるので、その詳細な説明は省略する。
1.メイン制御処理
図15を参照してメイン制御処理について説明する。図15はメイン制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、メイン制御処理はメイン制御基板52において実行される処理である。
図15に示すように、スロットマシン1の電源がオンされれば、メイン制御基板52が備えるRAM53およびサブ制御基板62が備えるRAM63の状態がチェックされて、各RAM53,63にエラーが生じていないかどうかが判定される。そして、各RAM53,63のチェックが終了し、異常がなければ通常遊技状態へ移行して、規定枚数のメダル投入があるまで待機する(ステップS1でNO)。そして、規定枚数のメダル投入があると判定されれば(ステップS1をYES)、スタートスイッチ9が操作されたかどうかが判定される(ステップS2)。
スタートスイッチ9が操作されるまで待機し(ステップS2でNO)、スタートスイッチ9が操作されたと判定されれば(ステップS2でYES)、役抽選手段103による役抽選処理が行われる(ステップS3)。ここで、役抽選手段103による抽選結果に関する情報が、送信制御手段111によりコマンド形式でサブ制御基板62に送信される。
送信制御手段111による前記抽選結果に関する情報の送信が終了すると、各リール6L,6M,6Rの回転が開始される(ステップS4)。次に、回転中の各リール6L,6M,6Rそれぞれに対応する各ストップスイッチ10L,10M,10Rが操作されるまで待機し(ステップS5をNO)、各ストップスイッチ10L,10M,10Rのいずれかが操作されれば(ステップS5をYES)、操作されたストップスイッチ10L,10M,10Rに対応するリールの回転が停止される(ステップS6)。このとき、検出手段110により検出されたストップスイッチ10L,10M,10Rの操作タイミングでのリール位置(表示窓5の中段に位置するコマ番号)に関する情報やリール6L,6M,6Rが停止した時の表示窓5の中段に位置するコマ番号に関する情報が、送信制御手段111によりコマンド形式でサブ制御基板62に送信される。
そして、全てのリール6L,6M,6Rの回転が停止されるまでステップS5〜ステップS7までの処理を繰り返して実行し(ステップS7でNO)、全てのリール6L,6M,6Rが停止されれば(ステップS7でYES)、図柄判定手段108により、当選役に入賞したかどうかの判定が行われる(ステップS8)。次に、遊技状態が通常遊技状態およびリプレイタイム遊技状態のいずれかが判定される(ステップS9)。また、図柄判定手段108による判定結果が、いずれかの当選役への入賞であれば、入賞態様に応じたメダルが払出制御手段109により払い出されて処理を終了する(ステップS10)。
2.サブ制御処理・演出制御処理
次に、図16および図17を参照して、サブ制御処理および演出制御処理について説明する。なお、図16はサブ制御処理の一例を示すフローチャート、図17は演出制御処理の一例を示すフローチャートである。これらの処理は、サブ制御基板62において実行される処理である。
サブ制御処理は、図16に示すように、まず、受信制御手段201により受信した役抽選手段103による抽選結果に関する情報が、当選役コマンドであるかどうかが判定され(ステップS100)、当選役コマンドである場合は(ステップS100でYES)、演出制御処理が実行されて(ステップS101)、サブ制御処理が終了する。また、当選役コマンドでない場合は(ステップS100でNO)、そのままサブ制御処理が終了する。
演出制御処理では、図17に示すように、まず、遊技数カウンタが更新され(ステップS200)、次に、遊技状態フラグ判定手段212により、遊技状態が特別遊技状態(ART)であるか否かが判定される(ステップS201)。このとき、遊技状態が特別遊技状態であると判定されれば(ステップS201でYES)、後述するART遊技制御処理が実行されて(ステップS207)、演出制御処理が終了する。また、遊技状態が特別遊技状態でないと判定されれば(ステップS201でNO)、遊技状態が優遇遊技状態(チャンスゾーン)であるか否かが遊技状態フラグ判定手段212により判定される(ステップS202)。
遊技状態フラグ判定手段212により、遊技状態が優遇遊技状態(チャンスゾーン)であると判定されれば(ステップS202でYES)、後述するチャンスゾーン制御処理が実行されて(ステップS208)、演出制御処理が終了する。また、遊技状態が優遇遊技状態(チャンスゾーン)でないと判定されれば(ステップS202でNO)、遊技状態が期待度示唆区間中であるか否かが遊技状態フラグ判定手段212により判定される(ステップS203)。
