JP5626999B2 - ブレーキスイッチ調整方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施の形態は、エレベータの運転を制御するブレーキスイッチ調整方法に関する。
エレベータの運転制御を行う上で、最も重要な制御の1つにエレベータ(乗りかご)を停止させるブレーキ制御が挙げられる。このブレーキ制御は、乗りかごに乗車する乗客の安全に直接つながる。そこで、例えば特許文献1の発明のように、電子コンポーネントを使用してブレーキ制御装置を監視する監視装置が開示されている。
また、ブレーキスイッチのON、或いは、OFFを機械的に行うようなブレーキ装置の場合、ブレーキスイッチを如何に調整するかが問題となる。この場合、一般的にON側、或いは、OFF側のいずれか一方について、その動作点にある程度の余裕を持つように調整を行うことが多い。
特許第4295373号公報
しかしながら、上述したブレーキスイッチのON、或いは、OFFを機械的に行うようなブレーキ装置の場合、他方、例えば、OFF側について調整した場合にはON側については調整を行わない。従って、ON側の動作点の余裕については、例えば、ストライカーの全ストローク量等を基に計算上算出することはできるが、確実であるとの保証はなく、確認するのも困難である。
また、動作点に余裕がないと例えば、ブレーキが釈放してもブレーキスイッチがOFFしない、といった現象が生ずることになる。このような現象が発生すると、例えばエレベータ全体の制御にも影響が出て、故障によるエレベータ停止、との判断がなされるということにもなりかねない。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ブレーキスイッチのON、或いは、OFFを機械的に行うようなブレーキ装置である場合に、簡易な方法ではあるが、確実にON側及びOFF側の動作点の余裕を確保し、その調整が適切であるか否かの確認まで可能とするブレーキスイッチ調整方法を提供することである。
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、ブレーキスイッチ調整方法において、アマチュアと一体に動作するブレーキシューをドラムに押し付けてブレーキを釈放するステップと、アマチュアを挟みブレーキシューと反対側に設けられアマチュアと一体に動作するストライカーとコイルケースを介して接触し、スイッチのON、或いはOFFにより、ブレーキの吸引、或いは釈放の切り替えを行うブレーキスイッチの動作調整を行うブレーキスイッチ調整ボルトを締め込むステップと、ブレーキスイッチがOFFする動作点までブレーキスイッチ調整ボルトを緩めるステップと、ブレーキスイッチがOFFした動作点の位置からブレーキスイッチをさらに所定の位置まで移動させるべくブレーキスイッチ調整ボルトを緩めるステップと、ブレーキスイッチの所定位置においてブレーキを動作させてブ
レーキスイッチが正常に動作するか否かの動作確認を行うステップと、ブレーキスイッチが正常に動作する場合に、アマチュアとコイルケースとの間にシムを挿入するステップと、シムが挿入された状態でブレーキを動作させてブレーキスイッチが正常に動作するか否かの動作確認を行うステップとを備える。
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、ブレーキスイッチ調整方法において、アマチュアと一体に動作するブレーキシューをドラムから離間させてブレーキを吸引するステップと、アマチュアを挟みブレーキシューと反対側に設けられアマチュアと一体に動作するストライカーとコイルケースを介して接触し、スイッチのON、或いはOFFにより、ブレーキの吸引、或いは釈放の切り替えを行うブレーキスイッチの動作調整を行うブレーキスイッチ調整ボルトを緩めるステップと、ブレーキスイッチがONする動作点までブレーキスイッチ調整ボルトを締めるステップと、ブレーキスイッチがONした動作点の位置からブレーキスイッチをさらに所定の位置まで移動させるべくブレーキスイッチ調整ボルトを締めるステップと、ブレーキスイッチの所定位置においてブレーキを動作させてブレーキスイッチが正常に動作するか否かの動作確認を行うステップと、ブレーキスイッチが正常に動作する場合に、ドラムとブレーキシューとの間、ストライカーとブレーキスイッチとの間、或いは、ブレーキスイッチが取り付けられるブラケットとブレーキスイッチ調整ボルトとの間のいずれか1つの間にシムを挿入するステップと、シムが挿入された状態でブレーキを動作させてブレーキスイッチが正常に動作するか否かの動作確認を行うステップとを備える。
