JP5126038B2 - 静電誘導型のエネルギー変換素子 - Google Patents

静電誘導型のエネルギー変換素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5126038B2
JP5126038B2 JP2008312742A JP2008312742A JP5126038B2 JP 5126038 B2 JP5126038 B2 JP 5126038B2 JP 2008312742 A JP2008312742 A JP 2008312742A JP 2008312742 A JP2008312742 A JP 2008312742A JP 5126038 B2 JP5126038 B2 JP 5126038B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
electret
electrode
conversion element
energy conversion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008312742A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010136598A5 (ja
JP2010136598A (ja
Inventor
達章 正木
顕治 櫻井
雄二 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2008312742A priority Critical patent/JP5126038B2/ja
Application filed by Omron Corp filed Critical Omron Corp
Priority to CN200980149184.5A priority patent/CN102246407B/zh
Priority to KR1020117012304A priority patent/KR101236045B1/ko
Priority to US13/133,496 priority patent/US8841816B2/en
Priority to CA2746033A priority patent/CA2746033C/en
Priority to PCT/JP2009/006047 priority patent/WO2010067518A1/ja
Priority to EP09831626.8A priority patent/EP2375557B1/en
Publication of JP2010136598A publication Critical patent/JP2010136598A/ja
Publication of JP2010136598A5 publication Critical patent/JP2010136598A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5126038B2 publication Critical patent/JP5126038B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N1/00Electrostatic generators or motors using a solid moving electrostatic charge carrier
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G7/00Capacitors in which the capacitance is varied by non-mechanical means; Processes of their manufacture
    • H01G7/02Electrets, i.e. having a permanently-polarised dielectric
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02NELECTRIC MACHINES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H02N1/00Electrostatic generators or motors using a solid moving electrostatic charge carrier
    • H02N1/06Influence generators
    • H02N1/08Influence generators with conductive charge carrier, i.e. capacitor machines

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Electrostatic, Electromagnetic, Magneto- Strictive, And Variable-Resistance Transducers (AREA)
  • Electrostatic Separation (AREA)