遊技状態フラグ判定手段212により、遊技状態が期待度示唆区間中であると判定されれば(ステップS203でYES)、後述する期待度示唆区間制御処理が実行されて(ステップS209)、演出制御処理が終了する。また、遊技状態が期待度示唆区間中でないと判定されれば(ステップS203でNO)、遊技状態が演出選択遊技中であるか否かが遊技状態フラグ判定手段212により判定される(ステップS204)。
遊技状態フラグ判定手段212により、遊技状態が演出選択遊技中であると判定されれば(ステップS204でYES)、後述する演出選択遊技制御処理が実行されて(ステップS210)、演出制御処理が終了する。また、遊技状態が演出選択遊技中でないと判定されれば(ステップS204でNO)、ART抽選処理が実行される(ステップS205)。ART抽選処理が終了すると、チャンスゾーン抽選処理が実行されて(ステップS206)、演出制御処理が終了する。ART抽選処理およびチャンスゾーン抽選処理については後述する。
3.ART抽選処理
次に、図17に示す演出制御処理のステップS205で実行されるART抽選処理について、図18を参照して説明する。なお、図18はART抽選処理の一例を示すフローチャートである。
まず、特別遊技移行抽選手段204aにより、役抽選手段103の抽選結果に基づいて、遊技状態を特別遊技状態へ移行させるか否かの抽選(ART抽選)が行われる。具体的には、特別遊技移行抽選手段204aで通常遊技状態用の移行抽選テーブルが選択され、当該移行抽選テーブルに従って、当選役(第1〜第3小役、またはハズレ)に応じてART抽選が実行される。また、特別遊技移行抽選手段204aにより、当該抽選結果が、「特別遊技状態へ移行させる(ART当選)」ものであるか否かが判定される(ステップS300)。
そして、特別遊技移行抽選手段204aによりART当選と判定されれば(ステップS300でYES)、遊技状態フラグ設定手段211により、ART当選フラグがON(オン)状態に設定される(ステップS301)。次に、ART当否報知演出手段(図示省略)により、ART当選を報知するための演出データが選択されるとともに、当該演出データに基づいて液晶表示器14等を用いた映像演出等が実行されて(ステップS302)、ART抽選処理が終了する。
また、特別遊技移行抽選手段204aによりART非当選と判定されれば(ステップS300でNO)、ART当否報知演出手段により、ART非当選を報知するための演出データが選択されるとともに、当該演出データに基づいて液晶表示器14等を用いた映像演出が実行されてART抽選処理が終了する。
4.チャンスゾーン抽選処理
図17に示す演出制御処理のステップS206で実行されるチャンスゾーン抽選処理について、図19を参照して説明する。なお、図19はチャンスゾーン抽選処理の一例を示すフローチャートである。
まず、優遇遊技状態移行抽選手段205により、遊技状態フラグ判定手段212による判定結果が「ART当選フラグがON状態」であるか否かが判定され(ステップS400)、ON状態であると判定されれば(ステップS400でYES)、そのままチャンスゾーン抽選処理を終了し、OFF状態であると判定されれば(ステップS400でNO)、優遇遊技状態移行抽選手段205により、優遇遊技状態への移行抽選に当選したか否かが判定される(ステップS401)。この場合、まず、優遇遊技状態移行抽選手段205により、役抽選手段103の抽選結果に基づいて、遊技状態を優遇遊技状態(チャンスゾーン)へ移行させるか否かの抽選(CZ抽選)が行われる。具体的には、優遇遊技状態移行抽選手段205により、優遇遊技移行抽選テーブル(図示省略)が選択され、当該移行抽選テーブルに従って、当選役(第1〜第3小役、またはハズレ)に応じてCZ抽選が実行される。そして、特別遊技移行抽選手段204aにより、当該抽選結果が、「優遇遊技状態へ移行させる(CZ当選)」ものであるか否かが判定される。
優遇遊技状態移行抽選手段205により、CZ抽選結果がCZ非当選と判定されれば(ステップS401でNO)、チャンスゾーン抽選処理が終了し、CZ抽選結果がCZ当選と判定されれば(ステップS401でYES)、遊技状態フラグ設定手段211により、期待度示唆区間フラグのON(オン)状態に設定される(ステップS402)。