本発明の第1の実施の形態に係るブレーキ装置(釈放状態)の全体構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係るブレーキスイッチの設置状態を表わす拡大図である。 本発明の第1の実施の形態に係るブレーキスイッチの設置状態を表わす拡大図である。 本発明の第1の実施の形態におけるブレーキスイッチの調整方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態におけるブレーキスイッチ調整方法をストライカー及びブレーキスイッチを用いて説明する説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係るブレーキ装置(吸引状態)の全体構成を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係るブレーキスイッチを表わす拡大図である。 本発明の第2の実施の形態におけるブレーキスイッチの調整方法の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態におけるブレーキスイッチ調整方法をストライカー及びブレーキスイッチを用いて説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るブレーキ装置S(釈放状態)の全体構成を示す模式図である。ブレーキ装置Sは、巻上機の運転を停止させるための装置である。いずれも図示を省略しているが、巻上機は、ロープが巻き掛けられているメインシーブを備え、メインシーブはモータに接続されて回転駆動する。メインシーブが回転駆動することによって、ロープの両端に連結される乗りかご及び釣り合い重りが昇降路内をそれぞれ反対方向に走行する。
ブレーキ装置Sは、ドラムDとブレーキ本体部Bとを備える。ドラムDは、図示しないメインシーブと同心の円筒状に形成されるとともに、メインシーブに連結されている。従って、モータが駆動されると、ドラムDはメインシーブの回転に伴って回転する。
ブレーキ本体部Bは、ドラムDの外周面D1に対向する位置に、アマチュア1と、ブレーキシュー2と、ストライカー3と、コイルケース4と、ブレーキ(ブレーキ本体部B)をON、或いは、OFFさせるブレーキスイッチ5を備える。
アマチュア1は、ブレーキの釈放、或いは、吸引に伴って、図1に示す矢印の方向に進退自在に動く。ブレーキシュー2は、このアマチュア1に固定され一体に動作する。従って、このブレーキシュー2は、ブレーキ装置Sの釈放状態に伴ってドラムDの外周面D1に押し付けられる作動位置と、ブレーキ装置Sの吸引状態に伴って外周面D1から離れる待機位置(図6参照)との間で、同じく進退自在に動く。
ストライカー3は、アマチュア1を挟んでブレーキシュー2と反対側にその一端が固定されて設けられている。従って、アマチュア1が動作することに伴って一緒に動作する。ストライカー3の他端は、コイルケース4を貫通してコイルケース4に固定されているブレーキスイッチ5と接触可能とされている。すなわち、ブレーキの釈放、或いは、吸引に伴ってストライカー3(アマチュア1及びブレーキシュー2)が図1の矢印方向に移動し、ストライカー3の他端がブレーキスイッチ5をON、或いはOFFさせる。
コイルケース4は、巻上機本体にねじ等の固定具によって固定されている。コイルケース4の内部には、図示しないブレーキコイルを備える。また、一端がアマチュア1に接し、他端がコイルケース4の内部に収納されるばね6も備えている。ばね6は、アマチュア1及びブレーキシュー2をドラムDの外周面D1に押し付ける向きに付勢している。
ブレーキ本体部Bは、ブレーキコイルへの通電、或いは、通電遮断に合わせてブレーキシュー2の動作を制御する。すなわち、ブレーキコイルに通電されると、アマチュア1がコイルケース4側へ吸引され、ブレーキコイルはばね6の付勢力に抗してブレーキシュー2を外周面D1から離間させる。ブレーキシュー2がドラムDの外周面D1から離間するに伴ってストライカー3もドラムDから離れる方向、すなわちコイルケース4側へと移動し、ブレーキスイッチ5をONさせる。このときブレーキ装置Sは、開放状態となる。
一方、ブレーキコイルへの通電が遮断されると、アマチュア1がドラムD側へと釈放され、ばね6の付勢力によってブレーキシュー2はドラムDの外周面D1に押し付けられる。そのため、ドラムDがブレーキシュー2によって接触位置で摩擦力に基づいて固定されることになるため、制動力が生じ乗りかごの走行を停止させる。
ブレーキシュー2が外周面D1に押し付けられることによって、ストライカー3もコイルケース4側から離れてドラムD側へと移動する。この移動に伴ってストライカー3はブレーキスイッチ5をOFFさせる。このときブレーキ装置Sは、釈放状態となる。
なお、以下、アマチュア1がコイルケース4側へ吸引され、ドラムDの外周面D1からブレーキシュー2が離れる動きを「吸引」と表わす。この吸引状態では、ブレーキスイッチ5はONとなる。反対に、アマチュア1がドラムD側へ移動し、ドラムDの外周面D1にブレーキシュー2が接触する動きを「釈放」と表わす。この釈放状態では、ブレーキスイッチ5はOFFとなる。
図2は、本発明の実施の形態に係るブレーキスイッチ5の設置状態を表わす拡大図であ
る。ブレーキスイッチ5は、実際にコイルケース4に固定される固定板5a及び蓋となる板5bからなるブレーキボックス5c内に固定されている。固定板5aには、ブラケット5dが固定されており、このブラケット5dにブレーキスイッチ5が固定される。ブラケット5dに固定されたブレーキスイッチ5には、ストライカー3が接触可能とされている。また、ブラケット5dには、ブレーキスイッチ5に必要な電源を供給するため等のケーブルを引き回す端子台5eも取り付けられている。固定板5a及び蓋となる板5bとは、例えば、図2に示すようにボルト5fによって互いを固定するようにされている。
