JP5637377B2 - 空調制御装置、空調制御方法、空調制御プログラム - Google Patents
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Description
そのため、会議室等の居室を利用に応じて適切なタイミングで空調システムの運転を開始させることが望ましい。
同図に示すように空調制御装置1は、各種の測定値を取得するためのセンサ装置2と、建物3内に設けられている居室31の空気調和をするための空調システム32とに接続されている。本実施形態では、居室31がオフィスなどの会議室である場合を例にして、空調制御装置1による空調システム32の制御を説明する。
Cp:空気比熱[J/kg・K]
Q:空調システム32の定格風量[m3/s]
γ:空気比熱[kg/m3]
V:会議室31の室容量[m3]
qG:会議室31の日射負荷[W]
qn:会議室31の貫流負荷[W]
qL:会議室31の照明発熱負荷[W]
qm:会議室31を利用する利用者の人体発熱負荷[W]
qe:会議室31において利用する機器の機器発熱負荷[W]
TSA:空調システム32からの給気温度[℃]
TS:会議室31の設定温度[℃]
T0:会議室31の初期温度[℃]
ΔT:会議室31において許容される設定温度TSとの温度差[℃]
Tout:建物3の外気温度[℃]
Tin:会議室31内の室温[℃]
ν:会議室31内の気流速度[m/s]
hin:会議室31内の湿度[%]
IS:建物3における全天日射量[MJ/m2]
ti:予冷時間[s]
利用者情報記憶部11には、会議室31を利用する利用者の室温に対する好みなどを示す情報である利用者情報が予め記憶されている。この利用者情報は、利用者を識別するための利用者氏名と、利用者の体質を示す情報としての温冷感値と、利用者の好みの光環境を示す照度と、利用者の着衣量を示すクロ(clo)値と、利用者の体表面積とが対応付けられた情報である。温冷感値は、利用者の体質(例えば、暑がり、寒がり)を示すための値であり、その度合いに応じた補正温度である。例えば、暑がりの利用者には、「−2℃」を割り当て、寒がりの利用者には、「+2℃」を割り当てる。
すなわち、最適設定値算出部15は、外気温センサ22が測定した外気温度Toutと、室内湿度センサ24が測定した湿度hinと、室内気流速度センサ25が測定した気流速度νと、利用者情報記憶部11に記憶されている利用者情報に含まれる着衣量とを用いて設定温度TSを算出する。この設定温度TSは、会議室31が利用される際に目標とする会議室31内の温度である。
日射負荷算出部161は、会議室31において、日射量により生じる日射負荷qGを算出する。具体的には、日射負荷算出部161は、建物情報記憶部14に記憶されている建物情報を読み出し、読み出した建物情報に含まれる窓のガラス種別及び窓面積から係数aを算出する。そして、日射負荷算出部161は、算出した係数aと、照射量センサ21が測定した全天日照射量ISとを次式(2)に代入して、日射負荷qGを算出する。
なお、貫流負荷算出部162は、会議室31の利用が開始される時刻の貫流負荷qnを算出するので、外気温センサ22が測定した現在の外気温度Toutを用いずに、外気温センサ22が測定した外気温度Toutの履歴から、会議室31の利用が開始される時刻における前日の外気温度や、平均の外気温度を用いるようにしてもよい。
そして、人体発熱負荷算出部163は、次式(4)を用いて、読み出した利用者情報ごとに発熱量を算出し、算出した発熱量の総和である人体発熱負荷qmを算出する。
また、ciは、一般的な値として58[W/m2]を用いるようにしてもよい。
まず、空調予冷時間算出部17は、夏期において冷房運転をする場合、次式(5−1)を用いて、空調システム32の給気温度TSAを算出し、冬期において暖房運転をする場合、次式(5−2)を用いて、空調システム32の給気温度TSAを算出する。
制御情報送信部18は、空調予冷時間算出部17が算出した予冷運転開始時刻と、算出した給気温度TSAと、定格風量Qとを含む制御情報を空調システム32に送信し、空調システム32を制御する。
