JP5636699B2 - 鉛蓄電池用負極板及びそれを用いた鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、鉛蓄電池の寿命性能を向上させる鉛蓄電池用負極板及びそれを用いた鉛蓄電池に関する。
鉛蓄電池の負極活物質としては海綿状の鉛が通常用いられる。海綿状とする理由は、比表面積が大きく放電反応面積が大きくなるからである。これに対して、相対的に密に詰まった状態の塊状鉛は、比表面積が小さく放電反応面積の点で不利となることから、これを活物質層に混合して用いることについての技術的な議論はなされていない。
鉛蓄電池の充放電を繰り返したときの寿命性能は、電極である正極板及び負極板の構成により大きく左右される。特許文献1では、鉛蓄電池に関して、サイクル寿命を向上させるために、炭素繊維が突出又は貫通して一体化している鉛粉を負極板の活物質に含ませることを開示している。
特開平6−68871号公報
鉛蓄電池を充放電すると、負極板の活物質中において、以下の(A)及び(B)のような酸化還元反応が起こる。
(A)放電時:Pb(海綿状鉛) + SO 2− → PbSO + 2e
(B)充電時:PbSO + 2e → Pb(海綿状鉛) + SO 2−
海綿状鉛(Pb)は、壊れ易く、また、この充放電において、溶解析出を経るため、完全に元の状態に戻り難い。そして、海綿状鉛の部分は、膨張や収縮の変化が大きいため、この充放電を繰り返していくと、海綿状鉛同士の導電ネットワークが切断されるという問題があった。また、不動態である硫酸鉛(PbSO)の結晶が放電により生成されると、その結晶は電気的な抵抗となる。さらに、体積も鉛の2.6倍と大きくなるため、上述のとおり、これが海綿状鉛同士の導電ネットワークを切断する原因の1つとなっている。
そして、上記のように、負極板の活物質中に導電性の炭素繊維等のカーボンを添加することが、今まで試みられてきたが、十分な効果を得ることができなかった。この原因として、カーボンの電気的な抵抗が、海綿状鉛の電気的な抵抗よりも大きいことや、カーボンと海綿状鉛との接触が十分にできていないこと等が考えられる。
そこで、発明者らは、負極板の活物質の主な成分である海綿状鉛に対して、比較的膨張や収縮が小さくて、相互的な接触にも優れ、さらに、導電性を有する物質を様々検討した。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、寿命性能を従来よりも向上させた鉛蓄電池用負極板及びそれを用いた鉛蓄電池を提供することを課題とする。
本発明に係る鉛蓄電池用負極板は、海綿状鉛中に、20μm以上500μm以下の平均断面長さであって、前記海綿状鉛よりも空隙率の小さな塊状鉛を含有し、前記塊状鉛の空隙率が20%以下であることを特徴とする
記海綿状鉛の空隙率が40%以上であることが好ましい。
前記塊状鉛の平均断面長さが、50μm以上200μm以下であることが好ましい。
塊状鉛量が、活物質原料である酸化鉛粉末に対し3質量%以上15質量%以下、あるいは負極板断面において塊状鉛の面積が2%以上10%以下であることが好ましい。
また、本発明に係る鉛蓄電池は、請求項1からいずれかに記載の鉛蓄電池用負極板を用いたことを特徴とする。
ここで、「塊状の鉛」とは、海綿状鉛と異なり、その外形が塊状と認識でき、その内部が密な状態であるものをいう。
また、「断面長さ」とは、塊状鉛の任意の断面形状において断面のほぼ中央を通過する2点間距離のうち最長の長さLとする。測定方法の一例を示す。
(1)図1記載の外形が凸部だけで構成されている場合として、
(ア)断面が円形の場合は、直径に相当する。
(イ)断面が楕円形の場合は、長径に相当する。
(ウ)上記以外で、凹部が存在しない形状の場合は、長径に相当する。
ここでいう長径とは、短径に直角な向きで測った平行線の間隔であり、短径とは、最も安定な姿勢で水平面に置かれた状態の2本の平行線で向きを変えながらはさんだときの最も小さい間隔である。