本発明の実施の形態においては、ブレーキスイッチ5を挟んで端子台5eと反対側のブラケット5dには、ブレーキスイッチ調整ボルト5gが設けられている。ブレーキスイッチ調整ボルト5gは、ブレーキスイッチ5をON、或いは、OFFさせることによってブレーキを釈放状態、或いは吸引状態とする、それぞれの動作点を調整するために用いられる。
ブレーキスイッチ調整ボルト5gは、固定板5aとコイルケース4との間に設けられているナット5hと回転自在に嵌合する。そのため、ブレーキスイッチ調整ボルト5gを締めると、図3の矢印に示すように、ブラケット5dが固定板5aに近づく方向へ撓む。ブラケット5dが撓むことで、ブレーキスイッチ5とストライカー3との距離がさらに縮まり、或いは、ストライカー3の他端がブレーキスイッチ5に押し込まれる状態となる。反対に、ブレーキスイッチ調整ボルト5gを緩めると、ブレーキスイッチ5はストライカー3から離れる方向へと移動する。
図4は、本発明の第1の実施の形態におけるブレーキスイッチ5の調整方法の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートと図5に示す、本発明の第1の実施の形態におけるブレーキスイッチ調整方法をストライカー及びブレーキスイッチを用いて説明する説明図とを用いて説明する。
なお図5では、図4に示すフローチャートの各ステップに対応させて、図5(A)ないし(G)においてストライカー3とブレーキスイッチ5との7つの状態が示されている。図1等で示す通り、ストライカー3が左側に、ブレーキスイッチ5が右側に示されている。また、それぞれストライカー3側、或いは、ブレーキスイッチ5側に矢印が示されているが、矢印が示されている側に示されている部品が矢印の方向に移動することを意味している。例えば、図5(A)では、ブレーキスイッチ5側に左方向の矢印が示されているが、これは、ブレーキスイッチ5が左側に、すなわち、ブレーキシュー2やドラムD側へ移動することを示している。
また、ブレーキスイッチ5を挟むように黒い三角印が示されている。これは、ブレーキスイッチ5がOFFとなる動作点を示している。また、同じように白抜きの三角印が示されているが、これは、ブレーキスイッチ5がONとなる動作点を示している。このように2種の動作点を示しているのは、OFFの動作点とONの動作点との位置に差があるからである(ヒステリシス)。さらに、説明の理解のため、図5に示すブレーキスイッチ5は、その周囲にブレーキスイッチ5を囲む筐体が示されている。この筐体を示すことで、例えば、ストライカー3によってブレーキスイッチ5が押し込まれる状態(例えば、図5(B)参照)をイメージすることが容易となる。
但し、図5で示したストライカー3と、ブレーキスイッチ5(筐体を含む)の構造や動きは、あくまでも本発明の実施の形態を説明する際に理解を促すために用いられるものであって、実際の構造がこの図5に示す構造に限定されることはない。
まず、第1の実施の形態における調整方法は、ブレーキ装置Sを釈放状態とするところ
から開始される(ST1)。ブレーキ装置Sが釈放状態になるということは、上述したように、ドラムDの外周面D1にブレーキシュー2が接触し、それに伴って一体に動作するアマチュア1とストライカー3とがドラムD側へと移動する。従って、ここでの調整は、まず、ブレーキスイッチ5のOFFの動作点における余裕を確保するために行われる。なお、図5(A)のストライカー3は、ブレーキ装置Sが釈放状態になっていることを示している。
そこで次にブレーキスイッチ調整ボルト5gを締める(ST2)。図5(A)では、ブレーキスイッチ調整ボルト5gを締めるに伴ってブレーキスイッチ5がドラムD側へと移動するため、その旨、ストライカー3側に向かう矢印が示されている。
また、図5(B)は、ブレーキスイッチ調整ボルト5gの締め込みが終了した状態を示している。この際、ストライカー3の位置は、既にブレーキ装置Sが釈放状態にあるので移動しないが、ブレーキスイッチ5が移動してくるためストライカー3はブレーキスイッチ5内に深く押し込まれる。その結果、ブレーキスイッチ5のONの動作点を超えたところにストライカー3の他端(ブレーキスイッチ5との接触位置)が位置している。
このようにブレーキスイッチ5を一旦ONとするのは、ブレーキスイッチ5のOFFの動作点を確認するためである。上述したように、ブレーキスイッチの調整は、ON、或いは、OFFいずれの場合でも動作点に余裕を持たせるために行われるものである。そのためには、基準となるONの動作点、或いは、OFFの動作点を把握しておく必要がある。第1の実施の形態においては、まずOFFの動作点に余裕を確保するべく調整するため、一旦ブレーキスイッチ5をONとする。