空調システム32は、制御情報送信部18から受信した制御情報に含まれる予冷運転開始時刻から給気温度TSA、定格風量Qによる運転を開始することにより、会議室31が利用される時刻(利用開始時刻)において会議室31の気温を設定温度TSにすることができる。
空調制御装置1において、最適設定値算出部15は、現在時刻が、会議室予約記憶部12に記憶されている会議室予約情報に含まれる利用開始時刻の設定時間前になると、設定温度TSを算出する(ステップS1)。ここで、設定時間には、例えば、15分、10分などの時間が予め設定され、利用開始時刻の10分前になると、最適設定値算出部15が設定温度TSを算出する。
空調予冷時間算出部17は、最適設定値算出部15が算出した設定温度TSと、居室内発熱負荷算出部16が算出した各熱負荷とに基づいて、予冷運転開始時刻、給気温度TSA、及び定格風量Qを算出する(ステップS3)。
そして、制御情報送信部18は、予冷運転開始時刻、給気温度TSA、及び定格風量Qを含む制御情報を空調システム32に送信し、空調システム32を制御する(ステップS4)。
このように、会議室31を利用する際に発生する居室内熱負荷を予め算出することにより、会議室31の利用を開始した際に生じる空調負荷を予測し、予測結果に基づいた予冷運転開始時刻を算出するので、適切なタイミングで空調システム32の運転を事前に開始させることができる。その結果、会議室31を利用し始めても、会議室31の室温を設定温度TSに保つことができ、会議室31の快適性を向上させることができる。また、会議室31の利用開始後の居室内熱負荷に基づいて、適切なタイミングで空調システム32を運転させるので、電力等のエネルギーを無駄に消費することを防ぐことができる。
また、空調制御装置1は、人体発熱負荷算出部163が利用者の会議室31を利用する前に行っていた生活行動に基づいて、当該利用者から発せられる熱量を算出し、会議室31を利用する際に予測される居室内発熱負荷を算出する。これにより、実際に会議室31が利用される居室内発熱負荷の精度を向上させることができ、より適切な予冷運転開始時刻を算出することができる。
また、空調制御装置1は、機器発熱負荷算出部164及び照明発熱負荷算出部165が、会議室31の利用形態に基づいて、会議室31を利用する際に用いる機器及び照明器具から発せられる熱量を算出し、会議室31を利用する際に予測される居室内発熱負荷を算出する。これにより、実際に会議室31が利用される居室内発熱負荷の精度を向上させることができ、より適切な予冷運転開始時刻を算出することができる。
また、シミュレーションの条件として、居室面積を40[m2]とし、利用者の数を8名とし、人体発熱量qmを440[W](=55[W/名]×8[名])とし、機器発熱負荷qeを30[W]とし、照明発熱負荷qLを400[W]とし、日射負荷qGと貫流負荷qnとの和(ペリメータ負荷)を800[W]とし、定格風量Qを1200[CHM]とし、設定温度TSを26[℃]とした。
一方、図3(b)に示されているように、予冷運転を行わない場合、利用者が居室に入出してから室温が設定温度TSになるまでに約900[秒]を要している。
Claims (8)
- 利用者が居室を利用する際に目標とする居室内の温度である設定温度を算出する最適設定値算出部と、
前記利用者が前記居室の利用を開始する開始時刻と前記居室を利用する際に前記居室において使用する機器とを対応付けた予約情報を記憶する予約記憶部と、
前記予約情報ごとに、前記利用者が前記居室を利用する際に前記居室において生じる熱負荷である居室内熱負荷を前記予約情報に基づいて算出する居室内熱負荷算出部と、
前記予約情報ごとに、前記設定温度と前記居室内熱負荷とに基づいて、前記利用者が前記居室の利用を開始する開始時刻に前記居室の室温が前記設定温度になるように、前記居室に備えられている空調システムの運転を前記居室の利用前に開始させる運転開始時刻を算出する空調予冷時間算出部と、
前記運転開始時刻から前記空調システムを運転させる制御情報を前記空調システムに送
信する制御情報送信部と
を備えていることを特徴とする空調制御装置。 - 前記空調予冷時間算出部は、
