<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図36を参照し、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の背面図であり、図3はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口(入球口)63,64b,64c,65a等を有する遊技盤13(図3参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図7参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。なお、遊技盤13の詳細については、図3において後述する。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図7参照)へと案内される。また、上皿17の上面の正面視左側には、枠ボタン22が設けられている。
枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により押下操作されるボタンである。また、枠ボタン22は、第1抽選遊技で使用する第1特別図柄に対応する、又は、第2抽選遊技で使用する第2特別図柄に対応する第3図柄の変動表示(以下、第3図柄の変動表示を「変動演出」という。)において実行される予告表示での演出内容を遊技者に選択させるための操作ボタンとしても使用される。
なお、第1抽選遊技とは、後述する交互振分ユニット64(図3参照)に設けられた特図1入賞口64b(図3参照)への球の入球(以下、球の入球を「入賞」と称する場合がある)に起因する抽選遊技である。また、第2抽選遊技とは、同じく交互振分ユニット64(図3参照)に設けられた特図2入賞口64c(図3参照)への入賞に起因する抽選遊技である(以下、第1抽選遊技と第2抽選遊技とを総称して、単に「抽選遊技」と表現する場合がある)。
また、変動演出とは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)にて表示される演出であり、後述の通り、遊技盤13の前面領域に発射された球が特定の入賞口(例えば、後述の特図1入賞口64b又は特図2入賞口64c。図3参照。)へ入賞したことを契機として実行され、図柄(後述の第3図柄)が所定時間変動された後、停止表示された図柄の組み合わせによって、当該入賞に対して行われる抽選の結果(大当たりか否か)を遊技者に提示する演出である。なお、第1実施形態では、第3図柄表示装置81では、1の抽選遊技のみが実行可能に構成されており、第1抽選遊技に基づく第1特別図柄と第2抽選遊技に基づく第2特別図柄(以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを総称して、単に「特別図柄」と表現する場合がある)とで第3図柄を共通して使用して、第1抽選遊技に基づく抽選結果又は第2抽選遊技に基づく抽選結果のいずれかを表示するように構成されている。
さらに、ステージとは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」の3つのステージが設けられている。上述の変動演出や、変動演出中に実行される「リーチ表示」などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。
また、「リーチ表示」とは、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)において実行される変動演出において、大当たりが発生することを示す「大当たり表示」の一歩手前の表示のことをいう。具体的には、後述する左図柄列Z1及び右図柄列Z3(図6参照)の第3図柄が同一図柄で停止し、中図柄列Z2(図6参照)が未だ停止せず変動を継続している状態のことをいう。
本実施形態のパチンコ機10では、「リーチ表示」として、大別して、「ノーマルリーチ」の演出を構成する一単位の要素(以下、演出を構成する一単位の要素を「変動要素」という)と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行され、該「ノーマルリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スーパーリーチ」の変動要素と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して実行され、「スーパーリーチ」の変動要素より大当たり期待度が高い「スペシャルリーチ」の変動要素とが用意されている。
ステージの変更は、変動演出が行われていない期間(即ち、デモ表示中)や、変動演出において第3図柄が遊技者に視認不能に高速に変動される「高速変動」の変動要素中に、遊技者によって枠ボタン22が押下操作された場合に行われる。そして、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
また、後述する第3図柄表示装置81(図3参照)にて行われる変動演出において「ノーマルリーチ」の変動要素が開始された場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素から「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するときは、「ノーマルリーチ」の変動要素中に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素の選択画面が第3図柄表示装置81に表示されるように構成してもよい。
具体的には、選択画面では、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素として選択可能な複数の候補が表示され、その選択画面が表示されている間に、枠ボタン22が遊技者に押下操作された場合に、選択された候補が変更されるように構成する。そして、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素へ発展するときに選択されていた演出候補に基づいて、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定され、その決定に従って「スーパーリーチ」の変動要素は「スペシャルリーチ」の変動要素が第3図柄表示装置81にて実行される。
なお、第1実施形態では、枠ボタン22を押下操作されるボタンとして構成したが、枠ボタン22に代えて、遊技者によりパチンコ機10に対して所定方向(例えば、パチンコ機10に対して、前方、後方、右方および左方)に傾倒操作可能な、操作レバーにより構成してもよい。そして、操作レバーが傾倒操作された方向に基づいて、演出ステージが選択変更されたり、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が決定されたりしてもよい。
また、枠ボタン22を上皿17の側面視正面側に配置するように構成しているが、枠ボタン22の配置位置は、遊技者が押下操作可能な位置であれば如何様な配置位置でも良く、例えば、上皿17の上面側に配置してもよいし、後述する下皿50の近傍(上面又は側面)に配置してもよい。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定の「リーチ表示」時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、発光ダイオード(ライト・エミッティング・ダイオード(Light Emitting Diode)。以下、「LED」と略す。)等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。
パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時や「リーチ表示」時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前の「リーチ表示」中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図3参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene。以下、「ABS」と略す。)樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット。図示せず。)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。
なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112a(図7参照)の駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。
操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
次に、図2に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのマイクロ・プロセッシング・ユニット(Micro−Processing Unit。以下、「MPU」と略す)、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図7参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図7参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図3に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、球が入賞することで所定の賞球を得ることができる一般入賞口63、第1抽選遊技用の特図1入賞口64bと第2抽選遊技用の特図2入賞口64cと普通電動役物67aとを有した交互振分ユニット64、第1抽選遊技又は第2抽選遊技による大当たりが発生した場合に開放される可変入賞装置65、普通電動役物67aの駆動抽選用の普通図柄ゲート67、第3図柄表示装置81を有した可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。
一般入賞口63、交互振分ユニット64、可変入賞装置65、普通図柄ゲート67、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図3を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図7参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図3の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球を再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図3の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される(以下、返しゴム69に当たる勢い等で球を発射して、該球を可変表示装置ユニット80の正面視右側を通過させる行為を「右打ち」と称する一方、発射した球が可変表示装置ユニット80の正面視左側を通過させる行為を「左打ち」と称する)。第1実施形態では、左打ちの遊技において、交互振分ユニット64の振分入球口へ球が入球し得る一方、可変入賞装置65に球が入球し難いように構成されている。また、右打ちの遊技において、可変入賞装置65へ球が入球し得る一方、交互振分ユニット64の振分入球口に球が入球し難いよう(不可)に構成されている。具体的な構成については後述する。
また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図3の右側上部)には、発光手段である複数のLEDで構成された第1LED群37aと第2LED群37bとが設けられた特別図柄表示装置37が配設されている。特別図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図7参照)で行われる各制御に応じた各特別図柄の変動表示(以下、特別図柄の変動表示を「動的表示」という)がなされると共に、パチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
第1LED群37aは、後述する特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cに入賞(入球)した球のうち、変動表示が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。また、大当たりのラウンド数やエラー表示も、該状態に対応する第1LED群37aの点灯状態により示される。なお、第1LED群37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるように構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、大当たりにおける「ラウンド」とは、大当たりの賞球個数を区切るために後述する大入賞口65aが開放されてから閉鎖されるまでのことをいい、第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口65aが開放開始されてから「30秒」経過するか、大入賞口65aの開放中に球が10個入賞することで1回の「ラウンド」が実行されるように構成されている。
第2LED群37bは、8個のLEDで構成された上方LED群と、同じく8個のLEDで構成された下方LED群との計16個のLEDで構成されている。上方LED群は、第1抽選遊技の判定結果を示す第1特別図柄(以下、第1特別図柄を、「特図1」と略す場合がある)が変動表示される。また、下方LED群は、第2抽選遊技の判定結果を示す第2特別図柄(以下、第2特別図柄を、「特図2」と略す場合がある)が変動表示される。
具体的には、上方LED群には、後述する交互振分ユニット64に設けられた特図1入賞口64bへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(第1実施形態では、上方LED群の最も左側のLEDから右側のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、8個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計256種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
また、下方LED群には、後述する交互振分ユニット64に設けられた特図2入賞口64cへの入賞に基づいて決定された変動時間(動的表示時間)が経過するまで変動表示(第1実施形態では、下方LED群の最も左側のLEDから右側のLEDを1つずつ順番に点灯し、該点灯パターンの繰り返し表示)した後に、判定結果を示す図柄(第1実施形態では、8個のLEDの各点灯パターンの組み合わせによって計256種類の停止図柄のいずれか)で停止表示される。
いずれのLED群においても、判定結果がハズレである場合には、最も左側のLEDのみが点灯表示され、判定結果が大当たりである場合には、大当たりに対応した点灯パターンで各LED群が点灯表示される。各LED群の停止パターンの詳細については、後述する。
なお、本パチンコ機10では、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cへの入球に対して大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合は、入賞した入賞口64b,64cに応じてその大当たり種別の判定も行う。
ここで判定される大当たり種別としては、特図1入賞口64bへの入賞に基づいて、「15ラウンド(以下、ラウンドを、単に「R」と表現する場合がある)確変大当たり」に対応する「確率変動A」、「7R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動B」、並びに、「7R時短大当たり」に対応する「時短A」及び「時短B」が用意されている(図10(a)参照)。また、特図2入賞口64cへの入賞に基づいて、「15R確変大当たり」に対応する「確率変動A」、「15R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動C」、及び、「15R時短大当たり」に対応する「時短C」が用意されている(図10(b)参照)。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行する大当たりのことであり、「15R潜伏確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行するが、該「確率変動状態」が付与されていることを報知しない大当たりのことであり、「15R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に「時間短縮状態」へ移行する大当たりのことである。また、「7R潜伏確変大当たり」とは、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりの後に「確率変動状態」へ移行するが、該「確率変動状態」が付与されていることを報知しない大当たりのことであり、「7R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりの後に「時間短縮状態」へ移行する大当たりのことである。
ここで、「通常遊技状態」とは、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」でない低確率状態の時をいい、特別図柄の大当たり確率、及び、普通図柄の当たり確率が通常の状態をいう。即ち、「通常遊技状態」は、「確率変動状態」の時より特別図柄の大当たり確率が低く、また、「確率変動状態」および「時間短縮状態」の時より普通図柄の当たり確率が低い状態であって、特図2入賞口64cへ球が入賞し易い遊技状態(以下、特図2入賞口64cへ球が入賞し易い状態のことを、「入賞補助状態」という場合がある)ではなく、遊技者にとって最も不利な遊技状態である。
次いで、「時間短縮状態」とは、特別図柄の大当たり確率が「通常遊技状態」と同様に低確率状態であるが、普通図柄の当たり確率がアップした所謂「時短機能」が付与された状態をいう。即ち、「時間短縮状態」は、後述する交互振分ユニット64の右側側方に設けられた後述する普通電動役物67aが開放状態となり易くなり、その結果、交互振分ユニット64内の特図2入賞口64cへ球が入球し易い遊技状態、即ち、入賞補助状態である。
第1実施形態のパチンコ機10では、「時間短縮状態」は、後述する大当たり種別「時短A」、「時短B」又は「時短C」(図10参照)の大当たり後に、該大当たり毎に予め定められた規定回数(第1実施形態では、50回又は100回)の特別図柄の変動演出が実行されるまで維持される。そして、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後は、「時間短縮状態」から上記「通常遊技状態」に移行するように構成されている。
次いで、「確率変動状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態をいう。即ち、「確率変動状態」は、いわゆる確変中の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。
第1実施形態のパチンコ機10では、後述する大当たり種別「確率変動A」、「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」又は「潜伏確率変動C」(図10参照)の大当たり後に、特別図柄の変動演出が50回又は100回実行されるまで(所謂、スペシャル・タイム。以下、Special Time(スペシャル・タイム)の頭文字を略して「ST」と略す場合がある。)の間、特別図柄の大当たり確率が高確率状態となる。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「確率変動状態」として、上記「時短機能」が付与されている「時短有り確変状態」と、「時短機能」が付与されてない「時短無し確変状態」とが設けられている。即ち、「時短有り確変状態」は、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であると共に、後述する普通電動役物67aが開放状態となり易くなり、その結果、交互振分ユニット64内の特図2入賞口64cへ球が入賞し易い入賞補助状態となる。一方、「時短無し確変状態」は、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるが、普通電動役物67aが開放状態となり難い(なり易くない)ため、「通常遊技状態」と同様、特図2入賞口64cへの入賞補助状態ではない非入賞補助状態となる。
「時短有り確変状態」は、後述する大当たり種別「確率変動A」、「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」又は「潜伏確率変動C」(図10参照)の大当たり後に、該大当たり毎に予め定められた規定回数(第1実施形態では、50回又は100回)の特別図柄の変動演出が実行されるまで維持される。一方、上記規定回数の特別図柄の動的表示が実行された後は、後述する大当たり種別「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」(図10参照)の大当たりに基づく「時短有り確変状態」である場合は、「時短無し確変状態」に移行し、後述する大当たり種別「確率変動A」又は「潜伏確率変動C」(図10参照)の大当たりに基づく「時短有り確変状態」である場合は、「通常遊技状態」に移行するように構成されている。
ここで、第1実施形態のパチンコ機10では、「確率変動状態」の演出態様として、特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態であることを遊技者に報知する「確変報知演出態様」と、大当たり確率がアップした高確率状態であることを遊技者に報知しない「潜伏確変演出態様」とが設けられている。
「確変報知演出態様」は、該「確変報知演出態様」の間、特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態であることを、後述する第3図柄表示装置81等によって遊技者に報知するように構成されている。第1実施形態では、後述する大当たり種別「確率変動A」(図10参照)に当選した場合に、該大当たりの終了後に「確変報知演出態様」が実行される。
一方、「潜伏確変演出態様」は、該「潜伏確変演出態様」の間、特別図柄の大当たり確率がアップした高確率状態であることを、後述する第3図柄表示装置81等によって遊技者に報知しないように構成されている。即ち、「潜伏確変演出態様」は、後述する「時短報知演出態様」又は「通常報知態様」に対応する演出と同等の演出を行い、遊技者に、「確率変動状態」であるのか「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるのかを識別不可(困難)にして、いずれの遊技状態に滞在しているかを予想させる遊技性を付与するように構成されている。
第1実施形態では、後述する大当たり種別「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」又は「潜伏確率変動C」(図10参照)に当選した場合に、該大当たりの終了後に「潜伏確変演出態様」が実行される。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、「時間短縮状態」の演出態様として、上記「時短機能」が付与されていることを遊技者に報知する「時短報知演出態様」が設けられている。この「時短報知演出態様」は、該「時短報知演出態様」の間、普通図柄の当たり確率がアップした状態であることを、後述する第3図柄表示装置81等によって遊技者に報知するように構成されている。第1実施形態では、後述する大当たり種別「時短A」、「時短B」又は「時短C」(図10参照)に当選した場合に、該大当たりの終了後に「時短報知演出態様」が実行される。
さらに、第1実施形態のパチンコ機10では、「通常遊技状態」の演出態様として、「時短報知演出態様(潜伏確変演出態様)」や「確変報知演出態様」と異なる「通常演出態様」が設けられている。この「通常演出態様」は、該「通常演出態様」の間、遊技者にとって有利な状態に移行していない状態であることを、後述する第3図柄表示装置81等によって遊技者に報知するように構成されている。第1実施形態では、パチンコ機10が初期化された場合や、「確率変動状態」又は「時間短縮状態」が終了した場合、或いは、大当たり種別「潜伏確率変動A」若しくは「潜伏確率変動B」(図10参照)の大当たり終了後、特別図柄の変動演出が50回終了した場合に、「通常演出態様」が実行される。
即ち、第1実施形態のパチンコ機10は、「潜伏確変演出態様」が、「時短報知演出態様」又は「通常演出態様」と同等の演出を実行するように構成されている。このように構成することで、遊技者は、現在の遊技状態が、「確率変動状態」であるのか「時間短縮状態」であるのか、又は、「確率変動状態」であるのか「通常遊技状態」であるのかを識別不可(困難)として、いずれの遊技状態に滞在しているかを明確に認識することができない。このように構成することで、「潜伏確変演出態様」が実行されている間、遊技者にいずれの遊技状態であるか否かを推測させる遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。
また、後述する大当たり種別「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」(図10参照)の大当たり終了後、特別図柄の変動演出が50回終了した場合に、その後の遊技状態は、次の特別図柄の変動演出が50回実行されるまで、内部的に「確率変動状態」となって遊技者にとって有利な状態であるが、演出上は「通常演出態様」が実行されている状態となる。一方、大当たり種別「時短A」又は「時短B」(図10参照)の大当たり終了後、特別図柄の変動演出が50回終了した場合に、その後の遊技状態は、内部的に「通常遊技状態」であって、演出上も「通常演出態様」が実行されている状態となる。このため、遊技者は、大当たり種別「時短A」又は「時短B」の大当たり終了後の特別図柄の変動演出が50回行われて、「時間短縮状態」が終了した後も、該大当たりが大当たり種別「時短A」又は「時短B」に基づく大当たりなのか、大当たり種別「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」に基づく大当たりなのかを識別することができない。
このように構成することで、遊技者に「確率変動状態」であるのか「通常遊技状態」あるのかを認識させないことによって、「通常遊技状態」を示す「通常演出態様」が実行されている状況であっても、内部的に「確率変動状態」になっている可能性を遊技者に推測させて、遊技を継続的に実行させることが可能となる。よって、「時間短縮状態」が終了した後であっても、遊技者の遊技の継続意欲を向上させ、パチンコ機10の稼働を促進させることができる。
ここで、各大当たり種別毎の第2LED群37bの表示態様について説明する。第1特別図柄用の上方LED群の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「時短A」に対応する表示パターンは63種類、大当たり種別「時短B」に対応する表示パターンは63種類、大当たり種別「潜伏確率変動A」に対応する表示パターンは64種類、大当たり種別「潜伏確率変動B」に対応する表示パターンは64種類、大当たり種別「確率変動A」に対応する表示パターンは1種類、の計256種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、大当たり種別毎に特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が上方LED群の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示および大当たり種別「確率変動A」の停止表示は認識することができる一方、大当たり種別「時短A」、「時短B」、「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」のいずれの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
また、第2特別図柄用の下方LED群の停止表示(点灯表示)として、ハズレに対応する表示パターンは1種類、大当たり種別「時短C」に対応する表示パターンは127種類、大当たり種別「潜伏確率変動C」に対応する表示パターンは127種類、大当たり種別「確率変動A」に対応する表示パターンは1種類、の計256種類の表示パターンが設けられている。そして、各表示パターンは、上方LED群と同様、大当たり種別毎に特定の規則性を有さず、無作為な表示パターンが予め対応付けられている。よって、遊技者が下方LED群の表示パターンを見た場合に、ハズレの停止表示および大当たり種別「確率変動A」の停止表示は認識することができる一方、大当たり種別「時短C」又は「潜伏確率変動C」のいずれの停止表示であるかを識別困難に構成されている。
このように構成することで、特別図柄表示装置37の第2LED群37bの停止表示において各大当たり種別を表示した場合であっても、各停止表示に対応する大当たり種別を全て把握していないければ、当選した大当たり種別を遊技者が認識することが困難となるため、「潜伏確変演出態様」が実行されている間、遊技者にいずれの遊技状態であるか否かを推測させる遊技性が生まれ、遊技の興趣を向上することができる。
図3に戻って説明を続ける。遊技盤13の遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される1又は複数の一般入賞口63が配設されている。
また、遊技領域の中央下部には、遊技領域を流下する球が入球し得る交互振分ユニット64が配設されている。この交互振分ユニット64は、主に、遊技領域を流下する球が入球可能な振分入球口と、該振分入球口に入球した球を交互振分ユニット64内の左側経路又は右側経路に交互に振り分ける振分装置64aと、該振分装置64aによって左側経路に振り分けられた球が入球可能な特図1入賞口64bと、振分装置64aによって右側経路に振り分けられた球が入球可能な特図2入賞口64cと、により構成されている。
この交互振分ユニット64に設けられた特図1入賞口64bへ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる特図1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その特図1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図13参照)で第1特別図柄の大当たりの抽選(即ち、第1抽選遊技)がなされる。そして、その抽選結果に応じた特別図柄の動的表示が、特別図柄表示装置37の第2LED群37bにおける上方LED群で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第3図柄の変動演出が実行される。
また、交互振分ユニット64に設けられた特図2入賞口64cへ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる特図2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その特図2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図13参照)で第2特別図柄の大当たりの抽選(即ち、第2抽選遊技)がなされる。そして、その抽選結果に応じた特別図柄の動的表示が、特別図柄表示装置37の第2LED群37bにおける下方LED群で示されると共に、第3図柄表示装置81にて第3図柄の変動演出が実行される。
なお、特図1入賞口64b及び特図2入賞口64cは、それぞれ、球が入賞すると2個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
ここで、交互振分ユニット64に入球した球が、振分装置64aによって左側経路又は右側経路に交互に振り分けられる態様について説明する。交互振分ユニット64に入球して振分入球口から流下した球は、振分装置64aの中央板部と右側受板とによって形成された空間に収まる。そして、球の自重により右側受板を押し下げることで振分装置64aが回動し、右側受板の先端側が交互振分ユニット64の振分装置64a下方の壁部に当接して該右側受板全体が回転軸部より下方側であって左側受板が回転軸部より上方側の状態となる。従って、振分装置64aが球を右側経路側へ流下可能な状態となり、その状態において球が右側受板の上面を転動することで右側経路へと案内される。このとき、振分側磁石(図示せず)とユニット側磁石(図示せず)との反発力よりも、球の自重によって右側受板を押し下げる(振分装置64aを回動させる)力の方が大きいことで、上記磁石の反発力に抗って振分装置64aが回動される。そして、再び、上記磁石の反発力によって、左側受板が回転軸部より上方側であって右側受板が回転軸部より下方側となる状態、即ち、左側案内位置の状態が維持される。
そして、次に交互振分ユニット64に入球して振分入球口から流下した球は、振分装置64aの中央板部と左側受板とによって形成された空間に収まる。そして、球の自重により左側受板を押し下げることで振分装置64aが回動し、左側受板の先端側が交互振分ユニット64の壁部に当接して該左側受板全体が回転軸部より下方側であって右側受板が回転軸部より上方側の状態となる。従って、振分装置64aが球を左側経路側へ流下可能な状態となり、その状態において球が左側受板の上面を転動することで左側経路へと案内される。このときも、振分側磁石(図示せず)とユニット側磁石(図示せず)との反発力よりも、球の自重によって左側受板を押し下げる(振分装置64aを回動させる)力の方が大きいことで、上記磁石の反発力に抗って振分装置64aが回動される。そして、再び、上記磁石の反発力によって、左側受板が回転軸部より下方側であって右側受板が回転軸部より上方側となる状態、即ち、右側案内位置の状態が維持される。これらの動きを交互に繰り返すことにより、交互振分ユニット64に入球した球が左側経路と右側経路とに交互に振り分けられる。
交互振分ユニット64の左側経路は、上記振分装置64aによって交互振分ユニット64内の左側に案内された球が流下する経路である。この左側経路の左側下方には、該左側経路を流下する球が流出する左側出口が設けられ、該左側出口の下方位置には、特図1入賞口64bが配設されている。よって、左側経路に案内された球は、左側経路内を流下した後、特図1入賞口64bへ入賞するように構成されている。
交互振分ユニット64の右側経路は、上記振分装置64aによって交互振分ユニット64内の右側に案内された球が流下する経路である。この右側経路の右側下方には、該右側経路を流下する球が流出する右側出口が設けられ、該右側出口の下方位置には、特図2入賞口64cが配設されている。よって、右側経路に案内された球は、右側経路内を流下した後、特図2入賞口64cへ入賞するように構成されている。
交互振分ユニット64の正面視右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の大入賞口65aが設けられている。
第1実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110(図7参照)での第1特別図柄又は第2特別図柄の抽選が大当たりとなる場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるように特別図柄表示装置37の第2LED群37bを点灯表示させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、可変入賞装置65に設けられた開閉板65b(図4参照)が開放されて球が大入賞口65a内に入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている大入賞口65aが、所定時間(例えば、「30秒」経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この大入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その大入賞口65aが所定時間開放される。この大入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態(大当たり状態)の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
また、可変入賞装置65の大入賞口65a内には、大入賞口65a内に流入した球が流下可能な右側確変領域73(図4参照)と、左側確変領域74(図4参照)と、排出通路75(図4参照)とが設けられている。第1実施形態のパチンコ機10では、特別遊技状態(大当たり状態)において、右側確変領域73と左側確変領域74との有効又は無効を切替制御し、大入賞口65aに流入した球が、有効に設定されている右側確変領域73又は左側確変領域74を通過することで、該特別遊技状態が終了した後に「確率変動状態」が発生するように構成されている。
ここで、図4を参照して、可変入賞装置65の詳細について説明する。図4は、可変入賞装置65の正面視を模式的に表した正面拡大図である。図4で示すように、可変入賞装置65は、大入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板65bと、その開閉板65bの下辺を軸として前方側に該開閉板65bを開閉駆動するための大入賞口ソレノイド65c(図7参照)と、大入賞口65aに入賞した球を検知する大入賞口スイッチ71と、該大入賞口スイッチ71で検知された球が流下する案内通路72と、該案内通路72の下流側(左側)に設けられた右側確変領域73と、該右側確変領域73の下流側(左側)に設けられた左側確変領域74と、該左側確変領域74の下流側(左側)に設けられた排出通路75とが設けられている。
大入賞口スイッチ71は、大入賞口65a近傍における通路内に埋設され、この大入賞口スイッチ71によって球が検知されることによって、15個の賞球が払い出される。また、開閉板65bが開放されてから、この大入賞口スイッチ71によって球が10個検出された場合に、開閉板65bが閉鎖されて、1のラウンドが終了するように構成されている。
案内通路72は、大入賞口65aに流入した球が流下する通路であり、該案内通路72の所定位置に、後述する右側確変領域73および左側確変領域74が設けられていると共に、該右側確変領域73及び左側確変領域74の下流側に後述する排出通路75が設けられている。従って、大入賞口65aに流入して案内通路72を流下する球は、右側確変領域73を通過するか、左側確変領域74を通過するか、排出通路75を通過することとなる。
第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口65aに流入した球が大入賞口スイッチ71によって検知された後、案内通路72を経て後述する右側確変領域73の上方まで到達するまで約「1.5秒」要するように構成されており、また、大入賞口65aに流入した球が大入賞口スイッチ71によって検知された後、案内通路72を経て後述する左側確変領域74の上方まで到達するまで約「1.6秒」要するように構成されている。従って、大入賞口スイッチ71によって検知された球は、「2秒」以内には右側確変領域73又は左側確変領域74に流入可能に構成されている。
右側確変領域73は、閉鎖状態(突出状態)でその上面が案内通路72の底面(球の転動面)と面一となるように配設されて、閉鎖状態から開放状態(没入状態)に変位可能に構成された右確変領域開閉板73aと、該右確変領域開閉板73aを開閉駆動可能な右確変領域ソレノイド73b(図7参照)と、右確変領域開閉板73aの下流側に設けられて球が流下可能な右確変領域通路73cと、該右確変領域通路73cの通路内に埋設されて、右確変領域通路73cを通過する球を検知可能な右確変領域スイッチ73dと、で構成されている。
左側確変領域74は、閉鎖状態(突出状態)でその上面が案内通路72の底面と面一に配設されて、閉鎖状態から開放状態(没入状態)に変位可能に構成された左確変領域開閉板74aと、該左確変領域開閉板74aを開閉駆動可能な左確変領域ソレノイド74b(図7参照)と、左確変領域開閉板74aの下流側に設けられて球が流下可能な左確変領域通路74cと、該左確変領域通路74cの通路内に埋設されて、左確変領域通路74cを通過する球を検知可能な左確変領域スイッチ74dと、で構成されている。
排出通路75は、大入賞口65aに流入した球が上記右側確変領域73又は左側確変領域74のいずれにも流入しなかった場合に、該球を可変入賞装置65外(遊技盤13背面側)へ排出するための通路である。
右側確変領域開閉板73aおよび左側確変領域開閉板74aは、透明又は略透明の樹脂により構成されている。よって、各確変領域開閉板73a,74aの位置(駆動態様)を遊技者が認識困難に構成することで、各確変領域開閉板73a,74aによって確変領域73,74が開放されているか閉鎖されているかを遊技者に判別し難くすることができる。なお、右側確変領域開閉板73aおよび左側確変領域開閉板74aを有色の樹脂により構成してもよい。
ここで、図5を参照して、可変入賞装置65の大入賞口65a内に流入した球の流入パターンについて説明する。図5(a)は、右確変領域開閉板73aが開放状態(没入状態)であって、かつ、左確変領域開閉板74aが閉鎖状態(突出状態)である場合に、大入賞口65a内に流入した球の挙動を説明するための可変入賞装置65の模式的断面図であり、図5(b)は、左確変領域開閉板74aが開放状態(没入状態)であって、かつ、右確変領域開閉板73aが閉鎖状態(突出状態)である場合に、大入賞口65a内に流入した球の挙動を説明するための可変入賞装置65の模式的断面図であり、図5(c)は、右確変領域開閉板73aおよび左確変領域開閉板74aが共に閉鎖状態(突出状態)である場合に、大入賞口65a内に流入した球の挙動を説明するための可変入賞装置65の模式的断面図である。
図5(a)で示すように、大当たりに当選して特別遊技状態が発生した場合に、可変入賞装置65の開閉板65bが開放されて大入賞口65aに球が流入可能となる。そして、右確変領域開閉板73aが開放状態(没入状態)であって、かつ、左確変領域開閉板74aが閉鎖状態(突出状態)である場合に、大入賞口65a内に流入した球は、まず、大入賞口スイッチ71によって検知され、その後、案内通路72を流下する。そして、右確変領域開閉板73aが右確変領域ソレノイド73b(図7参照)によって開放(没入)されていることから、上記球が右確変領域通路73cへ流入する。その後、該球は、右確変領域通路73cに埋設された右確変領域スイッチ73dによって検知される。なお、右確変領域スイッチ73dによって検知された球は、排出経路(図示せず)によって可変入賞装置65外(遊技盤13背面側)へ排出される。
次いで、図5(b)で示すように、右確変領域開閉板73aが閉鎖状態(突出状態)であって、かつ、左確変領域開閉板74aが開放状態(没入状態)である場合に、大入賞口65a内に流入した球は、まず、大入賞口スイッチ71によって検知され、その後、案内通路72を流下する。そして、閉鎖状態(突出状態)の右確変領域開閉板73aの上面を転動し、該右確変領域開閉板73aの下流側に設けられた左確変領域開閉板74aが左確変領域ソレノイド74b(図7参照)によって開放(没入)されていることから、上記球が左確変領域通路74cへ流入する。その後、該球は、左確変領域通路74cに埋設された左確変領域スイッチ74dによって検知される。なお、左確変領域スイッチ74dによって検知された球は、排出経路(図示せず)によって可変入賞装置65外(遊技盤13背面側)へ排出される。
次いで、図5(c)で示すように、右確変領域開閉板73aおよび左確変領域開閉板74aが共に閉鎖状態(突出状態)である場合に、大入賞口65a内に流入した球は、まず、大入賞口スイッチ71によって検知され、その後、案内通路72を流下する。そして、閉鎖状態(突出状態)の右確変領域開閉板73aの上面、及び、左確変領域開閉板74aの上面を転動し、下流側に設けられた排出通路75から可変入賞装置65外(遊技盤13背面側)へ排出される。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。大入賞口65aとは別に開閉される大開放口(図示せず)を遊技領域に設け、特別図柄表示装置37において大当たりに対応した第2LED群37bが点灯した場合に、大入賞口65aが所定時間開放され、その大入賞口65aの開放中に、球が大入賞口65a内へ入賞することを契機として大入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い(第2実施形態以降参照)。
図3に戻って説明を続ける。可変入賞装置65の正面視上方であって、後述する可変表示装置ユニット80の正面視右側には、普通図柄ゲート67が設けられている。この普通図柄ゲート67には、球が通過するための貫通孔(図示せず)が上下方向に設けられている。この普通図柄ゲート67を球が通過すると、貫通孔に設けられた普通図柄スイッチ(図示せず)がオンとなり、そのオンに起因して主制御装置110で普通図柄の当たり抽選が行われる。なお、この普通図柄ゲート67は、普通図柄の可変表示の抽選契機となるのみであり、球が通過した場合であっても賞球等の払い出しは行われないように構成されている。
可変入賞装置65の下流側であって、交互振分ユニット64の右側側方には、普通電動役物67aが配設されている。この普通電動役物67aは、主に、回動板と、該回動板を開閉駆動する回動ソレノイド(図示せず)と、により構成されている。
第1実施形態の主制御装置110は、通常時、普通電動役物67aの回動板を直立状態に維持して、交互振分ユニット64の右側側部を覆うことで、交互振分ユニット64の右側側部からの特図2入賞口64cへの球の流入を防止している。そして、普通図柄の可変表示で当たりに当選した場合に、上記回動用ソレノイド(図示せず)を所定時間駆動し、普通電動役物67aの回動板を上記所定時間の間、回動板を直立状態から右側に所定角度(例えば、45度)傾倒した開放状態(傾倒状態)に駆動させて、交互振分ユニット64の右側側部からの特図2入賞口64cへの球の流入を可能に構成して、交互振分ユニット64の右側を流下する球が特図2入賞口64cへ入賞し易い状態、即ち、入賞補助状態となるように構成されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10では、遊技状態に応じて、普通図柄の可変表示での当たりに当選する確率が変化するように構成されている。具体的には、「通常遊技状態」又は「時短無し確変状態」では、普通図柄の当選確率を低確率状態(例えば、1/10)とし、普通図柄の可変表示において当たりに当選し難くすることで、普通電動役物67aの回動板を開放状態(傾倒状態)とし難くして、特図2入賞口64cへ入賞し難いように構成する。一方、「時短有り確変状態」又は「時間短縮状態」では、普通図柄の当選確率を高確率状態(例えば、9/10)とし、普通図柄の可変表示において当たりに当選し易くすることで、普通電動役物67aの回動板を開放状態(傾倒状態)とし易くし、特図2入賞口64cへ容易に入賞し得るように構成する。
なお、「時短有り確変状態」又は「時間短縮状態」のように、普通図柄の当たり確率を「通常遊技状態」又は「時短無し確変状態」から変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、普通電動役物67aの回動板が回動する時間や、1回の当たりで普通電動役物67aの回動板が回動する回数を変更するものとしても良い。具体的には、「時短有り確変状態」又は「時間短縮状態」において、普通電動役物67aの回動板が回動する時間を「通常遊技状態」又は「時短無し確変状態」よりも長くしたり、1回の当たりで普通電動役物67aの回動板が回動する回数を「通常遊技状態」又は「時短無し確変状態」よりも多くしたりしてもよい。また、「時短有り確変状態」又は「時間短縮状態」において、普通図柄の当たり確率のアップと、普通電動役物67aの回動板の回動時間の長時間化と、普通電動役物67aの回動板の回動回数の多回数化との少なくとも2つを同時に行うようにしてもよい。
遊技領域の中央部分から右側領域にかけて、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cへの入球(始動入賞)をトリガとして、特別図柄表示装置37における動的表示と同期させながら、第3図柄の変動演出を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄ゲート67の球の通過をトリガとして普通図柄を可変表示するLEDで構成される普通図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は17インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図7参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列Z1〜Z3(図6参照)が表示される。
各図柄列Z1〜Z3(図6参照)は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列Z1〜Z3毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変的に表示されるようになっている。第1実施形態の第3図柄表示装置81は、第1特別図柄の第1抽選遊技および第2特別図柄の第2抽選遊技で共通的に使用されるものであり、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が特別図柄表示装置37で行われるのに対して、その特別図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を第3図柄表示装置81の第3図柄を用いて行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図6を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図6は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図6(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図6(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(「1」,「3」,「5」,「7」,「9」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(「0」,「2」,「4」,「6」,「8」)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、第1実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図7参照)によるいずれかの特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動演出が行われ、その変動演出が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。後述する「確率変動A」の大当たり種別に当選した場合は、「7」の数字を付した主図柄(「確変報知図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。一方、後述する「確率変動A」以外の大当たり種別、即ち、「時短A」、「時短B」、「時短C」、「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」又は「潜伏確率変動C」の大当たり種別に当選した場合は、「7」の数字以外の数字を付した主図柄、即ち、「1」〜「6」、「8」又は「9」の数字を付した主図柄(「非確変報知図柄」に相当)が揃う変動演出が行われる。このように構成することで、遊技者は、変動演出で揃った主図柄(「7」の数字を付した主図柄を除く)を確認しただけでは、発生する大当たりの大当たり種別を識別することができない。
図6(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下方向に3分割され、下側の2/3が第3図柄を変動演出する主表示領域Dmと保留球数などを表示するコクピット表示領域Dbとで構成され、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタなどを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その表示領域Dm1に左図柄列Z1が表示され、表示領域Dm2に中図柄列Z2が表示され、表示領域Dm3に右図柄列Z3が表示される。
各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順(または降順)に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動演出が行われる。なお、各図柄列Z1〜Z3において、数字の配列をそれぞれ異ならせるように構成してもよい。例えば、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列する一方、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列してもよい。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の変動演出に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(同一の主図柄の組合せ。以下、「大当たり表示」という。)で揃えば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が特図1入賞口64bへ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第1特別図柄に対応する第1保留図柄表示領域Db1の特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dおいても示される。特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dには、第1特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに表示された保留図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにおいて、特図1第1保留図柄表示領域Db1aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特図1第1・第2保留図柄表示領域Db1a,Db1bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特図1第1〜第3保留図柄表示領域Db1a〜Db1cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第1特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特図1第1〜第4保留図柄表示領域Db1a〜Db1dに保留図柄が表示されていない場合は、第1特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
また、第3図柄表示装置81(特別図柄表示装置37)にて第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出(動的表示)が行われている間に球が特図2入賞口64cへ入球した場合、その入球回数(保留球数)は最大4回まで保留される。その保留球数は特別図柄表示装置37により示されると共に、コクピット表示領域Dbの第2特別図柄に対応する第2保留図柄表示領域Db2の特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dおいても示される。特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dには、第2特別図柄の保留球1球(保留球数1回)につき1つの保留図柄(通常の表示態様では「○」図柄(白丸図柄))がそれぞれ表示され、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dに表示された保留図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。
即ち、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dにおいて、特図2第1保留図柄表示領域Db2aに1つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が1回であることを示し、特図2第1・第2保留図柄表示領域Db2a,Db2bにそれぞれ1つずつ計2つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が2回であることを示し、特図2第1〜第3保留図柄表示領域Db2a〜Db2cにそれぞれ1つずつ計3つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が3回であることを示し、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dにそれぞれ1つずつ計4つの保留図柄が表示されている場合は、第2特別図柄の保留球数が4回であることを示す。また、特図2第1〜第4保留図柄表示領域Db2a〜Db2dに保留図柄が表示されていない場合は、第2特別図柄の保留球数が0回であって保留されている変動演出が存在しないことを示す。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とが同時に実行されず、いずれか一方の抽選遊技のみが実行されるように構成されている。また、第1実施形態のパチンコ機10では、実行中のいずれかの抽選遊技が終了した場合に、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とがそれぞれ記憶されているとき、第2特別図柄の第2抽選遊技を第1特別図柄の第1抽選遊技より優先的に実行(所謂、特図2優先変動)するように構成されている。なお、入賞した順で抽選遊技を実行してもよいし、第1特別図柄の第1抽選遊技と第2特別図柄の第2抽選遊技とを同時に実行させるように構成してもよい。
コクピット表示領域Dbの中央部分には、主表示領域Dmで変動演出が実行されていることを示す実行図柄が表示される実行図柄表示領域Db0が設けられている。この実行図柄表示領域Db0は、コクピット表示領域Dbの中央部分、即ち、特図1第1保留図柄表示領域Db1aの右側であって、特図2第1保留図柄表示領域Db2aの左側に設けられ、各保留図柄表示領域Db1a〜Db1d,Db2a〜Db2dに表示される各保留図柄より大きい実行図柄が表示されるように構成されている。また、この実行図柄表示領域Db0は、特図1第1保留図柄表示領域Db1a又は特図2第1保留図柄表示領域Db2aに表示されていた保留図柄が移動(シフト)して実行図柄として表示される。
実行図柄表示領域Db0に表示される実行図柄は、変動演出が終了すると消去され、その実行図柄の消去に伴って、表示されている保留図柄が下位側(第1特別図柄であれば右側、第2特別図柄であれば左側)の保留図柄として移動して表示される。具体的には、例えば、第2特別図柄の保留図柄が存在しない状況であって第1特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特図1第1保留図柄表示領域Db1aに保留図柄が表示されていたとき、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図1第2保留図柄表示領域Db1bに保留図柄が表示されていた場合、特図1第1保留図柄表示領域Db1aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特図1第3保留図柄表示領域Db1cに保留図柄が表示されていた場合、特図1第2保留図柄表示領域Db1bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図1第4保留図柄表示領域Db1dに保留図柄が表示されていた場合、特図1第3保留図柄表示領域Db1cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
また、例えば、第2特別図柄の保留図柄が4つ存在する状況において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の終了に伴って実行図柄表示領域Db0に表示されていた実行図柄が消去された場合、特図2第1保留図柄表示領域Db2aに保留図柄が表示されていたとき、実行図柄表示領域Db0における実行図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図2第2保留図柄表示領域Db2bに保留図柄が表示されていた場合、特図2第1保留図柄表示領域Db2aにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。さらに、特図2第3保留図柄表示領域Db2cに保留図柄が表示されていた場合、特図2第2保留図柄表示領域Db2bにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。また、特図2第4保留図柄表示領域Db2dに保留図柄が表示されていた場合、特図2第3保留図柄表示領域Db2cにおける保留図柄として移動(シフト)して表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、主表示領域Dmにおいて変動演出が実行されている間、実行図柄表示領域Db0に実行図柄を表示し続ける(「スーパーリーチ」の変動要素中又は「スペシャルリーチ」の変動要素中を除く)。一方、該変動演出が終了した場合、又は、「スーパーリーチ」の変動要素若しくは「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中の場合には、実行図柄が消去されるように構成されている。即ち、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されている場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されている(継続している)ことを示し、実行図柄表示領域Db0に実行図柄が表示されていない場合は、主表示領域Dmで変動演出が実行されていない(継続されていない)か、「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素が実行されていることを示す。
また、コクピット表示領域Dbでは、該コクピット表示領域Dbに表示される保留図柄及び実行図柄を用いて、「保留変化予告」を実行可能に構成されている。この「保留変化予告」とは、主表示領域Dmで実行される変動演出の大当たり期待度を、該変動演出の実行前から実行中にかけて保留図柄及び実行図柄の表示色を複数段階に変化させることで示唆する予告である。
第1実施形態のパチンコ機10では、「保留変化予告」として、保留図柄及び実行図柄の表示色を、通常の表示態様である「白色」から、青色の表示態様の「青色」、赤色の表示態様の「赤色」、又は、虹色の表示態様の「虹色」に変化可能に構成されている。本パチンコ機10では、変動演出において「大当たり表示」が発生する場合や、「リーチ表示」が発生する場合に、保留図柄及び実行図柄の表示色の選択割合が異なるように構成されているため、この保留図柄及び実行図柄の表示色が、通常の表示態様(「白色」)から別の表示態様(例えば、「青色」)に変化することで、その保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」が発生する可能性を各表示色ごとに遊技者に示唆することができる。
具体的には、「保留変化予告」において、保留図柄及び実行図柄が、通常の表示態様(「白色」)より「青色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。また、保留図柄及び実行図柄が、「青色」より「赤色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。さらに、保留図柄及び実行図柄が、「赤色」より「虹色」の表示態様である場合の方がその保留図柄及び実行図柄が示す変動演出において「リーチ表示」や「大当たり表示」となる割合が高く設定される。
また、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「赤色」である場合には、その「赤色」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「スーパーリーチ」を主とする演出の態様(主とする演出の態様を「演出態様」という)又は「スペシャルリーチ」演出態様(以下、「スーパーリーチ」演出態様又は「スペシャルリーチ」演出態様のことを総称して「スーパーリーチ以上」演出態様という場合がある)の実行が確定するように設定されている。さらに、保留図柄及び実行図柄の表示態様が「虹色」である場合には、その「虹色」の保留図柄又は実行図柄が示す変動演出において「大当たり表示」の現出が確定するように設定されている。従って、本実施形態では、保留図柄及び実行図柄の表示態様が、通常(「白色」)→「青色」→「赤色」→「虹色」の順に段階的に「リーチ表示」や「大当たり表示」の現出期待度が高いように設定されている。
なお、「保留変化予告」の「虹色」の表示態様は、保留図柄では現出せず、実行図柄でのみ現出可能に設定されている。これは、保留図柄で大当たりの発生が確定する「虹色」の表示態様を現出させた後に、何らかの異常(例えば、電源断)によりその保留図柄が実行されなかった場合、遊技者は、得られるべき大当たりが得られないことによる不満が発生してしまう。よって、保留図柄において、大当たりの発生が確定する「虹色」の表示態様を予め現出しないように構成しておくことで、上記不満が発生することを未然に防止することができる。
また、この「保留変化予告」により、保留図柄の表示態様が変化した状態において、変動演出の実行(消化)に伴って保留図柄がシフトする場合に、その変化した保留図柄の表示態様が、シフト先の保留図柄又は実行図柄に対しても引き継がれて(受け継いで)反映されるように構成されている。即ち、保留図柄の表示態様が変化した場合、その変化した保留図柄が変動演出の実行に伴って他の保留図柄表示領域Db1〜Db3又は実行図柄表示領域Db0へシフトしたときも、シフト前の表示態様がシフト後の保留図柄又は実行図柄の表示態様としてそのまま維持されるように構成されている。
従って、例えば、特図1第4保留図柄表示領域Db1dにおいて保留図柄の表示色が「赤色」に変化した場合、該保留図柄が特図1第3保留図柄表示領域Db1c→特図1第2保留図柄表示領域Db1b→特図1第1保留図柄表示領域Db1a→実行図柄表示領域Db0とそれぞれシフトしていくときに、「赤色」の保留図柄又は実行図柄が継続して表示され続けるように構成される。
なお、第1実施形態においては、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cへの入球に基づく変動演出の保留球数は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、それぞれ3回以下、又は、それぞれ5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、コクピット表示領域Dbにおける保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させなくてもよい。なお、第3図柄表示装置81に保留球数に関する情報(保留図柄等)を表示させない場合は、保留図柄による「保留変化予告」を実行することができないため、他のキャラクタ図柄等を追加的に現出させることによって「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行させるように構成してもよい。
さらに、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを第1特別図柄および第2特別図柄の最大保留数分の4つそれぞれ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。なお、保留ランプによって保留球数を表示するように構成した場合、保留ランプの表示色を複数種類設けることによって、第1実施形態の「保留変化予告」と同様の先読み予告を実行することは当然に可能である。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。小領域Ds1〜Ds3は、それぞれ、キャラクタや予告演出画像を表示する領域である。小領域Ds1〜Ds3のそれぞれに表示される画像によって、主表示領域Dmにて行われる変動演出の結果として大当たりとなる期待感を遊技者に与えている。コクピット表示領域Dbは、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cに入球された球のうち変動演出が未実行である球(保留球)の数である保留球数を示す保留図柄と、実行中の変動演出に関する実行図柄とを表示する領域である。
実際の表示画面では、図6(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左小領域Ds1では、予告図柄が現出する等の動画が表示され、主表示領域Dmにおいて行われている変動演出が通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。
また、副表示領域Dsにおいて、中央小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(第1実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、主表示領域Dmで行われている変動演出に基づいて所定動作とは別の特別な動作をしたり、通常は黒色の少年の髪の毛の色や、通常は白色のハチマキの色が変化したり、別のキャラクタが現出するなどして予告演出が行われる。
さらに、副表示領域Dsにおいて、右小領域Ds3では、主表示領域Dmで行われている変動演出において大当たりが発生するか否かを段階的に示唆するレベルメータ(図示せず)が現出して表示される。このレベルメータは、変動演出において、予告図柄等が現出することに基づいて実行中の変動演出における「リーチ表示」の発生期待度や大当たり期待度が増す毎に増加(加算)していき、該レベルメータの表示限度(MAX表示)まで到達した場合に大当たりが確定することを示唆するように構成されている。従って、副表示領域Dsは、主表示領域Dmにおける「リーチ表示」の発生を示唆する機能を担っている。
図3に戻って、説明を続ける。普通図柄表示装置83は、球が普通図柄ゲート67を通過する毎に表示図柄(普通図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる可変表示を行うものである。パチンコ機10は、普通図柄表示装置83における可変表示が所定図柄(第1実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、普通電動役物67aが遊技状態に応じた作動状態となる(回動板が回動される)よう構成されている。
普通図柄ゲート67の保留球数は最大4回まで保留され、その保留球数が普通図柄保留ランプ84において点灯表示される。普通図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に配設されている。そして、普通図柄保留ランプ84の点灯された数により、保留数を表示する。
なお、普通図柄の可変表示は、第1実施形態のように、普通図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、特別図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、普通図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄ゲート67の通過は、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cと同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特別図柄表示装置37により保留球数を示す場合は、普通図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口(入球口)63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
次に、図7を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したリード・オンリー・メモリー(Read Only Memory。以下、「ROM」と略す)202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるランダム・アクセス・メモリー(Random Access Memory。以下、「RAM」と略す。)203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203cが設けられている。
また、ROM202は、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、保留数テーブル202c、停止パターンテーブル202d、変動パターンテーブル202e、確変領域開閉テーブル202f、確変領域有効テーブル202gを少なくとも格納している。RAM203に格納された各種カウンタと、ROM202に格納された各種テーブルとによって、主制御装置110は、上記の主要な制御を実行する。
ここで、図8を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および第3図柄表示装置81の変動演出の設定、普通図柄表示装置83における可変表示の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。また、各種カウンタの説明の中で、図9乃至図12を参照して、主制御装置110のROM202に格納された各種テーブルについても説明する。
大当たり抽選や、特別図柄表示装置37の動的表示の設定、および、第3図柄表示装置81の変動演出の設定には、大当たりの抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の停止種別の選択に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の選択に使用する停止パターン選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。
また、普通図柄表示装置83の抽選には、普図当たり乱数カウンタC4が用いられ、普図当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後「0」に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図22参照)の実行間隔である「4ミリ秒」間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図33参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203cに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1特別図柄に関する4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)からなる第1保留球格納エリア203dと、第2特別図柄に関する4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)からなる第2保留球格納エリア203eとが設けられており、これらの各エリアには、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cへの入球タイミングに合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。大当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、「0〜899」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜899」の値を取り得るカウンタの場合は「899」)に達した後「0」に戻る構成となっている。特に、大当たり乱数カウンタC1の更新が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれ、その初期値から大当たり乱数カウンタC1の更新が行われる。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、大当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、大当たり乱数カウンタC1が「0〜899」の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、「0〜899」の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図22参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図33参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
大当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図22参照)毎に1回)更新される。そして、球が特図1入賞口64bに入賞(始動入賞)したタイミングで、特図1入賞口64b(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納される。また、球が特図2入賞口64cに入賞(始動入賞)したタイミングで、特図2入賞口64c(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのいずれかの第2保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納される。
大当たり乱数カウンタC1が大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202aによって設定されており、保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1に格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、大当たりと判定される。
ここで、図9を参照して、大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図9は、ROM202に記憶される大当たり乱数テーブル202aの一例を模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、パチンコ機10の遊技状態が、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」である特別図柄の低確率状態(「確率変動状態」ではない期間)の場合に使用される低確率状態用と、パチンコ機10の遊技状態が、低確率状態より大当たりとなる確率の高い特別図柄の高確率状態である「確率変動状態(確変中)」の場合に使用される高確率状態用との2種類に分けられる。そして、低確率状態用と高確率状態用とのそれぞれに含まれる大当たりとなる乱数の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1実施形態のパチンコ機10では、低確率状態の場合に大当たりとなる大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)の数は3個で、その値「7,307,582」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、低確率状態(即ち、「通常遊技状態」及び「時間短縮状態」)における特別図柄の大当たり確率は、3/900=1/300となるように設定されている。
一方で、高確率状態の場合に大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)の数は9個で、その値「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。つまり、高確率状態(即ち、「確率変動状態」)における特別図柄の大当たり確率は、9/900=1/100となるように設定されている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数テーブル202aに格納されている低確率状態用の大当たり乱数値と、高確率状態用の大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれ大当たり乱数値を設定している。ここで、パチンコ機10の状況にかかわらず大当たり乱数値となる値が存在すれば、その値が外部から予測されやすくなるので、不正に大当たりを引き当てられる可能性が高くなる恐れがある。これに対して、第1実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図8に戻って、説明を続ける。大当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、「0〜99」の値を取り得るカウンタの場合は「99」)に達した後に「0」に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図22参照)毎に1回)更新される。そして、球が特図1入賞口64bに入賞(始動入賞)したタイミングで、特図1入賞口64b(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアと同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納される。また、球が特図2入賞口64cに入賞(始動入賞)したタイミングで、特図2入賞口64c(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアと同じ第2保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納される。
ここで、例えば、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、ハズレとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、ハズレ時のものとなる。一方で、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203e内の1の保留エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
第1実施形態のパチンコ機10における大当たり種別カウンタC2の値は、「0〜99」の範囲のループカウンタとして構成されている。この大当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。この大当たり種別テーブル202bには、第1特別図柄の第1抽選遊技で参照される特図1用大当たり種別テーブル202b1と、第2特別図柄の第2抽選遊技で参照される特図2用大当たり種別テーブル202b2とが設けられている。
ここで、図10(a)及び図10(b)を参照して、特図1用大当たり種別テーブル202b1及び特図2用大当たり種別テーブル202b2について説明する。図10(a)は、ROM202に記憶される第1特別図柄に対応する特図1用大当たり種別テーブル202b1の一例を模式的に示した図であり、図10(b)は、同じくROM202に記憶される第2特別図柄に対応する特図2用大当たり種別テーブル202b2の一例を模式的に示した図である。図10(a)及び図10(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、特別図柄の種別と、該特別図柄の種別に応じた大当たり種別と、大当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまでの間、特別図柄の大当たり確率及び普通図柄の当たり確率が共に高確率状態(所謂、ST100回、かつ、時短100回)となり、かつ、「確率変動状態」であることを報知する「15R確変大当たり」である「確率変動A」と、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまでの間、特別図柄の大当たり確率及び普通図柄の当たり確率が共に高確率状態(所謂、ST100回、かつ、時短100回)となるが、「確率変動状態」であることを報知しない「15R潜伏確変大当たり」である「潜伏確率変動C」と、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となるが、特別図柄の大当たり確率が低確率状態(所謂、時短100回)となる「時間短縮状態」へ移行する「15R時短大当たり」である「時短C」と、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の変動演出が100回実行されるまでの間、特別図柄の大当たり確率が高確率状態(所謂、ST100回)となると共に、特別図柄の変動演出が50回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態(所謂、時短50回)となるが、「確率変動状態」であることを報知しない「7R潜伏確変大当たり」である「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動B」と、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の変動演出が50回実行されるまでの間、普通図柄の当たり確率が高確率状態となるが、特別図柄の大当たり確率が低確率状態(所謂、時短50回)となる「時間短縮状態」へ移行する「7R時短大当たり」である「時短A」及び「時短B」とがある。
特図1用大当たり種別テーブル202b1及び特図2用大当たり種別テーブル202b2では、それぞれ、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する大当たり種別カウンタC2の取り得る値が対応付けられている。
図10(a)の特図1用大当たり種別テーブル202b1の例では、「7R時短大当たり」である「時短A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜19」が対応付けられ、同じく「7R時短大当たり」である「時短B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「20〜39」が対応付けられ、「7R潜伏確変大当たり」である「潜伏確率変動A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「40〜59」が対応付けられ、同じく「7R潜伏確変大当たり」である「潜伏確率変動B」に対して大当たり種別カウンタC2の値「60〜79」が対応付けられ、「15R確変大当たり」である「確率変動A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1実施形態における第1特別図柄の当否抽選において、第1保留球格納エリア203dのいずれかの第1保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ第1保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図1用大当たり種別テーブル202b1から決定される。
