JP5626284B2 - 車両制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、車両走行用の動力源の走行状態を予測し、動力源で駆動される発電機や車両用空調装置の圧縮機から成る補機の運転時に消費する燃料消費量を好適化する車両制御システムに関するものである。
従来、特許文献1に記載の車両制御システムが知られている。この特許文献1は、減速時にコーストロックアップおよび燃料カット状態の時間を増大させて、燃料消費率の向上を図るとともに、加速時に、車両用空調装置の作動を停止させるものである。
また、特許文献2に記載の車両制御システムが知られている。この特許文献2は、蓄冷器を備えた車両用空調システムにおいて、充分な燃料消費率向上効果が得られるように、圧縮機の作動・停止を制御するものである。
そのために、冷凍サイクルで単位吸熱量(単位冷熱量)を生成するのに必要なエンジンの燃料消費量を吸熱費として算出し、この吸熱費(単位はg/kwh)を判定用の閾値と比較して吸熱費が判定用の閾値以下の領域では、圧縮機を作動させて圧縮機から吐出した冷媒を蒸発器と蓄冷器に流している。これにより、蒸発器を冷熱源として車室内を空調すると共に、蒸発器から蓄冷器に流入する冷媒の冷熱エネルギを蓄冷器に蓄えている。
一方、吸熱費が判定閾値よりも大きい領域では、圧縮機を停止して、コンデンサおよび蓄冷器内の圧力が均一になるまで、バイパス流路を通じて冷媒を蒸発器側に流すことで、蒸発器を冷却して、蒸発器に沿って流れる風を冷却している。
次に、特許文献3には、車両減速中における空調装置の蓄冷器への蓄冷中に、圧縮機による冷媒供給が停止することにより発生する「圧縮機減速トルク消失」による制動距離の増加や、乗員の不快感を抑制する制動制御装置が開示されている。
これは、蓄冷器に蓄冷中に、それ以上の蓄冷が不可能になり、圧縮機の作動を停止させたときに、空調用制御装置から、変速機制御装置に信号を送信し、無段変速機の減速比を増加させて、圧縮機減速トルク消失にともなう最終減速トルクの不足を補うものである。
また、特許文献4には、蓄冷器による蓄冷を効率的に活用することのできる内燃機関の制御装置が開示されている。この内燃機関の制御装置は、車両に搭載された内燃機関を車両用空調装置と協調制御させるものである。
この、特許文献4では、車両用空調装置で生成した冷熱の少なくとも一部を蓄える蓄冷器と、蓄冷器に蓄えられている冷熱量(吸熱量)を検出する蓄積冷熱量検出手段と、車両環境条件(車内温度、車内湿度、外気温度、日射量、エアコン設定温度など)を検出する環境条件検出手段と、環境条件検出手段の検出結果に基づいて、空調に必要な冷熱量を算出する必要冷熱量算出手段と、上述した蓄積冷熱量及び必要冷熱量に基づいて内燃機関の運転状態を制御する制御手段とを備えている。
特開2009−29344号公報 特開2009−12721号公報 特開2010−30497号公報 特開2005−207321号公
上記特許文献1の技術によると、減速状態と予測された時に、圧縮機の冷媒吐出量を増大させることで、冷房の燃料消費量を改善しようとしている。しかし、冷房効率(熱費の逆数)は、加減速の走行状態だけではなく、エンジンの回転数、出力トルク、圧縮機容量、冷媒流量、および冷媒圧力等にも関わっているので、減速が予測された時、冷媒吐出量を増やしても、その時は冷房効率が悪く、結果として車両の燃料消費率を悪化させる可能性がある。
また、減速が予想された時に、冷媒吐出量を増加させる制御の燃料消費率低減効果は、その減速が予想された時の冷房効率だけではなく、車両用空調装置が動作する時の平均冷房効率等にも係わる。つまり、減速が予測された時の冷房効率が平均冷房効率より低い場合に冷媒吐出量を増やすと、燃料消費率が悪化する可能性が高い。
更に、補助的な冷熱源として蓄冷器を設ける場合、車両用空調装置全体として蓄冷可能な蓄冷量が大きくなり、冷房効率が高い時に蓄冷を行い、冷房効率が低い時に放熱をすれば大きな燃料消費率低減効果が発揮できるので、燃料カットの時だけ、および減速が予測された時だけ蓄冷を行う制御では、燃料消費率低減効果を充分に引き出せない。また、この問題に対して、特許文献2から4も特に解決方法を示唆していない。
また、補機が、動力源で駆動されるオルタネータ等の発電機である場合も、同様の理由で、結果として車両の燃料消費率を悪化させる可能性があり、燃料消費率低減効果を充分に引き出せない可能性がある。
本発明は、特殊な条件に限らず、普通の走行状態の時でも、加減速、走行速度などの走行状態を予測し、それによって、将来の一定の時間にわたって、動力源の燃料消費率または補機の駆動効率を推定し、補機を効率的に駆動する最適な制御パターンを算出することで、高い精度で補機の燃料消費量を低減することができる車両制御システムを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、動力を用いて走行する車両の動力源(4)を制御する車両制御システムにおいて、走行情報より、所定期間の走行状態を予測する走行状態予測手段(75)と、動力を用いて駆動される補機(1、150)が必要な動力量を算出する補機動力量算出手段(77、770)と、補機(1、150)の制御を行う補機制御手段(82、820)と、動力源(4)における動力と燃料消費量の関係を示す動力源特性データ(ESD)と、走行状態予測手段(75)の情報と、補機動力量算出手段(77、770)の情報と、動力源特性データ(ESD)と用いて、所定期間内における動力源(4)の燃料消費量が最小となるよう補機(1、150)の制御パターンを算出し、制御パターンに従って補機制御手段(82、820)を制御する制御パターン演算手段(79、80、81、790、800、810、791、801、811)とを備え、
更に、補機(1、150)または補機システム(15、400)の状態情報を検出する補機状態検出手段(78、780)を備え、補機動力量算出手段(77、770)は、走行状態予測手段(75)からの情報と動力源(4)の状態とから動力源の効率またはエネルギ消費量を予測する効率またはエネルギ消費量予測手段(77、770)から成り、制御パターン演算手段(79、80、81、790、800、810、791、801、811)は、効率またはエネルギ消費量予測手段(77、770)からの予測された動力源の効率またはエネルギ消費量と、補機状態検出手段(78、780)からの補機(1、150)または補機システム(15、400)の状態情報とから、今後動力源(4)のエネルギの消費が最小となる所定期間における補機(1、150)の制御パターンを演算することを特徴としている。
この発明によれば、車両の減速直前など特殊な条件だけではなく、一般走行状態でも所定期間の走行状態を予測し、走行状態に合わせて補機の駆動効率の高い制御パターンを演算し、この制御パターンに従って補機を駆動または制御することで、補機の実質的な全作動時間内において、補機のためのエネルギ消費量を最小化することができるため、動力源のエネルギ消費率削減効果が大きい。
更に、今後動力源(4)のエネルギの消費が最小となる所定期間における補機(1、150)の制御パターンを演算することができる。
請求項2に記載の発明では、効率またはエネルギ消費量予測手段(77、770)は、予測された走行状態を用いて、補機を駆動するための補機駆動用燃料消費量を推定する補機駆動用燃料消費量推定手段(S802、S1502)から成り、更に、推定された補機駆動用燃料消費量を用いて補機の駆動効率を算出する補機駆動効率算出手段(S805、S1505、S805b)を備え、制御パターン演算手段(79、80、81、790、800、810)は算出された補機の駆動効率を用いて、動力源(4)の燃料消費量が最小となるよう制御パターンを算出することを特徴としている。
この発明によれば、推定された補機駆動用燃料消費量を用いて補機の駆動効率を算出し定量化することで、燃費最小化の精度を高めることができる。
請求項3に記載の発明では、制御パターン演算手段(79、80、81、790、800、810)は、制御パターンの候補を推定する制御パターン推定手段(79、790)と、補機状態検出手段(78、780)からの補機(1、150)または補機システム(15、400)の状態情報から補機(1、150)または補機システム(15、400)の基準と成る効率に係わる判定閾値を算出する手段(80、800)と、判定閾値を用いて制御パターンの候補の中から補機(1、150)の制御パターンを選択する制御パターン評価選択手段(81、810)と、から成ることを特徴としている。
この発明によれば、制御パターンの候補を推定し、補機または補機システムの状態情報から補機または補機システムの基準と成る効率に係わる判定閾値を算出し、判定閾値を用いて制御パターンの候補の中から、エネルギ消費量を最小化する補機の制御パターンを選択することができる。
請求項4に記載の発明では、制御パターン評価選択手段(81、810)は、制御パターンの候補に関する駆動効率に関する値を、判定閾値と比較する比較手段(S805、S805a、S1505)を備え、駆動効率に関する値が判定閾値と比較して良好な場合に、補機(1、150)の出力を増加させることを特徴としている。
この発明によれば、駆動効率に関する値(例えば、予測熱費)が判定閾値より高い時に出力を増やすから、少ない演算量で、エネルギ消費量の少ない補機制御パターンを演算できる。
請求項5に記載の発明では、比較手段(S805、S805a、S1505)は、駆動効率に関する値と判定閾値との差分に応じて、補機制御パターンを選択することを特徴としている。
この発明によれば、駆動効率に関する値と判定閾値との差分に応じて、制御パターンを選択するから、上記差分が大きく、補機の駆動効率が良くなると予測される時は、補機の所定期間あたりの仕事量を増加させるように制御パターンを選択でき、効率の高い補機の運転状況下において、補機出力を活用できるから、エネルギ消費量の少ない制御が実現できる。
請求項6に記載の発明では、比較手段(S805、S805a、S1505)は、判定閾値に係わる効率で補機(1、150)を駆動する場合に補機(1、150)が出力するための判定閾値対応エネルギ消費量を算出し、制御パターンの候補毎の駆動効率に関する値と補機(1、150)の出力とを用いて、制御パターン毎のエネルギ消費量を算出し、判定閾値対応エネルギ消費量と制御パターン毎のエネルギ消費量とから、節約できるエネルギ消費量を算出し、かつ算出された節約できるエネルギ消費量が最大値となる制御パターンを選択することを特徴としている。
この発明によれば、今後の予測された補機の駆動効率に関係するエネルギ消費量と、判定閾値に関係するエネルギ消費量とから、節約できるエネルギ消費量を演算することができるので、より高い精度で制御パターンを評価し選択して、エネルギ消費量を最小化することができる。
請求項7に記載の発明では、判定閾値は、補機(1、150)が出力するエネルギの蓄積量、補機(1、150)が出力するエネルギの使用に係わる車両状態、および補機(1、150)が出力するエネルギの使用に係わる環境条件のうちのいずれかに応じて求められることを特徴としている。
この発明によれば、エネルギの蓄積量(例えば、蓄冷量または電池SOC)、補機が出力するエネルギの使用に係わる車両状態(例えば設定温度や電力消費量)、および補機が出力するエネルギの使用に係わる環境条件(例えば外気温や降雨)のうちのいずれかを、制御パターンの演算に反映することで、エネルギ消費量の最小化と運転の快適性の両立ができる。
請求項8に記載の発明では、補機(1、150)が出力するエネルギに係わる履歴を学習して、判定閾値を設定することを特徴としている。
この発明によれば、過去の履歴に応じて判定閾値を設定し、例えば、過去のエネルギ消費量が低いほど、判定閾値を低めに設定できるから、より実態に即した判定閾値の設定が可能となり、更なるエネルギ消費量の低減効果の向上につなげることができる。また、車両の運転条件や車両の仕向け先(地域)が異なっても、履歴を重ねるにつれ、判定閾値をより正しく設定できるようになるから、エネルギ消費量低減の効果が大きい。
請求項9に記載の発明では、制御パターン演算手段(791、801、811)は、補機状態検出手段(78、780)からの補機(1、150)または補機システム(15、400)の状態情報と、効率またはエネルギ消費量予測手段(770)からの予測された動力源(4)の効率またはエネルギ消費量とから、予測される補機の仮仕事量を算出する仮仕事量算出手段(791)と、仮の補機の仕事量を行うための動力源(4)の動力量と仮の補機の仕事量に係わる補機の効率(δ)を算出する補機動力量算出手段(801)と、仮の補機の仕事量を補機の効率(δ)を用いて補正して、補正された仕事量である補機(150)の制御パターンを算出する補正仕事量算出手段(811)とから成ることを特徴としている。
この発明によれば、補機または補機システムの状態情報と、予測された動力源の効率またはエネルギ消費量とから、予測される仮の補機の仕事量を算出し、補機の仮の仕事量を行うための動力源の動力量と仮の補機の仕事量に係わる補機の効率とを算出し、補機の効率により仮の補機の仕事量を補正して、補正された仕事量である制御パターンを算出することができ、この補正された制御パターンを用いてエネルギ消費量を最小化して補機を駆動することができる。
請求項10に記載の発明では、予測された車両の走行情報、および動力源(4)の状態に基づき、将来の所定期間内の動力源(4)の効率を動力源効率予測手段(770)で予測すると共に、動力源効率平均値算出手段(771)にて、上記所定期間の動力源効率の平均値を算出し、将来の所定期間内の動力源効率と、その期間の動力源効率の平均値と、補機システム(15、400)の状態とから、将来の所定期間内の補機(1、150)の仮の仕事量を仮仕事量算出手段(791)にて求め、仮の仕事量を補機(1、150)が行うための動力源(4)における動力量および補機(1、150)の効率(δ)を補機動力量算出手段(801)にて求め、仮の仕事量を、補機(1、150)の効率(δ)を用いて補正して、補正された仕事量である補機(1、150)の制御パターンを補正仕事量算出手段(811)にて求めることを特徴としている。