Description

本発明は静電誘導型のエネルギー変換素子に関し、具体的には、環境振動などを利用して発電を行うための静電誘導型のエネルギー変換素子に関するものである。
センサやアクチュエータを搭載した分散型デバイスや携帯機器などでは、ワイヤー配線(電気コード)による直接給電を行い難いため、電源としてコイン型1次電池や充電池を使用している。
しかし、車のタイヤ空気圧をモニタするTPMS(タイヤ圧モニタリングシステム)や、飛行機・ビル・橋などのヘルスモニタリング、大規模な流通管理では、電池交換が難しかったり、電池交換に手間がかかったり、大量の電池交換が必要になったりするため、電池を電源として用いるのは具合が悪かった。また、心臓のペースメーカやカプセル内視鏡などの用途では、電池交換するためには患者の手術が必要となって身体的負担が大きくなるので、電池搭載は好ましくない。また、充電池の場合でも、充電作業に関して電池交換と同じような不都合がある。
よって、これらの分野をはじめとして種々の分野においては、電源をメンテナスンスフリー(充電の不要化や電池交換の不要化)にする技術が求められている。
メンテナンスフリー化の一つの候補としては、移動体(車、飛行機など)、構造物(ビル、橋など)などにおいて発生する、あるいは装置、人の動作によって発生する数Hz〜数十Hzの振動(以下、このような振動を環境振動と呼ぶ。)から電力を取り出すことのできる、小型のエネルギー変換素子がある。
環境振動で発電するエネルギー変換素子には、主に電磁誘導型、圧電型、静電誘導型の3種類がある。電磁誘導型の素子は、発電量が振動数の2乗に比例するため低周波数化が難しく、またサイズ・重量が大型化する問題がある。圧電型の素子は、信頼性・組立て時のハンドリングなど量産性・コストの問題がある。そのため、静電誘導型の素子が期待されている。
静電誘導型のエネルギー変換素子は、発電量が振動数に比例しているため環境振動を利用して電力を得るのに適しているが、大きな発電量を得るためには、エレクトレット電極に多くの電荷を注入する必要がある。また、エレクトレット電極の荷電量を多くすると、放電による発電効率の劣化が問題となる。しかし、従来の静電誘導型エネルギー変換素子では、これらの問題は解決されておらず、エレクトレットに十分な電荷を注入することができず、また放電による発電効率の劣化も十分に防止されていなかった。以下においては、これらの問題点を特許文献1に開示されたエネルギー変換素子を例にとって具体的に説明する。
(特許文献1に開示された素子)
特許文献1に開示されたエネルギー変換素子11(静電誘導型変換素子)の構造を図1に示す。このエネルギー変換素子11では、固定基板12の上面に短冊状をしたベース電極13を複数設け、各ベース電極13の上にエレクトレット14を設けている。また、固定基板12と対向する対向基板15の下面には、ベース電極13と同じピッチで対向電極16を設けている。
エレクトレット14は、絶縁材料の表面付近に電荷を注入して形成されたものである。特に、エレクトレット14の材料としては、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体により構成することで、表面電荷密度を高くしている。また、特許文献1のある実施形態ではエレクトレット14の上面に、ポリパラキシリレンまたはその誘導体により構成された防湿膜(パリレン膜)を形成し、湿度による劣化を防止している。
このような構造のエネルギー変換素子11では、2つの電極13、16間に負荷17を接続し、図1に矢印で示す方向に対向基板15を運動させると、エレクトレット14に注入された電荷により対向電極16に反対極の電荷が静電誘導されて負荷17に電流が流れ、発電用に利用することが可能になる。
(第1の問題点…注入電荷量の減少)
エレクトレット14に電荷を注入する方法としては、コロナ放電による方法が一般的である。特許文献1では、図2に示すように、コロナ放電用のニードル18を用い、直流高圧電源19を使ってニードル18とベース電極13との間に高電圧を印加し、所定時間、所定電圧で放電させてエレクトレット14に電荷を注入して荷電させている。
しかし、エレクトレット14はベース電極13の上面に形成されているので、ベース電極13の側壁はエレクトレット14から露出している。そのため、図2の向かって左のエレクトレット14のようにニードル18から放出された電荷(電子)の多くがベース電極13へ誘導されて高圧電源19に戻ってしまい(図2における矢付き線は、放電時の電荷の流れを表す。)、その分だけエレクトレット14に注入される電荷量が減少することになる。
また、エレクトレット14とベース電極13は、半導体プロセス(フォトリソグラフィ工程)により形成されるが、エレクトレット14とベース電極13を同一面積で形成するように設計されていたとしても、製造工程におけるアライメントずれや、エレクトレット14のオーバーエッチング等のプロセス誤差により横幅にばらつきが発生しやすい。そのため、図2の向かって右側のエレクトレット14のように、ベース電極13の縁がエレクトレット14からはみ出して露出することが起こりやすい。このような場合には、ベース電極13へ誘導される電荷の量がより一層増加し、エレクトレット14に注入される電荷量がますます減少する。
(第2の問題点…放電による劣化)
環境振動(10Hz程度)を利用して0.1mW以上の発電量を得るためには、上下の電極16、13間のギャップを50μm程度にする必要がある(非特許文献1参照)。しかし、上下の電極16、13間のギャップを50μm程度にすると、エレクトレット14の表面を0.3μm厚のパリレン膜からなる防湿膜で覆っていたとしても、空気および0.3μm厚の防湿膜では、荷電圧が基板間の絶縁耐圧を超えるために上下の電極間で放電が発生し、エレクトレット14に保持されていた電荷が抜ける問題があった(非特許文献2参照)。
絶縁耐圧を高めるためには防湿膜の膜厚を大きくすればよいが、防湿膜の膜厚を厚くすると、コストが高くついて不都合である。また、パリレンの比誘電率が高いため、防湿膜の膜厚を大きくした場合には、エネルギー変換素子11の発電量が低下する恐れが高くなる。そのため、非特許文献1の記載によれば、エネルギー変換素子をSF6で封止する必要があった。したがって、従来においては、エネルギー変換素子をセラミックパッケージ等でハーメチックシールする必要があり、エネルギー変換素子のパッケージが高価になっていた。
また、絶縁耐圧は上下電極間の距離によって決まるため、放電対策としては電極間距離に関係なく絶縁耐圧を超えないような素子を作製することが要求されている。特に、上下電極間の距離に関係なく、表面電位が1000Vのエレクトレットから放電が発生しないようにすることが望まれる。
特開2006−180450号公報 Y. Arakawa, Y. Suzuki, N.Kasagi、"Micro Seismic Power Generator using Electret Polymer Film"、The Fourth International Workshop on Micro and Nanotechnology for Power Generation and Energy Conversion Applications Power MEMS 2004、November 28-30, 2004, Kyoto, Japan、p.187-190 "パリレンとは"、[online]、日本パリレン株式会社、[平成20年6月16日検索]、インターネット、<URL: http://www.parylene.co.jp/about%20parylene-2.htm>
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、エレクトレットに多くの電荷を荷電できる静電誘導型のエネルギー変換素子を提供することにある。また、本発明の別な目的は、放電による劣化が少なく、信頼性の高い静電誘導型のエネルギー変換素子を提供することにある。
本発明のエネルギー変換素子は、所定の間隔を隔てて対向し、かつ互いに相対的に移動可能となった第1の基板と第2の基板を備え、前記第1の基板と前記第2の基板の互いに対向する面に、それぞれ少なくとも1つの導電性部材が形成され、前記導電性部材はいずれも複数本の電極と電極パッドを有し、前記導電性部材のうち少なくとも一つの導電性部材には、各電極に対応してエレクトレットが形成されており、前記エレクトレットは、各電極の表面のうちいずれかの基板に固定されている面と反対面を覆うとともに、各電極の外周面を5μm以上の被覆厚で覆っていることを特徴としている。
