JP5629848B2 - 電解加工用ノズル、電解加工装置および電解加工方法 - Google Patents

電解加工用ノズル、電解加工装置および電解加工方法 Download PDF

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Description

本発明は、導電性の加工対象に電解液をフィルム状に出射しつつ、このフィルム状電解液と前記加工対象との間に電圧を加えて前記加工対象を電解加工する技術に関し、具体的には、前記加工対象に出射するフィルム状電解液を極肉薄とすることで、より微細な加工を実現するとともに加工精度を高くし、加えて電解加工用ノズル目詰まりを生じさせない電解加工用ノズル、電解加工装置および電解加工方法に関する。
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、マイクロマシーニング、微細加工の各技術分野では、たとえば微細な(たとえば、数から数十ミクロン径の)金属線材を高精度に加工して、微細部品や微細工具を製造する技術が必要とされている。
この種の微細部品や微細工具は、電解加工,加熱延伸等により製造することができる。たとえば、本発明者は、上記の微細工具のひとつであるマイクロソーワイヤーを製造する技術を既に提案している(特許文献1)。この技術は電解加工にかかるもので、フィルム状電解液を金属線材に接触させつつ、金属線材と電解液出射電解加工用ノズルとの間に電圧を加え、当該金属線材に複数の切り欠き(凹部)を形成している。
特許文献1において使用されている電解加工用ノズルでは、後述する図7(B)に示すように、流路がスリット状に形成され、流路の側壁の対向面同士は平行である。
特開2009−148879号
ところで、フィルム状電解液により加工対象を加工する技術では、加工精度は、フィルム状電解液の肉厚に依存する。
電解加工用ノズルの流路を薄くすれば肉厚は薄くなるが、流路を薄くしすぎると目詰まりが生じ易くなる。目詰まりが生じたときは、たとえば電解加工用ノズルを廃棄し、または分解して目詰まりを解消したりしなければならない。
本発明の目的は、加工対象に出射するフィルム状電解液を極肉薄とすることで、より微細な加工を実現するとともに加工精度を高くし、しかも電解加工用ノズルの目詰まりを生じさせない電解加工技術を提供することにある。
本発明の電解加工用ノズルは、(1)から(5)を要旨とする。
(1) 出射口に至る流路断面が長方形(本発明では、両端が丸みを帯びた長方形を含む)の電解加工用ノズルであって、前記流路の幅が前記出射口に向けて先開きであることを特徴とする電解加工用ノズル。
この電解加工用ノズルは、典型的には出射口の輪郭が長方形または長方形に近い正方向で、かつ少なくとも出射口近傍の流路の出射方向(通常、出射口に垂直)に垂直な断面(出射口に平行な断面)が長方形をなすもので、前記長方形の長辺が出射口に近いほど長く構成される。
(2) 出射口に至る流路断面が長方形の電解加工用ノズルであって、前記流路の厚みが前記出射口に向けて先窄みであることを特徴とする電解加工用ノズル。
この電解加工用ノズルは、典型的には出射口の輪郭が正方向または長方形で、かつ少なくとも出射口近傍の流路の出射方向(通常、出射口に垂直)に垂直な断面(出射口に平行な断面)が長方形をなすもので、前記長方形の短辺が出射口に近いほど短く構成される。
(3) 出射口に至る流路断面が長方形の電解加工用ノズルであって、前記流路の幅が前記出射口に向けて先開きで、厚みが前記出射口に向けて先窄みであることを特徴とする電解加工用ノズル。
この電解加工用ノズルは、典型的には出射口の輪郭が正方向または長方形で、かつ少なくとも出射口近傍の流路の出射方向(通常、出射口に垂直)に垂直な断面(出射口に平行な断面)が長方形をなすもので、前記長方形の長辺が射口に近いほど長く構成され、短辺が出射口に近いほど短く構成される。