この発明によれば、将来の所定期間内の動力源(4)の効率を動力源効率予測手段(770)で予測すると共に、所定期間の動力源効率の平均値を算出し、将来の所定期間内の動力源効率と、その期間の動力源効率の平均値と、補機システム(15、400)の状態とから、仮の仕事量を仮仕事量算出手段(791)にて求め、仮の仕事量を補機(1、150)が行うための動力源(4)における動力量と補機(1、150)の効率(δ)とを求め、仮の仕事量を、効率(δ)を用いて補正して、補正された仕事量である補機(1、150)の制御パターンを求めたから、予め制御パターンの候補を設定することなく、簡単に補機制御量となる制御パターンを得ることができる。
請求項11に記載の発明では、制御パターン演算手段(79、81)は、制御パターンの候補を推定する制御パターン推定手段(79)と、補機状態検出手段(78)からの補機(1)または補機システム(15)の状態情報と補機(1)または補機システム(15)の効率に係わる効率情報とを用いて制御パターンの候補の中から制御パターンを選択する制御パターン評価選択手段(81)とから成ることを特徴としている。
この発明によれば、予め制御パターンの候補を設定するものの、判定閾値を用いることなく、簡略化された構成で制御パターンの候補の中から制御パターンを選択することができる。
請求項12に記載の発明では、制御パターン評価選択手段(81)は、効率情報と補機システム(15)の要求エネルギ量に関する値と補機出力とから制御パターンを選択することを特徴としている。
この発明によれば、予め制御パターンの候補を設定するものの、判定閾値を用いることなく、補機の効率情報と補機システムの要求エネルギ量に関する値と補機出力とを考慮して、効率の高い制御パターンを選択することができる。
請求項13に記載の発明では、補機(1)は補機システム(15)となる車両用空調装置(15)の圧縮機(1)から成り、制御パターン評価選択手段(81)は、効率情報となる予測熱費の逆数、要求エネルギ量に関する値を成す車両用空調装置(15)の設定温度および吹出温度、ならびに補機出力を成す冷熱量から制御パターンを選択することを特徴としている。
この発明によれば、判定閾値を用いることなく、車両用空調装置の設定温度、吹出温度および冷熱量を考慮して、効率の高い制御パターンを選択することができる。
本発明の第1実施形態における車両の空調および制動制御装置を含む車両制御システムの全体構成図である。 上記実施形態に用いる蓄冷器の構造を示す一部断面図である。 上記実施形態のシステム構成を示すブロック図である。 上記実施形態に用いるエンジンの等燃費曲線の一例を示す特性図である。 上記実施形態における圧縮機制御パターンの推定例を示す特性図である。 上記実施形態における判定閾値の算出に使用する特性図である。 上記実施形態において、予測熱費、および判定閾値の変化予想に対して、選択された圧縮機制御パターンに従って圧縮機容量制御を行った結果を模式的に示す特性図である。 上記実施形態の制御の流れを説明するフローチャートである 本発明の第2実施形態に用いる車両用空調装置の構成図である。 本発明の第3実施形態を示す圧縮機制御パターンの説明図である。 本発明の第4実施形態の制御の流れを説明する一部フローチャートである。 本発明の第5実施形態のシステム構成を示すブロック図である。 上記第5実施形態における判定閾値の算出に使用する特性図である。 上記第5実施形態において、予測電費、および判定閾値の変化予想に対して、選択された制御パターンに従って発電制御を行った結果を模式的に示す特性図である。 上記第5実施形態の制御の流れを説明するフローチャートである。 本発明の第6実施形態のシステム構成を示すブロック図である。 上記第6実施形態の制御の流れを説明するフローチャートである。 本発明の第7実施形態のシステム構成を示すブロック図である。 上記第7実施形態の制御の流れを説明するフローチャートである
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図8を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態における、車両の空調および制動制御装置を含む車両制御システムの全体構成図である。この実施形態においては、車両用空調装置(エアコン)15に蓄冷器40が備えられ、可変容量型の圧縮機1により、冷凍サイクルRが運転される。車両の変速機50として無段変速機が使用されている。
(システムの構成)
先ず車両用空調装置15について説明する。車両用空調装置15の冷凍サイクルRには、冷媒を吸入、圧縮、吐出する圧縮機1が備えられている。この圧縮機1は、可変容量型
のものであり、車両用空調装置15を制御する空調制御装置(エアコンECUともいう)5からの吐出容量制御電流に基づいて、連続的に冷媒流量が制御されている。
なお、圧縮機1には、プーリ2とベルト3を介して、車両エンジン4の動力が伝達される。圧縮機1から吐出された高温、高圧の過熱ガス冷媒は、凝縮器6に流入し、図示しない冷却ファンより送風される外気と熱交換して冷却されて凝縮する。この凝縮器6で凝縮した冷媒は、受液器7に流入し、受液器7の内部で、冷媒の気液が分離され、冷凍サイクルR内の余剰冷媒(液冷媒)が、受液器7内に蓄えられる。
受液器7からの液冷媒は、膨張弁8により低圧に減圧され、低圧の気液2相状態となる。膨張弁8は、冷房用の熱交換器をなす蒸発器9の出口冷媒の温度を感知する感温部8aを有する温度式膨張弁である。この膨張弁8からの低圧冷媒は、蒸発器9に流入する。
蒸発器9は、車両用空調装置15の空調ケース10内に設置され、蒸発器9に流入した低圧冷媒は、空調ケース10内の空気から吸熱して蒸発する。蒸発器9の出口は、圧縮機1の吸入側に結合され、上記した冷凍サイクル構成部品によって閉回路を構成している。
空調ケース10の内部であって、蒸発器9の上流側には送風機11が配置されている。この送風機11は、遠心式送風ファン12と駆動用モータ13を有している。送風ファン12の吸入側には、内外気切替箱14が配置され、この内外気切替箱14内の内外気切替ドア14aは、外気導入口14bと内気導入口14cを選択的に開閉する。
これにより、内外気切替箱14内に、外気(車室外空気)、または内気(車室内空気)が切替導入される。内外気切替ドア14aは、サーボモータからなる電気駆動装置14eにより駆動される。
空調ケース10内で、蒸発器9の下流側には、後述の蓄冷器40、エアミックスドア19が順次配置されている。このエアミックスドア19の下流側には、車両エンジン4の温水(冷却水)を熱源として空気を加熱する暖房用熱交換器(温水式ヒータコア)20が設置されている。
そして、この温水式ヒータコア20の側方(上方部)には、温水式ヒータコア20をバイパスして空気(冷風)を流すバイパス通路21が形成されている。エアミックスドア19は回動可能な板状ドアであり、サーボモータからなる電気駆動装置22により駆動される。
エアミックスドア19は、温水式ヒータコア20を通過する温風と、バイパス通路21を通過する冷風との風量割合を調整するものであって、この冷温風の風量割合の調整により、車室内への吹出温度を調整する。従って、この実施形態においては、エアミックスドア19により、車室内への吹出空気の温度調整手段が構成される。
温水式ヒータコア20の下流側には、下側から上方へ延びる温風通路23が形成され、この温風通路23からの温風と、バイパス通路21からの冷風が、空気混合部24で混合されて、所望温度の空気が作り出される。
さらに、空調ケース10内で、空気混合部24の下流側に吹出モード切替部が構成されている。すなわち、空調ケース10の上面部には、デフロスタ開口部25が形成され、このデフロスタ開口部25は、図示しないデフロスタダクトを介して、車両フロントガラス内面に空気を吹き出すものである。デフロスタ開口部25は、回動自在な板状のデフロスタドア26により開閉される。
また、空調ケース10の上面部で、デフロスタ開口部25より車両後方側の部位に、フェイス開口部27が形成され、このフェイス開口部27は、図示しないフェイスダクトを介して、車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すものである。フェイス開口部27は、回動自在な板状のフェイスドア28により開閉される。
また、空調ケース10において、フェイス開口部27の下側部位に、フット開口部29が形成され、このフット開口部29は、車室内乗員の足元に向けて空気を吹き出すものである。フット開口部29は、回動自在な板状のフットドア30により開閉される。
また、蒸発器9の温度センサ32は、空調ケース10内で、蒸発器9の空気吹出直後の部位に配置され、蒸発器吹出温度Teを検出する。また、蓄冷器40の温度センサ33は、蓄冷器40の空気吹出直後の部位に配置され、蓄冷器吹出温度Tcを検出する。
通常の空調装置と同様に、蒸発器9の吹出温度は、温度センサ32の検出信号(蒸発器吹出温度Te)が、可変容量型の圧縮機1の吐出容量を調整することにより、目標蒸発器温度TEOとなるように制御されている。
蓄冷器40の温度センサ33の検出信号(蓄冷器吹出温度Tc)は、蓄冷完了の判定のため、エアミックスドア19の開度制御のために用いられる。蓄冷器吹出温度Tcの値によって、エアミックスドア19の開度補正が行われる。
空調用制御装置(エアコンECUともいう)5には、上記の蒸発器9の温度センサ32、蓄冷器40の温度センサ33の他に、空調制御のために、内気温Tr、外気温Tam、日射量Ts、温水温度Tw等を検出する周知のセンサ群35から、検出信号が入力される。また、車室内計器盤近傍に設置される空調制御パネル36には、乗員により操作される操作スイッチ群37が備えられ、この操作スイッチ群37の操作信号も、エアコンECU5に入力される。
この操作スイッチ群37としては、温度設定信号Tsetを発生する空調温度設定スイッチ37a、風量切替信号を発生する風量スイッチ37b、吹出モード信号を発生する吹出モードスイッチ37c、内外気切替信号を発生する内外気切替スイッチ37d、圧縮機1のオンオフ信号を発生するエアコンスイッチ37e等が設けられている。
ここで、フルエアコンスイッチ37fの投入時は、圧縮機1のオン信号を出すとともに、常に車両エンジン4の稼働要求信号を出して、停車時にも、車両エンジン4の運転状態を継続させる。これに反し、エアコンスイッチ37eの投入時は、圧縮機1のオン信号を出すのみで、車両エンジン4の稼働要求信号は出さない。
さらに、エアコンECU5は、エンジン用制御装置(エンジンECUともいう)38に接続されており、エンジンECU38からエアコンECU5には、車両エンジン4の回転数信号、車速信号、アクセルペダル踏み込み量信号等SG1が入力される。
エンジンECU38は、周知のごとく車両エンジン4の運転状況等を検出するセンサ群(図示せず)からの信号に基づいて、車両エンジン4への燃料噴射量、点火時期等を総合的に制御するものであり、変速機50も制御する。さらに、エコラン車、ハイブリッド車においては、フルエアコンスイッチ37fの非投入時に、車両エンジン4の回転数信号、車速信号、ブレーキ信号等に基づいて停車状態を判定すると、エンジンECU38は、点火装置の電源遮断、燃料噴射の停止等により、車両エンジン4を自動的に停止させる。
また、エンジン4停止後、運転者がアクセルペダルを踏み込む等の発進操作を行うと、エンジンECU38は、車両の発進操作状態をアクセルペダルセンサ62からのアクセル信号等に基づいて判定して、車両エンジン4を自動的に始動させる。なお、エアコンECU5は、フルエアコンスイッチ37fがONの場合、車両エンジン4停止後の蓄冷器吹出温度Tcの上昇等に基づいて、エンジン再稼働要求の信号を出力する。
また、エアコンECU5から圧縮機1への動力増加信号が出されたとき、または出されるときが予測されるときは、エアコンECU5からエンジンECU38に出力アップ要請がなされ、エンジンECU38が出力を増大させる強調制御を行うことができる。なお、エアコンECU5からエンジンECU38には、CAN通信を利用して出力アップ要請を行うことができる。
エアコンECU5およびエンジンECU38は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータと、その周辺回路にて構成されるものである。エアコンECU5は、車両エンジン4の停止許可、停止禁止の信号や、エンジン4停止後の再稼働要求の信号を出力するエンジン制御信号出力部、圧縮機1の吐出容量制御部、内外気切替ドア14aによる内外気吸込制御部、送風機11の風量制御部、エアミックスドア19による温度制御部、開口部25、27、29の切替による吹出モード制御部等を有している。
次に、図1において、エンジン4は、無段変速機50と差動装置60とを介して、車軸51に動力を伝達する。無段変速機50はエンジンECU38からの信号により減速比(変速比)を切り替える。乗員が加速するときに踏み込む図示しないアクセルペダルには、アクセルペダルセンサ62が備えられ、このセンサ62の信号がエンジンECU38に入力されている。
また、減速するときに乗員が踏み込む図示しないブレーキペダルには、ブレーキペダルセンサ65が設けられ、このセンサ65の信号は、ブレーキECU52に入力されている。そしてブレーキECU52は、油圧を制御して車軸51近くのブレーキ61を作動させる。次に、エンジン4の動力を変速して車両の車軸51に伝える無段変速機50は、エンジンECU38内の、マイクロプロセッサ等で構成された変速機制御部54から制御される。そして、変速機50の出力が、差動装置60内の差動ギアを通して、車軸51に伝えられる。
図2は、第1実施形態に用いる、蓄冷器40の構造を示す一部断面図である。図2において、蓄冷器40の具体的な構成について説明する。蓄冷器40は、図1に示すように、蒸発器9と同一の前面面積となる形状を有し、蒸発器9通過後の冷風の全量(空調ケース10内風量の全量)が通過する熱交換器構成となっている。これにより、蓄冷器40は、空調ケース10内の空気流れ方向Aに対して、厚さ寸法の小さい薄型構造とすることができる。
図2は、蓄冷器40の具体的な熱交換器構成を例示するものである。2枚の伝熱プレー ト41、42には、それぞれ空気(冷風)流れ方向Aに沿って交互に、凸面部41a、42aが形成されている。この凸面部41a、42aが形成されていない伝熱プレート41、42の面(平面部)が互いに相手側の伝熱プレート41、42の平面部に当接されて、ろう付け等により接合されている。これにより、凸面部41a、42aの内側に密閉空間43を有するチューブ45が形成され、密閉空間43内に蓄冷剤44を収納するようになっている。
