以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸を適宜用いる。鉛直方向は、Y軸の方向であって、水平面は、X−Z平面となる。
(第1の実施形態)
本実施形態に係る制御システム10は、センサによって検出された照度や温湿度に基づいて、部屋20内の照明環境及び空気環境を調整するシステムである。図1に示されるように、制御システム10は、照明装置L1〜L4、空調装置A1〜A3、検出器D1〜D4、及び集中コントローラ30を有している。
照明装置L1〜L4それぞれは、例えば、部屋20の天井に取り付けられたLED(Light Emitting Diode)照明である。照明装置L1〜L4それぞれは、その高さが互いに等しくなるように、所定の位置に設置される。また、照明装置L1〜L4それぞれは、集中コントローラ30とケーブル21で接続され、集中コントローラ30から指示された明るさの照明光を部屋20内に照射する。
照明装置L1は、図2に示されるように、調光部L11及び光源L12を有している。光源L12は、例えばLED電球から構成され、等方的に光を射出する拡散性の光源である。また、調光部L11は、外部からの指示に従って、光源L12の光度を0%、50%、及び100%の3段階のいずれかに調節する。0%の光度は、光源L12が発光していないときの光度であって、100%の光度は、光源L12が発光可能な最大の光度である。50%の光度は、0%と100%の中間の光度である。
照明装置L2〜L4それぞれは、照明装置L1と同様の構成を有している。以下では、照明装置L1〜L4それぞれの光源の光度を、照明装置L1〜L4それぞれから射出される光の明るさを表す尺度として用いる。
空調装置A1〜A3それぞれは、例えば、部屋20の天井に取り付けられた業務用のエアーコンディショナーである。なお、空調装置A1〜A3は、部屋20の空気を調和するための空気を吹き出す吹き出し口を備える設備であればよい。例えば、セントラル方式の空調システムにおける吹き出し口が、空調装置A1〜A3の位置に配置されていてもよい。
図1に示されるように、空調装置A1は、照明装置L1、L2の間に設置される。また、空調装置A2は、照明装置L2、L3の間に設置され、空調装置A3は、照明装置L3、L4の間に設置される。空調装置A1〜A3それぞれは、集中コントローラ30とケーブル21で接続され、集中コントローラ30の指示に従って、送風の温湿度や風向、風量等を調節する。
検出器D1〜D4それぞれは、例えば部屋20の床に設置され、光の照度と空気の状態とを検出する。検出器D1〜D4の位置は任意である。制御システム10の使用者(以下、単に使用者という)は、必要に応じて検出器D1〜D4を移動してもよい。ただし、検出器D1〜D4それぞれは、その高さが互いに等しくなるように配置される。
検出器D1は、図3に示されるように、照度センサD11、温度センサD12、湿度センサD13、制御部D14、及び通信部D15を有している。
照度センサD11は、例えばフォトダイオード等から構成される。検出器D1には、水平な受光面が配設されており、照度センサD11は、この受光面に入射した光の照度を検出する。なお、検出器D1〜D4それぞれの受光面と、照明装置L1〜L4それぞれの光源とのY軸方向の距離は、図1に示されるように一定となる。この距離を、以下では高さhと表記する。
温度センサD12は、例えば熱電対又はサーミスタ等から構成され、検出器D1の周囲にある空気の温度を検出する。湿度センサD13は、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)からなる多孔質誘電体の静電容量を検出することで、検出器D1の周囲にある空気の湿度を検出する。検出器D1は、温度センサD12及び湿度センサD13を用いて、空気の状態として温湿度を検出する。
制御部D14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はマイコンと、プログラムが記録されたROM(Read Only Memory)等から構成される。制御部D14は、照度センサD11、温度センサD12、及び湿度センサD13による検出の結果を、通信部D15を介して集中コントローラ30へ通知する。
通信部D15は、制御部D14と集中コントローラ30との通信を中継する。通信部D15は、例えば無線LAN(Local Area Network)やZigBee(登録商標)等の規格に従って、集中コントローラ30と無線通信を行う。
集中コントローラ30は、例えば、部屋20の壁に取り付けられたリモートコントロール装置である。集中コントローラ30は、図4に示されるように、プロセッサ31、主記憶部32、補助記憶部33、通信部34、及び入出力部35を有している。主記憶部32、補助記憶部33、通信部34、及び入出力部35はいずれも内部バス36を介してプロセッサ31に接続されている。
プロセッサ31は、例えばCPU等から構成され、補助記憶部33に記憶される各種プログラムに従って、後述の処理を実行する。主記憶部32は、例えばRAM(Random Access Memory)等から構成され、補助記憶部33に記憶される各種プログラムをロードし、プロセッサ31の作業領域として用いられる。
補助記憶部33は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリから構成される。補助記憶部33は、制御プログラム41、位置推定プログラム42、光度照度DB(Database)43、その他のデータを記憶する。補助記憶部33が記憶するデータには、照明装置L1〜L4及び空調装置A1〜A3の位置が含まれる。補助記憶部33は、プロセッサ31の指示に従って、プロセッサ31が利用するデータをプロセッサ31に供給し、プロセッサ31から供給されたデータを記憶する。