例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「15」であれば、大当たり種別として「7R時短大当たり」に対応する「時短A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「35」であれば、大当たり種別として「7R時短大当たり」に対応する「時短B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「48」であれば、大当たり種別として「7R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動A」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「77」であれば、大当たり種別として「7R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動B」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「95」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」に対応する「確率変動A」が決定される。
即ち、第1特別図柄の第1抽選遊技(即ち、特図1入賞口64bへの入球に基づく抽選)において大当たりに当選した場合には、「時短A」、「時短B」、「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」及び「確率変動A」の各大当たり種別がそれぞれ20%の割合で均等に選択されるように構成されている。
また、図10(b)の特図2用大当たり種別テーブル202b2の例では、「15R時短大当たり」である「時短C」に対して大当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、「15R潜伏確変大当たり」である「潜伏確率変動C」に対して大当たり種別カウンタC2の値「40〜59」が対応付けられ、「15R確変大当たり」である「確率変動A」に対して大当たり種別カウンタC2の値「60〜99」が対応付けられている。
第1実施形態における第2特別図柄の当否抽選において、第1特別図柄の当否抽選と同様、第2保留球格納エリア203eのいずれかの保留エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1に格納された大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2に格納された大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が特図2用大当たり種別テーブル202b2から決定される。
例えば、大当たり種別カウンタC2の値が「10」であれば、大当たり種別として「15R時短大当たり」に対応する「時短C」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「55」であれば、大当たり種別として「15R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動C」が決定され、大当たり種別カウンタC2の値が「80」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」に対応する「確率変動A」が決定される。
即ち、第2特別図柄の第2抽選遊技(即ち、特図2入賞口64cへの入球に基づく抽選)において大当たりに当選した場合には、「時短C」の大当たり種別が40%の割合で選択され、「潜伏確率変動C」の大当たり種別が20%の割合で選択され、「確率変動A」の大当たり種別が40%の割合で選択されるように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄による抽選遊技より、第2特別図柄による抽選遊技の方が、遊技者にとって遊技価値が大きいため、遊技者は、如何にして第2特別図柄による抽選を受けるか、即ち、特図1入賞口64b入球させるより特図2入賞口64cへ入球させるかという遊技性が生まれ、遊技にバリエーションを設け、遊技の興趣が高められている。
ここで、各大当たり種別における右側確変領域73及び左側確変領域74の開放パターンと有効パターンとについて説明する。第1実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりに当選した場合に、該大当たりの大当たり種別に基づいて、大当たり時の各ラウンド(1ラウンド乃至7ラウンド、又は、1ラウンド乃至15ラウンド。以下同様。)毎の右側確変領域73又は左側確変領域74の開放パターン(右確変領域開閉板73a及び左確変領域開閉板74aの駆動パターン)が設定されると共に、各ラウンド毎の右側確変領域73又は左側確変領域74の有効パターンが設定されるように構成されている。
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりにおいて、有効に設定されている右側確変領域73又は左側確変領域74(以下、右側確変領域73と左側確変領域74とを総称して、「確変領域73,74」と称する場合がある)を球が通過することによって、該大当たり終了後に「確率変動状態」が付与(発生)するように構成され、無効に設定されている各確変領域73,74を球が通過しても「確率変動状態」が付与(発生)しないように構成されている。
従来、大当たり時に開放される可変入賞装置65の大入賞口65a内に、球が通過可能な確変領域を設け、該確変領域を開閉レバー等で開閉制御し、大入賞口65a内に流入した球が確変領域を通過した場合に、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる(付与する)パチンコ機がある。
このようなパチンコ機では、大当たりの発生時には、「確率変動状態」が発生するか否かを遊技者に報知せずに、例えば、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」に対応する大当たり図柄を第3図柄表示装置81に表示する等、「潜伏確変演出態様(即ち、「時短報知演出態様」又は「通常報知演出態様」。以下同様。)」を行い、遊技者には「確率変動状態」ではなく「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」が発生されるかのような演出を実行する。そして、該大当たり中に、大当たり種別に基づいて所定タイミングで開放レバーを開閉制御する。
具体的には、例えば、「確率変動状態」を発生させる大当たり種別である場合には、大入賞口65a内に流入した球が上記確変領域を通過するように開閉レバーを開閉制御して、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、「確率変動状態」を発生させない大当たり種別である場合には、大入賞口65a内に流入した球が上記確変領域を通過しないように開閉レバーを開閉制御して、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させず、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」を発生させるように構成する。
このように構成することで、大当たり終了後の遊技状態が「確率変動状態」であるのか、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるのか遊技者に認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。また、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であっても、演出態様に反して(内部的に)「確率変動状態」かもしれないと遊技者に推測させ、継続的に遊技を実行させることで、パチンコ機の稼働率を向上することができる。
しかしながら、上記パチンコ機では、「潜伏確変演出態様」を実行していた場合であっても、確変領域を球が通過したときにはもれなく「確率変動状態」を発生させる構成であるため、大入賞口65a内の確変領域を球が通過するか否かに対して遊技者が着目し続け、確変領域を球が通過したことを遊技者が視認した段階で、「確率変動状態」が発生することを遊技者に認識されてしまい、想定していた遊技性が崩壊してしまう。また、遊技者に「確率変動状態」の発生が認識された後に「潜伏確変演出態様」を継続的に実行してしまうと、遊技の興趣を遊技者に与えることができず、むしろ、遊技に対して興醒めしてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口65a内に2つの確変領域(右側確変領域73及び左側確変領域74)を設け、大当たり種別に応じて、大当たりの各ラウンド毎に各確変領域73,74毎に設けられた開閉板73a,74aのいずれか一方を開放するように駆動制御すると共に、各確変領域73,74の有効又は無効の設定を遊技者に認識できない状態で(内部的に)切り替えるように制御する。そして、大当たり中において、有効に設定されている確変領域73,74を球が通過した場合には、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、無効に設定されている確変領域73,74を球が通過したとしても、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させないように構成する。
即ち、例えば、右確変領域開閉板73aが開放されて右側確変領域73へ球が流入可能な状態において、該右側確変領域73を有効に設定している場合、右側確変領域73を球が通過したときには、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、右確変領域開閉板73aが開放されて右側確変領域73へ球が流入可能な状態において、該右側確変領域73を無効に設定している場合、右側確変領域73を球が通過しても、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させないように構成する。
また、例えば、左確変領域開閉板74aが開放されて左側確変領域74へ球が流入可能な状態において、該左側確変領域74を有効に設定している場合、左側確変領域74を球が通過したときには、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、左確変領域開閉板74aが開放されて左側確変領域74へ球が流入可能な状態において、該左側確変領域74を無効に設定している場合、左側確変領域74を球が通過しても、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させないように構成する。
このように構成することで、各確変領域73,74を球が通過したとしても、内部的にその確変領域73,74が有効に設定されていなければ、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないため、各確変領域73,74への球の通過を遊技者に視認された場合であっても、大当たり終了後に「確率変動状態」の発生が確定しないように構成することができる。このように構成することで、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の大当たり種別に対応する各確変領域73,74の開閉パターンとして、「時短A」では開閉パターンが「X1」となるように設定され、「時短B」では開閉パターンが「X2」となるように設定され、「潜伏確率変動A」では、「時短A」と同様、開閉パターンが「X1」となるように設定され、「潜伏確率変動B」では、「時短B」と同様、開閉パターンが「X2」となるように設定され、「確率変動A」では開閉パターンが「Y1」となるように構成されている(図10(a)参照)。また、第2特別図柄の大当たり種別毎に対応する各確変領域73,74の開閉パターンとして、「時短C」では開閉パターンが「Y2」となるように設定され、「潜伏確率変動C」では、「時短C」と同様、開閉パターンが「Y2」となるように設定され、「確率変動A」では開閉パターンが「Y1」となるように構成されている(図10(b)参照)。
ここで、図11を参照して、大当たり種別毎の各確変領域73,74の開閉パターンについて説明する。図11は、確変領域開閉テーブル202fの一例を模式的に示した図である。図11で示す確変領域開閉テーブル202fでは、各特別図柄における大当たり種別毎において、各ラウンド毎に開放される確変領域73,74を示しており、各ラウンド毎に右側確変領域73が開放される場合には「右」と表現し、左側確変領域74が開放される場合には「左」と表現している。なお、第1実施形態では、一方の確変領域73,74(例えば、右側確変領域73)が開放されている場合は、他方の確変領域74,73(例えば、左側確変領域74)が閉鎖されているように構成されている。
図11で示すように、第1特別図柄の最大7ラウンドの大当たりである大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」に対応する各確変領域73,74の開閉パターン「X1」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンド)において右確変領域開閉板73aが開放されて右側確変領域73を球が通過可能になると共に、左確変領域開閉板74aが閉鎖されて左側確変領域74を球が通過不可能となる。
また、開閉パターン「X1」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド及び6ラウンド)において左確変領域開閉板74aが開放されて左側確変領域74を球が通過可能となると共に、右確変領域開閉板73aが閉鎖されて右側確変領域73を球が通過不可能となる。
即ち、開閉パターン「X1」では、大当たりの1ラウンド目において右側確変領域73に球が通過可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において左側確変領域74に球が通過可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、7ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に右側確変領域73又は左側確変領域74へ球が通過可能となる。従って、右側確変領域73への通過可能ラウンド数は「4」であり、左側確変領域74への通過可能ラウンド数は「3」となる。
次いで、図11で示すように、第1特別図柄の最大7ラウンドの大当たりである大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」に対応する各確変領域73,74の開閉パターン「X2」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンド)において左確変領域開閉板74aが開放されて左側確変領域74を球が通過可能になると共に、右確変領域開閉板73aが閉鎖されて右側確変領域73を球が通過不可能となる。
また、開閉パターン「X2」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド及び6ラウンド)において右確変領域開閉板73aが開放されて右側確変領域73を球が通過可能となると共に、左確変領域開閉板74aが閉鎖されて左側確変領域74を球が通過不可能となる。
即ち、開閉パターン「X2」では、大当たりの1ラウンド目において左側確変領域74に球が通過可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において右側確変領域73に球が通過可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、7ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に左側確変領域74又は右側確変領域73へ球が通過可能となる。従って、左側確変領域74への通過可能ラウンド数は「4」であり、右側確変領域73への通過可能ラウンド数は「3」となる。
次いで、図11で示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄の最大15ラウンドの大当たりである大当たり種別「確率変動A」に対応する各確変領域73,74の開閉パターン「Y1」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、13ラウンド及び15ラウンド)において左確変領域開閉板74aが開放されて左側確変領域74を球が通過可能になると共に、右確変領域開閉板73aが閉鎖されて右側確変領域73を球が通過不可能となる。
また、開閉パターン「Y1」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド及び14ラウンド)において右確変領域開閉板73aが開放されて右側確変領域73を球が通過可能となると共に、左確変領域開閉板74aが閉鎖されて左側確変領域74を球が通過不可能となる。
即ち、開閉パターン「Y1」では、大当たりの1ラウンド目において左側確変領域74に球が通過可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において右側確変領域73に球が通過可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、15ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に左側確変領域74又は右側確変領域73へ球が通過可能となる。従って、左側確変領域74への通過可能ラウンド数は「8」であり、右側確変領域73への通過可能ラウンド数は「7」となる。
次いで、図11で示すように、第2特別図柄の最大15ラウンドの大当たりである大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」に対応する各確変領域73,74の開閉パターン「Y2」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、13ラウンド及び15ラウンド)において右確変領域開閉板73aが開放されて右側確変領域73を球が通過可能になると共に、左確変領域開閉板74aが閉鎖されて左側確変領域74を球が通過不可能となる。
また、開閉パターン「Y2」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド及び14ラウンド)において左確変領域開閉板74aが開放されて左側確変領域74を球が通過可能となると共に、右確変領域開閉板73aが閉鎖されて右側確変領域73を球が通過不可能となる。
即ち、開閉パターン「Y2」では、大当たりの1ラウンド目において右側確変領域73に球が通過可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において左側確変領域74に球が通過可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、15ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に右側確変領域73又は左側確変領域74へ球が通過可能となる。従って、右側確変領域73への通過可能ラウンド数は「8」であり、左側確変領域74への通過可能ラウンド数は「7」となる。
このように、開閉パターンが同等となる大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」、大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」、並びに、大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」)をそれぞれ設け、各確変領域73,74の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにすることで、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
図10に戻って説明を続ける。第1実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の大当たり種別に対応する各確変領域73,74の有効パターンとして、「時短A」及び「潜伏確率変動B」では有効パターンが「A」となるように設定され、「時短B」及び「潜伏確率変動A」では有効パターンが「B」となるように設定され、「確率変動A」では有効パターンが「C」となるように設定される(図10(a)参照)。
また、第2特別図柄の大当たり種別に対応する各確変領域73,74の有効パターンとして、「時短C」では有効パターンが「A」となるように設定され、「潜伏確率変動C」では有効パターンが「B」となるように設定され、「確率変動A」では有効パターンが「C」となるように設定される(図10(b)参照)。
ここで、図12を参照して、大当たり種別毎の各確変領域73,74の有効パターンについて説明する。図12は、確変領域有効テーブル202gの一例を模式的に示した図である。図12で示す確変領域有効テーブル202gでは、各特別図柄における大当たり種別毎において、各ラウンド毎に有効に設定される確変領域73,74を示しており、右側確変領域73が有効に設定される場合には「右」と表現し、左側確変領域74が有効に設定される場合には「左」と表気にしている。
なお、各ラウンドにおいて、いずれの確変領域73,74も有効に設定されない場合、即ち、両確変領域73,74が共に無効に設定される場合には、該当欄を斜め罫線で表現している。また、第1実施形態では、一方の確変領域73,74(例えば、右側確変領域73)が有効に設定されている場合は、他方の確変領域74,73(例えば、左側確変領域74)が無効に設定されているように構成されている。
図12で示すように、第1特別図柄の大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動B」、並びに、第2特別図柄の大当たり種別「時短C」における各確変領域73,74の有効パターン「A」は、2ラウンド目において右側確変領域73が有効に設定されつつ左側確変領域74が無効に設定される。また、有効パターン「A」は、5ラウンド目において左側確変領域74が有効に設定されつつ右側確変領域73が無効に設定される。なお、有効パターン「A」は、その他のラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、4ラウンド、6ラウンド及び7ラウンド以降)では両確変領域73,74が無効に設定される。
即ち、各確変領域73,74の有効パターン「A」の場合に、2ラウンド目において右側確変領域73を球が通過するか、5ラウンド目において左側確変領域74を球が通過することによって該大当たり終了後に「確率変動状態」が付与される。
ここで、大当たり種別「時短A」及び「時短C」の開放パターンは、2ラウンド目において左側確変領域74が開放されている一方、右側確変領域73は閉鎖されている。また、5ラウンド目において右側確変領域73が開放されている一方、左側確変領域74は閉鎖されている。よって、いずれのラウンドでも有効に設定されている確変領域73,74を球が通過することがない。従って、大当たり種別「時短A」及び「時短C」では、大当たり中に有効に設定されている確変領域73,74を球が通過しないため、該大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないように構成されている。
一方、大当たり種別「潜伏確率変動B」の開放パターンは、2ラウンド目において右側確変領域73が開放されている一方、左側確変領域74は閉鎖されている。また、5ラウンド目において左側確変領域74が開放されている一方、右側確変領域73は閉鎖されている。よって、各確変領域73,74が有効に設定されている複数のラウンドにおいて該確変領域73,74を球が通過する。従って、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、大当たり中に有効に設定されている確変領域73,74を球が通過するため、該大当たり終了後に「確率変動状態」が発生するように構成されている。
次いで、図12で示すように、第1特別図柄の大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動A」、並びに、第2特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動C」における各確変領域73,74の有効パターン「B」は、3ラウンド目において右側確変領域73が有効に設定されつつ左側確変領域74が無効に設定される。また、有効パターン「B」は、6ラウンド目において左側確変領域74が有効に設定されつつ右側確変領域73が無効に設定される。なお、有効パターン「B」は、その他のラウンド(即ち、1ラウンド、2ラウンド、4ラウンド、5ラウンド及び7ラウンド以降)では両確変領域73,74が無効に設定される。
即ち、各確変領域73,74の有効パターン「B」の場合に、3ラウンド目において右側確変領域73を球が通過するか、6ラウンド目において左側確変領域74を球が通過することによって該大当たり終了後に「確率変動状態」が付与される。
ここで、大当たり種別「時短B」の開放パターンは、3ラウンド目において左側確変領域74が開放されている一方、右側確変領域73は閉鎖されている。また、6ラウンド目において右側確変領域73が開放されている一方、左側確変領域74は閉鎖されている。よって、いずれのラウンドでも有効に設定されている確変領域73,74を球が通過することがない。従って、大当たり種別「時短B」では、大当たり中に有効に設定されている確変領域73,74を球が通過しないため、該大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないように構成されている。
一方、大当たり種別「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動C」の開放パターンは、3ラウンド目において右側確変領域73が開放されている一方、左側確変領域74は閉鎖されている。また、6ラウンド目において左側確変領域74が開放されている一方、右側確変領域73は閉鎖されている。よって、各確変領域73,74が有効に設定されている複数のラウンドにおいて該確変領域73,74を球が通過する。従って、大当たり種別「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動C」では、大当たり中に有効に設定されている確変領域73,74を球が通過するため、該大当たり終了後に「確率変動状態」が発生するように構成されている。
次いで、図12で示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄の大当たり種別「確率変動A」における各確変領域73,74の有効パターン「C」は、4ラウンド目において右側確変領域73が有効に設定されつつ左側確変領域74が無効に設定される。また、有効パターン「C」は、9ラウンド目において左側確変領域74が有効に設定されつつ右側確変領域73が無効に設定される。なお、有効パターン「C」は、その他のラウンド(即ち、1ラウンド乃至3ラウンド、5ラウンド乃至8ラウンド、及び、10ラウンド乃至15ラウンド)では両確変領域73,74が無効に設定される。
即ち、各確変領域73,74の有効パターン「C」の場合に、4ラウンド目において右側確変領域73を球が通過するか、9ラウンド目において左側確変領域74を球が通過することによって該大当たり終了後に「確率変動状態」が付与される。
ここで、大当たり種別「確率変動A」の開放パターンは、4ラウンド目において右側確変領域73が開放されている一方、左側確変領域74は閉鎖されている。また、9ラウンド目において左側確変領域74が開放されている一方、右側確変領域73は閉鎖されている。よって、各確変領域73,74が有効に設定されている複数のラウンドにおいて該確変領域73,74を球が通過する。従って、大当たり種別「確率変動A」では、大当たり中に有効に設定されている確変領域73,74を球が通過するため、該大当たり終了後に「確率変動状態」が発生するように構成されている。
このように、各大当たり種別において、各ラウンド毎で通過可能な確変領域73,74を設定すると共に、該ラウンドに対応して確変領域73,74の有効又は無効を設定する。そして、各確変領域73,74への球の通過のみでは大当たり種別を判別できないようにすることで、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
また、第1実施形態では、大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる大当たり種別に当選した場合に、その大当たりにおける複数のラウンドにおいて、有効に設定されている確変領域73,74を球が通過可能となるように構成されている。よって、仮に、確変領域73,74が有効に設定されているいずれか一方のラウンドにおいて、有効に設定されている確変領域73,74へ球を通過させれなかった場合であっても、他方のラウンドにおいて有効に設定されている確変領域73,74に球を通過させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、有効に設定されているいずれか一方のラウンドにおいて確変領域73,74へ球を通過させることに支障が生じた場合であっても、有効に設定されている他方のラウンドにおいて有効に設定されている確変領域73,74へ球を通過させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる。
さらに、第1実施形態では、大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる大当たり種別に当選した場合に、その大当たりにおける複数のラウンドにおいて、異なる確変領域73,74をそれぞれ有効にしつつ、球が通過可能になるように構成されている。このように構成することで、仮に、いずれか一方の確変領域73,74に異常が発生している場合であっても、他方の確変領域74,73において球が通過した場合に「確率変動状態」を発生させることができる。よって、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる。
なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる大当たり種別カウンタC2の値が規定される。
また、大当たり種別が選択される確率は、パチンコ機10の遊技状態に応じて変更されてもよい。この場合、各遊技状態に対応する大当たり種別テーブル202bを用意し、それぞれの大当たり種別テーブル202bにおいて、各大当たり種別に対して対応付ける大当たり種別カウンタC2の値の数を変更すればよい。
図8に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、例えば「0〜99」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻る構成となっている。
第1実施形態では、保留されている変動演出の保留数と停止パターン選択カウンタC3の値とによって、第3図柄表示装置81で表示される大当たり時およびハズレ時の変動演出の大まかな演出態様が選択される。具体的には、「リーチ表示」が発生しない「非リーチ(短縮)」演出態様又は「非リーチ(通常)」演出態様と、「リーチ表示」として「ノーマルリーチ」の変動要素のみが実行される「ノーマルリーチ」演出態様と、該「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「スーパーリーチ」演出態様と、同じく「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「スペシャルリーチ」演出態様との5つの演出態様が選択される。
ここで、各演出態様について詳細に説明する。演出態様の中で、「非リーチ(短縮)」演出態様と「非リーチ(通常)」演出態様とは、主表示領域Dmの各表示領域Dm1〜Dm3(図6(a)参照)にて「高速変動」の変動要素が行われた後に、該左表示領域Dm1及び右表示領域Dm3に同一の第3図柄が停止せずに「リーチ表示」を発生しない演出態様である。
「高速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図6参照)で行われる変動演出において、各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)に表示される第3図柄が、表示画面縦方向下方に高速にスクロールされている変動要素をいう。この「高速変動」では、遊技者によって第3図柄の表示内容を明確に認識できないように第3図柄を変動させ、前回停止表示された変動演出の停止結果を不規則に混ぜる(シャッフルする)演出として実行される。
第1実施形態のパチンコ機10では、「高速変動」の変動要素が行われた後、特定の演出態様(「非リーチ(短縮)」演出態様)を除いて「低速変動」の変動要素が行われるように構成されている。「低速変動」の変動要素とは、第3図柄表示装置81の主表示領域Dm(図6(a)参照)で行われる変動演出において、上記「高速変動」の変動要素後、遊技者に視認可能な速度で第3図柄を低速にスクロールしている変動要素をいう。この「低速変動」の変動要素では、遊技者に第3図柄の表示内容を認識させながら、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2(図6(a)参照)の順に第3図柄を停止表示する。左図柄列Z1及び右図柄列Z3において同一の第3図柄が停止した場合は「リーチ表示」が発生したとして「ノーマルリーチ」の変動要素へと発展する一方、左図柄列Z1及び右図柄列Z3において異なる第3図柄が停止した場合は、中図柄列Z2を停止表示して、その変動演出を終了するように構成されている(後述する「疑似連」に発展する場合は除く)。
従って、「非リーチ(通常)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われて、各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)がそれぞれ順番に停止し、1の変動演出が終了する。一方、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」が行われた後に「低速変動」の変動要素が行われず、該「高速変動」の変動要素の終了後、各図柄列Z1〜Z3が同時に停止し、1の変動演出が終了する。
演出態様の中で、「ノーマルリーチ」演出態様とは、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3(図6(a)参照)の変動演出において、左図柄列Z1及び右図柄列Z3に同一の第3図柄が停止した直後に「ノーマルリーチ」の変動要素が実行され、他の「リーチ表示」、即ち、「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展しない「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「ノーマルリーチ」の変動要素では、上述したように、主表示領域Dmの左図柄列Z1(左表示領域Dm1)及び右図柄列Z3(右表示領域Dm3)に停止表示している第3図柄が通常時より拡大して表示される。また、中図柄列Z2(中表示領域Dm2)の第3図柄が低速で表示画面縦方向下方へスクロールして、遊技者により該中表示領域Dm2の第3図柄が視認可能な状態で表示される。さらに、この「ノーマルリーチ」の変動要素では、主表示領域Dmの拡大表示に伴って、副表示領域Dsが消去される(図示せず)。
演出態様の中で、「スーパーリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スーパーリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スーパーリーチ」演出態様において、「スーパーリーチ」の変動要素の実行中は、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図6(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dmの背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、複数のキャラクタ図柄を現出させて「バトル演出(例えば、キックボクシング)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「バトル演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「バトル演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
演出態様の中で、「スペシャルリーチ」演出態様とは、「ノーマルリーチ」の変動要素から発展して「スペシャルリーチ」の変動要素が実行される「リーチ表示」の演出態様の1つである。この「スペシャルリーチ」演出態様において、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行中は、上記「スーパーリーチ」の変動要素と同様、「ノーマルリーチ」の変動要素の表示状態から、コクピット表示領域Db(図6(a)参照)が消去され、この「リーチ表示」の発生要因であった第3図柄のリーチ形成図柄が表示画面の表示領域左上に縮小表示される。そして、主表示領域Dm(図6(a)参照)の背景表示が「ノーマルリーチ」の変動要素から変化すると共に、「スーパーリーチ」の変動要素とは異なる複数のキャラクタを現出させて「競争演出(例えば、自動車レース)」を行う(図示せず)。
第1実施形態では、その「競争演出」の結果(勝敗)に基づいて、変動演出の当否を示唆するように構成されている。具体的には、例えば、上記「競争演出」において、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に勝利した場合には、その変動演出が「大当たり表示」となることを示唆し、遊技者側のキャラクタ図柄が敵側のキャラクタ図柄に負けた場合には、その変動演出が「ハズレ表示」となることを示唆するように構成されている。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(第1実施形態では、タイマ割込処理(図22参照)毎に1回)更新される。そして、球が特図1入賞口64bに入賞(始動入賞)したタイミングで、特図1入賞口64b(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3に格納される。また、球が特図2入賞口64cに入賞(始動入賞)したタイミングで、特図2入賞口64c(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3に格納される。
第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在保留中の変動演出の数(保留球数)とに応じて、停止パターン選択カウンタC3の値を参照する停止パターンテーブル202dが異なるように構成されている。即ち、停止パターンテーブル202dは、複数種類設けられ、待機中の変動演出の数(保留球数)等によって選択されるように構成されている。
また、第1実施形態では、変動演出の詳細な変動パターンを決定する場合に、まず、ROM202に備えられた保留数テーブル202cに基づいて、変動演出の当否と、現在の遊技状態と、現在の変動演出の数(保留球数)とに対応したいずれかの停止パターンテーブル202dが選択される。そして、選択された停止パターンテーブル202dと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて変動演出の大まかな演出態様を選択する。その後、選択された演出態様と後述する変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、変動演出の詳細な変動パターン(変動時間)が決定される。
この複数種類設けられた停止パターンテーブル202dは、各停止パターンテーブル202d毎に演出態様が選択される停止パターン選択カウンタC3の乱数値の範囲が異なるように設定されている。この停止パターンテーブル202dが複数用意されているのは、変動演出の当否、遊技状態及び保留球数に応じて変動演出の演出態様の選択比率を変更するためである。即ち、(1)取得した第3図柄の変動演出において大当たりが発生するか、(2)現在のパチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるか、及び、(3)保留されている変動演出の保留球数がいくつあるか、に応じて、演出態様の選択比率を変更するためである。
これは、第1の理由として、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させるためである。即ち、大当たり抽選に当選した場合と大当たり抽選にハズレた場合とで、「非リーチ」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、及び、「スペシャルリーチ」演出態様の選択する割合を異ならせるように構成することで、各演出態様毎に大当たりとなる期待度を変化させる。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選した場合に「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様を選択し易く構成し、大当たり抽選に当選しなかった場合には、「非リーチ」演出態様や「ノーマルリーチ」演出態様を選択し易く構成する。このように構成することで、「スーパーリーチ」演出態様や「スペシャルリーチ」演出態様は、大当たりし易い演出とすることができ、「ノーマルリーチ」演出態様や「非リーチ」演出態様は、大当たりし難い演出若しくは大当たりしない演出とすることができ、各演出態様毎の大当たり期待度を差別化することができる。従って、変動演出に大当たりし易い演出が現出した場合に、その大当たりし易い演出が行われている間、大当たりが発生する可能性が高いことを遊技者に示唆し、遊技の興趣を高めている。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、取得した抽選結果が大当たりである場合には、大当たりし易い演出を選択し易く、かつ、大当たりし難い演出を選択し難い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成する。一方、取得した抽選結果がハズレである場合には、大当たりし易い演出を選択し難く、かつ、大当たりし難い演出を選択し易い停止パターンテーブル202dするように構成する。これにより、変動演出において第3図柄の抽選結果を遊技者に報知する場合に、大当たりし易い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し易く、大当たりし難い演出が実行されている場合にはその変動演出で大当たりが発生し難くし、演出態様ごとに大当たり期待値に差を設けることで、その変動演出の実行中に遊技の興趣を高めることができる。
また、第2の理由として、第1特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における特図1入賞口64bへの入球、又は、第2特別図柄の変動演出の待機回数が上限に達している状態における特図2入賞口64cへの入球に基づく無駄球(所謂、オーバーフロー入賞による無抽選)を極力削減するためである。具体的に説明すると、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動演出の待機回数はそれぞれ最大4回と上限が設けられていると共に、変動演出は少なくとも一定時間が実行されることから、「確率変動状態」における特図2入賞口64cへ球が入球し易い遊技状態では、第2特別図柄の最大保留球数に到達し易い。これらの遊技状態において、長い変動時間の変動演出を選択すると、第2特別図柄の最大保留球数に到達した状態での特図2入賞口64cへの入球が頻発し、折角、特図2入賞口64cへ入球したにもかかわらず、第2特別図柄の抽選契機を取得できない。また、「通常遊技状態」においても、第1特別図柄の最大保留球数に到達している状態で、長い変動時間の変動演出を選択すると、その変動演出の実行中は第1特別図柄の保留球数が消化されないため、その間に特図1入賞口64bへの入球が発生しても、第1特別図柄の抽選契機を取得できない。このような状態になると、遊技者は、特図1入賞口64bへ球を入球させても遊技価値が得られないと判断し、変動演出が消化されて再び保留球数を取得できる状態になるまで球の発射を停止して遊技を中断してしまう。遊技が中断されると、パチンコ機10の稼働率が低下してしまい、遊技場の経営に影響を与えてしまう。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数へ到達し易い遊技状態や、最大保留球数に近い(又は一致する)保留球数では、比較的短い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の最大保留球数に到達している状態での特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cへの入球を防止することができる。
さらに、第3の理由として、実行時間を長く設定して、変動演出の終了を遅らせることで、変動演出が実行されている状態を長く維持するためである。具体的に説明すると、変動演出の保留球数が少ない(無い)場合に、実行中の変動演出の変動時間内に新たに特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cのいずれかに球を入球させないと、次の変動演出を開始することができず、第3図柄表示装置81でデモ画面等を表示しなければいけない。遊技者は、球を発射して遊技を行っているにもかかわらず第3図柄表示装置81において変動演出が行われない場合、遊技者が求めている大当たりの抽選に係る興趣を得ることができず、遊技に興醒めしてしまう。また、遊技者は、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていないことで、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cへ球が入球し難いパチンコ機10であると認識し、遊技価値を得難い台と判断して、そのパチンコ機10での遊技を止めてしまうおそれがある。
そこで、第1実施形態のパチンコ機10では、変動演出の保留球数が少ない場合に、比較的長い変動時間が選択され易い停止パターンテーブル202dに基づいて変動演出の演出態様を選択するように構成されている。これにより、第3図柄表示装置81において変動演出が行われていない状況を起こり難く構成し、第3図柄表示装置81における変動演出の実行状態を長く維持することができる。
変動種別カウンタCS1は、例えば「0〜199」の範囲内で順に「1」ずつ加算され、最大値(つまり「199」)に達した後「0」に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図22参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図33参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、球が特図1入賞口64bに入賞(始動入賞)したタイミングで、特図1入賞口64b(第1特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第1保留球格納エリア203dに設けられた第1保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第1保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4に格納される。また、球が特図2入賞口64cに入賞(始動入賞)したタイミングで、特図2入賞口64c(第2特別図柄)に対応して設けられたRAM203の第2保留球格納エリア203eに設けられた第2保留第1〜第4エリアのうち大当たり乱数カウンタC1が格納される第2保留エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4に格納される。
変動種別カウンタCS1は、変動演出の詳細な変動パターンの決定に用いられる。即ち、主制御装置110のMPU201は、停止パターンテーブル202d及び停止パターン選択カウンタC3によって選択された演出態様において、変動種別カウンタCS1の値と、ROM202に格納された変動パターンテーブル202eとによって、詳細な変動パターンを決定する。変動パターンの決定は、具体的には、変動演出の変動時間の決定である。音声ランプ制御装置113および表示制御装置114は、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様を決定し、また予告演出実行の有無や予告演出の実行態様を決定する。
このように、主制御装置110のMPU201は、変動演出の大まかな変動パターンを選択して変動時間のみを決定する。このように構成することで、主制御装置110のMPU201において、変動演出を実行するために必要な詳細な予告抽選等の制御を行う必要がなくなるので、変動演出に関するMPU201の処理を軽減することができる。また、主制御装置110において変動演出の全変動パターンのコマンドを用意する必要がなくなり、主制御装置110のROM容量を削減することができる。
また、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114において、主制御装置110で決定された変動時間(大まかな変動パターン)に基づいて、変動演出における詳細な変動パターンを決定することで、変動演出を選択する自由度を高めるができる。さらに、遊技状態が刻々と変化するパチンコ機10において、該変化に対応して随時、変動演出の演出内容の選択又は変更することが可能となり、遊技状態に応じて適切な演出を実行することができる。
ここで、変動パターンを構成する各変動要素について説明する。変動要素とは、1の変動演出の一部分を構成するものであり、各変動要素を組み合わせて1の変動演出が構成される。第1実施形態のパチンコ機10では、変動要素として、「高速変動」の変動要素、「低速変動」の変動要素、「疑似連」の変動要素、「ノーマルリーチ」の変動要素、「スーパーリーチ」の変動要素、「スペシャルリーチ」の変動要素および「再変動」の変動要素が設けられている。
「高速変動」の変動要素とは、遊技者によって第3図柄の内容を明確に認識できないように高速にスクロール変動する変動要素である。この「高速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「3秒」行われ、「非リーチ(短縮)」以外の変動要素(例えば、「非リーチ(通常)」)の演出態様が選択された場合は、変動演出の冒頭に「7秒」行われる。なお、この「高速変動」の変動要素が終了した場合、後述する「低速変動」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
「低速変動」の変動要素とは、「7秒」の「高速変動」の変動要素の実行後に開始され、第3図柄を視認可能にスクロール変動して「リーチ表示」を発生するか否かを見せる変動要素である。この「低速変動」の変動要素は、「非リーチ(短縮)」演出態様が選択された場合は実行されず、「非リーチ(短縮)」演出態様以外の演出態様(例えば、「非リーチ(通常)」演出態様)が選択された場合は、「高速変動」の変動要素の後に「3秒」行われる。即ち、「非リーチ(短縮)」演出態様では、「高速変動」の変動要素が行われた後、主表示領域Dmの各図柄列Z1〜Z3が「低速変動」の変動要素を経由せずに急速に停止(所謂、ビタ止まり)するように構成されている。なお、この「低速変動」の変動要素が終了した場合は、後述する「疑似連」の変動要素が開始(実行)されるか、後述する「ノーマルリーチ」の変動要素が開始(実行)されるか、或いは、そのまま変動演出が終了するように構成されている。
従って、第1実施形態のパチンコ機10では、「非リーチ(通常)」演出態様は、「7秒」の「高速変動」の変動要素と「3秒」の「低速変動」の変動要素とを含む変動パターンで変動演出が構成される。また、「非リーチ(短縮)」演出態様は、「3秒」の「高速変動」の変動要素のみの変動パターンで変動演出が構成される。
「疑似連」の変動要素とは、1回の変動演出の中で変動演出の開始が複数回(疑似停止が1回)発生する変動要素である。具体的には、第3図柄表示装置81の各図柄列Z1〜Z3にて「高速変動」の変動要素が開始されて「低速変動」の変動要素に切り替わり、その後に全図柄列Z1〜Z3における変動演出が終了されて所定の停止結果(例えば、疑似連チャンス目「677」)が表示されるという単位の演出が行われる変動要素である。この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に、上記所定の停止結果が停止することで、その停止結果から再び「高速変動」の変動要素が始まって、あたかももう1回変動演出が開始されたかのような演出が実行される。
この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果(所謂、疑似連チャンス目)が現出し、再び2回目の「高速変動」の変動要素が実行され、その後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展する変動要素である。即ち、「疑似連」の変動要素は、疑似連チャンス目が表示される疑似的な変動停止(以下、「疑似停止」という)が1回行われ、その後、その疑似停止において所定の停止結果が現出して、再度、「高速変動」の変動要素を開始する変動要素である。第1実施形態のパチンコ機10では、この「疑似連」の変動要素の終了後は、少なくとも「ノーマルリーチ」の変動要素に必ず発展するように構成されている。この「疑似連」の変動要素は、「低速変動」の変動要素後に「10秒」行われる。
なお、第1実施形態では、「疑似連」の変動要素において、疑似停止の回数を1回としたが、疑似停止の回数を2回以上行われる「疑似連」の変動要素を実行するように構成してもよい。また、「疑似連」の変動要素の発生前に、疑似連チャンス目が停止するか否かの演出を行う変動要素(所謂、「疑似ガセ」の変動要素)を行うように構成してもよい。この「疑似ガセ」の変動要素では、「低速変動」の変動要素の実行後に所定の停止結果が現出するか否かの演出(例えば、上記所定の停止結果を形成する図柄が有効ラインL1(図6(a)参照)上を往復変動して停止するか否かの演出。以下、「疑似変動」という。)を行い、その「疑似変動」にて上記所定の停止結果が現出せず、「疑似連」の変動要素まで発展しないように構成してもよい。この「疑似ガセ」の変動要素を設けることで、該「疑似ガセ」の変動要素の終了後、「ノーマルリーチ」の変動要素に発展するか、或いは、「ハズレ表示」が現出(例えば、「687」)してそのまま変動演出が終了するかの遊技性を付与することができる。
「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動」の変動要素又は「疑似連」の変動要素(以下、「「低速変動」の変動要素又は「疑似連」の変動要素」を総称して、「低速変動等」の変動要素という場合がある)において左図柄列Z1及び右図柄列Z3にリーチ形成図柄が停止表示した場合に、中図柄列Z2の変動結果によって大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「ノーマルリーチ」の変動要素は、「低速変動等」の変動要素後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、「スーパーリーチ」の変動要素に発展するパターンと、「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「バトル演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スーパーリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」の変動要素を実行するパターンと、が用意されている。
「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素において「ハズレ表示」が停止せずに中図柄列Z2の変動が継続された場合に発展して実行され、主表示領域Dmにおいて「競争演出」を行って大当たりが発生するか否かを見せる変動要素である。この「スペシャルリーチ」の変動要素は、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「20秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「スペシャルリーチ」の変動要素の実行後は、直接「ハズレ表示」を現出するパターンと、直接「大当たり表示」を現出するパターンと、一旦、仮の「ハズレ表示」を現出させた後に「再変動」するパターンと、が用意されている。
なお、「ノーマルリーチ」の変動要素の実行後に「スーパーリーチ」の変動要素又は「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成されているが、この構成に代えて、「低速変動」後にリーチ形成図柄が停止した場合に、「ノーマルリーチ」の変動要素を経由せず、いきなり「スーパーリーチ」の変動要素や「スペシャルリーチ」の変動要素に発展するように構成してもよい。また、「スーパーリーチ」の変動要素の実行後に「スペシャルリーチ」の変動要素が行われるように構成してもよい。
「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」において一旦「ハズレ表示」が現出した後に発展して実行され、「大当たり表示」を現出する変動要素である。この「再変動」の変動要素は、いずれかの「リーチ表示」後に「10秒」行われる。
第1実施形態のパチンコ機10では、「再変動」の変動要素の実行後は、「大当たり表示」が現出するパターンが用意されている。
また、この「再変動」の変動要素は、大当たりに当選した場合にのみ発生するように構成されている。即ち、「ハズレ表示」の場合には、「再変動」の変動要素は実行されないように構成されている。これは、「再変動」の変動要素は、仮に停止表示された「ハズレ表示」をいずれかの「大当たり表示」に変更する変動要素であるため、大当たりに当選していない「ハズレ表示」の場合に行ってしまうと、演出上の齟齬が発生してしまう。よって、この「再変動」の変動要素は、大当たり用の変動パターンテーブル202eでのみ選定され、ハズレ用の変動パターンテーブル202eでは選定されないように構成されている。
普図当たり乱数カウンタC4は、例えば「0〜99」の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり「99」)に達した後「0」に戻るループカウンタとして構成されている。また、普図当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該普図当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。
なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、普図当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=「0〜99」)、タイマ割込処理(図22参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図33参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
普図当たり乱数カウンタC4の値は、例えば定期的(第1実施形態では、タイマ割込処理(図22参照)毎に1回)更新され、球が普通図柄ゲート67を通過したことが検知されたタイミングで、RAM203の普図保留球格納エリア203jに設けられた普図保留第1〜第4エリアのいずれかの普図保留エリアに格納される。そして、普図保留球格納エリア203jに格納された順に順次普図保留球実行エリア203kにデータをシフトし、該普図保留球実行エリア203kに格納されている普図当たり乱数カウンタC4の値に対して当たり判定を行う。
普通図柄の当たりとなる乱数の値は、遊技状態毎に主制御装置110のROM202に格納される普図当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定(例えば、低確率状態で「1/10」、高確率状態で「9/10」)されており、普図保留球実行エリア203kに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、当たりと判定される。そして、遊技状態に応じて主制御装置110のROM202に格納される普図変動時間テーブル(図示せず)が参照されて、普通図柄の可変表示時間(例えば、「3秒」又は「0.5秒」)が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。その後、遊技状態に応じて主制御装置110のROM202に格納される普通電役制御テーブル(図示せず)が参照されて、普通電動役物67aの回動板の開放時間(例えば、「0.5秒」又は「5秒」)が設定され、該開放時間の間、回動板が回動作動し、その間、回動板の上面を球が転動可能に構成される。
一方、普図保留球実行エリア203kに格納されている普図当たりカウンタC4の値が、普図当たり乱数テーブル(図示せず)によって設定された当たりとなる乱数の値と一致しない場合には、ハズレと判定される。そして、遊技状態に応じて普図変動時間テーブル(図示せず)が参照されて可変表示時間(例えば、「3秒」又は「0.5秒」)が設定され、普通図柄表示装置83において該可変表示時間の経過後、停止図柄(普通図柄)として「×」の図柄が点灯表示される。
第1実施形態のパチンコ機10では、普通図柄の当否確率、普通図柄の可変表示時間および普通電動役物67aの回動板の開放時間のバリエーションが各遊技状態に応じてそれぞれ異なるように構成される。具体的には、例えば、「時短機能」を有さない「通常遊技状態」では、普通図柄の当否確率が低確率であって、普通図柄の可変表示時間が長時間であり、回動板の開放時間が短時間となるように設定されている。また、「時間機能」を有する「確率変動状態」又は「時間短縮状態」では、普通図柄の当否確率が高確率であって、普通図柄の可変表示時間が短時間であり、回動板の開放時間が長時間となるように設定されている。
このように、主制御装置110のRAM203には種々のカウンタ等が設けられていると共に、主制御装置110のROM202には各種テーブルが設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値と上述した各テーブル202a〜202gとに応じて大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における動的表示および変動演出の設定、普通図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図7に戻り、説明を続ける。RAM203は、図8に図示したカウンタ用バッファ203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、インプット/アウトプット(Input/Output。以下、「I/O」と略す。)等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図33参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図32参照)において実行される。なお、MPU201のノンマスカブル割込(Non−Maskable Interrupt。以下、「NMI」と略す。)端子には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図31参照)が即座に実行される。
RAM203は、さらに、第1保留球数カウンタ203a、第2保留球数カウンタ203b、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203e、保留球実行エリア203f、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h、確変移行フラグ203iを少なくとも有している。
第1保留球数カウンタ203aは、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図22参照)の中で検出される特図1第1入賞口64bへの入球(以下、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cへの球の入球を「始動入賞」という場合がある)に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第1特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第1特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第1保留球数カウンタ203aは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図32のS913)によって、初期値として「0」が設定される。そして、特図1入賞口64bへの始動入賞が検出されて第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図23のS203参照)。一方、第1保留球数カウンタ203aは、第1特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図24のS308参照)。
第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、「4ミリ秒」毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図22参照)の中で検出される特図2入賞口64cへの始動入賞に基づいて、特別図柄表示装置37で行われる第2特別図柄の動的表示(第3図柄表示装置81で行われる第2特別図柄に対応する第3図柄の変動演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
この第2保留球数カウンタ203bは、第1保留球数カウンタ203aと同様、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図32のS913)によって、初期値として「0」が設定される。そして、特図2入賞口64cへの始動入賞が検出されて第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の保留球数が増加する毎に、最大値「4」まで1加算される(図23のS207参照)。一方、第2保留球数カウンタ203bは、第2特別図柄の動的表示(変動演出)が実行される毎に1減算される(図24のS305参照)。
この第1保留球数カウンタ203aの値(即ち、第1特別図柄の保留球数)又は第2保留球数カウンタ203bの値(即ち、第2特別図柄の保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図23のS210参照)。保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された第1特別図柄又は第2特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110へアクセスすることなく各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留回数を管理することができる。また、始動入賞が検出される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ保留球数コマンドを送信することにより、音声ランプ制御装置113において管理される各特別図柄の動的表示(変動演出)の保留球数が、ノイズ等の影響によって主制御装置110に保留された実際の動的表示(変動演出)の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、その内部で管理する保留球数が変化する度に、表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81のコクピット表示領域Dbに保留図柄を表示する。
また、第1実施形態では、主制御装置110が音声ランプ制御装置113に対して保留球数コマンドを送信する場合、その保留球数コマンドにおいて、1加算された第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値だけでなく、その第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの加算の契機となった上記始動入賞に伴い、カウンタ用バッファ203c(図8参照)より取得される大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値も含める。
つまり、始動入賞があった場合に、主制御装置110にてカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値が、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に伝えられる。
音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドにより伝えられた大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値を、その各値に基づく変動演出が実行される前に先読みし、当該変動演出がどうなるか(大当たりとなるか否か、変動時間はどうなるか等)をその変動演出の実行前に判断する。そして、その先読みによる判断結果に基づき、各種の演出の実行を決定したり、「保留変化予告」の演出内容及び実行時期(タイミング)を決定できるようになっている。
なお、変動演出の保留球数を示す保留球数コマンドと、大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとを別々に送信するように構成してもよい。保留球数コマンドとは別の大当たり乱数カウンタC1等の値を示すコマンドとしては、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cへの球の入球タイミングで保留球数コマンドを生成すると共に、該入球に基づく変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに類するコマンド(事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンド)を生成し、音声ランプ制御装置113へ送信するように構成してもよい。この場合に、事前変動パターンコマンド及び事前停止種別コマンドの生成のプログラムに関し、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドのプログラムを流用することで、プログラムの作成を容易にすることができる。
第1保留球格納エリア203dは、上述したように、いずれかの特図1入賞口64bへの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図22参照)の中で、球が特図1入賞口64bへ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1保留球格納エリア203dに格納する。第1保留球格納エリア203dは、第1特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)を有している(図8参照)。
第2保留球格納エリア203eは、上述したように、特図2入賞口64cへの始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1の各値をそれぞれ記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図22参照)の中で、球が特図2入賞口64cへ入賞(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第2保留球格納エリア203eに格納する。第2保留球格納エリア203eは、第2特別図柄の一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)を有している(図8参照)。
保留球実行エリア203fは、上述したように、実行を開始する、或いは、実行中の第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動演出の実行開始タイミングであることを検出すると、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等の処理を実行するために、上述した第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。一方、第2保留球格納エリア203eに第2特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dに第1特別図柄に関する始動入賞に対応するデータが記憶されている場合は、該データの一の始動入賞に対応するデータを、この保留球実行エリア203fへシフトする。即ち、第1実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が優先的に実行され、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)は、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)が保留されていないことを条件に実行されるように構成されている。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
ここで、再び図8を参照して、第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fの詳細について説明する。第1保留球格納エリア203d、第2保留球格納エリア203eおよび保留球実行エリア203fは、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
上述したように、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり抽選や特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の動的表示および変動演出の設定には、大当たり抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別の決定に使用する大当たり種別カウンタC2と、変動演出の演出態様の決定に使用する停止パターン選択カウンタC3と、変動パターンの決定に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。第1保留球格納エリア203dは、球が特図1入賞口64bへ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値をそれぞれ記憶し、第2保留球格納エリア203eは、球が特図2入賞口64cへ入賞(始動入賞)した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値を記憶する。
第1保留球格納エリア203dは、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203d2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203d4とが設けられている。
また、第2保留球格納エリア203eは、第1保留球格納エリア203dと同様、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)で構成されている。4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)にはそれぞれ、第1保留球格納エリア203dと同様、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203e2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3と、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203e4とが設けられている。
なお、第1実施形態では、大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1,203e1と、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2,203e2と、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3,203e3と、変動種別カウンタ格納エリア203d4,203e4とを1つの保留球格納エリア203d,203eの中にそれぞれまとめて設けているが、各カウンタC1〜C3,CS1毎に保留球格納エリアを複数設けるようにしてもよい。
上述した通り、第1保留球格納エリア203dには、球がいずれかの特図1入賞口64bへ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第1保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い特図1入賞口64bへの始動入賞に対応するデータが記憶され、第1保留第1エリアには、時間的に最も古い特図1入賞口64bへの始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
また、第2保留球格納エリア203eには、球が特図2入賞口64cへ入賞(始動入賞)したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(第2保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い特図2入賞口64cへの始動入賞に対応するデータが記憶され、第2保留第1エリアには、時間的に最も古い特図2入賞口64cへの始動入賞に対応するデータが記憶されることになる。
一方、保留球実行エリア203fは、1つのエリアのみで構成されている。この保留球実行エリア203fには、第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eと同様に、大当たり乱数カウンタC1の値を格納する大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1と、大当たり種別カウンタC2の値を格納する大当たり種別カウンタ格納エリア203f2と、停止パターン選択カウンタC3の値を格納する停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3、変動種別カウンタCS1の値を格納する変動種別カウンタ格納エリア203f4とが設けられている。
MPU201は、変動演出の実行開始タイミングになったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータ(各カウンタC1〜C3,CS1の各値)が記憶されている場合は、該第2保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなった場合に、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが記憶されておらず、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが記憶されているとき、該第1保留第1エリアに記憶されているデータを、この保留球実行エリア203fの各エリア203f1〜203f4にそれぞれシフトする。
そして、保留球実行エリア203fにシフトされたデータを、変動開始処理(図25参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。特別図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、動的表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動演出が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったことを判断すると、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第2保留第1エリアにデータが格納されていると判断された場合は、第2保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第2保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203e2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第2保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第2保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203e4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第2保留第1エリアが空き状態となるため、第2保留球格納エリア203eの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第2保留球格納エリア203eにおいて、データが記憶(保留)されている第2保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第2保留球格納エリア203e内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であり、第2保留球格納エリア203eの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第2保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第2保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第2保留第2エリアのデータを、第2保留第1エリアへシフトし、第2保留第3エリアのデータを、第2保留第2エリアへシフトし、第2保留第4エリアのデータを、第2保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば、MPU201は、第2保留第2エリアのデータのみを、第2保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第2保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第2保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
一方、MPU201は、変動演出の実行開始タイミングとなったときに、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1エリアにデータが格納されていないと判断された場合は、次いで、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1エリアにデータが格納されているか否かを判断する。判断の結果、第1保留第1エリアにデータが格納されていれば、該第1保留第1エリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1の乱数値を、保留球実行エリア203fの大当たり乱数カウンタ格納エリア203f1へシフトする。同様に、第1保留第1エリアの大当たり種別カウンタ格納エリア203d2の乱数値を、大当たり種別カウンタ格納エリア203f2へシフトし、第1保留第1エリアの停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3の乱数値を、停止パターン選択カウンタ格納エリア203f3へシフトし、第1保留第1エリアの変動種別カウンタ格納エリア203d4の乱数値を、変動種別カウンタ格納エリア203f4へシフトする。
そして、保留球実行エリア203fへのデータのシフトが終了すると、第1保留第1エリアが空き状態となるため、第1保留球格納エリア203dの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、第1保留球格納エリア203dにおいて、データが記憶(保留)されている第1保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、第1保留球格納エリア203d内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であり、第1保留球格納エリア203dの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、第1保留第1エリアのデータが、保留球実行エリア203fへシフトされ、第1保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、第1保留第2エリアのデータを、第1保留第1エリアへシフトし、第1保留第3エリアのデータを、第1保留第2エリアへシフトし、第1保留第4エリアのデータを、第1保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、変動演出の開始判断が行われた時の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば、MPU201は、第1保留第2エリアのデータのみを、第1保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない第1保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、第1保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第1保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
ここで、普図保留球格納エリア203jおよび普図保留球実行エリア203kの詳細について説明する。普図保留球格納エリア203jおよび普図保留球実行エリア203kは、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等を行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
