JP5622397B2 - 一本鎖抗体の配列に基づく操作および最適化 - Google Patents

一本鎖抗体の配列に基づく操作および最適化 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、2007年3月12日に出願された、“Sequence Based Engineering and Optimization of Single Chain Antibodies”と題される米国仮出願第60/906,365号に優先権を請求する。
本出願はまた、2008年3月12日に出願された、“Sequence Based Engineering and Optimization of Single Chain Antibodies”と題される米国仮出願第XX/XXX,XXX号、および2008年3月12日に出願された、“Methods of Modifying Antibodies, and Modified Antibodies with Improved Functional Properties”と題される米国仮出願第XX/XXX,XXX号にも関する。
前述の出願の全内容は、本明細書に援用される。
抗体は、癌、自己免疫疾患および他の障害の治療において、非常に有効でそして成功する療法剤であることが証明されている。典型的には、全長抗体が臨床的に用いられてきているが、抗体断片の使用が提供しうるいくつかの利点、例えば組織浸透増加、他のエフェクター機能を付加する能力と組み合わされたFcエフェクター機能の非存在、およびin vivo全身半減期がより短い結果として全身副作用が少ない可能性がある。抗体断片の薬物動態学的特性は、これらが局所療法アプローチに特によく適している可能性もあることを示す。さらに、抗体断片は、特定の発現系において、全長抗体よりも産生がより容易でありうる。
抗体断片の1つのタイプは、リンカー配列を通じて、軽鎖可変ドメイン(V)にコンジュゲート化された重鎖可変ドメイン(V)で構成される、一本鎖抗体(scFv)である。したがって、scFvはすべての抗体定常領域ドメインを欠き、そして前者の可変/定常ドメイン界面のアミノ酸残基(界面残基)は溶媒に曝露されるようになる。scFvは、確立された組換え操作技術を通じて、全長抗体(例えばIgG分子)から調製可能である。しかし、全長抗体のscFvへの変換は、しばしば、タンパク質の劣った安定性および溶解性、低い生産収量、ならびに免疫原性のリスクを増加させる、高い凝集傾向を生じる。
したがって、scFvの溶解性および安定性などの特性を改善するための試みがなされてきている。例えば、Nieba, L.ら(Prot. Eng.(1997) 10:435−444)は、界面残基であることが知られる3つのアミノ酸残基を選択し、そしてこれらを突然変異させた。Niebaらは、細菌において、突然変異scFvの周辺質発現の増加ならびに熱誘導性凝集速度の減少を観察したが、熱力学的安定性および溶解性は有意には改変されなかった。scFv内の特定のアミノ酸残基に対して部位特異的突然変異誘発を行う他の研究もまた報告されている(例えば、Tan, P.H.ら(1988) Biophys. J. 75:1473−1482; Worn, A.およびPluckthun, A.(1998) Biochem. 37:13120−13127; Worn, A.およびPluckthun, A.(1999) Biochem. 38:8739−8750)。これらの多様な研究において、突然変異誘発のために選択されたアミノ酸残基は、scFv構造内の既知の位置に基づいて選択された(例えば、分子モデリング研究によるもの)。
別のアプローチにおいて、非常に劣って発現されるscFv由来の相補性決定領域(CDR)が、好ましい特性を有すると立証されているscFvのフレームワーク領域内に移植された(Jung, S.およびPluckthun, A.(1997) Prot. Eng. 10:959−966)。生じたscFvは、溶解性発現および熱力学的安定性の改善を示した。
機能特性を改善させるscFvの操作における進歩は、例えば、Worn, A.およびPluckthun, A.(2001) J. Mol. Biol. 305:989−1010に概説される。
Nieba, L.ら(Prot. Eng.(1997) 10:435−444) Tan, P.H.ら(1988) Biophys. J. 75:1473−1482 Worn, A.およびPluckthun, A.(1998) Biochem. 37:13120−13127 Worn, A.およびPluckthun, A.(1999) Biochem. 38:8739−8750 Jung, S.およびPluckthun, A.(1997) Prot. Eng. 10:959−966 Worn, A.およびPluckthun, A.(2001) J. Mol. Biol. 305:989−1010
しかし、優れた機能特性を持つscFvの合理的設計を可能にするには、新規アプローチ、特に、当業者が、操作に潜在的に問題となるアミノ酸残基を選択するのを補助するアプローチがなお必要である。
本発明は、配列に基づく分析を用いて、scFv配列内の潜在的に問題となるアミノ酸残基の同定を可能にする方法を提供する。さらに、本発明の方法にしたがって同定されたアミノ酸残基を、突然変異のために選択してもよいし、そして突然変異されている操作されたscFvを調製し、そして機能特性改善に関してスクリーニングしてもよい。特に好ましい態様において、本発明は、機能的に選択されたscFvのデータベースを用いて、生殖系列および/または成熟抗体免疫グロブリン配列中の対応する位よりも、変動により耐えるかまたはより耐えないアミノ酸残基位を同定し、それによってこうした同定された残基位が安定性および/または溶解性などのscFv機能性を改善するように操作するのに適している可能性もあることを示す。したがって、本発明は、機能的に選択されたscFv配列のデータベースの使用に基づく「機能コンセンサス」アプローチの利点を提供し、そして立証する。
さらに他の好ましい態様において、本発明は、免疫結合剤において、関心対象のアミノ酸位(例えば、成熟抗体配列のデータベース、例えばKabatデータベースに対して、例えばQCアッセイで選択されるような少なくとも1つの所望の特性を有するscFv配列のデータベースを比較することによって同定されるアミノ酸位)で置換すべき好ましいアミノ酸残基(あるいは排除すべきアミノ酸残基)を同定するための方法を提供する。したがって、本発明はさらに、特定のアミノ酸残基を選択するための「濃縮/排除」(Enrichment/Exclusion)法を提供する。さらに、本発明は、本明細書に記載する「機能コンセンサス」アプローチを用いて同定された特定のフレームワークアミノ酸位を突然変異させることによって、免疫結合剤(例えばscFv)を操作する方法を提供する。好ましい態様において、本明細書記載の「濃縮/排除」分析法を用いて「濃縮」残基であることが見出される残基により、存在するアミノ酸残基を置換することによって、フレームワークアミノ酸位を突然変異させる。
1つの側面において、本発明は、VおよびVアミノ酸配列を有する一本鎖抗体(scFv)において突然変異のためのアミノ酸位を同定する方法であって:
a)scFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列が、データベースの抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列と並列されるように、多数の抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列を含むデータベース内に、scFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列を入力し;
b)scFv VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位と比較し;
c)scFV VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位が、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で保存されているアミノ酸残基によって占められているかどうかを決定し;そして
d)アミノ酸位がデータベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で保存されていないアミノ酸残基によって占められている場合、scFv VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位を突然変異のためのアミノ酸位と同定する
工程を含む、前記方法を提供する。
該方法は、scFv VまたはVアミノ酸配列内の突然変異のために同定されたアミノ酸位を突然変異させる工程をさらに含んでもよい。例えば、突然変異のために同定されたアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で保存されているアミノ酸残基で置換してもよい。さらにまたはあるいは、突然変異のために同定されたアミノ酸位を、ランダム突然変異誘発によって、またはバイアス化突然変異誘発によって突然変異させて、突然変異scFvのライブラリーを生成し、その後、突然変異scFvライブラリーのスクリーニングおよび少なくとも1つの改善された機能特性を有するscFvの選択が続いてもよい(例えば酵母品質管理系(QC系)を用いたライブラリーのスクリーニングによる)。
本発明の方法において、多様なタイプのデータベースが使用可能である。例えば、1つの態様において、データベースの抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列は、生殖系列抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列である。別の態様において、データベースの抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列は、再編成されたアフィニティー成熟抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列である。さらに別の、特に好ましい態様において、データベースの抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列は、少なくとも1つの所望の機能特性(例えばscFv安定性またはscFv溶解性)を有するとして選択されたscFv抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列である。さらに別の態様において、1より多いデータベースを比較目的に用いてもよい。例えば、特に好ましい態様において、少なくとも1つの所望の機能特性を有するとして選択されたscFvのデータベースとともに、1以上の生殖系列データベースまたは再編成されたアフィニティー成熟抗体データベースを用い、ここでscFvデータベース由来の配列比較結果を、他のデータベース(単数または複数)由来の結果に比較する。
本発明の方法を用いて、例えばscFvのV領域、scFvのV領域または両方を分析可能である。したがって、1つの態様において、scFv Vアミノ酸配列をデータベース内に入力し、そしてデータベースの抗体Vアミノ酸配列と並列させる。別の態様において、scFv Vアミノ酸配列をデータベース内に入力し、そしてデータベースの抗体Vアミノ酸配列と並列させる。さらに別の態様において、scFv VおよびVアミノ酸配列をデータベース内に入力し、そしてデータベースの抗体VおよびVアミノ酸配列と並列させる。
本発明の方法を用いて、関心対象のscFv内の関心対象の単一のアミノ酸位を分析してもよいが、より好ましくは、該方法を用いて、scFv配列に沿った多数のアミノ酸位を分析する。したがって、好ましい態様において、方法の工程b)において、scFv VまたはVアミノ酸配列内の多数のアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位と比較する。例えば、好ましい態様において、scFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列内の各フレームワーク位を、データベースの抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列内の対応する各フレームワーク位と比較する。さらにまたはあるいは、scFvの1以上のCDR内の1以上の位を分析してもよい。さらに別の態様において、scFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列内の各アミノ酸位を、データベースの抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列内の対応する各アミノ酸位と比較する。
データベースの配列間で「保存されている」アミノ酸位は、1以上の特定のタイプのアミノ酸残基によって占められていてもよい。例えば、1つの態様において、「保存されている」位は、その位で非常に高い頻度で存在する1つの特定のアミノ酸残基によって占められている。すなわち、方法の工程c)において、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で保存されているアミノ酸残基は、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内のその位で最も頻繁なアミノ酸残基である。この状況では、操作されたscFvを生成するため、突然変異のために同定されるアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で最も頻繁なアミノ酸残基で置換してもよい。
別の態様において、データベースの配列間で「保存されている」アミノ酸位は、例えば、(i)疎水性アミノ酸残基、(ii)親水性アミノ酸残基、(iii)水素結合形成可能アミノ酸残基、または(iv)βシートを形成する傾向を有するアミノ酸残基によって占められていてもよい。すなわち、方法の工程c)において、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位を:(i)疎水性アミノ酸残基、(ii)親水性アミノ酸残基、(iii)水素結合形成可能アミノ酸残基、または(iv)βシートを形成する傾向を有するアミノ酸残基で保存する。
したがって、操作されたscFvを生成するため、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位が疎水性アミノ酸残基で保存されている場合、scFv内の突然変異のために同定されたアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で最も頻繁な疎水性アミノ酸残基で置換してもよい。さらにまたはあるいは、scFv内で突然変異のために同定されたアミノ酸位を、scFv内のその位で最適にフィットするとして選択された疎水性アミノ酸残基(例えば分子モデリング研究に基づいて、scFvの構造および機能を維持する可能性が最も高い疎水性残基)で置換してもよい。さらにまたはあるいは、scFv内で突然変異のために同定されたアミノ酸位を、部位特異的突然変異誘発を介して、一団の疎水性アミノ酸残基で置換して、操作されたscFvのライブラリーを生成してもよく、そして所望の機能特性に関してライブラリーをスクリーニングすることによって(例えば酵母QC系において)、最も好ましい置換(単数または複数)を選択してもよい。
さらに、操作されたscFvを生成するため、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位が親水性アミノ酸残基で保存されている場合、scFv内の突然変異のために同定されたアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で最も頻繁な親水性アミノ酸残基で置換してもよい。さらにまたはあるいは、scFv内で突然変異のために同定されたアミノ酸位を、scFv内のその位で最適にフィットするとして選択された親水性アミノ酸残基(例えば分子モデリング研究に基づいて、scFvの構造および機能を維持する可能性が最も高い親水性残基)で置換してもよい。さらにまたはあるいは、scFv内で突然変異のために同定されたアミノ酸位を、部位特異的突然変異誘発を介して、一団の親水性アミノ酸残基で置換して、操作されたscFvのライブラリーを生成してもよく、そして所望の機能特性に関してライブラリーをスクリーニングすることによって(例えば酵母QC系において)、最も好ましい置換(単数または複数)を選択してもよい。
さらに、操作されたscFvを生成するため、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位が水素結合形成可能アミノ酸残基で保存されている場合、scFv内の突然変異のために同定されたアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で最も頻繁な水素結合形成可能アミノ酸残基で置換してもよい。さらにまたはあるいは、scFv内で突然変異のために同定されたアミノ酸位を、scFv内のその位で最適にフィットするとして選択された水素結合形成可能アミノ酸残基(例えば分子モデリング研究に基づいて、scFvの構造および機能を維持する可能性が最も高い残基)で置換してもよい。さらにまたはあるいは、scFv内で突然変異のために同定されたアミノ酸位を、部位特異的突然変異誘発を介して、一団の水素結合形成可能アミノ酸残基で置換して、操作されたscFvのライブラリーを生成してもよく、そして所望の機能特性に関してライブラリーをスクリーニングすることによって(例えば酵母QC系において)、最も好ましい置換(単数または複数)を選択してもよい。