次に、設定用抽選データテーブル641を用いた抽選確率選択手段206aの抽選により、設定用抽選データテーブル641の各抽選区分のうちのいずれかが選択される(ステップS403)。ここで、上記したように各抽選区分には、報知演出コースが予め規定されているため、抽選確率選択手段206aの抽選により、報知演出コースが決定されることになる。
次に、CZ当選演出手段(図示省略)により、CZ当選を報知するための演出データが選択されるとともに、当該演出データに基づいて液晶表示器14等を用いた映像演出等が実行されて(ステップS404)、チャンスゾーン抽選処理が終了する。
5.ART遊技制御処理
次に、図17に示す演出制御処理のステップS207で実行されるART遊技制御処理について、図20を参照して説明する。なお、図20はART遊技制御処理の一例を示すフローチャートである。
まず、図示省略のカウンタ更新手段により、特別遊技状態(ART)の遊技数カウンタが更新される(ステップS500)。このとき、予め設定された記憶領域に遊技数を記憶するサブ制御基板62のRAM63により、遊技カウンタ(図示省略)が構成されている。この遊技カウンタの記憶値は、サブ制御基板62が備えるカウンタ更新手段により1遊技毎に値が更新される。具体的には、カウンタ更新手段が有するデクリメント手段(図示省略)が、スタートスイッチ9が操作されたときに遊技カウンタの記憶値を1ずつデクリメントして記憶値を更新する。
次に、特別遊技制御手段200は、ART遊技カウンタの値が0、すなわち、ARTの残りゲーム数が0であるか否かを判定する(ステップS501)。ARTの残りゲーム数が0であると判定されれば(ステップS501でYES)、遊技状態フラグ設定手段211により、特別遊技状態のフラグがオフ状態に設定される(ステップS502)。次に、遊技カウンタの値がリセットされて(ステップS503)、ART遊技制御処理が終了する。
また、遊技カウンタの値が0でないと特別遊技制御手段200により判定されれば(ステップS501でNO)、当選役に基づいた演出抽選処理が実行されて(ステップS504)、ART遊技制御処理が終了する。この演出抽選処理は、例えば、当選役が第1〜第3小役または再遊技役のいずれであるかを示唆する演出、押し順ベル小役(第1小役)に当選した場合のストップスイッチ10L,10M,10Rの押し順報知演出、ART遊技数の増加抽選(いわゆる、上乗せ抽選)等を実行する処理である。
6.チャンスゾーン制御処理
次に、図17に示す演出制御処理のステップS208で実行されるチャンスゾーン制御処理について、図21を参照して説明する。なお、図21はチャンスゾーン制御処理の一例を示すフローチャートである。
まず、CZ遊技数カウンタが、CZ遊技カウンタ更新手段(図示省略)が更新され(ステップS600)、次に、優遇遊技制御手段210により、CZ遊技数カウンタの値が0、すなわち、CZ遊技の残りゲーム数が0であるか否かが判定される(ステップS601)。CZ遊技の残りゲーム数が0であると判定されれば(ステップS601でYES)、遊技状態フラグ設定手段211により、優遇遊技状態(CZ)フラグがOFF(オフ)状態に設定されるとともに(ステップS606)、CZ遊技数カウンタがリセットされて(ステップS607)、チャンスゾーン制御処理が終了する。
また、CZ遊技の残りゲーム数が0でないと判定されれば(ステップS601でNO)、特別遊技移行抽選手段204aにより、遊技状態を特別遊技状態(ART)へ移行させるか否かの抽選(ART抽選)が行われる(ステップS602)。具体的には、特別遊技移行抽選手段204aは、選択手段208により選択されたキャラクタA〜C(演出グループA〜C)に設定された抽選確率(期待度)用の移行抽選テーブルに従って、役抽選手段103の抽選結果(当選役またはハズレ)に応じてART抽選を実行する。
次に、特別遊技移行抽選手段204aにより、ART抽選に当選したか否かが判定され(ステップS603)、ART当選と判定されれば(ステップS603でYES)、遊技状態フラグ設定手段211により、ART当選フラグがON(オン)状態に設定される(ステップS604)。ART当選フラグがON状態に設定されると、演出内容決定手段210aにより、ART当選を報知するための演出データが選択されるとともに、当該演出データに基づいて、演出実行手段210bにより、液晶表示器14等を用いた映像演出等が実行される(ステップS605)。続いて、遊技状態フラグ設定手段211により、CZフラグがOFF(オフ)状態に設定されるとともに(ステップS606)、CZ遊技数カウンタがリセットされて(ステップS607)、チャンスゾーン制御処理が終了する。