(1)から(3)の電解加工用ノズルは、典型的には、2つ以上の部材を結合することにより形成できる。
たとえば、これらの電解加工用ノズルは、流路形状の切り欠きを有する薄状体と、当該薄状体の両面側に設けた挟持材とを結合することにより形成することができる。上記の薄状体や挟持材は、金属等の導電材、合成樹脂,セラミック等の絶縁材により構成することができる。
また、これらの電解加工用ノズルは、2部材の少なくとも一方に流路形状の溝を形成しておき、2部材を結合することにより形成することもできる。この場合にも、これら2部材は、金属等の導電材、合成樹脂,セラミック等の絶縁材により構成することができる。
薄状体や挟持材、あるいは上記2部材を金属により構成した場合には、これらを電極として使用することができる。電解加工用ノズルを構成する全ての薄状体や挟持材、あるいは上記2部材を絶縁体により構成した場合には、給電子を適宜の箇所に設ける必要がある(図9参照)。
(4) 前記流路が出射方向を軸とした捩れを持つことを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の電解加工用ノズル。
この電解加工用ノズルは、流路形状の切り欠きを有する薄状体と、当が薄状体の両面側に設けた板状の挟持材との結合体を捩じることにより形成することができる。
本発明の電解加工装置は、(5)を要旨とする。
(5)(1)から(4)の何れかに記載の電解加工用ノズルと、
前記電解加工用ノズルに電解液を供給する電解液供給源と、
電解加工用ノズルから出射されるフィルム状電解液と導電性加工対象(ワーク)との間に電圧を加える電源と、
を備えたことを特徴とする電解加工装置。
本発明の電解加工方法は、(6)および(7)を要旨とする。
(6)電解加工用ノズルからフィルム状電解液を導電性の加工対象に向けて出射するとともに、前記フィルム状電解液と前記加工対象との間に電圧を加えて当該加工対象を加工(切削または堆積)する電解加工方法であって、
前記電解加工用ノズルとして(1)から(4)の何れかに記載の電解加工用ノズルを用いて、前記出射したフィルム状電解液を前記出射口から遠ざかるにつれて幅広かつ肉薄に形成し、所定の位置にて前記加工対象の加工を行うことを特徴とする電解加工方法。
(7) 電解加工用ノズルからフィルム状電解液を導電性の加工対象に向けて出射するとともに、前記フィルム状電解液と前記加工対象との間に電圧を加えて当該加工対象を加工(切削または堆積)する電解加工方法であって、
前記電解加工用ノズルとして(1)から(4)の何れかに記載の電解加工用ノズルを用いて、前記出射したフィルム状電解液を、
前記出射口から遠ざかるにつれて長手方向に幅広かつ肉薄とした後、表面張力により幅狭かつ肉厚となるリーフ形状の第1薄状片を形成し、
さらに前記出射口から遠ざかるにつれて長手方向に幅広かつ肉薄とし後、表面張力により幅狭かつ肉厚となる前記第1薄状片とは面の向きが90°異なるリーフ形状の第2薄状片を形成する、
ことを特徴とする電解加工方法。
加工対象に出射するフィルム状電解液を極肉薄とすることで、より微細な加工を実現するとともに、加工精度を高くすることができる。
流路の幅が出射口に向けて先開きの本発明の電解加工用ノズルの実施形態を示す図であり、(A)は分解図,(B)は組み立て図である。 流路の幅が出射口に向けて先開きの本発明の電解加工用ノズルの他の実施形態を示す図であり、(A)は分解図,(B)は組み立て図である。 流路の厚みが前記出射口に向けて先窄みの本発明の電解加工用ノズルの実施形態を示す図であり、(A)は分解図,(B)は組み立て図である。 流路の厚みが前記出射口に向けて先窄みの本発明の電解加工用ノズルの他の実施形態を示す図であり、(A)は分解図,(B)は組み立て図である。 