以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態のスロットマシン10は、ARTを複数の抽選条件により当選可能に構成し、複数のARTに当選した場合にはARTが連続して実行される。また、ART中に、次回のARTが当選しているかの示唆表示や、どの条件で当選したかの示唆表示を行うことで、ARTの連続回数や当選した条件をART中に遊技者に推測させ、ART発生の期待感を遊技者に与える機会を増やすことができるように構成されている。
図1から図3を参照して、スロットマシン10の構造について説明する。図1は、スロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図である。図2は、スロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。図3は、筐体11の正面図である。
図1に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着剤や螺子等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面(図1のY方向手前側の面)を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備(図示せず)に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。筐体11の左側板11dには、上下一対の支軸25a,25b(図3参照)が設けられ、その支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具(図示せず)が設けられている。よって、各支軸25a,25bの上方に支持金具を配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具の挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態となる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向(図1のZ方向)へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持される。
前面扉12の右端側上部(図1のX方向左側で且つZ方向上側)には、前面扉12を施錠するキーシリンダ20が設けられている。このキーシリンダ20は、施錠装置(図2参照)と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。よって、キーシリンダ20により施錠状態を解除することで、前面扉12を回動して開放する状態にすることができる。
前面扉12の中央部上寄り(図1のX方向中央で且つZ方向上側)には、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル30が設けられている。遊技パネル30には、縦長の3つの左表示窓31L,中表示窓31M,右表示窓31Rが横並びに形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部を視認することができる。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
各表示窓31L,31M,31Rは、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを有するリールユニット41(図2参照)を視認させることができる。各リール42L,42M,42Rは、少なくとも無端状ベルトとして構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向(図1のX方向)に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能になっている。また、リール42L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
リールユニット41の各リール42L,42M,42Rは識別情報を可変表示する可変表示手段の一例であり、主表示部を構成する。但し、可変表示手段は、図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に加えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよく、この場合は表示形態に豊富なバリエーションをもたせることが可能となる。
各リール42L,42M,42Rは、それぞれがリール42L用のステッピングモータ61L(図7参照),中リール42M用のステッピングモータ61M(図7参照),リール42R用のステッピングモータ61R(図7参照)に連結されており、各ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
なお、各ステッピングモータ61L,61M,61Rは、例えば504パルスの駆動信号(励磁信号あるいは励磁パルスとも言う。以下同じ)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによって各ステッピングモータ61L,61M,61Rのそれぞれの回転位置、すなわち各リール42L,42M,42Rの回転位置が制御される。
また、遊技パネル30には、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の有効ラインが付されている。勿論、最大有効ライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大有効ライン数を変更するようにしてもよい。例えば、V(逆V)字状のラインとしたり、L字状のラインなどを有効にしてもよい。
これら各有効ラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。
遊技パネル30の下方左側(図1のZ方向下側で且つX方向左側)には、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転(変動)開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち図柄の変動表示を開始させるべく操作が行われる変動開始手段を構成するものである。スタートレバー71は、遊技者が遊技(ゲーム)を開始するときに手で押し操作(押される方向は限定されない)されるレバーであり、内蔵されるバネにより手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー71が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側(図1のX方向右側)には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく変動表示を停止させるべく操作される変動停止手段を構成するものである。
各ストップスイッチ72,73,74は、左リール42Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。また、本実施形態では、各リール42L,42M,42Rの停止順や停止タイミング、即ち、各ストップスイッチ72〜74の押し順や操作タイミングを示唆表示(報知)する押し順演出(押し順ナビ)が、後述する補助表示部15の液晶画面上で行われる。各ストップスイッチ72〜74のランプは、補助表示部15の液晶画面上で押し順演出が行われる場合、押し順や操作タイミングの示唆表示に連動して点灯および消灯する。よって、押し順演出とストップスイッチ72〜74のランプの演出とによって押し順や操作タイミングを遊技者に示唆できるので、遊技者に押し順や操作タイミングを認識させ易くできる。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側(図1のZ方向下側で且つX方向右側)には、遊技を行うための遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は遊技媒体を受入可能な受入口を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75の下方(図1のZ方向下側)には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ83(図2参照)内に詰まった際に押されるスイッチであり、この返却スイッチ76が押されることによりセレクタ83が機械的に連動して動作され、当該セレクタ83内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、遊技媒体としてクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状に形成された第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。
各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側(図1のX方向左側)には、ボタン状の切換スイッチ80が設けられている。切換スイッチ80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるトグル式に構成されている。切換スイッチ80は、メダル投入口75に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。
切換スイッチ80がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換スイッチ80がオフ状態のときには、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。なお、クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。このように、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることにより自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。なお、切換スイッチ80の操作により「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを切り換えるように構成する他、常に「クレジットモード」としておき切換スイッチ80が操作されると貯留記憶された仮想メダルを払い出すだけの精算スイッチとして機能させてもよい。
遊技パネル30の表示窓31L,31M,31Rの下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部35と、ビッグボーナス(以下「BB」と称す)やレギュラーボーナス(以下「RB」と称す)等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数や獲得可能な残りメダル枚数等を表示するゲーム数表示部36と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
前面扉12の上部(図1のZ方向上側)には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりするランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。ランプ13は、スロットマシン10の上辺に沿って横長の形状に形成された上部ランプ13aと、その上部ランプ13aの左下側に配設された投入異常ランプ13bとにより構成されている。
補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成している。補助表示部15の液晶画面上では、スタートレバー71の操作に起因した抽選結果に対応する遊技演出や、遊技者によるスタートレバー71の操作が所定時間以上行われなかった場合に表示されるデモ演出等が行われる。遊技演出には、ボーナス(BB及びRB)中に行われるボーナス演出や、通常遊技中に行われる通常演出、ART中に行われるART演出、ストップスイッチ72〜74の押し順や操作タイミングを示唆表示する押し順演出等が含まれる。
また、補助表示部15は、液晶表示器によって構成したが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。また、本実施形態の各リール42L,42M,42Rが配置される領域に大型の液晶表示器で構成される補助表示部15を設け、例えば、本実施形態の補助表示部15が設けられる領域に小型の各リール42L,42M,42Rを設けるように構成しても良い。この構成では、小型の各リール42L,42M,42Rの回転駆動に応じて(連動して)、大型の液晶画面上で擬似的なリールの回転と、その擬似的なリールの回転に応じた演出とを行う。さらに、遊技パネル30全体を大型の液晶画面とし、その大型の液晶画面上で各リール42L,42M,42Rの回転駆動に応じた演出を行うように構成しても良い。
前面扉12の下部には、スロットマシン10内部からメダルが払い出される(又は排出される)開口としてのメダル排出口17と、そのメダル排出口17から払い出されるメダルを受けるメダル受け皿18とが設けられている。メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。ダイレクトモード、クレジットモードのいずれのモードにおいても、遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであればセレクタ83(図2参照)により排出用通路82(図2参照)への切替がなされてメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。一方、クレジットモードであればスロットマシン内部に貯蓄されると共に残数表示部35に貯蓄枚数が表示される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
また、クレジットモードにて遊技が行われ且つ残数表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32が点灯して中央ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本が有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされ、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本が有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えば残数表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、残数表示部35の数値が全てディクリメントされて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
次に、図2及び図3を参照して、スロットマシン10の内部構造について説明する。なお、図2は、図1の状態から前面扉12を開いた状態であり、図3は、前面扉12を取り外した状態の筐体11の正面図である。また、図1と同一部分には、同一の符号を付して、その説明は省略する。
図2に示すように、前面扉12の開閉軸の反対側(図2のY方向左側)には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。
連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の支持金具23(図3参照)に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と支持金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
次に、前面扉12に設けられたセレクタ83について説明する。上述したメダル投入口75(図1参照)から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられたセレクタ83によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。セレクタ83には、後述するメダル通路切替部材(図示せず)が設けられ、そのメダル通路切替部材の状態に応じてメダルの通過方向が排出用通路82側か、貯留用通路81側かで切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。なお、貯留用通路81に導かれたメダルは、投入メダル検出センサ75a(図7参照)により検出される。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17(図1参照)からメダル受け皿18(図1参照)へと導かれ、遊技者に返却される。また、開口94は、ホッパ装置91から払い出されたメダルが通過する開口であり、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。
次に、筐体11の内部の構造について説明する。筐体11の内部下方には、メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91が設けられている。ホッパ装置91は、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とにより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。従って、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
また、ホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131(図3参照)を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ123は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ123を押しながら電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ122がオンされている状態でリセットスイッチ123を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入して回転操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
図3に示すように、リールユニット41の上方には、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るMPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等からなる被包手段としての基板ボックス(第1の基板ボックス)に収容されて構成されている。基板ボックスは、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印ユニットによって開封不能に連結され、これにより基板ボックスが封印されている。なお、ボックスベースとボックスカバーとを鍵部材を用いて開封不能に連結する構成としてもよい。
また、筐体11の天板11aには、前面扉12が開放されたことを検出する扉開放センサ26が取り付けられている。この扉開放センサ26は、前面扉12が筐体11に対して開放された場合に出力がオンとなると共に、前面扉12が筐体11に対して閉鎖された場合に出力がオフとなる。なお、この扉検出センサ26は、主制御装置131及び表示制御装置111(図2参照)の両方に接続されている。
次に、図4を参照して、各リール42L,42M,42Rの各ベルト上に描かれた図柄について説明する。図4は、各リール42L,42M,42Rを構成する帯状ベルト42L1,42M1,42R1の展開図である。
図4に示すように、各リール42L,42M,42Rの各帯状ベルト42L1,42M1,42R1上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の図柄が描かれている。従って、所定の位置においてある図柄から次の図柄へ切り替えるには24パルス(=504パルス÷21図柄)を要する。よって、リールインデックスセンサ55(図7参照)の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの図柄が表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の図柄を表示窓31L,31M,31Rから視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各帯状ベルト42L1,42M1,42R1に付された図柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な図柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が遊技者に視認可能な状態となる。
各帯状ベルト42L1,42M1,42R1にはそれぞれ21個の図柄が一列に設けられている。各帯状ベルト42L1,42M1,42R1に対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、帯状ベルト42L1,42M1,42R1に実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「リプレイ」図柄(例えば、左帯状ベルト42L1の1番目)、「ベル」図柄(例えば、左帯状ベルト42L1の2番目)、「青年」図柄(例えば、左帯状ベルト42L1の9番目)、「7」図柄(例えば、左帯状ベルト42L1の6番目)、「チェリー」図柄(例えば、左帯状ベルト42L1の3番目)、「スイカ」図柄(例えば、左帯状ベルト42L1の0番目)がある。各帯状ベルト42L1,42M1,42R1は、各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
次に、図5及び図6を参照して、入賞態様に対応する停止図柄および遊技価値、当選確率などについて説明する。図5は、入賞態様、停止図柄および遊技価値の関係を示した説明図であり、図6は、入賞態様および当選確率の関係を示した説明図である。
図5に示すように、表示窓31L,31M,31R(図1参照)の有効ライン上に停止する入賞態様としては、同種BB、異種BB、RB、スイカ、チェリー、ベル、リプレイ、特殊リプレイA、特殊リプレイB、及び、特殊ベルがある。
同種BBは、有効ライン上に「7」又は「青年」図柄が停止、即ち、有効ライン上に同一のボーナス図柄が停止することで入賞し、遊技状態が通常状態中に入賞すると次ゲームからBBのボーナスゲームが開始される。異種BBは、有効ライン上の左リール42L及び中リール42Mに同一のボーナス図柄が停止し右リール42Rに異なるボーナス図柄が停止することで入賞する。具体的には、「7 7 青年」か「青年 青年 7」で停止した場合である。異種BBは、同種BBと同様に、遊技状態が通常状態中に入賞すると次ゲームからBBのボーナスゲームが開始される。RBは、有効ライン上の左リール42L及び右リール42Rに同一のボーナス図柄が停止し中リール42Mに異なるボーナス図柄が停止することで入賞する。具体的には、「7 青年 7」か「青年 7 青年」で停止した場合である。RBは、遊技状態が通常状態中に入賞すると次ゲームからRBのボーナスゲームが開始される。BB及びRBは、遊技価値として払い出されるメダル枚数が予め定められており、BBはメダルが300枚以上払い出されたら終了し、RBはメダルが120枚以上払い出されたら終了するように構成されている。
なお、通常状態中に同種BB、異種BB又はRBが入賞すると、遊技価値の付与として、多量のメダルが払い出されるボーナスゲームが発生するのに加え、同種BB,異種BB又はRBが当選した時点でART抽選、ART抽選に当選した場合のARTストック数抽選およびART継続率抽選が行われる。ART抽選、ART抽選に当選した場合のARTストック数抽選およびART継続率抽選は、同種BB,異種BB又はRBが有効ライン上に停止して入賞した場合に抽選を行うように構成しても良い。
一方、ボーナス中に同種BB、異種BB又はRBが当選すると、遊技価値の付与として、ART抽選およびART抽選に当選した場合のARTストック数抽選が行われる。ボーナス中に同種BB,異種BB又はRBが当選した場合には、遊技者が、ボーナス図柄が停止するタイミングでストップスイッチ72〜74を操作すると、有効ライン上にボーナス図柄が揃って入賞する。本実施形態では、ボーナス中に同種BB,異種BB又はRBが当選すると、ボーナス図柄が揃うことに伴いART抽選が行われARTのストック数が増加することを期待させるストック期待演出が行われる。よって、ストック期待演出を行うことで、ボーナス図柄を狙って有効ライン上にボーナス図柄を停止させる遊技性を提供でき、ART抽選が行われることへの期待感を遊技者に与えることができる。
スイカは、有効ライン上に「スイカ」図柄が停止することで入賞し、遊技状態に関係なく入賞すると12枚のメダルが遊技価値として払い出される。チェリーは、有効ライン上の左リール42Lに「チェリー」図柄が停止することで入賞し、通常状態中に入賞すると2枚のメダルが遊技価値として払い出され、ボーナス中に入賞すると、15枚のメダルが遊技価値として払い出される。なお、スイカ及びチェリーは、通常状態中に当選するとボーナス抽選が行われ、所定の確率でボーナスに当選する。本実施形態では、スイカ又はチェリーの当選に伴って行われる抽選でボーナスに当選すると、同種BBが20%、異種BBが40%、RBが40%の確率で選択される。また、ボーナス中に当選するとART抽選が行われ、所定の確率でART抽選に当選してARTのストック数が加算される。スイカ及びチェリーの当選に基づくART抽選は、ストック数が1個に固定されているので、ARTストック数抽選は行われない。なお、スイカ及びチェリーの当選に基づくART抽選で、複数のARTのストックが選択されるように構成しても良い。
ベルは、有効ライン上に「ベル」図柄が停止することで入賞し、通常状態中に入賞すると、10枚のメダルが遊技価値として払い出され、ボーナス中に入賞すると、15枚のメダルが遊技価値として払い出される。
リプレイは、有効ライン上に「リプレイ」図柄が停止することで入賞し、通常状態中に入賞すると、メダルを投入せずに遊技を行える再遊技が遊技価値として付与される。特殊リプレイAは、有効ライン上に「リプレイ リプレイ スイカ」が停止することで入賞し、通常状態中に入賞すると再遊技が遊技価値として付与されると共に当選に伴って所定の確率でボーナス抽選が行われる。特殊リプレイBは、有効ライン上に「リプレイ リプレイ チェリー」が停止することで入賞し、特殊リプレイAと同様に、通常状態中に入賞すると、再遊技が付与されると共に当選に伴って所定の確率でボーナス抽選が行われる。なお、リプレイ、特殊リプレイA及び特殊リプレイBは、ボーナス中に当選しないように構成されている。
特殊ベルは、有効ライン上に「7 ベル ベル」又は「青年 ベル ベル」が停止することで入賞し、通常状態中には当選せずにボーナス中のみ当選し、入賞した場合には15枚のメダルが遊技価値として払い出される。本実施形態では、ボーナス中に特殊ベルが成立すると、ボーナス中にボーナス図柄が当選した場合と同様の演出(ストック期待演出)が行われる。よって、遊技者は、ボーナス中にボーナス図柄が停止する可能性のある演出が行われると、「7」図柄か「青年」図柄が停止するようにストップスイッチ72〜74を操作するので、特殊ベルが成立していれば、ボーナス図柄ではなく特殊ベルが停止して入賞する。即ち、特殊ベルの小役を設けることで、ボーナス図柄が停止する可能性を示唆する演出が実行され易くなり、遊技者にART抽選への期待感を与える遊技性を提供できる。つまり、ストック期待演出とは、ボーナス中に、ボーナス図柄が当選した場合と特殊ベルが当選した場合とで実行される演出なので、ART抽選が必ず行われることを意味するものではなく、ART抽選が行われる可能性があることを期待させる演出である。
押し順リプレイは、有効ライン上に「リプレイ リプレイ ベル」が停止した場合に入賞し、再遊技が遊技価値として付与される。この押し順リプレイは、ストップスイッチ72〜74の6通りのうちの1の押し順と、遊技者によるストップスイッチ72〜74の実際の押し順とが一致した場合に停止するように構成されている。そして、押し順リプレイは、ボーナス終了後に実行され、リプレイが高確率で成立するリプレイタイム(以下「RT」と称す)中のみに抽選がなされ、RT中に「リプレイ リプレイ ベル」が停止して入賞すると、次ゲームからARTが開始される。即ち、押し順リプレイは、ARTの移行契機となる小役である。本実施形態では、ARTのストック数が1以上の場合には、ストップスイッチ72〜74の6通りの押し順のうち1の押し順が補助表示部15の液晶画面上に示唆表示され(押し順演出)、遊技者が示唆表示の押し順通りにストップスイッチ72〜74を操作することで、ARTに移行(突入)できるように構成されている。
図6に示すように、同種BBは、「7」図柄および「青年」図柄が通常状態中に各1/1024の確率で当選し、ボーナス中に各1/2048の確率で当選するので、同種BBの合成当選確率としては、通常状態中が1/512となり、ボーナス中が1/1024となる。異種BBは、同種BBと同様に2種類あり、通常状態中に各1/512、ボーナス中に各1/1024の確率で当選するので、異種BBの合成当選確率は通常状態中が1/256となり、ボーナス中が1/512となる。RBも2種類あり、通常状態中およびボーナス中共に各1/512の確率で当選するので、RBの合成当選確率は通常時およびボーナス時共に1/256となる。
なお、通常状態中の同種BB、異種BBおよびRBの当選確率は、同種BBの当選確率が低く異種BB及びRBの当選確率が高く設定されている。これは、異種BB及びRBに比べて、同種BBの方がARTの当選確率が高く、ARTストック数抽選において多数のストック数が選択され易く、ART継続率抽選において高い継続率が選択され易く設定されているからである。また、ボーナス中の同種BB、異種BB及びRBの当選確率は、同種BBから異種BB、RBになるほど、当選確率が高くなるように設定されている。これも、RBから異種BB、同種BBになるほど、ARTの当選確率が高く、ARTストック数抽選において多数のストック数が選択され易く設定されているからである。
スイカは、通常状態中およびボーナス中共に1/64の当選確率となっており、通常状態中に入賞すると、5%の確率でボーナスに当選するように構成されている。チェリーは、通常状態中およびボーナス中共に1/64の当選確率となっており、通常状態中に入賞すると、10%の確率でボーナスに当選するように構成されている。スイカ及びチェリーの小役が入賞すると、ボーナスの抽選が行われるので、通常状態中に、ボーナス当選の期待感を遊技者に与えることができる。
ベルは、通常状態中が1/8の当選確率となっており、ボーナス中が約1/1.33の当選確率となっている。即ち、ボーナス中は、通常状態中に比べてベルが当選し易くなっており、ボーナス中におけるメダルの払い出しを迅速に行うことができる。
リプレイは、通常状態中が1/8の当選確率となっており、特殊リプレイAは、通常状態中が1/256の当選確率となっており、特殊リプレイBは、通常状態中が1/1024の当選確率となっており、各リプレイはボーナス中に当選しないように構成されている。ボーナス中に各リプレイを非当選にすることで、ボーナス中のメダルの払い出しを迅速に行うことができる。また、リプレイは、RT及びART中のみ、約1/1.33の当選確率となっている。即ち、RT及びART中は、リプレイが入賞し易くなるので、メダルを減らすことなく(又は、他の小役の入賞によってメダルを増やしながら)遊技を継続して行うことができる。また、特殊リプレイA,Bは、通常状態中の当選確率が低く設定される代わりに、ボーナス抽選が行われ、それぞれ、30%、50%の確率でボーナスに当選する。特殊リプレイA,Bは、右リール42Rの図柄の配列(図4参照)から、タイミングを合わせてストップスイッチ74を押さないと(所謂、目押しをしないと)、停止しない入賞態様である。つまり、特殊リプレイA,Bを設けることで、目押しをしない遊技者には、見た目上のボーナス当選確率を高く認識させることができるし、目押しをする遊技者には、特殊リプレイA,Bが停止することへの期待感を持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。また、特殊リプレイA,Bが当選している状態で入賞しない場合(入賞態様で停止しない場合)には、特定の停止態様(所謂、チャンス目(例えば、スイカのズレ目、ベルの大三角形、ベルの小三角形、中段にベルベルリプレイなど))で停止するように構成しても良い。
特殊ベルは、通常状態中が非当選となり、ボーナス中が1/32の当選確率となっている。この特殊ベルが当選すると、上述した通り、ボーナス中にボーナス図柄が当選した場合と同様のストック期待演出が行われる。後述するが、BBは、300枚のメダルが払い出されると終了する。そして、ベル入賞は、メダルが15枚払い出されるので、BBは概ね20回のゲームで終了する。ここで、ボーナス図柄が当選した場合のみストック期待演出が行われると、確率的に約30回のBBに1回だけストック期待演出が行われるので、ART抽選への期待感を遊技者に与える遊技性を提供できない。しかし、特殊ベルの小役を設けることで、約2回のBBに1回はストック期待演出が行われることになるので、遊技者にART抽選への期待感を与えることができる。
押し順リプレイは、ボーナス終了後に突入するRTの期間中のみ1/8の当選確率となっており、上述した通り、ARTの突入契機となる小役である。押し順リプレイは、RT中に当選すると、例えば、6通りあるストップスイッチ72〜74の押し順の1つが、0〜5の間を繰り返し更新する押し順カウンタ(図示せず)により抽選され、その1の押し順に対応する値がRAM153(図7参照)の所定エリアに記憶される。そして、RAM153に記憶される押し順と、遊技者により実際に操作されたストップスイッチ72〜74の押し順とが一致した場合に、入賞する小役である。本実施形態では、押し順リプレイに当選すると、補助表示部15の液晶画面上で押し順演出が実行される。押し順演出は、ARTのストック数が1以上の場合には(即ち、ストックカウンタ153fの値が1以上の場合には)、ストップスイッチ72〜74の押し順を示唆表示する一方で、ストック数が0であれば、押し順は示唆表示しない演出である。即ち、補助表示部15の液晶画面上に示唆表示される押し順通りにストップスイッチ72〜74を操作すれば、必ずARTに移行するし、押し順が報知されない場合でも、1/6の確率でARTに移行する可能性がある。よって、ボーナス終了後に移行するRTの数ゲーム間(1/8で押し順リプレイに当選するため数ゲームで終了)において、押し順が示唆表示されることへの期待感を遊技者に与えると共に、遊技者のカンを頼りにARTに移行することへの期待感も遊技者に与えることができる。
