JP5628723B2 - 機器設置用基礎 - Google Patents

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Description

本発明は、機器設置用基礎に関し、詳しくは地面に対して固定されると共に上面に機器が設置される機器設置用基礎に関するものである。
従来から、発電ユニットや排熱ユニット等の大型の屋外機器を住宅回りの地面上に設置する場合は、現地で型枠を組んでコンクリートを流し込む、所謂、現場打ち工法が採用されている。この場合、コンクリートの養生期間が経過するまで長時間を要し、このため基礎工事の短縮化が課題であった。
そこで従来より、図7に示すように、コンクリート基礎を上部プレハブブロック30と下部プレハブブロック31とに上下に2分割し、これら上下のプレハブブロック30,31を掘削孔底の地面上に積み重ねた状態で、両プレハブブロック30,31をボルトで接合一体化し、上部プレハブブロック30上に温水器35を設置するようにしたコンクリート基礎構造が知られている(特許文献1参照)。
特許第3079422号公報
ところで、上記特許文献1の従来例にあっては、地震などの現象が生じた際に温水器35が上部プレハブブロック30の上面に対して安定した設置状態を維持しつづけることが必要である。つまり、温水器35の脚部36が仮に上部プレハブブロック30の端部近く位置していると、地震などの振動発生時に脚部36が上部プレハブブロック30の平坦な上面を横滑りして脱落することが懸念される。そこで、温水器35の脚部36を上部プレハブブロック30の端部から少なくとも50mm程度以上の間隔Mをあけて配置することが好ましい。しかし、大型大重量の温水器35を作業者が持ち上げながら前後左右に動かして、脚部36を上部プレハブブロック30上面で前後或いは左右に位置調整するのは困難を伴い、このため温水器35の安定した設置に時間と手間がかかるという問題があった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、上下の基礎ブロックの地面に対する固定を強固に且つ簡易に行うことができると共に、基礎ブロック上面に対する機器の安定設置を容易に確保できる機器設置用基礎を提供することにある。
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、機器3を支持して地面に設置固定するための機器設置用基礎であって、前記機器3を水平一方向に位置調整可能に支持するための一方向調整用支持部4が上面に設けられた平板ブロック状の第1基礎ブロック1と、前記水平一方向とは異なる方向の水平他方向に位置調整可能に前記機器3を支持するための他方向調整用支持部5が上面に設けられて、前記第1基礎ブロック1の上面又は下面に選択自在に積層される平板ブロック状の第2基礎ブロック2と、前記第1基礎ブロック1と前記第2基礎ブロック2の積層状態で上下に連通するように前記第1基礎ブロック1と前記第2基礎ブロック2とに設けられる2組以上のボルト孔6A,6Bと、を備えている。そして、前記2組以上のボルト孔6A,6Bのうち上下に連通する少なくとも1組のボルト孔6Aが、前記第1基礎ブロック1に形成したネジ孔6aと前記第2基礎ブロック2に形成したばか孔6bとで構成され、前記上下に連通する少なくとも他の1組のボルト孔6Bが、前記第2基礎ブロック2に形成したネジ孔6aと、前記第1基礎ブロック1に形成したばか孔6bとで構成されていることに特徴を有している。
