JP5628746B2 - 静電変換装置および静電変換装置の製造方法 - Google Patents

静電変換装置および静電変換装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、振動エネルギーを電気エネルギーに変換する静電変換装置に関するものである。
近年、多数の携帯端末装置から構成されるユビキタスネットワークの開発が進んでいる。このユビキタスネットワークにおいて、ノードとなる携帯端末装置には、携帯性などの観点から、小型かつメンテナンス不要であることが望まれている(例えば、非特許文献1を参照。)。ところが、従来より携帯端末装置の電源に用いられている一次電池や二次電池は、携帯端末装置の他の構成要素と比較してサイズが大きいとともに、交換や充電などのメンテナンスが不可欠であった。
そこで、近年では、携帯端末装置に適した電源として、Energy harvesting技術を用いた手段が注目されている。このEnergy harvesting技術とは、環境の中に存在する振動、熱、電磁波(光や電波)など、通常は無駄に放出されていた各種エネルギーを電気エネルギーに変換する技術のことである。このようなEnergy harvesting技術のうち、振動エネルギーを電気エネルギーに変換する技術としては、電磁誘導、圧電変換、静電変換などを用いた技術が提案されている(非特許文献2を参照。)。中でも静電変換を用いる技術は、半導体プロセスやMEMS(Micro Electro Mechanical System)プロセスにより、小型化が容易であり、かつ機械的要素と電気的要素を独立して設計や作製することが可能であることから、多くの提案がなされている。その一例を図12に示す(非特許文献3を参照。)。
非特許文献3に開示された静電変換装置は、図12に示すように、加振ステージ1010と、この加振ステージ1010上に設けられたシリコン基板からなる下部基板1020と、この下部基板1020と同等の材料からなり、下部基板1020の上方に所定距離離間して配置された上部基板1030と、この上部基板1030上に設けられた帯電絶縁膜1040と、この帯電絶縁膜1040上に設けられた金属板1050とを備えている。ここで、帯電絶縁膜1040は、一般に「エレクトレット」と呼ばれる電荷保持のための絶縁体として機能する。
下部基板1020には、下部基板1020の上面から立設された支持部材(図示せず)と、この支持部材に一端が接続されたばね部材(図示せず)と、このばね部材の他端により下部基板1020の平面方向に移動可能に支持された可動部材1021と、この可動部材1021上面に所定間隔離間して設けられた複数の可動電極1022と、支持部材、ばね部材および可動部材1021を取り囲むように下部基板1002上面に設けられた第1のスペーサ部材1023とが形成されている。また、下部基板1020上面の外縁部には、可動電極1022に接続された第1のパッド1024と、後述する固定電極1031に接続された第2のパッド1025とが設けられている。
上部基板1030には、その下面において可動電極1022と離間して対向配置された固定電極1031と、上部基板1030の下面において第1のスペーサ部材1023と対向する位置に設けられ、第1のスペーサ部材1023と接続されることにより下部基板1020と上部基板1030とを所定間隔離間させる第2のスペーサ部材1032とを備えている。
ここで、可動電極1022と固定電極1031とは、約10μm離間して配置されている。
このような静電変換装置は、公知のMEMS技術により薄膜を堆積することによって製造されている。
図12に示す静電変換装置は、可動電極1022を移動させて、エレクトレットとして機能する帯電絶縁膜1040により形成される静電場により、可動電極1022および固定電極1031に交互に誘導電荷を生じさせることによって、振動エネルギーを電気エネルギーに変換している。具体的には、加振ステージ1010、第2のパッド1025、金属板1050および外部負荷1060を接地するとともに、第1のパッド1024を外部負荷1060に接続した状態で加振ステージ1010を駆動させる。すると、加振ステージ1010上に配置された下部基板1020と、この下部基板1020と対向配置された上部基板1030とがそれらの平面方向に移動し、この移動に伴って可動電極1022が固定電極1031に対して相対的にその平面方向に移動する。これにより、可動電極1022と固定電極1031とにおいて、それらが対向する状態と、対向しない状態とが繰り返し生じることとなる。
このとき、可動電極1022と固定電極1031が対向している状態では、帯電絶縁膜1040により形成される静電場の影響が固定電極1031により遮蔽されるので、可動電極1022に正電荷が現れない一方、固定電極1031に正電荷が現れる。このような状態から、可動電極1022と固定電極1031とが対向しない状態、すなわち、可動電極1022と隣り合う固定電極1031の間の領域とが対向する状態になると、可動電極1022は、その領域から漏れ出る帯電絶縁膜1040により形成される静電場の影響を受ける。すると、その領域により誘導されていた正電荷は、固定電極1031から外部負荷1060を通って可動電極1022に移動することとなる。このような正電荷の移動が繰り返されることにより、外部負荷1060には交流電流が流れることになる。
このように、静電変換装置は、可動電極1022と固定電極1031との間で電荷を移動させることにより電流を発生させるものである。したがって、発電量を増加させるには、例えばそれらの電極の数量を増加させることが考えられる。これは、下部基板1020、上部基板1030および可動部材1021の面積を大きくすることにより実現することが可能である。
