JP5635048B2 - ソーラーパネル設置用の基礎 - Google Patents
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Description
ソーラーパネルを地上に設置する場合、敷地を整地してプレキャストコンクリートブロックの基礎を設置したとき、地表の基礎設置部分が平坦水平面になっていないと、地表上の基礎は傾く。すると、基礎の上端の架台固定位置がずれる。架台が傾く。ソーラーパネルは、傾いて設計姿勢からずれる。発電効率が低くなることになる。また、基礎の架台固定位置がずれると、基礎に架台を固定する作業の手間が多くなることになる。
敷地が山肌のような傾斜地である場合、平地である場合に比べ、整地の手間が多くなり、基礎の運搬や設置の手間が多くなる。
また、大型の重機や施工機械が使用できない敷地や、傾斜地の敷地であっても、整地の手間や基礎の運搬、設置の手間が少ないことが望まれる。
1.単独の小形の基礎
プレキャストコンクリートブロックの基礎は、架台の1箇所を支える単独の小形の基礎にする。大型の基礎に比べ、地表の基礎設置面積、整地面積が狭くなり、整地の手間が少なくなる。重量と大きさが小さくなり、運搬、設置の手間が少なくなる。
単独の基礎は、敷地に設置したときの傾きが架台固定位置のずれに与える影響を小さくする補正機構を設ける。
補正機構付きの基礎は、敷地に設置する基部と、架台を上端に固定する柱状部を設ける。柱状部は、基部の上面に開口した竪穴に挿入する。竪穴内の柱状部は、竪穴の中心位置から前側、後側、左側又は右側のどの側にも傾斜可能にする。
敷地の整地が不十分で基部が傾いても、柱状部の架台固定位置のずれが大きくならない。ソーラーパネルの設計姿勢からのずれが大きくならない。発電効率の低下が少ない。基礎に架台を固定する作業の手間が多くならない。
補正機構付きの基礎は、基部を複数の部分ブロックを積み上げて構成する。各段の部分ブロックは、重量と大きさが小さくなり、運搬、設置の手間が少なくなる。また、部分ブロックの積み上げ段数を増減して基部の高さ、重量を調整することができる。
敷地に設置した基礎の上に架台の脚部を固定し、架台の取付部の上にソーラーパネルを取り付け、ソーラーパネルを発電効率が高くなる設計姿勢にするソーラーパネル設置用の基礎において、
架台の脚部の1箇所を支える単独の基礎にし、
単独の基礎は、敷地に設置する基部と、架台の脚部の1箇所を上端に固定する柱状部を設け、
基部は上面に竪穴を開口し、柱状部は基部の竪穴に挿入し、
竪穴内の柱状部は、下端を竪穴の底に当て、上端の架台固定位置を基部の上側に配置し、竪穴との間に隙間を形成し、竪穴の中心位置から前側、後側、左側又は右側のどの側にも傾斜可能にし、
竪穴内の柱状部は、竪穴の中心位置から傾いている姿勢又は傾いていない姿勢で基部に固定可能にし、
敷地に設置した基部が傾いていないときは、竪穴内の柱状部を竪穴の中心位置に保持して基部に固定する構成にし、
敷地に設置した基部が傾いているときは、竪穴内の柱状部を基部の傾きと反対側に傾けて竪穴の中心位置から傾いている姿勢で基部に固定し、基部の傾きに基づく架台固定位置のずれを低減する構成にしていることを特徴とするソーラーパネル設置用の基礎。
2.上記1のソーラーパネル設置用の基礎において、
基部は、複数の部分ブロックを積み上げて構成していることを特徴とする。
3.上記1又は2のソーラーパネル設置用の基礎において、
竪穴内の柱状部と竪穴の間の隙間にセメントモルタル又はセメントペーストを詰めて基部と柱状部を一体化する構成にしていることを特徴とする。
4.上記1、2又は3のソーラーパネル設置用の基礎において、
竪穴内の柱状部と竪穴の間の隙間に楔を打ち込んで柱状部を基部に固定する構成にしていることを特徴とする。
5.上記1〜4のいずれかのソーラーパネル設置用の基礎において、
柱状部は、下端面を凸状の球面にしていることを特徴とする。
6.上記1〜5のいずれかのソーラーパネル設置用の基礎において、
竪穴は、底面を凹状の球面又は円錐面にしていることを特徴とする。
7.上記1〜6のいずれかのソーラーパネル設置用の基礎において、
基部は、平面外形状を円形状、方形状又は多角形状にしていることを特徴とする。
また、大型の重機や施工機械が使用できない敷地や、傾斜地の敷地であっても、整地の手間や基礎の運搬、設置の手間が少なくなる。
〈基礎の構成(図1〜図6参照)〉