ステップS603に戻って、特別遊技移行抽選手段204aにより、ART非当選と判定されれば(ステップS603でNO)、演出内容決定手段210aにより、ART非当選を報知するための演出データが選択されるとともに、当該演出データに基づいて、演出手段210bにより、液晶表示器14等を用いた映像演出等が実行されて(ステップS608)、チャンスゾーン制御処理が終了する。
7.期待度示唆区間制御処理
次に、図17に示す演出制御処理のステップS209で実行される期待度示唆区間制御処理について、図22を参照して説明する。なお、図22は期待度示唆区間制御処理の一例を示すフローチャートである。
まず、カウンタ更新手段(図示省略)により、期待度示唆区間中遊技数カウンタが更新され(ステップS700)、次に、報知手段207により、期待度示唆区間中遊技数カウンタの値が「1」、すなわち、期待度示唆区間の1ゲーム目であるか否かが判定される(ステップS701)。期待度示唆区間の1ゲーム目であると判定されれば(ステップS701でYES)、選択された報知演出コースに基づいて、1ゲーム目の演出が報知演出実行手段207bにより実行されて(ステップS708)、期待度示唆区間制御処理が終了する。具体的には、報知演出コース判定手段207aにより、抽選確率選択手段206aにより決定された抽選区分に規定された報知演出コースがどのコースであるかが判定され、次に、報知演出実行手段207bにより、報知演出コース判定手段207aにより判定された報知演出コース(選択された報知演出コース)に基づいて、1ゲーム目の報知演出が実行される。
報知手段207により、期待度示唆区間の1ゲーム目でないと判定されれば(ステップS701でNO)、同じく報知手段207により、期待度示唆区間の2ゲーム目であるか否かが判定される(ステップS702)。ここで、期待度示唆区間の2ゲーム目であると判定されれば(ステップS702でYES)、選択された報知演出コースに基づいて、2ゲーム目の演出が報知演出実行手段207bにより実行されて(ステップS709)、期待度示唆区間制御処理が終了する。
報知手段207により、期待度示唆区間の2ゲーム目でないと判定されれば(ステップS702でNO)、同じく報知手段207により、期待度示唆区間の3ゲーム目であるか否かが判定される(ステップS703)。ここで、期待度示唆区間の3ゲーム目であると判定されれば(ステップS703でYES)、選択された報知演出コースに基づいて、3ゲーム目の演出が報知演出実行手段207bにより実行されて(ステップS710)、期待度示唆区間制御処理が終了する。期待度示唆区間の4ゲーム目の処理についても、期待度示唆区間の1〜3ゲーム目と同様の処理が実行される(ステップS704、ステップS711)。
次に、報知手段207により、期待度示唆区間の4ゲーム目でないと判定されれば(ステップS704でNO)、選択された報知演出コースに基づいて、5ゲーム目の演出が報知演出実行手段207bにより実行される(ステップS705)。次に、遊技状態フラグ設定手段211により、期待度示唆区間フラグがOFF(オフ)状態に設定されるとともに、選択演出遊技フラグがON(オン)状態に設定される(ステップS707)。最後に、期待度示唆区間中遊技数カウンタがリセットされて(ステップS707)、期待度示唆区間制御処理が終了する。
8.選択演出遊技処理
次に、図17に示す演出制御処理のステップS210で実行される選択演出遊技処理について、図23を参照して説明する。なお、図23は選択演出遊技処理の一例を示すフローチャートである。
まず、停止操作判定手段208aは、演出選択遊技において、受信制御手段201がストップスイッチ10L,10M,10Rの停止操作に関するコマンドを受信するまで待機し(ステップS800でNO)、受信制御手段201がストップスイッチ10L,10M,10Rの停止操作に関するコマンドを受信した場合(ステップS800でYES)、そのコマンドが、左ストップスイッチ10L(選択用ストップスイッチ10L)であるか否かが停止操作判定手段208aにより判定される(ステップS801)。このとき、停止操作判定手段208aにより、ストップスイッチ10L,10M,10Rが操作されたタイミングでの表示窓5の中段に位置する図柄に対応するコマ番号も併せて判定される。
停止操作判定手段208aにより、左ストップスイッチ10Lが操作されたと判定されれば(ステップS801でYES)、演出グループ決定手段208bにより、停止操作判定手段208aにより判定されたコマ番号に基づいて、遊技者が選択したキャラクタA〜C(演出グループA〜C)が決定される(ステップS802)。また、停止操作判定手段208aにより、左ストップスイッチ10Lが操作されていないと判定されれば(ステップS801でNO)、左ストップスイッチ10Lが操作されていると判定されるまでステップS800〜ステップS801の処理が繰り返し実行される。