次に、図7及び図8を参照して、本スロットマシン10の電気的構成について説明する。図7は、主制御装置131の電気的構成を概略的に示したブロック図である。図8は、表示制御装置111の電気的構成を概略的に示したブロック図である。
主制御装置131には、演算処理手段であるMPU151を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。MPU151には、電源ボックス121(図2参照)の内部に設けられた電源装置161の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路154や、入出力ポート155などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置131は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置131の入力側には、スタートレバー71の操作を検出するスタート検出センサ71a及び各ストップスイッチ72,73,74の操作を個別に検出するストップ検出センサ72a,73a,74a、メダル投入口75(図1参照)から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ75a、各クレジット投入スイッチ77,78,79の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ77a,78a,79a、精算スイッチ80の操作を検出する精算検出センサ80a、各リール42L,42M,42R(図1参照)の回転位置(原点位置)を個別に検出するリールインデックスセンサ55L,55M,55R、ホッパ装置91から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ91a、リセットスイッチ123の操作を検出するリセット検出センサ123a、設定キー挿入孔124(図2参照)に設定キーが挿入されてオン操作されたことを検出する設定キー検出センサ124a、前面扉12が筐体11に対して開放されたことを検出する扉開放センサ26等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート155を介してMPU151へ出力されるようになっている。
また、投入メダル検出センサ75aは、実際には複数個のセンサより構成されている。即ち、メダル投入口75からホッパ装置91に至る貯留用通路81(図2参照)は、メダルが1列で通行可能に構成されている。そして、貯留用通路81には第1センサ(図示せず)が設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ(図示せず)及び第3センサ(図示せず)が近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられており、これら第1乃至第3の各センサによって投入メダル検出センサ75aが構成されている。主制御装置131は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラーとする。エラーになると、エラー報知が行われるとともにエラー解除されるまでの遊技者による操作が無効化される。
また、主制御装置131は、第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視し、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切換に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラーとする。このようにするのは、貯留用通路81でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ75a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。
また、主制御装置131の入力側には、入出力ポート155を介して電源装置161が接続されている。電源装置161には、主制御装置131を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部161aや、停電監視回路161bなどが搭載されている。
停電監視回路161bは、電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ122(図2参照)による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路161bは、例えば、電源部161aから出力される直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はMPU151と入出力ポート155のそれぞれに供給され、MPU151ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。また詳細は後述するが、停電信号は表示制御装置111にも供給されるように構成されている。
電源部161aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置131などの制御系における駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置131による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置131の出力側には、各有効ライン表示部32,33,34、クレジット表示部35、残獲得枚数表示部36、獲得枚数表示部37、各リール42L,42M,42Rを回転させるための各ステッピングモータ61L,61M,61R、セレクタ84(図2参照)に設けられたメダル通路切替ソレノイド86、ホッパ装置91、表示制御装置111、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板171等が入出力ポート155を介して接続されている。
表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのMPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置131からの信号を受け取った上で、表示制御装置111が独自に上部ランプ13、スピーカ14及び補助表示部15を駆動制御する。従って、表示制御装置111は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置131との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。なお、各種表示部32〜37を表示制御装置111が制御する構成としてもよい。
MPU151には、このMPU151によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM152と、このROM152内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM153のほかに、図示しないが、周知の割込み回路、タイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。
ROM152には、さらに各小役の入賞や、遊技状態の移行、ARTの当選などを抽選するための各種テーブルが予め記憶されている。具体的には、高確移行テーブル格納エリア152a、低確移行テーブル格納エリア152b、高確時ART抽選テーブル格納エリア152c、低確時ART抽選テーブル格納エリア152d、ストック数抽選テーブル格納エリア152e、継続率抽選テーブル格納エリア152f、継続率アップ抽選テーブル格納エリア152g、通常時抽選テーブル格納エリア152h、及び、ボーナス時抽選テーブル格納エリア152iが予め記憶されている。
ここで、図9〜図13を参照して、ROM152に記憶される各種テーブル152a〜152iを詳細に説明する。図9(a)は、高確移行抽選テーブルを模式的に示した図であり、図9(b)は、低確移行抽選テーブルを模式的に示した図であり、図10(a)は、高確時ART抽選テーブルを模式的に示した図であり、図10(b)は、低確時ART抽選テーブルを模式的に示した図であり、図11は、ストック数抽選テーブルを模式的に示した図であり、図12(a)は、継続率抽選テーブルを模式的に示した図であり、図12(b)は、継続率アップ抽選テーブルを模式的に示した図であり、図13(a)は、通常時抽選テーブルを模式的に示した図であり、図13(b)は、ボーナス時抽選テーブルを模式的に示した図である。
高確移行テーブル格納エリア152aには、通常状態の1つである低確状態に滞在している場合に、通常状態の1つである高確状態へ移行するか否かを抽選するための高確移行テーブルが格納されている。ここで、低確状態とは、ART抽選の当選確率が低かったり、ARTに当選した場合のストック数が少ないものが選択され易い遊技状態であり、高確状態とは、ART抽選の当選確率が高く、ARTに当選した場合のストック数も多いものが選択され易い遊技状態を意味している。
図9(a)に示すように、高確移行テーブルは、同種BB、異種BB、RB、スイカ、チェリー、特殊リプレイA及び特殊リプレイBが、高確状態へ移行するか否かを抽選する対応役となっている。
まず、スロットマシン10の設定として「6」が設定されている場合について説明する。同種BBは、当選すると遊技状態が100%の確率で高確状態へ移行し、異種BBは、50%の確率で高確状態へ移行し、RBは、30%の確率で高確状態へ移行する。同種BB、異種BB、RBによって高確状態への移行確率が異なるのは、ボーナスの当選確率が同種BBの方が低いため、高確状態への移行確率が高くなるように設定されている。なお、本実施形態では、ボーナスの当選時に高確状態へ移行するものとしたが、ボーナス図柄が有効ライン上に停止した入賞時や、ボーナスゲームが終了した後に移行するように構成しても良い。
スイカ及びチェリーは、当選すると遊技状態が30%の確率で高確状態へ移行し、特殊リプレイAは、50%の確率で高確状態へ移行し、特殊リプレイBは、100%の確率で高確状態へ移行する。なお、スイカ、チェリー、特殊リプレイA及び特殊リプレイBは、上述した通り、ボーナス抽選が行われるので、ボーナス抽選が非当選となった場合にのみ、高確状態への移行抽選を行うように構成しても良い。また、スイカ、チェリー、特殊リプレイA及び特殊リプレイBは、有効ライン上に対応する図柄が停止して入賞した場合に、高確状態への移行抽選を行うように構成しても良い。
また、図示するように、高確状態に移行する確率は、設定1になるほど低くなるように構成されている。具体的に設定1では、当選すると同種BBで50%、異種BBで30%、RBで10%、スイカで5%、チェリーで5%、特殊リプレイAで10%、特殊リプレイBで30%の確率で高確状態へ移行する。即ち、設定6ほど高確状態へ移行し易く、設定1ほど高確状態へ移行し難く設定されている。本実施形態では、低確状態より高確状態の方がARTの当選確率が高くなるので、高確状態への移行確率に設定差を設けることにより、遊技者に付与される遊技価値に差を設けていると言える。
なお、高確移行テーブルは、高低確設定処理(図25参照)のS906の処理で、当選した対応役と、スロットマシン10の設定(「1」〜「6」)とに基づいたものが読み出されて参照される。例えば、スロットマシン10の設定が「6」に設定されており、今回のゲームでスイカが当選した場合には、図示するように、高確状態への移行確率が30%となるテーブルが読み出される。この読み出されたテーブルには、0〜99のうちの30種類に対応する値が記憶されており、0〜99の間を繰り返し更新する乱数カウンタ(高低確移行用の乱数カウンタ、図示せず)の値が取得された場合に、その取得された値が30種類に含まれていれば、高確状態への移行抽選に当選したと判別される。
低確移行テーブル格納エリア152bには、高確状態に滞在している場合に低確状態へ移行するか否かを抽選するための低確移行テーブルが格納されている。図9(b)に示すように、低確移行テーブルは、ベル、リプレイ、ハズレが、低確状態へ移行するか否かを抽選する対応役となっている。まず、スロットマシン10の設定として「6」が設定されている場合について説明する。ベルは、当選すると遊技状態が1%の確率で低確状態へ移行し、リプレイは、1%の確率で低確状態へ移行し、ハズレは、5%の確率で低確状態へ移行する。ここで、ハズレとは、同種BB、異種BB、RB、スイカ、チェリー、ベル、リプレイ、特殊リプレイA、特殊リプレイB、特殊ベル、押し順リプレイのいずれも非当選となった場合のことであり、リール42L,42M,42Rの停止態様によって小役が入賞したか否かは問わない。スロットマシン10の設定が「1」では、当選するとベルで5%、リプレイで5%、ハズレで10%の確率で低確状態へ移行する。つまり、低確状態へは、設定1になるほど移行し易くなっており、遊技中に最も発生するハズレの場合に低確状態へ移行し易くなっている。なお、ベル及びリプレイは、各リール42L,42M,42Rの各帯状ベルト42L1,42M1,42R1に配置される図柄の配列上、ストップスイッチ72〜74をどのタイミングで操作しても有効ライン上に停止して入賞するので、入賞した場合に、低確状態への移行抽選を行うように構成しても良い。
なお、低確移行テーブルは、高低確設定処理(図25参照)のS902の処理で、ベル、リプレイ及びハズレの対応役と、スロットマシン10の設定(「1」〜「6」)とに基づいたものが読み出されて参照される。例えば、スロットマシン10の設定が「6」に設定されており、今回のゲームでハズレとなった場合には、図示するように、低確状態への移行確率が5%となるテーブルが読み出される。この読み出されたテーブルには、0〜99のうちの5種類に対応する値が記憶されており、上記した高低確移行用の乱数カウンタの取得された値が5種類に含まれていれば、低確状態への移行抽選に当選(転落に当選)したと判別される。
高確時ART抽選テーブル格納エリア152cには、高確状態に滞在している場合にARTに当選したか否かを抽選するための高確時ART抽選テーブルが記憶されている。図10(a)に示すように、高確時ART抽選テーブルは、同種BB、異種BB、RB、スイカ、チェリー、特殊リプレイA及び特殊リプレイBがART抽選の対応役となっており、そのART抽選の対応役は、通常状態中、ボーナス中およびART中の遊技状態によって異なっている。
通常状態中には、同種BBが当選すると100%の確率でARTに当選し、異種BBが当選すると50%の確率でARTに当選し、RBが当選すると30%の確率でARTに当選する。ボーナス(同種BB、異種BB、RB)当選時のARTの抽選確率は、ボーナスの当選確率が同種BBが最も低いため、同種BBのARTの当選確率が最も高くなるように設定されている。なお、スイカ、チェリー、特殊リプレイA及び特殊リプレイBは、各小役に当選しても通常状態中にはARTの抽選は行われない。即ち、通常状態中において、ART抽選が行われる可能性があるのは、ボーナスが当選した場合のみである。よって、遊技者は、ボーナスによる遊技価値の付与と、そのボーナス当選に基づいて抽選されるARTによる遊技価値の付与とに期待感を持って遊技を行うことができる。
ボーナス中には、同種BBが当選すると100%の確率でARTに当選し、異種BBが当選すると50%の確率でARTに当選し、RBが当選すると30%の確率でARTに当選する。ここで、ボーナス中に、同種BB、異種BB又はRBが当選するとは、ボーナス中にストック期待演出が行われて、ボーナス図柄が停止可能な状態となった場合であり、ボーナス図柄が有効ライン上に停止して入賞したか否かは問わない。更に、ボーナス中には、スイカ又はチェリーが当選すると、それぞれ5%の確率でARTに当選する。上述した通り、ボーナス中はベルが高確率で入賞する一方で、ボーナス図柄が低確率で入賞するので、ストック期待演出の発生頻度が低くなり、ARTの当選への期待感が薄れる可能性がある。しかし、スイカ及びチェリーによってもART抽選を行うことで、ボーナス中におけるARTの当選への期待感が薄れることを抑制できる。
ART中には、スイカ及びチェリーが当選すると5%の確率でARTに当選し、特殊リプレイAが当選すると30%の確率でARTに当選し、特殊リプレイBが当選すると50%の確率でARTに当選する。なお、ART中にボーナスに当選した場合には、通常状態中のテーブルが参照されて、ボーナス当選時のART抽選がなされる。また、スイカ、チェリー、特殊リプレイA及び特殊リプレイBは、ボーナス抽選が行われるので、ボーナス抽選が非当選となった場合に、ART抽選が行われる。言い換えれば、小役によってボーナスに当選した場合には、ボーナス当選に基づくART抽選が行われる。
低確時ART抽選テーブル格納エリア152dには、低確状態に滞在している場合にARTに当選したか否かを抽選するための低確時ART抽選テーブルが記憶されている。図10(b)に示すように、低確時ART抽選テーブルは、高確時ART抽選テーブルと同様に、同種BB、異種BB、RB、スイカ、チェリー、特殊リプレイA及び特殊リプレイBがART抽選の対応役となっており、通常状態中、ボーナス中、ART中により対応役が異なるように構成されている。
通常状態中では、同種BBが当選すると100%の確率でARTに当選し、異種BBが当選すると30%の確率でARTに当選し、RBが当選すると10%の確率でARTに当選する。ボーナス中には、同種BBが当選すると100%の確率でARTに当選し、異種BBが当選すると30%の確率でARTに当選し、RBが当選すると10%の確率でARTに当選し、スイカ又はチェリーが当選すると、それぞれ1%の確率でARTに当選する。ART中には、スイカ及びチェリーが当選すると1%の確率でARTに当選し、特殊リプレイAが当選すると5%の確率でARTに当選し、特殊リプレイBが当選すると10%の確率でARTに当選する。
同種BBは、高確状態か低確状態かに関わらず、100%の確率でARTに当選するように構成されている。即ち、スロットマシン10では、同種BBは入賞するだけでARTに必ず当選する一方で、通常状態中およびボーナス中での当選確率が低く設定されているので、プレミア的な存在となっている。よって、同種BBが入賞することへの期待感を遊技者に与えることができる。
なお、高確時及び低確時ART抽選テーブルは、ART判定処理(図26参照)のS1007,S1014,S1026の処理で、高確状態か低確状態かに応じていずれか一方のテーブルが選択され、当選した対応役と遊技状態(通常状態中、ボーナス中、ART中)とに基づいたものが読み出されて参照される。例えば、高確状態の通常状態中に異種BBが当選していれば、図示するように、ARTの抽選確率が50%となるテーブルが読み出される。この読み出されたテーブルには、0〜99のうち50種類に対応する値が記憶されており、0〜99の間を繰り返し更新する乱数カウンタ(ART抽選用の乱数カウンタ、図示せず)の値が取得され、その取得された値が50種類に含まれていれば、ARTに当選したと判別される。
ストック数抽選テーブル格納エリア152eには、ARTに当選した場合のストック数を抽選するためのストック数抽選テーブルが格納されている。図11に示すように、ストック数抽選テーブルは、ART抽選の対応役と同様に、同種BB、異種BB、RB、スイカ、チェリー、特殊リプレイA及び特殊リプレイBが、ストック数を抽選する対応役となっている。
図示するように、ARTのストック数は、1回のARTの当選に対して最大で5個がストック可能に構成されている。同種BBの当選によるART抽選によりARTに当選した場合には、ストック数の「1」〜「5」が20%の確率で均等に選択される。異種BBの当選によるART抽選によりARTに当選した場合には、ストック数の「1」〜「5」が、50%、20%、15%、10%、5%の確率でそれぞれ選択される。RBの当選によるART抽選によりARTに当選した場合には、ストック数の「1」〜「3」が、80%、15%、5%の確率でそれぞれ選択され、ストック数「4」,「5」は非選択となっている。即ち、異種BB及びRBは、当選によるART抽選によりARTに当選しても、ストック数「1」が選択され易く、ストック数が多くなるほど選択され難く設定されている。また、スイカ及びチェリーの当選によるART抽選によりARTに当選した場合には、ストック数「1」が100%の確率で選択され、ストック数「2」〜「4」は非選択となっている。特殊リプレイAの当選によるART抽選によりARTに当選した場合には、ストック数の「1」〜「5」が、90%、4%、3%、2%、1%の確率でそれぞれ選択され、特殊リプレイBの当選によるART抽選によりARTに当選した場合には、ストック数の「1」〜「5」が、50%、20%、10%、10%、10%の確率でそれぞれ選択される。
本実施形態では、ARTに当選すると、1個〜5個のARTがストックされる可能性があるが、同種BB以外の対応役は1個が最も選択され易く構成されている。即ち、本実施形態のスロットマシン10は、ボーナス(同種BB、異種BB、RB)当選に基づくART抽選によりARTに当選するか、ボーナス中のボーナス図柄(同種BB、異種BB、RB)や小役(スイカ、チェリー)当選に基づくART抽選によりARTに当選し、ARTが実行されたら、そのART中の小役(スイカ、チェリー、特殊リプレイA、特殊リプレイB)当選に基づいてART抽選を行い、ARTのストック数を蓄積することで、ARTを複数回連続して行い遊技者に多くの遊技価値を付与するという遊技性となる。
なお、ストック数抽選テーブルは、ART判定処理(図26参照)のS1009,S1016,S1028の処理で、当選した対応役に基づいたものが読み出されて参照される。例えば、対応役が異種BBであれば、ストック数の「1」〜「5」に対して、50%、20%、15%、10%、5%の確率が対応付けされたストック数抽選テーブルが読み出されて参照される。このストック数抽選テーブルは、ストック数の「1」〜「5」に対して、50種類に対応する値(例えば0〜49)、20種類に対応する値(例えば50〜69)、15種類に対応する値(例えば70〜84)、10種類に対応する値(例えば85〜94)、5種類に対応する値(例えば95〜99)が記憶されており、0〜99の間を繰り返し更新する乱数カウンタ(ストック数用の乱数カウンタ、図示せず)の値が取得され、その取得された値に応じてARTのストック数が選択される。
継続率抽選テーブル格納エリア152fには、同種BB、異種BB、RBが当選し且つそのボーナス当選によるART抽選によりARTが当選した場合に、ARTが連続して実行される継続率を抽選するための継続率抽選テーブルが格納されている。図12(a)に示すように、継続率抽選テーブルは、同種BB、異種BB、RBが対応役となっており、同種BB、異種BB及びRBによって選択される継続率が異なると共に、設定6〜設定1によって選択される継続率が異なるように構成されている。本実施形態では、ARTの継続率として「90%」、「80%」、「50%」、「10%」の計4種類がある。
まず、スロットマシン10の設定として「6」が設定されている場合について説明する。同種BBの当選によるART抽選によりARTに当選した場合には、継続率「90%」、「80%」、「50%」、「10%」が、それぞれ、10%、20%、30%、40%の確率で選択され、継続率「50%」以上が60%の確率で選択される。異種BBの当選によるART抽選によりARTに当選した場合には、継続率「90%」、「80%」、「50%」、「10%」が、それぞれ、10%、10%、30%、50%の確率で選択され、継続率「50%」以上が50%の確率で選択される。RBの当選によるART抽選によりARTに当選した場合には、継続率「90%」、「80%」、「50%」、「10%」が、それぞれ、5%、5%、30%、60%の確率で選択され、継続率「50%」以上が40%の確率で選択される。即ち、スロットマシン10の設定が「6」の場合には、継続率「50%」以上が高確率で選択され易いように設定されている。
一方で、スロットマシン10の設定が「1」の場合には、全ての対応役について継続率「90%」が非選択に設定されている。具体的には、同種BBの当選によるART抽選によりARTに当選した場合には、継続率「80%」、「50%」、「10%」が、それぞれ、10%、30%、60%の確率で選択され、異種BBの当選によるART抽選によりARTに当選した場合には、継続率「80%」、「50%」、「10%」が、それぞれ、5%、25%、70%の確率で選択され、RBの当選によるART抽選によりARTに当選した場合には、継続率「80%」、「50%」、「10%」が、それぞれ、1%、19%、80%の確率で選択される。即ち、スロットマシン10の設定が「1」では、継続率「90%」が選択されずに、継続率「80%」及び「50%」も、設定「6」に対して選択され難くなっており、設定差が設けられている。
なお、継続率抽選テーブルは、ART判定処理(図26参照)のS1011の処理で、スロットマシン10の設定と当選した対応役とに基づいたものが読み出されて参照される。例えば、スロットマシン10の設定が「6」であり、対応役が異種BBであれば、継続率の「90%」、「80%」、「50%」、「10%」に対して、10%、10%、30%、50%の確率が対応付けされた継続率抽選テーブルが読み出されて参照される。この継続率抽選テーブルは、継続率の「90%」、「80%」、「50%」、「10%」に対して、10種類に対応する値(例えば0〜9)、10種類に対応する値(例えば10〜19)、30種類に対応する値(例えば20〜49)、50種類に対応する値(例えば50〜99)が記憶されており、0〜99の間を繰り返し更新する乱数カウンタ(継続率用の乱数カウンタ、図示せず)の値が取得され、その取得された値に応じてARTの継続率が選択される。
継続率アップ抽選テーブル格納エリア152gには、ARTが連続して実行される継続率をアップさせるための継続率アップ抽選テーブルが格納されている。図12(b)に示すように、継続率アップ抽選テーブルは、同種BB、異種BB、RBの全ボーナスが対応役となっており、設定6〜設定1の設定差も設けられていない。勿論、継続率をアップさせる場合の抽選確率に設定差を設けても良いし、ボーナスの種別に応じて差を設けても良い。なお、ARTの継続率が選択されている状態はRT中又はART中となるので、RT中又はART中にボーナスが当選した場合に、継続率アップ抽選テーブルが参照されて、新たな継続率が選択されることになる。
継続率「10%」に滞在している状態でボーナスに当選すると、新たな継続率として、継続率「90%」、「80%」、「50%」、「10%」が、それぞれ、20%、30%、50%、0%の確率で選択される。つまり、継続率「10%」に滞在している状態でRT中又はART中にボーナスに当選すると、継続率「10%」は選択されずに継続率「50%」以上が選択されるので、継続率がアップすることになる。
継続率「50%」に滞在している状態でRT中又はART中にボーナスに当選すると、新たな継続率として、継続率「90%」、「80%」、「50%」、「10%」が、それぞれ、40%、50%、10%、0%の確率で選択され、継続率「80%」に滞在している状態でRT中又はART中にボーナスに当選すると、新たな継続率として、継続率「90%」、「80%」、「50%」、「10%」が、それぞれ、50%、50%、0%、0%の確率で選択される。即ち、継続率が「50%」以上の状態に滞在している場合には、現状維持の継続率が選択される可能性も有している。これは、継続率が「50%」以上であれば、継続率によるART抽選に当選してARTが連続して行われる可能性が高く、その間にボーナスに当選する可能性が高くなるため、常に、継続率をアップすると、遊技者に付与される遊技価値が極端に高くなってしまうからである。スロットマシン10は、投入されるメダル数と払い出されるメダル数との比率が所定範囲内になるように設計されるので、継続率が常にアップして遊技者に付与される遊技価値が極端に高くなると、例えば、ボーナス当選確率を低く設定しなければならない。その結果、ボーナスの発生頻度が少なくなるので、遊技者に与えるボーナスへの期待感が薄れるという弊害が生じる。この弊害を抑制するために、継続率を常にアップせずに現状維持をするように構成している。また、継続率はアップ及び現状維持するだけでなく、ダウンするように構成しても良い。
なお、継続率アップ抽選テーブルは、ART判定処理(図26参照)のS1005の処理で、現在滞在している継続率に基づいたものが読み出されて参照される。例えば、現在滞在している継続率が「50%」であれば、継続率の「90%」、「80%」、「50%」、「10%」に対して、40%、50%、10%、0%の確率が対応付けされた継続率アップ抽選テーブルが読み出されて参照される。この継続率アップ抽選テーブルは、継続率の「90%」、「80%」、「50%」に対して、40種類に対応する値(0〜39)、50種類に対応する値(40〜89)、10種類に対応する値(90〜99)が記憶されており、継続率「10%」に対応する値は無しとなっている。そして、上記した継続率用の乱数カウンタの値が取得され、その取得された値に応じてARTの新たな継続率が選択される。
通常状態中抽選テーブル格納エリア152hには、同種BB、異種BB、RB、スイカ、チェリー、ベル、リプレイ、特殊リプレイA、特殊リプレイB、特殊ベル、押し順リプレイの当選役を抽選する通常時抽選テーブルが格納されている。図13(a)に示すように、通常状態中抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選役がそれぞれ一義的に対応付けられると共に、その当選役に対応する当選確率に応じたポイント値PVが設定されている。具体的には、IV=1には「7 7 7」の入賞態様となる同種BB(1)が対応付けられ、IV=2には「青年 青年 青年」の入賞態様となる同種BB(2)が対応付けられ、IV=3には「7 7 青年」の入賞態様となる異種BB(1)が対応付けられ、IV=4には「青年 青年 7」の入賞態様となる異種BB(2)が対応付けられ、IV=5には「7 青年 7」の入賞態様となるRB(1)が対応付けられ、IV=6には「青年 7 青年」の入賞態様となるRB(2)が対応付けられ、IV=7にはスイカが対応付けられ、IV=8にはチェリーが対応付けられ、IV=9にはベルが対応付けられ、IV=10にはリプレイが対応付けられ、IV=11には特殊リプレイAが対応付けられ、IV=12には特殊利プリエBが対応付けられ、IV=13には特殊ベルが対応付けられ、IV=14には押し順リプレイが対応付けられている。
また、IV=1,2(同種BB(1),(2))にはPV=64がそれぞれ対応付けられ、IV=3,4(異種BB(1),(2))にはPV=128がそれぞれ対応付けられ、IV=5,6(RB(1),(2))にはPV=128がそれぞれ対応付けられ、IV=7(スイカ)にはPV=1024が対応付けられ、IV=8(チェリー)にはPV=1024が対応付けられ、IV=9(ベル)にはPV=8192が対応付けられ、IV=10(リプレイ)にはPV=8192が対応付けられ、IV=11(特殊リプレイA)にはPV=256が対応付けられ、IV=12(特殊リプレイB)にはPV=64が対応付けられ、IV=13(特殊ベル)にはPV=0が対応付けられ、IV=14(押し順リプレイ)にはPV=0が対応付けされている。
なお、図13(a)において、一部のみ括弧書きで記載したが、RTに対応するRT中抽選テーブルは、通常状態中抽選テーブルに対してリプレイと押し順リプレイのPV値が異なるように構成され、具体的には、IV=10(リプレイ)にPV=49152が対応付けされ、IV=14(押し順リプレイ)にPV=8192が対応付けされている。また、ARTに対応するART中抽選テーブルは、通常状態中抽選テーブルに対してリプレイのPV値が異なるように構成され、具体的には、IV=10(リプレイ)にPV=49152が対応付けされている。
ボーナス中抽選テーブル格納エリア152iには、同種BB、異種BB、RB、スイカ、チェリー、ベル、リプレイ、特殊リプレイA、特殊リプレイB、特殊ベル、押し順リプレイの当選役を抽選するボーナス中抽選テーブルが格納されている。また、ボーナス中抽選テーブルのIV値と当選役とは、通常状態中抽選テーブルと同様なので、説明を省略する。
ボーナス中抽選テーブルでは、IV=1,2(同種BB(1),(2))にPV=32がそれぞれ対応付けられ、IV=3,4(異種BB(1),(2))にはPV=64がそれぞれ対応付けられ、IV=5,6(RB(1),(2))にはPV=128がそれぞれ対応付けられ、IV=7(スイカ)にはPV=1024が対応付けられ、IV=8(チェリー)にはPV=1024が対応付けられ、IV=9(ベル)にはPV=49152が対応付けられ、IV=10(リプレイ)にはPV=0が対応付けられ、IV=11(特殊リプレイA)にはPV=0が対応付けられ、IV=12(特殊リプレイB)にはPV=0が対応付けられ、IV=13(特殊ベル)にはPV=2048が対応付けられ、IV=14(押し順リプレイ)にはPV=0が対応付けされている。
ここで、通常状態中またはボーナス中抽選テーブルを用いて当選役を抽選する方法について簡単に説明する。スタートレバー71が遊技者に操作されると、MPU151に設けられるフリーランカウンタ(図示せず)の乱数の値がラッチされてRAM153の所定エリアに格納される。次に、IV=1(同種BB(1))に対応付けられたポイント値PVの値(図13(a)に示す抽選テーブルでは64)をラッチされた乱数の値に加算し、それを判定値DVとする(図23のS704の処理)。そして、その判定値DVが65535よりも大きい値であった場合(図23のS705の処理がYesとなった場合)、同種BB(1)の当選と判別される。つまり、図13(a)に示す通常状態中抽選テーブルを用いて抽選を行った場合、ラッチされた乱数の値が65472〜65535の範囲にあるときに、同種BB(1)が当選役として判定される。よって、その当選確率は、図6に示すように1024分の1に設定される。
一方、判定値DVが65535以下である場合(図23のS705の処理がNoとなった場合)は、インデックス値IVを1繰り上げ(図23のS707の処理)、繰り上げ後のインデックス値IVの値に対応するポイント値PVの値を判定値DVに加算して、判定値DVを更新する(図23のS704の処理)。そして、その更新後の判定値DVが65535よりも大きい値であった場合、繰り上げ後のインデックス値IVに対応付けされた役を当選役として判別し、65535以下であった場合は、さらにインデックス値IVを1繰り上げて、判定値DVの更新(繰り上げ後のIVに対応するポイント値PVの加算)と、更新後の判定値DVの判定(判定値DVが65535より大きいか否か)とを、判定役がなくなるまで(IVが最大値を超えるまで)繰り返し行う(図23のS704〜S708の処理)。これにより、図13(a)に示す通常状態中抽選テーブルを用いて抽選を行った場合、ラッチされた乱数の値が65406〜65471の範囲にあるときに同種BB(2)と判別され、ラッチされた乱数の値が65278〜65405の範囲にあるときに異種BB(1)と判別され、ラッチされた乱数の値が65406〜65150の範囲にあるときに異種BB(2)と判別され、ラッチされた乱数の値が65278〜65405の範囲にあるときにRB(1)と判別され、ラッチされた乱数の値が65150〜65277の範囲にあるときにRB(2)と判別され、ラッチされた乱数の値が64126〜65149の範囲にあるときにスイカと判別され、ラッチされた乱数の値が63102〜64125の範囲にあるときにチェリーと判別され、ラッチされた乱数の値が54910〜63101の範囲にあるときにベルと判別され、ラッチされた乱数の値が46718〜54909の範囲にあるときにリプレイと判別され、ラッチされた乱数の値が46462〜46717の範囲にあるときに特殊リプレイAと判別され、ラッチされた乱数の値が46398〜46461の範囲にあるときに特殊リプレイBと判別され、ラッチされた乱数の値が0〜46397の範囲にあるときにハズレと判別される。