(2)図2記載の外形に凹部が存在する例として、
(エ) ブーメラン状の形状の場合は、凸部先端A点とB点としたときの、ほぼ断面の中心部を結ぶ線の距離に相当する。
(オ)ブーメラン状の一部から別の突起が出ている形状の場合は、各突起の凸部先端A、B、C点とを比較して最も長い先端2点同士の断面の中心部を結ぶ線の距離とする。この場合はA点とB点が選択される。
(カ)ジグザグ状の形状の場合は、(エ)の応用であり、最も遠いA点とB点間の距離となる。
海綿状鉛と同様に塊状の鉛も導電性を有するが、海綿状鉛に比べて膨張や収縮が少ない。膨張や収縮が少ない理由は、単位重量あたりの比表面積が小さいため海綿状鉛に比べて放電に寄与する割合が小さく、充放電による溶解析出反応が塊状のごく表面のみであるためである。一方、海綿状鉛は充放電を主に行うため、溶解析出反応による形態変化が大きく、自らの導電性のネットワークが崩壊して劣化することがある。そこで、予め形態変化の少ない塊状鉛を海綿状鉛中に分散させておくことで、長期的に導電性を確保できるため、鉛蓄電池の寿命性能を改善することができる。
本発明の活物質中に含有する塊状鉛は、ペースト混練時の機械的な加圧や化成中の電気化学的な溶解析出反応の進行により、形状も様々に変化しうる。また、内部に微細な空孔が発生することもある。これら変形後の塊状鉛の確認方法であるが、海綿状鉛と塊状鉛とは形状が異なるものの同物質であり、両者が融合している部分もあるため、直接分離することは困難である。そこで、断面観察によりその形状を確認することとした。断面は立体形状の一部しか反映しないが、平均的な断面形状が推察できる。さらに、少しずつの深さで研磨して位置を替えて断面観察を繰り返し実施することで、およその立体の推測は十分に可能である。
ここで、断面長さが、20μm以上500μm以下の塊状鉛が存在すると、従来の海綿状鉛のみの従来品に比べて寿命特性が大幅に向上することが分った。
なお、本発明における塊状鉛とは、上記にも述べたが、製造工程中の変形により空孔を有する部分も発生するが、断面の空隙率が20%以下のもので、かつ、ある一定以上の大きさを有するものとし、それ以外は海綿状鉛とみなしても差し支えない。
ここで空隙率とは、塊状の鉛において空隙を含む断面全体の面積に対する、その断面内の空隙の総面積の比率とする。具体的には、負極活物質の塊状鉛部分の複数の断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)等の電子顕微鏡で観察した画像から、その輪郭で囲まれている面積部分に対する上記輪郭内部に存在する空隙部分の総面積の割合を、計算機等の画像処理によって算出する。
なお、この空隙率が大きくなると、塊状の鉛の比表面積が大きくなると同時に、その空隙に流入する希硫酸も増大する。そのため、鉛蓄電池の充放電時に海綿状鉛と同様に、塊状の鉛も酸化還元反応により形態変化する危険性が高くなる。
本発明に係る鉛蓄電池は、充放電を繰り返しても、その負極板の活物質全体に電流パスを確保することができるため、その鉛蓄電池の寿命性能を従来よりも向上させることができる。
本発明に係る塊状鉛断面形状で、凸状のみを含む形状の断面長さを測定する手順を示す模式図 本発明に係る塊状鉛断面形状で、凹状を含む複雑な形状の断面長さを測定する手順を示す模式図 本発明に係る鉛蓄電池用負極板の一例であって、化成後の断面を走査型電子顕微鏡で観察した画像を示す図 塊状の鉛の平均断面長さを変化させた場合のJIS重負荷試験の結果のグラフを示す図
(実施形態)
発明者らは、鉛の形状や大きさに着目し、塊状の鉛を、鉛蓄電池用負極板の活物質(以下、単に「活物質」という。)に含有させることで、電池の寿命性能を従来に比べて著しく向上させることができた。以下、その活物質について説明する。