次に、ブレーキスイッチ調整ボルト5gを緩めて、ブレーキスイッチ5をOFFさせる(ST3)。ブレーキスイッチ調整ボルト5gを締めた後、緩めていくことによって、ブレーキスイッチ5がONからヒステリシスを挟んでOFFとなる位置(OFFの動作点の位置)を正確に把握することができる。図5(C)では、ストライカー3の位置は固定であることから、ブレーキスイッチ5を緩める(矢印方向へ移動させる)ことで、ストライカー3とブレーキスイッチ5との接触点が黒い三角印の位置であるOFFの動作点に到達する。この位置にブレーキスイッチ5を位置させることで、このブレーキスイッチ5のOFFの動作点を把握することができたことになる。
但し、この位置でブレーキスイッチ5の調整を終了させてしまうと、ブレーキ装置Sの釈放状態創出に関して、全く余裕がないことになる。このままでは、上述したように、例えば、ブレーキが釈放してもブレーキスイッチがOFFしない、といった現象を招来することになる。そこで、この位置からさらにブレーキスイッチ調整ボルト5gを緩めて、その余裕を作り出すように調整する(ST4)。
ここで、ブレーキスイッチ調整ボルト5gをどのくらい緩めるかについては、ブレーキ装置S、或いはエレベータの状態等によることから任意に設定可能である。この設定は、例えば、固定板5aからブレーキスイッチ5を固定するためにブラケット5dが立ち上がっている位置を基準として、当該位置からストライカー3の中心軸までの距離と当該位置からブレーキスイッチ調整ボルト5gの中心軸までの距離を基に行われる。
両者の距離の比が例えば、略1対7である場合、ブレーキスイッチ調整ボルト5gを1回転緩めると、この比率に基づけばブレーキスイッチ5はその1/7動くことになるので、結果として0.1mm動くことになる。このことは、ブレーキスイッチ5のOFF側の動作点からスイッチ調整ボルト5gを1回転緩めると、ブレーキスイッチ5のOFF側に0.1mm分の動作点の余裕が生じることになる。
図5(D)は、ブレーキスイッチ5のOFF側の動作点を基準にさらに所定量ブレーキスイッチ調整ボルト5gを緩めた場合の状態を示している。ここでのストライカー3の他端(ブレーキスイッチ5と接触する位置)からブレーキスイッチ5のOFF側の動作点(黒い三角印の位置)までの長さがブレーキスイッチ5のOFF側の動作点の余裕、ということになる。
この状態で、ブレーキ装置Sを動作させて(ST5)、ブレーキ装置Sが正常に動作するか否かを確認する(ST6)。この時点でブレーキ装置Sが正常に動作しない場合には、再度ステップST1に戻って最初からブレーキスイッチ5の調整をやり直す(ST6のNO)。
ブレーキ装置Sが正常に動作した場合は(ST6のYES)、次に、所定の場所にシムXを挿入する(ST7)。これまでは、ブレーキ装置Sが釈放状態にある場合を前提としてブレーキスイッチ5のOFF側の動作点を基準として、ブレーキスイッチ5がOFF状態となる際の余裕を付加するためにブレーキスイッチ5の調整を行ってきた。ステップST7以降は、ブレーキスイッチ5がON状態となる際に余裕があるか否かについてブレーキスイッチ5の確認を行う。
上述したように、従来は、OFF側、或いはON側いずれか一方の調整しか行うことができなかったために、他方の動作が行われる際の余裕の有無が把握できなかった。本発明の実施の形態においては、他方の動作に関しても簡便にその余裕の有無を確認するステップを行うことによって、ブレーキ装置Sの調整を確実なものとすることが可能となる。
シムXとは、挿入される場所においてブレーキ本体部Bの移動を規制するものであり、例えば、板状の部材で形成されている。シムXを構成する材質は、例えば、ブレーキ装置Sを動作させた場合に磁石によって意図しない場所に付くことのない材質が選定される。
第1の実施の形態におけるシムXが挿入される「所定の場所」とは、図1に示すように、アマチュア1と、コイルケース4との間である。
また、シムXの厚みについては、例えば、以下のように設定される。ブレーキ装置Sは、設置された外的環境や運転によって温度変化が生じ、この変化に伴って、ブレーキのON側の動作点、OFF側の動作点もその位置が変化する。例えば、ブレーキ装置Sの各部の温度が上昇した場合、各部品の膨張差によりブレーキシュー2とドラムDの外周面D1との間隙が大きくなることが考えられる。このような状況下でブレーキが吸引状態となった場合には、ストライカー3のストローク量が減りブレーキスイッチ5のON側の動作点の余裕も減少する。
さらにブレーキスイッチ5の調整時にそのときの温度をも調整しつつ行うことは、温度が外的環境に左右されることを考慮すれば困難である。従って、調整するに当たっては、たとえ考えられる最大の温度変化が生じたとしてもブレーキスイッチ5が正常に動作するように行われる必要がある。
そこで、事前にブレーキ装置S各部が温度変化によって膨張等した場合のON側の動作点の変化量を把握した上で、例えば、シムXの厚みをその変化量と同量とする。温度変化による変化量と同量の厚みを持つシムXを利用してブレーキスイッチ5の調整を行えば、調整時にブレーキ装置Sの温度変化を再現して調整したのと同様の効果を得ることが可能である。
すなわち、例えば、ブレーキ装置Sが熱膨張した結果ON側の動作点が0.1mm変化することを把握し、シムXの厚みを0.1mmとしてブレーキスイッチ5の調整を行いブレーキ装置Sを動作させた場合に、それでもなおブレーキスイッチ5をONさせることができれば、ブレーキスイッチ5の調整後にブレーキ装置Sに対する温度変化が生じたとしてもブレーキスイッチ5をONさせることができることになる。
