JP5630234B2 - 信号処理方法及び受信機 - Google Patents
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Description
MIMOシステムでは、複数の送信アンテナをそなえる送信機から複数のデータストリームが送信され、複数の受信アンテナをそなえる受信機において複数のデータストリームを分離して受信する。
この図1に示すMIMOシステム10は、例示的に、複数の送信アンテナ21−1,21−2,・・・,21−M(Mは2以上の整数)を有する送信機20と、複数の受信アンテナ31−1,31−2,・・・,31−N(Nは2以上の整数)を有する受信機30とをそなえる。なお、以下では、送信アンテナ21−1,21−2,・・・,21−Mを区別しない場合、単に送信アンテナ21と表記し、受信アンテナ31−1,31−2,・・・,31−Nを区別しない場合、単に受信アンテナ31と表記する。
ここで、M個のデータストリームx1〜xMを構成要素とするM行1列のベクトルx、ξ(1≦ξ≦M)番目の送信アンテナとζ(1≦ζ≦N)番目の受信アンテナとの間の伝搬路利得hζξを構成要素とするN行M列のチャネル行列H、受信信号y1〜yNを構成要素とするN行1列のベクトルy、雑音n1〜nNを構成要素とするN行1列のベクトルnを定義すると、以下の式(1)及び式(2)が得られる。
MMSE法では、受信した信号に、平均二乗誤差規範に基づく所定の係数を乗算することでデータストリームを分離する。
このMLD法は、MMSE法等の線形分離法と比較して、優れた受信特性を得ることができる。しかしながら、l(1≦l≦M)番目の送信信号の変調多値数をglとすると、シンボルレプリカ候補の組み合わせ数は
このため、変調多値数及び送信データストリーム数の増加に伴い、メトリックの計算回数が指数関数的に増大し、処理量が膨大になることがある。
例えば、下記非特許文献1では、QR分解とMアルゴリズムとを組み合わせたQRM−MLD(complexity-reduced Maximum Likelihood Detection with QR decomposition and the M-algorithm)法が提案されている。
QRM−MLD法では、前ステージの生き残りシンボルレプリカ候補に対して、全てのシンボルレプリカ候補との二乗ユークリッド距離等のメトリックを計算する。
また、下記非特許文献2では、QRM−MLD法に更なるメトリックの計算回数削減方法を適用したASESS(Adaptive SElection of Surviving Symbol replica candidates based on the maximum reliability)法が示されている。
ASESS法では、各ステージにおけるシンボルレプリカ候補を象限判定によりランキング付けし、メトリックの累積値(総和)が小さいシンボルレプリカ候補から順に、生き残りシンボルレプリカ候補数だけメトリックの計算を行なう。
このように、ASESS法では、メトリックの計算回数は、送信データストリーム数に対して線形増加する。
また、下記特許文献1には、推定された各送信系統の送信信号と送信コンスタレーション上で信号点間距離が近い信号点との対応を記憶する近接信号点データテーブルに基づき、段階的に複数の送信信号候補を所定の数だけ絞り込む方法が提案されている。
ASESS法では、次式(3)に示すように、チャネル行列Hをユニタリ行列Qと上三角行列RとにQR分解する。
次に、前述の式(1)及び式(2)で示す受信信号yに、ユニタリ行列Qのエルミート共役QHを左から乗算すると、次式(4)及び式(5)が得られる。
まず、ASESS法における第1ステージでは、上記式(5)の最下段の行について、
ここで、送信信号xNに関し、ランキングi位の候補レプリカの番号をρ(1)(i)と表記する。また、第1ステージの生き残りパスをΠ1 (1)(i)=ρ(1)(i)とする。ただし、Π(k)(i)と表記した場合、第kステージのi番目の生き残りパスであることを表し、
さらに、第1ステージにおけるランキング上位から生き残り候補数S1個の候補レプリカを
次に、所定の生き残り候補数S1の候補レプリカをランキング上位から選択し、選択した候補レプリカを第1ステージの生き残りパスとし、二乗ユークリッド距離等のメトリックを計算する。
当該生き残りパスのメトリックは、二乗ユークリッド距離を採用した場合、次式で求められる。
第2ステージでは、上記式(5)の下から2番目の行について、ユニタリ変換信号zN−1から第1ステージで生き残ったS1個の生き残りパスの候補レプリカcN,ηをそれぞれキャンセル(減算)した結果を上三角行列Rの第(N−1)行目の対角成分で除した
なお、
また、ASESS法では、第2ステージ以降における生き残りパスを次のように適応的に選択する。
まず、初期値として、
そして、P(i)=gN−1でないe(i)が最小値となるiminのランキングP(imin)位の候補レプリカ
第2ステージ以降の第k(k=3,・・・,N)ステージでは、下からk番目の受信信号zN−k+1から第(k−1)ステージで生き残ったSk−1個の生き残りパスの各候補レプリカをそれぞれキャンセルした結果を上三角行列Rの第(N−k+1)行目の対角成分で除した