さらに、操作されたscFvを生成するため、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位がβシートを形成する傾向を有するアミノ酸残基で保存されている場合、scFv内の突然変異のために同定されたアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で最も頻繁なβシートを形成する傾向を有するアミノ酸残基で置換してもよい。さらにまたはあるいは、scFv内で突然変異のために同定されたアミノ酸位を、scFv内のその位で最適にフィットするとして選択されたβシートを形成する傾向を有するアミノ酸残基(例えば分子モデリング研究に基づいて、scFvの構造および機能を維持する可能性が最も高い残基)で置換してもよい。さらにまたはあるいは、scFv内で突然変異のために同定されたアミノ酸位を、部位特異的突然変異誘発を介して、βシートを形成する傾向を有する一団のアミノ酸残基で置換して、操作されたscFvのライブラリーを生成してもよく、そして所望の機能特性に関してライブラリーをスクリーニングすることによって(例えば酵母QC系において)、最も好ましい置換(単数または複数)を選択してもよい。
別の態様において、scFv抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列に高い類似性を有する抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列のみがデータベース中に含まれる、制約データベースであるデータベースを用いて、scFvにおいて、突然変異のためのアミノ酸位を同定するための本発明の方法を実行してもよい。
好ましい態様において、分析しているアミノ酸位(すなわちデータベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の「対応する位」)の保存を定量化するため、アミノ酸位に、シンプソン指数を用いて保存の度合いを割り当てる。
また、本発明の方法を用いて、共変異(covariant)対位の一方または両方が、突然変異のために同定可能であるように、scFv配列内のアミノ酸位の対を調べて、互いに共変異するアミノ酸位を同定することも可能である。したがって、別の態様において、本発明は:
a)データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列に対して共変異分析を実行して、アミノ酸位の共変異対を同定し;
b)アミノ酸位の共変異対を、scFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位と比較し;
c)scFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位が、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位の共変異対で保存されているアミノ酸残基によって占められているかどうかを決定し;そして
d)scFv内の対応する位の一方または両方が、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位の共変異対で保存されていないアミノ酸残基によって占められている場合、scFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位の一方または両方を、突然変異のためのアミノ酸位として同定する
工程を含む、前記方法を提供する。
また、工程a)〜d)を含む上述の方法が:
e)データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列に対して共変異分析を実行して、アミノ酸位の共変異対を同定し;
f)アミノ酸位の共変異対を、scFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位と比較し;
g)scFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位が、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位の共変異対で保存されているアミノ酸残基によって占められているかどうかを決定し;そして
h)scFv内の対応する位の一方または両方が、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位の共変異対で保存されていないアミノ酸残基によって占められている場合、scFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位の一方または両方を、突然変異のためのアミノ酸位として同定する
工程をさらに含むように、個々のアミノ酸位の分析と、この共変異分析を組み合わせてもよい。
共変異分析法を単一の共変異対に適用してもよいし、あるいはデータベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内で、アミノ酸位の多数の共変異対を同定して、そしてscFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位に比較してもよい。
該方法は、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位の共変異対で保存されていないアミノ酸残基によって占められているscFv内の対応する位の一方または両方を突然変異させる工程をさらに含んでもよい。例えば、1つの態様において、アミノ酸位の共変異対で保存されていないアミノ酸残基によって占められているscFv内の対応する位の一方を、共変異対アミノ酸位で最も頻繁であるアミノ酸残基で置換する。別の態様において、アミノ酸位の共変異対で保存されていないアミノ酸残基によって占められているscFv内の対応する位の両方を、共変異対アミノ酸位で最も頻繁であるアミノ酸残基で置換する。
scFv配列内の突然変異のためのアミノ酸位を同定するための、配列に基づく本発明の方法を、scFvの構造分析を可能にする他の方法と組み合わせてもよい。例えば、1つの態様において、配列に基づく方法を分子モデリング法と組み合わせて、scFvの構造をさらに分析してもよい。したがって、1つの態様において、工程a)〜d)を含む上述の方法は、例えば:
e)scFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列を分子モデリングに供し;そして
f)scFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列内の少なくとも1つのさらなるアミノ酸位を突然変異のために同定する
工程をさらに含んでもよい。この方法は、分子モデリングによって、突然変異のために同定されたscFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列内の少なくとも1つのさらなるアミノ酸位を突然変異させる工程をさらに含んでもよい。
別の側面において、本発明は、突然変異のために同定された1以上のアミノ酸位で1以上の突然変異を行う本発明の方法にしたがって調製したscFv組成物に関する。典型的には、scFv組成物および薬学的に許容されうるキャリアーを含む、薬学的配合物もまた提供する。
さらに別の側面において、本発明は、VおよびVアミノ酸配列を有する一本鎖抗体(scFv)において突然変異のための1以上のフレームワークアミノ酸位を同定する方法であって:
a)V、VまたはVおよびVアミノ酸配列の第一のデータベースを提供し;
b)少なくとも1つの所望の機能特性を有するとして選択されたscFv抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列の第二のデータベースを提供し;
c)第一のデータベースの各フレームワーク位および第二のデータベースの各フレームワーク位でアミノ酸変動性を決定し;
d)第一のデータベースおよび第二のデータベース間で、アミノ酸変動性の度合いが異なる、1以上のフレームワーク位を同定して、それによって一本鎖抗体(scFv)における突然変異のための1以上のフレームワークアミノ酸位を同定する
工程を含む、前記方法を提供する。
好ましくは、シンプソン指数を用いて保存の度合いを割り当てることによって、各フレームワーク位でのアミノ酸変動性を決定する。1つの態様において、第一のデータベースに比較した際、第二のデータベースにおいて、より低いシンプソン指数(SI)値を有する1以上のフレームワークアミノ酸位に基づいて、突然変異のための1以上のフレームワークアミノ酸位を同定する。別の態様において、第一のデータベース(例えば生殖系列データベース)に比較した際、第二のデータベースにおいて、より高いシンプソン指数値を有する1以上のフレームワークアミノ酸位に基づいて、突然変異のための1以上のフレームワークアミノ酸位を同定する。1つの好ましい態様において、第二のデータベース(例えばQCデータベース)のアミノ酸位は、第一のデータベース(例えばKabatデータベース)中の対応するアミノ酸位のSI値より、少なくとも0.01少ない、そしてより好ましくは0.05(例えば0.06、0.07、0.08、0.09、または0.1)少ない。より好ましい態様において、第二のデータベースのアミノ酸位は、第一のデータベース中の対応するアミノ酸位のSI値より、少なくとも0.1少ない(例えば0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、または0.5少ない)。
別の側面において、本発明は、免疫結合剤において、置換のための好ましいアミノ酸残基を同定する方法であって:
a)グループ化されたVまたはVアミノ酸配列(例えば、Kabatファミリーサブタイプにしたがってグループ化された生殖系列および/または成熟抗体配列)の第一のデータベースを提供し;
b)少なくとも1つの所望の機能特性を有するとして選択された(例えばQCアッセイにしたがって)、グループ化されたscFv抗体VまたはVアミノ酸配列の第二のデータベースを提供し;
c)第一のデータベースのフレームワーク位および第二のデータベースの対応するフレームワーク位のアミノ酸残基に関してアミノ酸頻度を決定し;
d)アミノ酸残基が、第一のデータベースに比較して、第二のデータベースにおいてより高い頻度で存在する場合(すなわち濃縮残基)、免疫結合剤の対応するアミノ酸位で、置換のための好ましいアミノ酸残基として、アミノ酸残基を同定する
工程を含む、前記方法を提供する。
特定の態様において、工程(d)において、第一および第二のデータベース間のアミノ酸残基の相対頻度の比(本明細書において、「濃縮係数」)が、少なくとも1(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9または10)である場合、アミノ酸残基が同定される。好ましい態様において、濃縮係数は、約1.0より大きい(例えば1.0、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5)。さらに別の好ましい態様において、濃縮係数は、約4.0〜約6.0である(例えば、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9または6.0)。別の態様において、濃縮係数は、約6.0〜約8.0である(例えば、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9または8.0)。
さらに別の側面において、本発明は、免疫結合剤から排除すべきアミノ酸残基を同定する方法であって:
a)グループ化されたVまたはVアミノ酸配列(例えば、Kabatファミリーサブタイプにしたがってグループ化された生殖系列および/または成熟抗体配列)の第一のデータベースを提供し;
b)少なくとも1つの所望の機能特性を有するとして選択された(例えばQCアッセイにしたがって)、グループ化されたscFv抗体VまたはVアミノ酸配列の第二のデータベースを提供し;
c)第一のデータベースのフレームワーク位および第二のデータベースの対応するフレームワーク位のアミノ酸残基に関してアミノ酸頻度を決定し;
d)アミノ酸残基が、第一のデータベースに比較して、第二のデータベースにおいてより低い頻度で存在する場合、免疫結合剤の対応するアミノ酸位で、置換のための好ましくないアミノ酸残基として、アミノ酸残基を同定する、ここで前記アミノ酸残基タイプは好ましくないアミノ酸残基(すなわち排除される残基)である
工程を含む、前記方法を提供する。特定の好ましい態様において、濃縮係数(EF)が1未満である場合、好ましくないアミノ酸残基が同定される。
特定の態様において、第一のデータベースは、生殖系列V、VまたはVおよびVアミノ酸配列を含む。他の態様において、第一のデータベースは、生殖系列V、VまたはVおよびVアミノ酸配列からなる。さらに別の態様において、第一のデータベースは、成熟V、VまたはVおよびVアミノ酸配列を含む。別の態様において、第一のデータベースは、成熟V、VまたはVおよびVアミノ酸配列からなる。例となる態様において、成熟V、VまたはVおよびVアミノ酸配列は、Kabatデータベース(KDB)由来である。
特定の態様において、第二のデータベースは、QCアッセイから選択されたscFv抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列を含む。別の態様において、第二のデータベースは、QCアッセイから選択されたscFv抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列からなる。
1つの態様において、所望の機能特性は安定性改善である。別の態様において、所望の機能特性は溶解性改善である。さらに別の態様において、所望の機能特性は非凝集である。さらに別の態様において、所望の機能特性は発現改善である(例えば原核細胞における)。特定の態様において、所望の機能特性は、抗原結合アフィニティーの改善ではない。
さらに別の側面において、本発明は、免疫結合剤を操作する方法であって:
a)免疫結合剤内で、突然変異のための1以上のアミノ酸位を選択し;そして
b)突然変異のために選択された1以上のアミノ酸位を突然変異させる、ここで、突然変異のために選択される1以上のアミノ酸位は:
(i)AHo番号付けを用いたVH3のアミノ酸位1、6、7、89および103(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、6、7、78および89);
(ii)AHo番号付けを用いたVH1aのアミノ酸位1、6、12、13、14、19、21、90、92、95および98(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、6、11、12、13、18、20、79、81、82bおよび84);
(iii)AHo番号付けを用いたVH1bのアミノ酸位1、10、12、13、14、20、21、45、47、50、55、77、78、82、86、87および107(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、9、11、12、13、19、20、38、40、43、48、66、67、71、75、76および93);
(iv)AHo番号付けを用いたVκ1のアミノ酸位1、3、4、24、47、50、57、91および103(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、3、4、24、39、42、49、73および85);
(v)AHo番号付けを用いたVκ3のアミノ酸位2、3、10、12、18、20、56、74、94、101および103(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位2、3、10、12、18、20、48、58、76、83および85);ならびに
(vi)AHo番号付けを用いたVλ1のアミノ酸位1、2、4、7、11、14、46、53、82、92および103(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、2、4、7、11、14、38、45、66、74および85)
からなる群より選択される
工程を含む、前記方法を提供する。
特定の好ましい態様において、突然変異のために選択された1以上のアミノ酸位を、少なくとも1つの所望の機能特性を有するとして選択された(例えば酵母QC系において)抗体配列における対応するアミノ酸位で見られるアミノ酸残基に突然変異させる。さらに他の態様において、突然変異のために選択された1以上のアミノ酸位を、本発明の濃縮/排除分析方法論にしたがって同定されるアミノ酸残基(例えば「濃縮アミノ酸残基」)に突然変異させる。
好ましくは、免疫結合剤はscFvであるが、他の免疫結合剤、例えば全長免疫グロブリンおよび他の抗体断片(例えばFabまたはDab)もまた、方法にしたがって操作してもよい。本発明はまた、操作法にしたがって調製された免疫結合剤、ならびに該免疫結合剤および薬学的に許容されうるキャリアーを含む組成物も含む。
図1は、本発明の方法にしたがって、scFvの一般的な配列に基づく分析を要約するフローチャート図である。 図2は、scFvの配列に基づく分析のための例示的な多工程法のフローチャート図である。 図3は、酵母において、安定でそして溶解性のscFvの選択のための例示的な品質管理(QC)系の概略図である。この系内で、還元環境において、その発現が、安定でそして溶解性のscFv−AD−Gal 11p融合タンパク質の存在に依存する、誘導性レポーター構築物の存在によって、安定でそして溶解性のscFvを発現可能な宿主細胞を選択する。Gal4(1−100)と融合タンパク質の相互作用は、機能する転写因子を形成し、該因子が、選択可能マーカーの発現を活性化する(図3Aを参照されたい)。不安定でそして/または不溶性のscFvは、機能する転写因子を形成し、そして選択可能マーカーの発現を誘導することができず、そしてしたがって、選択から排除される(図3B)。 図4は、別の例示的な品質管理(QC)系の概略図である。溶解性でそして安定なscFvを選択するための全体の概念は、図3に関して記載するのと同じであるが、このバージョンでは、scFvを、活性化ドメイン(AD)およびDNA結合ドメイン(DBD)を含む、機能する転写因子に直接融合させる。図4Aは、機能する転写因子に融合させた場合、選択可能マーカーの転写を誘発可能な、例示的な溶解性でそして安定なscFvを示す。対照的に、図4Bは、転写因子に融合された場合であってさえ、不安定なscFvが、選択可能マーカーの転写が活性化されるのを妨害するシナリオを示す。 図5は、体細胞突然変異前の天然生殖系列配列内の特定のフレームワーク(FW)残基での(図5A)、そしてQC系において選択された体細胞突然変異後の成熟抗体配列内の対応するFW残基での(図5B)、変動性の分析の概略図である。異なる変動性値を、生殖系列およびQC配列(すなわち、それぞれ「G」および「Q」値)内のそれぞれのFW位(例えば超可変フレームワーク残基(「hvFR」))に割り当ててもよい。特定の位に関してG>Qならば、その位では、制限された数の適切な安定FW残基がある。特定の位に関してG<Qならば、これは、最適な溶解性および安定性に関して、その位が天然に選択されていることを示しうる。 図6は、25〜95℃の温度範囲での熱誘導性ストレス後、ESBA105変異体に関して観察される変性プロフィールを示す。生殖系列コンセンサス残基への逆突然変異を有するESBA−105変異体(V3Q、R47K、またはV103T)を点線によって示す。本発明の方法によって同定される好ましい置換を含む変異体(QC11.2、QC15.2、およびQC23.2)を実線によって示す。 図7は、コンセンサス逆突然変異(S−2、D−2、D−3)、アラニンへの逆突然変異(D−1)またはQC残基への逆突然変異(QC7.1、QC11.2、QC15.2、QC23.2)のいずれかを含むESBA105変異体セットに関する熱安定性の比較を示す。選択されるフレームワーク位でのフレームワーク残基の同一性を図7Aに提供する。親ESBA105抗体と異なる残基を太字斜体で示す。アミノ酸位をKabat番号付けで提供する。各変異体の熱安定性(恣意的アンフォールディング単位)を図7Bに提供する。 図8は、25〜95℃の温度範囲での熱誘導性ストレス後、ESBA212変異体に関して観察される変性プロフィールを示す。生殖系列コンセンサス残基への逆突然変異を有するESBA−212変異体(V3QまたはR47K)を点線によって示す。親ESBA212分子を実線によって示す。
