JP5630459B2 - ガス吹き用ポーラス質耐火物およびそれを用いたガス吹きタンディッシュ上ノズル - Google Patents

ガス吹き用ポーラス質耐火物およびそれを用いたガス吹きタンディッシュ上ノズル Download PDF

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本発明は、ガス吹き用ポーラス質耐火物およびそれを用いたガス吹きタンディッシュ上ノズルに関し、特に、鋳造中のアルミナ付着抑制に安定した作用を得るようにするための新規な改良に関する。
一般に、溶鋼の連続鋳造において、ガス吹きタンディッシュ上ノズル1は、図4に示すように、溶鋼を溜めるタンディッシュの底部にある羽口耐火物2に施工され、ガス吹きタンディッシュ上ノズル1の内管1aを通過する溶鋼にガスを吹きこむ役割を持つ。ガスを吹き込まれた溶鋼はスライドバルブ装置10の上プレート3, 下プレート4,さらに 下ノズル5を通過して浸漬ノズル6から鋳型(モールド)7へ注入される。この溶鋼はモールド7によって冷却され、凝固した鋼は鋳型7下側から連続的に引き出され鋼片となる。連続鋳造において溶鋼にガスを吹き込む目的は、溶鋼中の不純物(アルミナ等)がガス吹きタンディッシュ上ノズル1や浸漬ノズル6の内管1aに付着することによって発生する孔詰まりを防止すること、さらに鋳型7内で吹き込んだ気泡が介在物を取り込み、浮上分離させ鋼の品質を向上させることなどが挙げられる。鋼の連続鋳造において、上記の孔詰まりや溶鋼中の介在物は、鋳造の生産性や鋳造した鋼片の品質に多大な悪影響を与えるため、ガス吹きタンディッシュ上ノズル1は連続鋳造において非常に重要な耐火物となっている。
前記ガス吹きタンディッシュガス上ノズル1において、ガスが通過する部分は通気性のポーラス質耐火物で構成される。溶鋼に吹き込まれるガスはポーラス質耐火物に形成される気孔を通過するため、ポーラス質耐火物の通気特性はガス吹きタンディッシュ上ノズル1の機能に重要な影響を与える。
一方、溶鋼の連続鋳造においてガス吹きタンディッシュ上ノズル1そのものにアルミナ等による孔詰まりが発生し、大きな問題となっている。孔詰まり発生の機構は以下の通りである。すなわち、
図4に示す通り、ガス吹きタンディッシュ上ノズル1の直下にはスライドバルブ装置10が設置される。このスライドバルブ装置10は、図6に示す上プレート3の上孔8と下プレート4の下孔9が重なる開孔部11(斜線部)の面積を、図5の下プレート4をスライドさせることで変化させ鋳型7内に注入する溶鋼量を調節する役割を持つ。実際の鋳造時には、上プレート3〜タンデッィシュガス吹き上ノズル1の内管1a内において、図5に示されるように、開孔部直上領域Aと開口部からはずれた領域Bでは溶鋼流速に大きな差が生じ、開孔部11からはずれた領域Bの流速が遅くなる。その為、同一水平断面において溶鋼流速に差が生じ、その結果圧力差が発生する。溶鋼流の圧力差は前記ガス吹きタンディッシュ上ノズル1から溶鋼内へのガスの吹き込みやすさに影響し、ガス吹きタンディッシュ上ノズル1からのガス吹きが不安定になる。すなわち、流速が速い部分では動圧の影響で圧力が低下するため吹き込みガスの背圧も下がり、ガスをノズル内管に吹き込みやすくなり、流速が遅い部分では逆に圧力が増加し、ガスを内管1aに吹き込み難い状態になると考えられる。このようにガスが吹き込み難くなる所では、アルミナ付着が助長され孔が詰まりやすくなる。実機のガス吹きタンディッシュ上ノズル1内に発生するアルミナ付着は、図5に示されるように、スライドバルブ装置10の絞り直上の流速が遅くガスが出難い部分に付着物Cが付着する場合が多く、スライドバルブ装置10の絞りによるガス吹きタンディッシュ上ノズル1のアルミナ付着防止効果への悪影響は連続鋳造において大きな障害となっている。