図3は、本発明に係る鉛蓄電池用負極板の一例であって、化成後の断面を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)で観察した画像を示す図である。この画像中の暗い部分は空隙を示しており、明るい部分は鉛を示している。特に、領域A1、A2及びA3は塊状の鉛が存在していることを示している。これらの塊状の鉛の断面の空隙率を調べると、領域A1で19[%]、領域A2で3[%]、領域A3で9[%]であり、塊状の鉛が存在しない領域Bで51[%]であった。そして、それら塊状の鉛の周りには、例えば、領域Bのように塊状鉛の中に存在するよりはるかに大きい空隙が存在している。また、全体的にみると、活物質中に塊状の鉛が偏在することなく均一に分散していることもわかる。
実施形態における活物質は、図3に示すように、塊状の鉛を備えるため、その塊状の鉛が導電ネットワークの基点となり、その負極板の活物質全体に電流パスを確保することができると考えられる。
塊状鉛の断面長さは20[μm]以上であることが好ましい。海綿状鉛の空隙率は40[%]以上であることが好ましい。一定重量の活物質において、塊状の鉛の含有量が増加すると、充放電に寄与する海綿状鉛が減少し、それに伴ってその鉛蓄電池の電気容量も減少する。したがって、その含有量は、活物質の質量に対して数十[質量%]までの少量が好ましく、望ましくは、3[質量%]以上15[質量%]以下である。負極板の断面積で塊状の鉛の含有量を規定する場合、負極板の断面の総面積中、塊状の鉛の面積が2[%]以上10[%]以下であることが好ましく、上記添加量と対応していることも分った。
金属鉛は導電性を有し、海綿状のようにその比表面積が大きくなるほど充放電に寄与するが、比表面積が小さい密に詰まった状態(塊状)のものが海綿状鉛に含まれると、相対的に充放電に寄与しなくなる。そのため、充放電時にその塊状の鉛の膨張や収縮はほとんど無く、負極板の活物質で導電性を確保するための導電ネットワークの基点とすることができる。そして、負極板の断面の総面積中、塊状鉛部分の面積を2[%]以上とすることによって、海綿状鉛同士で電流パスが十分に確保される。一方で、鉛活物質の表面積を確保するため、塊状鉛部分の面積は10[%]以下とすることが好ましい。
実施形態では、鉛蓄電池用負極板の活物質中に所定の大きさの塊状の鉛を含有させることで、活物質全体に導電ネットワークの基点を設けることができる。そのため、海綿状鉛の膨張や収縮により海綿状鉛同士の導電ネットワークが部分的に切断されても、その負極板の活物質全体では電流パスが確保され、鉛蓄電池の寿命を従来よりも向上させることができる。
(実施例)
以下、本発明に係る鉛蓄電池用負極板の一例として実施例を説明する。
まず、本発明の鉛蓄電池用負極板およびそれを用いた鉛蓄電池の製造方法の一例について説明する。
極板を作製する工程としては、塊状の鉛を製造する塊状鉛製造工程、酸化鉛粉末と塊状鉛を含む添加剤とを混合した後、さらにイオン交換水及び希硫酸を加えて混練する混練工程と、その後、熟成及び乾燥させる熟成乾燥工程である。これによって未化成の負極板が得られる。
その後、正極板やその他の部材を用いて組立および化成工程を経て、電池を完成させる。
塊状鉛製造工程
試薬の粉末鉛や球状鉛を所定の大きさに分級する。この分級では、分級機を使用することも可能であるが、例えば、塊状の鉛の最小幅が10[μm]程度の大きさの塊状の鉛を得る場合、まず、10[μm]未満の目のふるいで選別し、その後、そのふるいに残った鉛を10[μm]よりも少し大きい目のふるいで選別することにより得ることができる。また、この塊状の鉛は、この分級の代わりに、他に様々な方法により得ることができる。例えば、圧延により製造された厚さ100[μm]の鉛箔をマイクロカッターや粉砕機により細かく切断して塊状の鉛を得てもよい。さらに、必要に応じて加圧等により所定の形状や寸法に加工してもよい。また、塊状の鉛は、この分級やこれらの加工と組み合わせてもよいし、それ以外の方法によって得てもよい。
簡単のため、本試験では、100μm未満の大きさは球状、100μmを越える塊状鉛は立方体のものを使用した。大きさとしては、10[μm]、20[μm]、50[μm](これらは、球状の平均粒子径)、100[μm]、200[μm]、500[μm]、750[μm](これらは、立方体の1辺の長さ)のものを作製した。
