JP2005347493A - 半導体発光素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 半導体発光素子の光取り出し効率の向上及び低コスト化を容易に達成できなかった。
【解決手段】 発光機能を有する主半導体領域(2)を支持するための導電性を有する半導体基板(1)の底面に凸部(8)と凹部(7)とを設ける。主半導体領域(2)の主面の中央部分に第1の電極(3)を配置する。半導体基板(1)の下面に第2の電極(4)を配置する。平面的に見て第1の電極(3)を囲むように半導体基板(1)の凸部(8)を決定する。半導体基板(1)の外周側部分の厚みを凸部8を有する中央部分よりも薄くする。
【選択図】 図1
【解決手段】 発光機能を有する主半導体領域(2)を支持するための導電性を有する半導体基板(1)の底面に凸部(8)と凹部(7)とを設ける。主半導体領域(2)の主面の中央部分に第1の電極(3)を配置する。半導体基板(1)の下面に第2の電極(4)を配置する。平面的に見て第1の電極(3)を囲むように半導体基板(1)の凸部(8)を決定する。半導体基板(1)の外周側部分の厚みを凸部8を有する中央部分よりも薄くする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、表示器又はランプ等に使用するための半導体発光素子に関する。
従来の代表的な半導体発光素子は、半導体基板と、この半導体基板の上に配置された発光機能を有する主半導体領域と、主半導体領域の一方の主面に接続された第1の電極と、半導体基板に接続された第2の電極とを備えている。主半導体領域は周知のようにn型クラッド層と呼ばれているn型半導体層と活性層とp型クラッド層と呼ばれているp型半導体層とから成る。主半導体領域で発生した光は第1の電極が形成されている主半導体領域の一方の主面側に取り出される。一方の主面側からの光の取り出し量を多くするために第1の電極は第1の主面の中央部分に配置される。また、後記特許文献1に示すように透明電極を設ける場合には、透明電極の中央部分にボンディング用電極を配置する。
ところで、半導体発光素子に対して、(1)光取り出し効率の向上、(2)低コスト化、(3)放熱性向上、(4)順方向電圧の低減等の要求がある。
光取り出し効率を高めるために、特許文献1に電流ブロック層を設けることが開示されている。電流ブロック層は周知のように半導体発光素子の外周側部分の電流を増大させる機能を有し、光取り出し効率の向上に寄与する。しかし、電流ブロック層は発光半導体領域の表面側の半導体層(例えばp型クラッド層)と異なる導電型の半導体又は絶縁材料で形成されるために、特別な工程が必要になり、必然的にコストが高くなる。
特開平11−4020号公報
光取り出し効率を高めるために、特許文献1に電流ブロック層を設けることが開示されている。電流ブロック層は周知のように半導体発光素子の外周側部分の電流を増大させる機能を有し、光取り出し効率の向上に寄与する。しかし、電流ブロック層は発光半導体領域の表面側の半導体層(例えばp型クラッド層)と異なる導電型の半導体又は絶縁材料で形成されるために、特別な工程が必要になり、必然的にコストが高くなる。
従って、本発明が解決しようとする問題点は、従来技術によって光取り出し効率の向上と低コスト化と放熱性向上とを同時に達成することが困難なことである。そこで、本発明の目的は、上記問題点を解決することができる半導体発光素子を提供することにある。
上記課題を解決することができる本発明は、互いに対向する第1及び第2の主面を有する半導体基板と、一方の主面とこの一方の主面に対向し且つ前記半導体基板の前記第1の主面上に配置された他方の主面とを有し且つ発光機能を有している主半導体領域と、前記主半導体領域の前記一方の主面に接続され且つ前記一方の主面の中央部分に配置された第1の電極と、前記半導体基板の前記第2の主面に接続された第2の電極とを備えた半導体発光素子であって、前記半導体基板の前記第2の主面の前記第1の電極に対向する部分に凸部が設けられ、前記第2の電極は前記第2の主面の前記凸部の表面と前記凸部を囲む凹部との両方に形成されていることを特徴とする半導体発光素子に係わるものである。