図5には、補助記憶部33に記憶される光度照度DB43が示されている。図5に示されるように、光度照度DB43は、照明装置L1〜L4それぞれから照射される光の光度と、検出器D1〜D4それぞれによって検出された照度とを、対応づけて記憶する。光度照度DB43は、後述の処理によって作成される。
通信部34は、プロセッサ31と、照明装置L1〜L4、空調装置A1〜A3、及び検出器D1〜D4との通信を中継する。通信部34は、ケーブル21を介して、照明装置L1〜L4及び空調装置A1〜A3と有線通信を行う。また、通信部34は、所定の規格に従って、検出器D1〜D4と無線通信を行う。
入出力部35は、入力キーや操作ボタン等の入力デバイス、及びLCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等の出力デバイスから構成される。入出力部35は、使用者によって入力された指示を、プロセッサ31へ通知する。また、入出力部35は、プロセッサ31の指示に従って、使用者に対して種々の情報を提示する。
続いて、集中コントローラ30のプロセッサ31によって実行される処理について、図5〜11を用いて説明する。プロセッサ31は、制御プログラム41を実行することにより、図6に示される処理を実行する。
まず、プロセッサ31は、位置推定プログラム42を実行することにより、図6に示される光度照度DB作成処理S1、及び位置推定処理S2を順に実行する。光度照度DB作成処理S1では、例えば、図5に示された光度照度DB43が作成される。そして、位置推定処理S2では、作成された光度照度DB43に基づいて、検出器D1〜D4の位置が推定される。
光度照度DB作成処理S1では、プロセッサ31は、図7に示されるように、まず、リファレンス用の光度を設定する(ステップS11)。具体的には、プロセッサ31は、図5の「ケース1」に示されるように、照明装置L1〜L4それぞれに対して、光度を50%にするように指示する。
次に、プロセッサ31は、検出器D1〜D4によって検出された照度を取得する(ステップS12)。これにより、図5に示される「ケース1」には、検出器D1〜D4それぞれによって検出された照度「400(lx)」が追加される。
次に、プロセッサ31は、照明装置L1〜L4のうち1台の光度を100%に変更する(ステップS13)。例えば、ステップS13が最初に実行される場合に、プロセッサ31は、図5の「ケース2」に示されるように、照明装置L1の光度を100%に変更する。なお、照明装置L2〜L4の光度は、50%のまま変更されない。
次に、プロセッサ31は、検出器D1〜D4によって検出された照度を取得して、光度照度DB43に記憶させる(ステップS14)。これにより、図5の「ケース2」に示されるデータが、光度照度DB43に追加される。なお、ステップS14にてプロセッサ31が取得する照度は、検出器D1〜D4それぞれが1回だけ検出した結果であってもよいし、検出器D1〜D4それぞれが複数回検出した結果の平均であってもよい。
次に、プロセッサ31は、ステップS13にて変更された光度を、リファレンス用の光度に戻す(ステップS15)。これにより、照明装置L1〜L4それぞれの光度は、50%となる。
そして、プロセッサ31は、照明装置L1〜L4すべての光度を変更したか否かを判定する(ステップS16)。
ステップS16の判定が否定された場合(ステップS16;No)、プロセッサ31は、ステップS13〜S16を繰り返す。例えば、ステップS13〜S16の実行が2回目である場合に、プロセッサ31は、照明装置L2の光度を変更して、図5の「ケース3」に示されるデータを光度照度DB43に追加する。また、3回目の実行では、図5の「ケース4」に示されるデータが追加され、4回目の実行では、「ケース5」に示されるデータが追加される。これにより、照明装置L1〜L4すべての光度が1度ずつ変更される。
ステップS16の判定が肯定された場合(ステップS16;Yes)、プロセッサ31は、光度照度DB作成処理S1を終了する。
光度照度DB作成処理S1に続いて、プロセッサ31は、位置推定処理S2を実行する。ここで、光度照度DB43に記憶された光度と照度との関係を説明する
以下では、図8に示されるように、拡散性の光源LSから距離r(m)だけ離間する微小面dFに、光が照射されると仮定する。照度は、単位面積あたりの光束の量を表す。したがって、微小面dFの面積を微小面積dA(m2)とし、微小面dFに照射される光束をdφ(lm)とすると、微小面dFにおける照度E(lx)は、次式(1)で示される。
また、微小面dFに照射される光がなす立体角をdΩ(sr)とすると、光束dφを用いて、光源LSから射出される光の光度I(lm/sr)は、次式(2)で示される。
また、立体角dΩは、微小面積dA及び距離rを用いて、次式(3)で示される。
上記式(1)〜(3)に基づいて、照度Eは、光度I及び距離rを用いて、次式(4)で示される。
式(4)に示されるように、照度Eは、光度Iに比例し、距離rの二乗に反比例する。ただし、上記式(4)は、図8に示されるように、微小面dFが光の進行方向に直交する場合に導かれる式である。微小面dFに光が入射角θで入射する場合は、入射角θに応じて照度Eが変化する。
図9には、光源LSから射出された光が、入射角θで微小面dF1に入射する場合が示されている。この場合において、光源LSが拡散性点光源であるときに、微小面dF1における照度EF1は、EF1=EF0・cos3θという式で示されることが一般に知られている。なお、照度EF0は、光源LSの直下に位置する微小面dF0における照度を示す。また、光源LSが均等拡散光源であるときに、照度EF1は、EF1=EF0・cos4θという式で示されることが一般に知られている。
照度EF1は、以上のように、入射角θに依存する指向特性を有している。この指向特性は、0度≦θ<90度の範囲内で単調減少する関数f(θ)を用いて表される。関数f(θ)は、θが0度のときに1となり、θが90度のときにゼロとなる関数である。例えば、光源LSが指向性の強いLED等である場合に、入射角θが増加すると、関数f(θ)は急激に減少する。この関数f(θ)を用いると、照度EF1は、次式(5)で示される。