そして、P(i)=gN−k+1でないe(i)が最小値となるiminのランキングP(imin)位の候補レプリカ
上記ASESS法における生き残りパスの検索例を図2(A)〜図2(D)に示す。
図2(A)に示すように、前ステージの生き残りパス#1〜#4に対し、累積メトリックの最小値検索が行なわれる。図2(A)の例では、生き残りパス#1が検出される。
次に、図2(B)に示すように、最小値検索で検出された生き残りパス#1に、生き残りパス#1のランキング1位の候補が追加される(図2(B)中、網掛け部分参照)。
同様に、図2(D)に示すように、累積メトリックの最小値検索が行なわれる。この場合、生き残りパス#1が選択され、生き残りパス#1のランキング2位の候補が生き残りパス#1に追加される。
しかしながら、最小値検索に必要な大小比較処理が膨大になる場合がある。第kステージにおける大小比較処理回数は、
また、生き残りパスの検索アルゴリズムは、図3に例示するように、前に追加された候補に対する累積メトリックの大きさに依存する逐次アルゴリズムである。
図3に示す例では、時刻t1において最小値検索が行なわれ、生き残りパス#1のランキング1位の候補が追加される。
図3の分岐Aに示すように、時刻t2において、最小値検索により生き残りパス#3の累積メトリックが最小値になった場合、時刻t3において、生き残りパス#3のランキング1位の候補が選択される。
このような繰り返し処理では、処理内容が以前の処理結果に依存するので、ハードウェアやソフトウェアでの実装において、処理の並列化が困難である。そのため、要求処理時間内に処理を完了させるためには、動作クロック周波数を高速化することが求められる。しかしながら、動作クロック周波数が高くなると、電源電圧が高くなり、リーク電流が増えるため、消費電力の増加を招く。
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の一つとして位置付けることができる。
(5)さらに、第5の案として、M(Mは2以上の整数)個の送信アンテナを用いて無線信号を送信する送信機と、N(Nは2以上の整数)個の受信アンテナを用いて前記無線信号を受信する受信機とを有する無線通信システムの信号処理方法において、前記送信機及び前記受信機間に関するチャネル行列を直交行列Qと上三角行列Rとの積にQR分解し、前記直交行列Q及び上三角行列Rと、前記受信機で受信されるN個の受信信号を構成要素とする受信列ベクトルyとに基づいて、M個の送信信号を構成要素とする送信列ベクトルxの第M行目の構成要素に対応する信号を算出し、前記算出した信号についてコンスタレーション上での信号点間距離に応じてランキング付けした、前記送信列ベクトルxの第M行目の構成要素についての複数の送信信号候補を選出し、前記送信列ベクトルxの第(M−1)行目〜第1行目の構成要素に対応する各信号について、前記送信列ベクトルxの第(M−1)〜第1行目の構成要素についてのそれぞれ複数の送信信号候補から、前記コンスタレーション上での前記それぞれ複数の送信信号候補と前記各信号との信号点間距離に基づき、前記信号点間距離の総和の平均値と前記上三角行列Rの対角成分との比、又は、前記上三角行列Rの第(M−1)行目の対角成分と前記上三角行列Rの第M行目の対角成分との比を含む所定のパラメータに応じた数の送信信号候補を選出し、前記選出した送信信号候補と前記各信号との信号点間距離の総和に基づいて、前記送信列ベクトルxの第M行目〜第1行目の構成要素についての前記送信信号候補の一意の組を決定することにより前記M個の送信信号を再生する、信号処理方法を用いることができる。
〔1〕一実施形態
(1.1)MIMOシステムの構成
図4に本発明の一実施形態に係るMIMOシステムの構成の一例を示す。この図4に示すMIMOシステム100は、例示的に、送信機200と、受信機300とをそなえる。
このため、送信機200は、例示的に、送信アンテナ201−1,201−2,・・・,201−Mと、送信部202−1,202−2,・・・,202−Mと、変調部203と、誤り訂正符号化部204とをそなえる。なお、以下では、送信アンテナ201−1,201−2,・・・,201−Mを区別しない場合、単に送信アンテナ201と表記し、送信部202−1,202−2,・・・,202−Mを区別しない場合、単に送信部202と表記する。
変調部203は、上記の誤り訂正符号化部204から入力された送信データに対し、所定の変調処理を施す。変調方式には、例えば、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)及び64QAMなどがある。なお、以下では、QPSK、16QAM、64QAMを例にして本実施形態を説明するが、あくまで一例であり、特定の変調方式に限定する意図はない。
送信部202は、変調部203から入力された信号に対して所定の無線送信処理を施し、当該所定の無線送信処理が施された信号を、アンテナ201を介して送信する。前記所定の無線送信処理には、例えば、D/A(デジタル/アナログ)変換、周波数変換(アップコンバート)及び信号増幅などが含まれる。