なお、請求項2に示すように、前記半導体基板の前記第2の主面の前記凹部の底面が傾斜面又は階段状面に形成され、前記半導体基板の厚みが前記凸部から周縁に向って徐々に又は階段状に薄くなっていることが望ましい。
また、請求項3に示すように、更に、前記主半導体領域の前記一方の主面に配置され且つ前記第1の電極に接続された光透過性導電層を有していることが望ましい。
また、請求項4に示すように、更に、前記半導体基板と前記主半導体領域との間に配置された介在層を有し、前記介在層は前記主半導体領域で発生した光を反射する機能及び前記第1及び第2の電極間の電流通路を形成する機能を有していることが望ましい。
また、請求項5に示すように、前記半導体基板は化合物半導体又はシリコン半導体から成り、前記主半導体領域は化合物半導体から成ることが望ましい。
また、請求項3に示すように、更に、前記主半導体領域の前記一方の主面に配置され且つ前記第1の電極に接続された光透過性導電層を有していることが望ましい。
また、請求項4に示すように、更に、前記半導体基板と前記主半導体領域との間に配置された介在層を有し、前記介在層は前記主半導体領域で発生した光を反射する機能及び前記第1及び第2の電極間の電流通路を形成する機能を有していることが望ましい。
また、請求項5に示すように、前記半導体基板は化合物半導体又はシリコン半導体から成り、前記主半導体領域は化合物半導体から成ることが望ましい。
各請求項の発明によれば次の効果が得られる。
(1) 半導体基板の凸部が第1の電極に対向しているので、第1及び第2の電極の間隔が凸部の分だけ大きくなり、凸部が電流ブロック層として機能する。このため、主半導体領域中の第1の電極に対向する発光機能を有する部分に流れる電流が抑制される。もし、第1の電極に対向する凸部を従来の電流ブロック層と同程度の電流阻止機能を有するように構成した場合には、従来の第1の電極側に設けた特別な材料からなる電流ブロック層が不要になり、特別な材料によって電流ブロック層を形成するための特別な工程が不要になり、半導体発光素子の低コスト化を図ることができる。
(2) 第2の電極は半導体基板の第2の主面の凸部とこの凸部を囲む凹部との両方に形成されているので、良好な放熱性を得ることができ、且つ取付部材に対する電気的及び機械的結合を良好に達成することができる。
(3) 半導体基板の凸部の形成されていない部分は必然的に薄くなり、ここでの順方向電圧の降下、及び熱抵抗が小さくなる。
(1) 半導体基板の凸部が第1の電極に対向しているので、第1及び第2の電極の間隔が凸部の分だけ大きくなり、凸部が電流ブロック層として機能する。このため、主半導体領域中の第1の電極に対向する発光機能を有する部分に流れる電流が抑制される。もし、第1の電極に対向する凸部を従来の電流ブロック層と同程度の電流阻止機能を有するように構成した場合には、従来の第1の電極側に設けた特別な材料からなる電流ブロック層が不要になり、特別な材料によって電流ブロック層を形成するための特別な工程が不要になり、半導体発光素子の低コスト化を図ることができる。
(2) 第2の電極は半導体基板の第2の主面の凸部とこの凸部を囲む凹部との両方に形成されているので、良好な放熱性を得ることができ、且つ取付部材に対する電気的及び機械的結合を良好に達成することができる。
(3) 半導体基板の凸部の形成されていない部分は必然的に薄くなり、ここでの順方向電圧の降下、及び熱抵抗が小さくなる。
次に、図1〜図7を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1〜図2に示す実施例1に従う半導体発光素子としての発光ダイオードは、例えば3−5族化合物半導体の1種であるGaAs(ガリウム砒素)から成る半導体基板1と、発光機能を有している主半導体領域2と、第1の電極3と、第2の電極4とから成る。