また、IV=13(特殊ベル)とIV=14(押し順リプレイ)とに対応するポイント値PVの値が0に設定されているので、この値を用いて判定値DVを更新しても、更新前と更新後とでその値は変わらない。そして、判定値DVに対して、IV=13、IV=14に対応するポイント値PVの加算が行われるときは、判定値DVが65535以下であるので、IV=13およびIV=14の時に更新後の判定値の判定を行っても、65535よりも大きいと判定されることはない。よって、IV=13(特殊ベル)とIV=14(押し順リプレイ)とに対応するポイント値PVの値を0に設定することにより、特殊ベルおよび押し順リプレイは当選役として選択されないようになっている。
このように、フリーランカウンタの乱数の値0〜65535の値のうち、各種当選役に対応するPV値が振り分けられることで、図6に示す当選確率が設定されている。なお、ボーナス中抽選テーブル、図示しないRT中およびART中抽選テーブルについての乱数の振り分けは、当選確率に応じて振り分けられており、その振り分け方法は通常状態中抽選テーブルと同様なので、説明は省略する。
図7に戻って説明する。RAM153は、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリであり、データを一時的に記憶する作業エリアや表示制御装置111に対して送信するコマンドを記憶する送信コマンド記憶エリア等が設けられている。送信コマンド記憶エリアは、本実施形態では、公知のリングバッファ形式に構成されている。この送信コマンド記憶エリアに記憶されるコマンドは、タイマ割込み処理(図18参照)のS210の処理が実行されると、記憶された順番に読み出され、表示制御装置111に送信される。
また、RAM153は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置161からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、バックアップエリアが設けられている。バックアップエリアは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ122(図2参照)の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ122の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電時処理(図19参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図20参照)において実行される。なお、MPU151のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路161bからの停電信号が入力されるように構成されており、停電等の発生に伴う停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
更にRAM153には、停電フラグ153a、当選フラグ153b、ARTフラグ153c、回数カウンタ153d、ART継続フラグ153e、ストックカウンタ153f、高確フラグ153g及び継続率記憶エリア153hが設けられている。
停電フラグ153dは、停電が発生したか否かを示すフラグであり、停電発生時に実行されるNMI割込み処理(図17参照)のS102の処理でオンされると共に、停電発生後の初回に実行されるメイン処理(図20参照)のS413の処理でオフされる。
当選フラグ153bは、抽選により役が当選したか否かを示すフラグであり、同種BB(1)、同種BB(2)、異種BB(1)、異種BB(2)、RB(1)、RB(2)、スイカ、チェリー、ベル、リプレイ、特殊リプレイA、特殊リプレイB、特殊ベル、押し順リプレイのそれぞれに対応するフラグが設けられている。即ち、当選フラグ153bのうち、どの当選役に対応するフラグがオンしているかに応じて、当選役を判別することができる。当選フラグ153bは、スタートレバー71が操作されて遊技が開始された場合に実行される抽選処理(図23参照)のS706の処理で、当選役に対応するフラグがオンされ、リール42L,42M,42Rの駆動を制御するリール制御処理(図27参照)において全リールL42,M42,42Rが停止した場合に実行される払出判定処理(S1118)の中でオフされる。
ARTフラグ153cは、ARTに当選したか否かを示すフラグであり、リール42L,42M,42Rの駆動を制御するリール制御処理(図27参照)において全リールL42,M42,42Rが停止した場合の入賞態様が押し順リプレイであった場合に、S1116の処理でオンされ、ARTが実行されるART処理(図22参照)においてARTの終了が判別された場合にS613の処理でオフされる。
回数カウンタ153dは、ARTが開始されてからのゲーム数をカウントするカウンタであり、ARTが実行されるART処理(図22参照)において1ゲームが行われる毎にS602の処理で1が加算され、ゲーム数がART1セット分の50ゲームに達した場合にS615の処理でリセット(値0がセット)される。
ART継続フラグ153eは、1のARTが終了した後に、新たなARTを連続して実行するか否かを示すフラグであり、ART処理(図22参照)においてART継続率抽選テーブルによる抽選結果が当選であった場合にS607の処理でオンされ、ゲーム数がART1セット分の50ゲームに達した場合にS614の処理でオフされる。
ストックカウンタ153fは、未実行のART数をカウントするカウンタであり、ART判定処理(図26)においてARTストック抽選に当選しそのARTストック数抽選の抽選結果に対応する値がS1009、S1016、S1028の処理でそれぞれ加算され、新たなARTがストックに基づいて継続される場合に、ART処理(図22参照)のS612の処理で減算される。
高確フラグ153gは、スロットマシン10の状態が高確状態か低確状態かを示すフラグであり、オンされている場合が高確状態であり、オフされている場合が低確状態である。高確フラグ153gは、低確状態に滞在している場合のボーナス(同種BB、異種BB、RB)当選時および小役当選(スイカ、チェリー、特殊リプレイA、特殊リプレイB)時に高確状態への移行抽選がなされ、その移行抽選に当選した場合に、高低確設定処理(図25参照)のS908の処理でオンされる。一方、高確状態に滞在している場合の小役(ベル、リプレイ)当選またはハズレとなった場合に低確状態への移行抽選がなされ、その移行抽選に当選(転落抽選に当選)した場合に、高低確設定処理のS904の処理でオフされる。
継続率記憶エリア153hは、ART継続率抽選によって選択された継続率、又は、ART継続率アップ抽選によって選択された継続率に対応する値が記憶されるエリアであり、本実施形態では、「90%」、「80%」、「50%」、「10%」を区別可能な値が記憶されている。継続率記憶エリア153hは、ART判定処理(図26参照)において、通常状態中にボーナスに当選し、且つ、ボーナス当選に基づくART抽選に当選した場合にART継続率抽選で選択された継続率に対応する値がS1011の処理で記憶される。また、ART判定処理において、ART中にボーナスに当選した場合のART継続率アップ抽選で選択された継続率に対応する値がS1006の処理で記憶される。また、継続率記憶エリア153hに記憶される継続率は、新たなARTが開始された場合に読み出されて、読み出された継続率に応じたART継続抽選が行われる(図22のS605参照)。
次に、図8を参照して、スロットマシン10の表示制御装置111の電気的構成について説明する。なお、図8の説明において、図7のスロットマシン10の電気的構成で説明した部分については、その詳細な説明を省略する。
図8に示すように、表示制御装置111は、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための制御装置であり、演算処理手段であるMPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。
MPU181には、主制御装置131から送信されるコマンド等の制御信号をラッチする信号ラッチ回路182と、クロック回路183から1msec毎に発生されるクロック信号をラッチするラッチ回路184と、MPU181によって実行される各種の制御プログラムや上部ランプ13等を駆動させるための固定値データを記憶したROM185と、このROM185内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM186が接続されている。なお、上述したROM185やRAM186、信号ラッチ回路182やクロック回路183等がMPUに内蔵された1チップマイコンを使用してもよい。
また、MPU181には、入出力ポート187を介して電源装置161及び、扉開放センサ26、上部ランプ13、スピーカ14、補助表示部15が接続されている。MPU181は、主制御装置131から送信される各種コマンドに基づいて各種の制御処理を行い、入出力ポート187を介して、上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15の駆動制御を実行する。以下では、上部ランプ13、スピーカ14、補助表示部15を総称して補助演出部とも言う。
ROM185には、継続時演出テーブル格納エリア185aと、非継続時演出テーブル格納エリア185bとが設けられている。継続時演出テーブル格納エリア185aには、ART中に補助表示部15の液晶画面上で行われる演出であって、新たなARTが継続する場合のART継続演出の実行時に参照される継続時演出テーブルが格納され、非継続時演出テーブル格納エリア185bには、新たなARTが継続しない場合のART継続演出の実行時に参照される非継続時演出テーブルが格納されている。
ここで、図14を参照して、継続時演出テーブル及び非継続時演出テーブルについて説明する。図14は、継続時演出テーブル及び非継続時演出テーブルを模式的に示した図である。なお、ART継続演出は、詳細は後述するが、格闘家Aと格闘家Bとが試合を行う演出であり、攻撃する人には格闘家A、格闘家Bの2種類があり、攻撃の種別にはパンチ、キック、必殺技の3種類があり、攻撃の強さには、攻撃された相手がかわす、耐える、吹っ飛ぶの3種類があり、格闘家A,Bの一方が攻撃をして攻撃を受けた格闘家が倒れることで、攻撃をした格闘家の勝利が確定する。そして、格闘家Aは、仮想的に遊技者を表しており、格闘家Bは、仮想的に対戦相手を表しており、格闘家Aが勝利することでARTの継続が確定する。また、ART継続演出は、ARTが継続する場合には、攻撃する人として格闘家Bより格闘家Aの方が選択され易く、格闘家Aが攻撃する場合の攻撃の種別としてパンチ<キック<必殺技の順に選択され易く、格闘家Aが攻撃した場合の攻撃の強さとしてかわす<耐える<吹っ飛ぶの順に選択され易く構成されている。一方で、ARTが継続しない場合には、攻撃する人として格闘家Aより格闘家Bの方が選択され易く、格闘家Bが攻撃する場合の攻撃の種別としてパンチ<キック<必殺技の順に選択され易く、格闘家Bが攻撃した場合の攻撃の強さとしてかわす<耐える<吹っ飛ぶの順に選択され易く構成されている。よって、格闘家Aが攻撃した場合には、格闘家Aが試合に勝利してARTが継続する可能性が高くなるし、格闘家Bが攻撃した場合には、格闘家Aが試合に負けてARTが終了する可能性が高くなる。従って、遊技者は、格闘家Aが攻撃する演出が行われるとART継続への期待を持つことができ、更に、格闘家Aの攻撃の種別がパンチ<キック<必殺技の順にART継続への期待を持つことができ、攻撃を受けた格闘家Bの状態がかわす<耐える<吹っ飛ぶの順にART継続の期待を持つことができる。反対に、格闘家Bが攻撃する演出が行われるとARTが終了する危機感を持ち、更に、格闘家Bの攻撃の種別がパンチ<キック<必殺技の順にARTが終了する危機感が高くなり、攻撃を受けた格闘家Aの状態がかわす<耐える<吹っ飛ぶの順にARTが終了する危機感が高くなる。
なお、ARTが継続する場合には、格闘家Bが倒れて格闘家Aが勝利する演出となるので、格闘家Aが攻撃をして格闘家Bがかわす動作をしても、その攻撃が掠っており格闘家Bが倒れる演出が行われ、格闘家Bが耐える動作をしても、その後倒れる演出が行われ、格闘家Bが吹っ飛ぶ動作をしたら、その後倒れる演出が行われる。一方、ARTが継続する場合に格闘家Bが攻撃する演出が行われると、格闘家Aがかわす動作、耐える動作、吹っ飛ぶ動作をした後に、反撃をして格闘家Bが倒れる演出が行われる。反対に、ARTが継続しない(終了する)場合には、格闘家Aが倒れて格闘家Bが勝利する演出となるので、格闘家Bが攻撃をして格闘家Aがかわす動作をしても、その攻撃が掠っており格闘家Aが倒れる演出が行われ、格闘家Aが耐える動作をしても、その後倒れる演出が行われ、格闘家Aが吹っ飛ぶ動作をしたらその後倒れる演出が行われる一方、格闘家Aが攻撃する演出が行われた場合には、格闘家Bがかわす動作、耐える動作、吹っ飛ぶ動作をした後に、反撃をして格闘家Aが倒れる演出が行われる。
図14(a)に示すように、継続時演出テーブルは、ARTが継続する場合に参照されるテーブルであり、そのため、遊技者にART継続への期待感を与えるために、攻撃する人として遊技者に対応する格闘家Aの選択される確率が高く設定されている。具体的には、攻撃する人として格闘家Aは70%の確率で選択され、攻撃する人として格闘家Bは30%の確率で選択される。また、攻撃する人として格闘家Aが選択された場合には、攻撃の種別としてパンチが20%、キックが30%、必殺技が50%の確率で選択され、格闘家Aが勝利し易く期待度が高くなる必殺技が最も選択され易く設定されている。
また、攻撃する人として格闘家Aが選択されると共に攻撃の種別として必殺技が選択された場合には、攻撃の強さとして格闘家Bが吹っ飛ぶ演出が70%の確率で選択され、格闘家Bが耐える演出が20%の確率で選択され、格闘家Bがかわす演出が10%の確率で選択される。また、攻撃する人として格闘家Aが選択されると共に攻撃の種別としてキックが選択された場合には、攻撃の強さとして格闘家Bが吹っ飛ぶ演出が34%の確率で選択され、格闘家Bが耐える演出が33%の確率で選択され、格闘家Bがかわす演出が33%の確率で選択される。また、攻撃する人として格闘家Aが選択されると共に攻撃の種別としてパンチが選択された場合には、攻撃の強さとして格闘家Bが吹っ飛ぶ演出が10%の確率で選択され、格闘家Bが耐える演出が20%の確率で選択され、格闘家Bがかわす演出が70%の確率で選択される。
一方で、攻撃する人として格闘家Bが選択された場合には、攻撃の種別としてパンチが50%、キックが30%、必殺技が20%の確率で選択される。攻撃する人として格闘家Bが選択されると共に攻撃の種別として必殺技が選択された場合には、攻撃の強さとして格闘家Aが吹っ飛ぶ演出が25%の確率で選択され、格闘家Aが耐える演出が35%の確率で選択され、格闘家Aがかわす演出が40%の確率で選択される。また、攻撃する人として格闘家Bが選択されると共に攻撃の種別としてキックが選択された場合には、攻撃の強さとして格闘家Aが吹っ飛ぶ演出が20%の確率で選択され、格闘家Aが耐える演出が30%の確率で選択され、格闘家Aがかわす演出が50%の確率で選択される。また、攻撃する人として格闘家Bが選択されると共に攻撃の種別としてパンチが選択された場合には、攻撃の強さとして格闘家Aが吹っ飛ぶ演出が10%の確率で選択され、格闘家Aが耐える演出が20%の確率で選択され、格闘家Aがかわす演出が70%の確率で選択される。
即ち、継続時演出テーブルが参照される場合には、新たなARTが継続して開始されるので、攻撃する人として遊技者に対応する格闘家Aが選択され易く、攻撃する人として格闘家Aが選択された場合の攻撃の種別として必殺技が選択され易く、攻撃する人として格闘家Aが選択された場合の攻撃の強さとして吹っ飛ぶが選択され易く、格闘家Aが勝利し易い演出が選択され易くなっている。また、新たなARTが継続して開始される場合に、攻撃する人として格闘家Bが選択されても、攻撃の種別としてパンチが選択され易く、攻撃の強さとしてかわすが選択され易く、格闘家Aが倒れ難く反撃し易い演出が選択され易くなっている。
なお、図14(b)に示す非継続時演出テーブルは、その詳細な説明は省略するが、新たなARTが継続しない場合に参照されるので、継続時演出テーブルに比較して、攻撃する人として対戦相手に対応する格闘家Bが選択され易く、攻撃する人として格闘家Bが選択された場合の攻撃の種別として必殺技が選択され易く、攻撃する人として格闘家Bが選択された場合の攻撃の強さとして吹っ飛ぶが選択され易く、格闘家Bが勝利し易い演出が選択され易くなっている。また、新たなARTが継続しない場合に、攻撃する人として格闘家Aが選択されても、攻撃の種別としてパンチが選択され易く、攻撃の強さとしてかわすが選択され易く、格闘家Bが倒れ難く反撃し易い演出が選択され易くなっている。
よって、ART継続演出は、新たなARTが継続して行われるか否かに応じて演出内容が異なり、新たなARTが継続する場合には格闘家Aが優勢な試合内容の演出が選択され易く、新たなARTが継続しない場合には格闘家Bが優勢な試合内容の演出が選択され易くなるので、ARTが継続するか否かを遊技者に推測させ易い遊技性を提供できる。
また、後述するが、ART継続演出は、継続率に基づくART抽選によるARTの継続、小役当選に基づくART抽選によるARTの継続、ストックによるARTの継続のそれぞれについて示唆演出が行われ、その各示唆演出において継続時又は非継続時演出テーブルが参照されて、攻撃する人(格闘家A,B)、攻撃の種別(パンチ、キック、必殺技)、攻撃の強さ(かわす、耐える、吹っ飛ぶ)が選択される。即ち、遊技者は、継続率によってARTが継続するか否かの結果、小役当選によってARTが継続するか否かの結果、ストックによってARTが継続するか否かの結果を、それぞれの示唆演出により推測できる。よって、遊技者は、示唆演出(格闘家A,Bの攻防)の内容から継続率によってARTが継続したか、小役当選によってARTが継続したか、ストックによってARTが継続したかを把握できる。また、小役当選によってARTが継続することを把握できれば、その小役当選によって複数のストック数が増加し、次のARTの後もARTが継続することを遊技者に期待させることができるし、小役当選によるART継続の把握とストックによるART継続の把握とから、残りのストックはあと何個になったかを遊技者に推測させることができる。従って、ART継続演出は、複数の条件に基づいたART継続の示唆演出が複数の条件に対してそれぞれで行われ、ARTが継続する場合の条件を遊技者に推測させることができるので、ART継続演出に遊技者を注視させることができ、ART継続への期待感を遊技者に与える機会を増やすことができる。
ここで、従来のスロットマシンには、本実施形態と同様に、継続率によるARTの継続、小役当選によるARTの継続、ストックによるARTの継続の複数の条件によってARTが継続し、複数回に亘ってARTが連続して実行される遊技性を有するものもある。しかしながら、従来のスロットマシンでは、新たなARTが継続して開始されるか否かの示唆演出が行われなかったり、示唆演出が行われても、今回のARTの終了時(又は終了後)に「継続」などの文字を表示して新たなARTが継続することを示唆するものであった。そのため、遊技者は、継続率、小役当選、ストックのどの条件によりARTが継続したか否かを推測できず、今回のARTで終了してしまうかもという不安感をART中常に抱くことになってしまう。更に、継続率、小役当選、ストックのどの条件によりARTが継続したか否かを推測できないので、ART中の遊技が単調となり、そのART中の遊技に対して飽きてしまうという問題も生じる。
また、従来のスロットマシンにおいて、ART中の小役当選時などに通常とは異なる演出を行って、遊技者にART抽選が行われた可能性を示唆する演出を行うものも知られている。この従来のスロットマシンでは、小役当選時に通常とは異なる演出を行ったとしても、継続率によるARTの継続か、小役当選によるARTの継続か、ストックによるARTの継続かを推測することはできない。その結果、遊技者は、ART中に常に不安感を持って遊技をしなければならないし、ART中の遊技に対して飽きてしまうという問題が生じる。
本実施形態のスロットマシン10では、ART継続演出において、継続率によるARTの継続、小役当選によるARTの継続、ストックによるARTの継続のそれぞれについて示唆演出が行われ、どの条件によりARTが継続したか否かを遊技者に推測させることができるので、ARTの継続が確定した時点で遊技者に安心感を与えて遊技を実行させることができる。また、遊技者は、どの条件によりARTが継続するか否かを把握できるので、継続率によるARTの継続が確定した場合に、ART抽選を行う小役に当選した回数を数えておけば、小役当選によるARTのストック数の増加分を推測できるし、ARTが実際に継続する回数と継続率によるARTの継続が確定した回数とから継続率も推測できるし、ストックによるARTの継続が確定すれば、どの程度ストックが溜まっているかを推測する遊技性を提供できる。よって、ART中の遊技に遊技者を注目させることができるので、ART中の遊技に対して遊技者が飽きてしまうことを抑制でき、興趣の向上を図ることができる。
更に言えば、スロットマシン10の設定によってART抽選の当選確率も異なるので、ART中の小役の当選回数と、小役当選によってARTが継続した回数とからスロットマシン10の設定を推測可能な遊技性も提供できる。
図8に戻って説明する。RAM186には、コマンド記憶エリア186a、割込タイマカウンタ186b、回数カウンタ186c、継続率継続フラグ186d、小役継続フラグ186e、ストック継続フラグ186f、押し順演出フラグ186g、押し順フラグ186h、高確フラグ186i、ストック期待演出フラグ186j、ボーナス図柄当選フラグ186k、及び、ART開始フラグ186lが記憶されるエリアが設けられている。
コマンド記録エリア186aは、主制御装置131から送信される各種コマンドを一時的に記憶するエリアであり、コマンド割込み処理(図29参照)において主制御装置131からのコマンドを受信する毎にS2105の処理で受信したコマンドを記憶し、その記憶したコマンドは、受信コマンドチェック処理(図33参照)のS2601の処理で最古のものから取得される。コマンド記録エリア186aは、本実施形態では、公知のリングバッファ形式に構成されている。
割込タイマカウンタ186bは、駆動データ出力処理を実行するタイミングを設定するカウンタであり、所定間隔毎に実行される表示タイマ割込み処理(図28参照)のS2002の処理で1加算され、その1加算された後に実行される駆動データ出力処理(図31参照)のS2309の処理においてクリア(値0がセット)される。即ち、駆動データ出力処理は、割込タイマカウンタ186bの値が表示タイマ割込み処理で1加算され、その後に実行される駆動データ出力処理でリセットされるので、所定間隔毎に実行されることになる。
回数カウンタ186cは、ARTが開始されてからのゲーム数をカウントするカウンタであり、受信コマンドチェック処理(図33参照)において回数コマンドを受信したと判別された場合に、S2611の処理で回数コマンドにより示される値に書き換えられる。回数コマンドは、主制御装置131において、ARTのゲーム数が加算される毎に、及び、ARTが1セットのゲーム数に達しリセットされた場合に送信されるので、主制御装置131と表示制御装置111とで実行されているARTのゲーム数に誤差が生じることを防止できる。
継続率継続フラグ186d、小役継続フラグ186e及びストック継続フラグ186fは、新たなARTがどの条件に基づいて継続したか否かをそれぞれ示すフラグであり、継続率継続フラグ186dは、ART継続率抽選によりARTが継続するか否かを示し、小役継続フラグ186eは、小役当選に基づくART抽選によりARTが継続するか否かを示し、ストック継続フラグ186fは、ARTのストックによりARTが継続するか否かを示すものである。各継続フラグ186d〜186fは、受信コマンドチェック処理(図33参照)において継続コマンドを受信したと判別されると(S2603:Yes)、S2612及びS2613の処理で継続率か小役かストックかが判別され、S2614〜S2616の処理で対応するフラグがオンされる。一方、液晶設定処理(図32参照)においてART1セット分の50ゲームが終了し確定演出が終了した場合に、S2533の処理で全ての継続フラグ186d〜186fがオフされる。なお、本実施形態では、ART中にもボーナスに当選し、ボーナスゲームに移行する場合があるので、図示しないが、ボーナスが発生した時点でもオフされるように構成されている。例えば、図32のS2504がYesとなった場合に、各継続フラグ186d〜186fをオフする処理を追加することで実現できる。
押し順演出フラグ186gは、RT中に発生する押し順演出を行うか否かを示すフラグであり、受信コマンドチェック処理(図33参照)において押し順コマンドを受信したと判別された場合に(S2604:Yes)S2617の処理でオンされ、液晶設定処理(図32参照)において押し順演出が終了したと判別された場合に(S2515:Yes)S2516の処理でオフされる。
押し順フラグ186hは、押し順演出においてストップスイッチ72〜74の押し順を報知するか否かを示すフラグであり、受信コマンドチェック処理(図33参照)において押し順コマンドを受信したと判別され(S2604:Yes)、その受信した押し順コマンドによる指示が押し順有りか否かを確認(S2618)した結果に基づいて、S2619又はS2620の処理でオン又はオフされる。
高確フラグ186iは、スロットマシン10の遊技状態が高確状態か低確状態かを示すフラグであり、オンされている場合が高確状態であり、オフされている場合が低確状態である。高確フラグ186iは、受信コマンドチェック処理(図33参照)において、状態コマンドを受信したと判別され(S2605:Yes)、その受信した状態コマンドによる指示が高確か否かを確認(S2621)した結果に基づいて、S2622又はS2623の処理でオン又はオフされる。
ストック期待演出フラグ186jは、ボーナス中にストック期待演出を行うか否かを示すフラグであり、受信コマンドチェック処理(図33参照)においてストック期待演出コマンドを受信したと判別された場合に(S2606:Yes)S2624の処理でオンされ、液晶設定処理(図32参照)においてストック期待演出が終了したと判別された場合に(S2543:Yes)S2544の処理でオフされる。
ボーナス図柄当選フラグ186kは、ストック期待演出においてボーナス図柄が停止する可能性を示唆する演出を行うか否かを示すフラグであり、受信コマンドチェック処理(図33参照)においてストック期待演出コマンドを受信したと判別され(S2606:Yes)、その受信したストック期待演出コマンドによる指示がボーナス図柄に当選しているか否かを確認(S2625)した結果に基づいて、S2626又はS2627の処理でオン又はオフされる。
ART開始フラグ186lは、ARTが開始されたか否かを示すフラグであり、受信コマンドチェック処理(図33参照)においてART開始コマンドを受信した場合に(S2607:Yes)S2628の処理でオンされ、液晶設定処理(図32参照)においてART1セット分の50ゲームが終了し確定演出が終了した場合に、S2533の処理でオフされる。
なお、図7及び図8を参照して説明したように、本実施形態では、主制御装置131において各種ボーナスや小役の抽選、各リール42L,42M,42Rの駆動制御、ARTの抽選、ARTの継続抽選などの主な制御を行うように構成したが、各種ボーナスや小役の抽選および各リール42L,42M,42Rの駆動制御以外の制御(ARTの抽選、ARTの継続抽選等の制御)を、表示制御装置111又は他の制御装置(図示せず)で行うように構成しても良い。この場合には、主制御装置131のROM152に設けられる各種テーブル152a〜152gを、表示制御装置111又は他の制御装置に設け、その表示制御装置111又は他の制御装置で、ARTの抽選やARTの継続抽選の制御を行う。
続いて、図15を参照して、スロットマシン10で行われる遊技状態の変化、特に、ART抽選が行われるタイミングなどについて説明する。図15は、スロットマシン10において行われる遊技の状態変化を概略的に示した図である。図15(a)は、通常状態からボーナス発生までの変化を示し、図15(b)は、ボーナス中及びART中の変化を示し、図15(c)は、RT中の変化を示し、図15(d)は、ART中に実行されるART継続演出の変化を示している。
図15(a)に示すように、t0〜t1の間は、スロットマシン10の遊技状態が通常状態中で且つ低確状態となっており、t1の時点で高確状態へ移行する可能性のある特定の小役が当選している。t1では、特定の小役に基づいた高確状態への移行抽選が行われる。ここで、特定の小役とは、高確状態へ移行する可能性のある当選役のうち、ボーナス図柄(同種BB、異種BB、RB)以外のスイカ、チェリー、特殊リプレイA及び特殊リプレイBが該当する。図15(a)では、t1の高確状態への移行抽選が当選しており、t1以降が高確状態に移行している。勿論、t1で高確状態への移行抽選が未当選であれば、低確状態が継続される。
t1〜t2の間は、スロットマシン10の遊技状態が通常状態中で且つ高確状態となっており、t2の時点で低確状態へ移行する可能性のある特定の小役であるベル又はリプレイが当選するかハズレになると、低確状態への移行抽選が行われる。図15(a)では、t2の低確状態への移行抽選が当選(転落に当選)しており、t2以降が低確状態に移行している。勿論、t2で低確状態への移行抽選が未当選であれば、高確状態が継続される。
t3では、同種BB、異種BB、RBのいずれかのボーナスが当選し、この際、ART抽選テーブルを参照してART抽選が行われる。この状態では、低確状態なので、低確時ART抽選テーブルを参照してART抽選が行われる。また、ART抽選が当選した場合には、ARTストック数抽選テーブルを参照してARTのストック数を抽選すると共に、ART継続率抽選テーブルを参照してARTの継続率も抽選する。
また、t3の状態では、ボーナス当選に基づく高確移行抽選も行われる。t3における高確移行抽選に当選した場合には、ART抽選を高確状態の各種テーブルを参照して抽選すると共に、ボーナス中も高確状態の各種テーブルを参照して抽選を行う。なお、t3で高確移行抽選に当選した場合に、ボーナスゲームの終了後に高確状態へ移行するように構成し、ART抽選およびボーナス中の抽選は低確状態の各種テーブルを参照するように構成しても良いし、ART抽選は低確状態のテーブルを参照してボーナス中は高確状態の各種テーブルを参照するように構成しても良い。
t4では、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作してボーナス図柄が有効ライン上に停止し、t4以降でボーナスゲームが開始される。なお、本実施形態では、ボーナスが当選した場合に(t3)、ART抽選を行うように構成したが、ボーナス図柄が有効ライン上に停止して入賞した場合にART抽選等を行うように構成しても良い。ボーナス図柄が有効ライン上に停止して入賞した場合にART抽選が行われることを遊技者が認識していれば、遊技者のストップスイッチ72〜74の操作に基づいてARTの抽選結果が異なるので、ボーナス図柄を有効ライン上に停止させる場合のドキドキ感を遊技者に与えることができる。
図15(b)に示すように、t10以降はボーナスゲームが行われるボーナス中であり、高確率でベルが入賞し得る状態である。t11では、特殊ベルが当選しており、この際、補助表示部15の液晶画面上でストック期待演出が実行される。このストック期待演出は、図示は省略するが、例えば、画面をフラッシュさせたり、青年図柄のキャラクタのアップ画像が表示されたり、逆押し(所謂、右リール42R、中リール42M、左リール42Lの順で停止させる押し順)を示唆する表示をしたり、チャンスの表示をしたりして、遊技者に、ボーナス図柄が有効ライン上に停止する可能性があることを示唆し、各リール42L,42M,42Rで停止させるべきボーナス図柄(7図柄か青年図柄)を示唆する表示も行われる演出である。しかしながら、t11では、特殊ベルが当選しているので、ボーナス図柄を停止させようとしても、特殊ベル(「7又は青年 ベル ベル」)が停止する。
次に、t12では、ボーナス(同種BB、異種BB、RB)または特定小役(スイカ、チェリー)が当選している。これらの当選役はART抽選の対応役となっているので、ART抽選が行われると共に、ART抽選に当選した場合にはARTのストック数抽選が行われる。また、ボーナスが当選した場合には、補助表示部15の液晶画面上でストック期待演出が行われ、ボーナス図柄が有効ライン上に停止可能な状態となり、ストック期待演出で行われるボーナス図柄の示唆演出に基づいてストップスイッチ72〜74が操作されると、ボーナス図柄が有効ライン上に停止する。遊技者は、ストップスイッチ72〜74を操作することでボーナス図柄が有効ライン上に停止するので、ART抽選が行われることを認識でき、ART抽選に当選することへの期待感を持つことができる。
なお、t10〜t13の間に、特殊ベルやボーナスが当選しなければ、ストック期待演出は実行されない。しかしながら、スイカやチェリーでもART抽選が行われるので、ボーナスがBBであれば、特殊ベル、ボーナス、スイカ、チェリーの少なくと1回は当選する可能性が高いことから、ボーナス中におけるART抽選に当選することへの期待感が薄れることを抑制できる。
t13では、ボーナスゲームにおけるメダルの払出枚数が規定枚数(BBでは300枚以上、RBでは120枚以上)に達してボーナスゲームが終了し、RTに移行する。即ち、本実施形態のスロットマシン10は、ボーナスゲームが終了すると、必ずRTに移行する遊技性となっている。
t14では、RT中に押し順リプレイが当選し、押し順演出が行われる。この押し順演出は、ARTに当選していたり、ARTに当選していなくてもARTのストックがあれば、ストップスイッチ72〜74の押し順ナビが発生し、遊技者にストップスイッチ72〜74の押し順を認識させることができる。よって、押し順ナビが発生した場合には、遊技者は確実に押し順リプレイを入賞させることができる。
t15では、押し順リプレイが入賞し、ARTの突入条件を満たすことになるので、次ゲームからARTに移行する。ART中に特定小役(スイカ、チェリー、特殊リプレイA、特殊リプレイB)に当選すると(t16)、ボーナス抽選が行われ、ボーナス抽選に当選すれば、t3で説明したように、ボーナス当選時のART抽選、ARTストック数抽選、ART継続率抽選、高確移行抽選等が行われる。なお、図示は省略しているが、ART中にボーナスに当選すると、ART継続率アップ抽選も行われる。一方で、ボーナス抽選に非当選であれば、小役成立に基づくART抽選を行うと共に、ARTに当選した場合にはARTストック数の抽選が行われる。