本発明のエネルギー変換素子にあっては、電極とエレクトレットとが設けられた基板において、各エレクトレットは、各電極の表面のうちいずれかの基板に固定されている面と反対面を覆うとともに、各電極の外周面を5μm以上の被覆厚で覆っているので、エレクトレットに電荷を注入して荷電させる際に、電荷が電極に誘導されにくくなり、エレクトレットに注入される電荷量の低下を防ぐことができる。よって、エレクトレットにより多くの電荷を保持できるようになり、エレクトレットの表面電位を高くでき、発電量を大きくできる。
本発明に係るエネルギー変換素子のある実施態様においては、前記エレクトレットが形成された電極の外周面が、10μm以上の被覆厚でエレクトレットにより覆われている。かかる実施態様によれば、エレクトレットの表面電位をより高くすることができるとともに、表面電位のばらつきも小さくすることができる。
本発明に係るエネルギー変換素子の別な実施態様においては、前記第1の基板と前記第2の基板のうち少なくとも一方の基板が、互いに平行に凹設された複数本の溝を有し、当該溝内に前記電極が配設され、当該溝内に前記エレクトレットを埋設すると共にエレクトレットにより前記溝内の電極を覆っている。この実施態様によれば、溝内に配設された電極を溝内に埋設されたエレクトレットで覆うようにしているので、電極をエレクトレットで確実に覆うことができ、素子の信頼性が向上する。また、電極を溝内に埋めることで、電荷注入時に電極に電荷が流れるのをより確実に防止することができ、エレクトレットの表面電位をより高めて発電量を大きくできる。
前記溝の形状としては、その長手方向に垂直な断面が、内隅部の湾曲した矩形形状であってもよく、底面の幅よりも開口部の幅が広くなった台形形状でもよく、開口側で広くなった三角形状でもよい。これらの形状の溝によれば、溝に埋め込んだエレクトレットに気泡が噛み込みにくくなる。また、溝にエレクトレットを注入し易くなる。
前記溝は、基板がガラス基板、半導体基板又は樹脂基板である場合には、当該基板にドライエッチングを行うことにより形成することができる。また、溝を有する基板または当該基板の一部が樹脂材料によって形成されている場合には、樹脂材料を成形する際に転写技術を用いて溝を成形することもできる。また、溝を有する基板がSi基板である場合には、異方性エッチングを用いて基板に溝を形成し、この溝の表面にSiO、SiN、またはSiONよりなる絶縁膜を形成してもよい。これらの方法によれば、微細な溝を精度よく作製することができる。
本発明に係るエネルギー変換素子のさらに別な実施態様においては、前記第1の基板と前記第2の基板のうち少なくとも一方の基板の対向面では、前記導電性部材の、前記電極パッドが形成された領域を除く領域全体が絶縁被膜で覆われている。
エレクトレットに荷電している電荷量が増えると、第1及び第2の基板の電極間、またはエレクトレットと電極間で放電が起きやすくなる。しかし、この実施態様では、電極パッドが形成された領域を除く領域全体を絶縁被膜で覆っているので、電極間の絶縁耐圧を向上させることができ、エレクトレットの表面電荷の低下を抑制できるとともにエネルギー変換素子の信頼性を向上させることができる。
また、第1及び第2の基板の導電性部材間における放電を防止するためには、上記実施態様のように第1及び第2の基板の対向面のほぼ全体を絶縁被膜で覆うことが望ましい。しかし、エレクトレットで覆われていない電極のみを絶縁被膜で覆うようにするだけでも、絶縁耐圧を向上させることができる。また、隣接するエレクトレット間にガード電極を設け、前記第1の基板と前記第2の基板のうち少なくとも一方の基板において、エレクトレットで覆われていない電極とガード電極のみを絶縁被膜で覆うようにしてもよい。
上記絶縁被膜としては、BCB(benzocyclobutene)樹脂やSiLK樹脂(ダウ・ケミカル社製)のような絶縁性高分子材料を用いてもよく、SiO、SiN、SrTiO、SiON、TiOなどの絶縁性無機材料を用いてもよい。これらの材質からなる絶縁被膜を用いれば、導電性部材間の絶縁耐圧をより高めることができる。
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
以下、図3〜図12を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図3は本発明の実施形態1によるエネルギー変換素子の構造を示す概略正面図、図4はその要部を示す斜視図である。図3、図4に従って、実施形態1のエネルギー変換素子21(発電素子)の構造を説明する。
実施形態1のエネルギー変換素子21は、固定基板22及び可動基板23を備えており、両基板22、23は所定の間隔を隔てて互いに平行に対向している。固定基板22及び可動基板23は、ガラス基板や樹脂基板等の絶縁性を有する基板である。固定基板22と可動基板23はケーシング24内に納められており、固定基板22はケーシング24内で固定され、可動基板23は固定基板22と平行な状態を保ったままで一方向に平行移動できるようにしてケーシング24内で保持されている。
可動基板23の上面にはスプリング固定部25が突設されており、スプリング固定部25とケーシング24との間には複数本のスプリング26(引張バネ)が張られている。スプリング26はスプリング固定部25の両側にそれぞれ1本又は複数本ずつ配置されており、可動基板23の移動方向と平行に伸びている。可動基板23は外部からの振動、例えば環境振動によって強制的に平行移動(振動)させられるが、外部から力が加わっていない時には、可動基板23は、左右のスプリング26の弾性力の釣り合いによって所定の初期位置に静止または復帰する。また、スプリング26は、可動基板23に衝撃や大きな振動が加わったときに、可動基板23に加わる衝撃などを吸収して可動基板23を保護する働きを有する。さらに、大きな振動が加わった場合には、スプリング26が外部からの振動エネルギーを吸収して弾性エネルギーとして一旦保持し、この弾性エネルギーを解放することで可動基板23を振動させることができるので、振動エネルギーを効率的に利用して発電することができる。
固定基板22の内面(上面)には、一方向に長い短冊状をしたベース電極27(電極)が一定ピッチ毎に、かつ互いに平行に設けられている。ベース電極27の長手方向は、可動基板23の移動方向と直交しており、ベース電極27の配列方向は可動基板23の移動方向と平行となっている。固定基板22は信号取出用パッド30(電極パッド)を備えており、ベース電極27はいずれも、配線パターンによって信号取出用パッド30に電気的に接続されている。また、ベース電極27間には、ベース電極27と平行となるようにして、短冊状のガード電極29が設けられている。ガード電極29はグランドに接続していてもよく、電気的にグランドから浮いた状態となっていてもよい。
それぞれのベース電極27の上面には、テフロン(登録商標)やフッ素樹脂などでエレクトレット28が形成されている。エレクトレット28の幅Wはベース電極27の幅wよりも広くなっており(つまり、W>w)、ベース電極27の上面及び外周面全体はエレクトレット28によって覆われている。図3、図4では、ベース電極27の長手方向端面はエレクトレット28から露出して見えるが、ベース電極27の幅方向両側面と長手方向両端面もエレクトレット28によって覆われている。
ベース電極27やガード電極29は、実際には、図5に示すようなパターン形状となっている。固定基板22には、櫛歯状をしたベース電極用の導電性部材100と、櫛歯状をしたガード電極用の導電性部材101とが設けられている。導電性部材100は、一定ピッチで配列されたベース電極27と、各ベース電極27をつなぐ導通路102と、信号取出用パッド30によって構成されている。導電性部材101は、一定ピッチで配列されたガード電極29と、各ガード電極29をつなぐ導通路103と、電極パッド104によって構成されている。そして、導電性部材100と101とは噛み合わせるように配置され、ベース電極27とガード電極29が交互に配列している。そして、導電性部材100は、固定基板22からの露出面のうち、信号取出用パッド30を除く領域全体がエレクトレット28によって覆われている。特に、ベース電極27の幅方向両側面27aや長手方向端面27b、導通路102の両側面がエレクトレット28によって覆われている。
さらに、エレクトレット28、ガード電極29及び固定基板22の露出部分(すなわち、信号取出用パッド30の設けられている領域以外の領域)は、絶縁被膜31によって覆われている。
