JP5629738B2 - シングルエンド−差動変換器 - Google Patents

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Description

本発明は、シングルエンド−差動変換器に関する。
シングルエンド−差動変換器は、一つのシングルエンド信号を、2つの平衡出力信号からなる差動信号に変換する回路である。このようなシングルエンド−差動変換器として例えば、図9に示すような回路が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図9に示すシングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1は、Nチャネル型MOSトランジスタからなるゲート接地のMOSトランジスタM1のソース端子に接続されるとともに、直流カット用のDCカット容量Cinを介して、Nチャネル型MOSトランジスタからなるソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子に接続される。ソース接地のMOSトランジスタM2のソース端子はグランド端子Tgndに接続される。
ゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子は直接バイアス端子Tbに接続され、ソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子は抵抗Rinを介してバイアス端子Tbに接続され、MOSトランジスタM1、M2が電圧−電流変換素子として動作するために必要な電圧にバイアスされる。
ゲート接地のMOSトランジスタM1のドレイン端子は、Nチャネル型のMOSトランジスタM3のソース端子に接続される。MOSトランジスタM3のドレイン端子およびゲート端子は電源Vddに接続される。ソース接地のMOSトランジスタM2のドレイン端子は、Nチャネル型のMOSトランジスタM4のソース端子に接続される。MOSトランジスタM4のドレイン端子およびゲート端子は電源Vddに接続される。
そして、MOSトランジスタM1およびM3の接続点がコンデンサCout1を介して接地され、MOSトランジスタM2およびM4の接続点がコンデンサCout2を介して接地され、これらMOSトランジスタM1およびM3の接続点とMOSトランジスタM2およびM4の接続点とが差動電流出力端Tout1、Tout2となる。
以上の構成を有する、シングルエンド−差動変換器11は、以下のように動作する。
シングルエンド−差動変換器11への入力信号Vinは、シングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1に入力され、ゲート接地のMOSトランジスタM1とソース接地のMOSトランジスタM2とで、それぞれ同一振幅でありかつ位相差が180度の出力電流に変換される。
以上の動作を行うことにより、シングルエンド−差動変換器11に入力されたシングルエンド電圧信号が、差動電流信号に変換される。
特開平6−232655号公報
図9のシングルエンド−差動変換器11において、各MOSトランジスタを小信号解析用にモデル化すると、ゲート接地のMOSトランジスタM1とソース接地のMOSトランジスタM2の小信号出力電流は、それぞれ次式(1)および(2)で表される。
Id_M1=−gm×Vin ……(1)
Id_M2=+gm×Vin ……(2)
Id_M1:ゲート接地のMOSトランジスタM1のドレイン電流
Id_M2:ソース接地のMOSトランジスタM2のドレイン電流
gm:MOSトランジスタのトランスコンダクタンス
Vin:入力電圧
(以下、入力信号Vinの電圧を入力電圧Vinともいう。)
ここで、図9の回路中に示されるDCカット容量Cinと抵抗Rinとからなるハイパスフィルタの伝達関数を考慮すると、ソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子電圧Vin′は、次式(3)で表される。
Vin′
={(j×ω×Cin×Rin)/(1+j×ω×Cin×Rin)}×Vin
……(3)
入力電圧Vinに対するゲート接地MOSトランジスタM1のトランスコンダクタンス特性を、(1)式より計算すると、次式(4)で表される。
同様に入力電圧Vinに対するソース接地のMOSトランジスタM2のトランスコンダクタンス特性を(2)式および(3)式から計算すると、次式(5)で表される。
Id_M1/Vin=−gm ……(4)
Id_M2/Vin
=+{(j×ω×Cin×Rin)/(1+j×ω×Cin×Rin)}×gm
……(5)
この(4)式および(5)式で表されるMOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス特性を、図10および図11に示す。