なお、本実施形態では、ART中にボーナスに当選しても、ART中抽選テーブルが参照されるように構成されている。よって、ART中にボーナスに当選しても高確率でリプレイが入賞するし、抽選結果がハズレとなった場合でもボーナス図柄を外して各リール42L,42M,42Rを停止させることができるので、ARTの1セット(50ゲーム)分の遊技価値を付与可能に構成されている。勿論、ARTの1セットが終了するまで、ボーナス図柄が停止しないように、各リール42L,42M,42Rを制御するように構成しても良い。
t17では、ARTの全50ゲームのうち残り12ゲーム(即ち、39ゲーム目)となったので、t18までの12ゲームの間とARTが終了し次ゲームが開始されるまでの間とでART継続演出が行われる。t18以降は、ART継続に当選していれば新たなARTに移行し、ART継続に非当選であれば通常状態に移行する。
図15(c)に示すように、t20以降はボーナスゲーム終了後に移行するRT中であり、高確率でリプレイが入賞し得る状態である。t21では、RT中に押し順リプレイが当選し、押し順演出が行われる。この場合の押し順演出は、ARTのストックが無い場合なので、押し順ナビが発生しないが、遊技者がカンを頼りにストップスイッチ72〜74を操作し、押し順リプレイの当選時に抽選された押し順と、遊技者が実際に操作した押し順とが一致して押し順リプレイが入賞すると(t22)、t15以降と同様のARTに移行する。一方で、遊技者によるストップスイッチ72〜74の押し順が不一致となり押し順リプレイが非当選になると(t22)、通常状態に移行する。
ここで、RT及びARTの関係について説明する。上述した通り、RTは、高確率でリプレイが当選してリプレイが入賞し易くなる遊技状態であり、ARTは、高確率でリプレイが当選してリプレイが入賞し易く且つ、小役当選した場合にはその小役の押し順ナビを表示して小役が入賞し易くなる遊技状態である。即ち、RT及びART共に、リプレイが高確率で入賞する点は同一であり、ARTは、RTに対して小役の押し順ナビの演出が付加されるものである。本実施形態のスロットマシン10の処理としては、RT中の一部としてARTが実行されるように構成されており、ARTになると、RTに対して小役の押し順ナビの演出が付加される。そして、RTの終了条件としては、規定ゲーム数が終了するか、特定の図柄が有効ライン上に停止した場合となっている。そのため、規定ゲーム数は、ARTが何回継続するか不明であるため、ホールの営業時間中に遊技を行っても到達できないゲーム数(例えば、9999ゲーム)が規定されており、有効ライン上に停止する特定の図柄としては、特定のハズレ目(例えば、中段の有効ラインにリプレイ ベル リプレイなる停止態様)となっている。よって、RT及びART中には、特定のハズレ目が中段の有効ライン上に停止しないように各リール42L,42M,42Rが制御される。また、RT中の押し順演出の実行時に、遊技者によるストップスイッチ72〜74の押し順が、押し順リプレイの当選時に抽選された押し順と不一致であれば、RTを終了するために、特定のハズレ目が中段の有効ライン上に停止するように、各リール42L,42M,42Rが制御される。
また、本実施形態では、ARTが継続する場合、ARTの終了後に新たなARTが連続して実行されるように構成したが、ARTの終了後に再度RTが実行され、そのRTで押し順リプレイが入賞した場合に新たなARTが開始されるように構成しても良い。この場合、RTの終了条件となる既定ゲーム数を100ゲーム程度に設定し、ART後の1ゲーム目に、RTの開始を示唆する演出を行うと共に特定のハズレ目が中段の有効ライン上に停止するように構成する。スロットマシン10の内部では、一旦、RTを終了させて通常状態に戻り、再度、次ゲームからRTが開始され、規定ゲーム数がセットされる。つまり、スロットマシン10の内部的な処理では、ARTの継続は、RTの継続であると言える。また、勿論、スロットマシン10の処理おいて、RTとARTとを異なる遊技状態として認識するように構成しても良い。
図15(d)に示すように、ARTが残り12ゲームになると、最初の3ゲームで準備演出が行われ、その後、9ゲームで、次回のARTが継続するか否かの結果を示す示唆演出が行われる。9ゲームのうち最初の3ゲームは、ARTが継続率によって継続するか否かの結果を示す示唆演出が行われ、次の3ゲームで小役当選によるART抽選によってARTが継続するか否かの結果を示す示唆演出が行われ、最後の3ゲームでARTのストックによってARTが継続するか否かの結果を示す示唆演出が行われる。9ゲームの示唆演出が終了しARTの規定ゲーム数が終了すると、確定演出が行われてARTの終了を示唆する。
なお、継続率によってARTが継続するか否かの結果を示す示唆演出において、遊技者に対応する格闘家Aが勝利すると(即ち、格闘家Bが倒れる演出が行われると)、その後の6ゲームは、格闘家Aが勝利者であることを示唆する演出が行われる。また、継続率によってARTが継続するか否かの結果を示す示唆演出において格闘家Aが倒れる演出が行われ、小役当選によってARTが継続するか否かの結果を示す示唆演出において格闘家Aが勝利する演出が行われた場合には、残りの3ゲームで格闘家Aが勝利者であることを示唆する演出が行われる。即ち、ARTの継続が確定した時点で、それ以降のARTの継続に関する示唆演出は行われないように構成されている。
ここで、図16を参照して、ART中の演出およびART継続演出の一例について説明する。図16は、補助表示部15の液晶画面上でART中に行われる演出の一例を示した図である。図16(a)は、ART中に表示される画像であり、遊技者に対応する格闘家Aがランニングによりトレーニングをしている状態を示している。なお、トレーニングの様子であれば、ランニング以外にも、ジムにより筋力トレーニングする画像であっても良い。
図16(b)は、当選した小役を入賞させるためのアシストとしての押し順と、その対応役とを示唆する演出である。図16(b)では、当選した小役がベルであることを示唆すると共に、その押し順を格闘家Aのパンチの動作で示唆しており、左リール42Lを停止させるためにストップスイッチ72を操作することを示唆している。ART中は、リプレイが高確率で当選するので、リプレイ当選時には、押し順の表示や当選した小役の表示はせずに、図16(a)の演出が継続される。なお、本実施形態では、ベルは押し順に関係なく入賞可能なので、押し順を示唆せずに、対応役のみを表示するように構成しても良い。また、スイカやチェリーに当選した場合には、ベルに代えて、スイカやチェリーの図柄を表示することで対応役を示唆できる。更に、ボーナスに当選、又は、抽選がハズレとなった場合には、丸図柄の中に「?」が印された表示をすることで、ハズレの場合でもボーナスに当選したかもという期待感を遊技者に与えることができる。
図16(c)は、ART継続演出のうちの準備演出中に表示される画像であり、1ゲーム目にはリングの画像を表示し、2ゲーム目に格闘家Aがリングに入場する画像を表示し、3ゲーム目に格闘家Bがリングに入場する画像を表示し、以降のゲームで試合が開始されることを示唆する。
図16(d)〜図16(g)は、準備演出後の9ゲームのうち、各3ゲームで行われる示唆演出を示す画像であり、図16(d)は、各3ゲームのうち1ゲーム目の演出であり、格闘家A,Bのどちらが攻撃を仕掛けるかを示唆する演出である。具体的に、1ゲーム目の演出は、スタートレバー71が操作されると、画面を左右に分割する分割線と、その分割線の左側に赤色の背景の中に位置する格闘家Aと、分割線の右側に青色の背景の中に位置する格闘家Bとが表示される。そして、ストップスイッチ72〜74の最初のスイッチが操作されると、分割線が右側に移動して赤色の領域が多く表示され、格闘家Aが優勢であることを示し、ストップスイッチ72〜74の2個目のスイッチが操作されると、分割線が左側に移動して青色の領域が多く表示され、格闘家Bが優勢であることを示し、ストップスイッチ72〜74の最後のスイッチが操作されると、今回の示唆演出で攻撃する人として設定されている格闘家が画面一杯に表示される。なお、分割線が移動する順序は、ARTが継続するか否かに応じて変更するように構成しても良い。
図16(e)は、2ゲーム目の演出であり、1ゲーム目において決定された格闘家の攻撃の種別としての技が決定され、その決定された技により攻撃を仕掛ける演出である。図16(e)には、攻撃する人として格闘家Aが選択され、攻撃の種別としての技にパンチが選択されたことが示唆されている。なお、図16(e)〜図16(f)の説明では、攻撃する人として格闘家Aが選択され、攻撃の種別としてパンチが選択された場合について説明する。攻撃の種別としての技には、パンチの他に、キックや必殺技などがあり、上述した通り、ARTが継続するか否かに応じて選択率が異なるように設定されている。具体的には、パンチ<キック<必殺技の順にART継続の期待度が高くなる。この演出によって、格闘家Aの攻撃の種別によってARTが継続する可能性を示唆できるし、格闘家Bが攻撃する場合でも攻撃がパンチであれば、ARTが継続する可能性があるかもしれないことを示唆できる。
また、具体的に、2ゲーム目の演出は、スタートレバー71が操作されると、画面の左側に1ゲーム目で決定された格闘家Aが表示され、右上に「攻撃」および「技」の文字が表示される。そして、ストップスイッチ72〜74の最初のスイッチが操作されると、「攻撃」の文字の横に攻撃する格闘家を示す「A」の文字が表示されると共に、「技」の文字の横に「パンチ」、「キック」、「必殺技」の文字が高速に切り替わる表示がなされる。次に、ストップスイッチ72〜74の2個目のスイッチが操作されると、「技」の文字の横に「パンチ」、「キック」、「必殺技」のうちの1の文字が確定表示されると共に、左側の格闘家Aがその技に応じた動作を行う。次に、ストップスイッチ72〜74の最後のスイッチが操作されると、格闘家Aが選択された技で攻撃を仕掛ける演出が行われる。
図16(f)及び図16(e)は、3ゲームの目の演出であり、2ゲーム目において決定された格闘家が、その決定された技により攻撃した場合の結果を示す画像が表示される。具体的に、3ゲーム目の演出は、スタートレバー71が操作されると、選択された格闘家Aが仕掛けた攻撃が格闘家Bに当たる寸前までが表示される。そして、ストップスイッチ72〜74の最初のスイッチが操作されると、攻撃の強さとして耐える及び吹っ飛ぶが選択されている場合には、パンチ、キック、必殺技が格闘家Bに決まり格闘家Bが耐えたり、吹っ飛ぶ演出が行われ、攻撃の強さとしてかわすが選択されている場合には、パンチ、キック、必殺技の攻撃を格闘家Bがかわす演出が行われる。次に、ストップスイッチ72〜74の2個目のスイッチが操作されると、攻撃の強さとして耐える及び吹っ飛ぶが選択されている場合には、格闘家Bがふらついた状態で復活するか倒れるかを示唆する演出が行われ、攻撃の強さとしてかわすが選択されている場合には、格闘家Bの余裕な表情のアップが表示される。次に、ストップスイッチ72〜74の最後のスイッチが操作されると、ARTが継続する場合には、格闘家Bが倒れる演出が行われ、ARTが継続しない場合には、格闘家Bが反撃をして格闘家Aが倒れる演出が行われる。この3ゲーム目の演出によって、遊技者に対応する格闘家Aが勝利するか、対戦相手に対応する格闘家Bが勝利するかを示唆し、ARTが継続するか否かの結果を遊技者に把握させることができる。
なお、図示は省略しているが、9ゲームの示唆演出の終了後からARTが終了するまでに行われる確定演出は、今回のARTの終了を示唆する演出に加え、「ART継続」又は「ART終了」の文字列などを表示して、新たなARTが継続するか否かを示唆する演出も行われる。なお、各3ゲーム毎の示唆演出において、ARTが継続する場合でも、低確率で格闘家Aが倒れる演出を実行可能に構成した場合には、この確定演出において、逆転勝利の演出が行われるように構成しても良い。また、図示は省略するが、ARTの継続が確定した以降に、ARTの継続に関する示唆演出に代えて行われる演出、即ち、格闘家Aが勝利者であることを示唆する演出は、リングの中央で格闘家Aが両手を挙げ、その様子を360度回転しながら表示する演出などである。
本実施形態では、ARTは、ART開始時に抽選される継続率によるARTの当選、ART中の小役当選によるARTの当選、ボーナスやART中に当選した場合に加算されるストックによって、ARTが連続して行われる可能性があり、継続率によりARTが継続するか否かの結果、小役当選によりARTが継続するか否かの結果、ストックによりARTが継続するか否かの結果が、3ゲームで構成される示唆演出でそれぞれ示唆表示される。よって、どの条件によってARTが継続するか否かを遊技者に推測させることができる。
ここで、従来のスロットマシンは、上述した通り、継続率によるARTの継続、小役当選によるARTの継続、ストックによるARTの継続の複数の条件によってARTが継続し、複数回に亘ってARTが連続して実行される遊技性を有するものもある。しかしながら、従来のスロットマシンでは、新たなARTが継続して開始されるか否かの示唆演出が行われなかったり、示唆演出が行われても、今回のARTの終了時(又は終了後)に「継続」などの文字を表示して新たなARTが継続することを示唆するものであった。そのため、遊技者は、継続率、小役当選、ストックのどの条件によりARTが継続したか否かを推測できず、今回のARTで終了してしまうかもという不安感をART中常に抱くことになってしまう。更に、継続率、小役当選、ストックのどの条件によりARTが継続したか否かを推測できないので、ART中の遊技が単調となり、そのART中の遊技に対して飽きてしまうという問題も生じる。
また、従来のスロットマシンにおいて、ART中の小役当選時などに通常とは異なる演出を行って、遊技者にART抽選が行われた可能性を示唆する演出を行うものも知られている。この従来のスロットマシンでは、小役当選時に通常とは異なる演出を行ったとしても、継続率によるARTの継続か、小役当選によるARTの継続か、ストックによるARTの継続かを推測することはできない。その結果、遊技者は、ART中に常に不安感を持って遊技をしなければならないし、ART中の遊技に対して飽きてしまうという問題が生じる。
本実施形態のスロットマシン10では、ART継続演出において、継続率によりARTが継続するか否かの結果、小役当選によりARTが継続するか否かの結果、ストックによりARTが継続するか否かの結果が、それぞれの示唆演出で示唆表示されるので、どの条件によりARTが継続したか否かを遊技者に推測させることができ、ARTの継続が確定した時点で遊技者に安心感を与えて遊技を実行させることができる。また、遊技者は、どの条件によりARTが継続するか否かを把握できるので、継続率によるARTの継続が確定した場合に、ART抽選を行う小役に当選した回数を数えておけば、小役当選によるARTのストック数の増加分を推測できるし、ARTが実際に継続する回数と継続率によるARTの継続が確定した回数とから継続率も推測できるし、ストックによるARTの継続が確定すれば、どの程度ストックが溜まっているかを推測する遊技性を提供できる。よって、ART中の遊技に遊技者を注目させることができるので、ART中の遊技に対して遊技者が飽きてしまうことを抑制でき、興趣の向上を図ることができる。
次に、主制御装置131内のMPU151により実行される各制御処理を図17〜図27のフローチャートを参照して説明する。かかるMPU151の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図17は、主制御装置131のMPU151により実行されるNMI割込み処理を示したフローチャートである。NMI割込み処理は、停電の発生などによって電源が遮断された場合に電源装置161の停電監視回路161bにより生成される停電信号を、NMI端子を介して主制御装置131が受信すると実行される。なお、NMI割込み処理が実行されると、実行中の処理(割込み処理も含む)が停止されるように構成されている。
NMI割込み処理では、まず、MPU151内に設けられた使用レジスタのデータをRAM153内に設けられたバックアップエリアに退避させる(S101)。続いて、停電フラグ153aをオンし(S102)、RAM153のバックアップエリアに退避させたデータを再びMPU151の使用レジスタに復帰させ(S103)、本処理を終了する。なお、MPU151の使用レジスタのデータを破壊せずに停電フラグ153aのオンが可能な場合には、バックアップエリアへの退避および復帰処理を省くことができる。なお、表示制御装置111のMPU181においても上述したNMI割込み処理と同様の処理が実行されるが、その詳細な説明は省略する。
図18は、主制御装置131のMPU151により実行されるタイマ割込み処理を示したフローチャートである。タイマ割込み処理は、主制御装置131のMPU151により例えば1.49msecごとにタイマ割込みを発生させることで実行される。
タイマ割込み処理が実行されると、まず、レジスタ退避処理を実行する(S201)。S201のレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているMPU151内の全レジスタの値をRAM153のバックアップエリアに退避させる。
S202の処理では、停電フラグ153aがオンされているか否かを確認し、停電フラグaがオンされている場合には(S202:Yes)、停電時処理を実行し(S203)、停電フラグ153aがオフされている場合には、停電時処理を実行せずにS204の処理へ移行する。以下に、停電時処理(S203)について図19を参照して説明する。
図19は、主制御装置131のMPU151により実行される停電時処理を示したフローチャートである。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。従って、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
停電時処理が実行されると、まず、コマンド送信が終了しているか否かを判定する(S301)。送信が終了していない場合には(S301:No)、本処理を終了して図18のタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。このように停電時処理の初期段階でコマンドの送信が完了しているか否かを判断し、送信が未完であるときには送信処理を優先し、単位コマンドの送信処理終了後に停電時処理を実行する構成とすることにより、コマンドの送信途中で停電時処理が実行されることをも考慮した停電時処理プログラムを構築する必要がなくなる。その結果停電時処理プログラムを簡略化してROM152の小容量化を図ることができる。
S301の処理で、コマンドの送信が完了している場合には(S301:Yes)、MPU151のスタックポインタの値をRAM153内のバックアップエリアに保存する(S302)。その後、停止処理として後述するRAM判定値をクリアすると共に入出力ポート155における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする(S303)。更に、RAM判定値を算出し、バックアップエリアに保存する(S304)。RAM判定値とは、具体的にはRAM153の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリアに保存することにより、RAM153のチェックサムは0となる。RAM153のチェックサムを0とすることにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する(S305)。
その後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグaが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM153への書き込みを許可すると共に停電フラグaをリセットし、図18のタイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。
なお、電源装置161の電源部161aは、上述したNMI割込み処理及び停電時処理を実行するのに十分な時間、制御系の駆動電圧として使用される安定化電圧(5ボルト)の出力が保持されるように構成されている。本実施形態では、30msecの間、駆動電圧が出力され続けるようになっている。
図18に戻って、タイマ割込み処理について説明する。S204の処理では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を実行する(S204)。S205の処理では、MPU151自身に対して割込み許可を出す割込み終了宣言処理を実行する(S205)。S206の処理では、各リール42L,42M,42Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータ61L,61M,61Rを駆動させるステッピングモータ制御処理を実行する(S206)。S207の処理では、入出力ポート155に接続された各種センサ(図7参照)の状態を監視するセンサ監視処理を実行する(S207)。
S208の処理では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を実行する(S208)。S209の処理では、メダルのベット数や、払い出し枚数をカウントした結果を外部集中端子板171へ出力するカウンタ処理を実行する(S209)。S210の処理では、表示制御装置111へコマンドなどを送信するコマンド出力処理を実行する(S210)。S211の処理では、残数表示部35、ゲーム数表示部36および獲得枚数表示部37にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を実行する(S211)。S212の処理では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部35〜37に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を実行する(S212)。S213の処理では、入出力ポート155からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を実行する(S213)。S214の処理では、先のS201の処理でバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれMPU151内の対応するレジスタに復帰させるレジスタ復帰処理を実行する(S214)。その後、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を実行し(S215)、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図20は、主制御装置131のMPU151により実行されるメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入後に実行される処理であり、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
メイン処理が実行されると、まず、初期化処理として、スタックポインタの値をMPU151内に設定すると共に、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後MPU151内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う(S401)。
S401の処理で初期化処理が終了すると、設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてオン操作されているか否かを確認する(S402)。より詳しくは、設定キー検出センサ124aからオン信号を受信しているか否かを判定する。そして、設定キーのオン操作がなされている場合には(S402:Yes)、S403の処理へ移行し、強制的RAMクリア処理としてRAM153に記憶されたデータを全てクリアし(S403)、当選確率設定処理を実行し(S404)、その後、通常処理を実行する。なお、当選確率設定処理は、操作者により設定キーが設定キー挿入孔124に挿入されてオン操作がなされた場合に実行される処理であり、スロットマシン10に設けられた「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。
S402の処理で、設定キーが挿入されていない場合には(S402:No)、S406以降に示す復電処理を行う。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。従って、復電処理では先ずRAM153のデータが正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、S406の処理では、設定値が正常か否かを確認する(S406)。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判断し、0又は7以上である場合に異常であると判断する。S406の処理で、設定値が正常である場合は(S406:Yes)、停電フラグ153aがオンされているか否かを確認し(S407)、停電フラグaがオンされている場合には(S407:Yes)、さらにRAM判定値が正常であるか否かを確認する(S408)。具体的には、RAM153のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM153のデータは正常であると判定する。
S408の処理で、RAM判定値が正常であると判定された場合には(S408:Yes)、S409の処理へ移行し、バックアップエリアに保存されたスタックポインタの値をMPU151のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(S409)。次に、復電処理の実行を伝えるコマンドを表示制御装置111に送信するために復電コマンドをセットし(S410)、遊技状態として打ち止め及び自動精算設定保存処理を実行し(S411)、スタート検出センサ71a等の各種センサの初期化を行う(S412)。以上の処理が終了した後、停電フラグaをオフして(S413)、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(S204)が実行されることとなる。
一方、S406〜S408の処理で、いずれかがNo、すなわち、設定値が異常である(S406:No)、電源遮断時にオンされる筈の停電フラグaがオンされていない(S407:No)、又はRAM判定値が異常である場合には(S408:No)、RAM153のデータが破壊された可能性が高い。このような場合には、S414〜S416に示す動作禁止処理を実行する。動作禁止処理として、まず、次回のタイマ割込み処理を禁止し(S414)、入出力ポート155内の全ての出力ポートをクリアして(S415)、入出力ポート155に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ホール管理者等に上部ランプ13等を用いてエラーの発生を報知するエラー報知処理を実行する(S416)。
次に、図21を参照して、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について説明する。図21は、主制御装置131のMPU151により実行される通常処理を示したフローチャートである。
通常処理が実行されると、次回のタイマ割込みを許可し(S501)、遊技を可能とするための開始前処理を実行する(S502)。S502の開始前処理では、打ち止め及び自動精算の設定状態をRAM153に格納し、表示制御装置111等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置111等の初期化が終了した場合、S503以降に示す遊技管理処理を実行する。
S503の処理では、RAM153の遊技情報格納エリアに格納されたデータ(例えば前回のゲームで用いた乱数値等)をクリアし(S503)、次に、開始待ち処理を実行する(S504)。S504の開始待ち処理では、前回のゲームで再遊技入賞が成立したか否かを確認する。再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行うと共に、投入完了コマンドをセットして開始待ち処理を終了する。
ここで、投入完了コマンドとは、自動投入の完了を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。なお、自動投入処理では、クレジット表示部35に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回のゲームで再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回のゲームを行うことができる。
再遊技入賞が成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(S207)のセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。詳細は後述するが、かかるエラー状態はリセットスイッチ123が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ80が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ80が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行うと共に精算コマンドをセットする。
ここで、精算コマンドとは、クレジットされた仮想メダルの返却を行っていることを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ80が操作されていない場合には、メダルの投入又はクレジット投入スイッチ77〜79の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、有効ラインの設定等を行うメダル投入処理を行うと共に、投入コマンドをセットして開始待ち処理を終了する。ここで、投入コマンドとは、ベット操作がなされたことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。
S504の開始待ち処理の終了後、メダルのベット数が規定数(本実施形態では3)に達しているか否かを確認し(S505)、メダルのベット数が規定数に達している場合には(S505:Yes)、スタートレバー71が操作されて開始指令が発生したか否かを確認する(S506)。S505の処理で、メダルのベット数が規定数に達していない場合(S505:No)又は、S506の処理で、開始指令が発生していない場合には(S506:No)、S504の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
S506の処理で、開始指令が発生した場合には(S506:Yes)、メダル通路切替ソレノイド83を非励磁状態に切り替えてベットの受付を禁止し(S507)、開始コマンドをセットする(S508)。ここで、開始コマンドとは、開始指令が発生したことを把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。
その後、ART遊技を制御するART処理(S509)、ボーナスや小役などの抽選を行う抽選処理(S510)、各リール42L,42M,42Rの駆動を制御するリール制御処理(S511)、遊技価値としてのメダルの払い出しを行うメダル払出処理(S512)、同種BB、異種BB及びRBのボーナス遊技を制御するボーナスゲーム処理(S513)を順に実行し、S503の処理へ戻り、S503〜S513の処理を繰り返し行う。
なお、通常処理では、投入完了コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであり、表示制御装置111に対してコマンドを送信しない。表示制御装置111へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理S210にて行われる。
次に、図22を参照して、通常処理のS509の処理で実行されるART処理について説明する。図22は、主制御装置131のMPU151により実行されるART処理を示したフローチャートである。ART処理は、ARTの1セット分のゲーム数(50ゲーム)の実行を監視すると共に、今回のARTの後に新たなARTを継続して実行するか否かなどを決定する処理である。
ART処理が実行されると、ARTフラグ153cがオンされているか否かを確認し(S601)、ARTフラグ153cがオフであれば(S601:No)、ART中ではないので、そのままART処理を終了し、通常処理へ戻る。
S601の処理で、ARTフラグ153cがオンであれば(S601:Yes)、ART中となるので、今回のゲーム数を加算するために、回数カウンタ153dに1を加算し(S602)、加算後の回数カウンタ153dの値に対応する回数コマンドをセットする(S603)。回数コマンドは、表示制御装置111に対してARTのゲーム数を指示するコマンドであり、回数カウンタ153dに1が加算される度にセットされるので、主制御装置131と表示制御装置111とでARTのゲーム数を一致させることができる。
次に、回数カウンタ153dの値が1であるか否かを確認する(S604)。回数カウンタ153dの値が1であれば(S604:Yes)、ARTが開始されて最初のゲームになるので、今回のARTの終了後に新たなARTを開始させるか否かを、ボーナス当選時に選択された継続率に基づいて抽選する(S605)。具体的には、継続率記憶エリア153hに記憶されている継続率に対応するテーブルを読み出し、継続率によるART抽選を行う(S605)。ART抽選は、上述した通り、図示しない継続率用の乱数カウンタの値を取得し、その乱数カウンタの値と継続率のテーブルとを参照して行われる。
S606の処理では、S605の処理でのART抽選に当選したか否かを確認し(S606)、ARTの当選であれば(S606:Yes)、ART継続フラグ153eをオンし(S607)、継続率によってARTが当選して継続することを示す継続コマンドをセットする(S608)。継続コマンドは、継続率によってARTが継続することを示す情報を含んで構成されているので、表示制御装置111に対してARTが継続率によって継続することを確実に認識させることができる。
S608の処理で継続コマンドがセットされた場合、又は、S604の処理で回数カウンタ153dの値が1以外であった場合(S604:No)、S606の処理で継続率によるART抽選が非当選であった場合(S606:No)には、回数カウンタ153dの値が50以上であるか否かを確認し(S609)、回数カウンタ153dの値が50より小さければ(S609)、ARTの1セットのゲーム数に達していないので、そのまま、ART処理を終了する。
一方、S609の処理で、回数カウンタ153dの値が50以上であれば(S609:Yes)、ARTの1セットの最終ゲームとなるので、まず、ART継続フラグ153eがオンされているか否かを確認する(S610)。ART継続フラグ153eがオンであれば(S610:Yes)、既に継続率によるART抽選が当選となっており、次のARTを開始するためにART継続フラグ153eをオフし(S614)、S615の処理へ移行する。