次に、演出グループ決定手段208bにより、遊技者が選択したキャラクタA〜C(演出グループA〜C)が決定されると、遊技状態フラグ設定手段211により、選択演出遊技フラグがOFF(オフ)状態に設定されるとともに、CZフラグがON(オン)状態に設定されて(ステップS803)、選択演出遊技処理が終了する。
したがって、上記した実施形態によれば、優遇遊技状態(CZ)中の遊技に演出実行手段210bにより演出される映像演出の主人公(キャラクタA〜C:演出グループA〜C)を、選択手段208により遊技者自らが選択することができるため、遊技者の遊技への参加意識を高めることができる。また、各演出グループA〜C(キャラクタA〜C)それぞれに対して、該演出グループA〜Cの情報と特別遊技状態(ART)への移行のし易さの度合い(期待度:抽選確率)とを含む移行情報が、優遇遊技状態(CZ)に移行する前に報知手段207により報知されるため、遊技者は、移行情報を目安として演出グループA〜C(キャラクタA〜C)を選択することができる。また、報知手段207が移行情報を報知することにより、優遇遊技状態(CZ)において演出実行手段210bにより演出される映像演出の内容(キャラクタA〜C:演出グループA〜C)を重視するか、あるいは、特別遊技状態(ART)への移行のし易さの度合い(期待度:抽選確率)を重視するかのいずれかが遊技者に選択可能になる。そのため、演出グループA〜C(キャラクタA〜C)のみを選択する従来の遊技機と比較して、遊技者への選択自由度を高めることができ、これにより、遊技者の興趣を高めることができる。
また、設定手段206は、各演出グループA〜C(キャラクタA〜C)それぞれに対して、優遇遊技状態から特別遊技状態への移行のし易さの度合いとして予め設定された複数の抽選確率(期待度低、期待度中、期待度高)のいずれかを設定する。このようにすると、選択手段208により遊技者が選択する演出グループA〜C(キャラクタA〜C)によって、優遇遊技状態(CZ)における特別遊技状態(ART)への移行のし易さが異なるため、遊技者の選択結果によって、優遇遊技状態(CZ)での特別遊技状態(ART)への移行のし易さが異なることになる。つまり、遊技者の選択によっては、優遇遊技状態(CZ)での結果(特別遊技状態へ移行するか否かの結果)が異なるように構成することができるため、遊技者の遊技への参加意識を高めることができるとともに、遊技者の興趣を高めることができる。
また、設定手段206は、各演出グループA〜C(各キャラクタA〜C)それぞれに対する優遇遊技状態から特別遊技状態への移行のし易さの度合い(期待度:抽選確率)の設定を、優遇遊技状態移行抽選に当選する度に行う。このようにすると、選択手段208で遊技者が各演出グループA〜C(各キャラクタA〜C)のいずれかを選択する機会ごとに、各演出グループA〜C(各キャラクタA〜C)それぞれに設定される優遇遊技状態から特別遊技状態への移行のし易さの度合い(期待度:抽選確率)が変化する。すなわち、例えば、好みの演出グループA〜C(キャラクタA〜C)を選択し続けた場合であっても、優遇遊技状態から特別遊技状態への移行のし易さの度合い(期待度:抽選確率)が変化するし、優遇遊技状態への移行のし易さの度合い(期待度:抽選確率)を重視し、例えば期待度が高い方を選択し続けた場合であっても、演出グループA〜C(キャラクタA〜C)が同じとはならない。そのため、遊技者の遊技への参加意欲を持続させることができるとともに、遊技者の興趣を高めることができる。
また、報知手段207は、各演出グループA〜C(キャラクタA〜C)それぞれに設定される優遇遊技状態から特別遊技状態への移行のし易さの度合い(期待度:抽選確率)を、期待度示唆区間(報知区間)の連続する5ゲームの間に段階的に報知する。具体的には、期待度示唆区間に含まれる複数(例えば、5ゲーム)の遊技で、各キャラクタA〜Cのオーラの色を段階的に変化させることにより各演出グループA〜C(各キャラクタA〜C)に設定される期待度(抽選確率)を報知する。このようにすると、遊技者は期待度示唆区間の各遊技を、オーラの色が変化するのを期待しながら楽しむことができるため、遊技者の興趣をさらに高めることができる。
