JP5624533B2 - 構造物における地中熱交換パイプの設置方法 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物、建築物などのコンクリート躯体の底面部に地中熱交換パイプを設置する地中熱交換パイプの設置方法に関する。
地中の温度は、年間を通してほぼ一定であり、外気温度に比べると、夏は低く、冬は高くなっている。従って、外気との温度差を利用するために地中に熱交換器を埋設して地中熱を採熱し、ヒートポンプの熱源として利用することが行われており、この地中熱利用ヒートポンプシステムに関しては種々の提案がなされている。
この地中熱利用ヒートポンプシステムの技術は、地中においてほぼ一定である10〜15℃の恒温状態にある地中熱を利用して熱交換を行なうもので、例えば、冬であれば温熱エネルギーとして暖房用熱源または融雪用熱源等のために、地中熱を採熱し利用することができる。また、夏であれば冷熱エネルギーとして冷房用熱源等のために、地中熱を採熱し利用することができる。このような地中熱利用ヒートポンプシステムは、人工的な熱源、例えば冷暖房装置等からの排熱を大気に放熱しない。
そのため、地中熱利用ヒートポンプシステムは、自然エネルギー利用の1つとして、例えば夏における都市部のヒートアイランド抑制対策としても注目されている。また、地中熱利用ヒートポンプシステムは寒冷地における暖房装置、融雪装置等として使用されるとよい。さらに、地中熱は、大気よりも安定した温度のエネルギーであるので、効率的な省エネルギーとなり且つCO(二酸化炭素)の発生の少ない熱源の熱供給システムとして、地中熱利用ヒートポンプシステムは、普及が期待されている。
地中熱利用ヒートポンプシステムにおいて地中熱を採熱する熱交換器の埋設方法としては、深さ(例えば、50〜200m)の穴を掘り、その穴内に、下端がU字形に形成されたパイプ(例えば、ポリエチレン製のUチューブ)を挿入し埋設する垂直ループ方式の垂直埋設式地中熱交換器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、深さ(例えば1〜2m)のトレンチ(堀、溝)を掘り、その堀または溝の中に熱交換器を埋設する水平ループ方式の水平埋設式地中熱交換器も知られている。この水平埋設式地中熱交換器は、深い穴を掘る作業が不要で、バックホー等建設機械で所定の深さの堀または溝を掘ればよいので、施工コスト低減が期待できるが、広い敷地面積を必要とし、敷地面積の狭い日本には適していない。
さらに、構造物、建築物用の基礎杭に地中熱交換器を設置する基礎杭方式のものも知られている。例えば、基礎杭内に、金属よりなる外管、プラスチックよりなる内管が同軸に配置された2重管と、熱媒体を循環する循環ポンプを具備している基礎杭による地中熱利用システムに関する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、場所打ち杭の内部に熱交換用配管を設ける熱交換用配管の設置機構に関する技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
また、構造物の下部であって、地下水位より深い位置まで設けられる止水壁(地中連続壁)と、止水壁に設けられた通水口と、通水口が設けられた止水壁と対向する止水壁(地下水流の下流側)に設けられた排水口と、止水壁間の透水層に設けられた熱交換手段とを有する地中熱交換システムに関する技術が知られている。この技術では、止水壁に囲まれた砂利層等の透水層にパイプを設ける構成になっている(例えば、特許文献4参照)。