一方、S610の処理で、ART継続フラグ153eがオフであれば(S610:No)、継続率によるART抽選が非当選となっているので、他の条件、即ち、ART中の小役当選によるART抽選に当選したり、ボーナス中のボーナス図柄又は小役当選によるART抽選に当選した場合のストックによってARTを継続させる否かを確認するために、ストックカウンタ153fの値が0より大きいか否かを確認する(S611)。
S611の処理で、ストックカウンタ153fの値が0より大きければ(S611:Yes)、未だ実行されていないARTのストックがあるので、まず、ストックカウンタ153fの値を1減算した後に(S612)、S614の処理へ移行して、ART継続フラグ153eをオフする(S614)。
また、ストックカウンタ153fの値が0以下であれば(S611:No)、今回のARTが終了して次ゲームから通常状態に移行するので、ARTフラグ153cをオフし(S613)、S615の処理へ移行する。
S615の処理では、今回のARTが終了となるので、回数カウンタ153dの値をリセット(例えば、値0をセット)すると共に回数コマンドをセットし(S615)、ART処理を終了する。S615の処理で、リセット後の回数カウンタ153dの値に応じた回数コマンドをセットすることで、表示制御装置111に対してARTが終了することを指示することができる。
次に、図23〜図26を参照して、S510の処理で実行される抽選処理について説明する。図23は、主制御装置131のMPU151により実行される抽選処理を示したフローチャートであり、図24は、主制御装置131のMPU151により実行される押し順演出処理を示したフローチャートであり、図25は、主制御装置131のMPU151により実行される高低確設定処理を示したフローチャートであり、図26は、主制御装置131のMPU151により実行されるART判定処理を示したフローチャートである。
抽選処理が実行されると、乱数作成処理において、役の当否判定を行う際に用いる乱数を作成する(S701)。本スロットマシン10では、スタートレバー71が操作されると、ハードがその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。MPU151は、スタートレバー71の操作を確認した後、ハードがラッチした値をRAM153の遊技情報格納エリアに格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー71が操作されたタイミングで速やかに乱数を作成することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハードは、スタートレバー71が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
S701の乱数作成処理が終了すると、スロットマシン10の現在の設定状態や遊技状態等に基づき、当否判定用の抽選テーブルを選択する(S702)。ここで、当否判定用の抽選テーブルには、通常状態中、ボーナス中、RT中およびART中用が用意されており、スタートレバー71が操作された場合の遊技状態に応じて選択されると共に、「設定1」〜「設定6」に応じて選択される。
S703の処理では、インデックス値IVを1とし(S703)、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する(S704)。かかる判定値の設定では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、S701にて作成した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
S704の処理で、判定値DVが設定されると、インデックス値IVと対応する役の当否判定を行う(S705)。役の当否判定では、判定値DVが65535を超えたか否かを判定し、65535を超えた場合には(S705:Yes)、そのときのインデックス値IVと対応する役の当選フラグ153bをセットする(S706)。ちなみに、当選フラグが小役当選フラグ又は再遊技当選フラグである場合、これら当選フラグは、該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS503参照)。一方、当選フラグがBB当選フラグである場合、BB当選フラグはBB図柄の組合せが有効ライン上に成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、BB当選フラグは、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、BB当選フラグを持ち越した次ゲーム以降における役の当否判定では、小役又は再遊技の当否判定は行うが、BBに関する当否判定は行わない。
S705の処理で、判定値DVが65535を超えなかった場合には(S705:No)、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合には、インデックス値IVを1加算し(S707)、インデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを確認する(S708)。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを確認する。
S708の処理で、当否判定すべき役がある場合には(S708:Yes)、S704に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、S704の処理では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、S705の処理では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
S706の処理で、当選フラグ153bをセットした後、又は、S708の処理で、当否判定すべき役がない場合には(S708:No)、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、後述する押し順演出処理(S709)、高低確設定処理(S710)、ART判定処理(S711)を実行した後に、抽選結果コマンドをセットする(S712)。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。
その後、リール停止制御用のスベリテーブル(停止テーブル)を設定するスベリテーブル設定処理を実行し(S713)、本処理を終了する。ここで、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチ72〜74が押された際に基点位置(本実施形態では下ライン上)に到達している到達図柄と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄との関係が定められた停止データ群である。
本スロットマシン10では、ストップスイッチ72〜74が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる場合、2図柄分滑らせた後に停止させる場合、3図柄分滑らせた後に停止させる場合、4図柄分滑らせた後に停止させる場合の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者がストップスイッチ72〜74を操作するタイミングと、各表示窓32L,32M,32Rから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるためである。つまり、ストップスイッチ72〜74が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに各リール42L,42M,42Rを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、4図柄分までは滑らせることが可能な構成にすることにより、かかる規定時間内で可能な限り抽選に当選した役と対応する図柄の組合せを有効ライン上に停止させることが可能となる。
図24を参照して、S709の処理で実行される押し順演出処理について説明する。押し順演出処理は、RT中に押し順リプレイに当選した場合、補助表示部15の液晶画面上とストップスイッチ72〜74のランプとにより、ストップスイッチ72〜74の押し順を遊技者に示唆するか否かを設定する処理である。
押し順演出処理が実行されると、当選フラグ153bの押し順リプレイに対応するフラグを確認し、押し順リプレイに当選したか否かを確認する(S801)。押し順リプレイに当選していなければ(S801:No)、そのまま、押し順演出処理を終了する。なお、押し順リプレイは、RT中のみ抽選されるので、通常状態中やボーナス中、ART中は、そのまま押し順演出処理が終了することになる。
S801の処理で、押し順リプレイに当選していれば(S801:Yes)、ストックカウンタ153fの値が0より大きいか、即ち、ARTのストックがあるか否かを確認する(S802)。S802の処理で、ストックカウンタ153fの値が0より大きければ(S802:Yes)、ARTを継続させる契機となる押し順リプレイを入賞させるために、ストック有に対応する押し順コマンドをセットし(S803)、一方、ストックカウンタ153fの値が0以下であれば(S802:No)、ストック無に対応する押し順コマンドをセットし(S804)、押し順演出処理を終了する。ストック有に対応する押し順コマンドは、当選した押し順リプレイの押し順を指示する情報も含まれており、表示制御装置111に対して、ストップスイッチ72〜74の押し順を指示することができる。表示制御装置111では、押し順コマンドを受信すると、その押し順コマンドがストック有か無かを判別し、ストック有の場合は、当選した押し順リプレイの押し順となるように、補助表示部15の液晶画面上およびストップスイッチ72〜74のランプにより押し順ナビが表示される押し順演出が行われる。よって、遊技者は、押し順ナビに基づいてストップスイッチ72〜74を操作することで、押し順リプレイを入賞させることができ、遊技価値としてのARTを獲得することができる。
図25を参照して、S710の処理で実行される高低確設定処理について説明する。高低確設定処理は、遊技状態としての高確状態と低確状態との移行を設定する処理であり、表示制御装置111に対してスロットマシン10の遊技状態を指示するコマンドをセットする処理等が行われる。
高低確設定処理が実行されると、現在の遊技状態が高確状態か低確状態かを確認するために、高確フラグ153gがオンされているか否かを確認する(S901)。高確フラグ153gがオンであれば(S901:Yes)、現在の遊技状態が高確状態なので、スロットマシン10の設定と今回の抽選結果とに対応する低確移行テーブルを低確移行テーブル格納エリア152bから読み出し、低確移行抽選を行う(S902)。
S903の処理では、S902の処理の抽選結果が低確状態へ移行するか否かを確認する(S903)。低確状態への移行抽選は、上述した通り、ベル、リプレイ及びハズレの場合のみ行われ、S902の処理で読み出された低確移行テーブルの値と、移行抽選用の乱数カウンタの値とに基づいて低確状態へ移行するか否かを抽選する。また、ベル、リプレイ及びハズレ以外の他の当選役については全て低確状態への移行抽選に非当選とされる。
S903の処理で、低確状態へ移行すると確認されると(S903:Yes)、低確状態となるので高確フラグ153gをオフし(S904)、低確状態を示す状態コマンドをセットし(S905)、低確状態へ移行しないと確認されると(S903:No)、S904及びS905の処理を実行せずに、高低確設定処理を終了する。
一方、S901の処理で、高確フラグ153gがオフされていれば(S901:No)、現在の遊技状態が低確状態なので、スロットマシン10の設定と今回の抽選結果とに対応する高確移行テーブルを高確移行テーブル格納エリア152aから読み出し、高確移行抽選を行う(S906)。
S907の処理では、S906の処理の抽選結果が高確状態へ移行するか否かを確認する(S907)。高確状態への移行抽選は、上述した通り、同種BB、異種BB、RB、スイカ、チェリー、特殊リプレイA及び特殊リプレイBの場合に行われ、S906の処理で読み出された高確移行テーブルの値と、移行抽選用の乱数カウンタの値とに基づいて高確状態へ移行するか否かを抽選する。また、ベル、リプレイ及びハズレの場合は全て高確状態への移行抽選に非当選とされる。
S907の処理で、高確状態へ移行すると確認されると(S907:Yes)、高確状態となるので高確フラグ153gをオンし(S908)、高確状態を示す状態コマンドをセットし(S909)、高確状態へ移行しないと確認されると(S907:No)、S908及びS909の処理を実行せずに、高低確設定処理を終了する。
表示制御装置111では、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドから高確状態か低確状態かを示す情報を取得し、スロットマシン10の状態を把握できる。そして、表示制御装置111は、高確状態か低確状態かに応じて、補助表示部15の液晶画面上または上部ランプ13等を用いて、状態を示唆する演出を行うので、高確状態に滞在していることへの期待感を遊技者に与えることができる。
図26を参照して、S711の処理で実行されるART判定処理について説明する。ART判定処理は、ART抽選に当選したか否かを判定する処理である。ART判定処理が実行されると、ボーナス中であるか否かを確認し(S1001)、ボーナス中でなければ、即ち、通常状態中、RT中、ART中であれば(S1001:No)、今回の抽選結果がハズレであるか否かを確認する。
S1002の処理で、今回の抽選結果がハズレであれば(S1002:Yes)、ARTの抽選は行われないので、そのままART判定処理を終了し、ハズレ以外であれば(S1002:No)、今回の抽選結果がボーナス(同種BB、異種BB、RB)に当選したか否かを確認する(S1003)。
S1003の処理で、今回の抽選結果がボーナスに当選していれば(S1003:Yes)、ARTフラグ153cがオンであるか否かを確認する(S1004)。ARTフラグ153cがオンであれば(S1004:Yes)、ART中にボーナスに当選したことになるので、後述するARTの継続率の抽選によって抽選された継続率のアップ抽選を行う(S1005)。継続率のアップ抽選は、現在の滞在しているARTの継続率に対応する継続率アップ抽選テーブルを継続率アップ抽選テーブル格納エリア152hから読み出し、継続率用の乱数カウンタの値に応じて継続率アップの抽選を行う。
S1006の処理では、S1005の処理で抽選された継続率を、継続率記憶エリア153hに記憶し(S1006)、S1007の処理へ移行する。一方、S1004の処理で、ARTフラグ153cがオフであれば(S1004:No)、ART抽選が行われる最初のボーナス当選となるので、S1005及びS1006の処理の継続率アップ抽選を行わずに、S1007の処理へ移行する。
S1007の処理では、当選したボーナスの種別と、遊技状態が高確状態か低確状態かとに応じて、高確時または低確時ART抽選テーブルを高確時または低確時ART抽選テーブル格納エリア152c,152dから読み出し、ART抽選用の乱数カウンタの値に基づいてART抽選を行う(S1007)。
S1008の処理では、S1007の処理のART抽選によってARTが当選したか否かを確認し(S1008)、ART抽選に当選していなければ(S1008:No)、ART判定処理を終了する。一方、S1008の処理で、ARTに当選していれば(S1008:Yes)、ARTのストック数を抽選し、その抽選結果のストック数をストックカウンタ153fに加算する(S1009)。ARTのストック数の抽選は、ストック数抽選テーブル格納エリア152eから当選したボーナスに対応したストック数抽選テーブルを読み出し、ストック用の乱数カウンタの値に基づいてストック数が抽選される。
S1010の処理では、ARTフラグ153cがオンされているか否かを再度確認し(S1010)、ARTフラグ153cがオフであれば(S1010:No)、ARTが開始されておらず、最初のボーナス当選時にARTに当選したことになるので、ARTの継続率を抽選し、その抽選された継続率を継続率記憶エリア153hに記憶し(S1011)、ART判定処理を終了する。ART継続率の抽選は、スロットマシン10の設定と、当選したボーナスの種類とに応じた継続率抽選テーブルを継続率抽選テーブル格納エリア152fから読み出し、継続率用の乱数カウンタの値に基づいて抽選される。
一方、S1010の処理で、ARTフラグ153cがオンであれば(S1011:Yes)、ART中のボーナス当選であり、継続率を設定する必要が無く、さらに言えば、S1004〜S1006の処理で継続率アップの抽選が行われるので、S1011の処理を実行せずに、ART判定処理を終了する。
S1003の処理で、ボーナスに非当選であれば(S1003:No)、ART抽選が行われる小役(スイカ、チェリー、特殊リプレイA、特殊リプレイB)が当選したか否かを確認し(S1012)、他の小役(ベル、リプレイ、特殊ベル、押し順リプレイ)が当選していれば(S1012:No)、ART抽選を行う必要がないので、そのままART判定処理を終了する。
S1012の処理で、ART抽選が行われる小役が当選していれば(S1012:Yes)、ARTフラグ153cがオンされているかを確認し(S1013)、ARTフラグ153cがオフであれば(S1013:No)、通常状態かRT中となり、ART抽選を行う必要がないので、そのままART判定処理を終了する。
一方、S1013の処理で、ARTフラグ153cがオンであれば(S1013:Yes)、当選した小役と遊技状態(高確状態か低確状態)とに応じて、高確時または低確時ART抽選テーブルを高確時または低確時ART抽選テーブル格納エリア152c,152dから読み出し、ART抽選用の乱数カウンタの取得した値に基づいてART抽選を行う(S1014)。
S1015の処理では、S1014の処理のART抽選によってARTが当選したか否かを確認し(S1015)、ART抽選に当選していなければ(S1015:No)、ART判定処理を終了する。一方、S1015の処理で、ARTに当選していれば(S1015:Yes)、S1009の処理と同様に、ARTのストック数を抽選し、その抽選結果のストック数をストックカウンタ153fに加算することに加え、ART中の小役当選に基づいてART抽選に当選したので、小役当選によるART抽選によりARTが継続することを示す継続コマンドをセットし(S1016)、ART判定処理を終了する。
次に、ボーナス中のART判定処理について説明する。S1001の処理で、ボーナス中であれば(S1001:Yes)、今回の抽選結果がハズレであるか否かを確認する(S1021)。
S1021の処理で、今回の抽選結果がハズレであれば(S1021:Yes)、ARTの抽選は行わないので、そのままART判定処理を終了し、ハズレ以外であれば(S1021:No)、ボーナス中に当選し得る小役のうちART抽選が行われる小役(スイカ、チェリー)が当選したか否かを確認し(S1022)、ART抽選が行われる小役に当選していれば(S1022:Yes)、S1026の処理へ移行する。
一方、S1022の処理で、ART抽選が行われる小役以外(同種BB、異種BB、RB、ベル、特殊ベル)に当選していれば(S1022:No)、ストック期待演出を行うか否かを確認するために、ボーナス図柄および特殊ベルに当選したかを確認する(S1023)。ストック期待演出を行わない小役(即ち、ベル)に当選していれば(S1023:No)、ART抽選を行わないので、ART判定処理を終了する。一方、ボーナス図柄か特殊ベルに当選していれば(S1023:Yes)、補助表示部15の液晶画面上でストック期待演出を行うためにストック期待演出コマンドをセットする(S1024)。なお、S1024の処理でセットされるストック期待演出コマンドは、ボーナス図柄に当選していれば、ボーナス図柄に当選したことを示すコマンドがセットされ、特殊ベルに当選していれば、ボーナス図柄に当選していないことを示すコマンドがセットされ、表示制御装置111に対して、ストック期待演出においてボーナス図柄が停止可能であるか否かを指示している。
S1025の処理では、ボーナス図柄(同種BB、異種BB、RB)が当選しているか否かを確認し(S1025)、ボーナス図柄ではなく特殊ベルであれば(S1025:No)、ART抽選を行わないのでART判定処理を終了し、ボーナス図柄であれば(S1025:Yes)、ART抽選を行うためにS1026の処理へ移行する。
S1026の処理では、S1007及びS1014の処理と同様に、高確時又は低確時ART抽選テーブルを読み出してART抽選を行い(S1026)、ARTに当選したか否かを確認する(S1027)。ARTに当選していなければ(S1027:No)、そのままART判定処理を終了し、ARTに当選していれば(S1027:Yes)、S1009の処理と同様に、ARTのストック数を抽選し、その抽選結果のストック数をストックカウンタ153fに加算する(S1028)。
次に、図27を参照して、メイン処理のS511の処理で実行されるリール制御処理について説明する。図27は、主制御装置131のMPU151により実行されるリール制御処理を示したフローチャートである。なお、理解を容易なものとするため、ここでは実際のゲームの進行に即して説明すると共に図4の図柄配列を適宜参照しながら説明することとする。
リール制御処理が実行されると、各リール42L,42M,42Rの回転を開始させる回転開始処理を行う(S1101)。この回転開始処理では、前回のゲームでリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過するまで待機し、ステッピングモータ61L,61M,61Rの駆動を制御することによって、各リール42L,42M,42Rの回転(加速処理、定速処理など)が制御される。また、回転開始処理では、各リール42L,42M,42Rの回転速度が定速になると、定速回転コマンドをセットする。表示制御装置111では、定速回転コマンドを受信すると、ストップスイッチ72〜74のランプなどを点灯させ、操作可能であることを遊技者に示唆する制御が行われる。
S1102の処理では、ストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的にはストップ検出センサ72a〜74aからのオン信号を受信したか否かを確認し(S1102)、停止指令が発生していない場合には(S1102:No)、停止指令が発生するまで待機する。
一方、S1102の処理で、ストップスイッチ72〜74のいずれかが操作されて停止指令が発生した場合には(S1102:Yes)、今回の停止指令が第3停止指令か否か、すなわち1つのリールのみが回転しているときにストップスイッチ72〜74が操作されたか否かを確認する(S1103)。
S1103の処理で、全リール42L,42M,42Rが回転しているときにストップスイッチ72〜74のいずれかが操作された場合(S1103:No)、今回の停止指令は第1停止指令であることを意味し、スベリテーブル第1変更処理を実行する(S1104)。スベリテーブル第1変更処理とは、停止指令の発生に基づいてリールを停止させる前に行うスベリテーブルの変更処理である。
S1104のスベリテーブル第1変更処理が終了した後、かかるタイミングで下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する(S1105)。具体的には、停止操作がなされたリール42L,42M,42Rに対応するリールインデックスセンサ55L,55M,55Rの検出信号が出力された時点からのパルス数により、下ライン上に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。
S1106の処理では、遊技情報格納エリアのスベリテーブル格納エリアにセットされたスベリテーブルのうち、到達図柄と対応する図柄番号の圧縮データから今回停止させるべきリールのスベリ量を算出し(S1106)、下ライン上に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する(S1107)。そして、今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを確認し(S1108)、等しくなるまで待機する(S1108:No)し、等しくなった場合には(S1108:Yes)、リールの回転を停止させるリール停止処理を実行する(S1109)。
S1110の処理では、現在の各リール42L,42M,42Rの回転状況を表示制御装置111に把握させるべく回転情報コマンドをセットし(S1110)、その後、停止図柄コマンドをセットする(S1111)。ここで、停止図柄コマンドとは、表示窓から視認可能な範囲(上段、中段、下段)に停止した図柄を把握させるべく表示制御装置111に対して送信されるコマンドである。
S1112の処理では、全てのリールが停止したか否かを判定する(S1112)。第1停止指令に基づいて上述したS1103〜S1111の処理を行った場合、未だに2つのリールは回転中であるので(S1112:No)、スベリテーブル第2変更処理を実行する(S1113)。スベリテーブル第2変更処理とは、リールを停止させた後に行うスベリテーブルの変更処理である。
S1113のスベリテーブル第2変更処理が終了すると、S1102の処理へ戻り、S1103〜S1113の処理を、全リールが停止するまで繰り返し実行する。そして、全リールが停止したら(S1112:Yes)、今回のゲームがRT中であるか否かを確認し(S1114)、RT中でなければ(S1114:No)、S1118の処理へ移行し、RT中であれば(S1114:Yes)、押し順リプレイが停止して入賞したか否かを確認する(S1115)。押し順リプレイが停止していれば(S1115:Yes)、次ゲームからARTゲームの開始となるので、ARTフラグ153cをオンした後に(S1116)、表示制御装置111にARTの演出を開始させるためにART開始コマンドをセットする(S1117)。一方、押し順リプレイが停止していなければ(S1115:No)、S1116及びS1117の処理を実行せずに、S1118の処理へ移行する。
S1118の処理では、払出判定処理(S1118)を実行して、本処理を終了する。払出判定処理では、現在の遊技状態に基づき有効ラインを確認し、各リール42L,42M,42Rの有効ライン上に停止した停止図柄の図柄番号から所定有効ライン上の図柄の組合せを導出し、入賞が成立しているか否かを確認される。そして、入賞が成立している場合には、入賞成立役が抽選処理にてセットされた当選フラグと一致しているか否かを判定し、入賞成立役と当選フラグが一致した場合に入賞成立役をセットすると共にメダルの払出数をセットする処理が実行される。
次に、図28〜図32を参照して、表示制御装置111により実行される各制御処理について説明する。かかるMPUの処理としては大別して、電源投入に伴い起動される表示メイン処理と、定期的に(本実施形態では1msec周期で)起動される表示タイマ割込み処理と、主制御装置131からの制御信号の入力に基づいて起動されるコマンド割込み処理とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめに表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理とを説明し、その後、表示メイン処理を説明する。
図28は、表示制御装置111のMPU181により実行される表示タイマ割込み処理を示したフローチャートである。表示タイマ割込み処理は、表示制御装置111で定期的に実行される処理であり、クロック回路183から発生されるクロック信号に基づき、例えば1msecごとに実行される。
表示タイマ割込み処理が実行されると、次回のコマンド割込みを禁止し(S2001)、割込みタイマカウンタ186bに1を加算する(S2002)。その後、割込みフラグを読み込み(S2003)、割込みフラグをクリアする(S2004)。そして、次回のコマンド割込みを許可し(S2005)、本処理を終了する。
図29は、表示制御装置111のMPU181により実行されるコマンド割込み処理を示したフローチャートである。上述した通り、主制御装置131は、現在の遊技状態や遊技の進行状況等に応じて各種コマンドを表示制御装置111に対して送信する。表示制御装置111は、主制御装置131から送信されたコマンドの受信に基づいて、より具体的には信号ラッチ回路182からの信号入力に基づいて、直ちにコマンド割込み処理を実行する。
コマンド割込み処理が実行されると、次回のタイマ割込みを禁止し(S2101)、ストローブ信号が正常か否かを確認する(S2102)。ストローブ信号は、主制御装置131からコマンドと共に送信される信号であり、MPU181は、このストローブ信号の受信に基づいてコマンド割込み処理を開始する。
S2102の処理で、ストローブ信号が正常の場合には(S2102:Yes)、コマンドデータを取得し(S2103)、その取得したコマンドデータが正常か否かを確認する(S2104)。そして、S2104の処理で、コマンドデータが正常な場合には(S2104:Yes)、受信したコマンドをコマンド記憶エリアに記憶し(S2105)、リトライカウンタに最大数をセットし(S2106)、S2109の処理へ移行する。
また、S2104の処理で、取得したコマンドデータが正常でない場合には(S2104:No)、リトライカウンタの値を1加算し(S2107)、S2109の処理へ移行する。一方、S2102の処理で、ストローブ信号が正常でない場合には(S2102:No)、何らかの誤動作であると判断し、リトライカウンタに最大数をセットし(S2108)、S2109の処理へ移行する。
S2109の処理では、リトライカウンタの値が最大値か否かを確認し(S2109)、リトライカウンタの値が最大値の場合(S2109:Yes)、主制御装置131からのコマンドを正常に受信した、又は、主制御装置131からのコマンドに何らかの異常があり、許容されるリトライ回数分のコマンド割込み処理を行ったにも関わらずコマンドを正常に受信できなかったことを意味する。かかる場合には、リトライカウンタの値をクリアし(S2110)、割込みフラグを読み込み(S2111)、その割込みフラグをクリアする(S2112)。
S2109の処理で、リトライカウンタの値が最大値でなかった場合(S2109:No)、又は、S2112の処理で割込みフラグをクリアした場合には、次回のタイマ割込みを許可し(S2113)、本処理を終了する。
なお、表示タイマ割込み処理の最中に主制御装置131からコマンドを受信した場合、このコマンドは信号ラッチ回路182にてラッチされ、表示タイマ割込み処理が終了した後に直ちにコマンド割込み処理を実行する。同様に、コマンド割込み処理の最中に表示タイマ割込み処理の実行タイミングとなった場合には、クロック信号がラッチ回路184にてラッチされ、コマンド割込み処理が終了した後に直ちに表示タイマ割込み処理を実行する。つまり、本スロットマシン10では、表示タイマ割込み処理とコマンド割込み処理の間で多重割込みが発生しない構成となっている。
図30は、表示制御装置111のMPU181により実行される表示メイン処理を示したフローチャートである。表示メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ122のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
表示メイン処理が実行されると、初期化処理として、スタックポインタの値をMPU181内に設定すると共に、コマンド割込み処理や表示タイマ割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後MPU181内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う(S2201)。
S2201の初期化処理が終了すると、システム状態が電圧低下状態か否か、すなわち駆動電圧が所定電圧(本実施形態では10ボルト未満)まで低下したか否かを確認し(S2202)、システム状態が電圧低下状態である場合には(S2202:Yes)、電源が遮断されたものと判断し、停電処理を実行する(S2203)。
一方、S2202の処理で、システム状態が電圧低下状態でない場合には(S2202:No)、割込みタイマカウンタ186bの値が0か否かを確認する(S2204)。割込みタイマカウンタの値が0でない場合(S2204:No)、上述した表示タイマ割込み処理のS2002の処理で割込みタイマカウンタ186bの値が更新されたことを意味する。かかる場合には、補助演出部を駆動させるべく駆動データを出力する駆動データ出力処理を実行する(S2205)。なお、駆動データ出力処理については後述する。
S2204の処理で、割込みタイマカウンタ186bの値が0の場合(S2204:Yes)、又は、駆動データ出力処理の終了後には、主制御装置131からコマンドを受信しているか否か、より詳しくはコマンド割込み処理にてコマンドを受信しているか否かを確認する(S2206)。
S2206の処理で、コマンドを受信している場合には(S2206:Yes)、受信コマンドチェック処理を行う(S2207)。受信コマンドチェック処理では、先のコマンド割込み処理にてコマンド記憶エリア186aに記憶された各コマンドに基づいて行うべき補助演出を決定する等の処理を行う。この受信コマンドチェック処理については後述する。
一方、S2206の処理で、コマンドを受信していない場合(S2206:No)、又は、受信コマンドチェック処理の終了後には、補助演出の選択等の際に用いる乱数値の更新処理を実行し(S2208)、S2202の処理へ戻り、S2202〜S2208の処理を繰り返し実行する。
図31は、表示制御装置111のMPU181により実行される駆動データ出力処理を示したフローチャートである。なお、駆動データ出力処理とは、補助演出部を駆動させるべく駆動データを出力する処理である。つまり、本スロットマシン10では、コマンド割込み処理にて主制御装置131からのコマンドデータを取得し、受信コマンドチェック処理にて取得したコマンドデータに基づいて補助演出を決定し、駆動データ出力処理にて補助演出部の駆動を行っている。
駆動データ出力処理が実行されると、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値をリセットし(S2301)、起動時コマンドチェック処理を実行する(S2302)。上述した通り、電源投入がなされた場合、主制御装置131から表示制御装置111に対して復電コマンドが送信される(図20のS410参照)。そこで、電源投入から所定時間以内(本実施形態では2秒以内)に復電コマンドを受信しなかった場合には、起動時コマンドチェック処理において補助演出部の駆動制御を実行し、エラーの発生を報知する。
S2303の処理では、デバイス制御処理を実行する(S2303)。主制御装置131から各種コマンドを受信した場合、受信したコマンドに基づいて補助演出部に行わせるべき補助演出が決定される。デバイス制御処理では、決定した補助演出を行わせるべく対応する駆動データを補助演出部に対して出力する処理を行う。かかる処理を行うことにより、例えば上部ランプ13が所定の色で点灯したり、補助表示部15の液晶画面上で、ART演出、押し順演出、ストック期待演出等の各種演出が行われたり、所定のキャラクターが表示されたりする等の補助演出が行われる。