粒子径については、一般的な粒度分布の測定方法に従って、その分布を確認した。測定方法としては、光散乱による計数法とよばれる手法や、一定溶媒中での粒子の沈降速度から求める沈降法とよばれる手法などがある。
混練工程
上記工程で得る塊状の鉛と、上記工程で得られる塊状の鉛よりも小さい平均粒子径1μmの粒子からなる酸化鉛粉末と、リグニン0.3%、硫酸バリウム0.5%及びPP(ポリプロピレン)繊維0.1%とを混合する。
上記混合物にイオン交換水を加えながら混練し、その後、希硫酸を滴下して再度混練し活物質ペーストとする。
本試験では、各寸法に分けた塊状鉛を酸化鉛粉末重量に対して1〜20重量%の割合で添加した。
塗布熟成乾燥工程
上記混練工程の活物質ペーストを鉛合金からなる格子に塗布し、それを一定温度及び湿度の下で熟成させ、その後、それを50℃の温度で24時間かけて乾燥させる。これにより、鉛蓄電池用未化成の負極板を得る。
組立化成工程
その後、これらの負極板と通常の方法で作製された未化成の正極板、ポリエチレン製セパレータ、および、溶接用の鉛合金、ポリプロプレン製の電槽、蓋などを使用して液式鉛蓄電池を構成する。
本試験では、電池形式としては55D23(5時間率容量で48Ah)とした。さらに、負極の効果を確認するため、通常負極板の枚数を正極板の枚数より1枚多く配置するところを、負極板を正極板より1枚少なく配置して、負極活物質に対する放電負荷を大きくするようにした。
化成工程は、組み立てた電池に希硫酸電解液を注液し、正極と負極の間に直流電流を通電することにより正極側の活物質を酸化し二酸化鉛に変化させ、一方、負極側の活物質を海綿状鉛に変化させる工程であり、これによって、起電力が発生し電池として機能する。本試験では、注液する希硫酸の比重を1.20とし、通電終了後に換液し、最終比重を1.28になるように調整した。
化成後の負極活物質中の断面観察を行い、塊状鉛の状態を確認した。今回、塊状鉛製造工程で作製した平均粒子径が10[μm]、20[μm]、50[μm]、100[μm]、200[μm]、500[μm]、750[μm]の塊状の鉛を用い、酸化鉛粉末の重量に対して、1,3,5,10,15,20[質量%]添加して、活物質ペーストを作製したが、この負極板の一断面の総面積において、塊状の鉛の総断面積は添加量にほぼ比例して0.5、1、2、4、7、10、16[%]であった。なお、比較のために、塊状の鉛を添加せずに酸化鉛粉末のみで作製した鉛蓄電池用負極板も従来例として製造したが、塊状鉛の総断面積は0[%]であった。
次に、以上により製造された鉛蓄電池用負極板のいずれか1つを鉛蓄電池に用いてJIS重負荷試験を実施し、その電池の寿命性能を評価した。JIS重負荷試験は、JIS D5301で定められている始動用鉛蓄電池の評価試験の1つである。鉛蓄電池の電池形式が55D23の場合、この試験は、以下の(a)から(d)までの手順となる。
(a)まず、予め充電された鉛蓄電池を41±3[℃]の水槽中の所定の位置に置く。
(b)次に、その鉛蓄電池を、20[A]で1[時間]放電する。
(c)次に、その鉛蓄電池を、5[A]で5[時間]充電する。この(b)から(c)の手順を1セットで1サイクルとする。
(d)(b)と(c)の手順を繰り返し、25サイクルごとに、以上の(b)と(c)の手順の代わりに、以下の(d−1)から(d−2)までの手順を実施する。
(d−1)その鉛蓄電池を、20[A]で10.2[V]まで放電する。このとき、この鉛蓄電池の放電容量が、5時間率容量の半分の値以下となったとき、具体的には、24[Ah]以下となり、再び上昇しないと確認したときに、鉛蓄電池の寿命と判断し、このJIS重負荷試験を終了する。今回の試験では、鉛蓄電池の放電容量が24[Ah]未満となったときに、鉛蓄電池の寿命と判断して、このJIS重負荷試験を終了する。