以上のようにしてシムXの厚みを設定する。従って、調整の対象となるブレーキ装置Sを備えるエレベータごとにシムXの厚みを調整する必要が生ずる場合がある。
第1の実施の形態の場合、シムXが挿入される場所は、上述したようにアマチュア1と、コイルケース4との間である(図1参照)。この場所にシムXが挟み込まれることにより、シムXの厚み分ストライカー3のブレーキスイッチ5側への移動が制限され、ブレーキスイッチ5をONさせにくくなる。換言すれば、このような状態であってもブレーキスイッチ5をONさせることが可能であれば、シムXを外した状態で少なくともシムXの厚み分の余裕がON側の動作点に対してあることが確認することができる。
そこで、シムXを所定の場所に挿入した後、ブレーキ装置Sを動作させて(ST8)、ブレーキスイッチ5が正常に動作するかを確認する(ST9)。ここで正常に動作しない場合には(ST9のNO)、最初(ステップST1)に戻って調整をやり直す。一方、正常に動作する場合には(ST9のYES)、これでブレーキスイッチ5の調整は終了する。
図5(E)ないし図5(G)は、シムXを所定の場所に挿入した後、ブレーキ装置Sを動作させた状態を示している。ストライカー3とブレーキスイッチ5との間において破線で示されているのは、もしシムXが挿入されなかった場合にストライカー3が移動できる位置である。一方、実線で示されているのは、シムXが挿入されている場合のストライカー3である。
図5(E)では、実線で示されているストライカー3がON側の動作点を超えているため、たとえシムXが挿入されていない場合であっても確実にブレーキスイッチ5をONさせることが可能である。
これに比べて、図5(F)及び図5(G)は、シムXを挿入した状態でブレーキスイッチ5をONできない場合を示している。図5(F)の場合、シムXを挿入した状態ではブレーキスイッチ5をONできないものの、シムXの厚みを加味する、すなわち、シムXを外した場合にはブレーキスイッチ5をONできる。しかしながらこれではON側の動作点に対して余裕があるとは判断できない。
また、図5(G)の場合、シムXを挿入した状態、或いは、シムXを外した状態のいずれの状態であっても、ブレーキスイッチ5をONさせることができない。これはそもそも釈放状態においてブレーキスイッチ5はOFFできるものの、吸引状態においてはブレーキスイッチ5をONさせることができないことを示している。
従って、図5(F)や図5(G)の状態にある場合には、OFF側の動作点についての余裕を付加するところから(すなわちステップST1から)調整をやり直す。
以上説明した通り、OFF側の動作点に関する余裕を付加する調整を行った後、シムを利用してON側の動作点の余裕も確認することによって、ブレーキスイッチのON、或いは、OFFを機械的に行うようなブレーキ装置である場合に、簡易な方法ではあるが、確実にON側及びOFF側の動作点の余裕を確保し、その調整が適切であるか否かの確認ま
で可能とするブレーキスイッチ調整方法を提供することができる。
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
第1の実施の形態では、ブレーキ装置Sを釈放状態としてからOFF側の動作点の余裕を調整した後、ON側の動作点の余裕を確認した。第2の実施の形態では、これとは逆に、ブレーキ装置Sを吸引状態としてからON側の動作点の余裕を調整した後、OFF側の動作点の余裕を確認する。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るブレーキ装置S(吸引状態)の全体構成を示す模式図である。吸引状態であるので、ブレーキシュー2はドラムDの外周面D1から離間した位置にある。また、この位置に合わせてアマチュア1はコイルケース4と接触している。ブレーキスイッチ5はONの状態にある。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るブレーキスイッチ5を表わす拡大図である。ブレーキスイッチ5の構成については、第1の実施の形態と同様であるが、後述するようにシムXの挿入位置が第1の実施の形態と相違する。
図8は、本発明の第2の実施の形態におけるブレーキスイッチ5の調整方法の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートと図9に示す、本発明の第2の実施の形態におけるブレーキスイッチ調整方法をストライカー及びブレーキスイッチを用いて説明する説明図とを用いて説明する。
図9では、図8に示すフローチャートの各ステップに対応させて、図9(A)ないし図9(G)においてストライカー3とブレーキスイッチ5との7つの状態が示されている。図6等で示す通り、ストライカー3が左側に、ブレーキスイッチ5が右側に示されている。また、それぞれストライカー3側、或いは、ブレーキスイッチ5側に矢印が示されているが、矢印が示されている側に示されている部品が矢印の方向に移動することを意味している。例えば、図9(A)では、ストライカー3側に右方向の矢印が示されているが、これは、ストライカー3が右側に、すなわち、ブレーキスイッチ5側へ移動することを示している。
