JP5635238B2 - インダン誘導体、歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物及び飲食物 - Google Patents

インダン誘導体、歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物及び飲食物 Download PDF

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Description

本発明は、インダン誘導体、並びにこれを含む歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物及び飲食物に関する。
歯周病は、歯周組織に起こる病変の総称で、歯肉の発赤、腫脹、出血などの炎症症状が出現し、放置すれば排膿、歯肉の退縮、歯の動揺などの症状が現れ、ついには歯の脱落に至る疾患である。30〜40歳代の日本人の80%以上が歯周病に罹患しているといわれ、日本人が歯を失う最大の原因となっている。歯周病の病因因子としては、プラーク(歯垢)、プラーク中の歯周病菌、及び歯周病菌由来の物質が主要なものである。また、歯周病の症状のひとつに独特な口臭が生じることがある。このような独特な口臭は歯周病の罹患の有無に拘わらず、改善を強く望む人が増えてきている。
歯周病の予防と治療の基本は、プラークの形成を抑制すること、及び形成されたプラークを除去することである(プラークコントロール)。歯ブラシを用いたブラッシングなどの機械的なプラークコントロールのほかに、化学的なプラークコントロールとして、歯周病菌の増殖を抑制する殺菌剤又は抗生物質の応用が試みられている。例えば、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム、ポピドンヨード等の殺菌剤や、ペニシリン系、セフェム系、ニューキノロン系、マクロライド系等の抗生物質が、歯周病の治療に使われている。
また、植物抽出物やキノコ抽出物の歯周病治療への応用が検討されてきている。例として、茶抽出物(ポリフェノール化合物)(例えば、特許文献1参照)や、アミガサタケ、キクラゲ、ナメコ、ブクリョウ、ブナシメジ、ヤマブシタケ等の子嚢菌類又は担子菌類の抽出物(例えば、特許文献2参照)について抗歯周病菌活性が知られている。
特開平9−110687号公報 特開2007−1961号公報
しかしながら、抗生物質は作用が強力である反面、耐性菌が出現する可能性や副作用が指摘されており、長期にわたっての使用は困難とされている。また、殺菌剤は作用する細菌の種類が広範囲に及ぶことがある。このため、口腔内の正常細菌叢を乱さないように使用することが求められるが、低濃度の使用では歯周病菌に対する充分な効果が得られない。
一方、植物抽出物やキノコ抽出物に関しては、抽出物中の有効成分の量や効能を調整しにくく、歯周病菌に対して安定した効果が得られにくいという問題があった。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、歯周病又は口臭の治療又は予防に有効な新規化合物と、当該新規化合物を含む歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物及び飲食物を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、下記の式(I)又は式(II)で示されるインダン誘導体である。
式中、R及びRは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表す。
本発明の第二の態様は、上記の式(I)及び式(II)で示されるインダン誘導体の少なくとも1つを含む歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物である。
本発明の第三の態様は、上記の式(I)及び式(II)で示されるインダン誘導体の少なくとも1つを含む飲食物である。
本発明の第四の態様は、上記の式(I)及び式(II)で示されるインダン誘導体の少なくとも1つを含む口腔用飲食物である。
本発明によれば、歯周病又は口臭の治療又は予防に有効な新規化合物、並びにこれを含む歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物、及び飲食物を提供することができる。
<インダン誘導体>
本発明のインダン誘導体は、下記の式(I)又は式(II)で示される化合物である。式中、R及びRは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表す。