また、図2には、チューブ45を2組しか図示していないが、実際には、蓄冷器40が蒸発器9と同一の前面面積を持っているので、チューブ45が図2の矢印B方向(空気流れ方向Aと直交方向)に多数組積層されている。
この多数組のチューブ45の上下両端部に、チューブ相互間の当接部を設けて、チューブ45相互間に所定間隔の空気通路46を保持するようになっている。そして、各チューブ45の伝熱プレート41、42相互間、および、チューブ45相互間の当接部等を、一体に接合(ろう付け)することにより、蓄冷器40全体を、1つの熱交換器構造として一体化している。
次に、上記構成において、第1実施形態の車両用空調装置15部分を主とした作動を説明する。図1において、エンジン4により圧縮機1を駆動することにより、冷凍サイクルRが運転され、膨張弁8にて減圧された低温低圧の気液2相冷媒が蒸発器9に流入する。ここで、送風機11の送風空気から吸熱して、低圧冷媒が蒸発することにより送風空気が冷却、除湿されて、冷風となる。
蒸発器9の温度は、可変容量型の圧縮機1の制御により、目標蒸発器温度TEOに維持される。ここで、TEOは、後述のように、空調モードの選択に応じて決定されるものであって、TEOを0℃より高い温度とすることにより、蒸発器9のフロストを防止することができる。
そして、蒸発器9通過後の冷風が、次には、蓄冷器40の多数組のチューブ45相互間に形成される所定間隔の空気通路46を通過する。ここで、空気通路46の蛇行状の形態により冷風流れを乱して、空気側の熱伝達率を向上できるので、空気通路46を冷風が通過する間に伝熱プレート41、42を介して蓄冷剤44が効果的に冷却される。
車両用空調装置15においては、送風機11からの送風空気を、先ず最初に、蒸発器9にて冷却、除湿し、その後、エアミックスドア19の開度を調整して、冷風と温風を混合することにより、車室内への吹出温度を目標吹出温度TAOに制御している。その場合に、例えば、TAO=12℃という比較的高い温度であっても、蓄冷剤44の蓄冷を短時間で完了するためには、目標蒸発器温度TEOをできる限り低い温度に設定する必要がある。
(エアコンECUの制御)
次に、この実施形態による具体的なエアコンECU5での制御を説明する。エンジン4のイグニッションスイッチがオンされて、エアコンECU5に電源が供給された状態において、図1に示す空調制御パネル36における操作スイッチ群37のエアコンスイッチ37eが投入されると制御がスタートする。まず、フラグ、タイマー等の初期化がなされ、センサ群からの検出信号、操作スイッチ群の操作信号、エンジンECU38からの車両運転信号(アクセルペダル踏み込み量)等をエアコンECU5が読み込む。
続いて、車室内へ吹き出される空調風の目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温度TAOは、車両の空調熱負荷条件が変動しても、車室内を温度設定スイッチの設定温度Tsetに維持するために必要な吹出温度であり、下記数式1に基づいて算出される。
(数式1)TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C
但し、Tr:内気センサにより検出される内気温、Tam:外気センサにより検出される外気温、Ts:日射センサにより検出される日射量、Kset、Kr、Kam、Ks:制御ゲイン、C:補正用の定数である。なお、この目標吹出温度TAOは、周知のように、各吹出口ドアの切替制御、エアミックスドア19の開度制御等に活用される。
(システムのブロック構成)
図3は上記第1実施形態のシステム構成を示すブロック図である。この第1実施形態法を実現するシステムは、図3に示すように、エンジンECU38、エアコンECU5等にて構成される。エンジンECU38は、運転者操作情報70、補機作動情報71、車両走行情報72、ナビゲータ情報73、走行履歴情報74等の情報に基づいて、将来のある決められた時間(予測された複数時点)のエンジンの回転数およびトルクに関係する走行状態を走行状態予測部75にて予測する。
このうち、運転者操作情報70は、例えば、アクセルペダルやブレーキペダルの踏み込み量等に関する情報である。また、補機作動情報71は、例えばオルタネータの出力電流の大きさを示す情報等である。
更に、車両走行情報72は、例えば,自車の現在の車速情報等である。ナビゲーション情報73は、自車が走行する道路の制限速度、渋滞状況、坂道の長さ勾配等の道路情報である。走行履歴情報74は、例えば、会社に向かう自車が1000メートル先の会社の駐車場において駐車する確率が80%等の走行予定情報である。
(走行状態の予測)
以下、図3に従って説明する。上述のように、走行予測情報に基づいて、予め定めた将来の所定時間(予測された複数時点)のエンジンの回転数およびエンジンのトルクに関係する走行状態を走行状態予測部75で予測する。この予測走行状態には、エンジンの燃料消費率に大きく係わる自車の車速、加減速、坂道や雪道等による走行負荷、自動変速機(オートトランスミッション)のシフトポジション位置情報(T/M情報ともいう)等がある。
なお、このT/M情報によっては、車速、加減速が同じでもエンジン4のトルクが変わるため、予測走行情報として重要である。
(燃料消費量の演算およびエアコンECUへの送信)
予測走行状態およびエンジン4の状態を検出するエンジン状態検出部76からのエンジン状態に基づき、エンジン効率特性に従って、選択され得る各圧縮機制御パターンで圧縮機1を駆動するための燃料消費量(エンジン4の燃料消費量予測情報)を燃料消費量予測部77で演算し、演算結果をエアコンECU5へ送信する。
ここで、エンジン状態とは、例えば、エンジン4の冷却水の温度が低い場合にウォームアップする暖気状態等に関する情報である。また、エンジン効率特性は、例えばエンジン4の等燃費曲線マップで知ることができる。図4は、第1実施形態に用いるエンジン4の等燃費曲線の一例を示す特性図である。この特性に係わるデータは走行状態予測部77内に格納されている。また、この図4の特性は、動力源(エンジンまたは駆動源とも言う)4における動力と燃料消費量の関係を示す動力源特性データ(ESDと称することにする)である。
図4において、エンジン4の出力トルクとエンジン4の回転数(回転速度)をパラメータとする燃料消費率(燃費)に係わるマップの一例を概略的に示している。この図4によれば、あるエンジン状態から、別のエンジン状態に移行するときの燃料消費率(燃費)の変化を知ることができる。
次に、図3において、エアコンECU5は、空調環境状態等(必要であれば、エンジンの燃料消費量予測情報を含むエンジンに関する情報)をエアコン状態検出部78で検出する。ここで検出されたエアコン状態は選択され得る圧縮機制御パターン推定部79と判定閾値算出部80に送られる。
選択され得る圧縮機制御パターン推定部79では、空調環境状態等(必要であれば、エンジンの燃料消費量予測情報を含むエンジンに関する情報)から選択され得る複数の圧縮機制御パターンの候補を推定する。図5は、第1実施形態における圧縮機制御パターンの推定例を示す特性図である。この図5において、将来の所定時間内の選択され得る圧縮機制御パターンをとして、例えば図5のような4つのパターンが推定される。
推定されたパターンのうち図5のパターン1は、圧縮機容量(または仕事量、以下同じ)を最大限増やすものである。パターン2は、現在の圧縮機容量を維持するものである。
パターン3は、圧縮機容量を最大限減らすものである。また、パターン4は、圧縮機容量を0にする(圧縮機をOFFする)ものである。また、MAXは圧縮機の最大吐出容量を示している。圧縮機の吐出容量が、このMAXを超えないように制御される。
推定された複数の圧縮機制御パターンは、図3のエンジンECU38内の燃料消費量予測部77に送信される。そして、この燃料消費量予測部77にて、推定された各圧縮機制御パターンでの圧縮機を駆動するために必要と予測される燃料消費量(エンジンの燃料消費量予測情報)が演算される。
演算された圧縮機1を駆動するために必要と予測される燃料消費量は、エアコンECU5内の各圧縮機制御パターンの評価選択部81に送信される。送信された燃料消費量は、選択されうる各圧縮機制御パターンに従って、圧縮機1を駆動し車室内を所望の冷熱量分だけ冷房するために必要と予測される燃料消費量であり、単位時間、または単位トルクあたりの燃料の消費量で表される。
また、空調環境状態等(必要であれば、エンジン4の燃料消費量予測情報を含むエンジン4に関する情報)からエアコン状態検出部78は、冷凍サイクル効率情報を演算し、演算された冷凍サイクル効率情報を各圧縮機制御パターンの評価選択部81(単に評価選択部81ともいう)に送る。また、この評価選択部81には、圧縮機制御パターン推定部79から選択され得る複数の圧縮機制御パターンが送信され、判定閾値算出部80からは以下に述べる判定閾値が送信される。
(判定閾値の演算)
エアコンECU5内の判定閾値算出部80は、蓄冷量、過去の冷房効率、および空調環境状態(外気温、設定温度等)に基づいて、判定閾値を決定する。判定閾値は、エンジンの走行状態を予測しないで車両用空調装置15を制御(従来制御)したときの冷房効率に関係する。判定閾値の単位またはディメンションは、後述する予測熱費と同じリットル/カロリーである。
図6は、第1実施形態における判定閾値の算出に使用する特性図である。図6において基本的に判定閾値は、蓄冷量が多くなれば小さくなるように決定される。なお、蓄冷量の演算は、蓄冷器40を通過した空調風量および温度の履歴からマップを用いて演算することができる。また、公知の演算方法を使用しても良い。
また、要求される熱費に相当する判定閾値は、外気温の高低、設定温度等に応じて変化するから、判定閾値は、蓄冷量をベースにして求めてから、外気温の高低、設定温度等に応じて補正を行うことができる。この場合、外気温が高い、あるいは、設定温度が低い時に、判定閾値が高くなるよう補正される。
更に、判定閾値は、過去の判定閾値により補正することもできる。このため、過去の車両用空調装置15における冷房効率に係わる履歴を学習して、判定閾値を設定することもできる。これによれば、過去の履歴に応じて判定閾値が設定される。例えば、過去の判定閾値が低いほど判定閾値を低めに設定されるから、より実態に即した判定閾値の設定が可能となる。
次に、図3の判定閾値算出部80からの判定閾値、エアコン状態検出部78からの冷凍サイクル効率情報、選択され得る圧縮機制御パターン推定部79からの選択され得る複数の圧縮機制御パターンの候補、および燃料消費量予測部77からの予測された燃料消費量に基づいて、各圧縮機制御パターンの評価選択部81では、予め決められた将来の時間内において選択され得る複数の圧縮機制御パターンのそれぞれを評価し、最適な圧縮機制御パターンを選択する。
具体的には、各圧縮機制御パターンの評価選択部81では、燃料消費量予測部77からの各圧縮機制御パターンの圧縮機1を駆動するために必要と予測される燃料消費量を受信した後に、車両用空調装置15における目標吹出温度TAO、および冷凍サイクル効率情報等を用いて、各圧縮機制御パターンで生成される冷熱量(吸熱量)を予測する。
また、各圧縮機制御パターンの評価選択部81では、下記の数式2に基づいて予測される冷房効率を演算している。冷房効率(つまり1/予測熱費)は、圧縮機1を駆動するための燃料消費量に対する生成される冷熱量の比で示される。
(数式2)冷房効率=(1/予測熱費)=生成される冷熱量/圧縮機を駆動するための必要と推定される燃料消費量
(評価式の演算)
次に、各圧縮機制御パターンの評価選択部81では、判定閾値算出部80で演算された判定閾値を用いて、評価式演算値の演算を行う。以下の数式3に示した評価式は、複数の圧縮機制御パターン毎に演算されるものであり、判定閾値から予測熱費を差し引いた値に冷熱量を乗じたものである。
(数式3)評価式演算値=Σ(判定閾値−予測熱費)×冷熱量
ここで判定閾値と予測熱費とは、共にディメンションまたは単位がリットル/カロリーである。また、冷熱量のディメンションはカロリーである。よって、評価式演算値のディメンションはリットルとなり、各圧縮機制御パターンで制御されたときに、従来制御に対して節約できる燃料消費量を表している。なお、この評価式の演算は、複数の圧縮機制御パターン毎に、所定の将来の時間帯を対象として、所定の時間間隔で演算する。
(圧縮機制御パターンの選択)
以上のようにして、各圧縮機制御パターン毎に評価式を演算し終わった後に、評価式演算値つまり節約できる燃料消費量が最大となる圧縮機制御パターンが選択される。
(圧縮機の仕事量の制御)
選択された圧縮機制御パターンに従って圧縮機駆動部82にて車両用空調装置(エアコン)15内の圧縮機1に制御信号を供給する。図7は、第1実施形態において、予測熱費、および判定閾値の変化予想に対して、選択された圧縮機制御パターン(この場合は圧縮機容量増加パターン)に従って圧縮機容量制御を行った結果を模式的に示す特性図である。なお、図7において、例えば、予測熱費は、直角に低下するものでなく、しだいに減少していくが、簡略化のため、直角的に減少するように図示している。
図7に示した時刻T、時刻T+Δt、時刻T+2Δtの各時刻において、上記の評価式を用いて、予測終点まで、評価式演算値が最大値となる圧縮機制御パターンを選んで、次のΔt内の圧縮機駆動制御を実行する。
図7の(a)部分に図示された時刻T(現在時点T)での制御では、予測熱費が判定閾値より下回る前に、予め可変容量型の圧縮機の吐出容量を上げていく。また、図7の(b)部分に図示された時刻T+Δtでは、前の時刻に想定した圧縮機制御パターンを維持する。但し、圧縮機1の吐出容量が最大吐出容量(MAX)を超えないように規制される。
図7の(c)部分に図示された時刻T+2Δでの制御では、評価式の演算値が最大となるよう、時刻T+Δtにおいて想定したパターンより評価式演算値が高い圧縮機制御パターンを選択し、予測熱費が判定閾値より上回る前に、予め圧縮機1の吐出容量を下げていく。
図8は、上記第1実施形態の制御の流れを説明するフローチャートである。図8において、ステップS801では、エンジンECU38内で、予め定めた将来の所定時間内のエンジンの回転数およびエンジンのトルクに関係する走行状態およびエンジン状態を予測する。次にステップS802では、エンジンECU38内で、予測走行状態および予測エンジン状態に基づき、エンジン効率特性に従って、選択され得る各圧縮機制御パターンで圧縮機を駆動し、冷媒に蓄冷するための燃料消費量を演算する。