図10には、N個の光源LS1〜LSNそれぞれから射出された光が、入射角θLS1〜θLSNで微小面dF1に入射する場合が示されている。この場合に、照度EF1は、光源LS1〜LSNそれぞれから射出された光によって規定される照度ELS1F1〜ELSNF1の和となる。したがって、光源LS1〜LSNそれぞれの光度をILS1〜ILSNとし、照度ELS1F1〜ELSNF1それぞれの指向特性をfLS1(θ)〜fLSN(θ)とし、光源LS1〜LSNそれぞれの高さをrLS1〜rLSNとすると、照度EF1は、次式(6)で示される。
以下では、本実施形態に係る照明装置L1から射出された光が検出器D1の受光面に入射するときの入射角を、入射角θL1D1と表記する。同様に、照明装置L1〜L4の符号と検出器D1〜D4の符号とを続けて「θ」に添えることで、照明装置L1〜L4それぞれから射出された光が、検出器D1〜D4それぞれの受光面に入射するときの入射角を表記する。
また、検出器D1〜D4それぞれによって検出される照度を、照度ED1〜ED4と表記する。本実施形態において、照度ED1〜ED4それぞれは、関数f(θ)で示される共通の指向特性を有する。
また、係数αL1〜αL4と光度IMAXとを用いて、照明装置L1〜L4それぞれから照射される光の光度を、αL1・IMAX〜αL4・IMAXと表記する。係数αL1〜αL4それぞれは、照明装置L1〜L4それぞれの光度が0%であるときにはゼロとなり、光度が50%であるときには0.5となり、光度が100%であるときには1となる。光度IMAXは、照明装置L1〜L4が発光可能な最大の光度である。
上記式(6)より、本実施形態に係る照度ED1は、次式(7)で示される。
上記式(7)は、図5の光度照度DB43に示される照明装置L1〜L4の光度と、検出器D1によって検出された照度との関係を示している。また、上記式(7)と同様にして、照明装置L1〜L4の光度と、検出器D2〜D4によって検出された照度ED2〜ED4との関係を示す式を導くことができる。
図5の「ケース1」に示される場合に、係数αL1〜αL4はいずれも0.5である。以下、「ケース1」に示される場合における係数αL1及び照度ED1を、便宜的に係数αL1C1及び照度ED1C1と表記する。また、「ケース2」に示される場合における係数αL1及び照度ED1を、便宜的に係数αL1C2及び照度ED1C2と表記する。
照度ED1C1、ED1C2は、上記式(7)に基づいて、以下の式(8)、(9)で示される。
上記式(8)、(9)に基づいて、照度ED1C1と照度ED1C2との差は、次式(10)で示される。
上記式(10)のうち、照度ED1の変化量を示す|ED1C2−ED1C1|の値、及び係数αL1の変化量を示す|αL1C2−αL1C1|の値は、光度照度DB43を参照して直接的に算出することができる。
図11に示されるように、プロセッサ31は、位置推定処理S2において、まず、光度照度DB43に基づいて、係数Pを算出する(ステップS21)。係数Pは、照明装置L1〜L4それぞれの光度の変化量と、検出された照度ED1〜ED4それぞれの変化量との比を示す。例えば、プロセッサ31は、照明装置L1の光度の変化量と、照度ED1の変化量との比を示す係数PL1D1を、次式(11)を用いて算出する。
以下では、入射角θと同様に、照明装置L1〜L4の符号と検出器D1〜D4との符号を用いて、係数Pを表記する。係数PL1D1と同様にして、プロセッサ31は、図5の「ケース1」に示される照度ED1C1と、「ケース3」に示される照度ED1C3との差を求めることにより、係数PL2D1を算出する。同様に、プロセッサ31は、係数PL3D1、PL4D1や、係数PL1D2〜PL4D2、PL1D3〜PL4D3、PL1D4〜PL4D4を算出する。
なお、本実施形態に係る光度照度DB43に基づいて、プロセッサ31により算出される係数PL1D1の値は、次式(12)で示される。
また、プロセッサ31は、係数PL2D1の値を200と算出し、係数PL3D1及び係数PL4D1の値を0と算出する。
係数PL1D1を用いると、上記式(10)を変形することで、関数f(θL1D1)は次式(13)で示される。
関数f(θL1D1)と同様にして、係数PL2D1を用いて関数f(θL2D1)を示すことができる。また、係数PL3D1、PL4D1を用いて、関数f(θL3D1)、f(θL4D1)を示すことができる。さらに、係数PL1D2〜PL4D2、PL1D3〜PL4D3、PL1D4〜PL4D4それぞれを用いて、関数f(θL1D2)〜f(θL4D2)、f(θL1D3)〜f(θL4D3)、f(θL1D4)〜f(θL4D4)それぞれを示すことができる。
ステップS21に続いて、プロセッサ31は、関数f(θ)の大小関係を求める(ステップS22)。例えば、プロセッサ31は、関数f(θL1D1)〜f(θL4D1)の大小関係を求める。ここで、上記式(13)のうち、高さh及び光度IMAXは、照明装置L1〜L4及び検出器D1〜D4に依存しない一定の値である。このため、関数f(θL1D1)〜f(θL4D1)の大小関係は、係数PL1D1〜PL4D1の大小関係に対応するものとなる。
具体的には、光度照度DB43に基づいて算出された係数PL1D1〜PL4D1の値の大小関係は、次式(14)で示される。
上記式(14)に基づいて、プロセッサ31は、次式(15)で示される関数f(θL1D1)〜f(θL4D1)の大小関係を求める。
さらに、プロセッサ31は、関数f(θL1D1)〜f(θL4D4)の任意の組み合わせについても、関数f(θL1D1)〜f(θL4D1)と同様に大小関係を求める。