上記式中、R及びRはそれぞれ独立に、水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表し、RとRとは同一でも異なっていてもよい。炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられ、歯周病菌に対する抗菌活性の観点から、メチル基が好ましい。また、R又はRの少なくとも一方が水酸基で置換されていることが、歯周病菌に対する抗菌活性の観点から好ましく、いずれか一方が水酸基で置換されていることがより好ましい。
上記式(I)で示される化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、上記式(II)で示される化合物は、本発明においてKOF5と称する場合がある。
本発明のインダン誘導体の中で、歯周病菌に対する抗菌活性の観点から、上記KOF3、KOF4、KOF5及びKOF6が好ましく、KOF3、KOF4、KOF5がより好ましい。
本発明のインダン誘導体は、化学合成等によって得たものでもよいが、マンネンタケ科(Ganodermataceae)マンネンタケ属(Ganoderma)のキノコであるコフキサルノコシカケ(Elfvingia Applanata)の子実体、菌糸体又は菌糸体培養濾液から精製して得たものでもよい。コフキサルノコシカケから精製して得る場合においては、安価にかつ大量に得ることができる観点から、菌糸体又は菌糸体培養濾液から精製して得たものであることが好ましく、菌糸体培養濾液から精製して得たものであることがより好ましい。
ここで菌糸体培養濾液とは、菌糸体を液体培養して得られた培養液を濾過して菌糸体を取り除いた後の溶液をいう。以下、単に「培養濾液」ということがある。
本インダン誘導体は、コフキサルノコシカケの子実体、菌糸体又は菌糸体培養濾液から、有機溶媒を抽出溶媒として用いて抽出し、歯周病菌に対する抗菌活性に基づいて分離精製することができる。
コフキサルノコシカケの菌糸体及び菌糸体培養濾液は、菌糸体を液体培養することによって大量に得ることができる。菌糸体を培養するために使用しうる液体培地及び培養条件は、通常、担子菌培養で使用される液体培地及び培養条件を特に制限なく選択できる。培養期間は、培地の種類、培養温度などに応じて適宜設定することができ、菌株により一般に数日〜数週間程度に設定することができる。また、一般に培養温度は10℃〜40℃、好ましくは15℃〜35℃、より好ましくは20℃〜25℃であり、一般に液体培地のpHは4〜9、好ましくは5〜8、より好ましくは5〜7.5である。
コフキサルノコシカケの子実体、菌糸体又は菌糸体培養濾液から本インダン誘導体を抽出するために用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、フェノール、ベンゼン、ヘキサン、ブタノール、イソプロパノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロメタン、トリクロロエチレン等の有機溶媒、及びこれらの有機溶媒と水の混合物が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。上記溶媒の中で、好ましくは、ヘキサン、酢酸エチル、エタノール、アセトン及びこれらの組み合わせ並びに、これらと水との混合物である。
また、抽出は1種又は複数種の溶媒を用いて、複数回行うこともできる。複数回行う場合は、コフキサルノコシカケからの抽出でもよいし、コフキサルノコシカケから得られた抽出画分をさらに抽出してもよい。また、それらを組み合わせて行うことができる。
本インダン誘導体をコフキサルノコシカケの子実体又は菌糸体から抽出する場合、該子実体又は菌糸体そのものから、あるいは必要に応じて乾燥、細切、破砕、圧搾又は煮沸処理したものから、上記抽出溶媒で抽出することができる。抽出処理は、抽出溶媒100mlに対して、コフキサルノコシカケの子実体又は菌糸体が乾燥重量で通常5〜30g、好ましくは15〜25g程度を加えて行うことができる。
抽出処理は、通常室温で行われるが、30〜90℃に加熱して行ってもよい。また、抽出処理は、例えば、抽出溶媒中でコフキサルノコシカケの子実体又は菌糸体を攪拌又は静置させることにより行うことができるが、必要に応じて還流を行ってもよい。抽出時間は、通常2〜24時間、好ましくは10〜15時間である。
本インダン誘導体を培養濾液から抽出するには、培養物の生育状態によって異なるが、一般に抽出溶媒と培養濾液とが1:2〜5:1となるように、抽出溶媒と培養濾液とを混合すればよい。また、培養濾液は、減圧下において濃縮したものを使用してもよい。濃縮物を用いる場合には、抽出溶媒と濃縮液との混合比率は、1:2〜50:1とすることができる。抽出処理は、通常、室温で行なうことができる。
上記抽出処理後に、抽出して得た液中に固形分(不溶化成分)が含まれている場合は該固形分を濾過などの方法により除去し、次いで減圧下で加熱して抽出溶媒を蒸発させることにより、溶媒抽出物を得られる。該溶媒抽出物には、本インダン誘導体が複数含まれている。