ステップS803では、エンジンECU38内で演算された、選択され得る各圧縮機制御パターンで圧縮機を駆動するために必要な燃料消費量が、エアコンECU5に送信される。ステップS804では、エアコンECU5内で、蓄冷量、過去の冷房効率、および空調環境状態(外気温、設定温度等)に基づいて、判定閾値が演算される。
次に、ステップS805において、予測熱費を演算する。また、判定閾値を用いて、評価式の演算を行う。評価式は、複数の圧縮機制御パターン毎に演算されものであり、判定閾値から予測熱費を差し引いた値に冷熱量を乗じたものである。
次に、ステップS806で、評価式演算値つまり節約できる燃料消費量が最大となる圧縮機制御パターンを選択する。更に、ステップS807で、選択された圧縮機制御パターンに従って圧縮機1に制御信号を供給し、圧縮機を駆動する。
(第1実施形態の作用効果)
次に第1実施形態の作用効果をまとめて説明する。上記第1実施形態においては、推定されたエンジン状態(例えば、回転数やトルク)に基づき、圧縮機1を複数の圧縮機制御パターン(例えば回転数をしだいに上げていくとか、回転数をしだいに下げていくパターン)で駆動したときの冷房効率関係値である予測熱費を演算することができる。そして、この演算された冷房効率関係値に基づき、燃料消費率を削減する効果の高い好適な圧縮機制御パターンを選択することができる。これにより、車両の減速直前だけではなく、より長い時間帯での最適化が達成でき、車両用空調装置15の全作動時間内において、燃料消費率を削減する効果の高い圧縮機制御パターンを選択しながら車両用空調装置15を運転することができるため、燃料消費率削減効果が大きい。
また、車両用空調装置15は、熱交換器9、40の蓄冷(冷媒回路の蓄冷を含む)を活用して車両の室内を冷房することができる。この蓄冷量が多いほど冷房効率の高い運転が可能となる。また蓄冷量が多いときは圧縮機1の仕事量を減らしても良い。そして、推定されたエンジン状態(例えば、回転数やトルク)に基づき、圧縮機1を複数の圧縮機制御パターン(例えば回転数をしだいに上げていくとか、回転数をしだいに下げていくパターン)で駆動したときの冷房効率関係値も演算することができる。
そして、この演算された冷房効率関係値と、そのときの蓄冷量に関係する判定閾値とに基づき、複数の圧縮機制御パターンの中から、燃料消費率を削減する効果の高い好適な圧縮機制御パターンを選択することができる。そして、車両の減速直前だけではなく、車両用空調装置15の全作動時間内において、燃料消費率を削減する効果の高い圧縮機制御パターンを選択しながら車両用空調装置15を運転することができるため、燃料消費率削減効果が大きい。
更に、冷房効率関係値となる予測熱費と判定閾値との大小関係に応じて、具体的には(判定閾値−予測熱費)を演算して圧縮機制御パターンを選択するから、例えば、冷房効率が良くなると予測される判定閾値よりも予測熱費が小さくなると予測される時は、圧縮機1の所定期間あたりの仕事量を増加させる圧縮機制御パターンを選択することにより、効率の高い冷凍サイクルの運転状況下において、圧縮機動力を積極的に活用できるから、燃料消費率削減効果の高い制御が実現できる。
加えて、冷房効率関係値と判定閾値との差分に応じて、圧縮機制御パターンを選択するから、例えば、冷房効率関係値と判定閾値との差分が大きく、冷房効率が良くなると予測される時は、圧縮機1の所定期間あたりの仕事量を増加させる圧縮機制御パターンを選択することにより、効率の高い冷凍サイクルの運転状況下において、圧縮機動力を活用できる。
次に、推定されたエンジン状態(例えば、回転数やトルク)に基づき、圧縮機1を複数の圧縮機制御パターンで駆動するために必要な燃料消費量(単位は例えば、リットル)、およびその燃料消費量の燃料消費で生成できる冷熱量(単位は例えば、カロリー)を演算することができる。そして、この演算された燃料消費量の、該燃料消費量で生成できる冷熱量に対する比である予測熱費(単位は、例えば、リットル/カロリー)は、冷房効率を表す冷房効率関係値となる。この予測熱費に基づき、燃料消費率を削減する効果の高い好適な圧縮機制御パターンを選択することができる。
また、判定閾値は、蓄冷量の増加につれて小さくなり、予測熱費と同じディメンションを有し、選択手段を成す評価選択部81は、判定閾値と予測熱費との比較に基づき、好適な圧縮機制御パターンを選択することができる。これによれば、好適な圧縮機制御パターンを選択する選択手段は、蓄冷量の増加につれて小さくなり、例えば、冷房効率の逆数を表す判定閾値(単位は、例えば、リットル/カロリー)と、同じく冷房効率の逆数を表す予測熱費(単位は、例えば、リットル/カロリー)とを比較する。これにより、予測熱費が判定閾値より小さくなることが予測される(冷房効率が良くなると予測される)ときに、所定時間内の圧縮機1の冷媒吐出量を増加させるように制御して、圧縮機1の仕事量を増やすことができる。
更に、判定閾値は、蓄冷量と車両の空調状態に影響する車両環境条件を表す数値とに応じて求められる値(単位は、例えば、リットル/カロリー)である。よって、判定閾値は、蓄冷量のみでなく車両用空調装置の空調状態に影響する車両環境条件を表す数値である設定温度、外気温等に応じて変化するから、判定閾値をより厳密に設定でき、より正確な圧縮機制御パターンを選択することができる。例えば、外気温が高いほど圧縮機の仕事量を増やすように判定閾値(要求熱費とも呼ばれる)を大きくすることができる。
加えて、判定閾値は、設定温度または外気温に応じて求められるから、判定閾値をなるべく高く設定することができ、圧縮機1の容量を増大させやすくして、例えば、外気温が高く設定温度が低いほど圧縮機1の仕事量を増やすように判定閾値を大きくすることができる。
次に、図6のように、過去の履歴に応じて判定閾値を設定する。例えば、過去の判定閾値(単位は、例えば、リットル/カロリー)が低いほど、判定閾値を低めに設定するから、より実態に即した判定閾値の設定が可能となり、更なる燃料消費率低減効果の向上につなげることができる。また、車両の運転条件や車両の仕向け先(地域)が異なっても、判定閾値をより正しく設定できるから、燃料消費率向上効果が大きい。
また、車両用空調装置15は、熱交換器9部分(熱交換器を成す蒸発器と一体部分または隣接した部分)に、蓄冷剤が設けられた蓄冷器40を有し、該蓄冷器40を通過させた空調風または該蓄冷器40を通過させた冷媒で車両の室内を冷房し、主として蓄冷器40の蓄冷量に基づき、判定閾値を設定している。
これによれば、蓄冷剤が設けられた蓄冷器40の使用によって、熱交換器9または冷媒回路に蓄積できる蓄冷量は大幅に増え、圧縮機1を使用しないでも冷房ができる期間が一層増加するので、蓄冷器40の蓄冷量を考慮した判定閾値を設定することにより、より好適化された圧縮機の制御を行うことができる。
更に、冷房効率関係値を、判定閾値と比較して、車両用空調装置の冷房効率が高いときに圧縮機の仕事量を増加させて蓄冷器40に蓄冷できるから、より好適化された圧縮機1の制御を行うことができ、燃料消費率向上効果を大きくすることができる。
加えて、推定されたエンジン状態(例えば、回転数やトルク)に基づき、圧縮機1を複数の圧縮機制御パターンで駆動するために必要な燃料消費量(単位は例えば、リットル)、およびその燃料消費量の燃料消費で生成できる冷熱量(例えば、カロリー)を演算することができる。そして、この演算された燃料消費量の、該燃料消費量で生成できる冷熱量に対する比である予測熱費(単位は、例えば、リットル/カロリー)は、冷房効率関係値となる。この予測熱費に基づき、燃料消費率を削減する効果の高い好適な圧縮機制御パターンを選択することができる。
次に、選択される圧縮機制御パターンの候補毎に演算式から節約できる燃料消費量を表す評価式演算値を求めている。この演算式は、(判定閾値−冷房効率関係値)に冷熱量 を乗じたものである。そして、この評価式演算値が、最大値となる圧縮機制御パターンを選択している。
これによれば、判定閾値の単位が(リットル/カロリー)、冷房効率関係値の単位が(リットル/カロリー)、冷熱量の単位が(カロリー)であるから、評価式演算値のディメンションは、容積(リットル)となり、簡単な数式を演算することにより、今後の予測された冷房効率に関係する冷房効率関係値と、判定閾値とを考慮して、本件制御が従来制御に比較して節約できる燃料消費量を評価式演算値として表すことができる。
よって、この評価式演算値を用いて、効率の高い冷凍サイクルの運転状況下において、圧縮機動力を活用でき、燃料消費率削減効果の高い制御が実現できる。また、演算量も多くないので、コスト対効果が良好である。なお、節約できる燃料消費量を表す評価式演算値の全てがマイナスになるときは、圧縮機を駆動しない。
また、選択された圧縮機制御パターンをエアコンECU5からエンジンECU38へ、例えばCAN通信を利用して送信し、圧縮機1回転時の圧縮機トルクと、エンジン4回転時のエンジントルクとの協調を行っている。これによれば、エンジン4が、圧縮機トルクを考慮したエンジントルクを出力でき、圧縮機1の所定時間内の仕事量を大きく変えたい時の、車両のドライバビリティ(エンジン負荷の増減に対する操縦性能)の向上を図ることができる。
更に、上記第1実施形態は下記の構成とそれに伴う作用効果を有する。補機1を動力源4(駆動源4)で作動させる車両制御システムにおいて、駆動源4の状態に影響する車両の走行状態を今後の所定の予測期間にわたり予測し、予測された時点の走行状態に基づき、今後の補機1の運転効率に関係する駆動源状態を推定する駆動源状態推定手段S801と、駆動源状態推定手段S801により推定された駆動源状態を基に、複数の補機制御パターンの候補の各々で補機1、150を制御して補機1、150を運転するときの運転効率に関係する運転効率関係値を演算する手段S805と、少なくとも、運転効率関係値に基づき、複数の補機制御パターンの候補の中から、好適な補機制御パターンを選択する選択手段S806と、好適な補機制御パターンに基づいて補機を運転する運転手段S807とを備える。
これによれば、推定された駆動源状態に基づき、補機を複数の補機制御パターンで運転したときの運転効率関係値を演算することができる。そして、この演算された運転効率関係値に基づき、燃料消費率を削減する効果の高い好適な補機制御パターンを選択することができる。そして、車両の減速直前だけではなく、より長い時間帯での最適化が達成でき、補機の実質的な全作動時間内において、燃料消費率を削減する効果の高い補機制御パターンを選択しながら補機を運転することができるため、燃料消費率削減効果が大きい。
また、補機は、冷媒が流れる熱交換器9にて車両の室内を冷房する車両用空調装置15の冷媒を圧縮する圧縮機1から成り、車両用空調装置15は、駆動源4の動力で冷凍サイクル内の圧縮機1を作動させることで、冷凍サイクルで生成した冷熱で室内を空調し、且つその冷熱の一部を車両用空調装置15内に蓄冷し、圧縮機1の停止中に蓄冷した冷熱を放出して室内を空調し、駆動源状態推定手段S801は、駆動源4の状態に影響する車両の走行状態を今後の所定の予測期間にわたり予測し、予測された時点の走行状態に基づき、今後の車両用空調装置15の冷房効率に関係する駆動源状態を推定し、運転効率関係値を演算する手段S805は、駆動源状態推定手段S801により推定された駆動源状態を基に、複数の圧縮機制御パターンの候補の各々で圧縮機を駆動して冷房するときの冷房効率に関係する冷房効率関係値を演算し、選択手段S806は、少なくとも、冷房効率関係値に基づき、複数の圧縮機制御パターンの候補の中から、好適な圧縮機制御パターンを選択し、運転手段S807は、好適な圧縮機制御パターンに基づいて圧縮機を駆動する駆動手段S807から成る。
これによれば、推定された駆動源状態に基づき、圧縮機を複数の圧縮機制御パターンで駆動したときの冷房効率関係値を演算することができる。そして、この演算された冷房効率関係値に基づき、燃料消費率を削減する効果の高い好適な圧縮機制御パターンを選択することができる。そして、車両の減速直前だけではなく、より長い時間帯での最適化が達成でき、車両用空調装置の実質的な全作動時間内において、燃料消費率を削減する効果の高い圧縮機制御パターンを選択しながら車両用空調装置を運転することができるため、燃料消費率削減効果が大きい。
更に、選択手段S806は、予測された時点の車両用空調装置15の要求基準となる冷房効率に関係する判定閾値、および予測された時点の演算された冷房効率関係値に基づき、複数の圧縮機制御パターンの候補の中から、好適な圧縮機制御パターンを選択する。
これによれば、推定された駆動源状態に基づき、圧縮機を複数の圧縮機制御パターンで駆動したときの冷房効率関係値を演算することができる。そして、この演算された冷房効率関係値と、そのときの判定閾値とに基づき、複数の圧縮機制御パターンの中から、燃料消費率を削減する効果の高い好適な圧縮機制御パターンを選択することができる。そして、車両の減速直前だけではなく、車両用空調装置の実質的な全作動時間内において、燃料消費率を削減する効果の高い圧縮機制御パターンを選択しながら車両用空調装置を運転することができるため、燃料消費率削減効果が大きい。
加えて、車両用空調装置15は、熱交換器9部分、または、該熱交換器9を流れる冷凍サイクル中に、蓄冷剤44が設けられた蓄冷器40を有し、蓄冷器40を通過させた空調風または蓄冷器40を通過させた冷媒で室内を冷房する。
これによれば、蓄冷剤が設けられた蓄冷器の使用によって、熱交換器または冷媒回路に蓄積できる蓄冷量は大幅に増え、圧縮機を使用しないでも冷房ができる期間が増加するので、より燃料消費率を削減する効果の高い圧縮機の制御を行うことができる。
次に、冷房効率関係値を、蓄冷器の蓄冷量に係わる判定閾値と比較して、車両用空調装置15の冷房効率が高いときに、圧縮機1の仕事量を増加させる。これによれば、蓄冷剤が設けられた蓄冷器の使用によって、熱交換器または冷媒回路に蓄積できる蓄冷量は大幅に増え、圧縮機を使用しないでも冷房ができる期間が増加し、かつ冷房効率関係値を、判定閾値と比較して、車両用空調装置の冷房効率が高いときに圧縮機の仕事量を増加させて蓄冷器に蓄冷できるから、より好適化された圧縮機の制御を行うことができ、燃料消費率向上効果を大きくすることができる。
また、冷房効率関係値は、駆動源状態推定手段S801で推定された駆動源状態に基づき、圧縮機1を複数の圧縮機制御パターンの各々で駆動するために必要な燃料消費量の、該燃料消費量で生成できる冷熱量に対する比である予測熱費からなる。