特開2003−262430号公報 特許第3143619号公報 特開2006−010133号公報 特開2008−275263号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、深い穴を掘り、その穴内に熱交換器を埋設するための施工コスト(イニシャルコスト)が高価であるという問題点があった。この施工コストが高価であることは、地中熱利用ヒートポンプシステムの普及を阻んでいる要因の一つであり、施工コスト低減ができれば普及拡大の期待が高まる。また、特許文献2、3の技術は、施工コスト低減が期待されるが、基礎杭を設けない建築物には適用できない、両方の工事を同時進めることになるため、施工管理が煩雑となるという問題点があった。特に、杭頭部において、杭、基礎躯体、Uチューブ取り出しが物理的に取り合うので、杭頭部基礎工事との調整が複雑となる。さらに、特許文献4の技術は、建造物の下部に透水層、地下水流の流れ等がある場所にしか適用することができないという問題点があった。
そこで、どのような構造物、建築物、設置場所にも適用が可能で、施工期間の短縮、施工コスト削減が図れ、地中熱利用ヒートポンプシステムの普及拡大が図れる地中熱交換パイプの設置に関する技術の開発が要望されている。
本発明は、このような従来の問題点を解決するために想起されたもので、下記の目的を達成する。
本発明の目的は、構造物のコンクリート躯体の底面部の施工と同時に、地中熱交換パイプの設置を可能とする、構造物における地中熱交換パイプの設置方法を提供することにある。
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
本発明1の構造物における地中熱交換パイプの設置方法は、構造物のコンクリート躯体の底面部と一体に形成される捨てコンクリート層に、地中と熱交換を行う熱媒体が循環する循環路を構成するための地中熱交換パイプを設置するための設置方法であって、地盤の上に砕石を敷いて均し、この砕石の上部に、所定の割合に配合された生コンクリートを打設し、所定の時間養生して、前記生コンクリートを凝固させ第1捨てコンクリート層を形成する工程と、前記第1捨てコンクリート層の上部に、所定の形状に形成された前記地中熱交換パイプを所定の位置に配置する工程と、前記第1捨てコンクリート層に前記地中熱交換パイプを固定部材により固定する工程と、前記第1捨てコンクリート層の上部に、前記地中熱交換パイプが埋まるように、所定の割合に配合された生コンクリートを打設し、所定の時間養生して、前記生コンクリートを凝固させ第2捨てコンクリート層を形成する工程と、前記第2捨てコンクリート層の上部に鉄筋構造を構築し、前記コンクリート躯体の前記底面部を構築する工程とを有していることを特徴とする。
本発明2の構造物における地中熱交換パイプの設置方法は、本発明1おいて、前記地中熱交換パイプを固定部材により固定した後、前記地中熱交換パイプの上に金網を載置する工程を有していることを特徴とする。
本発明3の構造物における地中熱交換パイプの設置方法は、構造物のコンクリート躯体の底面部と一体に形成される捨てコンクリート層に、地中と熱交換を行う熱媒体が循環する循環路を構成するための地中熱交換パイプを設置するための設置方法であって、均した地盤上にメッシュ筋を敷設する工程と、前記メッシュ筋に、所定の形状に形成された前記地中熱交換パイプを所定の位置に配置し、固定部材により固定する工程と、前記メッシュ筋が前記地盤の面から所定の高さ離れるようにするため、前記メッシュ筋と前記地盤との間に、スペーサ部材を挟み込む工程と、前記地盤の上部に、前記地中熱交換パイプが埋まるように、所定の割合に配合された生コンクリートを打設し、所定の時間養生して、前記生コンクリートを凝固させ捨てコンクリート層を形成する工程と、前記捨てコンクリート層の上部に鉄筋構造を構築し、前記コンクリート躯体の前記底面部を構築する工程とを有していることを特徴とする。
本発明4の構造物における地中熱交換パイプの設置方法は、本発明1または2において、前記第2捨てコンクリート層を形成した後、前記地盤側の水が前記コンクリート躯体側に漏出することを防止するための防水部材を、前記第2捨てコンクリート層の上部に設ける工程を有していることを特徴とする。
本発明5の構造物における地中熱交換パイプの設置方法は、本発明3において、前記捨てコンクリート層を形成した後、前記地盤側の水が前記コンクリート躯体側に漏出することを防止するための防水部材を、前記捨てコンクリート層の上部に設ける工程を有していることを特徴とする