流路の幅が出射口に向けて先開きで、かつ厚みが出射口に向けて先窄みの本発明の電解加工用ノズルの実施形態を示す図であり、(A)は分解図,(B)は組み立て図である。 流路の幅が出射口に向けて先開きで、かつ厚みが出射口に向けて先窄みの本発明の電解加工用ノズルの他の実施形態を示す図であり、(A)は分解図,(B)は組み立て図である。 (A)は本発明の電解加工用ノズルから出射するフィルム状電解液の形状の説明図、(B)は従来の電解加工用ノズルから出射するフィルム状電解液の形状の説明図である。 本発明の電解加工装置の一実施形態を示す説明図である。 図8の電解加工装置において使用されている、給電子を備えた電解加工用ノズルの説明図である。 図8の電解加工装置において使用されている電解液供給源の説明図である。 フィルム状電解液が加工対象に接触している様子を示す図であり、(A)は電解液の表面張力を小さくすることにより回り込みを小さくした様子を示す図、(B)は電解液の粘性を大きくすることにより回り込みを大きくした様子を示す図である。 出射口から出射されたフィルム状電解液(リーフ)が出射口から遠ざかるときの幅と厚みを示す図であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。 捩りを加えた本発明の電解加工用ノズルの実施形態を示す図であり、(A)は分解図,(B)は組み立て図である。 捩りを加えた本発明の電解加工用ノズルの他の実施形態を示す図であり、(A)は分解図,(B)は組み立て図である。
本発明の電解加工用ノズルの実施形態を、図1(A)の分解図,図1(B)の組み立て図により説明する。
図1(A),(B)に示すように、電解加工用ノズル1は、幅が出射口に向けて先開きの出射方向に垂直な断面が長方形の流路(本実施形態では流路)となる切り欠きを有する薄状体(薄板,シート等)と、この薄状体の両面側に設けた挟持材とを結合することにより形成される。
すなわち、図1(A)に示すように、電解加工用ノズル1は、挟持材111と、薄板材112と、挟持材113とを結合(積層)することより構成されている。薄板材112は、流路Pとなる形状の切り欠きを有している。また、挟持材111,113は、薄板材112の両面側に設けられる。
なお、挟持材111、薄板材112、挟持材113には、液溜CHを形成するための孔h1,h2,h3が形成されている。
本実施形態では、これらの積層体は、保持部材121,122により保持されている。保持部材121には孔HLが形成されており、この孔HLから電解液LQが電解加工用ノズル1に供給される。
図1(B)に示すように、電解加工用ノズル1の出射口OUTの輪郭は長方形(正方向としてもよい)で、かつ出射口OUTの近傍の流路Pの出射方向に垂直な断面(出射口OUTに平行な断面)は長方形である。また、流路Pは、その断面(出射口OUTに至る断面)の長辺が、出射口OUTに近いほど長くなるように構成されている。すなわち、電解加工用ノズル1の出射口OUTの近傍において、流路Pの厚みを形づくる両面が平行であり、流路Pの幅を形づくる両端面が出射口OUTに向かって開くように形成されている(開いた端面を符号wで示す)。
図2(A)の分解図および図2(B)の組み立て図は、電解加工用ノズル1を流路溝形成部材131,132により構成し、流路溝形成部材132に流路Pとなる溝、および液溜CHとなる溝を形成した例を示している。この例では、電解加工用ノズル1には背面側から電解液LQが供給される。
本発明の電解加工用ノズルの他の実施形態を、図3(A)の分解図,図3(B)の組み立て図により説明する。図3(A),(B)に示すように、電解加工用ノズル2は、流路Pを有する薄状体(薄板,シート等)と、この薄状体の両面に設けた流路Pの厚みが出射口OUTに向けて先窄みとなる形状の挟持材とを結合することにより形成される。