本例のソーラーパネル設置用の基礎は、図1と図2に示す。この基礎は、図3と図4に示す基部と、図5と図6に示す柱状部を設けている。基部と柱状部は、主部材にし、それぞれ、無筋又は鉄筋のプレキャストコンクリートブロックにしている。
最上段の部分ブロック6は、平盤状にし、竪穴2の開口部を形成している。最上段部分ブロック6の下面は、位置決め凹部9を左右の位置に設けている。
中間段の部分ブロック7は、平盤状にし、竪穴2の中間部を形成している。中間段部分ブロック7の上面は、位置決め凸部8を左右の位置に設けている。この左右の位置決め凸部8は、上段の部分ブロック下面の左右の位置決め凹部9に嵌まる。また、中間段部分ブロック7の下面は、位置決め凹部9を左右の位置に設けている。この左右の位置決め凹部9には、下段の部分ブロック上面の左右の位置決め凸部8が嵌まる。
敷地Gには、コンクリート工場から、最下段の部分ブロック5、最上段の部分ブロック6、中間段の部分ブロック7と柱状部11を搬入する。
敷地Gは、整地して地表を平坦水平にし、地表の平坦水平面に基礎1、11を設置する。基礎1、11は、図7と図8に示すように、前後左右の位置に同様に設置する。
次に、竪穴2、柱状部11と楔16の間の隙間には、セメントモルタル17を流し込んで充填する。隙間に詰めたセメントモルタル17が硬化すると、柱状部11は、竪穴2の中心位置から傾いていない姿勢、鉛直姿勢で基部1に固定される。架台固定位置12は、基部1の上側に配置される。基部1は、部分ブロック5、6、7が一体化する。基部1と柱状部11が一体化する。
施工例1において、敷地Gの整地が不十分であって基部1が傾き、基部1の竪穴2の中心軸が鉛直から傾いているときは、次のようにする。
敷地Gが山肌のような傾斜地である。傾斜地表は、図12に示すように、基礎設置部分のみを整地して平坦水平にする。その平坦水平部分に基礎1、11を設置する。設置の詳細は、施工例1におけるのと同様にする。
基礎1、11は、傾斜地表の前後左右の設計位置に設置し、架台固定位置12に架台の脚部21を固定し、架台の取付部22にソーラーパネル23を固定する。
敷地が傾斜地である場合、平地である場合に比べ、後側の基礎1、11は、前側のそれより高い位置になる。架台は、後側の脚部21が短くなる。
その他の点は、施工例1におけるのと同様である。施工例1におけるのと同様な部分には、図中、施工例1におけるのと同一の符号を付ける。
敷地Gが傾斜地である。前側の基礎1、11は、図13に示すように、後側のそれより高さを低くしている。前側の基部1は、部分ブロックを2段にし、最下段の部分ブロック5の上に最上段の部分ブロック6を積み重ねている。柱状部11は、2段の基部1に適した長さにしている。
後側の基礎1、11は、基部1の部分ブロックを3段にしている。そして、最下段の部分ブロック5は、敷地Gに埋め込んでいる。ソーラーパネル23が受ける風の力に対する抵抗力が増える。
その他の点は、施工例1におけるのと同様である。施工例1におけるのと同様な部分には、図中、施工例1におけるのと同一の符号を付ける。
本例のソーラーパネル設置用の基礎は、図14と図15に示すように、基部1の積み上げた部分ブロック5、6、7同士の結合を強固にするため、ボルト34を使用している。
最上段の部分ブロック6は、ボルト孔32を上下方向に貫通している。ボルト孔32は、上端部を大径にし、ボルト34の頭部を没入する大径部を設けている。このボルト孔32は、左右の位置に配置している。
中間段の部分ブロック7は、ボルト孔33を上下方向に貫通している。ボルト孔33は、左右の位置に配置している。
その他の点は、第1例におけるのと同様である。第1例におけるのと同様な部分には、図中、第1例におけるのと同一の符号を付ける。
本例のソーラーパネル設置用の基礎は、図16と図17に示すように、基部1と柱状部11の結合を強固にするため、ボルトナット45、46、47、48を使用している。
柱状部11は、竪穴2に挿入したときに、最上段のボルト孔41と同心状になるボルト通過孔43と、中間段のボルト孔42と同心状になるボルト通過孔44を、それぞれ、左右方向に貫通している。ボルト通過孔43、44は、ボルト孔41、42より大径にしている。
その他の点は、第1例におけるのと同様である。第1例におけるのと同様な部分には、図中、第1例におけるのと同一の符号を付ける。
本例のソーラーパネル設置用の基礎は、図18と図19に示すように、基部1の平面外形状、部分ブロック5、6、7の平面外形状を、方形状にしている。
その他の点は、第1例におけるのと同様である。第1例におけるのと同様な部分には、図中、第1例におけるのと同一の符号を付ける。