得られた溶媒抽出物は、次いで、歯周病菌に対する抗菌活性に基づいて順次分画処理に供される。分画処理では、溶媒の極性に基づいて複数の画分に展開可能な展開溶媒を用いて、本発明に係るインダン誘導体をそれぞれ含む画分を得ることができる。
展開に用いられる展開溶媒としては、通常、この目的に用いられるものであれば特に制限なく用いることができ、各成分が分離できるように展開できればよい。
展開後の画分は、減圧下において濃縮または凍結乾燥してもよい。
該分画処理には、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー等の各種クロマトグラフィーを用いることができる。中でも、高純度のインダン誘導体を大量にかつ迅速に分画する観点からは、高速液体クロマトグラフィーを用いることが好ましい。
<歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物>
本発明の歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物は、上記式(I)及び式(II)で示される本発明のインダン誘導体の少なくとも1つを含むものである。
本発明の歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物によれば、上記インダン誘導体が示す歯周病菌に対する抗菌活性に基づく効果が期待できる。
なお、本発明において「歯周病又は口臭の治療又は予防」とは、歯周病の症状の緩和と、口臭の発生抑制又は改善とのいずれかが少なくとも認められればよく、歯周病の症状の発生抑制や口臭抑制を維持するものも含み、治療と予防とが明確に区別されていなくてもよい。
本発明における歯周病菌としては、例えば、ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)、フゾバクテリウム・ヌクレアタム(Fusobacterium nucleatum)、アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、カンピロバクター・レクタス(Campylobacter rectus)、テネレラ・フォルシチア(Tannerella forsythia)、トレポネマ・デンティコラ(Treponema denticola)、プレボテラ・インテルメディア(Prevotella intermedia)、アクチノマイセス・ビスコーサス(Actinomyces viscosus)が挙げられる。
上記歯周病菌の中で、フゾバクテリウム・ヌクレアタムはグラム陰性嫌気性細菌であり、揮発性硫黄化合物(VSC)を産生する口臭の原因菌としても知られる。フゾバクテリウム・ヌクレアタムは、他の複数の細菌種と共凝集を起こし、プラークの形成に寄与するとされている。プラーク中では、嫌気性細菌である歯周病菌の増殖が促進する。また、フゾバクテリウム・ヌクレアタムは、歯周組織細胞に毒性を示す脂肪酸を産生し、宿主の免疫反応を阻害し、更にはスピロヘータなどの増殖を促すと考えられている。
本発明のインダン誘導体が有する抗菌活性は、このようなフゾバクテリウム・ヌクレアタムに対して強い増殖抑制効果を示すものであることがより好ましく、フゾバクテリウム・ヌクレアタムを含む狭い範囲の菌に対する抗菌活性を示すものであることが特に好ましい。ただし、この場合であっても、他の歯周病菌又は口臭原因菌に対する抗菌活性を示す場合を排除しない。このように歯周病菌及び口臭原因菌のうちフゾバクテリウム・ヌクレアタムを含む狭い範囲の菌に対する抗菌活性を示すことが、フゾバクテリウム・ヌクレアタムが他の細菌類と協働して生じるプラークの発生等を効果的に抑制することができると共に、一般に広い抗菌活性を示す殺菌剤と異なり、口腔内又は他の部位における正常細菌叢への影響が少なく、菌交代症を生じにくくすることができる観点から好ましい。
本発明の歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物は、更に、薬学的に許容される基材や担体を含めて製剤化したものであってもよい。本組成物には、使用形態や適用形態により必要に応じて、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、湿潤化剤、緩衝剤、保存剤、香料等の薬学的に許容される添加剤を任意に配合することができる。
上記組成物を、歯周病又は口臭の治療又は予防を目的として用いる場合の形態としては、病巣である口腔に適用可能であれば特に制限されるものではないが、例えば、軟膏、トローチ、シロップ等を挙げることができる。また、例えば、練り歯磨き、粉歯磨き、液状歯磨き、洗口剤、義歯洗浄剤、歯肉マッサージクリーム等でもよい。