これによれば、推定された駆動源状態に基づき、圧縮機を複数の圧縮機制御パターンで駆動するために必要な燃料消費量、およびその燃料消費量で生成できる冷熱量を演算することができる。そして、この演算された燃料消費量の、該燃料消費量で生成できる冷熱量に対する比である予測熱費は、冷房効率を表す冷房効率関係値となる。この予測熱費に基づき、燃料消費率を削減する効果の高い好適な圧縮機制御パターンを選択することができる。
更に、判定閾値は、車両用空調装置15内に蓄冷された量である蓄冷量の増加につれて小さくなり、予測熱費と同じディメンションを有し、選択手段S806は、判定閾値と予測熱費との比較に基づき、好適な圧縮機制御パターンを選択する。
これによれば、好適な圧縮機制御パターンを選択する選択手段は、蓄冷量の増加につれて小さくなり、判定閾値と、予測熱費とを比較する。これにより、冷房効率が良くなると予測されるときに、所定時間内の圧縮機の冷媒吐出量を増加させるように制御して、圧縮機の仕事量を増やすことができる。
加えて、冷房効率関係値と判定閾値との大小関係に応じて、圧縮機制御パターンを選択する。これによれば、冷房効率関係値と判定閾値との大小関係に応じて、圧縮機制御パターンを選択する。冷房効率が良くなると予測される大小関係のときは、圧縮機の所定期間あたりの仕事量を増加させる圧縮機制御パターンを選択する。それにより、効率の高い冷凍サイクルの運転状況下において、圧縮機動力を積極的に活用できるから、燃料消費率削減効果の高い制御が実現できる。
次に、冷房効率関係値と判定閾値との差分に応じて、圧縮機制御パターンを選択する。これによれば、冷房効率関係値と判定閾値との差分に応じて、圧縮機制御パターンを選択するから、冷房効率関係値と判定閾値との差分が大きく、冷房効率が良くなると予測される時は、圧縮機の所定期間あたりの仕事量を増加させる圧縮機制御パターンを選択することにより、効率の高い冷凍サイクルの運転状況下において、圧縮機動力を活用できるから、燃料消費率削減効果の高い制御が実現できる。
また、判定閾値は、蓄冷量と予測された時点における車両の空調状態に影響する車両環境条件を表す数値とに応じて求められる。これによれば、判定閾値は、蓄冷量と車両の空調状態に影響する車両環境条件を表す数値とに応じて求められる値である。よって、判定閾値は、蓄冷量のみでなく車両用空調装置の空調状態に影響する車両環境条件を表す数値である設定温度、外気温等に応じて変化するから、判定閾値をより厳密に設定でき、より正確に圧縮機制御パターンを選択することができる。
更に、車両環境条件を表す数値は、車両用空調装置の設定温度または車両外部の外気温である。これによれば、判定閾値は、設定温度または外気温に応じて求められるから、判定閾値をなるべく高く設定することができ、圧縮機容量を増大させ易くして、外気温が高く、設定温度が低いほど、圧縮機の仕事量を増やすことができる。
加えて、過去の車両用空調装置15における判定閾値にかかわる履歴を学習して、今後の判定閾値を設定する。これによれば、過去の履歴に応じて判定閾値を設定し、例えば、過去の判定閾値が低いほど、判定閾値を低めに設定できるから、より実態に即した判定閾値の設定が可能となり、更なる燃料消費率低減効果の向上につなげることができる。また、車両の運転条件や車両の仕向け先地域が異なっても、判定閾値をより正しく設定できるようになるから、燃料消費率向上効果が大きい。
次に、複数の圧縮機制御パターンの候補毎に、判定閾値と、冷房効率関係値と、車室内を所望の冷房状態にするための熱量である冷熱量とを用いて、節約できる燃料消費量を演算し、この演算された値が、最大値となる圧縮機制御パターンを選択する。
これによれば、今後の予測された冷房効率に関係する冷房効率関係値と、判定閾値とを考慮して、節約できる燃料消費量を演算することができる。よって、この評価式演算値を用いて、効率の高い冷凍サイクルの運転状況下において、圧縮機動力を活用でき、燃料消費率削減効果の高い制御が実現できる。また、演算量も多くないので、コスト対効果が良好である。
更に、選択された好適な圧縮機制御パターンを、車両用空調装置15を制御する空調制御装置5から駆動源4を制御する駆動源制御装置38へ送信し、圧縮機1回転時の圧縮機トルクと、駆動源4回転時の駆動源トルクとの協調を行う。
これによれば、駆動源が、圧縮機トルクを考慮した駆動源トルクを出力でき、圧縮機の所定時間内の仕事量を大きく変えたい時の、車両のドライバビリティの向上を図ることができる。
加えて、選択手段S806は、予測された時点の車両用空調装置の設定温度と吹出温度との偏差に関係する値、および冷房効率関係値に基づき、複数の圧縮機制御パターンの候補の中から、好適な圧縮機制御パターンを選択する。
これによれば、演算された冷房効率関係値と、設定温度と吹出温度の偏差に関係する値に基づき、複数の圧縮機制御パターンの中から、燃料消費率を削減する効果の高い好適な圧縮機制御パターンを選択することができる。そして、車両の減速直前だけではなく、車両用空調装置の実質的な全作動時間内において、燃料消費率を削減する効果の高い圧縮機制御パターンを選択しながら車両用空調装置を運転することができるため、燃料消費率削減効果が大きい。
次に、駆動源状態推定手段S801により推定された駆動源状態を基に、複数の圧縮機制御パターンの候補の各々で駆動して冷熱量を生成して冷房するときに車両用空調装置15が消費する冷熱量あたりの燃料消費量を表す予測熱費と、車両用空調装置15の設定温度と、車両用空調装置15が室内に吹出す吹出温度と、冷熱量と、補正係数とを用いて、複数の圧縮機制御パターンの候補毎に、予測熱費の逆数の値と、設定温度と吹出温度との差に補正係数と冷熱量とを乗じた値との和を求め、この和の値が、最大値となる圧縮機制御パターンを選択する。
これによれば、基本的には、冷房効率関係値となる1/予測熱費が大きい圧縮機制御パターンを選択することができる。そして、上記評価式演算値では、吹出温度が設定温度より低くなると予測され、設定温度−吹出温度が大きくなるときは、要求されている冷房度合いがクールダウンの時のように大きい傾向にある。従って、この場合は、冷熱量が大きい圧縮機制御パターンが選択されるようにしている。これにより、効率の高い冷凍サイクルの運転状況下において、圧縮機動力を活用できる圧縮機制御パターンの選択が可能になり、かつ要求されている冷房度合いが大きい場合に適切に対応できる。また、演算量も多くないので、コスト対効果が良好である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。
上述の第1実施形態では、蓄冷器40を空調風で冷却したが、蓄冷器40を特許文献2のように、冷媒回路内に設けても良い。以下、これについて説明する。図9は、本発明の第2実施形態に用いる車両用空調装置15の構成図である。
図9において、冷凍サイクルRは、圧縮機1の吐出口→凝縮器6→受液器7→膨張弁8→車室内の熱交換器をなす蒸発器9→蓄冷器40→圧縮機1の吸入口の経路で冷媒が循環するように冷媒配管で接続して構成されている。
この第2実施形態のように、熱交換器(蒸発器)9を流れる冷媒回路中に蓄冷剤44が
設けられた蓄冷器40を設け、該蓄冷器40を通過させた冷媒で熱交換器9を介して室内を冷房し、主として蓄冷器40の蓄冷量に基づき、判定閾値を設定しても良い。
蓄冷器40内には蓄冷剤44が設けられ、圧縮機1の作動中に蒸発器9から流出した冷媒が蓄冷器40内に流入して蓄冷剤44と熱交換することで、冷媒の冷熱が蓄冷剤44に蓄えられる。そして、蓄冷器40内で蓄冷剤44と熱交換して温度上昇した冷媒が蓄冷器40から流出して圧縮機1に吸入される。
なお、38はエンジンECU、351は外気温センサ、352は車室内温度センサ、331は蓄冷器40の蓄冷剤44の温度を検出する蓄冷剤温度センサである。また、37aは空調温度設定スイッチ、37eはエアコンスイッチである。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。上記第1実施形態においては、演算量が少なくなるように、選択される可能性のある圧縮機制御パターンの数を少なくしたが、高速演算が可能であれば、選択される可能性のある圧縮機制御パターンの候補数を多くしても良い。
図10は、本発明の第3実施形態を示す圧縮機制御パターンの説明図である。図10において、パターン31から33を実行するために遅延時間TLを設定しても良い。この遅延時間TLは圧縮機1つまりエンジン4の回転数等に応じて変数としても良い。また、パターン35のように圧縮機容量の増加する勾配をパターン31よりも大きく設定しても良い。パターン34は圧縮機を停止させるパターンである。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。任意に選択できる数値である仕事量変化率Pを、車両の操縦性または車両用空調装置15の寿命に影響する値として設定し、仕事量変化率Pが大きいほど圧縮機1の所定期間あたりの仕事量を低下させるようにしてもよい。
これによれば、車両の操縦性(ドライバビリティ)または車両用空調装置15の寿命を重視した車両制御システムにするか、燃料消費率向上を重視した車両制御システムにするかの選択を仕事量変化率Pの設定により任意に行うことができ、操縦性(ドライバビリティ)と燃料消費率のトレードオフも好適化できる。例えば、仕事量変化率Pが大きいほど、選択された圧縮機制御パターンの傾斜を下げる方向に補正し、圧縮機1の所定期間内の仕事量を低減させるようにすれば良い。
なお、圧縮機容量の急激な変化を抑制するために、任意に選択できる数値である仕事量変化率Pを使用して圧縮機容量の変化率に制限を付するようにして補正をおこなうこともできる。
更に、第4実施形態を示す一部フローチャートである図11および下記に示した数式4によって評価式演算値を演算し、仕事量変化率Pが大きいほど、圧縮機1が停止する機会を増加させて、圧縮機1の所定期間あたりの仕事量を低下させてもよい。
(数式4)評価式演算値=Σ(判定閾値−冷房効率)×冷熱量−仕事量変化率P
これによれば、仕事量変化率Pの設定により、評価式演算値の全てがマイナスになり、圧縮機1が停止する機会が増えるため、操縦性(ドライバビリティ)または車両用空調装置15の寿命と燃料消費率の向上とのトレードオフを任意に好適化できる。なお、図11のステップS805aは、図8のステップS805と置き換えられる。
このように、この第4実施形態においては、任意に選択できる数値である仕事量変化率Pを、車両の操縦性または車両用空調装置15の寿命に影響する値として設定し、仕事量変化率Pが大きいほど、評価式演算値がマイナスになる確率を増加させる等の方法により、選択された圧縮機制御パターンに基づく圧縮機1の所定期間あたりの仕事量を低下させている。
この実施形態によれば、任意に選択できる数値である仕事量変化率Pを、車両の操縦性または車両用空調装置の寿命に影響する値として設定し、仕事量変化率Pが大きいほど選択された圧縮機制御パターンに基づく圧縮機の所定時間あたりの仕事量を低下させる。
これによれば、車両のドライバビリティ操縦性能または車両用空調装置の寿命を重視した車両制御システムにするか、燃料消費率向上を重視した車両制御システムにするかの選択を仕事量変化率の設定により任意に行うことができ、ドライバビリティと燃料消費率のトレードオフを好適化することができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。上記各実施形態においては、エンジンによって駆動される補機が車両用空調装置の圧縮機である例について説明したが、補機はオルタネータ等の発電機であっても良い。
以下において第5実施形態を図12に基づいて説明する。車両制御システムは、エンジン制御装置(エンジンECU)38およびオルタネータ制御装置500を伴って構成される。エンジン制御装置38は、運転者操作情報70(例:アクセルペダル操作情報)、補機作動情報71(例:補機の一つが空調用の圧縮機であって冷房作動中)、車両走行情報72(例:現在車速)、ナビゲーション情報73(例:制限速度、渋滞状況、坂道)、および、走行履歴74(例:1000メートル先駐車の確率は80%)などの情報に基づいて、将来一定時間内の走行状態を予測する。将来一定時間内の走行状態とは、主にはエンジン燃費に大きく係わる車速、加減速、およびエンジン4の負荷の状態である。
予測された走行状態、およびエンジン状態検出部76からのエンジン状態(例:暖機状態)に基づき、エンジン効率特性に従って、所定のオルタネータ制御パターンでオルタネータを駆動するための燃料消費量を燃料消費量予測部77で計算し、計算結果をオルタネータ制御装置500へ送信する。
ここで、燃料消費量の予測は、エンジンの等燃費曲線マップに基づいて決定できる。また、オルタネータを駆動するための燃料消費量の代わりにオルタネータを駆動するための燃費(単位時間、単位トルクあたりの燃費消費量)を計算しても良い。
オルタネータ制御装置500は、電池SOC(ステート・オブ・チャージ)、車載された電気負荷、電気負荷に係わる車両状態(ワイパ、ヒータ、ブロワ等の作動状態、ナビゲーション装置の作動状態等)情報を電力負荷状態検出記憶部502および電池状態検出記憶部501内に保持している。これらの保持された情報に基づいて、評価式評価用の判定閾値を判定閾値算出部800で設定する。
なお、電池SOCとは、電池400の充電状態を示す単位で、満充電時における電池400の容量に対して充電残量がどのくらいかを比率(パーセント)で表している。すなわち、SOC100%は満充電状態を、50%は充電残量が半分、0%は完全放電状態を示している。
具体的には、図12のオルタネータ制御装置500は、オルタネータ状態検出部780aにて検出したオルタネータ150の状態など(必要であればエンジンの燃費予測情報を含むエンジン4に関する情報)に基づいて、いくつか可能な制御パターンを制御パターン推定部790で推定する。
推定された制御パターンは、エンジン制御装置38に送信される。そして、このエンジン制御装置38において、各制御パターンの燃料消費量(または燃費)を予測してもらう。オルタネータ制御装置500は、各制御パターンの予測燃料消費量等を受信した後に、オルタネータ150の発電効率(オルタネータ150の出力/入力)を用いて、各制御パターンの駆動効率を制御パターン評価選択部810内で計算する。
その後、各制御パターンの駆動効率および発電量に基づき、上記評価式および判定閾値を用いて、各制御パターンを評価し、最適な制御パターンを選択する。例えば、下記の評価式を用いて、評価式が最大値となる制御パターンを制御パターン評価選択部810内で選ぶ。