本発明は、配列に基づく免疫結合剤特性(特にscFv特性)の操作および最適化のための方法に関し、前記特性としては、限定されるわけではないが、安定性、溶解性およびアフィニティーが挙げられる。より具体的には、本発明は、scFv抗体を最適化するための方法であって、抗体配列分析を用いて突然変異させるべきscFv内のアミノ酸位を同定し、それによってscFvの1以上の物理的特性を改善する方法を開示する。本発明はまた、本発明の方法にしたがって産生される、操作された免疫結合剤、例えばscFvにも関する。
本発明は、少なくとも部分的に、抗体配列の多数のデータベースにおいて、各重鎖および軽鎖フレームワーク位でのアミノ酸頻度の分析に基づく。特に、生殖系列および/または成熟抗体データベースの頻度分析は、所望の機能特性を有するとして選択されたscFv配列のデータベースの頻度分析に比較されている。各フレームワーク位に変動性の度合いを割り当てることによって(例えばシンプソン指数を用いる)、そして異なるタイプの抗体配列データベース内で各フレームワーク位の変動性の度合いを比較することによって、ここで、scFvの機能特性(例えば安定性、溶解性)に対して重要なフレームワーク位を同定することが可能となっている。これは、ここで、生殖系列および/または成熟抗体免疫グロブリン配列中の対応する位よりも、変動により耐えるかまたはより耐えないフレームワーク位が同定されているフレームワークアミノ酸位に対して、「機能コンセンサス」を定義することを可能にする。したがって、本発明は、機能的に選択されたscFv配列のデータベースの使用に基づく「機能コンセンサス」アプローチの利点を提供し、そして立証する。さらに、本発明は、本明細書に記載する「機能コンセンサス」アプローチを用いて同定された特定のフレームワークアミノ酸位を突然変異させることによって、免疫結合剤(例えばscFv)を操作する方法を提供する。
本発明をより容易に理解可能であるように、特定の用語をまず定義する。別に定義しない限り、本明細書で用いるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する業の一般の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載するものと類似かまたは同等の方法および材料を、本発明の実施または試験で使用可能であるが、適切な方法および材料を以下に記載する。本明細書で言及するすべての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その全体が本明細書に援用される。矛盾の場合は、定義を含めて本明細書が統制するであろう。さらに、材料、方法、および例は例示のみであり、そして限定を意図されない。
用語「抗体」は、本明細書において、「免疫グロブリン」と同義語である。本発明記載の抗体は、全免疫グロブリン、あるいは単一可変ドメイン、Fv(Skerra A.およびPluckthun, A.(1988) Science 240:1038−41)、scFv(Bird, R.E.ら(1988) Science 242:423−26; Huston, J.S.ら(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879−83)、Fab、(Fab')2または当業者に周知の他の断片などの免疫グロブリンの少なくとも1つの可変ドメインを含む、その断片であってもよい。
用語「抗体フレームワーク」は、本明細書において、可変ドメインの抗原結合ループのための骨格として働く、VLまたはVHいずれかのこの可変ドメインの部分を指す(Kabat, E.A.ら(1991) Sequences of proteins of immunological interest. NIH Publication 91−3242)。
用語「抗体CDR」は、本明細書において、Kabat, E.A.ら(1991) Sequences of proteins of immunological interest. NIH Publication 91−3242によって定義されるような抗原結合ループからなる抗体の相補性決定領域を指す。抗体Fv断片の2つの可変ドメインは各々、例えば3つのCDRを含有する。
用語「一本鎖抗体」または「scFv」は、リンカーによって連結された抗体重鎖可変領域(V)および抗体軽鎖可変領域(V)を含む分子を指すよう意図される。こうしたscFv分子は、一般構造:NH−V−リンカー−V−COOHまたはNH−V−リンカー−V−COOHを有してもよい。
本明細書において、「同一性」は、2つのポリペプチド、分子間、または2つの核酸間の配列マッチングを指す。2つの比較配列の両方における位が、同じ塩基またはアミノ酸単量体サブユニットによって占められている場合(例えば、2つのDNA分子の各々における位がアデニンによって占められるか、または2つのポリペプチドの各々における位がリジンによって占められる場合)、それぞれの分子はその位で同一である。2つの配列間の「同一性パーセント」は、2つの配列によって共有されるマッチング位の数の関数であり、これを比較する位の数で割って100を掛けたものである。例えば、2つの配列における位の10のうち6がマッチしている場合、2つの配列は60%同一性を有する。例えば、DNA配列CTGACTおよびCAGGTTは50%同一性を共有する(総数6位のうち3位がマッチする)。一般的に、最大同一性が生じるように2つの配列を並列させた際に比較を行う。こうした並列は、例えばAlignプログラム(DNAstar, Inc.)などのコンピュータプログラムによって好適に実行される、Needlemanら(1970) J. Mol. Biol. 48:443−453の方法を用いて提供可能である。
「類似の」配列は、並列させた場合、同一および類似のアミノ酸残基を共有するものであり、ここで、類似の残基は、並列させた参照配列中の対応するアミノ酸残基に関する保存的置換物である。これに関連して、参照配列における残基の「保存的置換」は、対応する参照残基に物理的または機能的に類似の残基、例えば類似のサイズ、形状、電荷、共有結合または水素結合を形成する能力を含めた化学的特性等を有するものによって置換される。したがって、「保存的置換で修飾された」配列は、1以上の保存的置換が存在する点で、参照配列または野生型配列とは異なるものである。2つの配列間の「類似性パーセント」は、2つの配列によって共有されるマッチング残基または保存的置換を含有する位の数の関数であり、これを、比較する位の数で割って100を掛けたものである。例えば、2つの配列における位の10のうち6がマッチし、そして10位のうち2つが保存的置換を含有する場合、2つの配列は80%の正の類似性を有する。
本明細書において、「アミノ酸コンセンサス配列」は、少なくとも2つ、そして好ましくはそれより多い、並列されたアミノ酸配列のマトリックスを用いて、そして各位で最も頻繁なアミノ酸残基を決定可能であるように、並列中のギャップを可能にして生成可能なアミノ酸配列を指す。コンセンサス配列は、各位で最も頻繁に提示されるアミノ酸を含む配列である。2以上のアミノ酸が単一の位で同等に提示される場合、コンセンサス配列には、アミノ酸の両方またはすべてが含まれる。
タンパク質のアミノ酸配列を多様なレベルで分析してもよい。例えば、保存または変動性は、単一残基レベル、多数の残基レベル、ギャップを含む多数の残基等で示されうる。残基は、同一残基の保存を示しうるし、またはクラスレベルで保存されうる。アミノ酸クラスの例には、極性であるが非荷電のR基(セリン、スレオニン、アスパラギンおよびグルタミン);陽性荷電R基(リジン、アルギニン、およびヒスチジン);陰性荷電R基(グルタミン酸およびアスパラギン酸);疎水性R基(アラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、バリンおよびチロシン);および特別なアミノ酸(システイン、グリシンおよびプロリン)が含まれる。他のクラスが当業者に知られ、そして構造決定、または置換可能性を評価する他のデータを用いて、定義可能である。この意味では、置換可能アミノ酸は、その位で置換され、そして機能的保存を維持することも可能ないかなるアミノ酸も指しうる。
本明細書において、1つのアミノ酸配列(例えば第一のVまたはV配列)を1以上のさらなるアミノ酸配列(例えばデータベース中の1以上のVHまたはVL配列)と並列させると、1つの配列(例えば第一のVまたはV配列)におけるアミノ酸位を、1以上のさらなるアミノ酸配列における「対応する位」に比較可能である。本明細書において、「対応する位」は、配列を最適に並列させた際の、すなわち最高の同一性パーセントまたは類似性パーセントを達成するように配列を並列させた際の、比較中の配列(単数または複数)における同等の位に相当する。
本明細書において、用語「抗体データベース」は、2以上の抗体アミノ酸配列コレクション(「多数の」配列)を指し、そして典型的には、何十、何百またはさらに何千もの抗体アミノ酸配列のコレクションを指す。抗体データベースは、例えば、抗体V領域、抗体V領域または両方のコレクションのアミノ酸配列を保存してもよく、あるいはVおよびV領域で構成されるscFv配列のコレクションを保存してもよい。好ましくは、データベースは、検索可能な固定媒体中に、例えばコンピュータ上の検索可能コンピュータプログラム内に保存される。1つの態様において、抗体データベースは、生殖系列抗体配列を含むかまたは該配列からなるデータベースである。別の態様において、抗体データベースは、成熟(すなわち発現された)抗体配列(例えば成熟抗体配列のKabatデータベース、例えばKBDデータベース)を含むかまたは該配列からなるデータベースである。さらに別の態様において、抗体データベースは、機能的に選択された配列(例えばQCアッセイから選択された配列)を含むかまたは該配列からなる。
用語「免疫結合剤」は、免疫結合剤がターゲット抗原を特異的に認識するように、抗体の抗原結合部位のすべてまたは一部、例えば重鎖および/または軽鎖可変ドメインのすべてまたは一部を含有する分子を指す。免疫結合剤の限定されない例には、全長免疫グロブリン分子およびscFv、ならびに抗体断片が含まれ、限定されるわけではないが、(i)Fab断片、V、V、CおよびC1ドメインからなる一価断片;(ii)F(ab’)断片、ヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結される2つのFab断片を含む二価断片;(iii)ヒンジ領域の一部を含む、本質的にはFab断片であるFab’断片(FUNDAMENTAL IMMUNOLOGY(Paul監修, 3.sup.rd ed. 1993を参照されたい);(iv)VおよびC1ドメインからなるFd断片;(v)抗体の単一アームのVおよびVドメインからなるFv断片;(vi)VドメインからなるdAb断片(Wardら(1989) Nature 341:544−546);および(vii)ナノボディ、単一の可変ドメインおよび2つの定常ドメインを含有する重鎖可変領域が含まれる。
本明細書において、用語「機能特性」は、例えばポリペプチドの製造特性または療法的効能を改善するため、当業者にとって(例えば慣用的ポリペプチドに比較して)改善が望ましくそして/または好適であるポリペプチド(例えば免疫結合剤)の特性である。1つの態様において、機能特性は、安定性(例えば熱安定性)改善である。さらに別の態様において、機能特性は、溶解性(例えば細胞条件下)改善である。別の態様において、機能特性は、非凝集である。さらに別の態様において、機能特性は、発現(例えば原核細胞における)改善である。さらに別の態様において、機能特性は、封入体精製プロセス後の再フォールディング収量の改善である。特定の態様において、機能特性は、抗原結合アフィニティーの改善ではない。
scFvの配列に基づく分析
本発明は、突然変異のために選択しようとするscFv配列内のアミノ酸位の同定を可能にする、scFv配列を分析するための方法を提供する。突然変異のために選択されるアミノ酸位は、scFvの機能特性、例えば溶解性、安定性および/または抗原結合に影響を及ぼすと予測されるものであり、ここで、こうした位での突然変異は、scFvの性能を改善すると予測される。したがって、本発明は、scFv配列内のアミノ酸位を単にランダムに突然変異させるよりも、性能を最適化するためのscFvの操作により重点を置くことを可能にする。
scFv配列の配列に基づく分析の特定の側面を、図1のフローチャートに模式的に図示する。この図に示すように、最適化しようとするscFvの配列を、安定でそして溶解性であるとして選択されたscFv配列で構成される抗体データベースを含む、1以上の抗体データベース中の配列に比較する。これは、特にscFv形式で、安定性および/または溶解性に重要な残基の同定、ならびに特にscFv形式(例えばVおよびVの組み合わせ)で、それぞれのCDRに独立な安定性、溶解性および/または結合の改善を示すパターンの同定を可能にしうる。ひとたび重要な残基が同定されたならば、例えばそれぞれのデータベースにおいて同定されるような最も頻繁な適切なアミノ酸によって、そして/またはランダムまたはバイアス化突然変異誘発によって、これらを置換してもよい。
したがって、1つの側面において、本発明は、VおよびVアミノ酸配列を有する一本鎖抗体(scFv)において突然変異のためのアミノ酸位を同定する方法であって:
a)scFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列が、データベースの抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列と並列されるように、多数の抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列を含むデータベース内に、scFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列を入力し;
b)scFv VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位と比較し;
c)scFV VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位が、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で保存されているアミノ酸残基によって占められているかどうかを決定し;そして
d)アミノ酸位がデータベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で保存されていないアミノ酸残基によって占められている場合、scFv VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位を突然変異のためのアミノ酸位と同定する
工程を含む、前記方法を提供する。
したがって、本発明の方法において、関心対象のscFvの配列(すなわちV、Vまたは両方の配列)を、抗体データベースの配列と比較して、そして関心対象のscFvにおけるアミノ酸位が、データベースにおける配列の対応する位で「保存されている」アミノ酸残基によって占められているかどうかを決定する。scFv配列のアミノ酸位が、データベースの配列内の対応する位で「保存されて」いないアミノ酸残基によって占められている場合、scFvのそのアミノ酸位は、突然変異のために選択される。好ましくは、分析されるアミノ酸位は、関心対象のscFv内のフレームワークアミノ酸位である。さらにより好ましくは、関心対象のscFv内のすべてのフレームワークアミノ酸位を分析してもよい。別の態様において、関心対象のscFvの1以上のCDR内の1以上のアミノ酸位を分析してもよい。さらに別の態様において、関心対象のscFv内の各アミノ酸位を分析してもよい。
アミノ酸残基が、抗体データベースの配列内の特定のアミノ酸位(例えばフレームワーク位)で「保存されている」かどうかを決定するため、特定の位の保存の度合いを計算してもよい。所定の位でのアミノ酸多様性を定量化可能な、当該技術分野に知られる多様な異なる方法があり、これらはすべて、本発明の方法に適用可能である。好ましくは、多様性の測定値であるシンプソンの多様性指数を用いて、保存の度合いを計算する。該指数は、各位に存在するアミノ酸の数、ならびに各アミノ酸の相対的存在量を考慮に入れる。シンプソン指数(S.I.)は、2つのランダムに選択された抗体配列が、特定の位で同じアミノ酸を含有する確率に相当する。シンプソン指数は、保存を測定する際、2つの主な要因である、豊富さおよび均等さを考慮に入れる。本明細書において、「豊富さ」は、特定の位に存在する、異なる種類のアミノ酸数の測定値である(すなわち、その位で、データベースにおいて現れる、異なるアミノ酸残基の数が、豊富さの測定値である)。本明細書において、「均等さ」は、特定の位に存在するアミノ酸各々の存在量の測定値である(すなわちアミノ酸残基がデータベースの配列内のその位に存在する頻度が、均等さの測定値である)。