なお、図9に示されている、例えば、黒い三角印等の意味は、第1の実施の形態の説明で利用した図5に示されるものと同一である。また、図9で示したストライカー3と、ブレーキスイッチ5(筐体を含む)の構造や動きは、あくまでも本発明の実施の形態を説明する際に理解を促すために用いられるものであって、実際の構造がこの図9に示す構造に限定されることはないことも同様である。
まず、第2の実施の形態における調整方法は、ブレーキ装置Sを吸引状態とするところから開始される(ST21)。ブレーキ装置Sが吸引状態になるということは、上述したように、ドラムDの外周面D1からブレーキシュー2が離間し、それに伴って一体に動作するアマチュア1とストライカー3とがブレーキスイッチ5側へと移動する。従って、ここでの調整は、まず、ブレーキスイッチ5のONの動作点における余裕を確保するために行われる。この場合、ストライカー3は吸引状態であるので、ストライカー3の他端はON側の動作点を超える位置にある(図9(A)参照)。
そこで次にブレーキスイッチ調整ボルト5gを緩める(ST22)。図9(A)では、
ブレーキスイッチ調整ボルト5gを緩めることに伴ってブレーキスイッチ5がドラムD側と反対側、すなわち蓋となる板5b側へと移動するため、その旨、ストライカー3側からブレーキスイッチ5に向かう矢印が示されている。
また、図9(B)は、ブレーキスイッチ調整ボルト5gを緩めることが終了した状態を示している。この際、ストライカー3の位置は、既にブレーキ装置Sが吸引状態にあるので移動しないが、ブレーキスイッチ5が移動するためストライカー3はブレーキスイッチ5から離れる。その結果、ブレーキスイッチ5とは接触しないところにストライカー3の他端が位置している。
このようにブレーキスイッチ5を一旦OFFとするのは、ブレーキスイッチ5のONの動作点を確認するためである。上述したように、ブレーキスイッチの調整は、ON、或いは、OFFいずれの場合でも動作点に余裕を持たせるために行われるものである。そのためには、基準となるONの動作点、或いは、OFFの動作点を把握しておく必要がある。第2の実施の形態においては、まずONの動作点に余裕を確保するべく調整するため、一旦ブレーキスイッチ5をOFFとする。
次に、ブレーキスイッチ調整ボルト5gを締めて、ブレーキスイッチ5をONさせる(ST23)。ブレーキスイッチ調整ボルト5gを緩めた後、締めていくことによって、ブレーキスイッチ5がOFFからヒステリシスを挟んでONとなる位置(ONの動作点の位置)を正確に把握することができる。図9(C)では、ストライカー3の位置は固定であることから、ブレーキスイッチ5を締める(矢印方向へ移動させる)ことで、ストライカー3とブレーキスイッチ5との接触点が白抜きの三角印の位置であるONの動作点に到達する。この位置にブレーキスイッチ5を位置させることで、このブレーキスイッチ5のONの動作点を把握することができたことになる。
但し、この位置でブレーキスイッチ5の調整を終了させてしまうと、ブレーキ装置Sの吸引状態創出に関して、全く余裕がないことになる。このままでは、例えば、ブレーキが吸引されてもブレーキスイッチがONしない、といった現象を招来することになる。そこで、この位置からさらにブレーキスイッチ調整ボルト5gを締めて、その余裕を作り出すように調整する(ST24)。
ここで、ブレーキスイッチ調整ボルト5gをどのくらい締めるかについては、ブレーキ装置S、或いはエレベータの状態等によることから任意に設定可能である。この設定は、例えば、固定板5aからブレーキスイッチ5を固定するためにブラケット5dが立ち上がっている位置を基準として、当該位置からストライカー3の中心軸までの距離と当該位置からブレーキスイッチ調整ボルト5gの中心軸までの距離を基に行われる。
両者の距離の比が例えば、略1対7である場合、ブレーキスイッチ調整ボルト5gを1回転締めると、この比率に基づけばブレーキスイッチ5はその1/7動くことになるので、結果として0.1mm動くことになる。このことは、ブレーキスイッチ5のON側の動作点からスイッチ調整ボルト5gを1回転締めると、ブレーキスイッチ5のON側に0.1mm分の動作点の余裕が生じることになる。
図9(D)は、ブレーキスイッチ5のON側の動作点を基準にさらに所定量ブレーキスイッチ調整ボルト5gを締めた場合の状態を示している。ここでのストライカー3の他端(ブレーキスイッチ5と接触する位置)からブレーキスイッチ5のON側の動作点(白抜きの三角印の位置)までの長さがブレーキスイッチ5のON側の動作点の余裕、ということになる。
この状態で、ブレーキ装置Sを動作させて(ST25)、ブレーキ装置Sが正常に動作するか否かを確認する(ST26)。この時点でブレーキ装置Sが正常に動作しない場合には、再度ステップST21に戻って最初からブレーキスイッチ5の調整をやり直す(ST26のNO)。
ブレーキ装置Sが正常に動作した場合は(ST26のYES)、次に、所定の場所にシムXを挿入する(ST27)。これまでは、ブレーキ装置Sが吸引状態にある場合を前提としてブレーキスイッチ5のON側の動作点を基準として、ブレーキスイッチ5がON状態となる際の余裕を付加するためにブレーキスイッチ5の調整を行ってきた。ステップST27以降は、ブレーキスイッチ5がOFF状態となる際に余裕があるか否かについてブレーキスイッチ5の確認を行う。