図10は、MOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス振幅特性を示し、図11はトランスコンダクタンス位相特性を示す。図10において縦軸は振幅〔dB〕を表し、図11において縦軸は位相〔deg〕を表す。また、図10および図11において、横軸は周波数〔Hz〕を表し、poleの周波数fpで規格化している。また、図10および図11において、実線(Id_M1/Vin)は、MOSトランジスタM1のトランスコンダクタンス特性を表し、破線(Id_M2/Vin)は、MOSトランジスタM2のトランスコンダクタンス特性を表す。
(5)式から、次式(6)で表される周波数fp(fp:pole周波数)にpoleを有していることがわかる。
fp=1/(2×π×Cin×Rin) ……(6)
fp:pole周波数
このpoleの影響で、(4)式および(5)式で表されるトランスコンダクタンス特性において、MOSトランジスタM1およびM2の振幅特性差および位相誤差は、周波数が低くなると大きくなる。なお位相差は180度を理想としている。
図12および図13は、(4)式および(5)式で表されるMOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス特性における振幅特性差および位相誤差を示したものである。
図12は、MOSトランジスタM1およびM2間の、トランスコンダクタンス差動間振幅差特性を示し、図13はトランスコンダクタンス差動間位相差特性を示す。図12および図13において、横軸は周波数〔Hz〕でありpoleの周波数fpで規格化している。また、図12において縦軸は振幅差〔dB〕を表し、図13において縦軸は位相誤差〔deg〕を表す。
図12、図13に示すように、周波数が、10×fpよりも低くなると、振幅差(図12)および位相誤差(図13)は大きくなる。その結果、シングルエンド−差動増幅器11の差動出力電流特性は、低周波数において理想から剥離する。
このように、図9に示すシングルエンド−差動変換器11は、DCカット容量Cinと抵抗Rinとからなるハイパスフィルタのポール(pole)周波数fpよりも低周波数では、理想的な出力差動電流特性を得ることができない。
本発明は、上記した点を鑑みてなされたものであり、理想的な出力差動電流特性が得られる周波数の下限を向上させることの可能なシングルエンド−差動変換器を提供することを目的としている。
本発明の一態様は、電圧−電流変換素子としての第1の能動素子および第2の能動素子を有し、前記第1の能動素子を流れる第1の電流と、前記第2の能動素子を流れる電流であり且つ前記第1の電流とは逆位相となる第2の電流とが、一の入力信号の差動信号として出力されるシングルエンド−差動変換器において、前記第1の能動素子および前記第2の能動素子はそれぞれ制御端と高電位側電極端および低電位側電極端とを備え、前記第1の能動素子の制御端には一定のバイアス電圧が入力され且つ前記第2の能動素子の低電位側電極端には基準電圧が入力され、前記一の入力信号が、前記第1の能動素子の低電位側電極端に入力されるとともに第1の容量素子を介して前記第2の能動素子の制御端に入力され、前記第2の能動素子の制御端の電圧変動分を前記第1の能動素子の制御端に伝達するようになっていることを特徴とするシングルエンド−差動変換器である。
前記バイアス電圧を、第1の抵抗を介して前記第1の能動素子の制御端に供給するとともに、前記第1の抵抗および当該第1の抵抗よりも抵抗値の小さい第2の抵抗を介して前記第2の能動素子の制御端に供給するものであってよい。
さらに、制御端と高電位側電極端および定電位側電極端とを備えた第3の能動素子と、当該第3の能動素子の高電位側電極端に接続される電流源と、を有し、前記第3の能動素子の高電位側電極端と前記制御端とは接続され、前記第3の能動素子の前記制御端の電圧を前記バイアス電圧として用いてよい。
前記第2の能動素子の制御端に第3の抵抗を介してバイアス電圧が供給され、前記第3の抵抗を介して前記第2の能動素子の制御端の電圧変動を前記第1の能動素子の制御端に伝達するようになっており、制御端と高電位側電極端および低電位側電極端とを備えた第3の能動素子と、当該第3の能動素子の前記高電位側電極端に接続される電流源と、を有し、前記第3の能動素子の高電位側電極端と前記制御端とは接続され、前記第3の能動素子の前記制御端の電圧を前記バイアス電圧として用い、前記第3の能動素子のトランスコンダクタンスの逆数は、前記第3の抵抗の抵抗値よりも大きいものであってよい。
前記第1の能動素子の制御端には、第2の容量素子を介して前記基準電圧が入力されるようになっていてよい。
前記第1の容量素子および前記第2の容量素子の容量値は略等しいまたは等しくてよい。
前記第1および第2の能動素子は、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタまたは真空管であってよい。