残基の豊富さは、特定の位での保存の度合いを調べるため、そのまま測定値として使用可能であるが、特定の位に存在する各アミノ酸残基の相対頻度は考慮に入れない。残基の豊富さは、データベースの配列内の特定の位に非常にまれにしか存在しないアミノ酸残基に、同じ位で非常に頻繁に存在する残基にこの値が与えるのと同じ荷重を与える。均等さは、位の豊富さを構成する、異なるアミノ酸の相対的存在量の測定値である。シンプソン指数は豊富さおよび均等さの両方を考慮に入れ、そしてしたがって、本発明にしたがった保存の度合いを定量化するのに好ましい方式である。特に、非常に保存された位に低頻度の残基があると、潜在的に問題となると見なされ、そしてしたがって、突然変異のために選択可能である。
シンプソン指数の式は、D=Σn(n−1)/N(N−1)であり、式中、Nはサーベイにおける(例えばデータベースにおける)配列総数であり、そしてnは分析中の位での各アミノ酸残基の頻度である。データベースにおけるアミノ酸事象(i)の頻度は、データベースに存在するアミノ酸の回数(n)である。計数nはそれ自体、相対頻度で示され、これは、これらが事象総数によって標準化されていることを意味する。最大多様性が存在する場合、S.I.値はゼロであり、そして最小多様性が存在する場合、S.I.値は1である。したがって、S.I.範囲は0〜1であり、多様性および指数値の間には、逆相関がある。
データベースの配列内のフレームワークアミノ酸位の分析のための、多数の工程を要約するフローチャートを、図2にさらに詳細に記載する。
したがって、上述の方法の好ましい態様において、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位に、シンプソン指数を用いて保存の度合いを割り当てる。対応する位のS.I.値を、その位の保存の指標として用いてもよい。
他の態様において、本発明において、緊密に関連する抗体配列の信頼される並列を用いて、アミノ酸の相対的存在量および決定された位の保存の度合いのマトリックスを生成する。これらのマトリックスは、抗体−抗体データベース比較で使用するために設計される。各残基の観察される頻度を計算し、そして期待される頻度(これは本質的に、各位に関する、データベース中の各残基の頻度である)と比較する。
記載した方法を用いた所定のscFv抗体の分析は、所定のscFv抗体における特定の位での生物学的に許容されうる突然変異および異常な残基に関する情報を提供し、そしてフレームワーク内の潜在的な弱点の予測を可能にする。S.I.値および相対頻度を基準として用いて、ルーチンを用い、アミノ酸頻度データセットに「最適に」フィットするアミノ酸置換を操作してもよい。
上述の配列に基づく分析を、scFvのV領域、scFvのV領域、または両方に適用してもよい。したがって、1つの態様において、scFv Vアミノ酸配列をデータベース内に入力し、そしてデータベースの抗体Vアミノ酸配列と並列させる。別の態様において、scFv Vアミノ酸配列をデータベース内に入力し、そしてデータベースの抗体Vアミノ酸配列と並列させる。さらに別の態様において、scFv VおよびVアミノ酸配列をデータベース内に入力し、そしてデータベースの抗体VおよびVアミノ酸配列と並列させる。1つの配列をデータベース中の他の配列のコレクションと並列させるためのアルゴリズムが、当該技術分野によく確立されている。配列間の最高の同一性または類似性パーセントが達成されるように、配列を並列させる。
本発明の方法を用いて、scFv配列内の関心対象の1つのアミノ酸位を分析してもよいし、またはより好ましくは、本発明の方法を用いて、関心対象の多数のアミノ酸位を分析してもよい。したがって、上述の方法の工程b)において、scFv VまたはVアミノ酸配列内の多数のアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位と比較してもよい。分析するのが好ましい位は、scFvのVおよび/またはV配列内のフレームワーク位である(例えば各VHおよびVLフレームワーク位を分析してもよい)。さらにまたはあるいは、scFvの1以上のCDR内の1以上の位を分析してもよい(しかし、CDR内の突然変異は、フレームワーク領域内の突然変異より、抗原結合活性に影響を及ぼす可能性がより高いため、CDR内のアミノ酸位を突然変異させることは好ましくない可能性もある)。さらに、本発明の方法は、scFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列内の各アミノ酸位の分析を可能にする。
本発明の方法において、関心対象のscFvの配列を、1以上の多様な異なるタイプの抗体配列データベース内の配列に比較してもよい。例えば、1つの態様において、データベースの抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列は、生殖系列抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列である。別の態様において、データベースの抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列は、再編成されたアフィニティー成熟抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列である。さらに別の好ましい態様において、データベースの抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列は、scFv安定性またはscFv溶解性などの(以下にさらに論じられる)、少なくとも1つの所望の機能特性を有するとして選択されたscFv抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列である。
生殖系列配列の配列並列から、または天然に存在する任意の他の抗体配列から、抗体配列情報を得て、蓄積して、そして/または生成してもよい。配列供給源には、限定されるわけではないが、以下のデータベースの1以上が含まれてもよい
・Kabatデータベース(.immuno.bme.nwu.edu; Johnson & Wu(2001) Nucleic Acids Res. 29:205−206; Johnson & Wu(2000) Nucleic Acids Res. 28:214−218)。2000由来の生データは、米国においてFTPによって入手可能であり、そして英国において反映されている。
・Kabatmanは、使用者が、配列の異常な特徴に関してKabat配列を検索することを可能にし、そして使用者が特定の抗体配列において、CDRに関する規範的な割り当てを発見することを可能にするデータベースを含有する。
・AAAAAウェブサイト(www.bioc.unizh.ch/antibody/)、抗体に関する配列情報および構造データを提供する、Annemarie Honeggerによって用意された抗体ページ。
・ABG:抗体の3D構造のディレクトリ−Antibody Group(ABG)によって生成された該ディレクトリは、使用者が、Protein Data Bank(PDB)に蓄積された抗体構造にアクセスするのを可能にする。該ディレクトリにおいて、各PDBエントリーは、元来の供給源へのハイパーリンクを有し、完全な情報が容易に回収できるようになっている。
・ABG:マウスVHおよびVK生殖系列セグメント部分の生殖系列遺伝子ディレクトリ、Instituto de Biotecnologia, UNAM(National University of Mexico)のAntibody Groupのウェブページの一部。
・IMGT(登録商標)、国際ImMunoGeneTics情報システム(登録商標)−Marie−Paule Lefranc(Universite Montpellier II, CNRS)によって1989に生成されたもの、IMGTは、ヒトおよび他の脊椎動物種に関する、免疫グロブリン、T細胞受容体、および免疫系の関連タンパク質に特化した統合知識供給源である。IMGTは、配列データベース(IMGT/LIGM−DB、ヒトおよび他の脊椎動物由来のIGおよびTRの包括的データベース、完全に注釈が付けられた配列に関する翻訳、IMGT/MHC−DB、IMGT/PRIMER−DBを含む)、ゲノムデータベース(IMGT/GENE−DB)、構造データベース(IMGT/3Dstructure−DB)、ウェブ供給源(IMGT Repertoire)(IMGT、国際ImMunoGeneTics情報システム@; imgt.cines.fr; Lefrancら(1999) Nucleic Acids Res. 27:209−212; Ruizら(2000) Nucleic Acids Res. 28:219−221; Lefrancら(2001) Nucleic Acids Res. 29:207−209; Lefrancら(2003) Nucleic Acids Res. 31:307−310)からなる。
・V BASE−千を超える公表配列から蓄積されたすべてのヒト生殖系列可変領域配列の包括的ディレクトリ、GenbankおよびEMBLデータライブラリーの現在の公開におけるものを含む。
好ましい態様において、還元環境において、安定性および溶解性増進に関して選択されている、定義されたフレームワークを有するscFvライブラリーから抗体配列情報を得る。より具体的には、還元環境において、安定性および溶解性が増進されたscFvフレームワークの選択を可能にする、酵母品質管理(QC)系が記載されている(例えば、PCT公報WO 2001/48017;米国出願第2001/0024831号およびUS 2003/0096306号;米国特許第7,258,985号および第7,258,986号を参照されたい)。この系において、scFvライブラリーを、特定の既知の抗原を発現し、そして抗原−scFv相互作用の存在下でのみ生存可能な宿主細胞内に形質転換する。形質転換された宿主細胞を、抗原およびscFvの発現に適しており、そして抗原−scFv相互作用の存在下でのみ細胞生存を許す条件下で培養する。こうして、生存細胞で発現され、そして還元環境において安定でそして溶解性である、定義されたフレームワークを有するscFvを単離可能である。したがって、QC系を用いて、巨大なscFvライブラリーをスクリーニングし、それによって還元環境において、安定でそして溶解性であるフレームワークを有する好ましいscFvを単離することも可能であり、そしてこれらの選択されたscFvの配列をscFv配列データベース内に蓄積することも可能である。次いで、本発明の方法を用いて、こうしたscFvデータベースを関心対象の他のscFv配列と比較する目的で用いてもよい。QC系を用いて先に選択されそして定義された、好ましいscFvフレームワーク配列は、PCT公報WO 2003/097697および米国出願第20060035320号にさらに詳細に記載される。
元来のQC系の変形が当該技術分野に知られる。図3に図式的に例示される1つの例示的な態様において、scFvライブラリーをGal4酵母転写因子の活性化ドメイン(AD)に融合させ、これを次に、いわゆるGal11pタンパク質(11p)の部分に融合させる。次いで、scFv−AD−Gal11p融合構築物を、Gal4の最初の100アミノ酸を発現し、そしてしたがってGal4 DNA結合ドメイン(DBD;Gal4(1−100))を含有する宿主細胞内に形質転換する。Gal11pは、Gal4(1−100)に直接結合することが知られる点突然変異である(Barberisら, Cell, 81:359(1995)を参照されたい)。scFv融合タンパク質の発現に適しており、そしてscFv融合タンパク質がGal4(1−100)と相互作用し、そしてそれによってDBDに連結されたADを含有する機能する転写因子を形成するために十分に安定でありそして溶解性である場合にのみ細胞生存を可能にする条件下で、形質転換宿主細胞を培養する(図3A)。こうして、生存細胞中で発現され、そして還元環境において安定でありそして溶解性である、定義されたフレームワークを有するscFvが単離可能である。この例示的なQC系のさらなる説明が、Auf der Maurら, Methods, 34:215−224(2004)に記載される。
別の例示的な態様において、本発明の方法で使用するQC系を図4に示す。QC系のこのバージョンにおいて、scFvまたはscFvライブラリーを、機能する転写因子に直接融合させて、そして選択可能マーカーを含有する酵母株において発現させる。選択可能マーカーは、機能するscFv−転写因子融合物の存在下でのみ活性化され、これは全体としての構築物が安定でそして溶解性である必要があることを意味する(図4A)。scFvが不安定である場合、scFvは凝集体を形成し、そして次第に分解され、それによってまた、それに融合した転写因子の分解も引き起こし、したがって、もはや選択可能マーカーの発現を活性化不能であろう(図4Bを参照されたい)。
本発明の方法において、関心対象のscFvの配列を、抗体データベース内のすべての配列と比較してもよいし、あるいはデータベース中の配列の選択された部分のみを、比較目的に用いてもよい。すなわち、データベースは、関心対象のscFvに高い割合の類似性または同一性を有する配列のみに限定されるか、または制約されてもよい。したがって、本発明の方法の1つの態様において、データベースは、scFv抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列に高い類似性を有する抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列のみがデータベース中に含まれる、制約データベースである。
ひとたび関心対象のscFv配列をデータベース内に入力し、そしてデータベース内の抗体配列に比較したら、配列情報を分析して、所定の位のアミノ酸の頻度および変動性に関する情報を提供し、そして潜在的に問題となるアミノ酸位、特にscFvのフレームワーク内の潜在的に問題となるアミノ酸位を予測する。こうした情報を用いて、scFvの特性を改善する突然変異を設計することもまた可能である。例えば、溶媒に曝露された疎水性残基を、そうでなければこの位に頻繁に存在する親水性残基で置換することによって、抗体溶解性を改善してもよい。
本発明の方法において、データベースの抗体配列内の特定の位で「保存され」うる、ありうるタイプのアミノ酸残基がいくつかある。例えば、1つの特定のアミノ酸残基が、非常に高い頻度でその位で見られる可能性もあり、これは、この特定のアミノ酸残基が、その特定の位で好ましいことを示す。したがって、本発明の1つの態様において、工程c)において、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で保存されているアミノ酸残基は、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内のその位で最も頻繁なアミノ酸残基である。他の態様において、位は、特定のタイプまたはクラスのアミノ酸残基で「保存され」ていてもよい(すなわち、位は、単一の特定のアミノ酸残基のみによって優先的に占められるのではなく、各々、同じタイプまたはクラスの残基である、いくつかの異なるアミノ酸残基によって優先的に占められる)。例えば、工程c)において、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位は:(i)疎水性アミノ酸残基、(ii)親水性アミノ酸残基、(iii)水素結合形成可能アミノ酸残基、または(iv)βシートを形成する傾向を有するアミノ酸残基で保存されうる。
方法の工程d)において、アミノ酸位が、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で保存されていないアミノ酸残基によって占められている場合、scFv VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位を、突然変異のためのアミノ酸位と同定する。アミノ酸位を「保存されていない」アミノ酸残基によって占められているとして、そしてしたがって潜在的に問題となるとして同定するであろう、ありうるいくつかの状況がある。例えば、データベース内の対応するアミノ酸位が、疎水性残基で保存されており、そしてscFv中の位が親水性残基によって占められている場合、この位は、scFvにおいて潜在的に問題となり、そしてこの位は突然変異のために選択されうる。同様に、データベース内の対応するアミノ酸位が親水性残基で保存され、そしてscFv中の位が疎水性残基によって占められている場合、この位は、scFvにおいて潜在的に問題となり、そしてこの位は突然変異のために選択されうる。さらに他の例において、データベース内の対応するアミノ酸位が、水素結合形成可能であるか、またはβシートを形成する傾向を有するアミノ残基で保存され、そしてscFv中の位が水素結合形成不能であるかまたはβシートを形成する傾向を持たない残基によって占められている場合、この位は、scFvにおいて潜在的に問題となり、そしてこの位は突然変異のために選択されうる。
好ましい態様において、本発明記載の方法を単独で用いてもよいし、または組み合わせて用いて、抗体一本鎖断片の安定性および/または溶解性を改善するアミノ酸置換の組み合わせリストを生成してもよい。
共変異分析
本発明はまた、データベース内の抗体配列に比較した際のscFvの配列内の共変異を分析するための方法にも関する。共変異する残基は、例えば(i)フレームワーク領域(FR)中の残基およびCDR中の残基;(ii)1つのCDR中の残基および別のCDR中の残基;(iii)1つのFR中の残基および別のFR中の残基;または(iv)V中の残基およびV中の残基であってもよい。抗体の三次構造において、互いに相互作用する残基は、好ましいアミノ酸残基が共変異対の両方の位で保存されうるように、共変異していてもよいし、そして一方の残基が改変された場合、抗体構造を維持するために、他方の残基もまた改変しなくてはならない。アミノ酸配列セットに対して共変異分析を実行するための方法が当該技術分野に知られる。例えば、Choulier, L.ら(2000) Protein 41:475−484は、ヒトおよびマウス生殖系列VκおよびV配列並列に共変異分析を適用する工程を記載する。
方法が以下の工程をさらに含むように、保存されるアミノ酸位(上述の方法における工程a)〜d))を分析するための上述の方法と、共変異分析を組み合わせてもよい:
