JP4762623B2 - 地中熱利用装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は構造物の基礎杭である中空既製杭を地中熱交換体として利用する地中熱利用装置およびその製造方法に関する。
地中の温度は年間を通じてほぼ一定しており、夏季は外気温より低く、冬季は外気温より高い。この地中と外気の温度差を利用して、少ないエネルギーで建築物の冷暖房や路面の融雪に必要な熱を得る地中熱利用システムがある。このシステムは欧米では既に広く普及し、日本でも徐々に増えている。
地中熱利用システムにおいては、一般には、ボーリング機械で掘った縦穴に熱媒体を流動させる細管(本明細書において、「熱媒体流動用配管」あるいは「熱媒配管」という。)を設けることにより地中熱との交換を行うが、この方法はボーリング費用が日本では高いという欠点がある。そこで、基礎杭を地中熱交換体として兼用する方法が注目されている(特許文献1参照)。
特許文献1にも示されるように、基礎杭内に配置された熱媒配管は、通常、杭頭部からその上の基礎コンクリート(フーチング基礎、布基礎、ベタ基礎、地中梁など)中を直接通ってその外側に出、それからヒートポンプなど空調機械設備に繋がる。しかし、この配管方法は、以下の二つの問題点がある。
(1)現場の作業性が悪い。
一般の建築現場においては、杭頭の高さ調整や杭頭補強鉄筋の設置、基礎コンクリートの打設などの作業は土建会社が行い、熱媒配管の設置は空調設備会社が行う。ところが、上述した従来の熱媒配管の配管方法では、両者の作業を同時並行して行う必要がある。このため、現場作業が入り乱れて施工能率が低下する。また、工事中に熱媒配管を損傷するリスクが高いとともに、損傷した場合の責任が不明確になる。これらのことは、基礎杭を地中熱交換体として利用する工事では大きな問題となっている。
(2)熱媒配管のメンテナンスができない。
熱媒配管が杭体内で損傷したり詰まったりした場合、熱媒配管を点検、補修または交換するなどメンテナンスが必要であるが、基礎コンクリート内に埋め込まれているため取り出すことができず、メンテナンスができない。
(3)杭頭部に杭頭蓋や杭頭補強鉄筋を溶接する際に、溶接時に発生する火花で熱媒配管を溶かすなど損傷を与えやすい。
これらの問題点の一部を解決する方法として、地中埋設管の上端付近に熱媒配管を通すための切り欠きや穴を設けて熱媒配管を地中埋設管の側面から横方向に取り出す方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開平1−123951号公報 特開2005−69538号公報
しかし、特許文献2の方法では、地中埋設管を基礎杭と兼用した場合、大きな外力が作用する杭頭部付近の一部を切断除去することになるため、当該部分が構造的弱点になりやすいという欠点があり、構造安全上の問題がある。
また、熱媒配管の取り出し口が杭の上端部となるが、この位置は基礎コンクリートの直下となり、メンテナンスのためには地盤面を掘削する必要があり、また掘削したとしても掘削地盤面と基礎コンクリートの下面に挟まれた位置となるため、メンテナンス時の作業性が極めて悪いという問題がある。
本発明は上記従来技術の有する種々の課題を解決するためになされたものであり、構造物の基礎杭である中空既製杭を地中熱交換体として利用する地中熱利用装置において、施工時の現場の作業性に優れると共に構造上の安全性にも優れる地中熱利用装置およびその製造方法を得ることを目的としている。
(1)本発明に係る中空既製杭を利用した地中熱利用装置の製造方法は、構造物の基礎杭である中空既製杭を地中熱交換体として利用する地中熱利用装置の製造方法であって、地中に中空既製杭を設置する工程と、熱媒体流動用配管の通路となる管体を有する杭頭部材を杭頭部に設置する工程と、杭頭部に基礎コンクリートを打設する工程と、基礎コンクリート打設後に前記熱媒体流動用配管を前記杭頭部材の前記管体によって形成された通路を介して中空既製杭内に挿入設置する工程と、前記熱媒体流動用配管の配管途中または末端に熱媒体を流動させる循環ポンプを設置する工程とを備え、