本発明によれば、低電位側電極端に一定電圧が入力される第2の能動素子の制御端の電圧変動分を、制御端に一定のバイアス電圧が入力される第1の能動素子の制御端に伝達する構成としたため、第2の能動素子の制御端に接続される第1の容量素子と他の素子とにより第2の能動素子の制御端の入力側に例えばハイパスフィルタ回路が形成された場合であっても、第1の能動素子と第2の能動素子との間で特性を一致させることができ、ハイパスフィルタのpole周波数以下の周波数においても良好に動作する周波数特性を有するシングルエンド−差動変換器を実現することができる。
本発明の第1の実施形態におけるシングルエンド−差動変換器の概略構成を示す回路図である。 図1のシングルエンド−差動変換器のトランスコンダクタンス振幅特性を示す特性図である。 図1のシングルエンド−差動変換器のトランスコンダクタンス位相特性を示す特性図である。 図1のシングルエンド−差動変換器の出力差動電流の差動間振幅差特性を示す特性図である。 図1のシングルエンド−差動変換器の出力差動電流の差動間位相誤差特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施形態におけるシングルエンド−差動変換器の概略構成を示す回路図である。 シングルエンド−差動変換器のその他の例を示す回路図である。 本発明の第3の実施形態におけるシングルエンド−差動変換器の概略構成を示す回路図である。 従来のシングルエンド−差動変換器の概略構成を示す回路図の一例である。 従来のシングルエンド−差動変換器のトランスコンダクタンス振幅特性を示す特性図である。 従来のシングルエンド−差動変換器のトランスコンダクタンス位相特性を示す特性図である。 従来のシングルエンド−差動変換器の出力差動電流の差動間振幅差特性を示す特性図である。 従来のシングルエンド−差動変換器の差動間位相誤差特性を示す特性図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
まず、第1の実施の形態を説明する。
(回路構成)
この第1の実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11は、図9に示す従来のシングルエンド−差動増幅器11と基本的な構成は同様であるので同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
図1は、第1の実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11の構成の一部を示す回路図である。なお、図1において、MOSトランジスタM1およびM2のドレイン側の構成を記載していないが、MOSトランジスタM1およびM2のドレイン側の構成は、前記図9に示す従来のシングルエンド−差動変換器11の、MOSトランジスタM1およびM2のドレイン側の構成と同様である。
このシングルエンド−差動変換器11は、従来のシングルエンド−差動変換器11において、さらに、ゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子とバイアス端子Tbとの間に抵抗R1を備えるとともに、MOSトランジスタM1のゲート端子とグランド端子Tgndとの間に容量C1を備えている。
つまり、MOSトランジスタM1のゲート端子は抵抗R1を介してバイアス端子Tbに接続され、MOSトランジスタM2のゲート端子は抵抗Rinおよび抵抗R1を介してバイアス端子Tbに接続される。
前記抵抗R1は抵抗Rinよりも抵抗値が大きい。前記容量C1はソース接地のMOSトランジスタM2のゲート電圧Vin’をゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子に伝達するローパスフィルタとしての目的で設けられている。前記抵抗R1は、トランジスタM1及びM2のDC電流を決定する目的で設けられている。
そして、シングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1は、ゲート接地のMOSトランジスタM1のソース端子に接続されるとともに、DCカット容量Cinを介してソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子に接続される。ソース接地のMOSトランジスタM2のソース端子は、グランド端子Tgndに接続される。
ゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子は抵抗R1を介してバイアス端子Tbに接続される。
同様に、ソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子は、抵抗Rinと、MOSトランジスタM1のゲート端子と抵抗R1とを介してバイアス端子Tbに接続される。
これによって、MOSトランジスタM1、M2のゲート端子は、MOSトランジスタM1、M2が電圧−電流変換素子として動作するために必要なバイアス電圧にバイアスされる。
そして、ゲート接地のMOSトランジスタM1のドレイン端子ならびに、ソース接地のMOSトランジスタM2のドレイン端子が差動電流出力端Tout1、Tout2、となる。
(動作)