普図保留球格納エリア203jは、普通図柄ゲート67への球の通過の検出に伴ってカウンタ用バッファ203cより取得した普図当たりカウンタC4を記憶するためのメモリである。MPU201は、タイマ割込処理(図22参照)の中で、球が普通図柄ゲート67を通過したことを検出すると、カウンタ用バッファ203cから普図当たりカウンタC4の値を取得し、普図保留球格納エリア203jに格納する。普図保留球格納エリア203jは、普通図柄の一の保留球に対応するデータ(普図当たりカウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)を有している(図8参照)。
普図保留球実行エリア203kは、実行を開始する、或いは、実行中の普通図柄の当たり抽選や可変表示の処理において参照すべきデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングであることを検出すると、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定等の処理を実行するために、上述した普図保留球格納エリア203jに記憶されているデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一のデータをこの普図保留球実行エリア203kへシフトする。なお、第1実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
上述したように、普通図柄の当たり抽選や普通図柄表示装置83の可変表示の設定には、普通図柄の当たり抽選に使用する普図当たり乱数カウンタC4が用いられる。普図保留球格納エリア203jは、球が普通図柄ゲート67を通過した場合にMPU201によってカウンタ用バッファ203cから取得される普図当たり乱数カウンタC4の値を記憶する。
また、上述した通り、普図保留球格納エリア203jには、球が普通図柄ゲート67を通過したタイミングで取得されるデータ(普図当たり乱数カウンタC4の値)が最大4回分まで記憶されるが、その場合、4つの保留エリア(普図保留第1〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。つまり、エリア番号が小さいエリアほど、時間的に古い普通図柄ゲート67への球の通過に対応するデータが記憶され、普図保留第1エリアには、時間的に最も古い普通図柄ゲート67への球の通過に対応するデータが記憶されることになる。
一方、普図保留球実行エリア203kは、1つのエリアのみで構成されている。この普図保留球実行エリア203kには、普図保留球格納エリア203jと同様に、普図当たり乱数カウンタC4の値を格納する普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)が設けられている。
MPU201は、普通図柄の可変表示の実行タイミングになったことを判断すると、普図保留球格納エリア203jの普図保留第1エリアに記憶されているデータを、この普図保留球実行エリア203kにシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203kにシフトされたデータを、普図変動処理(図22のS111参照)において参照し、その参照データと遊技状態とに基づいて、当たり抽選を行うと共に、可変表示の内容を決定する。普通図柄表示装置83では、主制御装置110の制御により、この決定された内容に基づいて、可変表示が行われる。
データのシフトの詳細について説明する。MPU201は、普通図柄の可変表示の実行開始タイミングとなったことを判断すると、普図保留球格納エリア203jの普図保留第1エリアの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)の乱数値を、普図保留球実行エリア203kの普図当たり乱数カウンタ格納エリア(図示せず)へシフトする。
そして、普図保留球実行エリア203kへのデータのシフトが終了すると、普図保留第1エリアが空き状態となるため、普図保留球格納エリア203jの各エリア(第2〜第4)に記憶(保留)されているデータを、エリア番号が1小さいエリア(第1〜第3)に詰めるシフト処理を行う。なお、第1実施形態では、普図保留球格納エリア203jにおいて、データが記憶(保留)されている普図保留エリア(第1〜第4)についてのみデータのシフトを行う。
ここで、普図保留球格納エリア203j内の各保留エリアに対して行われるデータシフトについて説明する。例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普通図柄の保留数が4個であり、普図保留球格納エリア203jの全エリア(第1〜第4)にデータが記憶されているとする。この状態で、普図保留第1エリアのデータが、普図保留球実行エリア203kへシフトされ、普図保留第1エリアが空き状態となると、MPU201は、他のエリア(第2〜第4)のデータをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリア(第1〜第3)にシフトする。すなわち、普図保留第2エリアのデータを、普図保留第1エリアへシフトし、普図保留第3エリアのデータを、普図保留第2エリアへシフトし、普図保留第4エリアのデータを、普図保留第3エリアへシフトする。
また、例えば、普通図柄の可変表示の開始判断が行われた時の普通図柄の保留数2個であれば、MPU201は、普図保留第2エリアのデータのみを、普図保留第1エリアへシフトして、データのシフトを終了する。上述したように、第1実施形態では、データが記憶(保留)されていない普図保留エリア(第3〜第4)については、データのシフト処理を行わないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
なお、データの有無に関わらず、普図保留エリア(第2〜第4)の各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、普図保留エリア(第2〜第4)にデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムの作成を容易とすることができる。
図7に戻り、説明を続ける。RAM203に設けられた右確変有効フラグ203gは、オン状態で右側確変領域73が有効に設定されていることを示すためのフラグである。第1実施形態では、右確変有効フラグ203gがオンに設定されている状況において、右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合に、後述する確変移行フラグ203iがオンに設定され、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生するように構成されている。
この右確変有効フラグ203gは、パチンコ機10の電源投入時に初期値としてオフに設定される。そして、特別図柄の大当たりに当選した場合に、該大当たりの大当たり種別に基づいて確変領域有効テーブル202g(図12参照)が設定され(図26のS410参照)、大当たり中の各ラウンド開始毎に、該大当たりで設定された確変領域有効テーブル202gに基づいて、右確変有効フラグ203gのオン又はオフが設定される(図28のS435参照)。
具体的には、右確変有効フラグ203gは、大当たり種別「時短A」、「潜伏確率変動B」及び「時短C」の2ラウンドにおいてオンに設定され、大当たり種別「時短B」、「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動C」の3ラウンドにおいてオンに設定され、大当たり種別「確率変動A」の4ラウンドにおいてオンに設定され、上述したラウンド以外のラウンドにおいてすべてオフに設定される。
左確変有効フラグ203hは、オン状態で左側確変領域74が有効に設定されていることを示すためのフラグである。第1実施形態では、左確変有効フラグ203hがオンに設定されている状況において、左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合に、後述する確変移行フラグ203iがオンに設定され、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生するように構成されている。
この左確変有効フラグ203hは、パチンコ機10の電源投入時に初期値としてオフに設定される。そして、特別図柄の大当たりに当選した場合に、該大当たりの大当たり種別に基づいて確変領域有効テーブル202g(図12参照)が設定され(図26のS410参照)、大当たり中の各ラウンド開始毎に、該大当たりで設定された確変領域有効テーブル202gに基づいて、左確変有効フラグ203hのオン又はオフが設定される(図28のS435参照)。
具体的には、左確変有効フラグ203hは、大当たり種別「時短A」、「潜伏確率変動B」及び「時短C」の5ラウンドにおいてオンに設定され、大当たり種別「時短B」、「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動C」の6ラウンドにおいてオンに設定され、大当たり種別「確率変動A」の9ラウンドにおいてオンに設定され、上述したラウンド以外のラウンドにおいてすべてオフに設定される。
確変移行フラグ203iは、オン状態で「確率変動状態」が発生することを示すためのフラグである。この確変移行フラグ203iは、パチンコ機10の電源投入時に初期値としてオフに設定される。そして、大当たり中において、右確変有効フラグ203gがオンに設定されている場合に右確変領域スイッチ73dによって球が検知されるか(図28のS441:Yes→S442:Yes参照)、或いは、左確変有効フラグ203hがオンに設定されている場合に左確変領域スイッチ74dによって球が検知されることにより(図28のS444:Yes→S445:Yes参照)、オフ状態の確変移行フラグ203iがオンに設定される(図29のS443参照)。その後、大当たり終了処理(図30参照)において、この確変移行フラグ203iがオンされていることによって「確率変動状態」を設定する場合、即ち、後述するSTカウンタの値に「100」を設定した場合に(図30のS472参照)、確変移行フラグ203iがオフに設定される(図30のS473参照)。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111と、音声ランプ制御装置113と、特別図柄表示装置37と、普通図柄表示装置83と、普通図柄保留ランプ84と、可変入賞装置65に設けられ、大入賞口65aの開閉板65bの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大入賞口ソレノイド65cと、右側確変領域73の右確変領域開閉板73aを開閉駆動するための右確変領域ソレノイド73bと、左側確変領域74の左確変領域開閉板74aを開閉駆動するための左確変領域ソレノイド74bと、その他の駆動装置(図示せず)を駆動させるためのその他ソレノイド209とが接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、大入賞口65a内に設けられて、該大入賞口65aに入賞した球を検知する大入賞口スイッチ71と、右側確変領域73内に設けられて、該右側確変領域73を通過する球を検知する右確変領域スイッチ73dと、左側確変領域74内に設けられて、該左側確変領域74を通過する球を検知する左確変領域スイッチ74dと、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなるその他スイッチ208と、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253とが接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
ここで、図13から図21を参照して、各大当たり種別の各ラウンド毎における球の検出態様と、各確変領域73,74の開放又は閉鎖状況(即ち、右確変領域開閉板73a及び左確変領域開閉板74aの開放又は閉鎖、並びに、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bのオン又はオフ)と、各確変領域73,74の有効又は無効の設定状況(即ち、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hのオン又はオフ)と、「確率変動状態」へ移行状況(即ち、確変移行フラグ203iのオン又はオフ)とを説明する。
まず、図13及び図14を参照して、大当たり種別「時短A」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図13は、第1特別図柄の大当たり種別「時短A」の各ラウンドにおける大入賞口ソレノイド65c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。また、図14は、大当たり種別「時短A」の1ラウンド目及び2ラウンド目における大入賞口ソレノイド65c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとの各時間を模式的に示したタイミングチャートである。以下、図13において各タイミングを説明しながら、図14を適宜参照して詳細な時間について説明する。
図13で示すように、大当たり種別「時短A」では、計7ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放される。そして、所定条件(第1実施形態では、開放から最大で「30秒」経過(図14のMax t1参照。Max t1<「30000ミリ秒(以下、ミリ秒を「ms」と略す場合がある)」。)、又は、大入賞口スイッチ71によって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「時短A」では、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンが「X1」である。このため、1ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図14のt2参照。t2=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが「60ms」オンされた場合であっても、右確変領域開閉板73a及び左確変領域開閉板74aの開放時間が極めて短時間であり、球が右側確変領域73及び左側確変領域74へ流入困難に構成されている(以下、各ラウンドの1カウント目の球について同様)。
また、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、右確変領域開閉板73a又は左確変領域開閉板74aが正常に駆動しないと判別された場合、右側確変領域73又は左側確変領域74が正常に開放されず、遊技者に適切な遊技価値を付与できないおそれがあることから、所定のエラー報知(例えば、「可変入賞装置65駆動異常発生」等のエラーメッセージの表示)するように構成されている。また、所定のエラー報知に伴い、現在の遊技状態をバックアップしつつ、遊技の進行を停止するように構成されている。このように、エラーに伴い遊技の進行を止めることで、「確率変動状態」が付与されないといった遊技者に不利益を被らせる事態を防止することができる。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる(図14のt3参照。t3=「2000ms」。)。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第1実施形態では、「1.5秒」。図14のt4参照。t4<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「時短A」の確変領域73,74の有効パターンは「A」であって、2ラウンド目の右側確変領域73と、5ラウンド目の左側確変領域74とが有効に設定される。よって、1ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。従って、1ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「時短A」の奇数ラウンド(即ち、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、1ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「時短A」の2ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図14のt5参照。t5=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる(図14のt6参照。t6=「2000ms」。)。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.6秒」。図14のt7参照。t7<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
このとき、大当たり種別「時短A」の確変領域73,74の有効パターンは「A」であって、2ラウンド目では右側確変領域73のみが有効であり、右確変有効フラグ203gがオンに設定されていると共に、左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、2ラウンド目において、左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合であっても、左側確変領域74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「時短A」の偶数ラウンド(即ち、4ラウンド及び6ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、2ラウンド目と同等である。
そして、大当たり種別「時短A」の3ラウンド目以降では、開放されている確変領域73,74が無効であり、球が検知される確変領域スイッチ73d,74dに対応する確変有効フラグ203g,203hがオフに設定されている。特に、大当たり種別「時短A」の5ラウンド目では、左側確変領域74のみが有効であり、左確変有効フラグ203hがオンに設定されていると共に、右確変有効フラグ203gがオフに設定されているが、右側確変領域73へ球が流入するように構成されている。よって、5ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
よって、大当たり種別「時短A」では、確変領域73,74へ球が通過して確変領域スイッチ73d,74dによって球が検知された場合であっても、球を検知した確変領域スイッチ73d,74dに対応する確変領域73,74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
次いで、図15及び図16を参照して、大当たり種別「潜伏確率変動A」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図15は、第1特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動A」の各ラウンドにおける大入賞口ソレノイド65c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。また、図16は、大当たり種別「潜伏確率変動A」の1ラウンド目乃至3ラウンド目における大入賞口ソレノイド65c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとの各時間を模式的に示したタイミングチャートである。以下、図15において各タイミングを説明しながら、図16を適宜参照して詳細な時間について説明する。
図15で示すように、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、計7ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放される。そして、所定条件(第1実施形態では、開放から最大で「30秒」経過(図16のMax t1参照。Max t1<「30000ms」。)、又は、大入賞口スイッチ71によって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンが、大当たり種別「時短A」と同様、「X1」である。このため、1ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図16のt2参照。t2=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる(図16のt3参照。t3=「2000ms」。)。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第1実施形態では、「1.5秒」。図16のt4参照。t4<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、3ラウンド目の右側確変領域73と、6ラウンド目の左側確変領域74とが有効に設定される。よって、1ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。従って、1ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動A」の奇数ラウンド(即ち、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、1ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動A」の2ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図16のt5参照。t5=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる(図16のt6参照。t6=「2000ms」。)。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.6秒」。図16のt7参照。t7<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、2ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、2ラウンド目において、左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合であっても、左側確変領域74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動A」の偶数ラウンド(即ち、4ラウンド及び6ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、2ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動A」の3ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目及び2ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図16のt8参照。t8=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、3ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる(図16のt9参照。t9=「2000ms」。)。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.5秒」。図16のt10参照。t10<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、3ラウンド目では右側確変領域73のみが有効であり、右確変有効フラグ203gがオンに設定されていると共に、左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、3ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合に、右側確変領域73は有効に設定されているため、確変移行フラグ203iがオンに設定される。
また、大当たり種別「潜伏確率変動A」の6ラウンド目では、左側確変領域74のみが有効であり、左確変有効フラグ203hがオンに設定されていると共に、右確変有効フラグ203gがオフに設定されている。よって、3ラウンド目において確変移行フラグ203iがオンされていない場合であっても、6ラウンド目において右側確変領域73の下流側に位置する左側確変領域74を球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知されることで、確変移行フラグ203iがオンに設定される。
よって、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、3ラウンド目と6ラウンド目とで球を検知した確変領域スイッチ73d,74dに対応する確変領域73,74が有効に設定されているため、確変移行フラグ203iがオンに設定される。そして、該大当たりの終了時に、この確変移行フラグ203iを参照して、「確率変動状態」が設定される。
このように構成することで、各確変領域73,74を球が通過したとしても、内部的にその確変領域73,74が有効に設定されていなければ、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないため、各確変領域73,74への球の通過を遊技者に視認された場合であっても、大当たり終了後に「確率変動状態」の発生が確定しないように構成することができる。また、「潜伏確変演出態様」と「時短報知演出態様」又は「通常報知態様」とを同等の演出となるように構成する。このように構成することで、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、「確率変動状態」であるのか、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるのかを遊技者に認識困難にさせて、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる大当たり種別に当選した場合に、その大当たりにおける複数のラウンドにおいて、有効に設定されている確変領域73,74を球が通過可能となるように構成されている。よって、仮に、確変領域73,74が有効に設定されているいずれか一方のラウンドにおいて、有効に設定されている確変領域73,74へ球を通過させれなかった場合であっても、他方のラウンドにおいて有効に設定されている確変領域73,74に球を通過させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、有効に設定されているいずれか一方のラウンドにおいて確変領域73,74へ球を通過させることに支障が生じた場合であっても、有効に設定されている他方のラウンドにおいて有効に設定されている確変領域73,74へ球を通過させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができる。
さらに、各ラウンドの1カウント目に右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bを球が流入しない程度に駆動させて、右確変領域開閉板73a及び左確変領域開閉板74aが開放可能か否かを確認可能となるため、異常等によって各確変領域73,74が開放されない事態を早期に把握することが可能となる。
また、大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる大当たり種別に当選した場合に、確変領域73,74を有効に設定する複数のラウンドに関し、確変領域73,74が有効に設定される先のラウンドにおいて、大入賞口65a内の上流側に位置する右側確変領域73を有効に設定するように構成する。このように構成することで、仮に、大入賞口65a内で球詰まり等の異常が発生した場合、特に、右側確変領域73の下流側であって左側確変領域74の上流側で球詰まり等の異常が発生した場合であっても、大入賞口65aの上流側に位置する右側確変領域73を先に有効に設定して、該右側確変領域73へ球を流入させ得ることで、「確率変動状態」を権利を遊技者に付与し易くすることができる。
次いで、図17を参照して、大当たり種別「時短B」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図17は、第1特別図柄の大当たり種別「時短B」の各ラウンドにおける大入賞口ソレノイド65c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。
図17で示すように、大当たり種別「時短B」では、計7ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放される。そして、所定条件(第1実施形態では、開放から「30秒」経過、又は、大入賞口スイッチ71によって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「時短B」では、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンが「X2」であるため、1ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第1実施形態では、「1.6秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
このとき、大当たり種別「時短B」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、3ラウンド目の右側確変領域73と、6ラウンド目の左側確変領域74とが有効に設定される。よって、1ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。従って、1ラウンド目において、左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合であっても、左側確変領域74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「時短B」の奇数ラウンド(即ち、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、1ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「時短B」の2ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第1実施形態では、「1.5秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「時短B」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、2ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、2ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「時短B」の偶数ラウンド(即ち、4ラウンド及び6ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、2ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「時短B」の3ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目及び2ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.6秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
このとき、大当たり種別「時短B」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、3ラウンド目では右側確変領域73のみが有効であり、右確変有効フラグ203gがオンに設定されていると共に、左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、3ラウンド目において、左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合であっても、左側確変領域74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
そして、大当たり種別「時短B」の4ラウンド目以降では、開放されている確変領域73,74が無効であり、球が検知される確変領域スイッチ73d,74dに対応する確変有効フラグ203g,203hがオフに設定されている。特に、大当たり種別「時短B」の6ラウンド目では、左側確変領域74のみが有効であり、左確変有効フラグ203hがオンに設定されていると共に、右確変有効フラグ203gがオフに設定されているが、右側確変領域73へ球が流入するように構成されている。よって、6ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
よって、大当たり種別「時短B」では、確変領域73,74へ球が通過して確変領域スイッチ73d,74dによって球が検知された場合であっても、球を検知した確変領域スイッチ73d,74dに対応する確変領域73,74は有効に設定されていないため、大当たり種別「時短A」と同様、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
次いで、図18を参照して、大当たり種別「潜伏確率変動B」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図18は、第1特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動B」の各ラウンドにおける大入賞口ソレノイド65c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。
図18で示すように、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、計7ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放される。そして、所定条件(第1実施形態では、開放から「30秒」経過、又は、大入賞口スイッチ71によって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンが「X2」であるため、1ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第1実施形態では、「1.6秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動B」の確変領域73,74の有効パターンは「A」であって、2ラウンド目の右側確変領域73と、5ラウンド目の左側確変領域74とが有効に設定される。よって、1ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。従って、1ラウンド目において、左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合であっても、左側確変領域74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動B」の奇数ラウンド(即ち、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、1ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動B」の2ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第1実施形態では、「1.5秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動B」の確変領域73,74の有効パターンは「A」であって、2ラウンド目では右側確変領域73のみが有効であり、右確変有効フラグ203gがオンに設定されていると共に、左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、2ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合に、右側確変領域73は有効に設定されているため、確変移行フラグ203iがオンに設定される。
また、大当たり種別「潜伏確率変動B」の5ラウンド目では、左側確変領域74のみが有効であり、左確変有効フラグ203hがオンに設定されていると共に、右確変有効フラグ203gがオフに設定されている。よって、2ラウンド目において確変移行フラグ203iがオンされていない場合であっても、5ラウンド目において左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知されることで、確変移行フラグ203iがオンに設定される。
よって、大当たり種別「潜伏確率変動B」では、確変領域73,74へ球が通過して確変領域スイッチ73d,74dによって球が検知された場合に、2ラウンド目と5ラウンド目とで球を検知した確変領域スイッチ73d,74dに対応する確変領域73,74が有効に設定されているため、大当たり種別「潜伏確率変動A」と同様、確変移行フラグ203iがオンに設定される。そして、該大当たりの終了時に、この確変移行フラグ203iを参照して、「確率変動状態」が設定される。
次いで、図19を参照して、大当たり種別「確率変動A」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図19は、第1特別図柄及び第2特別図柄の大当たり種別「確率変動A」の各ラウンドにおける大入賞口ソレノイド65c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。
図19で示すように、大当たり種別「確率変動A」では、計15ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放される。そして、所定条件(第1実施形態では、開放から「30秒」経過、又は、大入賞口スイッチ71によって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「確率変動A」では、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンが「Y1」であるため、1ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第1実施形態では、「1.6秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
このとき、大当たり種別「確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「C」であって、4ラウンド目の右側確変領域73と、9ラウンド目の左側確変領域74とが有効に設定される。よって、1ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。従って、1ラウンド目において、左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合であっても、左側確変領域74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「確率変動A」の奇数ラウンド(即ち、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、13ラウンド及び15ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、1ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「確率変動A」の2ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.5秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「C」であって、2ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、2ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「確率変動A」の偶数ラウンド(即ち、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド及び14ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、2ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「確率変動A」の3ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目及び2ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.6秒」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
このとき、大当たり種別「確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「C」であって、3ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、3ラウンド目において、左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合であっても、左側確変領域74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
次いで、大当たり種別「確率変動A」の4ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目乃至3ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、4ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.6秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「C」であって、4ラウンド目では右側確変領域73のみが有効であり、右確変有効フラグ203gがオンに設定されていると共に、左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、4ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合に、右側確変領域73は有効に設定されているため、確変移行フラグ203iがオンに設定される。
また、大当たり種別「確率変動A」の9ラウンド目では、左側確変領域74のみが有効であり、左確変有効フラグ203hがオンに設定されていると共に、右確変有効フラグ203gがオフに設定されている。よって、4ラウンド目において確変移行フラグ203iがオンされていない場合であっても、9ラウンド目において左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知されることで、確変移行フラグ203iがオンに設定される。
よって、大当たり種別「確率変動A」では、確変領域73,74へ球が通過して確変領域スイッチ73d,74dによって球が検知された場合に、4ラウンド目と9ラウンド目とで球を検知した確変領域スイッチ73d,74dに対応する確変領域73,74が有効に設定されているため、確変移行フラグ203iがオンに設定される。そして、該大当たりの終了時に、この確変移行フラグ203iを参照して、「確率変動状態」が設定される。
次いで、図20を参照して、大当たり種別「時短C」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図20は、第2特別図柄の大当たり種別「時短C」の各ラウンドにおける大入賞口ソレノイド65c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。
図20で示すように、大当たり種別「時短C」では、計15ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放される。そして、所定条件(第1実施形態では、開放から「30秒」経過、又は、大入賞口スイッチ71によって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「時短C」では、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンが「Y2」であるため、1ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第1実施形態では、「1.5秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「時短C」の確変領域73,74の有効パターンは「A」であって、2ラウンド目の右側確変領域73と、5ラウンド目の左側確変領域74とが有効に設定される。よって、1ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。従って、1ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「時短C」の奇数ラウンド(即ち、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、13ラウンド及び15ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、1ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「時短C」の2ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.6秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
このとき、大当たり種別「時短C」の確変領域73,74の有効パターンは「A」であって、2ラウンド目では右側確変領域73のみが有効であり、右確変有効フラグ203gがオンに設定されていると共に、左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、2ラウンド目において、左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合であっても、左側確変領域74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「時短C」の偶数ラウンド(即ち、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド及び14ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、2ラウンド目と同等である。
そして、大当たり種別「時短C」の3ラウンド目以降では、開放されている確変領域73,74が無効であり、球が検知される確変領域スイッチ73d,74dに対応する確変有効フラグ203g,203hがオフに設定されている。特に、大当たり種別「時短C」の5ラウンド目では、左側確変領域74のみが有効であり、左確変有効フラグ203hがオンに設定されていると共に、右確変有効フラグ203gがオフに設定されているが、右側確変領域73へ球が流入するように構成されている。よって、5ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
よって、大当たり種別「時短C」では、確変領域73,74へ球が通過して確変領域スイッチ73d,74dによって球が検知された場合であっても、球を検知した確変領域スイッチ73d,74dに対応する確変領域73,74は有効に設定されていないため、大当たり種別「時短A」及び「時短B」と同様、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
次いで、図21を参照して、大当たり種別「潜伏確率変動C」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図21は、第2特別図柄の大当たり種別「潜伏確率変動C」の各ラウンドにおける大入賞口ソレノイド65c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとを模式的に示したタイミングチャートである。
図21で示すように、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、計15ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放される。そして、所定条件(第1実施形態では、開放から「30秒」経過、又は、大入賞口スイッチ71によって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンが、大当たり種別「時短C」と同様、「Y2」であるため、1ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第1実施形態では、「1.5秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動C」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、3ラウンド目の右側確変領域73と、6ラウンド目の左側確変領域74とが有効に設定される。よって、1ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。従って、1ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動C」の奇数ラウンド(即ち、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、13ラウンド及び15ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、1ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動C」の2ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.6秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動C」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、2ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、2ラウンド目において、左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合であっても、左側確変領域74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動C」の偶数ラウンド(即ち、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド及び14ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、2ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動C」の3ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目及び2ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、3ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.5秒」)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動C」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、3ラウンド目では右側確変領域73のみが有効であり、右確変有効フラグ203gがオンに設定されていると共に、左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、3ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合に、右側確変領域73は有効に設定されているため、確変移行フラグ203iがオンに設定される。
また、大当たり種別「潜伏確率変動C」の6ラウンド目では、左側確変領域74のみが有効であり、左確変有効フラグ203hがオンに設定されていると共に、右確変有効フラグ203gがオフに設定されている。よって、3ラウンド目において確変移行フラグ203iがオンされていない場合であっても、6ラウンド目において左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知されることで、確変移行フラグ203iがオンに設定される。
よって、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、確変領域73,74へ球が通過して確変領域スイッチ73d,74dによって球が検知された場合に、3ラウンド目と6ラウンド目とで球を検知した確変領域スイッチ73d,74dに対応する確変領域73,74が有効に設定されているため、確変移行フラグ203iがオンに設定される。そして、該大当たりの終了時に、この確変移行フラグ203iを参照して、「確率変動状態」が設定される。
このように、開閉パターンが同等となる大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」、大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」、並びに、大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」)をそれぞれ設け、各確変領域73,74の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにすることで、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
一方で、「確率変動状態」であることを報知する大当たり種別「確率変動A」は、他の大当たり種別とは異なる固有の開閉パターン(即ち、「Y1」)で右側確変領域73及び左側確変領域74を開閉制御する。従って、遊技者は、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンを認識することで、「確率変動状態」が付与されることを認識することができる。
図7に戻って説明を続ける。払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図31参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチ217が接続されている。なお、該賞球検出スイッチ217は、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さになるように球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出や連続予告演出といった第3図柄表示装置81にて行われる演出の表示態様の設定などを制御するものである。
演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、及び、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。第1実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ一方向にのみコマンドが送信されるように構成され、音声ランプ制御装置113から主制御装置110へコマンド送信ができないように構成されている。一方、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とは、互いにコマンドの送受信が可能に構成されている。
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示される演出のステージを変更したり、「スーパーリーチ」演出態様等の背面画像を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御すると共に、表示制御装置114へ枠ボタン22の押下に基づいた表示を第3図柄表示装置81に表示させるように指示する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図2参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111のNMI端子へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理(図31参照)を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図2参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図22から図33のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図32参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図33参照)と、定期的(第1実施形態では、「4ミリ秒」周期)に起動されるタイマ割込処理(図22参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図31参照)とがある。ここでは、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理(図22参照)とNMI割込処理(図31参照)とを説明し、その後立ち上げ処理(図32参照)とメイン処理(図33参照)とを説明する。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば「4ミリ秒」毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理やメイン処理では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、後述する始動入賞処理(図23参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、特図変動処理(図24参照)や特図変動処理の一処理である変動開始処理(図25)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。その他、後述のS112の発射制御処理において球の発射を行う場合に設定された球発射信号を、発射制御装置112に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、第1特別図柄又は第2特別図柄に基づく大当たり時における処理を実行する大当たり処理を実行する(S103)。この大当たり処理(S103)の詳細は、図26を参照して後述する。
次いで、普通電動役物67aの回動板の駆動制御処理を実行する普通電役制御処理を実行する(S104)。簡単に説明すると、球が普通図柄ゲート67を通過したことを条件に普通図柄表示装置83にて普通図柄の可変表示が実施され、普通図柄の可変表示の結果、普通図柄の当たり図柄(例えば、「○」図柄)が現出して当たり状態になると、普通電動役物67aの回動板を所定時間開放駆動する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S105)。即ち、主制御装置110に接続されている大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d、左確変領域スイッチ74d、及び、各種スイッチ208の状態を読み込むと共に、当該スイッチ208の状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S106)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「899」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、「99」)に達した際、「0」にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
さらに、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S107)。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1及び普図当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第1実施形態では、それぞれ、「899」,「99」,「99」,「199」,「99」)に達した際、それぞれ「0」にクリアする。また、大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1又は第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を大当たり乱数カウンタC1又は普図当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域に格納する。
次に、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cへの入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S108)、次いで、普通図柄ゲート67への球の通過に伴って普通図柄の当否および可変表示の内容等を決定するゲート通過処理を実行する(S109)。なお、始動入賞処理の詳細は、図23を参照して後述する。
ゲート通過処理(S109)を実行した後は、上記始動入賞処理(S108)の処理内容に基づいて特別図柄表示装置37による特別図柄の動的表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特図変動処理を実行する(S110)。なお、特図変動処理(S110)の詳細は図24を参照して後述する。
次いで、上記ゲート通過処理(S109)の処理内容に基づいて普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示を行うための処理を実行する普図変動処理を実行する(S111)。普図変動処理(S111)では、後述する時短カウンタの値に応じて、普通図柄の抽選確率が高確率(例えば、9/10)か低確率(1/10)のいずれかで行われる。
普図変動処理(S111)を実行した後は、発射制御処理を実行し(S112)、さらに、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S113)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理(S112)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図23のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図22参照)の一処理である始動入賞処理(S108)を説明する。図23は、この始動入賞処理(S108)を示すフローチャートである。始動入賞処理は、特図1第2入賞口64b又は特図2入賞口64cへの球の入賞の有無を判断し、入賞があった場合は、各カウンタC1〜C3,CS1の値を入賞した入賞口64b,64cに対応する第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納する(保留する)処理を実行する。また、保留する各カウンタC1〜C3,CS1の値を保留球数と合わせて音声ランプ制御装置113へ送信するための処理を実行する。
MPU201は、この始動入賞処理(S108)では、まず、球が特図1入賞口64bに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S201)。ここでは、スイッチ読み込み処理(図22のS105参照)において読み込んだ、特図1第1入賞口64bへの入球(入賞)を検出する特図1入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、特図1入賞口64bへの入球を3回のタイマ割込処理(図22参照)にわたって検出する。
球が特図1入賞口64bに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S201:Yes)、次いで、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S202)。そして、特図1入賞口64bへの入賞があっても作動保留球数N1<4でなければ(S202:No)、この始動入賞処理(S108)を終了し、タイマ割込処理(図22参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N1<4であれば(S202:Yes)、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1加算する(S203)。そして、今回、第1特別図柄に対応する特図1入賞口64bへの入賞であるので、第1保留球格納エリア203dを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S204)、処理をS209へ移行する。
S201の処理において、球が特図1入賞口64bへ入賞していないと判別された場合(S201:No)、次いで、球が特図2入賞口64cに入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S205)。ここでは、特図1入賞口64bと同様、スイッチ読み込み処理(図22のS105参照)において読み込んだ、特図2入賞口64cへの入球(入賞)を検出する特図2入球口スイッチ(図示せず)の出力信号に基づいて、特図2入賞口64cへの入球を3回のタイマ割込処理(図22参照)にわたって検出する。
球が特図2入賞口64cに入賞した(始動入賞があった)と判別されると(S205:Yes)、次いで、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄の動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が上限値(第1実施形態では、「4」)未満であるか否かを判別する(S206)。そして、特図2入賞口64cへの入賞がないか(S205:No)、或いは、特図2入賞口64cへの入賞があっても作動保留球数N2<4でなければ(S206:No)、この始動入賞処理(S108)を終了して、タイマ割込処理(図22参照)へ戻る。
一方、作動保留球数N2<4であれば(S206:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1加算する(S207)。そして、今回、第2特別図柄に対応する特図2入賞口64cへの入賞であるので、第2保留球格納エリア203eを各乱数値C1〜C3,CS1の格納先として設定し(S208)、処理をS209へ移行する。
S209の処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値をカウンタ用バッファ203c(図8参照)から読み出し、S204又はS208で格納先として設定された第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに設けられた第1保留第1〜第4エリア又は第2保留第1〜第4エリアのうち、第1保留球格納エリア203dが格納先として指定されている場合は第1保留球数カウンタ203aで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203d1、大当たり種別カウンタ格納エリア203d2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203d3及び変動種別カウンタ格納エリア203d4に各々保留(格納)する(S209)。また、第2保留球格納エリア203eが格納先として指定されている場合は第2保留球数カウンタ203bで示される値に対応するエリアの大当たり乱数カウンタ格納エリア203e1、大当たり種別カウンタ格納エリア203e2、停止パターン選択カウンタ格納エリア203e3及び変動種別カウンタ格納エリア203e4に各々保留(格納)する(S209)。
具体的には、例えば、特図1入賞口64bへの入賞に基づいてS204の処理において第1保留球格納エリア203dが格納先として設定され、また、S203の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「1」であれば、第1保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「2」であれば第1保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「3」であれば第1保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第1保留球数カウンタ203aの値が「4」であれば第1保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
また、例えば、特図2入賞口64cへの入賞に基づいてS208の処理において第2保留球格納エリア203eが格納先として設定され、また、S207の処理による加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「1」であれば、第2保留第1エリアの各格納エリアにそれぞれカウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。また、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「2」であれば第2保留第2エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「3」であれば第2保留第3エリアの各格納エリアに、加算後の第2保留球数カウンタ203bの値が「4」であれば第2保留第4エリアの各格納エリアに、各々カウンタC1〜C3,CS1の値が保留される。
次に、S203又はS207の処理による加算後の第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)と、S209の処理により第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び変動種別カウンタCS1の各値を含む保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、該保留球数コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S210)。これにより、次に実行されるタイマ割込処理(図22参照)のS101の外部出力処理によって、保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信される。S210の処理を終えると、タイマ割込処理(図22参照)に戻る。
なお、S210の処理において保留球数コマンドに含める各カウンタC1〜C3,CS1の値は、S209の処理によりカウンタ用バッファ203cから読み出した値そのものを用いてもよいし、S209の処理において第1保留球格納エリア203d又は第2保留球格納エリア203eに格納(保留)された値を読み出したものを用いてもよい。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図22参照)の一処理である特図変動処理(S110)について説明する。図24は、この特図変動処理(S110)を示すフローチャートである。この特図変動処理(S110)は、特別図柄表示装置37における動的表示や第3図柄表示装置81にて行う変動演出に関する制御を行うものである。
この特図変動処理(S110)では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び特別図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図22参照)に戻る。
大当たり中でなければ(S301:No)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であるか否かを判別し(S302)、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中でなければ(S302:No)、次いで、特別図柄表示装置37における動的表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S303)。その結果、動的表示の停止後、所定時間経過していなければ(S303:No)、タイマ割込処理(図22参照)へ戻る。これにより、動的表示(変動演出)における停止図柄が所定時間だけ特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S303の処理の結果、動的表示の停止後、所定時間経過していれば(S303:Yes)、第2保留球数カウンタ203bの値(主制御装置110において保留されている第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N2)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S304)。その結果、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」でなければ(S304:Yes)、第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)を1減算する(S305)。これは、後述する変動開始処理(S310)によって、保留されていた第2特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、第2特別図柄に関する保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第2保留球格納エリア203eに格納されたデータをシフト処理する(S306)。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリア203eの第2保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第2保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第2保留第2エリア→第2保留第1エリア、第2保留第3エリア→第2保留第2エリア、第2保留第4エリア→第2保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
一方、S304の処理において、第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N2)が「0」であると判別されると(S304:No)、次に、第1保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の作動保留球数N1)が「0」よりも大きいか否かを判別する(S307)。その結果、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」でなければ(S307:Yes)、第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)の実行開始タイミングであると判断し、まず、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)を1減算する(S308)。これは、後述する変動開始処理(S310)によって、保留されていた第1特別図柄に関する動的表示(変動演出)のうち1の動的表示(変動演出)の実行が開始されるため、保留球数が1つ減少するためである。
次いで、第1保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフト処理する(S309)。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリア203dの第1保留第1〜第4エリアに格納されているデータを保留球実行エリア203fへ向けて順にシフトさせる処理であって、第1保留第1エリア→保留球実行エリア203f、第1保留第2エリア→第1保留第1エリア、第1保留第3エリア→第1保留第2エリア、第1保留第4エリア→第1保留第3エリアといった具合に、各エリア内のデータがシフトされる。
S306又はS309のデータシフト処理の後は、データシフト処理により保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81に対する変動開始処理を実行し(S310)、タイマ割込処理(図22参照)に戻る。なお、変動開始処理(S310)については、図25を参照して後述する。
S307の処理において、第1保留球数カウンタ203aの値(作動保留球数N1)が「0」であると判別されると(S307:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態であるか否か、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S311)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、第1保留球数カウンタ203a又は第2保留球数カウンタ203bの値(作動保留球数N1又は作動保留球数N2)のいずれかの値が「0」より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S311:No)、音声ランプ制御装置113へ送信すべきデモコマンドを設定して(S312)、タイマ割込処理(図22参照)に戻る。一方、デモ中であると判別された場合は(S311:Yes)、そのままタイマ割込処理(図22参照)に戻る。S312の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図22のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、デモコマンドを受信すると、表示用デモコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用デモコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後、所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後、所定時間経過しても変動演出が開始されない場合は、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。
なお、S311の処理においてデモ中ではない(S311:No)と判断された場合に、さらに、変動停止後、前記所定時間よりも長い第2の所定時間が経過したか否かを判断する処理を実行し、変動停止後、第2の所定時間が経過したことをもってS312の処理を実行してデモコマンドを設定するようにしてもよい。これにより、変動停止後、保留球が1つも存在しない場合に、すぐにデモ演出を開始することなく、比較的長い時間、その停止した変動演出の停止図柄を遊技者に見せることができる。
S302の処理において、特別図柄表示装置37の表示態様が動的表示中であると判別されると(S302:Yes)、動的表示時間(変動時間)が経過したか否かを判別する(S313)。特別図柄表示装置37の動的表示中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この動的表示時間(変動時間)が経過していなければ(S313:No)、特別図柄表示装置37の表示を更新して(S314)、タイマ割込処理(図22参照)に戻る。
第1実施形態では、特別図柄表示装置37の第2LED群37bにおいて、動的表示が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、第2LED群37bの表示態様が設定される。
一方、特別図柄表示装置37における動的表示の動的表示時間(変動時間)が経過していれば(S313:Yes)、特別図柄表示装置37に対して、停止図柄に対応した表示態様を設定する(S315)。停止図柄は、図25を参照して後述する変動開始処理(S310)によって予め設定される。変動開始処理では、S306又はS309の処理によって保留球実行エリア203fに格納された大当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定され、大当たりである場合には、大当たり種別カウンタC2の値により、大当たり時におけるラウンド数と、大当たり後の遊技状態とが決定される。
S315の処理で停止図柄に対応した特別図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81における変動演出の停止図柄を、特別図柄表示装置37における第2LED群37bの表示と同調して確定表示させるために、確定コマンドを設定して(S316)、処理をS317へ移行する。確定コマンドは、第3図柄表示装置81にて実行中の変動演出を確定表示させるためコマンドである。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して表示用確定コマンドを送信する。表示制御装置114は、表示用確定コマンドを受信することによって、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出を停止して、停止図柄を確定表示させるように構成されている。
S317の処理では、「確率変動状態」か否かを判別するために、RAM203に設けられたSTカウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S317)。このSTカウンタは、後述する大当たり処理内の大当たり終了処理(図26のS415参照)において、確変移行フラグ203iがオンに設定されているために「確率変動状態」が開始される場合に「100」がセットされるように構成されている(図30のS472参照)。
S317の処理において、STカウンタの値が「0」でなければ(S317:Yes)、「確率変動状態」であり、いずれかの特別図柄の動的表示(変動演出)が1回終了したので、STカウンタの値を1減算し(S318)、処理をS319へ移行する。一方、S317の処理において、STカウンタの値が「0」であれば(S317:No)、「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であるので、S318の処理をスキップして、処理をS319へ移行する。
S319の処理では、「時短機能」が付加されている遊技状態か否かを判別するために、RAM203に設けられた時短カウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S319)。この時短カウンタは、後述する大当たり処理内の大当たり終了処理(図26のS415参照)において、大当たり種別「確率変動A」、「時短C」又は「潜伏確率変動C」と判別された場合に「100」がセットされ(図30のS475参照)、大当たり種別「時短A」「時短B」、「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」と判別された場合に「50」がセットされるように構成されている(図30のS476参照)。
S319の処理において、時短カウンタの値が「0」でなければ(S319:Yes)、「時短機能」が付加されている遊技状態であり、いずれかの特別図柄の動的表示(変動演出)が1回終了したので、時短カウンタの値を1減算し(S320)、この特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。一方、S319の処理において、時短カウンタの値が「0」であれば(S319:No)、「時短機能」が付加されていないため、S320の処理をスキップして、この特図変動処理(S110)を終了し、タイマ割込処理(図17参照)に戻る。
次に、図25を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特図変動処理(S110)の一処理である変動開始処理(S310)について説明する。図25は、変動開始処理(S310)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S310)は、遊技状態に応じて保留球実行エリア203fに格納された各種カウンタの値に基づき、大当たり又はハズレの抽選(大当たり抽選)を行うと共に、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる動的表示および変動演出の動的パターン(変動パターン及び停止種別)等を決定する。
変動開始処理(S310)では、まず、遊技状態を判別するために、RAM203に設けられたSTカウンタ(図示せず)の値が「0」よりも大きいか否かを判別する(S321)。判別の結果、STカウンタの値が「0」であれば(S321:No)、遊技状態が「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」であり、特別図柄の大当たり確率が低確率状態であるので、低確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S322)、処理をS324へ移行する。一方、STカウンタの値が「0」よりも大きい値であると判別された場合は(S323:Yes)、遊技状態が「確率変動状態」であり、特別図柄の大当たり確率が高確率状態であるので、高確率状態用の大当たり乱数テーブル202aを設定し(S323)、処理をS324へ移行する。
S324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、S322又はS323において設定された大当たり乱数テーブル202a(図9(a)参照)とに基づいて大当たりか否かを判別する大当たり抽選(当否判定)処理を行う(S324)。
第1実施形態のパチンコ機10では、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態(モード)との関係に基づいて判別される。上述した通り、大当たり乱数テーブル202aにおいて、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が通常の低確率状態(「通常遊技状態」又は「時間短縮状態」)にある場合には、「7,307,582」が大当たり乱数値として規定される。また、パチンコ機10の取りうる遊技状態(モード)が高確率状態(「確率変動状態」)にある場合には「28,122,298,390,486,567,656,750,866」が大当たり乱数値として規定される。
S324の処理では、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値と、これら大当たり乱数テーブル202aにて規定される大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。S324の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S324:Yes)、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、第1特別図柄に対応する特図1用大当たり種別テーブル202b1(図10(a)参照)又は第2特別図柄に対応する特図2用大当たり種別テーブル202b2(図10(b)参照)とに基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S325)。