前記杭頭部材は、開口部を有する杭頭蓋と、該杭頭蓋の開口部に下端が予め挿入または当接された管体と、前記杭頭蓋に下端部が予め固着された補強鉄筋とから成り、杭頭部材を設置する工程においては杭頭蓋が杭頭部に固着されると共に基礎コンクリートが打設されたときに前記管体の上端部が基礎コンクリートの上面又は側面に開口するように配置することを特徴とするものである。
(2)また、構造物の基礎杭である中空既製杭を地中熱交換体として利用する地中熱利用装置の製造方法であって、地中に中空既製杭を設置する工程と、熱媒体流動用配管の通路となる管体を有する杭頭部材を杭頭部に設置する工程と、杭頭部に基礎コンクリートを打設する工程と、基礎コンクリート打設後に熱媒体流動用配管を前記杭頭部材の前記管体によって形成された通路を介して中空既製杭内に挿入設置する工程と、前記熱媒体流動用配管の配管途中または末端に熱媒体を流動させる循環ポンプを設置する工程とを備え、
前記杭頭部材は、開口部を有すると共に中空既製杭の内径よりもわずかに小さい外径を有する底蓋と、該底蓋の開口部に下端が予め挿入または当接された管体と、前記底蓋に下端部が予め当接された、あるいは底蓋より上方に設置された補強鉄筋とから成り、杭頭部材を設置する工程においては前記杭頭部材の底蓋が杭中空部に挿入配置されると共に基礎コンクリートが打設されたときに前記管体の上端部が基礎コンクリートの上面又は側面に開口するように配置することを特徴とするものである。
本発明に係る中空既製杭を地中熱交換体として利用する地中熱利用装置の製造方法においては、地中に中空既製杭を設置する工程と、熱媒体流動用配管の通路となる管体を有する杭頭部材を杭頭部に設置する工程と、杭頭部に基礎コンクリートを打設する工程と、基礎コンクリート打設後に熱媒体流動用配管を前記杭頭部材の前記管体によって形成された通路を介して中空既製杭内に挿入設置する工程と、前記熱媒体流動用配管の配管途中または末端に熱媒体を流動させる循環ポンプを設置する工程とを備え、
前記杭頭部材は、開口部を有する杭頭蓋と、該杭頭蓋の開口部に下端が予め挿入または当接された管体と、前記杭頭蓋に下端部が予め固着された補強鉄筋とから成り、杭頭部材を設置する工程においては杭頭蓋が杭頭部に固着されると共に基礎コンクリートが打設されたときに前記管体の上端部が基礎コンクリートの上面又は側面に開口するように配置するようにしたので、
構造物の建設現場において、基礎コンクリート工事など基礎関連工事が終了してから熱媒体流動用配管の配管工事を行うことができる。これにより、基礎工事と熱媒体流動用配管工事が錯綜しないため、各工事を能率よく行うことができとともに、熱媒体流動用配管が工事中に損傷を受けるリスクが大幅に低減される。また、仮に損傷した場合でもその責任が明確になるという実務上有益な効果が得られる。
また、熱媒体流動用配管を、管体内を通して設置しているので、中空既製杭内に水などの非固化物を入れる場合には、メンテナンス時に熱媒体流動用配管を簡単に取り出すことができ、点検、補修、交換などのメンテナンスの施工性に極めて優れている。
さらに、杭頭蓋及び補強鉄筋を含む杭頭部材を予め杭頭部に固着するため、これらの溶接時に発生する火花によって熱媒体流動用配管を損傷する恐れがなくなる。また、補強鉄筋の現場溶接は溶接施工条件の悪さから従来より品質に問題があったが、本発明では工場で溶接することができるため、溶接品質も向上する。
[実施の形態1]
図1は本発明の一実施の形態に係る中空既製杭を利用した地中熱利用装置の構造の説明図である。本発明に係る地中熱利用装置は、図1に示すように、構造物の基礎杭である中空既製杭を地中熱交換体として利用する地中熱利用装置であって、地中に設置された中空既製杭1と、杭頭部に配置されて構造物の基礎となる基礎コンクリート3と、基礎コンクリート3に設けられた通路4を介して中空既製杭1の内部にその一部が挿入された熱媒体流動用配管5と、熱媒体流動用配管5の配管途中または末端に設けられて熱媒体を流動させる循環ポンプ7と、を備え、基礎コンクリート3に設けられた通路4はコンクリート打設前に設置した管体9によって形成され、熱媒体流動用配管5が管体9を介して中空既製杭内に挿入されている。