e)データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列に対して共変異分析を実行して、アミノ酸位の共変異対を同定し;
f)アミノ酸位の共変異対を、scFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位と比較し;
g)scFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位が、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位の共変異対で保存されているアミノ酸残基によって占められているかどうかを決定し;そして
h)scFv内の対応する位の一方または両方が、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位の共変異対で保存されていないアミノ酸残基によって占められている場合、scFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位の一方または両方を、突然変異のためのアミノ酸位として同定する。
さらにまたはあるいは、本発明が以下の工程を含む方法を提供するように、共変異分析をそのまま行ってもよい:
a)データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列に対して共変異分析を実行して、アミノ酸位の共変異対を同定し;
b)アミノ酸位の共変異対を、scFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位と比較し;
c)scFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位が、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位の共変異対で保存されているアミノ酸残基によって占められているかどうかを決定し;そして
d)scFv内の対応する位の一方または両方が、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位の共変異対で保存されていないアミノ酸残基によって占められている場合、scFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位の一方または両方を、突然変異のためのアミノ酸位として同定する。
本発明の共変異分析法を用いて、1つの共変異対、または1より多い共変異対を分析してもよい。したがって、方法の1つの態様において、アミノ酸位の多数の共変異対をデータベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内で同定し、そしてscFv VまたはVアミノ酸配列内の対応する位に比較する。
方法は、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内のアミノ酸位の共変異対で保存されていないアミノ酸残基によって占められるscFv内の対応する位の一方または両方を突然変異させる工程をさらに含んでもよい。1つの態様において、アミノ酸位の共変異対で保存されていないアミノ酸残基によって占められるscFv内の対応する位の一方を、共変異対アミノ酸位で最も頻繁であるアミノ酸残基で置換する。別の態様において、アミノ酸位の共変異対で保存されていないアミノ酸残基によって占められるscFv内の対応する位の両方を、共変異対アミノ酸位で最も頻繁であるアミノ酸残基で置換する。
分子モデリング
潜在的に問題となる残基に関してscFvを分析するための本発明の配列に基づく方法を、抗体構造/機能関係を分析するための当該技術分野に知られる他の方法と組み合わせてもよい。例えば、好ましい態様において、本発明の配列に基づく分析法を、潜在的に問題となるさらなる残基を同定する分子モデリングと組み合わせる。scFv構造を含めて、抗体構造をコンピュータモデリングするための方法およびソフトウェアが、当該技術分野において確立されており、そしてこれを本発明の配列に基づく方法と組み合わせてもよい。したがって、別の態様において、工程a)〜d)に示すような、配列に基づく上述の方法は:
e)scFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列を分子モデリングに供し;そして
f)scFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列内の少なくとも1つのさらなるアミノ酸位を突然変異のために同定する
工程をさらに含む。該方法は、分子モデリングによって、突然変異のために同定されたscFv V、VまたはVおよびVアミノ酸配列内の少なくとも1つのさらなるアミノ酸位を突然変異させる工程をさらに含んでもよい。
「機能コンセンサス」対「慣用的コンセンサス」分析
特に好ましい態様において、1以上のフレームワーク位での変動性の度合いを、抗体配列(例えば生殖系列データベース(単数または複数)(例えばVbaseおよび/またはIMGT)または成熟抗体データベース(例えばKBD))の第一のデータベース、および1以上の所望の特性を有するとして選択されたscFvの第二のデータベース、例えば酵母におけるQCスクリーニングによって選択されたscFvのデータベース、すなわちQCデータベース間で比較する。図5に例示するように、図5において「G」値と称される変動性値(例えばシンプソン指数値)を、第一の(例えば生殖系列)データベース内のフレームワーク位に割り当ててもよく、そして図5において「Q」値と称される変動性値(例えばシンプソン指数値)を、第二のデータベース(例えばQCデータベース)内の対応するフレームワーク位に割り当ててもよい。特定の位で、G値がQ値よりも大きい場合(すなわち選択されたscFv配列におけるより、その位の生殖系列配列において、より高い変動性)、これは、その位で、制限された数の安定なscFvフレームワークアミノ酸残基があることを示し、この安定なscFvフレームワークアミノ酸残基は、任意のCDRで使用するのに適している可能性もある。あるいは、特定の位で、G値がQ値よりも小さい場合(すなわち生殖系列配列におけるより、その位の選択されたscFv配列において、より高い変動性)、これは、この特定の位が、scFvにおいて変動により耐え、そしてしたがってアミノ酸置換がscFvの安定性および/または溶解性を最適にしうる位に相当する可能性もあることを示す。表12は、いくつかのアミノ酸位の要約表、およびGがQより大きいかまたはGがQより小さいかいずれかの、超可変フレームワーク残基(hvFR)を示す。表12に示すように、アミノ酸総数における変動性(Aa#)および超可変フレームワーク残基における変動性(hvFR)は、生殖系列およびQC−FW間で有意に増加している。
表12.要約表
前記を考慮すると、さらに別の側面において、本発明は、VおよびVアミノ酸配列を有する一本鎖抗体(scFv)において突然変異のための1以上のフレームワークアミノ酸位を同定する方法であって:
a)V、VまたはVおよびVアミノ酸配列(例えば生殖系列および/または成熟抗体配列)の第一のデータベースを提供し;
b)少なくとも1つの所望の機能特性を有するとして選択されたscFv抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列の第二のデータベースを提供し;
c)第一のデータベースの各フレームワーク位および第二のデータベースの各フレームワーク位でアミノ酸変動性を決定し;
d)第一のデータベースおよび第二のデータベース間で、アミノ酸変動性の度合いが異なる、1以上のフレームワーク位を同定して、それによって一本鎖抗体(scFv)における突然変異のための1以上のフレームワークアミノ酸位を同定する
工程を含む、前記方法を提供する。
好ましくは、シンプソン指数を用いて保存の度合いを割り当てることによって、各フレームワーク位でアミノ酸変動性を決定する。1つの態様において、第一のデータベースに比較した際、第二の(scFv)データベースにおいて、より低いシンプソン指数値を有する1以上のフレームワークアミノ酸位に基づいて、突然変異のための1以上のフレームワークアミノ酸位を同定する。別の態様において、第一のデータベースに比較した際、第二のデータベースにおいて、より高いシンプソン指数値を有する1以上のフレームワークアミノ酸位に基づいて、突然変異のための1以上のフレームワークアミノ酸位を同定する。
3つのヒトVファミリーおよび3つのヒトVファミリーに関する、変動性分析、および突然変異のための残基の同定を、以下の実施例2および3にさらに詳細に記載する。
濃縮/排除分析
別の側面において、本発明は、免疫結合剤内の関心対象のフレームワーク位で、好ましいアミノ酸残基置換を選択する(あるいは特定のアミノ酸置換を排除する)ための方法を提供する(例えば安定性および/または溶解性などの機能特性を改善するため)。本発明の方法は、抗体配列の第一のデータベース(例えば生殖系列データベース(単数または複数)、例えばVbaseおよび/またはIMGT、あるいはより好ましくは、成熟抗体データベース、例えばKabatデータベース(KBD))における関心対象のフレームワーク位でのアミノ酸残基の頻度を、1以上の所望の特性を有するとして選択されたscFvの第二のデータベース、例えば酵母におけるQCスクリーニングによって選択されたscFvのデータベース、すなわちQCデータベースにおける、対応するアミノ酸位でのアミノ酸残基の頻度と比較する。
以下の実施例4に詳細に記載するように、第一のデータベース(例えば成熟抗体配列のデータベース)由来の抗体配列(例えばVHまたはVL配列)を、Kabatファミリーサブタイプ(例えばVh1b、VH3など)にしたがってグループ化してもよい。各配列サブタイプ(すなわちサブファミリー)内で、各アミノ酸残基(例えばA、Vなど)の頻度をそのサブタイプのすべての分析した配列の割合として決定する。第二のデータベース(すなわち1以上の所望の特性を有するとして、例えばQCスクリーニングによって選択されたscFvのデータベース)のすべての配列に関して同じことを行う。各サブタイプに関して、特定の位での各アミノ酸残基タイプに関する、生じた割合(相対頻度)を、第一および第二のデータベース間で比較する。特定のアミノ酸残基の相対頻度が、第一のデータベース(例えばKabatデータベース)に比較して、第二のデータベース(例えばQCデータベース)で増加している場合、これは、それぞれの残基が好ましく選択され(すなわち「濃縮残基」)、そして配列に好ましい特性を与えることを示す。逆に、アミノ酸残基の相対頻度が、第一のデータベースに比較して、第二のデータベースで減少している場合、これは、それぞれの残基が好ましくないことを示す(すなわち「排除残基」)。したがって、濃縮残基は、免疫結合剤の機能特性(例えば安定性および/または溶解性)を改善するために好ましい残基であり、一方、排除残基は、好ましくは回避される。
前述を考慮して、1つの態様において、本発明は、免疫結合剤において、置換のための好ましいアミノ酸残基を同定する方法であって:
a)グループ化されたVまたはVアミノ酸配列(例えば、Kabatファミリーサブタイプにしたがってグループ化された生殖系列および/または成熟抗体配列)の第一のデータベースを提供し;
b)少なくとも1つの所望の機能特性を有するとして選択された(例えばQCアッセイにしたがって)、グループ化されたscFv抗体VまたはVアミノ酸配列の第二のデータベースを提供し;
c)第一のデータベースのフレームワーク位および第二のデータベースの対応するフレームワーク位のアミノ酸残基に関してアミノ酸頻度を決定し;
d)アミノ酸残基が、第一のデータベースに比較して、第二のデータベースにおいてより高い頻度で存在する場合(すなわち濃縮残基)、免疫結合剤の対応するアミノ酸位で、置換のための好ましいアミノ酸残基として、アミノ酸残基を同定する
工程を含む、前記方法を提供する。
第二の(scFv)データベース(例えばQCデータベース)におけるアミノ酸残基の濃縮を定量化してもよい。例えば、第二のデータベース内の残基の相対頻度(RF2)および第一のデータベース内の残基の相対頻度(RF1)間の比を決定してもよい。この比(RF2:RF1)を「濃縮因子(EF)」と名付けてもよい。したがって、特定の態様において、工程(d)において、第一および第二のデータベース間のアミノ酸残基の相対頻度の比(本明細書において、「濃縮係数」)が、少なくとも1(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9または10)である場合、アミノ酸残基が同定される。好ましい態様において、濃縮係数は、約1.0より大きい(例えば1.0、1.1、1.2、1.3、1.4または1.5)。さらに別の好ましい態様において、濃縮係数は、約4.0〜約6.0である(例えば、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9または6.0)。別の態様において、濃縮係数は、約6.0〜約8.0である(例えば、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9または8.0)。
別の態様において、本発明は、免疫結合剤から排除すべきアミノ酸残基を同定する方法であって:
a)グループ化されたVまたはVアミノ酸配列(例えば、Kabatファミリーサブタイプにしたがってグループ化された生殖系列および/または成熟抗体配列)の第一のデータベースを提供し;
b)少なくとも1つの所望の機能特性を有するとして選択された(例えばQCアッセイにしたがって)、グループ化されたscFv抗体VまたはVアミノ酸配列の第二のデータベースを提供し;
c)第一のデータベースのフレームワーク位および第二のデータベースの対応するフレームワーク位のアミノ酸残基に関してアミノ酸頻度を決定し;
d)アミノ酸残基が、第一のデータベースに比較して、第二のデータベースにおいてより低い頻度で存在する場合、免疫結合剤の対応するアミノ酸位で、置換のために好ましくないアミノ酸残基として、アミノ酸残基を同定する、ここで前記アミノ酸残基タイプは好ましくないアミノ酸残基(すなわち排除される残基)である
工程を含む、前記方法を提供する。特定の好ましい態様において、上記工程(d)において、濃縮係数(EF)が1未満である場合、好ましくないアミノ酸残基が同定される。
scFvの突然変異
本発明の方法において、scFv内の1以上のアミノ酸位がscFvの機能特性に関して潜在的に問題であると同定されているならば、方法は、scFv VまたはVアミノ酸配列内のこれらの1以上のアミノ酸位を突然変異させる工程をさらに含んでもよい。例えば、突然変異のために同定されたアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で保存されているアミノ酸残基で置換してもよい。
当該技術分野でよく確立された、いくつかのありうる突然変異誘発の1つを用いて、突然変異のために同定されたアミノ酸位を突然変異させてもよい。例えば、部位特異的突然変異誘発を用いて、関心対象のアミノ酸位で特定のアミノ酸置換を作製してもよい。また、部位特異的突然変異誘発を用いて、限定されたレパートリーのアミノ酸置換が関心対象のアミノ酸位で導入されている、突然変異scFvセットを生成してもよい。
さらにまたはあるいは、突然変異のために同定されたアミノ酸位を、ランダム突然変異誘発によって、またはバイアス化突然変異誘発によって突然変異させて、突然変異scFvのライブラリーを生成し、その後、突然変異scFvライブラリーのスクリーニングおよびscFvの選択、好ましくは少なくとも1つの改善された機能特性を有するscFvの選択が続いてもよい。好ましい態様において、還元環境において、安定性および/または溶解性が増進したscFvフレームワークの選択を可能にする、酵母品質管理系(QC系)(上記にさらに詳細に記載する)を用いて、ライブラリーをスクリーニングする。
scFvライブラリーをスクリーニングするための他の適切な選択技術が当該技術分野に記載されてきており、これには、限定されるわけではないが、ファージディスプレイ、リボソームディスプレイおよび酵母ディスプレイなどのディスプレイ技術が含まれる(Jungら(1999) J. Mol. Biol. 294:163−180; Wuら(1999) J. Mol. Biol. 294:151−162; Schierら(1996) J. Mol. Biol. 255:28−43)。
1つの態様において、突然変異のために同定されたアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で最も頻繁なアミノ酸残基で置換する。別の態様において、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位が、疎水性アミノ酸残基で保存され、そしてscFv内の突然変異のために同定されたアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で最も頻繁な疎水性アミノ酸残基で置換する。さらに別の態様において、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位が、親水性アミノ酸残基で保存され、そしてscFv内の突然変異のために同定されたアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で最も頻繁な親水性アミノ酸残基で置換する。さらに別の態様において、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位が、水素結合形成可能アミノ酸残基で保存され、そしてscFv内の突然変異のために同定されたアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で最も頻繁な水素結合形成可能アミノ酸残基で置換する。さらに別の態様において、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位が、βシートを形成する傾向を有するアミノ酸残基で保存され、そしてscFv内の突然変異のために同定されたアミノ酸位を、データベースの抗体VまたはVアミノ酸配列内の対応する位で最も頻繁なβシートを形成する傾向を有するアミノ酸残基で置換する。
1つの態様において、全体の自由エネルギーを最小限にする最適置換を、関心対象のアミノ酸位(単数または複数)で行うべき突然変異として選択する。ボルツマンの法則を用いて、全体の自由エネルギーを最小限にする最適置換を決定してもよい。ボルツマンの法則の公式は、ΔΔGth=RTln(f/fコンセンサス)である。