次に、図1に示したシングルエンド−差動変換器11の動作を説明する。
シングルエンド−差動変換器11の入力端子Tin1の入力端子電圧をVin、ゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート電圧をVx、ソース接地のMOSトランジスタM2のゲート電圧をVin′とする。
各MOSトランジスタを小信号解析用にモデル化すると、ソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子は抵抗Rinおよび抵抗R1を介してバイアス端子Tbに接続され、MOSトランジスタM1のゲート端子は抵抗値が比較的大きい抵抗R1を介してバイアス端子Tbに接続されるため、MOSトランジスタM2のゲート端子電圧Vin′およびMOSトランジスタM1のゲート電圧Vxは、それぞれ次式(10)および(11)式で表される。
Vin′={(Cin+j×ω×Cin×C1×Rin)
/(Cin+C1+j×ω×Cin×C1×Rin)}×Vin
……(10)
Vx={Cin/(Cin+C1+j×ω×Cin×C1×Rin)}×Vin
……(11)
Vin:入力電圧
ここで、ゲート接地のMOSトランジスタM1およびソース接地のMOSトランジスタM2の小信号出力電流は、MOSトランジスタM2のゲート端子電圧Vin′およびMOSトランジスタM1のゲート電圧Vx、入力電圧Vinを用いて、それぞれ次式(12)および(13)式で表される。
Id_M1=−gm×(Vin−Vx) ……(12)
Id_M2=+gm×Vin′ ……(13)
Id_M1:ゲート接地MOSトランジスタM1のドレイン電流
Id_M2:ソース接地MOSトランジスタM2のドレイン電流
gm:MOSトランジスタのトランスコンダクタンス
入力電圧Vinに対するゲート接地のMOSトランジスタM1のトランスコンダクタンス特性を(11)式および(12)式から計算すると、次式(14)で表される。同様に、入力電圧Vinに対するソース接地のMOSトランジスタM2のトランスコンダクタンス特性を(10)式および(13)式より計算すると、次式(15)式で表される。
Id_M1/Vin=−gm×{(C1+j×ω×Cin×C1×Rin)
/(Cin+C1+j×ω×Cin×C1×Rin)}
……(14)
Id_M2/Vin=gm×{(Cin+j×ω×Cin×C1×Rin)
/(Cin+C1+j×ω×Cin×C1×Rin)}
……(15)
ここで、C1=C2=Cとすると、(14)式および(15)式は、それぞれ(16)式および(17)式で表すことができる。
Id_M1/Vin
=−gm×{(1+j×ω×C×Rin)/(2+j×ω×C×Rin)}
……(16)
Id_M2/Vin
=gm×{(1+j×ω×C×Rin)/(2+j×ω×C×Rin)}
……(17)
(16)式および(17)式で表されるMOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス特性を、図2および図3に示す。
図2は、MOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス振幅特性を示し、図3はトランスコンダクタンス位相特性を示す。図2において縦軸は振幅〔dB〕を表し、図3において縦軸は位相〔deg〕を示す。図2および図3において、横軸は、周波数〔Hz〕を示し、poleの周波数fpで規格化している。また、図2および図3において、実線(Id_M1/Vin)は、MOSトランジスタM1のトランスコンダクタンス特性を表し、破線(Id_M2/Vin)は、MOSトランジスタM2のトランスコンダクタンス特性を表す。
(16)式、(17)式から、共に、(18)式で表される周波数fpにpoleを1個、そして、その2倍の周波数2×fpにpoleを1個有していることがわかる。
fp=1/(2×π×C×Rin) ……(18)
fp:pole周波数
その結果、(16)式、(17)式はpole周波数およびpoleの個数が等しいことから、図4および図5に示すように、全周波数帯において、振幅特性は等しく、また、位相差も理想的な位相差である180度に保たれていることがわかる。
図4および図5は、(16)式および(17)式で表されるMOSトランジスタM1およびM2のトランスコンダクタンス特性における振幅特性差および位相誤差を示したものである。
図4は、MOSトランジスタM1およびM2間の、トランスコンダクタンス差動間振幅差特性を示し、図5はトランスコンダクタンス差動間位相差特性を示す。図4において縦軸は振幅差〔dB〕を表し、図5において縦軸は位相誤差〔deg〕を表す。また、図4および図5において、横軸は周波数〔Hz〕でありpoleの周波数fpで規格化したものである。
図4および図5に示すように、全周波数帯において理想的な差動出力電流を出力することの可能な、シングルエンド−差動変換器11を実現することができる。