半導体基板1は、主半導体領域2のエピタキシャル成長のための基板としての機能、主半導体領域2を機械的に支持するための機能、及び第1及び第2の電極3、4間の電流通路としての機能を有する。この半導体基板1の第1の主面5は平坦面であるが、第1の主面5に対向する第2の主面6は凹部7と凸部8とを有する。半導体基板1の凹部7をエッチングで形成する前の厚さ即ち凸部8の部分における厚さDは好ましくは約250〜500μmの範囲に設定され、この実施例では300μmとされている。半導体基板1の第2の主面6の凹部7及び凸部8のパターン及びこの形成方法の詳細は後述する。
主半導体領域2は、発光機能を有するものであって、一般にn型クラッド層と呼ばれているn型半導体層9と、活性層10と、一般にp型クラッド層と呼ばれているp型半導体層11と、電流拡散機能又はオーミックコンタクト機能又はこれ等の両方を有する補助半導体層12とを有している。従って、n型半導体層9と活性層10とp型半導体層11とによってダブルヘテロ構造の周知の発光機能層が構成されている。なお、1つの層で示されている活性層10を障壁層と井戸層とを交互に複数回繰返して配置した構成の多重量子井戸構造、又は障壁層を対の井戸層で挟んだ構成の単一量子井戸構造等に変形することができる。n型半導体層9、活性層10、p型半導体層11、及び補助半導体層12は半導体基板1の上に順次にエピタキシャル成長させたものであって、半導体基板1の第1の主面5に対してそれぞれ平行に配置されている。従って、主半導体領域2の一方の主面13も半導体基板1の第1の主面5に対して平行であり、主半導体領域2の他方の主面14は半導体基板1の第1の主面5に隣接している。この実施例においては、n型半導体層9がn型のInAlP、活性層10がGaAlP、p型半導体層11がp型のInAlP、補助層がp型のGaAsであるが、これ等の代りに別の3−5族化合物半導体を使用することができる。なお、主半導体領域2から補助半導体層12を省くこと、及び主半導体領域2に更に別の機能を有する半導体層を追加することができる。
第1及び第2の電極3、4間に順方向電圧を印加した時に主半導体領域2の活性層10から光が放射され、これが一方の主面13から取り出される。主半導体領域2の各層9、10、11、12及び半導体基板1は活性層10から発生した光に対して透過性を有する。
第1の電極3はアノード電極及びボンディングパッド電極として機能するものであって、主半導体領域2の一方の主面13の中央部分に配置され、補助半導体領域12にオーミック接触している。即ち、主半導体領域2を図1で鎖線で区画して示されている中央部分15の上に第1の電極3が配置されている。この第1の電極3は例えば金、又はニッケルと金の蒸着等で形成され、且つ活性層10で発生した光を透過させない厚みを有する。主半導体領域2の第1の電極3で覆われていない外周側部分16は活性層10で発生した光を外部に取り出すために有効な部分である。即ち、活性層10から一方の主面13側に向って放射された光は一方の主面13の第1の電極3の無い部分から取り出され、活性層10から他方の主面14側に放射された光の少なくとも一部は半導体基板1及び第2の電極4との一方又は両方で反射して一方の主面13側に戻り、外部に取り出される。また、半導体基板1及び主半導体領域2の側面で反射した光の一部も一方の主面13側に戻り、外部に取り出される。なお、図1では半導体基板1及び主半導体領域2の側面が一方の主面13に対して垂直に示されているが、これ等の一方又は両方を傾斜側面とすることができる。
半導体基板1の第2の主面6の凸部8は第1の電極3に対向する位置に設けられ、図2から明らかなように平面的に見て、即ち一方の主面13の垂直上方から一方の主面13側を見た状態で第1の電極3の全部を囲むように同心円状に形成されている。凸部8は主半導体領域2の形成工程の後又は前において、半導体基板1を選択的にエッチングすることによって形成されている。第2の主面6の凸部8の外周側は凹部7になっている。半導体基板1の凸部8の高さD1は、半導体基板1の厚さDの好ましくは1〜80%、より好ましくは2〜50%、更に好ましくは5〜20%であり且つ好ましくは1〜200μm、より好ましくは2〜100μm、更に好ましくは3〜50μmである。また、第2の主面6の面積Sに対する凸部8の面積S1 の比S1 /Sは好ましくは10〜60%、より好ましくは20〜50%である。凸部8の高さD1 が高くなり過ぎると必然的に凹部7が深くなり過ぎて半導体基板1の強度が低下する。