可動基板23の内面(下面)には、一方向に長い短冊状をした対向電極32(電極)が互いに平行に設けられている。対向電極32の長手方向は、可動基板23の移動方向と直交しており、対向電極32の配列方向は可動基板23の移動方向と平行となっている。対向電極32は、ベース電極27の幅wまたはエレクトレット28の幅Wと等しい幅、あるいは両者の幅w、Wの中間の幅を有しており、ベース電極27と等しいピッチで配列されている。可動基板23は信号取出用パッド34を備えており、対向電極32はいずれも、配線パターンによって信号取出用パッド34(電極パッド)に電気的に接続されている。さらに、対向電極32及び可動基板23の露出部分(すなわち、信号取出用パッド34の設けられている領域以外の領域)は、絶縁被膜33によって覆われている。
なお、図示しないが、対向電極32や信号取出用パッド34も、ベース電極27や信号取出用パッド30と同様に、櫛歯状をした導電性部材の一部となっており、対向電極32どうしは導通路によって結ばれている。
絶縁被膜31、33は、絶縁耐圧の高い材料であるSiO、SiN、SiON、SrTiO、TiOなどの絶縁性無機材料を、スパッタ法やCVD法などでパッド領域以外の全面に成膜したものでもよく、低誘電率のポリイミド、BCB樹脂、SiLK樹脂などの絶縁性高分子材料をパッド領域以外の全面にコーティングしたものでもよい。これらの絶縁被膜31、33は吸湿効果も備えている。また、絶縁耐圧を高めるためには、固定基板22と可動基板23の双方に絶縁被膜31及び33を設けることが望ましいが、固定基板22と可動基板23のうちいずれか一方にのみ絶縁被膜31又は33を設けるようにしてもよい。
信号取出用パッド30はグランドに接続されており、信号取出用パッド34と信号取出用パッド30との間には負荷35が接続されている。
なお、固定基板22が絶縁性のない基板あるいは絶縁性の十分でない基板である場合には、固定基板22の上面にSiOやSiN、SiON、SrTiO、TiO等からなる絶縁膜を形成し、この絶縁膜の表面にベース電極27やエレクトレット28、ガード電極29、信号取出用パッド30を形成してもよい。同様に、可動基板23が絶縁性のない基板あるいは絶縁性の十分でない基板である場合には、可動基板23の下面にSiOやSiN、SiON、SrTiO、TiO等からなる絶縁膜を形成し、この絶縁膜の表面に対向電極32や信号取出用パッド34を形成してもよい。
また、前記した可動基板23の初期位置では、可動基板23の対向電極32と固定基板22のベース電極27とが、正対していることが望ましい。
(電荷の注入方法)
前記エレクトレット28の表面には、電荷を注入して電荷を固定化している。エレクトレット28に電荷を注入する方法としては、コロナ放電による方法などを用いる。図6は、電荷注入のための装置の構成を示し、ニードル36、その下方に配置されたグリッド38、その下方に配置されたヒーター40、ニードル36に負電圧を印加するための高圧電源37(例えば、−8kVの直流電源)、グリッド38に負電圧を印加するためのグリッド電圧電源39(例えば、−600Vの直流電源)とからなる。ベース電極27やエレクトレット28を形成された固定基板22は、ヒーター40とグリッド38との間に置かれ、ヒーター40で120℃程度に予熱される。ついで、ニードル36側が負電圧となるように直流高圧電源37をつないで、ニードル36とベース電極27との間に高圧を印加し、ニードル36の先端周辺に空中放電を生じさせることでエレクトレット28に電荷を注入する。
このとき、本実施形態のエネルギー変換素子21では、ベース電極27の上面と幅方向両側面の全体がエレクトレット28で覆われているので、図6の矢付き線で示すように、ニードル36から放出された電荷(電子)がベース電極27の両側面に入ってロスになることがなく、エレクトレット28に注入される電荷量を増大させることができ、エレクトレット28の表面電位を高くすることができ、発電効率を高くすることができる。
なお、グリッド38には、グリッド電圧電源39によって高圧電源37よりも弱い負電圧が印加されており、ニードル36から放出された電荷を全体に広げるとともにグリッド電圧を調整することによってエレクトレット28に加わる電界を制御可能としている。
(エレクトレットの表面電位)
図7は、従来例及び本実施形態において、同じ電圧を印加して電荷を注入したときのエレクトレットの表面電位とエレクトレットの電極被覆幅の関係を実験的に求めた結果を表している。図7の横軸は電極被覆幅[μm]を示し、縦軸はエレクトレット14又は28の表面電位[V]を示す。電極被覆幅とは、本実施形態では、エレクトレット28の幅Wからベース電極27の幅wを引いた値を表しており、従来例では、エレクトレット14の幅からベース電極13の幅を引いた値を表している。なお、図7のデータを得る際には、エレクトレット14、28の幅を一定(300μm)とし、ベース電極13又はベース電極27の幅を変化させた。
図7における領域A内の測定点は、図2の向かって右の従来例のように、ベース電極13の両側端がエレクトレット14から飛び出た場合を表している。図7における領域B内の測定点は、図2の向かって左の従来例のように、ベース電極13の両側面とエレクトレット14の両側面とが揃っている場合を表している。また、図7における領域A、B内の測定点以外は、本実施形態のようにベース電極27の両側面がエレクトレット28で覆われた場合を表しており、特に領域Cは本実施形態の好ましい場合を表している。
図7によれば、ベース電極27の両側面をエレクトレット28で被覆することによってエレクトレット28の表面電位を大きくできることが分かる。しかも、その電極被覆幅が大きいほどエレクトレット28の表面電位が大きくなる。その一方で、電極被覆幅がある程度大きくなると、エレクトレット28の表面電位の上昇率は鈍化し、もはや電極被覆幅を大きくするメリットが期待できなくなる。反対に、電極被覆幅が大きくなることによって基板面積が大きくなったり、同じ基板面積の上に形成できるベース電極27の本数が少なくなったりするデメリットがある。よって、本実施形態における電極被覆幅としては、10μm以上30μm以下が好ましく、特に20μm以上30μm以下(領域C)が望ましい。これを、ベース電極27の幅方向両側面や長手方向端面などにおけるエレクトレット28の(片側)被覆厚で言い直せば、5μm以上15μm以下の被覆厚が好ましく、特に10μm以上15μm以下であることが望ましいということになる。
また、図7は、電極被覆幅が20μm以上(被覆厚が10μm)であれば、さらにエレクトレット28の表面電位のばらつきを小さくできるという効果が得られることを示している。すなわち、図7には、電極被覆幅が4μm、10μm、20μmの場合の各表面電位の標準偏差St Dev(Standard Deviation)を表している。図7では、これらの電極被覆幅では測定値は代表的な3点しか表していないが、標準偏差はこれら以外の測定値も加えて計算したものである。こうして標準偏差St Devを求めたところ、
電極被覆幅=4μm のとき、標準偏差St Dev=99[V]
電極被覆幅=10μm のとき、標準偏差St Dev=93[V]
電極被覆幅=20μm のとき、標準偏差St Dev=65[V]
という結果が得られた。この実験に基づけば、電極被覆幅を20μm以上(あるいは、エレクトレットの被覆厚を10μm以上)とすることにより、エレクトレット28の表面電位のばらつきを小さくできることが分かる。
また、ベース電極27をエレクトレット28で被覆することにより、ベース電極27の幅のばらつきによるエレクトレット28の表面電位のばらつきを小さくできるので、エネルギー変換素子21の製造工程も容易になる。さらに、ベース電極27がエレクトレット28で覆われているので、使用時におけるベース電極27と対向電極32との間の放電を防ぐことができ、エネルギー変換素子21の信頼性が向上する。
(使用方法)
このエネルギー変換素子21は、振動の発生する場所や対象物に設置される。例えばエネルギー変換素子21が車両などに取り付けられると、その振動(環境振動)を感知する。エネルギー変換素子21が、外部からの振動を感知すると、その振動によって可動基板23が固定基板22と平行に往復運動する。可動基板23の対向電極32に誘起される電荷量は、エレクトレット28に正対していてエレクトレット28との重なり面積が最大のときに最大となり、可動基板23がずれて対向電極32とエレクトレット28との重なり面積が小さくなるにつれて対向電極32に誘起される電荷量が減少する。逆に、可動基板23が元の方向に戻って対向電極32とエレクトレット28との重なり面積が大きくなるにつれて対向電極32に誘起される電荷量が増加する。この結果、ベース電極27と対向電極32の間に接続された負荷35には交流電流が流れる。つまり、エネルギー変換素子21に加わる振動によって、ベース電極27と対向電極32との間には交流の起電力eが発生することになる。