本発明の歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物における本インダン誘導体の配合量は、適用用途、使用形態あるいは使用目的、使用対象者等によって適宜選定することができ、適用用途に応じて当業者により適宜選択される。
例えば、歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物においては、歯周病菌の増殖を抑制できる量を含み、一般に最小発育阻止濃度(MIC)を基準にして、歯周病菌に対する最小発育阻止濃度の1〜10000倍程度の濃度になるよう配合することが望ましく、より具体的には、通常、組成物全体の質量に対して0.001%〜5%(質量%、以下同様)、好ましくは0.01%〜5%、より好ましくは0.05%〜2%程度の配合量が望ましい。
本組成物の使用方法は、使用形態、使用目的、使用対象者等によって異なるが、例えば、本インダン誘導体を0.001%〜5%含む軟膏を毎食後10mg、歯茎に塗布することが挙げられ、他の例として、本インダン誘導体を0.001%〜5%含む練り歯磨きを毎食後1g程度使用することが挙げられる。
<飲食物>
本発明の飲食物は、上記式(I)及び式(II)で示される本発明のインダン誘導体の少なくとも1つを含むものである。
本発明の飲食物は、本インダン誘導体を食品素材として配合したものであれば、飲食物の種類に特に制限はなく、一般の飲食物の他、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品等を挙げることができる。
本発明の飲食物の形態としては、本インダン誘導体の口腔内における抗菌活性を期待する観点から、該飲食物を使用することにより本インダン誘導体が口腔中に拡散し、一定時間、例えば数分から数十分、口腔中にとどめることが可能な口腔用飲食物であることが好ましい。
本発明の飲食物における本インダン誘導体の配合量は、飲食物の種類、使用形態などによって適宜設定することができるが、歯周病菌やその他各種細菌に対するMICの1〜10000倍程度の濃度になるよう配合することが望ましい。より具体的には、通常、飲食物の総質量に対して、0.001%〜5%、好ましくは0.01%〜5%、より好ましくは0.05%〜2%程度の配合量が望ましい。
本発明の飲食物の1日当たりの使用量や使用回数は、飲食物の種類、使用対象者の年齢や、使用目的等に応じて適宜設定できる。
本発明の飲食物の種類としては、例えば、菓子類(ガム、キャンディ、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(醤油、味噌等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)、インスタント食品が挙げられる。中でも、口腔内に長時間とどまることが可能なガム、キャンディ、キャラメル、グミ、錠菓や、口腔内消化による健康食品、栄養補助食品であることが好ましい。
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、実施例中の「%」及び「部」は質量基準である。
[実施例1]
<インダン誘導体の精製>
本発明のインダン誘導体を、コフキサルノコシカケ菌糸体培養濾液から以下の方法で精製して得た。
自生のコフキサルノコシカケから常法によりポテトデキストロース寒天(PDA)培地に組織分離し、菌糸を生育させた。この菌糸をポテトデキストロース液体培地(1L中、ポテトスターチ4g、ブドウ糖20g、pH5.1)250mlを含む振とうフラスコに接種し、22℃で2週間、130回転/分で振とう培養し、菌糸を増殖させた。これを種菌としてポテトデキストロース液体培地(上記と同じ組成)500mlを含む振とうフラスコに接種し、22℃で4週間、130回転/分で振とう培養した。
上記培養方法により得られたコフキサルノコシカケ菌糸体培養液5Lを吸引濾過し、次いで濾液を減圧濃縮した。濃縮後の培養濾液を、ヘキサン、酢酸エチル、水で順次分液し、酢酸エチル可溶部を取得し、当該可溶部に含まれる溶媒を減圧留去し、酢酸エチル可溶部試料を得た。上記菌糸体の培養から減圧留去までの処理を6回繰り返して、15.5gの酢酸エチル可溶部試料を得た。
上記の酢酸エチル可溶部試料15.5gをジクロロメタン20mlに溶解させ、フラッシュクロマトグラフィー(カラム:関東化学(株)製シリカゲル 60N、粒子径100〜210μm、350g、Φ4×60cm、ジクロロメタンで平衡化)に供した。展開溶媒としてそれぞれ20mlのジクロロメタン:酢酸エチル=9:1、7:3、5:5、0:10、酢酸エチル:メタノール=7:3、5:5、0:10を用いて展開し、流速20ml/minで10mlずつ分画を行い、15画分を得た。各画分に含まれる溶媒を減圧留去し、15試料を得た。これらの試料を溶出順にEAO−E−1〜15と名付けた。
