JP5629401B1 - 織布 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2に記載された発明では、高密度の二重織りによって布帛の表面と裏面に別々の織組織を形成するように製織している。
また、特許文献2に記載の従来技術では、経糸及び緯糸の織り密度を高くし、裏面織組織は実質的に表側に出ないように製織しなければならないという問題点がある。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決し、複雑かつ緻密な図柄を自由に表織布と裏織布に一体的に製織したリバーシブルな織布を提供することを目的とする。
織布100は、模様(図柄)が織り込まれる模様領域10と、模様領域10を囲む周辺領域20と、周辺領域20の縁部を接結する接結領域30とから構成されている。実施例1では、模様領域10内に図柄と色合とを異にする6本のガーベラの花10−1〜10−6が織り込まれている。なお、織布100の裏側も表側と同一の構成となっており、模様領域には6本のガーベラの花10−1〜10−6の図柄が表裏で鏡面対称となり、色合が表裏で異なるように表われる。
なお、本発明では重ね織と呼ばれる技法を用いている。これは2枚の織布を同じ織機で同時に織り、しかもこの2枚の織布を織り糸で接結し、1枚の織布のようにするものである。重ね織には各種の糸組が知られている。
図2aに示される二重織の糸組は表の経緯糸と裏の経緯糸とを所々で表裏反対に用いるもので、通常、風通組織、風通織又は単に風通といわれている。本発明では図2に示すいずれかの重ね織の糸組(a,b,c,d,)を組合わせて使用している。
図3は、図1のX−X′に沿って切断した時の織布の断面構造を示す図である。実施例1では、4種類の緯糸(第1緯糸:51,53、第2緯糸:61,63、第3緯糸:71,73、第4緯糸:81,83)を使用して2種類の経糸(●,〇)との間で糸組を行っている。まず模様領域10における糸組について説明する。模様領域10においては、第2緯糸61,63と第3緯糸71,73とは風通組織によって表織布110と裏織布120とに織り分けられている。そして第2緯糸61,63のみを使用して織られた部分(第2部分65)と第3緯糸71,73のみを使用して織られた部分(第3部分75)とは対向しながら交互に表織布110と裏織布120とに表われる。
また、重ね織される部分95は風通組織内の空間に織込まれる。このようにして表織布110と裏織布120とは互いに分離されることなく接結される。
周辺領域20では、第1緯糸51,53のみが表織布110の外側に表われるように第2緯糸61,63と重ね織された部分45と、第4緯糸81,83のみが裏織布120の外側に表われるように第3緯糸71,73と重ね織された部分35とが互いに分離されて二重に織られている。したがって、周辺領域20では、表織布110と裏織布120とは接結されてはいない。接結領域30では、第1緯糸51,53、第2緯糸61,63、第3緯糸71,73及び第4緯糸81,83が重ね織されて接結されている。
表織布200aは、模様領域10a、周辺領域20a、及び、接結領域30aから構成されている。模様領域10a内に図柄と色合とを異にする6本のガーベラの花10a−1〜10a−6が織り込まれている。なお表織布200aの内側も外側と同一の構成となっており、6本のガーベラの花10a−1〜10a−6の図柄が内外で鏡面対称となり、色合が内外で異なるように表われる。
図5は、図4のX−X′に沿って切断した時の織布の断面構造を示す図である。
まず、表織布200aの模様領域10aにおける糸組について説明する。
模様領域10aにおいては、第1緯糸51,53と第2緯糸61,63とは風通組織によって表織布200aの表面(外側)と裏面(内側)とに織り分けられ、第1緯糸51,53のみを使用して織られた第1部分55aと第2緯糸61,63のみを使用して織られた第2部分65aとが対向しながら交互に表織布200aの表面と裏面とに表われるように織られる。
模様領域10bにおいては、第3緯糸71,73と第4緯糸81,83とは風通組織によって裏織布200bの表面(外側)と裏面(内側)とに織り分けられ、第3緯糸71,73のみを使用して織られた第3部分75bと第4緯糸81,83のみを使用して織られた第4部分85bとが対向しながら交互に裏織布200bの表面と裏面とに表われるように織られる。
実施例2では実施例1とは異なり、表織布200aと裏織布200bとは一体的に製織はされるが、接結されることなく互いに分離されて製織される。