T. Shimamura,et al.,"Nano-Watt Power Management and Vibration Sensing on a Dust-Size Batteryless Sensor Node for Ambient Intelligence Applications",Proc. Int. Conf. ISSCC2010,pp. 504-506, 2010 S. Beeby,et al.,"Energy harvesting vibration sources for microsystem applications" Meas. Sci. Technol.,17 (2006) pp. R175-R195 N. Sato,K. Ono,T. Shimamura,K. Kuwabara,M. Ugajin,S. Mutoh,H. Morimura,H. Ishii,J. Kodate,and Y. Sato,"Energy Harvesting by MEMS Vibrational Devices with Electrets",Digest Tech. Papers,Transducers‘09 Conference,Denver,USA,June 21-25,2009,pp.1381-1384
しかしながら、可動部材1021は、上述したように薄膜の堆積により形成されているので、その面積を大きくしようとすると反りが大きくなってしまう。このように可動部材1021の反りが大きくなると、可動電極1022と固定電極1031との間隔が10μm程度に設定されているので、可動電極1022と固定電極1031とが接触し、可動部材1021の水平方向の移動が阻害されてしまう。すると、発電量の増加どころか、発電すら行えなくなってしまう。
そこで、本願発明は、発電量を増加させることができる静電変換装置および静電変換装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明に係る静電変換装置は、第1の基板と、この第1の基板の上方に設けられ、当該第1の基板の平面に対して平行な第1の方向に移動可能に支持された可動部材と、この可動部材上に設けられた第1の電極と、可動部材の上方に当該可動部材と所定間隔離間して、かつ、第1の基板と互いに平行に配設された第2の基板と、この第2の基板の下面に設けられ、第1の電極と所定間隔離間して対向配置された第2の電極と、第2の基板の上面に設けられた帯電体とを備えた静電変換装置であって、可動部材は、互いに離間して複数設けられることを特徴とするものである。
そして、上記静電変換装置可動部材ごとに、第1の方向に直交しかつ第1の基板に対して平行な第2の方向の一方の側に、第1の基板上において第1の方向に所定間隔離間して設けられ、それぞれ第1の基板から上方に突出した棒状の部材から構成される複数の第1の柱部材と、第2の方向の他方の側に、第1の基板上において第1の柱部材と1対1に対向配置され、それぞれ第1の基板から上方に突出した棒状の部材から構成される複数の第2の柱部材と、それぞれ一端が第1の柱部材に支持され、他端が対向配置された第2の柱部材に向かって延在して対応する可動部材に接続された複数の第1の梁部材と、それぞれ一端が第2の柱部材に支持され、他端が対向配置された第1の柱部材に向かって延在して対応する可動部材に接続された複数の第2の梁部材とを備え、複数の第1の梁部材を互いに連結する第1の連結部材と、複数の第2の梁部材を互いに連結する第2の連結部材とをさらに備えることにより、複数の可動部材を互いに連結したことを特徴とするものである
また、上記静電変換装置において、第1および第2の連結部材は、それぞれ、第1の方向に延在する棒状に形成され、複数の第1および第2の梁部材を第1の方向に沿って連結するようにしてもよい。
また、上記静電変換装置において、第1および第2の連結部材は、弾性を有する部材から構成されるようにしてもよい。
また、上記静電変換装置において、可動部材と第1の方向に対向配置された壁部材をさらに備えるようにしてもよい。
また、本発明に係る静電変換装置の製造方法は、第1の基板と、この第1の基板の上方に設けられ、当該第1の基板の平面に対して平行な第1の方向に移動可能に支持された可動部材と、この可動部材上に設けられた第1の電極と、可動部材の上方に当該可動部材と所定間隔離間し、かつ、第1の基板と互いに平行に配設された第2の基板と、この第2の基板の下面に設けられ、第1の電極と所定間隔離間して対向配置された第2の電極と、第2の基板の上面に設けられた帯電体とを備え、可動部材が互いに離間して複数設けられた静電変換装置の製造方法であって、上面に第1の絶縁膜が形成されたシリコン基板を第1の基板として用意する第1のステップと、第1の絶縁膜上にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストに対して所定の形状のマスクパターンを用いて露光することにより所定の箇所に第1の開口部が形成された第1のレジストパターンを形成する第2のステップと、メッキ法により第1の開口部内に金属を堆積して第1の金属パターンを形成した後、第1のレジストパターンを除去する第3のステップと、第1の金属パターンを含む絶縁膜上に、第1の金属パターンの上面を露出させた第1の犠牲層を形成する第4のステップと、第1の犠牲層上にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストに対して所定の形状のマスクパターンを用いて露光することにより所定の箇所に第2の開口部が形成された第2のレジストパターンを形成する第5のステップと、メッキ法により第2の開口部内に金属を堆積して第2の金属パターンを形成した後、第2のレジストパターンを除去することにより、可動部材を形成する第6のステップと、第2の金属パターンを含む第の犠牲層上に、第2の金属パターンの上面を露出させた第2の犠牲層を形成する第7のステップと、第2の犠牲層上にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストに対して所定の形状のマスクパターンを用いて露光することにより所定の箇所に第3の開口部が形成された第3のレジストパターンを形成する第8のステップと、メッキ法により第3の開口部内に金属を堆積して第の金属パターンを形成した後、第3のレジストパターンを除去することにより第1の電極を形成する第9のステップと、第1の犠牲層および第2の犠牲層を除去する第10のステップと、上面に第2の絶縁膜が形成されたシリコン基板を第2の基板として用意する第11のステップと、第2の絶縁膜上にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストに対して所定の形状のマスクパターンを用いて露光することにより所定の箇所に第4の開口部が形成された第4のレジストパターンを形成する第12のステップと、メッキ法により第4の開口部内に金属を堆積して第4の金属パターンを形成した後、第4のレジストパターンを除去することにより、第2の電極を形成する第13のステップと、第2の基板の下面に絶縁体を塗布し、加熱硬化させた後、電処理を行うことにより、帯電体を形成する第14のステップと、第2の基板を第1の基板の上方に配設することにより、第2の電極と第1の電極とを対向配置させる第15のステップとを有することを特徴とするものである。