この問題を解決するために、例えば、特許文献1はガス吹き込みの背圧が1.2kg/cm2以上でかつガス吹き込み流量が5〜10Nl/minであることを特徴とするガス吹きタンディッシュ上ノズルを提案している。この提案では吹き込むガスの背圧を上げることによりノズル内管に均一なガス吹きを実現しようとしたものであるが、気孔率の多少のばらつきが残っているため吹き込み背圧を高くするだけではアルミナ防止効果が十分ではない。
また、特許文献2はポーラス質耐火物のガス通過用の気孔が平均径で25μm以下に形成されていることを特徴としたガス吹きタンディッシュ上ノズルを提案している。この提案も管内の均一なガス吹きを目的としたものであるが、気孔の平均径を25μm以下にして内管に均一にガスを吐出できてもアルミナ防止効果は十分ではなかった。
また、特許文献3はポーラス質耐火物のかさ密度が3.0g/cm3以上3.2g/cm3である上ノズルを提案している。この提案ではかさ密度が3.0g/cm3以上3.2g/cm3以下としてポーラス質耐火物から吹き込まれる気泡の平均径が20μm以下となり、微細な気泡が出ることでアルミナ付着防止効果が向上するとしているが、それだけでは十分なアルミナ付着防止効果が得られていない。またガス吹きタンディッシュ上ノズルを製造する際、ノズル形状に成型するために鉄製の型枠を使用して高圧力で成形するが、上記のかさ密度を得るためには通常より大きな成形圧力が必要となり、型枠の寿命を低下させ製造コストが増してしまうデメリットがある。
また、特許文献4ではポーラス質耐火物を上部と下部に仕切り鉄皮で区分けしてそれぞれ別個にガスを供給するとともに、本体の上部側をポーラス質耐火物と緻密質耐火物とで積層させてガス吐出面積を縮小し、ポーラス質耐火物として球状粒子と破砕粒子との混合物を用い好ましくは平均気孔径を10〜15μmにしたことを特徴とするガス吹きタンディッシュ上ノズルをそれぞれ考案しているが、ポーラス質耐火物の気孔径が小さくなりすぎるとモールド内で気泡による介在物浮上効果が低下し、凝固する溶鋼内に捕獲され鋳片の品質を低下させてしまう問題がある。
特開2000−84647号公報 特開平2−307654号公報 特許第4240916号公報 特開平5−104215号公報
本発明の発明者らは、前述の従来技術によってアルミナ付着の抑制が不十分であった理由を考察し、それに対する対策を考案、検証することで本発明に至った。
すなわち、これらの従来の技術ではガスの通り道となるポーラス質耐火物の気孔を小さくすることや厚みを厚くすることによってガス背圧を上げて、ポーラス質耐火物から均等にガスを出しアルミナ付着の防止を図っているが、気孔径が小さくなるとポーラス質耐火物を通過する時の圧損が大きくなり吐出時のガス流速が遅くなるため溶鋼を攪拌することによるアルミナ付着防止効果が小さくなると考えられる。特に上記のプレート絞り直上のアルミナ付着抑制のためには、絞りにより溶鋼流速が遅くなっている部分の溶鋼の活性化を図る必要があり、従来の技術ではアルミナ付着の抑制が不十分であるものと考えられる。
ガス吹きタンディッシュ上ノズルのガス吹きを不安定にする原因であるプレートによる絞り直上の水平断面における圧力差の影響は、ガス背圧を高くして溶鋼の圧力変化の影響を受けにくくすることで改善できる。しかしながら、従来の発明ではガス背圧の向上、あるいは気孔径を小さくすることだけではアルミナ付着を抑制するには不十分であったため、本発明者らはガス吹きによる溶鋼攪拌効果を向上することによりさらにアルミナ付着防止効果を向上することを考えた。
すなわち、ガスによる溶鋼攪拌効果を向上させるためには、吹き込むガスの流速を早くすることが有効と考えられる。従来の発明のように高い背圧を維持するために高圧成形による気孔径の微細化や厚さを厚くする手法では圧力損失が増してガスが内管へ吐出する時の速度は増加しない。その問題を解決するために、発明者らは気孔径を制御してガスが通気し易い大きい気孔と、背圧を増加させるための小さい気孔とを共存させることによって、背圧の向上と攪拌作用を両立させることができることを見出した。
さらには、大きい気孔と小さい気孔とを共存させることで、耐火物内の気孔率の少しのバラツキがあっても、通気性に対する影響が少なくなることを見出した。