このため、受信機300は、例示的に、受信アンテナ301−1,301−2,・・・,301−N(Nは2以上の整数)と、受信部302−1,302−2,・・・,302−Nと、復調部303と、誤り訂正復号部304とをそなえる。なお、以下では、受信アンテナ301−1,301−2,・・・,301−Nを区別しない場合、単に受信アンテナ301と表記し、受信部302−1,302−2,・・・,302−Nを区別しない場合、単に受信部302と表記する。
ここで、受信部302で受信されるN個の受信信号を構成要素とするN行1列の受信列ベクトルyは、M個のデータストリームx1〜xMを構成要素とするM行1列の送信列ベクトルxと、ξ(1≦ξ≦M)番目の送信アンテナとζ(1≦ζ≦N)番目の受信アンテナとの間の伝搬路利得hζξを構成要素とするN行M列のチャネル行列Hと、雑音n1〜nNを構成要素とするN行1列の雑音列ベクトルnとを用いて、以下の式(8)及び式(9)で示される。
このため、復調部303は、例示的に、チャネル推定部305と、MIMOストリーム分離部306とをそなえる。
チャネル推定部305は、受信信号からパイロット信号(参照信号)などの既知の信号を抽出し、抽出したパイロット信号などに基づいてチャネル(伝搬路)推定処理を行ない、チャネル行列Hを得る。前記推定されたチャネル行列Hは、MIMOストリーム分離部306に入力される。
誤り訂正復号部304は、MIMOストリーム分離部で分離されたストリームに対して所定の誤り訂正復号を行なう。
受信信号変換部400は、受信部302から入力された受信信号yと、チャネル推定部305から入力されたチャネル行列Hとに対して変換処理を施す。
QR分解処理部401は、チャネル推定部305から入力されたチャネル行列Hに対してQR分解を行ない、次式(10)で示すように、チャネル行列Hをユニタリ行列Qと上三角行列Rとに分解する。
MIMO復調部500は、データ再生処理をN個のステージに分割して行なう。例えば、MIMO復調部500は、ユニタリ変換部402で算出した積QHyとQR分解部401で算出した上三角行列Rとに基づいて、M個の送信信号を構成要素とする送信列ベクトルxの第M行目の構成要素に対応する信号を算出する。MIMO復調部500は、前記算出した信号についてコンスタレーション上での領域判定を行なうことにより、前記コンスタレーション上で前記算出した信号との信号点間距離に応じてランキング付けした、前記送信列ベクトルxの第M行目の構成要素についての複数の送信信号候補を選出する。MIMO復調部500は、前記算出した積QHyと前記上三角行列Rと前記選出した複数の送信信号候補とに基づいて、前記送信列ベクトルxの第(M−1)行目〜第1行目の構成要素に対応する各信号について、前記コンスタレーション上での領域判定をそれぞれ行なうことにより、前記送信列ベクトルxの第(M−1)〜第1行目の構成要素についてのそれぞれ複数の送信信号候補から、前記それぞれ複数の送信信号候補と前記各信号との信号点間距離に基づく所定のパラメータに応じた数の送信信号候補を選出する。MIMO復調部500は、前記選出した送信信号候補と前記各信号との信号点間距離の総和に基づいて、前記送信列ベクトルの第M行目〜第1行目の構成要素についての前記送信信号候補の一意の組を決定する。この一連の処理を実行することにより、MIMO復調部500は、前記M個の送信信号を再生する信号再生部の一例として機能し得る。
なお、本実施形態では、MIMO復調部500が、前記送信列ベクトルxの第M行目の構成要素についての複数の送信信号候補について、前記送信列ベクトルxの第M行目の構成要素に対応する信号との信号点間距離が近い順にランキング付けを行ない、また、前記選出した送信信号候補と前記各信号との信号点間距離の総和が最小となるように、前記送信列ベクトルの第M行目〜第1行目の構成要素についての前記送信信号候補の一意の組を決定する例を用いて説明する。
このため、第1ステージ処理部501−1は、例示的に、ランキング決定部502と、メトリック計算部503とをそなえる。
第1ステージ処理部501−1のランキング決定部502は、QR分解処理部401から出力された上三角行列Rと、ユニタリ変換部402から出力されたユニタリ変換ベクトルzとを用いて、上記の式(12)の最下段から導かれる
そして、前記uN,ηについてコンスタレーション上における所定の領域判定を行なうことにより、前記uN,ηとxNの送信に用いられた変調方式の信号点との距離が近い順にランキング付けを行なう。
なお、送信に使用された変調方式は、送信機200から送信されたデータを用いて受信機300が判別するように構成してもよいし、送信に使用する変調方式を予め決定しておき、その情報を送信機200及び受信機300で共有してもよい。
まず、uN,ηの実部、虚部の正負を判定し、どの象限に属しているかを判定する。次に、1回目の判定でuN,ηが属するとされた象限の中心に原点を移動し、2回目の象限判定を行なう。これを順次Ndiv(少なくともlog4gl)回繰り返すことにより、xNの送信に用いられた変調方式のコンスタレーションおける
図6に、変調方式にQPSKを用いてNdiv=1とした場合の象限判定の一例を示す。ただし、領域番号は各領域に含まれる信号点の番号と同じとする。また、uN,ηを星印で示す。
図6に示す例の場合、象限判定を行なうことにより、uN,ηが存在するのは領域番号0の領域(第1象限)であると判定される。