上記静電変換装置の製造方法において、静電変換装置は、複数の可動部材を連結する連結部材をさらに備え、第6のステップは、可動部材とともに連結部材を形成するようにしてもよい。
本発明によれば、可動部材を複数設けることにより、各可動部材の面積が反りが発生しない程度の小さなものとすることによって、これらの可動部材の合計の面積を大きくすることが可能となるので、第1の電極の数量を増加させることができ、結果として、発電量を増加させることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の構成を断面模式的に示す正面図である。 図2は、図1のI-I線方向からの平面図である。 図3は、図2のIII-III線断面図である。 図4は、図1のII-II線方向からの平面図である。 図5は、図4のIV-IV線断面図である。 図6は、本発明の実施の形態に係る静電変換装置による発電動作を説明するための図である。 図7は、本発明の実施の形態に係る静電変換装置による発電動作を説明するための図である。 図8Aは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図8Bは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図8Cは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図8Dは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図8Eは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図8Fは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図8Gは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図8Hは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図8Iは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図8Jは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図9Aは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図9Bは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図9Cは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図9Dは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図9Eは、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図10は、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の製造方法を説明するための模式図である。 図11は、本発明の実施の形態に係る静電変換装置の変形例を示す平面図である。 図12は、従来の静電変換装置の構成を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[静電変換装置の構成]
図1〜図5に示すように、本実施の形態に係る静電変換装置1は、平面視略矩形の板の形状を有し、上面に酸化シリコン等の第1の絶縁膜21が形成されたシリコン等からなる半導体基板(以下、「下部基板」と言う。)2と、この下部基板2と同等の形状を有し、下部基板2の上方に所定距離離間するとともに下部基板2と互いに平行に配設され、下面に酸化シリコン等の第2の絶縁膜31が形成されたシリコン等からなる半導体基板(以下、「上部基板」と言う。)3とを備えている。
ここで、下部基板2は、長辺が下部基板2の平面に対して平行な第1の方向(以下、「X方向」と言う。)、短辺が下部基板2の平面に対して平行でかつ第1の方向と直交する第2の方向(以下、「Y方向」と言う。)に沿って配置されているものとする。
<下部基板の構成>
下部基板2の第1の絶縁膜21上には、X方向に並設された複数の可動部4と、これらの可動部4を連結する連結部材22a,22bと、各可動部4をX方向の両側から挟むように設けられた一対の壁部材23a、23bと、これらを取り囲むように下部基板2の縁部近傍から立設された第1のスペーサ部材24と、この第1のスペーサ部材24と下部基板2の縁部との間の領域に設けられた複数の電極25とが設けられている。ここで、可動部4、壁部材23a,23bおよび第1のスペーサ部材24は、第1の絶縁膜21上に離間して配置されることにより、互いに絶縁分離されている。
≪可動部の構成≫
可動部4は、第1の絶縁膜21上においてX方向に所定間隔離間して設けられた3つの第1の柱部材41a〜41cと、第1の絶縁膜21上において第1の柱部材41a〜41cと1対1にY方向に対向配置された3つの第2の柱部材42a〜42cと、一端が第1の柱部材41a〜41cに支持され他端が対向配置された第2の柱部材42a〜42cに向かって延在する第1の梁部材43a〜43cと、一端が第2の柱部材42a〜42cに支持され他端が対向配置された第1の柱部材41a〜41cに向かって延在する第2の梁部材44a〜44cと、第1の梁部材43a〜43cおよび第2の梁部材44a〜44cの他端に接続されることにより、X方向に揺動可能に支持された可動部材45と、この可動部材45上においてX方向に所定の間隔離間して並設された3つの第1の電極(以下、「可動電極」と言う。)46a〜46cとから構成される。