また、選択手段208による演出グループA〜C(キャラクタA〜C)の選択は、左ストップスイッチ10L(選択用ストップスイッチ10L)の操作タイミングで行うように構成されているため、回転リール6L,6M,6Rをストップスイッチ10L,10M,10Rで停止させるスロットマシン1本来の遊技性(例えば、「目押し」)を堪能しながら演出グループA〜C(キャラクタA〜C)の選択を行うことができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について、図24および図25を参照して説明する。なお、図24は第2実施形態にかかる選択手段208の動作を説明するための図、図25は第2実施形態にかかる選択演出遊技処理の一例を示すフローチャートである。また、図24は、演出選択遊技で液晶表示器14に表示される映像を示している。
この実施形態が上記した第2実施形態と異なるのは、演出選択遊技において、選択手段演出グループA〜C(キャラクタA〜C)のいずれかを選択する選択手段208の所定の選択操作の内容が異なることである。その他の構成および動作については、上記した第1実施形態と同様であるため、以下では、上記した第1実施形態と異なるところを中心に説明を行い、第1実施形態と同様の構成および動作については、同一符号を引用することによりその説明は省略する。
この実施形態では、各演出グループA〜C(各キャラクタA〜C)それぞれが、異なるストップスイッチ10L,10M,10Rに対応付けされており、選択手段208は、所定の選択操作として、選択する演出グループA〜C(キャラクタA〜C)が対応付けされたストップスイッチ10L,10M,10Rを遊技者が最初に操作することにより、各演出グループA〜C(各キャラクタA〜C)のいずれかを選択するように構成されている。換言すれば、遊技者は、選択する演出グループA〜C(キャラクタA〜C)に対応付けされたストップスイッチ10L,10M,10Rを最初に操作(押す)ことで、優遇遊技状態の遊技での演出および特別遊技状態への移行のし易さの度合い(抽選確率:期待度)を選択できるように構成されている。
この場合、報知区間(期待度示唆区間)の第1遊技目から第5遊技目までは、第1実施形態と同様の報知演出が報知演出実行手段207bにより実行され、第6遊技目(演出選択遊技)で、図24に示すように、遊技者がキャラクタA〜C(演出グループA〜C)を選択するための選択演出が報知演出実行手段207bにより実行される。このとき、液晶表示器14には、「主人公をリールで選べ!!」という文字が表示されるとともに、キャラクタAの頭上には「左」、キャラクタBの頭上には「中」、キャラクタCの頭上には「右」という文字が表示され、例えば、キャラクタA(演出グループA)を選択希望する場合は、左リール6Lの停止、つまり、左ストップスイッチ10Lを最初に操作するように促す演出が報知演出実行手段207bにより実行される。したがって、演出選択遊技の選択演出に遊技者が従えば、所望の演出グループA〜C(キャラクタA〜C)の演出および特別遊技状態への移行のし易さの度合い(抽選確率:期待度)で、優遇遊技状態での遊技が実行されることになる。
(動作)
次に、この実施形態における選択演出遊技処理の一例について、図25を参照して説明する。なお、その他の処理については、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
この実施形態において、停止操作判定手段208aは、演出選択遊技で受信制御手段201が最初のストップスイッチ10L,10M,10Rの停止操作に関するコマンドを受信するまで待機する(ステップS900でNO)。受信制御手段201が最初のストップスイッチ10L,10M,10Rの停止操作に関するコマンドを受信した場合(ステップS900でYES)、そのコマンドが、左ストップスイッチ10Lのものであるか否かが停止操作判定手段208aにより判定される(ステップS901)。
停止操作判定手段208aにより、左ストップスイッチ10Lが操作されたと判定されれば(ステップS901でYES)、演出グループ決定手段208bにより、優遇遊技状態の遊技で実行される映像演出の主人公として、キャラクタA(演出グループA)が決定される(ステップS903)。キャラクタAが決定されると、遊技状態フラグ設定手段211により、演出選択遊技フラグがOFF(オフ)状態に設定されるとともに、優遇遊技状態(CZ)フラグがON(オン)状態に設定されて(ステップS903)、選択演出遊技処理が終了する。