この処理では、大当たり種別テーブル202bによって、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「15R確変大当たり」に対応する「確率変動A」か、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「15R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動C」か、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に「時間短縮状態」へ移行する「15R時短大当たり」に対応する「時短C」か、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たり後に「確率変動状態」へ移行する「7R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」か、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たり後に「時間短縮状態」へ移行する「7R時短大当たり」に対応する「時短A」又は「時短B」か、が判別される。そして、判別された大当たり種別に基づいて、特別図柄表示装置37における大当たり時の表示態様(第2LED群37bの表示態様)が設定される。
具体的には、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第1保留球格納エリア203dからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図1用大当たり種別テーブル202b1(図10(a)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。また、保留球実行エリア203fに格納されているデータが第2保留球格納エリア203eからシフトされたデータであった場合、保留球実行エリア203fに格納されている大当たり種別カウンタC2の値と、特図2用大当たり種別テーブル202b2(図10(b)参照)とに基づいて大当たり種別が決定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定し(S326)、S329の処理へ移行する。具体的には、S325で決定された大当たり種別(表示態様)と、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて大まかな演出態様を選択し、その選択された大まかな演出態様の中から変動種別カウンタCS1の値に基づいて具体的な動的表示(変動演出)の動的時間(変動時間)が決定される。この大当たり時の変動パターンの決定では、まず、その大当たり種別(表示態様)に応じて、使用する停止パターンテーブル202dを選択する。
具体的には、S325の処理において大当たり種別として「15R確変大当たり」に対応する「確率変動A」が設定された場合は、「確率変動A」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、確率変動A用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「15R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動C」が設定された場合は、「潜伏確率変動C」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、潜伏確率変動C用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「15R時短大当たり」に対応する「時短C」が設定された場合は、「時短C」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、時短C用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「7R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」が設定された場合は、「潜伏確率変動A・B」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、潜伏確率変動A・B用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。また、大当たり種別として「7R時短大当たり」に対応する「時短A」又は「時短B」が設定された場合は、「時短A・B」用に設けられた停止パターンテーブル202d(例えば、時短A・B用停止パターンテーブル)において、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に対応付けられた演出態様を選択する。
そして、S326の処理において設定された演出態様毎に設けられた変動パターンテーブル202eのグループにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
一方、S324の処理で大当たりではないと判別された場合には(S324:No)、ハズレ時の表示態様を設定する(S327)。S327の処理では、特別図柄表示装置37の表示態様をハズレ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球実行エリア203fに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値と第1保留球数カウンタ203a又は(及び)第2保留球数カウンタ203bの値と現在の遊技状態とに基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出態様として、「非リーチ(短縮)」演出態様、「非リーチ(通常)」演出態様、「ノーマルリーチ」演出態様、「スーパーリーチ」演出態様、「スペシャルリーチ」演出態様のいずれかを設定する。第1実施形態では、パチンコ機10の遊技状態が「確率変動状態」であるか、「時間短縮状態」であるか、「通常遊技状態」であるかに応じて、各演出態様に対応する停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように停止パターンテーブル202dが設定されている。
次に、ハズレ時の変動パターンを決定し(S328)、S329の処理へ移行する。S328の処理では、特別図柄表示装置37および第3図柄表示装置81において、ハズレ図柄で停止表示するまでの変動時間が決定される。具体的には、S327の処理において決定されたハズレ時の表示態様(演出態様)毎に設けられた変動パターンテーブル202eのグループにおいて、保留球実行エリア203fに格納されている変動種別カウンタCS1の値に対応付けられた変動パターンを選択する。そして、予め規定された変動パターンと変動時間との関係に基づいて、変動時間が設定される。
このように、大当たり時における演出態様および変動パターンの設定処理と、ハズレ時における演出態様および変動パターンの設定処理とを、同じ乱数値C3,CS1を用いて同じ判定プログラムによって判定して決定することで、プログラムを共通化することができ、開発時における開発工数を削減することができる。
S329の処理では、S326及びS328の処理によって決定された変動パターンの応じた変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113を介してその変動パターンに応じた変動時間を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S329)。具体的には、例えば、大当たり抽選に当選し、該大当たりが「15R確変大当たり」に対応する「確率変動A」であって、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、大当たり・「確率変動A」・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。また、大当たり抽選にハズレて、さらに、「25秒」の「スーパーリーチ」の変動パターンが選択されていた場合は、ハズレ・「25秒」の「スーパーリーチ」を示す変動パターンコマンドが設定される。このように、変動演出が同じ変動時間であっても、変動パターンコマンドに変動演出の当否と大まかな変動パターンの内容も併せて設定することで、音声ランプ制御装置113は、当否を含む演出態様の内容と変動時間とを把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の変動パターンを決定することができる。
また、S325又はS327の処理で設定された停止種別を、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S330)、特図変動処理(図24参照)へ戻る。具体的には、例えば、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「15R確変大当たり」である「確率変動A」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「7」図柄等)は特定せずに、「確率変動A」であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選し、その大当たりの内容が「7R潜伏確変大当たり」である「潜伏確率変動A」であれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「3」図柄等)は特定せずに、「潜伏確率変動A」であることを示す停止種別コマンドを設定する。
一方、大当たりに当選せず、さらに、「スーパーリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「787」等)は特定せずに、ハズレ時の「スーパーリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。また、大当たりに当選せず、さらに、「ノーマルリーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「737」等)は特定せずに、ハズレ時の「ノーマルリーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。さらに、大当たりに当選せず、さらに、「非リーチ」演出態様が選択されていれば、具体的な第3図柄の停止態様(例えば、「258」等)は特定せずに、ハズレ時の「非リーチ」演出態様であることを示す停止種別コマンドを設定する。
このように、停止種別コマンドに変動演出の当否に基づいた大まかな停止種別を設定することで、音声ランプ制御装置113(表示制御装置114)は、当否に基づいた停止種別を把握して、それらの情報を基により詳細は変動演出の停止結果を決定することができる。
これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理(図22参照)のS101の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドや停止種別コマンドを受信すると、それに基づき表示用変動パターンコマンドや表示種別コマンドを生成して、表示制御装置114へ送信する。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である大当たり処理(S103)について説明する。図26は、大当たり処理(S103)を示したフローチャートである。
この大当たり処理(S103)は、上述したように、特別図柄の大当たりが発生する場合に、大当たりの種類に応じて大入賞口65aの開放回数(ラウンド数)を設定すると共に、大入賞口65aの開放時間を設定する。また、大当たり種別に基づいて、各ラウンド毎に開放又は閉鎖する右側確変領域73及び左側確変領域74を設定するために確変領域開閉テーブル202f(図11参照)を設定すると共に、各ラウンド毎に有効又は無効にする右側確変領域73及び左側確変領域74を設定するために確変領域有効テーブル202g(図12参照)を設定する。
また、大当たり処理(S103)では、大当たり状態である場合において、大入賞口65aを開放又は閉鎖するための大入賞口開閉制御処理(図27参照)を実行する。即ち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口65aを開放し、大入賞口65aの最大開放時間(第1実施形態では、「30秒」)が経過したか、又は、大入賞口65aに球が規定数(第1実施形態では、10個)入賞したか、の閉鎖条件を判定する。そして、これら何れかの閉鎖条件が成立すると大入賞口65aを閉鎖する。この大入賞口65aの開放に関する制御と閉鎖に関する制御とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
また、この大入賞口開閉処理内で、設定された確変領域開閉テーブル202f(図11参照)に基づいて右側確変領域73及び左側確変領域74の開放又は閉鎖するための処理を実行すると共に、設定された確変領域有効テーブル202g(図12参照)に基づいて右側確変領域73又は左側確変領域74それぞれの有効又は無効の設定を行う。即ち、大当たり状態の各ラウンド毎に、設定された確変領域開閉テーブル202f(図11参照)に応じて、右側確変領域73の右確変領域開閉板73a、及び、左側確変領域74の左確変領域開閉板74aを駆動制御する。さらに、大当たり状態の各ラウンド毎に、設定された確変領域有効テーブル202g(図12参照)に応じて、右側確変領域73に対応する右確変有効フラグ203g、及び、左側確変領域74に対応する左確変有効フラグ203hのオン又はオフを設定する。
この大当たり処理(S103)では、まず、大当たり中か否かを判別する(S401)。判別の結果、大当たり中でない場合には(S401:No)、次に、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了したか否かを判別する(S402)。
S402における判別の結果、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了していなければ(S402:No)、この大当たり処理(S103)を終了して、タイマ割込処理(図22参照)へ戻る一方、特別図柄の動的表示(変動演出)が終了していれば(S402:Yes)、次いで、該動的表示(変動演出)において大当たりに当選したか否かを判別する(S403)。
S403における判別の結果、動的表示(変動演出)において大当たりに当選していないと判別された場合は(S403:No)、この大当たり処理(S103)を終了して、タイマ割込処理(図22参照)へ戻る。一方、動的表示(変動演出)において大当たりに当選していると判別された場合は(S403:Yes)、当選した大当たりに関する制御を実行するために、まず、当選した大当たりのラウンド数は15Rか否か、即ち、「15R確変大当たり」に対応する「確率変動A」か、「15R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動C」か、「15R時短大当たり」に対応する「時短C」に当選したか否かを判別する(S404)。
S404における判別の結果、当選した大当たりのラウンド数が15Rであれば(S404:Yes)、本大当たりにおいて大入賞口65aの開放制御を15回行うべく、ラウンドカウンタに「15」をセットして(S405)、処理をS407へ移行する。一方、当選した大当たりのラウンド数が15Rでない場合、即ち、「7R潜伏確変大当たり」に対応する「潜伏確率変動A」若しくは「潜伏確率変動B」、又は、「7R時短大当たり」に対応する「時短A」若しくは「時短B」に当選していた場合は(S404:No)、本大当たりにおいて大入賞口65aの開放制御を7回行うべく、ラウンドカウンタに「7」をセットして(S406)、処理をS407へ移行する。MPU201は、該ラウンドカウンタの値を確認して、ラウンドカウンタに値が設定されている場合(即ち、「1」以上)は、大入賞口65aを開放制御しつつ、該ラウンドカウンタの値を1減算する。そして、ラウンドカウンタの値が「0」になった場合に、実行中の大当たりを終了するように構成されている。
S407の処理では、オープニングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信するために、オープニングコマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する(S407)。次いで、該大当たりのオープニング時間(例えば、「10秒」)を設定し(S408)、処理をS409へ移行する。S407の処理で設定されたオープニングコマンドは、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図22のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、大当たりが開始されたことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。そして、表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にオープニング演出(例えば、総ラウンド数の報知等)を表示するように制御を行う。
S409の処理では、大当たりの種類(大当たり種別)に応じて確変領域開閉テーブル202f(図11参照)を設定して(S409)、処理をS410へ移行する。具体的には、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」であれば右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンを「X1」に設定し、大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」であれば右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンを「X2」に設定し、大当たり種別「確率変動A」であれば右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンを「Y1」に設定し、大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」であれば右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンを「Y2」に設定する。
S410の処理では、大当たりの種類(大当たり種別)に応じて確変領域有効テーブル202g(図12参照)を設定して(S410)、処理をS411へ移行する。具体的には、大当たり種別「時短A」、「時短C」及び「潜伏確率変動B」であれば右側確変領域73及び左側確変領域74の有効パターンを「A」に設定し、大当たり種別「時短B」、「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動C」であれば右側確変領域73及び左側確変領域74の有効パターンを「B」に設定し、大当たり種別「確率変動A」であれば右側確変領域73及び左側確変領域74の有効パターンを「C」に設定する。
S411の処理では、今回の大当たりにおける大当たり種別が「確率変動A」か否かを判別する(S411)。判別の結果、「確率変動A」であると判別された場合は(S411:Yes)、「確率変動状態」であることを遊技者に報知するために、確変報知コマンドを設定して(S412)、大当たり処理(S103)を終了して、タイマ割込処理(図22参照)に戻る。
S412の処理で設定された確変報知コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図22のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、確変報知コマンドを受信した場合には、「確率変動状態」であることを遊技者に報知すべく、「確変報知演出態様」を実行するように構成されている。
一方、S411の処理において、「確率変動A」ではないと判別された場合は(S411:No)、遊技状態を明確に報知しないため、確変報知コマンドを設定しないようにS412の処理をスキップして、本大当たり処理(S103)を終了し、タイマ割込処理(図22参照)に戻る。
第1実施形態のパチンコ機では、音声ランプ制御装置113が上記確変報知コマンドを受信していない場合において、実行中の大当たりが終了したとき、大当たり後の演出をもれなく「時短報知演出態様」を実行するように構成されており、遊技者に「確率変動状態」であるのか「時間短縮状態」であるのかを認識し難い(できない)ように構成されている。
S401の処理において、既に大当たり中であると判別された場合は(S401:Yes)、大入賞口65aの開閉制御を実行する大入賞口開閉制御処理(S413)を実行する。
ここで、図27を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり処理(S103)の一処理である大入賞口開閉制御処理(S413)について説明する。図27は、大入賞口開閉制御処理(S413)を示したフローチャートである。上述したように、この大入賞口開閉制御処理(S413)では、大当たり処理(S103)で設定された大入賞口65aの開放回数に基づいて、大入賞口65aの開閉制御と、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉制御と、同じく右側確変領域73及び左側確変領域74の有効設定処理又は無効設定処理とを実行する。
この大入賞口開閉制御処理(S413)では、まず、今回の大当たり時におけるオープニング時間、又は、各ラウンド間のインターバル時間(例えば、「1秒」)が経過したか否かを判別する(S421)。判別の結果、オープニング時間又はインターバル時間が経過していなければ(S421:No)、未だ大入賞口65aの開放条件が成立していないので、S422の処理をスキップして、処理をS423へ移行する。一方、オープニング時間又はインターバル時間が経過していれば(S421:Yes)、大入賞口65aの開放条件が成立したので、大入賞口65aの開放設定処理を行い(S422)、処理をS4223へ移行する。
ここで、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される開放設定処理(S422)について説明する。図28は、開放設定処理(S422)を示したフローチャートである。上述したように、この開放設定処理(S422)では、大入賞口65aの開放するための各種設定処理等を実行する。
この開放設定処理(S422)では、まず、可変入賞装置65の大入賞口65aを開放するタイミングであるため、可変入賞装置65の大入賞口65aを開放するための大入賞口開放設定を行い(S431)、処理をS432へ移行する。この大入賞口開放設定を行うことで、大入賞口ソレノイド65cが駆動されて開閉板65bが開放され、大入賞口65a内に球が流入可能となる。
次いで、S432の処理では、開放された大入賞口65aへ入賞した球を計数するため、入賞カウンタに「10」をセットして(S432)、処理をS433へ移行する。第1実施形態において、この入賞カウンタの値は、大入賞口65aへ球が1球入球する毎に1減算されるように構成され、MPU201は、大入賞口65aの開放後、所定の開放時間が経過した場合か、或いは、該入賞カウンタの値が「0」になった場合に、大入賞口65aを閉鎖するように構成されている。
次いで、S433の処理では、大入賞口65aの最大開放時間(例えば、「30秒」)の設定を行い(S433)、音声ランプ制御装置113に対して大入賞口65aが開放中であることを示す開放コマンドを設定し(S434)、処理をS435へ移行する。S434の処理で設定された開放コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図17のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、開放コマンドを受信すると、ラウンドが開始されたことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用開放コマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用開放コマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にラウンド演出(例えば、ラウンド数報知)を表示するように制御を行う。
次いで、S435の処理では、大当たり処理(図26参照)内において大当たり種別に応じて設定された確変領域有効テーブル202gに基づいて、当該ラウンドにおける右確変有効フラグ203g又は左確変有効フラグ203hを設定し(S435)、この開放設定処理(S422)を終了する。この開放設定処理(S422)の終了後は、大入賞口開閉制御処理(図27参照)のS423へ移行する。
S435の処理において、具体的には、右確変有効フラグ203gに関し、大当たり種別が「時短A」、「潜伏確率変動B」及び「時短C」であって、該大当たりの2ラウンド開始時であれば、確変領域有効パターンが「A」であるので、右確変有効フラグ203gがオンに設定される。
また、S435の処理において、大当たり種別が「時短B」、「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動C」であって、該大当たりの3ラウンド開始時であれば、確変領域有効パターンが「B」であるので、右確変有効フラグ203gがオンに設定される。
さらに、S435の処理において、大当たり種別が「確率変動A」であって、該大当たりの4ラウンド開始時であれば、確変領域有効パターンが「C」であるので、右確変有効フラグ203gがオンに設定される。なお、各大当たり種別の上述したラウンド以外のすべてのラウンドにおいて、右確変有効フラグ203gがオフに設定される。
また、左確変有効フラグ203hに関し、大当たり種別が「時短A」、「潜伏確率変動B」及び「時短C」であって、該大当たりの5ラウンド開始時であれば、左確変有効フラグ203hがオンに設定される。また、大当たり種別が「時短B」、「潜伏確率変動A」及び「潜伏確率変動C」であって、該大当たりの6ラウンド開始時であれば、左確変有効フラグ203hがオンに設定される。さらに、大当たり種別が「確率変動A」であって、該大当たりの9ラウンド開始時であれば、左確変有効フラグ203hがオンに設定される。また、各大当たり種別の上述したラウンド以外のすべてのラウンドにおいて、左確変有効フラグ203hがオフに設定される。
図27に戻って説明を続ける。S423の処理では、大入賞口65aが開放中か否かを判別する(S423)。判別の結果、大入賞口65aが開放中でなければ(S423:No)、大入賞口65aが開放中ではなく、オープニング時間中であったり、インターバル時間中であったり、エンディング時間中であるので、S424をスキップして、この大入賞口開閉制御処理(S413)を終了し、大当たり処理(図26参照)に戻る。一方、大入賞口65aが開放中であれば(S423:Yes)、大入賞口65aの開放に伴う各種処理を実行する開放中処理を行い(S424)、この大入賞口開閉制御処理(S413)を終了し、大当たり処理(図26参照)に戻る。
ここで、図29を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される開放中処理(S424)について説明する。図29は、開放中処理(S424)を示したフローチャートである。上述したように、この開放中処理(S424)では、大入賞口65aの開放に伴う球の入賞検知処理や、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉制御、又は、開放された右側確変領域73又は左側確変領域74への球の通過検知等の制御を実行する。
この開放中処理(S424)では、まず、右確変領域スイッチ73dがオンされたか否かを判別する(S441)。判別の結果、右確変領域スイッチ73dがオンされていれば(S441:Yes)、右側確変領域73に球が流入したので、次いで、右確変有効フラグ203gがオンに設定されているか否かを判別する(S442)。判別の結果、右確変有効フラグ203gがオンに設定されていれば(S442:Yes)、右側確変領域73が有効に設定されている状況での右側確変領域73への球の流入であるので、該大当たりの終了後に「確率変動状態」を発生させるために、確変移行フラグ203iをオンに設定して(S443)、処理をS446へ移行する。一方、S442の処理において、右確変有効フラグ203gがオンに設定されていなければ(S442:No)、右側確変領域73が有効に設定されていない状況での右側確変領域73への球の流入であるため、S443の処理をスキップして、処理をS446へ移行する。
また、S441に処理において、右確変領域スイッチ73dがオンされていなければ(S441:No)、次いで、左確変領域スイッチ74dがオンされたか否かを判別する(S444)。判別の結果、左確変領域スイッチ74dがオンされていれば(S444:Yes)、左側確変領域74に球が流入したので、次いで、左確変有効フラグ203hがオンに設定されているか否かを判別する(S445)。判別の結果、左確変有効フラグ203hがオンに設定されていれば(S445:Yes)、左側確変領域74が有効に設定されている状況での左側確変領域74への球の流入であるので、処理をS443へ移行し、確変移行フラグ203iをオンに設定して(S443)、処理をS446へ移行する。
一方、S445の処理において、左確変有効フラグ203hがオンに設定されていなければ(S442:No)、左側確変領域74が有効に設定されていない状況での左側確変領域74への球の流入であるため、S443の処理をスキップして、処理をS446へ移行する。なお、S444の処理において、左確変領域スイッチ74dがオンされていない場合は(S444:No)、いずれの確変領域スイッチ73d,74dも球を検知していないため、処理をS446へ移行する。
S446の処理では、上述した開放時間設定処理(図28のS433参照)で設定された大入賞口65aの1回の開放時間が経過したタイミングか否かを判別する(S446)。S446の処理において、大入賞口65aの開放時間が経過したタイミングであれば(S446:Yes)、大入賞口65aの閉鎖条件が成立し、そのラウンドにおける大入賞口65aの閉鎖タイミングであるため、入賞カウンタの値を「0」クリアして(S447)、大入賞口65aを閉鎖させるために、処理をS455へ移行する。S445からの大入賞口65aの閉鎖処理については、後述する。一方、S446の処理において、大入賞口65aの開放時間が経過したタイミングでなければ(S446:No)、次いで、大入賞口65aへ球が入賞して、大入賞口スイッチ71がオンされたか否かを判別する(S448)。
S448の処理において、大入賞口スイッチ71がオンされていれば(S448:Yes)、大入賞口65aへ球が入賞しているので、入賞カウンタの値を1減算して(S449)、次いで、今回の大入賞口スイッチ71のオン検出が1カウント目か否か、即ち、入賞カウンタの値が「9」か否かを判別する(S450)。
S450の処理において、今回の大入賞口スイッチ71のオン検出が1カウント目でないと判別された場合は(S450:No)、処理をS452へ移行する一方、1カウント目であると判別された場合は(S450:Yes)、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bを「60ms」の間、オンに設定し(S451)、右確変領域開閉板73a及び左確変領域開閉板74aを球が流入しない程度に一瞬開放させる。
このように、各ラウンドの1カウント目に右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bを球が流入しない程度に駆動させて、右確変領域開閉板73a及び左確変領域開閉板74aが開放可能か否かを確認可能となるため、異常等によって各確変領域73,74が開放されない事態を早期に把握することが可能となる。
次いで、S452の処理において、今回の大入賞口スイッチ71のオン検出が3カウント目か否か、即ち、入賞カウンタの値が「7」であるか否かを判別する(S452)。判別の結果、今回の大入賞口スイッチ71のオン検出が3カウント目であると判別された場合は(S452:Yes)、大当たり処理(図26参照)内において大当たり種別に応じて設定された確変領域開閉テーブル202f(図11参照)に基づいて、右確変領域ソレノイド73b又は左確変領域ソレノイド74bを「2000ms」の間、オンに設定し(S453)、右確変領域開閉板73a又は左確変領域開閉板74aのいずれか一方を開放させて、開放されている確変領域73,74へ球を流入可能に構成する。このように構成することで、各ラウンドにおいて、予め設定されたいずれか一方の確変領域73,74へ球が通過させることができる。なお、S451及びS453を実行後は、この開放中処理(S424)を終了して、大入賞口開閉制御処理(図27参照)に戻る。
一方、S452の処理において、今回の大入賞口スイッチ71のオン検出が3カウント目でないと判別された場合は(S452:No)、次いで、1減算した入賞カウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S454)。入賞カウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S454:No)、即ち、入賞カウンタの値が「0」以下である場合は、大入賞口65aに球が10個入賞して大入賞口65aの閉鎖条件が成立しているので、大入賞口65aを閉鎖させるために、処理をS455へ移行する。
なお、S448の処理において、大入賞口スイッチ71がオンされていない場合(S448:No)、又は、S454の処理において、入賞カウンタの値が「0」より大きい値であると判別された場合は(S454:Yes)、大入賞口65aの閉鎖条件が成立しておらず、大入賞口65aの開放を継続するために、S449〜S453の処理をスキップして、この開放中処理(S424)を終了する。この開放中処理(S424)の終了後は、大入賞口開閉制御処理(図27参照)へ戻る。
S455からの大入賞口65aの閉鎖処理では、まず、大入賞口65aの閉鎖設定を行い(S455)、大入賞口ソレノイド65cをオフして開閉板65bを閉鎖する。次いで、音声ランプ制御装置113に対して大入賞口65aが閉鎖されたことを示す閉鎖コマンドを設定して(S456)、処理をS457へ移行する。なお、S456の処理で設定された閉鎖コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図22のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、閉鎖コマンドを受信すると、1のラウンドが終了したことを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用閉鎖コマンドを表示制御装置114へ送信する。そして、表示制御装置114は、表示用閉鎖コマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81で実行中のラウンド演出(例えば、ラウンド数報知)を終了し、大当たりが継続する場合は、インターバル時間であることを示すインターバル演出に切り替えて表示するように制御を行い、大当たりが終了する場合は、大当たりを終了させるための制御を行う。
次いで、S457の処理では、大入賞口65aの閉鎖、即ち、1のラウンドの終了に伴い、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203h、並びに、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの設定状況を一旦初期化するために、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hをオフに設定すると共に(S457)、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bをオフに設定し(S458)、処理をS459へ移行する。
次いで、S459の処理では、大入賞口65aの1のラウンドが消化されたことから、ラウンドカウンタの値を1減算し(S459)、1減算したラウンドカウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S460)。ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値である場合(S460:Yes)、該大当たりにおけるラウンド回数(大入賞口65aの残り開放回数)が残存している状態であるので、次の大入賞口65aを開放させるまでのインターバル時間(例えば、「2秒」)を設定し(S461)、この開放中処理(S424)を終了し、大当たり処理(図26参照)に戻る。
一方、S460の処理において、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S460:No)、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下である場合は、この大当たりにおける大入賞口65aの開放動作がすべて終了したので、大当たり状態を終了させるために、開放中処理(S424)を終了し、大当たり処理(図26参照)のS414の処理を行う。
図26に戻って、説明を続ける。大入賞口開放制御処理(S413)の処理の実行後は、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値であるか否かを判別する(S414)。上述した大入賞口開閉制御処理の開放中処理(図29参照)では、大入賞口65aの閉鎖に伴ってラウンドカウンタの値が減算されるように構成されているため(図29のS459参照)、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値である場合は(S510:Yes)、継続して大当たりを実行するために、S415の処理をスキップして、この大当たり処理(S103)を終了し、タイマ割込処理(図22参照)に戻る。
一方、ラウンドカウンタの値が「0」より大きい値でない場合、即ち、ラウンドカウンタの値が「0」以下であれば(S414:No)、大当たりの終了条件が成立しているので、該大当たりを終了させるために、大当たり終了処理を実行して(S415)、この大当たり処理(S103)を終了し、タイマ割込処理(図22参照)に戻る。
ここで、図30を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり処理の一処理である大当たり終了処理(S415)について説明する。図30は、大当たり終了処理(S415)を示したフローチャートである。上述したように、この大当たり終了処理(S415)では、エンディング時間の設定(例えば、「5秒」)等、大当たりの終了設定制御と、大当たり中に右側確変領域73又は左側確変領域74への球の流入に基づく大当たり後の遊技状態の設定制御とを実行する。
この大当たり終了処理(S415)では、まず、確変移行フラグ203iがオンされているか否かを判別する(S471)。判別の結果、確変移行フラグ203iがオンされていれば(S471:Yes)、この大当たり中において、有効に設定された右側確変領域73又は左側確変領域74へ球が通過し、「確率変動状態」への移行条件が成立しているため、大当たり終了時の遊技状態を、特別図柄の動的表示(変動演出)が100回実行されるまで「確率変動状態」にするため、STカウンタの値に「100」をセットし(S472)、確変移行フラグ203iをオフに設定して(S473)、処理をS474へ移行する。
一方、S471の処理において、確変移行フラグ203iがオンされていなければ(s471:No)、この大当たり中において、有効に設定された右側確変領域73又は左側確変領域74を球が通過しなかったため、「確率変動状態」への移行条件が成立していないため、S472及びS473の処理をスキップして、処理をS474へ移行する。
S474の処理では、今回の大当たり種別が「確率変動A」、「潜伏確率変動C」又は「時短C」であるか否かを判別する(S474)。判別の結果、今回の大当たり種別が「確率変動A」、「潜伏確率変動C」又は「時短C」のいずれかであると判別された場合は(S474:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を、特別図柄の動的表示(変動演出)が100回実行されるまで「時短機能」を付加するため、時短カウンタの値に「100」をセットし(S475)、処理をS477へ移行する。
一方、S474の処理において、今回の大当たり種別が「確率変動A」、「潜伏確率変動C」又は「時短C」でないと判別された場合(S474:Yes)、即ち、今回の大当たり種別が「時短A」、「時短B」、「潜伏確率変動A」又は「潜伏確率変動B」であると判別された場合は、大当たり終了後の遊技状態を、特別図柄の動的表示(変動演出)が50回実行されるまで「時短機能」を付加するため、時短カウンタの値に「50」をセットし(S476)、処理をS477へ移行する。
次いで、S477の処理では、音声ランプ制御装置113に対して大当たりのエンディング演出の開始を示すエンディングコマンドを設定する(S477)。そして、エンディング時間等を設定する大当たりの終了設定処理を行い(S478)、この大当たり終了処理(S415)を終了して、大当たり処理(図26参照)に戻る。なお、S477の処理で設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、次に実行されるタイマ割込処理の外部出力処理(図22のS101参照)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、大当たりが終了することを示す音声の出力やランプ制御等を行うと共に、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、表示用エンディングコマンドの受信に基づいて、第3図柄表示装置81にエンディング演出(例えば、大当たり終了後の遊技状態の示唆等)を表示するように制御を行う。
このように、大当たり処理(図26参照)の中で大入賞口65aの開閉制御を行うと共に、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉制御と、同じく右側確変領域73及び左側確変領域74の有効設定処理又は無効設定処理とを実行し、有効に設定されている確変領域73,74を球が通過した場合に、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。このように構成することで、各確変領域73,74を球が通過したとしても、内部的にその確変領域73,74が有効に設定されていなければ、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないため、各確変領域73,74への球の通過を遊技者に視認された場合であっても、大当たり終了後に「確率変動状態」の発生が確定しないように構成することができる。よって、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、図31を参照して、停電等の発生した場合に主制御装置110において実行されるNMI割込処理について説明する。図31は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。
このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。NMI端子に停電信号SG1が入力されたMPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図32を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図32は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。
立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第1実施形態では、「1秒」)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図2参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS911へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS911へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS911へ移行する。
なお、図33のS926でも説明するが、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S911の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S911)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S912,S913)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S912,S913)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S912,S913)を実行する。RAM203の初期化処理(S912,S913)では、RAM203の使用領域を「0」クリアし(S912)、その後、RAM203に初期値を設定する(S913)。RAM203の初期化処理の実行後は、S910の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。そして、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、割込みを許可する(S910)。そして、後述するメイン処理(図33参照)に移行する。
次に、図33を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図33は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別してカウンタの更新処理と電源断時処理とが実行される。
メイン処理では、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S921)。そして、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S921:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S922,S923)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S922)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第1実施形態では「899」、「99」)に達した際、「0」にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ203c領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S107(図22参照)の処理と同一の方法によって実行し(S923)、S921の処理へ移行する。
ここで、このメイン処理が実行されている間、図22を参照して説明したタイマ割込処理が所定時間間隔(第1実施形態では、「4ミリ秒」)で起動され実行される。タイマ割込処理では、遊技の状態に応じて異なる処理が実行される。例えば、大当たり中には、大入賞口65aの開閉を制御する実行が行われ、普通図柄ゲート67への球の通過があれば、普通図柄表示装置83による普通図柄の可変表示に関する表示制御が行われる。また、特別図柄表示装置37での動的表示を開始する場合に実行される大当たり抽選では、高確率状態か低確率状態かによって、取得した大当たり乱数カウンタC1と比較する大当たり乱数値の数が異なってくる。よって、1回のタイマ割込処理の実行にかかる時間は、遊技の状態に応じて変化することになる。従って、一のタイマ割込処理が終了してから次のタイマ割込処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく、その時々の遊技の状態に応じて変化する。
メイン処理の一処理である上記のS922,S923の処理は、このタイマ割込処理の残余時間の中で実行されることになる。つまり、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新が繰り返し実行されることになるので、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、大当たり乱数カウンタC1の初期値、普図当たり乱数カウンタC4の初期値)とをランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。特に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2とをランダムに更新することによって、これらを更新の初期値として使用する大当たり乱数カウンタC1及び普図当たり乱数カウンタC4の更新に、ランダム性を持たせることができる。
また、S921の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S921:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図31のNMI割込処理が実行されたので、S924以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S924)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S925)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S926)、RAM203のアクセスを禁止して(S927)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S921の処理は、タイマ割込処理(図22参照)の残余時間内に行われるS922とS923の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。これにより、主制御装置110のメイン処理において、タイマ割込処理(図22参照)による各種設定が終了し、また、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新が終わったタイミングで、電源断の発生情報を確認している。よって、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(図32参照)の終了後、処理をS921の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS921の処理から開始することができる。
従って、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S921の処理から開始することができる。その結果、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
第1実施形態では、定期的に実行する処理をタイマ割込処理(図22参照)で実行し、メイン処理(図33参照)において、タイマ割込処理(図22参照)の残余時間に各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新を実行する場合について説明したが、タイマ割込処理(図22参照)にて実行していた処理の一部または全部を、メイン処理(図33参照)の中で所定時間(例えば、「4ミリ秒」)毎に実行するように構成してもよい。例えば、第1実施形態においてタイマ割込処理(図22参照)にて実行していた賞球計数信号,払出異常信号読み込み処理(S102)、大当たり処理(S103)、普通電役制御処理(S104)及びスイッチ読み込み処理(S105)、始動入賞処理(S108)、ゲート通過処理(S109)、特図変動処理(S110)、普図変動処理(S111)、発射制御処理(S112)の一部または全部を、タイマ割込処理(図22参照)ではなく、メイン処理(図33参照)の中で「4ミリ秒」毎に実行するように構成してもよい。
この場合、メイン処理(図33参照)の中で所定時間(「4ミリ秒」)経過したか否かを判断するステップを設け、所定時間経過したと判断された場合のみ、所定時間毎に実行する処理を実行し、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間の経過の有無にかかわらず実行するようにしてもよい。これにより、各カウンタCINI1,CINI2,CS1の更新は、所定時間毎に実行する処理の残余時間に実行されることになるが、所定時間毎に実行する処理は、遊技の状態に応じてその実行にかかる時間が変化するため、このように構成した場合であっても、各カウンタCINI1,CINI2,CS1をランダムに更新することができる。
次に、図34から図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図34参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図35参照)とがある。
まず、図34を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図34は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1115の電源断処理(図35参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1002)。図35を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、S1115の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1115の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1003:Yes)、S1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1003:No)、S1008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1003:Yes)、S1004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1115の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1003:No)、S1008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1115の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が「0」クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1005:No)、RAM223の異常を報知して(S1007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1008)。電源断フラグはS1116の電源断処理の実行時にオンされる(図35のS1115参照)。つまり、電源断フラグは、S1116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAM223の作業エリアをクリアし(S1009)、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1009をスキップして、処理をS1010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1010)、割込み許可を設定して(S1011)、メイン処理へ移行する。
なお、S1009のクリア処理をスキップするのは、S1004からS1006の処理を経由してS1008の処理へ至った場合には、S1004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図35は、このメイン処理を示したフローチャートである。
メイン処理が実行されると、まず、前回S1101の処理が実行されてから「1ミリ秒」以上が経過したか否かが判別され(S1101)、「1ミリ秒」以上経過していなければ(S1101:No)、S1102〜S1109の処理を行わずにS1110の処理へ移行する。S1101の処理で、「1ミリ秒」経過したか否かを判別するのは、S1102〜S1109が短い周期(「1ミリ秒」以内)で処理する必要がないものであるのに対して、S1110の変動演出処理やS1111のコマンド判定処理は、短い周期で実行する方が好ましい処理であるからである。S1111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1110の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1101の処理において、前回S1101の処理が実行されてから「1ミリ秒」以上経過していると判断される場合は(S1101:Yes)、S1102の処理へ移行する。なお、S1101の処理が、図34に示す立ち上げ処理の後初めて実行された場合は、そのままS1102の処理へ移行する。
S1102の処理では、S1103〜S1112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S1102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1107の処理で編集されるランプの点灯態様になるように各ランプの出力を設定し(S1103)、その後電源投入報知処理を実行する(S1104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば、「30秒」)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1105の処理へ移行する。
次いで、S1105の処理では、後述するS1111のコマンド判定処理によって設定される大当たりに関する演出を実行する大当たり演出処理を行い(S1105)、S1106の処理へ移行する。
次いで、S1106の処理では、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1106)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22の有効期間において、該枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、上記有効期間に枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1106)が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1107)、その後音編集・出力処理を実行する(S1108)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S1108の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1109)、S1110の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1107のランプ編集処理が実行され、また、S1108の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動演出に要する時間と同期した時間で実行される。
S1110の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドに基づいて変動演出を開始するための処理である変動演出処理を実行する。そして、変動演出処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行い(S1111)、S1112の処理へ移行する。このコマンド判定処理の詳細については、図36を参照して後述する。
S1112では、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた各種カウンタを更新するカウンタ更新処理を実行する(S1112)。例えば、変動演出の詳細な変動パターンを決定するカウンタの更新が、このカウンタ更新処理の中で行われる。該カウンタの更新は、所定の範囲(本実施形態では、「0〜99」)内で順に1ずつ加算され、最大値(「99」)に達した後「0」に戻すことによって行われる。
S1112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1115)、電源断処理を実行する(S1116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1117)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1114)、RAM223が破壊されていなければ(S1114:No)、S1101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼び、パチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1111)について説明する。図36は、このコマンド判定処理(S1111)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図35参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110又は表示制御装置114から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理(S1111)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域に、主制御装置110からのコマンドを受信しているか否かを判別する(S1201)。判別の結果、主制御装置110からコマンドを受信していなければ(S1201:No)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図35参照)に戻る。
一方、S1201の処理において、主制御装置110からコマンドを受信していれば(S1201:Yes)、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より確変報知コマンドを受信したか否かを判別する(S1202)。そして、確変報知コマンドを受信したと判別された場合(S1202:Yes)、「確率変動状態」であることを遊技者に報知するために、「確変報知演出態様」を設定する(S1203)。
ここで、「確変報知演出態様」とは、大当たり時であれば、該大当たり後に「確率変動状態」が発生する報知態様(例えば、「SUPER LUCKY!」の文字表示等)を第3図柄表示装置81に表示し、変動演出中であれば、「確率変動状態」が発生していることを第3図柄表示装置81において文字表示で表示したり、第3図柄表示装置81の背景色を通常とは異なる背景色(例えば、青色から赤色)に変更することで、遊技者に「確率変動状態」であることを認識させる。その後、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図35参照)に戻る。
なお、第1実施形態のパチンコ機10では、大当たり終了時において音声ランプ制御装置113が確変報知コマンドを受信していない場合は、大当たり終了後の演出として「時間短縮状態」を示す「時短報知演出態様」をもれなく実行するように構成されている。即ち、大当たり種別「潜伏確率変動A」、「潜伏確率変動B」又は「潜伏確率変動C」での大当たりであっても、「確率変動状態」であることを遊技者には報知せず、大当たり種別「時短A」、「時短B」又は「時短C」と同等の演出が実行される。
一方、S1202の処理において、主制御装置110より確変報知コマンドを受信していなければ(S1202:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1204)、このコマンド判定処理(S1111)を終了して、メイン処理(図35参照)に戻る。
以上、説明したように、第1実施形態のパチンコ機10によれば、大入賞口65a内に2つの確変領域(右側確変領域73及び左側確変領域74)を設け、大当たり種別に応じて、大当たりの各ラウンド毎に各確変領域73,74毎に設けられた開閉板73a,74aのいずれか一方を開放するように駆動制御すると共に、各確変領域73,74の有効又は無効の設定を遊技者に認識できない状態で(内部的に)切り替えるように制御する。そして、大当たり中において、有効に設定されている確変領域73,74を球が通過した場合には、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、無効に設定されている確変領域73,74を球が通過したとしても、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させないように構成する。
このように構成することで、各確変領域73,74を球が通過したとしても、内部的にその確変領域73,74が有効に設定されていなければ、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないため、各確変領域73,74への球の通過を遊技者に視認された場合であっても、大当たり終了後に「確率変動状態」の発生が確定しないように構成することができる。また、「潜伏確変演出態様」と「時短報知演出態様」又は「通常報知態様」とを同等の演出となるように構成する。このように構成することで、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、「確率変動状態」であるのか、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるのかを遊技者に認識困難にさせて、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる大当たり種別に当選した場合に、その大当たりにおける複数のラウンドにおいて、有効に設定されている確変領域73,74を球が通過可能となるように構成されている。よって、仮に、確変領域73,74が有効に設定されているいずれか一方のラウンドにおいて、有効に設定されている確変領域73,74へ球を通過させれなかった場合であっても、他方のラウンドにおいて有効に設定されている確変領域73,74に球を通過させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、有効に設定されているいずれか一方のラウンドにおいて確変領域73,74へ球を通過させることに支障が生じた場合であっても、有効に設定されている他方のラウンドにおいて有効に設定されている確変領域73,74へ球を通過させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができる。
さらに、大当たり中の複数のラウンドで異なる確変領域73,74が有効に設定されるように構成されている。このように構成することで、1のラウンドにおいて有効に設定された一方の確変領域73,74が故障等の異常が発生したことによって正常に球の通過を検知できない状態であっても、他のラウンドにおいて有効に設定された他方の確変領域74,73に通過した球によって「確率変動状態」を発生することが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、故障等)によって、有効に設定されているいずれか一方のラウンドにおいて確変領域73,74へ球を通過させることに支障が生じた場合であっても、有効に設定されている他方のラウンドにおいて有効に設定されている確変領域73,74へ球を通過させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができる。
また、各ラウンドの1カウント目に右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bを球が流入しない程度に駆動させて、右確変領域開閉板73a及び左確変領域開閉板74aが開放可能か否かを確認可能となるため、異常等によって各確変領域73,74が開放されない事態を早期に把握することが可能となる。
さらに、大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させる大当たり種別に当選した場合に、確変領域73,74を有効に設定する複数のラウンドに関し、確変領域73,74が有効に設定される先のラウンドにおいて、大入賞口65a内の上流側に位置する右側確変領域73を有効に設定するように構成する。このように構成することで、仮に、大入賞口65a内で球詰まり等の異常が発生した場合、特に、右側確変領域73の下流側であって左側確変領域74の上流側で球詰まり等の異常が発生した場合であっても、大入賞口65aの上流側に位置する右側確変領域73を先に有効に設定して、該右側確変領域73へ球を流入させ得ることで、「確率変動状態」を権利を遊技者に付与し易くすることができる。
<第2実施形態>
次いで、図37から図41を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、1の可変入賞装置65の大入賞口65a内に右側確変領域73及び左側確変領域74を設け、有効に設定されている確変領域73,74への球の通過に基づいて、大当たり終了後に「確率変動状態」を付与するように構成されている。
しかしながら、1の可変入賞装置65の大入賞口65aの開放又は閉鎖によって大当たり遊技を消化する構成であるため、大入賞口65aの閉鎖に伴うインターバル時間を設ける必要があり、大当たり遊技の消化に時間を要してしまい、大当たり遊技が間延びして、遊技者が興醒めするおそれがある。特に、所定期間内に大当たりに連続して当選しているような状況(所謂、連荘中)において、遊技者は迅速な遊技を所望しており、そのような状況において大当たり遊技のインターバル時間で時間を要してしまうと、遊技者が遊技に興醒めし易くなる。
また、1の可変入賞装置65内の確変領域73,74の開放又は閉鎖と、確変領域73,74の有効又は無効との2つの要素の組み合わせによって「確率変動状態」の付与を決定しているため、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、遊技者に確変領域73,74の開閉パターン、及び、確変領域73,74の有効パターンを認識(推察)されることで、「確率変動状態」が付与されることを予見され得るおそれがある。
これに対し、第2実施形態のパチンコ機10では、可変入賞装置65の他に、第2可変入賞装置76を設け、所定の大当たり遊技(「確率変動A」、「時短C」及び「潜伏確率変動C」)の各ラウンドにおいて交互に可変入賞装置65と第2可変入賞装置76とを開放し、所定の大当たり遊技中にいずれか一方の可変入賞装置65,76を間断なく開放するように構成する。このように構成することで、所定の大当たり遊技中のインターバル時間をなくすことができ、大当たり遊技を迅速に消化することができ、遊技が間延びすることがないので、遊技者が興醒めしてしまうことを防止することができる。
また、第2実施形態のパチンコ機10では、可変入賞装置65の内部と第2可変入賞装置76との内部を連通通路77によって連通させ、その連通先の流路に右側確変領域73及び左側確変領域74を配設する。このように構成することで、可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76(以下、可変入賞装置65と第2可変入賞装置76とを総称して、「可変入賞装置65,76」と称する場合がある)毎にそれぞれ複数の確変領域73,74を設ける必要がないので、パチンコ機10における部品点数を少なくし、製造コストを削減することができる。
さらに、第2実施形態のパチンコ機10では、確変領域73,74の開放又は閉鎖と、確変領域73,74の有効又は無効との2つの要素に加え、可変入賞装置65,76の開放又は閉鎖の1の要素の計3つの要素の組み合わせよって「確率変動状態」の付与を決定するため、「確率変動状態」が付与されることを予見し難くすることができる。よって、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、第2実施形態のパチンコ機10では、所謂連荘中に当選し得る大当たり種別(即ち、大当たり種別「確率変動A」、「時短C」及び「潜伏確率変動C」)に関し、可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76を間断なく交互に開放し、所謂連荘中の遊技者が所望している迅速な遊技を実現することができ、遊技に対して興醒めすることを防止し、遊技の興趣を向上することができる。
以下、第2実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図37を参照して、第2実施形態の可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76について説明する。図37は、第2実施形態の可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76の正面視における模式的断面図である。
図37で示すように、第2可変入賞装置76は、可変入賞装置65の上方位置に設けられ、第2大入賞口76aを覆う横長矩形状の第2開閉板76bと、その第2開閉板76bの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための第2大入賞口ソレノイド76c(図38参照)と、第2大入賞口76aに入賞した球を検知する第2大入賞口スイッチ71aと、該第2大入賞口スイッチ71aで検知された球が流下する連通通路77とが設けられている。
第2大入賞口スイッチ71aは、第2大入賞口76a近傍における通路内に埋設され、この第2大入賞口スイッチ71aによって球が検知されることによって、15個の賞球が払い出される。また、第2開閉板76bが開放されてから、この第2大入賞口スイッチ71aによって球が10個検出された場合に、第2開閉板76bが閉鎖されて、1のラウンドが終了するように構成されている。
連通通路77は、第2大入賞口76aに流入した球が流下する通路であり、可変入賞装置65の案内通路72と合流部77aを介して連通されている。そして、可変入賞装置65の該案内通路72と第2可変入賞装置76の連通通路77との合流部77aより下流側に、右側確変領域73および左側確変領域74が設けられていると共に、該右側確変領域73及び左側確変領域74の下流側に排出通路75が設けられている。従って、第2大入賞口76aに流入して連通通路77を流下する球は、可変入賞装置65の大入賞口65aに流入した球と同様、右側確変領域73を通過するか、左側確変領域74を通過するか、排出通路75を通過することとなる。
第2実施形態のパチンコ機10では、第2大入賞口76aに流入した球が第2大入賞口スイッチ71aによって検知された後、連通通路77を経て右側確変領域73の上方まで到達するまで約「1.7秒」要するように構成されており、また、第2大入賞口76aに流入した球が第2大入賞口スイッチ71aによって検知された後、連通通路77を経て左側確変領域74の上方まで到達するまで約「1.8」秒要するように構成されている。従って、第2大入賞口スイッチ71aによって検知された球は、「2秒」以内には右側確変領域73又は左側確変領域74に流入可能に構成されている。
このように、第2実施形態のパチンコ機10では、可変入賞装置65の内部と第2可変入賞装置76との内部を連通通路77によって連通させ、その連通先の流路に右側確変領域73及び左側確変領域74を配設する。このように構成することで、各可変入賞装置65,76毎にそれぞれ複数の確変領域73,74を設ける必要がないので、パチンコ機10における部品点数を少なくし、製造コストを削減することができる。
次に、図38を参照して、第2実施形態のパチンコ機10の電気的構成について説明する。図38は、第2実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
第2実施形態の主制御装置110のROM202には、大入賞口開閉テーブル202hが記憶されている。
ここで、図39を参照して、大入賞口開閉テーブル202hについて説明する。図39は、大入賞口開閉テーブル202hの一例を模式的に示した図である。図39で示す大入賞口開閉テーブル202hでは、各特別図柄における大当たり種別毎において、各ラウンド毎に開放される可変入賞装置65又は第2可変入賞装置76を示しており、各ラウンド毎に可変入賞装置65が開放される場合には「下」と表現し、第2可変入賞装置76が開放される場合には「上」と表現している。なお、第2実施形態では、一方の可変入賞装置65,76(例えば、可変入賞装置65)が開放されている場合は、他方の可変入賞装置65,76(例えば、第2可変入賞装置76)が閉鎖されているように構成されている。
図39で示すように、第1特別図柄の大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」に対応する各可変入賞装置65,76の開閉パターン「上のみ」は、すべてのラウンド(即ち、1ラウンド乃至7ラウンド)において第2可変入賞装置76のみが開放し、該大当たり遊技中は可変入賞装置65が閉鎖され続けるように構成されている。
従って、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」では、大当たり遊技中に第2可変入賞装置76の第2大入賞口76aの開放と閉鎖とが繰り返され、該閉鎖中におけるインターバル時間が発生するように構成されている。
また、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」は、可変入賞装置65,76の開閉パターンが同一であるため、可変入賞装置65,76の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにすることで、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、図39で示すように、第1特別図柄の大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」に対応する各可変入賞装置65,76の開閉パターン「下のみ」は、すべてのラウンド(即ち、1ラウンド乃至7ラウンド)において可変入賞装置65のみが開放し、該大当たり遊技中は第2可変入賞装置76が閉鎖され続けるように構成されている。
従って、大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」では、大当たり遊技中に可変入賞装置65の大入賞口65aの開放と閉鎖とが繰り返され、該閉鎖中におけるインターバル時間が発生するように構成されている。
また、大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」は、可変入賞装置65,76の開閉パターンが同一であるため、可変入賞装置65,76の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにすることで、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、図39で示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄の大当たり種別である「確率変動A」に対応する各可変入賞装置65,76の開閉パターン「上下交互」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、13ラウンド及び15ラウンド)において第2可変入賞装置76のみが開放し、該奇数ラウンド中は可変入賞装置65が閉鎖されるように構成されている。
また、開閉パターン「上下交互」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド及び14ラウンド)において可変入賞装置65のみが開放し、該偶数ラウンド中は第2可変入賞装置76が閉鎖されるように構成されている。
従って、大当たり種別「確率変動A」では、いずれか一方の可変入賞装置65,76を間断なく開放するように構成する。このように構成することで、大当たり遊技中のインターバル時間をなくすことができ、大当たり遊技を迅速に消化することができ、遊技が間延びすることがないので、遊技者が興醒めしてしまうことを防止することができる。特に、大当たり種別「確率変動A」は、大当たり遊技後に「確率変動状態」が付与されることを遊技者に報知しており、遊技者は、次の大当たりを目指して早く「確率変動状態」が到来することを期待している。このような状態において、迅速に大当たり遊技を消化させることで、遊技者の期待通りの遊技を実現することができる。
次いで、図39で示すように、第2特別図柄の大当たり種別である「時短C」及び「潜伏確率変動C」に対応する各可変入賞装置65,76の開閉パターン「下上交互」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、13ラウンド及び15ラウンド)において可変入賞装置65のみが開放し、該奇数ラウンド中は第2可変入賞装置76が閉鎖されるように構成されている。
また、開閉パターン「下上交互」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド及び14ラウンド)において第2可変入賞装置76のみが開放し、該偶数ラウンド中は可変入賞装置65が閉鎖されるように構成されている。
従って、大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」では、大当たり種別「確率変動A」と同様、いずれか一方の可変入賞装置65,76を間断なく開放するように構成する。このように構成することで、大当たり遊技中のインターバル時間をなくすことができ、大当たり遊技を迅速に消化することができ、遊技が間延びすることがないので、遊技者が興醒めしてしまうことを防止することができる。
また、大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」は、可変入賞装置65,76の開閉パターンが同一であるため、可変入賞装置65,76の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにすることで、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
図38に戻って、説明を続ける。第2実施形態の主制御装置110の入出力ポート205には、第2可変入賞装置76に設けられ、第2大入賞口76aの第2開閉板76bの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための第2大入賞口ソレノイド76cが接続され、MPU201は、入出力ポート205を介して制御信号を送信する。
また、第2実施形態の入出力ポート205には、第2大入賞口76a内に設けられて、該第2大入賞口76aに入賞した球を検知する第2大入賞口スイッチ71aが接続され、MPU201は、該第2大入賞口スイッチ71aから出力される信号に基づいて各種処理を実行する。
次いで、図40を参照して、第2実施形態の大当たり種別「潜伏確率変動C」の各ラウンドにおける球の検出態様等について説明する。図40は、第2実施形態の大当たり種別「潜伏確率変動C」の1ラウンド目乃至3ラウンド目における大入賞口ソレノイド65c、第2大入賞口ソレノイド76c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、第2大入賞口スイッチ71a、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとの各時間を模式的に示したタイミングチャートである。
上述したように、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、計15ラウンドの大当たり遊技が実行され、奇数ラウンドの開始時に大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放され、偶数ラウンドの開始時に第2大入賞口ソレノイド76cがオンされて第2開閉板76bが開放される。そして、所定条件(第2実施形態では、各開閉板65b,76bの開放から最大「30秒」経過(図40のMax t1参照。Max t1<「30000ms」。)、又は、大入賞口スイッチ71若しくは第2大入賞口スイッチ71aによってそれぞれ球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、開放されている大入賞口ソレノイド65c又は第2大入賞口ソレノイド76cがオフされて開閉板65b又は第2開閉板76bが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
そして、1のラウンドが終了した場合の、大当たりが継続するときは、先のラウンドで開放されていた1の可変入賞装置65,76ではない他方の可変入賞装置76,65が、先に開放されていた可変入賞装置65,76の閉鎖後、直ちに開放されるように構成されている。このように構成することで、大当たり時おけるインターバル時間を減少させる(なくす)ことができる。