図1から明らかなように第1の電極3から凸部8を覆う第2の電極4までの第1の最短距離L1 は、第1の電極3から凹部7を覆う第2の電極4までの第2の最短距離L2 よりも長い。このため、第1の最短距離L1 の電流通路(単位断面積の通路)の抵抗値R1 は、第2の最短距離L2 の電流通路(単位断面積の通路)の抵抗値R2 よりも大きい。従って、第1の最短距離L1 の電流通路は第2の最短距離L2 の電流通路よりも電流が流れ難くなり、図1の主半導体領域2の中央部分15における活性層10にも電流が流れ難くなり、第1及び第2の電極3、4間の順方向電流の大部分が外周側部分16の活性層10を通って流れる。
この実施例では、平面的に見て第1の電極3を囲むパターンを有する凸部8の面積は第1の電極3の面積よりも大きい。第1の電極3の面積S3 と電流ブロック機能を有する凸部8の面積S8との比S3 /S8は1/10〜1/1程度に設定される。但し、電流ブロック機能を良好に得るために、S3/S8を1/10〜2/3にすることがより望ましい。また、第1の電極3を形成する時に生じる虞があるマスクずれ、及び凹部7をエッチングによって形成する時に生じる虞があるのマスクずれに基づく第1の電極3と凸部8との対向関係の悪化を防ぐために、S3/S8を2/3〜4/5にすることがより望ましい。しかし、S3 /S8が1よりも大きい場合でも凸部8による電流制限の効果が得られる。また、この実施例では平面的に見て第1の電極3に対向する部分の全てに凸部8が位置しているが、何らかの目的のために第1の電極3に対向する第2の主面6に凸部8のみでなく凹部7の一部を配置することもできる。
第2の電極4は半導体基板1の凹部7と凸部8との両方即ち第2の主面6の全部を覆い且つここにオーミック接触している。この第2の電極4は、金、又は金とゲルマニウム、又は金とゲルマニウムとニッケル等のオーミック接触可能な金属の蒸着又はメッキ又は導電性材料の塗布等で形成され、平坦な下面を有する。
上述から明らかなように実施例1は次の効果を有する。
(1) 半導体基板1の凸部8が平面的に見て第1の電極3を囲むように形成されているので、電流ブロック機能を有する。従って、電流ブロック機能を特別な材料を使用した製造工程を伴なわないで得ることができ、従来の独立した電流ブロック層を有する半導体発光素子に比べてコストの低減を図ることができる。
(2) 半導体基板1の第2の主面6に凹部7が形成されてこの部分で半導体基板1が薄くなっており且つ第2の電極4が半導体基板1の第2の主面6の実質的に全面に形成されているので、第1及び第2の電極3、4間の順方向電圧が低減する。
(3) 凹部7に半導体基板1の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2の電極4が埋め込まれているので、主半導体領域2と第2の電極4の下面との間の熱抵抗が低減し、大電流化による輝度向上を図ることができる。また、電流の大きさが従来と同一の場合には、半導体発光素子の長寿命化を図ることができる。
(1) 半導体基板1の凸部8が平面的に見て第1の電極3を囲むように形成されているので、電流ブロック機能を有する。従って、電流ブロック機能を特別な材料を使用した製造工程を伴なわないで得ることができ、従来の独立した電流ブロック層を有する半導体発光素子に比べてコストの低減を図ることができる。
(2) 半導体基板1の第2の主面6に凹部7が形成されてこの部分で半導体基板1が薄くなっており且つ第2の電極4が半導体基板1の第2の主面6の実質的に全面に形成されているので、第1及び第2の電極3、4間の順方向電圧が低減する。
(3) 凹部7に半導体基板1の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する第2の電極4が埋め込まれているので、主半導体領域2と第2の電極4の下面との間の熱抵抗が低減し、大電流化による輝度向上を図ることができる。また、電流の大きさが従来と同一の場合には、半導体発光素子の長寿命化を図ることができる。