本発明によるガス吹き用ポーラス質耐火物は、平均気孔径が5μm以上で20μm以下、かつ気孔径分布に極大値が二つ以上あり、前記各極大値のうちの少なくとも一つが20μm以上で50μm以下又は25μm以上で50μm以下であるポーラス質耐火物であり、また本発明によるガス吹きタンディッシュ上ノズルは、請求項1のガス吹き用ポーラス耐火物を用いた構成であり、また、前記ガス吹き用ポーラス耐火物に非ポーラス性の緻密質材料が組み合わせられている構成である。
本発明によるガス吹き用ポーラス質耐火物およびそれを用いたガス吹きタンディッシュ上ノズルは、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、平均気孔径が5μm以上で20μm以下、かつ気孔径分布に極大値が二つ以上あり、前記各極大値のうちの少なくとも一つが22μm以上で50μm以下又は25μm以上で50μm以下であるポーラス質耐火物を用いているため、鋳造中のアルミナ付着抑制に安定した効果を有するガス吹きタンディッシュ上ノズルを得ることができる。
本発明によるガス吹きタンディッシュ上ノズルを示す概略構成図である。 図1の要部の拡大図である。 図1のガス吹きタンディッシュ上ノズルのポーラス質耐火物の構成を示す各種(a,b,c,d)の模式図である。 従来の連続鋳造装置の要部を示す構成図である。 従来のガス吹きタンディッシュ上ノズルの付着物を示す説明図である。 従来の上、下プレートの孔が重なる開孔部の面積を示す説明図である。
本発明は、鋳造中のアルミナ付着抑制に安定した作用を得るようにしたガス吹き用ポーラス質耐火物およびそれを用いたタンディッシュ上ノズルを提供することを目的とする。
以下、図面と共に本発明によるガス吹き用ポーラス質耐火物およびそれを用いたタンディッシュ上ノズルの好適な実施の形態について説明する。
尚、本発明で記述するポーラス質耐火物13の平均気孔径はメディアン径と同義であり、平均気孔径は20μm以下でなければ背圧向上による内面全体からの均一なガス吹き込み効果が得られず、5μm以下になると圧力損失が大きくなり過ぎ、十分なガス吹き込み量が得られないため5μm以上が好ましい。より好ましくは、7〜17μmである。
また、本発明で記述するポーラス質耐火物13の気孔径分布について説明する。この気孔径分布は、横軸に気孔径を対数表示した値を表示し、縦軸に体積比率を表示したヒストグラムによって示される。気孔径分布の極大値については、ガスが通りやすい大きい気孔と、背圧を増加させるための小さい気孔が必要なため極大値が2つ以上必要である。十分なガス吐出速度を確保するためには少なくとも一つ以上の極大値が20μm以上である必要がある。また一つ以上の極大値50μm以上になると大きな気孔を通じたガスの吐出が多くなって背圧が低下するため好ましくない。このため50μm以下であることが好ましい。より好ましくは、25〜50μmである。
また、極大値が20μm以上となる必要がある理由は必ずしも定かでないが、以下のように考えられる。すなわち、極大値を持たない場合、上ノズルの気孔径が連続的に変化しているため内面全体から吐出される気泡の速度差が小さく一様に吐出される。それに対し、極大値を持つ場合、ガスは内面全体から一様に吐出されるのではなく、局所的に見た場合一部では勢いよく吐出され、その他の部分ではソフトに吐出されることにより、吐出速度が大きい部分と小さい部分の差が強調されることになり、ノズル内面での溶鋼攪拌効果がより発揮されるものと推定される。
またポーラス質耐火物13の気孔径は、使用する原料の粒径の影響を受けるため、使用原料の粒径を調整することにより、気孔径分布を調整することができる。