便宜上、X方向およびY方向に垂直な方向、すなわち下部基板2の平面に対して垂直な方向を「Z方向」と言う。また、X方向において、第1の柱部材41aから第1の柱部材41bに向かう側を正の側とする。同様に、Y方向において、第1の柱部材41a〜41cから第2の柱部材42a〜42cに向かう方向を正の側とする。同様に、Z方向において、下部基板2から離間する側を上側または上方、下部基板2に近づく側を下側または下方とする。
第1の柱部材41a〜41cは、第1の絶縁膜21上から上方に突出した金属からなる棒状の部材から構成される。上述したように、第1の柱部材41aの上端には第1の梁部材43aの一端、第1の柱部材41bの上端には第1の梁部材43bの一端、第1の柱部材41cの上端には第1の梁部材43cの一端がそれぞれ接続されている。
第2の柱部材42a〜42cは、第1の絶縁膜21上から上方に突出した金属からなる棒状の部材から構成される。上述したように、第2の柱部材42aの上端には第2の梁部材44aの一端、第2の柱部材42bの上端には第2の梁部材44bの一端、第2の柱部材42cの上端には第2の梁部材44cの一端がそれぞれ接続されている。
第1の梁部材43a〜43cは、Y方向に沿って延在する金属からなる棒状の部材から構成される。上述したように、第1の梁部材43aの一端は、第1の柱部材41aの上端に接続され、他端は、可動部材45の1つの側面に接続されている。同様に、第1の梁部材43bの一端は、第1の柱部材41bの上端に接続され、他端は、可動部材45の1つの側面に接続されている。同様に、第1の梁部材43cの一端は、第1の柱部材41cの上端に接続され、他端は、可動部材45の1つの側面に接続されている。
第2の梁部材44a〜44cは、Y方向に沿って延在する金属からなる棒状の部材から構成される。上述したように、第2の梁部材44aの一端は、第2の柱部材42aの上端に接続され、他端は、可動部材45の1つの側面に接続されている。同様に、第2の梁部材44bの一端は、第2の柱部材42bの上端に接続され、他端は、可動部材45の1つの側面に接続されている。同様に、第2の梁部材44cの一端は、第2の柱部材42cの上端に接続され、他端は、可動部材45の1つの側面に接続されている。
このような第1の梁部材43a〜43cおよび第2の梁部材44a〜44cは、少なくともX方向に可撓性を有するように形成されている。これは、例えば、幅よりも厚さの方を大きく、言い換えるとZX方向の断面においてX方向の長さよりもZ方向の長さの方が大きくなるように形成することにより、実現することができる。
可動部材45は、金属からなる直方体の部材から構成され、上面および下面の長辺がX方向に沿い、短辺がY方向に沿うように配設され、かつ、上面および下面の面積が可動電極46a〜46cと固定電極32a〜32cとが接触してしまう程度の反りが発生しない大きさに形成されている。ここで、可動部材45の第1の柱部材41a〜41cと対向する側面には、第1の梁部材43a〜43cの他端が接続され、第2の柱部材42a〜42cと対向する側面には、第2の梁部材44a〜44cが接続されている。これにより、可動部材45は、第1の梁部材43a〜43cおよび第2の梁部材44a〜44cによって下部基板2上方に吊設されることとなる。このとき、上述したように第1の梁部材43a〜43cおよび第2の梁部材44a〜44cがX方向に可撓性を有するので、可動部材45は、X方向に揺動可能な状態、すなわちX方向の正負両側に往復移動が可能な状態とされている。したがって、静電変換装置1が外力を受けると、可動部材45は、下部基板2に対して相対的に移動する。また、静電変換装置1自体が振動すると、可動部材45は、下部基板2に対して相対的に往復運動することとなる。
可動電極46a〜46cは、Y方向に沿って延在する金属からなる棒状の部材から構成され、可動部材45の上面においてX方向に所定間隔離間して並設されている。
≪連結部材の構成≫
連結部材22a,22bは、X方向に延在する金属からなる棒状の部材から構成される。連結部材22aは、一端が最も負の側に位置する可動部4の第1の梁部材43aに、他端がX方向の最も正の側に位置する可動部4の第1の梁部材43cに接続されるとともに、これらの間に位置する第1の梁部材43a〜43cとも結合されている。これにより、各可動部4の第1の梁部材43a〜43cは、連結部材22aによってX方向に連結される。同様に、連結部材22bは、一端が最も負の側に位置する可動部4の第2の梁部材44aに、他端がX方向の最も正の側に位置する可動部4の第2の梁部材44cに接続されるとともに、これらの間に位置する第2の梁部材44a〜44cとも結合されている。これにより、各可動部4の第2の梁部材44a〜44cは、連結部材22bによってX方向に連結される。したがって、各可動部4の可動部材45は、連結部材22a,22bによって、第1の梁部材43a〜43cおよび第2の梁部材44a〜44cを介して、X方向に配列された状態で連結されているので、他の可動部材45とともにX方向に連動することとなる。
≪壁部材の構成≫
壁部材23a,23bは、金属からなる直方体の部材から構成され、上面および下面の長辺がY軸方向に沿い、短辺がX軸方向に沿うように配設されている。このような壁部材23a,23bは、可動部材45毎に設けられる。また、壁部材23aのX方向における正の側に位置する側面は、可動部材45のX方向における負の側に位置する側面と対向配置されている。さらに、壁部材23bのX方向における負の側に位置する側面は、可動部材45のX方向における正の側に位置する側面と対向配置されている。
≪スペーサ部材の構成≫
第1のスペーサ部材24は、金属からなり、長辺がX方向、短辺がY方向に沿った平面視略矩形の筒状の部材から構成される。
≪電極の構成≫
電極25は、下部基板2のX軸に平行な両辺と第1のスペーサ部材24との間の領域において、X方向に複数並設されている。
このような複数の電極25には、下部基板2内部に形成された配線26aを介して可動部4の壁部材23a,23bと接続される電極25aが含まれる。この電極25aは、接地されることにより、壁部材23a,23bの帯電を防ぐことができる。