上記EAO−E−1〜15について、歯周病菌であるフゾバクテリウム・ヌクレアタム及びアクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンスに対する抗菌活性試験を行ったところ、EAO−E−9〜11に両細菌に対してMIC≦25ppmの抗菌活性が認められた。
上記EAO−E−9〜11について、それぞれ100mgをクロロホルム:メタノール=10:1、5mlに溶解させ、クロロホルム:メタノール=10:1を展開溶媒として用いて薄層クロマトグラフィー(TLC)に供したところ、ほぼ同じようなスポット展開が見られたので、これらの3試料3.72gをまとめてジクロロメタン20mlに溶解させ、フラッシュクロマトグラフィー(カラム:関東化学(株)製シリカゲル 60N、粒子径100〜210μm、350g、Φ4×60cm、ジクロロメタンで平衡化)に供した。展開溶媒としてそれぞれ50mlのジクロロメタン:アセトン=10:0、95:5、9:1、8:2、6:4、3:7、0:10、アセトン:メタノール=1:1、0:10を用いて展開し、流速20ml/minで30mlずつ分画を行い、15画分を得た。各画分に含まれる溶媒を減圧留去し、15試料を得た。これらの試料を溶出順にEAO−E−9−1〜15と名付けた。
上記試料のうちEAO−E−9−2、3、4を以下の方法でさらに分画した。
EAO−E−9−2(20.4mg)を60%メタノール水溶液2mlに溶解させ、60%メタノール水溶液で平衡化しておいたSep−Pak Plus C−18 cartridge(Waters Associates社製)にアプライし、60%メタノール水溶液10mlで溶出し、溶出画分を得た。当該溶出画分を減圧留去し、15.7mgの試料を得た。
当該試料15.7mgを60%メタノール水溶液2mlに溶解させ、60%メタノール水溶液で平衡化しておいた逆相カラムの分取HPLCカラム(野村化学(株)製Develosil C30−UG−5)にアプライし、60%メタノール水溶液500ml、流速5ml/minで分画を行い、208nmにおけるUV吸収を指標に3画分を得た。このうちの第1画分及び第2画分を減圧留去し、2試料を得た。これらの試料を溶出順にEAO−E−9−2−1、EAO−E−9−2−2と名付けた。
EAO−E−9−3(30.4mg)を、上記のEAO−E−9−2についてと同様の方法でSep−Pak Plus C−18 cartridgeを用いた溶出処理、次いで減圧留去に供し、24.2mgの試料を得た。
当該試料24.2mgを、上記と同様の方法で逆相カラムの分取HPLCカラムを用いた分画処理に供し、3画分を得た。このうちの第1画分及び第2画分を減圧留去し、2試料を得た。これらの試料を溶出順にEAO−E−9−3−1、EAO−E−9−3−2と名付けた。
EAO−E−9−4(52.7mg)を、上記のEAO−E−9−2についてと同様の方法でSep−Pak Plus C−18 cartridgeを用いた溶出処理、次いで減圧留去に供し、24.2mgの試料を得た。
当該試料24.2mgを、上記と同様の方法で逆相カラムの分取HPLCカラムを用いた分画処理に供し、4画分を得た。このうちの第1画分〜第3画分を減圧留去し、3試料を得た。これらの試料を溶出順にEAO−E−9−4−1〜3と名付けた。
上記EAO−E−9−2−1及び2、EAO−E−9−3−1及び2、EAO−E−9−4−1〜3を抗菌活性試験に供したところ、EAO−E−9−2−1及び2、EAO−E−9−3−2、EAO−E−9−4−2にフゾバクテリウム・ヌクレアタムに対して増殖抑制活性が見られた。EAO−E−9−2−1の化合物をKOF3、EAO−E−9−2−2の化合物をKOF5、EAO−E−9−3−2の化合物をKOF4、EAO−E−9−4−2の化合物をKOF6と名付けた。
[実施例2]
<KOFの解析>
上記で得られたKOF3、KOF4、KOF5及びKOF6について、物理化学的性質及び構造の解析を行った。下記に物理化学的性質及び構造解析結果を示す。なお、分子量はESI−TOF−MSで測定し、分子式は高分解能ESI−TOF−MSで決定した。
・KOF3
(1)分子量:278
(2)分子式:C1726
(3)H−NMR及び13C−NMR(in CDCl):表1のとおり。
また本化合物は、赤外吸収スペクトルにおいて、3160cm−1、2926cm−1、1457cm−1、1091cm−1に吸収が認められた。
・KOF4
(1)分子量:278
(2)分子式:C1726
(3)H−NMR及び13C−NMR(in CDCl):表2のとおり。
また本化合物は、赤外吸収スペクトルにおいて、3457cm−1、2925cm−1、1457cm−1、1112cm−1に吸収が認められた。
・KOF5
(1)分子量:302
(2)分子式:C1822
(3)H−NMR及び13C−NMR(in CDCl):表3のとおり。
また本化合物は、赤外吸収スペクトルにおいて、2952cm−1、1718cm−1、1161cm−1に吸収が認められた。