すなわち、図3(A)に示すように、電解加工用ノズル2は、挟持材211と、薄板材212と、挟持材213とを結合(積層)することより構成されている。薄板材212は、流路Pとなる形状の切り欠きを有している。また、挟持材211,213は、薄板材212の両面側に設けられる。挟持材211,213の流路Pを形成する面には、出射口OUTに向けて流路を狭くするような傾斜Sが形成されている。
なお、挟持材211、薄板材212、挟持材213には、液溜CHを形成するための孔h1,h2,h3が形成されている。
本実施形態では、これらの積層体は、保持部材221,222により保持されている。保持部材221には孔HLが形成されており、この孔HLから電解液LQが電解加工用ノズル1に供給される。
図3(B)に示すように、図1(B)に示した電解加工用ノズル1と同様、電解加工用ノズル2の出射口OUTの輪郭は長方形で、かつ出射口OUTの近傍の流路Pの出射方向に垂直な断面が長方形である。
また、流路Pは、その断面の短辺が出射口OUTに近いほど短くなるように構成されている。すなわち、電解加工用ノズル2の出射口OUTの近傍において、流路Pの幅を形づくる両端面が平行であり、流路Pの厚みを形づくる両面が出射口OUTに向かって先窄みとなるように形成されている。
図4(A)の分解図および図4(B)の組み立て図は、電解加工用ノズル2を流路溝形成部材231,232により構成し、それぞれの対向面に流路Pとなる溝、および液溜CHとなる溝を形成した例を示している。この例では、電解加工用ノズル2の背面側から電解液LQが供給される。
本発明の電解加工用ノズルのさらに他の実施形態を、図5(A)の分解図,図5(B)の組み立て図により説明する。図5(A),(B)に示すように、電解加工用ノズル3は、出射口に向けて幅が先開きの流路Pを構成する薄状体(薄板,シート等)と、この薄状体の両面に設けた流路の厚みが出射口OUTに向けて先窄みとなる形状の挟持材とを結合することにより形成される。
すなわち、図5(A)に示すように、電解加工用ノズル3は、挟持材311と、薄板材312と、挟持材313とを結合(積層)することにより構成されている。薄板材312は、流路Pとなる形状の先開きとなる切り欠きを有している(開いた端面を符号wで示す)。また、挟持材311,313は、薄板材312の両面側に設けられる。挟持材311,313の流路Pを形成する面には、出射口OUTに向けて流路を狭くするような傾斜Sが形成されている。
なお、挟持材311、薄板材312、挟持材313には、液溜CHを形成するための孔h1,h2,h3が形成されている。
図5(B)に示すように、電解加工用ノズル3の出射口OUTの輪郭は長方形(正方向としてもよい)で、かつ出射口OUTの近傍の流路Pの出射方向に垂直な断面が長方形である。
また、流路Pは、その断面の長辺が出射口OUTに近いほど長く、その断面の短辺が出射口OUTに近いほど短くなるように構成されている。すなわち、電解加工用ノズル3の出射口OUTの近傍において、流路Pの幅を形づくる両端面が出射口OUTに向かって先開きであり、流路Pの厚みを形づくる両面が出射口OUTに向かって先窄みとなるように形成されている。
図6(A)の分解図および図6(B)の組み立て図は、電解加工用ノズル3を流路溝形成部材331,332により構成し、それぞれの対向面に流路Pとなる溝、および液溜CHとなる溝を形成した例を示している。この例では、電解加工用ノズル3の背面側から電解液LQが供給される。
図1の挟持材111,113,薄板材112、図2の流路溝形成部材131,132、図3の挟持材211,213,薄板材212、図4の流路溝形成部材231,232、図5の挟持材311,313,薄板材312、図6の流路溝形成部材331,332として、導電材を用いることができる。この導電材は、給電子として機能することができ、電解液LQの種類に応じて、銅,鉄,ステンレス,グラファイト,白金等が使用される。