また、下部基板2内部に形成された配線26bを介して、その可動部4の第1の柱部材41bと接続される電極25bも含まれる。上述したように、各可動部材45は金属からなる連結部材22a,22bにより連結されている。したがって、電極25bは、各可動部4の可動電極46a〜46cと電気的に接続されることとなる。
さらに、下部基板2内部に形成された配線26cを介して、第1のスペーサ部材24内部の第1の絶縁膜21上に形成された電極25dと接続される電極25cも含まれる。この電極25dは、後述する上部基板3の電極36と接続される。
<上部基板の構成>
上部基板3の下面に設けられた第2の絶縁膜31上には、第2の絶縁膜31上において可動電極46a〜46cに1対1に対応して設けられた第2の電極(以下、「固定電極」と言う。)32a〜32cと、第1のスペーサ部材24と同等の平面形状を有し、固定電極32a〜32cを取り囲むように上部基板3の縁部近傍から立設された第2のスペーサ部材33とが設けられている。ここで、固定電極32a〜32cと第2のスペーサ部材33とは、第2の絶縁膜31上において互いに離間して配置されることにより、絶縁分離されている。
また、上部基板3の上面には、帯電絶縁膜34が設けられている。
固定電極32a〜32cは、それぞれY方向に沿って延在する金属からなる棒状の部材から構成され、第2の絶縁膜31上においてX方向に所定間隔離間して並設されている。このような固定電極32a〜32cは、Z方向に対向配置された可動部4毎に設けられ、可動部材45が停止している状態において可動電極46a〜46cと1対1に対向する位置に配置されている。また、各固定電極32a〜32cは、配線35により互いに接続されている。この配線35の一端には、電極36が設けられている。この電極36は、例えば後述するように公知のMEMS技術により金属パターンを積層することによって、上述した下部基板2の電極25dに接続される。
第2のスペーサ部材33は、金属からなり、長辺がX方向、短辺がY方向に沿った平面視略矩形の筒状の部材から構成される。この第2のスペーサ部材33の下面は、第1のスペーサ部材24の上面と接合される。この接合のため、第2のスペーサ部材33は、銀ペースト等の接着剤33aにより覆われている。
帯電絶縁膜34は、上部基板3の上面に形成され、予め電子を帯電したエレクトレットとして機能する。この帯電は、後述するように電子ビーム法、液体接触法、コロナ放電法などによって実現される。
このような静電変換装置1において、電極25cと電極25bとは、外部負荷に接続される。これにより、固定電極32a〜32cと可動電極46a〜46cとは、その外部負荷を介して電気的に接続されることとなる。
[静電変換装置の発電動作]
次に、図6,図7を参照して、本実施の形態に係る静電変換装置1による発電動作について説明する。以下においては、静電変換装置1の電極25cと電極25bとに外部負荷5が接続されている場合を例に説明する。
まず、図6に示すように、可動部材45が静止しているとき、可動電極46a〜46cと固定電極32a〜32bとは、対向配置されている。このような状態において、固定電極32a〜32cは、帯電絶縁膜34により形成される静電場の影響を受けるので、静電誘導の原理により帯電絶縁膜34の負電荷に対応した正電荷が固定電極32a〜32cに現れる。一方、可動電極46a〜46cには、対向配置された固定電極32a〜32cにより、帯電絶縁膜34により形成される静電場の影響が遮断されるので、正電荷が現れない。
このような状態において、例えば静電変換装置1が振動させられると、質量を有する可動部材45がX方向に揺動する。可動部材45がX方向の正の向きに移動したときには、図7に示すように、可動電極46a〜46cもX方向の正の向きに移動し、帯電絶縁膜34により形成される静電場の影響を遮蔽していた固定電極32a〜32cから遠ざかる。すると、可動電極46a〜46cは、第2の絶縁膜31と対向し、この位置から漏れ出る帯電絶縁膜34により形成される静電場の影響を受けるので、静電誘導の原理により帯電絶縁膜34の負電荷に対応した正電荷が現れる。この正電荷は、固定電極32a〜32cと可動電極46a〜46cとが外部負荷5を介して接続されていることから、図6において固定電極32a〜32cに現れた正電荷が移動してきたものである。
このように、静電変換装置1が振動させられることによって可動部材45がX方向に揺動すると、固定電極32a〜32cと可動電極46a〜46cとに交互に正電荷が誘導されるので、外部負荷5に交流電流が流れることとなる。
[静電変換装置の製造方法]
次に、本実施の形態に係る静電変換装置の製造方法の一例について、図8A〜図10を参照して説明する。なお、図8A〜図10において、左側の図は図3または図5の場合と同様のZY平面における断面図、右側の図は図1の場合と同様のZX平面における断面図を示している。
<下部基板の製造方法>
まず、例えば、酸化シリコンからなる第1の絶縁膜21が上面に形成された、シリコンからなる下部基板2を用意する。この下部基板2は、複数のトランジスタ、抵抗、容量、配線などから構成された半導体集積回路を備えるようにしてもよい。この場合、集積回路の配線や、パッドの配線などと電気的に接続するためのコンタクトホールなどが、第1の絶縁膜21の所定の箇所に形成されていてもよい。
このような下部基板2に対して、図8Aに示すように、第1の絶縁膜21上に第1のシード層101を形成する。この第1のシード層101は、例えば、スパッタ法や蒸着法などにより、第1の絶縁膜21上にチタンを堆積した後、この上に金を堆積することにより形成することができる。この場合、チタンの膜厚は0.1μm程度、金の膜厚は0.1μm程度とすればよい。
第1のシード層101を形成した後、この第1のシード層101の上にレジスト材料を塗布し、このレジスト材料に対して所望のパターンを有するマスクを用いて露光することにより、第1のシード層101上の所望の位置に開口部が形成されたレジストパターンを形成する。このとき、その開口部からは、第1のシード層101が露出している。このようなレジストパターンを形成した後、例えばメッキ法により、そのレジストパターンの開口部内に金を堆積した後、そのレジストパターンを除去することにより、図8Bに示すように、第1のシード層101上に上方に突出した柱状の第1の金属パターン102を形成する。このとき、例えば、塗布するレジスト材料の膜厚を20μm程度、メッキ膜の膜厚を15μm程度とすることにより、第1の金属パターン102の高さを15μm程度に形成することができる。