また、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンが、大当たり種別「時短C」と同様、「Y2」である。よって、1ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図40のt2参照。t2=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが2000msオンされる(図40のt3参照。t3=「2000ms」。)。第2実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第2実施形態では、「1.5秒」。図40のt4参照。t4<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動C」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、3ラウンド目の右側確変領域73と、6ラウンド目の左側確変領域74とが有効に設定される。よって、1ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。従って、1ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動C」の奇数ラウンド(即ち、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、13ラウンド及び15ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、1ラウンド目と同等である(図示せず)。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動C」の2ラウンド目において、第2大入賞口スイッチ71aによって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図40のt5参照。t5=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、第2大入賞口スイッチ71aによって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる(図40のt6参照。t6=「2000ms」。)。第2実施形態のパチンコ機10では、第2大入賞口スイッチ71aによって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.8秒」。図40のt7参照。t7<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動C」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、2ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、2ラウンド目において、左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合であっても、左側確変領域74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動C」の偶数ラウンド(即ち、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド及び14ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、2ラウンド目と同等である(図示せず)。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動C」の3ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目及び2ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図40のt8参照。t8=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、3ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる(図40のt9参照。t9=「2000ms」。)。第2実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.5秒」。図40のt10参照。t10<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動C」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、3ラウンド目では右側確変領域73のみが有効であり、右確変有効フラグ203gがオンに設定されていると共に、左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、3ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合に、右側確変領域73は有効に設定されているため、確変移行フラグ203iがオンに設定される。
なお、図示しないが、大当たり種別「潜伏確率変動C」の6ラウンド目では、左側確変領域74のみが有効であり、左確変有効フラグ203hがオンに設定されていると共に、右確変有効フラグ203gがオフに設定されている。よって、3ラウンド目において確変移行フラグ203iがオンされていない場合であっても、6ラウンド目において右側確変領域73の下流側に位置する左側確変領域74へ球が流入可能であり、該左側確変領域74を球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知されることで、確変移行フラグ203iがオンに設定される。
よって、大当たり種別「潜伏確率変動C」では、確変領域73,74へ球が通過して確変領域スイッチ73d,74dによって球が検知された場合に、3ラウンド目と6ラウンド目とで球を検知した確変領域スイッチ73d,74dに対応する確変領域73,74が有効に設定されているため、確変移行フラグ203iがオンに設定される。そして、該大当たりの終了時に、この確変移行フラグ203iを参照して、「確率変動状態」が設定される。
このように、第2実施形態では、所定の大当たり遊技(「確率変動A」、「時短C」及び「潜伏確率変動C」)の各ラウンドにおいて交互に可変入賞装置65と第2可変入賞装置76とを開放し、所定の大当たり遊技中にいずれか一方の可変入賞装置65,76を間断なく開放するように構成する。このように構成することで、所定の大当たり遊技中のインターバル時間をなくすことができ、大当たり遊技を迅速に消化することができ、遊技が間延びすることがないので、遊技者が興醒めしてしまうことを防止することができる。
特に、所謂連荘中に当選し得る大当たり種別(即ち、大当たり種別「確率変動A」、「時短C」及び「潜伏確率変動C」)に関し、可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76を間断なく交互に開放し、所謂連荘中の遊技者が所望している迅速な遊技を実現することができ、遊技に対して興醒めすることを防止し、遊技の興趣を向上することができる。
また、第2実施形態のパチンコ機10では、確変領域73,74の開放又は閉鎖と、確変領域73,74の有効又は無効との2つの要素に加え、可変入賞装置65,76の開放又は閉鎖の1の要素の計3つの要素の組み合わせよって「確率変動状態」の付与を決定するため、「確率変動状態」が付与されることを予見し難くすることができる。よって、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
さらに、可変入賞装置65,76のインターバル時間を短くしつつ、「時短C」と「潜伏確率変動C」とで確変領域73,74の開放パターンと有効パターンとを異ならせることで、遊技者にいずれの可変入賞装置65,76が開放されている状態であって、かつ、いずれの確変領域73,74が有効であるのか否かの検討時間を短くさせることで、「確率変動状態」が付与されることを予見し難くすることができる。よって、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
次に、図41を参照して、第2実施形態の大当たり処理(S103)について説明する。図41は、第2実施形態の主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり処理(S103)を示したフローチャートである。第2実施形態の大当たり処理(S103)では、大当たり開始時に、大当たり種別に応じて、確変領域開閉テーブル202f(図11参照)と、確変領域有効テーブル202g(図12参照)とが設定されるのに加え、大入賞口開閉テーブル202h(図39参照)が設定される。
第2実施形態の大当たり処理(S103)では、大当たりに当選したと判別された場合に(S403:Yes)、第1実施形態の大当たり処理(図26参照)と同様、S404〜S410の処理を実行し、ラウンドカウンタの設定(S404〜S406)、オープニングコマンドの設定(S407)、オープニング時間の設定(S408)、確変領域開閉テーブル202f(図11参照)の設定(S409)、及び、確変領域有効テーブル202g(図12参照)の設定(S410)を行う。
次いで、大当たりの種類(大当たり種別)に応じて大入賞口開閉テーブル202h(図39参照)を設定して(S501)、処理をS411へ移行する。具体的には、上述したように、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」であれば可変入賞装置65,76の開閉パターンを「上のみ」に設定し、大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」であれば可変入賞装置65,76の開閉パターンを「下のみ」に設定し、大当たり種別「確率変動A」であれば可変入賞装置65,76の開閉パターンを「上下交互」に設定し、大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」であれば可変入賞装置65,76の開閉パターンを「下上交互」に設定する。
以上、説明したように、第2実施形態のパチンコ機10によれば、可変入賞装置65に加え、第2可変入賞装置76を設け、所定の大当たり遊技(「確率変動A」、「時短C」及び「潜伏確率変動C」)の各ラウンドにおいて交互に可変入賞装置65と第2可変入賞装置76とを開放し、所定の大当たり遊技中にいずれか一方の可変入賞装置65,76を間断なく開放するように構成する。このように構成することで、所定の大当たり遊技中のインターバル時間をなくすことができる。よって、大当たり遊技を迅速に消化することができ、遊技が間延びすることがないので、遊技者が興醒めしてしまうことを防止することができる。
また、第2実施形態のパチンコ機10では、可変入賞装置65の内部と第2可変入賞装置76との内部を連通通路77によって連通させ、その連通先の流路に右側確変領域73及び左側確変領域74を配設する。このように構成することで、各可変入賞装置65,76毎にそれぞれ複数の確変領域73,74を設ける必要がないので、パチンコ機10における部品点数を少なくし、製造コストを削減することができる。
さらに、第2実施形態のパチンコ機10では、確変領域73,74の開放又は閉鎖と、確変領域73,74の有効又は無効との2つの要素に加え、可変入賞装置65,76の開放又は閉鎖の1の要素の計3つの要素の組み合わせよって「確率変動状態」の付与を決定するため、「確率変動状態」が付与されることを予見し難くすることができる。よって、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、複数の大当たり種別(例えば、「時短C」と「潜伏確率変動C」)は、可変入賞装置65,76の開閉パターンが同一であるため、可変入賞装置65,76の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないように構成する。このように構成することで、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
さらに、第2実施形態のパチンコ機10では、所謂連荘中に当選し得る大当たり種別(即ち、大当たり種別「確率変動A」、「時短C」及び「潜伏確率変動C」)に関し、可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76を間断なく交互に開放し、所謂連荘中の遊技者が所望している迅速な遊技を実現することができ、遊技に対して興醒めすることを防止し、遊技の興趣を向上することができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第3実施形態>
次いで、図42から図47を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第2実施形態におけるパチンコ機10では、複数の可変入賞装置65,76を設け、また、確変領域73,74を各可変入賞装置65,76で共用して、確変領域73,74の開閉パターン及び有効パターンを大当たり遊技の各ラウンドで切り替えることで、大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるか否かを制御を実行している。
ここで、大入賞口65a(第2大入賞口76a)の内部において確変領域73,74を設け、また、その確変領域73,74毎に右確変領域開閉板73a及び左確変領域開閉板74a(以下、右確変領域開閉板73aと左確変領域開閉板74aとを総称して、「確変領域開閉板73a,74a」と称する場合がある)と、該確変領域開閉板73a,74aを開閉駆動する右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74b(以下、右確変領域ソレノイド73bと左確変領域ソレノイド74bとを総称して、「確変領域ソレノイド73b,74b」と称する場合がある)と、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74d(以下、右確変領域スイッチ73dと左確変領域スイッチ74dとを総称して、「確変領域スイッチ73d,74d」と称する場合がある)とを設けた場合に、少ないスペースに上記部品73a,73b,73d,74a,74b,74dを設置しなければならず、可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76の設計が複雑になるおそれがある。
また、可変入賞装置65における開閉板65b、大入賞口ソレノイド65cおよび大入賞口スイッチ71や、第2可変入賞装置76における第2開閉板76b、第2大入賞口ソレノイド76cおよび第2大入賞口スイッチ71aに加えて、上記部品73a,73b,73d,74a,74b,74dを設けることから、パチンコ機10に使用する部品点数が増加し、製造コストが増加してしまうおそれがある。
これに対し、第3実施形態のパチンコ機10では、第2実施形態と同様、2の可変入賞装置65,76を設け、可変入賞装置65の案内通路72に対して第2可変入賞装置76の連通通路77を合流部77aを介して連通させるが、合流部77aの位置を右側確変領域73の下流側であって左側確変領域74の上流側とする。そして、確変領域73,74において確変領域開閉板73a,74aを設けることなく、各確変領域73,74へ常時球が流入可能に構成する。このように構成することで、可変入賞装置65へ入賞した球は右側確変領域73へ流入し、第2可変入賞装置76へ入賞した球は左側確変領域74へ流入することとなる。
そして、「確率変動状態」を付与する大当たり種別(即ち、「潜伏確率変動A〜C」及び「確率変動A」)の場合には、有効に設定されている確変領域73,74に対応する可変入賞装置65,76へ球を入賞させ、「確率変動状態」を付与する一方、「確率変動状態」を付与しない大当たり種別(即ち、「時短A〜C」)の場合には、有効に設定されている確変領域73,74ではなく、無効に設定されている確変領域73,74へ球を入賞させて、「確率変動状態」が付与されないように構成する。
このように構成することで、各確変領域73,74を球が通過したとしても、内部的にその確変領域73,74が有効に設定されていなければ、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないため、各確変領域73,74への球の通過を遊技者に視認された場合であっても、大当たり終了後に「確率変動状態」の発生が確定しないようにしつつ、確変領域開閉板73a,74a及び確変領域ソレノイド73b,74bを設ける必要がなくなるので、可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76の設計を複雑化することなく、可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76をシンプルな構成にして容易に設計可能となる。
また、確変領域開閉板73a,74a及び確変領域ソレノイド73b,74bを設ける必要がないことで、パチンコ機10の部品点数を削減し、製造コストを削減することができる。
以下、第3実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態及び第2実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態及び第2実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図42を参照して、第3実施形態の可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76について説明する。図42は、第3実施形態の可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76の正面視における模式的断面図である。
図42で示すように、第2可変入賞装置76の連通通路77は、可変入賞装置65の案内通路72に合流部77aを介して連通しており、該合流部77aの位置は、右側確変領域73の下流側であって、左側確変領域74の上流側に設けられている。
そして、第3実施形態の確変領域73,74には、第2実施形態のような確変領域開閉板73a,74aおよび確変領域ソレノイド73b,74bが設けられていない。従って、各確変領域73,74の上方に到達した球は、その確変領域73,74へ流入するように構成されている。
即ち、第3実施形態では、可変入賞装置65に入賞した球は、右側確変領域73へ流入するように構成され、また、第2可変入賞装置76に入賞した球は、左側確変領域74へ流入するように構成されている。なお、可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76において、排出通路75を共用するように構成されている。
次に、図43を参照して、第3実施形態のパチンコ機10の電気的構成について説明する。図43は、第3実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
第3実施形態のパチンコ機10には、確変領域開閉板73a,74a及び確変領域ソレノイド73b,74bが設けられていないため、第3実施形態の主制御装置110のROM202には、第1実施形態及び第2実施形態のような確変領域開閉テーブル202f(図11参照)は記憶されていない。一方、第2実施形態と同様、大入賞口開閉テーブル202hが記憶されている。
ここで、図44を参照して、第3実施形態の大入賞口開閉テーブル202hについて説明する。図44は、第3実施形態の大入賞口開閉テーブル202hの一例を模式的に示した図である。図44で示す大入賞口開閉テーブル202hでは、各特別図柄における大当たり種別毎において、各ラウンド毎に開放される可変入賞装置65又は第2可変入賞装置76を示しており、各ラウンド毎に可変入賞装置65が開放される場合には「下」と表現し、第2可変入賞装置76が開放される場合には「上」と表現している。なお、第3実施形態では、一方の可変入賞装置65,76(例えば、可変入賞装置65)が開放されている場合は、他方の可変入賞装置65,76(例えば、第2可変入賞装置76)が閉鎖されているように構成されている。
図44で示すように、第3実施形態では、すべての大当たり種別において、可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76が交互に開閉されるように構成されている。具体的には、第1特別図柄の大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」、並びに、第2特別図柄の「時短C」及び「潜伏確率変動C」に対応する各可変入賞装置65,76の開閉パターン「下上交互」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、13ラウンド及び15ラウンド)において可変入賞装置65のみが開放し、該奇数ラウンド中は第2可変入賞装置76が閉鎖されるように構成されている。
また、開閉パターン「下上交互」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド及び14ラウンド)において第2可変入賞装置76のみが開放し、該偶数ラウンド中は可変入賞装置65が閉鎖されるように構成されている。
次いで、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当たり種別「時短B」、「潜伏確率変動B」及び「確率変動A」に対応する各可変入賞装置65,76の開閉パターン「上下交互」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、13ラウンド及び15ラウンド)において第2可変入賞装置76のみが開放し、該奇数ラウンド中は可変入賞装置65が閉鎖されるように構成されている。
また、開閉パターン「上下交互」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド及び14ラウンド)において可変入賞装置65のみが開放し、該偶数ラウンド中は第2可変入賞装置76が閉鎖されるように構成されている。
従って、第3実施形態のすべての大当たり種別では、いずれか一方の可変入賞装置65,76を間断なく開放するように構成する。このように構成することで、大当たり遊技中のインターバル時間をなくすことができ、大当たり遊技を迅速に消化することができ、遊技が間延びすることがないので、遊技者が興醒めしてしまうことを防止することができる。
また、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」、「時短B」及び「潜伏確率変動B」、又は、「時短C」及び「潜伏確率変動C」は、可変入賞装置65,76の開閉パターンが同一であるため、可変入賞装置65,76の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにすることで、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
次に、図45を参照して、第3実施形態の大当たり処理(S103)について説明する。図45は、第3実施形態の主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり処理(S103)を示したフローチャートである。第3実施形態の大当たり処理(S103)では、大当たり開始時に、大当たり種別に応じて確変領域有効テーブル202g(図12参照)と、大入賞口開閉テーブル202h(図44参照)とが設定され、第2実施形態のような確変領域開閉テーブル202fは設定されない。
第3実施形態の大当たり処理(S103)では、大当たりに当選したと判別された場合に(S403:Yes)、第1実施形態及び第2実施形態の大当たり処理(図26参照)と同様、S404〜S408の処理を実行し、ラウンドカウンタの設定(S404〜S406)、オープニングコマンドの設定(S407)、及び、オープニング時間の設定(S408)を行う。
そして、第1実施形態及び第2実施形態のような確変領域開閉テーブル202f(図11参照)の設定は行わず、確変領域有効テーブル202g(図12参照)の設定(S410)を行う。
次いで、大当たりの種類(大当たり種別)に応じて大入賞口開閉テーブル202h(図44参照)を設定して(S501)、処理をS411へ移行する。具体的には、上述したように、大当たり種別「時短A」、「潜伏確率変動A」、「時短C」及び「潜伏確率変動C」であれば可変入賞装置65,76の開閉パターンを「下上交互」に設定し、大当たり種別「時短B」、「潜伏確率変動B」及び「確率変動A」であれば可変入賞装置65,76の開閉パターンを「上下交互」に設定する。
次いで、図46を参照して、第3実施形態の主制御装置110内のMPU201により実行される開放設定処理(S422)について説明する。図46は、第3実施形態の開放設定処理(S422)を示したフローチャートである。第3実施形態の開放設定処理(S422)では、大当たり開始時に設定された大入賞口開閉テーブル202h(図44参照)を参照して、可変入賞装置65又は第2可変入賞装置76のいずれか一方の開放設定を行う。
第3実施形態の開放設定処理(S422)では、まず、大入賞口65a又は第2大入賞口76aを開放するタイミングであるため、いずれかの大入賞口65a又は第2大入賞口76aを開放するため、設定された大入賞口開閉テーブル202hに基づいて可変入賞装置65又は第2可変入賞装置76の開放設定を行い(S511)、処理をS432へ移行する。この開放設定を行うことで、大入賞口ソレノイド65c又は第2大入賞口ソレノイド76cのいずれか一方が駆動されて、駆動されたソレノイド65c,76cに対応する開閉板65b又は第2開閉板76bが開放され、大入賞口65a又は第2大入賞口76a内に球が流入可能となる。
次に、図47を参照して、第3実施形態の開放中処理(S424)について説明する。図47は、第3実施形態の主制御装置110内のMPU201により実行される開放中処理(S424)を示したフローチャートである。第3実施形態の開放中処理(S424)では、確変領域開閉板73a,74aが設けられていないことから、大入賞口スイッチ71又は第2大入賞口スイッチ71aが検知された場合に、カウント数を確認する処理が不要となり、制御負担を軽減することができる。
第3実施形態の開放中処理(S424)では、S446の処理において、いずれかの大入賞口65a,76aの開放時間が経過していないと判別された場合に(S446:No)、次いで、大入賞口65aへ球が入賞して大入賞口スイッチ71がオンされたか否か、又は、第2大入賞口76aへ球が入賞して第2大入賞口スイッチ71aがオンされたか否かを判別する(S515)。
S515の処理において、大入賞口スイッチ71又は第2大入賞口スイッチ71aがオンされていれば(S515:Yes)、大入賞口65a又は第2大入賞口76aへ球が入賞しているので、入賞カウンタの値を1減算して(S449)、次いで、1減算した入賞カウンタの値が「0」より大きい値か否かを判別する(S454)。入賞カウンタの値が「0」より大きい値でない場合(S454:No)、即ち、入賞カウンタの値が「0」以下である場合は、大入賞口65a又は第2大入賞口76aに球が10個入賞して大入賞口65a又は第2大入賞口76aの閉鎖条件が成立しているので、大入賞口65a又は第2大入賞口76aを閉鎖させるために、処理をS455へ移行する。
以上、説明したように、第3実施形態のパチンコ機10によれば、2の可変入賞装置65,76を設け、可変入賞装置65の案内通路72に対して第2可変入賞装置76の連通通路77を合流部77aを介して連通させるが、合流部77aの位置を右側確変領域73の下流側であって左側確変領域74の上流側とする。そして、確変領域73,74において確変領域開閉板73a,74aを設けることなく、各確変領域73,74へ常時球が流入可能に構成する。このように構成することで、可変入賞装置65へ入賞した球は右側確変領域73へ流入し、第2可変入賞装置76へ入賞した球は左側確変領域74へ流入することとなる。そして、「確率変動状態」を付与する大当たり種別(即ち、「潜伏確率変動A〜C」及び「確率変動A」)の場合には、有効に設定されている確変領域73,74に対応する可変入賞装置65,76へ球を入賞させ、有効に設定されている確変領域73,74へ球を通過させることで「確率変動状態」を付与する。一方、「確率変動状態」を付与しない大当たり種別(即ち、「時短A〜C」)の場合には、有効に設定されている確変領域73,74ではなく、無効に設定されている確変領域73,74に対応する可変入賞装置65,76へ球を入賞させ、有効に設定されている確変領域73,74へは球を通過させず、無効に設定されている確変領域73,74へ球を通過させることで、「確率変動状態」が付与されないように構成する。
このように構成することで、各確変領域73,74を球が通過したとしても、内部的にその確変領域73,74が有効に設定されていなければ、大当たり終了後に「確率変動状態」が発生しないため、各確変領域73,74への球の通過を遊技者に視認された場合であっても、大当たり終了後に「確率変動状態」の発生が確定しないようにしつつ、確変領域開閉板73a,74a及び確変領域ソレノイド73b,74bを設ける必要がなくなる。その結果、可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76の設計を複雑化することなく、可変入賞装置65及び第2可変入賞装置76をシンプルな構成にして容易に設計することができる。
また、第3実施形態のパチンコ機10によれば、確変領域開閉板73a,74a及び確変領域ソレノイド73b,74bを設ける必要がないことで、パチンコ機10の部品点数を削減し、製造コストを削減することができる。
さらに、第3実施形態のパチンコ機10によれば、確変領域開閉板73a,74aが設けられていないことから、該確変領域開閉板73a,74aの開閉タイミングを判別するための大入賞口スイッチ71又は第2大入賞口スイッチ71aが検知された場合に、カウント数を確認する処理が不要となり、制御負担を軽減することができる。
その他、第3実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態又は第2実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第4実施形態>
次いで、図48から図52を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、1の可変入賞装置65の大入賞口65a内に右側確変領域73及び左側確変領域74を設け、有効に設定されている確変領域73,74への球の通過に基づいて、大当たり終了後に「確率変動状態」を付与するように構成されている。
ここで、大入賞口65aの内部において確変領域73,74を設け、また、その確変領域73,74毎に確変領域開閉板73a,74aと、該確変領域開閉板73a,74aを開閉駆動する確変領域ソレノイド73b,74bとの複数の駆動機構を設けた場合に、少ないスペースに各部品73a,73b,74a,74bを設置しなければならず、可変入賞装置65の設計が複雑になるおそれがある。
また、可変入賞装置65における開閉板65b、大入賞口ソレノイド65cおよび大入賞口スイッチ71に加えて、上記部品73a,73b,74a,74bを設けることから、パチンコ機10に使用する部品点数が増加し、製造コストが増加してしまうおそれがある。
さらに、確変領域73,74に複数の駆動機構を配設することから、各駆動機構のそれぞれに対してメンテナンス作業が必要となり、メンテナンス工数が増加してしまうおそれがある。
また、複数の駆動機構によって各確変領域73,74の開閉を行う場合、例えば、故障等が発生することで、両確変領域73,74が開放され続けてしまったり、両確変領域73,74が閉鎖され続けてしまい、有効に設定されている確変領域73,74への球の通過に基づいて、大当たり終了後に「確率変動状態」を付与する遊技性が崩壊してしまうおそれがある。
これに対し、第4実施形態のパチンコ機10では、確変領域開閉用モータ78a、駆動ギア78b及び確変領域開閉板78cで構成される1の駆動機構により、右側確変領域73及び左側確変領域74を同時に閉鎖可能に構成し、確変領域開閉用モータ78aを正転駆動又は逆転駆動することで、確変領域開閉板78cを案内通路72と平行な方向にスライド駆動可能に構成する。
具体的には、確変領域開閉用モータ78aを正転駆動させた場合には、確変領域開閉板78cが案内通路72下流側へスライド駆動して、右側確変領域73を開放し、該右側確変領域73へ球を流入させる。一方、確変領域開閉用モータ78aを逆転駆動させた場合には、確変領域開閉板78cが案内通路72上流側へスライド駆動して、左側確変領域74を開放し、該左側確変領域74へ球を流入させる。
このように構成することで、大入賞口65a内に2つの確変領域(右側確変領域73及び左側確変領域74)を設け、大当たり種別に応じて、大当たりの各ラウンド毎に確変領域開閉用モータ78aを正転駆動又は逆転駆動させていずれかの確変領域73,74へ球を流入させると共に、各確変領域73,74の有効又は無効の設定を遊技者に認識できない状態で(内部的に)切り替えるように制御する。そして、大当たり中において、有効に設定されている確変領域73,74を球が通過した場合には、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、無効に設定されている確変領域73,74を球が通過したとしても、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させないように構成する。
このように構成することで、1の駆動機構78で確変領域73,74の開放又は閉鎖を実現することができるので、可変入賞装置65の設計を複雑化することなく、可変入賞装置65全体の構成をシンプルにして容易に設計することができる。
また、1の駆動機構78によって確変領域73,74の開閉又は閉鎖を行い、複数の駆動機構によって確変領域73,74の開放又は閉鎖を行わなくていいので、パチンコ機10の部品点数を削減し、製造コストを削減することができる。
さらに、1の駆動機構78によって確変領域73,74の開閉又は閉鎖を行うので、1の駆動機構78のみのメンテナンス作業をすればよくメンテナンス工数を削減することができる。
また、1の駆動機構78によって確変領域73,74を開閉することで、一方の確変領域73,74を開放した場合には、他方の確変領域74,73を必ず閉鎖することができる。よって、故障等によって両確変領域73,74が開放されてしまうことで、有効に設定されている確変領域73,74への球の通過に基づいて、大当たり終了後に「確率変動状態」を付与するという遊技性が崩壊してしまう事象が発生することを防止し、斬新な遊技性を実現することができる。
以下、第4実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第3実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図48を参照して、第4実施形態の可変入賞装置65について説明する。図48(a)は、第4実施形態の可変入賞装置65の正面視における模式的断面図である。
図48(a)で示すように、第4実施形態では、可変入賞装置65の案内通路72に設けられた右側確変領域73と左側確変領域74との間には、1の駆動機構78が設けられている。
駆動機構78は、右側確変領域73と左側確変領域74との間に位置する壁部の正面視奥行方向に内蔵される確変領域開閉用モータ78a(図49参照)と、該確変領域開閉用モータ78aにより回転駆動される駆動ギア78bと、該駆動ギア78bと歯合される伝達ギアが設けられた確変領域開閉板78cとを備えている。
確変領域開閉用モータ78a(図49参照)は、正転駆動(反時計回り)及び逆転駆動(時計回り)に駆動可能なステッピングモータで構成されている。よって、この確変領域開閉用モータ78aが、正転駆動した場合には、駆動ギア78bも反時計回りに回転駆動され、逆転駆動した場合には、駆動ギア78bも時計回りに回転駆動される。
駆動ギア78bは、確変領域開閉用モータ78aに連結されており、確変領域開閉用モータ78aの駆動に伴って該駆動ギア78bも回転駆動される。この駆動ギア78bは、後述する確変領域開閉板78cの下面に設けられた伝達ギアと歯合されている。
確変領域開閉板78cは、初期状態において、該確変領域開閉板78cの右側部分が右側確変領域73を閉塞すると共に、該確変領域開閉板78cの左側部分が左側確変領域74を閉塞するように構成されている。この確変領域開閉板78cは、その上面が案内通路72の底面(球の転動面)と面一となるように配設されている。また、確変領域開閉板78cの下面には、上記駆動ギア78bと歯合する伝達ギアが設けられており、駆動ギア78bの回転駆動に伴って、この確変領域開閉板78cがスライド駆動可能に構成されている。
第4実施形態では、確変領域開閉用モータ78aが正転駆動(反時計回り)し、駆動ギア78bが反時計回りに回転駆動された場合に、該駆動ギア78bと歯合されている確変領域開閉板78cが、案内通路72の下流側にスライド駆動し、右側確変領域73が開放するように構成されている。一方、確変領域開閉用モータ78aが逆転駆動(時計回り)し、駆動ギア78bが時計回りに回転駆動された場合に、該駆動ギア78bと歯合されている確変領域開閉板78cが、案内通路72の上流側にスライド駆動し、左側確変領域74が開放するように構成されている。
ここで、図48(b)から図48(d)を参照して、案内通路72内を流下する球の流入パターンについて説明する。図48(b)は、確変領域開閉板78cが下流側にスライド駆動した状態であって、右側確変領域73が開放状態であると共に左側確変領域74が閉鎖状態である場合に、案内通路72内を流下する球の挙動を説明するための模式的拡大断面図であり、図48(c)は、確変領域開閉板78cが上流側にスライド駆動した状態であって、左側確変領域74が開放状態であると共に右側確変領域73が閉鎖状態である場合に、案内通路72内を流下する球の挙動を説明するための模式的拡大断面図であり、図48(d)は、確変領域開閉板78cが初期状態であって、右側確変領域73及び左側確変領域74が共に閉鎖状態である場合に、案内通路72内を流下する球の挙動を説明するための模式的拡大断面図である。
図48(b)で示すように、大当たりに当選して特別遊技状態が発生した場合に、可変入賞装置65の開閉板65bが開放されて大入賞口65aに球が流入可能となる。そして、確変領域開閉板78cが下流側にスライド駆動されて右側確変領域73が開放状態である場合に、大入賞口65a内に流入した球は、まず、大入賞口スイッチ71によって検知され、その後、案内通路72を流下する。そして、確変領域開閉板78cが確変領域開閉用モータ78a(図49参照)によって下流側にスライド駆動されていることから、右側確変領域73が開放されており、上記球が右確変領域通路73cへ流入する。その後、該球は、右確変領域通路73cに埋設された右確変領域スイッチ73dによって検知される。なお、右確変領域スイッチ73dによって検知された球は、排出経路(図示せず)によって可変入賞装置65外(遊技盤13背面側)へ排出される。
次いで、図48(c)で示すように、確変領域開閉板78cが上流側にスライド駆動されて左側確変領域74が開放状態である場合に、大入賞口65a内に流入した球は、まず、大入賞口スイッチ71によって検知され、その後、案内通路72を流下する。そして、右側確変領域73を閉鎖している確変領域開閉板78cの上面を転動し、該確変領域開閉板78cが確変領域開閉用モータ78a(図49参照)によって上流側にスライド駆動されていることから、左側確変領域74が開放されており、上記球が左確変領域通路74cへ流入する。その後、該球は、左確変領域通路74cに埋設された左確変領域スイッチ74dによって検知される。なお、左確変領域スイッチ74dによって検知された球は、排出経路(図示せず)によって可変入賞装置65外(遊技盤13背面側)へ排出される。
次いで、図48(d)で示すように、確変領域開閉板78cが初期位置であって、右側確変領域73及び左側確変領域74が共に閉塞状態である場合に、大入賞口65a内に流入した球は、まず、大入賞口スイッチ71によって検知され、その後、案内通路72を流下する。そして、確変領域開閉板78cの上面を転動して、右側確変領域73及び左側確変領域74の上方を通過し、下流側に設けられた排出通路75から可変入賞装置65外(遊技盤13背面側)へ排出される。
このように構成することで、1の駆動機構78で確変領域73,74の開放又は閉鎖を実現することができるので、可変入賞装置65の設計を複雑化することなく、可変入賞装置65全体の構成をシンプルにして容易に設計することができる。また、1の駆動機構78によって確変領域73,74の開閉又は閉鎖を行い、複数の駆動機構によって確変領域73,74の開放又は閉鎖を行わなくていいので、パチンコ機10の部品点数を削減し、製造コストを削減することができる。さらに、1の駆動機構78によって確変領域73,74の開閉又は閉鎖を行うので、1の駆動機構78のみのメンテナンス作業をすればよくメンテナンス工数を削減することができる。また、1の駆動機構78によって確変領域73,74を開閉することで、一方の確変領域73,74を開放した場合には、他方の確変領域74,73を必ず閉鎖することができる。よって、故障等によって両確変領域73,74が開放されてしまうことで、有効に設定されている確変領域73,74への球の通過に基づいて、大当たり終了後に「確率変動状態」を付与するという遊技性が崩壊してしまう事象が発生することを防止し、斬新な遊技性を実現することができる。
次に、図49を参照して、第4実施形態のパチンコ機10の電気的構成について説明する。図49は、第4実施形態のパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
第4実施形態の主制御装置110のROM202には、確変領域開閉用モータ78aの駆動パターンを設定するための確変領域開閉テーブル202fが記憶されている。
また、第4実施形態の主制御装置110の入出力ポート205には、確変領域開閉板78cをスライド駆動するための確変領域開閉用モータ78aが接続され、MPU201は、入出力ポート205を介して制御信号を送信する。第4実施形態では、大当たり種別に基づいて設定された確変領域開閉テーブル202fを各ラウンドの開始時に参照し、確変領域開閉用モータ78aを正転駆動又は逆転駆動させて、いずれか一方の確変領域73,74を開放する。そして、該正転駆動又は逆転駆動されてから所定時間(第4実施形態では、「6000ms」)経過した場合に、確変領域開閉用モータ78aを初期位置に戻して、確変領域73,74を共に閉鎖するように構成する。
ここで、図50を参照して、大当たり種別毎の各確変領域73,74の開閉パターンについて説明する。図50は、第4実施形態の確変領域開閉テーブル202fの一例を模式的に示した図である。図50で示す確変領域開閉テーブル202fでは、各特別図柄における大当たり種別毎において、確変領域開閉用モータ78aの駆動パターンを示しており、各ラウンド毎に確変領域開閉用モータ78aが正転駆動(反時計回り)されて右側確変領域73が開放される場合には「正」と表現し、確変領域開閉用モータ78aが逆転駆動(時計回り)されて左側確変領域74が開放される場合には「逆」と表現している。なお、第4実施形態では、一方の確変領域73,74(例えば、右側確変領域73)が開放されている場合は、他方の確変領域74,73(例えば、左側確変領域74)が必ず閉鎖されているように構成されている。
図50で示すように、第1特別図柄の最大7ラウンドの大当たりである大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」に対応する各確変領域73,74の開閉パターン「X3」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンド)において、確変領域開閉用モータ78aが正転駆動して確変領域開閉板78cが下流側にスライド駆動し、右側確変領域73が開放されることで、右側確変領域73を球が通過可能になると共に、左側確変領域74が確変領域開閉板78cによって閉鎖されて左側確変領域74を球が通過不可能となる。
また、開閉パターン「X3」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド及び6ラウンド)において、確変領域開閉用モータ78aが逆転駆動して確変領域開閉板78cが上流側にスライド駆動し、左側確変領域74が開放されることで、左側確変領域74を球が通過可能になると共に、右側確変領域73が確変領域開閉板78cによって閉鎖されて右側確変領域73を球が通過不可能となる。
即ち、開閉パターン「X3」では、大当たりの1ラウンド目において右側確変領域73に球が通過可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において左側確変領域74に球が通過可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、7ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に右側確変領域73又は左側確変領域74へ球が通過可能となる。従って、右側確変領域73への通過可能ラウンド数は「4」であり、左側確変領域74への通過可能ラウンド数は「3」となる。
次いで、図50で示すように、第1特別図柄の最大7ラウンドの大当たりである大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」に対応する各確変領域73,74の開閉パターン「X4」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンド)において、確変領域開閉用モータ78aが逆転駆動して確変領域開閉板78cが上流側にスライド駆動し、左側確変領域74が開放されることで、左側確変領域74を球が通過可能になると共に、右側確変領域73が確変領域開閉板78cによって閉鎖されて右側確変領域73を球が通過不可能となる。
また、開閉パターン「X4」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド及び6ラウンド)において、確変領域開閉用モータ78aが正転駆動して確変領域開閉板78cが下流側にスライド駆動し、右側確変領域73が開放されることで、右側確変領域73を球が通過可能になると共に、左側確変領域74が確変領域開閉板78cによって閉鎖されて左側確変領域74を球が通過不可能となる。
即ち、開閉パターン「X4」では、大当たりの1ラウンド目において左側確変領域74に球が通過可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において右側確変領域73に球が通過可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、7ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に左側確変領域74又は右側確変領域73へ球が通過可能となる。従って、左側確変領域74への通過可能ラウンド数は「4」であり、右側確変領域73への通過可能ラウンド数は「3」となる。
次いで、図50で示すように、第1特別図柄及び第2特別図柄の最大15ラウンドの大当たりである大当たり種別「確率変動A」に対応する各確変領域73,74の開閉パターン「Y3」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、13ラウンド及び15ラウンド)において、確変領域開閉用モータ78aが逆転駆動して確変領域開閉板78cが上流側にスライド駆動し、左側確変領域74が開放されることで、左側確変領域74を球が通過可能になると共に、右側確変領域73が確変領域開閉板78cによって閉鎖されて右側確変領域73を球が通過不可能となる。
また、開閉パターン「Y3」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド及び14ラウンド)において、確変領域開閉用モータ78aが正転駆動して確変領域開閉板78cが下流側にスライド駆動し、右側確変領域73が開放されることで、右側確変領域73を球が通過可能になると共に、左側確変領域74が確変領域開閉板78cによって閉鎖されて左側確変領域74を球が通過不可能となる。
即ち、開閉パターン「Y3」では、大当たりの1ラウンド目において左側確変領域74に球が通過可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において右側確変領域73に球が通過可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、15ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に左側確変領域74又は右側確変領域73へ球が通過可能となる。従って、左側確変領域74への通過可能ラウンド数は「8」であり、右側確変領域73への通過可能ラウンド数は「7」となる。
次いで、図50で示すように、第2特別図柄の最大15ラウンドの大当たりである大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」に対応する各確変領域73,74の開閉パターン「Y4」は、奇数ラウンド(即ち、1ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、13ラウンド及び15ラウンド)において、確変領域開閉用モータ78aが正転駆動して確変領域開閉板78cが下流側にスライド駆動し、右側確変領域73が開放されることで、右側確変領域73を球が通過可能になると共に、左側確変領域74が確変領域開閉板78cによって閉鎖されて左側確変領域74を球が通過不可能となる。
また、開閉パターン「Y4」は、偶数ラウンド(即ち、2ラウンド、4ラウンド、6ラウンド、8ラウンド、10ラウンド、12ラウンド及び14ラウンド)において、確変領域開閉用モータ78aが逆転駆動して確変領域開閉板78cが上流側にスライド駆動し、左側確変領域74が開放されることで、左側確変領域74を球が通過可能になると共に、右側確変領域73が確変領域開閉板78cによって閉鎖されて右側確変領域73を球が通過不可能となる。
即ち、開閉パターン「Y4」では、大当たりの1ラウンド目において右側確変領域73に球が通過可能となり、次ラウンド(即ち、2ラウンド)において左側確変領域74に球が通過可能となり、その後、大当たりの終了(即ち、15ラウンド目の終了)まで各ラウンド毎に交互に右側確変領域73又は左側確変領域74へ球が通過可能となる。従って、右側確変領域73への通過可能ラウンド数は「8」であり、左側確変領域74への通過可能ラウンド数は「7」となる。
このように、確変領域開閉用モータ78aの駆動パターンに伴う確変領域73,74の開閉パターンが同等となる大当たり種別(即ち、大当たり種別「時短A」及び「潜伏確率変動A」、大当たり種別「時短B」及び「潜伏確率変動B」、並びに、大当たり種別「時短C」及び「潜伏確率変動C」)をそれぞれ設け、各確変領域73,74の開閉パターンのみでは大当たり種別を判別できないようにすることで、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
次いで、図51を参照して、第4実施形態の主制御装置110内のMPU201により実行される開放設定処理(S422)について説明する。図51は、第4実施形態の開放設定処理(S422)を示したフローチャートである。第4実施形態の開放設定処理(S422)では、大当たり開始時に設定された確変領域開閉テーブル202f(図50参照)を参照して、確変領域開閉用モータ78aを正転駆動又は逆転駆動させる。
第4実施形態の開放設定処理(S422)では、第1実施形態の開放設定処理(S422)と同様、S431〜S434の処理を行って、大入賞口開放設定を行い(S431)、入賞カウンタに「10」をセットし(S432)、開放時間設定を行って(S433)、開放コマンドを設定する(S434)。
次いで、大当たりの種類(大当たり種別)に応じて、該大当たりの開始時に設定された確変領域開閉テーブル202f(図50参照)に基づいて確変領域開閉用モータ78aを正転駆動又は逆転駆動して(S521)、いずれか一方の確変領域73,74を開放すると共に他方の確変領域74,73を閉鎖し、処理をS436へ移行する。
次に、図52を参照して、第4実施形態の開放中処理(S424)について説明する。図52は、第4実施形態の主制御装置110内のMPU201により実行される開放中処理(S424)を示したフローチャートである。第4実施形態の開放中処理(S424)では、確変領域開閉用モータ78aの駆動が開始されてから所定時間(第4実施形態では、「6000ms」)経過しているか否かを判断し、該所定時間が経過していた場合は、確変領域開閉用モータ78aを初期位置に戻して、確変領域73,74を共に閉鎖する。
第4実施形態の開放中処理(S424)では、第1実施形態と同様、まず、S441〜S445の処理を行って、確変領域73,74への球の通過に基づいて確変移行フラグ203iの設定を行い、処理をS531へ移行する。
S531の処理では、上述した開放設定処理(図51参照)のS521によって確変領域開閉用モータ78aが駆動開始してから「6000ms」経過しているか否かを判別する(S531)。判別の結果、確変領域開閉用モータ78aの駆動開始から「6000ms」経過していれば(S531:Yes)、確変領域開閉用モータ78aを初期位置に戻し(S532)、確変領域73,74を共に閉鎖して、処理をS446へ移行する。一方、確変領域開閉用モータ78aの駆動開始から「6000ms」経過していない場合は(S531:No)、S532の処理をスキップして、処理をS446へ移行する。
以上、説明したように、第4実施形態のパチンコ機10によれば、確変領域開閉用モータ78a及び確変領域開閉板78c等で構成される1の駆動機構により、右側確変領域73及び左側確変領域74を同時に閉鎖可能に構成し、確変領域開閉用モータ78aを正転駆動又は逆転駆動することで、確変領域開閉板78cを案内通路72と平行な方向にスライド駆動可能に構成する。また、大入賞口65a内に2つの確変領域(右側確変領域73及び左側確変領域74)を設け、大当たり種別に応じて、大当たりの各ラウンド毎に確変領域開閉用モータ78aを正転駆動又は逆転駆動させていずれかの確変領域73,74へ球を流入させると共に、各確変領域73,74の有効又は無効の設定を遊技者に認識できない状態で(内部的に)切り替えるように制御する。そして、大当たり中において、有効に設定されている確変領域73,74を球が通過した場合には、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、無効に設定されている確変領域73,74を球が通過したとしても、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させないように構成する。
このように構成することで、1の駆動機構78で確変領域73,74の開放又は閉鎖を実現することができるので、可変入賞装置65の設計を複雑化することなく、可変入賞装置65全体の構成をシンプルにして容易に設計することができる。
また、1の駆動機構78によって確変領域73,74の開閉又は閉鎖を行い、複数の駆動機構によって確変領域73,74の開放又は閉鎖を行わなくていいので、パチンコ機10の部品点数を削減し、製造コストを削減することができる。
さらに、1の駆動機構78によって確変領域73,74の開閉又は閉鎖を行うので、1の駆動機構78のみのメンテナンス作業をすればよく、パチンコ機10のメンテナンス工数を削減することができる。
また、確変領域開閉板78cをスライド駆動することによって確変領域73,74を開閉することで、一方の確変領域73,74を開放した場合には、他方の確変領域74,73を必ず閉鎖することができる。よって、故障等によって両確変領域73,74が開放されてしまうことで、有効に設定されている確変領域73,74への球の通過に基づいて、大当たり終了後に「確率変動状態」を付与するという遊技性が崩壊してしまう事象が発生することを防止し、斬新な遊技性を実現することができる。
さらに、確変領域開閉板78cの非駆動時(初期位置)では、両確変領域73,74を共に閉鎖するように構成することで、故障等によって確変領域開閉用モータ78aが正常に作動しない場合であっても、両確変領域73,74を閉鎖した状態とすることができ、異常時であっても確変領域73,74への球の流入を阻止できる。よって、仮に、異常時に確変領域73,74が有効に設定されてしまった場合であっても、遊技場に不測の不利益が生じることを防止することができる。
その他、第4実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第3実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第5実施形態>
次いで、図53から図56を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、1の可変入賞装置65の大入賞口65a内に右側確変領域73及び左側確変領域74を設け、有効に設定されている確変領域73,74への球の通過に基づいて、大当たり終了後に「確率変動状態」を付与するように構成されている。
ここで、実行中のラウンドより1つ前のラウンドで大入賞口65a内に入賞した球が案内通路72内に残存(滞留)している可能性がある。特に、第2実施形態のように、2つ可変入賞装置65,76を用いて、ラウンド間のインターバル時間が無い(少ない)大当たり遊技を消化する場合、上記事象が頻発する。
しかしながら、上記事象が発生してしまった場合に、確変領域73,74の有効設定は、各ラウンドの開始と同時に行われているため、当初、「確率変動状態」を付与しない大当たり種別に当選しているにも関わらず、前のラウンドで入賞した球が、本来なら通過し得ない有効に設定されている確変領域73,74を通過してしまい、遊技仕様上、想定していない遊技価値が付与され、遊技場に不測の損失が発生するおそれがある。
これに対し、第5実施形態のパチンコ機10では、確変領域73,74の有効設定を、ラウンド開始時ではなく、大入賞口65aが開放されてから所定期間経過した後に行うように構成する。具体的には、大入賞口65aが開放されてから3個目の球の入賞に伴う確変領域ソレノイド73b,74bの駆動と同時に、確変領域73,74の有効設定を行う。
このように構成することで、当初、「確率変動状態」を付与しない大当たり種別に当選しているにも関わらず、前のラウンドで入賞した球が、本来なら通過し得ない有効に設定されている確変領域73,74を通過してしまう事象を発生し難くすることができ、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止することができる。
以下、第5実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第4実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図53を参照して、第5実施形態の大当たり種別「時短A」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図53は、第5実施形態の第1特別図柄の大当たり種別「時短A」の1ラウンド目及び2ラウンド目における大入賞口ソレノイド65c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとの各時間を模式的に示したタイミングチャートである。
第5実施形態の大当たり種別「時短A」では、第1実施形態と同様、計7ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放される。そして、所定条件(第5実施形態では、開放から最大「30秒」経過(図53のMax t1参照。Max t1<「30000ms」。)、又は、大入賞口スイッチ71によって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「時短A」では、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンが「X1」であるため、1ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図53のt2参照。t2=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる(図53のt3参照。t3=「2000ms」。)。第5実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第5実施形態では、「1.5秒」。図53のt4参照。t4<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「時短A」の確変領域73,74の有効パターンは「A」であって、2ラウンド目の右側確変領域73と、5ラウンド目の左側確変領域74とが有効に設定される。よって、1ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。従って、1ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「時短A」の奇数ラウンド(即ち、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、1ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「時短A」の2ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図53のt5参照。t5=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる(図53のt6参照。t6=「2000ms」。)。第1実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.6秒」。図53のt7参照。t7<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
また、第5実施形態では、確変領域73,74を有効に設定する場合、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出されたとき、該当する確変有効フラグ203g,203hをオンに設定するように構成されている。換言すれば、確変領域73,74を有効設定するラウンドであっても、当該ラウンドが開始されてから少なくとも3個の球が大入賞口65a内に流入する期間(図53のt8参照)、確変有効フラグ203g,203hはオフに設定されている。従って、パチンコ機10において、球の発射間隔は「0.6秒」で行われるため、大入賞口65aが開放されてから少なくとも「1.8秒」間は、確変有効フラグ203g,203hをオフのままにしておくことができる。
特に、各ラウンドにおいて大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出されたとき、動作確認のため確変領域開閉板73a,74aを「60ms」開放するように構成されており、この時、前のラウンドの球が案内通路72に残存(滞留)していた場合には、開放された確変領域73,74へ球が流入してしまうおそれがある。
そこで、確変領域73,74の有効設定を、ラウンド開始時ではなく、大入賞口65aが開放されてから所定期間経過した後に行うように構成する。具体的には、大入賞口65aが開放されてから3個目の球の入賞に伴う確変領域ソレノイド73b,74bの駆動と同時に、確変領域73,74の有効設定を行う。このように構成することで、当初、「確率変動状態」を付与しない大当たり種別「時短A」に当選しているにも関わらず、前のラウンド(即ち、1ラウンド目)で入賞した球が、本来なら通過し得ない有効に設定されている確変領域73,74を通過してしまう事象を極力排除することができる。よって、確変領域開閉板73a,74aの動作確認をしつつ、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止することができる。
次に、図54を参照して、第5実施形態の大当たり種別「潜伏確率変動A」の各ラウンド毎における球の検出態様等について説明する。図54は、大当たり種別「潜伏確率変動A」の1ラウンド目乃至3ラウンド目における大入賞口ソレノイド65c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとの各時間を模式的に示したタイミングチャートである。
第5実施形態の大当たり種別「潜伏確率変動A」では、第1実施形態と同様、計7ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放される。そして、所定条件(第5実施形態では、開放から最大「30秒」経過(図54のMax t1参照。Max t1<「30000ms」。)、又は、大入賞口スイッチ71によって球を10個検出、のいずれか一方の事象)が成立した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、1のラウンドが終了する。
また、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンが、大当たり種別「時短A」と同様、「X1」であるため、1ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図54のt2参照。t2=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
このとき、確変有効フラグ203g,203hはいまだオフに設定されているため、仮に、このタイミングで確変領域73,74へ球が流入しても、確変移行フラグ203iのオン条件は成立しない。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる(図54のt3参照。t3=「2000ms」。)。第5実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第5実施形態では、「1.5秒」。図54のt4参照。t4<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、3ラウンド目の右側確変領域73と、6ラウンド目の左側確変領域74とが有効に設定される。よって、1ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。従って、1ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動A」の奇数ラウンド(即ち、3ラウンド、5ラウンド及び7ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、1ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動A」の2ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図54のt5参照。t5=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる(図54のt6参照。t6=「2000ms」。)。第5実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.6秒」。図54のt7参照。t7<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、2ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、2ラウンド目において、左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合であっても、左側確変領域74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動A」の偶数ラウンド(即ち、4ラウンド及び6ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、2ラウンド目と同等である。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動A」の3ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目及び2ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図54のt8参照。t8=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、3ラウンド目において、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる(図54のt9参照。t9=「2000ms」。)。第5実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(即ち、「1.5秒」。図54のt10参照。t10<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、3ラウンド目では右側確変領域73のみが有効である。また、大入賞口65aが開放されてから大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合(図53のt11参照)に、右確変有効フラグ203gがオンに設定される。よって、3ラウンド目において、3カウント目以降の球が右側確変領域73へ流入して右確変領域スイッチ73dによって該球が検知された場合に、右側確変領域73は有効に設定されているため、確変移行フラグ203iがオンに設定される。
よって、第5実施形態の大当たり種別「潜伏確率変動A」では、確変領域73,74の有効設定を大入賞口スイッチ71の3カウント目から開始した場合であっても、確変領域73,74へ3カウント目以降の球を通過させることができる。その結果、有効に設定されている確変領域73,74へ球を通過させることが可能となり、有効に設定されている確変領域73,74への球の通過に伴って確変移行フラグ203iがオンに設定して、該大当たりの終了時に、この確変移行フラグ203iを参照して、「確率変動状態」を付与することができる。
次いで、図55を参照して、第5実施形態の主制御装置110内のMPU201により実行される開放設定処理(S422)について説明する。図55は、第5実施形態の開放設定処理(S422)を示したフローチャートである。第5実施形態の開放設定処理(S422)では、ラウンド開始時には確変有効フラグ203g,203hの処理を行わないように構成されている。
従って、第5実施形態の開放設定処理(S422)では、第1実施形態の開放設定処理(S422)と同様、S431〜S434の処理を行って、大入賞口開放設定を行い(S431)、入賞カウンタに「10」をセットし(S432)、開放時間設定を行って(S433)、開放コマンドを設定する(S434)。
そして、第5実施形態の開放設定処理(S422)は、この段階では確変領域有効テーブル202gを参照せず、このまま開放設定処理(S422)を終了する。従って、ラウンドの開始時には、確変有効フラグ203g,203hはオフに設定されたままとなる。
次いで、図56を参照して、第5実施形態の主制御装置110内のMPU201により実行される開放中処理(S424)について説明する。図56は、第5実施形態の開放中処理(S424)を示したフローチャートである。第5実施形態の開放中処理では、大入賞口65aの開放に伴う球の入賞検知処理や、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉制御処理、又は、開放された右側確変領域73又は左側確変領域74への球の通過検知処理等を実行すると共に、所定数の球が入賞したタイミングで、設定された確変領域有効テーブル202g(図12参照)に基づいて確変領域73,74の有効設定を行う。
第5実施形態の開放中処理(S424)では、S452の処理において、今回の大入賞口スイッチ71のオン検出が3カウント目か否か、即ち、入賞カウンタの値が「7」であるか否かを判別する(S452)。判別の結果、今回の大入賞口スイッチ71のオン検出が3カウント目であると判別された場合は(S452:Yes)、大当たり処理(図26参照)内において大当たり種別に応じて設定された確変領域開閉テーブル202f(図11参照)に基づいて、右確変領域ソレノイド73b又は左確変領域ソレノイド74bを「2000ms」の間、オンに設定し(S453)、右確変領域開閉板73a又は左確変領域開閉板74aのいずれか一方を開放させて、開放されている確変領域73,74へ球を流入可能に構成する。
S453の処理の後、大当たり処理(図26参照)内において大当たり種別に応じて設定された確変領域有効テーブル202g(図12参照)に基づいて、当該ラウンドにおける右確変有効フラグ203g又は左確変有効フラグ203hを設定し(S491)、この開放設定処理(S422)を終了する。この開放設定処理(S422)の終了後は、大入賞口開閉制御処理(図27参照)のS423へ移行する。従って、第5実施形態では、確変有効フラグ203g,203hの有効設定を、大入賞口65aが開放されてから所定期間経過した後に行うことができる。
以上、説明したように、第5実施形態のパチンコ機10によれば、確変領域73,74の有効設定を、ラウンド開始時ではなく、大入賞口65aが開放されてから所定期間経過した後に行うように構成する。具体的には、大入賞口65aが開放されてから3個目の球の入賞に伴う確変領域ソレノイド73b,74bの駆動と同時に、確変領域73,74の有効設定を行う。
このように構成することで、当初、「確率変動状態」を付与しない大当たり種別に当選しているにも関わらず、前のラウンドで入賞した球が、本来なら通過し得ない有効に設定されている確変領域73,74を通過してしまう事象を発生し難くすることができ、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止することができる。
また、確変領域73,74の有効設定を大入賞口スイッチ71の3カウント目から開始した場合であっても、確変領域73,74へ3カウント目以降の球を通過させることができる。その結果、有効に設定されている確変領域73,74へ球を通過させることが可能となり、有効に設定されている確変領域73,74への球の通過に伴って確変移行フラグ203iがオンに設定して、該大当たりの終了時に、この確変移行フラグ203iを参照して、「確率変動状態」を付与することができる。
その他、第5実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第4実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第6実施形態>
次いで、図57を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりにおける1のラウンドにおいて、大入賞口65aが開放開始されてから「30秒」経過するか、大入賞口65aの開放中に球が10個入賞することで、1回の「ラウンド」が実行されるように構成されている。よって、遊技者は、大入賞口65aの開放回数を計数することで、現在のラウンド数を把握可能に構成されている。
また、ラウンド間のインターバルは、大入賞口65aが閉鎖されている状態であり、遊技者は、大当たり遊技において、大入賞口65aの開放中(即ち、ラウンド中)であるのか、インターバル中であるのかを容易に把握することが可能である。
これに対し、第6実施形態のパチンコ機10では、所定のラウンド(第6実施形態では、2ラウンド目及び3ラウンド目)において、1のラウンド内で大入賞口65aを複数回開放(第1開放及び第2開放)すると共に、該ラウンドにおける第1開放と第2開放との間に行われる疑似インターバルの閉鎖時間と、第1開放及び第2開放の開放時間とが同時間となるように実行する(以下、上記開放態様を「特殊開放」と称する)。また、ラウンド間のインターバル時間も、上記開放時間及び閉鎖時間と同時間となるように構成する。そして、上記特殊開放を実行するラウンドの一部において、確変領域73,74の有効設定を行い、有効に設定されている確変領域73,74へ球が通過した場合に、該大当たり終了後に「確率変動状態」を付与するように構成する。
このように構成することで、仮に、遊技者に有効に設定されている確変領域73,74のラウンド数を認識されていた場合であっても、遊技者に現在実行中のラウンド数を把握し難く構成して、「確率変動状態」が発生するか否かを明確に認識できないようにすることができる。よって、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
以下、第6実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第5実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第5実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図57を参照して、第6実施形態の大当たり種別「潜伏確率変動A」の1ラウンド目乃至3ラウンド目における大入賞口ソレノイド65c、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの作動タイミングと、大入賞口スイッチ71、右確変領域スイッチ73d及び左確変領域スイッチ74dにおける球の検知タイミングと、右確変有効フラグ203g、左確変有効フラグ203h及び確変移行フラグ203iの設定タイミングとの各時間を模式的に示したタイミングチャートである。
第6実施形態の大当たり種別「潜伏確率変動A」では、第1実施形態と同様、計7ラウンドの大当たり遊技が実行され、各ラウンド毎の開始時に大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放される。そして、1ラウンド目では、大入賞口65aの開放パターンは通常開放であり、大入賞口65aの開放から最大「30秒」経過(図57のMax t1参照。Max t1<「30000ms」。)、又は、大入賞口スイッチ71によって球を10個検出、のいずれか一方の事象が成立した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、1ラウンド目が終了する。
また、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、右側確変領域73及び左側確変領域74の開閉パターンが、大当たり種別「時短A」と同様、「X1」である。よって、1ラウンド目において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図57のt2参照。t2=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる(図57のt3参照。t3=「2000ms」。)。第6実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第6実施形態では、「1.5秒」。図57のt4参照。t4<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、3ラウンド目の右側確変領域73と、6ラウンド目の左側確変領域74とが有効に設定される。よって、1ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。従って、1ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合であっても、右側確変領域73は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動A」の1ラウンド目における大入賞口65aが閉鎖された場合、次のラウンド(即ち、2ラウンド)が開始されるまで、「3秒」のインターバル時間(図57のt5参照。t5=「3000ms」。)が設けられている。主制御装置110のMPU201(図7参照)は、このインターバル時間が経過したと判断された場合に、2ラウンド目の大入賞口65aの開放を開始する。
次いで、第6実施形態の大当たり種別「潜伏確率変動A」の2ラウンド目において、大入賞口65aの開放態様は特殊開放であり、複数回の開放の内、第1開放が行われ、大入賞口65aの開放から「3秒」経過(図57のt6参照。t6=「3000ms」。)した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、2ラウンド目の第1開放が終了する。
この2ラウンド目の第1開放時において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図57のt7参照。t5=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、2ラウンド目の第1開放の後、疑似インターバルが行われ、大入賞口65aの閉鎖から「3秒」経過(図57のt8参照。t8=「3000ms」。)した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放し、2ラウンド目の疑似インターバルが終了する。
その後、大当たり種別「潜伏確率変動A」の2ラウンド目において、複数回の開放の内、第2開放が行われ、大入賞口65aの開放から「3秒」経過(図57のt9参照。t9=「3000ms」。)した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、2ラウンド目の第2開放が終了して、2ラウンド目が終了する。
この2ラウンド目の第1開放時又は第2開放時に、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、左確変領域ソレノイド74bのみが「2000ms」オンされる(図57のt10参照。t10=「2000ms」。)。第6実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、左側確変領域74に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第6実施形態では、「1.6秒」。図57のt11参照。t11<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている左側確変領域74へ流入可能となり、左確変領域スイッチ74dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、2ラウンド目ではいずれの確変領域73,74も無効であり、右確変有効フラグ203g及び左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、2ラウンド目の第2開放時において、左側確変領域74へ球が通過して左確変領域スイッチ74dによって球が検知された場合であっても、左側確変領域74は有効に設定されていないため、確変移行フラグ203iはオンされずにオフのままとなる。
なお、大当たり種別「潜伏確率変動A」の偶数ラウンド(即ち、4ラウンド及び6ラウンド)において、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bの駆動態様は、2ラウンド目と同等である。また、2ラウンド目の大入賞口65aの第1開放及び第2開放において、該第1開放及び第2開放中に大入賞口スイッチ71によって球を合計10個検出した場合には、2ラウンド目が終了するように構成されている。
次いで、大当たり種別「潜伏確率変動A」の2ラウンド目における大入賞口65aが閉鎖された場合、1ラウンド後のインターバル時間と同様、次のラウンド(即ち、3ラウンド)が開始されるまで、「3秒」のインターバル時間(図57のt12参照。t12=「3000ms」。)が設けられている。主制御装置110のMPU201(図7参照)は、このインターバル時間が経過したと判断された場合に、3ラウンド目の大入賞口65aの開放を開始する。
次いで、第6実施形態の大当たり種別「潜伏確率変動A」の3ラウンド目において、2ラウンド目と同様、大入賞口65aの開放態様は特殊開放であり、複数回の開放の内、第1開放が行われ、大入賞口65aの開放から「3秒」経過(図57のt13参照。t13=「3000ms」。)した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、3ラウンド目の第1開放が終了する。
この3ラウンド目の第1開放時において、大入賞口スイッチ71によって1カウント目の球が検出された場合に、1ラウンド目及び2ラウンド目と同様、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが共に「60ms」オンされ(図57のt14参照。t14=「60ms」。)、該右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に駆動可能か否かを認識可能に構成されている。
そして、3ラウンド目の第1開放の後、疑似インターバルが行われ、大入賞口65aの閉鎖から「3秒」経過(図57のt15参照。t15=「3000ms」。)した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオンされて開閉板65bが開放し、3ラウンド目の疑似インターバルが終了する。
その後、大当たり種別「潜伏確率変動A」の3ラウンド目において、複数回の開放の内、第2開放が行われ、大入賞口65aの開放から「3秒」経過(図57のt16参照。t16=「3000ms」。)した場合に、大入賞口ソレノイド65cがオフされて開閉板65bが閉鎖され、3ラウンド目の第2開放が終了して、3ラウンド目が終了する。
この3ラウンド目の第1開放時又は第2開放時に、大入賞口スイッチ71によって3カウント目の球が検出された場合に、右確変領域ソレノイド73bのみが「2000ms」オンされる(図57のt17参照。t17=「2000ms」。)。第6実施形態のパチンコ機10では、大入賞口スイッチ71によって球が検出されてから、右側確変領域73に到達するのに要する時間は「2秒」以内(第6実施形態では、「1.5秒」。図57のt18参照。t18<「2000ms」。)である。よって、3カウント目の球が開放されている右側確変領域73へ流入可能となり、右確変領域スイッチ73dによって検知される。
このとき、大当たり種別「潜伏確率変動A」の確変領域73,74の有効パターンは「B」であって、3ラウンド目では右側確変領域73のみが有効であり、右確変有効フラグ203gがオンに設定されていると共に、左確変有効フラグ203hがオフに設定されている。よって、3ラウンド目において、右側確変領域73へ球が通過して右確変領域スイッチ73dによって球が検知された場合に、右側確変領域73は有効に設定されているため、確変移行フラグ203iがオンに設定される。
よって、大当たり種別「潜伏確率変動A」では、3ラウンド目(6ラウンド目)で球を検知した確変領域スイッチ73d,74dに対応する確変領域73,74が有効に設定されているため、確変移行フラグ203iがオンに設定される。そして、該大当たりの終了時に、この確変移行フラグ203iを参照して、「確率変動状態」が設定される。
以上、説明したように、第6実施形態のパチンコ機10によれば、所定のラウンド(第6実施形態では、2ラウンド目及び3ラウンド目)において、1のラウンド内で大入賞口65aを複数回開放(第1開放及び第2開放)する特殊開放を実行すると共に、該ラウンドにおける第1開放と第2開放との間に行われる疑似インターバルの閉鎖時間とを、第1開放及び第2開放の開放時間と同時間となるように実行する。また、ラウンド間のインターバル時間も、上記開放時間及び閉鎖時間と同時間となるように構成する。そして、上記特殊開放を実行するラウンドにおいて、確変領域73,74の有効設定を行い、有効に設定されている確変領域73,74へ球が通過した場合に、該大当たり終了後に「確率変動状態」を付与するように構成する。
このように構成することで、仮に、遊技者に有効に設定されている確変領域73,74のラウンド数を認識されていた場合であっても、遊技者に現在実行中のラウンド数を把握し難く構成して、「確率変動状態」が発生するか否かを明確に認識できないようにすることができる。よって、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
その他、第6実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態乃至第5実施形態と同一の構成によって、同一の効果を奏する。
<第7実施形態>
次いで、図58を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。第1実施形態におけるパチンコ機10では、可変入賞装置65から流入した球が通過可能な確変領域として右側確変領域73と左側確変領域74とを設け、上流側に右側確変領域73を配置し、その遊技盤13の正面視左側方向下流側に左側確変領域74を配置している。
これに対し、第7実施形態のパチンコ機10では、可変入賞装置65から流入した球が通過可能な確変領域として、遊技盤13の正面視手前側に手前側確変領域73eを設けると共に、その下流側かつ正面視奥側に奥側確変領域74eを設けるように構成する。そして、2つの確変領域(手前側確変領域73e及び奥側確変領域74e)を、大当たり種別に応じて、大当たりの各ラウンド毎に各確変領域73e,74e毎に設けられた開閉板73f,74fのいずれか一方を開放するように駆動制御すると共に、各確変領域73e,74eの有効又は無効の設定を遊技者に認識できない状態で(内部的に)切り替えるように制御する。そして、大当たり中において、有効に設定されている確変領域73e,74eを球が通過した場合には、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させるように構成する。一方、無効に設定されている確変領域73e,74eを球が通過したとしても、該大当たり終了後に「確率変動状態」を発生させないように構成する。