本発明の構造物における地中熱交換パイプの設置方法は、本発明1からにおいて、前記生コンクリートは、熱伝導率の大きい骨材が配合された生コンクリートであることを特徴とする。
本発明の構造物における地中熱交換パイプの設置方法は、本発明1からにおいて、前記地中熱交換パイプは、ループ形状、波形状、直管形状、U字形状、及び、スパイラル形状から選択される合成樹脂製のパイプであることを特徴とする。
本発明の構造物における地中熱交換パイプの設置方法は、コンクリート躯体の底部の施工時、捨てコンクリートを打設するための工事と同時進行で、地中熱交換パイプの設置工事を行うことができる。そのため、地中熱交換パイプ設置の施工期間の短縮、施工コストの削減が図れ、地中熱利用ヒートポンプ装置の普及拡大に大きく貢献することができる。また、この地中熱交換パイプで形成される熱媒体の流路は、任意の位置に任意の数量を設置できるので、熱量の調整が容易である。
この設置方法で設置された地中熱交換パイプを備えた地中熱利用ヒートポンプ装置は、コンクリート躯体の底部に形成される地中熱交換部で地中と熱交換した熱を、熱源として広く活用することができ、自然エネルギーの活用、省エネルギー化が図れ、環境にやさしい冷暖房装置、融雪装置、給湯装置等を提供することができる。
図1は、構造物及び地中熱利用ヒートポンプ装置の構成を模式的に示す概念図である。 図2は、本発明の実施の形態1の設置方法で設置された構造物のコンクリート躯体の底部及び地中熱交換パイプを示す部分断面図である。 図3は、地中熱交換パイプを示す平面図である。 図4は、図3をA−A線で切断した断面図である。 図5は、実施の形態1の地中熱交換パイプの設置方法を示す工程図である。 図6は、実施の形態2の設置方法で設置された構造物のコンクリート躯体の底部及び地中熱交換パイプを示す部分断面図である。 図7は、地中熱交換パイプを示す平面図である。 図8は、実施の形態2の地中熱交換パイプの設置方法を示す工程図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔実施の形態1〕
実施の形態1の構造物における地中熱交換パイプの設置方法について説明を行う。この実施の形態1は、軟弱な地盤、地下水が多い場合に適し、作業性、安全性等が考慮されたものである。
図1は、構造物及び地中熱利用ヒートポンプ装置の構成を模式的に示す概念図である。図2は、本発明の実施の形態1の設置方法で設置された構造物のコンクリート躯体の底部及び地中熱交換パイプを示す部分断面図、図3は、地中熱交換パイプを示す平面図、図4は、図3をA−A線で切断した断面図である。図5は、実施の形態1の地中熱交換パイプの設置方法を示す工程図である。
図1に従って、構造物及び地中熱利用ヒートポンプ装置の概略について説明を行う。構造物Bのコンクリート躯体CFは、天井部(図示せず)、壁部CW、底面部CB等から構成されている(図1参照)。なお、この形態では、構造物Bを地下1階のものを例に説明しているが、地下複数階(例えば、5階)のものであってもよい。
図1〜4に従って、実施の形態1の地中熱交換部1及びコンクリート躯体CFの底部CBの構成について説明を行う。コンクリート躯体CFの底面部CBの下部には、第1捨てコンクリート層2、第2捨てコンクリート層3が構築されている。第2捨てコンクリート層3内に、地中熱交換パイプ10を有する地中熱交換部1が設置されている。ヒートポンプ80は、地中熱交換部1で採熱(または放熱)された地中熱を熱源として、さらに高温または低温の熱媒体を造成する。この熱媒体のエネルギーは、熱負荷部81において、例えば、融雪装置、冷暖房装置、給湯装置等として利用される。ヒートポンプ80、熱負荷部81は、公知な構成のものであり、詳細な説明を省略する。なお、捨てコンクリートは、レベルコンクリート、均しコンクリートなどと言うこともある。