(数式5)評価式=Σ(判定閾値−予測電費)×発電量 )
この数式5の評価式は、所定の時間帯に所定の間隔で計算する。ここで、予測される駆動効率=1/予測電費=(予測される発電量)/(オルタネータを駆動するための予測される燃料量)という関係が成り立つ。つまり、駆動効率は電費の逆数であり、この駆動効率は、またオルタネータを駆動するための燃料量に対するオルタネータの発電量の割合である。
(第5実施形態の作用効果)
このオルタネータ駆動においては以下のような構成と作用を伴う。オルタネータ150を作動させることで発電する車両制御システムにおいて、オルタネータ150は、エンジン4の動力で発電して発電した電力を電池400(車載バッテリ)に蓄電する。オルタネータ150の発電力が弱い場合には、電池400が電力を放出して車載電気負荷に供給する。
エンジン4の状態に影響する車両の走行状態を今後の所定の予測期間にわたり予測し、予測された時点の走行状態に基づき、今後のオルタネータの発電効率に関係するエンジン状態をエンジン状態推定手段75、76、77により推定する。
エンジン状態推定手段75、76、77により推定されたエンジン状態を基に、複数のオルタネータ制御パターンの候補の各々でオルタネータをエンジンで駆動して発電するときの発電効率に関係する発電効率関係値を演算する。
少なくとも、発電効率関係値に基づき、複数のオルタネータ制御パターンの候補の中から、好適なオルタネータ制御パターンを選択する。そして、好適なオルタネータ制御パターンに基づいてオルタネータ150を制御する。具体的には界磁電流を制御する。
これによれば、推定されたエンジン状態に基づき、オルタネータ150を複数の制御パターンで駆動したときの発電効率関係値を演算することができる。そして、この演算された発電効率関係値に基づき、燃料消費率を削減する効果の高い好適なオルタネータ制御パターンを選択することができる。そして、車両の減速直前だけではなく、より長い時間帯での最適化が達成でき、オルタネータ150の実質的な全作動時間内において、燃料消費率を削減する効果の高いオルタネータ制御パターンを選択しながらオルタネータ150を運転することができるため、燃料消費率削減効果が大きい。
また、選択手段S1506は、予測された時点のオルタネータ150の要求基準となる発電効率に関係する判定閾値、および予測された時点の演算された発電効率関係値に基づき、複数のオルタネータ制御パターンの候補の中から、好適なオルタネータ制御パターンを選択する。
図14は、予測電費、および判定閾値の変化予想に対して、選択されたオルタネータ制御パターン(この場合は発電電力増加パターン)に従ってオルタネータ発電制御を行った結果を模式的に示す特性図である。なお、図14において、例えば、予測電費は、直角に低下するものでなく、しだいに減少していくが、簡略化のため、直角的に減少するように図示している。
図14に示した時刻T、時刻T+Δt、時刻T+2Δtの各時刻において、上記の評価式を用いて、予測終点まで、評価式演算値が最大値となるオルタネータ制御パターンを選んで、次のΔt内のオルタネータ制御を実行する。
図14の(a)部分に図示された時刻T(現在時点T)での制御では、予測電費が判定閾値より下回る前に、予めオルタネータ150の発電量を上げていく。また、図14の(b)部分に図示された時刻T+Δtでは、前の時刻に想定したオルタネータ制御パターンを維持する。但し、オルタネータ150の発電量が最大発電量(MAX)を超えないように規制される。
図14の(c)部分に図示された時刻T+2Δtでの制御では、評価式の演算値が最大となるよう、時刻T+Δtにおいて想定したパターンに引き続いて評価式演算値が高いオルタネータ制御パターンを選択し、予測電費が判定閾値より上回る前に、予めオルタネータの発電量を下げている。
この第5実施形態のフローチャートを図15に示して説明する。先ず、ステップS1501において、エンジンECU38内で、予め定めた将来の所定時間内のエンジンの回転数およびエンジンのトルクに関係する走行状態およびエンジン状態を予測する。
次に、ステップS1502において、エンジンECU38内で、予測走行状態および予測エンジン状態に基づき、エンジン効率特性に従って、選択され得る各オルタネータ制御パターンでオルタネータを駆動し、電池400に充電等を行うための燃料消費量を演算する。
そして、ステップS1503において、エンジンECU38内で演算された、各制御パターンでオルタネータ150を制御するために必要な燃料消費量が、オルタネータ制御装置500に送信される。
次に、ステップS1504において、オルタネータ制御装置500内で、判定閾値が演算される。この判定閾値は、図13のマップを用いて、電池400のSOC、そのときの車載電気負荷の電力消費の大きさ、過去の平均電費の大小から求められる。
次に、図15のステップS1505において、先ず、予測電費を演算する。上述のように、駆動効率=1/電費=発電量/オルタネータを駆動するための燃料量という関係が成り立つ。つまり、駆動効率は電費の逆数であり、この駆動効率は、またオルタネータを駆動するための燃料量に対するオルタネータの発電量である。従って、電費を予測するには、駆動効率、つまり、オルタネータを駆動するための燃料量に対するオルタネータの発電量を求め、その逆数を演算する。
また、判定閾値を用いて、評価式の演算を行う。評価式は、複数のオルタネータ制御パターン毎に演算されものであり、判定閾値から予測電費を差し引いた値に発電量を乗じたものである。よって、評価式演算値はこの制御によって節約できる燃料量に関係する値である。
次に、ステップS1506において、評価式演算値つまり節約できる燃料消費量が最大となるオルタネータ制御パターンを選択する。更に、ステップS1507において、選択されたオルタネータ制御パターンに従って界磁電流を制御するオルタネータ150内のレギュレータに制御信号を供給し、オルタネータ150の発電を制御する。
更に、上述の第5実施形態は下記の構成に伴う作用効果を奏する。補機(オルタネータ)150をエンジン4で作動させる車両制御システムにおいて、エンジン4の状態に影響する車両の走行状態を今後の所定の予測期間にわたり予測し、予測された時点の走行状態に基づき、今後の補機となるオルタネータ150の運転効率に関係するエンジン状態を推定するエンジン状態推定手段S1501(図15)と、エンジン状態推定手段S1501により推定されたエンジン状態を基に、複数の補機制御パターンの候補の各々で補機150を制御して補機150を運転するときの運転効率に関係する運転効率関係値を演算する手段S1505と、少なくとも、運転効率関係値に基づき、複数の補機制御パターンの候補の中から、好適な補機制御パターンを選択する選択手段S1506と、好適な補機制御パターンに基づいて補機を運転する運転手段S1507とを備える。
これによれば、推定されたエンジン状態に基づき、補機を複数の補機制御パターンで運転したときの運転効率関係値を演算することができる。そして、この演算された運転効率関係値に基づき、燃料消費率を削減する効果の高い好適な補機制御パターンを選択することができる。そして、車両の減速直前だけではなく、より長い時間帯での最適化が達成でき、補機の実質的な全作動時間内において、燃料消費率を削減する効果の高い補機制御パターンを選択しながら補機を運転することができるため、燃料消費率削減効果が大きい。
また、補機150は、エンジン4によって駆動され、車両の電気負荷と電池400とに電力を供給する発電機から成り、エンジン状態推定手段S1501は、エンジン4の状態に影響する車両の走行状態を今後の所定の予測期間にわたり予測し、予測された時点の走行状態に基づき、今後の発電機150の発電効率に関係するエンジン状態を推定する。
運転効率関係値を演算する手段S1505は、エンジン状態推定手段S1501により推定されたエンジン状態を基に、複数の発電機制御パターンの候補の各々で発電機150を駆動して発電するときの発電効率に関係する発電効率関係値を演算する。
選択手段S1506は、少なくとも、発電効率関係値に基づき、複数の発電機制御パターンの候補の中から、好適な発電機制御パターンを選択し、運転手段S1507は、好適な発電機制御パターンに基づいて発電機150を運転する手段から成る。
これによれば、推定されたエンジン状態に基づき、発電機150を複数の発電機制御パターンで駆動したときの発電効率関係値を演算することができる。そして、この演算された発電効率関係値に基づき、燃料消費率を削減する効果の高い好適な発電機制御パターンを選択することができる。そして、車両の減速直前だけではなく、より長い時間帯での最適化が達成でき、発電機150の実質的な全作動時間内において、燃料消費率を削減する効果の高い発電機制御パターンを選択しながら発電機150を運転することができるため、燃料消費率削減効果が大きい。
更に、選択手段S1506は、予測された時点の発電機150の要求基準となる発電効率に関係する判定閾値、および予測された時点の演算された発電効率関係値に基づき、複数の発電機制御パターンの候補の中から、好適な発電機制御パターンを選択する。
これによれば、推定されたエンジン状態に基づき、発電機150を複数の発電機制御パターンで駆動したときの発電効率関係値を演算することができる。そして、この演算された発電効率関係値と、そのときの判定閾値とに基づき、複数の発電機制御パターンの中から、燃料消費率を削減する効果の高い好適な発電機制御パターンを選択することができる。そして、車両の減速直前だけではなく、発電機150の実質的な全作動時間内において、燃料消費率を削減する効果の高い発電機制御パターンを選択しながら発電機150を運転することができるため、燃料消費率削減効果が大きい。
加えて、発電機150は、発電した電力を電池400に供給し、電池400に充電された電力を電気負荷に供給する。これによれば、エンジン4の効率が良いときに電池の充電によって電力を蓄積でき、発電機150を使用しないでも電気負荷に電力を供給できる期間が増加するので、燃料消費率を削減する効果の高い発電機150の制御を行うことができる。
次に、図15のステップS1505のように、発電効率関係値(予測電費)と、電池400の充電状態を示す値であって、満充電時における電池400の容量に対して充電残量がどのくらいかを表した値に係わる判定閾値とを比較(差分をとる)して、発電機150の発電効率が高いときに、発電機150の仕事量を増加させる。
これによれば、電池400の使用によって、発電機150を使用しないでも電気負荷に電力を供給できる期間が増加し、かつ発電効率関係値(予測電費)を、判定閾値と比較して、発電機150の発電効率が高いときに発電機150の仕事量を増加させて電池400に充電できるから、より好適化された発電機150の制御を行うことができ、燃料消費率向上効果を大きくすることができる。
また、発電効率関係値(予測電費)は、エンジン状態推定手段S1501で推定されたエンジン状態に基づき、発電機150を複数の発電機制御パターンの各々で駆動するために必要な燃料消費量の、該燃料消費量で生成できる発電量に対する比である予測電費からなる。
これによれば、推定されたエンジン状態に基づき、発電機150を複数の発電機制御パターンで駆動するために必要な燃料消費量、およびその燃料消費量で生成できる発電量を演算することができる。そして、この演算された燃料消費量の、該燃料消費量で生成できる発電量に対する比である予測電費は、発電効率の逆数を表す発電効率関係値となる。この予測電費に基づき、燃料消費率を削減する効果の高い好適な発電機制御パターンを選択することができる。
更に、判定閾値は、発電機150で充電された電池400の充電量の増加につれて小さくなり、予測電費と同じディメンションを有し、選択手段S1506は、判定閾値と予測電費との比較に基づき、好適な発電機制御パターンを選択する。
これによれば、好適な発電機制御パターンを選択する選択手段S1506(図15)は、充電量の増加につれて小さくなる判定閾値と、予測熱費とを比較する。これにより、発電効率が良くなると予測されるときに、所定時間内の発電機150の発電電力量を増加させるように制御して、発電機150の仕事量を増やすことができる。
加えて、発電効率関係値(予測電費)と判定閾値との大小関係に応じて、発電機制御パターンを選択する。これによれば、発電効率が良くなると予測される大小関係のときは、発電機150の所定期間あたりの発電電力量を増加させる発電機制御パターンを選択できる。それにより、効率の高い発電機150の運転状況下における発電電力を活用できるから、燃料消費率削減効果の高い制御が実現できる。
次に、発電効率関係値と判定閾値との差分に応じて、発電機制御パターンを選択する。これによれば、発電効率関係値と判定閾値との差分が大きく、発電効率が良くなると予測される時は、発電機150の所定期間あたりの発電電力量を増加させる発電機制御パターンを選択することにより、効率の高い発電機150の運転状況下において、発電電力を活用できる。
また、判定閾値は、図13のように、少なくとも、電池400の充電状態(電池SOC)と、予測された時点における車両の電気負荷の電力消費を表す数値とに応じて求められる。よって、判定閾値は、電池400の充電状態のみでなく発電機が電力を供給する電気負荷の電力消費に関係する値であるから、判定閾値をより厳密に設定でき、電力消費を考慮した発電機制御パターンを選択することができる。
更に、過去の発電機15における判定閾値にかかわる履歴を学習して、今後の判定閾値を設定する。これによれば、過去の履歴に応じて判定閾値を設定し、例えば、過去の平均電費が低いほど、判定閾値を低めに設定できるから、より実態に即した判定閾値の設定が可能となり、更なる燃料消費率低減効果の向上につなげることができる。また、車両の運転条件や車両の仕向け先地域が異なっても、履歴を重ねることにより、判定閾値をより正しく設定できるようになるから、燃料消費率向上効果が大きい。
加えて、図15のステップS1505において、複数の発電機制御パターンの候補毎に、判定閾値と、発電効率関係値と、電気負荷および電池に対して所望の給電状態にするための発電量とを用いて、節約できる燃料消費量を演算し、ステップS1506において、この演算された値が、最大値となる発電機制御パターンを選択する。
これによれば、今後の予測された発電効率に関係する発電効率関係値と、判定閾値とを考慮して、節約できる燃料消費量を演算することができる。よって、この評価式演算値を用いて、効率の高い発電機150の運転状況下において発電でき、燃料消費率削減効果の高い制御が実現できる。また、演算量も多くないので、コスト対効果が良好である。