以下、各構成をさらに詳細に説明する。
なお、通常杭頭周辺には杭頭補強鉄筋や基礎コンクリートの鉄筋が配置されているが、その鉄筋の配置方法にいくつかのタイプがあること、および図を見やすくする趣旨から、図1ではこれらの鉄筋を省略している。もっとも、杭頭部に設置する補強鉄筋等に特徴のあるものは後述の実施の形態2以降で示すこととする。
1.中空既製杭
中空既製杭1の種類は特に限定されるものではなく、例えば鋼管杭、コンクリート杭が挙げられる。
2.基礎コンクリート
基礎コンクリート3は、地表6の下方または地表付近に構築され、その上部には図示しない構造物の柱または壁が設置される。
基礎コンクリート3としては、フーチング基礎、布基礎、ベタ基礎、地中梁など各種のものが含まれる。
3.熱媒体流動用配管
熱媒体流動用配管5内には水、油、不凍液などの流動性を有する熱媒体が循環ポンプ7によって循環する。
なお、熱媒体流動用配管5は、図1に示すように、例えばヒートポンプ10などに接続され、熱媒体を介して得られた地中熱が室内の空調・給湯に利用されたり、あるいは路面の融雪などに利用されたりする。
なお、熱媒体流動用配管5の配管材料には、曲がった通路の中をスムーズに通すため、ポリエチレン管などの樹脂管や蛇腹製ステンレス管など可撓性の材料を用いる。
4.管体
管体9の基本的な機能は、熱媒体流動用配管5を設置するときの通路を確保することであり、その材質は限定されない。もっとも、管9を基礎コンクリート3中に配置するので基礎コンクリート中に空洞を設けることになるため、これが構造的弱点になる恐れがある場合は、鋼材など硬い材質にするとよい。
なお、本実施の形態においては、管体9の設置方法は問はず、現場で開口部を有する杭頭蓋(図示なし)にその一部を挿入して設置してもよいし、あらかじめ溶接等で杭頭蓋に固結しておくようにしてもよい。このようにすれば、管体9の現場での設置作業が容易になるとともに、杭頭蓋に穴を空けたことによる強度の減少を防ぐことができる。
また、管体9は、図1に示すように、曲げ角度を有する曲がり管でもよいし、あるいは直管でもよい。曲がり管にする場合の曲がり角度は、中空既製杭1内に挿入する熱媒体流動用配管5の取り出し方向、基礎コンクリート3の鉄筋の配置、基礎コンクリート3の形状、さらには建設時やメンテナンス時の施工性等を考慮して決めればよい。この場合、一箇所で曲がるようなものに限定されず、前述の種々の事情を考慮して複数箇所で曲がるようにしてもよく、その場合には可撓性を有する材質のものを用いるようにすればよい。
なお、管体9の上端側を基礎コンクリート3の上面から地表面まで突出させるようにすれば、基礎工事を整地まで終了してから熱媒体流動用配管を設置することもできるとともに、地盤を掘削しなくとも熱媒体流動用配管の点検や補修、交換などのメンテナンスを行うことができるという効果がある。
なお、図1においては一つの基礎コンクリート3に対して1本の中空既製杭1を設置した例を示したが、本発明はこれに限られず、例えば図2に示すように一つの基礎コンクリート3に2本の中空既製杭1を設置するようにしてもよい。もちろん、3本以上でもよい。
なお、図2においては、基礎コンクリート3の上に立設された建築物の柱12または壁12が図示されている。
次に図1に示した地中熱利用装置の製造方法を概説する。
(1)中空既製杭1を地盤に設置した後、図示しない杭頭蓋を杭頭部に設置する。このとき、前述したように予め管体9の一端を杭頭蓋の穴に挿入して固結している場合には杭頭蓋と管体9が同時に設置されることになる。
管体9を予め杭頭蓋に固結していない場合には、杭頭蓋を杭頭部に設置した後、管体9を設置する。
(2)次に、杭頭補強鉄筋および基礎コンクリート用鉄筋を配置する。このとき、管体9に支持が必要な場合にはこれら杭頭補強鉄筋および基礎コンクリート用鉄筋で支持するようにすればよい。
(3)次に、基礎コンクリート用の型枠を配置して、コンクリートを打設する。
(4)さらに、熱媒体流動用配管5を、管体9を通じて中空既製杭1の中空部に挿入する。