S2304の処理では、システム状態変更処理を実行する(S2304)。システム状態には電圧低下状態、初期化状態、通常状態があり、その都度のシステム状態に応じて補助表示部15の初期化処理を行う。
S2305の処理では、電圧低下チェック処理を実行する(S2305)。電圧低下チェック処理では入出力ポート187から供給される停電信号を監視し、停電信号がオフ状態からオン状態に切り替った場合にシステム状態を通常状態から電圧低下状態に変更する。
S2306の処理では、特定時間処理を実行する(S2306)。特定時間処理とは、予め定めた特定時間(本実施形態では10msec)ごとに定期的に行う処理であり、例えば上部ランプ13を駆動するためのLEDデータテーブルによる出力データ用バッファの更新、スピーカ14から出力する楽音のボリューム変更等を行う処理である。
S2307の処理では、駆動データ切換処理を実行する(S2307)。駆動データ切換処理とは、主制御装置131からのコマンド受信を契機とする場合以外で、時間経過、遊技状態等により駆動データの切換を行う処理である。駆動データ切換処理では、例えば上部ランプ13を点灯させる色の切換、補助表示部15に表示している表示場面の切換等の処理を行っている。つまり、駆動データ変更処理は、先の特定時間処理とは異なり、補助演出を時間と共に変化させていくための処理である。
S2308の処理では、補助表示部15の液晶画面上に表示される各種演出の設定を行う液晶設定処理を実行する(S2308)。S2303のデバイス制御処理やS2306の特定時間処理、S2307の駆動データ切換処理は、液晶設定処理の設定に基づいて行われる。
S2309の処理では、割込みタイマカウンタ186bの値をクリアし(S2309)、その後、システム状態が電圧低下状態か否かを再度確認する(S2310)。S2310の処理で、システム状態が電圧低下状態の場合には(S2310:Yes)、停電処理を行い(S2311)、電圧低下状態でない場合には(S2310:No)、そのまま本処理を終了する。
図32は、表示制御装置111のMPU181により実行される液晶設定処理を示したフローチャートである。液晶設定処理は、補助表示部15の液晶画面上で行われる各種演出等を設定する処理であり、デモ演出、通常状態の演出、ボーナス中の演出、ART中の演出等が設定される。なお、液晶設定処理内の各演出設定処理は、その各演出設定処理が実行される毎に、1のゲームの開始からの経過時間や遊技状態の変化(ボーナスゲームの開始、RTの開始、ARTの開始等)からの経過時間に応じた演出内容が設定される。
液晶設定処理が実行されると、S2501〜S2504の処理で、現在の遊技状態を確認する。具体的には、S2501の処理でデモ演出中か否かを確認し、S2502の処理でRT中であるか否かを確認し、S2503の処理でART中であるか否かを確認し、S2504の処理でボーナス中であるか否かを確認する。なお、デモ演出は、遊技者による遊技が所定時間以上(例えば、1分以上)行われていない場合に開始される演出である。
S2501の処理で、遊技者による遊技が所定時間以上行われておらず、デモ演出中であると確認されると(S2501:Yes)、デモ演出設定処理を実行し(S2511)、液晶設定処理を終了する。デモ演出設定処理は、例えば、各リール42L,42M,42Rに付されている青年が動作する画像や、青年のキャラクタ紹介の他に、遊技方法(ART中の消化手順など)やスロットマシン10の仕様(ART抽選確率やボーナス確率など)、注意事項(他店のメダルの使用禁止やメダルの持ち出し禁止など)を表示するデモ演出を設定する処理である。
S2502の処理で、ボーナスゲーム後に行われるRT中であると確認されると(S2501:No、S2502:Yes)、主制御装置131からの押し順コマンドを受信した場合にオンされる押し順演出フラグ186gがオンされているか否かを確認する(S2512)。S2512の処理で、押し順演出フラグ186gがオフであれば(S2512:No)、RT演出設定処理を実行し(S2513)、液晶設定処理を終了する。RT演出設定処理は、例えば、通常状態中に補助表示部15の液晶画面上に表示される演出に対して背景色を夕方にしたり、夜にしたりする演出であり、RT中であることを示唆する演出である。また、高確フラグ186iを参照して、オンであれば、夜背景が選択され易く、オフであれば、昼が選択され易く設定することで、ボーナス終了後のスロットマシン10の状態が、遊技者に有利な状態か否かを遊技者に推測させることができる。
一方、S2512の処理で、押し順演出フラグ186gがオンであれば(S2512:Yes)、押し順フラグ186hのオン又はオフの状態に応じた押し順演出を設定する押し順演出設定処理を実行する(S2514)。押し順演出設定処理は、例えば、押し順フラグ186hがオンされている場合、遊技者に6通りのうちの1の押し順を示唆する必要があるので、押し順コマンドに含まれる押し順を示す情報に基づいて、図16(b)に示すような押し順を示唆する演出が行われる。一方、押し順フラグ186hがオフされていると、ARTのストックがないので、白丸内に「?」が表示された画像を表示し、遊技者に押し順を示唆しない演出が行われる。なお、上述した通り、押し順を示唆しなくても、遊技者のストップスイッチ72〜74の操作が、抽選により選択された1の押し順と一致すれば、押し順リプレイは停止して入賞する。
S2515の処理では、押し順演出の終了タイミングであるか否かを確認する(S2515)。押し順演出の終了タイミングであるか否かは、押し順演出は1ゲームのみ行われるので、新たなゲームが開始されたか否か(又は、ストップスイッチ72〜74が操作されて全リール42L,42M,42Rが停止したか否か)によって判別される。S2515の処理で、押し順演出の終了タイミングであれば(S2515:Yes)、押し順演出の実行を終了するために押し順演出フラグ186gをオフし(S2516)、押し順演出を終了するタイミングでなければ(S2515:No)、S2516の処理を実行せずに、液晶設定処理を終了する。
次に、ART中の演出を設定する処理について説明する。S2503の処理でART中であると確認されると(S2501:No、2502:No、2503:Yes)、S2521〜S2525の処理で、現在のゲーム数がART中の何ゲーム目かを確認する。具体的には、S2521の処理でARTの1セットである50ゲームが終了し、即ち、ART継続演出のうちの示唆演出が終了したか否かを確認し、S2522の処理で回数カウンタ186cの値が48以上であるか否かを確認し、S2523の処理で回数カウンタ186cの値が45以上であるか否かを確認し、S2524の処理で回数カウンタ186cの値が42以上であるか否かを確認し、S2525の処理で回数カウンタ186cの値が39以上であるか否かを確認する。
回数カウンタ186cの値が39より小さければ(S2521〜S2525:No)、ART継続演出が行われる前となるので、図16(a)及び図16(b)に示すように、ART中の通常演出や、小役に当選した場合には当選した小役および押し順を示唆表示する演出等を設定するART演出設定処理を行い(S2526)、液晶設定処理を終了する。
回数カウンタ186cの値が39以上であれば(S2521〜S2524:No、S2525:Yes)、ART継続演出の開始となるので、まず、図16(c)に示す準備演出を設定する準備演出設定処理を行い(S2527)、液晶設定処理を終了する。準備演出設定処理では、回数カウンタ186cの値を確認し、39ゲーム目(リングが表示される演出)、40ゲーム目(格闘家Aが入場する演出)及び41ゲーム目(格闘家Bが入場する演出)のゲーム数に応じた演出が設定される。
回数カウンタ186cの値が42以上であれば(S2521〜S2523:No、S2524:Yes)、準備演出の3ゲームが終了したことになるので、次に、継続率による抽選結果の示唆演出を設定する継続率演出設定処理を行い(S2528)、液晶設定処理を終了する。継続率演出設定処理では、継続率継続フラグ186dのオン又はオフに基づいて、継続時または非継続演出テーブルを継続時又は非継続時演出テーブル格納エリア185a,185bから読み出し、例えば、0〜99の間を繰り返し更新する複数の乱数カウンタ(格闘家を選択するための乱数カウンタ、攻撃の種別を選択するための乱数カウンタ、攻撃の強さを選択するための乱数カウンタ、全て図示せず)の値を取得し、その取得した乱数カウンタの値に応じて、図16(d)〜図16(g)に示すような示唆演出が設定される。
回数カウンタ186cの値が45以上であれば(S2521:No、S2522:No、S2523:Yes)、継続率による抽選結果の示唆演出が終了したことになるので、次に、小役当選による抽選結果の示唆演出を設定する小役演出設定処理を行い(S2529)、液晶設定処理を終了する。小役演出設定処理では、継続率演出設定処理と同様に、小役継続フラグ186eのオン又はオフに基づいて、継続時または非継続演出テーブルを継続時又は非継続時演出テーブル格納エリア185a,185bから読み出し、図示しない複数の乱数カウンタの値に応じて、図16(d)〜図16(g)に示すような示唆演出が設定される。なお、S2529の処理では、S2528の処理で実行された継続率による抽選結果の示唆演出において、遊技者に対応する格闘家Aが勝利する演出(言い換えれば、格闘家Bが倒れる演出)が行われていた場合には、小役当選による抽選結果の示唆演出を行うことなく、格闘家Aが勝利したことを示唆する演出を設定する。
回数カウンタ186cの値が48以上であれば(S2521:No、S2522:Yes)、小役当選による抽選結果の示唆演出が終了したことになるので、次に、ストックによる抽選結果の示唆演出を設定するストック継続演出設定処理を行い(S2530)、液晶設定処理を終了する。ストック継続演出設定処理では、継続率演出設定処理および小役演出設定処理と同様に、ストック継続フラグ186fのオン又はオフに基づいて、継続時または非継続演出テーブルを継続時又は非継続時演出テーブル格納エリア185a,185bから読み出し、図示しない複数の乱数カウンタの値に応じて、図16(d)〜図16(g)に示すような示唆演出が設定される。なお、S2530の処理も、S2528又はS2529の処理で実行された示唆演出において、遊技者に対応する格闘家Aが勝利する演出(言い換えれば、格闘家Bが倒れる演出)が行われていた場合には、ストックによる抽選結果の示唆演出を行うことなく、格闘家Aが勝利したことを示唆する演出を設定する。
S2521の処理で、継続率、小役当選、ストックの示唆演出が終了していれば(S2521:Yes)、確定演出を設定する確定演出設定処理を行い(S2531)、液晶設定処理を終了する。確定演出設定処理は、ARTの終了を示す演出を設定し、継続率継続フラグ186d、小役継続フラグ186e、ストック継続フラグ186fのいずれかがオンされていれば「ART継続」を表示すると共に、全てのフラグ186d〜186fがオフであれば「ART終了」を表示する演出を設定する。
S2531の処理で、確定演出設定処理が終わると、確定演出が終了したか否かを確認し(S2532)、確定演出が終了していなければ(S2532:No)、そのまま液晶設定処理を終了し、確定演出が終了するタイミングであれば(S2532:Yes)、ARTが終了することになるので、各継続フラグ186d〜186fをオフすると共にART開始フラグ186lをオフして(S2533)、液晶設定処理を終了する。なお、確定演出の終了タイミングであるか否かは、確定演出において表示内容の変化が無くなり、液晶画面上の表示を設定する必要がなくなった場合に、終了タイミングであると判別される。また、次ゲームの開始コマンドを受信した場合に、終了タイミングであると判別しても良い。
次に、ボーナス中の演出を設定する処理について説明する。S2504の処理で、ボーナス中であれば(S2504:Yes)、ストック期待演出を行うか否かを確認するために、ストック期待演出フラグ186jがオンでるか否かを確認する(S2541)。
S2541の処理で、ストック期待演出フラグ186jがオンであれば(S2541:Yes)、ボーナス図柄当選フラグ186kのオン又はオフに応じたストック期待演出を設定するストック期待演出設定処理を行い(S2542)、液晶設定処理を終了する。ストック期待演出設定処理では、上述した通り、画面をフラッシュさせたり、青年図柄のキャラクタのアップ画像が表示されたり、逆押し(所謂、右リール42R、中リール42M、左リール42Lの順で停止させる押し順)を示唆する表示をしたり、チャンスの表示をしたりして、ボーナス図柄が停止することを示唆する演出が設定される。特に、ボーナス図柄当選フラグ186kがオンであれば、停止可能なボーナス図柄を示唆する表示を行ったり、画面のフラッシュの色を赤色や金色とし、遊技者にボーナス図柄が停止する期待感を高める演出を設定する。また、そのほかに、青年図柄のキャラクタのアップの大きさに大小を設けたり、チャンスの文字色を変更したり、押し順の全て又は一部を表示したり、ボーナス図柄が停止する期待感を持たせる演出であれば、どのような組み合わせであっても良い。
S2542の処理で、ストック期待演出設定処理が終わると、ストック期待演出が終了したか否かを確認し(S2543)、ストック期待演出が終了していなければ(S2543:No)、そのまま液晶設定処理を終了し、ストック期待演出が終了するタイミングであれば(S2543:Yes)、ストック期待演出フラグ186jをオフして(S2544)、液晶設定処理を終了する。なお、ストック期待演出の終了タイミングであるか否かは、ストップスイッチ72〜74の全てが操作されてリール42L,42M,42Rが停止した場合に、終了タイミングであると判別される。また、次ゲームの開始コマンドを受信した場合に、終了タイミングであると判別しても良い。
一方、S2541の処理で、ストック期待演出フラグ186jがオフであれば(S2541:No)、通常のボーナス中演出設定処理を行い(S2545)、液晶設定処理を終了する。また、S2504の処理で、ボーナス中でない場合には(S2501〜S2504:No)、デモ演出でも、RT中でもART中でも、ボーナス中でもないので、通常状態の演出を行う通常演出処理を行い(S2546)、液晶設定処理を終了する。
図33は、表示制御装置111のMPU181により実行される受信コマンドチェック処理を示したフローチャートである。受信コマンドチェック処理は、受信したコマンドに応じて各種フラグやカウンタなどを更新する処理である。
受信コマンドチェック処理が実行されると、まず、コマンド記憶エリア186aから最古の受信コマンドを取得し(S2601)、S2602〜S2609の処理で、受信したコマンドを確認する。具体的には、S2602の処理で、受信したコマンドが回数コマンドであるか否かを確認し、S2603の処理で、受信したコマンドが継続コマンドであるか否かを確認し、S2604の処理で、受信したコマンドが押し順コマンドであるか否かを確認し、S2605の処理で、受信したコマンドが状態コマンドであるか否かを確認し、S2606の処理で、受信したコマンドがストック期待演出コマンドであるか否かを確認し、S2607の処理で、受信したコマンドがART開始コマンドであるか否かを確認する。
回数コマンドを受信していれば(S2602:Yes)、その回数コマンドにより指示される回数に応じた値を、ARTのゲーム数として回数カウンタ186cに記憶し(S2611)、受信コマンドチェック処理を終了する。回数コマンドは、上述した通り、ARTのゲーム数が変更させる毎に主制御装置131から送信されるので、主制御装置131と表示制御装置111との間でARTのゲーム数に誤差が生じることを抑制できる。
継続コマンドを受信していれば(S2602:No、S2603:Yes)、その継続コマンドによりARTの継続が指示される条件が、継続率によるものか(S2612)、小役当選によるものか(S2613)を確認する。ARTの継続が継続率によるものであれば(S2612:Yes)、継続率継続フラグ186dをオンし(S2614)、小役当選によるものであれば(S2612:No、S2613:Yes)、小役継続フラグ186eをオンし(S2615)、継続率でも小役当選でもなければ(S2612:No、S2613:No)、ストックによってARTが継続することになるので、ストック継続フラグ186fをオンし(S2616)、受信コマンドチェック処理を終了する。
押し順コマンドであれば(S2602:No、S2603:No、S2604:Yes)、まず、RT中に押し順演出を行うために、押し順演出フラグ186gをオンし(S2617)、次に、押し順コマンドにより指示される押し順演出において押し順ナビを行うか否かを確認するために、押し順コマンドによる指示が押し順有りか否かを確認する(S2618)。押し順有りであれば(S2618:Yes)、押し順フラグ186hをオンし(S2619)、押し順無しであれば(S2618:No)、押し順フラグ186hをオフし(S2620)、受信コマンドチェック処理を終了する。
受信したコマンドが状態コマンドであれば(S2602〜S2604:No、S2605:Yes)、その状態コマンドが高確状態を指示するものであるか否かを確認し(S2621)、高確状態を指示するものであれば(S2621:Yes)、高確フラグ186iをオンし(S2622)、低確状態を指示するものであれば(S2621:No)、高確フラグ186iをオフし(S2623)、受信コマンドチェック処理を終了する。
受信したコマンドがストック期待演出コマンドであれば(S2602〜2605:NO、S2606:Yes)、まず、ストック期待演出フラグ186jをオンし(S2624)、次に、ストック期待演出コマンドにより指示されるストック期待演出においてボーナス図柄が入賞可能であるか否かを確認するために、ストック期待演出コマンドによる指示がボーナス図柄に当選しているか否かを確認する(S2625)。ボーナス図柄に当選していれば(S2625:Yes)、ボーナス図柄当選フラグ186kをオンし(S2626)、ボーナス図柄に当選していなければ(S2625:No)、ボーナス図柄当選フラグ186kをオフし(S2627)、受信コマンドチェック処理を終了する。
受信したコマンドがART開始コマンドであれば(S2602〜S2606:No、S2607:Yes)、ARTの開始となるので、ART開始フラグ186lをオンし(S2628)、受信コマンドチェック処理を終了する。表示制御装置111は、ART開始フラグ186lがオンされた場合に、ARTが開始されたことを確認でき、ART中であるか否かは、ART開始フラグ186lのオン/オフ状態で確認できる。
一方、受信したコマンドが、回数コマンド、継続コマンド、押し順コマンド、状態コマンド、ストック期待演出コマンド、ART開始コマンドでもなければ(S2602〜S2607:No)、その他のコマンドに対応した処理を実行し(S2629)、受信コマンドチェック処理を終了する。その他のコマンドに対応した処理としては、復電コマンド、投入完了コマンド、投入コマンド、精算コマンド、投入開始コマンド、抽選結果コマンド、定速回転コマンド、回転情報コマンド、停止図柄コマンド等の受信コマンドに対応したフラグやカウンタを更新する処理である。
以上説明したように、スロットマシン10では、ARTが残り12ゲームになるとART継続演出が行われ、そのART継続演出では、各3ゲーム毎に、継続率によるART抽選でARTが継続するか否かの結果、小役当選によるART抽選でARTが継続するか否かの結果、ストックによってARTが継続するか否かの結果を示す示唆演出が行われる。よって、遊技者は、新たなARTが継続して実行されるか否かを推測できるし、どの条件によってARTが継続するかも推測することができる。
ここで、従来のスロットマシンは、上述した通り、継続率によるARTの継続、小役当選によるARTの継続、ストックによるARTの継続の複数の条件によってARTが継続し、複数回に亘ってARTが連続して実行される遊技性を有するものもある。しかしながら、従来のスロットマシンでは、新たなARTが継続して開始されるか否かの示唆演出が行われなかったり、示唆演出が行われても、今回のARTの終了時(又は終了後)に「継続」などの文字を表示して新たなARTが継続することを示唆するものであった。そのため、遊技者は、継続率、小役当選、ストックのどの条件によりARTが継続したか否かを推測できず、今回のARTで終了してしまうかもという不安感をART中常に抱くことになってしまう。更に、継続率、小役当選、ストックのどの条件によりARTが継続したか否かを推測できないので、ART中の遊技が単調となり、そのART中の遊技に対して飽きてしまうという問題も生じる。
また、従来のスロットマシンにおいて、ART中の小役当選時などに通常とは異なる演出を行って、遊技者にART抽選が行われた可能性を示唆する演出を行うものも知られている。この従来のスロットマシンでは、小役当選時に通常とは異なる演出を行ったとしても、継続率によるARTの継続か、小役当選によるARTの継続か、ストックによるARTの継続かを推測することはできない。その結果、遊技者は、ART中に常に不安感を持って遊技をしなければならないし、ART中の遊技に対して飽きてしまうという問題が生じる。
本実施形態のスロットマシン10では、ART継続演出において、継続率によりARTが継続するか否かの結果、小役当選によりARTが継続するか否かの結果、ストックによりARTが継続するか否かの結果が、それぞれの示唆演出で示唆表示されるので、どの条件によりARTが継続したか否かを遊技者に推測させることができ、ARTの継続が確定した時点で遊技者に安心感を与えて遊技を実行させることができる。また、遊技者は、どの条件によりARTが継続するか否かを把握できるので、継続率によるARTの継続が確定した場合に、ART抽選を行う小役に当選した回数を数えておけば、小役当選によるARTのストック数の増加分を推測できるし、ARTが実際に継続する回数と継続率によるARTの継続が確定した回数とから継続率も推測できるし、ストックによるARTの継続が確定すれば、どの程度ストックが溜まっているかを推測する遊技性を提供できる。よって、ART中の遊技に遊技者を注目させることができるので、ART中の遊技に対して遊技者が飽きてしまうことを抑制でき、興趣の向上を図ることができる。
また、ARTは、リプレイが高確率で入賞するし、小役当選しても、補助表示部15の液晶画面上に表示されるストップスイッチ72〜74の押し順ナビに従った操作を行うので、単調な遊技となる可能性が高い。しかし、スロットマシン10は、ART中にART継続演出が行われるので、継続率、小役当選、ストック数毎にARTが継続するか否かの結果をART中に遊技者に推測させることができる。よって、ART継続演出の示唆演出から、ARTが継続するか否か、どの条件によりARTが継続するかを遊技者に推測させることができる。従って、ART継続演出に対して注目させることができるので、ART中の遊技が単調になることを抑制できる。また、ART中には、小役当選によるART抽選の抽選結果も示唆されるので、ART中にどの小役が入賞するか、何回小役が入賞するかなどに注目させることができる。よって、ART抽選の可能性がある小役の当選回数や、その当選回数に応じたARTのストック数などをカウントしARTの継続回数を推測可能な遊技性を提供できるので、ART中の全ゲームにおいて、各小役の入賞によりARTへの期待感を高めつつ、ART中の遊技に関心を持たすことができる。さらに、小役当選によるART抽選の当選確率には設定差が設けられているので、小役の当選回数と、小役当選に対応する示唆演出におけるARTの推測される当選回数とから、スロットマシン10の設定も推測可能となり、ART中の遊技に更に興味を持たすことができる。
次に、図34〜図36を参照して、第2実施形態のスロットマシン10について説明する。第1実施形態のスロットマシン10では、ART中にボーナスに当選してもARTが規定ゲーム数(50ゲーム)実行可能に構成されており、そのARTの残り12ゲームの間に、継続率によってARTが継続するか否かの結果、小役当選によってARTが継続するか否かの結果、ストックによってARTが継続するか否かの結果を示唆するART継続演出がART中に行われるものとした。これに代えて、第2実施形態のスロットマシン10では、ART中にボーナスに当選するとボーナスの入賞を優先するように構成した。ここで、ART中にボーナスに当選して入賞すると、ボーナス終了後に新たなARTが継続するか否か、又は、どの条件によってARTが継続するか否かを遊技者が推測する機会が減少してしまう。そのため、第2実施形態のスロットマシン10では、ボーナス終了後に、新たなARTが継続するか否かのART継続演出をボーナス中に行うように構成した。
このボーナス中のART継続演出は、ART中にボーナス当選した場合に行われ、ART中にボーナス当選した場合には、継続率によるART抽選が行われるように構成されている。即ち、ボーナス中のART継続演出における継続率によるART抽選の示唆演出は、ボーナス当選時に行われた継続率によるART抽選の結果を示唆している。なお、第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
また、第2実施形態のスロットマシン10では、ART中にボーナスに当選するとボーナスの入賞を優先するので、補助表示部15において、ボーナスに当選したことを示唆する表示を行う。また、ART中にボーナスに当選した場合には、ARTを終了させても良いので、この場合には、ボーナス当選後の小役当選結果がハズレとなる最初のゲームで、特定のハズレ目を中段の有効ライン上に停止させる処理が実行され、RT状態を終了させる処理が行われるように構成しても良い。
まず、図34を参照して、ボーナス中に行われるART継続演出について説明する。図34は、第2実施形態のボーナス中の状態変化を概略的に示した図であり、図34(a)は、BB中の状態変化を示し、図34(b)は、RB中の状態変化を示している。
図34(a)に示すように、t30ではBBが開始され、その後、メダル払出の残り枚数が150以下となるまで(t31)、通常のボーナス中演出が行われる。なお、通常のボーナス中演出とは、例えば、格闘家A及びBのキャラクタ紹介(人物紹介、勝率および技の紹介など)を行ったり、図16(a)に示すようなトレーニングを行う演出などである。
t31で、メダル払出の残り枚数が150以下になると、それ以降、ART継続演出を行う。ここで、メダル払出の残り枚数が150以下となった場合にART継続演出を開始するのは、各示唆演出の3ゲームと準備演出の1ゲームでART継続演出に10ゲームが必要であることと、ボーナスゲーム中にベルが高確率で当選して15枚のメダルの払出が行われるので残り150枚となった状態で残りゲーム数が10ゲームとなるからである。また、ボーナスゲームの後半でART継続演出を行うのは、ボーナスゲームの前半でボーナス図柄、スイカやチェリーの入賞に伴ってARTが当選する可能性があり、前半でARTに当選した結果を後半のART継続演出に反映させるためである。遊技者は、ボーナスゲームの後半で行われるART継続演出において、ボーナスゲームの前半で小役当選によってARTが当選したか否かを推測できるので、ボーナスゲームの全体の遊技に興味を持つことができる。
なお、第2実施形態では、準備演出が1ゲームになっているので、格闘家A及びBがリングに向かう演出を1ゲーム内で行うことになる。BBは、上述した通り、300枚以上のメダルの払出で終了するので、最短で20ゲームで終了してしまう。この場合に、準備演出が3ゲーム行われると、ART継続演出が12ゲーム行われることになり、ボーナスゲームの前半でストック期待演出などが行われる機会が減少してしまう。上述した通り、ボーナスゲームの前半の入賞によるARTの当選をボーナスゲームの後半で推測させる遊技性を提供することで、遊技者にボーナスゲーム全体の遊技に興味を持たすことができるので、ボーナスゲームの前半のゲーム数が少ないと、ボーナスゲーム全体への興味が薄れる可能性がある。そこで、ボーナスゲームの半分以上で、通常のボーナス中演出が実行されるように準備演出を1ゲームに構成し、遊技者がボーナスゲーム全体に興味を持ち易くしている。勿論、ベルが入賞した場合の払出枚数を減らし(例えば12枚)、ボーナスゲーム中に行われるゲーム数を増やしてART継続演出が行われる前のゲーム数を増やすように構成しても良いし、各示唆演出のゲーム数を1ゲーム又は2ゲームとしてART継続演出が行われる前のゲーム数を増やすように構成しても良い。
t32で、準備演出が終了すると、t32からt33まで継続率による抽選でARTが継続するか否かの示唆演出を行い、t33からt34まで小役当選による抽選でARTが継続するか否かの示唆演出を行い、t34からt35までストックによってARTが継続するか否かの示唆演出を行い、t35からt36のボーナスが終了するまでの間に確定演出を行う。
図34(b)に示すように、RBは、メダルの払出枚数が120枚以上で終了するので、最短8ゲームで終了してしまう。そのため、準備演出、3種類の示唆演出を各2ゲームに設定し、遊技者に対してARTが継続するか否かの期待度を示唆するように構成している。なお、RBは、最短で8ゲームしか行われないので、ART継続演出自体を行わないものとしても良いし、確定演出のみを行うものとしても良い。また、RBでは、小役による抽選結果の示唆演出の前に4ゲームしか行われないので、ART中に当選したRBであれば、そのART中の小役当選によるART抽選でARTに当選したか否かを示唆する示唆演出を行うように構成しても良い。
図35は、第2実施形態の表示制御装置111のMPU181により実行されるボーナスゲーム処理を示したフローチャートである。ボーナスゲーム処理は、ボーナスゲームにおけるメダル払出枚数を管理する等の処理であり、主制御装置131の通常処理(図21参照)のS513の処理で実行される。なお、ボーナスゲーム処理において、残枚数設定フラグ及び残枚数カウンタが用いられているが、これらは、主制御装置131のRAM153に記憶エリア(図示せず)がそれぞれ設けられている。
ボーナスゲーム処理が実行されると、まず、現在の遊技状態がボーナス中であるか否かを確認し(S3001)、現在の遊技状態がボーナスゲーム中でなければ(S3001:No)、そのまま、ボーナスゲーム処理を終了し、ボーナス中であれば(S3001:Yes)、残枚数設定フラグはオンされているか否かを確認する(S3002)。
S3002の処理で、残枚数設定フラグがオフであれば(S3002)、メダルの払出枚数がセットされておらず、ボーナス入賞後に始めてボーナスゲーム処理が実行されたことになる。この場合には、今回のボーナスがBBである否かを確認し(S3003)、BBであれば(S3003:Yes)、残枚数カウンタに300をセットし(S3004)、RBであれば(S3003:No)、残枚数カウンタに120をセットし(S3005)、S3006の処理へ移行する。
S3006の処理では、S3004及びS3005の処理でセットされた残枚数カウンタの値に応じた残枚数コマンドをセットし(S3006)、再度、残枚数カウンタに初期値がセットされることを防止するために、残枚数設定フラグをオンする(S3007)。
S3002の処理で、残枚数設定フラグがオンされていたり(S3002:Yes)、S3007の処理で、残枚数設定フラグをオンした場合には、次に、小役が入賞したか否かを確認し(S3008)、小役が入賞していれば(S3008:Yes)、その入賞した小役に対応する枚数を残枚数カウンタから減算し(S3009)、その減算後の残枚数カウンタの値に応じた残枚数コマンドをセットする(S3010)。S3009の処理では、例えば、ベルが入賞した場合には、メダルが15枚払い出されるので、残枚数カウンタから15を減算する処理である。
なお、残枚数カウンタに初期値がセットされた場合(S3004、S3005)、残枚数カウンタの値が更新された場合(S3009)に、残枚数コマンドをセットしているので、主制御装置131と表示制御装置111とでメダル払出の残り枚数が異なる値となることを抑制できる。言い換えれば、主制御装置131と表示制御装置111とで、ボーナスゲームの進行状態(ゲーム数)が異なることを抑制できる。
S3008の処理で、小役が入賞していないと確認されたり(S3008:No)、S3010の処理で、残枚数コマンドがセットされると、残枚数カウンタの値が0以下であるか否かを確認する(S3011)。残枚数カウンタの値が0以下であれば(S3011:Yes)、ボーナスゲームを終了するタイミングなので、表示制御装置111にボーナスゲームの終了を指示するために、値0に対応する残枚数コマンドをセットし(S3012)、ボーナス終了処理を実行して(S3013)、ボーナスゲーム処理を終了する。表示制御装置111では、メダル払出の残り枚数が0を示す残枚数コマンドを受信すると、ボーナスゲームの終了を確認できる。また、S3013のボーナス終了処理では、残枚数設定フラグをオフしたり、ボーナスゲームの終了を示唆するフラグを更新したりする処理が行われる。
一方、S3011の処理で、残枚数カウンタの値が0より大きければ(S3011:No)、ボーナスゲームは継続するので、S3012及びS3013の処理を実行せずに、ボーナスゲーム処理を終了する。
図36は、第2実施形態の表示制御装置111のMPU181により実行されるボーナス演出設定処理を示したフローチャートである。ボーナス演出設定処理は、表示制御装置111で行われる液晶設定処理(図32参照)の中で、現在の遊技状態がボーナス中であった場合に(S2541:Yes)実行される処理である。なお、図32では、ボーナス中であると確認された場合に(S2541:Yes)、S2541〜S2545の処理が実行されているが、第2実施形態では、S2541〜S2545の処理に代えて、ボーナス演出設定処理が実行されるように構成されている。また、ボーナス演出設定処理において、残枚数カウンタが用いられているが、このカウンタは、受信コマンドチェック処理(図33参照)内において、主制御装置131からの残枚数コマンドを受信した場合に、その残枚数コマンドにより示される残枚数の値が記憶される。
ボーナス演出設定処理が実行されると、現在実行されているボーナスがBBであるか否かを確認し(S3101)、BBであれば(S3101:Yes)、残枚数カウンタの値が150以下であるか否かを確認し(S3102)、残枚数カウンタの値が150より大きければ(S3102:No)、ART継続演出を行うタイミングではないので、S3103〜S3106の処理においてボーナスゲーム中の演出を設定する。
S3103の処理では、ストック期待演出を行うか否かを確認するために、ストック期待演出フラグ186jがオンでるか否かを確認し(3103)、ストック期待演出フラグ186jがオンであれば(S3013:Yes)、ボーナス図柄当選フラグ186kのオン又はオフに応じたストック期待演出設定処理を行い(S3104)、次に、ストック期待演出が終了したか否かを確認する(S3105)。ストック期待演出が終了していなければ(S3105:No)、そのまま液晶設定処理を終了し、ストック期待演出が終了するタイミングであれば(S3105:Yes)、ストック期待演出フラグ186jをオフして(S3106)、ボーナス演出設定処理を終了する。一方、S3103の処理で、ストック期待演出フラグ186jがオフであれば(S3103:No)、通常のボーナス中演出設定処理を行い(S3107)、ボーナス演出設定処理を終了する。