最適な負荷抵抗を選んだとき、可動基板23が周波数fで正弦波振動するエネルギー変換素子21の最大出力Pmaxは、次の数式1で表されることが知られている。
Figure 0005126038
ここで用いた記号は次のとおりである。
Pmax: 最大出力(powerの最大値)
σ: エレクトレットの表面電荷密度
n: 対向電極32の本数
d: エレクトレットの厚み
S: ベース電極27と対向電極32の重なり合う最大面積
f: 振動の周波数
g: 対向電極32とエレクトレット28のギャップ(電極間ギャップ)
ε: エレクトレット28の比誘電率
ε: 空気の誘電率
本実施形態のエネルギー変換素子21では、前記のように、電荷注入時にエレクトレット28に注入される電荷量(表面電荷密度σ)を大きくすることができるので、上記数式1から分かるように、エネルギー変換素子21の出力を大きくすることができ、発電効率を高めることができる。
(絶縁被膜の働き)
本実施形態のエネルギー変換素子21では、上記のようにエレクトレット28の荷電量を大きくすることができるが、エレクトレット28の荷電量が増加すると、それだけ対向電極32とベース電極27の間で放電が起きやすくなる。放電が起きると、エレクトレット28の荷電が抜け出て荷電量が減少する。放電を防止するためには電極間ギャップgを大きくすればよいが、電極間ギャップgが大きくなると発電効率が低下する。そのため、従来例ではパリレン膜からなる防湿膜を用いて放電を防止していた。
これに対し、本実施形態では、固定基板22と可動基板23の少なくとも一方に、SiO等の絶縁性無機材料やポリイミド、BCB樹脂、SiLK樹脂等の絶縁性高分子材料からなる絶縁被膜31、33を形成しているので、パリレン膜よりも絶縁耐圧を向上させることができ、エネルギー変換素子21の信頼性を向上させることができる。
つぎの表1は、SiO、BCB樹脂、SiLK樹脂、ポリイミド、Cタイプのパリレン、Nタイプのパリレン、空気およびSF6の単位厚み当たりの絶縁耐圧を示す。
Figure 0005126038
SiO、BCB樹脂、SiLK樹脂は、CタイプやNタイプのパリレンよりも単位厚み当たりの絶縁耐圧が大きいので、絶縁被膜31又は33としてSiO膜を用いることにより、同じ膜厚であれば、防湿膜としてパリレン膜を用いた従来例よりも、エネルギー変換素子21の絶縁耐圧を向上させることができる。
また、ポリイミドは単位厚み当たりの絶縁耐圧はパリレンよりも小さいが、価格が安価であり、厚い絶縁被膜を容易に形成することができるので、パリレン膜よりも厚い絶縁被膜を形成することができ、その結果パリレン膜を用いた従来例よりも、エネルギー変換素子21の絶縁耐圧を向上させることができる。
図8はパッシェン曲線を示す図であって、その横軸は上下の電極間ギャップg(従来例のエレクトレット14と対向電極16の距離、本実施形態のエレクトレット28と電極32の距離)を対数目盛で示し、縦軸は絶縁耐圧を対数目盛で示す。パッシェン曲線は、上下電極間の絶縁耐圧を示し、パッシェン曲線よりも上の領域は放電が発生する放電発生領域を、パッシェン曲線よりも下の領域は放電が起きない安定領域をそれぞれ表す。図8には、絶縁被膜が無い場合(つまり、空気のみの場合)と、膜厚2μmのスパッタSiO、膜厚2μmのCタイプのパリレン、膜厚0.3μmのCタイプのパリレンを上下のいずれか一方の基板に設けた場合の各絶縁耐圧を示している。
また、図9は図8のパッシェン曲線の一部を拡大して表した図であって、膜厚2μmのスパッタSiO、膜厚2μmのCタイプのパリレン、絶縁被膜なしの場合を表している。
図8によれば、膜厚2μmのスパッタSiO、膜厚2μmのCタイプのパリレン、膜厚0.3μmのCタイプのパリレンのいずれもが絶縁被膜のない場合よりも絶縁耐圧が向上している。しかし、エネルギー変換素子の放電対策においては、前記のように、電極間ギャップgに関係なく、表面電位が1000Vのエレクトレットから放電が発生しないようにすることが望まれる。図8及び図9によれば、絶縁被膜なしの場合には上下電極間の距離が約100μmよりも短くなると絶縁耐圧が1000Vを下回り、パリレンの場合には上下電極間の距離が約50μmよりも短くなると絶縁耐圧が1000Vを下回る。これに対し、絶縁被膜としてSiOを用いた場合には、上下電極間の距離が約10μmまで絶縁耐圧を1000V以上に維持することができ、高い絶縁耐圧性能を得ることができる。よって、本実施形態によれば、絶縁耐圧が高くて信頼性の高いエネルギー変換素子21を作製することができる。
つぎに、エレクトレットの線幅と本発明の効果との関係について説明する。図10は、図11のようなサンプル基板を用いて、その表面電位を測定した結果を示す図である。また、図11は、この実験に用いたサンプル基板を示す概略図である。
図11に示すサンプル基板は、一辺30mmの正方形のガラス基板41の表面に下地電極42を成膜し、その上にエレクトレット43を形成し、基板41の一方端部において5mm幅でエレクトレット43を除去して下地電極42を露出させたものである。このサンプル基板に対し、コロナ放電により同一条件でエレクトレット43に荷電処理を行い、エレクトレット43の表面電位を測定した(モンロー社製表面電位計を使用)。表面電位の測定は、下地電極42を接地した状態で、エレクトレット43と測定プローブ44との距離をH=1.5mmに保ちながら、測定プローブ44をエレクトレット43の表面に沿ってスイープさせて行った。測定プローブ44の測定領域の広さはD=2.54mmであった。
測定の結果は図10に示されている。この縦軸は表面電位を表し、横軸は原点から測った測定プローブ44の位置(測定位置X)である。原点X=0.0mmは、エレクトレット43の端から若干(例えば、0.4mm程度)離れた位置であって、下地電極42の露出した箇所である。測定の結果、図10に示されるように、エレクトレット43の中央部は高い表面電位を示すが、下地電極42の露出領域に近づくほど表面電位が低下することが分かった。
図11のサンプル基板の向かって左側端部では下地電極42が露出しているので、この領域では、下地電極がエレクトレットから露出している構造(図1の従来例を参照)と同様な現象が起きていると考えられる。そこで、従来例の場合の表面電位を図10上にプロットしたところ(三角印)、サンプル基板の実測値とほぼ一致した。同様に、下地電極がエレクトレットで被覆されている構造(本実施形態)についても、その表面電位を図10上にプロットした(丸印)。図10によれば、サンプル基板において、下地電極がエレクトレットで被覆されている構造の場合と同じ表面電位に相当するエレクトレットの測定幅は1.8mmとなる。これはエレクトレットの片側半分に相当すると考えられるので、本実施形態の構造は、エレクトレットの幅が3.6mmのサンプル基板に相当することになる。したがって、エレクトレット28の幅が3.6mm以下の場合であれば、本実施形態による表面電位向上効果を発揮できると考えられる。
つぎに、エネルギー変換素子21のケーシング24の構造とエネルギー変換素子21の組立工程を説明する。図12は、ケーシング24の具体的な構造を示す分解斜視図である。ケーシング24は、ベースブロック45とケースカバー47とからなる。ベースブロック45には、固定基板22や可動基板23を収納するための空間が形成されており、下面には複数本のリード46が突出している。固定基板22は、ベースブロック45内の底面に設置され、リード46と電気的に接続される。さらに、可動基板23は固定基板22と一定の間隔を隔ててベースブロック45内に摺動自在に納められ、リード46と電気的に接続される。ベースブロック45の上面は、ケースカバー47によって塞がれる。
このような構造のエネルギー変換素子21は、以下のようにして組み立てられる。まず、上面にベース電極27やエレクトレット28などを形成された固定基板22にコロナ放電によって荷電処理を行い、エレクトレット28に電荷を注入する。そして、エレクトレット28等の上から絶縁被膜31を形成する。
また、下面に対向電極32や絶縁被膜33を形成された可動基板23にフレーム49を取り付け、フレーム49に設けられたスプリング固定部25にスプリング26を取り付ける。