以下、本発明によるポーラス質耐火物13を用いたガス吹きタンディッシュ上ノズルの製造方法について説明する。まず、原料である粉体を所定の量比で配合し、液状のバインダーを加えてミキサーで混練する。その混練物をノズル形状に成型するために、ノズル形状の型枠に混練物を入れ、オイルプレス等の高圧成形機で圧縮してノズル形状の成形体を得る。その成形体を乾燥・焼成してガス吹きタンディッシュ上ノズルれんがが製造される。製造したノズルれんがは、図1のようにポーラス質耐火物13のガスの通り道となる空間1Aを確保する形で鉄ケース12を被せ、鉄ケース12とポーラス質耐火物13との間にシール材14を挟み、ガスが鉄ケース12とポーラス質耐火物13の隙間から外部へ逃げないように固定してガス吹きタンディッシュ上ノズル1を得ることができる。鉄ケース12に孔をあけてその穴にパイプ15を溶接し、そのパイプ15から空間1Aにガスを吹き込み、ポーラス質耐火物13を通して溶鋼にガスを吹き込むことができる構造とする方法が一般的であるが、パイプからポーラス質耐火物までガスが漏れることなく導入することができれば、特に構造は規定しない。
尚、前記ガス吹きタンディッシュ上ノズルの外形は特に規定するものではなく、タンディッシュ底部に固定することができればどのような形状でも適用できる。
また、ガス吹きタンディッシュ上ノズル1全体を本発明によるポーラス質耐火物13で構成しても良いが、図3a〜dに示すように、ガスを通さない非ポーラス状の緻密質材料20と組み合わせることによって複数の箇所にポーラス質耐火物13を配設した構造もできる。その場合、別のポーラス質耐火物13と組み合わせることも可能である。このようにガス吹きタンディッシュ上ノズル1でのポーラス質耐火物13の構成については多種多様であるが、このポーラス質耐火物13は特に構造を規定するものではなくどのような構造であってもその効果が制限されるものではない。
前記ガス吹きタンディッシュ上ノズル1は鋼の連続鋳造設備において図に示すようにタンディッシュ底部の羽口にモルタル等により施工され、その下にスライドバルブ装置10、下ノズル5、浸漬ノズル6を設置して使用される。溶鋼は内管1aを通り、その溶鋼に図1のAr等の不活性ガスを吹き込む。ガス吹きタンディッシュ上ノズル1のパイプ15を圧力計や流量計と接続されたガス導入用のパイプ(図示せず)と接続し、所定のガス圧力をかけてガス流量を調整しながら連続鋳造を行う。
使用時のガス流量やガス圧力は特に限定するものではないが、一般的には2〜30Nl/minのガス量で使用される。
本発明は、ポーラス質耐火物を構成する原料については特に指定するものではないが、例えばアルミナ、スピネル、マグネシア、ムライト、ボーキサイト、アンダルサイト、ジルコニア、粘土、アルミナ・ジルコニア、ジルコニア・ムライト、クロミア、ジルコンなど耐火物の原料として使用できる人工原料、天然原料が好ましい。
また、前記ガス吹きタンディッシュ上ノズル1の製造方法についても特に指定するものではないが、一般的には前述の原料にバインダーを添加して混練した練り土を、成形機でノズル形状に成形し乾燥、焼成してノズル1を製造する。
次に、本発明によるポーラス質耐火物13の実施例および比較例について、以下の表1および表2を用いて説明する。
Figure 0005630459
Figure 0005630459
表1に示す比較例と表2に示す実施例に示すポーラス質耐火物13を適用し、図3の(d)の構造のガス吹きタンディッシュ上ノズル1を製造した。
前記ポーラス質耐火物13の平均気孔径と気孔径分布は水銀ポロシメーターにより測定した値である。また、製造したノズルを鋳造時間30〜50分、連々数5〜9回、ガスを吹き込む圧力は0.8kg/cm2以上の条件でAlキルド鋼スラブの連続鋳造に使用して、浸漬ノズルやガス吹き上ノズル内管へのアルミナ詰まりによる鋳造時間の延長や鋳造中止等の生産性疎外トラブルの発生比率と鋼片の品質により使用結果を評価した。生産性阻害トラブルの発生比率は20本使用しての発生比率で5%以下であれば効果があったと判断した。
前述の表1の比較例1は平均気孔径が30μmで請求項より大きく、気孔径分布の極大値は一つのみで30μmである。平均気孔径が大きく組織が緻密でないため背圧が上がりにくく不均一なガス吹きとなりアルミナ付着防止効果が劣ると考えられる。