このような構成することで、第2基礎ブロック2上に第1基礎ブロック1を重ねた積層態様にすれば、第1基礎ブロック1上面に設けた一方向調整用支持部4により機器3が一方向に位置調整可能となる。一方、第1基礎ブロック1上に第2基礎ブロック2を重ねた積層態様にすれば、第2基礎ブロック2上面に設けた他方向調整用支持部5により機器3が他方向に位置調整可能となる。これにより、基礎ブロック1,2の上下を入れ替えるだけで、一方向調整用支持部4又は他方向調整用支持部5を利用して、機器3の脚部15を上側の基礎ブロック1(2)の端部から所定寸法以上離れた位置まで移動調整しやすくなり、地震などの振動発生時にも機器3を安定した設置状態に維持できると共に、施工時には上下組み合わせ式の基礎ブロック1,2の取り回しも容易となる。また、上下に連通する2組以上のボルト孔6A,6Bのいずれかを利用して連結ボルトによる基礎ブロック1,2相互の連結が可能となる。更に、上下組み合わせ式の基礎ブロック1,2において、上がネジ孔6a、下がばか孔6bとなる組のボルト孔6Aを通してアンカーボルト7を地面に打ち込むことにより、アンカーボルト7は上のネジ孔6aに螺合して、上側の基礎ブロック1(2)と地面との間に下側の基礎ブロック2(1)を挟み付けることができ、上下の基礎ブロック1,2を地面に対して強固に固定可能となる。
また請求項2記載の発明においては、前記第1基礎ブロック1の片側半部とこれに重なる前記第2基礎ブロック2の片側半部とに、それぞれ、前記上下に連通するネジ孔6aとばか孔6bの上下組合せが異なる2組のボルト孔6A,6Bを設けると共に、前記第1基礎ブロック1の片側半部とは反対側の他側半部とこれに重なる前記第2基礎ブロック2の他側半部にも、それぞれ、前記上下に連通するネジ孔6aとばか孔6bの上下組合せが異なる2組のボルト孔6A,6Bを設ける構成とするのが好ましい。この場合、上下の基礎ブロック1,2の片側半部と他側半部の各々に、上下組合せが異なる2組のボルト孔6A,6Bが存在しているので、アンカーボルト7による上下の基礎ブロックの固定や上下の基礎ブロック相互の連結をバランスよく行うことができる。
また請求項3記載の発明においては、前記2組以上のボルト孔6A,6Bのうち上がネジ孔6a、下がばか孔6bとなる組のボルト孔6Aにアンカーボルト7が挿通されて地面に打ち込まれる構成とするのが好ましい。この場合、アンカーボルト7は下のばか孔6bに螺合しないため、上のネジ孔6aから地面に向けてスムーズに螺進させることができる。
また請求項4記載の発明においては、前記2組以上のボルト孔6A,6Bのうち上がばか孔6b、下がネジ孔6aとなる組のボルト孔6Bに連結ボルト8を挿入して、前記第1基礎ブロック1と前記第2基礎ブロック2とを互いに連結する構成とするのが好ましい。この場合、連結ボルト8が下のネジ孔6aに螺合することで上下の基礎ブロック1,2相互を互いに連結でき、これにより上下の基礎ブロック1,2間の位置ずれを防いで、機器3の設置を安定化させることができる。
また請求項5記載の発明においては、前記第1基礎ブロック1と前記第2基礎ブロック2は、それぞれ水平方向に並ぶ一対のブロック半体1A,1B,2A,2Bからなるとともに、ぞれぞれの片側のブロック半体1A,2Aと他側のブロック半体1B,2Bとが各々上下に重ね合わされた左右の主積層部9と、前記主積層部9の中間に位置して前記第1基礎ブロック1の片側のブロック半体1A(1B)と前記第2基礎ブロック2の他側のブロック半体2A(2B)とが上下に重ね合わされた境界積層部10とからなり、前記左右の主積層部9及び前記境界積層部10の各部には、前記2組以上のボルト孔6A,6Bのうち上がばか孔6b、下がネジ孔6aとなる組のボルト孔6Bと、上がネジ孔6a、下がばか孔6bとなる組のボルト孔6Aと、をそれぞれ設けた構成とするのが好ましい。この場合、上側に位置するブロック半体1A,1B(又はブロック半体2A,2B)の上面の面積増加が容易となり、機器3の脚部15を上側のブロック半体1A,1B(又はブロック半体2A,2B)の端部から大きく離間して設置可能となる。しかも主積層部9と境界積層部10の各々で、アンカーボルト7による地面への固定と、連結ボルト8によるブロック半体1A,1B(2A,2B)相互の連結とができるので、各ブロック半体1A,1B,2A,2Bの地面に対する固定強度を十分に確保できる。
