JP5635962B2 - 残渣炭成形物の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の残渣炭成形物は、残渣炭を塊状に成形して得られるものであるが、この残渣炭は、無灰炭を製造する過程で生じる残渣から製造されるものである。よって、本発明では、無灰炭を製造することを前提とする。なお、無灰炭および残渣炭は、石炭を改質することで得られた改質炭である。
ここで、残渣炭成形物の製造方法の各工程について具体的に説明する前に、図1に示す構成図を参照して、本発明に用いることができる改質炭製造装置の一例について簡単に説明する。
残渣炭成形物の製造方法は、改質炭製造工程と、成形工程と、を含むものである。
以下、各工程について説明する。
本発明の改質炭製造工程は、残渣炭を回収する工程である。さらに、無灰炭を回収する工程でもある。すなわち改質炭製造工程は、残渣炭回収工程と、無灰炭回収工程とからなる。具体的には、まず、石炭供給槽3から供給された石炭と、溶剤供給槽2から供給された溶剤とを混合して前記石炭から前記溶剤に可溶な石炭成分を抽出槽4で抽出する。その後、分離槽5で抽出液と残渣に分離し、残渣炭回収槽7で前記残渣から前記溶剤を分離して残渣炭を回収する。さらにここでは、無灰炭回収槽6で前記抽出液から前記溶剤を分離して無灰炭を回収する。
ここで、抽出液とは、溶剤に抽出された石炭成分を含む溶液をいい、残渣とは、溶剤に不溶な石炭成分(灰分を含む石炭すなわち灰炭)を含む溶質をいう。
用いる不活性ガスとしては、安価な窒素を用いることが好ましいが、特に限定されるものではない。また、圧力は、抽出の際の温度や用いる溶剤の蒸気圧にもよるが、1.0〜2.0MPaが好ましい。圧力が溶剤の蒸気圧より低い場合には、溶剤が揮発して液相に閉じ込められず、抽出できない。溶剤を液相に閉じ込めるには、溶剤の蒸気圧より高い圧力が必要となる。一方、圧力が高すぎると、機器のコスト、運転コストが高くなり、経済的ではない。
スラリーを抽出液と残渣とに分離する方法としては、各種の濾過方法や遠心分離による方法が一般的に知られている。しかしながら、濾過による方法ではフィルタの頻繁な交換が必要であり、また、遠心分離による方法では未溶解石炭成分による閉塞が起こりやすく、これらの方法を工業的に実施するのは困難である。従って、流体の連続操作が可能であり、低コストで大量の処理にも適している重力沈降法を用いることが好ましい。これにより、重力沈降槽の上部からは、溶剤に抽出された石炭成分を含む溶液である抽出液(以下、上澄み液ともいう)を、重力沈降槽の下部からは溶剤に不溶な石炭成分を含む溶質である残渣(以下、固形分濃縮液ともいう)を得ることができる。なお、抽出液と残渣は、完全に分離するのが理想的であるが、抽出液の一部に残渣が混入したり、残渣の一部に抽出液が混入する場合もある。
上澄み液や固形分濃縮液から溶剤を分離する方法は、一般的な蒸留法や蒸発法(スプレードライ法等)等を用いることができ、上澄み液からは、実質的に灰分を含まない無灰炭を得ることができる。また、固形分濃縮液からは、灰分を含む残渣炭を得ることができる。なお、残渣炭の回収と無灰炭の回収は、どちらを先に行ってもよく、同時に行ってもよい。そして、このようにして改質炭製造装置1で製造された残渣炭は、成形工程に供される。
成形工程は、前記残渣炭を塊状に成形して残渣炭成形物とする工程である。
ここで、残渣炭成形物とは、残渣炭を塊状に成形することで得られた、所定の立体構造を持つ成形体のことである。
残渣炭の成形は、後記するように、所定濃度の水溶性樹脂含有水を使用すること、および水分濃度を規定すること以外は、公知の方法により行うことができる。例えば、圧縮成形や、2ロール式タブレット成形等の成形機を用いて残渣炭成形物を成形することができる。なお、微粉砕して高圧プレスすれば比較的容易に成形体を得ることができる。また、炭素繊維等の適当な充填材や、改質炭製造工程で副生する軽質分等を添加混合して用いてもよい。なお、残渣炭成形物は、残渣炭成形物の80%以上を残渣炭が占めるような、残渣炭が主成分の成形物である。
まず、回収された残渣炭をホッパーに投入する。この残渣炭は、蒸留法や蒸発法等により溶剤を除去しているため、例えば、温度が200℃程度であり、水分量が0.2〜3.0質量%程度の乾燥状態である。次に、ホッパー中の残渣炭をミキサーに投入し、スプレーにより残渣炭に水溶性樹脂含有水をかけて所定温度に冷却するとともに、水分・湿度調整を行う。これにより、残渣炭と水溶性樹脂含有水との混合物を、最適な水分濃度および成形温度に調整する。なお、このミキサーでの攪拌により、残渣炭の粒子が粉砕されるため、粒径調整も行うことができる。そして、この最適な水分濃度および成形温度に調整した混合物を成形機に投入して成形体とする。このようにして、残渣炭を残渣炭成形物とする。