図1の挟持材111,113,薄板材112、図2の流路溝形成部材131,132、図3の挟持材211,213,薄板材212、図4の流路溝形成部材231,232、図5の挟持材311,313,薄板材312、図6の流路溝形成部材331,332として、絶縁材を用いることができる。この絶縁材として、電解液LQの種類に応じて、たとえばポリテトラフルオロエチレンといったフッ素系樹脂、セラミック等使用することができる。
図1(B),図2(B)の電解加工用ノズル1、図3(B),図4(B)の電解加工用ノズル2または図5(B),図6(B)の電解加工用ノズル3を使用することで、フィルム状電解液FLQを出射することができる
図7(B)に示す従来の電解加工用ノズル9では、フィルム状電解液FLQの速度は、出射されてから加工対象Oに到達するまで大きくは変化しないとすると、フィルム状電解液FLQの幅はほとんど変化しないので、フィルム状電解液FLQの肉厚に変化はない。なお、(B−1)は電解液出射時の電解加工用ノズル9の正面図、(B−2)は電解液出射時の電解加工用ノズル9の側面図、(B−3)は出射口OUT側から見た電解加工用ノズル9の平面図である。
これに対して、図1(B),図2(B)の電解加工用ノズル1、図3(B),図4(B)の電解加工用ノズル2または図5(B),図6(B)の電解加工用ノズル3から出射するフィルム状電解液FLQは、図7(A)に示すように、フィルム状電解液FLQは幅が大きくなるとともに肉厚が薄くなる。この場合にも、電解液LQの速度は、出射されて加工対象Oに到達するまで大きくは変化しないとする。なお、(A−1)は電解液出射時の電解加工用ノズル1,2,3の正面図、(A−2)は電解液出射時の電解加工用ノズル1,2,3の側面図、(A−3)は出射口OUT側から見た電解加工用ノズル1,2,3の平面図である。
図8は本発明の電解加工装置の一実施形態を示す説明図である。図8において、電解加工装置5は、電解加工用ノズル51と、電解液供給源52と、電源53と、加工対象支持回転ジグ54と、加工対象移動機構55と、制御装置56と、電解液槽57とを備えている。
電解加工用ノズル51として、図1から図6に示した電解加工用ノズル1,2または3が用いられる。電解加工装置5が、電解切削しか行わないのであれば、通常は、電解液LQに金属イオンが含まれない。したがって、電解加工用ノズル51の電解液LQに接する部分を金属などの導電性の材料で作り、電解加工用ノズル51に直接通電することができる。
電解加工装置5が、電解メッキを行う場合において、電解加工用ノズル51の電解液に接する金属部分が消耗すること(溶けてしまうこと)もあろうが、電解加工用ノズル51の電解液LQに接する金属部分をグラファイトにより構成するか、白金メッキすることで、当該消耗を防止できる。
電解液LQに金属イオンを含むものを用いて、電解切削と電解メッキとを両方行う場合には、図9に示すように、給電子EPを備えた電解加工用ノズル51を使用することができる。図9に示した電解加工用ノズル51は、非導電性材料(たとえば、プラスチックやセラミックなど)から構成されている。電解加工用ノズル51は、液溜CHに達するように給電子EPが挿通されている。
図9では、取り込まれた電解液LQは液溜CHに蓄積され、スリット状の出射口OUTからフィルム状電解液FLQとして出射される。また、電解加工用ノズル51には、液溜CHに達するように給電子EPが挿通されている。この場合には、切削加工をしたことにより、給電子EPに、電解液LQに含まれる金属イオンが成膜されたときは、適時、加工時とは逆極性の電圧を、給電子EPと加工対象Oとの間に加えることにより、給電子EPのクリーニングを行うことができる。
なお、給電子EPとして、グラファイトや、イオン化傾向が小さい金属(たとえば白金)を使用すれば、電極の消耗を防止ないし低減することができる。