ステップS22に続いて、プロセッサ31は、入射角θの大小関係を求める(ステップS23)。例えば、プロセッサ31は、入射角θL1D1〜θL4D1の大小関係を求める。ここで、関数f(θ)は単調減少関数であるため、プロセッサ31は、上記式(15)に基づいて、次式(16)で示される入射角θL1D1〜θL4D1の大小関係を求める。
さらに、プロセッサ31は、入射角θL1D1〜θL4D4の任意の組み合わせついても、入射角θL1D1〜θL4D1と同様に大小関係を求める。
ステップS23に続いて、プロセッサ31は、照明装置L1〜L4を基準としたときの検出器D1〜D4の位置を推定する(ステップS24)。
照明装置L1と検出器D1との水平面における距離が小さいほど、入射角θL1D1は小さくなる。同様に、照明装置L2〜L4それぞれと検出器D1との水平面における距離が小さいほど、入射角θL2D1〜θL4D1それぞれは小さくなる。したがって、プロセッサ31は、上記式(16)に基づいて、照明装置L1〜L4のうち照明装置L1が検出器D1に最も近いと推定する。
なお、関数f(θL3D1)、f(θL4D1)の値はともにゼロであったため、上記式(16)において、入射角θL3D1、θL4D1の大小関係は明らかではない。
また、プロセッサ31は、次式(17)で示される入射角θL1D2〜θL4D2の大小関係に基づいて、検出器D2の位置を推定する。
具体的には、プロセッサ31は、上記式(17)に基づいて、照明装置L1〜L4のうち照明装置L2が検出器D2に最も近いと推定する。また、プロセッサ31は、照明装置L1と検出器D2との水平面における距離が、照明装置L3と検出器D2との水平面における距離に等しいと推定する。
なお、上記式(17)において入射角θL1D2、θL3D2が等しくない場合であっても、入射角θL1D2、θL3D2の差が所定の閾値以下であるときに、プロセッサ31は、照明装置L1と検出器D2との水平面における距離が、照明装置L3と検出器D2との水平面における距離に等しいと推定してもよい。
さらに、プロセッサ31は、入射角θL1D3〜θL4D3、θL1D4〜θL4D4に基づいて、検出器D3、D4の位置を推定する。また、プロセッサ31は、入射角θL1D1〜θL4D4の任意の組み合わせについて求められた大小関係に基づいて、検出器D1〜D4の位置を推定する
ステップS24に続いて、プロセッサ31は、空調装置A1〜A3を基準としたときの検出器D1〜D4の位置を推定する(ステップS25)。具体的には、プロセッサ31は、補助記憶部33に記憶されている照明装置L1〜L4及び空調装置A1〜A3の位置を用いて、ステップS24にて推定された位置を変換する。
例えば、ステップS24において、照明装置L1〜L4のうち照明装置L1が、検出器D1に最も近いと推定された。この照明装置L1は、空調装置A1よりも−X側に設置されている。したがって、プロセッサ31は、検出器D1が空調装置A1よりも−X側に配置されていると推定する。
また、ステップS24において、照明装置L1〜L4のうち照明装置L2が、検出器D2に最も近いと推定された。この照明装置L2は、空調装置A1、A2の間に設置されている。したがって、プロセッサ31は、X軸方向において、検出器D2が空調装置A1、A2の間に配置されていると推定する。
そして、プロセッサ31は、位置推定処理S2を終了する。
図6に戻り、プロセッサ31は、使用者による入力の有無を判定する(ステップS3)。具体的には、プロセッサ31は、照明環境や空調環境を調整するための指示が入力されたか否かを判定する。照明環境を調整するための指示は、例えば、部屋20全体の明るさを所定の明るさに設定するという指示である。また、空調環境を調整するための指示は、例えば、部屋20全体の温湿度を所定の温湿度に設定するという指示である。
入力がないと判定された場合(ステップS3;No)、プロセッサ31は、ステップS7へ処理を移行する。
入力があると判定された場合(ステップS3;Yes)、プロセッサ31は、検出器D1〜D4による検出の結果を新たに取得する(ステップS4)。
次に、プロセッサ31は、ステップS3にて入力された指示に従って、照明装置L1〜L4を制御する(ステップS5)。この制御では、ステップS4にて取得された検出結果が用いられる。また、プロセッサ31は、位置推定処理S2のステップS24で推定された位置に基づいて制御を行う。
例えば、照度ED1が照度ED2〜ED4より大きい場合に、プロセッサ31は、窓22から差し込む外光の影響で、検出器D1付近の照度が大きくなっていると判別する。そして、プロセッサ31は、照度ED1〜ED4それぞれが互いに等しくなるように、検出器D1の近くに位置する照明装置L1を制御する。
なお、ステップS3にて照明環境を調整するための指示が入力されなかった場合に、プロセッサ31は、照明装置L1〜L4を制御することなく、ステップS6へ処理を移行する。
次に、プロセッサ31は、ステップS3にて入力された指示に従って、空調装置A1〜A3を制御する(ステップS6)。この制御では、ステップS4にて取得された検出結果が用いられる。また、プロセッサ31は、位置推定処理S2のステップS25で推定された位置に基づいて制御を行う。
例えば、検出器D2によって検出された温度が、指示された温度より高い場合に、プロセッサ31は、検出器D2の近くに位置する空調装置A1、A2を制御する。これにより、空調装置A1、A2は、検出器D2の周辺へ冷風を送る。また、検出器D4によって検出された湿度が、検出器D1〜D3によって検出された湿度よりも高い場合に、プロセッサ31は、検出器D4の近くに位置する空調装置A3に、除湿を行わせる。
なお、ステップS3にて空調環境を調整するための指示が入力されなかった場合に、プロセッサ31は、空調装置A1〜A3を制御することなく、ステップS7へ処理を移行する。
次に、プロセッサ31は、現在時刻が所定の時刻であるか否かを判定する(ステップS7)。所定の時刻は、例えば午前6時である。現在時刻が所定の時刻ではないと判定された場合(ステップS7;No)、プロセッサ31は、ステップS3〜S7を繰り返す。