地盤Gには、砕石(図示せず)が敷き均されている。図2に示すように、地盤Gの上部に所定の厚さ(例えば、50mm程度)を有する第1捨てコンクリート層2が設けられている。地盤Gの上部に、セメント、骨材、水等が所定の割合に配合された生コンクリートが打設され、所定時間養生し、凝固することで、第1捨てコンクリート層2が形成されている。第1捨てコンクリート層2の上部には、所定の形状に形成された地中熱交換パイプ10が所定の位置に配設されている。地中熱交換パイプ10は、地中と熱交換を行う一次側熱媒体が循環する一次側循環路の一部を構成するためのものである。この形態1の地中熱交換パイプ10は、ループ状の部位が、所定の寸法分変位しながら、一方の側から他方の側に連続するように形成されているループ形状のものである(図3参照)。この地中熱交換パイプ10は、図4に示すように、パイプ固定具(例えば、固定バンド、サドルバンド)15、コンクリート釘16、16等からなる固定部材で、第1捨てコンクリート層2に固定されている。パイプ固定具15、コンクリート釘16が固定部材を構成し、図3に示すように、地中熱交換パイプ10を所定の位置で、第1捨てコンクリート層2に固定している。地中熱交換パイプ10の上部には、所定の網目(例えば、100メッシュ等)の金網12が載置されている。なお、金網12は、地中熱交換パイプ10が動かないようにするために、必要に応じて入れるものであり、地中熱交換パイプ10が動くようなことがなければ不要である。
第1捨てコンクリート層2の上部には、所定の厚さ(例えば、130〜150mm)を有する第2捨てコンクリート層3が設けられている。第2捨てコンクリート層3には、地中熱交換パイプ10、金網12等が埋設されている。すなわち、金網12の上部側から、セメント、骨材、水等が所定の割合に配合された生コンクリートが打設され、この生コンクリートは、金網12、地中熱交換パイプ10の間を通過して第1捨てコンクリート層2の上部に達する。所定時間養生することで、この生コンクリートが凝固し第2捨てコンクリート層3が形成される。なお、第1捨てコンクリート層2、第2捨てコンクリート層3形成用の生コンクリートは、熱伝導率の高い骨材(例えば、珪石、石英質の骨材)が配合されたものであるとよい。
第2捨てコンクリート層3の上部には、防水部材である防水シート11が敷設されている。この防水シート11は、地盤G側からコンクリート躯体CF側に水が漏出することを防止するためのものである。この防水シート11は、建築材料として使用されているものであり、必要に応じて設けられている。言い換えると、他のやり方で水の漏出が防止できるのであれば不要である。なお、防水部材は、第2捨てコンクリート層3の上部に防水塗料を塗布することで設けられる防水層であってもよい。この防水シート11の上部には、鉄筋構造6が構築され、生コンクリートが打設され、固まることで底面部CBのコンクリート層5が形成される。このように、第2捨てコンクリート層3の上部に、順次、底面部CB、壁部CW、天井部等からなるコンクリート躯体CFが構築される。
〔実施の形態1の設置方法〕
図5に従って、実施の形態1の構造物における地中熱交換パイプの設置方法について説明を行う。
この施工方法は、軟弱な地盤、地下水が多い場合に、作業性、安全性等を考慮した設置方法である。軟弱地盤の上に砕石を敷き均す(S21)。この均された敷石の上部に、セメント、骨材、水等が所定の割合に配合された生コンクリートを打設する。所定時間養生し凝固させることで、第1捨てコンクリート層2を形成し安全な作業敷地を確保する(S22)。
第1捨てコンクリート層2に地中熱交換パイプ10の設置位置を設定する。設計された形状に合わせて加工された地中熱交換パイプ10を設置間隔にあわせて敷き並べる。地中熱交換パイプ10は樹脂(例えば、ポリエチレン)製のものであり、電気融着等により接合することが可能である。
地中熱交換パイプ10を第1捨てコンクリート層2に固定する。すなわち、パイプ固定具15の凹部に地中熱交換パイプ10を係合させた後、パイプ固定具15の両端を固定するためのコンクリート釘16を第1捨てコンクリート層2に打ち込んで固定する。金網12を地中熱交換パイプ10の上部に載置する(S23)。これは、生コンクリートを打設したとき、地中熱交換パイプ10が動いたり、生コンクリートの浮力で浮き上がらないようにするために行うものである。