本例では、テーブル等に保存されたランキングテーブルを参照することにより各信号点のランキングを決める。
なお、図6に示す例の場合、信号点10(10進:2)と01(10進:1)のどちらが近いかを判定できないが、どちらを上位にするかは、あらかじめ任意に決定しておいてもよい。
図8に、変調方式にQPSKを用いてNdiv=2とした場合の象限判定の一例を示す。
図8に示す例の場合、象限判定によって、uN,ηが存在するのは領域番号2の領域であると判定される。また、図9のランキングテーブルの領域番号2の行を参照することにより、ランキング1位の信号点は00(10進:0)、ランキング2位の信号点は01(10進:1)、ランキング3位の信号点は10(10進:2)、ランキング4位の信号点は11(10進:3)となる。
まず、第1回目の象限判定において、実部及び虚部の正負の判定を行なう。その結果、図10に示すように、両者とも負と判定され、uN,ηが存在するのは第3象限と判定される。
第2回目の象限判定も同様に、
同様に第3回目の象限判定を行ない、その結果、図12に示すように、第2象限が検出される。
以上より、uN,ηは領域番号110001(10進:49)に存在すると判定される。
メトリック計算部503は、QR分解処理部401から入力された上三角行列Rと、ユニタリ変換部401から入力されたユニタリ変換ベクトルzと、ランキング決定部502から入力された信号点のランキングとを用いて、ユニタリ変換信号zNと送信信号xNのシンボルレプリカ候補とのメトリックを計算する。
次に、決定された生き残りパスについて、メトリックを計算する。メトリックは、二乗ユークリッド距離を用いる場合、次式(13)により計算される。
第2ステージ処理部501−2は、データ再生処理の第2ステージを担当するものであり、送信ストリームxNに加え送信ストリームxN−1のシンボルレプリカ候補を決定する。このため、第2ステージ処理部501−2は、例示的に、パラメータ算出部504と、ランキング決定部505と、生き残りパス選択部506と、メトリック計算部507と、平均累積メトリック計算部508とをそなえる。
ランキング決定部505は、ユニタリ変換部402から入力されたユニタリ変換信号zN−1から第1ステージの各生き残りパスのシンボルレプリカをキャンセルした結果を上三角行列Rの第(N−1)行目の対角成分で除した
生き残りパス選択部506は、第1パラメータ算出部504から入力された上三角行列対角成分比αに基づいて生き残りパスの選択方法を決定し、当該決定された生き残りパスの選択方法とランキング決定部505から入力されたランキング結果とに基づいて第2ステージの生き残りパス数S2個の生き残りパスΠ(2)(i)を選択する。
図3を用いて上述したように、追加されるパスの二乗ユークリッド距離が大きいと、当該パスが追加された後に累積メトリック値が最小値となる生き残りパスは他のパスになる可能性が高くなる。即ち、前ステージまでの生き残りパスの中で累積メトリックが大きいパスも選択される可能性が高い(図3の分岐A参照)。
そこで、生き残りパス選択部506は、上三角行列対角成分比αに基づいてパスの選択先を変更することにより、大小比較処理回数を削減し、かつASESS法のように逐次的に生き残りパスを選択しないため、処理の並列化により高速化することができる。
そこで、αに基づいて、前ステージのある生き残りパスに追加されるパスの数を変化させる。
即ち、第2ステージの生き残りパス選択の際、上記の値αが小さいほど、第1ステージの累積メトリックが小さい生き残りパスから多くのパスを選択されるようにする。逆に、上記の値が大きいほど、第1ステージの累積メトリックの大きいパスからも選択されるようにする。
あるいは、第1ステージの累積メトリック値の平均値と上三角行列Rの下から2行目の対角成分との比
あるいは、β2 2に基づいて、前ステージのある生き残りパスに追加されるパスの数を変化させてもよい。
本例では、第2ステージにおける生き残りパス選択の一例として、上三角行列対角成分比αの値と選択するパス数との関係を予め示した生き残りパス選択用テーブルを検索し、第1ステージのi番目に小さいメトリック値の生き残りパスついて、第2ステージにおけるランキングの上位σ(i)個の候補レプリカを生き残りパスとして選択する。
図13に前ステージの生き残りパス数が16、今回のステージの生き残りパス数が16とした場合の生き残りパス選択用テーブルの一例を示す。
ここで、第2ステージにおける生き残りパス選択のアルゴリズムについて詳細に説明する。
まず、第1ステージにおけるメトリック値d1の小さい順(昇順)にソートした第1ステージの生き残りパスを
次に、下記のアルゴリズムを用いて、第2ステージの生き残りパスを選択する。
ここで選択された生き残りパスは、メトリック計算部507及び第3ステージのランキング決定部510に入力される。
メトリック計算部507は、QR分解部401から入力された上三角行列Rと、ユニタリ変換部402から入力されたユニタリ変換ベクトルzとを用いて生き残りパス選択部506で選択された生き残りパスに対してメトリックを計算し、第1ステージのメトリック計算部503から入力されたメトリックを用いて、次式(17)で示す、累積メトリックを計算する。前記算出された累積メトリックは、平均累積メトリック計算部508並びに第3ステージの生き残りパス決定部511及びメトリック計算部512に入力される。