現在時刻が所定の時刻であると判定された場合(ステップS7;Yes)、プロセッサ31は、ステップS1〜S7を繰り返す。これにより、光度照度DB作成処理S1及び位置推定処理S2は、1日に1度実行される。
以上説明したように、本実施形態に係る制御システム10は、検出器D1〜D4の位置を推定する。このため、制御システム10の設置時に、使用者が検出器D1〜D4の位置を記録する必要はない。ひいては、制御システム10を容易に設置することができる。また、使用者は、検出器D1〜D4の配置を容易に変更したり、移動体に取り付けた検出器D1〜D4を用いて制御システム10を使用したりすることができる。
また、本実施形態に係る制御システム10は、光度IMAXや高さh、関数f(θ)を直接的に利用することなく、検出器D1〜D4の位置を推定する。これにより、使用者は、あらかじめ光度IMAX等を調査することなく、制御システム10を稼働することができる。ひいては、制御システム10を容易に設置することができる。
また、照明機器と空調機器とは、互いに異なる機能を発揮する機器であって、通常は別個に設置される場合が多い。この場合には、照明環境を調整するためのセンサと、空調環境を調整するためのセンサとを別個に取り付ける必要がある。したがって、センサを取り付けるための多くのスペースが必要となるおそれがあった。
本実施形態に係る制御システム10は、照明機器及び空調機器の双方を、共通の検出器D1〜D4を用いて制御する。これにより、検出器を設置するためのスペースを少なくすることができる。
なお、本実施形態に係る集中コントローラ30は、照明装置L1〜L4、及び空調装置A1〜A3を直接制御したが、これには限定されない。例えば、図12に示されるように、集中コントローラ30は、照明コントローラ38や空調コントローラ39を制御してもよい。照明コントローラ38は、照明装置L1〜L4を制御する装置であって、空調コントローラ39は、空調装置A1〜A3を制御する装置である。
図12に示される場合には、既存の照明コントローラ38や空調コントローラ39を利用することが可能となる。このため、集中コントローラ30及び検出器D1〜D4のみを設置することで、制御システム10を構成することができる。
また、本実施形態に係るステップS4において、プロセッサ31は、照度及び温湿度のすべてを取得してもよいし、ステップS3にて入力された指示を実行するために必要な検出値のみを取得してもよい。例えば、ステップS3にて、照明環境のみを調整するための指示が入力された場合に、プロセッサ31は、検出器D1〜D4から照度のみを取得してもよい。
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について、上述の第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、上記実施形態と同一又は同等の構成については、同等の符号を用いるとともに、その説明を省略又は簡略する。
本実施形態に係る制御システム10は、図13に示されるように、照明装置L1〜L4を制御する照明コントローラ50を備える点で、第1の実施形態に係る制御システム10と異なっている。
照明コントローラ50は、例えば、部屋20の天井裏に設置され、照明装置L1〜L4とケーブル23で接続される。照明コントローラ50は、検出器D1〜D4による検出の結果を無線通信で取得し、この検出結果に基づいて照明装置L1〜L4を制御する。また、照明コントローラ50は、集中コントローラ30と無線通信を行う。
照明コントローラ50は、図14に示されるように、プロセッサ51、主記憶部52、補助記憶部53、及び通信部54を有している。主記憶部52、補助記憶部53、通信部54はいずれも内部バス56を介してプロセッサ51に接続されている。
プロセッサ51は、例えばCPU等から構成され、補助記憶部53に記憶される各種プログラムに従って、後述の処理を実行する。主記憶部52は、プロセッサ51の作業領域として用いられる。補助記憶部53は、制御プログラム61、位置推定プログラム62、及び光度照度DB43を記憶する。また、補助記憶部53は、照明装置L1〜L4の位置を記憶する。
通信部54は、プロセッサ51と、照明装置L1〜L4、検出器D1〜D4、及び集中コントローラ30との通信を中継する。通信部54は、ケーブル23を介して、照明装置L1〜L4と有線通信を行う。また、通信部54は、所定の規格に従って、検出器D1〜D4及び集中コントローラ30と無線通信を行う。
検出器D1〜D4は、検出の結果を、照明コントローラ50へ通知する。
本実施形態に係る集中コントローラ30の構成は、第1の実施形態に係る集中コントローラ30のものと同様である(図4を参照)。ただし、補助記憶部33は、位置推定プログラム42及び光度照度DB43を記憶しない。また、通信部34は、プロセッサ31と、照明コントローラ50及び空調装置A1〜A3との通信を中継する。
続いて、集中コントローラ30のプロセッサ31によって実行される処理について、図15を用いて説明する。
まず、プロセッサ31は、位置推定処理の実行を照明コントローラ50に要求する(ステップS201)。これにより、照明コントローラ50は、位置推定処理を実行する。
次に、プロセッサ31は、照明装置L1〜L4を基準としたときの検出器D1〜D4の位置を、照明コントローラ50から取得する(ステップS202)。その後、プロセッサ31は、空調装置A1〜A3を基準としたときの検出器D1〜D4の位置を推定する(ステップS25)。
次に、プロセッサ31は、照明環境を調整するための指示が入力されたか否かを判定する(ステップS203)。照明環境を調整するための指示が入力されたと判定された場合(ステップS203;Yes)、プロセッサ31は、照明コントローラ50へ、入力された指示を通知する(ステップS204)。その後、プロセッサ31は、ステップS7へ処理を移行する。