本発明は、上記の実施形態に限定されない。次のような変形が例示される。
1.上記の実施形態において、基部1は、複数の部分ブロックで構成しているが、1個の全体ブロックで構成する。
2.上記の実施形態において、基部1を構成する部分ブロック5、6、7の個数は、3個又は2個にしているが、4個又は5個以上にする。
3.上記の実施形態の第1、3、4例において、最上段の部分ブロック6は、中間段の部分ブロック7とは位置決め凸部8の有無で異なっているが、中間段の部分ブロック7と同じにする。
4.上記の実施形態において、基部1、部分ブロック5、6、7は、平面外形状を円形状又は方形状にしているが、多角形状にする。
5.上記の実施形態において、柱状部11と竪穴2は、横断面形状を円形状にしているが、多角形状又は方形状にする。
6.上記の実施形態において、竪穴2の底面3は、凹状の球面にしているが、凹状の円錐面にする。
7.上記の実施形態において、基部1は、排出孔4を設けているが、排出孔4を設けない。
8.上記の実施形態において、柱状部11と竪穴2の間に詰め込む結合材は、セメントモルタル17にしているが、セメントペーストにする。又は、その他にする。
9.上記の実施形態において、楔16は、合成樹脂製にしているが、その他の材質にする。
1 基部
2 竪穴
3 竪穴の底面、凹状の球面
4 排出孔
5 最下段の部分ブロック
6 最上段の部分ブロック
7 中間段の部分ブロック
8 位置決め凸部
9 位置決め凹部
11 柱状部
12 ネジ穴、架台固定位置
13 柱状部の下端面、凸状の球面
16 楔
17 セメントモルタル
G 敷地
21 架台の脚部
22 架台の取付部
23 ソーラーパネル
31 ネジ穴
32 ボルト孔
33 ボルト孔
34 ボルト
41 ボルト孔、最上段のボルト孔
42 ボルト孔、中間段のボルト孔
43 ボルト通過孔
44 ボルト通過孔
45 ボルト
46 ナット
47 ボルト
48 ナット
Claims (7)
- 敷地を整地して設置するプレキャストコンクリートブロックの基礎であって、
敷地に設置した基礎の上に架台の脚部を固定し、架台の取付部の上にソーラーパネルを取り付け、ソーラーパネルを発電効率が高くなる設計姿勢にするソーラーパネル設置用の基礎において、
架台の脚部の1箇所を支える単独の基礎にし、
単独の基礎は、敷地に設置する基部と、架台の脚部の1箇所を上端に固定する柱状部を設け、
基部は上面に竪穴を開口し、柱状部は基部の竪穴に挿入し、
竪穴内の柱状部は、下端を竪穴の底に当て、上端の架台固定位置を基部の上側に配置し、竪穴との間に隙間を形成し、竪穴の中心位置から前側、後側、左側又は右側のどの側にも傾斜可能にし、
竪穴内の柱状部は、竪穴の中心位置から傾いている姿勢又は傾いていない姿勢で基部に固定可能にし、
敷地に設置した基部が傾いていないときは、竪穴内の柱状部を竪穴の中心位置に保持して基部に固定する構成にし、
敷地に設置した基部が傾いているときは、竪穴内の柱状部を基部の傾きと反対側に傾けて竪穴の中心位置から傾いている姿勢で基部に固定し、基部の傾きに基づく架台固定位置のずれを低減する構成にしていることを特徴とするソーラーパネル設置用の基礎。 - 基部は、複数の部分ブロックを積み上げて構成していることを特徴とする請求項1に記載のソーラーパネル設置用の基礎。
- 竪穴内の柱状部と竪穴の間の隙間にセメントモルタル又はセメントペーストを詰めて基部と柱状部を一体化する構成にしていることを特徴とする請求項1又は2に記載のソーラーパネル設置用の基礎。
- 竪穴内の柱状部と竪穴の間の隙間に楔を打ち込んで柱状部を基部に固定する構成にしていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のソーラーパネル設置用の基礎。
- 柱状部は、下端面を凸状の球面にしていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のソーラーパネル設置用の基礎。
- 竪穴は、底面を凹状の球面又は円錐面にしていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のソーラーパネル設置用の基礎。
- 基部は、平面外形状を円形状、方形状又は多角形状にしていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のソーラーパネル設置用の基礎。
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