比較例2は平均気孔径15μmで請求項の範囲内であるが、気孔径分布の極大値が20μ以下であるため、大きい気孔がなく、ガスによる攪拌効果が劣ると考えられる。
比較例3は平均気孔径10μmで請求孔の範囲内であるが、2つある気孔径分布の極大値がいずれも20μ以下であるため大きい気孔がなく、ガスによる攪拌効果が劣ると考えられる。また、吐出する気泡が小さく、モールド内での介在物除去能力に劣るため鋼片品質異常も発生したと推測される。
比較例4は平均気孔径4μmで、気孔径分布の極大値が20μm以下であるため、大きい気孔がなく、ガスによる攪拌効果に劣ると考えられる。また、気孔径が過度に小さいため吐出する気泡が小さくモールド内での介在物除去能力に劣るため鋼片品質異常が発生したと推測される。
前述の表2の実施例1は平均気孔径10μmで請求項の範囲内であり、2つある気孔径分布のうち20μm以上の極大値が35μmである。
実施例2は平均気孔径15μmで請求項の範囲内であり、3つある気孔径分布のうち20μm以上の極大値が30μmである。
実施例3は平均気孔径6μmで請求項の範囲内であり、2つある気孔径分布のうち20μm以上の極大値が26μmである。
実施例4は平均気孔径15μmで請求項の範囲内であり、2つある気孔径分布のうち20μm以上の極大値が22μmである。20μm以上の極大値が請求項の好ましい値より若干小さいためガスによる攪拌効果が若干足りず5%の生産性阻害トラブルが発生したと考えられる。
実施例5は平均気孔径18μmで請求項の範囲内であり、2つある気孔径分布のうち20μm以上の極大値が30μmである。平均気孔径が請求項の好ましい値より若干大きいため、背圧向上効果が足りなかったため5%の生産性阻害トラブルが発生したと考えられる。
実施例6は平均気孔径18μmで請求項の範囲内であり、2つある気孔径分布のうち20μm以上の極大値が22μmである。平均気孔径が請求項の好ましい値より若干大きいため、背圧向上効果が足りなかったこと、極大値が請求項の好ましい範囲より若干低く攪拌効果が足りなかったため5%の生産性阻害トラブルが発生したと考えられる。
実施例7は平均気孔径15μmで請求項の範囲内であり、2つある気孔径分布のうち20μm以上の極大値が60μmである。極大値が60μmと過度に大きいため背圧に悪影響を及ぼしたものと考えられる。
前述の各比較例では生産性疎外トラブルや鋼片品質異常が多く発生したが、各実施例では生産性阻害トラブルや品質異常はほとんどなく鋳造することができた。このことからも本発明の優位性は明らかである。
本発明によるガス吹き用ポーラス質耐火物およびそれを用いたガス吹きタンディッシュ上ノズルは、平均気孔径が5μm以上20μm以下、かつ気孔径分布に極大値が二つ以上あり、そのうちの少なくとも一つが22又は25μm以上であるポーラス質耐火物を用い、鋳造中のアルミナ付着抑制に安定した作用を得ることができ、安定した鋳造を行うことができる。
1 ガス吹きタンディッシュ上ノズル
1A 空間
2 タンディッシュ底部羽口耐火物
3 上プレート
4 下プレート
5 下ノズル
6 浸漬ノズル
7 鋳型(モールド)
8 上孔
9 下孔
10 スライドバルブ装置
11 開孔部
12 鉄ケース
13 ポーラス質耐火物
14 シール材
15 パイプ
20 緻密質材料
A 開孔部直上領域
B 開孔部からはずれた領域
C 付着物(アルミナ)

Claims (3)

  1. 平均気孔径が5μm以上で20μm以下、かつ気孔径分布に極大値が二つ以上であり、前記各極大値の少なくとも一つが22μm以上で50μm以下又は25μm以上で50μm以下であることを特徴とするポーラス質耐火物。
  2. 請求項1のポーラス質耐火物を用いたことを特徴とするガス吹きタンディッシュ上ノズル。
  3. 前記ポーラス質耐火物に非ポーラス状の緻密質材料を組み合わせたことを特徴とする請求項2記載のガス吹きタンディッシュ上ノズル。
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