水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、フェノール樹脂、リグニン等を好適に用いることができる。また、エポキシエマルジョン,酢酸ビニルエマルジョン等も用いることができる。その他、公知の水溶性樹脂としては、天然ポリマー系として、グアガム,カラギーナン,アルギン酸ナトリウム,コーンスターチ澱粉,寒天,ゼラチン,にかわ,マンナン,ペクチン,デキストラン,プルランキサンタンガム,コロイドイチ硫酸ナトリウム,ヒアルロン酸ナトリウムが挙げられる。半合成ポリマーとして、カルボキシルメチルセルロース,メチルセルロース,ヒドロキエチルセルロース,カチオン化グアガム等が挙げられる。合成ポリマーとして、カルボキビニルポリマー,ポリアクリル酸部分中和物,ポリビニルピロリドンポリエチレンオキシド,ポリアクリルアミド,ポリエチレンイミン,ポリビニルピロリドン等が挙げられる。エマルジョン系として、自己乳化型ポリオレフィン,共重合ナイロンエマルジョン,共重合ポリエステルエマルジョン,ポリオレフィン系エマルジョン等が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではなく、水溶液やエマルジョンにできる樹脂であれば、どのようなものでもよい。
また、水分濃度とは、残渣炭と水溶性樹脂含有水との全体の質量に対する水の質量であり、残渣炭に、前記した充填材や、軽質分等を添加する場合には、これらを含めた全体の質量に対する水の質量である。
また、水分濃度が2質量%未満では、粒子間接着が十分ではないため、残渣炭成形物から粉塵が生じやすくなる。一方、13質量%を超えると、逆に余剰水分が粒子間に水膜を作って接着阻害するので、残渣炭成形物から粉塵が生じやすくなる。従って、水分濃度は、2〜13質量%とする。好ましくは、4〜9質量%である。液体状態の水には、主たるバインダーとして残渣炭同士をつなぐ効果がある。また、水が蒸発する際に残渣炭の熱を奪うので、発火を防ぐ安定化効果がある(潜熱効果)。なお、成形時に、水分濃度が2〜13質量%になるようにして成形すると、その結果物である残渣炭成形物の水分量も、ほぼ同様に水分濃度が2〜13質量%になる。
[残渣炭の製造]
まず、以下の方法により、残渣炭を製造した。
オーストラリア産瀝青炭を原料石炭とし、この原料石炭5kgに対し、4倍量(20kg)の溶剤(1−メチルナフタレン(新日鉄化学社製))を混合してスラリーを調製した。このスラリーを1.2MPaの窒素で加圧して、内容積30Lのバッチ式オートクレーブ中370℃、1時間の条件で抽出処理した。このスラリーを同一温度、圧力を維持した重力沈降槽内で上澄み液と固形分濃縮液とに分離し、固形分濃縮液から蒸留法で溶剤を分離・回収して、残渣炭を得た。なお、分離・回収して得た残渣炭の水分量は、1.5質量%である。
この残渣炭1kgを、粒径(最大長さ)が1mm以下になるように粉砕して成形工程に供した。
粉砕した残渣炭に、表1に示す水分濃度になるように所定の樹脂種および水溶性樹脂濃度の水溶性樹脂含有水を加えて、Vミキサーで10分間混合し、水分調整した。
水分の測定は、石炭JIS(JIS M8812)に準じて行った。ただし、風乾はしないこととし、付着水(風乾によって蒸発してしまう水を意味する)も含めて測定した。
成形条件は以下のとおりである。
温度: 50℃
圧力: 1トン/cm2
金型: 直径20mm
充填量: 6グラム
[圧壊試験]
圧壊試験は、円筒状のタブレットの中心軸に対して垂直の方向に圧縮荷重をかけて、破壊に至る荷重を測定することにより行った。そして、圧壊荷重が30kg以上のものを、強度に優れるとした。
アブレージョン試験は、まず、直径250mmの円筒容器に上記タブレット20個を入れ、30RPMで10分間回転させた。その後、このタブレットを目開き5.66mmの篩いで篩って、篩い下に落下した粉体を秤量することにより行った。そして、粉体がタブレット全体の質量に対して10質量%以下のものを、粉塵の発生を十分に抑制できるとして合格とした。
一方、No.7は、水溶性樹脂濃度が下限値未満のため、粉体が過剰であった。No.8は、水分濃度が下限値未満のため、粉体が過剰であった。No.9は、水分濃度が上限値を超えるため、粉体が過剰であった。
2 溶剤供給槽
3 石炭供給槽
4 抽出槽
5 分離槽
6 無灰炭回収槽
7 残渣炭回収槽
Claims (1)
- 石炭と溶剤とを混合して前記溶剤に可溶な石炭成分を抽出した後、前記溶剤に可溶な成分を含む抽出液と、前記溶剤に不溶な成分を含む残渣とに分離し、前記抽出液から前記溶剤を分離して無灰炭を回収するとともに、前記残渣から前記溶剤を分離して残渣炭を回収する改質炭製造工程と、
前記残渣炭を塊状に成形して残渣炭成形物とする成形工程と、
を含み、
前記成形工程において、前記残渣炭と、水溶性樹脂濃度が0.2〜5.0質量%の水溶性樹脂含有水と、を混合し、水分濃度を2〜13質量%に調整した残渣炭と水と水溶性樹脂との混合物を得て、前記混合物を成形して残渣炭成形物を得ることを特徴とする残渣炭成形物の製造方法。
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JP2011239165A JP5635962B2 (ja) | 2011-10-31 | 2011-10-31 | 残渣炭成形物の製造方法 |
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