ステップS901で、停止操作判定手段208aにより、受信制御手段201が受信したコマンドが左ストップスイッチ10Lのものでないと判定されれば(ステップS901でNO)、そのコマンドが中ストップスイッチ10Mのものであるか否かが停止操作判定手段208aにより判定される(ステップS904)。ここで、停止操作判定手段208aにより、中ストップスイッチ10Mが操作されたと判定されれば(ステップS904でYES)、演出グループ決定手段208bにより、優遇遊技状態の遊技で実行される映像演出の主人公として、キャラクタB(演出グループB)が決定される(ステップS905)。キャラクタBが決定されると、遊技状態フラグ設定手段211により、演出選択遊技フラグがOFF(オフ)状態に設定されるとともに、優遇遊技状態(CZ)フラグがON(オン)状態に設定されて(ステップS903)、選択演出遊技処理が終了する。
ステップS904で、停止操作判定手段208aにより、受信制御手段201が受信したコマンドが中ストップスイッチ10Mのものでないと判定されれば(ステップS904でNO)、演出グループ決定手段208bにより、優遇遊技状態の遊技で実行される映像演出の主人公として、キャラクタC(演出グループC)が決定される(ステップS906)。キャラクタCが決定されると、遊技状態フラグ設定手段211により、演出選択遊技フラグがOFF(オフ)状態に設定されるとともに、優遇遊技状態(CZ)フラグがON(オン)状態に設定されて(ステップS903)、選択演出遊技処理が終了する。
したがって、上記した実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるほか、設定手段206により設定される各キャラクタA〜C(演出グループA〜C)それぞれに対する特別遊技状態への移行のし易さの度合い(抽選確率:期待度)は一定ではないので、演出選択遊技ごとで狙うリール6L,6M,6Rが異なり、遊技者が飽きることがない。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記した各実施形態では、各キャラクタA〜C(各演出グループA〜C)それぞれに対して設定手段206により設定された特別遊技状態への移行のし易さの度合い(抽選確率:期待度)をそのまま報知するように構成したが、例えば、キャラクタA〜Cに設定された前記期待度が「高」(対応するオーラの色:赤)である場合であっても、期待度中を示唆する黄オーラや緑オーラで報知する場合があるようにしてもよい。このようにすると、遊技者が期前記期待度が「中」と認識して優遇遊技状態での遊技を行っているのにもかかわらず、特別遊技状態移行抽選(ART抽選)に当選し易い状態(期待度高)であるため、遊技者の興趣を高めることができる。また、期待度を示唆するオーラの色と実際の期待度とが異なる場合があるように設定することで、遊技者が実際の期待度を予想しながらキャラクタA〜C(演出グループA〜C)を選択することができる。
また、キャラクタA〜C(演出グループA〜C)を選択する選択操作は、上記した各実施形態に限らず、例えば、演出選択遊技において、図26に示すような選択演出を報知選出実行手段207bにより実行し、チャンススイッチ12または最大ベットスイッチ8の操作で、各キャラクタA〜C(各演出グループA〜C)のいずれかを選択し、スタートスイッチ9のレバー操作で決定するようにしてもよい。なお、図26は選択操作の他の例を説明するための図であり、演出選択遊技で液晶表示器14に表示される選択演出(映像)を示している。
また、上記した各実施形態では、優遇遊技状態が1つである場合について説明したが、各演出グループA〜C(各キャラクタA〜C)ごとに、それぞれ異なる優遇遊技状態を備えるように構成してもかまわない。
また、上記した報知演出や優遇遊技状態での遊技で実行される演出を、各スピーカ15,16や各ランプ部22,23などの各種の演出危機をさらに組み合わせた演出により構成してもよい。また、これらの演出が、液晶表示器14と異なる演出機器、例えば、各スピーカ15,16,各ランプ部22,23による演出や、各リール6L,6M,6Rの回転態様を変動させる、いわゆるリール演出により構成されていてもよい。
また、上記した実施形態では、本発明の遊技機としてスロットマシン1を例に挙げて説明したが、パチンコ機や、スロットマシンとパチンコ機とを組み合わせた遊技機(いわゆるパロット)、あるいは、コンピュータプログラムが実行されることによるビデオゲームに本発明を適用してもよい。
そして、本発明は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態の遊技と、通常遊技状態よりも特別遊技状態に移行し易い状態である優遇遊技状態(いわゆるチャンスゾーン)の遊技とが実行される種々の遊技機に適用することができる。