・KOF6
(1)分子量: 278
(2)分子式:C1726
(3)H−NMR及び13C−NMR(in CDCl):表4のとおり。
また本化合物は、赤外吸収スペクトルにおいて、3421cm−1、2925cm−1、1458cm−1、1098cm−1に吸収が認められた。
[実施例3]
<KOFの抗菌活性の評価>
上記で得られたKOF3、KOF4、KOF5及びKOF6について、歯周病菌をはじめとする口腔関連病因菌に対する抗菌活性を調べた。
用いた細菌は次の通りである。虫歯の原因とされる菌として、ストレプトコッカス・ミュータンス(S. mutans)、ストレプトコッカス・ソブリナス(S. sobrinus)。歯周病菌として、アクチノマイセス・ビスコーサス(A. viscosus)、ポルフィロモナス・ジンジバリス(P. gingivalis)、フゾバクテリウム・ヌクレアタム(F. nucleatum)、アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス(A. actinomycetemcomitans)。黄色ブドウ球菌(スタフィロコッカス・アウレウス(S. aureus))。溶血性連鎖球菌(ストレプトコッカス・ピオゲネス(S. pyogenes))。
上記のストレプトコッカス・ミュータンス、ストレプトコッカス・ソブリナス及びストレプトコッカス・ピオゲネスは、ブレインハートインヒュージョン(BHI)液体培地に接種し、37℃で24時間培養し前培養液とした。
アクチノマイセス・ビスコーサス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、及びフゾバクテリウム・ヌクレアタムは、イーストエキストラクト(0.3g)、トリプチケースソイブロス(3g)、ヘミン(0.5mg)、メナジオン(0.05mg)を水へ添加し100mlに調製した液体培地に接種し、37℃で24時間〜48時間嫌気的に培養し前培養液とした。
スタフィロコッカス・アウレウスは、ニュートリエントブロス(0.8g)、イーストエキストラクト(0.5g)、グルコース(0.1g)を水へ添加し100mlに調製した液体培地に接種し、37℃で24時間培養し前培養液とした。
アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンスは、トッドヘヴィットブロス(3g)、イーストエキストラクト(1g)を水へ添加し100mlに調整した液体培地に接種し、37℃で24時間〜48時間嫌気的に培養し前培養とした。
KOF3〜KOF6各0.4mgを2%エタノール溶液1mlに溶解し、96穴マイクロプレート上に2倍系列希釈の試料溶液を100μlずつ10段階作製した。次いで、各細菌の前培養液を各液体培地で2倍に希釈して得た液を、各ウェルに100μlずつ接種した。各ウェルの最終試料濃度は200μg/mlからの1/2希釈とした。
37℃で24時間、ストレプトコッカス・ミュータンス、ストレプトコッカス・ソブリナス、スタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトコッカス・ピオゲネスは好気条件で、アクチノマイセス・ビスコーサス、ポルフィロモナス・ジンジバリス、フゾバクテリウム・ヌクレアタム、アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンスは嫌気条件で静置培養した。
各ウェルの濁度から、KOF3〜KOF6の各細菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)[ppm]を求めた。結果を表5に示した。表5中、チモール(2−イソプロピル−5−メチルフェノール)は比較として用いた殺菌剤である。
表5から明らかなとおり、本発明のインダン誘導体に係るKOF3、KOF4、KOF5及びKOF6は、歯周病菌であるフゾバクテリウム・ヌクレアタムに対し増殖抑制作用を示すことが確認された。
このことから、KOF3、KOF4、KOF5及びKOF6を口腔で使用することによって、フゾバクテリウム・ヌクレアタムが寄与するプラーク形成及び口臭の発生を効果的に抑制する効果が期待できる。
従って、本発明のインダン誘導体は、抗菌活性を有する化合物として用いることができ、本発明のインダン誘導体を含む組成物及び飲食物は、特に歯周病又は口臭の治療又は予防用組成物、及び飲食物として用いることができる。

Claims (1)

  1. 下記の式(I)または(II)で示されるインダン誘導体。
    (式中、R及びRは水酸基で置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
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