なお、図1のシングルエンド−差動変換器11の回路において、理想的な差動出力電流を得るためには、DCカット容量Cinと容量C1の容量値を近い値に設定することが好ましく、Cin=C1とすることがより好ましい。Cin≪C1の場合、周波数が10×fp以下では、Id_M1≫Id_M2となる。同様に、Cin≫C1の場合、周波数が10×fp以下では、Id_M1≪Id_M2となる。なお、記号「≪」は、記号「≪」の左辺は右辺よりもはるかに小さいことを表し、記号「≫」は、記号「≫」の右辺は左辺よりもはるかに小さいことを表す。
また、理想的な差動出力電流を得るためには、抵抗R1の抵抗値は、抵抗Rinの抵抗値よりも高いことが好ましく、抵抗R1の抵抗値は、無視できるぐらい十分大きくすることがより好ましい。抵抗R1の抵抗値を十分大きくすることによって、抵抗Rin及び容量C1からなるローパスフィルタの伝達関数に影響を与えずに、MOSトランジスタM1及びM2の動作点を与えることができる。
このように、第1実施形態においては、バイアス端子Tbに、ゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子を抵抗R1を介して接続するとともに、ソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子を抵抗Rinおよび抵抗R1を介して接続し、さらに、MOSトランジスタM1のゲート端子とグランド端子Tgndとの間に容量C1を接続した。そのため、ソース接地のMOSトランジスタM2のゲート端子電圧の変動が、ゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子電圧に伝達される。その結果、ゲート接地のMOSトランジスタM1のトランスコンダクタンス特性と、ソース接地のMOSトランジスタM2のトランスコンダクタンス特性とにおいて、poleの周波数および数を一致させることができる。そのため、MOSトランジスタM2のDCカット容量Cinおよび抵抗Rinにより形成されるハイパスフィルタのpole周波数以下の周波数範囲であっても、良好に動作する周波数特性を有するシングルエンド−差動変換器11を実現することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。
(回路構成)
この第2実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11は、図6に示すように、第1実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11においてさらに、バイアス電圧供給部20を設けたものである。
バイアス電圧供給部20は、図6に示すように、電源Vddおよびグランド端子Tgnd間に、定電流源21およびダイオード接続されたNチャネル型のMOSトランジスタM20が直列に接続されてなる。そして、MOSトランジスタM20のゲート端子およびドレイン端子が定電流源21に接続されるとともに、これらゲート端子およびドレイン端子が抵抗R1を介してゲート接地のMOSトランジスタM1のゲート端子に接続され、MOSトランジスタM20のソース端子がグランド端子Tgndに接続される。
なお、抵抗R1は、次式(19)の条件を満足するとき、短絡することができる。すなわち、図7に示すように、図6に示すシングルエンド−差動変換器11において抵抗R1を省略した構成とすることもできる。その理由は、ダイオード接続されたNチャネル型のMOSトランジスタM20は、小信号的に1/gm20の抵抗と等価とみなせるからである。
1/gm20≫R1 ……(19)
gm20:ダイオード接続のMOSトランジスタM20のトランスコンダクタンス
このような構成とした場合であっても、ダイオード接続のMOSトランジスタM20のゲート端子電圧がバイアス電圧として、MOSトランジスタM1およびM2のゲート端子に供給されるため、上記第1の実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を説明する。
(回路構成)
この第3実施形態におけるシングルエンド−差動変換器11は、図8に示すように、第1実施形態におけるMOSトランジスタM1、M2に変えて、バイポーラトランジスタB1、B2を設けたものである。
このように、電圧−電流変換用の能動素子として、バイポーラトランジスタを用いた場合であっても、上記第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
なお、上記第2実施形態において、電圧−電流変換用の能動素子として、バイポーラトランジスタを用いることも可能であり、この場合も、上記第2実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、電圧−電流変換用の能動素子は、第1および第2実施形態で説明したMOSトランジスタや、第3実施形態で説明したバイポーラトランジスタに限るものではなく、真空管や他の能動素子を用いることも可能であり、この場合も上記各実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、図1に示すMOSトランジスタM1およびM2のドレイン側に、図9に示すように、MOSトランジスタM3、M4を介して電源Vddに接続する構成とした場合について説明したが、これに限るものではなく、MOSトランジスタM1およびM2のドレイン側の構成は、MOSトランジスタM1およびM2のドレイン端子から差動出力電流を得ることができれば、どのような構成であってもよい。