照明環境を調整するための指示が入力されていないと判定された場合(ステップS203;No)、プロセッサ31は、空調環境を調整するための指示が入力されたか否かを判定する(ステップS205)。空調環境を調整するための指示が入力されていないと判定された場合(ステップS205;No)、プロセッサ31は、ステップS7へ処理を移行する。
空調環境を調整するための指示が入力されたと判定された場合(ステップS205;Yes)、プロセッサ31は、検出器D1〜D4による検出の結果を、照明コントローラ50に要求する(ステップS206)。その後、プロセッサ31は、検出器D1〜D4による検出の結果を、照明コントローラ50から取得する(ステップS207)。
以降のステップS6、S7は、第1の実施形態に係るものと同様の処理である。ただし、ステップS7の判定が否定された場合(ステップS7;No)、プロセッサ31は、ステップS203以降の処理を繰り返す。また、ステップS7の判定が肯定された場合(ステップS7;Yes)、プロセッサ31は、ステップS201以降の処理を繰り返す。
続いて、照明コントローラ50のプロセッサ51によって実行される処理について、図16を用いて説明する。
まず、プロセッサ51は、集中コントローラ30からの信号を受信したか否かを判定する(ステップS211)。信号を受信していないと判定された場合(ステップS211;No)、プロセッサ51は、ステップS211の処理を繰り返す。
信号を受信したと判定された場合(ステップS211;Yes)、プロセッサ51は、受信された信号の種類を判定する(ステップS212)。
受信された信号が位置推定処理の実行の要求であると判定された場合、プロセッサ51は、光度照度DB作成処理S1及び位置推定処理S2を実行する。本実施形態に係る位置推定処理S2は、第1の実施形態と同様のものであるが、図11に示される処理のうち、ステップS25は実行されない。
次に、プロセッサ51は、照明装置L1〜L4の位置を基準としたときの検出器D1〜D4の位置を、集中コントローラ30へ送信する。その後、プロセッサ51は、ステップS211以降を繰り返す。
ステップS212にて、受信された信号が検出器D1〜D4による検出の結果の要求であると判定された場合、プロセッサ51は、検出器D1〜D4による検出の結果を取得する(ステップS4)。その後、プロセッサ51は、検出結果を集中コントローラ30へ送信する(ステップS214)。そして、プロセッサ51は、ステップS211以降の処理を繰り返す。
ステップS212にて、受信された信号が照明環境を調整するための指示であると判定された場合、プロセッサ51は、照明装置L1〜L4を制御する(ステップS5)。プロセッサ51は、照明装置L1〜L4の制御が完了した後に、制御が完了した旨を集中コントローラ30へ通知してもよい。その後、プロセッサ51は、ステップS211以降の処理を繰り返す。
以上説明したように、本実施形態に係る制御システム10は、照明コントローラ50を備えている。制御システム10において、使用者からの入力を受け付けるための装置は、使用者が操作可能な位置に設置される必要がある。また、照明装置L1〜L4を制御するための装置は、照明装置L1〜L4に近い位置に設置されることが好ましい。本実施形態に係る照明コントローラ50は、集中コントローラ30と無線通信を行う。このため、集中コントローラ30から離間した天井裏等に、照明コントローラ50を設置することができる。
また、本実施形態に係る検出器D1〜D4による検出の結果は、照明コントローラ50へ通知され、集中コントローラ30に通知されなかった。このため、集中コントローラ30と照明コントローラ50との通信によって生じる通信負荷を軽減することができる。
なお、本実施形態に係る集中コントローラ30は、検出器D1〜D4による検出の結果を照明コントローラから取得したが、これには限定されず、検出器D1〜D4から検出結果を直接取得してもよい。
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について、上述の第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、上記実施形態と同一又は同等の構成については、同等の符号を用いるとともに、その説明を省略又は簡略する。
本実施形態に係るプロセッサ31は、第1の実施形態に係る光度照度DB作成処理S1及び位置推定処理S2に代えて、作成推定処理S300を実行する。作成推定処理S300では、光度照度DB43の作成と、検出器D1〜D4の推定とが並行して実行される。
図17に示されるように、作成推定処理S300において、プロセッサ31は、まず、第1の実施形態と同様のステップS11〜S13を実行する。これにより、図18の「ケース1」に示されるデータが、光度照度DB43に追加される。
次に、プロセッサ31は、検出器D1〜D4のうち、位置が決定されていない検出器から照度を取得して、光度照度DB43に記憶させる(ステップS301)。検出器の位置の決定は、プロセッサ31によって検出器の位置を十分な精度で推定することを意味する。
例えば、ステップS301が最初に実行される場合に、検出器D1〜D4の位置はいずれも決定されていない。このため、プロセッサ31は、検出器D1〜D4すべてによって検出された照度を取得して、光度照度DB43に記憶させる。これにより、図18の「ケース2」に示されるデータが、光度照度DB43に追加される。
次に、プロセッサ31は、変更された光度をリファレンス用の光度に戻す(ステップS15)。
次に、プロセッサ31は、光度照度DB43に記憶されたデータに基づいて、位置推定処理S2を実行する。