なお、中空既製杭1内に熱媒体として水、油、不凍液、セメントミルク等を注入するが、この作業は熱媒体流動用配管5の挿入の前でも後でもよい。
(5)熱媒体流動用配管5には循環ポンプ7を設置し、その先にはヒートポンプ10を設置する。
そして、図3に示すように、ヒートポンプ10からは各室14a〜14dに向かう熱媒体流動用配管18を設置して各室14a〜14dには送風機、放熱機などの室内機16a〜16dを設置する。
なお、上記の説明ではヒートポンプを設置する例を示したが、本発明はヒートポンプを必須とすることに限定するものではない。
上記のような構成において、熱媒体流動用配管5には不凍液などの熱媒体が図1の矢印で示す方向に流動しており、地中熱との熱交換を行う。すなわち、熱媒体流動用配管5の熱媒体と地盤の間で中空既製杭1内に充填された水等を介して熱交換をする。この熱交換とは暖房時は地盤から熱媒体へ熱を受け、冷房時は熱媒体から地盤へ熱を捨てるものである。杭体内で熱交換した熱媒体はヒートポンプに送られ、空調設備や融雪に必要なだけの熱交換がさらに行われる。このように地中熱を利用することで少ないエネルギーで冷暖房や融雪をすることができる。
なお、杭体内の熱媒体流動用配管5は、杭下部まで延出させて先端部をU字状に屈曲させ、中空既製杭1内に充填された水および熱媒体流動用配管5の管壁を介して間接的に熱交換するようにしてもよいし、あるいは杭体内の熱媒体流動用配管5は、杭体内に熱媒体を注入する注入側と、杭体内の熱媒体を吸い上げる吸い上げ側から構成し、中空既製杭1に充填された水を熱媒体として直接循環するようにしてもよい。
上記のように基礎コンクリート3に管体9を配置するという構成を採用することで、上記のような手順での施工が可能になり、土建会社が行う基礎コンクリート工事と空調設備会社が行う熱媒体流動用配管の配管工事を完全に分離することができる。その結果、スムーズな現場施工が可能となり、従来問題であった現場作業が入り乱れて施工能率が低下するということがない。
また、基礎コンクリート工事と配管工事を完全に分離することができることから、基礎コンクリート工事中に熱媒体流動用配管を損傷する恐れもない。
さらに、管体9によって形成された通路4を介して熱媒体流動用配管5を中空既製杭1内に挿入しているので、中空既製杭1内に水などの非固化体の熱媒体を入れる場合には熱媒体流動用配管5の出し入れが自由にでき、熱媒体流動用配管5のメンテナンスが容易にできる。
[実施の形態2]
図4は本発明の実施の形態2に係る地中熱利用装置の製造方法によって製造された地中熱利用装置の要部の説明図であり、実施の形態1を示した図1と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態の一つの特徴は図4、図5(図5(a)が正面図、図5(b)が平面図)に示す杭頭部材19を用いることにある。そこで、まず杭頭部材19について図5に基づいて説明する。
杭頭部材19は、開口部20を有する杭頭蓋21と、杭頭蓋21の開口部20に下端が予め挿入または当接された管体9と、杭頭蓋21に下端部が予め固着された補強鉄筋(主筋)25および主筋に巻回設置された補強鉄筋(フープ筋)27とを備えてなる。
杭頭蓋21には鉛直力が作用するため、一般的には杭頭蓋21には鋼製の板を用いる。なお、図4、図5では平板状の杭頭蓋21を表しているが、杭頭蓋21の形状は平板状のものに限定されず、例えば中空既製杭1の下側に向かって凹んだ球冠状のものでもよい。
このような杭頭部材19を用いた本実施の形態に係る地中熱利用装置の製造方法を図6および図4に基づいて以下説明する。
(1)地中に中空既製杭1を設置する(図6(a))。
(2)杭頭部に熱媒体流動用配管5の通路が形成された杭頭部材19を設置する(図6(b))。
杭頭部材19の設置にあたっては、杭頭部材19を構成する杭頭蓋21を中空既製杭1の上端面に載置して周端面を溶接する。
杭頭部材19を設置する際には、基礎コンクリート3が打設されたときに管体9の上端部が基礎コンクリート3の上面又は側面に開口するように配置する。
(3)杭頭部に図示しない型枠を設置して基礎コンクリート3を打設する(図6(c))。