以上のように、請求項1記載の発明によれば、アンカーボルトと連結ボルトとにより上下の基礎ブロックを地面に対して強固に固定できると共に、各基礎ブロック上面の一方向調整用支持部又は他方向調整用支持部の働きによって、基礎の設置の位置調整が容易となり、施工の利便性及び耐震性に優れた機器設置用基礎が得られる。
また請求項2記載の発明によれば、上下の基礎ブロックの片側半部と他側半部とにそれぞれ設けた上下組合せが異なる2組のボルト孔を利用して、上下の基礎ブロックの地面に対する固定及び上下の基礎ブロック相互の連結をバランスよく行うことができる。
また請求項3記載の発明によれば、アンカーボルトを上がネジ孔、下がばか孔となる組のボルト孔を通して地面に打ち込むことにより、アンカーボルトを上のネジ孔から地面に向けてスムーズに螺進させることができ、アンカーボルトの打ち込み作業が容易となる。
また請求項4記載の発明によれば、連結ボルトを上がばか孔、下がネジ孔となる組のボルト孔に挿入して上下の基礎ブロック同士を互いに連結することにより、上下の基礎ブロック間の位置ずれを防止でき、機器の設置の安定化を一層図ることができる。
また請求項5記載の発明によれば、水平に並ぶ一対のブロック半体を上下に積層することで、上に位置する基礎ブロック(一対のブロック半体)の上面の面積が増加して、機器の脚部を上側の基礎ブロックの端部から大きく離間して設置でき、耐震性の一層の向上が図られる。
本発明の一実施形態の発電ユニットを、第1基礎ブロック上に重ねた第2基礎ブロック上面の一方向調整用支持部により支持した状態の一例を示し、(a)は図2(d)に対応する平面図であり、(b)は(a)のQ−Q線に沿うボルト孔を説明する断面図であり、(c)は(a)の矢印P方向から見た側面図である。 (a)は同上の第2基礎ブロックの斜視図、(b)は同上の第1基礎ブロックの斜視図であり、(c)は第2基礎ブロック上に第1基礎ブロックを積層した斜視図、(d)は第1基礎ブロック上に第2基礎ブロックを積層した斜視図である。 (a)は図2(c)に対応する平面図であり、(b)は(a)のR−R線に沿うボルト孔を説明する断面図である。 本発明の他の実施形態の排熱ユニットを設置する基礎の一例であり、(a)は水平に並ぶ一対の第2ブロック半体よりなる第2基礎ブロックの斜視図であり、(b)は水平に並ぶ一対の第1ブロック半体よりなる第1基礎ブロックの斜視図であり、(c)は第2ブロック半体上に第1ブロック半体を積層した斜視図であり、(d)は第1ブロック半体上に第2ブロック半体を積層した斜視図である。 (a)は図4(d)に対応する平面図であり、(b)は(a)のR−R線に沿うボルト孔を説明する断面図である。 (a)は図4(c)に対応する平面図であり、(b)は(a)のR−R線に沿うボルト孔を説明する断面図である。 従来例の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の第2基礎ブロック2の他方向調整用支持部5により発電ユニット3Aを支持する場合を示し、図2は第1基礎ブロック1と第2基礎ブロック2の積層態様の一例を示し、図3は第1基礎ブロック1の一方向調整用支持部4により発電ユニット3Aを支持する場合を示している。
本例では、基礎に支持される機器3として、家庭用燃料電池のような発電ユニット3Aを例示する。
基礎は、図2(a)(b)に示すように、平板ブロック状の第1基礎ブロック1と、第1基礎ブロック1の上面又は下面に選択自在に積層される平板ブロック状の第2基礎ブロック2とに上下に2分割されている。これら基礎ブロック1,2はそれぞれ同じサイズで、例えば横幅770mm、縦幅500mm、厚み30mm、重量52kgの平板コンクリートブロックで構成されている。