例えば、局所および非局所相互作用、規範的残基、界面、曝露の度合いおよびβターンの傾向を調べることによって、突然変異を潜在的に安定化させる役割をさらに決定してもよい。例えば、潜在的に安定化させる突然変異の役割をさらに調べる際に、当該技術分野に知られる分子モデリング法を適用してもよい。また、一団のありうる置換を考慮する場合、分子モデリング法を用いて、「最適フィット」アミノ酸置換を選択してもよい。
特定のアミノ酸位に応じて、さらなる分析を保証してもよい。例えば、残基は、重鎖および軽鎖間の相互作用に関与してもよいし、あるいは塩橋またはH結合を通じて、他の残基と相互作用してもよい。これらの場合、特別の分析が必要となりうる。本発明の別の態様において、安定のために、潜在的に問題となる残基を、共変異対における対応物と適合するものに変化させてもよい。あるいは、問題となると初めに同定されたアミノ酸に適合させるため、対応残基を突然変異させてもよい。
溶解性最適化
scFv抗体において、溶解性に関して潜在的に問題となる残基には、scFv中で溶媒に曝露され、そして天然状態では可変および定常ドメイン間の界面に包埋される疎水性アミノ酸が含まれる。定常ドメインを欠く、操作されたscFvにおいて、可変および定常ドメイン間の相互作用に関与する疎水性残基は、溶媒に曝露される(例えば、Niebaら(1997) Protein Eng. 10:435−44を参照されたい)。scFvの表面上のこれらの残基は、凝集を引き起こし、そしてしたがって溶解性の問題となる傾向がある。
scFv抗体上の溶媒に曝露される疎水性アミノ酸を置換する、いくつかの戦略が記載されてきている。当業者によく知られるように、特定の位で残基を修飾すると、安定性、溶解性、およびアフィニティーなどの抗体の生物物理学的特性に影響が及ぼされる。多くの場合、これらの特性は相互関係を有し、これは1つの単一アミノ酸の変化が、上述の特性のいくつかに影響を及ぼしうることを意味する。したがって、非保存的方式で、溶媒に曝露される疎水性残基を突然変異させると、安定性の減少および/または抗原に関するアフィニティーの喪失を引き起こしうる。
他の類似のアプローチは、大部分の場合、タンパク質ディスプレイ技術および/またはスクリーニング努力を徹底的に用いることによって、溶解性の問題を解決することを意図する。しかし、こうした方法は時間を浪費し、しばしば溶解性タンパク質を得ることに失敗するか、あるいはより低い安定性または抗体アフィニティーの減少を生じる。本発明において、配列に基づく分析を用いて,溶媒に曝露される疎水性残基の、より高い親水性を持つ残基への突然変異を設計する方法を開示する。定義される位で、最も頻繁に示される親水性アミノ酸を選択することによって、潜在的に問題となる残基を置換してもよい。残基が抗体において任意の他の残基と相互作用することが見出された場合、潜在的に問題となる残基を、最も頻繁な残基ではなく、共変異対の第二のアミノ酸と適合するものに突然変異させてもよい。あるいはまた、アミノ酸の組み合わせを回復するため、共変異対の第二のアミノ酸も突然変異させてもよい。さらに、配列間の類似性パーセントを考慮に入れて、2つの相互関係アミノ酸の最適な組み合わせの発見を補助してもよい。
限定されるわけではないが、溶媒曝露、実験情報および配列情報に基づくアプローチ、ならびに分子モデリングを含む、いくつかのアプローチを用いて、scFv表面上の疎水性アミノ酸を同定する。
本発明の1つの態様において、scFv抗体表面上に曝露される疎水性残基を、データベースにおいてこれらの位に存在する最も頻繁な親水性残基で置換することによって、溶解性が改善される。この論理的根拠は、頻繁に存在する残基は問題とならない可能性が高いという事実に基づく。当業者に認識されるように、保存的置換は、通常、分子を不安定化する際に小さい影響しか持たないが、非保存的置換は、scFvの機能特性に有害である可能性もある。
ときに、抗体表面上の疎水性残基は、重鎖および軽鎖間の相互作用に関与するか、あるいは塩橋またはH結合を通じて、他の残基と相互作用しうる。これらの場合、特別の分析が必要となりうる。本発明の別の態様において、安定のために潜在的に問題となる残基を、最も頻繁な残基ではなく、共変異対と適合するものに突然変異させてもよいし、または第二の突然変異を実行して共変異アミノ酸の組み合わせを回復してもよい。
さらなる方法を用いて、溶媒に曝露される疎水性位で突然変異を設計してもよい。本発明の別の態様において、修飾しようとするscFvに最高の類似性を示す配列へのデータベースの制約を使用する方法を開示する(上記にさらに論じる)。こうした制約された参照データベースを適用することによって、最適化しようとする抗体の特定の配列背景において、最適にフィットするように、突然変異を設計する。この状況において、選択される親水性残基は、実際、多数の配列(すなわち制約されないデータベース)と比較した際、それぞれの位でほとんど提示されない可能性もある。
安定性最適化
一本鎖抗体断片は、軽鎖および重鎖可変ドメインを共有結合させるペプチドリンカーを含有する。こうしたリンカーは、可変ドメインが離れるのを回避するのに有効であり、そしてそれによってscFvをFv断片より優れたものにしているが、scFv断片はなお、どちらもVおよびVが定常ドメインを介して間接的にしか連結されていないFab断片または全長抗体に比較すると、アンフォールディングおよび凝集の傾向がより高い。
scFvの別の一般的な問題は、分子間凝集につながるscFv表面上の疎水性残基の曝露である。さらに、ときに、アフィニティー成熟プロセス中に獲得される体細胞突然変異が、親水性残基をβシートのコアに置く。こうした突然変異は、IgG形式において、またはFab断片においてさえもよく許容されうるが、scFvにおいては、これは明らかに不安定化に、そしてその結果としてアンフォールディングに寄与する。
scFv不安定化に寄与することが知られる要因には:scFv抗体表面上の、溶媒に曝露される疎水性残基;タンパク質コアに包埋された異常な親水性残基、ならびに重鎖および軽鎖間の疎水性界面に存在する親水性残基が含まれる。さらに、コアにおける非極性残基間のファンデルワールス充填相互作用が、タンパク質安定性において重要な役割を演じることが知られる(Monsellier E.およびBedouelle H.(2006) J. Mol. Biol. 362:580−93, Tanら(1998) Biophys. J. 75:1473−82; Worn A.およびPluckthun A.(1998) Biochemistry 37:13120−7)。
したがって、1つの態様において、scFv抗体の安定性を増加させるため、非常に保存される位の異常なそして/または好ましくないアミノ酸を同定し、そしてこれらの保存される位でより一般的なアミノ酸に突然変異させる。こうした異常なそして/または好ましくないアミノ酸には:(i)scFv抗体表面上の、溶媒に曝露される疎水性残基;(ii)タンパク質コアに包埋された異常な親水性残基;ならびに(iii)重鎖および軽鎖間の疎水性界面に存在する親水性残基が含まれる。
したがって、本発明の1つの態様において、それらの位にほとんど現れないアミノ酸を、これらの位で最も頻繁に存在するアミノ酸によって置換することにより、安定性増加を達成してもよい。存在頻度は、一般的に、生物学的許容性の指標を提供する。
残基は重鎖および軽鎖間の相互作用に関与してもよいし、あるいは塩橋またはH結合を通じて他の残基と相互作用してもよい。これらの場合、特別な分析が必要とされうる。本発明の別の態様において、安定のために潜在的に問題となる残基を、共変異対における対応物と適合するものに変化させてもよい。あるいは、問題となると初めに同定されたアミノ酸に適合させるため、対応残基を突然変異させてもよい。
さらなる方法を用いて、突然変異を設計して安定性を改善してもよい。本発明の別の態様において、修飾しようとするscFvに最高の類似性を示す配列へのデータベースの制約を使用する方法を開示する(上記にさらに論じる)。こうした制約された参照データベースを適用することによって、最適化しようとする抗体の特定の配列背景において、最適にフィットするように、突然変異を設計する。該突然変異は、データベース配列の選択されたサブセットに存在する、最も頻繁なアミノ酸を用いる。この状況において、選択される残基は、実際、多数の配列(すなわち制約されないデータベース)と比較した際、それぞれの位でほとんど提示されない可能性もある。
scFv組成物および配合物
本発明の別の側面は、本発明の方法にしたがって調製されるscFv組成物に関する。したがって、本発明は、関心対象の元来のscFvに比較した際、1以上の突然変異がアミノ酸配列内に導入されている、操作されたscFv組成物を提供し、ここで突然変異(単数または複数)は、安定性または溶解性などの1以上の生物学的特性に影響を及ぼすと予測される位(単数または複数)、特に1以上のフレームワーク位に導入されている。1つの態様において、scFvは、1つの突然変異アミノ酸位(例えば1つのフレームワーク位)を含有するように操作されている。他の態様において、scFvは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10または10より多い突然変異アミノ酸位(例えばフレームワーク位)を含有するよう操作されている。
本発明の別の側面は、本発明のscFv組成物の薬学的配合物に関する。こうした配合物は、典型的には、scFv組成物および薬学的に許容されうるキャリアーを含む。本明細書において、「薬学的に許容されうるキャリアー」には、生理学的に適合する、あらゆる溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤等が含まれる。好ましくは、キャリアーは、例えば、静脈内、筋内、皮下、非経口、脊髄または表皮投与(例えば注射または注入による)に適している。投与経路に応じて、scFvを物質でコーティングして、酸、および化合物を不活性化させうる他の天然条件の作用から、化合物を防御してもよい。
本発明の薬学的化合物には、1以上の薬学的に許容されうる塩が含まれてもよい。「薬学的に許容されうる塩」は、親化合物の所望の生物学的活性を保持し、そしていかなる望ましくない毒性学的効果も与えない塩を指す(例えば、Berge, S. M.ら(1977) J. Pharm. Sci. 66:1−19を参照されたい)。こうした塩の例には、酸付加塩および塩基付加塩が含まれる。酸付加塩には、非毒性無機酸、例えば塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸等に由来するもの、ならびに非毒性有機酸、例えば脂肪族モノおよびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸等に由来するものが含まれる。塩基付加塩には、アルカリ土類金属、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等に由来するもの、ならびに非毒性有機アミン、例えばN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカイン等に由来するものが含まれる。
本発明の薬学的組成物にはまた、薬学的に許容されうる酸化防止剤も含まれてもよい。薬学的に許容されうる酸化防止剤の例には:(1)水溶性酸化防止剤、例えばアスコルビン酸、システイン塩酸、二硫酸ナトリウム、メタ二硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等;(2)脂溶性酸化防止剤、例えばパルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロール等;および(3)金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等が含まれる。
本発明の薬学的組成物で使用可能である、適切な水性および非水性キャリアーの例には、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、およびその適切な混合物、植物油、例えばオリーブ油、ならびに注射可能有機エステル、例えばオレイン酸エチルが含まれる。例えば、レシチンなどのコーティング物質を用いることによって、分散物の場合は必要な粒子サイズを維持することによって、そして界面活性剤を用いることによって、適切な流動性を維持してもよい。
これらの組成物はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントも含有してもよい。上記滅菌法、ならびに多様な抗細菌および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の包含の両方によって、微生物の存在の予防を確実にしてもよい。等張剤、例えば糖、塩化ナトリウム等を組成物内に含むことが望ましい可能性もまたある。さらに、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの、吸収を遅延させる剤を包含することによって、注射可能薬学的型の吸収延長をもたらしてもよい。
薬学的に許容されうるキャリアーには、無菌水溶液または分散物、および無菌注射可能溶液または分散物のその場での調製用の無菌粉末が含まれる。薬学的活性物質のためのこうした媒体および剤の使用が当該技術分野に知られる。いかなる慣用的な媒体または剤も活性化合物と不適合である場合を除いて、本発明の薬学的組成物におけるその使用が意図される。補助的活性化合物もまた、組成物内に取り込まれてもよい。
療法組成物は、典型的には、製造および保存条件下で無菌および安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、または高い薬剤濃度に適した他の秩序だった構造として配合されてもよい。キャリアーは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、およびその適切な混合物を含有する、溶媒または分散媒体であってもよい。例えば、レシチンなどのコーティングを用いることによって、分散物の場合は必要な粒子サイズを維持することによって、そして界面活性剤を用いることによって、適切な流動性を維持してもよい。多くの場合、等張剤、例えば糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール、または塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましいであろう。吸収を遅延させる剤、例えばモノステアリン酸塩およびゼラチンを組成物中に包含することによって、注射可能組成物の吸収延長をもたらしてもよい。
必要に応じて上に列挙する成分の1つまたはその組み合わせを含めて、適切な溶媒中、必要な量で、活性化合物を取り込み、その後、滅菌精密ろ過することによって、無菌注射可能溶液を調製してもよい。一般的に、基本分散媒体および上に列挙するもの由来の必要な他の成分を含有する無菌ビヒクル内に、活性化合物を取り込むことによって、分散物を調製する。無菌注射可能溶液の調製用の無菌粉末の場合、好ましい調製法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、活性成分の粉末に加えて、先に滅菌ろ過した溶液に由来する任意のさらなる望ましい成分を生じる。
キャリアー物質と組み合わせて、単回投薬型を生じることも可能な活性成分の量は、治療中の被験体および特定の投与様式に応じて多様であろう。キャリアー物質と組み合わせて単回投薬型を生じることも可能な活性成分の量は、一般的に、療法効果を生じる組成物の量であろう。一般的に、100パーセントのうち、この量は、薬学的に許容されうるキャリアーと組み合わせて、活性成分約0.01パーセント〜約99パーセント、好ましくは約0.1パーセント〜約70パーセント、最も好ましくは活性成分約1パーセント〜約30パーセントの範囲であろう。
投薬措置を調整して、最適な望ましい反応(例えば療法反応)を提供する。例えば、単回ボーラスを投与してもよいし、数回の分割用量を長期に渡って投与してもよいし、あるいは療法的状況の要求によって示されるように、用量を比例的に減少させるかまたは増加させてもよい。投与の容易さおよび投薬型の均一性のため、投薬単位型で、非経口組成物を配合することが特に好適である。本明細書において、投薬単位型は、治療しようとする被験体のため、単回投薬型として適した物理的に別個の単位を指し;各単位は、必要な薬学的キャリアーと会合した、所望の療法効果を生じるように計算された、あらかじめ決定された量の活性化合物を含有する。本発明の投薬単位型の明細は、(a)活性化合物のユニークな特性および達成しようとする特定の療法効果、ならびに(b)治療のためにこうした活性化合物を化合する技術分野に固有の、個体における感度の限界に支配され、そしてこうした要因に直接依存する。
「機能コンセンサス」アプローチに基づく免疫結合剤操作
実施例2および3に詳細に記載するように、フレームワーク位変動性を分析するために、改善された特性に関して選択されたscFv配列のデータベースを用いる、本明細書記載の「機能コンセンサス」アプローチは、生殖系列および/または成熟抗体データベース中のこれらの同じ位での変動に比較した際、変動により耐えるかまたはより耐えないかいずれかのアミノ酸位の同定を可能にする。実施例5および6に詳細に記載するように、試料scFv内の特定のアミノ酸位の逆突然変異は、中立のまたは有害な効果のいずれかを有する一方、「機能コンセンサス」残基を含有するscFv変異体は、野生型scFv分子と比較した際、熱安定性増加を示す。したがって、機能コンセンサスアプローチを通じて、本明細書に同定されたフレームワーク位は、scFvの機能特性を改変し、そして好ましくは改善するための、scFv修飾のために好ましい位である。実施例3の表3〜8に示すように、以下のフレームワーク位は、示すVまたはV配列において、修飾に好ましい位と同定されている(以下に用いる番号付けは、AHo番号付け系であり;AHo番号付けをKabat系番号付けに変換する変換表を、実施例1の表1および2に示す):
VH3:アミノ酸位1、6、7、89および103;
VH1a:アミノ酸位1、6、12、13、14、19、21、90、92、95および98;
VH1b:アミノ酸位1、10、12、13、14、20、21、45、47、50、55、77、78、82、86、87および107;