次に、図3を参照して実施例2の半導体発光素子を説明する。実施例2の半導体発光素子は、実施例1の半導体発光素子の半導体基板1の第2の主面6の形状を図3に変形した他は実施例1と同一に形成したものである。従って、実施例2を示す図3、及び後述する実施例3〜6を示す図4〜図7において図1及び図2と実質的に同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図3の変形された半導体基板1aは図1と同様に凸部8を第2の主面6側に有し、この外周側に凹部7を有するが、この凹部7の底面が傾斜している。即ち、半導体基板1aの凸部8と凹部7とを含む領域は、椀型で形成されている。従って、半導体基板1aの厚みは中央の凸部8から外周側に向うに従って徐々に薄くなっている。この傾斜底面を有する凹部7はエッチング又は切削によって形成できる。なお、図3の実施例2の場合には図3の実施例2の場合には半導体基板1a及び主半導体領域2の平面形状を円形にすることが望ましい。
図3の実施例2は、凸部8を有するので図1の実施例1と同一の効果を有し、更に、半導体基板1aの厚みが外周側に向うに従って徐々に薄くなるので、活性層10の外周部分16に属する領域の電流分布の均一性を高めることができるという効果も有する。
図4の実施例3の半導体発光素子は、変形された半導体基板1bを有する他は図1と同一に形成されている。図4の半導体基板1bは図1及び図3と同様に凸部8を有し且つ凹部7も有する。しかし、図4の凹部7は半導体基板1bの厚みが凸部8から外側端に向って階段状に薄くなっている。この階段状底面を有する凹部7は複数回のエッチング又は切削によって形成できる。
実施例3は凸部8を有するので実施例1と同一の効果を有する。また、実施例3の半導体基板1bの厚みが外周端に向って薄くなっているので、実施例2と同様な効果、即ち活性層10の外周部分16に属する領域の電流分布が均一になる効果を得ることができる。
図5に示す実施例4の半導体発光素子は、実施例1の半導体基板1の材料と主半導体領域2の材料及び構成を変形し、この他は実施例1と同一に構成したものである。
図5の変形された半導体基板1cは導電性を有するp型シリコン基板から成る。シリコン半導体基板1cは、この上にn型バッファ領域60が配置されているにも拘らず、これとは逆の導電型を有している。このシリコン半導体基板1cにはp型不純物即ちアクセプタ不純物として機能する例えばB(ボロン)等の3族の元素が例えば5×1018cm-3〜5×1018cm-3程度の濃度でドーピングされている。従って、シリコン半導体基板1cは、0.0001Ω・cm〜0.01Ω・cm程度の低い抵抗率を有している導電性基板であって、第1及び第2の電極3、4間の電流通路として機能する。また、このシリコン半導体基板1cは、この主半導体領域2a等の機械的支持基板として機能することができる厚み、例えば350nmを有する。
この実施例の主半導体領域2aはバッファ層60とn型半導体領域9aと活性層10aとp型半導体領域11aと補助半導体領域12aとから成る。なお、バッファ層60を主半導体領域2aから除外して独立に示すこともできる。
p型シリコン半導体基板1cの上に配置されたn型バッファ層60は、n型不純物(ドナー不純物)を含み且つ3族の元素と窒素とから成るn型窒化物半導体、例えば化学式AlaInbGa1-a-bN、ここでa及びbは0≦a<1、0≦b<1、を満足する数値、で示されるn型窒化物半導体から成る。p型シリコン半導体基板1cに3族元素を含んでいるn型窒化物半導体をエピタキシャル成長させてn型バッファ領域60を形成すると、n型バッファ層60の3族元素がp型シリコン半導体基板1cに拡散して3族元素拡散領域が生じる。この3族元素拡散領域はp型シリコン半導体基板1aの3族元素拡散領域が形成されていない部分よりも低い抵抗率のp型半導体領域である。