(4)熱媒体流動用配管5を杭頭部材19の管体9よって形成された通路を介して中空既製杭内に挿入設置する(図4)
なお、中空既製杭1内に熱媒体として水、油、不凍液、セメントミルク等を注入するが、この作業は熱媒体流動用配管5の挿入の前でも後でもよい。
(5)その後は、図1に示したのと同様に、熱媒体流動用配管5には循環ポンプ7を設置し、その先にはヒートポンプ10を設置する。
本実施の形態においては、実施の形態1で説明したのと同様に、基礎コンクリート工事と空調設備会社が行う熱媒体流動用配管の配管工事を完全に分離することがで、スムーズな現場施工が可能となり、従来問題であった現場作業が入り乱れて施工能率が低下するということがない。
また、本実施の形態の杭頭部材19を用いることで、基礎コンクリート3に熱媒体流動用配管5の通路の形成を極めて簡単にできるとともに、メンテナンスも可能になる。
さらに、杭頭蓋及び補強鉄筋を含む杭頭部材を予め杭頭部に固着するため、これらの溶接時に発生する火花によって熱媒体流動用配管5を損傷する恐れがなくなる。また、補強鉄筋の現場溶接は溶接施工条件の悪さから従来より品質に問題があったが、本発明では工場で溶接することができるため、溶接品質も向上する。
なお、補強鉄筋25、27から形成される鉄筋カゴの径を中空既製杭1の外径よりも大きくする場合には、図7に示すように、杭頭蓋21の外径を中空既製杭1の外径よりも大きく設定して、補強鉄筋25の下端部を杭頭蓋21に固着するようにすればよい。このとき、杭頭蓋21の下面側と中空既製杭1の外周上端部を溶接する。
[実施の形態3]
図8は本発明の実施の形態3に係る地中熱利用装置の製造方法によって製造された地中熱利用装置の要部の説明図であり、実施の形態1を示した図1と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態の一つの特徴は図9(a)に示す杭頭部材31を用いることにある。そこで、まず杭頭部材31について説明する。
杭頭部材31は、開口部33を有すると共に中空既製杭1の内径よりもわずかに小さい外径を有する底蓋35と、底蓋35の開口部33に下端が予め挿入または当接された管体9と、底蓋35に下端部が予め当接された、あるいは底蓋35より上方に設置された補強鉄筋(主筋)25および主筋に巻回設置された補強鉄筋(フープ筋)27とを備えてなる。
このような杭頭部材31を用いた本実施の形態に係る地中熱利用装置の製造方法は、実施の形態2で示した(1)〜(5)とほぼ同様の工程を有する。
もっとも、本実施の形態においては、実施の形態2における杭頭部材19の設置工程(上記(2)の工程)に代えて以下のようにする。
杭頭部材31を設置する工程においては、杭頭部材31の底蓋35が杭中空部に挿入配置されると共に基礎コンクリート3が打設されたときに管体9の上端部が基礎コンクリート3の上面又は側面に開口するように配置する。
また、基礎コンクリートを打設する工程(実施の形態2における(3)の工程)において、底蓋35から上の杭中空部にもコンクリートを中詰めする点も実施の形態2と異なる。
上記のような本実施の形態においても、実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
[実施の形態4]
図9は本発明の実施の形態4に係る地中熱利用装置の製造方法によって製造された地中熱利用装置の要部の説明図であり、実施の形態1を示した図1と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態の一つの特徴は図10(a)に示す杭頭部材41を用いることにある。そこで、まず杭頭部材41について説明する。
杭頭部材41は、短尺鋼管43と、短尺鋼管43の上端部に予め固着された開口部を有する杭頭蓋45と、杭頭蓋45の開口部に下端部が予め挿入または当接された管体9と、短尺鋼管43の周面または杭頭蓋45に下端部付近が予め固着された補強鉄筋(主筋)25および主筋に巻回設置された補強鉄筋(フープ筋)27とを備えてなる。