電解液供給源52は、電解液槽57に蓄えられた電解液LQを電解加工用ノズル51に循環供給する。電解液供給源52は、図10に示すように、ポンプ圧PRSSにより電解液LQの出射圧をつくり、電解加工用ノズル51から電解液LQを出射している。電源53は、フィルム状電解液FLQと導電性の加工対象Oとの間に加工電圧を加える。
加工対象支持回転ジグ54は、加工対象Oを支持し加工対象Oをフィルム状電解液FLQの面に交差する軸L(図8では直交軸)を中心に回転させる。加工対象移動機構55は、電解加工用ノズル51に対し(すなわちフィルム状電解液FLQに対し)加工対象Oを軸Lに沿って相対移動させることができる。制御装置56は、加工電圧および/または送り速度を変化させることができる。電解液槽57には、使用済みの電解液LQが蓄えられる。
電解加工装置5では、電解液LQをフィルム状にして加工対象Oに向けて出射させつつ、フィルム状電解液FLQと加工対象Oとの間に電圧を加える。これにより、フィルム状電解液FLQが加工対象Oに接触する線状部分を電解加工することができる。
加工量は電気量(すなわち電流と加工時間の積)に比例するので、電解加工用ノズル51と加工対象Oの位置に関係なく、電気量によって切り込みの制御が可能である。したがって、旋盤加工などに比べ当たりが不要であり、定電流で加工することで一定の体積加工速度が得られる。
図11(A),(B)は、フィルム状電解液FLQが加工対象Oに接触している様子を示している。図11(A),(B)では、説明の便宜上、加工対象Oが電解切削や電解メッキがされていない状態で示す。電解液LQの表面張力や粘性を調整することにより、回り込みを調整できる。すなわち、図11(A)に示すように電解液LQの表面張力を小さくすることにより回り込みを小さくできるし、図11(B)に示すように電解液LQの粘性を大きくすることにより回り込みを大きくできる。
本発明の電解加工方法では、出射口OUTから所定の位置にて加工対象Oの加工を行うことができる。図12に示すように、出射口OUTから出射されたフィルム状電解液FLQ(リーフLF1)は、出射口OUTから遠ざかるにつれて幅広かつ肉薄となる。リーフLF1は、出射口OUTからさらに遠ざかると、最も幅広で肉薄となる状態を経て幅狭かつ肉厚となる状態に遷移する。これは表面張力が影響していると考えられる。リーフLF1は、出射口OUTからさらにまた遠ざかるとは最も幅狭で最も肉厚となる状態(リーフLF1の節)を経て、幅広かつ肉薄の状態(リーフLF2)に遷移する。
図12に示した方法では、加工対象Oの姿勢制御が不十分であるような場合に、加工位置Dを調整することで、フィルム状電解液FLQが加工対象Oに当たる角度を90°回転でき、加工環境が向上する。
本発明の電解加工用ノズルに捩りを加えた実施形態を、図13(A)の分解図および図13(B)の組み立て図により説明する。
図13(A),(B)に示すように、本実施形態では電解加工用ノズル4は、流路Pが出射方向を軸とした捩れを持っている。
本実施形態の電解加工用ノズル4は、図1(B)に示した電解加工用ノズル1に捩じれを加えて形成することができる。図13(A),(B)において、挟持材411、薄板材412、挟持材413は、図1(A),(B)の挟持材111、薄板材112、挟持材113に対応する。液溜CHを形成するための孔h1,h2,h3、出射口OUTは、図1(A),(B)の構成と同じである。
図13(A),(B)の電解加工用ノズル4を使用することでも、加工対象Oの姿勢制御が不十分であるような場合に、加工位置Dを調整することで、フィルム状電解液FLQが加工対象Oに当たる角度を適宜に回転でき、加工環境が向上する。
図14(A)の分解図および図14(B)の組み立て図は、電解加工用ノズル4を流路溝形成部材431,432により構成し、それぞれの対向面に流路Pとなる溝、および液溜CHとなる溝を形成した例を示している。この例では、電解加工用ノズル4の背面側から電解液LQが供給される。