このように構成することで、各確変領域73e,74eがパチンコ機10の前後方向に重複することで、パチンコ機10の正面側から視認する遊技者にいずれの確変領域73e,74eへ流入したか否かを認識困難にすることができる。特に、確変領域開閉板73f,74fを透明部材により構成することで、いずれの確変領域73e,74eが開放しているか否かを認識し難くすることができる。よって、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、「確率変動状態」であるのか、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるのかを遊技者に認識困難にさせて、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
以下、第7実施形態におけるパチンコ機10について、第1実施形態乃至第6実施形態におけるパチンコ機10と相違する点を中心に説明する。以下の説明では、第1実施形態乃至第6実施形態と同一の要素に同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
図58を参照して、第7実施形態の可変入賞装置65について説明する。図58は、第7実施形態の可変入賞装置65の構成を示す図であり、図58(a)は、第7実施形態の可変入賞装置65の正面視における模式的断面図であり、図58(b)は、図58(a)のA−A線における可変入賞装置65の模式的断面図(断面上面図)である。
図58(a)及び図58(b)で示すように、第7実施形態の可変入賞装置65は、大入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板65bと、その開閉板65bの下辺を軸として前方側に該開閉板65bを開閉駆動するための大入賞口ソレノイド65c(図7参照)と、大入賞口65aに入賞した球を検知する大入賞口スイッチ71と、該大入賞口スイッチ71で検知された球が流下する案内通路72と、該案内通路72の下流側かつ該案内通路から遊技盤13の正面視奥側方向に設けられた手前側確変領域73eと、該手前側確変領域73eの下流側かつ遊技盤13の正面視奥側方向に設けられた奥側確変領域74eと、該奥側確変領域74eの下流側かつ遊技盤13の正面視奥側方向に設けられた最奥排出通路75aとが設けられている。
第7実施形態の案内通路72は、大入賞口65aに流入した球が流下する遊技盤13の断面上面視でクランク状に形成された通路である。この案内通路72には、該案内通路72の下流側かつ遊技盤13の正面視奥行き方向に延びた通路の所定位置に、手前側確変領域73eおよび奥側確変領域74eが設けられていると共に、該手前側確変領域73e及び奥側確変領域74eの下流側かつ遊技盤13の正面視奥側方向に最奥排出通路75aが設けられている。従って、大入賞口65aに流入して案内通路72を流下する球は、手前側確変領域73eを通過するか、奥側確変領域74eを通過するか、最奥排出通路75aを通過することとなる。
第7実施形態のパチンコ機10では、大入賞口65aに流入した球が大入賞口スイッチ71によって検知された後、案内通路72を経て手前側確変領域73eの上方まで到達するまで約「1.5秒」要するように構成されており、また、大入賞口65aに流入した球が大入賞口スイッチ71によって検知された後、案内通路72を経て奥側確変領域74eの上方まで到達するまで約「1.6秒」要するように構成されている。従って、大入賞口スイッチ71によって検知された球は、「2秒」以内には手前側確変領域73e又は奥側確変領域74eに流入可能に構成されている。
手前側確変領域73eは、閉鎖状態(突出状態)でその上面が案内通路72の底面(球の転動面)と面一となるように配設されて、閉鎖状態から開放状態(没入状態)に変位可能に構成された手前確変領域開閉板73fと、該手前確変領域開閉板73fを開閉駆動可能な手前確変領域ソレノイド73g(図示せず)と、手前確変領域開閉板73fの鉛直方向下方側に設けられて球が流下可能な手前確変領域通路73hと、該手前確変領域通路73hの通路内に埋設されて、手前確変領域通路73hを通過する球を検知可能な手前確変領域スイッチ73iと、で構成されている。
ここで、手前側確変領域73eを構成する各部材73f〜73iは、すべて透明素材又は半透明素材(例えば、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等)で形成される。これにより、手前側確変領域73eを通過する球、並びに、その遊技盤13の正面視奥行き方向に配置された奥側確変領域74e(及び最奥排出通路75a)を通過する球を、遊技者が遊技盤13の正面側からそれぞれ視認することが可能となる。
奥側確変領域74eは、閉鎖状態(突出状態)でその上面が案内通路72の底面と面一に配設されて、閉鎖状態から開放状態(没入状態)に変位可能に構成された奥確変領域開閉板74fと、該奥確変領域開閉板74fを開閉駆動可能な奥確変領域ソレノイド74g(図示せず)と、奥確変領域開閉板74fの鉛直方向下方側に設けられて球が流下可能な奥確変領域通路74hと、該奥確変領域通路74hの通路内に埋設されて、奥確変領域通路74hを通過する球を検知可能な奥確変領域スイッチ74iと、で構成されている。
ここで、奥側確変領域74eを構成する各部材74f〜74iは、手前側確変領域73eを構成する各部材73f〜73iと同様、すべて透明素材又は半透明素材(例えば、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等)で形成される。これにより、奥側確変領域74eを通過する球、並びに、その遊技盤13の正面視奥行き方向に配置された最奥排出通路75aを通過する球を、遊技者が遊技盤13の正面側からそれぞれ視認することが可能となる。
また、手前側確変領域73eの手前確変領域開閉板73f、及び、奥側確変領域74eの奥確変領域開閉板74fが各確変領域73e,74eを開放した場合、案内通路72の遊技盤13の正面視左側の側壁内に没入(埋没)するように、手前確変領域ソレノイド73gおよび奥確変領域ソレノイド74gによって駆動される。そして、手前確変領域開閉板73f及び奥確変領域開閉板74fの没入位置の遊技盤13の正面視手前側(遊技者側)に、該手前確変領域開閉板73f及び奥確変領域開閉板74fの没入状態を視認不能に隠蔽する隠蔽部材(図示せず)が配置されている。よって、手前確変領域開閉板73f及び奥確変領域開閉板74fが案内通路72の側壁内に没入している状態を、遊技盤13の正面側に座る遊技者から視認不能にすることで、手前確変領域開閉板73f及び奥確変領域開閉板74fの駆動状態を把握困難にすることができる。
最奥排出通路75aは、大入賞口65aに流入した球が上記手前側確変領域73e又は奥側確変領域74eのいずれにも流入しなかった場合に、該球を可変入賞装置65外(遊技盤13背面側)へ排出するための通路である。
ここで、最奥排出通路75aを構成する各部材は、手前側確変領域73eを構成する各部材73f〜73i、及び、奥側確変領域74eを構成する各部材74f〜74iと同様、すべて透明素材又は半透明素材(例えば、ポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等)で形成されている。これにより、最奥排出通路75aを通過する球を、遊技者が遊技盤13の正面側からそれぞれ視認することが可能となる。
また、手前確変領域開閉板73f、奥確変領域開閉板74f及び最奥排出通路75aを透明素材又は半透明素材により構成されている。よって、各確変領域開閉板73f,74fの位置(駆動態様)を遊技者が認識困難に構成することで、各確変領域開閉板73f,74fによって確変領域73e,74eが開放されているか閉鎖されているかを遊技者に判別し難くすることができる。なお、手前確変領域開閉板73fおよび奥確変領域開閉板74fを有色の樹脂により構成してもよい。
ここで、第7実施形態の可変入賞装置65の大入賞口65a内に流入した球の流入パターンについて説明する。第7実施形態において、大当たりに当選して特別遊技状態が発生した場合に、可変入賞装置65の開閉板65bが開放されて大入賞口65aに球が流入可能となる。そして、手前確変領域開閉板73fが開放状態(没入状態)であって、かつ、奥確変領域開閉板74fが閉鎖状態(突出状態)である場合に、大入賞口65a内に流入した球は、まず、大入賞口スイッチ71によって検知され、その後、案内通路72を流下する。そして、案内通路72の手前側側壁と衝突し、流下方向が遊技盤13の正面視奥行き方向に変化する。その後、手前確変領域開閉板73fが手前確変領域ソレノイド73g(図示せず)によって開放(没入)されていることから、上記球が手前確変領域通路73hへ流入する。その後、該球は、手前確変領域通路73hに埋設された手前確変領域スイッチ73iによって検知される。なお、手前確変領域スイッチ73iによって検知された球は、排出経路(図示せず)によって可変入賞装置65外(遊技盤13背面側)へ排出される。
また、手前確変領域開閉板73fが閉鎖状態(突出状態)であって、かつ、奥確変領域開閉板74fが開放状態(没入状態)である場合に、大入賞口65a内に流入した球は、まず、大入賞口スイッチ71によって検知され、その後、案内通路72を流下する。そして、案内通路72の手前側側壁と衝突し、流下方向が遊技盤13の正面視奥行き方向に変化する。その後、閉鎖状態(突出状態)の手前確変領域開閉板73fの上面を転動し、該手前確変領域開閉板73fの下流側かつ正面視奥側に設けられた奥確変領域開閉板74fが奥確変領域ソレノイド74g(図示せず)によって開放(没入)されていることから、上記球が奥確変領域通路74hへ流入する。その後、該球は、奥確変領域通路74hに埋設された奥確変領域スイッチ74iによって検知される。なお、奥確変領域スイッチ74iによって検知された球は、排出経路(図示せず)によって可変入賞装置65外(遊技盤13背面側)へ排出される。
さらに、手前確変領域開閉板73fおよび奥確変領域開閉板74fが共に閉鎖状態(突出状態)である場合に、大入賞口65a内に流入した球は、まず、大入賞口スイッチ71によって検知され、その後、案内通路72を流下する。そして、案内通路72の手前側側壁と衝突し、流下方向が遊技盤13の正面視奥行き方向に変化する。その後、閉鎖状態(突出状態)の手前確変領域開閉板73fの上面、及び、奥確変領域開閉板74fの上面を転動し、案内通路72の奥側奥壁と衝突し、流下方向が遊技盤13の正面視左側へと変化する。そして、その下流側に設けられた最奥排出通路75aから可変入賞装置65外(遊技盤13背面側)へ排出される。
このように構成することで、手前側確変領域73eと奥側確変領域74e(と最奥排出通路75a)とがパチンコ機10の正面視前後方向(奥行方向)に重複する。一般的に人間の視覚は、平面画像の差分より奥行画像の差分を認識し難いため、手前側確変領域73e及び奥側確変領域74e(及び最奥排出通路75a)を平面的(正面視横方向)に配置した場合に比べて、手前側確変領域73e及び奥側確変領域74e(及び最奥排出通路75a)を正面視前後方向に配置した場合、パチンコ機10の正面側からこの手前側確変領域73e及び奥側確変領域74e(及び最奥排出通路75a)を視認する遊技者にいずれの確変領域73e,74e(又は最奥排出通路75a)へ流入したか否かを認識困難にすることができる。特に、手前確変領域開閉板73fと奥確変領域開閉板74fとを透明部材により構成することで、いずれの確変領域73e,74eが開放しているか否かを認識し難くすることができる。よって、仮に、有効に設定されている確変領域73e,74eを遊技者に認知された場合であっても、球が通過した確変領域73e,74eを遊技者から識別困難にすることができ、「確率変動状態」が付与されたか否かを把握し難くすることできる。その結果、「潜伏確変演出態様」を実行している場合であっても、「確率変動状態」であるのか、「時間短縮状態」又は「通常遊技状態」であるのかを遊技者に認識困難にさせて、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
また、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、上記各実施形態の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。さらに、以下に示す変形例のいずれかの構成に対して、他の1又は複数の変形例の各構成を組み合わせて構成することは当然に可能である。これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<変形例1:片方連続開放(非交互)>
上記実施形態では、大当たり時における各ラウンドにおいて、右側確変領域73と左側確変領域74とを交互に開放していた。これに代えて、いずれか一方の確変領域73,74を連続して開放したり、いずれか一方の確変領域73,74のみを開放するように構成してもよい。このように構成することで、大当たり種別に応じて確変領域73,74の開閉パターンのバリエーションを豊富にして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例2:有効ラウンド数3以上、又は、1のみ>
上記実施形態では、1の大当たり種別におけるいずれかの2つのラウンドで確変領域73,74を有効に設定するように構成していた。これに代えて、確変領域73,74を有効にするラウンド数が3以上の大当たり種別や、確変領域73,74を有効にするラウンド数が1のみの大当たり種別、或いは、確変領域73,74を有効に設定しない大当たり種別を設けるように構成してもよい。このように構成することで、このように構成することで、大当たり種別に応じて確変領域73,74の有効パターンのバリエーションを豊富にして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く又は不可に構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例3:有効フラグをラウンド終了前にオフ>
上記実施形態では、確変有効フラグ203g,203hをオフするタイミングとして、1のラウンドの終了時、即ち、大入賞口65aの閉鎖時に行うように構成されていた。これに対し、確変有効フラグ203g,203hを、1のラウンドの閉鎖時より前のタイミング、即ち、例えば、確変領域ソレノイド73b,74bのオフ時(確変領域73、74の閉鎖時)や、所定数の球のカウント時(例えば、5カウント目等)、或いは、大入賞口65aの開放若しくは確変領域73,74の開放から所定時間経過(例えば、「5秒」等)でオフに設定するように構成してもよい。このように構成することで、確変領域73,74を有効に設定する期間を短くし、例えば、他のラウンドで入賞していた球が可変入賞装置65で滞留することによって本来なら通過し得ない確変領域73,74を球が通過してしまう事象が発生したとしても、確変領域73,74の有効期間を短くすることで、滞留した球が確変領域73,74を通過した段階で確変領域73,74を無効に設定しておくことで、意図しない「確率変動状態」の付与を阻止できる。よって、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止することができる。
<変形例4:ダブルアタッカーにそれぞれ1の特定領域>
上記第2実施形態では、複数の可変入賞装置65,76において確変領域73,74を共用させるように構成されていた。これに代えて、各可変入賞装置65,76に対してそれぞれ1の確変領域73,74を設けるように構成してもよい。このように構成することで、各可変入賞装置65,76内の流路をそれぞれ個別に設計することができ、案内通路72や連通通路77の合流等を踏まえて設計する必要がなくなるので、各可変入賞装置65,76の設計自由度を高めることができる。
<変形例5:全部潜伏大当たり>
上記実施形態では、大当たり種別「確率変動A」に当選した場合に、「確率変動状態」が付与されていることを報知する「確変報知演出態様」を実行するように構成していた。これに対し、すべての大当たり種別で「確率変動状態」が付与されていることを報知しないように構成してもよい。このように構成することで、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を常に創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例6:突確、小当たり>
上記各実施形態において、各特別図柄の抽選において、「15R確変大当たり」、「15R潜伏確変大当たり」、「7R潜伏確変大当たり」、「15R時短大当たり」、「7R時短大当たり」のいずれかの大当たりが付与されるように構成されていた。これに対し、上記大当たりとは異なる大当たり(例えば、所謂「突然確変大当たり(2R確変大当たり)」)や、大当たりとは異なる「小当たり」の抽選を行うように構成してもよい。このように構成することで、大当たりに当選した場合に、遊技者に付与される遊技価値を異ならせることで、遊技にバリエーションを設け、多様な遊技性を実現することで遊技の興趣向上を図ることができる。
特に、特別図柄の抽選において「小当たり」を設けた場合、小当たりに当選したときには、「潜伏確率変動状態」が付与される大当たりと同様又は近似した大入賞口65a等の開閉態様(即ち、「7R潜伏確変大当たり」であれば、該「7R潜伏確変大当たり」と同様に7回大入賞口65aの開閉動作を実行する「7R小当たり」等)とすることで、遊技者に「通常遊技状態」か「潜伏確率変動状態」かを識別困難とする。このように構成することで、いずれの遊技状態かを推測させる遊技性が生まれ、遊技の興趣向上を図ることができる。
なお、「小当たり」とは、大入賞口65a等の開閉が実行されるが、「15R確変大当たり」や「7R潜伏確変大当たり」と異なり、遊技状態の移行が実行されない抽選結果である。
<変形例7:確変示唆演出>
上記実施形態では、「確率変動状態」が付与されていることを「確変報知演出態様」でのみ遊技者に報知するように構成されていた。これに代えて、「確率変動状態」が付与されていること、或いは、付与されることを特殊演出によって遊技者に示唆するように構成してもよい。特殊演出としては、例えば、第3図柄表示装置81において、「確率変動状態」が付与されている状況ほど選択され易く、「確率変動状態」が付与されていない場合には選択され難い特殊キャラクタを所定タイミング(例えば、大当たり中や大当たり終了時、或いは、変動演出中)に現出させたり、有効に設定されている確変領域73,74を通過した場合に出力され易く、無効に設定されている確変領域73,74を通過した場合には出力され難い特殊効果音等の演出を実行する。このように構成することで、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例8:有効設定複数回>
上記実施形態では、大当たりの1のラウンド内において、いずれかの確変領域73,74へ球が流入可能となる開放パターンを1回実行するように構成していた。これに代えて、1のラウンド内において、いずれかの確変領域73,74へ球が流入可能となる開放パターンを2回以上の複数回実行するように構成してもよい。このように構成することで、有効に設定されている確変領域73,74への球の流入機会を増やし、「確率変動状態」を権利を遊技者に付与し易くすることができる。
<変形例9:1ラウンド中のカウント数に応じて有効設定切替>
上記実施形態では、1のラウンドにおいて、いずれか一方の確変領域73,74を有効に設定していた。これに代えて、1のラウンド内に確変領域73,74の有効設定を切り替えるように構成してもよい。具体的には、例えば、2ラウンド目の大入賞口65aの開放時には右側確変領域73を有効に設定し、その後、該2ラウンド目における5カウント目以降に右側確変領域73を無効に設定しつつ左側確変領域74を有効に設定するように構成する。このように構成することで、確変領域73,74の有効パターンのバリエーションを豊富にして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例10:2の確変領域の上流側のみに開閉部材>
上記第1実施形態では、右側確変領域73と左側確変領域74とにそれぞれ開閉板73a,74aを配設し、該開閉板73a,74aを開閉制御することで、確変領域73,74に流入する球を振り分けていた。これに代えて、上流側の確変領域、即ち、右側確変領域73にのみ右確変領域開閉板73aを配設し、該右確変領域開閉板73aが開放中である場合は右側確変領域73へ球が流入するように構成し、右確変領域開閉板73aが閉鎖中である場合は左側確変領域74へ球が流入するように構成する。このように構成することで、左側確変領域74における駆動機構を配設する必要がないので、部品点数を削減して、製造コストを削減することができる。また、可変入賞装置65に入賞した球が必ず左側確変領域74を通過する構成となり、左側確変領域74の下流側の排出通路75を設ける必要がないため、可変入賞装置65の設計自由度を向上することができる。
<変形例11:非電動式振分装置>
上記実施形態では、確変領域73,74近傍に配設された電動式部材(確変領域ソレノイド73b,74b又は確変領域開閉用モータ78a)によって確変領域73,74の開放又は閉鎖を実行して、球が流入する確変領域73,74を変更するように構成していた。これに代えて、非電動式の振分装置(例えば、振分入球口に入球した球を交互振分ユニット64内の左側経路又は右側経路に交互に振り分ける振分装置等)によって、確変領域73,74への球を振分を行うように構成してもよい。このように構成することで、可変入賞装置65における部品点数を少なくすることができると共に、各駆動機構に関する制御が不要になるため、主制御装置110のMPU201の制御負担を軽減することができる。
<変形例12:開閉板上面を転動する時間が異なる>
上記実施形態では、右側確変領域73と左側確変領域74とがそれぞれ閉鎖されていた場合に、該確変領域73,74を閉鎖している確変領域開閉板73a,74aに特段の差が設けられておらず、該確変領域73,74の上面を球が通過する時間に差が生じないように構成されていた。これに対し、一方の確変領域開閉板73a,74aの構成を他方の確変領域開閉板73a,74aの構成と異ならせることで、該確変領域73,74の上面を球が通過する時間に差が生じるように構成してもよい。具体的には、例えば、右確変領域開閉板73aの長さを左確変領域開閉板74aの長さより長くして、該右確変領域開閉板73aの上面を球が転動する時間を、左確変領域開閉板74aの上面を球が転動する時間より長くなるように構成する。このように構成することで、確変領域開閉板73a,74aの開閉タイミングにバリエーションを設けることで、案内通路72内を流下する球が流入する確変領域73,74のバリエーションを豊富にすることができる。
<変形例13:ループタイプ>
上記各実施形態では、いずれの大当たりに当選した場合でも、該大当たり終了後にもれなく所定回数の「確率変動状態」が付与される所謂STタイプの遊技仕様で構成されていた。これに対し、大当たり終了後に、次回の大当たりが発生するまで「確率変動状態」を維持する所謂ループタイプの遊技仕様で構成してもよい。次回の大当たりが確約される所謂ループタイプのパチンコ機において、本発明の構成を適用することにより、有効に設定されている確変領域73,74に球が通過するか否かの遊技性の興趣向上を図ることができる。
<変形例14:3以上の確変領域>
上記実施形態では、案内通路72内に確変領域73,74を2つ設け、大当たり中に大入賞口65aに入賞した球が、いずれか一方の確変領域73,74へ流入するように構成されていた。これに代えて、案内通路72内に3つ以上の確変領域を設け、大入賞口65aに入賞した球がいずれか1の確変領域へ流入するように構成してもよい。このように構成することで、確変領域73,74の流入パターンのバリエーションを豊富にして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例15:駆動量に応じて開閉>
上記第4実施形態では、確変領域開閉用モータ78aを右側確変領域73と左側確変領域74との間に配設し、該確変領域開閉用モータ78aを正転駆動又は逆転駆動させて、確変領域開閉板78cを上記駆動に合わせて案内通路72の上流側又は下流側にそれぞれスライド駆動可能に構成していた。これに代えて、確変領域開閉用モータ78aを右側確変領域73の上流側に配設し、該確変領域開閉用モータ78aを一方向(右回転)のみ可能に構成すると共に、該確変領域開閉用モータ78aの駆動量を複数パターン設けてもよい。そして、確変領域開閉用モータ78aを第1駆動量(例えば、60パルス)駆動した場合には、左側確変領域74のみを開放し、第1駆動量より多い第2駆動量(例えば、120パルス)駆動した場合には、右側確変領域73及び左側確変領域74を共に開放する。このように構成することで、1の駆動機構78の駆動量によって確変領域73,74へ流入する球を振り分けることができると共に、1方向しか駆動し得ないモータでも上記振り分けが可能となり、安価なコストで本発明の遊技性を実現することができる。
<変形例16:開閉板のつるべの動き>
上記第4実施形態では、確変領域開閉用モータ78aを右側確変領域73と左側確変領域74との間に配設し、該確変領域開閉用モータ78aを正転駆動又は逆転駆動させて、確変領域開閉板78cを上記駆動に合わせて案内通路72の上流側又は下流側にそれぞれスライド駆動可能に構成していた。これに代えて、駆動用ソレノイド(又は駆動用モータ)と、該駆動用ソレノイドと連結された1の開閉板とを設け、駆動用ソレノイドがオフ時に開閉板が右側確変領域73を開放すると共に左側確変領域74を閉鎖する一方、駆動用ソレノイドがオン時に開閉板が右側確変領域73を閉鎖すると共に左側確変領域74を開放するように構成してもよい。このように構成することで、1の駆動機構78の駆動によって確変領域73,74へ流入する球を振り分けることができ、安価なコストで本発明の遊技性を実現することができる。
<変形例17:1ラウンド中に疑似インターバル複数>
上記第6実施形態では、1のラウンド中において疑似インターバル時間を1回設けるように構成されていた。これに代えて、1のラウンド中において疑似インターバル時間を複数回設けるように構成してもよい。換言すれば、1のラウンド中において疑似インターバル時間を複数回設けた場合に、該ラウンドにおいて可変入賞装置65が開放される回数を3回以上としてもよい。このように構成することで、遊技者に現在実行中のラウンド数をより把握し難くすることができる。
<変形例18:左打ちで入賞する可変入賞装置と右打ちで入賞する第2可変入賞装置>
上記第2実施形態では、2つの可変入賞装置65,76を遊技領域の右側にそれぞれ配設していた。これに代えて、遊技領域の中央に1の可変入賞装置を配設すると共に、遊技領域の右側に他方の可変入賞装置を配設し、左打ち又は右打ちによって入賞し得る可変入賞装置を異なるように構成してもよい。
<変形例19:2の可変入賞装置で一方のみが開放する大当たり>
上記第2実施形態では、大当たり時において、各大当たり種別に応じて2つの可変入賞装置65,76を交互に開放するように構成していた。これに対し、2の可変入賞装置65,76を配置した場合でも、いずれか1の可変入賞装置65,76のみを開放する大当たり種別を設けるように構成してもよい。
<変形例20:疑似インターバル時間の同一性>
上記第6実施形態では、大当たりのラウンド間のインターバル時間と、ラウンド中に疑似的に閉鎖する疑似インターバルの閉鎖時間とを同時間となるように構成していた。これに対し、大当たりのラウンド間のインターバル時間と、ラウンド中に疑似的に閉鎖する疑似インターバルの閉鎖時間とを、遊技者に各時間を識別困難な時間(態様)であれば、如何様な時間(態様)であってもよい。具体的には、大当たりのラウンド間のインターバル時間が2秒であって場合に、疑似インターバルの時間を1秒から3秒の間に設定したり、大当たりのラウンド間のインターバル時間を複数の時間(例えば、1秒又は2秒)で実行し、疑似インターバル時間も上記複数の時間と同等の時間(例えば、1秒又は2秒)で実行する。このように構成することで、実行中のラウンド数を遊技者に把握し難くすることができ、確変領域73,74が有効に設定されているラウンドが認識された場合であっても、確率変動状態が付与されるか否かを把握し難く構成することができる。
<変形例21:片方連続有効(非交互)>
上記実施形態では、大当たり時における各ラウンドにおいて、右側確変領域73と左側確変領域74とを交互に有効設定していた。これに代えて、いずれか一方の確変領域73,74を連続して有効設定したり、いずれか一方の確変領域73,74のみを有効設定するように構成してもよい。このように構成することで、大当たり種別に応じて確変領域73,74の有効パターンのバリエーションを豊富にして、遊技者にいずれの大当たり種別に当選しているかを認識し難く(不可に)構成し、いずれの遊技状態で遊技を行っているのか遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる。
<変形例22:1の大入賞口に1の特定領域の有効無効>
上記第1実施形態では、1の可変入賞装置65において、2の確変領域73,74を設け、大当たりのラウンド毎に各確変領域73,74のいずれか一方を有効に設定し、他方を無効に設定していた。これに対し、1の可変入賞装置65において、1の確変領域を設け、大当たりのラウンド毎に該確変領域を有効に設定又は有効に設定し、有効に設定された確変領域を球が通過した場合に確率変動状態を発生するように構成してもよい。
<変形例23:有効設定ラウンドが固定>
上記第1実施形態では、1の可変入賞装置65において、2の確変領域73,74を設け、大当たり種別に基づいてラウンド毎に各確変領域73,74のいずれか一方を有効に設定し、他方を無効に設定していた。これに対し、すべての大当たりにおいて確変領域73,74が有効となるラウンドを固定的に構成し、確変領域開閉板73a,74aの開閉パターンのみを異ならせて、確率変動状態を付与し得るように構成してもよい。
<変形例24:特図2の開閉パターンが複数>
上記第1実施形態では、第2特別図柄における大当たり種別において、遊技者に確率変動状態が付与されているか否かを困難にするための確変領域73,74の開閉パターンを1種類(即ち、「時短C」及び「潜伏確率変動C」の開閉パターン「Y2」)のみで構成していた。これに対し、第2特別図柄においても、第1特別図柄と同様、「Y2」の開閉パターンと異なる開閉パターン(例えば、「X2」に対応する「Y3」)の大当たり種別(例えば、「時短D」及び「潜伏確率変動D」)を設け、遊技者に有効に設定されている確変領域73,74を球が通過したか否かの判別を困難に構成してもよい。
<変形例25:いずれの確変領域も閉鎖した状態のパターン>
上記第1実施形態では、大当たりにおいて、いずれか一方の確変領域73,74が必ず開放されるように構成されていた。これに対し、両確変領域73,74がともに閉鎖されているような開閉パターン(閉鎖パターン)を設けてもよい。
<変形例26:連通路無しダブルアタッカー>
上記第2実施形態では、2の可変入賞装置65,76を設け、その内部を連通通路77で連通させていた。これに対し、1の可変入賞装置の開閉板の直上(直下)に他の可変入賞装置の開閉板を設け、各開閉板から流入した球が直ちに合流するような2の可変入賞装置を設けるように構成してもよい。このように構成することで、連通通路の構成が不要となり、2の可変入賞装置を設けた場合における設置スペースの縮小化や製造コストの削減を実現することができる。
<変形例27:電チュー式のアタッカー>
上記第1実施形態では、通常時には開閉板65bが閉鎖されていることでその内部に設けれれた大入賞口65aへ球が入賞せず、大当たりに基づいて開閉板65bが開放することよってその内部に設けられた大入賞口65aに球が入賞する可変入賞装置65内に確変領域73,74を設け、有効に設定されている確変領域73,74を球が通過した場合に、確率変動状態を付与するように構成していた。これに対し、回動時に球が入賞し易く、非回動時には球が回動時より入賞し難い所謂電チュータイプの可変入賞装置を設け、その内部に確変領域73,74を設けるように構成してもよい。なお、通常時には、確変領域73,74を閉鎖したり、無効設定にすることで、有効に設定されている確変領域73,74を球が通過しないように構成することで、通常時に球が入賞し得た場合であっても、確率変動状態を付与しないようにすることができる。
<変形例28:可変入賞装置65と確変領域が別体>
上記第1実施形態では、可変入賞装置65内に確変領域73,74を設けるように構成していた。これに対し、可変入賞装置65とは別体の遊技盤13の背面側の機構(例えば、入賞球を集合させる集合経路板)に確変領域73,74を配置するように構成してもよい。このように構成することで、可変入賞装置65および確変領域73,74の設計自由度を向上させることができる。
<変形例29:第7実施形態の確変領域1つバージョン>
上記第7実施形態では、可変入賞装置65内に、手前側確変領域73eと奥側確変領域74eとを配設し、それぞれに球が通過し得るように構成して、いずれか一方の確変領域73e,74eを有効に設定しつつ、他方の確変領域74e,73eを無効に設定し、有効に設定された確変領域73e,74eに球が通過した場合に確率変動状態を付与するように構成していた。これに対し、可変入賞装置65内に手前側確変領域73eのみを配置し、その正面視奥側に最奥排出通路75aを配設するように構成してもよい。このように構成することで、1の開閉板73fのみであっても、手前側確変領域73eと最奥排出通路75aとが遊技盤13の正面視で重複することで、手前側確変領域73eが開放されて、該手前側確変領域73eを球が通過したか、最奥排出通路75aを球が通過したかを遊技者に認識し難くすることができる。
<変形例30:第7実施形態の最奥排出通路無しバージョン>
上記第7実施形態では、可変入賞装置65内に、手前側確変領域73e、奥側確変領域74eおよび最奥排出通路75aを設け、可変入賞装置65に流入した球がいずれかの領域又は通路に流入するように構成していた。これに対し、最奥排出通路75aをなくして、手前側確変領域73e又は奥側確変領域74eのいずれか一方に球が流入するように構成してもよい。この場合、各確変領域73e,74eを閉鎖する開閉板として、一方の確変領域73e,74eを閉鎖しているときには、他方の確変領域74e,73eを開放する開閉板であることが望ましい。このように構成することで、可変入賞装置65に流入した球をいずれかの確変領域73e,74eに流入させることができるとともに、必ずいずれかの確変領域73e,74eを経て大入賞口65a内から排出されるように構成することができる。
<変形例31:排出通路を開閉>
上記実施形態では、確変領域73,74にそれぞれ開閉板73a,74aを設け、該開閉板73a,74aを開閉することで、確変領域73e,74eへ球が流入するか否かを制御していた。これに対し、排出通路75を確変領域73,74の上流側(手前側)に設け、該排出通路75に開閉板を配設するように構成してもよい。この場合、開閉板が開放状態の場合は、排出通路75を球が流下する一方、開閉板が閉鎖状態の場合は、排出通路75へ球が流下せず、その下流側の確変領域73,74を流下することとなる。
上記実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置114に音声ランプ制御装置113を接続して、表示制御装置114から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置113に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置113と表示制御装置114とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。これらを1つの制御装置とすることで、部品点数が削減でき、パチンコ機のコスト増加を抑制することができる。
上記実施形態では、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cへの入球(始動入賞)を契機として保留され実行される第3図柄(特別図柄)の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かを、実行図柄及び保留図柄において「保留変化予告」を行う場合について説明した。これに対し、普通図柄ゲート67を球が通過したこと(始動入賞)を契機として保留され実行される普通図柄の可変表示の中に当たり(「○」の図柄で停止)となるものがあるか否かを、普通図柄保留ランプ84や第3図柄表示装置81等を用いて、第3図柄の変動演出中に大当たりとなる変動演出があるか否かとあわせて、又は、その代わりに、遊技者に報知してもよい。これにより、保留中の普通図柄の可変表示の中に、又は、実行中および保留中の普通図柄の可変表示の中に、当たりとなる可変表示があるか否かを遊技者が把握できる。よって、普通図柄の可変表示の実行前に普通図柄が当たりとなるか否かを推測できる。遊技機の中には、普通図柄の当たりの有無にて遊技性を高めているものがあり、そのような遊技機において特に有効である。
上記実施形態では、デモ演出が「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動演出で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記実施形態では、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出の1形態である「保留変化予告」を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、パチンコ機10に第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、「保留変化予告」又は「保留変化予告」とは異なって複数の変動演出に跨って実行される連続予告演出(以下、「保留変化予告」を含めて「連続予告演出」という)を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する各可動役物とは異なる役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29〜33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および特別図柄表示装置37)において変動演出(動的表示)が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29〜33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29〜33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるので、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29〜33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29〜33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
なお、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29〜33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29〜33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(「15R確変大当たり」、「15R潜伏確変大当たり」、「15R時短大当たり」、「7R潜伏確変大当たり」、「7R時短大当たり」、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
上記実施形態において、主制御装置110は、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cへの入賞(始動入賞)があった場合に、「1」加算された保留球数を音声ランプ制御装置113へ通知する保留球数コマンドに対して、該始動入賞に伴いカウンタ用バッファ203cより取得された各カウンタC1〜C3,CS1をそのまま含めて、音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、保留球数コマンドに含めるカウンタの種類は、カウンタC1〜C3,CS1の一部であってもよいし、その他のカウンタの値を含めてもよい。また、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を通知する場合に、これらの各カウンタの値を示す情報を保留球数コマンドに含めて通知するのではなく、保留球数コマンドとは別のコマンドに各カウンタの値を示す情報を含めて、これらの値を音声ランプ制御装置113に対して通知してもよい。別のコマンドとしては、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する専用のコマンドであってもよいし、変動パターンコマンドや停止図柄コマンド等、別の情報を音声ランプ制御装置113へ通知するためのコマンドに、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値が加えられたものであってもよい。別のコマンドとして、始動入賞に伴って取得した各カウンタの値を音声ランプ制御装置113へ通知する場合、該コマンドに、その通知する各カウンタの値が、いずれの保留回数に対応する変動演出に係るものであるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113は、該コマンドに含まれる保留回数に関する情報に基づいて、その保留回数に対応する保留情報第1〜第4エリアのいずれかのエリアに、該コマンドに含まれる各カウンタの値を格納することができる。
上記実施形態においては、特図1入賞口64bおよび特図2入賞口64cへの入賞、並びに、普通図柄ゲート67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、特図1入賞口64b又は特図2入賞口64cへの入賞に基づく変動演出の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、特別図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記実施形態に示すように、第3図柄の変動表示である変動演出は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、図柄の変動表示としては、図柄の変動演出に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄列Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄列Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄列Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<A群:特定領域の有効・無効を切り替え>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域を設け、該特別領域を開閉部材等で開閉制御し、遊技球が上記特別領域を通過した場合に、上記有利状態に基づく所定の遊技価値とは異なる第2有利状態に基づく特別遊技価値を発生させるパチンコ機がある。
また、上記パチンコ機では、例えば、第2有利状態が発生する場合であっても、該第2有利状態が発生するか否かを遊技者に報知せずに、第2有利状態が発生しない通常報知態様を実行するものがある。即ち、遊技者に対して第2有利状態が発生しないかのような演出を実行し、遊技者に第2有利状態が付与されるか否かを推測する遊技性を創出して、遊技の興趣を向上している(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、特別領域を遊技球が通過した場合に、もれなく第2有利状態を発生させる構成であるため、特別領域を遊技球が通過したことを遊技者が視認した段階で、第2有利状態が発生することを遊技者に認識されてしまう。このため、特別領域への遊技球の通過による第2有利状態の発生を遊技者に認識された後に、通常報知態様を実行してしまうと、想定していた遊技の興趣を遊技者に与えることができず、むしろ、遊技に対して興醒めしてしまうおそれがあり、この点について未だ改良の余地がある。
A群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、特図1入賞口64b)と、
該入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
該判定手段の判定結果を使用することにより、遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、大当たり終了処理(S415))と、
該遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、該遊技状態を遊技者に示唆する状態示唆報知(例えば、「確変報知演出態様」)を実行する報知手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態とする有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
前記可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域(例えば、右側確変領域73及び左側確変領域74)と、を備えた遊技機において、
前記遊技状態変更手段は、
前記有利状態手段による前記有利状態と異なる第2有利状態を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203i)、を備え、
前記有利状態手段は、
前記特別領域を有効にするか否かを切り替える特別領域切替手段(例えば、右確変有効フラグ203g又は左確変有効フラグ203hのオン)、を備え、
前記第2有利状態手段は、
該特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生する一方、
前記特別領域切替手段によって有効に設定されていない前記特別領域を遊技球が通過した場合には、前記第2有利状態を発生しないように構成され、
前記報知手段は、
前記特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過したタイミングでは前記第2有利状態に対応する前記状態示唆報知を実行しない示唆報知非実行手段(例えば、「潜伏確率変動A」の当選に基づく「潜伏確変演出態様」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定され、判定手段の判定結果を使用することによって、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更され、遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、報知手段により、遊技状態を遊技者に報知する状態示唆報知が実行される。また、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態とする有利状態とされる。また、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域が設けられる。ここで、遊技状態変更手段に設けられた第2有利状態手段により、有利状態手段による有利状態と異なる第2有利状態が発生し得る。また、有利状態手段に設けられた特別領域切替手段により、特別領域を有効にするか否かが切り替えられる。そして、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生される一方、特別領域切替手段によって有効に設定されていない特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生されないように構成されている。そして、報知手段に設けられた示唆報知非実行手段により、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過したタイミングでは第2有利状態に対応する状態示唆報知が実行されない。即ち、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないようにすることができるとともに、有効に設定された特別領域を遊技球が通過したとしても、そのタイミングで第2有利状態が発生する旨が遊技者に示唆されない。これにより、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。そして、示唆報知非実行手段により、有効に設定された特別領域を遊技球が通過したタイミングでは第2有利状態に対応する状態示唆報知を実行せず、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A0において、
前記有利状態手段は、
1の前記有利状態において、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態にする単位遊技(例えば、1のラウンド)を複数回実行する単位遊技実行手段(例えば、大当たり処理(S103))、を備え、
前記特別領域切替手段は、
少なくともいずれか1の前記単位遊技において、前記特別領域を有効にする単位遊技有効手段(例えば、「潜伏確率変動B」の2ラウンド目)と、
該単位遊技有効手段によって、前記特別領域が有効であることを示唆しない有効示唆非実行手段(例えば、確変領域73,74の有効設定の非報知)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、遊技機A0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた単位遊技実行手段により、1の有利状態において、可変入球手段を第1状態から第2状態にする単位遊技が複数回実行される。そして、特別領域切替手段に設けられた単位遊技有効手段より、少なくともいずれか1の単位遊技において、特別領域が有効とされ、同じく特別領域切替手段に設けられた有効示唆非実行手段により、単位遊技有効手段によって特別領域が有効であることが示唆されない。これにより、有利状態における単位遊技のいずれかにおいて特別領域が有効となり、該有効であることが示唆されない中で、該単位遊技中に特別領域へ遊技球を流入させることで、第2有利状態を発生させることができる。よって、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A1において、
前記特別領域は、
前記第1特別領域(例えば、右側確変領域73)と、
該第1特別領域と異なる第2特別領域(例えば、左側確変領域74)と、を備え、
前記特別領域切替手段は、
所定の前記単位遊技において、前記第1特別領域又は前記第2特別領域のいずれか一方を有効にし、他方を有効にしない
ことを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域として、第1特別領域と、その第1特別領域と異なる第2特別領域とが備えられ、特別領域切替手段により、所定の単位遊技において、第1特別領域又は第2特別領域のいずれか一方が有効とされ、他方が有効とされないように構成される。これにより、複数の特別領域の有効パターンを設けることで、有効に設定されている第1特別領域又は第2特別領域を分かり難くすることができ、その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A0からA2のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させ得る前記第1抽選結果(例えば、「潜伏確率変動A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第1抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させる有効時通過手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオン)と、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させない前記第2抽選結果(例えば、「時短A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第2抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させない通過阻止手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオフ)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A0からA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた有効時通過手段により、第1抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させるように構成される。一方、判定手段によって第2有利状態を発生させない第2抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた通過阻止手段により、第2抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないように構成される。即ち、第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を発生させる一方、第2有利状態を発生させない第2抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させないようにすることで、第2有利状態を発生させない。これにより、有効である特別領域へ遊技球を通過させるか否かにより第2有利状態を発生させつつ、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないように構成することで、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A3において、
前記第1特別領域を開閉する第1開閉手段(例えば、右確変領域開閉板73a)と、
前記第2特別領域を開閉する第2開閉手段(例えば、左確変領域開閉板74a)と、を備え、
前記有効時通過手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記2特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1開閉手段により、第1特別領域が開閉され、第2開閉手段により、第2特別領域が開閉される。そして、有効時通過手段により、特別領域切替手段によって第1特別領域が有効である場合に、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入され、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合に、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させる場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を適切に発生させることができる、という効果がある。
遊技機A4において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を閉鎖して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させないと共に、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を閉鎖して、前記2特別領域へ遊技球を流入させない
ことを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過阻止手段により、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、第1開閉手段を閉鎖して第1特別領域へ遊技球が流入されない。また、同じく通過阻止手段により、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、第2開閉手段を閉鎖して第2特別領域へ遊技球が流入されない。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないことで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A4又はA5において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記第2特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4又はA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過阻止手段により、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。また、同じく通過阻止手段により、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効でない特別領域へ遊技球を通過させることで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A3からA6のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段による判定結果を使用して、前記単位遊技毎に、前記特別領域を有効にするか否かを決定する有効パターン決定手段(例えば、確変領域有効テーブル202g)と、
前記判定手段による判定結果を使用して、前記単位遊技毎に、前記特別領域へ遊技球を流入させるか否かを決定する開閉パターン決定手段(例えば、確変領域開閉テーブル202f)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記開閉パターン決定手段による前記特別領域の開閉パターンを同一にする開閉パターン同一手段(例えば、開閉パターン「X1」)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記有効パターン決定手段による前記特別領域の有効パターンを異ならせる有効パターン不一致手段(例えば、有効パターン「A」と「B」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A3からA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2有利状態手段に設けられた有効パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用して、単位遊技毎に、特別領域を有効にするか否かが決定される。また、同じく第2有利状態手段に設けられた開閉パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用して、単位遊技毎に、特別領域へ遊技球を流入させるか否かが決定される。そして、開閉パターン同一手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、開閉パターン決定手段による特別領域の開閉パターンが同一とされ、有効パターン不一致手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、有効パターン決定手段による特別領域の有効パターンが異ならせる。これにより、特別領域の開閉パターンを第1抽選結果と第2抽選結果とで同一にして、開閉パターンのみでは抽選結果の識別できないようにしつつ、第1抽選結果と第2抽選結果とで特別領域の有効パターンを異ならせることで、第2有利状態が発生するか否かを認識し難く構成し、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A3からA7のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果及び前記第2抽選結果を表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記表示手段による表示結果によって前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果を識別困難にする結果識別困難手段(例えば、「時短C」の表示パターンが127種類、かつ、「潜伏確率変動C」の表示パターンが127種類であって、それぞれの表示パターンが8個のLEDによる規則性を有さない無作為なパターン)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A3からA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段により、第1抽選結果及び第2抽選結果が表示され、結果識別困難手段により、表示手段による表示結果によって第1抽選結果又は第2抽選結果を識別困難に構成される。これにより、第1抽選結果及び第2抽選結果を表示しても、いずれの抽選結果であるかを識別困難に構成することで、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができず、かつ、表示手段の表示結果でも第2有利状態が発生するか否かを認識できない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A0からA8のいずれかにおいて、
前記特別領域は、
遊技者から視認可能な位置に配設される
ことを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A0からA8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から視認可能な位置に特別領域が配設される。これにより、特別領域を遊技球が通過したことを遊技者に視認させ、第2有利状態が発生するか否かを推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機A4からA9のいずれかにおいて、
前記第1開閉手段及び/又は前記第2開閉手段は、
透明又は半透明素材により形成されている
ことを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A4からA9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1開閉手段及び/又は第2開閉手段が、透明又は半透明素材により形成される。これにより、第1開閉手段及び/又は第2開閉手段の駆動態様が遊技者によって判別し難くなるので、第1開閉手段が開放されて第1特別領域へ流入し得る状況か、第2開閉手段が開放されて第2特別領域へ流入し得る状況かを認識し難くすることができる。その結果、各特別領域への流入パターンを事前に認識し難くなり、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<B群:ダブルアタッカー×確変領域>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域を設け、該特別領域を開閉部材等で開閉制御し、遊技球が上記特別領域を通過した場合に、上記有利状態に基づく所定の遊技価値とは異なる第2有利状態に基づく特別遊技価値を発生させるパチンコ機がある。
また、上記パチンコ機では、例えば、第2有利状態が発生する場合であっても、該第2有利状態が発生するか否かを遊技者に報知せずに、第2有利状態が発生しない通常報知態様を実行するものがある。即ち、遊技者に対して第2有利状態が発生しないかのような演出を実行し、遊技者に第2有利状態が付与されるか否かを推測する遊技性を創出して、遊技の興趣を向上している(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、特別領域を遊技球が通過した場合に、もれなく第2有利状態を発生させる構成であるため、特別領域を遊技球が通過したことを遊技者が視認した段階で、第2有利状態が発生することを遊技者に認識されてしまう。このため、特別領域への遊技球の通過による第2有利状態の発生を遊技者に認識された後に、通常報知態様を実行してしまうと、想定していた遊技の興趣を遊技者に与えることができず、むしろ、遊技に対して興醒めさせてしまうおそれがあり、この点について未だ改良の余地がある。
B群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、特図1入賞口64b)と、
該入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
該判定手段の判定結果を使用することにより、遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、「通常遊技状態」から「潜伏確率変動状態」)と、
該遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、該遊技状態を遊技者に示唆する状態示唆報知(例えば、「確変報知演出態様」)を実行する報知手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とにそれぞれ変化可能な第1可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)及び第2可変入球手段(例えば、第2可変入賞装置76)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第1可変入球手段及び前記第2可変入球手段の一方又は両方を前記第1状態から前記第2状態とする有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり時における大入賞口65a及び第2大入賞口76aの開放)と、
前記第1可変入球手段及び前記第2可変入球手段に流入した遊技球が通過可能な特別領域(例えば、右側確変領域73及び左側確変領域74)と、を備えた遊技機において、
前記遊技状態変更手段は、
前記有利状態手段による前記有利状態と異なる第2有利状態を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、「確率変動状態」の発生)、を備え、
前記有利状態手段は、
前記特別領域を有効にするか否かを切り替える特別領域切替手段(例えば、右確変有効フラグ203g又は左確変有効フラグ203hのオン)、を備え、
前記第2有利状態手段は、
該特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生する一方、
前記特別領域切替手段によって有効に設定されていない前記特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生しないように構成され、
前記報知手段は、
前記特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過したタイミングでは前記第2有利状態に対応する前記状態示唆報知を実行しない示唆報知非実行手段(例えば、「潜伏確率変動A」の当選に基づく「潜伏確変演出態様」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定され、判定手段の判定結果を使用することによって、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更され、遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、報知手段により、遊技状態を遊技者に報知する状態示唆報知が実行される。また、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な第1可変入球手段及び第2可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、第1可変入球手段及び第2可変入球手段の一方又は両方が前記第1状態から前記第2状態とする有利状態とされる。また、第1可変入球手段及び第2可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域が設けられる。ここで、遊技状態変更手段に設けられた第2有利状態手段により、有利状態手段による有利状態と異なる第2有利状態が発生し得る。ここで、有利状態手段に設けられた特別領域切替手段により、特別領域を有効にするか否かが切り替えられる。そして、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生される一方、特別領域切替手段によって有効に設定されていない特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生されないように構成されている。そして、報知手段に設けられた示唆報知非実行手段により、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過したタイミングでは第2有利状態に対応する状態示唆報知が実行されない。即ち、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないようにすることができるとともに、有効に設定された特別領域を遊技球が通過したとしても、そのタイミングで第2有利状態が発生する旨が遊技者に示唆されない。これにより、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、示唆報知非実行手段により、第2有利状態に対応する状態示唆報知を実行せず、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。また、2の可変入球手段の開放閉鎖と2の特別領域の有効又は無効との組み合わせによって第2有利状態を付与することで、各組み合わせのバリエーションを事前に把握していないと第2有利状態が発生することを認識することができない。その結果、第2有利状態が発生するか否かを認識し難くすることができ、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0において、
前記有利状態手段は、
1の前記有利状態において、前記第1可変入球手段又は前記第2可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態にする単位遊技(例えば、1のラウンド)を複数回実行する単位遊技実行手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
該単位遊技実行手段によって、所定の前記有利状態において前記単位遊技が実行される毎に、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とを交互に間断なく前記第2状態にする交互入球手段(例えば、インターバル時間無しで可変入賞装置65と第2可変入賞装置76を開放)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機B0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた単位遊技実行手段により、1の有利状態において、第1可変入球手段又は第2可変入球手段を第1状態から第2状態にする単位遊技が複数回実行される。そして、単位遊技実行手段によって、所定の有利状態において単位遊技が実行される毎に、有利状態手段に設けられた交互入球手段により、第1可変入球手段と第2可変入球手段とが交互に間断なく第2状態とされる。
従来より、1の可変入球手段の開放又は閉鎖によって有利状態を消化する場合に、可変入球手段の閉鎖に伴うインターバル時間を設ける必要があり、有利状態の消化に時間を要してしまい、遊技が間延びして、遊技者が興醒めしてしまうおそれがあり、この点について未だ改良の余地がある。
これに対し、遊技機B1によれば、交互入球手段により、所定の有利状態の単位遊技毎に第1可変入球手段と第2可変入球手段とを交互に間断なく第2状態とし、可変入球手段の閉鎖に伴うインターバル時間をなくすことができる。よって、有利状態を迅速に消化することができ、遊技が間延びすることがないので、遊技者が興醒めしてしまうことを防止することができる、という効果がある。また、2の可変入球手段の開放閉鎖と2の特別領域の有効又は無効との組み合わせによって第2有利状態を付与することで、各組み合わせのバリエーションを事前に把握していないと第2有利状態が発生することを認識することができない。その結果、迅速に行われる有利状態において、遊技者の思考時間を少なくしつつ、第2有利状態が発生するか否かを認識し難くすることができ、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0又はB1において、
前記第1可変入球手段に流入した遊技球を流下させる第1流路(例えば、案内通路72)と、
前記第2可変入球手段に流入した遊技球を流下させる第2流路(例えば、連通通路77)と、
前記第1流路と前記第2流路とを前記特別領域の上流側で合流させる合流手段(例えば、合流部77a)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B0又はB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路により、第1可変入球手段に流入した遊技球が流下され、第2流路により、第2可変入球手段に流入した遊技球が流下され、合流手段により、第1流路と第2流路とが特別領域の上流側で合流される。これにより、第1可変入球手段に流入した遊技球と、第2可変入球手段に流入した遊技球とが、共に特別領域へ流入可能となる。このように構成することで、各可変入球手段毎にそれぞれ特別領域を設ける必要がないので、遊技機における部品点数を少なくし、製造コストを削減することができる、という効果がある。
遊技機B1又はB2において、
前記交互入球手段は、
1の前記有利状態が現出し、その後、所定期間(例えば、「確率変動状態」中又は「時間短縮状態」中、即ち、第2特別図柄での大当たり)内に新たな前記有利状態が現出した場合に、前記単位遊技が実行される毎に、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とを交互に間断なく前記第2状態にする
ことを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、交互入球手段により、1の有利状態が現出し、その後、所定期間内に新たな有利状態が現出した場合に、単位遊技が実行される毎に、第1可変入球手段と第2可変入球手段とが交互に間断なく第2状態とされる。
従来、所定期間内に有利状態が連続して発生しているような状況(所謂、連荘中)において、遊技者は迅速な遊技を所望しており、そのような状況において有利状態中の可変入球手段の閉鎖に伴うインターバル時間で時間を要してしまうと、遊技者が遊技に興醒めし易くなるおそれがある。
これに対し、遊技機B3によれば、所定期間内に新たな有利状態が現出した場合に、単位遊技が実行される毎に、第1可変入球手段と第2可変入球手段とが交互に間断なく第2状態とし、迅速に有利状態を消化することができる。よって、連続して有利状態が発生している状況において、第1可変入球手段と第2可変入球手段とを間断なく交互に第2状態とし、遊技者が所望している迅速な遊技を実現することができ、遊技に対して興醒めすることを防止し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。また、2の可変入球手段の開放閉鎖と2の特別領域の有効又は無効との組み合わせによって第2有利状態を付与することで、各組み合わせのバリエーションを事前に把握していないと第2有利状態が発生することを認識することができない。その結果、迅速に行われる有利状態において、遊技者の思考時間を少なくしつつ、第2有利状態が発生するか否かを認識し難くすることができ、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、
前記特別領域切替手段は、
少なくともいずれか1の前記単位遊技において、前記特別領域を有効にする単位遊技有効手段(例えば、「潜伏確率変動B」の2ラウンド目)と、
該単位遊技有効手段によって、前記特別領域が有効であることを示唆しない有効示唆非実行手段(例えば、確変領域73,74の有効設定の非報知)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域切替手段に設けられた単位遊技有効手段より、少なくともいずれか1の単位遊技において、特別領域が有効とされ、同じく特別領域切替手段に設けられた有効示唆非実行手段により、単位遊技有効手段によって特別領域が有効であることが示唆されない。これにより、有利状態における単位遊技のいずれかにおいて特別領域が有効となり、該有効であることが示唆されない中で、該単位遊技中に特別領域へ遊技球を流入させることで、第2有利状態を発生させることができる。よって、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、
前記特別領域は、
前記第1特別領域(例えば、右側確変領域73)と、
該第1特別領域と異なる第2特別領域(例えば、左側確変領域74)と、を備え、
前記特別領域切替手段は、
所定の前記単位遊技において、前記第1特別領域又は前記第2特別領域のいずれか一方を有効にし、他方を有効にしない
ことを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域として、第1特別領域と、その第1特別領域と異なる第2特別領域とが備えられ、特別領域切替手段により、所定の単位遊技において、第1特別領域又は第2特別領域のいずれか一方が有効とされ、他方が有効とされないように構成される。これにより、複数の特別領域の有効パターンを設けることで、有効に設定されている第1特別領域又は第2特別領域を分かり難くすることができ、その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0からB5のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させ得る前記第1抽選結果(例えば、「潜伏確率変動A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第1抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させる有効時通過手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオン)と、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させない前記第2抽選結果(例えば、「時短A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第2抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させない通過阻止手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオフ)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B0からB5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた有効時通過手段により、第1抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させるように構成される。一方、判定手段によって第2有利状態を発生させない第2抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた通過阻止手段により、第2抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないように構成される。即ち、第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を発生させる一方、第2有利状態を発生させない第2抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させないようにすることで、第2有利状態を発生させない。これにより、有効である特別領域へ遊技球を通過させるか否かにより第2有利状態を発生させつつ、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないように構成することで、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B6において、
前記第1特別領域を開閉する第1開閉手段(例えば、右確変領域開閉板73a)と、
前記第2特別領域を開閉する第2開閉手段(例えば、左確変領域開閉板74a)と、を備え、
前記有効時通過手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記2特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1開閉手段により、第1特別領域が開閉され、第2開閉手段により、第2特別領域が開閉される。そして、有効時通過手段により、特別領域切替手段によって第1特別領域が有効である場合に、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入され、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合に、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させる場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を適切に発生させることができる、という効果がある。
遊技機B7において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を閉鎖して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させないと共に、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を閉鎖して、前記2特別領域へ遊技球を流入させない
ことを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過阻止手段により、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、第1開閉手段を閉鎖して第1特別領域へ遊技球が流入されない。また、同じく通過阻止手段により、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、第2開閉手段を閉鎖して第2特別領域へ遊技球が流入されない。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないことで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B7又はB8において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記第2特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B7又はB8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、通過阻止手段により、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。また、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、同じく通過阻止手段により、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効でない特別領域へ遊技球を通過させることで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B6からB9のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記特別領域を有効にするか否かを決定する有効パターン決定手段(例えば、確変領域有効テーブル202g)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記特別領域へ遊技球を流入させるか否かを決定する開閉パターン決定手段(例えば、確変領域開閉テーブル202f)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記開閉パターン決定手段による前記特別領域の開閉パターンを同一にする開閉パターン同一手段(例えば、開閉パターン「X1」)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記有効パターン決定手段による前記特別領域の有効パターンを異ならせる有効パターン不一致手段(例えば、有効パターン「A」と「B」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B6からB9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2有利状態手段に設けられた有効パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することによって、単位遊技毎に、特別領域を有効にするか否かが決定される。また、同じく第2有利状態手段に設けられた開閉パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することによって、単位遊技毎に、特別領域へ遊技球を流入させるか否かが決定される。そして、開閉パターン同一手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、開閉パターン決定手段による特別領域の開閉パターンが同一とされ、有効パターン不一致手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、有効パターン決定手段による特別領域の有効パターンが異ならせる。これにより、特別領域の開閉パターンを第1抽選結果と第2抽選結果とで同一にして、開閉パターンのみでは抽選結果の識別できないようにしつつ、第1抽選結果と第2抽選結果とで特別領域の有効パターンを異ならせることで、第2有利状態が発生するか否かを認識し難く構成し、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B6からB10のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果及び前記第2抽選結果を表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記表示手段による表示結果によって前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果を識別困難にする結果識別困難手段(例えば、「時短C」の表示パターンが127種類、かつ、「潜伏確率変動C」の表示パターンが127種類であって、それぞれの表示パターンが8個のLEDによる規則性を有さない無作為なパターン)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B6からB10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段により、第1抽選結果及び第2抽選結果が表示され、結果識別困難手段により、表示手段による表示結果によって第1抽選結果又は第2抽選結果を識別困難に構成される。これにより、第1抽選結果及び第2抽選結果を表示しても、いずれの抽選結果であるかを識別困難に構成することで、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができず、かつ、表示手段の表示結果でも第2有利状態が発生するか否かを認識できない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機B0からB11のいずれかにおいて、
前記特別領域は、
遊技者から視認可能な位置に配設される