第2パラメータ算出部509は、QR分解処理部401から入力された上三角行列Rと、第2ステージの平均累積メトリック計算部508から入力された平均累積メトリック値とを用いて、上三角行列対角成分と平均累積メトリックとの比
生き残りパス選択部511は、第2パラメータ算出部509から入力された上三角行列対角成分対平均累積メトリック比β3に基づいて生き残りパスの選択方法を決定し、当該決定された生き残りパスの選択方法とランキング決定部510から入力されたランキング結果とに基づいて第2ステージの生き残りパス数S3個の生き残りパスΠ(3)(i)を選択する。
第4ステージ以降の第k(k=4,・・・,N)ステージ処理部は、第3ステージ処理部501−3と同様に構成される。従って、上述の処理が最終の第Nステージまで行なわれる。
ここで、図14に示すフローチャートに従って一実施形態に係る受信機300の動作の一例を説明する。
まず、受信アンテナ301によって受信された信号に対し、受信部302によって所定の無線受信処理が施され、復調部303へと入力される(ステップS101)。
MIMOストリーム分離部306に入力された信号は、まず、受信信号変換部400に入力される。そして、受信信号変換部400のQR分解処理部401によって、ステップS102で得られたチャネル行列Hに対しQR分解が施され、ユニタリ行列Qと上三角行列Rとが出力される(ステップS103)。
そして、ステップS103で得られた上三角行列R及びステップS104で得られたユニタリ変換ベクトルはMIMO復調部に入力され、第1ステージ処理部501−1〜第Nステージ処理部501−Nによって所定のデータ再生処理が施される。
次に、メトリック計算部503によって、ステップS105で得られたランキングの上位からS1個の生き残りレプリカについてメトリックが計算される(ステップS106)。
第2ステージ以降の第kステージでは、まず、ランキング決定部505,510又は515によって、ステップS103で得られた上三角行列Rと、ステップS104で得られたユニタリ変換ベクトルzと、第k−1ステージの各生き残りレプリカとを用いて、送信信号xN−k+1の候補レプリカのランキングが行なわれる(ステップS108)。
そして、メトリック計算部507,512又は517によって、ステップS112で選択された各生き残りパスに対してメトリック及び累積メトリックが計算される(ステップS113)。
次に、第Nステージまでの処理が完了したか否かが判断され(ステップS117)、第Nステージまでの処理が完了していないと判断された場合(ステップS117のYesルート)、処理をステップS108へ移行して、ステップS108〜ステップS116の処理を第Nステージまで施す。一方、既に第Nステージまでの処理が完了したと判断された場合(ステップS117のNoルート)、LLR計算部600によって、各送信ストリームについてビットLLRが計算される(ステップS118)。
以上のように、生き残りパス選択部506,511又は516による生き残りパス選択を、第1パラメータ算出部504又は第2パラメータ算出部509,514による計算結果に基づいて行なうことで、データ再生の際の信号処理量を削減することができる。
図15に第1変形例に係るMIMOシステムの構成の一例を示す。なお、図15中、既述の符号を付した各構成については、前述の各構成と同様の機能を具備するので、その詳細な説明は省略する。
この図15に示すように、第1変形例では、MIMOストリーム分離部306Aをそなえる。
この図16に示すように、第1変形例では、MIMOストリーム分離部306Aが、例示的に、チャネルランキング部700をそなえる。
一例として、チャネルランキング部700に、次式(21)で示す、3行3列のチャネル行列Hが入力された場合について説明する。
即ち、チャネルランキング部700は、送信機200と受信機300との間のチャネル行列を構成する各列成分の電力値に基づいて、前記各列成分を並び替えた変形チャネル行列を生成するチャネル行列変換部の一例として機能する。
なお、本例においては、一例として、チャネルランキング部700が、送信機200と受信機300との間のチャネル行列を構成する各列成分の電力値の総和が大きい順に、前記各列成分の並び替えを行なう場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、チャネルランキング部700が、チャネル行列を構成する各列成分の並び替えを、受信信号ごとの信号対雑音比などに基づいて行なってもよい。
まず、受信アンテナ301によって受信された信号に対し、受信部302によって所定の無線受信処理が施され、復調部303へと入力される(ステップS201)。
次に、復調部303のチャネル推定部305によって、ステップS201で得られた信号から、送信機で送信されたパイロット信号などが抽出され、チャネル行列Hが推定される(ステップS202)。推定されたチャネル行列HはMIMOストリーム分離部306Aに入力される。
そして、受信信号変換部400のQR分解処理部401によって、ステップS203で得られたチャネル行列H´に対しQR分解が施され、その後、上述した一実施形態と同様に、図14に示す処理νが行なわれる。