なお、選択された好適な発電機制御パターンを、発電機制御装置500からエンジン制御装置38へ送信し、発電機回転時の発電機トルクと、エンジン4回転時のエンジントルクとの協調を行っても良い。これによれば、エンジンが、発電機トルクを考慮したエンジントルクを出力でき、発電機の所定時間内の仕事量を大きく変えたい時の、車両のドライバビリティの向上を図ることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。上記各実施形態においては、先ず複数の制御パターンを設定し、次に、理想的な制御パターンを選択したが、この第6実施形態においては、初めから理想的な制御パターンを算出するものである。図16は、本発明の第6実施形態を示す
以下の第6実施形態においては、特殊な条件に限らず、普通の走行状態の時でも、運転者の操作、ナビゲーション情報、過去の走行履歴などの情報に基づいて、加減速および坂道、走行速度を予測し、それによって、将来の一定の時間にわたって、動力源の燃料消費率または補機(オルタネータ)の駆動効率を推定し、補機を効率的に駆動する最適な制御パターンを算出することで、高い精度で補機の燃料消費量を低減するものである。
図16において、第6実施形態の車両制御システムは、エンジン制御装置(エンジンECU)38、およびオルタネータ制御装置500を伴って構成される。エンジン制御装置38は、運転者操作情報70(例:アクセルペダル操作情報)、補機作動情報71(例:補機の一つが空調用の圧縮機であって冷房作動中)、車両走行情報72(例:現在車速)、ナビゲーション情報73(例:制限速度、渋滞状況、坂道)、および、走行履歴74(例:1000メートル先駐車の確率は80%)などの情報に基づいて、将来一定時間内の走行状態を走行状態予測部75で予測する。
将来一定時間内の走行状態とは、主にはエンジン燃費に大きく係わる車速、加減速、およびエンジン負荷の状態である。予測した走行状態、およびエンジン状態検出部76で検出したエンジン状態(例:暖機状態等)に基づき、将来の所定期間内のエンジン効率をエンジン効率予測部770で予測すると共に、エンジン効率平均値算出部771にて、上記所定期間のエンジン効率の平均値を算出する。
将来の所定期間内のエンジン効率と、その期間のエンジン効率の平均値と、電池状態検出記憶部780内の電池の状態とから、将来の所定期間(例えば一分間)内のt時刻(複数)のオルタネータ150の仮の発電量(KW)を仮発電量算出部791にて求める。
ここで、オルタネータ制御装置500は、電池400の状態を電池状態検出記憶部780で検出して記憶している。例えば、電池状態検出記憶部780には、実電池SOC(ステート・オブ・チャージ)および目標電池SOCを記憶している。
なお、電池SOCとは、電池400の充電状態を示す単位で、満充電時における電池400の容量に対して充電残量がどのくらいかを比率(パーセント)で表している。すなわち、SOC100%は満充電状態を、50%は充電残量が半分、0%は完全放電状態を示している。
さらに、オルタネータ制御装置500は、所定期間内のエンジン効率の平均値を計算するエンジン効率平均値算出部771と、電池400の目標電池SOCと、実際の電池SOCである実SOCとを算出および検出して記憶する電池状態検出記憶部780と、所定期間内のt時刻でのオルタネータ150の仮の発電量PW(単位は例えばKW)を算出する仮発電量算出部791とを備える。
更に、オルタネータ制御装置500は、仮の発電量を発電するための動力源4の動力量を計算し、発電の効率δを算出する発電動力量算出部801と、t時刻での仮の発電量を補正して、補正された所定期間内の発電量、つまりオルタネータ制御パターンを算出する補正発電量算出部811と、補正されたオルタネータ制御パターンによってオルタネータ150を制御するオルタネータ駆動部(ドライバ)820とを備える。オルタネータ駆動部820は、そのときのエンジン回転数やオルタネータの効率に応じてオルタネータ制御パターンにて指示される発電量が得られるように界磁電流を制御する。
次に、上記第6実施形態の作動について図17のフローチャートに基づいて説明する。先ずステップS1701において、所定期間(将来の予め定めた一定時間)の走行状態を予測する。この予測は、第1実施形態と同様である。次にステップS1702において、予測した走行状態およびエンジンの効率マップに基づき、エンジンの効率を予測する。
そして、ステップS1703において、所定期間内のエンジン効率の平均値を計算する。更に、ステップS1704で、電池の目標電池SOCと、実際の電池SOCである実SOCとを算出および検出する。
更に、ステップS1705において、所定期間内のt時刻(複数)でのオルタネータ150の仮の発電量PWを計算する。この場合、目標電池SOC>実電池SOC、かつ、所定期間内のt時刻でのエンジン効率>エンジン効率平均値の場合は、次の数式6のようにして、所定期間内のt時刻でのオルタネータ150の仮の発電量PWを計算する。
(数式6)PW=k1×(目標電池SOC−実電池SOC)×(t時刻でのエンジン効率―エンジン効率平均値)
上記の「目標電池SOC>実電池SOC、かつ、t時刻でのエンジン効率>エンジン効率平均値の場合」以外の場合においては、t時刻での仮の発電量PW=0とする。
また、ステップS1706において、t時刻での仮の発電量を補正して、補正された所定期間内の発電量、つまりオルタネータ制御パターンを算出する。このために、発電するために必要な動力量を計算し、発電の効率δを算出する。発電の効率δ、定数cを用いて、次の数式7を用いて、仮の発電量PWを補正する。
この場合、この実施形態を適合させた実車を用いた実例で、実際に測定した平均の発電効率が得られるように、定数c、および適合値k1、k2を設定してマップ化しておき、数式7に使用する。
(数式7)t時刻の発電量=PW×(1+k2(δ−c)/c)
このあと、ステップS1707において、オルタネータ制御パターンに基づいてオルタネータを駆動する。
(第6実施形態の作用効果)
上記第6実施形態においては下記の構成に伴う作用効果を発揮する。動力を用いて走行する車両の動力源4と、該動力源4にて駆動される補機150とを備えた車両制御システムにおいて、車両の走行情報より、所定期間の走行状態を予測する走行状態予測部75(図16)と、走行状態予測部75からの情報と動力源4の状態とから動力源の効率または燃料消費量を予測する効率または燃料消費量予測部770と、補機150または補機システムを成す電池400の状態情報を検出する補機状態検出部780と、効率または燃料消費量予測部770からの予測された動力源の効率または燃料消費量と補機状態検出部780からの補機150または補機システム400の状態情報とから今後の動力源4の燃料の消費が最小となる所定期間における補機150の制御パターンを演算する制御パターン演算部791、801、811と、演算された制御パターンに従って補機150を制御する補機制御部820とを備える。
これによれば、車両の減速直前など特殊な条件だけではなく、一般走行状態でも所定期間の走行状態を予測し、走行状態に合わせて補機150の駆動効率の高い制御パターンを演算し、この制御パターンに従って補機150を制御することで、補機150の実質的な全作動時間内において、補機150のための燃料消費量を最小化することができるため、動力源4の燃料消費率削減効果が大きい。
また、制御パターン演算部791、801、811は、補機状態検出部780からの補機150または補機システム(電池)400の状態情報と、効率または燃料消費量予測部770からの予測された動力源の効率または燃料消費量とから、補機150の予測される仮の仕事量を算出する仮仕事量算出部791を有する。また、制御パターン演算部791、801、811は、仮の仕事量を行うための動力源4の動力量と、仮の仕事量に係わる補機の効率δを算出する補機動力量算出部801と、補機の仮の仕事量を補正して、補正された仕事量である補機150の制御パターンを算出する補正仕事量算出部811とを有する。
これによれば、補機150または補機システム400の状態情報と、予測された動力源の効率または燃料消費量とから、予測される仮の補機仕事量を算出し、仮の補機仕事量を行うための動力源の動力量と仮の補機仕事量に係わる補機効率とを算出し、仮の補機仕事量を補正して、補正された仕事量である制御パターンを算出することができ、この算出された制御パターンを用いて燃料消費量を最小化して補機150を駆動することができる。
更に、予測された車両の走行情報、および動力源4の状態に基づき、将来の所定期間内の動力源4の効率を動力源効率予測部770で予測すると共に、動力源効率平均値算出部771にて、上記所定期間の動力源効率の平均値を算出し、将来の所定期間内の動力源効率と、その期間の動力源効率の平均値と、補機システム400の状態とから、将来の所定期間内の補機150の仮の仕事量を仮仕事量算出部(仮発電量算出部)791にて求め、仮の仕事量を補機150が行うための動力源4の動力量を計算し、補機150の効率δを補機動力量算出部801にて求める。そして、仮の仕事量を効率δを用いて補正して、補正された仕事量である制御パターンを、補正仕事量算出部(補正発電量算出部)811にて求める。
これによれば、予測された車両の走行情報、および動力源4の状態に基づき、将来の所定期間内の動力源4の効率を予測すると共に、上記所定期間の動力源効率の平均値を算出できる。そして、将来の所定期間内の動力源効率と、その期間の動力源効率の平均値と、補機システム400の状態とから、将来の所定期間内の補機150の仮の仕事量を求めることができる。そして、仮の仕事量を補機150が行うための動力源4の動力量を計算し、補機150の効率δを求め、仮の仕事量を、補機150の効率δを用いて補正して、補正された仕事量である補機150の制御パターンを求めることができる。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。上記第1実施形態では、複数の圧縮機制御パターン毎に、判定閾値と、冷房効率関係値と、車室内を所望の冷房状態にするための熱量である冷熱量とを用いて、演算式から節約できる燃料消費量を表す評価式演算値を求め、評価式演算値が、最大値となる圧縮機制御パターンを選択するようにしたが、図18のように判定閾値算出部を設けないこともできる。この場合の第7実施形態においては、図19のステップS805bのように評価式演算値を下記の数式8によって求める。
(数式8)評価式演算値=(1/予測熱費)+K×(設定温度−吹出温度)×冷熱量
但し、Kは補正係数、なおこの場合、判定閾値は不要である。また、予測熱費とは、前述したように、冷房効率の逆数であり、生成される冷熱量に対する圧縮機1を駆動するための燃料消費量の比で示される。
これにより、基本的には、予測熱費の小さい圧縮機制御パターンを選択するが、吹出温度が設定温度より低い、例えばクールダウンのときに、冷熱量が不足する傾向と判断し、冷熱量の多い圧縮機制御パターンを選択するようにしている。この第7実施形態の場合は、評価式の演算に判定閾値を使用する必要が無い。また、簡単な数式を演算することにより、今後の予測された冷房効率に関係する冷房効率関係値である予測熱費を考慮して、効率の高い冷凍サイクルの運転状況下において、圧縮機動力を活用でき、燃料消費率削減効果の高い制御が実現できる。また、演算量も多くないので、コスト対効果が良好である。
このように、上記数式8を使用する選択手段S805bは、その時の設定温度と吹出温度の偏差に関係する値、および冷房効率関係値(予測熱費、冷熱量)に基づき、複数の圧縮機制御パターンの候補の中から、好適な圧縮機制御パターンを選択できる。
これによれば、冷房効率関係値と、その時の設定温度と吹出温度の偏差に関係する値とに基づき、複数の圧縮機制御パターンの中から、燃料消費率を削減する効果の高い好適な圧縮機制御パターンを選択することができる。そして、車両の減速直前だけではなく、車両用空調装置の全作動時間内において、燃料消費率を削減する効果の高い圧縮機制御パターンを選択しながら車両用空調装置15を運転することができるため、燃料消費率削減効果が大きい。
具体的には、図19のエンジン状態推定手段S801により推定されたエンジン状態を基に、複数の圧縮機制御パターンの候補の各々で駆動して冷房するとき車両用空調装置15が消費する単位冷熱量あたりの燃料消費量を表す予測熱費と、車両用空調装置15の設定温度と、車両用空調装置15が車室内に吹出す吹出温度と、車室内を所望の冷房状態にするための熱量である冷熱量とを用いて、複数の圧縮機制御パターンの候補毎に、評価式演算値を求めている。この演算式は、冷房効率関係値となる(1/予測熱費)に、(設定温度から吹出温度を減算した値に冷熱量と係数を乗じた値)を加算したものである。
これによれば、基本的には、今後の予測される冷房効率関係値となる(1/予測熱費)(単位は例えば、カロリー/リットル)に基づいて、この値(1/予測熱費)が大きい圧縮機制御パターンを選択することができる。
また、生成される冷熱量が大きく、予測される吹出温度が低いほど大きくなる値(K×(設定温度−吹出温度)×冷熱量)を考慮して、効率の高い冷凍サイクルの運転状況下において、圧縮機動力を活用できる圧縮機制御パターンの選択が可能になる。これによって、燃料消費率削減効果の高い制御が実現できる。また、演算量も多くないので、コスト対効果が良好である。なお、評価式演算値の全てが所定量以下になるときは、圧縮機1を駆動しないようにする。
なお、上記評価式演算値では、吹出温度が設定温度より低くなると予測され、(設定温度−吹出温度)が大きくなるときは、要求されている冷房度合いが大きい状態(例えば、乗員が乗り込んだ後のクールダウン等の状態)にあるため、この場合は、冷熱量が大きい圧縮機制御パターンが選ばれるようにしている。
(第7実施形態の作用効果)
上記第7実施形態では、図18の制御パターン演算手段79、81は、制御パターンの候補を推定する制御パターン推定手段79と、制御パターン評価選択手段81とから成る。このうち、制御パターン評価選択手段81は、補機状態検出手段78からの状態情報(設定温度、吹出温度、冷熱量)、および、補機1または補機システム15の効率に係わる効率情報(予測熱費)を用いて制御パターンの候補の中から効率の高い制御パターンを選択する。これによれば、判定閾値を用いることなく、より簡略化された構成で制御パターンの候補の中から効率の高い制御パターンを選択することができる。