なお、上記実施形態において、ゲート接地のMOSトランジスタM1が第1の能動素子に対応し、ソース接地のMOSトランジスタM2が第2の能動素子に対応し、ゲート端子が制御端に対応し、ドレイン端子が高電位側電極端に対応し、ソース端子が低電位側電極端に対応し、DCカット容量Cinが第1の容量素子に対応し、ドレイン電流Id_M1が第1の電流に対応し、ドレイン電流Id_M2が第2の電流に対応し、抵抗R1が第1の抵抗に対応し、抵抗Rinが第2の抵抗に対応している。
また、ダイオード接続のMOSトランジスタM20が第3の能動素子に対応し、定電流源21が電流源に対応し、抵抗Rinが第3の抵抗に対応し、容量C1が第2の容量素子に対応している。
本発明のシングルエンド−差動変換器は、動作する周波数が比較的広いため、広帯域で使用される無線機等に好適である。
11 シングルエンド−差動変換器
20 バイアス電圧供給部
M1 ゲート接地のMOSトランジスタ
M2 ソース接地のMOSトランジスタ
M20 ダイオード接続のMOSトランジスタ
Tgnd 電源端子
Tin1 入力端子
C1:容量
Cin:DCカット容量
R1:高抵抗
Rin:抵抗

Claims (7)

  1. 電圧−電流変換素子としての第1の能動素子および第2の能動素子を有し、
    前記第1の能動素子を流れる第1の電流と、前記第2の能動素子を流れる電流であり且つ前記第1の電流とは逆位相となる第2の電流とが、一の入力信号の差動信号として出力されるシングルエンド−差動変換器において、
    前記第1の能動素子および前記第2の能動素子はそれぞれ制御端と高電位側電極端および低電位側電極端とを備え、
    前記第1の能動素子の制御端には一定のバイアス電圧が入力され且つ前記第2の能動素子の低電位側電極端には基準電圧が入力され、
    前記一の入力信号が、前記第1の能動素子の低電位側電極端に入力されるとともに第1の容量素子を介して前記第2の能動素子の制御端に入力され、
    前記第2の能動素子の制御端の電圧変動分を前記第1の能動素子の制御端に伝達するようになっていることを特徴とするシングルエンド−差動変換器。
  2. 前記バイアス電圧を、第1の抵抗を介して前記第1の能動素子の制御端に供給するとともに、前記第1の抵抗および当該第1の抵抗よりも抵抗値の小さい第2の抵抗を介して前記第2の能動素子の制御端に供給することを特徴とする請求項1記載のシングルエンド−差動変換器。
  3. 制御端と高電位側電極端および定電位側電極端とを備えた第3の能動素子と、
    当該第3の能動素子の高電位側電極端に接続される電流源と、を有し、
    前記第3の能動素子の高電位側電極端と前記制御端とは接続され、
    前記第3の能動素子の前記制御端の電圧を前記バイアス電圧として用いることを特徴とする請求項2記載のシングルエンド−差動変換器。
  4. 前記第2の能動素子の制御端に第3の抵抗を介してバイアス電圧が供給され、前記第3の抵抗を介して前記第2の能動素子の制御端の電圧変動を前記第1の能動素子の制御端に伝達するようになっており、
    制御端と高電位側電極端および低電位側電極端とを備えた第3の能動素子と、
    当該第3の能動素子の前記高電位側電極端に接続される電流源と、を有し、
    前記第3の能動素子の高電位側電極端と前記制御端とは接続され、
    前記第3の能動素子の前記制御端の電圧を前記バイアス電圧として用い、
    前記第3の能動素子のトランスコンダクタンスの逆数は、前記第3の抵抗の抵抗値よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のシングルエンド−差動変換器。
  5. 前記第1の能動素子の制御端には、第2の容量素子を介して前記基準電圧が入力されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシングルエンド−差動変換器。
  6. 前記第1の容量素子および前記第2の容量素子の容量値は略等しいまたは等しいことを特徴とする請求項5記載のシングルエンド−差動変換器。
  7. 前記第1および第2の能動素子は、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタまたは真空管であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のシングルエンド−差動変換器。
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