また、S3102の処理で、残枚数カウンタの値が150以下であれば(S3102:Yes)、ART継続演出を行うタイミングとなるので、残枚数カウンタの値をS3111〜S3114の処理で確認する。具体的には、S3111の処理で、残枚数カウンタの値が135以下であるか否かを確認し、S3112の処理で、残枚数カウンタの値が90以下であるか否かを確認し、S3113の処理で、残枚数カウンタの値が45以下であるか否かを確認し、S3114の処理で、残枚数カウンタの値が0以下であるか否かを確認する。
残枚数カウンタの値が150以下であるが135より大きい場合には(S3111:No)、ART継続演出は実行されるが各示唆演出は未実行となるので、準備演出設定処理を実行し(S3115)、残枚数カウンタの値が135以下であるが90より大きい場合には(S3111:Yes、S3112:No)、継続率による抽選結果に基づいたART継続の示唆演出を実行し(S3116)、残枚数カウンタの値が90以下であるが45より大きい場合には(S3111:Yes、S3112:Yes、S3113:No)、小役当選による抽選結果に基づいたART継続の示唆演出を実行し(S3117)、残枚数カウンタの値が45以下であるが0より大きい場合には(S3111〜S3113:Yes、S3114:No)、ストックによるART継続の示唆演出を実行し(S3118)、残枚数カウンタの値が0以下であれば(S3111〜S3114:Yes)、ボーナスゲームを終了するタイミングとなるので、確定演出設定処理を実行し(S3119)、ボーナス演出設定処理を終了する。
S3101の処理で、ボーナスゲームがRBであれば(S3101:No)、上述した通り、ART継続演出が直ぐに開始されるので、残枚数カウンタの値をS3121〜S3124の処理で確認する。具体的には、S3121の処理で、残枚数カウンタの値が90以下であるか否かを確認し、S3122の処理で、残枚数カウンタの値が60以下であるか否かを確認し、S3123の処理で、残枚数カウンタの値が30以下であるか否かを確認し、S3124の処理で、残枚数カウンタの値が0以下であるか否かを確認する。
そして、残枚数カウンタの値が90より大きい場合には(S3121:No)、準備演出設定処理を実行し(S3125)、残枚数カウンタの値が90以下であるが60より大きい場合には(S3121:Yes、S3122:No)、継続率による抽選結果に基づいたART継続の示唆演出を実行し(S3126)、残枚数カウンタの値が60以下であるが30より大きい場合には(S3121:Yes、S3122:Yes、S3123:No)、小役当選による抽選結果に基づいたART継続の示唆演出を実行し(S3127)、残枚数カウンタの値が30以下であるが0より大きい場合には(S3121〜S3123:Yes、S3124:No)、ストックによるART継続の示唆演出を実行し(S3128)、残枚数カウンタの値が0以下であれば(S3121〜S3124:Yes)、確定演出設定処理を実行し(S3129)、ボーナス演出設定処理を終了する。
以上説明したように、第2実施形態のスロットマシン10では、BB又はRBのボーナスゲーム中にART継続演出が行われ、そのART継唆演出では、各3ゲーム毎に、継続率によるART抽選でARTが継続するか否かの結果、小役当選によるART抽選でARTが継続するか否かの結果、ストックによってARTが継続するか否かの結果を示す示唆演出が行われる。よって、ARTが継続する条件が、継続率であるか、小役当選であるか、ストックであるかを、ボーナスゲームが行われている間に遊技者に推測させることができるので、ART継続演出に興味を持たすことができる。従って、スロットマシン10は、ボーナス終了後にARTが実行されることへの期待感をボーナス中に遊技者に与えることができる。その結果、ART発生の期待感を与える機会が増えART発生の期待感を効率良く遊技者に与えることができるので、興趣の向上を図ることができる。
また、従来のスロットマシンは、上述した通り、本実施形態と同様に、継続率によるARTの継続、小役当選によるARTの継続、ストックによるARTの継続の複数の条件によってARTが継続し、複数回に亘ってARTが連続して実行される遊技性を有するものもある。しかしながら、従来のスロットマシンでは、ART中にボーナスに当選すると、ボーナス終了後にARTが継続するか否かの示唆演出が行われなかったり、示唆演出が行われても、ボーナスの終了時(又は終了後)に「継続」などの文字を表示してARTが開始されることを示唆するものであった。そのため、遊技者は、継続率、小役当選、ストックのどの条件によりARTが継続したか否かを推測できず、ボーナス当選によってARTが終了してしまうかもという不安感をボーナス中常に抱くことになってしまう。更に、継続率、小役当選、ストックのどの条件によりARTが継続したか否かを推測できないので、ボーナス中の遊技が単調となり、そのボーナス中の遊技に対して飽きてしまうという問題も生じる。
また、従来のスロットマシンにおいて、ボーナス中の小役当選時などに通常とは異なる演出を行うものも知られている。この従来のスロットマシンでは、小役当選時に通常とは異なる演出を行ったとしても、継続率によるARTの継続か、小役当選によるARTの継続か、ストックによるARTの継続かを推測することはできない。その結果、遊技者は、ボーナス中に常に不安感を持って遊技をしなければならないし、ボーナス中の遊技に対して飽きてしまうという問題が生じる。
本実施形態のスロットマシン10では、ART継続演出において、継続率によるARTの継続、小役当選によるARTの継続、ストックによるARTの継続のそれぞれについて示唆演出が行われ、どの条件によりボーナス終了後にARTが開始されたか否かを遊技者に推測させることができるので、ARTの継続が確定した時点で遊技者に安心感を与えて遊技を実行させることができる。また、遊技者は、どの条件によりARTが継続するか否かを把握できるので、ART抽選を行う小役に当選したか否かを確認しつつ、ART継続演出を視認し、継続率によるARTの継続が確定すれば、小役当選によるARTのストック数が増加したことを期待する遊技性を提供できるし、ARTが実際に継続する回数と継続率によるARTの継続が確定した回数とから継続率を推測できる遊技性を提供できるし、ストックによるARTの継続が確定すれば、どの程度ストックが溜まっているかを推測する遊技性を提供できる。よって、ボーナス中の遊技に対して遊技者を注目させることができるので、ボーナス中の遊技に対して遊技者が飽きてしまうことを抑制でき、興趣の向上を図ることができる。
また、第2実施形態のスロットマシン10は、ART中のART継続演出と、ボーナス中のART継続演出とで共通の演出が行われるので、制御プログラムおよび演出用の各種データを共通化でき、表示制御装置111のROMの記憶容量を少なくできるし、制御自体を簡略化することができる。また、ART中のART継続演出とボーナス中のART継続演出が共通の演出内容なので、ARTが継続するか否かの結果を遊技者に把握させ易くできる。
次に、図37〜図40を参照して、第3実施形態のスロットマシン10について説明する。第1実施形態のスロットマシン10では、ART中にボーナスに当選してもARTが規定ゲーム数(50ゲーム)実行可能に構成されており、そのARTの残り12ゲームの間に、継続率によってARTが継続するか否かの結果、小役当選によってARTが継続するか否かの結果、ストックによってARTが継続するか否かの結果を示唆するART継続演出がART中に行われるものとした。また、第2実施形態のスロットマシン10では、ART中にボーナスに当選するとボーナスの入賞を優先し、ボーナス当選時(又は入賞時)に継続率によるART継続の抽選を行うと共に、ボーナス終了後に新たなARTが継続して開始されるか否かの結果を示唆するART継続演出をボーナス中に行うように構成した。これに代えて、第3実施形態のスロットマシン10では、ART中にボーナスに当選しても継続率によるART抽選を行わないように構成し、そのボーナス中に、ボーナス当選によるART抽選に当選したか否かの結果、ボーナス当選によって選択される継続率の示唆演出、ボーナス中のボーナス図柄や小役当選によってART抽選に当選したか否かの結果を示唆するART抽選演出が行われるように構成した。なお、第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
また、第3実施形態のスロットマシン10では、第1実施形態のスロットマシン10のように、ART中にボーナスに当選した場合、ARTを規定ゲーム数実行可能に構成しても良いし、第2実施形態のスロットマシン10のように、ボーナスの入賞を優先するように構成しても良い。
まず、図37を参照して、ボーナス中に行われるART抽選演出について説明する。図37は、第3実施形態のボーナス中の状態変化を概略的に示した図であり、図37(a)は、BB中の状態変化を示し、図37(b)は、RB中の状態変化を示している。なお、図37の説明ついて、図34と同様の部分については、その説明を省略する。
図37(a)に示すように、t50ではBBが開始され、メダル払出の残り枚数が150以下となるまで(t51)、通常のボーナス中演出が行われ、t51以降でART抽選演出を行う。t52で、準備演出が終了すると、t52からt53までボーナス当選時のART抽選によってARTに当選したか否かの示唆演出を行い、t53からt54までボーナス当選時のARTに当選した場合に選択される継続率の示唆演出を行い、t54からt55までt54以前のボーナスゲーム中のボーナス図柄や小役当選によるART抽選によってARTが当選した否かの示唆演出を行い、t55からt56のボーナスが終了するまでの間に、ARTに当選しているか否かの確定演出を行う。
ここで、ボーナス当選時または小役当選によってARTに当選したか否かの示唆演出は、ARTに当選していれば、図14(a)に示す継続時演出テーブルと同様の当選時演出テーブルが参照され、ARTに非当選であれば、図14(b)に示す非継続時演出テーブルと同様の非当選時演出テーブルが参照される。また、継続率の示唆演出は、ボーナス当選時のART抽選に非当選であれば、継続率自体が選択されないので、係る場合には非当選時演出テーブルを参照し、継続率「90%」が選択された場合に、当選時演出テーブルを参照する。継続率「80%」が選択された場合には、例えば、格闘家Aが60%の確率で選択される演出テーブルを参照し、継続率「50%」が選択された場合には、格闘家Aが50%の確率で選択される演出テーブルが参照される。即ち、継続率「80%」及び継続率「50%」に対応する演出テーブルは、継続率「90%」より格闘家Aが選択される可能性が低いが、継続率が選択されなかった場合より格闘家Aが選択される可能性が高いテーブルとして構成されている。
図37(b)に示すように、RBは、準備演出、3種類の示唆演出がそれぞれ2ゲームずつの8ゲームでART抽選演出が行われ、遊技者に対してARTに当選したか否か、継続率は高いものが選択されたか否か、ボーナス中にARTに当選したか否かの期待度を示唆するように構成されている。
図38は、第3実施形態の主制御装置131のMPU151により実行されるART判定処理を示したフローチャートである。第3実施形態では、ボーナス当選時にARTに当選したか否かの示唆演出、ARTの継続率が高いか低いかの示唆演出、及び、ボーナス中のボーナス図柄や小役当選に基づくART抽選に当選したか否かの示唆演出を行うので、ART判定処理において、ボーナス当選時にARTに当選した場合にコマンドをセットし、抽選された継続率に対応した継続率コマンドをセットし、ボーナス中のボーナス図柄や小役当選に基づいてARTに当選した場合にコマンドをセットして表示制御装置111に送信するように構成されている。
ART判定処理において、ボーナス当選時のART継続率アップ抽選が行われると(S1005)、選択された継続率を継続率記憶エリア153hに記憶することに加え、継続率を示す継続率コマンドをセットする。(S4001)。
また、ボーナス当選時のART抽選によってARTに当選し、そのストック数をストックカウンタ153fに記憶すると(S1009)、ボーナス当選時にARTに当選したことを示すストックコマンドをセットし(S4002)、その後、継続率を選択して、その継続率を継続率記憶エリア153hに記憶することに加え、選択された継続率を示す継続率コマンドをセットし(S4003)、ART判定処理を終了する。
また、ボーナス中にボーナス図柄や小役に当選してART抽選を行った結果、ARTに当選してストック数の抽選および加算が終わると(S1028)、ボーナス中にARTに当選したことを示すストックコマンドをセットし(S4004)、ART判定処理を終了する。
なお、図示は省略するが、第3実施形態のボーナスゲーム処理は、第2実施形態のボーナスゲーム処理と同様の処理が実行され、残枚数コマンドが主制御装置131から表示制御装置111に送信される。
図39は、第3実施形態の表示制御装置111のMPU181により実行される受信コマンドチェック処理を示したフローチャートである。第3実施形態の受信コマンドチェック処理は、第1実施形態の受信コマンドチェック処理に対して、継続率コマンドを受信した場合に継続率を記憶する処理、及び、ストックコマンドを受信した場合に対応するストックコマンドを更新する処理が追加されている。なお、受信コマンドチェック処理において、ボーナス中ストックフラグ、当選時ストックフラグ及び継続率記憶エリアが用いられているが、これらは、表示制御装置111のRAM183に記憶エリア(図示せず)がそれぞれ設けられている。
受信コマンドチェック処理のS2602〜S2607の処理において、主制御装置131から送信されて受信したコマンドを確認する処理に加え、S4101の処理で、ストックコマンドを受信したか否かを確認し(S4101)、S4105の処理で、継続率コマンドを受信したか否かを確認している。
S4101の処理で、ストックコマンドを受信していれば(S4101:Yes)、ARTに当選した条件が、ボーナス当選時のART抽選によるものか、ボーナス中のボーナス図柄又は小役当選時のART抽選によるものかを確認する(4102)。
S4102の処理で、ARTの当選の条件がボーナス中のボーナス図柄又は小役当選時によるものであれば(S4102:Yes)、ボーナス中ストックフラグをオンし(S4103)、ボーナス当選時によるものであれば(S4102:No)、当選時ストックフラグをオンする(S4104)。
また、S4105の処理で、継続率コマンドを受信していれば(S4105:Yes)、継続率コマンドにより示される継続率を継続率記憶エリアに記憶し(S4106)、受信したコマンドが継続率コマンドでなければ(S4105:No)、S4106の処理を実行せずに、次の処理へ移行する。
図40は、第3実施形態の表示制御装置111のMPU181により実行されるボーナス演出設定処理を示したフローチャートである。なお、第3実施形態のボーナス演出設定処理は、第2実施形態のボーナス演出設定処理に対して、各3ゲーム(又はRB中では各2ゲーム)間で表示される示唆演出を設定する処理が異なるのみなので、簡単に説明する。
ボーナス演出設定処理が実行され、現在実行されているボーナスがBBの場合に(S3101:Yes)、残枚数カウンタの値が135以下であるが90より大きいと(S3111:Yes、S3112:No)、ボーナス当選時におけるART抽選結果を示唆する示唆演出を設定する示唆演出設定処理を実行し(S4201)、残枚数カウンタの値が90以下であるが45より大きいと(S3111:Yes、S3112:Yes、S3113:No)、ARTの継続率が高いか低いかを示唆する示唆演出を設定する示唆演出設定処理を実行し(S4202)、残枚数カウンタの値が45以下であるが0より大きいと(S3111〜S3113:Yes、S3114:No)、ボーナス中のボーナス図柄や小役当選によってARTに当選したか否かを示唆する示唆演出を設定する示唆演出設定処理を実行する(S4203)。
また、現在実行されているボーナスがRBの場合に(S3101:No)、残枚数カウンタの値が90以下であるが60より大きいと(S3121:Yes、S3122:No)、ボーナス当選時におけるART抽選結果を示唆する示唆演出を設定する示唆演出設定処理を実行し(S4204)、残枚数カウンタの値が60以下であるが30より大きいと(S3121:Yes、S3122:Yes、S3123:No)、ARTの継続率が高いか低いかを示唆する示唆演出を設定する示唆演出設定処理を実行し(S4205)、残枚数カウンタの値が30以下であるが0より大きと(S3121〜S3123:Yes、S3124:No)、ボーナス中のボーナス図柄や小役当選によってARTに当選したか否かを示唆する示唆演出を設定する示唆演出設定処理を実行する(S4206)。
以上説明したように、第3実施形態のスロットマシン10では、BB又はRBのボーナスゲーム中にART抽選演出が行われ、そのART抽選演出では、各3ゲーム毎に、ボーナス当選時によるART抽選が当選したか否か、ARTの継続率が高いか低いか、小役当選によるART抽選でARTに当選したか否かの示唆演出が行われる。よって、今回のボーナス当選によって、ARTに当選したか、継続率は高いか、小役当選によりARTに当選したかを、今回のボーナス中に遊技者に推測させることができる。従って、ボーナス終了後にARTが実行されることへの期待感をボーナス中に遊技者に与えることができる。その結果、ART発生の期待感を与える機会が増えART発生の期待感を効率良く遊技者に与えることができるので、興趣の向上を図ることができる。
以上、各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1実施形態では、ART中にART継続演出を行い、上記第2実施形態では、ART中とボーナス中とにART継続演出を行うように構成したが、ボーナス中のみにART継続演出を行うように構成しても良い。この構成であれば、ARTが発生すると、ボーナスが入賞してART継続演出が行われることを期待するので、ボーナス当選への期待感を高めることができる。また、上記第3実施形態では、ART中にART継続演出を行い、ボーナス中にART抽選演出を行うように構成したが、ボーナス中のART抽選演出のみを行うように構成しても良い。この構成であれば、ボーナス毎に、ARTの当選、継続率、小役当選によるストック等を推測できるので、ボーナスによって付与される遊技価値を推測可能な遊技性を提供できる。また、最初のボーナスの当選時には、ボーナス中にART抽選演出を行い、ART中にはART継続演出を行い、ART中にボーナスに当選した場合にはボーナス中にART継続演出を行うように構成しても良い。この構成であれば、最初のボーナス当選時には、ARTに当選したか否か、継続率は高いか低いかを遊技者に推測させ、ART中および2回目以降のボーナス時には、継続率、小役当選、ストックのいずれの条件によりARTが継続するか否かを遊技者に推測させることができる。
上記第2実施形態では、ART中にボーナスに当選すると、継続率によるART抽選を行うように構成したが、継続率によるART抽選を行わないように構成しても良い。この構成では、ボーナス後にARTが継続するか否かは、ボーナス当選時のART抽選に当選したか否か、ボーナス中の小役当選によるART抽選に当選したか否か、ストックカウンタ153fの値が0より大きいか否かによって決定される。よって、遊技者は、ARTが開始されると、ボーナス当選にも期待するがARTが終了してしまう可能性もあるので、ARTが継続して実行されることへの期待感を高く持ち、ART中に実行されるART継続演出への興味を高めることができる。
上記各実施形態では、1セット50ゲームのARTが複数回継続して実行されるように構成したが、ボーナス終了後にARTが開始されると、次のボーナス当選までARTが続くように構成しても良い。この構成について少し詳細に説明する。この構成では、最初のボーナス当選時にARTの継続率を抽選し、以降のボーナス当選時には、継続率によってARTが継続するか否かを抽選する。ART継続演出は、ART中に行わずにボーナス中に行うように構成する(例えば、第2実施形態のスロットマシン10においてART中にART継続演出を行わずにボーナス中のみにART継続演出を行う)。また、小役当選によるART抽選は、ボーナス中およびART中に行い、ボーナス当選時の継続率によるART抽選に当選しなければ、ボーナス中の小役当選によりARTが継続するかストックによりARTが継続する。この構成では、ボーナス、ART、ボーナス、ARTと繰り返し行われることになり、短時間で多くの遊技価値が付与されることになるので、ART継続演出に対する遊技者の興味を高めることができる。よって、ART中に、ART抽選が行われる小役が当選することに期待するし、ボーナス中にも小役が当選することに期待するので、ボーナスとARTとが繰り返し行われる全期間に対して、ARTが実行されることへの期待感を遊技者に与えることができる。
上記各実施形態では、高確および低確状態への移行抽選、ART抽選、ARTストック数抽選、継続率抽選、継続率アップ抽選を、各対応役が当選した場合にそれぞれ抽選するように構成したが、各対応役が有効ライン上に停止し入賞した場合にそれぞれ抽選するように構成しても良い。この構成であれば、遊技者の操作に起因して各種抽選が行われるので、自身の操作に基づいて入賞した役における抽選への期待感を高めることができる。なお、この構成の場合にも、遊技者が目押しをしないと入賞しない小役(スイカ、チェリー、特殊リプレイA、特殊リプレイB)に対しては、当選時に抽選を行うように構成しても良い。
上記第1又は第3実施形態では、ART中にボーナスに当選しても、そのままART中抽選テーブルが参照され、ARTの1セット分の遊技価値を付与可能に構成したが、ボーナスに当選した次ゲームから通常状態中抽選テーブル(図13(a)参照)を参照し、補助表示部15の液晶画面上にもボーナス当選を示唆する演出を表示するように構成しても良い。この構成であれば、ボーナスを早期に入賞させることができるので、遊技者に多くの遊技価値を迅速に付与できるし、ART抽選、ART継続率アップ抽選が行われる機会を増やすことができる。また、ART中にボーナスに当選した場合には、ART中抽選テーブルが継続して参照されるが、補助表示部15の液晶画面上にボーナスに当選した旨を表示するように構成しても良い。この構成であれば、遊技者は、ARTの1セット分を消化したければ、ボーナス図柄が入賞しないように各リール42L,42M,42Rを停止させるし、早期に遊技価値の付与を受けたい場合には、抽選結果がハズレのときにボーナス図柄を入賞させるように各リール42L,42M,42Rを停止させる。即ち、ボーナス図柄を入賞させるか、ARTの1セットを消化するかを遊技者が選択可能な遊技性を提供できる。
上記各実施形態では、ARTの1セットのうち残りゲーム数が12ゲームとなったらART継続演出を行うように構成したが、ART中に、ART抽選を行う小役(スイカ、チェリー、特殊リプレイA、特殊リプレイB)に当選した場合に、次ゲームから3ゲームの間に小役当選によるART抽選の示唆演出を行うように構成しても良い。この構成であれば、遊技者は、当選した小役に対するART抽選の期待度をその都度推測できるので、ART継続演出において小役当選によるART抽選の結果を示唆する場合に比べて、当選した小役と、ART抽選に当選した回数とを正確に推測可能な遊技性を提供できる。勿論、ART継続演出を実行し、継続率によりARTが継続するか否か、及び、ストックによりARTが継続するか否かを示唆する示唆演出を表示するように構成しても良い。
上記各実施形態では、ボーナス終了後は、必ずRTに移行するように構成したが、ARTに当選している場合には、ボーナス終了後にRTを介さずにARTに移行し、ARTに非当選であれば、ボーナス終了後に通常状態へ移行するように構成しても良い。また、ボーナス終了後に、リプレイ当選確率を通常状態と同様にするチャンスゾーン(CZ)を設け、そのCZ中に押し順リプレイが入賞したか否かに応じてARTまたは通常状態へ移行するように構成しても良い。即ち、ボーナス、RT、ART、CZの組み合わせは、スロットマシン10の仕様に応じて適宜組み合わせ可能である。
上記各実施形態では、ARTの継続率による抽選を、ART開始時の1回のみ行うように構成したが、例えば、ART中の全てのゲームでART抽選を行ったり、高確率で当選するリプレイが当選した場合に同時抽選としてART抽選を行い、1セットの50ゲームを行った最終的な確率が、90%、80%、50%、10%の継続率となるように構成しても良い。
また、ART継続演出またはART抽選演出を行うか否かを遊技者がボタン(操作手段)などを操作することで、任意に選択できるように構成しても良い。この構成では、遊技者の意図に沿った遊技性を提供できる。また、ART継続演出またはART抽選演出は、所定の確率で行われるように構成しても良いし、ARTに当選した場合に行われ易く構成しても良い。ARTに当選した場合に、ART継続演出またはART抽選演出が行われ易くなる場合には、その演出が行われるだけでARTの当選への期待感を遊技者に与えることができる。また、ART中の終了後、ボーナスの終了後に、ART継続演出またはART抽選演出を行うか否かを選択可能に構成しても良い。この構成では、ART中やボーナス中に特定の小役へ入賞しARTの当選への期待がある場合に、遊技者はART継続演出またはART抽選演出を視認するように選択するので、遊技者の意図に沿った遊技性を提供できる。
上記各実施形態では、RT中のみ押し順リプレイが当選するように構成したが、通常状態中の押し順リプレイの当選確率を、例えば1/256とし、通常状態中に押し順リプレイに当選したら、押し順演出を実行するように構成しても良い。この構成では、ボーナスに当選しなくても、ARTが開始される可能性があるので、通常状態中においてもART発生への期待感を遊技者に与えることができる。さらに、ARTに当選すれば、そのART中の小役当選によってARTが継続する可能性もあるので、ART発生への期待感を高めることができる。また、通常状態中の押し順リプレイは、遊技状態(高確状態か低確状態、ボーナス後から所定ゲーム数が行われたか等)に応じて、押し順ナビを発生させるように構成しても良いし、ストップスイッチ72〜74のうち最初に操作すべきストップスイッチ72〜74の押し順のみを示唆するように構成しても良い。この構成では、遊技状態に応じてART発生への期待感が異なることになるので、遊技者に遊技状態を推測させる遊技性も提供できる。
上記各実施形態では、ART継続演出を、継続率、小役当選、ストックの順に示唆するように構成したが、この順番は、ART抽選の優先度に応じて適宜変更可能である。例えば、小役当選によるART抽選を優先する場合であれば、小役当選、継続率、ストックの順に示唆するように構成する。また、ART継続演出を、継続率とストックの2種類、小役当選とストックの2種類、継続率と小役当選との2種類で構成しても良い。また、ART抽選演出も同様に、ボーナス当選時のART抽選、継続率、小役当選の順序は、適宜変更可能だし、2種類としても良い。即ち、ARTが継続するか否かの条件は、複数であれば、どの組み合わせであっても良いし、他の条件を増やしても良いし、ART抽選の優先度は、スロットマシン10の仕様によって適宜変更しても良い。
上記各実施形態では、ART継続演出の継続率、小役当選、ストックの示唆演出を、それぞれ独立した結果で表示するように構成したが、関連性を持つような示唆演出としても良い。例えば、継続率によるART抽選に当選している状態で、小役当選によるART抽選に当選した場合、継続率に対応する示唆演出において、格闘家Aが必殺技で攻撃すると共に格闘家Bがダウンする演出が選択された場合に限定して、小役当選に対応する示唆演出において、ダウンしている格闘家Bに対して更に別の必殺技で格闘家Aが攻撃する示唆演出を、所定の確率で行うように構成する。この示唆演出を遊技者が視認することで、継続率および小役当選の両方でARTに当選したことを認識できるので、ART継続演出に対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、上記各実施形態では、ART継続演出を、補助表示部15の液晶画面上で行うように構成したが、LEDなどのランプの点灯色により期待度を示す場合には、残り3ゲームで、継続率、小役当選、ストックによるARTの当選の期待度を示唆するように構成しても良い。
また、上記各実施形態では、継続率によってARTが継続するか否かの結果を示す示唆演出、小役当選によってARTが継続するか否かの結果を示す示唆演出、ストックによってARTが継続するか否かの結果を示す示唆演出を、遊技者に対応する格闘家Aが勝利するか倒れるかによってARTが継続するか否かを確定するように構成した。これに代えて、各示唆演出において、格闘家Aが勝利するか倒れるかを確定せずに、示唆演出後に行われる確定演出において、格闘家Aが勝利するか倒れるかを確定するように構成しても良い。この構成では、遊技者に対応する格闘家Aが攻撃を仕掛けるか否か、格闘家Aが攻撃を仕掛けた場合の攻撃の種別、その格闘家Aが攻撃した場合の種別による攻撃の強さ、格闘家Bが攻撃を仕掛けた場合の攻撃の種別、その格闘家Bが攻撃した場合の種別による攻撃の強さによって、継続率、小役当選、ストックによてARTが継続するか否かを推測させることができる。よって、例えば、継続率によってARTが継続するか否かの示唆演出がART継続の可能性が高く、小役当選によってARTが継続するか否かの示唆演出もART継続の可能性が高いと推測できれば、継続率によってARTが継続し、更に小役当選にってストックが加算されているかもと推測させることができるし、継続率による示唆演出および小役当選による示唆演出にART継続の可能性が低くストックによるART継続の可能性が高いと推測できれば、ストック数が減ったことを推測できる遊技性を提供できる。なお、勿論、ARTが継続するか否かの結果を確定する示唆演出と、ARTが継続するか否かを推測させる示唆演出とを組み合わせても良い。
また、上記第1及び第2実施形態では、ART継続演出において、各3ゲーム毎に行われる試合で格闘家Bは同一であったが、ARTが継続する毎に格闘家Bの表示態様を変更するように構成しても良い。例えば、ARTが継続する程、格闘家Bの体格を段々筋肉質にしていったり、素人、日本チャンピオン、世界チャンピオンと格闘家Bの強さを高くするように構成しても良い。
また、上記実施形態では、略箱状の筐体11と前面扉12とにり密閉される内部に主制御装置131及び表示制御装置111を配置するものとしたが、前面扉12が前方に開放される構成であれば、密閉されていなくても良い。例えば、4辺からなる枠体に対して前面扉が開閉動作する構造に適用しても良い(即ち、従来からあるパチンコ機や、パチンコ機とスロットマシンとを融合した遊技機)。
また、表示制御装置111は、前面扉12に取り付けられるものとしたが、例えば、ホッパ装置91の後方など、視認付加な場所に取り付ける構成としても良い。
また、上記実施形態では、遊技状態が通常ゲーム(通常状態中)である場合、メダルが3枚ベットされた後に開始指令が発生したか否かを判定する構成としたが、1枚ベットされた後や2枚ベットされた後にも開始指令が発生したか否かを判定する構成としてもよいことは言うまでもない。但し、かかる構成の場合には、ベット状況に応じた抽選テーブルを予め記憶させておく必要がある。
また、上記実施形態では、リールを3つ並列して備え、有効ラインとして5ラインを有するスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンや、有効ラインを7ライン有するスロットマシンであってもよい。
また、各リール42L,42M,42Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
また、上記実施形態では、ベットされたメダル数に応じて設定される有効ライン数が変化するスロットマシン10について説明したが、ベットされたメダル数に関わらず一定数(例えば5本)の有効ラインを設定するスロットマシンに適用してもよい。かかるスロットマシンに適用した場合であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
また、上記実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
複数種類の図柄を循環表示する循環表示手段と、その循環表示手段の図柄の循環表示に応じた演出を表示可能な補助表示手段と、前記循環表示手段の図柄の循環表示を開始させる場合に操作される開始操作手段と、その開始操作手段の操作に基づいて複数の役の抽選を行う役抽選手段と、前記循環表示手段の図柄の循環表示を停止させる場合に操作される停止操作手段とを備え、前記停止操作手段が操作されて前記循環表示手段が停止表示した図柄と前記役抽選手段の抽選により当選した当選役とが対応するものである場合に、その当選役に応じた遊技価値を付与する遊技機において、前記役抽選手段による第1の役の抽選を第1の確率で行う第1抽選状態と、前記第1の確率より高確率となる第2の確率で第1の役の抽選を行う第2抽選状態とを切り替えて実行可能な状態実行手段と、その状態実行手段により前記第2抽選状態を実行するか否かを、複数の条件に基づいて設定する実行設定手段と、その実行設定手段により前記第2抽選状態の実行が設定された場合に、前記複数の条件のうち前記第2抽選状態の実行を設定した条件を記憶する条件記憶手段と、前記複数の条件のそれぞれについて前記第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を、前記条件記憶手段に記憶される条件に基づいて前記補助表示手段に表示する演出実行手段とを備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、高確率となる第2の確率で第1の役の抽選を行う第2抽選状態を実行するか否かが複数の条件に基づいて設定され、複数の条件のうち第2抽選状態の実行を設定した条件が条件記憶手段に記憶される。そして、複数の条件のそれぞれについて第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出が、条件記憶手段に記憶される条件に基づいて補助表示手段に表示される。よって、複数の条件のそれぞれについて行われる示唆演出によって、第2抽選状態が実行されるか否か、及び、複数の条件のどの条件によって第2抽選状態の実行が設定された否かを遊技者に推測させることができる。従って、複数の条件のそれぞれについて示唆演出を行うので、第2抽選状態が実行されることへの期待感を遊技者に与える機会を増やすことができ、興趣の向上を図ることができる。
なお、第1抽選状態としては、本実施形態の通常状態が該当し、第2抽選状態としては、本実施形態のARTが該当し、第1の役としては、本実施形態のリプレイが該当する。
また、前記複数の条件のそれぞれについて前記第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出が実行される場合に、各示唆演出と前記複数の条件との対応関係を報知する報知手段を備えるものとしても良い。この構成であれば、実行されている示唆演出がどの条件に対応するものであるかを遊技者に簡単に把握させることができる。