ついで、リード46を一体成形されたベースブロック45内に固定基板22を納めて、その底面に固定基板22を接着する。そして、固定基板22の信号取出用パッドとリード46とをAu線によってワイヤボンディングする。固定基板22をベースブロック45に固定し終えたら、固定基板22の上にギャップ保持用部品(図示せず)を取り付け、ギャップ保持用部品によりギャップ調整を行う。
可動基板23をベースブロック45内に納める。可動基板23は、固定基板22と所定のギャップを確保した状態でスライド自在に保持され、スプリング26の端がベースブロック45の内面に固定される。さらに、可動基板23の信号取出用パッドをリード46に接続する。
最後に、ベースブロック45の上面にケースカバー47を重ねて接着する。
(第1の実施形態の変形例)
図13は実施形態1の一変形例における可動基板23を示す概略正面図である。この変形例では、対向電極32の形成された領域にのみ絶縁被膜33を形成している。この場合も、絶縁性無機材料をスパッタ法やCVD法で成膜したり、絶縁性有機材料をコーティング又は電着させたりして、絶縁被膜33を形成する。
また、図14は実施形態1の別な変形例における固定基板22を示す概略正面図である。この変形例では、ガード電極29の形成された領域にのみ絶縁被膜33を形成している。図14のような構造の固定基板22は、図13のような可動基板23と組み合わせることによって良好な絶縁耐圧を得ることができる。あるいは、図14のような構造の固定基板22は、実施形態1の可動基板23のようにパッド領域以外の領域の全体に絶縁被膜を形成された可動基板23と組み合わせても良好な絶縁耐圧を得ることができる。
(第2の実施形態)
図15は本発明の実施形態2によるエネルギー変換素子51の構造を示す概略正面図である。この実施形態は、ベース電極27及びエレクトレット28を、固定基板22の溝52内に埋め込んだ点を特徴としており、その他の点については実施形態1と同様な構成を有している。
このエネルギー変換素子51にあっては、固定基板22の上面に複数本の平行な溝52を凹設している。溝52の長手方向に垂直な断面は、底面がほぼ平坦面となっており、両側面から内隅部にかけて湾曲していてほぼ椀状となっている。各溝52の底面には、溝52の長手方向に沿って短冊状のベース電極27を設けてあり、さらに溝52内にエレクトレット28を埋めることにより、ベース電極27をエレクトレット28で覆っている。
このような実施形態によれば、固定基板22に形成された溝52の底面にベース電極27を設けた後、溝52内にエレクトレット28を充填することで確実にベース電極27をエレクトレット28で覆うことができ、エレクトレット28の位置ずれによってベース電極27の縁がエレクトレット28から露出したりする恐れが小さい。
また、溝52の断面が矩形状であると、溝52の内隅部にエレクトレット28が充填されにくく、内隅部に気泡が発生する恐れがある。そのため、この実施形態では、溝52の断面形状を椀状に形成して内隅部の生じにくい形状としてあり、エレクトレット28内に気泡が発生しにくくしている。
(第2の実施形態の変形例)
図16〜図19は、それぞれ実施形態2の変形例を表す。図16に示す変形例では、溝52の長手方向に垂直な断面をほぼ矩形形状とし、溝52の内隅部(図16のa部)とその開口部の縁(図16のb部)を湾曲させている。図17の変形例では、溝52の長手方向に垂直な断面をほぼ矩形状とし、垂直な両側面の下端部に位置する内隅部(図17のa部)のみを湾曲させて内隅部の湾曲した矩形形状としている。図18の変形例では、溝52の断面を底面よりも開口部が広くなった逆台形状に形成している。なお、図18の変形例においても、溝52の内隅部やその開口部の縁を湾曲させてもよい。図19の変形例では、溝52をV溝状(三角形状)に形成しており、それに応じてベース電極27も断面V字状に形成している。これら図16〜図19の変形例も、それぞれエレクトレット28内に気泡が混入しにくくするための工夫である。
(溝加工の方法)
次に、実施形態2又はその変形例において、固定基板22に溝52を形成する方法を図20〜図22により説明する。図20(a)(b)は固定基板22としてガラス基板を用いた場合である。この場合には、図20(a)のようにマスク53によって固定基板22の溝形成領域以外の面を覆っておき、マスク53の開口を通して固定基板22をドライエッチング又はウェットエッチングすることで、図20(b)のように固定基板22に溝52を形成する。なお、溝形成領域に沿ってレーザー光を走査することで溝52を形成するレーザー加工方法を用いてもよい。
図21(a)〜(c)はガラス基板54と樹脂55によって固定基板22を構成する場合である。この場合には、図21(a)に示すように、平板状のガラス基板54の上に溶融状態の紫外線硬化型樹脂55を滴下した後、図21(b)のように下面に突条部57を形成されたスタンパ56(金型)で樹脂55を押圧し、スタンパ56とガラス基板54との間に樹脂55を押し広げる。ついで、ガラス基板54を通して樹脂55に紫外光を照射して樹脂55を光硬化させる。この後、硬化した樹脂55からスタンパ56を剥離させると、ガラス基板54と硬化した樹脂55によって固定基板22が形成されると共に固定基板22の上面に溝52が形成される。
図22(a)(b)は固定基板22としてSi基板を用いる場合である。この場合には、図22(a)のようにマスク53によって固定基板22の溝形成領域以外の面を覆っておき、マスク53の開口を通して固定基板22を異方性エッチング又は等方性エッチングすることで、固定基板22の上面に溝52を形成する。ついで、図22(b)のように、固定基板22の上面にSiO膜やSiN膜、SiON膜などの絶縁膜58を形成して絶縁処理を行う。
なお、上記各実施形態においては、エレクトレットを有しない基板を振動によって動かすようにしたが、エレクトレットを有する基板が振動によって動くようにしてもよい。また、一方の基板においては一部領域(例えば、1/2の領域)でのみ電極にエレクトレットを設け、他方の基板においては前記領域に対向する領域以外の領域(例えば、残る1/2の領域)でのみ電極にエレクトレットを設けてもよい。
図1は、特許文献1に開示されたエネルギー変換素子の構造を示す斜視図である。 図2は、同上のエネルギー変換素子において、エレクトレットに電荷を注入している様子を示す概略図である。 図3は、本発明の実施形態1によるエネルギー変換素子の構造を示す概略正面図である。 図4は、実施形態1のエネルギー変換素子の要部を示す斜視図である。 図5は、固定基板に形成されたベース電極用の導電性部材とガード電極用の導電性部材を示す平面図である。 図6は、実施形態1のエネルギー変換素子において、エレクトレットに電荷を注入している様子を示す概略図である。 図7は、従来例及び実施形態1における、エレクトレットの表面電位とエレクトレットの電極被覆幅との関係を実験的に求めた結果を表した図である。 図8は、上下電極間の絶縁耐圧を示すパッシェン曲線を表した図である。 図9は、図8の一部を拡大して表した図である。 図10は、図11のようなサンプル基板を用いて、その表面電位を測定した結果を示す図である。 図11は、図10のデータを得るためのサンプル基板を示す概略図である。 図12は、エネルギー変換素子のケーシングの構造を示す分解斜視図である。 図13は、実施形態1の一変形例における可動基板を示す概略正面図である。 図14は、実施形態1の別な変形例における固定基板を示す概略正面図である。 図15は、本発明の実施形態2によるエネルギー変換素子の構造を示す概略正面図である。 図16は、実施形態2の一変形例における固定基板の概略正面図である。 図17は、実施形態2の別な変形例における固定基板の概略正面図である。 図18は、実施形態2のさらに別な変形例における固定基板の概略正面図である。 図19は、実施形態2のさらに別な変形例における固定基板の概略正面図である。 図20(a)(b)は、基板に溝を形成する方法の一例を示す概略図である。 図21(a)〜(c)は、基板に溝を形成する別な方法を示す概略図である。 図22(a)(b)は、基板に溝を形成するさらに別な方法を示す概略図である。
符号の説明
21 エネルギー変換素子
22 固定基板
23 可動基板
27 ベース電極
28 エレクトレット
29 ガード電極
30 信号取出用パッド
31 絶縁被膜
32 対向電極
33 絶縁被膜
34 信号取出用パッド
52 溝
w ベース電極の幅
W エレクトレットの幅