ことを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B0からB11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から視認可能な位置に特別領域が配設される。これにより、特別領域を遊技球が通過したことを遊技者に視認させ、第2有利状態が発生するか否かを推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<C群:1の駆動部材による2つの通路への振り分け>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域を設け、該特別領域を開閉部材等で開閉制御し、遊技球が上記特別領域を通過した場合に、上記有利状態に基づく所定の遊技価値とは異なる第2有利状態に基づく特別遊技価値を発生させるパチンコ機がある。
また、上記パチンコ機では、例えば、第2有利状態が発生する場合であっても、該第2有利状態が発生するか否かを遊技者に報知せずに、第2有利状態が発生しない通常報知態様を実行するものがある。即ち、遊技者に対して第2有利状態が発生しないかのような演出を実行し、遊技者に第2有利状態が付与されるか否かを推測する遊技性を創出して、遊技の興趣を向上している(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、特別領域を遊技球が通過した場合に、もれなく第2有利状態を発生させる構成であるため、特別領域を遊技球が通過したことを遊技者が視認した段階で、第2有利状態が発生することを遊技者に認識されてしまう。このため、特別領域への遊技球の通過による第2有利状態の発生を遊技者に認識された後に、通常報知態様を実行してしまうと、想定していた遊技の興趣を遊技者に与えることができず、むしろ、遊技に対して興醒めさせてしまうおそれがあり、この点について未だ改良の余地がある。
C群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、特図1入賞口64b)と、
該入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
該判定手段の判定結果を使用することにより、遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、大当たり終了処理(S415))と、
該遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、該遊技状態を遊技者に示唆する状態示唆報知(例えば、「確変報知演出態様」)を実行する報知手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態とする有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、
前記有利状態手段による前記有利状態と異なる第2有利状態を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203i)、を備えた遊技機において、
前記可変入球手段に流入した遊技球が通過可能な第1特別領域(例えば、右側確変領域73)及び第2特別領域(例えば、左側確変領域74)と、
前記第1特別領域又は前記第2特別領域を開閉可能な開閉手段(例えば、確変領域開閉板78c)と、
該開閉手段を開閉駆動する駆動手段(例えば、確変領域開閉用モータ78a)と、
前記第1特別領域又は前記第2特別領域の有効又は無効を切り替える特別領域切替手段(例えば、右確変有効フラグ203g又は左確変有効フラグ203hのオン)と、を備え、
前記第2有利状態手段は、
前記第2有利状態を発生させる場合に、前記駆動手段により前記開閉手段を駆動して、有効とされた前記第1特別領域又は前記第2特別領域を開放し、
前記第2有利状態を発生させない場合に、前記駆動手段により前記開閉手段を駆動して、有効とされた前記第1特別領域又は前記第2特別領域を閉鎖し、
前記報知手段は、
前記特別領域切替手段によって有効に設定された前記第1特別領域又は前記第2特別領域を遊技球が通過したタイミングでは前記第2有利状態に対応する前記状態示唆報知を実行しない示唆報知非実行手段(例えば、「潜伏確率変動A」の当選に基づく「潜伏確変演出態様」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定され、判定手段の判定結果を使用することによって、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更され、遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、報知手段により、遊技状態を遊技者に報知する状態示唆報知が実行される。また、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態とする有利状態とされる。また、遊技状態変更手段に設けられた第2有利状態手段により、有利状態手段による有利状態と異なる第2有利状態が発生し得る。ここで、可変入球手段に流入した遊技球が通過可能な第1特別領域及び第2特別領域が設けられ、開閉手段により第1特別領域又は第2特別領域が開閉可能に構成され、駆動手段により開閉手段が開閉駆動される。また、特別領域切替手段により、第1特別領域又は第2特別領域の有効又は無効が切り替えられる。そして、第2有利状態を発生させる場合に、第2有利状態手段により、駆動手段により開閉手段が駆動されて、有効とされた第1特別領域又は第2特別領域が開放される。また、第2有利状態を発生させない場合に、同じく第2有利状態手段により、駆動手段により開閉手段が駆動されて、有効とされた第1特別領域又は第2特別領域が閉鎖される。そして、報知手段に設けられた示唆報知非実行手段により、特別領域切替手段によって有効に設定された第1特別領域又は第2特別領域を遊技球が通過したタイミングでは第2有利状態に対応する状態示唆報知が実行されないように構成される。即ち、第1特別領域又は第2特別領域を遊技球が通過したとしても、該第1特別領域又は第2特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないようにすることができるとともに、有効に設定された第1特別領域又は第2特別領域を遊技球が通過したとしても、そのタイミングで第2有利状態が発生する旨が遊技者に示唆されない。これにより、仮に、第1特別領域又は第2特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、示唆報知非実行手段により、第2有利状態に対応する状態示唆報知を実行せず、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、第1特別領域又は第2特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C0において、
前記第2有利状態手段は、
前記第2有利状態を発生させる場合に、前記駆動手段により前記開閉手段を駆動して、有効とされていない前記第2特別領域又は前記第1特別領域を閉鎖し、
前記第2有利状態を発生させない場合に、前記駆動手段により前記開閉手段を駆動して、前記有効とされていない前記第2特別領域又は前記第1特別領域を開放する
ことを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機C0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2有利状態を発生させる場合に、第2有利状態手段により、駆動手段により開閉手段が駆動されて、有効とされていない第2特別領域又は第1特別領域が閉鎖される。また、第2有利状態を発生させない場合に、同じく第2有利状態手段により、駆動手段により開閉手段が駆動されて、有効とされていない第2特別領域又は第1特別領域が開放される。これにより、第2有利状態を発生させたい場合に、有効に設定されていない第1特別領域又は第2特別領域を閉鎖し、有効に設定されている第1特別領域又は第2特別領域へ球を通過させることができる。よって、第2有利状態を発生させたい場合に、有効に設定されている第1特別領域又は第2特別領域へ球を通過させることができ、第2有利状態を確実に発生させることができる、という効果がある。
遊技機C0又はC1において、
前記駆動手段は、
前記開閉手段を第1方向へ駆動することで、前記第1特別領域を開放すると共に、前記第2特別領域を閉鎖する第1方向駆動手段(例えば、正転駆動)と、
前記開閉手段を前記第1方向と異なる第2方向へ駆動することで、前記第2特別領域を開放すると共に、前記第1特別領域を閉鎖する第2方向駆動手段(例えば、逆転駆動)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C0又はC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駆動手段に設けられた第1方向駆動手段により、開閉手段を第1方向へ駆動することで、第1特別領域が開放されると共に、第2特別領域が閉鎖される。また、同じく駆動手段に設けられた第2方向駆動手段により、開閉手段を第1方向と異なる第2方向へ駆動することで、第2特別領域が開放されると共に、第1特別領域が閉鎖される。
従来、可変入球手段の内部において複数の特別領域を設け、また、その特別領域毎にそれぞれ駆動機構を設けた場合に、少ないスペースに各駆動機構の部品を設置しなければならず、可変入球手段の設計が複雑になってしまうおそれがある。
また、上記部品を設けることから、遊技機に使用する部品点数が増加し、製造コストが増加してしまうおそれがある。
さらに、特別領域のそれぞれに駆動機構を配設することから、各駆動機構のそれぞれに対してメンテナンス作業が必要となり、メンテナンス工数が増加してしまうおそれがある。
これに対し、遊技機C2によれば、1の駆動機構の駆動方向により第1特別領域及び第2特別領域の開放又は閉鎖を実現することができるので、可変入球手段の設計を複雑化することなく、可変入球手段全体の構成をシンプルにして容易に設計することができる、という効果がある。
また、1の駆動機構によって第1特別領域及び第2特別領域の開閉又は閉鎖を行い、複数の駆動機構によって第1特別領域及び第2特別領域の開放又は閉鎖を行わなくていいので、遊技機の部品点数を削減し、製造コストを削減することができる、という効果がある。
さらに、1の駆動機構によって第1特別領域及び第2特別領域の開閉又は閉鎖を行うので、1の駆動機構のみのメンテナンス作業をすればよく、遊技機のメンテナンス工数を削減することができる、という効果がある。
遊技機C0又はC1において、
前記第1特別領域は、前記第2特別領域より上流側に配置され、
前記駆動手段は、
前記第1特別領域及び前記第2特別領域より上流側に配置され、
前記開閉手段を第1所定量駆動することで、前記第2特別領域を開放すると共に、前記第1特別領域を閉鎖する第1所定量駆動手段(例えば、確変領域開閉用モータ78aを60パルス駆動)と、
前記開閉手段を、前記第1所定量の駆動に基づく駆動方向と同一方向であって、前記第1所定量より多い第2所定量駆動することで、前記第1特別領域及び前記第2特別領域を共に開放する第2所定量駆動手段(例えば、確変領域開閉用モータ78aを120パルス駆動)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C0又はC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特別領域が第2特別領域より上流側に配設され、駆動手段が第1特別領域及び第2特別領域より上流側に配設される。そして、駆動手段に設けられた第1所定量駆動手段により、開閉手段を第1所定量駆動することで、第2特別領域が開放されると共に、第1特別領域が閉鎖される。また、同じく駆動手段に設けられた第2所定量駆動手段により、開閉手段を、第1所定量に基づく駆動と同一方向であって、第1所定量より多い第2所定量駆動することで、第1特別領域及び第2特別領域が共に開放される。これにより、1の駆動機構の駆動量によって第1特別領域又は第2特別領域へ流入する球を振り分けることができると共に、1の駆動手段の1方向への駆動量によって上記振り分けが可能となり、複数の駆動手段を設ける必要がなく、安価なコストで本発明の遊技性を実現することができる、という効果がある。
遊技機C0又はC1において、
前記駆動手段は、
第1駆動パターン(初期位置も含む)である場合に、前記第1特別領域を開放すると共に、前記第2特別領域を閉鎖する第1駆動パターン手段(例えば、駆動用ソレノイドのオフ時に右側確変領域73を開放すると共に左側確変領域74を閉鎖)と、
前記第1駆動パターンと異なる第2駆動パターンである場合に、前記第1特別領域を閉鎖すると共に、前記第2特別領域を開放する第2駆動パターン手段(例えば、駆動用ソレノイドのオン時に右側確変領域73を閉鎖すると共に左側確変領域74を開放)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C0又はC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、駆動手段に設けられた第1駆動パターン手段により、第1駆動パターンである場合に、第1特別領域が開放されると共に、第2特別領域が閉鎖される。また、同じく駆動手段に設けられた第2駆動パターン手段により、第1駆動パターンと異なる第2駆動パターンである場合に、第1特別領域が閉鎖されると共に、第2特別領域が開放される。これにより、1の駆動機構の各駆動パターンによって第1特別領域又は第2特別領域へ流入する遊技機球を振り分けることができ、安価なコストで本発明の遊技性を実現することができる、という効果がある。
遊技機C0からC4のいずれかにおいて、
前記開閉手段は、
該開閉手段の初期位置で、前記第1特別領域及び前記第2特別領域を閉鎖する
ことを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C0からC4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開閉手段により、該開閉手段の初期位置で、第1特別領域及び第2特別領域が閉鎖される。即ち、開閉手段の初期位置では、第1特別領域及び第2特別領域を共に閉鎖するように構成することで、故障等によって駆動手段が正常に作動しない場合であっても、両特別領域を閉鎖した状態とすることができる。これにより、異常時であっても第1特別領域及び第2特別領域への遊技球の流入を阻止できる。よって、仮に、異常時に第1特別領域又は第2特別領域が有効である場合であっても、第2有利状態を発生しないようにすることができ、遊技場に不測の不利益が生じることを防止することができる、という効果がある。
遊技機C0からC5のいずれかにおいて、
前記可変入球手段は、
前記第1特別領域及び前記第2特別領域の下流側に、遊技球を該可変入球手段外へ排出する排出手段(例えば、排出通路75)、を備えている
ことを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C0からC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入球手段に設けられた排出手段により、第1特別領域及び第2特別領域の下流側に流下した遊技球が可変入球手段外へ排出される。これにより、第1特別領域又は第2特別領域に流入したなかった遊技球を、適宜、可変入球手段外へ排出することができ、可変入球手段内に遊技球が滞留しないようにすることができる。よって、可変入球手段内に滞留した遊技球が、第1特別領域又は第2特別領域へ流入することを防止することができ、可変入球手段内に滞留した遊技球が第1特別領域又は第2特別領域へ流入してしまうことによる意図しない第2有利状態の発生等、遊技場に不測の不利益が生じることを防止することができる、という効果がある。
遊技機C0からC6のいずれかにおいて、
前記有利状態手段は、
1の前記有利状態において、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態にする単位遊技(例えば、1のラウンド)を複数回実行する単位遊技実行手段(例えば、大当たり処理(S103))、を備え、
前記特別領域切替手段は、
少なくともいずれか1の前記単位遊技において、前記特別領域を有効にする単位遊技有効手段(例えば、「潜伏確率変動B」の2ラウンド目)と、
該単位遊技有効手段によって、前記特別領域が有効であることを示唆しない有効示唆非実行手段(例えば、確変領域73,74の有効設定の非報知)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C0からC6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた単位遊技実行手段により、1の有利状態において、可変入球手段を第1状態から第2状態にする単位遊技が複数回実行される。そして、特別領域切替手段に設けられた単位遊技有効手段より、少なくともいずれか1の単位遊技において、特別領域が有効とされ、同じく特別領域切替手段に設けられた有効示唆非実行手段により、単位遊技有効手段によって特別領域が有効であることが示唆されない。これにより、有利状態における単位遊技のいずれかにおいて特別領域が有効となり、該有効であることが示唆されない中で、該単位遊技中に特別領域へ遊技球を流入させることで、第2有利状態を発生させることができる。よって、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C0からC7のいずれかにおいて、
前記特別領域切替手段は、
所定の前記単位遊技において、前記第1特別領域又は前記第2特別領域のいずれか一方を有効にし、他方を有効にしない
ことを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C0からC7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域切替手段により、所定の単位遊技において、第1特別領域又は第2特別領域のいずれか一方が有効とされ、他方が有効とされないように構成される。これにより、複数の特別領域の有効パターンを設けることで、有効に設定されている第1特別領域又は第2特別領域を分かり難くすることができ、その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C0からC8のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させ得る前記第1抽選結果(例えば、「潜伏確率変動A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第1抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記第1特別領域又は前記第2特別領域へ遊技球を通過させる有効時通過手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオン)と、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させない前記第2抽選結果(例えば、「時短A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第2抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記第1特別領域又は前記第2特別領域へ遊技球を通過させない通過阻止手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオフ)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C0からC8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた有効時通過手段により、その第1抽選結果に基づく有利状態中に、有効である第1特別領域又は第2特別領域へ遊技球を通過させるように構成される。一方、判定手段によって第2有利状態を発生させない第2抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた通過阻止手段により、その第2抽選結果に基づく有利状態中に、有効である第1特別領域又は第2特別領域へ遊技球を通過させないように構成される。即ち、第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果である場合には、有効である第1特別領域又は第2特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を発生させる一方、第2有利状態を発生させない第2抽選結果である場合には、有効である第1特別領域又は第2特別領域へ遊技球を通過させないようにすることで、第2有利状態を発生させない。これにより、有効である第1特別領域又は第2特別領域へ遊技球を通過させるか否かにより第2有利状態を発生させつつ、第1特別領域又は第2特別領域を遊技球が通過したとしても、該第1特別領域又は第2特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないように構成することで、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C9において、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記第1特別領域又は前記第2特別領域を有効にするか否かを決定する有効パターン決定手段(例えば、確変領域有効テーブル202g)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記第1特別領域又は前記第2特別領域へ遊技球を流入させるか否かを決定する開閉パターン決定手段(例えば、確変領域開閉テーブル202f)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記開閉パターン決定手段による前記第1特別領域又は前記第2特別領域の開閉パターンを同一にする開閉パターン同一手段(例えば、開閉パターン「X1」)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記有効パターン決定手段による前記第1特別領域又は前記第2特別領域の有効パターンを異ならせる有効パターン不一致手段(例えば、有効パターン「A」と「B」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2有利状態手段に設けられた有効パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することにより、単位遊技毎に、第1特別領域又は第2特別領域を有効にするか否かが決定される。また、同じく第2有利状態手段に設けられた開閉パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することにより、単位遊技毎に、第1特別領域又は第2特別領域へ遊技球を流入させるか否かが決定される。そして、開閉パターン同一手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、開閉パターン決定手段による第1特別領域又は第2特別領域の開閉パターンが同一とされ、有効パターン不一致手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、有効パターン決定手段による第1特別領域又は第2特別領域の有効パターンが異ならせる。これにより、第1特別領域又は第2特別領域の開閉パターンを第1抽選結果と第2抽選結果とで同一にして、開閉パターンのみでは抽選結果の識別できないようにしつつ、第1抽選結果と第2抽選結果とで第1特別領域又は第2特別領域の有効パターンを異ならせることで、第2有利状態が発生するか否かを認識し難く構成し、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C9又はC10において、
前記第1抽選結果及び前記第2抽選結果を表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記表示手段による表示結果によって前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果を識別困難にする結果識別困難手段(例えば、「時短C」の表示パターンが127種類、かつ、「潜伏確率変動C」の表示パターンが127種類であって、それぞれの表示パターンが8個のLEDによる規則性を有さない無作為なパターン)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C9又はC10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段により、第1抽選結果及び第2抽選結果が表示され、結果識別困難手段により、表示手段による表示結果によって第1抽選結果又は第2抽選結果を識別困難に構成される。これにより、第1抽選結果及び第2抽選結果を表示しても、いずれの抽選結果であるかを識別困難に構成することで、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、第1特別領域又は第2特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができず、かつ、表示手段の表示結果でも第2有利状態が発生するか否かを認識できない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機C0からC11のいずれかにおいて、
前記特別領域は、
遊技者から視認可能な位置に配設される
ことを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C0からC11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から視認可能な位置に特別領域が配設される。これにより、特別領域を遊技球が通過したことを遊技者に視認させ、第2有利状態が発生するか否かを推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<D群:1の大当たり中に複数回の確変権利取得機会>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域を設け、該特別領域を開閉部材等で開閉制御し、遊技球が上記特別領域を通過した場合に、上記有利状態に基づく所定の遊技価値とは異なる第2有利状態に基づく特別遊技価値を発生させるパチンコ機がある(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記特別領域へ遊技球を通過させることができるタイミングは、1の有利状態中、1回のみ発生するように構成されている。このため、遊技球の発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等の急なトラブルによって上記タイミングで遊技球を特別領域へ流入させることができない場合、第2有利状態を発生させることができず、遊技者に不測の不利益を被らせ、遊技に対して興醒めしてしまうおそれがある。
D群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、特図1入賞口64b)と、
該入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態とする有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
前記可変入球手段に流入した遊技球が通過可能な特別領域(例えば、右側確変領域73及び左側確変領域74)と、
前記有利状態手段による前記有利状態と異なる第2有利状態を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203i)、を備えた遊技機において、
前記有利状態手段は、
前記特別領域を有効にするか否かを切り替える特別領域切替手段(例えば、右確変有効フラグ203g又は左確変有効フラグ203hのオン)、を備え、
前記第2有利状態手段は、
該特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生する一方、
前記特別領域切替手段によって有効に設定されていない前記特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生しないように構成され、
前記第2有利状態を発生させる場合に、前記有利状態中の複数のタイミングで、有効に設定された前記特別領域へ遊技球を流入させる複数タイミング流入手段(例えば、「潜伏確率変動A」における3ラウンド目及び6ラウンド目)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D0。
遊技機D0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態とする有利状態とされる。また、可変入球手段に流入した遊技球が通過可能な特別領域が設けられる。そして、第2有利状態手段により、有利状態手段による有利状態と異なる第2有利状態が発生し得る。ここで、有利状態手段に設けられた特別領域切替手段により、特別領域を有効にするか否かが切り替えられる。そして、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生される一方、特別領域切替手段によって有効に設定されていない特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生されないように構成されている。また、第2有利状態手段に設けられた複数タイミング流入手段により、第2有利状態を発生させる場合に、有利状態中の複数のタイミングで、有効である特別領域へ遊技球が流入される。即ち、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないようにすることができるとともに、有効に設定された特別領域を遊技球が通過したとしても、そのタイミングで第2有利状態が発生する旨が遊技者に示唆されない。これにより、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。また、第2有利状態を発生させる有利状態に当選した場合に、その有利状態中に複数のタイミングで有効に設定されている特別領域を遊技球が通過可能となるように構成されている。これにより、仮に、特別領域が有効である1のタイミングにおいて該特別領域へ遊技球を通過させることができなかった場合であっても、他方のタイミングにおいて有効とされる特別領域に遊技球を通過させることが可能となる。従って、急なトラブル(例えば、発射異常等の遊技異常や、遊技者の体調不良等)によって、特別領域が有効である1のタイミングにおいて該特別領域へ遊技球を通過させることに支障が生じた場合であっても、他方のタイミングにおいて有効とされる特別領域へ遊技球を通過させる可能性を設けることで、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができる。その結果、遊技者が遊技に対して興醒めしてしまうことを防止し、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D0において、
前記特別領域は、
前記第1特別領域(例えば、右側確変領域73)と、
該第1特別領域と異なる第2特別領域(例えば、左側確変領域74)と、を備え、
前記複数タイミング流入手段は、
前記有利状態中の1のタイミングにおいて、有効である前記第1特別領域へ遊技球を流入可能にすると共に、前記有利状態中の前記1のタイミングと異なる他のタイミングにおいて、有効である前記第2特別領域へ遊技球を流入可能にする
ことを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機D0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域として、第1特別領域と、該第1特別領域と異なる第2特別領域とが設けられる。そして、複数タイミング流入手段により、有利状態中の1のタイミングにおいて、有効である第1特別領域へ遊技球が流入可能となると共に、有利状態中の1のタイミングと異なる他のタイミングにおいて、有効である第2特別領域へ遊技球が流入可能となる。これにより、仮に、いずれか一方の第1特別領域又は第2特別領域に異常が発生している場合であっても、他方の第2特別領域又は第1特別領域において遊技球が通過した場合に第2有利状態を発生させることができる。よって、不測の事態によって遊技者が不利益を被ることなく、快適な遊技を実現することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D0又はD1において、
前記有利状態手段は、
1の前記有利状態において、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態にする単位遊技(例えば、1のラウンド)を複数回実行する単位遊技実行手段(例えば、大当たり処理(S103))、を備え、
前記特別領域切替手段は、
少なくともいずれか2の前記単位遊技のそれぞれにおいて、前記特別領域を有効にする単位遊技有効手段(例えば、「潜伏確率変動A」の3ラウンド目及び6ラウンド目)と、
該単位遊技有効手段によって、前記特別領域が有効であることを示唆しない有効示唆非実行手段(例えば、確変領域73,74の有効設定の非報知)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D0又はD1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた単位遊技実行手段により、1の有利状態において、可変入球手段を第1状態から第2状態にする単位遊技が複数回実行される。そして、特別領域切替手段に設けられた単位遊技有効手段より、少なくともいずれか2の単位遊技のそれぞれにおいて、特別領域が有効とされ、同じく特別領域切替手段に設けられた有効示唆非実行手段により、単位遊技有効手段によって特別領域が有効であることが示唆されない。これにより、有利状態における単位遊技の少なくとも2の単位遊技のいずれかにおいて特別領域が有効となり、該有効であることが示唆されない中で、各単位遊技中のいずれか一方でも特別領域へ遊技球を流入させることで、第2有利状態を発生させることができる。よって、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、複数のタイミングで第2有利状態が発生し得るように構成しつつ、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D0からD2のいずれかにおいて、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、大当たり終了処理(S415))と、
該遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、該遊技状態を遊技者に示唆する状態示唆報知(例えば、「確変報知演出態様」)を実行する報知手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、
前記報知手段は、
前記特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過したタイミングでは前記第2有利状態に対応する前記状態示唆報知を実行しない示唆報知非実行手段(例えば、「潜伏確率変動A」の当選に基づく「潜伏確変演出態様」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D0からD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段により、判定手段の判定結果を使用することにより遊技状態が変更され、遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、報知手段により、遊技状態を遊技者に報知する状態示唆報知が実行される。そして、報知手段に設けられた示唆報知非実行手段により、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過したタイミングでは第2有利状態に対応する状態示唆報知が実行されない。これにより、示唆報知非実行手段により、第2有利状態に対応する状態示唆報知を実行せず、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができないため、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D0からD3のいずれかにおいて、
前記特別領域切替手段は、
所定の前記単位遊技において、前記第1特別領域又は前記第2特別領域のいずれか一方を有効にし、他方を有効にしない
ことを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D0からD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域切替手段により、所定の単位遊技において、第1特別領域又は第2特別領域のいずれか一方が有効とされ、他方が有効とされないように構成される。これにより、複数の特別領域の有効パターンを設けることで、有効に設定されている第1特別領域又は第2特別領域を分かり難くすることができ、その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D0からD4のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させ得る前記第1抽選結果(例えば、「潜伏確率変動A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第1抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させる有効時通過手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオン)と、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させない前記第2抽選結果(例えば、「時短A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第2抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させない通過阻止手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオフ)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D0からD4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた有効時通過手段により、第1抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させるように構成される。一方、判定手段によって第2有利状態を発生させない第2抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた通過阻止手段により、第2抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないように構成される。即ち、第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を発生させる一方、第2有利状態を発生させない第2抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させないようにすることで、第2有利状態を発生させない。これにより、有効である特別領域へ遊技球を通過させるか否かにより第2有利状態を発生させつつ、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないように構成することで、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D5において、
前記第1特別領域を開閉する第1開閉手段(例えば、右確変領域開閉板73a)と、
前記第2特別領域を開閉する第2開閉手段(例えば、左確変領域開閉板74a)と、を備え、
前記有効時通過手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記2特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1開閉手段により、第1特別領域が開閉され、第2開閉手段により、第2特別領域が開閉される。そして、有効時通過手段により、特別領域切替手段によって第1特別領域が有効である場合に、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入され、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合に、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させる場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を適切に発生させることができる、という効果がある。
遊技機D6において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を閉鎖し
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を閉鎖する
ことを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過阻止手段により、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、第1開閉手段を閉鎖して第1特別領域へ遊技球が流入されない。また、同じく通過阻止手段により、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、第2開閉手段を閉鎖して第2特別領域へ遊技球が流入されない。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないことで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D6又はD7において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記第2特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D6又はD7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、通過阻止手段により、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。また、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、同じく通過阻止手段により、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効でない特別領域へ遊技球を通過させることで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D5からD8のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記特別領域を有効にするか否かを決定する有効パターン決定手段(例えば、確変領域有効テーブル202g)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記特別領域へ遊技球を流入させるか否かを決定する開閉パターン決定手段(例えば、確変領域開閉テーブル202f)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記開閉パターン決定手段による前記特別領域の開閉パターンを同一にする開閉パターン同一手段(例えば、開閉パターン「X1」)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記有効パターン決定手段による前記特別領域の有効パターンを異ならせる有効パターン不一致手段(例えば、有効パターン「A」と「B」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D5からD8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2有利状態手段に設けられた有効パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することにより、単位遊技毎に、特別領域を有効にするか否かが決定される。また、同じく第2有利状態手段に設けられた開閉パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することにより、単位遊技毎に、特別領域へ遊技球を流入させるか否かが決定される。そして、開閉パターン同一手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、開閉パターン決定手段による特別領域の開閉パターンが同一とされ、有効パターン不一致手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、有効パターン決定手段による特別領域の有効パターンが異ならせる。これにより、特別領域の開閉パターンを第1抽選結果と第2抽選結果とで同一にして、開閉パターンのみでは抽選結果の識別できないようにしつつ、第1抽選結果と第2抽選結果とで特別領域の有効パターンを異ならせることで、第2有利状態が発生するか否かを認識し難く構成し、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D5からD9のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果及び前記第2抽選結果を表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記表示手段による表示結果によって前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果を識別困難にする結果識別困難手段(例えば、「時短C」の表示パターンが127種類、かつ、「潜伏確率変動C」の表示パターンが127種類であって、それぞれの表示パターンが8個のLEDによる規則性を有さない無作為なパターン)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D5からD9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段により、第1抽選結果及び第2抽選結果が表示され、結果識別困難手段により、表示手段による表示結果によって第1抽選結果又は第2抽選結果を識別困難に構成される。これにより、第1抽選結果及び第2抽選結果を表示しても、いずれの抽選結果であるかを識別困難に構成することで、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができず、かつ、表示手段の表示結果でも第2有利状態が発生するか否かを認識できない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機D0からD10のいずれかにおいて、
前記特別領域は、
遊技者から視認可能な位置に配設される
ことを特徴とする遊技機D11。
遊技機D11によれば、遊技機D0からD10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から視認可能な位置に特別領域が配設される。これにより、特別領域を遊技球が通過したことを遊技者に視認させ、第2有利状態が発生するか否かを推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<E群:確変有効フラグの有効設定期間>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放する単位遊技を複数回実行して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域を設け、該特別領域を開閉部材等で開閉制御し、所定の単位遊技において開閉部材を開放することで遊技球が上記特別領域を通過した場合に、上記有利状態に基づく所定の遊技価値とは異なる第2有利状態に基づく特別遊技価値を発生させるパチンコ機がある。
上記パチンコ機では、第2有利状態を発生し得る有利状態では、所定の単位遊技において、可変入球手段へ流入した遊技球が特別領域へ流入し得るように開閉部材を開放させる一方、第2有利状態を発生し得ない有利状態では、該単位遊技において、可変入球手段へ流入した遊技球が特別領域へ流入し得ないように開閉部材を開放させるように構成されている(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、特別領域を開放する単位遊技より1つ前の単位遊技において、可変入球手段内に流入した遊技球が該可変入球手段内に残存(滞留)している場合がある。このような場合、当初、第2有利状態を発生しない有利状態であるにも関わらず、前の単位遊技で流入した遊技球が可変入球手段内に残存してしまうことで、本来なら通過し得ない特別領域を通過してしまい、遊技仕様上、想定していない遊技価値が付与され、遊技場に不測の損失を発生させてしまうおそれがある。
E群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技場に不測の損失が発生することを防止することができる遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、特図1入賞口64b)と、
該入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態とする有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
該有利状態手段による前記有利状態と異なる第2有利状態を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203i)と、を備えた遊技機において、
1の前記有利状態において、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態にする単位遊技(例えば、1のラウンド)を複数回実行する単位遊技実行手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
前記可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域(例えば、右側確変領域73及び左側確変領域74)と、
前記単位遊技実行手段により実行される前記単位遊技のうち、所定の第1単位遊技において、前記特別領域を有効にするか否かを切り替える特別領域切替手段(例えば、右確変有効フラグ203g又は左確変有効フラグ203hのオン)と、を備え、
前記第2有利状態手段は、
該特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生する一方、
前記特別領域切替手段によって有効に設定されていない前記特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生しないように構成され、
前記特別領域切替手段は、
前記第1単位遊技において、前記可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態となった場合に、所定期間の間、前記特別領域を有効としない有効遅延手段(例えば、ラウンドの1カウント目及び2カウント目)と、
前記所定期間経過後、前記特別領域を有効とする期間経過後有効手段(例えば、ラウンドの3カウント目以降)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E0。
遊技機E0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することにより、有利状態手段により、可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態とする有利状態とされる。また、第2有利状態手段により、有利状態手段による有利状態と異なる第2有利状態が発生し得る。ここで、有利状態手段に設けられた単位遊技実行手段により、1の有利状態において、可変入球手段を第1状態から第2状態にする単位遊技が複数回実行される。そして、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域が設けられ、単位遊技実行手段により実行される単位遊技のうち、所定の第1単位遊技において、特別領域切替手段により、特別領域を有効にするか否かが切り替えられる。そして、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生される一方、特別領域切替手段によって有効に設定されていない特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生されないように構成されている。ここで、第1単位遊技において、可変入球手段が第1状態から第2状態となった場合に、特別領域切替手段に設けられた有効遅延手段により、所定期間の間、特別領域が有効とされず、その所定期間経過後、期間経過後有効手段により、特別領域が有効とされる。即ち、特別領域を、第1単位遊技の開始時ではなく、可変入球手段が第1状態から第2状態となってから所定期間経過した後に有効とするように構成する。これにより、当初、第2有利状態を発生しない有利状態に当選しているにも関わらず、第1単位遊技の前の単位遊技で流入した遊技球が可変入球手段内で残存してしまうことで、本来なら通過し得ないはずの有効とされた特別領域を通過してしまう事象を発生し難くすることができ、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止することができる、という効果がある。
遊技機E0において、
前記発射手段は、
特定間隔で遊技球を発射する特定間隔発射手段(例えば、「0.6秒」間隔での遊技球の発射)、を備え、
前記所定期間は、
前記第1単位遊技において、2以上の所定数(例えば、3個)の遊技球が流入するまでの期間である
ことを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段に設けられた特定間隔発射手段により、遊技球が特定間隔で発射され、所定期間が、第1単位遊技において、所定数の遊技球が流入するまでの期間とされる。即ち、第1単位遊技において、少なくとも2以上の所定数の遊技球が流入するまでは、特別領域が有効とされないように構成されている。これにより、少なくとも遊技球が発射される特定間隔の倍以上の期間、特別領域を有効としないことで、第1単位遊技の前の単位遊技で流入した遊技球が、本来なら通過し得ないはずの有効とされた特別領域を通過してしまう事象を発生し難くすることができ、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止することができる、という効果がある。
遊技機E0において、
前記可変入球手段は、
該可変入球手段に流入した遊技球を流下する流下経路(例えば、案内通路72)、を備え、
前記特別領域は、
前記流下経路の所定位置に配設され、
前記所定期間は、
遊技球が前記可変入球手段に流入してから前記流下経路を前記所定位置まで流下する期間以上の期間である
ことを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入球手段に設けられた流下経路により、該可変入球手段に流入した遊技球が流下され、その流下経路の所定位置に特別領域が配設される。そして、遊技球が可変入球手段に琉球してから流下経路を所定位置まで流下する期間以上の期間が、所定期間とされる。即ち、少なくとも可変入球手段に流入してから特別領域が配設される所定位置まで流下するまでは特別領域が有効とされないように構成される。これにより、第1単位遊技の前の単位遊技で流入した遊技球が特別領域より下流側へ流下してから特別領域を有効にすることができ、当初、第2有利状態を発生しない有利状態に当選しているにも関わらず、第1単位遊技の前の単位遊技で流入した遊技球が、本来なら通過し得ないはずの有効とされた特別領域を通過してしまう事象を発生し難くすることができる。その結果、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止することができる、という効果がある。
遊技機E0からE2のいずれかにおいて、
前記可変入球手段は、
第1可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
該可変入球手段と異なる第2可変入球手段(例えば、第2可変入賞装置76)と、を備え、
前記有利状態手段は、
所定の前記有利状態において、前記単位遊技が実行される毎に、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とを交互に間断なく前記第2状態にする交互入球手段(例えば、インターバル時間無しで可変入賞装置65と第2可変入賞装置76を開放)、を備え
前記第1可変入球手段に流入した遊技球を流下させる第1流路(例えば、案内通路72)と、
前記第2可変入球手段に流入した遊技球を流下させる第2流路(例えば、連通通路77)と、
前記第1流路と前記第2流路とを前記特別領域の上流側で合流させる合流手段(例えば、合流部77a)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E0からE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入球手段として、第1可変入球手段と、その第1入球手段と異なる第2入球手段が設けられる。そして、有利状態手段に設けられた単位遊技実行手段により、1の有利状態において、第1可変入球手段及び第2可変入球手段を第1状態から第2状態にする単位遊技が複数回実行される。そして、同じく有利状態手段に設けられた交互入球手段により、所定の有利状態において、単位遊技が実行される毎に、第1可変入球手段と第2可変入球手段とが交互に間断なく第2状態とされる。ここで、第1流路により、第1可変入球手段に流入した遊技球が流下され、第2流路により、第2可変入球手段に流入した遊技球が流下され、合流手段により、第1流路と第2流路とが特別領域の上流側で合流される。
従来、特別領域を開放する単位遊技より1つ前の単位遊技において、可変入球手段内に流入した遊技球が該可変入球手段内に残存(滞留)している場合がある。このような場合、当初、第2有利状態を発生しない有利状態であるにも関わらず、前の単位遊技で流入して残存している遊技球が、本来なら通過し得ない特別領域を通過してしまい、遊技仕様上、想定していない遊技価値が付与され、遊技場に不測の損失を発生させてしまうおそれがある。
特に、2つ可変入球手段を用いて、間断なく単位遊技を交互に消化する有利状態の場合であって、かつ、2つの可変入球手段で特別領域を共用するような場合には、単位遊技間のインターバル時間が無い(少ない)ため、一方の第1可変入球手段又は第2可変入球手段が第1単位遊技に基づく第2状態となっている場合に、第1単位遊技の前の単位遊技で他方の第2可変入球手段又は第1可変入球手段へ流入した遊技球が残存している可能性が高く、遊技場に不測の損失を発生させ易くなってしまう。
これに対し、遊技機E3によれば、特別領域を、第1単位遊技の開始時ではなく、第1可変入球手段又は第2可変入球手段が第1状態から第2状態となってから所定期間経過した後に有効とするように構成する。これにより、当初、第2有利状態を発生しない有利状態に当選しているにも関わらず、第1単位遊技の前の単位遊技で流入した遊技球が、本来なら通過し得ないはずの有効とされた特別領域を通過してしまう事象を発生し難くすることができ、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止することができる、という効果がある。
遊技機E0からE3のいずれかにおいて、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、大当たり終了処理(S415))と、
該遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、該遊技状態を遊技者に示唆する状態示唆報知(例えば、「確変報知演出態様」)を実行する報知手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、
前記報知手段は、
前記特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過したタイミングでは前記第2有利状態に対応する前記状態示唆報知を実行しない示唆報知非実行手段(例えば、「潜伏確率変動A」の当選に基づく「潜伏確変演出態様」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E0からE3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態変更手段により、判定手段の判定結果を使用することによって遊技状態が変更され、遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、報知手段により、遊技状態を遊技者に報知する状態示唆報知が実行される。そして、報知手段に設けられた示唆報知非実行手段により、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過したタイミングでは第2有利状態に対応する状態示唆報知が実行されない。これにより、示唆報知非実行手段により、第2有利状態に対応する状態示唆報知を実行せず、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができないため、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0からE4のいずれかにおいて、
前記特別領域は、
前記第1特別領域(例えば、右側確変領域73)と、
該第1特別領域と異なる第2特別領域(例えば、左側確変領域74)と、を備え、
前記特別領域切替手段は、
所定の前記単位遊技において、前記第1特別領域又は前記第2特別領域のいずれか一方を有効にし、他方を有効にしない
ことを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E0からE4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域として、第1特別領域と、その第1特別領域と異なる第2特別領域とが備えられ、特別領域切替手段により、単位遊技毎に、第1特別領域又は第2特別領域のいずれか一方が有効とされ、他方が有効とされないように構成される。これにより、複数の特別領域の有効パターンを設けることで、有効に設定されている第1特別領域又は第2特別領域を分かり難くすることができ、その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0からE5のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させ得る前記第1抽選結果(例えば、「潜伏確率変動A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第1抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させる有効時通過手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオン)と、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させない前記第2抽選結果(例えば、「時短A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第2抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させない通過阻止手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオフ)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E0からE5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2有利状態手段に設けられた有効時通過手段により、判定手段によって第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果であると判定された場合に、その第1抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させるように構成される。一方、第2有利状態手段に設けられた通過阻止手段により、判定手段によって第2有利状態を発生させない第2抽選結果であると判定された場合に、その第2抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないように構成される。即ち、第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を発生させる一方、第2有利状態を発生させない第2抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させないようにすることで、第2有利状態を発生させない。これにより、有効である特別領域へ遊技球を通過させるか否かにより第2有利状態を発生させつつ、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないように構成することで、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E6において、
前記第1特別領域を開閉する第1開閉手段(例えば、右確変領域開閉板73a)と、
前記第2特別領域を開閉する第2開閉手段(例えば、左確変領域開閉板74a)と、を備え、
前記有効時通過手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記2特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1開閉手段により、第1特別領域が開閉され、第2開閉手段により、第2特別領域が開閉される。そして、有効時通過手段により、特別領域切替手段によって第1特別領域が有効である場合に、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入され、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合に、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させる場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を適切に発生させることができる、という効果がある。
遊技機E7において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を閉鎖して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させないようにするとともに、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を閉鎖して、前記2特別領域へ遊技球を流入させない
ことを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、通過阻止手段により、第1開閉手段を閉鎖して第1特別領域へ遊技球が流入されない。また、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、同じく通過阻止手段により、第2開閉手段を閉鎖して第2特別領域へ遊技球が流入されない。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないことで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E7又はE8において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記第2特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E7又はE8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、通過阻止手段により、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。また、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、同じく通過阻止手段により、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効でない特別領域へ遊技球を通過させることで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E6からE9のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記特別領域を有効にするか否かを決定する有効パターン決定手段(例えば、確変領域有効テーブル202g)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記特別領域へ遊技球を流入させるか否かを決定する開閉パターン決定手段(例えば、確変領域開閉テーブル202f)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記開閉パターン決定手段による前記特別領域の開閉パターンを同一にする開閉パターン同一手段(例えば、開閉パターン「X1」)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記有効パターン決定手段による前記特別領域の有効パターンを異ならせる有効パターン不一致手段(例えば、有効パターン「A」と「B」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E6からE9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2有利状態手段に設けられた有効パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することにより、単位遊技毎に、特別領域を有効にするか否かが決定される。また、同じく第2有利状態手段に設けられた開閉パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することにより、単位遊技毎に、特別領域へ遊技球を流入させるか否かが決定される。そして、開閉パターン同一手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、開閉パターン決定手段による特別領域の開閉パターンが同一とされ、有効パターン不一致手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、有効パターン決定手段による特別領域の有効パターンが異ならせる。これにより、特別領域の開閉パターンを第1抽選結果と第2抽選結果とで同一にして、開閉パターンのみでは抽選結果の識別できないようにしつつ、第1抽選結果と第2抽選結果とで特別領域の有効パターンを異ならせることで、第2有利状態が発生するか否かを認識し難く構成し、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E6からE10のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果及び前記第2抽選結果を表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記表示手段による表示結果によって前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果を識別困難にする結果識別困難手段(例えば、「時短C」の表示パターンが127種類、かつ、「潜伏確率変動C」の表示パターンが127種類であって、それぞれの表示パターンが8個のLEDによる規則性を有さない無作為なパターン)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E6からE10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段により、第1抽選結果及び第2抽選結果が表示され、結果識別困難手段により、表示手段による表示結果によって第1抽選結果又は第2抽選結果を識別困難に構成される。これにより、第1抽選結果及び第2抽選結果を表示しても、いずれの抽選結果であるかを識別困難に構成することで、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができず、かつ、表示手段の表示結果でも第2有利状態が発生するか否かを認識できない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機E0からE11のいずれかにおいて、
前記特別領域は、
遊技者から視認可能な位置に配設される
ことを特徴とする遊技機E12。
遊技機E12によれば、遊技機E0からE11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から視認可能な位置に特別領域が配設される。これにより、特別領域を遊技球が通過したことを遊技者に視認させ、第2有利状態が発生するか否かを推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<F群:インターバル時間と開放時間とを同調>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放する単位遊技を複数回実行して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域を設け、該特別領域を開閉部材等で開閉制御し、所定の単位遊技において開閉部材を開放することで遊技球が上記特別領域を通過した場合に、上記有利状態に基づく所定の遊技価値とは異なる第2有利状態に基づく特別遊技価値を発生させるパチンコ機がある。
また、上記パチンコ機では、例えば、第2有利状態が発生する場合であっても、該第2有利状態が発生するか否かを遊技者に報知せずに、第2有利状態が発生しない通常報知態様を実行するものがある。即ち、遊技者に対して第2有利状態が発生しないかのような演出を実行し、遊技者に第2有利状態が付与されるか否かを推測する遊技性を創出して、遊技の興趣を向上している(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、特別領域を遊技球が通過した場合に、もれなく第2有利状態を発生させる構成であるため、遊技者に事前に特別領域が開放される単位遊技を把握され、該単位遊技において特別領域を遊技球が通過したことを遊技者が視認した段階で、第2有利状態が発生することを遊技者に認識されてしまう。このため、特別領域への遊技球の通過による第2有利状態の発生を遊技者に認識された後に、通常報知態様を実行してしまうと、想定していた遊技の興趣を遊技者に与えることができず、むしろ、遊技に対して興醒めさせてしまうおそれがあり、この点について未だ改良の余地がある。
F群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、特図1入賞口64b)と、
該入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
該判定手段の判定結果を使用することにより、遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、大当たり終了処理(S415))と、
該遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、該遊技状態を遊技者に示唆する状態示唆報知(例えば、「確変報知演出態様」)を実行する報知手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態とする有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、を備えた遊技機において、
1の前記有利状態において、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態にする単位遊技(例えば、1のラウンド)を複数回実行する単位遊技実行手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
1の前記有利状態において、前記単位遊技の実行後、前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態とし、その後、再び前記第2状態にするまで待機遊技(例えば、インターバル時間)を実行する待機遊技実行手段(例えば、開放中処理(S424)のS461)と、
前記可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域(例えば、右側確変領域73及び左側確変領域74)と、
該特別領域を有効にするか否かを切り替える特別領域切替手段(例えば、右確変有効フラグ203g又は左確変有効フラグ203hのオン)と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、
前記特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過した場合に、有利状態手段による前記有利状態と異なる第2有利状態を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203i)、を備え、
前記単位遊技実行手段は、
所定の前記単位遊技中に、前記待機遊技と同等の期間又は略同等の期間、前記可変入球手段を前記第1状態とする疑似待機遊技(例えば、疑似インターバル時間)を実行する疑似待機実行手段、を備え、
前記第2有利状態手段は、
該特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生する一方、
前記特別領域切替手段によって有効に設定されていない前記特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生しないように構成され、
前記報知手段は、
前記特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過したタイミングでは前記第2有利状態に対応する前記状態示唆報知を実行しない示唆報知非実行手段(例えば、「潜伏確率変動A」の当選に基づく「潜伏確変演出態様」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機F0。
遊技機F0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定され、判定手段の判定結果を使用することによって、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更され、遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、報知手段により、遊技状態を遊技者に報知する状態示唆報知が実行される。また、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態とする有利状態とされる。ここで、1の有利状態において、単位遊技実行手段により、可変入球手段を第1状態から第2状態にする単位遊技が複数回実行され、1の有利状態において、待機遊技実行手段により、単位遊技の実行後、可変入球手段を第2状態から第1状態とし、その後、再び第2状態とするまで待機遊技が実行される。そして、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域が設けられ、特別領域切替手段により、特別領域を有効にするか否かが切り替えられる。また、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過した場合に、遊技状態変更手段に設けられた第2有利状態手段により、有利状態手段による有利状態と異なる第2有利状態が発生し得る。ここで、単位遊技実行手段に設けられた疑似待機実行手段により、所定の単位遊技中に、待機遊技と同等の期間又は略同等の期間、可変入球手段を第1状態とする疑似待機遊技が実行される。そして、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生される一方、特別領域切替手段によって有効に設定されていない特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生されないように構成されている。そして、報知手段に設けられた示唆報知非実行手段により、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過したタイミングでは第2有利状態に対応する状態示唆報知が実行されないように構成される。即ち、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないようにすることができるとともに、有効に設定された特別領域を遊技球が通過したとしても、そのタイミングで第2有利状態が発生する旨が遊技者に示唆されない。また、待機遊技と疑似待機遊技とを遊技者に識別困難にすることで、実行中の単位遊技を把握し難くすることができる。これにより、仮に、特別領域が有効となっている単位遊技の把握を困難とし、第2有利状態が発生するか否かを認識困難にすることができる。従って、示唆報知非実行手段により、第2有利状態に対応する状態示唆報知を実行せず、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、「待機遊技と同等の期間又は略同等の期間」とは、遊技者が待機時間と疑似待機時間とを判別困難な時間であれば如何様な期間であってもよく、例えば、待機時間と疑似待機時間とが完全に一致する期間や、人間が認識困難な時間差(例えば、0.2秒程度)の差分が待機時間と疑似待機時間とに生じる期間等が例示される。
遊技機F0において、
前記特別領域切替手段は、
前記単位遊技中において、少なくとも前記疑似待機実行手段による前記疑似待機遊技以外の所定のタイミングで前記特別領域を有効とする所定タイミング有効手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機F1。
遊技機F1によれば、遊技機F0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域切替手段に設けられた所定タイミング有効手段により、単位遊技中において、少なくとも疑似待機実行手段による疑似待機遊技以外の所定のタイミングで特別領域が有効とされる。これにより、可変入球手段が第2状態である状況において特別領域を有効にし、該特別領域を遊技球が通過可能に構成することで、第2有利状態を発生させたい場合に特別領域へ遊技球を通過させ得ることができ、第2有利状態を確実に発生させることができる、という効果がある。
遊技機F0又はF1において、
前記単位遊技実行手段は、
前記疑似待機実行手段によって実行される前記疑似待機遊技の期間の長さと、前記単位遊技中における前記可変入球手段が前記第2状態である第2状態期間の期間の長さとを同一となるように前記単位遊技を実行する
ことを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F0又はF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、単位遊技実行手段により、疑似待機実行手段によって実行される疑似待機遊技の期間の長さと、単位遊技中における可変入球手段が第2状態である第2状態期間の期間の長さとが同一となるように単位遊技が実行される。これにより、待機遊技と疑似待機遊技との期間のみではそれぞれの識別が困難になり、実行中の単位遊技数を遊技者に一層把握困難にすることができる、という効果がある。
遊技機F2において、
前記単位遊技実行手段は、
1の前記単位遊技中において、前記第2状態期間を複数回実行する
ことを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば遊技機F2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、単位遊技実行手段により、1の単位遊技中において、第2状態期間が複数回実行される。これにより、実行中の単位遊技数を遊技者に一層把握困難にすることができる、という効果がある。
遊技機F2又はF3において、
前記疑似待機実行手段は、
1の前記単位遊技中において、前記疑似待機遊技を複数回実行する
ことを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F2又はF3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、疑似待機実行手段により、1の単位遊技中において、疑似待機遊技が複数回実行される。これにより、待機遊技と疑似待機遊技との識別が困難になり、実行中の単位遊技数を遊技者に一層把握困難にすることができる、という効果がある。
遊技機F0からF4のいずれかにおいて、
前記所定タイミング有効手段によって、前記特別領域が有効であることを示唆しない有効示唆非実行手段(例えば、確変領域73,74の有効設定の非報知)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F0からF4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有効示唆非実行手段により、所定タイミング遊技有効手段によって特別領域が有効であることが示唆されない。これにより、有利状態における単位遊技のいずれかにおいて特別領域が有効となり、該有効であることが示唆されない中で、該単位遊技中に特別領域へ遊技球を流入させることで、第2有利状態を発生させることができる。よって、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F0からF5のいずれかにおいて、
前記特別領域は、
前記第1特別領域(例えば、右側確変領域73)と、
該第1特別領域と異なる第2特別領域(例えば、左側確変領域74)と、を備え、
前記特別領域切替手段は、
所定の前記単位遊技において、前記第1特別領域又は前記第2特別領域のいずれか一方を有効にし、他方を有効にしない