上述したように、従来は、OFF側、或いはON側いずれか一方の調整しか行うことができなかったために、他方の動作が行われる際の余裕の有無が把握できなかった。本発明の実施の形態においては、他方の動作に関しても簡便にその余裕の有無を確認するステップを行うことによって、ブレーキ装置Sの調整を確実なものとすることが可能となる。
第2の実施の形態におけるシムXが挿入される「所定の場所」とは、図6、或いは、図7に示すように、ドラムDの外周面D1とブレーキシュー2との間、ストライカー3とブレーキスイッチ5との間、或いは、ブレーキスイッチ5が取り付けられるブラケット5dとブレーキスイッチ調整ボルト5gとの間のいずれかの場所である。また、シムXを挿入する際には、上述した3つの場所の複数の場所に挿入するのではなく、いずれか1つの場所を所定の場所として選択する。
また、シムXの厚みについては、シムXが例えば、ドラムDの外周面D1とブレーキシュー2との間、ストライカー3とブレーキスイッチ5との間に挿入される場合には、これまで説明してきたように、事前にブレーキ装置S各部が温度変化によって膨張等した場合のOFFの動作点の変化量を把握した上で、例えば、シムXの厚みをその変化量と同量とする。温度変化による変化量と同量の厚みを持つシムXを利用してブレーキスイッチ5の調整を行えば、調整時にブレーキ装置Sの温度変化を再現して調整したのと同様の効果を得ることが可能である。
すなわち、例えば、ブレーキ装置Sが熱膨張した結果OFF側の動作点が0.1mm変化することを把握し、シムXの厚みを0.1mmとしてブレーキスイッチ5の調整を行いブレーキ装置Sを動作させた場合に、それでもなおブレーキスイッチ5をOFFさせることができれば、ブレーキスイッチ5の調整後にブレーキ装置Sに対する温度変化が生じたとしてもブレーキスイッチ5をOFFさせることができることになる。
一方、シムXをブレーキスイッチ5が取り付けられるブラケット5dとブレーキスイッチ調整ボルト5gとの間に挿入する場合には、シムXの厚みを設定する際に考慮が必要である。
上述したように、ブレーキスイッチ調整ボルト5gにおいては、その種類によってブレーキスイッチ調整ボルト5gの動きとブレーキスイッチ5の動きとの比率が異なる。シムXが挿入される、ドラムDの外周面D1とブレーキシュー2との間、或いは、ストライカー3とブレーキスイッチ5との間という位置は、ブレーキスイッチ調整ボルト5gを調整したことによるブレーキスイッチ5の動きに関係する位置であることから、上述したようにシムXの厚みを温度変化による変化量と同量の厚みとして良い。
一方、シムXの挿入される位置が「ブレーキスイッチ5が取り付けられるブラケット5
dとブレーキスイッチ調整ボルト5gとの間」である場合には、ブレーキスイッチ調整ボルト5gの動きそのものに関係するものであることから、シムXの厚みを温度変化による変化量と同量の厚みとしてしまうと、例えば、上述した例に基づけばブレーキスイッチ5の動きは1/7となってしまう。
従って、ブレーキスイッチ5の動作点に対して温度変化による変化量と同量の厚み分の余裕を持たせる場合には、温度変化による変化量に対応するブレーキスイッチ調整ボルト5gにおける変化量をシムXの厚みとして設定しなければならない。上述した例に基づくと、例えば、ブレーキスイッチ5の動作点の余裕として0.1mm分必要だとすれば、ブレーキスイッチ調整ボルト5gとブラケット5dとの間に挿入するシムXは0.7mmの厚みが必要になる。
以上のようにしてシムXの厚みを設定する。従って、調整の対象となるブレーキ装置Sを備えるエレベータごとにシムXの厚みを調整する必要が生ずる場合がある。
第2の実施の形態の場合、シムXが挿入される場所は、上述したようにドラムDの外周面D1とブレーキシュー2との間、ストライカー3とブレーキスイッチ5との間、或いは、ブレーキスイッチ5が取り付けられるブラケット5dとブレーキスイッチ調整ボルト5gとの間のいずれかの場所である。これらの場所にシムXが挟み込まれることにより、シムXの厚み分ストライカー3のドラムD側への移動が制限され、ブレーキスイッチ5をOFFさせにくくなる。換言すれば、このような状態であってもブレーキスイッチ5をOFFさせることが可能であれば、シムXを外した状態で少なくともシムXの厚み分の余裕がOFF側の動作点に対してあることが確認することができる。
そこで、シムXを所定の場所に挿入した後、ブレーキ装置Sを動作させて(ST28)、ブレーキスイッチ5が正常に動作するかを確認する(ST29)。ここで正常に動作しない場合には(ST29のNO)、最初(ステップST21)に戻って調整をやり直す。一方、正常に動作する場合には(ST29のYES)、これでブレーキスイッチ5の調整は終了する。
図9(E)ないし図9(G)は、シムXを所定の場所に挿入した後、ブレーキ装置Sを動作させた状態を示している。ストライカー3とブレーキスイッチ5との間において破線で示されているのは、もしシムXが挿入されなかった場合にストライカー3が移動できる位置である。一方、実線で示されているのは、シムXが挿入されている場合のストライカー3である。