第1の金属パターン102を形成した後、この第1の金属パターン102をマスクとして第1のシード層101をエッチング除去し、図8Cに示すように、第1の金属パターン102が第1の絶縁膜21の上で互いに分離した状態とする。これにより、第1の柱部材41a〜41cの下部、第2の柱部材42a〜42cの下部、壁部材23a,23bの下部、第1のスペーサ部材24の下部、および、電極25が形成される。
第1のシード層101のエッチング除去は、例えば、第1のシード層101の上層にある金を、硝酸と塩酸からなる王水エッチング液でウエットエッチングした後、このウエットエッチングにより露出した第1のシード層101の下層にあるチタンを、フッ化水素水溶液によりウエットエッチングすることにより行うことができる。
第1のシード層101を選択的にエッチング除去した後、図8Dに示すように、第1の絶縁膜21上に第1の犠牲層103を形成する。このとき、第1の金属パターン102の上面は、第1の犠牲層103表面に露出した状態とされる。このような第1の犠牲層103は、例えば、PBO(ポリベンゾオキサゾール)からなる感光性有機樹脂を第1の絶縁膜21上に塗布して塗布膜を形成し、この塗布膜を公知のリソグラフィ技術によりパターニングすることにより形成することができる。そのパターニングでは、前処理として120℃のプリベークを4分間行い、パターニング後に310℃の加熱処理を行い、有機樹脂の膜が熱硬化された状態とする。その有機樹脂としては、例えば、住友ベークライト社製のCRC8300を用いることができる。
第1の犠牲層103を形成した後、図8Eに示すように、上述した第1のシード層101を形成した方法と同様の方法により第1の犠牲層103上に第2のシード層104を形成し、上述した第1の金属パターン102を形成した方法と同様の方法により第2のシード層104上に第2の金属パターン105を形成する。ここで、第2の金属パターン105の形成時には、例えば、マスクとなるレジストパターンの膜厚を40μm程度、メッキの膜厚25μm程度に形成された状態とすればよい。
第2の金属パターン105を形成した後、第1のシード層101をエッチング除去した方法と同様の方法により、第2の金属パターン105をマスクとして第2のシード層104をエッチング除去し、図8Fに示すように、第2の金属パターン105が第1の犠牲層103上で互いに分離した状態とする。これにより、第1の柱部材41a〜41cの上部、第2の柱部材42a〜42cの上部、第1の梁部材43a〜43c、第2の梁部材44a〜44c、可動部材45、連結部材22a,22b、壁部材23a,23bの上部、第1のスペーサ部材24の上部が形成される。
第2のシード層104を選択的にエッチング除去した後、図8Gに示すように、第1の犠牲層103上に第2の犠牲層106を形成する。このとき、第2の金属パターン105の上面は、第2の犠牲層106表面に露出した状態とされる。このような第2の犠牲層106を形成する工程は、上述した第1の犠牲層103を形成する工程と同等の方法により行うことができる。
第2の犠牲層106を形成した後、図8Hに示すように、第1のシード層101を形成した方法と同等の方法により、第2の犠牲層106上に第3のシード層107を形成し、第1の金属パターン102や第2の金属パターン105を形成した方法と同等の方法により、その第3のシード層107上に第3の金属パターン108を形成する。ここで、第3の金属パターン108の形成時には、マスクとなるレジストパターンの膜厚を10μm程度、メッキの膜厚5μm程度に形成された状態とすればよい。
第3の金属パターン108を形成した後、図8Iに示すように、第1のシード層101や第2のシード層104をエッチング除去した方法と同等の方法により、第3の金属パターン108をマスクとして第3のシード層107を除去する。これにより、第3の金属パターン108が第2の犠牲層106上で分離した状態とする。これにより、可動電極46a〜46cが形成される。
第3のシード層107を選択的にエッチング除去した後、図8Jに示すように、第1の犠牲層103および第2の犠牲層106を除去する。これにより、可動部4の一部を構成する第2のシード層104の下方に空間が形成された状態となる。第1の犠牲層103および第2の犠牲層106の除去は、例えば、オゾンアッシャー装置を用いてオゾンを第1の犠牲層103および第2の犠牲層106に作用させることにより、行うことができる。
<上部基板の製造方法>
次に、例えば、酸化シリコンからなる第2の絶縁膜31が一方の面に形成された、シリコンからなる上部基板3を用意する。ここで、上部基板3は、複数のトランジスタ、抵抗、容量、配線などから構成された半導体集積回路を備えるようにしてもよい。この場合、集積回路の配線や、パッドの配線などと電気的に接続するためのコンタクトホールなどが、第2の絶縁膜31の所定の箇所に形成されていてもよい。
このような上部基板3に対して、図9Aに示すように、上述した第1のシード層101等を形成した方法と同様の方法により第2の絶縁膜31上に第4のシード層301を形成し、第1の金属パターン102等を形成した方法と同様の方法により第4のシード層301上に第4の金属パターン302を形成する。ここで、第4の金属パターン302の形成時には、例えば、マスクとなるレジストパターンの膜厚を5μm程度、メッキの膜厚1μm程度に形成された状態とすればよい。これにより、固定電極32a〜32cおよび第2のスペーサ部材33それぞれの一部が形成される。
第4の金属パターン302を形成した後、図9Bに示すように、上述した第1の金属パターン102を形成した方法と同様の方法により第4の金属パターン302上に第5の金属パターン303を形成する。ここで、第5の金属パターン303の形成時には、例えば、マスクとなるレジストパターンの膜厚を30μm程度、メッキの膜厚20μm程度に形成された状態とすればよい。これにより、第2のスペーサ部材33の一部が形成される。