セメント、骨材、水等が所定の割合に配合された生コンクリートを打設し、所定時間養生させることで凝固させ、第2捨てコンクリート層3を構築する。この結果、地中熱交換パイプ10は第2捨てコンクリート層2内に埋設される(S24)。第2捨てコンクリート層3の上部に、防水シート11を敷設する(S25)。地中熱交換パイプ10の端部には、ユニット毎に配管が接続され、この配管は所定の壁面に沿って立ち上られた後、ヒートポンプ80の一次側熱交換部に接続される。地中熱交換パイプ10、配管、ヒートポンプ80の一次側熱交換部等が一次側熱媒体が循環する一次側循環路を構成する。
第2捨てコンクリート層3の上部には、底面部CB側より、順次、鉄筋構造6、及び図示しないコンクリート型枠が構築される。このコンクリート型枠内に、セメント、骨材、水等が所定の割合に配合された生コンクリートが打設され、所定時間養生することで凝固させ、底面部CBのコンクリート層5が形成される。このように、順次、底面部CB、壁部CW、天井部等のコンクリート躯体Bが構築される(S26)。
〔実施の形態2〕
この実施の形態2は、安定した地盤に適し、この地盤の上で安全に地中熱交換パイプ10の設置ができるものである。なお、この実施の形態2の説明では、実施の形態1と同一の部材に同一の符号を付与し、詳細な説明を省略している。
図6は、実施の形態2の設置方法で設置されたコンクリート製構造物のコンクリート躯体の底部及び地中熱交換パイプを示す部分断面図、図7は、地中熱交換パイプを示す平面図である。図8は、実施の形態2の地中熱交換パイプの設置方法を示す工程図である。
図1、6〜7に従って、実施の形態2の地中熱交換部1及びコンクリート躯体CFの底部CBの構成について説明を行う。図6に示すように、コンクリート躯体CFの底面部CBの下部には、捨てコンクリート層51が構築されている。捨てコンクリート層51内に、地中熱交換パイプ10を有する地中熱交換部1が設置されている。ヒートポンプ80は、地中熱交換部1で採熱(または放熱)された地中熱を熱源として、さらに高温または低温の熱媒体を造成する。この熱媒体のエネルギーは、熱負荷部81において、例えば、融雪装置、冷暖房装置、給湯装置等として利用される。地中熱交換パイプ10は、地中と熱交換を行う一次側熱媒体が循環する一次側循環路の一部を構成するためのものである。
図7に示すように、メッシュ筋53の上部に地中熱交換パイプ10が結束バンド〔例えば、インシュロック(商標名)〕54、ビニールタイ等の固定部材で結束固定されている。図6に示すように、地中熱交換パイプ10が固定されたメッシュ筋53と、地盤Gとの間には、スペーサ部材52が所定の間隔毎に配設されている。スペーサ部材52は、コンクリート製のブロック等であるとよい。従って、メッシュ筋53は、地盤Gに対して、スペーサ部材52の高さ分、高い位置に設置されている。言い換えると、地盤Gとメッシュ筋53との間に、所定の高さ(例えば、30〜50mm)の空間が形成される。地盤Gの上部に所定の厚さ(例えば、130〜150mm)の捨てコンクリート層51が設けられている。地中熱交換パイプ10、メッシュ筋53等は、捨てコンクリート層51に埋設されている。
すなわち、地中熱交換パイプ10、メッシュ筋53の上部側から、セメント、骨材、水等が所定の割合に配合された生コンクリートが打設され、この生コンクリートは、メッシュ筋53、スペーサ部材52の間等を通過して地盤G上部に達する。所定時間養生して、この生コンクリートが凝固することで捨てコンクリート層51が形成される。メッシュ筋53は、捨てコンクリート層51の強度を補強するための部材でもある。この形態2の地中熱交換パイプ10は、形態1の地中熱交換パイプと同じものである。なお、捨てコンクリート層51形成用の生コンクリートは、熱伝導率の高い骨材(例えば、珪石、石英質の骨材)が配合されたものであるとよい。