遊技機A1において、前記状態実行手段は、前記第2抽選状態の終了後に、新たな第2抽選状態を継続して実行可能に構成され、前記演出実行手段は、前記複数の条件のそれぞれについて前記新たな第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を、前記第2抽選状態中に表示するものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、第2抽選状態の終了後に新たな第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出が第2抽選状態中に表示される。ここで、第2抽選状態は、第1の役が高確率で当選するので単調な遊技となり易く遊技への興味が薄れ易いが、その第2抽選状態中に新たな第2抽選状態が継続して実行されるか否かを示唆する示唆演出を行うので、第2抽選状態が実行されることへの期待感を遊技者に与える機会を増やしつつ、遊技への興味が薄れることも抑制できる。
なお、第2抽選状態の終了後に新たな第2抽選状態が継続して実行されるとは、第2抽選状態が終了した直後に新たな第2抽選状態が実行される場合だけでなく、第2抽選状態が終了後に他の遊技状態に移行するが、新たな第2抽選状態が実行されていることが設定(決定)されている場合も含む概念である。例えば、本実施形態では、ART終了後に新たなARTが開始される場合だけでなく、ARTの次にボーナスが行われ、そのボーナス後にARTが開始される場合も含む。即ち、ART、ARTの順や、ART、RT、ARTの順、ART、ボーナス、RT、ARTの順、ART、ボーナス、ARTの順などの組み合わせは、遊技機の仕様により適宜組み合わせ可能である。
遊技機A2において、前記役抽選手段による抽選結果が、第2の役に当選するものであった場合に、前記新たな第2抽選状態が継続して実行される継続確率を選択する継続率選択手段を備え、前記実行設定手段は、前記複数の条件の1つとして、前記継続率選択手段により選択された継続確率に基づいて前記新たな第2抽選状態を実行するか否かを設定するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、複数の条件の1つとして、新たな第2抽選状態を実行するか否かを継続確率に基づいて設定し、その継続確率によって新たな第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を表示できる。よって、継続確率の示唆演出の内容と、新たな第2抽選状態が継続して実行された回数とから、継続確率が高いか低いかを遊技者に推測させることができる。従って、単調な遊技となり遊技への興味が薄れ易い第2抽選状態中の示唆演出に対する遊技者の興味を高めることができる。なお、第2の役としては、第1の役とは異なる役であれば良く、本実施形態ではボーナス(同種BB、異種BB、RB)が該当し、継続率選択手段により選択される継続確率とは、ART継続率抽選により選択される継続率と、ART継続率アップ抽選により選択される継続率とを含む。
遊技機A2又はA3において、前記実行設定手段は、前記第2抽選状態を少なくとも含む所定の遊技状態中に、前記役抽選手段による抽選結果が前記複数の役のうち所定の当選役に当選するものであると、前記複数の条件の1つとして、前記所定の当選役に応じた抽選確率で前記第2抽選状態を実行するか否かを設定するものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、第2抽選状態を少なくとも含む所定の遊技状態中に、所定の当選役が当選すると、複数の条件の1つとして、所定の当選役に応じた抽選確率で第2抽選状態を実行するか否かが設定されるので、所定の当選役によって第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を第2抽選状態中に表示できる。よって、第2抽選状態中に、所定の当選役に対応する図柄が停止表示される度に第2抽選状態が実行されることへの期待感を遊技者に与えることができるし、所定の当選役の当選に基づいた示唆演出も行われるので、第2抽選状態中の遊技への興味を高めることができ、興趣の向上を図ることができる。なお、所定の遊技状態中としては、本実施形態のART中およびボーナス中とが該当する。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記条件記憶手段は、前記実行設定手段により前記第2抽選状態の実行が設定される毎に、その条件を累積して記憶可能に構成され、前記実行設定手段は、前記第2抽選状態の間に、前記複数の条件の1つとして、前記条件記憶手段に記憶される条件の累積数に基づいて、前記第2抽選状態を実行するか否かを設定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、第2抽選状態の間に、複数の条件の1つとして、条件記憶手段に記憶される条件の累積数に基づいて第2抽選状態を実行するか否かが設定され、その累積数に基づいて第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を表示できるので、新たな第2抽選状態が継続して実行されるか否かだけでなく、条件記憶手段に記憶される条件の累積数も遊技者に推測させることができる。よって、条件記憶手段に記憶される条件の累積数によって第2抽選状態がどの程度継続して実行されるかを遊技者に推測させることができるので、示唆演出に対する興味を高めることができる。
遊技機A2において、前記役抽選手段による抽選結果が、第2の役に当選するものであった場合に、前記新たな第2抽選状態が継続して実行される継続確率を選択する継続率選択手段と、前記実行設定手段により前記第2抽選状態の実行が設定される毎に、その条件を累積して前記条件記憶手段に記憶する累積記憶手段とを備え、前記実行設定手段は、前記第2抽選状態中に、前記複数の条件の1つとして、前記継続率選択手段により選択された継続確率に基づいて前記新たな第2抽選状態を実行するか否かを設定する継続率設定手段と、前記第2抽選状態中に、前記役抽選手段による抽選結果が前記複数の役のうち所定の当選役に当選するものであると、前記複数の条件の1つとして、前記所定の当選役に応じた抽選確率で前記第2抽選状態を実行するか否かを設定する当選役設定手段と、前記第2抽選状態の間に、前記複数の条件の1つとして、前記条件記憶手段に記憶される条件の累積数に基づいて、前記第2抽選状態を実行するか否かを設定する累積設定手段とを備え、前記継続率設定手段、当選役設定手段および累積設定手段のうち、前記継続率設定手段を優先して、前記新たな第2抽選状態を継続して実行するか否かの設定を行うものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、新たな第2抽選状態を継続して実行するか否かの設定が、継続確率と、所定の当選役に応じた抽選確率と、条件記憶手段に記憶される累積数とに基づいて行われ、継続率設定手段、当選役設定手段および累積設定手段による第2抽選状態の実行の設定を示唆する示唆演出が第2抽選状態中にそれぞれ表示されるので、単調な遊技となり遊技への興味が薄れ易い第2抽選状態中の示唆演出に対する遊技者の興味を高め、遊技への興味が薄れることを抑制できる。
また、継続確率、所定の当選役に応じた抽選確率、条件記憶手段に記憶される累積数とのうち、継続確率を優先するので、例えば、継続確率により第2抽選状態の実行が設定されたと推測できた場合に、所定の当選役が当選すると、条件記憶手段に累積される条件が増加している可能性があると遊技者に推測させることができる。一方で、継続確率により第2抽選状態の実行が設定されていないと推測できた場合に、条件記憶手段に記憶される条件の累積数により第2抽選状態の実行が設定されたと推測できれば、条件記憶手段の累積数が減ったことを推測させることができる。その結果、継続確率、所定の当選役に応じた抽選確率、条件記憶手段に記憶される累積数に対応する示唆演出に興味を持たせることができる。
遊技機A6において、前記第2抽選状態は、前記開始操作手段を操作して前記循環表示手段を循環表示させた後に前記停止操作手段を操作して前記循環表示を停止させる一連のゲームが所定のゲーム数に達すると終了するものであり、前記演出実行手段は、前記第2抽選状態の所定のゲーム数のうち後半部分で前記示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、第2抽選状態の所定のゲーム数のうち後半部分で、第2抽選状態が実行されるか否かの示唆演出が行われるので、第2抽選状態の前半部分において所定の当選役に対応する図柄が停止表示されて第2抽選状態が実行される抽選結果となることを期待し、その結果を後半部分で遊技者に推測させることができる。よって、第2抽選状態の全体に興味を持たすことができ、興趣の向上を図ることができる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記停止操作手段が操作されて前記循環表示手段が停止表示した図柄が特定の図柄であった場合に、特別な遊技価値を付与可能な特別遊技状態を実行する特別状態実行手段を備え、前記状態実行手段は、前記特別遊技状態の後に、前記第2抽選状態を実行可能に構成され、前記演出実行手段は、前記複数の条件のそれぞれについて前記第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を、前記特別遊技状態中に補助表示手段に表示するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、複数の条件のそれぞれについて第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出が特別遊技状態中に補助表示手段に表示されるので、特別遊技状態により特別な遊技価値が付与されることに加え、第2抽選状態が実行されるか否かを遊技者に推測させることができる。従って、特別遊技状態が実行されることへの期待感だけでなく、その特別遊技状態の後に第2抽選状態が実行されるか否か、及び、複数の条件のどの条件によって第2抽選状態の実行が設定されたか否かを遊技者に推測させることができるので、第2抽選状態が実行されることへの期待感を与える機会を増やすことができ、興趣の向上を図ることができる。
なお、前記演出実行手段は、前記第2抽選状態中に実行される示唆演出と、前記特別遊技状態中に実行される示唆演出とを共通の演出としても良い。この構成では、示唆演出の内容を遊技者に把握させ易くできるし、示唆演出を行う為の情報(例えば、画像データや制御プログラム)の記憶量が少なくなるので、記憶手段の記憶容量を少なくしコスト低減を図ることができる。
なお、第2の役に当選した場合に、特定の図柄が停止表示されるように構成しても良い。この構成であれば、特別遊技状態が実行される場合に、継続確率も選択されることになるので、特別遊技状態が実行されることへの期待感をより高めることができる。
遊技機A8において、前記実行設定手段は、前記特別遊技状態を少なくとも含む所定の遊技状態中に、前記役抽選手段による抽選結果が前記複数の役のうち所定の当選役に当選するものであると、前記複数の条件の1つとして、前記所定の当選役に応じた抽選確率で前記第2抽選状態を実行するか否かを設定するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、特別遊技状態を少なくとも含む所定の遊技状態中に、所定の当選役が当選すると、複数の条件の1つとして、所定の当選役に応じた抽選確率で第2抽選状態を実行するか否かが設定されるので、所定の当選役によって第2抽選状態が実行されるか否かの示唆演出を特別遊技状態中に表示できる。よって、特別遊技状態中に、所定の当選役に対応する図柄が停止表示される度に第2抽選状態が実行されることへの期待感を遊技者に与えることができるし、所定の当選役の当選に基づいた示唆演出も行うことができる。従って、特別な遊技価値が付与されることに加え、第2抽選状態の実行という遊技価値も付与される可能性があるので、特別遊技状態の実行への期待感を高めることができる。
遊技機A1からA9のいずれかにおいて、前記開始操作手段を操作して前記循環表示手段を循環表示させた後に前記停止操作手段を操作して前記循環表示を停止させることで一連のゲームが行われ、前記演出実行手段は、前記第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を、複数の連続する一連のゲームによって行うものであることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出が、複数の連続する一連のゲームによって行われるので、示唆演出が行われる期間を長くすることができ、その分、第2抽選状態が実行されることへの期待感を与える期間を増やすことができる。
遊技機A10において、前記演出実行手段は、前記複数の条件のそれぞれについいて前記第2抽選状態の実行が設定されたか否か示唆する示唆演出を、前記複数の連続する一連のゲームによって行うものであることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、複数の条件のそれぞれについいて第2抽選状態の実行が設定されたか否か示唆する示唆演出が複数の連続する一連のゲームによって行われる。よって、複数の連続する一連のゲームで行われる示唆演出の回数が多くなるので、示唆演出の内容を遊技者に多く認識させることができ、示唆演出の内容を遊技者に把握させ易くすることができる。従って、第2抽選状態が実行されるか否か、及び、どの条件によって第2抽選状態の実行が設定されたかを遊技者に把握させ易くできる。また、示唆演出を行う為の情報(例えば、画像データや制御プログラム)を共通化できるので、情報を記憶する記憶容量を少なくでき、コスト低減を図ることができる。
複数種類の図柄を循環表示する循環表示手段と、その循環表示手段の図柄の循環表示に応じた演出を表示可能な補助表示手段と、前記循環表示手段の図柄の循環表示を開始させる場合に操作される開始操作手段と、その開始操作手段の操作に基づいて複数の役の抽選を行う役抽選手段と、前記循環表示手段の図柄の循環表示を停止させる場合に操作される停止操作手段とを備え、前記停止操作手段が操作されて前記循環表示手段が停止表示した図柄と前記役抽選手段の抽選により当選した当選役とが対応するものである場合に、その当選役に応じた遊技価値を付与する遊技機において、前記停止操作手段が操作されて前記循環表示手段が停止表示した図柄が特定の図柄であった場合に、特別な遊技価値を付与可能な特別遊技状態を実行する特別状態実行手段と、その特別状態実行手段により実行される特別遊技状態の後に、前記役抽選手段による第1の役の抽選を第1の確率で行う第1抽選状態と、前記第1の確率より高確率となる第2の確率で第1の役の抽選を行う第2抽選状態とを切り替えて実行可能な状態実行手段と、その状態実行手段により前記第2抽選状態を実行するか否かを、複数の条件に基づいて設定する実行設定手段と、その実行設定手段により前記第2抽選状態の実行が設定された場合に、前記複数の条件のうち前記第2抽選状態の実行を設定した条件を記憶する条件記憶手段と、前記複数の条件のそれぞれについて前記第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を、前記特別遊技状態中に、前記条件記憶手段に記憶される条件に基づいて前記補助表示部に表示する演出実行手段とを備えていることを特徴とする遊技機B1。
ここで、特別遊技状態は、遊技者に特別な遊技価値が付与されるので、遊技者は、特定の図柄が停止表示されて特別遊技状態が発生することへの期待感を持つことができる。また、近年では、特別遊技状態の後に、高確率となる第2の確率で第1の役の抽選を行う第2抽選状態を実行可能に構成し、特別遊技状態が発生することへの期待感に加え、特別遊技状態の後に第2抽選状態が実行されることへの期待感を遊技者に与えることができる遊技機も知られている。しかしながら、この遊技機おいて、第2抽選状態が特別遊技状態の後に実行されるか否かの期待感は、特別遊技状態が終了した後に第2抽選状態が実行開始されるまでの短い期間となる。その結果、特別遊技状態の後に第2抽選状態を実行可能に構成しても、第2抽選状態が発生することへの期待感を与える機会が少なくなる結果、興趣を向上できないという問題点があった。
遊技機B1によれば、高確率となる第2の確率で第1の役の抽選を行う第2抽選状態を実行するか否かが複数の条件に基づいて設定され、複数の条件のうち第2抽選状態の実行を設定した条件が条件記憶手段に記憶される。そして、複数の条件のそれぞれについて第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出が、特別遊技状態中に、条件記憶手段に記憶される条件に基づいて補助表示部に表示される。よって、第2抽選状態が実行されるか否か、及び、複数の条件のどの条件によって設定されたかを特別遊技状態中に遊技者に推測させることができる。従って、第2抽選状態が実行されることへの期待感を与える機会を増やすことができるので、興趣の向上を図ることができる。
なお、第1抽選状態としては、本実施形態の通常状態が該当し、第2抽選状態としては、本実施形態のARTが該当し、第1の役としては、本実施形態のリプレイが該当する。また、特定の図柄としては、本実施形態ではボーナス図柄(同種BB、異種BB、RB)が該当する。
また、前記複数の条件のそれぞれについて前記第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出が実行される場合に、各示唆演出と前記複数の条件との対応付けを報知する報知手段を備えるものとしても良い。この構成であれば、実行されている示唆演出がどの条件に対応するものであるかを遊技者に簡単に把握させることができる。
遊技機B1において、前記実行設定手段は、前記役抽選手段による抽選結果が、前記特定の図柄に対応する特定の当選役に当選するものであった場合に、前記複数の条件の1つとして、前記特定の当選役に応じた抽選確率で前記第2抽選状態を実行するか否かを設定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、複数の条件の1つとして、特定の図柄に対応する特定の当選役に応じた抽選確率で第2抽選状態を実行するか否かを設定し、特定の当選役に応じた抽選確率で第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を表示できる。よって、特定の当選役の当選によって第2抽選状態が特別遊技状態の後に実行されるか否かを遊技者に推測させることができるので、特別遊技状態中の示唆演出に対する遊技者の興味を高めることができ、興趣の向上を図ることができる。
遊技機B1又はB2において、前記実行設定手段は、前記特別遊技状態中に、前記役抽選手段による抽選結果が前記複数の役のうち所定の当選役に当選するものであると、前記複数の条件の1つとして、前記所定の当選役に応じた抽選確率で前記第2抽選状態を実行するか否かを設定するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、特別遊技状態中に、所定の当選役が当選すると、複数の条件の1つとして、所定の当選役に応じた抽選確率で第2抽選状態を実行するか否かが設定されるので、所定の当選役によって第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を特別遊技状態中に表示できる。よって、特別遊技状態中に、所定の当選役に対応する図柄が停止表示される度に第2抽選状態が実行されることへの期待感を遊技者に与えることができるし、所定の当選役の当選に基づいた示唆演出も行えるので、特別遊技状態中の遊技への興味を高めることができ、興趣の向上を図ることができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記状態実行手段は、前記第2抽選状態の終了後に、新たな第2抽選状態を継続して実行可能に構成され、前記役抽選手段による抽選結果が、前記特定の図柄に対応する特定の当選役に当選するものであった場合に、前記新たな第2抽選状態が継続して実行される継続確率を選択する継続率選択手段を備え、前記演出実行手段は、前記継続率選択手段により選択された継続確率を示唆する示唆演出を、前記複数の条件のそれぞれの抽選結果を示唆する示唆演出に加えて表示するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、特定の図柄に対応する特定の当選役に当選するものであった場合に新たな第2抽選状態が継続して実行される継続確率が選択され、その選択された継続確率を示唆する示唆演出が、複数の条件のそれぞれの抽選結果を示唆する示唆演出に加えて表示されるので、特別遊技状態の後に実行される可能性のある第2抽選状態がどの程度継続する可能性があるかを遊技者に推測させることができる。よって、特別遊技状態中に、第2抽選状態が実行されるか否かの期待感に加え、継続確率によって第2抽選状態がどの程度継続するかの期待感を遊技者に与えることができるので、第2抽選状態が実行されることへの期待感を与える機会が増え、興趣の向上を図ることができる。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記特別状態実行手段は、前記開始操作手段を操作して前記循環表示手段を循環表示させた後に前記停止操作手段を操作して前記循環表示を停止させる一連のゲームにより付与される遊技価値を蓄積する蓄積手段を備え、その蓄積手段により蓄積された遊技価値が前記特別な遊技価値に達すると特別遊技状態を終了するものであり、前記演出実行手段は、前記特別遊技状態により付与される特別な遊技価値が半分以上付与された後に前記示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、特別遊技状態において特別な遊技価値が半分以上付与された後に、特別遊技状態の後に第2抽選状態が実行されるか否かの示唆演出が行われるので、特別遊技状態の前半部分において所定の当選役に対応する図柄が停止表示されて第2抽選状態が実行される抽選結果が抽選されることを期待し、その結果を後半部分で遊技者に推測させることができる。よって、特別遊技状態の全体に興味を持たすことができ、興趣の向上を図ることができる。
なお、遊技機B5において、特別遊技状態により付与される特別な遊技価値が少なく、示唆演出を実行するゲーム数に対して、特別遊技状態で行われるゲーム数が少ない場合には、特別遊技状態の全ゲームで示唆演出を表示するように構成しても良い。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記演出実行手段は、前記条件記憶手段に記憶されている条件に基づいて前記第2抽選状態が実行されるか否かを示唆する示唆演出を、前記第2抽選状態中に表示するものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、第2抽選状態が実行されるか否かを示唆する示唆演出を、条件記憶手段に記憶される条件に基づいて第2抽選状態中にも表示できる。ここで、第2抽選状態は、第1の役が高確率で当選するので単調な遊技となり易く遊技への興味が薄れ易いが、その第2抽選状態中に第2抽選状態が継続するかの示唆演出を行うので、第2抽選状態が実行されることへの期待感を遊技者に与えつつ、遊技への興味が薄れることも抑制できる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記開始操作手段を操作して前記循環表示手段を循環表示させた後に前記停止操作手段を操作して前記循環表示を停止させることで一連のゲームが行われ、前記演出実行手段は、前記第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を、複数の連続する一連のゲームによって行うものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出が、複数の連続する一連のゲームによって行われるので、示唆演出が行われる期間を長くすることができ、その分、第2抽選状態が実行されることへの期待感を与える期間を増やすことができる。
遊技機B7において、前記演出実行手段は、前記複数の条件のそれぞれについいて前記第2抽選状態の実行が設定されたか否か示唆する示唆演出を、前記複数の連続する一連のゲームによって行うものであることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、複数の条件のそれぞれについいて第2抽選状態の実行が設定されたか否か示唆する示唆演出が複数の連続する一連のゲームによって行われる。よって、複数の連続する一連のゲームで行われる示唆演出の回数が多くなるので、示唆演出の内容を遊技者に多く認識させることができ、示唆演出の内容を遊技者に把握させ易くすることができる。従って、第2抽選状態が実行されるか否か、及び、どの条件によって第2抽選状態の実行が設定されたかを遊技者に把握させ易くできる。また、示唆演出を行う為の情報(例えば、画像データや制御プログラム)を共通化できるので、情報を記憶する記憶容量を少なくでき、コスト低減を図ることができる。
遊技機A1からA11及びB1からB8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機C1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数種の絵柄を循環表示した後に循環表示を停止表示する循環表示手段を備え、開始操作手段(例えばスタートレバー)の操作に起因して絵柄の循環表示が開始され、停止操作手段(ストップスイッチ)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、絵柄の循環表示が停止され、その停止時の確定絵柄が特定絵柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA11及びB1からB8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C2。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数種の絵柄を循環表示した後に循環表示を停止表示する循環表示手段を備え、開始操作手段(例えばスタートレバー)の操作に起因して絵柄の循環表示が開始され、停止操作手段(ストップスイッチ)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、絵柄の循環表示が停止され、その停止時の確定絵柄が特定絵柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特典を付与する特典付与手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記絵柄の循環表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特典の付与に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
例えば、遊技機の一種として、メダル投入後にスタートレバーが操作されると、複数の図柄が付された回胴が回転し、その後、ストップスイッチが操作されると回胴が停止し、その回胴が停止した場合の図柄の組み合わせに応じた遊技価値が付与されるスロットマシンが知られている。遊技価値としては、例えば、メダル不要で次ゲームを開始可能となるリプレイ(再遊技)や、メダルの払出が行われる小役、多くのメダルの払出が行われるボーナスなどがある。また、所定の小役(例えば、リプレイ)が通常の確率で抽選される第1抽選状態と、複数ゲームの間、所定の小役が通常の確率より高確率で抽選され、各小役に対応する図柄の組み合わせが停止し易くなるように、ストップスイッチの押し順や操作タイミング、停止させるべき小役等を示唆表示する第2抽選状態(例えば、アシストリプレイタイム(以下「ART」と称す))とを実行可能に構成されるスロットマシンも知られている。第2抽選状態は、所定の小役に対応する図柄が停止し易くなるので、遊技価値の減少を抑えつつ(又は遊技価値を増加させつつ)遊技を行え、その結果、遊技者が投資する一定のメダル数に対するボーナス抽選の機会を増やすことができる。よって、スロットマシンは、第2抽選状態を実行可能に構成することで、ボーナスへの期待感に加え、第2抽選状態への期待感も遊技者に与えることができる。さらに、第2抽選状態の抽選機会を増やし、第2抽選状態が複数回連続して実行可能に構成されるスロットマシンも知られている。このスロットマシンでは、一度、第2抽選状態が実行されると、その第2抽選状態が連続する可能性を有しているので、より第2抽選状態への期待感を遊技者に与えることができる(例えば、特許文献1:特開2001−37948号公報)。
上記例示したスロットマシンでは、第2抽選状態の抽選機会が増え、第2抽選状態が複数回連続して実行可能に構成されるので、最初の第2抽選状態が実行されるか否か、及び、第2抽選状態が実行されるとその第2抽選状態が何回連続して実行されるか否かに対して遊技者は興味を持つ。しかしながら、上記例示したスロットマシンでは、第2抽選状態が実行されるか否かの示唆表示が行われなかったり、第2抽選状態が連続する場合でも、新たな第2抽選状態が実行されるか否かの示唆表示は先の第2抽選状態の終了時にしか行われなかった。よって、第2抽選状態を複数回連続して実行可能に構成して、第2抽選状態への期待感を高めても、その第2抽選状態の実行への期待感を与える機会が少ないので、興趣を向上できないという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第2抽選状態の実行への期待感を与える機会を増やし、興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1の遊技機は、複数種類の図柄を循環表示する循環表示手段と、その循環表示手段の図柄の循環表示に応じた演出を表示可能な補助表示手段と、前記循環表示手段の図柄の循環表示を開始させる場合に操作される開始操作手段と、その開始操作手段の操作に基づいて複数の役の抽選を行う役抽選手段と、前記循環表示手段の図柄の循環表示を停止させる場合に操作される停止操作手段とを備え、前記停止操作手段が操作されて前記循環表示手段が停止表示した図柄と前記役抽選手段の抽選により当選した当選役とが対応するものである場合に、その当選役に応じた遊技価値を付与する遊技機において、前記役抽選手段による第1の役の抽選を第1の確率で行う第1抽選状態と、前記第1の確率より高確率となる第2の確率で第1の役の抽選を行う第2抽選状態とを切り替えて実行可能な状態実行手段と、その状態実行手段により前記第2抽選状態を実行するか否かを、複数の条件に基づいて設定する実行設定手段と、その実行設定手段により前記第2抽選状態の実行が設定された場合に、前記複数の条件のうち前記第2抽選状態の実行を設定した条件を記憶する条件記憶手段と、前記複数の条件のそれぞれについて前記第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を、前記条件記憶手段に記憶される条件に基づいて前記補助表示手段に表示する演出実行手段とを備えている。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1の遊技機において、前記状態実行手段は、前記第2抽選状態の終了後に、新たな第2抽選状態を継続して実行可能に構成され、前記演出実行手段は、前記複数の条件のそれぞれについて前記新たな第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を、前記第2抽選状態中に表示するものである。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1又は2の遊技機において、前記役抽選手段による抽選結果が、第2の役に当選するものであった場合に、前記新たな第2抽選状態が継続して実行される継続確率を選択する継続率選択手段を備え、前記実行設定手段は、前記複数の条件の1つとして、前記継続率選択手段により選択された継続確率に基づいて前記新たな第2抽選状態を実行するか否かを設定するものである。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかの遊技機において、前記実行設定手段は、前記第2抽選状態を少なくとも含む所定の遊技状態中に、前記役抽選手段による抽選結果が前記複数の役のうち所定の当選役に当選するものであると、前記複数の条件の1つとして、前記所定の当選役に応じた抽選確率で前記第2抽選状態を実行するか否かを設定するものである。
<効果>
技術的思想1の遊技機によれば、高確率となる第2の確率で第1の役の抽選を行う第2抽選状態を実行するか否かが複数の条件に基づいて設定され、複数の条件のうち第2抽選状態の実行を設定した条件が条件記憶手段に記憶される。そして、複数の条件のそれぞれについて第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出が、条件記憶手段に記憶される条件に基づいて補助表示手段に表示される。よって、複数の条件のそれぞれについて行われる示唆演出によって、第2抽選状態が実行されるか否か、及び、複数の条件のどの条件によって第2抽選状態の実行が設定された否かを遊技者に推測させることができる。従って、複数の条件のそれぞれについて示唆演出を行うので、第2抽選状態が実行されることへの期待感を遊技者に与える機会を増やすことができ、興趣の向上を図ることができるという効果がある。
技術的思想2の遊技機によれば、技術的思想1の遊技機の奏する効果に加え、第2抽選状態の終了後に新たな第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出が第2抽選状態中に表示される。ここで、第2抽選状態は、第1の役が高確率で当選するので単調な遊技となり易く遊技への興味が薄れ易いが、その第2抽選状態中に新たな第2抽選状態が継続して実行されるか否かを示唆する示唆演出を行うので、第2抽選状態が実行されることへの期待感を遊技者に与える機会を増やしつつ、遊技への興味が薄れることも抑制できるという効果がある。
技術的思想3の遊技機によれば、技術的思想1又は2の遊技機の奏する効果に加え、複数の条件の1つとして、新たな第2抽選状態を実行するか否かを継続確率に基づいて設定し、その継続確率によって新たな第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を表示できる。よって、継続確率の示唆演出の内容と、新たな第2抽選状態が継続して実行された回数とから、継続確率が高いか低いかを遊技者に推測させることができる。従って、単調な遊技となり遊技への興味が薄れ易い第2抽選状態中の示唆演出に対する遊技者の興味を高めることができるという効果がある。
技術的思想4の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかの遊技機の奏する効果に加え、第2抽選状態を少なくとも含む所定の遊技状態中に、所定の当選役が当選すると、複数の条件の1つとして、所定の当選役に応じた抽選確率で第2抽選状態を実行するか否かが設定されるので、所定の当選役によって第2抽選状態の実行が設定されたか否かを示唆する示唆演出を第2抽選状態中に表示できる。よって、第2抽選状態中に、所定の当選役に対応する図柄が停止表示される度に第2抽選状態が実行されることへの期待感を遊技者に与えることができるし、所定の当選役の当選に基づいた示唆演出も行われるので、第2抽選状態中の遊技への興味を高めることができ、興趣の向上を図ることができるという効果がある。