また、以降のステージでは、第1ステージでの選出結果を基にしてシンボルレプリカ候補を選出するため、以降のステージにおけるシンボルレプリカ候補についても正確に選出することができる。この結果、受信機300のデータ再生精度を向上せしめることができる。
また、上述した一実施形態では、第2ステージの生き残りパス選択に上三角行列Rの対角成分の比αを用いているが、第3ステージ以降と同様に前ステージまでの平均累積メトリック値と上三角行列Rの対角成分との比を用いてもよい。そこで、第2変形例では、第2ステージの生き残りパス選択に上三角行列対角成分対平均累積メトリック比β2を用いる。
この図18に示すように、第2変形例では、MIMOストリーム分離部306Bをそなえる。
第1ステージ処理部501−1の平均累積メトリック計算部518は、メトリック計算部503から入力された、上記の式(13)で示される、メトリックを用いて、次式(23)で示す、平均累積メトリックを計算する。
第2パラメータ算出部519は、平均累積メトリック計算部518から入力された平均累積メトリックを用いて、次式(24)で示す、上三角行列対角成分と平均累積メトリックとの比β2を計算する。
図20に、本実施形態のフローチャートの例を示す。
まず、受信アンテナ301によって受信された信号に対し、受信部302によって所定の無線受信処理が施され、復調部303へと入力される(ステップS301)。
次に、復調部303のチャネル推定部305によって、ステップS301で得られた信号から、送信機で送信されたパイロット信号などが抽出され、チャネル行列Hが推定される(ステップS302)。推定されたチャネル行列HはMIMOストリーム分離部308に入力される。
次に、ユニタリ変換部402によって、ステップS301で得られた受信信号ベクトルyにステップS303で得られたユニタリ行列Qのエルミート共役が乗算され、ユニタリ変換ベクトルzが算出される(ステップS304)。
まず、第1ステージ処理部501−1のランキング決定部502によって、ステップS303で得られた上三角行列R及びステップS304で得られたユニタリ変換ベクトルzを用いて、送信信号xNの候補レプリカのランキングが行なわれる(ステップS305)。
続くステップにおいて、第1ステージの平均累積メトリック計算部518によって、ステップS306で得られたメトリックを用いて累積メトリックの平均値が計算される(ステップS307)。
第2ステージ以降の第kステージでは、まず、ランキング決定部505又は515によって、ステップS303で得られた上三角行列Rと、ステップS304で得られたユニタリ変換ベクトルzと、第k−1ステージの各生き残りレプリカとを用いて、送信信号xN−k+1の候補レプリカのランキングが行なわれる(ステップS309)。
そして、生き残りパス選択部506又は516によって、ステップS309で得られたランキング及びステップS310で得られたβに基づき生き残りパス数が決定され、決定された生き残りパス数及びステップS308で得られたランキングを基に第kステージにおける生き残りパスが選択される(ステップS311)。
そして、現在の処理が第Nステージで行なわれているか否かが判断され(ステップS313)、現在の処理が第Nステージで行なわれていると判断された場合には(ステップS313のYesルート)、処理をステップS316へ移行する。一方、現在の処理が第Nステージで行なわれていないと判断された場合には(ステップS313のNoルート)、平均累積メトリック計算部508によって、ステップS312で得られた累積メトリックの平均値が計算される(ステップS314)。
次に、第Nステージまでの処理が完了したか否かが判断され(ステップS316)、第Nステージまでの処理が完了していないと判断された場合(ステップS316のYesルート)、処理をステップS309へ移行して、ステップS309〜ステップS315の処理を第Nステージまで施す。一方、既に第Nステージまでの処理が完了したと判断された場合(ステップS316のNoルート)、LLR計算部600によって、各送信ストリームについてビットLLRが計算される(ステップS317)。
上述した第2変形例によれば、第2ステージ処理部501−2以降の各ステージが同様の構成を有するので、MIMO復調部500における処理内容を単純化することができ、受信機300Bの製造コストを大幅に低減することが可能となる。
なお、上述した送信機200,受信機300,受信機300A及び受信機300Bの各構成及び各機能は、必要に応じて取捨選択してもよいし、適宜組み合わせて用いてもよい。即ち、本発明の機能を発揮できるように、上記の各構成及び各機能を取捨選択したり、適宜組み合わせて用いたりしてもよい。
20,200 送信機
21−1〜21−M,201−1〜201−M 送信アンテナ
202−1〜202−M 送信部
203 変調部
204 誤り訂正符号化部
30,300,300A,300B 受信機
31−1〜31−N,301−1〜301−N 受信アンテナ
302−1〜302−N 受信部
303 復調部
304 誤り訂正復号部
305 チャネル推定部
306,306A,306B MIMOストリーム分離部