周辺領域20aでは、第1緯糸51,53のみが表織布200aの表面(外側)に表われるように第2緯糸61,63と重ね織された部分45aを外側にして表織布200aの模様領域10aに連結されている。
周辺領域20bでは、第4緯糸81,83のみが裏織布200bの表面(外側)に表われるように第3緯糸71,73と重ね織された部分35bを外側にして裏織布200bの模様領域10bに連結されている。
接結領域30a,30bでは、第1緯糸51,53、第2緯糸61,63、第3緯糸71,73及び第4緯糸81,83が重ね織されて接結されている。
使用される緯糸や経糸の種類を増やすことによってより複雑で緻密な図柄を製織することができる。
そして本発明による織布を使用することにより、高級感のあるさまざまなデザインのダイニング用、リビング用、室内装飾用の各種の装飾品を作製することができる。
20,20a,20b・・周辺領域
30,30a,30b・・接結領域
35,35b・・第4緯糸のみが表面に表われるように第3緯糸と重ね織された部分
45,45a・・第1緯糸のみが表面に表われるように第2緯糸と重ね織された部分
51,53・・第1緯糸
55・・第1部分
61,63・・第2緯糸
65・・第2部分
71,73・・第3緯糸
75・・第3部分
81,83・・第4緯糸
85・・第4部分
100・・織布(実施例1)
110・・表織布(実施例1)
120・・裏織布(実施例1)
200・・織布(実施例2)
200a・・表織布(実施例2)
200b・・裏織布(実施例2)
Claims (6)
- 模様が織り込まれる模様領域と、前記模様領域を囲む周辺領域と、前記周辺領域の縁部を接結する接結領域とを有し、経糸との糸組を異にする少なくとも4種類の緯糸を用いて表織布と裏織布とが一体的に製織される織布であって、
前記模様領域において、
第2緯糸と第3緯糸とは、風通組織によって前記表織布と前記裏織布とに織り分けられ、第2緯糸のみを使用して織られた第2部分と第3緯糸のみを使用して織られた第3部分とは対向しながら交互に前記表織布と前記裏織布とに表われるように織られ、
第1緯糸と第4緯糸とは、分離されて織られる部分と重ね織される部分とを構成し、前記分離されて織られる部分では、第1緯糸のみを使用して織られた第1部分と第4緯糸のみを使用して織られた第4部分とが対向しながら一方が前記表織布に他方が前記裏織布に表われ、前記重ね織される部分は前記風通組織内の空間に織込まれ、前記表織布と前記裏織布とは互いに分離されることなく接結されていることを特徴とする織布。 - 請求項1に記載の織布において、
前記周辺領域では、第1緯糸のみが前記表織布の外側に表われるように第2緯糸と重ね織された部分と、第4緯糸のみが前記裏織布の外側に表われるように第3緯糸と重ね織された部分とが互いに分離されて二重に織られていることを特徴とする織布。 - 請求項1又は2に記載の織布において、
前記接結領域では、第1乃至第4緯糸が重ね織されて接結されていることを特徴とする織布。 - 模様が織り込まれる模様領域と、前記模様領域を囲む周辺領域と、前記周辺領域の縁部を接結する接結領域とを有し、経糸との糸組を異にする少なくとも4種類の緯糸を用いて表織布と裏織布とが一体的に製織される織布であって、
前記模様領域において、
第1緯糸と第2緯糸とは、第1の風通組織によって前記表織布の表面と裏面とに織り分けられ、第1緯糸のみを使用して織られた第1部分と第2緯糸のみを使用して織られた第2部分とが対向しながら交互に前記表織布の表面と裏面とに表われるように織られ、
第3緯糸と第4緯糸とは第2の風通組織によって裏織布の表面と裏面とに織り分けられ、第3緯糸のみを使用して織られた第3部分と第4緯糸のみを使用して織られた第4部分とが対向しながら交互に前記裏織布の表面と裏面とに表われるように織られ、前記表織布と前記裏織布とは互いに分離され、前記接結領域で開口を有する袋状に接結されていることを特徴とする織布。 - 請求項1に記載の織布において、
前記周辺領域では、第1緯糸のみが前記表織布の表面に表われるように第2緯糸と重ね織されて前記表織布に連結され、第4緯糸のみが前記裏織布の表面に表われるように第3緯糸と重ね織されて前記裏織布に連結されていることを特徴とする織布。 - 請求項4又は5に記載の織布において、
前記接結領域では、第1乃至第4緯糸が重ね織されて接結されていることを特徴とする織布。
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