具体的には、制御パターン評価選択手段81は、効率情報(予測熱費)と補機システム15の要求エネルギ量に関する値(設定温度−吹出温度)と補機出力(冷熱量)とから効率の高い制御パターンを選択することを特徴としている。これによれば、判定閾値を用いることなく、補機の効率情報と補機システムの要求エネルギ量に関する値、および補機出力を考慮して、効率の高い制御パターンを選択することができる。
さらに具体的には、補機1は補機システム15となる車両用空調装置15の圧縮機1から成り、制御パターン評価選択手段81は、効率情報となる予測熱費の逆数と、補機システムの要求エネルギ量に関する値となる車両用空調装置15の設定温度および吹出温度の偏差、ならびに補機出力となる冷熱量から効率の高い圧縮機制御パターンを選択する。これによれば、判定閾値を用いることなく、車両用空調装置の設定温度、吹出温度および冷熱量を考慮して、効率の高い制御パターンを選択することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。上記第1実施形態では、エンジンECUにおいて、運転者操作情報、補機作動情報、車両走行情報、ナビゲータ情報、走行履歴情報等の情報に基づいて、将来のある決められた時間内のエンジンの回転数およびトルクに関係する走行状態を予測した。例えば、アクセルペダルやブレーキペダルの踏み込み量、オルタネータの出力電流の大きさ、現在の車速、自車が走行する道路の制限速度、渋滞状況、坂道の長さ勾配を数値として予測した。しかし、予測する走行状態が、確率で表現され得る場合、走行状態にかかわる情報を確率で把握し制御に反映してもよい。また、ファジー制御を利用することもできる。
また、判定閾値を求めるにあたって、過去の判定閾値から大きくかけ離れた判定閾値を排除することにより、過去の履歴を反映した制御が可能となる。更に、上述の第1実施形態では、可変容量型の圧縮機1を使用したが、エンジン4に圧縮機がクラッチを介して接続され、このクラッチを介して、エンジン4の回転を断続的に圧縮機に伝達するタイプの圧縮機駆動制御にも本発明を適用できることは、勿論である。この場合、クラッチをオンしている時間が、オンオフ全体の時間に対して多くなると可変容量型の圧縮機1の容量を増加した場合と同じく仕事量を増加させたことになる。
次に、上記第1実施形態においては、選択され得る圧縮機制御パターン推定部で、図5に示すような各圧縮機制御パターンを推定したが、この各圧縮機制御パターンは、予め記憶手段内に記憶されたものを読み出すだけでも良いし、予測されたエンジン状態に応じて推定された圧縮機制御パターンを演算しても良い。あるいは記憶された圧縮機制御パターンと推定された圧縮機制御パターンの両方を選択され得る圧縮機制御パターンの候補としても良い。
これによれば、選択手段は、記憶された複数の圧縮機制御パターン、推定された複数の圧縮機制御パターン、および記憶された複数の圧縮機制御パターンと推定された複数の圧縮機制御パターンが混在する圧縮機制御パターンのいずれかの複数の圧縮機制御パターン
の候補の中から好適な圧縮機制御パターンを選択することができる。
また、蓄冷器40の蓄冷熱量は、蓄冷剤温度センサ33で検出した蓄冷剤温度に基づいてマップまたは数式により算出するようにすれば良い。また特許文献4に記載されているように、蓄冷器前の冷媒温度、蓄冷器後の冷媒温度等によって求めることもできる。あるいは圧縮機1停止後の熱交換器前温度と熱交換器後ろ温度の変化等からマップを用いて熱交換器の蓄冷熱量を推定しても良い。
更に、上記実施形態では蓄冷剤が設けられた蓄冷器40を備えたが、蓄冷器40がなくても熱交換器9および熱交換器9を含む冷媒回路に蓄冷がなされるので、蓄冷器40を設けない車両用空調装置15に本発明を適用することもできる。
また、エンジン4からプーリ2とベルト3を介して直接機械的に駆動される圧縮機1を備える車両用空調装置15を上記実施形態に示したが、動力源となるエンジン4等の動力または電力で圧縮機1が作動するものであれば良く、例えば、エンジン4の動力で発電機またはMG(電動発電機)を介して発電し、その発電電力で電動圧縮機1が回転する車両用空調装置に本発明を適用することもできる。
次に、冷房効率関係値は、実施形態では、予測熱費(圧縮機1を駆動するための燃料消費量に対する生成する冷熱量の比である冷房効率の逆数)とした。従って、冷房効率関係値は生成する冷熱量に対する圧縮機を駆動するための燃料消費量となる。よって、冷房効率関係値として圧縮機1を駆動するために必要となる単位時間当たりまたは単位エンジントルクあたりの燃料消費量を採用することも可能である。
また、オルタネータを例にとって、制御パターンを選択しないで算出する例を第6実施形態に示したが、制御パターンを選択しないで算出する同様の思想を、車両用空調装置の圧縮機に適用しても良い。
また、制御パターンを複数の中から選択するが、判定閾値を用いない考え方をオルタネータ等の発電機の制御に適用しても良い。更に、動力源は、エンジンだけでなく、例えば、燃料電池の電力により駆動される走行用電動機であっても良い。加えて、動力源は、走行用バッテリの電力で駆動される走行用電動機であっても良い。この場合、動力源が消費する燃料量は、バッテリの電力量と成り、駆動源の消費するエネルギ(燃料または電力)を削減することになる。また、発電機は、オルタネータに限らず直流発電機等であっても良い。
4 エンジン(駆動源または動力源ともいう)
40 蓄冷器
75 走行状態予測手段
77、770 効率またはエネルギ消費量予測手段(補機動力量算出手段とも言う)
78、780 補機状態検出手段
79、80、81、790、800、810、791、801、811 制御パターン演算手段
82、820 補機制御手段
S805、S805a、S1505 冷房効率関係値を演算する手段(比較手段)
S806、S1506 好適な圧縮機制御パターンを選択する選択手段
ESD 動力源特性データ

Claims (13)

  1. 動力を用いて走行する車両の動力源(4)を制御する車両制御システムにおいて、
    走行情報より、所定期間の走行状態を予測する走行状態予測手段(75)と、
    前記動力を用いて駆動される補機(1、150)が必要な動力量を算出する補機動力量算出手段(77、770)と、
    前記補機(1、150)の制御を行う補機制御手段(82、820)と、
    前記動力源(4)における前記動力と燃料消費量の関係を示す動力源特性データ(ESD)と、
    前記走行状態予測手段(75)の情報と、前記補機動力量算出手段(77、770)の情報と、前記動力源特性データ(ESD)とを用いて、前記所定期間内における前記動力源(4)の燃料消費量が最小となるよう前記補機(1、150)の制御パターンを算出し、前記制御パターンに従って前記補機制御手段(82、820)を制御する制御パターン演算手段(79、80、81、790、800、810、791、801、811)とを備え、
    更に、前記補機(1、150)または補機システム(15、400)の状態情報を検出する補機状態検出手段(78、780)を備え、
    前記補機動力量算出手段(77、770)は、前記走行状態予測手段(75)からの情報と前記動力源(4)の状態とから前記動力源の効率またはエネルギ消費量を予測する効率またはエネルギ消費量予測手段(77、770)から成り、
    前記制御パターン演算手段(79、80、81、790、800、810、791、801、811)は、前記効率または前記エネルギ消費量予測手段(77、770)からの予測された前記動力源の前記効率または前記エネルギ消費量と、前記補機状態検出手段(78、780)からの前記補機(1、150)または前記補機システム(15、400)の前記状態情報とから、今後前記動力源(4)のエネルギの消費が最小となる前記所定期間における前記補機(1、150)の前記制御パターンを演算することを特徴とする車両制御システム。
  2. 前記効率またはエネルギ消費量予測手段(77、770)は、予測された前記走行状態を用いて、前記補機を駆動するための補機駆動用燃料消費量を推定する補機駆動用燃料消費量推定手段(802、1502)から成り、更に、推定された前記補機駆動用燃料消費量を用いて前記補機の駆動効率を算出する補機駆動効率算出手段(805、1505、805)を備え、前記制御パターン演算手段(79、80、81、790、800、810)は算出された前記補機の前記駆動効率を用いて、前記動力源(4)の燃料消費量が最小となるよう前記制御パターンを算出することを特徴とする請求項に記載の車両制御システム。
  3. 前記制御パターン演算手段(79、80、81、790、800、810)は、
    前記制御パターンの候補を推定する制御パターン推定手段(79、790)と、
    前記補機状態検出手段(78、780)からの前記補機(1、150)または前記補機システム(15、400)の前記状態情報から前記補機(1、150)または前記補機システム(15、400)の基準と成る効率に係わる判定閾値を算出する手段(80、800)と、
    前記判定閾値を用いて前記制御パターンの候補の中から前記補機(1、150)の前記制御パターンを選択する制御パターン評価選択手段(81、810)と、から成ることを特徴とする請求項に記載の車両制御システム。
  4. 前記制御パターン評価選択手段(81、810)は、前記制御パターンの候補に関する駆動効率に関する値を、前記判定閾値と比較する比較手段(S805、S805a、S1505)を備え、
    前記駆動効率に関する値が前記判定閾値と比較して良好な場合に、前記補機(1、150)の出力を増加させることを特徴とする請求項に記載の車両制御システム。
  5. 前記比較手段(S805、S805a、S1505)は、前記駆動効率に関する値と前記判定閾値との差分に応じて、前記制御パターンを選択することを特徴とする請求項に記載の車両制御システム。
  6. 前記比較手段(S805、S805a、S1505)は、
    前記判定閾値に係わる効率で前記補機(1、150)を駆動する場合に前記補機(1、150)が出力するための判定閾値対応エネルギ消費量を算出し、
    前記制御パターンの候補毎の前記駆動効率に関する値と前記補機(1、150)の前記出力とを用いて、前記制御パターンの候補毎のエネルギ消費量を算出し、
    前記判定閾値対応エネルギ消費量と前記制御パターンの候補毎の前記エネルギ消費量とから、節約できるエネルギ消費量を算出し、かつ
    算出された前記節約できるエネルギ消費量が最大値となる前記制御パターンを選択することを特徴とする請求項に記載の車両制御システム。
  7. 前記判定閾値は、前記補機(1、150)が出力するエネルギの蓄積量、前記補機(1、150)が出力するエネルギの使用に係わる車両状態、および前記補機(1、150)が出力するエネルギの使用に係わる環境条件のうちのいずれかに応じて求められることを特徴とする請求項ないしのいずれか一項に記載の車両制御システム。
  8. 前記補機(1、150)が出力するエネルギに係わる履歴を学習して、前記判定閾値を設定することを特徴とする請求項ないしのいずれか一項に記載の車両制御システム。
  9. 前記制御パターン演算手段(791、801、811)は、
    前記補機状態検出手段(78、780)からの前記補機(1、150)または前記補機システム(15、400)の前記状態情報と、前記効率またはエネルギ消費量予測手段(770)からの予測された前記動力源(4)の効率または前記エネルギ消費量とから、予測される仮の補機の仕事量を算出する仮仕事量算出手段(791)と、
    前記仮の前記補機の仕事量を行うための前記動力源(4)の動力量と、前記仮の前記補機の仕事量に係わる前記補機の効率(δ)を算出する補機動力量算出手段(801)と、
    前記仮の前記補機の仕事量を前記補機の効率(δ)を用いて補正して、補正された仕事量である前記補機(1、150)の前記制御パターンを算出する補正仕事量算出手段(811)と、
    から成ることを特徴とする請求項に記載の車両制御システム。
  10. 予測された前記車両の走行情報、および前記動力源(4)の状態に基づき、将来の所定期間内の前記動力源(4)の効率を動力源効率予測手段(770)で予測すると共に、動力源効率平均値算出手段(771)にて、前記将来の所定期間の動力源効率の平均値を算出し、前記将来の所定期間内の動力源効率と、その期間の動力源効率の平均値と、前記補機システム(15、400)の状態とから、前記将来の所定期間内の前記補機(1、150)の仮の仕事量を前記仮仕事量算出手段(791)にて求め、
    前記仮の仕事量を前記補機(1、150)が行うための前記動力源(4)の動力量、および、前記補機の効率(δ)を前記補機動力量算出手段(801)にて求め、
    前記仮の仕事量を、前記補機の効率(δ)を用いて補正して、前記補正された仕事量である前記補機(1、150)の前記制御パターンを前記補正仕事量算出手段(811)にて求めることを特徴とする請求項記載の車両制御システム。
  11. 前記制御パターン演算手段(79、81)は、
    前記制御パターンの候補を推定する制御パターン推定手段(79)と、
    前記補機状態検出手段(78)からの前記補機(1)または前記補機システム(15)の前記状態情報と前記補機(1)または前記補機システム(15)の効率に係わる効率情報とを用いて前記制御パターンの候補の中から前記制御パターンを選択する制御パターン評価選択手段(81)と、から成ることを特徴とする請求項に記載の車両制御システム。
  12. 前記制御パターン評価選択手段(81)は、前記効率情報と前記状態情報を成す前記補機システム(15)の要求エネルギ量に関する値と補機出力とから、前記制御パターンを選択することを特徴とする請求項11に記載の車両制御システム。
  13. 前記補機(1)は前記補機システム(15)となる車両用空調装置(15)の圧縮機(1)から成り、
    前記制御パターン評価選択手段(81)は、前記効率情報となる予測熱費の逆数、前記要求エネルギ量に関する値を成す前記車両用空調装置(15)の設定温度および吹出温度、ならびに前記補機出力を成す冷熱量から、前記制御パターンを選択することを特徴とする請求項12に記載の車両制御システム。
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