バッファ領域60は、主としてシリコン半導体基板1cの面方位をこの上にエピタキシャル成長法で形成する窒化物半導体領域に良好に受け継がせるためのバッファ機能を有する。このバッファ機能を良好に発揮するために、バッファ層60は10nm以上の厚さを有していることが望ましい。但し、バッファ層60のクラックを防止するために、バッファ層60の厚みを500nm以下にするのが望ましい。
バッファ層60とシリコン半導体基板1cとの境界領域に、図示が省略されている合金化領域又は障壁低減領域が生じる。これにより、p型シリコン半導体基板1cとn型バッファ層60との間の電圧降下は比較的小さい。即ち、n型シリコン半導体基板の上にn型バッファ層60を形成する場合よりも電圧降下が小さくなる。
主半導体領域2aのn型半導体層9aは、例えば化学式AlxInyGa1-x-y N、ここでx及びyは0≦x<1、0≦y<1、を満足する数値、で示される窒化物半導体にn型不純物をドーピングしたもので形成される。この実施例ではn型半導体層9aが化学式のx=0、y=0に相当するn型GaNから成り、厚さ約2μmを有する。
活性層10aは、例えば化学式AlxInyGa1-x-yN、ここでx及びyは0≦x<1、0≦y<1、を満足する数値、で示される窒化物半導体で形成される。この実施例では活性層10aが窒化ガリウム、インジウム(InGaN)で形成されている。なお、図5では活性層10aが1つの層で概略的に示されているが、実際には周知の多重量子井戸構造を有している。勿論、活性層10aを1つの層で構成することもできる。また、この実施例では活性層10aに導電型決定不純物がドーピングされていないが、p型又はn型不純物をドーピングすることができる。
活性層10aの上に配置されたp型半導体層11aは、例えば化学式Alx InyGa1-x-yN、ここでx及びyは0≦x<1、0≦y<1、を満足する数値、で示される窒化物半導体にp型不純物をドーピングしたもので形成され、p型クラッド層として機能する。この実施例では、p型導体層11aが厚さ500nmのp型GaNで形成されている。
p型半導体層11aの上の補助半導体層12aは、p型半導体層11aよりも不純物濃度が高いp型GaNから成る。
p型半導体層11aの上の補助半導体層12aは、p型半導体層11aよりも不純物濃度が高いp型GaNから成る。
図5の実施例においても、シリコン半導体基板1cの第2の主面6及び第2の電極4が実施例1と同一のパターンに形成されているので、実施例1と同一の効果を得ることができる。
なお、図5のシリコン半導体基板1cの第2の主面6のパターンを図3及び図4に示すように変形することができる。また、p型シリコン半導体基板1cの代りにn型シリコン半導体基板を使用することもできる。
なお、図5のシリコン半導体基板1cの第2の主面6のパターンを図3及び図4に示すように変形することができる。また、p型シリコン半導体基板1cの代りにn型シリコン半導体基板を使用することもできる。
図6の実施例5の半導体発光素子は図1に反射機能を有する介在層70を付加し、この他は図1と同一に構成したものである。この介在層70はn型半導体層9と半導体基板1との間に配置された周知のブラッグ(Bragg)反射領域であって、例えばGaAs膜とInAlP膜とのペアの複数から成る。この介在層70は活性層10から下方に放射された光を上方に反射する機能を有する。また、介在層70は導電性を有するので、第1及び第2の電極3、4間の電流通路を形成する。
なお、介在層70を金属反射層に置き換えることができる。この場合には主半導体領域の下面に金属反射層を予め形成し、この金属反射層に対して半導体基板1を周知の方法で貼り付ける。
なお、介在層70を金属反射層に置き換えることができる。この場合には主半導体領域の下面に金属反射層を予め形成し、この金属反射層に対して半導体基板1を周知の方法で貼り付ける。
図6の実施例5においても、半導体基板1及び第2の電極4が図1と同一に形成されているので、実施例1と同一の効果を得ることができる。また、実施例5によれば反射機能を有する介在層70の働きで光取り出し効率を向上させることができる。
なお、図6の介在層70又はこれと同様なものを、図3、図4、及び図5の実施例にも適用することができる。
なお、図6の介在層70又はこれと同様なものを、図3、図4、及び図5の実施例にも適用することができる。