400 受信信号変換部
401 QR分解処理部
402 ユニタリ変換部
500 MIMO復調部
501−1〜501−N 第1ステージ処理部〜第Nステージ処理部
502,505,510,515 ランキング決定部
503,507,512,517 メトリック計算部
504 第1パラメータ算出部
506,511,516 生き残りパス選択部
508,513,518 平均累積メトリック計算部
509,514,519 第2パラメータ算出部
600 LLR算出部
700 チャネルランキング部
Claims (5)
- M(Mは2以上の整数)個の送信アンテナを用いて無線信号を送信する送信機と、N(Nは2以上の整数)個の受信アンテナを用いて前記無線信号を受信する受信機とを有する無線通信システムの信号処理方法において、
前記送信機と前記受信機との間のチャネル行列を直交行列Qと上三角行列Rとの積にQR分解し、
前記直交行列Qのエルミート共役であるQHと、前記受信機で受信されるN個の受信信号を構成要素とする受信列ベクトルyとの積QHyを算出し、
前記算出した積QHyと前記上三角行列Rとに基づいて、M個の送信信号を構成要素とする送信列ベクトルxの第M行目の構成要素に対応する信号を算出し、
前記算出した信号についてコンスタレーション上での領域判定を行なうことにより、前記コンスタレーション上で前記算出した信号との信号点間距離に応じてランキング付けした、前記送信列ベクトルxの第M行目の構成要素についての複数の送信信号候補を選出し、
前記算出した積QHyと前記上三角行列Rと前記選出した複数の送信信号候補とに基づいて、前記送信列ベクトルxの第(M−1)行目〜第1行目の構成要素に対応する各信号について、前記コンスタレーション上での領域判定をそれぞれ行なうことにより、前記送信列ベクトルxの第(M−1)〜第1行目の構成要素についてのそれぞれ複数の送信信号候補から、前記それぞれ複数の送信信号候補と前記各信号との信号点間距離に基づき、前記信号点間距離の総和の平均値と前記上三角行列Rの対角成分との比、又は、前記上三角行列Rの第(M−1)行目の対角成分と前記上三角行列Rの第M行目の対角成分との比を含む所定のパラメータに応じた数の送信信号候補を選出し、
前記選出した送信信号候補と前記各信号との信号点間距離の総和に基づいて、前記送信列ベクトルxの第M行目〜第1行目の構成要素についての前記送信信号候補の一意の組を決定することにより前記M個の送信信号を再生する、
ことを特徴とする、信号処理方法。 - M(Mは2以上の整数)個の送信アンテナを用いて無線信号を送信する送信機と、N(Nは2以上の整数)個の受信アンテナを用いて前記無線信号を受信する受信機とを有する無線通信システムの信号処理方法において、
前記送信機と前記受信機との間のチャネル行列を構成する各列成分の電力値に基づいて、前記各列成分を並び替えた変形チャネル行列を生成し、
前記生成した変形チャネル行列を直交行列Qと上三角行列Rとの積にQR分解し、
前記直交行列Qのエルミート共役であるQHと、前記受信機で受信されるN個の受信信号を構成要素とする受信列ベクトルyとの積QHyを算出し、
前記算出した積QHyと前記上三角行列Rとに基づいて、M個の送信信号を構成要素とする送信列ベクトルxの第M行目の構成要素に対応する信号を算出し、
前記算出した信号についてコンスタレーション上での領域判定を行なうことにより、前記コンスタレーション上で前記算出した信号との信号点間距離に応じてランキング付けした、前記送信列ベクトルxの第M行目の構成要素についての複数の送信信号候補を選出し、
前記算出した積QHyと前記上三角行列Rと前記選出した複数の送信信号候補とに基づいて、前記送信列ベクトルxの第(M−1)行目〜第1行目の構成要素に対応する各信号について、前記コンスタレーション上での領域判定をそれぞれ行なうことにより、前記送信列ベクトルxの第(M−1)〜第1行目の構成要素についてのそれぞれ複数の送信信号候補から、前記それぞれ複数の送信信号候補と前記各信号との信号点間距離に基づき、前記信号点間距離の総和の平均値と前記上三角行列Rの対角成分との比、又は、前記上三角行列Rの第(M−1)行目の対角成分と前記上三角行列Rの第M行目の対角成分との比を含む所定のパラメータに応じた数の送信信号候補を選出し、
前記選出した送信信号候補と前記各信号との信号点間距離の総和に基づいて、前記送信列ベクトルxの第M行目〜第1行目の構成要素についての前記送信信号候補の一意の組を決定することにより前記M個の送信信号を再生する、
ことを特徴とする、信号処理方法。 - M(Mは2以上の整数)個の送信アンテナを用いて無線信号を送信する送信機と、N(Nは2以上の整数)個の受信アンテナを用いて前記無線信号を受信する受信機とを有する無線通信システムの前記受信機において、
前記送信機と前記受信機との間のチャネル行列を直交行列Qと上三角行列Rとの積にQR分解するQR分解処理部と、
前記QR分解処理部によって算出された前記直交行列Qのエルミート共役であるQHと、前記受信機で受信されるN個の受信信号を構成要素とする受信列ベクトルyとの積QHyを算出するユニタリ変換部と、