第1基礎ブロック1の上面には、図2(b)に示すように、一方向調整用支持部4が設けられている。第2基礎ブロック2の上面には、図2(a)に示すように、他方向調整用支持部5が設けられている。以下において、水平一方向を、建物の外壁面に対して垂直な前後方向Aとし、この水平他方向と直交する水平他方向を、建物の外壁面と平行な左右方向Bとして説明する。
本例の一方向調整用支持部4は、図3に示すように、第1基礎ブロック1上面に前後方向Aに沿ってストレート状に延在された凹溝内にアルミ製レールを嵌め込んだ一方向レール溝13により構成されている。この一方向レール溝13は、発電ユニット3Aの左右の脚部15,15間の間隔D(図3(a))と同じ間隔をあけて2条設けられている。各一方向レール溝13,13は、それぞれ、第1基礎ブロック1の上面よりも一段低く凹んでいて、発電ユニット3Aの脚部15,15を前後方向Aにスライド可能に嵌合支持するものである。
また、本例の他方向調整用支持部5は、図1に示すように、第2基礎ブロック2上面に左右方向Bに沿ってストレート状に延在された凹溝内にアルミ製レールを嵌め込んだ他方向レール溝14により構成されている。この他方向レール溝14は、発電ユニット3Aの前後の脚部15,15間の間隔C(図1(a))と同じ間隔をあけて、2条設けられている。各他方向レール溝14,14は、それぞれ、第2基礎ブロック2の上面よりも一段低く凹んでいて、発電ユニット3Aの脚部15,15を左右方向Bにスライド可能に嵌合支持するものである。
第1基礎ブロック1と第2基礎ブロック2は、第2基礎ブロック2上に第1基礎ブロック1を重ねた積層態様(図2(c))と、第1基礎ブロック1上に第2基礎ブロック2を重ねた積層態様(図2(d))とが、現場で任意に選択される。
また、第1基礎ブロック1と第2基礎ブロック2には、それぞれ、両基礎ブロック1,2を上下に重ねたときに、上下組み合わせが異なる4組のボルト孔6A,6Bが穿孔されている。本例では、図1(a)、(b)に示すように、第1基礎ブロック1の片側半部とこれに重なる第2基礎ブロック2の片側半部には、それぞれ、上下組み合わせが異なる2組のボルト孔6A,6Bが設けられている。さらに、第1基礎ブロック1の片側半部とは反対側の他側半部とこれに重なる第2基礎ブロック2の他側半部にも、それぞれ、上下組み合わせが異なる2組のボルト孔6A,6Bが設けられている。
各組のボルト孔6A,6Bにはアンカーボルト7又は連結ボルト8のいずれか一方が挿入可能とされる。なお図2(a)〜(d)ではボルト孔6A,6Bの図示を省略している。
ここで、図1(b)に示すように、ボルト孔6Aは、上がネジ孔6a、下がばか孔6bの上下組み合わせからなる。別のボルト孔6Bは、上がばか孔6b、下がネジ孔6aの上下組み合わせからなる。各ネジ孔6aにはボルト螺合用の雌ネジが刻設され、その上部にはボルト頭部を収納する座ぐり部17が形成されている。各ばか孔6bは、ボルト軸よりも大径に形成されていて、平滑なルーズホールとなっており、その上部にはボルト頭部を収納する座ぐり部18が形成されている。
そして、図1(b)に示すように、上がネジ孔6a、下がばか孔6bとなった組のボルト孔6Aにはアンカーボルト7が挿通され、上がばか孔6b、下がネジ孔6aとなった組のボルト孔6Bには連結ボルト8が挿入される。なお、図中の20は、発電ユニット3Aのアース線や電気配管等の配線用透孔である。
次に、施工手順の一例を説明する。
まず、発電ユニット3Aの設置場所の地面に掘削孔を掘り、孔底の地面を水平に整地して、その上に第1基礎ブロック1と第2基礎ブロック2とを上下に積層して設置する。このとき、後工程で発電ユニット3Aを前後方向Aに位置調整できるようにする場合は、第2基礎ブロック2上に第1基礎ブロック1を重ねて、第1基礎ブロック1上面の一方向レール溝13の向きを前後方向Aに揃えておく。一方、後工程で発電ユニット3Aを左右方向Bに位置調整できるようにする場合は、第1基礎ブロック1上に第2基礎ブロック2を重ねて、第2基礎ブロック2上面の他方向レール溝14の向きを左右方向Bに揃えておく。
ここで、例えば図1の積層態様を選択したときは、上側の第2基礎ブロック2の上面の水平出しをした後に、連結ボルト8を上がばか孔6b、下がネジ孔6aとなる組のボルト孔6Bに上から挿入して、連結ボルト8を下のネジ孔6aに螺合させる。このとき連結ボルト8の頭部はばか孔6bの座ぐり部18に係止されるので、連結ボルト8によって上下の基礎ブロック1,2同士を互いに強固に連結できる。
さらに、アンカーボルト7を上がネジ孔6a、下がばか孔6bとなる組のボルト孔6Aに挿通して地面に打ち込む。このときアンカーボルト7はネジ孔6aのみに螺合して、アンカーボルト7の頭部は座ぐり部17に係止され、アンカーボルト7の先端は地面に打入された状態となる。これにより、連結ボルト8とアンカーボルト7とを用いて上下の基礎ブロック1,2を地面21に対して強固に固定できる。
その後、発電ユニット3Aを第2基礎ブロック2上面に設置する。つまり、発電ユニット3Aの各脚部15,15を他方向レール溝14に各々嵌め込むことで発電ユニット3Aを他方向レール溝14に沿って左右方向Bに位置調整可能に設置できる。これにより、発電ユニット3Aの各脚部15,15を上側の基礎ブロック1(2)の端部から所定寸法(50mm以上)離れた位置に移動させることが容易となる。なお、図2(c)、図3に示すように上側に第1基礎ブロック1を位置させた場合は、一方向レール溝13に発電ユニット3Aの各脚部15,15を各々嵌め込むことで発電ユニット3Aを一方向レール溝13に沿って前後方向Aに位置調整しやすくなる。最後に、各脚部15,15をネジ固定して、発電ユニット3Aの設置が終了する。
上記構成によれば、アンカーボルト7が上のネジ孔6aから下のばか孔6bを通して地中に打入することで、上下の基礎ブロック1,2を地面に対して強固に固定できるようになり、しかもアンカーボルト7は下のばか孔6bには螺合しないため、アンカーボルト7が螺進しやすくなり、打ち込み作業をスムーズに行うことができる。そのうえ施工時には上下に2分割された基礎ブロック1,2の取り回しが容易となる。さらに、基礎ブロック1,2を上下に入れ替えるだけで、発電ユニット3Bの前後方向A又は左右方向Bへの位置調整がしやすくなる。
これにより、強固で且つ耐震性に優れた基礎作りを誰にでも簡単にできると共に、発電ユニット3Aの設置の位置調整が容易にできるようになり、結果、作業者の習熟度に左右されない、一定品質での基礎工事及び現場作業を短時間、例えば作業開始から1時間程度或いはそれよりも短い時間で行うことができ、施工工事の利便性が大幅に向上する。
また、上がばか孔6b、下がネジ孔6aとなる組のボルト孔6Bを、連結ボルト8により連結できるので、上下の基礎ブロック1,2間の位置ずれを確実に防止でき、発電ユニット3Aの設置の安定化が一層図られることになる。
そのうえ、上下の基礎ブロック1,2の片側半部と他側半部の各々に、上下組み合わせが異なる2組のボルト孔6A,6Bを設けているので、アンカーボルト7による上下の基礎ブロック1,2の固定と連結ボルト8による連結とを、上下の基礎ブロック1,2全体でバランスよく行うことができる利点もある。
図4は他の実施形態であり、電気温水器やガス温水器などの排熱ユニット3Bを設置する基礎ブロック1,2の一例を示している。図5は図4(d)の積層態様に対応する図であり、図6は図4(c)の積層態様に対応する図である。
本例の第1基礎ブロック1は、巾寸法が異なる左右一対の第1ブロック半体1A,1Bで構成されており、第2基礎ブロック2は、巾寸法が異なる左右一対の第2ブロック半体2A,2Bで構成されている。一例として、巾広のブロック半体1A,2Aはそれぞれ、例えば、横幅500mm、縦幅770mm、厚み60mm、重量52kgのコンクリートブロックで構成されている。巾狭のブロック半体1B,2Bは、例えば、横幅400mm、縦幅770mm、厚み60mm、重量42kgのコンクリートブロックで構成されている。
本例の第2ブロック半体2A,2Bの上面には、図5に示すように、2条の他方向レール溝14がそれぞれ設けられている。排熱ユニット3Bの後側に位置する左右の脚部15,15が後側の他方向レール溝14にスライド支持可能とされ、前側に位置する左右の脚部15,15が前側の他方向レール溝14にスライド支持可能とされている。
また第1ブロック半体1A,1Bの上面には、図6に示すように、2条の一方向レール溝13がそれぞれ設けられている。第1ブロック半体1Aの内側の一方向レール溝13と第1ブロック半体1Bの内側の一方向レール溝13とで、排熱ユニット3Bの後側の左右の脚部15,15がスライド支持可能とされており、第1ブロック半体1Aの外側の一方向レール溝13と第1ブロック半体1Bの外側の一方向レール溝13とで、排熱ユニット3Bの前側の左右の脚部15,15がスライド支持可能とされている。
そして、第1ブロック半体1A,1Bの上面に第2ブロック半体2A,2Bを積層した状態(図4(d)、図5)、或いは、第2ブロック半体2A,2Bの上面に第1ブロック半体1A,1Bを積層した状態(図4(c)、図6)のいずれにおいても、上方から見て第1ブロック半体1A,1Bの境界ラインと第2ブロック半体2A,2Bの境界ラインとが左右方向にずれた、所謂あいじゃくり状になっており、このあいじゃくりの積層部分を境界積層部10と定義し、あいじゃくり以外の積層部分を主積層部9と定義する。
本例では、左右の主積層部9の中間に境界積層部10が存在しており、左右の主積層部9には、それぞれ、上下組み合わせが異なる2組のボルト孔6A,6Bが複数組(図5、図6の例では4組)設けられており、境界積層部10には、上下組み合わせが異なる2組のボルト孔6A,6Bが複数組(本例では2組)設けられている。この上下組み合わせが異なる2組のボルト孔6A,6Bとは、前記実施形態と同様、上がネジ孔6a、下がばか孔6bの1組のボルト孔6Aと、上がばか孔6b、下がネジ孔6aの1組のボルト孔6Bとを含むものとする。なお図4(a)〜(d)ではボルト孔6A,6Bの図示を省略している。他の構成は前記実施形態と同一であり、対応する箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
しかして、排熱ユニット3Bの脚部15を水平に並ぶブロック半体1A,1B(又はブロック半体2A,2B)の端部から50mm以上離して設置することが容易となり、地震時の排熱ユニット3Bの脱落防止効果が得られる。しかも、主積層部9と境界積層部10のそれぞれにおいて、上下組み合わせの異なるボルト孔6A,6Bを用いてアンカーボルト7(図1(b))による地面への固定と連結ボルト8による連結とが行われるので、各ブロック半体1A,1B,2A,2Bの地面に対する固定強度を十分に確保でき、排熱ユニット3Bの設置の安定性を十分に確保できるものとなる。そのうえ、あいじゃくり状の境界積層部10において、第1ブロック半体1A,1B間の境界ラインと第2ブロック半体2A,2B間の境界ラインとが上下に連続しない構造となるため、地震などの現象が生じた際に境界ラインに沿って第1ブロック半体1A,1Bと第2ブロック半体2A,2Bとが分離しにくい構造となり、結果、安定した固定強度を長期に亘って維持しつづける利点もある。
なお、上下組み合わせの異なる2組のボルト孔6A,6Bの組数やその形成位置は、図1、図3、図5、図6の例に限定されるものではなく、適宜に設計変更自在である。
本発明の機器設置用基礎は、発電ユニット3Aや排熱ユニット3B等の機器3に限らず、エアコン室外機などの各種の屋外機器の設置に広範囲で適用可能である。
1 第1基礎ブロック
2 第2基礎ブロック
3 機器
3A 発電ユニット
3B 排熱ユニット
4 一方向調整用支持部
5 他方向調整用支持部
6A,6B ボルト孔
6a ネジ孔
6b ばか孔
7 アンカーボルト
8 連結ボルト
9 主積層部
10 境界積層部
13 一方向レール溝13
14 他方向レール溝14
15 機器の脚部
A 前後方向
B 左右方向

Claims (5)

  1. 機器を支持して地面に設置固定するための機器設置用基礎であって、
    前記機器を水平一方向に位置調整可能に支持するための一方向調整用支持部が上面に設けられた平板ブロック状の第1基礎ブロックと、
    前記水平一方向とは異なる方向の水平他方向に位置調整可能に前記機器を支持するための他方向調整用支持部が上面に設けられて、前記第1基礎ブロックの上面又は下面に選択自在に積層される平板ブロック状の第2基礎ブロックと、
    前記第1基礎ブロックと前記第2基礎ブロックの積層状態で上下に連通するように前記第1基礎ブロックと前記第2基礎ブロックとに設けられる2組以上のボルト孔と、を備え、
    前記2組以上のボルト孔のうち上下に連通する少なくとも1組のボルト孔が、前記第1基礎ブロックに形成したネジ孔と前記第2基礎ブロックに形成したばか孔とで構成され、前記上下に連通する少なくとも他の1組のボルト孔が、前記第2基礎ブロックに形成したネジ孔と、前記第1基礎ブロックに形成したばか孔とで構成されていることを特徴とする機器設置用基礎。
  2. 前記第1基礎ブロックの片側半部とこれに重なる前記第2基礎ブロックの片側半部とに、それぞれ、前記上下に連通するネジ孔とばか孔の上下組合せが異なる2組のボルト孔を設けると共に、前記第1基礎ブロックの片側半部とは反対側の他側半部とこれに重なる前記第2基礎ブロックの他側半部にも、それぞれ、前記上下に連通するネジ孔とばか孔の上下組合せが異なる2組のボルト孔を設けたことを特徴とする請求項1記載の機器設置用基礎。
  3. 前記2組以上のボルト孔のうち上がネジ孔、下がばか孔となる組のボルト孔にアンカーボルトが挿通されて地面に打ち込まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の機器設置用基礎。
  4. 前記2組以上のボルト孔のうち上がばか孔、下がネジ孔となる組のボルト孔に連結ボルトを挿入して、前記第1基礎ブロックと前記第2基礎ブロックとを互いに連結することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の機器設置用基礎。
  5. 前記第1基礎ブロックと前記第2基礎ブロックは、それぞれ水平方向に並ぶ一対のブロック半体からなるとともに、ぞれぞれの片側のブロック半体と他側のブロック半体とが各々上下に重ね合わされた左右の主積層部と、前記主積層部の中間に位置して前記第1基礎ブロックの片側のブロック半体と前記第2基礎ブロックの他側のブロック半体とが上下に重ね合わされた境界積層部とからなり、
    前記左右の主積層部及び前記境界積層部の各部には、前記2組以上のボルト孔のうち上がばか孔、下がネジ孔となる組のボルト孔と、上がネジ孔、下がばか孔となる組のボルト孔と、をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の機器設置用基礎。
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