図7に示す実施例6の半導体発光素子は、図1に光透過性導電層3aを追加し、この他は図1と同一に形成したものである。
光透過性導電層3aは一般に透明電極と呼ばれるものであって、主半導体領域2の一方の主面13の全体に配置され且つ第1の電極3に電気的に接続されている。光透過性導電層3aは例えば酸化イジュウム(In2O3)と酸化錫(SnO2)との混合物から成り、活性層10から放射された光を透過させる機能を有すると共に導電性を有する。従って、光透過性導電層3aは主半導体領域2の外周側部分16の電流の増大に寄与する。
なお、図7の光透過性導電層3aを図3、図4、図5及び図6の実施例にも適用することができる。
なお、図7の光透過性導電層3aを図3、図4、図5及び図6の実施例にも適用することができる。
本発明は上述の実施例に限定されているものではなく、例えば次の変形が可能なものである。
(1) 半導体基板1〜1cの第2の主面6に中央の凸部8の他に半導体基板1〜1cの第2の主面6の配置の安定性向上等のための別の凸部を設けることができる。
(2) 半導体基板1〜1c及び主半導体領域2〜2aの導電型を各実施例と逆にすることができる。
(1) 半導体基板1〜1cの第2の主面6に中央の凸部8の他に半導体基板1〜1cの第2の主面6の配置の安定性向上等のための別の凸部を設けることができる。
(2) 半導体基板1〜1c及び主半導体領域2〜2aの導電型を各実施例と逆にすることができる。
1、 1a 半導体基板
2、 2a 主半導体領域
3 第1の電極
4 第2の電極
5 第1の主面
6 第2の主面
7 凹部
8 凸部
13 一方の主面
14 他方の主面
15 中央部分
16 外周側部分
2、 2a 主半導体領域
3 第1の電極
4 第2の電極
5 第1の主面
6 第2の主面
7 凹部
8 凸部
13 一方の主面
14 他方の主面
15 中央部分
16 外周側部分
Claims (5)
- 互いに対向する第1及び第2の主面を有する半導体基板と、
一方の主面とこの一方の主面に対向し且つ前記半導体基板の前記第1の主面上に配置された他方の主面とを有し且つ発光機能を有している主半導体領域と、
前記主半導体領域の前記一方の主面に接続され且つ前記一方の主面の中央部分に配置された第1の電極と、
前記半導体基板の前記第2の主面に接続された第2の電極と
を備えた半導体発光素子であって、
前記半導体基板の前記第2の主面の前記第1の電極に対向する部分に凸部が設けられ、
前記第2の電極は前記第2の主面の前記凸部の表面と前記凸部を囲む凹部との両方に形成されていることを特徴とする半導体発光素子。 - 前記半導体基板の前記第2の主面の前記凹部の底面が傾斜面又は階段状面に形成され、前記半導体基板の厚みが前記凸部から周縁に向って徐々に又は階段状に薄くなっていることを特徴とする請求項1記載の半導体発生素子。
- 更に、前記主半導体領域の前記一方の主面に配置され且つ前記第1の電極に接続された光透過性導電層を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体発光素子。
- 更に、前記半導体基板と前記主半導体領域との間に配置された介在層を有し、前記介在層は前記主半導体領域で発生した光を反射する機能及び前記第1及び第2の電極間の電流通路を形成する機能を有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体発光素子。
- 前記半導体基板は化合物半導体又はシリコン半導体から成り、前記主半導体領域は化合物半導体から成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体発光素子。
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-
2004
- 2004-06-02 JP JP2004164945A patent/JP2005347493A/ja active Pending
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