ことを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F0からF5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域として、第1特別領域と、その第1特別領域と異なる第2特別領域とが備えられ、特別領域切替手段により、所定の単位遊技において、第1特別領域又は第2特別領域のいずれか一方が有効とされ、他方が有効とされないように構成される。これにより、複数の特別領域の有効パターンを設けることで、有効に設定されている第1特別領域又は第2特別領域を分かり難くすることができ、その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F0からF6のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させ得る前記第1抽選結果(例えば、「潜伏確率変動A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第1抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させる有効時通過手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオン)と、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させない前記第2抽選結果(例えば、「時短A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第2抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させない通過阻止手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオフ)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F0からF6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた有効時通過手段により、第1抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させるように構成される。一方、判定手段によって第2有利状態を発生させない第2抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた通過阻止手段により、第2抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないように構成される。即ち、第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を発生させる一方、第2有利状態を発生させない第2抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させないようにすることで、第2有利状態を発生させない。これにより、有効である特別領域へ遊技球を通過させるか否かにより第2有利状態を発生させつつ、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないように構成することで、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F7において、
前記第1特別領域を開閉する第1開閉手段(例えば、右確変領域開閉板73a)と、
前記第2特別領域を開閉する第2開閉手段(例えば、左確変領域開閉板74a)と、を備え、
前記有効時通過手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記2特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1開閉手段により、第1特別領域が開閉され、第2開閉手段により、第2特別領域が開閉される。そして、有効時通過手段により、特別領域切替手段によって第1特別領域が有効である場合に、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入され、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合に、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させる場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を適切に発生させることができる、という効果がある。
遊技機F8において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を閉鎖して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させず、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を閉鎖して、前記2特別領域へ遊技球を流入させない
ことを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、通過阻止手段により、第1開閉手段を閉鎖して第1特別領域へ遊技球が流入されない。また、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、同じく通過阻止手段により、第2開閉手段を閉鎖して第2特別領域へ遊技球が流入されない。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないことで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F8又はF9において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記第2特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F8又はF9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、通過阻止手段により、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。また、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、同じく通過阻止手段により、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効でない特別領域へ遊技球を通過させることで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F7からF10のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記特別領域を有効にするか否かを決定する有効パターン決定手段(例えば、確変領域有効テーブル202g)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記特別領域へ遊技球を流入させるか否かを決定する開閉パターン決定手段(例えば、確変領域開閉テーブル202f)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記開閉パターン決定手段による前記特別領域の開閉パターンを同一にする開閉パターン同一手段(例えば、開閉パターン「X1」)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記有効パターン決定手段による前記特別領域の有効パターンを異ならせる有効パターン不一致手段(例えば、有効パターン「A」と「B」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F11。
遊技機F11によれば、遊技機F7からF10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2有利状態手段に設けられた有効パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することにより、単位遊技毎に、特別領域を有効にするか否かが決定される。また、同じく第2有利状態手段に設けられた開閉パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することにより、単位遊技毎に、特別領域へ遊技球を流入させるか否かが決定される。そして、開閉パターン同一手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、開閉パターン決定手段による特別領域の開閉パターンが同一とされ、有効パターン不一致手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、有効パターン決定手段による特別領域の有効パターンが異ならせる。これにより、特別領域の開閉パターンを第1抽選結果と第2抽選結果とで同一にして、開閉パターンのみでは抽選結果の識別できないようにしつつ、第1抽選結果と第2抽選結果とで特別領域の有効パターンを異ならせることで、第2有利状態が発生するか否かを認識し難く構成し、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F7からF11のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果及び前記第2抽選結果を表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記表示手段による表示結果によって前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果を識別困難にする結果識別困難手段(例えば、「時短C」の表示パターンが127種類、かつ、「潜伏確率変動C」の表示パターンが127種類であって、それぞれの表示パターンが8個のLEDによる規則性を有さない無作為なパターン)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F12。
遊技機F12によれば、遊技機F7からF11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段により、第1抽選結果及び第2抽選結果が表示され、結果識別困難手段により、表示手段による表示結果によって第1抽選結果又は第2抽選結果を識別困難に構成される。これにより、第1抽選結果及び第2抽選結果を表示しても、いずれの抽選結果であるかを識別困難に構成することで、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができず、かつ、表示手段の表示結果でも第2有利状態が発生するか否かを認識できない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F0からF12のいずれかにおいて、
前記特別領域は、
遊技者から視認可能な位置に配設される
ことを特徴とする遊技機F13。
遊技機F13によれば、遊技機F0からF12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から視認可能な位置に特別領域が配設される。これにより、特別領域を遊技球が通過したことを遊技者に視認させ、第2有利状態が発生するか否かを推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機F0からF13において、
前記単位遊技は、
前記可変入球手段を、前記第1状態から前記第2状態にした後、所定の終了条件の成立に基づいて前記第1状態として、1の前記単位遊技を終了する純粋単位遊技と、
前記可変入球手段を、前記第1状態から前記第2状態にした後、前記疑似待機遊技として前記第1状態とし、その後、さらに前記第2状態とした後、前記終了条件の成立に基づいて前記第1状態として、1の前記単位遊技を終了する疑似単位遊技と、を備えている
ことを特徴とする遊技機F14。
遊技機F14によれば、遊技機F0からF13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、単位遊技として、可変入球手段を、第1状態から第2状態とした後、所定の終了条件の成立に基づいて第1状態として、1の単位遊技を終了する純粋単位遊技が設けられる。また、同じく単位遊技として、可変入球手段を、第1状態から第2状態とした後、疑似待機遊技として第1状態とし、その後、さらに第2状態とした後、終了条件の成立に基づいて第1状態として、1の単位遊技を終了する疑似単位遊技が設けられる。これにより、単位遊技のバリエーションを設け、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<G群:本開放の前に動作確認開放>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域を設け、該特別領域を開閉部材等で開閉制御し、遊技球が上記特別領域を通過した場合に、上記有利状態に基づく所定の遊技価値とは異なる第2有利状態に基づく特別遊技価値を発生させるパチンコ機がある(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機において、何らかの異常が発生して開閉部材が開放されない場合、遊技球を特別領域へ流入させることができず、遊技者に不測の不利益を被らせてしまうおそれがある。
G群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技者に不利益を与えることを抑制する遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、特図1入賞口64b)と、
該入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態とする有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
該有利状態手段による前記有利状態と異なる第2有利状態を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203i)と、を備えた遊技機において、
前記可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域(例えば、右側確変領域73及び左側確変領域74)と、
前記特別領域を開閉する開閉手段(例えば、右確変領域開閉板73a及び左確変領域開閉板74a)と、
該開閉手段を開閉駆動する駆動手段(例えば、右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74b)と、を備え、
該駆動手段は、
前記特別領域へ遊技球を流入可能な本開放を実行する本開放実行手段(例えば、3カウント目の入賞に基づく「2000ms」の開放)と、
該本開放実行手段による前記本開放の実行前に、前記開閉手段を前記本開放より短い時間開放する暫定開放を実行する暫定開放実行手段(例えば、1カウント目の入賞に基づく「60ms」の開放)と、
該暫定開放実行手段による前記暫定開放が正常に実行されたか否かを判断する暫定開放判断手段(例えば、1カウント目の入賞に基づいて右確変領域ソレノイド73b及び左確変領域ソレノイド74bが正常に作動するか否かを判断)と、
該暫定開放判断手段によって前記暫定開放が正常に実行されていないと判断された場合に、前記開閉手段に異常が生じていることを報知する異常報知手段(例えば、エラー報知)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G0。
遊技機G0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態とする有利状態とされる。また、第2有利状態手段により、有利状態手段による有利状態と異なる第2有利状態が発生し得る。ここで、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域が設けられ、開閉手段により特別領域が開閉され、駆動手段により開閉手段が開閉駆動される。また、駆動手段に設けられた本開放実行手段により、特別領域へ遊技球を流入可能に本開放が実行され、同じく駆動手段に設けられた暫定開放実行手段により、本開放実行手段による本開放の実行前に、開閉手段を本開放より短い時間開放する暫定開放が実行される。そして、同じく駆動手段に設けられた暫定開放判断手段により、暫定開放実行手段による暫定開放が正常に実行されたか否かが判断され、その暫定開放判断手段によって暫定開放が正常に実行されていないと判断された場合に、異常報知手段により、開閉手段に異常が生じていることが報知される。これにより、特別領域へ遊技球を流入させる前に暫定開放を実行して、特別領域が正常に開放されるか否かを判断することができ、仮に、特別領域が開放されない場合には、異常報知がなされることで早期にその旨を認識することができる。よって、遊技球を特別領域へ流入させることができないことを本開放前に早期に認識し、遊技場の店員等にその旨を認識させることができる。その結果、遊技場の店員は、開閉手段の異常を把握した上で、遊技者に対応することが可能となり、第2有利状態が付与されないことによって遊技者に不利益を与えることを抑制できる、という効果がある。
遊技機G0において、
前記暫定開放判断手段によって前記暫定開放が正常に実行されていないと判断された場合に、遊技の進行を停止する遊技進行停止手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機G1。
遊技機G1によれば、遊技機G0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、暫定開放判断手段によって暫定開放が正常に実行されていないと判断された場合に、遊技進行停止手段により、遊技の進行が停止される。これにより、特別領域が正常に開放されない異常が認識された段階で遊技の進行を停止することで、それ以降に起こり得る特別領域を遊技球が通過しないといった不具合の発生を未然に防止することが可能となり、遊技者に不利益を与えることを抑制できる、という効果がある。
遊技機G1において、
前記遊技進行停止手段によって遊技が停止された場合に、所定条件の成立に基づいて遊技を再開する遊技再開手段、を備えている
ことを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技進行停止手段によって遊技が停止された場合に、遊技再開手段により、所定条件の成立に基づいて遊技を再開させる。これにより、例えば、特別領域が正常に開放されない異常が認識された段階で遊技の進行を停止することで、異常解消後に、該停止以降から遊技を再開させることが可能となり、第2有利状態が付与されないことによって遊技者に不利益を与えることを抑制できる、という効果がある。
遊技機G0からG2のいずれかにおいて、
前記暫定開放実行手段は、
前記特別領域へ遊技球が流入困難若しくは不可となるように前記開閉手段を開放駆動する
ことを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G0からG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、暫定開放実行手段により、特別領域へ遊技球が流入困難若しくは不可となるように開閉手段が開放駆動される。これにより、暫定開放時には特別領域へ遊技球を流入させないことで、例えば、可変入球手段内に滞留している遊技球が特別領域へ流入するといった想定外の事象が発生することが防止し、遊技仕様の想定通りの遊技価値を遊技者に付与し、遊技場に不測の損失が発生することを防止することができる、という効果がある。
遊技機G0からG3のいずれかにおいて、
前記本開放実行手段は、
前記本開放を実行するか否かを決定する本開放決定手段(例えば、確変領域開閉テーブル202f)と、
該本開放決定手段により前記本開放を実行することが決定された場合に、該本開放を実行する実行手段(例えば、「時短A」の1ラウンド目における右側確変領域73の開放)と、を備え、
前記暫定開放実行手段は、
前記実行手段によって前記本開放が実行されない場合も前記暫定開放を実行する
ことを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G0からG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、本開放実行手段に設けられた本開放決定手段により、本開放を実行するか否かが決定され、その本開放決定手段により本開放を実行することが決定された場合に、実行手段により本開放が実行される。そして、暫定開放実行手段により、実行手段によって本開放が実行されない場合も暫定開放が実行される。これにより、特別領域の本開放が実行されない場合であっても開閉手段が正常に開放して特別領域へ遊技球を流入させることが可能か否かを認識することができ、遊技球を特別領域へ流入させることができないことを早期に認識し、遊技場の店員等にその旨を認識させることができる。その結果、遊技場の店員は、開閉手段の異常を把握した上で、遊技者に対応することが可能となり、第2有利状態が付与されないことによって遊技者に不利益を与えることを抑制できる、という効果がある。
遊技機G0からG4のいずれかにおいて、
前記特別領域は、
前記第1特別領域(例えば、右側確変領域73)と、
該第1特別領域と異なる第2特別領域(例えば、左側確変領域74)と、を備え、
前記開閉手段は、
前記第1特別領域を開閉する第1開閉手段(例えば、右確変領域開閉板73a)と、
前記第2特別領域を開閉する第2開閉手段(例えば、左確変領域開閉板74a)と、を備え、
前記本開放実行手段は、
前記第1開閉手段又は前記第2開閉手段のいずれか一方を開放して前記本開放を実行し、
前記暫定開放実行手段は、
前記第1開閉手段及び前記第2開閉手段の両方を開放して前記暫定開放を実行する
ことを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G0からG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域に、第1特別領域と、その第1特別領域と異なる第2特別領域とが設けられ、開閉手段に設けられた第1開閉手段により、第1特別領域が開閉され、同じく開閉手段に設けられた第2開閉手段により、第2特別領域が開閉される。そして、本開放実行手段により、第1開閉手段又は第2開閉手段のいずれか一方が開放されて本開放が実行され、暫定開放実行手段により、第1開閉手段及び第2開閉手段の両方が開放されて暫定開放が実行される。これにより、第1特別領域又は第2特別領域の本開放が実行されない場合であっても暫定開放を第1開閉手段及び第2開放手段で共に実行し、両開閉手段が正常に開放して特別領域へ遊技球を流入させることが可能か否かを認識することができる。よって、遊技球を特別領域へ流入させることができないことを早期に認識し、遊技場の店員等にその旨を認識させることができる。その結果、遊技場の店員は、開閉手段の異常を把握した上で、遊技者に対応することが可能となり、第2有利状態が付与されないことによって遊技者に不利益を与えることを抑制できる、という効果がある。
遊技機G0からG5のいずれかにおいて、
前記特別領域を有効にするか否かを切り替える特別領域切替手段(例えば、右確変有効フラグ203g又は左確変有効フラグ203hのオン)、を備え、
前記第2有利状態手段は、
該特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生する一方、
前記特別領域切替手段によって有効に設定されていない前記特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生しないように構成される
ことを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G0からG5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域切替手段により、特別領域を有効にするか否かが切り替えられる。そして、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生される一方、特別領域切替手段によって有効に設定されていない特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生されないように構成されている。これにより、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないようにすることができる。よって、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G0からG6のいずれかにおいて、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、大当たり終了処理(S415))と、
該遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、該遊技状態を遊技者に示唆する状態示唆報知(例えば、「確変報知演出態様」)を実行する報知手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、を備え、
前記報知手段は、
前記特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過したタイミングでは前記第2有利状態に対応する前記状態示唆報知を実行しない示唆報知非実行手段(例えば、「潜伏確率変動A」の当選に基づく「潜伏確変演出態様」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G0からG6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段の判定結果を使用することによって、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更され、遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、報知手段により、遊技状態を遊技者に報知する状態示唆報知が実行される。そして、報知手段に設けられた示唆報知非実行手段により、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過したタイミングでは、第2有利状態に対応する状態示唆報知が実行されないように構成される。これにより、示唆報知非実行手段により、第2有利状態に対応する状態示唆報知を実行せず、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G6又はG7において、
前記有利状態手段は、
1の前記有利状態において、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態にする単位遊技(例えば、1のラウンド)を複数回実行する単位遊技実行手段(例えば、大当たり処理(S103))、を備え、
前記特別領域切替手段は、
少なくともいずれか1の前記単位遊技において、前記特別領域を有効にする単位遊技有効手段(例えば、「潜伏確率変動B」の2ラウンド目)と、
該単位遊技有効手段によって、前記特別領域が有効であることを示唆しない有効示唆非実行手段(例えば、確変領域73,74の有効設定の非報知)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G6又はG7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた単位遊技実行手段により、1の有利状態において、可変入球手段を第1状態から第2状態にする単位遊技が複数回実行される。そして、特別領域切替手段に設けられた単位遊技有効手段より、少なくともいずれか1の単位遊技において、特別領域が有効とされ、同じく特別領域切替手段に設けられた有効示唆非実行手段により、単位遊技有効手段によって特別領域が有効であることが示唆されない。これにより、有利状態における単位遊技のいずれかにおいて特別領域が有効となり、該有効であることが示唆されない中で、該単位遊技中に特別領域へ遊技球を流入させることで、第2有利状態を発生させることができる。よって、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G8において、
前記特別領域切替手段は、
所定の前記単位遊技において、前記第1特別領域又は前記第2特別領域のいずれか一方を有効にし、他方を有効にしない
ことを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域切替手段により、所定の単位遊技において、第1特別領域又は第2特別領域のいずれか一方が有効とされ、他方が有効とされないように構成される。これにより、複数の特別領域の有効パターンを設けることで、有効に設定されている第1特別領域又は第2特別領域を分かり難くすることができ、その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G0からG9のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させ得る前記第1抽選結果(例えば、「潜伏確率変動A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第1抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させる有効時通過手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオン)と、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させない前記第2抽選結果(例えば、「時短A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第2抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させない通過阻止手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、右確変領域ソレノイド73bのオフ)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G10。
遊技機G10によれば、遊技機G0からG9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた有効時通過手段により、第1抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させるように構成される。一方、判定手段によって第2有利状態を発生させない第2抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた通過阻止手段により、第2抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないように構成される。即ち、第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を発生させる一方、第2有利状態を発生させない第2抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させないようにすることで、第2有利状態を発生させない。これにより、有効である特別領域へ遊技球を通過させるか否かにより第2有利状態を発生させつつ、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないように構成することで、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G10において、
前記有効時通過手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記2特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機G11。
遊技機G11によれば、遊技機G10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有効時通過手段により、特別領域切替手段によって第1特別領域が有効である場合に、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入され、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合に、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させる場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を適切に発生させることができる、という効果がある。
遊技機G10又はG11において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を閉鎖して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させず、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を閉鎖して、前記2特別領域へ遊技球を流入させない
ことを特徴とする遊技機G12。
遊技機G12によれば、遊技機G10又はG11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、通過阻止手段により、第1開閉手段を閉鎖して第1特別領域へ遊技球が流入されない。また、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、同じく通過阻止手段により、第2開閉手段を閉鎖して第2特別領域へ遊技球が流入されない。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないこととで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G11又はG12において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記第2特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機G13。
遊技機G13によれば、遊技機G11又はG12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、通過阻止手段により、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。また、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、同じく通過阻止手段により、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効でない特別領域へ遊技球を通過させることで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G8からG13のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記特別領域を有効にするか否かを決定する有効パターン決定手段(例えば、確変領域有効テーブル202g)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記特別領域へ遊技球を流入させるか否かを決定する開閉パターン決定手段(例えば、確変領域開閉テーブル202f)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記開閉パターン決定手段による前記特別領域の開閉パターンを同一にする開閉パターン同一手段(例えば、開閉パターン「X1」)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記有効パターン決定手段による前記特別領域の有効パターンを異ならせる有効パターン不一致手段(例えば、有効パターン「A」と「B」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G14。
遊技機G14によれば、遊技機G8からG13の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2有利状態手段に設けられた有効パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することによって、単位遊技毎に、特別領域を有効にするか否かが決定される。また、同じく第2有利状態手段に設けられた開閉パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することによって、単位遊技毎に、特別領域へ遊技球を流入させるか否かが決定される。そして、開閉パターン同一手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、開閉パターン決定手段による特別領域の開閉パターンが同一とされ、有効パターン不一致手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、有効パターン決定手段による特別領域の有効パターンが異ならせる。これにより、特別領域の開閉パターンを第1抽選結果と第2抽選結果とで同一にして、開閉パターンのみでは抽選結果の識別できないようにしつつ、第1抽選結果と第2抽選結果とで特別領域の有効パターンを異ならせることで、第2有利状態が発生するか否かを認識し難く構成し、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G10からG14のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果及び前記第2抽選結果を表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記表示手段による表示結果によって前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果を識別困難にする結果識別困難手段(例えば、「時短C」の表示パターンが127種類、かつ、「潜伏確率変動C」の表示パターンが127種類であって、それぞれの表示パターンが8個のLEDによる規則性を有さない無作為なパターン)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機G15。
遊技機G15によれば、遊技機G10からG14の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段により、第1抽選結果及び第2抽選結果が表示され、結果識別困難手段により、表示手段による表示結果によって第1抽選結果又は第2抽選結果を識別困難に構成される。これにより、第1抽選結果及び第2抽選結果を表示しても、いずれの抽選結果であるかを識別困難に構成することで、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができず、かつ、表示手段の表示結果でも第2有利状態が発生するか否かを認識できない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機G0からG15のいずれかにおいて、
前記特別領域は、
遊技者から視認可能な位置に配設される
ことを特徴とする遊技機G16。
遊技機G16によれば、遊技機G0からG15の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から視認可能な位置に特別領域が配設される。これにより、特別領域を遊技球が通過したことを遊技者に視認させ、第2有利状態が発生するか否かを推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<H群:ダブルアタッカー×個別確変領域(開閉板無し)>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域を設け、該特別領域を開閉部材等で開閉制御し、遊技球が上記特別領域を通過した場合に、上記有利状態に基づく所定の遊技価値とは異なる第2有利状態に基づく特別遊技価値を発生させるパチンコ機がある。
また、上記パチンコ機では、例えば、第2有利状態が発生する場合であっても、該第2有利状態が発生するか否かを遊技者に報知せずに、第2有利状態が発生しない通常報知態様を実行するものがある。即ち、遊技者に対して第2有利状態が発生しないかのような演出を実行し、遊技者に第2有利状態が付与されるか否かを推測する遊技性を創出して、遊技の興趣を向上している(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、特別領域を遊技球が通過した場合に、もれなく第2有利状態を発生させる構成であるため、特別領域を遊技球が通過したことを遊技者が視認した段階で、第2有利状態が発生することを遊技者に認識されてしまう。このため、特別領域への遊技球の通過による第2有利状態の発生を遊技者に認識された後に、通常報知態様を実行してしまうと、想定していた遊技の興趣を遊技者に与えることができず、むしろ、遊技に対して興醒めさせてしまうおそれがあり、この点について未だ改良の余地がある。
H群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、特図1入賞口64b)と、
該入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
該判定手段の判定結果を使用することにより、遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、「通常遊技状態」から「潜伏確率変動状態」)と、
該遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、該遊技状態を遊技者に示唆する状態示唆報知(例えば、「確変報知演出態様」)を実行する報知手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とにそれぞれ変化可能な第1可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)及び第2可変入球手段(例えば、第2可変入賞装置76)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記第1可変入球手段及び前記第2可変入球手段の一方又は両方を前記第1状態から前記第2状態とする有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり時における大入賞口65a及び第2大入賞口76aの開放)と、を備えた遊技機において、
前記第1可変入球手段に流入した遊技球が通過可能な第1特別領域(例えば、右側確変領域73)と、
前記第2可変入球手段に流入した遊技球が通過可能な第2特別領域(例えば、左側確変領域74)と、
前記第1特別領域又は前記第2特別領域の有効又は無効を切り替える特別領域切替手段(例えば、右確変有効フラグ203g又は左確変有効フラグ203hのオン)と、を備え、
前記遊技状態変更手段は、
前記有利状態手段による前記有利状態と異なる第2有利状態を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、「確率変動状態」の発生)、を備え、
前記第2有利状態手段は、
該特別領域切替手段によって有効に設定された前記第1特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生し、
前記特別領域切替手段によって有効に設定された前記第2特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生する一方、
前記特別領域切替手段によって有効に設定されていない前記第1特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生しないように構成し、
前記特別領域切替手段によって有効に設定されていない前記第2特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生しないように構成し、
前記報知手段は、
前記特別領域切替手段によって有効に設定された前記第1特別領域又は前記第2特別領域を遊技球が通過したタイミングでは前記第2有利状態に対応する前記状態示唆報知を実行しない示唆報知非実行手段(例えば、「潜伏確率変動A」の当選に基づく「潜伏確変演出態様」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機H0。
遊技機H0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定され、判定手段の判定結果を使用することによって、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更され、遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、報知手段により、遊技状態を遊技者に報知する状態示唆報知が実行される。また、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な第1可変入球手段及び第2可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、第1可変入球手段及び第2可変入球手段の一方又は両方が前記第1状態から前記第2状態とする有利状態とされる。ここで、第1可変入球手段に流入した遊技球が第1特別領域を通過可能に構成され、第2可変入球手段に流入した遊技球が第2特別領域を通過可能に構成され、特別領域切替手段により、第1特別領域又は第2特別領域の有効又は無効が切り替えられる。また、遊技状態変更手段に設けられた第2有利状態手段により、有利状態手段による有利状態と異なる第2有利状態が発生し得る。そして、特別領域切替手段によって有効に設定された第1特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生され、特別領域切替手段によって有効に設定された第2特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態が発生される。一方、特別領域切替手段によって有効に設定されていない第1特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生されないように構成され、特別領域切替手段によって有効に設定されていない第2特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生されないように構成されている。そして、報知手段に設けられた示唆報知非実行手段により、特別領域切替手段によって有効に設定された第1特別領域又は第2特別領域を遊技球が通過したタイミングでは第2有利状態に対応する状態示唆報知が実行されない。即ち、第1特別領域又は第2特別領域を遊技球が通過したとしても、該第1特別領域又は第2特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないようにすることができるとともに、有効に設定された第1特別領域又は第2特別領域を遊技球が通過したとしても、そのタイミングで第2有利状態が発生する旨が遊技者に示唆されない。これにより、仮に、第1特別領域又は第2特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、示唆報知非実行手段により、第2有利状態に対応する状態示唆報知を実行せず、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、第1特別領域又は第2特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H0において、
前記有利状態手段は、
1の前記有利状態において、前記第1可変入球手段又は前記第2可変入球手段のいずれか一方を前記第1状態から前記第2状態にする単位遊技(例えば、1のラウンド)を複数回実行する単位遊技実行手段(例えば、大当たり処理(S103))、を備え、
前記特別領域切替手段は、
少なくともいずれか1の前記単位遊技において、前記第1特別領域又は前記第2特別領域を有効にする単位遊技有効手段(例えば、「潜伏確率変動B」の2ラウンド目)、を備え、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果(例えば、「潜伏確率変動A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第1抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記第1特別領域又は前記第2特別領域へ遊技球を通過させるように前記第1可変入球手段及び前記第2可変入球手段を開閉制御する有効時開放手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、大入賞口ソレノイド65cのオン)と、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させない第2抽選結果(例えば、「時短A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第2抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記第1特別領域又は前記第2特別領域へ遊技球を通過させないように前記第1可変入球手段及び前記第2可変入球手段を開閉制御する通過阻止開放手段(例えば、右確変有効フラグ203gのオン、かつ、大入賞口ソレノイド65cのオフ)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H1。
遊技機H1によれば、遊技機H0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた単位遊技実行手段により、1の有利状態において、第1可変入球手段又は第2可変入球手段のいずれか一方を第1状態から第2状態にする単位遊技が複数回実行される。また、特別領域切替手段に設けられた単位遊技有効手段により、少なくともいずれか1の単位遊技において、第1特別領域又は第2特別領域が有効とされる。そして、第2有利状態手段に設けられた有効時開放手段により、判定手段によって第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果であると判定された場合に、その第1抽選結果に基づく有利状態中に、有効である第1特別領域又は第2特別領域へ遊技球を通過させるように第1可変入球手段及び第2可変入球手段が開閉制御される。また、同じく第2有利状態手段に設けられた通過阻止手段により、判定手段によって第2有利状態を発生させない第2抽選結果であると判定された場合に、その第2抽選結果に基づく有利状態中に、有効である第1特別領域又は第2特別領域へ遊技球を通過させないように第1可変入球手段及び第2可変入球手段が開閉制御される。これにより、第1可変入球手段及び第2可変入球手段の開閉制御と、第1特別領域又は第2特別領域を有効とするか否かの制御によって、抽選結果に応じた第2有利状態を発生させることができるようにしつつ、各特別領域に、該特別領域を開閉させるような部材を設ける必要がなく、第1可変入球手段及び第2可変入球手段の設計を複雑化することなく、第1可変入球手段及び第2可変入球手段をシンプルな構成にして容易に設計することができる、という効果がある。また、遊技機の部品点数を削減し、製造コストを削減することができる、という効果がある。さらに、第1可変入球手段及び第2可変入球手段の合流等を考慮する必要がないので、第1可変入球手段及び第2可変入球手段の設計自由度を向上することができる、という効果がある。
遊技機H0又はH1において、
前記有利状態手段は、
所定の前記有利状態において、前記単位遊技が実行される毎に、前記第1可変入球手段と前記第2可変入球手段とを交互に間断なく前記第2状態にする交互入球手段(例えば、インターバル時間無しで可変入賞装置65と第2可変入賞装置76を開放)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H0又はH1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた交互入球手段により、所定の有利状態において、単位遊技が実行される毎に、第1可変入球手段と第2可変入球手段とが交互に間断なく第2状態とされる。
従来より、1の可変入球手段の開放又は閉鎖によって有利状態を消化する場合に、可変入球手段の閉鎖に伴うインターバル時間を設ける必要があり、有利状態の消化に時間を要してしまい、遊技が間延びして、遊技者が興醒めしてしまうおそれがあり、この点について未だ改良の余地がある。
これに対し、遊技機H2によれば、交互入球手段により、所定の有利状態の単位遊技毎に第1可変入球手段と第2可変入球手段とを交互に間断なく第2状態とし、可変入球手段の閉鎖に伴うインターバル時間をなくすことができる。よって、有利状態を迅速に消化することができ、遊技が間延びすることがないので、遊技者が興醒めしてしまうことを防止することができる、という効果がある。また、2の可変入球手段の開放閉鎖と2の特別領域の有効又は無効との組み合わせによって第2有利状態を付与することで、各組み合わせのバリエーションを事前に把握していないと第2有利状態が発生することを認識することができない。その結果、迅速に行われる有利状態において、遊技者の思考時間を少なくしつつ、第2有利状態が発生するか否かを認識し難くすることができ、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H1又はH2において、
前記特別領域切替手段は、
前記単位遊技有効手段によって、前記第1特別領域又は前記第2特別領域が有効であることを示唆しない有効示唆非実行手段(例えば、確変領域73,74の有効設定の非報知)、を備えている
ことを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域切替手段に設けられた有効示唆非実行手段により、単位遊技有効手段によって特別領域が有効であることが示唆されない。これにより、有利状態における単位遊技のいずれかにおいて第1特別領域又は第2特別領域が有効となり、該有効であることが示唆されない中で、該単位遊技中に有効である第1特別領域又は第2特別領域へ遊技球を流入させることで、第2有利状態を発生させることができる。よって、第1特別領域又は第2特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H0からH3のいずれかにおいて、
前記特別領域切替手段は、
所定の前記単位遊技において、前記第1特別領域又は前記第2特別領域のいずれか一方を有効にし、他方を有効にしない
ことを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H0からH3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域切替手段により、所定の単位遊技において、第1特別領域又は第2特別領域のいずれか一方が有効とされ、他方が有効とされないように構成される。これにより、複数の特別領域の有効パターンを設けることで、有効に設定されている第1特別領域又は第2特別領域を分かり難くすることができ、その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H0からH4のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記第1特別領域又は前記第2特別領域を有効にするか否かを決定する有効パターン決定手段(例えば、確変領域有効テーブル202g)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記単位遊技毎に、前記第1可変入球手段又は前記第2可変入球手段を開放して、前記第1特別領域又は前記第2特別領域へ遊技球を流入させるか否かを決定する開閉パターン決定手段(例えば、大入賞口開閉テーブル202h)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記開閉パターン決定手段による前記第1可変入球手段又は前記第2可変入球手段の開閉パターンを同一にする開閉パターン同一手段(例えば、開閉パターン「下上交互」)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記有効パターン決定手段による前記特別領域の有効パターンを異ならせる有効パターン不一致手段(例えば、有効パターン「A」と「B」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H0からH4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2有利状態手段に設けられた有効パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することにより、単位遊技毎に、第1特別領域又は第2特別領域を有効にするか否かが決定される。また、同じく第2有利状態手段に設けられた開閉パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用することにより、単位遊技毎に、第1可変入球手段又は第2可変入球手段を開放して、第1特別領域又は第2特別領域へ遊技球を流入させるか否かが決定される。そして、開閉パターン同一手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、開閉パターン決定手段による第1可変入球手段及び第2可変入球手段の開閉パターンが同一とされ、有効パターン不一致手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、有効パターン決定手段による特別領域の有効パターンが異ならせる。これにより、第1可変入球手段及び第2可変入球手段の開閉パターンを第1抽選結果と第2抽選結果とで同一にして、開閉パターンのみでは抽選結果の識別できないようにしつつ、第1抽選結果と第2抽選結果とで第1特別領域及び第2特別領域の有効パターンを異ならせることで、第2有利状態が発生するか否かを認識し難く構成し、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H1からH5のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果及び前記第2抽選結果を表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記表示手段による表示結果によって前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果を識別困難にする結果識別困難手段(例えば、「時短C」の表示パターンが127種類、かつ、「潜伏確率変動C」の表示パターンが127種類であって、それぞれの表示パターンが8個のLEDによる規則性を有さない無作為なパターン)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H1からH5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段により、第1抽選結果及び第2抽選結果が表示され、結果識別困難手段により、表示手段による表示結果によって第1抽選結果又は第2抽選結果を識別困難に構成される。これにより、第1抽選結果及び第2抽選結果を表示しても、いずれの抽選結果であるかを識別困難に構成することで、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができず、かつ、表示手段の表示結果でも第2有利状態が発生するか否かを認識できない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機H0からH6のいずれかにおいて、
前記第1特別領域及び前記第2特別領域は、
遊技者から視認可能な位置に配設される
ことを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H0からH6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者から視認可能な位置に第1特別領域及び第2特別領域が配設される。これにより、第1特別領域又は第2特別領域を遊技球が通過したことを遊技者に視認させ、第2有利状態が発生するか否かを推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
<I群:2の特定領域(1の特定領域と排出通路でも可)を奥行方向に重複>
従来より、パチンコ機等の遊技機では、遊技盤に設けられた遊技領域に向けて遊技球等の遊技媒体を発射し、該遊技領域に設けられた複数の入球口のいずれかへ遊技球が入球することに基づいて当否抽選を行い、該当否抽選において当たり等の有利状態に当選した場合に、通常では閉鎖されている可変入球手段を開放して、遊技者に所定の遊技価値が付与されるように構成されている。
このような遊技機では、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域を設け、該特別領域を開閉部材等で開閉制御し、遊技球が上記特別領域を通過した場合に、上記有利状態に基づく所定の遊技価値とは異なる第2有利状態に基づく特別遊技価値を発生させるパチンコ機がある。
また、上記パチンコ機では、例えば、第2有利状態が発生する場合であっても、該第2有利状態が発生するか否かを遊技者に報知せずに、第2有利状態が発生しない通常報知態様を実行するものがある。即ち、遊技者に対して第2有利状態が発生しないかのような演出を実行し、遊技者に第2有利状態が付与されるか否かを推測する遊技性を創出して、遊技の興趣を向上している(例えば、特許文献1(特開2017−148264号公報))。
しかしながら、上記遊技機では、特別領域を遊技球が通過した場合に、もれなく第2有利状態を発生させる構成であるため、特別領域を遊技球が通過したことを遊技者が視認した段階で、第2有利状態が発生することを遊技者に認識されてしまう。このため、特別領域への遊技球の通過による第2有利状態の発生を遊技者に認識された後に、通常報知態様を実行してしまうと、想定していた遊技の興趣を遊技者に与えることができず、むしろ、遊技に対して興醒めさせてしまうおそれがあり、この点について未だ改良の余地がある。
I群の発明は、上記例示した事情に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
遊技球を発射する発射手段(例えば、球発射ユニット112a)と、
該発射手段により発射された遊技球が入球可能な入球手段(例えば、特図1入賞口64b)と、
該入球手段に遊技球が入球したことに起因して所定情報を取得する情報取得手段(例えば、第1保留球格納エリア203d)と、
前記情報取得手段により取得された前記所定情報を判定する判定手段(例えば、大当たり乱数テーブル202a)と、
遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段(例えば、可変入賞装置65)と、
前記判定手段による判定結果を使用することにより、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態とする有利状態(例えば、大当たり状態)にする有利状態手段(例えば、大当たり処理(S103))と、
前記可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域(例えば、手前側確変領域73e及び奥側確変領域74e)と、を備えた遊技機において、
前記特別領域に対して遊技機正面視の前後方向に重複する位置に形成され、前記可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な第2通過手段(例えば、最奥排出通路75a)と、
該特別領域を遊技球が通過した場合に、前記有利状態手段による前記有利状態と異なる第2有利状態を発生させ得る第2有利状態手段(例えば、確変移行フラグ203i)と、を備え、
前記第2通過手段は、
前記可変入球手段に流入した遊技球のうち、前記特別領域を通過しない遊技球が通過する
ことを特徴とする遊技機I0。
遊技機I0によれば、発射手段により遊技球が発射され、この発射手段により発射された遊技球が入球手段に入球可能に構成され、この入球手段に遊技球が入球したことに起因して情報取得手段により所定情報が取得される。そして、判定手段により、情報取得手段により取得された所定情報が判定される。また、遊技球が進入し難い若しくは進入不可な第1状態と、遊技球が進入可能な第2状態とに変化可能な可変入球手段が設けられ、判定手段による判定結果を使用することによって、有利状態手段により、可変入球手段が前記第1状態から前記第2状態とする有利状態とされる。また、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能な特別領域が設けられる。ここで、特別領域に対して遊技機正面視の前後方向に重複する位置に形成された第2通過手段に、可変入球手段へ流入した遊技球が通過可能に構成される。そして、第2有利状態手段により、特別領域を遊技球が通過した場合に、有利状態手段による有利状態と異なる第2有利状態が発生し得る。そして、可変入球手段に流入した遊技球のうち、特別領域を通過しない遊技球が第2通過手段を通過するように構成される。即ち、可変入球手段に流入した遊技球は、遊技機正面視から重複するように配置された特別領域と第2通過手段とのいずれか一方を通過し、特別領域を通過した場合には、第2有利状態が発生し得るように構成される。これにより、一般的に人間の視覚は、平面画像の差分より奥行画像の差分を認識し難いため、特別領域と第2通過手段とが遊技機の正面視前後方向に重複することで、特別領域を遊技者から平面的に配置した場合に比べて、遊技機の正面側からこの特別領域および第2通過手段を視認する遊技者にいずれの流路(特別領域)へ流入したか否かを認識困難にすることができる。よって、遊技球が特別領域を通過したか否かを識別困難に構成することで、第2有利状態が発生し得るか否かを把握し難くすることできる。その結果、第2有利状態が付与されるか遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I0において、
前記有利状態手段は、
前記特別領域を有効にするか否かを切り替える特別領域切替手段(例えば、右確変有効フラグ203g又は左確変有効フラグ203hのオン)、を備え、
前記第2有利状態手段は、
該特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過した場合に、前記第2有利状態を発生する一方、
前記特別領域切替手段によって有効に設定されていない前記特別領域を遊技球が通過した場合には、前記第2有利状態を発生しないように構成される
ことを特徴とする遊技機I1。
遊技機I1によれば、遊技機I0の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた特別領域切替手段により、特別領域を有効にするか否かが切り替えられる。そして、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生される一方、特別領域切替手段によって有効に設定されていない特別領域を遊技球が通過した場合に、第2有利状態手段により、第2有利状態が発生されないように構成されている。即ち、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないようにすることができる。これにより、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。よって、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができないため、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I0又はI1において、
前記特別領域及び/又は前記第2通過手段は、
透明又は半透明素材により形成されている
ことを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I0又はI1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域及び/又は第2通過手段が、透明又は半透明素材により形成される。これにより、特別領域及び/又は第2通過手段が遊技機正面視で重複していることから、いずれの流路(特別領域)を遊技球が通過しているか否かを遊技者に判別し難くさせることができる。その結果、特別領域又は第2通過手段への流入パターンを事前に認識し難くなり、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I1又はI2において、
前記判定手段の判定結果を使用することにより、遊技状態を変更する遊技状態変更手段(例えば、大当たり終了処理(S415))と、
該遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、該遊技状態を遊技者に示唆する状態示唆報知(例えば、「確変報知演出態様」)を実行する報知手段(例えば、第3図柄表示装置81)と、を備え、
前記報知手段は、
前記特別領域切替手段によって有効に設定された前記特別領域を遊技球が通過したタイミングでは前記第2有利状態に対応する前記状態示唆報知を実行しない示唆報知非実行手段(例えば、「潜伏確率変動A」の当選に基づく「潜伏確変演出態様」)、を備えている
ことを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1又はI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段の判定結果を使用することによって、遊技状態変更手段により、遊技状態が変更され、遊技状態変更手段によって遊技状態が変更された場合に、報知手段により、遊技状態を遊技者に報知する状態示唆報知が実行される。そして、報知手段に設けられた示唆報知非実行手段により、特別領域切替手段によって有効に設定された特別領域を遊技球が通過したタイミングでは第2有利状態に対応する状態示唆報知が実行されない。即ち、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないようにすることができるとともに、有効に設定された特別領域を遊技球が通過したとしても、そのタイミングで第2有利状態が発生する旨が遊技者に示唆されない。これにより、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。そして、示唆報知非実行手段により、有効に設定された特別領域を遊技球が通過したタイミングでは第2有利状態に対応する状態示唆報知を実行せず、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I1からI3のいずれかにおいて、
前記有利状態手段は、
1の前記有利状態において、前記可変入球手段を前記第1状態から前記第2状態にする単位遊技(例えば、1のラウンド)を複数回実行する単位遊技実行手段(例えば、大当たり処理(S103))、を備え、
前記特別領域切替手段は、
少なくともいずれか1の前記単位遊技において、前記特別領域を有効にする単位遊技有効手段(例えば、「潜伏確率変動B」の2ラウンド目)と、
該単位遊技有効手段によって、前記特別領域が有効であることを示唆しない有効示唆非実行手段(例えば、確変領域73e,74eの有効設定の非報知)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I1からI3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態手段に設けられた単位遊技実行手段により、1の有利状態において、可変入球手段を第1状態から第2状態にする単位遊技が複数回実行される。そして、特別領域切替手段に設けられた単位遊技有効手段より、少なくともいずれか1の単位遊技において、特別領域が有効とされ、同じく特別領域切替手段に設けられた有効示唆非実行手段により、単位遊技有効手段によって特別領域が有効であることが示唆されない。これにより、有利状態における単位遊技のいずれかにおいて特別領域が有効となり、該有効であることが示唆されない中で、該単位遊技中に特別領域へ遊技球を流入させることで、第2有利状態を発生させることができる。よって、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I4において、
前記特別領域は、
前記第1特別領域(例えば、手前側確変領域73e)と、
該第1特別領域と異なる第2特別領域(例えば、奥側確変領域74e)と、を備え、
前記特別領域切替手段は、
所定の前記単位遊技において、前記第1特別領域又は前記第2特別領域のいずれか一方を有効にし、他方を有効にしない
ことを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特別領域として、第1特別領域と、その第1特別領域と異なる第2特別領域とが備えられ、特別領域切替手段により、所定の単位遊技において、第1特別領域又は第2特別領域のいずれか一方が有効とされ、他方が有効とされないように構成される。これにより、複数の特別領域の有効パターンを設けることで、有効に設定されている第1特別領域又は第2特別領域を分かり難くすることができ、その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I1からI5のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させ得る前記第1抽選結果(例えば、「潜伏確率変動A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第1抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させる有効時通過手段(例えば、右(手前)確変有効フラグ203gのオン、かつ、手前確変領域ソレノイド73gのオン)と、
前記判定手段によって前記第2有利状態を発生させない前記第2抽選結果(例えば、「時短A」の抽選結果)であると判定された場合に、該第2抽選結果に基づく前記有利状態中に、有効である前記特別領域へ遊技球を通過させない通過阻止手段(例えば、右(手前)確変有効フラグ203gのオン、かつ、手前確変領域ソレノイド73gのオフ)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I1からI5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判定手段によって第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた有効時通過手段により、第1抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させるように構成される。一方、判定手段によって第2有利状態を発生させない第2抽選結果であると判定された場合に、第2有利状態手段に設けられた通過阻止手段により、第2抽選結果に基づく有利状態中に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないように構成される。即ち、第2有利状態を発生させ得る第1抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を発生させる一方、第2有利状態を発生させない第2抽選結果である場合には、有効である特別領域へ遊技球を通過させないようにすることで、第2有利状態を発生させない。これにより、有効である特別領域へ遊技球を通過させるか否かにより第2有利状態を発生させつつ、特別領域を遊技球が通過したとしても、該特別領域が有効でなければ第2有利状態を発生しないように構成することで、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I6において、
前記特別領域を開閉する開閉手段(例えば、手前確変領域開閉板73f及び奥確変領域開閉板74f)、を備え、
前記有効時通過手段は、
前記特別領域切替手段により前記特別領域が有効である場合は、前記開閉手段を開放して、前記特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開閉手段により、特別領域が開閉される。そして、有効時通過手段により、特別領域切替手段によって特別領域が有効である場合に、開閉手段を開放して特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させる場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させることで、第2有利状態を適切に発生させることができる、という効果がある。
遊技機I7において、
前記開閉手段は、
透明又は半透明素材により形成されている
ことを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開閉手段が、透明又は半透明素材により形成される。これにより、開閉手段の駆動態様が遊技者によって判別し難くなるので、開閉手段が開放されて特別領域へ流入し得る状況か、開閉手段が閉鎖されて第2流路へ流入し得る状況かを認識し難くすることができる。その結果、特別領域又は第2流路への流入パターンを事前に認識し難くなり、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I7又はI8において、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記特別領域が有効である場合は、前記開閉手段を閉鎖して、前記特別領域へ遊技球を流入させない
ことを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I7又はI8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、通過阻止手段により、特別遊技切替手段によって特別領域が有効である場合は、開閉手段を閉鎖して特別領域へ遊技球が流入されない。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効である特別領域へ遊技球を通過させないことで、可変入球手段へ遊技球が流入したことを遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I7からI9のいずれかにおいて、
前記開閉手段は、
前記第1特別領域を開閉する第1開閉手段(例えば、手前確変領域開閉板73f)と、
前記第2特別領域を開閉する第2開閉手段(例えば、奥確変領域開閉板74f)と、を備え、
前記通過阻止手段は、
前記特別領域切替手段により前記第1特別領域が有効である場合は、前記第2開閉手段を開放して、前記第2特別領域へ遊技球を流入させ、
前記特別領域切替手段により前記第2特別領域が有効である場合は、前記第1開閉手段を開放して、前記第1特別領域へ遊技球を流入させる
ことを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、遊技機I7からI9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、開閉手段に設けられた第1開閉手段により、第1特別領域が開閉され、同じく開閉手段に設けられた第2開閉手段により、第2特別領域が開閉される。そして、通過阻止手段により、特別遊技切替手段によって第1特別領域が有効である場合は、第2開閉手段を開放して第2特別領域へ遊技球が流入される。また、同じく通過阻止手段により、特別領域切替手段によって第2特別領域が有効である場合は、第1開閉手段を開放して第1特別領域へ遊技球が流入される。これにより、第2有利状態を発生させない場合に、有効でない特別領域へ遊技球を通過させることで、仮に、特別領域への遊技球の通過を遊技者に認識された場合であっても、第2有利状態を発生し得ない状況を創り出すことができる。従って、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I7からI10のいずれかにおいて、
前記第2有利状態手段は、
前記判定手段による判定結果を使用して、前記単位遊技毎に、前記特別領域を有効にするか否かを決定する有効パターン決定手段(例えば、確変領域有効テーブル202g)と、
前記判定手段による判定結果を使用して、前記単位遊技毎に、前記特別領域へ遊技球を流入させるか否かを決定する開閉パターン決定手段(例えば、確変領域開閉テーブル202f)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記開閉パターン決定手段による前記特別領域の開閉パターンを同一にする開閉パターン同一手段(例えば、開閉パターン「X1」)と、
前記第1抽選結果と前記第2抽選結果とで、前記有効パターン決定手段による前記特別領域の有効パターンを異ならせる有効パターン不一致手段(例えば、有効パターン「A」と「B」)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I11。
遊技機I11によれば、遊技機I7からI10の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2有利状態手段に設けられた有効パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用して、単位遊技毎に、特別領域を有効にするか否かが決定される。また、同じく第2有利状態手段に設けられた開閉パターン決定手段により、判定手段による判定結果を使用して、単位遊技毎に、特別領域へ遊技球を流入させるか否かが決定される。そして、開閉パターン同一手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、開閉パターン決定手段による特別領域の開閉パターンが同一とされ、有効パターン不一致手段により、第1抽選結果と第2抽選結果とで、有効パターン決定手段による特別領域の有効パターンが異ならせる。これにより、特別領域の開閉パターンを第1抽選結果と第2抽選結果とで同一にして、開閉パターンのみでは抽選結果の識別できないようにしつつ、第1抽選結果と第2抽選結果とで特別領域の有効パターンを異ならせることで、第2有利状態が発生するか否かを認識し難く構成し、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出して、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
遊技機I7からI11のいずれかにおいて、
前記第1抽選結果及び前記第2抽選結果を表示する表示手段(例えば、特別図柄表示装置37)と、
前記表示手段による表示結果によって前記第1抽選結果又は前記第2抽選結果を識別困難にする結果識別困難手段(例えば、「時短C」の表示パターンが127種類、かつ、「潜伏確率変動C」の表示パターンが127種類であって、それぞれの表示パターンが8個のLEDによる規則性を有さない無作為なパターン)と、を備えている
ことを特徴とする遊技機I12。
遊技機I12によれば、遊技機I7からI11の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、表示手段により、第1抽選結果及び第2抽選結果が表示され、結果識別困難手段により、表示手段による表示結果によって第1抽選結果又は第2抽選結果を識別困難に構成される。これにより、第1抽選結果及び第2抽選結果を表示しても、いずれの抽選結果であるかを識別困難に構成することで、第2有利状態であることを遊技者に認識させないようにしている場合に、特別領域の遊技球の通過のみでは第2有利状態が発生するか否かを認識することができず、かつ、表示手段の表示結果でも第2有利状態が発生するか否かを認識できない。その結果、第2有利状態で遊技を行っているのか否かを遊技者に推測させる遊技性を創出することができ、遊技の興趣を向上することができる、という効果がある。
なお、上記遊技機A0〜A10のいずれかの構成に対して、上記遊技機B0〜B12,C0〜C12,D0〜D11,E0〜E12,F0〜F14,G0〜G16,H0〜H7,I0〜I12のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機B0〜B12のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,C0〜C12,D0〜D11,E0〜E12,F0〜F14,G0〜G16,H0〜H7,I0〜I12のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機C0〜C12のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B12,D0〜D11,E0〜E12,F0〜F14,G0〜G16,H0〜H7,I0〜I12のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機D0〜D11のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B12,C0〜C12,E0〜E12,F0〜F14,G0〜G16,H0〜H7,I0〜I12のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機E0〜E12のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B12,C0〜C12,D0〜D11,F0〜F14,G0〜G16,H0〜H7,I0〜I12のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機F0〜F14のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B12,C0〜C12,D0〜D11,E0〜E12,G0〜G16,H0〜H7,I0〜I12のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機G0〜G16のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B12,C0〜C12,D0〜D11,E0〜E12,F0〜F14,H0〜H7,I0〜I12のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機H0〜H7のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B12,C0〜C12,D0〜D11,E0〜E12,F0〜F14,G0〜G16,I0〜I12のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
また、上記遊技機I0〜I12のいずれかの構成に対して、上記遊技機A0〜A10,B0〜B12,C0〜C12,D0〜D11,E0〜E12,F0〜F14,G0〜G16,H0〜H7のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。
これらの場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
遊技機A0からA10,B0からB12,C0からC12、D0からD11、E0からE12、F0からF14、G0からG16、H0からH7、I0からI12のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機J1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0からA10,B0からB12,C0からC12、D0からD11、E0からE12、F0からF14、G0からG16、H0からH7、I0からI12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機J2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(大入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0からA10,B0からB12,C0からC12、D0からD11、E0からE12、F0からF14、G0からG16、H0からH7、I0からI12のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機J3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。