なお、位置推定処理S2が最初に実行される場合に、プロセッサ31は、図18の「ケース1」及び「ケース2」に示されるデータに基づいて、係数PL1D1(=400)を算出する。しかしながら、係数PL2D1、PL3D1、PL4D1は算出されないため、プロセッサ31は、検出器D1の位置を推定することができない。同様に、プロセッサ31は、検出器D2〜D4の位置を推定することができない。
次に、プロセッサ31は、新たに位置が決定された検出器があるか否かを判定する(ステップS303)。例えば、ステップS303が最初に実行される場合には、検出器D1〜D4の位置はいずれも決定されていないため、ステップS303の判定は否定される。
ステップS303の判定が否定された場合(ステップS303;No)、プロセッサ31は、ステップS13以降の処理を繰り返す。これにより、図18の「ケース3」に示されるデータが、光度照度DB43に追加される。
また、プロセッサ31は、「ケース1」及び「ケース3」に示されるデータに基づいて、係数PL2D1(=200)を算出する。プロセッサ31は、係数PL1D1、PL2D1の大小関係に基づいて、検出器D1が、照明装置L2よりも照明装置L1の近くに位置していると推定する。さらに、プロセッサ31は、照明装置L1〜L4の配置に基づいて、検出器D1が、照明装置L3、L4よりも照明装置L1の近くに位置していると推定する。これにより、プロセッサ31は、検出器D1の位置を決定する。
ステップS303の判定が肯定された場合(ステップS303;Yes)、プロセッサ31は、位置が決定された検出器をスリープモードに設定する(ステップS304)。例えば、検出器D1の位置が決定された場合に、プロセッサ31は、検出器D1をスリープモードに移行させる。
スリープモードは、検出器D1〜D4の消費電力を低減するモード(状態)である。例えば、スリープモードの検出器D1は、照度センサD11、温度センサD12、及び湿度センサD13へ電力を供給しない。また、スリープモードの検出器D1は、CPU等を低い消費電力で動作させる。
次に、プロセッサ31は、検出器D1〜D4すべての位置を決定したか否かを判定する(ステップS305)。
ステップS305の判定が否定された場合(ステップS305;No)、プロセッサ31は、ステップS13以降の処理を繰り返す。これにより、図18の「ケース4」及び「ケース5」に示されるデータが、光度照度DB43に追加される。この追加は、検出器D1がスリープモードに移行した後に行われる。そのため、「ケース4」及び「ケース5」に示されるデータには、検出器D1によって検出された照度ED1が含まれない。
ステップS305の判定が肯定された場合(ステップS305;Yes)、プロセッサ31は、作成推定処理S300を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る作成推定処理S300では、検出器D1〜D4がスリープモードに移行する。これにより、検出器D1〜D4の消費電力を低減することができる。また、スリープモードの検出器D1〜D4は、集中コントローラ30と通信しない。このため、検出器D1〜D4と集中コントローラ30との通信によって発生する通信負荷を抑えることができる。
なお、本実施形態では、スリープモードに移行した検出器D1〜D4は、作成推定処理S300が終了するまでスリープモードの状態を保ったが、これには限定されない。例えば、作成推定処理S300の最中に、使用者による入力があった場合には、検出器D1〜D4をスリープモードから通常のモードに移行させてもよい。
また、本実施形態では、照明装置L1〜L4のうち、検出器D1に最も近い照明装置が推定されたときに、検出器D1の位置が決定された。また、プロセッサ31は、検出器D1と同様に、検出器D2〜D4の位置を決定した。これに限定されず、検出器D1〜D4の位置を決定するための基準は任意である。例えば、係数Pが所定の閾値よりも大きいことを、検出器D1〜D4の位置を決定するための基準とすることもできる。例えば、所定の閾値を300とすると、図18の「ケース2」に示されるデータが追加された際に、プロセッサ31は、検出器D1の位置を決定することができる。
また、本実施形態では、位置が決定された検出器のすべてがスリープモードに移行したが、これには限定されない。例えば、検出器D1が移動した結果、検出器D1をスリープモードに移行させるための通信が困難になった場合に、プロセッサ31は、通信困難な検出器D1をスリープモードに設定することなく、作成推定処理S300を続行する。これにより、スリープモードや通常モードの設定の際に発生する通信負荷を抑えることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態によって限定されるものではない。
例えば、照明装置、空調装置の台数、及び検出器の個数は、1以上の任意の数であってもよい。また、照明装置の台数は、検出器の個数に等しくなくてもよい。
また、上記の各実施形態に係る照明装置L1〜L4、及び空調装置A1〜A3は、直線状に交互に配置されたが、これには限定されない。例えば、2個の照明装置(又は空調装置)の間に、2個の空調装置(又は照明装置)が設置されていてもよい。また、例えば図19に示されるように、照明装置L1〜L7、及び空調装置A1、A2が配置されてもよい。
また、上記の各実施形態に係る検出器D1〜D4によって検出される物理量は、照度及び温湿度であったが、これには限られない。例えば、検出器D1〜D4は、人感センサ(赤外線センサ)を備え、周囲に存在する使用者の有無を検出してもよい。また、検出器D1〜D4は、CO2センサを備えてもよい。
また、集中コントローラ30を、その機能を分割又は共有する複数の装置によって構成してもよい。これらの装置を部屋20の異なる位置に設置することで、制御システム10の利便性を向上することができる。
例えば、上記の各実施形態に係る調光部L11は、光源L12の光度を3段階のいずれかに調節したが、これには限定されない。例えば、ON(点灯)又はOFF(消灯)の2段階のいずれかに調節してもよい。また、0〜100%の範囲内で連続的に光度を調節してもよい。