Vκ1:アミノ酸位1、3、4、24、47、50、57、91、および103;
Vκ3: 2、3、10、12、18、20、56、74、94、101および103;ならびに
Vλ1: 1、2、4、7、11、14、46、53、82、92および103。
したがって、これらのアミノ酸位の1以上をscFv分子などの免疫結合剤における操作に関して選択して、それによって免疫結合剤の変異体(すなわち突然変異)型を産生してもよい。したがって、さらに別の側面において、本発明は、免疫結合剤を操作する方法であって:
a)免疫結合剤内で、突然変異のための1以上のアミノ酸位を選択し;そして
b)突然変異のために選択された1以上のアミノ酸位を突然変異させる、ここで、突然変異のために選択される1以上のアミノ酸位は:
(i)AHo番号付けを用いたVH3のアミノ酸位1、6、7、89および103(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、6、7、78および89);
(ii)AHo番号付けを用いたVH1aのアミノ酸位1、6、12、13、14、19、21、90、92、95および98(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、6、11、12、13、18、20、79、81、82bおよび84);
(iii)AHo番号付けを用いたVH1bのアミノ酸位1、10、12、13、14、20、21、45、47、50、55、77、78、82、86、87および107(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、9、11、12、13、19、20、38、40、43、48、66、67、71、75、76および93);
(iv)AHo番号付けを用いたVκ1のアミノ酸位1、3、4、24、47、50、57、91および103(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、3、4、24、39、42、49、73および85);
(v)AHo番号付けを用いたVκ3のアミノ酸位2、3、10、12、18、20、56、74、94、101および103(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位2、3、10、12、18、20、48、58、76、83および85);ならびに
(vi)AHo番号付けを用いたVλ1のアミノ酸位1、2、4、7、11、14、46、53、82、92および103(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、2、4、7、11、14、38、45、66、74および85)
からなる群より選択される
工程を含む、前記方法を提供する。
好ましい態様において、突然変異のために選択される1以上のアミノ酸位は、AHo番号付けを用いたVH3のアミノ酸位1、6、7、89および103(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、6、7、78および89)からなる群より選択される。
別の好ましい態様において、突然変異のために選択される1以上のアミノ酸位は、AHo番号付けを用いたVH1aのアミノ酸位1、6、12、13、14、19、21、90、92、95および98(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、6、11、12、13、18、20、79、81、82bおよび84)からなる群より選択される。
別の好ましい態様において、突然変異のために選択される1以上のアミノ酸位は、AHo番号付けを用いたVH1bのアミノ酸位1、10、12、13、14、20、21、45、47、50、55、77、78、82、86、87および107(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、9、11、12、13、19、20、38、40、43、48、66、67、71、75、76および93)からなる群より選択される。
別の好ましい態様において、突然変異のために選択される1以上のアミノ酸位は、AHo番号付けを用いたVκ1のアミノ酸位1、3、4、24、47、50、57、91および103(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、3、4、24、39、42、49、73および85)からなる群より選択される。
別の好ましい態様において、突然変異のために選択される1以上のアミノ酸位は、AHo番号付けを用いたVκ3のアミノ酸位2、3、10、12、18、20、56、74、94、101および103(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位2、3、10、12、18、20、48、58、76、83および85)からなる群より選択される。
別の好ましい態様において、突然変異のために選択される1以上のアミノ酸位は、AHo番号付けを用いたVλ1のアミノ酸位1、2、4、7、11、14、46、53、82、92および103(Kabat番号付けを用いたアミノ酸位1、2、4、7、11、14、38、45、66、74および85)からなる群より選択される。
多様な態様において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または20より多くの上述のアミノ酸位を、突然変異のために選択する。
好ましくは、免疫結合剤はscFvであるが、全長免疫グロブリン、Fab断片または本明細書記載の任意の他のタイプの免疫結合剤などの他の免疫結合剤もまた、本発明の方法にしたがって操作可能である。本発明はまた、操作法にしたがって調製された免疫結合剤、ならびに免疫結合剤および薬学的に許容されうるキャリアーを含む組成物も含む。
前述にもかかわらず、多様な態様において、特定の免疫結合剤は、本発明の操作法での使用の余地がなく、そして/または操作法によって産生される免疫結合剤組成物である余地がない。例えば、多様な態様において、免疫結合剤が、PCT公報WO 2006/131013およびWO 2008/006235に開示されるようなESBA105またはその変異体などの、PCT公報WO 2006/131013およびWO 2008/006235に開示されるようなscFv抗体またはその変異体のいずれでもないという条件があり、該公報の各々の内容は本明細書に完全に援用される。
多様な他の態様において、上述の方法にしたがって操作しようとする免疫結合剤が、PCT公報WO 2006/131013またはWO 2008/006235に開示されるscFv抗体またはその変異体のいずれかである場合、操作法にしたがった置換のために選択可能なありうるアミノ酸位のリストには、いずれかのまたはすべての以下のアミノ酸位が含まれないという条件がありうる:Vκ1またはVλ1のAHo4位(Kabat 4);Vκ3のAHo101位(Kabat 83);VH1aまたはVH1bのAHo12位(Kabat 11);VH1bのAHo50位(Kabat 43);VH1bのAHo77位(Kabat 66);VH1bのAHo78位(Kabat 67);VH1bのAHo82位(Kabat 71);VH1bのAHo86位(Kabat 75);VH1bのAHo87位(Kabat 76);VH3のAHo89位(Kabat 78);VH1aのAHo90位(Kabat 79);および/またはVH1bのAHo107位(Kabat 93)。
さらに多様な他の態様において、上述の方法にしたがって操作しようとするいかなる免疫結合剤、および/または上述の方法にしたがって産生されるいかなる免疫結合剤に関しても、操作法にしたがった置換のために選択可能なありうるアミノ酸位のリストには、いずれかのまたはすべての以下のアミノ酸位が含まれないという条件がありうる:Vκ1またはVλ1のAHo4位(Kabat 4);Vκ3のAHo101位(Kabat 83);VH1aまたはVH1bのAHo12位(Kabat 11);VH1bのAHo50位(Kabat 43);VH1bのAHo77位(Kabat 66);VH1bのAHo78位(Kabat 67);VH1bのAHo82位(Kabat 71);VH1bのAHo86位(Kabat 75);VH1bのAHo87位(Kabat 76);VH3のAHo89位(Kabat 78);VH1aのAHo90位(Kabat 79);および/またはVH1bのAHo107位(Kabat 93)。
他の態様
本発明にはまた、米国仮特許出願第60/905,365号の別表(A〜C)に示される方法論、参考文献、および/または組成物のいずれも含まれ、限定されるわけではないが、同定されるデータベース、バイオインフォマティクス、コンピュータ内データ操作および解釈法、機能アッセイ、好ましい配列、好ましい残基(単数または複数)位/改変、フレームワーク同定および選択、フレームワーク改変、CDR並列および組込み、ならびに好ましい改変/突然変異が含まれることが理解される。
これらの方法論および組成物に関するさらなる情報は、それぞれ2006年7月および2007年2月6日出願の、U.S.S.N. 60/819,378;および60/899,907、ならびに“scFv Antibodies Which Pass Epithelial And/Or Endothelial Layers”と題されるPCT公報WO 2008/006235; 2006年6月6日出願の“Stable And Soluble Antibodies Inhibiting TNFα”と題されるWO06131013A2; 2003年5月21日出願の“Immunoglobulin Frameworks Which Demonstrate Enhanced Stability In The Intracellular Environment And Methods Of Identifying Same”と題されるEP1506236A2; 2000年12月18日出願の“Intrabodies ScFv with defined framework that is stable in a reducing environment”と題されるEP1479694A2; 2000年12月18日出願の“Intrabodies With Defined Framework That Is Stable In A Reducing Environment And Applications Thereof”と題されるEP1242457B1; 2003年5月21日出願の“Immunoglobulin Frameworks Which Demonstrate Enhanced Stability In The Intracellular Environment And Methods Of Identifying Same”と題されるWO03097697A2;ならびに2000年12月18日出願の“Intrabodies With Defined Framework That Is Stable In A Reducing Environment And Applications Thereof”と題されるWO0148017A1;ならびにHoneggerら, J. Mol. Biol. 309:657−670(2001)に見出されうる。
さらに、本発明には、他の抗体形式、例えば全長抗体またはその断片、例えばFab、Dab等の発見および/または改善に適した方法論および組成物もまた含まれうることが理解される。したがって、所望の生物物理学的および/または療法的特性を達成するために、選択または改変に適していると本明細書に同定される原理および残基は、広範囲の免疫結合剤に適用可能である。1つの態様において、本明細書に開示するような1以上の残基位を修飾することによって、療法的に適した抗体、例えば、FDAが認可する抗体を改善する。
本開示を以下の実施例によってさらに例示し、該実施例は、さらなる限定と見なされてはならない。本出願全体で引用するすべての図およびすべての参考文献、特許、ならびに刊行特許出願は、その全体が明確に本明細書に援用される。
実施例1:抗体位番号付け系
本実施例において、抗体重鎖および軽鎖可変領域におけるアミノ酸残基位を同定するのに用いた2つの異なる番号付け系に関する変換表を提供する。Kabat番号付け系は、Kabatら(Kabat, E. A.ら(1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91−3242)にさらに記載される。AHo番号付け系は、Honegger, A.およびPluckthun, A.(2001) J. Mol. Biol. 309:657−670)にさらに記載される。
重鎖可変領域番号付け
表1:重鎖可変ドメインにおける残基位に関する変換表
第1列、Kabat番号付け系における残基位。第2列、第1列に示す位に関するAHoの番号付け系において対応する番号。第3列、Kabatの番号付け系における残基位。第4列、第3列に示す位に関するAHoの番号付け系において対応する番号。第5列、Kabatの番号付け系における残基位。第6列、第5列に示す位に関するAHoの番号付け系において対応する番号。
軽鎖可変領域番号付け
表2:軽鎖可変ドメインにおける残基位に関する変換表
第1列、Kabat番号付け系における残基位。第2列、第1列に示す位に関するAHoの番号付け系において対応する番号。第3列、Kabatの番号付け系における残基位。第4列、第3列に示す位に関するAHoの番号付け系において対応する番号。第5列、Kabatの番号付け系における残基位。第6列、第5列に示す位に関するAHoの番号付け系において対応する番号。
実施例2:scFv配列の配列に基づく分析
本実施例において、scFv配列の配列に基づく分析を詳細に記載する。分析プロセスを要約するフローチャートを図1に示す。
ヒト免疫グロブリン配列の収集および並列
ヒト成熟抗体および生殖系列の可変ドメインの配列を異なるデータベースから収集し、そしてカスタマイズしたデータベース内に1文字暗号アミノ酸配列として入力した。Needleman−Wunsch配列並列アルゴリズム(Needlemanら, J Mol Biol, 48(3):443−53(1970))のEXCEL実行を用いて、抗体配列を並列させた。次いで、データベースを以下のように4つの異なるアレイに細分して(元来のデータ供給源にしたがって)、続く分析および比較を容易にした:
VBase:ヒト生殖系列配列
IMGT:ヒト生殖系列配列
KDBデータベース:成熟抗体
QCデータベース:品質管理スクリーニングによって選択された、選択scFvフレームワーク
選択される所望の機能特性を有するQCスクリーニング系、およびscFvフレームワーク配列は、例えば、PCT公報WO 2001/48017;米国出願第20010024831号およびUS 20030096306号;米国特許第7,258,985号および第7,258,986号;PCT公報WO 2003/097697および米国出願第20060035320号にさらに記載される。
ギャップの導入および残基位の命名を、免疫グロブリン可変ドメインに関するAHo番号付け系にしたがって行った(Honegger, A.およびPluckthun, A.(2001) J. Mol. Biol. 309:657−670)。続いて、Kabatら(Kabat, E. A.ら(1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版, U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91−3242)にしたがって、フレームワーク領域およびCDR領域を同定した。KDBデータベースにおいて、70%完全未満であるか、またはフレームワーク領域中に多数の決定されていない残基を含有する配列を廃棄した。分析におけるランダムノイズを回避するため、データベース内の任意の他の配列と95%より大きい同一性を持つ配列もまた排除した。
サブグループへの配列の割り当て
配列相同性に基づく分類法にしたがって、抗体をクラスター化することによって、抗体配列を別個のファミリーに分類した(Tomlinson, I.M.ら(1992) J. Mol. Biol. 227:776−798; Williams, S.C.およびWinter, G.(1993) Eur. J. Immunol. 23:1456−1461); Cox, J.P.ら(1994) Eur. J. Immunol. 24:827−836)。ファミリーコンセンサスに対する相同性パーセントを70%類似性に制約した。2以上の異なる生殖系列ファミリー間で、配列が不一致を示す場合、または相同性パーセントが70%未満である場合(いかなるファミリーに対しても)、最も近い生殖系列対応物を決定し、CDRの長さ、規範クラスおよび定義サブタイプ残基を詳細に分析して、ファミリーを正しく割り当てた。
統計分析
ファミリークラスターを定義したならば、「品質管理(「QC」)スクリーニング」において同定されたヒットに関して、統計分析を行った(こうしたQCスクリーニングはPCT公報WO 2003/097697に詳細に記載される)。分析には、配列の最小数が必要であるため、分析は、最も代表されるファミリー(VH3、VH1a、VH1b、Vk1、Vk3およびVλ1)に関してのみ可能であった。データセット内でその特定の残基タイプが観察される回数を配列総数によって割ることによって、各位、iに関する残基頻度、fi(r)を計算した。単純に豊富さよりも、アミノ酸組成に関するより多くの情報を提供する、系における多様性の数学的測定値であるシンプソン指数を用いて、すべての残基位の変動性の測定値として、位のエントロピー、N(i)を計算した(Shenkin, P.S.ら(1991) Proteins 11:297−313; Larson, S.M.およびDavidson, A.R.(2000) Protein Sci. :2170−2180; Demarest, S.J.ら(2004) J. Mol. Biol. 335:41−48)。存在する異なるアミノ酸の数、ならびに各残基の相対的存在量を考慮して、各位、iに関する多様性の度合いを計算した。
式中:Dはシンプソン指数であり、Nはアミノ酸総数であり、rは各位に存在する異なるアミノ酸の数であり、そしてnは特定のアミノ酸タイプの残基数である。