1,2,3,4 電解加工用ノズル
5 電解加工装置
51 電解加工用ノズル
52 電解液供給源
53 電源
54 加工対象支持回転ジグ
55 加工対象移動機構
56 制御装置
57 電解液槽
111,113,211,213,311,313,411,413 挟持材
112,212,312,412 薄板材
121,122,221,222,321,322,421,422, 保持部材
131,132,231,232,331,332,431,432 流路溝形成部材
CH 液溜
D 加工位置
EP 給電子
FLQ フィルム状電解液
P 流路
h1,h2,h3 孔
HL 電解液供給用の孔
L 軸
LF1,LF2 リーフ
LQ 電解液
O 加工対象
OUT 出射口
P 流路
PRSS ポンプ圧
S 傾斜
w 流路の端面

Claims (6)

  1. 出射口に至る流路断面が長方形で、かつ前記流路の幅が前記出射口に向けて先開きである電解加工用ノズルであって、
    幅が前記出射口に向けて先開きの流路形状の切り欠きが形成された薄板材と、当該薄板材の両面側に設けられた2つの挟持材とから構成され、
    または、
    対向面に前記出射口に向けて幅が先開きの流路となる溝が形成された2つの部材から構成された
    ことを特徴とする電解加工用ノズル。
  2. 出射口に至る流路断面が長方形で、かつ前記流路の幅が前記出射口に向けて先開きで、厚みが前記出射口に向けて先窄みである電解加工用ノズルであって、
    幅が前記出射口に向けて先開きの流路形状の切り欠きが形成された薄板材と、当該薄板材の両面側に設けられ、前記流路を形成する面に前記出射口に向けて当該流路を狭くする傾斜が形成された2つの挟持材とから構成され、
    または、
    対向面に前記出射口に向けて幅が先開きの流路となる溝が形成され、かつ出射口に向けて流路を狭くする傾斜が形成された2つの挟持材とから構成された
    ことを特徴とする電解加工用ノズル。
  3. 前記流路が出射方向を軸とした捩れを持つことを特徴とする請求項1または2に記載の電解加工用ノズル。
  4. 請求項1からの何れかに記載の電解加工用ノズルと、
    解加工用ノズルに電解液を供給する電解液供給源と、
    前記電解加工用ノズルから出射されるフィルム状電解液と導電性加工対象との間に電圧を加える電源と、
    を備えたことを特徴とする電解加工装置。
  5. 電解加工用ノズルからフィルム状電解液を導電性の加工対象に向けて出射するとともに、前記フィルム状電解液と前記加工対象との間に電圧を加えて当該加工対象を加工する電解加工方法であって、
    前記電解加工用ノズルとして請求項1からの何れかに記載の電解加工用ノズルを用いて、前記出射したフィルム状電解液を、出射口から遠ざかるにつれて幅広かつ肉薄に形成し、所定の位置にて前記加工対象の加工を行うことを特徴とする電解加工方法。
  6. 電解加工用ノズルからフィルム状電解液を導電性の加工対象に向けて出射するとともに、前記フィルム状電解液と前記加工対象との間に電圧を加えて当該加工対象を加工する電解加工方法であって、
    前記電解加工用ノズルとして請求項1からの何れかに記載の電解加工用ノズルを用いて、前記出射したフィルム状電解液を、出射口から遠ざかるにつれて長手方向に幅広かつ肉薄とした後、表面張力により幅狭かつ肉厚となるリーフ形状の第1薄状片を形成し、
    さらに前記出射口から遠ざかるにつれて長手方向に幅広かつ肉薄とし後、表面張力により幅狭かつ肉厚となる前記第1薄状片とは面の向きが90・異なるリーフ形状の第2薄状片を形成する、
    ことを特徴とする電解加工方法。
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