短尺鋼管43の周面に補強鉄筋(主筋)25の下端部を予め固着するようにしたことで、補強鉄筋(主筋)25の固着を強固かつ確実にすることができる。
このような杭頭部材41を用いた本実施の形態に係る地中熱利用装置の製造方法は、実施の形態2で示した(1)〜(5)とほぼ同様の工程を有する。
もっとも、本実施の形態においては、実施の形態2における杭頭部材19の設置工程(上記(2)の工程)に代えて以下のようにする。
杭頭部材41を設置する工程においては、杭頭部材41の短尺鋼管43の下端部を中空既製杭1の上端部に溶接により固着する。
上記のような本実施の形態においても、実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
本発明の実施の形態1に係る中空既製杭を利用した地中熱利用装置の説明図である。 本発明の実施の形態1に係る中空既製杭を利用した地中熱利用装置の他の態様の説明図である。 本発明の実施の形態1に係る中空既製杭を利用した地中熱利用装置を用いた全体システムの説明図である。 本発明の実施の形態2に係る中空既製杭を利用した地中熱利用装置の要部の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る杭頭部材の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る中空既製杭を利用した地中熱利用装置の製造方法の説明図である。 本発明の実施の形態2に係る中空既製杭を利用した地中熱利用装置の他の態様の説明図である。 本発明の実施の形態3に係る中空既製杭を利用した地中熱利用装置の要部の説明図である。 本発明の実施の形態4に係る中空既製杭を利用した地中熱利用装置の要部の説明図である。
符号の説明
1 中空既製杭、3 基礎コンクリート、4 通路、5 熱媒体流動用配管、7 循環ポンプ。

Claims (2)

  1. 構造物の基礎杭である中空既製杭を地中熱交換体として利用する地中熱利用装置の製造方法であって、地中に中空既製杭を設置する工程と、熱媒体流動用配管の通路となる管体を有する杭頭部材を杭頭部に設置する工程と、杭頭部に基礎コンクリートを打設する工程と、基礎コンクリート打設後に熱媒体流動用配管を前記杭頭部材の前記管体によって形成された通路を介して中空既製杭内に挿入設置する工程と、前記熱媒体流動用配管の配管途中または末端に熱媒体を流動させる循環ポンプを設置する工程とを備え、
    前記杭頭部材は、開口部を有する杭頭蓋と、該杭頭蓋の開口部に下端が予め挿入または当接された管体と、前記杭頭蓋に下端部が予め固着された補強鉄筋とから成り、杭頭部材を設置する工程においては杭頭蓋が杭頭部に固着されると共に基礎コンクリートが打設されたときに前記管体の上端部が基礎コンクリートの上面又は側面に開口するように配置することを特徴とする中空既製杭を利用した地中熱利用装置の製造方法。
  2. 構造物の基礎杭である中空既製杭を地中熱交換体として利用する地中熱利用装置の製造方法であって、地中に中空既製杭を設置する工程と、熱媒体流動用配管の通路となる管体を有する杭頭部材を杭頭部に設置する工程と、杭頭部に基礎コンクリートを打設する工程と、基礎コンクリート打設後に熱媒体流動用配管を前記杭頭部材の前記管体によって形成された通路を介して中空既製杭内に挿入設置する工程と、前記熱媒体流動用配管の配管途中または末端に熱媒体を流動させる循環ポンプを設置する工程とを備え、
    前記杭頭部材は、開口部を有すると共に中空既製杭の内径よりもわずかに小さい外径を有する底蓋と、該底蓋の開口部に下端が予め挿入または当接された管体と、前記底蓋に下端部が予め当接された、あるいは底蓋より上方に設置された補強鉄筋とから成り、杭頭部材を設置する工程においては前記杭頭部材の底蓋が杭中空部に挿入配置されると共に基礎コンクリートが打設されたときに前記管体の上端部が基礎コンクリートの上面又は側面に開口するように配置することを特徴とする中空既製杭を利用した地中熱利用装置の製造方法。
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