第5の金属パターン303を形成した後、第1のシード層101等をエッチング除去した方法と同様の方法により、第4の金属パターン302および第5の金属パターン303をマスクとして第4のシード層301をエッチング除去し、第4の金属パターン302および第5の金属パターン303が第4のシード層301上で互いに分離した状態とする。これにより、第2のスペーサ部材33の一部が形成される。そして、第2の絶縁膜31上に表面保護のためのレジスト304を塗布する。これにより、図9Cに示すように、第4のシード層301、第4の金属パターン302および第5の金属パターン303がレジスト304により覆われた状態となる。
次に、図9Dに示すように、上部基板3の第2の絶縁膜31が設けられていない側の面上に、スピンコート等により絶縁材料を塗布し、加熱硬化させることにより、帯電絶縁膜34を形成する。ここで、帯電絶縁膜34は、厚さ20μm程度に形成される。
帯電絶縁膜34を加熱硬化した後、上部基板3に対して、例えば、公知の電子ビーム法、液体接触法、コロナ放電法などの方法により、帯電処理を行う。例えば、印加電圧を−1000V、印加時間を60分とすればよい。このような帯電処理により、絶縁膜4の表面には負電荷が帯電した状態となる。
次に、図9Eに示すように、リムーバによってレジスト304を除去した後、上部基板3を水洗いする。
<下部基板と上部基板の接合>
次に、図10に示すように、下部基板2の第1の絶縁膜21が形成された側の面と、上部基板3の第2の絶縁膜31が形成された側の面とを対向させ、下部基板2に形成された第1のスペーサ部材24として機能する第2の金属パターン105の上面と、上部基板3に形成された第2のスペーサ部材33として機能する第5の金属パターン303の上面とを貼り合わせる。この貼り合わせる方法としては、公知のCOC(Chip On Chip)接合や、常温SAB(Surface Activated Bonding )接合などにより行うことができる。本実施の形態では、第2のスペーサ部材33を構成する第4のシード層301、第3の金属パターン302および第5の金属パターン303を銀ペースト305で覆った後、上述したように、第2の金属パターン105の上面と第5の金属パターン303の上面とを貼り合わせることにより、下部基板2と上部基板3とを接合する。これにより、静電変換装置1が完成する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、可動部材45を複数設けることにより、各可動部材45の面積が反りが発生しない程度の小さなものとすることによって、これらの可動部材45の合計の面積を大きくすることが可能となるので、可動電極46a〜46cの数量を増加させることができ、結果として、発電量を増加させることができる。
また、本実施の形態によれば、複数の可動部材45を連結する連結部材22a,22bを設けることにより、複数の可動部材45を連結部材22a,22bの延在方向であるX方向に配列した状態で連結することによって、複数の可動部材45が一斉に同じ方向に移動し、各可動部材45上に設けられた複数の可動電極46a〜46cと、この可動電極46a〜46cと対向配置された固定電極32a〜32cとの間で一斉に電荷が移動することとなり、結果として、発電量を増加させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、壁部材23a,23bを設けることにより、可動部材45の移動量を制限するとともに、可動部材45が隣り合う可動部材45や他の構成要素との接触を防ぐことが可能となるので、結果として、可動部材45が破損するのを防ぐことができる。
なお、本実施の形態では、連結部材22a,22bにより各可動部4の可動部材45を連結する場合を例に説明したが、連結部材22a,22bを設けずに、可動部材45を連結しないようにしてもよい。このようにしても、本実施の形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、本実施の形態において、連結部材22a,22bを直線状の棒に形成する場合を例に説明したが、連結部材の構成はこれに限定されず適宜自由に設定することができる。例えば、図11に示すように、隣り合う可動部4の間の部分がミアンダ形状をなしている弾性部221a,221bを備えた連結部材22a’,22b’とするようにしてもよい。このような連結部材22a’,22b’を設けることにより、各可動部4の共振周波数を複数設定することが可能となるので、多モードの発電動作を実現することができる。
また、本実施の形態において、壁部材23a,23bは、1つの可動部材45に対して2つずつ設ける場合を例に説明したが、可動部材45のX方向の正負両側に壁部材が設けられるのであれば壁部材の数量はそれに限定されず、適宜自由に設定することができる。例えば、隣り合う可動部材45の間には、壁部材を1つのみ設けるようにしてもよい。これにより、小型化を実現することができる。
本発明は、振動エネルギーを電気エネルギーに変換する静電変換装置に適用することができる。
1…静電変換装置、2,2’…下部基板、3…上部基板、4…可動部、21…第1の絶縁膜、22a,22b、22a’,22b’…連結部材、23a,23b…壁部材、24…第1のスペーサ部材、25,25a〜25c,26a〜26c…配線、36…電極、31…第2の絶縁膜、32a〜32c…固定電極、33…第2のスペーサ部材、34…帯電絶縁膜、35…配線、41a〜41c…第1の柱部材、42a〜42c…第2の柱部材、43a〜43c…第1の梁部材、44a〜44c…第2の梁部材、45…可動部材、46a〜46c…可動電極、101…第1のシード層、102…第1の金属パターン、103…第1の犠牲層、104…第2のシード層、105…第2の金属パターン、106…第2の犠牲層、107…第3のシード層、108…第3の金属パターン、301…第4のシード層、302…第4の金属パターン、303…第5の金属パターン、304…レジスト。

Claims (6)

  1. 第1の基板と、
    この第1の基板の上方に設けられ、当該第1の基板に対して平行な第1の方向に移動可能に支持された可動部材と、
    この可動部材上に設けられた第1の電極と、