(d−2)(d−1)の放電後、鉛蓄電池の寿命と判断されない場合、その鉛蓄電池を、15分間ごとに測定した鉛蓄電池の電圧、又は電解液密度(20[℃]換算値)が、3回連続して一定値を示すまで充電する。
この(d−1)から(d−2)までの手順を1セットで1サイクルとし、今までのサイクル数に加算して、鉛蓄電池の寿命と判断されるまで(d)を繰り返す。ここで、鉛蓄電池の寿命性能であるサイクル数は、その放電容量が24[Ah]となるサイクル数とし、その放電容量とサイクル数との関係線から求める。
以下、この測定結果を表1及び図4に示す。
図4は、横軸に平均断面長さを示し、縦軸には塊状鉛を添加しない従来品の寿命性能を100としたときの各電池の寿命性能を示す。塊状鉛の含有量ごとに別々のグラフとなっている。なお、従来例の寿命性能を100%としたとき120%以上の処方を本発明とする。
Figure 0005636699
この結果から、大きさが20μmを越える塊状鉛を添加した場合、寿命性能が大幅に向上することが分った。特に50μmから200μmの大きさでその効果は顕著に現れていることが分った。しかし、添加量が1%と少ない場合や、逆に20%以上と多い場合は塊状鉛を添加しても寿命性能向上には寄与しなかった。
特に、100μmの大きさの塊状鉛を5%添加した処方が従来品に比べて176%と最も効果があった。
以上のことは、塊状の鉛がその大きさや形状等によって、活物質中の塊状の鉛の分散性に差が生るため、その結果、鉛蓄電池の寿命性能にも差が生じていると考えられる。また、塊状の鉛がある一定以上に大きくなると、比表面積が低下するなど悪影響も大きくなるため寿命性能が低下すると考えられる。
なお、上記実施例では活物質中に塊状鉛を含有させる方法として、あらかじめ鉛シートなどから作製しておいた塊状の鉛を酸化鉛粉末に添加する方法を用いたが、酸化鉛粉末と少量の液体を混合して造粒しながら混練するなど、混練工程のなかで塊状鉛を生成させる方法やその他の方法を用いても良い。
(まとめ)
以上のことから、負極活物質に含有させる塊状の鉛の断面長さとその含有量を調整することで、鉛蓄電池の寿命性能を向上させることができることがわかる。図4の結果から、その塊状の鉛は、平均断面長さが20μm以上から500μm以下であると共に、その添加量が酸化鉛粉末に対して3%以上15%以下とすることが好ましい。断面積では、2%以上10%以下に対応する。
本発明によれば、海綿状鉛の膨張や収縮により負極板内の導電ネットワークが部分的に切断されても、その負極板の活物質全体では電流パスが十分に確保され、鉛蓄電池の寿命を従来よりも向上させることができる。そのため、鉛蓄電池の一層の性能向上が期待でき、産業上の利用可能性は極めて大きい。
A1、A2、A3 塊状の鉛と海綿状鉛と大きな空隙とを含む領域
B 海綿状鉛と大きな空隙とを含む領域

Claims (5)

  1. 海綿状鉛中に、20μm以上500μm以下の平均断面長さであって、前記海綿状鉛よりも空隙率の小さな塊状鉛を含有し、前記塊状鉛の空隙率が20%以下であることを特徴とする鉛蓄電池用負極板。
  2. 前記海綿状鉛の空隙率が40%以上であることを特徴とする請求項1記載の鉛蓄電池用負極板。
  3. 前記塊状鉛の平均断面長さが、50μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の鉛蓄電池用負極板。
  4. 塊状鉛量が、活物質原料である酸化鉛粉末に対し3質量%以上15質量%以下、あるいは負極板断面において塊状鉛の面積が2%以上10%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉛蓄電池用負極板。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の鉛蓄電池用負極板を用いたことを特徴とする鉛蓄電池。
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