また、照明装置L1〜L4の光源は、拡散性の光源でなくてもよい。例えば、指向性を有する光源を用いて、照明装置L1〜L4を構成することもできる。
また、0〜1の範囲内の値となる係数αを用いて光度を表したが、これには限られない。例えば、自然数「1」、「2」、及び「3」を用いて、3段階の光度を表すこともできる。また、照明装置L1〜L4により照射される光の明るさの尺度は、光度でなくてもよい。例えば、照明装置L1〜L4により消費されている電力を尺度として用いてもよい。
光度照度DB作成処理S1や作成推定処理S300では、リファレンス用の光度を50%としたが、これに限定されない。例えば、照明装置L1〜L4それぞれの光度を互いに異なるものに設定してもよい。また、任意の光度をリファレンス用として設定することができる。例えば、光度照度DB作成処理S1や作成推定処理S300が実行される直前の光度をリファレンスとして用いて、ステップS11を省略してもよい。
また、光度照度DB作成処理S1や作成推定処理S300では、照明装置L1〜L4それぞれの光度が1度ずつ変更されたが、これに限定されない。例えば、プロセッサ31は、図20に示されるように、リファレンス用の光度を50%として、0%及び100%の双方に光度を変更してもよい。
図20に示される場合に、プロセッサ31は、「ケース1」〜「ケース3」の任意の組み合わせのデータに基づいて、係数PL1D1を算出することができる。また、プロセッサ31は、複数の組み合わせから算出された係数PL1D1の平均値を用いることで、ノイズ(人の影や太陽光)の影響を低減することができる。ひいては、位置の推定精度を向上することができる。
また、上記の各実施形態では、照明装置L1〜L4すべての光度が変更されたが、これに限定されない。例えば、プロセッサ31は、照明装置L1、L4のみの光度を変更してもよい。照明装置L1、L4のみの光度が変更される場合には、例えば図5の「ケース1」、「ケース2」、「ケース5」に示されるデータのみが、光度照度DB43に追加される。これらのデータに基づいて、プロセッサ31は、検出器D1〜D4それぞれが照明装置L1、L4のいずれに近いかを推定することができる。
また、プロセッサ31は、光度を変更する照明装置L1〜L4を適宜選択することにより、検出器D1〜D4の位置を、任意の精度で推定することができる。また、光度を変更する回数を減少させることにより、光度照度DB作成処理S1や作成推定処理S300の実行に要する時間を短縮することができる。
また、上記の各実施形態に係るステップS14にて、プロセッサ31、51は、検出器D1〜D4すべてから照度を取得したが、これには限定されない。例えば、ステップS14が実行されるたびに、1個の検出器から照度を取得して、図21に示される光度照度DB43を作成してもよい。
また、上記の各実施形態に係るステップS15にて、プロセッサ31、51は、変更された光度をリファレンス用の光度に戻した。これには限定されず、ステップS15を省いてもよい。ステップS15が省略される場合には、照明装置L1〜L4の光度が設定される回数が減少するため、光度照度DB作成処理S1や作成推定処理S300の実行に要する時間を短縮することができる。
図22には、ステップS15が省略される場合に作成される光度照度DB43の例が示されている。プロセッサ31は、この光度照度DB43のうち、「ケース1」及び「ケース2」に示されるデータに基づいて、係数PL1D1を算出する。また、「ケース2」及び「ケース3」のデータに基づいて、係数PL2D1が算出される。また、「ケース3」及び「ケース4」のデータに基づいて、係数PL3D1が算出される。また、「ケース4」及び「ケース5」のデータに基づいて、係数PL4D1が算出される。そして、プロセッサ31、51は、算出された係数PL1D1〜PL4D1に基づいて、検出器D1の位置を推定することができる。
また、上記の各実施形態では、所定の時刻に検出器D1〜D4の位置が推定されたが、これには限定されない。例えば、1分間に1度の頻度で検出器D1〜D4の位置が推定されてもよい。また、使用者によって入力された指示に応じて、検出器D1〜D4の位置が推定されてもよい。また、検出器D1〜D4の構成要素として加速度センサを追加し、この加速度センサにより検出器D1〜D4の移動が検出された場合に、検出器D1〜D4の位置を推定してもよい。
上述の実施形態に係る制御システム10の機能は、専用のハードウェアによっても、また、通常のコンピュータシステムによっても実現することができる。
例えば、補助記憶部33、53に記憶されているプログラム(制御プログラム41、61及び位置推定プログラム42、62)を、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の処理を実行する装置を構成することができる。
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するようにしてもよい。
また、通信ネットワークを介してプログラムを転送しながら起動実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
更に、プログラムの全部又は一部をサーバ装置上で実行させ、その処理に関する情報をコンピュータが通信ネットワークを介して送受信しながらプログラムを実行することによっても、上述の処理を達成することができる。
なお、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、コンピュータにダウンロード等してもよい。
また、プロセッサ31、51及び制御部D14の機能を実現する手段は、ソフトウェアに限られず、その一部又は全部を専用のハードウェア(回路等)によって実現してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。