ユニークな特徴を定義する、異なる基準を用いて、選択されたFvフレームワーク(QCスクリーニングによって選択される)のQCデータベースをスクリーニングした。配列データベース中の異なるアレイを用いて、Fvフレームワーク内の残基位の変動性の度合いを定義し、そして選択されたFvフレームワークに存在する、変異に耐える、天然には一般的でない位を同定した。位のエントロピースコアの10%以上の相違を閾値として定義した。所定の位の残基が、他の配列アレイでまれにしか観察されない、すなわち生殖系列データベース(VBaseおよびIMGT)およびKDBデータベースにおいてまれにしか観察されないアミノ酸によって占められている場合、さらなる位を選択した。残基の振る舞いが真に異なることが見出された場合(他の配列アレイのいずれにおいても低いかまたはまったく示されない)、残基位をユニークと定義した。
選択されたFvフレームワーク配列のユニークな特徴の同定の背後にある論理的根拠は、フレームワークの証明された優れた特性、および骨格を改善するためのこれらの知見の潜在的な使用である。本発明者らは、選択されたフレームワークにおいて、特定の度合いの変動性を示す、天然に非常に保存された位が、ランダム突然変異誘発に耐え、そしてscFv形式において、天然残基に勝る代替アミノ酸を発見する可能性増加を提示すると仮定した。さらに、一般的でないアミノ酸に関する顕著な優先性は、特定の残基に対する自然選択の指標である。これらの2つの統計的指針に基づいて、重鎖および軽鎖内の異なる残基を、流動的な位(変動性に耐える)または好ましい置換(異常な残基)のいずれかとして選択した。
実施例3:変動性に耐える残基位および異常な残基位の同定
実施例2に上述する、配列に基づくscFv分析アプローチを用いて、3つの重鎖可変領域ファミリー(VH3、VH1aおよびVH1b)および3つの軽鎖可変領域ファミリー(Vκ1、Vκ3およびVλ1)を分析して、変動性に耐えるアミノ酸位を同定した。特に、上述のように、4つの異なるデータベース、Vbase、IMGT、KDBおよびQC(選択されたscFv)内の配列に関して、各アミノ酸位について、シンプソン指数を用いて計算されるような多様性の度合いを決定した。QC選択されたscFvデータベースに比較した際、VbaseおよびIMGT生殖系列データベースに関して、これらの位のシンプソン指数値の相違に基づいて、変異体に耐える位および異常な残基のアミノ酸位を同定した。さらに、関心対象の同定される位に関して、生殖系列コンセンサス残基を同定し、そしてQCおよびKDBデータベース中のそのコンセンサス残基の頻度を決定した。
重鎖可変領域ファミリーVH3、VH1aおよびVH1bに関する変動性分析結果を、それぞれ表3、4および5に示す。各表に関して、列は以下の通りである:第1列:AHo番号付け系を用いたアミノ酸残基位(Kabat番号付け系への変換は、実施例1の表1に示す変換表を用いて達成可能である);第2〜5列:第1列に示す残基位に関するデータベース中の各抗体アレイに関する計算された多様性;第6列:対応する生殖系列ファミリーおよびKDBのコンセンサス残基;第7列:第6列中のコンセンサス残基に関するKDBデータベース中の相対残基頻度;および第8列:第6列中のコンセンサス残基に関するQC選択されたscFvデータベース中の相対残基頻度。
表3:VH3ファミリーに関する、生殖系列において同定されたコンセンサスアミノ酸の残基の変動性分析および対応する頻度。
表4:VH1aファミリーに関する、生殖系列において同定されたコンセンサスアミノ酸の残基の変動性分析および対応する頻度。
表5:VH1bファミリーに関する、生殖系列において同定されたコンセンサスアミノ酸の残基の変動性分析および対応する頻度。
軽鎖可変領域ファミリーVκ1、Vκ3およびVλ1に関する変動性分析結果を、それぞれ表6、7および8に示す。各表に関して、列は以下の通りである:第1列、AHo番号付け系を用いたアミノ酸残基位(Kabat番号付け系への変換は、実施例1の表1に示す変換表を用いて達成可能である);第2〜5列:第1列に示す残基位に関するデータベース中の各抗体アレイに関する計算された多様性;第6列:対応する生殖系列ファミリーおよびKDBのコンセンサス残基;第7列:第6列中のコンセンサス残基に関するKDBデータベース中の相対残基頻度;および第8列:第6列中のコンセンサス残基に関するQC選択されたscFvデータベース中の相対残基頻度。
表6:Vκ1ファミリーに関する、生殖系列において同定されたコンセンサスアミノ酸の残基の変動性分析および対応する頻度。
表7:Vκ3ファミリーに関する、生殖系列において同定されたコンセンサスアミノ酸の残基の変動性分析および対応する頻度。
表8:Vλ1ファミリーに関する、生殖系列において同定されたコンセンサスアミノ酸の残基の変動性分析および対応する頻度。
上記表3〜8に示すように、QC系で選択されたscFvフレームワークにおける残基位のサブセットが、生殖系列(VBaseおよびIMGT)および成熟抗体(KDB)において存在しないか、または少なくしか示されない特定の残基に向かって強くバイアスを受けていることが見出され、scFvの安定性が、品質管理酵母スクリーニング系において選択されたフレームワーク配列のユニークな特徴に基づいて、合理的に改善可能であることが示唆される。
実施例4:好ましい残基の選択
scFvの、機能特性(例えば安定性および/または溶解性)を改善することが知られる特定のアミノ酸位で、好ましいアミノ酸残基置換を選択する(あるいはアミノ酸残基を排除する)ため、ファミリーサブタイプ(例えばVH1b、VH3など)にしたがって、成熟抗体配列のKabatデータベース由来のVHおよびVL配列をグループ分けした。配列の各サブファミリー内で、サブタイプの一群のすべての分析配列の割合として、各アミノ酸位での各アミノ酸残基の頻度を決定した。いわゆるQC系によって、安定性および/または溶解性の増進に関してあらかじめ選択した抗体からなるQCデータベースのすべての配列に関して、同じことを行った。各サブタイプに関して、Kabat配列に関してそしてQC配列に関して得た各アミノ酸残基の生じた割合(相対頻度)を、対応する位各々で比較した。Kabatデータベースに比較してQCデータベースにおいて、特定のアミノ酸残基の相対頻度が増加している場合、それぞれの残基を、所定の位で、scFvの安定性および/または溶解性を改善するのに好ましい残基と見なした。逆に、特定のアミノ酸残基の相対頻度が、Kabatデータベースに比較した際、QCデータベースで減少している場合、scFv形式の背景において、それぞれの残基をその位で好ましくないと見なした。
表9は、異なるデータベースにおいて、VH1bサブタイプに関してアミノ酸H78位(AHo番号付け;Kabat H67位)の残基頻度の例示的な分析を示す。表9の列は以下の通りである:第1列:残基タイプ;第2列:IMGT生殖系列データベースにおける残基頻度;第3列:Vbase生殖系列データベースにおける残基頻度;第4列:QCデータベースにおける残基頻度;第5列:Kabatデータベースにおける残基頻度。
表9:2つの生殖系列データベース、QCデータベース、および成熟抗体のKabatデータベースにおけるVH1bサブタイプに関する78位(AHo番号付け)での相対残基頻度。
残基頻度の分析のために収集した配列数。
QCデータベースにおいて、24%の頻度でアラニン(A)残基を観察し、これは成熟Kabatデータベース(KDB_VH1B)において同じ残基に関して観察された2%の頻度の12倍であった。したがって、H78位のアラニン残基(AHo番号付け)は、scFvの機能特性(例えば安定性および/または溶解性)を増進させるために、その位で好ましい残基と見なされる。対照的に、バリン(V)残基は、QCデータベースで47%の相対頻度で観察され、これは、成熟Kabatデータベースで観察される86%、および生殖系列データベースにおいて同じ残基に関して観察される90%を超える頻度(IMGT−生殖では91%、およびVbase生殖では100%)よりはるかに低い。したがって、バリン残基(V)は、scFv形式の背景において、H78位の好ましくない残基と見なされた。
実施例5:2つの異なるアプローチ由来のESBA105 scFv変異体の比較
本実施例において、2つの異なるアプローチによって調製されるscFv変異体の安定性を比較した。親scFv抗体は、先に記載されているESBA105であった(例えばPCT公報WO2006/131013およびWO2008/006235)。品質管理酵母スクリーニング系(「QC変異体」)を用いてESBA105変異体の1セットを選択し、この変異体もまた先に記載されている(例えばPCT公報WO2006/131013およびWO2008/006235を参照されたい)。特定のアミノ酸位を、上記実施例2および3に記載する配列分析によって同定される好ましい生殖系列コンセンサス配列に逆突然変異させることによって、他の変異体セットを調製した。生殖系列配列において保存されているが、選択されたscFvにおいて異常であるかまたは低頻度であるアミノ酸を含有する位に関して、アミノ酸配列内を検索することによって、逆突然変異を選択した(生殖系列コンセンサス操作アプローチと称する)。
分子を熱誘導性ストレスに供することによって、安定性に関して変異体のすべてを試験した。広い範囲の温度(25℃〜95℃)に曝露することによって、すべての変異体に関して、熱アンフォールディング遷移のおよその中点(TM)を決定することが可能であった。IR光が干渉計を通じて導かれる、FT−IR ATR分光法を用いて、野生型分子および変異体に関する熱安定性測定を行った。測定シグナルはインターフェログラムであり、このシグナルに対してフーリエ変換を行うと、最終スペクトルは、慣用的(分散的)赤外分光法に由来するものと同一である。
熱アンフォールディング結果を以下の表10に要約し、そして図6にグラフで示す。表10の列は以下の通りである:第1列:ESBA105変異体;第2列:突然変異を含有するドメイン;第3列:AHo番号付けにおける突然変異(単数または複数);第4列:図6における熱アンフォールディング曲線から計算されたTM中点;第5列:親ESBA105に比較した相対活性;第5列:第1列に特定する変異体に関する突然変異誘発戦略。
表10:2つの異なるアプローチ由来のESBA105変異体の比較およびFT−IRで測定された全体の安定性へのその寄与(熱アンフォールディング遷移に関して計算された中点)。
QC変異体に比較した際、生殖系列コンセンサスへの逆突然変異は、ESBA105の熱安定性および活性には負の影響を有するかまたはまったく影響しない。したがって、これらの結果は、異なる抗体および形式で他の研究者らによって安定性を改善するために用いられているコンセンサス操作アプローチと矛盾する(例えば、Steipe, Bら(1994) J. Mol. Biol. 240:188−192; Ohage, E.およびSteipe, B.(1999) J. Mol. Biol. 291:1119−1128; Knappik, A.ら(2000) J. Mol. Biol. 296:57−86, Ewert, S.ら(2003) Biochemistry 42:1517−1528;ならびにMonsellier, E.およびBedouelle, H.(2006) J. Mol. Biol. 362:580−593を参照されたい)。
別の実験において、上記QC変異体(QC11.2、QC15.2、およびQC23.2)およびさらなるQC変異体(QC7.1)を、コンセンサス逆突然変異(S−2、D−2、およびD−3)またはアラニンへの逆突然変異(D−1)のいずれかを有する第二の変異体セットと比較した(図7を参照されたい)。選択されたフレームワーク位の残基の同一性を図7Aに示し、そして測定された熱安定性(恣意的アンフォールディング単位)を図7Bに示す。いくつかのコンセンサス変異体(S−2およびD−1)が熱安定性における顕著な増進を示したが、この増進は、4つのQC変異体各々によって達成される熱安定性の増進より小さかった。
したがって、本明細書の結果は、「品質管理酵母スクリーニング系」で適用される選択圧が、天然にほとんど観察されない(しかしなおヒトである)共通の特徴を含有し、そしておそらくこれらのフレームワークの優れた生物物理学的特性の原因となる、骨格の亜集団を生じることを立証する。ESBA105の異なる変異体を60℃に曝露することによって、選択されるscFvフレームワークデータベースで同定される好ましい置換の優れた特性を再確認することが可能であった。したがって、QC酵母スクリーニング系から得られる、選択されたscFv配列に基づく、本明細書記載の「機能コンセンサス」アプローチは、生殖系列コンセンサスアプローチを用いて調製される変異体より優れた熱安定性を有するscFv変異体を生じることが立証された。
実施例6:ESBA212 scFv変異体
本実施例において、ESBA105とは異なる結合特異性を持つscFv抗体の生殖系列コンセンサス変異体(ESBA212)の安定性を比較した。特定のアミノ酸位を、上述の実施例2および3に記載する配列分析によって同定される、好ましい生殖系列コンセンサス配列に逆突然変異させることによって、すべてのESBA212変異体を調製した。生殖系列配列において保存されているが、選択されたscFvにおいて異常であるかまたは低頻度であるアミノ酸を含有する位に関して、アミノ酸配列内を検索することによって、逆突然変異を選択した(生殖系列コンセンサス操作アプローチと称する)。実施例5におけるように、分子を熱誘導性ストレスに供することによって、安定性に関して変異体のすべてを試験した。
ESBA212変異体に関する熱アンフォールディング結果を以下の表11に要約し、そして図8にグラフで示す。表11の列は以下の通りである:第1列:ESBA212変異体;第2列:突然変異を含有するドメイン;第3列:AHo番号付けにおける突然変異(単数または複数);第4列:図7における熱アンフォールディング曲線から計算されたTM中点;第5列:親ESBA212に比較した相対活性;第5列:第1列に特定する変異体に関する突然変異誘発戦略。
表11:生殖系列コンセンサス残基に逆突然変異させたESBA212変異体の比較およびFT−IRで測定された全体の安定性へのその寄与(熱アンフォールディング遷移に関して計算された中点)。
関連しないESBA105 scFv抗体に関して観察されたように、生殖系列コンセンサスへの逆突然変異は、ESBA212の熱安定性および活性には負の影響を有するかまたはまったく影響しなかった。したがって、これらの結果は、コンセンサスに基づく慣用的なアプローチが不適切であることをさらに強調するのに役立つ。本発明の機能コンセンサス方法論を使用することによって、これらの不全に取り組むことも可能である。
同等物
当業者は、本明細書に記載する本発明の特定の態様の多くの同等物を用いることを認識するか、またはルーチンの実験以上のものを用いずに、確認することが可能である。こうした同等物は、以下の請求項によって含まれることが意図される。

Claims (14)

  1. およびVアミノ酸配列を有する一本鎖抗体(scFv)において突然変異のための重鎖および/または軽鎖可変領域中の1以上のフレームワークアミノ酸位置を同定する方法であって:
    a)生殖系列または成熟、VまたはVおよびVアミノ酸配列の第一のデータベースを提供し;
    b)scFv抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列の第二のデータベースを提供し、これらの配列の全てが少なくとも1つの所望の機能特性を有し、ここで、所望の機能特性は安定性改善、溶解性改善、非凝集、または発現改善であり、そして、ここで第二のデータベースは第一のデータベースとは異なり;
    c)第一のデータベースの各フレームワーク位置および第二のデータベースの各フレームワーク位置でアミノ酸変動性を決定する、ここで各フレームワーク位置でのアミノ酸変動性はシンプソン指数を用いて保存の度合いを割り当てることによって決定され、1以上のフレームワークアミノ酸位置が、突然変異のために、以下の事項に基き同定される
    (i)第一のデータベースに比較した際、scFvデータベースにおいて、より低いシンプソン指数値を有する1以上のフレームワークアミノ酸位置;または
    (ii)第一のデータベースに比較した際、scFvデータベースにおいて、より高いシンプソン指数値を有する1以上のフレームワークアミノ酸位置;
    d)第一のデータベースおよび第二のデータベース間で、アミノ酸変動性の度合いが異なる、1以上のフレームワーク位置を同定して、それによって一本鎖抗体(scFv)における突然変異のための1以上のフレームワークアミノ酸位置を同定する
    工程を含む、前記方法。
  2. 第一のデータベースが生殖系列V、VまたはVおよびVアミノ酸配列を含む、請求項1の方法。
  3. 第一のデータベースが生殖系列V、VまたはVおよびVアミノ酸配列からなる、請求項1の方法。
  4. 第一のデータベースが成熟V、VまたはVおよびVアミノ酸配列を含む、請求項1の方法。
  5. 第一のデータベースが成熟V、VまたはVおよびVアミノ酸配列からなる、請求項1の方法。
  6. 成熟V、VまたはVおよびVアミノ酸配列がKabatデータベース(KDB)由来である、請求項4または5の方法。
  7. 第二のデータベースが、QCアッセイから選択されるscFv抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列を含む、請求項1〜6のいずれか一項の方法。
  8. 第二のデータベースが、QCアッセイから選択されるscFv抗体V、VまたはVおよびVアミノ酸配列からなる、請求項1〜6のいずれか一項の方法。
  9. 所望の機能特性が安定性改善、溶解性改善、非凝集、または発現改善である、請求項1〜8のいずれか一項の方法。
  10. 発現改善が原核細胞において観察される、請求項9の方法。
  11. 所望の機能特性が、抗原結合アフィニティーの改善ではないという条件の、請求項1〜10のいずれか一項の方法。
  12. 第一のデータベースに比較した際、scFvデータベースにおいて、より低いシンプソン指数値を有する1以上のフレームワークアミノ酸位置に基づいて、突然変異のための1以上のフレームワークアミノ酸位置を同定する、請求項の方法。
  13. 第一のデータベースに比較した際、scFvデータベースにおいて、より高いシンプソン指数値を有する1以上のフレームワークアミノ酸位置に基づいて、突然変異のための1以上のフレームワークアミノ酸位置を同定する、請求項の方法。
  14. 第一と第二のデータベースの配列が、それらのサブタイプに従ってグループ化される、請求項1の方法。
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