Claims (14)

  1. 所定の間隔を隔てて対向し、かつ互いに相対的に移動可能となった第1の基板と第2の基板を備え、
    前記第1の基板と前記第2の基板の互いに対向する面に、それぞれ少なくとも1つの導電性部材が形成され、
    前記導電性部材はいずれも複数本の電極と電極パッドを有し、
    前記導電性部材のうち少なくとも一つの導電性部材には、各電極に対応してエレクトレットが形成されており、
    前記エレクトレットは、各電極の表面のうちいずれかの基板に固定されている面と反対面を覆うとともに、各電極の外周面を5μm以上の被覆厚で覆っていることを特徴とするエネルギー変換素子。
  2. 前記エレクトレットが形成された電極の外周面が、10μm以上の被覆厚でエレクトレットにより覆われていることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換素子。
  3. 前記第1の基板と前記第2の基板のうち少なくとも一方の基板は、互いに平行に凹設された複数本の溝を有し、当該溝内に前記電極が配設され、当該溝内に前記エレクトレットを埋設すると共にエレクトレットにより前記溝内の電極を覆ったことを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換素子。
  4. 前記溝は、その長手方向に垂直な断面が、内隅部の湾曲した矩形形状であることを特徴とする、請求項3に記載のエネルギー変換素子。
  5. 前記溝は、その長手方向に垂直な断面が、底面の幅よりも開口部の幅が広くなった台形形状であることを特徴とする、請求項3に記載のエネルギー変換素子。
  6. 前記溝は、その長手方向に垂直な断面が、開口側で広くなった三角形状であることを特徴とする、請求項3に記載のエネルギー変換素子。
  7. 前記溝を有する基板は、ガラス基板、半導体基板又は樹脂基板からなり、
    前記溝は、当該基板にドライエッチングを用いて凹設されていることを特徴とする、請求項3に記載のエネルギー変換素子。
  8. 前記溝を有する基板または当該基板の一部が樹脂材料によって形成されており、
    前記溝は、前記樹脂材料を成形する際に転写技術を用いて凹設されていることを特徴とする、請求項3に記載のエネルギー変換素子。
  9. 前記溝を有する基板は、Si基板からなり、
    前記溝は、当該基板に異方性エッチングを用いて凹設されており、
    前記溝の表面には、SiO、SiN、またはSiONよりなる絶縁膜が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載のエネルギー変換素子。
  10. 前記第1の基板と前記第2の基板のうち少なくとも一方の基板の対向面では、前記導電性部材の、前記電極パッドが形成された領域を除く領域全体が絶縁被膜で覆われていることを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換素子。
  11. 前記エレクトレットで覆われていない電極のみを絶縁被膜で覆ったことを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換素子。
  12. 隣接する前記エレクトレット間にガード電極を設け、
    前記第1の基板と前記第2の基板のうち少なくとも一方の基板においては、前記エレクトレットで覆われていない電極と前記ガード電極のみを絶縁被膜で覆ったことを特徴とする、請求項1に記載のエネルギー変換素子。
  13. 前記絶縁被膜は、絶縁性高分子材料からなることを特徴とする、請求項10から12のうちいずれか1項に記載のエネルギー変換素子。
  14. 前記絶縁被膜は、SiO、SiN、SrTiO、SiON、TiOなどの絶縁性無機材料よりなることを特徴とする、請求項10から12のうちいずれか1項に記載のエネルギー変換素子。
JP2008312742A 2008-12-08 2008-12-08 静電誘導型のエネルギー変換素子 Expired - Fee Related JP5126038B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008312742A JP5126038B2 (ja) 2008-12-08 2008-12-08 静電誘導型のエネルギー変換素子
KR1020117012304A KR101236045B1 (ko) 2008-12-08 2009-11-12 정전유도형의 에너지 변환 소자
US13/133,496 US8841816B2 (en) 2008-12-08 2009-11-12 Energy conversion device of electrostatic induction type
CA2746033A CA2746033C (en) 2008-12-08 2009-11-12 Energy conversion device of electrostatic induction type
CN200980149184.5A CN102246407B (zh) 2008-12-08 2009-11-12 静电感应型的能量变换元件
PCT/JP2009/006047 WO2010067518A1 (ja) 2008-12-08 2009-11-12 静電誘導型のエネルギー変換素子
EP09831626.8A EP2375557B1 (en) 2008-12-08 2009-11-12 Energy conversion device of electrostatic induction type