    前記可動部材の上方に当該可動部材と所定間隔離間して、かつ、前記第1の基板と互いに平行に配設された第2の基板と、
    この第2の基板の下面に設けられ、前記第1の電極と所定間隔離間して対向配置された第2の電極と、
    前記第2の基板の上面に設けられた帯電体と
    を備えた静電変換装置であって、
    前記可動部材は、互いに離間して複数設けられ、
    前記可動部材ごとに、
    前記第1の方向に直交しかつ前記第1の基板に対して平行な第2の方向の一方の側に、前記第1の基板上において前記第1の方向に所定間隔離間して設けられ、それぞれ前記第1の基板から上方に突出した棒状の部材から構成される複数の第1の柱部材と、
    前記第2の方向の他方の側に、前記第1の基板上において前記第1の柱部材と1対1に対向配置され、それぞれ前記第1の基板から上方に突出した棒状の部材から構成される複数の第2の柱部材と、
    それぞれ一端が前記第1の柱部材に支持され、他端が対向配置された前記第2の柱部材に向かって延在して対応する前記可動部材に接続された複数の第1の梁部材と、
    それぞれ一端が前記第2の柱部材に支持され、他端が対向配置された前記第1の柱部材に向かって延在して対応する前記可動部材に接続された複数の第2の梁部材と
    を備え、
    複数の前記第1の梁部材を互いに連結する第1の連結部材と、
    複数の前記第2の梁部材を互いに連結する第2の連結部材と
    をさらに備えることにより、複数の前記可動部材を互いに連結した
    ことを特徴とする静電変換装置。
  2. 前記第1および第2の連結部材は、それぞれ、前記第1の方向に延在する棒状に形成され、複数の前記第1および第2の梁部材を前記第1の方向に沿って連結する
    ことを特徴とする請求項記載の静電変換装置。
  3. 前記第1および第2の連結部材は、弾性を有する部材から構成される
    ことを特徴とする請求項または記載の静電変換装置。
  4. 前記可動部材と前記第1の方向に対向配置された壁部材
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の静電変換装置。
  5. 第1の基板と、この第1の基板の上方に設けられ、当該第1の基板の平面に対して平行な第1の方向に移動可能に支持された可動部材と、この可動部材上に設けられた第1の電極と、前記可動部材の上方に当該可動部材と所定間隔離間して、かつ、前記第1の基板と互いに平行に配設された第2の基板と、この第2の基板の下面に設けられ、前記第1の電極と所定間隔離間して対向配置された第2の電極と、前記第2の基板の上面に設けられた帯電体とを備え、前記可動部材が互いに離間して複数設けられた静電変換装置の製造方法であって、
    上面に第1の絶縁膜が形成されたシリコン基板を前記第1の基板として用意する第1のステップと、
    前記第1の絶縁膜上にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストに対して所定の形状のマスクパターンを用いて露光することにより所定の箇所に第1の開口部が形成された第1のレジストパターンを形成する第2のステップと、
    メッキ法により前記第1の開口部内に金属を堆積して第1の金属パターンを形成した後、前記第1のレジストパターンを除去する第3のステップと、
    前記第1の金属パターンを含む前記絶縁膜上に、前記第1の金属パターンの上面を露出させた第1の犠牲層を形成する第4のステップと、
    前記第1の犠牲層上にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストに対して所定の形状のマスクパターンを用いて露光することにより所定の箇所に第2の開口部が形成された第2のレジストパターンを形成する第5のステップと、
    メッキ法により前記第2の開口部内に金属を堆積して第2の金属パターンを形成した後、前記第2のレジストパターンを除去することにより、前記可動部材を形成する第6のステップと、
    前記第2の金属パターンを含む前記第の犠牲層上に、前記第2の金属パターンの上面を露出させた第2の犠牲層を形成する第7のステップと、
    前記第2の犠牲層上にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストに対して所定の形状のマスクパターンを用いて露光することにより所定の箇所に第3の開口部が形成された第3のレジストパターンを形成する第8のステップと、
    メッキ法により前記第3の開口部内に金属を堆積して第の金属パターンを形成した後、前記第3のレジストパターンを除去することにより前記第1の電極を形成する第9のステップと、
    前記第1の犠牲層および前記第2の犠牲層を除去する第10のステップと、
    上面に第2の絶縁膜が形成されたシリコン基板を前記第2の基板として用意する第11のステップと、
    前記第2の絶縁膜上にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストに対して所定の形状のマスクパターンを用いて露光することにより所定の箇所に第4の開口部が形成された第4のレジストパターンを形成する第12のステップと、
    メッキ法により前記第4の開口部内に金属を堆積して第4の金属パターンを形成した後、前記第4のレジストパターンを除去することにより、前記第2の電極を形成する第13のステップと、
    前記第2の基板の下面に絶縁体を塗布し、加熱硬化させた後、電処理を行うことにより、前記帯電体を形成する第14のステップと、
    前記第2の基板を前記第1の基板の上方に配設することにより、前記第2の電極と前記第1の電極とを対向配置させる第15のステップと
    を有することを特徴とする静電変換装置の製造方法。
  6. 前記静電変換装置は、複数の前記可動部材を連結する連結部材をさらに備え、
    前記第6のステップは、前記可動部材とともに前記連結部材を形成する
    ことを特徴とする請求項記載の静電変換装置の製造方法。
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