捨てコンクリート層51の上部には、防水部材である防水シート11が敷設されている。この防水シート11は、地盤G側からコンクリート躯体CF側に水が漏出することを防止するためのものである。この防水シート11は、建築材料として使用されているものであり、必要に応じて設けられている。なお、防水部材は、捨てコンクリート層51の上部に防水塗料を塗布して設けたものであってもよい。この防水シート11の上部には、鉄筋構造6が構築され、セメント、骨材、水等が所定の割合に配合された生コンクリートが打設され、固まることで底面部CBのコンクリート層5が形成される。このように、捨てコンクリート層51の上部に、順次、底面部CB、壁部CW、天井部等からなるコンクリート躯体CFが構築される。
〔実施の形態2の設置方法〕
図8に従って、実施の形態2の構造物における地中熱交換パイプの設置方法について説明を行う。
この形態2の設置方法は、安定した地盤に適した設置方法であり、安定した地盤上で安全に地中熱交換パイプ10を設置する作業を行うことができる。
均した地盤Gの上部に、地中熱交換パイプ10の設置位置を設定する(S71)。
設計された形状に合わせて加工された地中熱交換パイプ10を設置間隔にあわせて敷き並べる。地中熱交換パイプ10は樹脂(例えば、ポリエチレン)製のものであり、電気融着等により接合することが可能である。
設定した地中熱交換パイプ10の設定位置に、メッシュ筋53を敷設する。このメッシュ筋53の上に設計形状に合わせて加工された地中熱交換パイプ10を設計間隔毎に敷き並べ、地中熱交換パイプ10をメッシュ筋53に結束バンド54で固定する(S72、73)。地中熱交換パイプ10と一体に固定されたメッシュ筋53と地盤Gとの間にスペーサ部材52を挟み込み、メッシュ筋53と地盤Gとの間に空間を設ける(S74)。
セメント、骨材、水等が所定の割合に配合された生コンクリートを打設し、所定時間養生させ、凝固させて捨てコンクリート層51を形成する。この結果、地中熱交換パイプ10は捨てコンクリート層51内に埋設される(S75)。捨てコンクリート層51の上部に、防水シート11を敷設する(S76)。地中熱交換パイプ10の端部には、ユニット毎に配管が接続され、この配管は所定の壁面に沿って立ち上られた後、ヒートポンプ80の一次側熱交換部に接続される。地中熱交換パイプ10、配管、ヒートポンプ80の一次側熱交換部等が一次側熱媒体が循環する一次側循環路を構成する。
捨てコンクリート層51の上部には、底面部CB側より、順次、鉄筋構造6、及び、図示しないコンクリート型枠が構築される。このコンクリート型枠内に、セメント、骨材、水等が所定の割合に配合された生コンクリートが打設され、所定時間養生させ、凝固させることで底面部CBのコンクリート層5が形成される。このように、順次、底面部CB、壁部CW、天井部等のコンクリート躯体CFが構築される(S77)。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されることはない。本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内で変更可能なことはいうまでもない。例えば、地中熱交換パイプは、波形状、直管形状、Uチューブ形状等他の形状のものであってもよい。さらに、地中熱交換パイプは、所定の直径、所定のピッチに捩れているスパイラル(螺旋)形状、スパイラル状管部のリード角が、スパイラル軸線に対して、所定の角度、傾斜しているような傾斜スパイラル形状、上下方向に潰れた楕円または長円状をしている変形スパイラル形状のものであってもよい。地中熱交換パイプの直径も設置される場所等に合わせて適宜選択することができる。言い換えると、地中熱交換パイプは所望の寸法(例えば、13〜30mm)のものを選択することができる。また、地盤は、地盤の改良がされたものであってもよい。
1 … 地中熱交換部
2 … 第1捨てコンクリート層
3 … 第2捨てコンクリート層
5 … コンクリート層
6 … 鉄筋
10 … 地中熱交換パイプ
11 … 防水シート
12 … 金網
15 … パイプ固定具
16 … コンクリート釘
51 … 捨てコンクリート層
52 … スペーサ部材
53 … メッシュ筋
54 … 結束バンド
B … 構造物
CF … コンクリート躯体
CB … 底面部
CW … 壁部

Claims (7)