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008312742A JP5126038B2 (ja) 2008-12-08 2008-12-08 静電誘導型のエネルギー変換素子

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010136598A JP2010136598A (ja) 2010-06-17
JP2010136598A5 JP2010136598A5 (ja) 2011-08-04
JP5126038B2 true JP5126038B2 (ja) 2013-01-23

Family

ID=42242516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008312742A Expired - Fee Related JP5126038B2 (ja) 2008-12-08 2008-12-08 静電誘導型のエネルギー変換素子

Country Status (7)

Country Link
US (1) US8841816B2 (ja)
EP (1) EP2375557B1 (ja)
JP (1) JP5126038B2 (ja)
KR (1) KR101236045B1 (ja)
CN (1) CN102246407B (ja)
CA (1) CA2746033C (ja)
WO (1) WO2010067518A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3070833A2 (en) 2015-03-18 2016-09-21 Ricoh Company, Ltd. Electric generating element and electric generator
US11646677B2 (en) 2019-10-11 2023-05-09 Ricoh Company, Ltd. Element and method for manufacturing element

Families Citing this family (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012085515A (ja) * 2010-09-16 2012-04-26 Murata Mfg Co Ltd エレクトレットの帯電装置及びエレクトレットの帯電方法、振動発電装置
JP5685890B2 (ja) * 2010-11-01 2015-03-18 セイコーエプソン株式会社 発電装置及び電子機器
WO2012070356A1 (ja) * 2010-11-25 2012-05-31 日本碍子株式会社 静電誘導型機械電気変換素子
KR101183458B1 (ko) 2011-02-22 2012-09-17 한국산업기술대학교산학협력단 정전 방식 에너지 수집 장치
JP2012202529A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Kyb Co Ltd 発電装置を備えた緩衝器
JP2012207690A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Kyb Co Ltd 発電装置を備えた緩衝器
JP5628746B2 (ja) * 2011-06-01 2014-11-19 日本電信電話株式会社 静電変換装置および静電変換装置の製造方法
JP5945102B2 (ja) * 2011-09-01 2016-07-05 学校法人 関西大学 発電装置
JP5862310B2 (ja) * 2012-01-10 2016-02-16 オムロン株式会社 振動センサ、外部環境検出装置
JP5504298B2 (ja) 2012-02-22 2014-05-28 アオイ電子株式会社 振動発電素子およびその製造方法
WO2013145553A1 (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 パナソニック株式会社 振動発電器
WO2013166476A2 (en) * 2012-05-04 2013-11-07 Weston Johnson Electrostatic machine
JP5790599B2 (ja) * 2012-07-10 2015-10-07 オムロン株式会社 振動発電装置
JP5763023B2 (ja) 2012-08-30 2015-08-12 アオイ電子株式会社 立体型櫛歯エレクトレット電極の製造方法
JP5627130B2 (ja) 2012-08-30 2014-11-19 アオイ電子株式会社 正イオンを含有したエレクトレットの形成方法
CN103051244B (zh) * 2012-12-15 2016-01-13 华中科技大学 一种纸基柔性发电装置及其制造方法
KR101358295B1 (ko) * 2012-12-21 2014-02-05 서울대학교산학협력단 액체를 이용한 에너지 전환 기판
CN103780122B (zh) * 2013-02-01 2015-12-09 北京纳米能源与系统研究所 一种滑动式摩擦纳米发电机组
CN103780124B (zh) * 2013-03-12 2015-12-09 北京纳米能源与系统研究所 一种滑动式摩擦纳米发电机组
CN103368453B (zh) * 2013-03-12 2016-04-13 北京纳米能源与系统研究所 一种滑动摩擦纳米发电机及发电方法
CN103780125B (zh) * 2013-03-13 2016-03-30 北京纳米能源与系统研究所 一种套层滑动式摩擦纳米发电机
CN103780127B (zh) * 2013-04-15 2015-11-25 北京纳米能源与系统研究所 一种摩擦纳米发电机
CN104283453B (zh) * 2013-07-11 2017-02-15 北京纳米能源与系统研究所 滑动摩擦发电机、发电方法以及矢量位移传感器
WO2015019919A1 (ja) * 2013-08-08 2015-02-12 アオイ電子株式会社 アクチュエータ、シャッタ装置、流体制御装置、スイッチおよび2次元走査型センサ装置
CN103970352B (zh) * 2014-04-24 2016-08-31 华中科技大学 一种纸基柔性触控传感器及其制造方法
WO2017158513A1 (en) * 2016-03-14 2017-09-21 Universidade Do Porto Triboelectric turbine for generating electricity from the motion of fluids
US10622917B2 (en) * 2016-03-17 2020-04-14 Citizen Watch Co., Ltd. Electrostatic-type electromechanical transducer
CN109792221B (zh) * 2016-09-29 2020-06-19 西铁城时计株式会社 机电转换器
KR101972092B1 (ko) * 2017-05-04 2019-04-24 국방과학연구소 나노발전기
WO2019181026A1 (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 シチズン時計株式会社 電気機械変換器およびその製造方法
RU181900U1 (ru) * 2018-04-16 2018-07-26 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Волгоградский государственный технический университет" (ВолгГТУ) Устройство для изготовления электретов

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5439768A (en) * 1988-05-17 1995-08-08 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Electrostatic information recording medium and electrostatic information recording and reproducing method
EP1202099A3 (en) * 2000-10-31 2003-04-16 Kabushiki Kaisha Toshiba Electrostatic actuator and camera module using the same
US7280014B2 (en) * 2001-03-13 2007-10-09 Rochester Institute Of Technology Micro-electro-mechanical switch and a method of using and making thereof
US6842009B2 (en) * 2001-09-13 2005-01-11 Nth Tech Corporation Biohazard sensing system and methods thereof
JP2003090969A (ja) * 2001-09-17 2003-03-28 Olympus Optical Co Ltd 可変形状シリンダミラー
JP2004177806A (ja) 2002-11-28 2004-06-24 Alps Electric Co Ltd 反射防止構造および照明装置と液晶表示装置並びに反射防止膜成型用金型
US7449811B2 (en) * 2004-11-26 2008-11-11 The University Of Tokyo Electrostatic induction conversion device
JP4670050B2 (ja) * 2004-11-26 2011-04-13 国立大学法人 東京大学 エレクトレット及び静電誘導型変換素子
JP5170495B2 (ja) 2006-03-20 2013-03-27 日産自動車株式会社 反射防止微細構造及び反射防止構造体
US7525205B2 (en) * 2006-07-28 2009-04-28 Sanyo Electric Co., Ltd. Electric power generator
JP4229970B2 (ja) * 2006-07-28 2009-02-25 三洋電機株式会社 発電装置、発電装置を搭載した電気機器、及び発電装置を搭載した通信装置
US20100019616A1 (en) * 2006-08-31 2010-01-28 Sanyo Electric Co., Ltd. Electrostatic operation device
JP4390796B2 (ja) * 2006-10-30 2009-12-24 三洋電機株式会社 エレクトレット素子および静電動作装置
JP4338745B2 (ja) * 2006-11-28 2009-10-07 三洋電機株式会社 静電誘導型変換装置
US20080232026A1 (en) * 2007-03-20 2008-09-25 Ward Terence G Thin film capacitor and methods of making same
US20100013047A1 (en) * 2008-07-16 2010-01-21 Andreas Thies Integrated circuit and method of manufacturing the same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3070833A2 (en) 2015-03-18 2016-09-21 Ricoh Company, Ltd. Electric generating element and electric generator
US10270369B2 (en) 2015-03-18 2019-04-23 Ricoh Company, Ltd. Electric generating element and electric generator
US11646677B2 (en) 2019-10-11 2023-05-09 Ricoh Company, Ltd. Element and method for manufacturing element

Also Published As

Publication number Publication date
CA2746033A1 (en) 2010-06-17
US8841816B2 (en) 2014-09-23
US20120169179A1 (en) 2012-07-05
EP2375557A1 (en) 2011-10-12
KR20110089322A (ko) 2011-08-05
CN102246407A (zh) 2011-11-16
EP2375557A4 (en) 2014-04-23
CA2746033C (en) 2014-08-05
WO2010067518A1 (ja) 2010-06-17
EP2375557B1 (en) 2020-01-22
CN102246407B (zh) 2015-01-14
KR101236045B1 (ko) 2013-02-21
JP2010136598A (ja) 2010-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5126038B2 (ja) 静電誘導型のエネルギー変換素子
US8304958B2 (en) Power generation apparatus including an electret and an opposing electrode on the surface of a movable member facing a dielectric
US9929679B2 (en) Electrostatic induction-type vibration power generation device and method of manufacturing the same
JP5216590B2 (ja) 静電動作装置
JP5081833B2 (ja) 静電動作装置
US20140246950A1 (en) Triboelectric nanogenerator
Yang et al. Electrostatic energy harvester employing conductive droplet and thin-film electret
Halvorsen et al. An electrostatic energy harvester with electret bias
JP2011036089A (ja) 振動発電素子およびその製造方法
US9024511B2 (en) Impact-type piezoelectric micro power generator
Fu et al. MEMS vibration electret energy harvester with combined electrodes
US7825547B2 (en) Electret device and electrostatic operating apparatus
US11451167B2 (en) Vibration-driven energy harvesting device and vibration-driven energy harvester
JP5521159B2 (ja) エレクトレット、静電誘導型変換素子及びエレクトレットの荷電方法
KR101624638B1 (ko) 측면 게이트를 구비하는 나노와이어 공진기
Feng et al. All-polymer soft-X-ray-charged piezoelectret with embedded PEDOT electrode
JP2012191812A (ja) 発電装置、および電子機器
JP5680934B2 (ja) 静電変換装置および静電変換装置の製造方法
Feng et al. All-polymer piezoeelctret energy harvester with embedded PEDOT electrode
JP5943411B2 (ja) 電界効果トランジスタ
Yasuoka et al. Identification of particle parameters through matching of computed and measured trajectories
Kranz et al. In situ polarization of polymer films in microsensors
JP2011078199A (ja) 静電誘導型発電装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121002

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121015

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5126038

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees