JP5628064B2 - 光半導体素子 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体膜の互いに対向する両面にそれぞれ電極を有する所謂縦型光半導体素子に関する。
GaN等のIII族窒化物を用いた光半導体素子の結晶成長は、サファイア基板を用いて行われるのが一般的である。このような光半導体素子は、サファイア基板が導電性を有していない為、半導体膜の同一面側にn電極およびp電極が配置される所謂横型光半導体素子の形態をとることが一般的であった。しかし、近年においては、サファイア基板をレーザ照射によって剥離除去する技術の確立やGaNを主材料とした導電性の成長用基板の普及により、半導体膜の上面と下面にそれぞれn電極とp電極が設けられた所謂縦型光半導体素子の製造が可能となっている。
縦型光半導体素子における最も単純な電極構成としては、光取り出し面となるn型半導体層の表面の中央にボンディングパッドとなるnパッド電極を形成し、実装面となるp型半導体層のほぼ全域に亘ってp電極を形成する構成が考えられる。しかしながら、このような電極構成によれば、nパッド電極の直下において電流が集中し、発光強度分布が不均一となる。また、電流集中は、半導体膜の破壊、発光効率の低下、順方向電圧の上昇を招く。
上記した問題点に鑑み、特許文献1には、n型半導体層の表面のほぼ全域を覆う透明電極と、透明電極上に設けられたnパッド電極と、nパッド電極に接続され且つ透明電極の周縁部に向けて伸びる補助電極と、p型半導体層表面のnパッド電極と対向する位置に設けられた絶縁体からなる電流阻止層と、p型半導体層表面の他の部分を覆うp電極と、を含む光半導体素子が開示されている。このような電極構成によれば、光半導体素子内における電流拡散が促進され、nパッド電極直下における電流集中を緩和することが可能となる。
特開2008−053425号公報
上記特許文献1に記載の如き電極構成により、nパッド電極直下における電流集中は緩和されるものの十分なものとはいえない。すなわち、光半導体素子の周縁部にまで電流を十分に拡散させることができず、依然としてnパッド電極近傍に強発光領域が生じる。また、光半導体素子の側面からの光放出がnパッド電極近傍と光半導体素子周縁部との発光強度の差を更に拡大する要因となっている。
蛍光体を用いて所望の発光色を得るデバイスにおいては、不均一な発光強度分布は発光色の色ムラの原因にもなる。例えば、光半導体素子の上面のみを蛍光体層で被覆した場合、発光強度の大きいnパッド電極近傍では、発光強度の小さい素子周縁部よりも蛍光体よる波長変換の割合が小さくなり、nパッド電極近傍と素子周縁部とで色度の異なる発光色が生成されることとなる。更に、蛍光体層で被覆されていない光半導体素子の側面からは、光が波長変換されずそのまま放出されるため発光色の色ムラが顕著となる。光半導体素子の側面をも蛍光体層で被覆することにより光半導体素子の側面から混色光が得られるが、光半導体素子の上面および側面の蛍光体層の被覆厚を同時に制御するのは困難である。特に、光半導体素子の側面の被覆厚のコントロールは難しい。発光色の色度は蛍光体層の厚さに応じて変化するため、光半導体素子の上面および側面を覆う蛍光体層の被覆厚が適切でない場合には発光色も不均一となる。このように、従来の縦型光半導体素子においては、電流拡散が不十分であり且つ光半導体素子の側面からも光が放射される構造となっているため、蛍光体を用いて発光色を混色させた場合、パッド電極近傍と、素子周縁部と、素子側面とで色度が互いに異なる光が生成され、色ムラを生じることとなっていた。そして、この色ムラを解消することは困難であった。
また、従来の縦型光半導体素子は、電流拡散が不十分であるが故、光半導体素子の発光効率が低く、製品寿命の低下の要因にもなっていた。また、p電極と並置してnパッド電極の直下に電流阻止層を設けた場合、電流阻止層によってp電極の形成領域が侵食され、順方向電圧の上昇という弊害を伴う。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、縦型光半導体素子において、光半導体素子内における電流拡散が更に促進され、更に発光色の色ムラ解消に寄与するべく光半導体素子側面からの光放出の抑えた光半導体素子を提供することを目的とする。
本発明の光半導体素子は、第一の導電型を有する第一半導体層と、第二の導電型を有する第二半導体層と、前記第一半導体層と前記第二半導体層との間に設けられた活性層と、を含む半導体膜と、前記第一半導体層に接続された第一電極と、前記第二半導体層に接続され且つ前記第一電極に対向する第二電極と、を含み、前記第一電極は、給電配線が接続し得るパッド部と、前記パッド部に電気的に接続され且つ前記半導体膜の周縁部において前記第一半導体層の内部に埋設された周縁埋設部と、を有し、前記周縁埋設部は、前記活性層の形成領域または前記第一電極の形成領域の少なくとも一方の外側に設けられていることを特徴としている。
本発明の光半導体素子によれば、光半導体素子内における電流拡散が促進されるとともに光半導体素子側面からの光放出が抑制される。これにより、発光効率および信頼性が改善されるとともに発光分布の均一化を図ることが可能となり、更に蛍光体を用いて混色光を得る場合に発光色の色ムラの発生を防止することが可能となる。
図1(a)は本発明の実施例に係る光半導体素子の構成を示す斜視図、図1(b)は図1(a)における1b−1b線に沿った断面図である。 図2(a)は本発明の実施例に係る光半導体素子の半導体膜内における電流経路を示す断面図である。図2(b)は本発明の実施例に係る光半導体素子の半導体膜内における光の進路を示す断面図である。 図3(a)乃至(c)は本発明の実施例に係る光半導体素子の製造方法を示す断面図である。 図4(a)乃至(c)は本発明の実施例に係る光半導体素子の製造方法を示す断面図である。 本発明の実施例に係る光半導体素子をパッケージングした光半導体装置の構成を示す断面図である。 図6(a)および(b)は本発明の実施例に係る光半導体素子の構成を示す断面図である。 図7(a)および(b)は本発明の実施例に係る光半導体素子の構成を示す斜視図である。 図8(a)は本発明の実施例に係る光半導体素子の構成を示す斜視図、図8(b)は図8(a)における8b−8b線に沿った断面図である。 図9(a)および(b)は本発明の実施例に係る光半導体素子の構成を示す断面図である。 図10(a)〜(c)は本発明の実施例に係る光半導体素子の構成を示す斜視図、図10(d)〜(f)はそれぞれ、図10(a)〜(c)における10d−10d線、10e−10e線、10f−10f線に沿った断面図である。
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。尚、以下に示す図において、実質的に同一又は等価な構成要素、部分には同一の参照符を付している。
図1(a)は本発明の実施例1に係る光半導体素子1の構成を示す斜視図、図1(b)は図1(a)における1b−1b線に沿った断面図である。
(光半導体素子の構成)
光半導体素子1は、n電極30とp電極40が半導体膜20の互いに対向する面にそれぞれ設けられたいわゆる縦型の発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode)である。半導体膜20は、例えばAlxInyGazN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x+y+z=1)で表わされるIII族窒化物系半導体を主材料とするn型半導体層22、活性層24、p型半導体層26を含む。
n型半導体層22は、例えばSiがドープされた厚さ約100μmのn−GaN基板上に有機金属気相成長法(MOCVD: Metal Organic Chemical Vapor Deposition)によって約3μmの n−GaN層を結晶成長することにより形成される。このように、結晶成長に用いる基板が導電性を有している場合は成長用基板をそのままn型半導体層22またはその一部として利用することができる。
活性層24は例えばInGaN井戸層/GaN障壁層のペアを繰り返し積層して構成される多重量子井戸構造を有する。p型半導体層26は、例えばMgがドープされた厚さ約150nmのp−GaN層を含む。
半導体膜20は、その周縁部においてp型半導体層26の表面からp型半導体層26、活性層24およびn型半導体層22の一部を除去することにより形成される切り欠き部20aを有する。すなわち、n型半導体層22は、活性層24およびp型半導体層26の端面よりも外側に張り出している。
p電極40は、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明酸化物導電体またはAl、Pt、Ag、Rh等の高い反射率を有する金属若しくはこれらを含む合金により構成され、p型半導体層26のほぼ全域を覆うように形成される。尚、p電極40は、透明酸化物導電体と金属とを積層した多層構造を有していてもよい。半導体膜20との密着性向上や接触抵抗低下のために薄いTiやNiの層を介してp電極40を形成しても良い。
n電極30は、nパッド部31、延伸部32および埋設部33により構成される。nパッド部31は、光放出面となるn型半導体層22の表面の中央に設けられる。nパッド部31は、ボンディングワイヤを接続するためのボンディングパッドとして機能する。すなわち、光半導体素子1の駆動電流は、最終的にnパッド部31に集約される。
延伸部32は、nパッド部31に接続され且つn型半導体層22の表面上を平面方向に伸びる線状の補助電極である。延伸部32は、半導体膜20の周縁部にまで電流を拡散させるとともにnパッド部31と埋設部33とを電気的に接続する接続配線の役割を担う。
埋設部33は、延伸部32を介してnパッド部31に電気的に接続されている。埋設部33は、n型半導体層22の内部に埋設され、光半導体素子1の周縁部においてn型半導体層22の側面に沿って矩形環状に連なっている。埋設部33は、n型半導体層22内において終端しており活性層24にまで達していない。埋設部33は、切り欠き部20aと重なる位置に設けられている。換言すれば、埋設部33は、n型半導体層22の張り出し部分に設けられている。
活性層24、p電極40およびnパッド部31は、埋設部33の矩形環状パターンの内側に配置される。特にnパッド部31は埋設部33の矩形環状パターンの中央に配置されていることが好ましい。埋設部33は、光反射性を有する金属により構成され、n型半導体層22の側面に沿って矩形環状に連なる光反射面を形成するとともに半導体膜20の側面からの光放出を抑制する遮光壁として機能する。
絶縁膜50は、SiO2等の酸化物絶縁体またはSi23やTaN等の窒化物絶縁体からなり、切り欠き部20aにおいて表出した半導体膜20の側面を覆い、電極材料や光半導体素子1の実装時に用いられるはんだ材の付着による短絡を防止する。更に、絶縁膜50は、活性層24から外部へ直接放出される光を制限する。すなわち、絶縁膜50を構成する酸化物または窒化物は透明であるが、屈折率が半導体膜20よりも小さいため、活性層24からの光の一部は、絶縁膜50で反射され、光取り出し面へと導かれる。絶縁膜50の光反射性能をより高めるために、絶縁膜50は、屈折率の互いに異なる材料を周期的に積層した多層膜ブラック反射鏡を構成していてもよい。
(半導体膜内における電流経路)
図2(a)は、光半導体素子1における半導体膜20内を流れる電流経路を示す断面図である。光半導体素子1は、例えば、p電極40が実装基板200に接合され、nパッド部31にボンディングワイヤ201が接続されて駆動電力の供給を受ける。nパッド部31の直下領域においては、電流は、p電極40から直接nパッド部31に向けて流れる。nパッド部31から離れた半導体膜20の周縁部においては、電流は、半導体膜20内をp電極40から埋設部33に向けて流れ、延伸部32を経由してnパッド部31に至る。これは、周縁部においては、埋設部33を経由する経路の方がp電極40からnパッド部31に直接向かう経路よりも経路上の電気抵抗が小さくなるためである。このようにnパッド部31に電気的に接続され且つn型半導体層22内に埋設された埋設部33をn型半導体層22の周縁部に配置することによりnパッド部31から離れた半導体膜20の周縁部における電流量が増大し、光半導体素子内における電流拡散の促進を図ることが可能となる。これにより電流密度および発光分布の均一化を図ることができ、発光効率、信頼性および順方向電圧特性が改善される。
延伸部32をnパッド部31から放射状に伸ばして、延伸部32と埋設部33との接続点を複数とし且つ当該複数の接続点を実質的に等間隔に配置することにより、埋設部32の各領域における電位を均一とすることができる。これにより、半導体膜20内における電流の偏りを防ぐことができる。
(半導体膜内における光反射)
図2(b)は、活性層24から発せられた光の半導体膜内における進路を例示する断面図である。活性層24から発せられ、半導体膜20の側面に向かう光の一部は、埋設部33において反射され、光取り出し面であるn型半導体層22の上面に導かれる。このように、埋設部33は、活性層24からの光を光取り出し面へと導く光反射層として機能するとともに、半導体膜20の側面からの光放出を抑制する遮光壁としても機能する。上記したように、半導体膜20の周縁部に切り欠き部20aを設け、活性層24の端面を埋設部33の環状パターンの内側に配置することにより、半導体膜20の側面に向かう光の大部分を光取り出し面に導くことが可能となる。埋設部33の遮光壁としての機能をより高めるために、埋設部33は、切り欠き部20aにおいて表出したn型半導体層22の表出面まで伸長していることが好ましい。
本実施例では、半導体膜20に切り欠き部20aを設けて活性層24およびp電極40の双方を埋設部33の環状パターンの内側に配置する構成としたが、活性層24およびp電極40のいずれか一方が埋設部33の環状パターンの内側に配置されていれば半導体膜側面からの光放出を抑制することは可能である。すなわち、有効な発光領域が埋設部33の環状パターンの内側に配置されていれば半導体膜側面からの光放出を効果的に抑制することが可能となる。
(n電極の詳細な構成)
nパッド部31、延伸部32および埋設部33は、互いに同一の材料で構成されていてもよく、また互いに異なる材料で構成されていてもよい。nパッド部31は、半導体膜20およびボンディングワイヤとの密着性およびボンディング性を考慮して例えばTi/Al/Ti/Auの多層膜により構成することができる。延伸部32は、光取り出し効率を考慮して例えばITO等の透明酸化物導電体により構成することができる。埋設部33は、光反射性およびn型半導体層22との接触抵抗を考慮して例えばTi/Agの多層膜により構成することができる。
延伸部32と半導体膜20との接触抵抗が低い場合、埋設部33を経由する経路を流れる電流が減少する一方、半導体膜20から直接延伸部32に向かう電流が増大し、光半導体素子内における電流拡散が阻害されるおそれがある。このような場合、半導体膜20と延伸部32との電気的な接続を制限することが好ましい。半導体膜20と延伸部32との電気的な接続を制限する方法として、例えばn型半導体層22表面の延伸部形成領域の少なくとも一部にSiO2等の絶縁膜を形成する方法がある。また、電子ビーム蒸着等により膜密度の低いITO膜を蒸着した後、通常行う熱処理を省略して、半導体膜20に対してショットキー接触となるように延伸部32を形成する方法もある。このように、半導体膜20と延伸部32との電気的な接続を制限することにより、延伸部32は、専ら埋設部33に導入された電流をnパッド部31に導くための配線として機能するため上記した電流拡散が阻害される問題が解消される。
図2(b)に示す断面で見たときに、活性層24の端面上の任意のA点と、これに対向する位置における切り欠き部20aのコーナー部であるB点とを結ぶラインC上若しくはこれよりも下方(p型半導体層26側)に埋設部33の終端部が位置していることが好ましい。これにより、活性層24から直接半導体膜20の側面に向かうほぼ全ての光が埋設部33で反射され、半導体膜20の側面からの光放出を効果的の抑制することが可能となる。切り欠き部20aにおいて表出したn型半導体層22の表出面の幅wを大きくしたり、切り欠き部20aの深さdを大きくすることによりラインCの角度が大きくなり、従って、埋設部33の終端位置を浅く設定することができる。
(製造方法)
以下、本発明の実施例に係る光半導体素子1の製造方法を図3(a)〜(c)および図4(a)〜(c)を参照しつつ説明する。
<半導体膜の形成>
AlxInyGazN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、x + y + z = 1)を成長可能なn型GaN基板を成長用基板10として用いる。有機金属気相成長法により成長用基板10上にAlxInyGazNから成るn型半導体層22、活性層24、p型半導体層26を順次結晶成長させて半導体膜20を得る。n型GaN基板はシリコンおよび/または酸素がドープされおり、n型の導電型を有する。このため、n型GaN基板を半導体膜20のn型半導体層22の一部としても利用できる。
n型半導体層22は、成長用基板10上にSiドープされた厚さ2μm程度のn型GaN層を成長させることで形成される。具体的には、成長用基板10をMOCVD装置に投入し、基板温度約1000℃とし、水素雰囲気中で約10分程度の熱処理を行う(サーマルクリーニング)。続いて、成長温度1000℃を保持して、TMG (45 μmol/min)、NH3 (4.4LM)、SiH4 (2.7×10-9 μmol/min)を30分間供給し、層さ約2μmのn型GaN層からなるn型半導体層22を形成する。
次に、InGaN井戸層/GaN障壁層からなるペアを5ペア積層した多重量子井戸構造を有する活性層24をn型半導体層22上に形成する。具体的にはn型半導体層22を形成後、成長温度約700℃にてTMG(3.6 μmol/min)、TMI (10 μmol/min)、NH3(4.4LM)を33秒供給して層厚約2.2nmのInGaN井戸層を形成し、続いてTMG(3.6 μmol/min)、NH3 (4.4LM)を320秒供給して層厚約15nmのGaN障壁層を形成する。かかる処理を5周期分繰り返すことにより活性層24が形成される。
p型半導体層26は、例えばp型AlGaNクラッド層、Mgドープされたp型GaN層を順次結晶成長させることで形成される。具体的には、成長温度を870℃にてTMG(8.1 μmol/min)、TMA (7.5 μmol/min)、NH3(4.4LM)、Cp2Mg(2.9×10-7 μmol/min)を5分間供給し、活性層24上に層厚約40nmのp型AlGaNクラッド層を形成する。引き続きそのままの温度でTMG(18 μmol/min)、NH3(4.4LM)、Cp2Mg(2.9×10-7 μmol/min)を7分間供給し、p型AlGaNクラッド層上に層厚約150nmのp型GaN層を形成する。これにより活性層24上にp型半導体層26が形成される(図3(a))。
<切り欠き部の形成>
半導体膜20をp型半導体層26の表面から部分的エッチングして切り欠き部20aを形成し、切り欠き部20aの底面においてn型半導体層22を表出させる。具体的には、p型半導体層26の表面に切り欠き部20aの形成領域である素子周縁部に開口部を有するレジストマスクを形成した後、ウエハを反応性イオンエッチング(RIE)装置に投入する。上記レジストマスクを介してp型半導体層26の表面からp型半導体層26、活性層24およびn型半導体層22の一部をエッチングして素子周縁部に切り欠き部20aを形成する。切り欠き部20aの側面においてp型半導体層26、活性層24の端面が露出し、切り欠き部20aの底面においてn型半導体層22が露出する(図3(b))。
<p電極および絶縁膜の形成>
p型半導体層26表面に開口部を有するレジストマスクを形成する。電子ビーム蒸着法などにより上記レジストマスクを介してp型半導体層26上にTi(1nm)、Ag(500nm)、Ti(1nm)、Au(500nm)を順次堆積させ、その後レジストマスクを除去することによりp型半導体層26表面のほぼ全域を覆うp電極40を形成する。
続いて、ウエハをスパッタ装置に投入してウエハ表面に厚さ約300nmのSiO2膜を形成した後、不要部分のSiO2膜をウェットエッチングにより除去する。これにより、切り欠き部20aにおいて表出した半導体膜20の端面を覆う絶縁膜50が形成される(図3(c))。
<半導体膜の研磨および溝加工>
半導体膜20の厚さが約150μm程度となるように半導体膜20を薄片化させる。研削・研磨および化学機械研磨(CMP)等の方法により半導体膜30を成長用基板10側から研削し、表面を平坦化する。
次に、切り欠き部20aと重なる位置に開口部を有するレジストマスクをn型半導体層22の表面に形成し、ドライエッチングにより上記レジスマスクを介してn型半導体層22をエッチングして、埋設部33を形成するための矩形環状に連なる溝33aを形成する(図4(a))。
<n電極の形成>
電子ビーム蒸着法などにより、溝33aの内壁に厚さ1nm程度のTiを堆積させた後、Agで溝33aを充填する。次にn型半導体層22の表面にnパッド部31および延伸部32の形成領域に開口部を有するレジストを形成し、このレジストを介して電子ビーム蒸着法などにより、n型半導体層22の表面にTi(1nm)、Al(1000nm)、Ti(1nm)、Au(500nm)を順次堆積させた後レジストを除去する。以上より、nパッド部31、延伸部32および埋設部33からなるn電極30が形成される。尚、nパッド部31と延伸部32を個別の工程で形成することとしてもよい(図4(b))。
<素子分離>
ウエハを切断、分離して光半導体素子を個片化する。エッチング、スクライブ/ブレイキング、ダイシングのいずれかまたはこれらを組み合わせにより、図4(f)において破線で示される素子分割ラインに沿ってウエハを分割し、光半導体素子をチップ状に個片化する。以上の各工程を経ることにより光半導体素子1が完成する(図4(c))。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施例に係る光半導体素子1は、n電極30がn型半導体層22内部に埋設され且つ素子周縁部において半導体膜20の側面に沿って伸長する埋設部33を有する。これにより、半導体膜20の周縁部に電流経路を形成することができ、光半導体素子内における電流拡散が促進され、電流密度の均一化を図ることが可能となる。従ってnパッド部直下における電流集中を緩和することができ、nパッド部近傍に強発光領域が生じることを防ぐことができ、光取り出し面内における発光強度の均一化を達成することができる。また、電流集中が緩和されることにより発光効率が改善され、半導体膜の劣化を防ぐことが可能となり、更には順方向電圧の低減を図ることも可能となる。本発明の実施例に係る光半導体素子によれば、パッド部直下への電流の流入を阻止するための絶縁層(電流阻止層)を設けることなく電流拡散が可能となる。従って、p電極が絶縁層(電流阻止層)によって侵食されることはなく、電流拡散の促進に伴う順方向電圧の低減効果がより顕著となる。
図5は、本発明の実施例に係る光半導体素子1をパッケージングした光半導体装置100の構成を示す断面図である。プリント基板70の表面には、光半導体素子1に電力を供給するための導体配線71aおよび71bが設けられている。光半導体素子1は、p電極40がはんだ等の接合材を介して導体配線71aに接合されることにより、プリント基板70上に固着される。一方、nパッド部31は、ボンディングワイヤ72を介して導体配線71bに接続される。
光半導体素子1の上面は、蛍光体層73で覆われる。蛍光体層73はシリコーン樹脂等の光透過性樹脂を主成分とし、これにYAG:Ce蛍光体を分散させて構成される。蛍光体は、光半導体素子1から放射されるピーク波長が例えば約460nmの青色光を吸収してこれを例えば波長560nm前後に発光ピークを持つ黄色光に変換する。光半導体装置の光放射面からは、蛍光体により波長変換された黄色光と、波長変換されずに蛍光体層73を透過した青色光が混ざることにより白色光が得られるようになっている。封止樹脂74は、例えばシリコーン樹脂等の光透過性を有する材料からなり、プリント基板70上において光半導体素子1やボンディングワイヤ72をその内部に埋設するように形成される。
上記したように、本発明の実施例に係る光半導体素子によれば、光取り出し面内における発光強度が均一となることに加え、埋設部33が遮光壁として機能して光半導体素子1の側面からの光放出が抑制される故、図6に示されるように光半導体素子1の上面のみを蛍光体層73で覆う場合において色ムラのない均一な白色光を得ることができる。一方、光半導体素子1の上面および側面を蛍光体層で被覆する場合も同様に色ムラを生じることはない。すなわち、本発明の実施例に係る光半導体素子によれば、側面からの光放出がほぼなくなることから、光半導体素子1の側面を覆う蛍光体層の被覆厚を厳重に管理することを要さず、製造が容易となる。
(変形例)
図6(a)は、上記した光半導体素子1の構成の一部を改変した光半導体素子1aの断面図である。光半導体素子1aはp電極40aの構成が上記した光半導体素子1と異なる。p電極40aは、絶縁膜50を介して切り欠き部20aにおいて表出した半導体膜20(p型半導体26、活性層24およびn型半導体層22の一部)の側面を覆う側面被覆部41を有する。側面被覆部41は、n電極30の埋設部33と同様、切り欠き部20aにおいて表出した半導体膜20の側面に沿って連なる光反射面を形成するとともに半導体膜20の側面からの光放出を抑制する遮光壁として機能する。埋設部33および側面被覆部41の各々によって形成される遮光壁が半導体膜20の周縁部のほぼ全域に延在しているので、半導体膜20の側面からの光放出をほぼ完全になくすことができる。
図6(b)は、上記した光半導体素子1の構成の一部を改変した光半導体素子1bの断面図である。光半導体素子1bはn型半導体層22の上面のほぼ全域を覆うITO等の透明酸化物導電体からなる透明電極34を有する。nパッド部31および延伸部32は透明電極34上に設けられ、埋設部33は透明電極34を貫通してn型半導体層22内に達している。このように、n型半導体層22の上面の全域を透明電極34で覆うことにより、光半導体素子内における電流拡散の更なる促進を図ることが可能となる。尚、延伸部32を透明電極34よりも導電性の高い材料で構成することが好ましい。この場合において、埋設部33に誘導される電流量を確保したい場合は、延伸部32を導電率の高い金属で構成する。光取り出し量を確保したい場合、延伸部32を光透過率の高いITOまたはAu/Niの合金薄膜を酸素雰囲気中で熱処理したもので構成する。Au/Ni合金薄膜は、ITOよりも光透過率は劣るものの導電率がITOよりも高いため電圧降下が小さい。従って、延伸部32をAu/Ni合金薄膜で構成することにより、延伸部32は埋設部33に導入された電流をnパッド部31に導くための配線としての機能を十分に発揮することができる。
また、光半導体素子は、光放出面となるn型半導体層22の上面に光取り出し効率向上のための凹凸を有していてもよい。凹凸の形成方法としては、反応性イオンエッチング(RIE:reactive ion etching)により所望の形状およびパターンの突起を形成する方法や、n型半導体層22の上面がGaN結晶のc−面である場合は、アルカリ溶液を用いたウェットエッチングによりGaN結晶構造由来の突起をn型半導体層22の上面に形成する方法がある。n型半導体層22の上面からの光取り出し量を増大させることにより、光半導体素子の側面からの光放出を抑えることが可能となる。
図7(a)および(b)は、上記した光半導体素子1の構成の一部を改変した光半導体素子1cおよび1dの斜視図である。上記した光半導体素子1において、埋設部33は矩形環状に連なる連続的な環状パターンを有するものであった。一方、光半導体素子1cおよび1dでは、埋設部33が環状に伸長する方向において分断されており、n型半導体層22の側面に沿って不連続な遮光壁を形成している。
上記したように、光半導体素子の側面から放出される光の量に応じて光半導体素子側面を被覆する蛍光体層の厚さや形状を制御することは困難である。また、光半導体素子上面を被覆するための蛍光体含有樹脂の塗布条件を保ったまま光半導体素子側面を被覆する蛍光体層の被覆厚や被覆形状を制御することは困難である。しかし、蛍光体含有樹脂の塗布条件を一定とすることで蛍光体層の光半導体素子側面における被覆厚および被覆形状の再現性を高めることは可能である。したがって、光半導体素子側面を被覆する蛍光体層の厚さや被覆形状に応じて光半導体素子側面から放出される光の量を制御することにより、光半導体素子の上面と側面の発光色を調和させることは可能である。
光半導体素子側面から放出される光の量を制御するには、図7(a)および(b)に示すように、埋設部33を分断してスリットを形成してスリット幅を制御すればよい。埋設部33の分断されたセグメントの各々は、延伸部32を介してnパッド部31に接続される。埋設部33のセグメントは光半導体素子の角部に配置されることが好ましい。これにより、光半導体素子のより広い領域に電流を拡散させることが可能になる。スリットは光半導体素子の角部ではなく、光半導体素子の側面に設けるのが好ましい。光半導体素子内で反射した光は光半導体素子の角部に集中しやすく、角部から光放出があると光の量を調整することが困難となる。また、蛍光体層の材料である蛍光体含有樹脂の表面張力により光半導体素子の角部の被覆厚は薄くなりやすい。このため、光半導体素子の角部から放出される光は十分に波長変換されず、混色が不十分となりやすい。したがって、スリットは、光半導体素子の角部を避けて光半導体素子の側面の中央部に配置されることが好ましい。光半導体素子の側面を被覆する蛍光体層は、通常、蛍光体含有樹脂の表面張力により角部から中央部に向って厚さがしだいに厚くなる凸形状となる。蛍光体含有樹脂の塗布条件が一定であれば光半導体素子の側面中央部における蛍光体層の厚さが安定しやすい。このような光半導体素子の側面を被覆する蛍光体層の被覆形状に応じて、図7(b)に示すようにスリット幅を変化させてもよい。すなわち、被覆厚が最も厚い光半導体素子の側面中央部においてスリット幅を大きくし、角部に向かうにつれてスリット幅を小さくする。これにより、より広い範囲に亘って光半導体素子の側面と上面の混色光を調和させることが可能となる。
図8(a)は本発明の実施例2に係る光半導体素子2の構成を示す平面図、図8(b)は図8(a)における8b−8b線に沿った断面図である。以下において、光半導体素子2が上記した実施例1に係る光半導体素子と異なる点について説明する。
光半導体素子2は、nパッド部31からの距離が互いに異なる位置に設けられた複数の埋設部33a、33b、33cを有する。埋設部33a、33b、33cは、n型半導体膜22上面の中央に設けられたnパッド部31を囲む矩形環状をなしている。埋設部33a、33b、33cおよびnパッド部31は、n型半導体層22の上面に設けられた延伸部32を介して互いに電気的に接続されている。
nパッド部31から最も遠い最外周の埋設部(周縁埋設部)33cは、切り欠き部20aと重なる位置に配置され、半導体膜20の周縁部においてn型半導体層22の側面に沿って矩形環状に連なっている。埋設部(周縁埋設部)33cの内側に配置される埋設部(内側埋設部)33aおよび33bは、埋設部33cの矩形環状パターンと平行に伸長する矩形環状パターンを有している。埋設部33a、33b、33cの環状パターンを互いに平行とすることにより、隣接する埋設部間の距離が各部において一定となり、局所的な電流集中を防止することが可能となる。埋設部(内側埋設部)33aおよび33bの矩形環状パターンは、図8(a)に示すように、不連続であってもよい。すなわち埋設部33aおよび33bは、複数のセグメントに分割されていてもよい。埋設部(内側埋設部)33aおよび33bのパターンを閉じたループ形状とした場合、光が埋設部の内側に閉じ込められ、埋設部33a、33bを境界とする光取り出し面上の各領域で発光強度が異なるといった問題を生じるおそれがあるが、不連続な環状パターンとすることでそのような問題を回避することができる。
埋設部33a、33b、33cは、n型半導体層22内において互いに異なる深さ位置で終端している。埋設部33a、33b、33cの各々の終端位置は、埋設部の各々からnパッド部31に至るまでの電流経路上の配線抵抗(すなわち配線長)に応じて設定される。すなわち、nパッド部31の近傍に設けられ、nパッド部31に至るまでの配線抵抗が最も小さい埋設部33aは、n型半導体層22内の比較的浅い位置(p電極40から遠い位置)で終端しており、一方、nパッド部31に至るまでの配線抵抗が最も大きい埋設部33cは、n型半導体層22内の比較的深い位置(p電極40に近い位置)で終端している。埋設部33bは、埋設部33aおよび33cの終端位置の中間の深さ位置で終端している。埋設部33a、33b、33cはいずれもn型半導体層22内で終端しており、活性層24には達していない。
図8(b)において半導体膜20内部を流れる電流が破線矢印で示されている。埋設部33cはnパッド部21に至るまでの配線抵抗が最も大きいが、その終端位置をp電極40に最も近づけることにより、半導体膜20の周縁部における電流を埋設部33cに導くことができる。一方、配線抵抗が最も小さい埋設部33aの終端位置をp電極40から最も遠ざけることにより、埋設部33aに導かれる電流量が制限される。このように、nパッド部31に至るまでの配線抵抗に応じて埋設部33a、33b、33cの終端位置を設定することにより、各埋設部に誘導される電流量が制御され、光半導体素子内における電流拡散が促進され、電流密度の均一化を図ることが可能となる。複数の埋設部を半導体膜20内に分散配置することにより、より高精度な電流制御が可能となる。
最外周の埋設部(周縁埋設部)33cは、上記実施例1に係る光半導体素子1と同様、素子側面からの光放出を抑制する遮光壁として機能する。遮光壁としての機能をより高めるために、埋設部33cの矩形環状パターンは連続していることが好ましい。
このように、本実施例に係る光半導体装置によれば、半導体膜20内に複数の埋設部が分散配置されているので、半導体膜20内における電流を柔軟に制御することが可能となる。例えば、上記の如くnパッド部31に至るまでの配線抵抗に応じて各埋設部の終端位置を設定することにより電流拡散の更なる促進を図ることが可能となり、電流密度分布および発光強度分布の均一化に寄与することができる。更に、電流密度分布や発光強度分布の均一化を図る場合だけでなく、これらを任意にコントロールすることが可能となる。例えば、光半導体素子2の上面を被覆する蛍光体層の被覆形状がドーム状である場合、すなわち、半導体膜の中央部における蛍光体層の被覆厚が周縁部よりも厚い場合には、半導体膜20の中央部の電流密度を相対的に高くして発光強度を相対的に高くすれば色ムラの発生を防止することができる。このような電流制御は、例えば、埋設部33aの終端位置を深くしたり、埋設部33aと33bとの間隔を狭くすることにより、半導体膜20の中央部の電流密度を相対的に高くすることができる。
また、本実施例に係る光半導体素子によれば、上記した実施例1の場合と同様、最外周の埋設部(周縁埋設部)33cが遮光壁として機能するので、半導体膜側面からの光放出を抑制され、発光色の色ムラの発生を防止することができる。
(変形例)
図9(a)は、半導体膜20に接合された支持体80を有する光半導体素子2aの構成を示す断面図である。支持体80は例えばドーパント注入により導電性が付与されたSiやGe等の半導体基板により構成される。支持体80は、AuSnはんだを接合材として用いた熱圧着等の手法によりp電極40に接合される。半導体膜20の支持を支持体80が担うことで半導体膜20の厚さを薄くすることができる。特にn型半導体層22を構成するn−GaN結晶層やn−GaN基板を薄くすることにより、半導体膜内で吸収される光の量を減じることができる他、光半導体素子側面の総面積を小さくすることができるので、素子側面からの光放出の更なる抑制が可能となる。また、支持体80を設けることにより絶縁性成長用基板上に半導体膜を結晶成長した後にレーザ照射等により絶縁性成長用基板を剥離・除去するといった従来の製造方法をそのまま適用できる。サファイア基板等の絶縁性成長用基板はn−GaN基板に比べて安価なため材料費の低減につながる。
尚、支持体80は、上記した半導体基板に限らず、Au、Ni、Cu等またはこれらを含む合金のめっき層により構成されていてもよい。例えば、p電極40の形成後、ウエハをめっき浴に投入して電界めっき法により100〜300μm程度の厚みを有するめっき層を形成することができる。
図9(b)は、p電極の構成が上記各実施例と異なる光半導体素子2bの構成を示す断面図である。p電極40aは、半導体膜20の周縁部においてp型半導体層26および活性層24を貫通してn型半導体層22に達し且つ半導体膜20の側面に沿って矩形環状に連なる貫通部42を有する。貫通部42は、切り欠き部20aに代えて半導体膜20の周縁部において半導体膜の側面に沿って矩形環状に連なる溝を形成し、この溝内に絶縁膜50を形成した後、電極材料を充填することにより形成することができる。貫通部42は、n電極の埋設部33cと同様、光半導体素子の側面からの光放出を抑制する遮光壁として機能する。p電極の貫通部42の終端位置をn電極の埋設部33cの終端位置よりもn電極30側に配置することにより、すなわち、p電極の貫通部42とn電極の埋設部33cをオーバラップさせることにより、半導体膜20の側面からの光放出をほぼ完全になくすことが可能となる。本実施例では、n電極の埋設部33cは、p電極の貫通部42よりも外側に配置されているが、p電極の貫通部42を、n電極の埋設部33cよりも外側に配置してもよい。
図10(a)〜(c)はnパッド部、延伸部および埋設部の構成が改変された光半導体素子2c〜2eの斜視図、図10(d)〜(f)はそれぞれ、図10(a)〜(c)における10d−10d線、10e−10e線、10f−10f線に沿った断面図である。上記各実施例において示された光半導体素子は、素子上面の中央に設けられた単一のnパッド部31を有していたが、光半導体素子2c〜2eは、光半導体素子の周縁部寄りに配置された複数のnパッド部を有する。
図10(a)および(d)において示される光半導体素子2cは、光半導体素子2cの中心線(図示せず)からの距離が互いに等しい位置に設けられたnパッド部31aおよび31bを有し且つnパッド部31a、31b、延伸部32、埋設部33a、33b、33cからなるn電極30全体のパターンが線対称となっている。埋設部33a、33b、33cがいずれも矩形環状パターンを有する点は、図8(a)および(b)に示される光半導体素子2と同様である。
nパッド部31aおよび31bは、埋設部33bに直接接続されている。埋設部33bの内側および外側には、延伸部32によって埋設部33bに接続された埋設部33aおよび33cが設けられている。埋設部33a、33b、33cのn型半導体層22内における終端位置は、上記した場合と同様、埋設部の各々からnパッド部31a、31bに至るまでの配線抵抗に応じて定められる。すなわち、nパッド部31aおよび31bに直接接続された埋設部33bは、n型半導体層22内の比較的浅い位置で終端している。nパッド部31aおよび31bに至るまでの配線抵抗が最も大きい埋設部33cは、n型半導体層22内の比較的深い位置で終端している。
図10(b)および(e)において示される光半導体素子2dと、図10(c)および(f)において示される光半導体素子2eは、光半導体素子の中心点からの距離が互いに等しい位置に設けられたnパッド部31aおよび31bを有し、n電極30全体のパターンが点対象となっている。いずれの光半導体素子もnパッド部31aおよび31bが光半導体素子上面の1つの対角線上に設けられ且つ埋設部33bに接続されている。光半導体素子2dにおいては、埋設部33aからnパッド部31aおよび31bに至るまでの配線抵抗は、埋設部33cからnパッド部31aおよび31bに至るまでの配線抵抗よりも小さくなっている。一方、光半導体素子2eにおいては、その関係が逆となっている。埋設部33a、33b、33cのn型半導体層22内における終端位置は、上記した場合と同様、nパッド部31a、31bに至るまでの配線抵抗に応じて定められ、電流拡散の促進および電流密度分布の均一化が図られている。図10(f)に示すように、内側に配置される埋設部33aの終端位置を最も深くする場合には、埋設部33aを切り欠き部20aの底面の深さ位置よりも深い位置で終端させることが可能となり、電流の制御幅を拡大することができる。
このように、単一のnパッド部を光半導体素子上面の中央に設ける場合だけでなく、複数のnパッド部を光半導体素子の周縁部寄りに分散配置する場合においても、nパッド部に至るまでの配線抵抗に応じて各埋設部の終端位置を設定すること等により、光半導体素子内における電流拡散の促進を図ることが可能となる。複数のnパッド部を分散配置することにより、これに接続される延伸部および埋設部を流れる電流も分散されるので、電流分布の均一化が容易となる。更に、nパッド部が光半導体素子の周縁部寄り配置されることによりボンディングワイヤが光半導体素子の上面と重なる面積を低減させることができ、その結果光取り出し効率が向上する。
1、1a、1b 光半導体素子
2、2a〜2e 光半導体素子
10 成長用基板
20 半導体膜
20a 切り欠き部
22 n型半導体層
24 活性層
26 p型半導体層
30 n電極
31、31a、31b nパッド部
32 延伸部
33、33a、33b、33c 埋設部
40、40a p電極
41 側面被覆部
42 貫通部
70 プリント基板
72 ボンディングワイヤ
73 蛍光体層
74 封止樹脂
80 支持基板
100 光半導体装置

Claims (6)

  1. 第一の導電型を有する第一半導体層と、第二の導電型を有する第二半導体層と、前記第一半導体層と前記第二半導体層との間に設けられた活性層と、を含む半導体膜と、
    前記第一半導体層に接続された第一電極と、
    前記第二半導体層に接続され且つ前記第一電極に対向する第二電極と、を含み、
    前記第一電極は、光放出面となる前記第一半導体層の表面に形成され給電配線が接続し得るパッド部と、前記半導体膜の周縁部において前記第一半導体層の内部に埋設された周縁埋設部と、前記光放出面となる前記第一半導体層の表面に形成されて前記パッド部と前記周縁埋設部とを電気的に接続する延伸部と、を有し、
    前記半導体膜は、その周縁部において前記第二半導体層の表面から前記第二半導体層、前記活性層及び前記第一半導体層を除去することにより形成された切り欠き部を有し、
    前記パッド部は、前記周縁埋設部の内側に配され、
    前記周縁埋設部は、前記活性層の形成領域の外側の前記切り欠き部と重なる位置に設けられていることを特徴とする光半導体素子。
  2. 前記周縁埋設部は、前記切り欠き部において表出している前記第一半導体層の表出面に達していることを特徴とする請求項に記載の光半導体素子。
  3. 前記第二電極は、前記切欠き部において表出している前記活性層の側面を覆う側面被覆部を有することを特徴とする請求項に記載の光半導体素子。
  4. 前記第一電極は、前記パッド部に電気的に接続され且つ前記周縁埋設部の内側において前記第一半導体層の内部に埋設された内側埋設部を更に有し、前記周縁埋設部と前記内側埋設部は、前記第一半導体層の内部において互いに異なる深さ位置で終端していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の光半導体素子。
  5. 第一の導電型を有する第一半導体層と、第二の導電型を有する第二半導体層と、前記第一半導体層と前記第二半導体層との間に設けられた活性層と、を含む半導体膜と、
    前記第一半導体層に接続された第一電極と、
    前記第二半導体層に接続され且つ前記第一電極に対向する第二電極と、を含み、
    前記第一電極は、光放出面となる前記第一半導体層の表面に形成され給電配線が接続し得るパッド部と、前記半導体膜の周縁部において前記第一半導体層の内部に埋設された周縁埋設部と、前記光放出面となる前記第一半導体層の表面に形成されて前記パッド部と前記周縁埋設部とを電気的に接続する延伸部と、を有し、
    前記第二電極は、前記半導体膜の周縁部において前記第二半導体層および前記活性層を貫通して前記第一半導体層に達し且つ前記半導体膜の側面に沿って環状に連なる貫通部を有し、
    前記パッド部は、前記周縁埋設部の内側に配されていることを特徴とする光半導体素子。
  6. 請求項1乃至のいずれか1つに記載の光半導体素子を含む光半導体装置であって、
    その主面上に前記光半導体素子を搭載し且つ前記第および第電極に電気的に接続された導体配線を有する実装部と、
    少なくとも前記光半導体素子の上面を被覆する蛍光体層と、
    前記光半導体素子を封止する封止部と、を含むことを特徴とする光半導体装置。
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