図9(E)では、実線で示されているストライカー3がOFF側の動作点を超えているため、たとえシムXが挿入されていない場合であっても確実にブレーキスイッチ5をOFFさせることが可能である。
これに比べて、図9(F)及び図9(G)は、シムXを挿入した状態でブレーキスイッチ5をOFFできない場合を示している。図9(F)の場合、シムXを挿入した状態ではブレーキスイッチ5をOFFできないものの、シムXの厚みを加味する、すなわち、シムXを外した場合にはブレーキスイッチ5をOFFできる。しかしながらこれではOFF側の動作点に対して余裕があるとは判断できない。
また、図9(G)の場合、シムXを挿入した状態、或いは、シムXを外した状態のいずれの状態であっても、ブレーキスイッチ5をOFFさせることができない。これはそもそも吸引状態においてブレーキスイッチ5はONできるものの、釈放状態においてはブレーキスイッチ5をOFFさせることができないことを示している。
従って、図9(F)や図9(G)の状態にある場合には、ON側の動作点についての余裕を付加するところから(すなわちステップST21から)調整をやり直す。
以上説明した通り、ON側の動作点に関する余裕を付加する調整を行った後、シムを利用してOFF側の動作点の余裕も確認することによって、ブレーキスイッチのON、或いは、OFFを機械的に行うようなブレーキ装置である場合に、簡易な方法ではあるが、確実にON側及びOFF側の動作点の余裕を確保し、その調整が適切であるか否かの確認まで可能とするブレーキスイッチ調整方法を提供することができる。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 アマチュア
2 ブレーキシュー
3 ストライカー
4 コイルケース
5 ブレーキスイッチ
5g ブレーキスイッチ調整ボルト
6 ばね
B ブレーキ本体部
D ドラム
D1 外周面
S ブレーキ装置
X シム

Claims (3)

  1. アマチュアと一体に動作するブレーキシューをドラムに押し付けてブレーキを釈放するステップと、
    前記アマチュアを挟み前記ブレーキシューと反対側に設けられ前記アマチュアと一体に動作するストライカーとコイルケースを介して接触し、スイッチのON、或いはOFFにより、前記ブレーキの吸引、或いは釈放の切り替えを行うブレーキスイッチの動作調整を行うブレーキスイッチ調整ボルトを締め込むステップと、
    前記ブレーキスイッチがOFFする動作点まで前記ブレーキスイッチ調整ボルトを緩めるステップと、
    前記ブレーキスイッチがOFFした前記動作点の位置から前記ブレーキスイッチをさらに所定の位置まで移動させるべく前記ブレーキスイッチ調整ボルトを緩めるステップと、
    前記ブレーキスイッチの所定位置において前記ブレーキを動作させて前記ブレーキスイッチが正常に動作するか否かの動作確認を行うステップと、
    前記ブレーキスイッチが正常に動作する場合に、前記アマチュアと前記コイルケースとの間にシムを挿入するステップと、
    前記シムが挿入された状態で前記ブレーキを動作させて前記ブレーキスイッチが正常に動作するか否かの動作確認を行うステップと、
    を備えることを特徴とするブレーキスイッチ調整方法。
  2. アマチュアと一体に動作するブレーキシューをドラムから離間させてブレーキを吸引するステップと、
    前記アマチュアを挟み前記ブレーキシューと反対側に設けられ前記アマチュアと一体に動作するストライカーとコイルケースを介して接触し、スイッチのON、或いはOFFにより、前記ブレーキの吸引、或いは釈放の切り替えを行うブレーキスイッチの動作調整を行うブレーキスイッチ調整ボルトを緩めるステップと、
    前記ブレーキスイッチがONする動作点まで前記ブレーキスイッチ調整ボルトを締めるステップと、
    前記ブレーキスイッチがONした前記動作点の位置から前記ブレーキスイッチをさらに所定の位置まで移動させるべく前記ブレーキスイッチ調整ボルトを締めるステップと、
    前記ブレーキスイッチの所定位置において前記ブレーキを動作させて前記ブレーキスイッチが正常に動作するか否かの動作確認を行うステップと、
    前記ブレーキスイッチが正常に動作する場合に、前記ドラムと前記ブレーキシューとの間、前記ストライカーと前記ブレーキスイッチとの間、或いは、前記ブレーキスイッチが取り付けられるブラケットと前記ブレーキスイッチ調整ボルトとの間のいずれか1つの間にシムを挿入するステップと、
    前記シムが挿入された状態で前記ブレーキを動作させて前記ブレーキスイッチが正常に動作するか否かの動作確認を行うステップと、
    を備えることを特徴とするブレーキスイッチ調整方法。
  3. 前記シムの厚さは、挿入される前記シムが接触する部品が温度変化によって膨張することで変動する動作点の変化量を基に設定されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブレーキスイッチ調整方法。



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