前記ユニタリ変換部で算出した積QHyと前記上三角行列Rとに基づいて、M個の送信信号を構成要素とする送信列ベクトルxの第M行目の構成要素に対応する信号を算出し、前記算出した信号についてコンスタレーション上での領域判定を行なうことにより、前記コンスタレーション上で前記算出した信号との信号点間距離に応じてランキング付けした、前記送信列ベクトルxの第M行目の構成要素についての複数の送信信号候補を選出し、前記算出した積QHyと前記上三角行列Rと前記選出した複数の送信信号候補とに基づいて、前記送信列ベクトルxの第(M−1)行目〜第1行目の構成要素に対応する各信号について、前記コンスタレーション上での領域判定をそれぞれ行なうことにより、前記送信列ベクトルxの第(M−1)〜第1行目の構成要素についてのそれぞれ複数の送信信号候補から、前記それぞれ複数の送信信号候補と前記各信号との信号点間距離に基づき、前記信号点間距離の総和の平均値と前記上三角行列Rの対角成分との比、又は、前記上三角行列Rの第(M−1)行目の対角成分と前記上三角行列Rの第M行目の対角成分との比を含む所定のパラメータに応じた数の送信信号候補を選出し、前記選出した送信信号候補と前記各信号との信号点間距離の総和に基づいて、前記送信列ベクトルxの第M行目〜第1行目の構成要素についての前記送信信号候補の一意の組を決定することにより前記M個の送信信号を再生する信号再生部とをそなえる、
ことを特徴とする、受信機。 - M(Mは2以上の整数)個の送信アンテナを用いて無線信号を送信する送信機と、N(Nは2以上の整数)個の受信アンテナを用いて前記無線信号を受信する受信機とを有する無線通信システムの前記受信機において、
前記送信機と前記受信機との間のチャネル行列を構成する各列成分の電力値に基づいて、前記各列成分を並び替えた変形チャネル行列を生成するチャネル行列変換部と、
前記チャネル行列変換部で生成した変形チャネル行列を直交行列Qと上三角行列Rとの積にQR分解するQR分解処理部と、
前記QR分解処理部によって算出された前記直交行列Qのエルミート共役であるQHと、前記受信機で受信されるN個の受信信号を構成要素とする受信列ベクトルyとの積QHyを算出するユニタリ変換部と、
前記ユニタリ変換部で算出した積QHyと前記上三角行列Rとに基づいて、M個の送信信号を構成要素とする送信列ベクトルxの第M行目の構成要素に対応する信号を算出し、前記算出した信号についてコンスタレーション上での領域判定を行なうことにより、前記コンスタレーション上で前記算出した信号との信号点間距離に応じてランキング付けした、前記送信列ベクトルxの第M行目の構成要素についての複数の送信信号候補を選出し、前記算出した積QHyと前記上三角行列Rと前記選出した複数の送信信号候補とに基づいて、前記送信列ベクトルxの第(M−1)行目〜第1行目の構成要素に対応する各信号について、前記コンスタレーション上での領域判定をそれぞれ行なうことにより、前記送信列ベクトルxの第(M−1)〜第1行目の構成要素についてのそれぞれ複数の送信信号候補から、前記それぞれ複数の送信信号候補と前記各信号との信号点間距離に基づき、前記信号点間距離の総和の平均値と前記上三角行列Rの対角成分との比、又は、前記上三角行列Rの第(M−1)行目の対角成分と前記上三角行列Rの第M行目の対角成分との比を含む所定のパラメータに応じた数の送信信号候補を選出し、前記選出した送信信号候補と前記各信号との信号点間距離の総和に基づいて、前記送信列ベクトルxの第M行目〜第1行目の構成要素についての前記送信信号候補の一意の組を決定することにより前記M個の送信信号を再生する信号再生部とをそなえる、
ことを特徴とする、受信機。 - M(Mは2以上の整数)個の送信アンテナを用いて無線信号を送信する送信機と、N(Nは2以上の整数)個の受信アンテナを用いて前記無線信号を受信する受信機とを有する無線通信システムの信号処理方法において、
前記送信機及び前記受信機間に関するチャネル行列を直交行列Qと上三角行列Rとの積にQR分解し、
前記直交行列Q及び上三角行列Rと、前記受信機で受信されるN個の受信信号を構成要素とする受信列ベクトルyとに基づいて、M個の送信信号を構成要素とする送信列ベクトルxの第M行目の構成要素に対応する信号を算出し、
前記算出した信号についてコンスタレーション上での信号点間距離に応じてランキング付けした、前記送信列ベクトルxの第M行目の構成要素についての複数の送信信号候補を選出し、
前記送信列ベクトルxの第(M−1)行目〜第1行目の構成要素に対応する各信号について、前記送信列ベクトルxの第(M−1)〜第1行目の構成要素についてのそれぞれ複数の送信信号候補から、前記コンスタレーション上での前記それぞれ複数の送信信号候補と前記各信号との信号点間距離に基づき、前記信号点間距離の総和の平均値と前記上三角行列Rの対角成分との比、又は、前記上三角行列Rの第(M−1)行目の対角成分と前記上三角行列Rの第M行目の対角成分との比を含む所定のパラメータに応じた数の送信信号候補を選出し、
前記選出した送信信号候補と前記各信号との信号点間距離の総和に基づいて、前記送信列ベクトルxの第M行目〜第1行目の構成要素についての前記送信信号候補の一意の組を決定することにより前記M個の送信信号を再生する、
ことを特徴とする、信号処理方法。
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