前記設定温度と前記居室内熱負荷と前記空調システムの定格風量とに基づいて前記空調システムの給気温度を算出し、前記居室が利用される前の室温と前記設定温度と前記居室内熱負荷と前記空調システムの定格風量と前記利用者が前記居室の利用を開始する時刻と前記給気温度とに基づいて前記運転開始時刻を算出し、
前記制御情報には、前記給気温度を示す情報が含まれる
ことを特徴とする請求項1に記載の空調制御装置。 - 前記最適設定値算出部は、
予測温冷感申告(PMV)を用いて、予め定められたPMV値と、居室外の外気温度と、居室内の湿度と、前記利用者の着衣量とから前記設定温度を算出する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の空調制御装置。 - 前記居室内熱負荷算出部は、
全天日射量から日射による熱負荷である日射負荷と、前記居室における貫流負荷と、前記利用者から発せられる熱量である人体発熱負荷と、前記居室において利用される機器から発せられる熱量である機器熱負荷と、前記居室に備えられている照明器具から発せられる熱量である照明発熱負荷とを算出し、各負荷の総和から前記居室内熱負荷を算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の空調制御装置。 - 前記居室内熱負荷算出部は、
前記利用者ごとに、該利用者が前記居室を利用する前に行っていた生活行動に基づいて該利用者から発せられる熱量を算出し、前記居室を利用する利用者ごとに算出した熱量を総和して前記人体発熱負荷を算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の空調制御装置。 - 前記居室内熱負荷算出部は、
前記居室の利用形態に対応して予め定められた前記機器の発熱量から前記機器熱負荷を算出し、
前記居室の利用形態に対応して予め定められた照度から前記照明器具の発熱量を前記照明発熱負荷として算出する
ことを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかに記載の空調制御装置。 - 利用者が居室を利用する際に目標とする居室内の温度である設定温度を算出する最適設定値算出ステップと、
予約記憶部が記憶する予約情報であって前記利用者が前記居室の利用を開始する開始時刻と前記居室を利用する際に前記居室において使用する機器とを対応付けた予約情報ごとに、前記利用者が前記居室を利用する際に前記居室において生じる熱負荷である居室内熱負荷を前記予約情報に基づいて算出する居室内熱負荷算出ステップと、
前記予約情報ごとに、前記設定温度と前記居室内熱負荷とに基づいて、前記利用者が前記居室の利用を開始する開始時刻に前記居室の室温が前記設定温度になるように、前記居室に備えられている空調システムの運転を前記居室の利用前に開始させる運転開始時刻を算出する空調予冷時間算出ステップと、
前記運転開始時刻から前記空調システムを運転させる制御情報を前記空調システムに送信する制御情報送信ステップと
を有することを特徴とする空調制御方法。 - 利用者が居室を利用する際に目標とする居室内の温度である設定温度を算出する最適設定値算出ステップと、
予約記憶部が記憶する予約情報であって前記利用者が前記居室の利用を開始する開始時刻と前記居室を利用する際に前記居室において使用する機器とを対応付けた予約情報ごとに、前記利用者が前記居室を利用する際に前記居室において生じる熱負荷である居室内熱負荷を前記予約情報に基づいて算出する居室内熱負荷算出ステップと、
前記予約情報ごとに、前記設定温度と前記居室内熱負荷とに基づいて、前記利用者が前記居室の利用を開始する開始時刻に前記居室の室温が前記設定温度になるように、前記居室に備えられている空調システムの運転を前記居室の利用前に開始させる運転開始時刻を算出する空調予冷時間算出ステップと、
前記運転開始時刻から前記空調システムを運転させる制御情報を前記空調システムに送信する制御情報送信ステップと
をコンピュータに実行させるための空調制御プログラム。
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