  1. 構造物のコンクリート躯体の底面部と一体に形成される捨てコンクリート層に、地中と熱交換を行う熱媒体が循環する循環路を構成するための地中熱交換パイプを設置するための設置方法であって、
    地盤の上に砕石を敷いて均し、この砕石の上部に、所定の割合に配合された生コンクリートを打設し、所定の時間養生して、前記生コンクリートを凝固させ第1捨てコンクリート層を形成する工程と、
    前記第1捨てコンクリート層の上部に、所定の形状に形成された前記地中熱交換パイプを所定の位置に配置する工程と、
    前記第1捨てコンクリート層に前記地中熱交換パイプを固定部材により固定する工程と、
    前記第1捨てコンクリート層の上部に、前記地中熱交換パイプが埋まるように、所定の割合に配合された生コンクリートを打設し、所定の時間養生して、前記生コンクリートを凝固させ第2捨てコンクリート層を形成する工程と、
    前記第2捨てコンクリート層の上部に鉄筋構造を構築し、前記コンクリート躯体の前記底面部を構築する工程とを有している
    ことを特徴とする構造物における地中熱交換パイプの設置方法。
  2. 請求項1に記載された構造物における地中熱交換パイプの設置方法において、
    前記地中熱交換パイプを固定部材により固定した後、前記地中熱交換パイプの上に金網を載置する工程を有している
    ことを特徴とする構造物における地中熱交換パイプの設置方法。
  3. 構造物のコンクリート躯体の底面部と一体に形成される捨てコンクリート層に、地中と熱交換を行う熱媒体が循環する循環路を構成するための地中熱交換パイプを設置するための設置方法であって、
    均した地盤上にメッシュ筋を敷設する工程と、
    前記メッシュ筋に、所定の形状に形成された前記地中熱交換パイプを所定の位置に配置し、固定部材により固定する工程と、
    前記メッシュ筋が前記地盤の面から所定の高さ離れるようにするため、前記メッシュ筋と前記地盤との間に、スペーサ部材を挟み込む工程と、
    前記地盤の上部に、前記地中熱交換パイプが埋まるように、所定の割合に配合された生コンクリートを打設し、所定の時間養生して、前記生コンクリートを凝固させ捨てコンクリート層を形成する工程と、
    前記捨てコンクリート層の上部に鉄筋構造を構築し、前記コンクリート躯体の前記底面部を構築する工程とを有している
    ことを特徴とする構造物における地中熱交換パイプの設置方法。
  4. 請求項1または2に記載された構造物における地中熱交換パイプの設置方法において、
    前記第2捨てコンクリート層を形成した後、前記地盤側の水が前記コンクリート躯体側に漏出することを防止するための防水部材を、前記第2捨てコンクリート層の上部に設ける工程を有している
    ことを特徴とする構造物における地中熱交換パイプの設置方法。
  5. 請求項3に記載された構造物における地中熱交換パイプの設置方法において
    前記捨てコンクリート層を形成した後、前記地盤側の水が前記コンクリート躯体側に漏出することを防止するための防水部材を、前記捨てコンクリート層の上部に設ける工程を有している
    ことを特徴とする構造物における地中熱交換パイプの設置方法
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載された構造物における地中熱交換パイプの設置方法において、
    前記生コンクリートは、熱伝導率の大きい骨材が配合された生コンクリートである
    ことを特徴とする構造物における地中熱交換パイプの設置方法。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載された構造物における地中熱交換パイプの設置方法において、
    前記地中熱交換パイプは、ループ形状、波形状、直管形状、U字形状、及び、スパイラル形状から選択される合成樹脂製のパイプである
    ことを特徴とする構造物における地中熱交換パイプの設置方法。
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