JP5621720B2 - エネルギー制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギー制御装置に関する。
従来、例えば、特許文献1(特開2003−304637号公報)に開示のように、時限ごとの最大需要エネルギーを連続的に予測し、最大需要エネルギーが契約エネルギー或いは管理目標エネルギーを超過するおそれが生じた場合、自動的に空調機などの対象機器を制御するシステムが存在する。
特許文献1に開示の制御では、最大需要エネルギーが、契約エネルギー或いは管理目標エネルギーを超過するおそれが生じた場合、所定の設備機器においては消費エネルギー量を抑制した状態が継続すると考えられる。このような場合、ユーザの快適性に影響を与えることが懸念される。
そこで、本発明の課題は、ユーザの快適性の低下を抑制できるエネルギー制御装置を提供することにある。
本発明の第1観点に係るエネルギー制御装置は、物件に設置された複数の設備機器のエネルギー量を抑制するエネルギー制御装置であって、抑制可能量決定部と、抑制可能量提示部と、抑制要求受付部と、抑制制御部と、フォロー制御部とを備える。抑制可能量決定部は、複数の設備機器のトータルの抑制可能なエネルギー量であるエネルギー抑制可能量を決定する。抑制可能量提示部は、エネルギー抑制可能量を上位のエネルギー管理装置に提示する。抑制要求受付部は、エネルギー抑制可能量に基づいた抑制すべきエネルギー量である要求抑制エネルギー量、を含む抑制要求を、エネルギー管理装置から受け付ける。抑制制御部は、エネルギー抑制可能量に基づいて、設備機器のエネルギー量の抑制制御を行う。フォロー制御部は、抑制制御の終了後の事後フォロー制御を行う。抑制制御部は、抑制要求受付部が抑制要求を受け付けた後、要求抑制エネルギー量を抑制するように抑制制御を行う。事後フォロー制御は、抑制制御が終了した第1の設備機器を、所定期間、所定の条件で運転させる制御である。設備機器には、空調機が含まれる。所定の条件は、空調機の室外機へ供給される電圧及び電流と、室外機に含まれる圧縮機の周波数と、空調機の室内機のファンの風量とをそれぞれ許容できる許容最大値で固定し、且つ、設定温度を冷房時においては所定値下げ暖房時においては所定値上げる条件である。フォロー制御部は、抑制制御を終了した空調機である抑制制御終了空調機の事後フォロー制御の実行時に、抑制制御終了空調機以外の空調機、および/又は、空調機以外の他の設備機器の消費するエネルギー量を抑制する。
本発明の第1観点に係るエネルギー制御装置では、例えば、フォロー制御部が抑制制御の開始前、及び/又は、終了後に、設備機器のユーザの快適性の低下を抑制するような事前フォロー制御、事後フォロー制御を行うことによって、ユーザの快適性の低下を抑制できる。
また、本発明の第1観点に係るエネルギー制御装置では、このように上位のエネルギー管理装置から消費エネルギー量の抑制要求を受ける構成を採る場合に、予め上位のエネルギー管理装置に対して予めエネルギー抑制可能量を提示することで、上位のエネルギー管理装置が、物件において抑制できるエネルギー量を把握できる。
また、本発明の第1観点に係るエネルギー制御装置では、例えば、フォロー制御部が、所定期間、第1の設備機器を運転能力が高い状態で運転させることで、抑制制御後のユーザの快適性を早く取り戻すことができる。
また、本発明の第1観点に係るエネルギー制御装置では、抑制制御後においてユーザの快適性を早く取り戻すことができる。
本発明の第2観点に係るエネルギー制御装置は、本発明の第1観点に係るエネルギー制御装置であって、エネルギー量の時間帯別の単価を受け付ける受付部と、単価に基づいて、抑制制御を実行すべき候補時間帯を決定する候補時間帯決定部とをさらに備える。そして、抑制制御部は、候補時間帯に、エネルギー抑制可能量を抑制するように抑制制御を行う。
本発明の第2観点に係るエネルギー制御装置では、例えば、単価が高い時間帯を候補時間帯として決定することができる。これにより、省エネルギー及び省コストを達成できる
発明の他の観点に係るエネルギー制御装置、フォロー制御部は、抑制制御の開始前の事前フォロー制御を行う。事前フォロー制御は、蓄熱/蓄電と、予冷/予熱と、除湿/加湿との少なくとも1つを行う制御である。
本発明の他の観点に係るエネルギー制御装置では、抑制制御前に、蓄熱/蓄電、予冷/予熱、及び、除湿/加湿の少なくとも1つを行うことで、抑制制御におけるユーザの快適性の低下を、予め予防することが可能になる
発明の第観点に係るエネルギー制御装置は、本発明の第1又は第2観点に係るエネルギー制御装置であって、設備機器には、空調機が含まれる。また、所定期間は、抑制制御の終了時から物件の居室内の室内温度が所定温度に達するまでの期間である。
本発明の第観点に係るエネルギー制御装置では、ユーザが快適性を取り戻すまで事後フォロー制御でフォローし続けることができる。
本発明の第観点に係るエネルギー制御装置は、本発明の第2観点に係るエネルギー制御装置であって、ユーザが重視する制御傾向の入力を受け付ける入力部と、制御傾向に対応する複数の条件を記憶する記憶部と、制御傾向に基づき、複数の条件から1の条件を選択する選択部とをさらに備える。そして、抑制可能量決定部は、選択部によって選択された1の条件に基づき、エネルギー抑制可能量を決定する。
本発明の第観点に係るエネルギー制御装置では、ユーザの意向が抑制制御に反映されやすくなる。
本発明の第観点に係るエネルギー制御装置は、本発明の第1観点〜第4観点のいずれかに係るエネルギー制御装置であって、空調機が含まれ、記憶部と、快/不快決定部と、他設備制御部とをさらに備える。記憶部は、設備機器のユーザの快/不快の情報を記憶する。快/不快決定部は、ユーザの快/不快を決定する。他設備制御部は、空調機以外の他の設備である他設備を制御する。他設備制御部は、抑制制御の実行時、又は、抑制制御の実行時において快/不快決定部がユーザの不快を決定した時に、他設備に含まれる換気設備を停止する。
本発明の第観点に係るエネルギー制御装置では、外部からの冷気/暖気の量を抑制できるので、設備機器が設置される居室内の空調負荷の低減が可能になる。
本発明の第1観点に係るエネルギー制御装置では、ユーザの快適性の低下を抑制できる。また、本発明の第1観点に係るエネルギー制御装置では、上位のエネルギー管理装置が物件において抑制できるエネルギー量を把握できる。また、本発明の第1観点に係るエネルギー制御装置では、抑制制御後のユーザの快適性を早く取り戻すことができる。また、本発明の第1観点に係るエネルギー制御装置では、抑制制御後においてユーザの快適性を早く取り戻すことができる。
本発明の第2観点に係るエネルギー制御装置では、例えば、単価が高い時間帯を候補時間帯として決定することができるので、省エネルギー及び省コストを達成できる。
本発明の他の観点に係るエネルギー制御装置では、抑制制御におけるユーザの快適性の低下を、予め予防することが可能になる。
本発明の第観点に係るエネルギー制御装置では、ユーザが快適性を取り戻すまで事後フォロー制御でフォローし続けることができる。
本発明の第観点に係るエネルギー制御装置では、ユーザの意向が抑制制御に反映されやすくなる。
本発明の第観点に係るエネルギー制御装置では、外部からの冷気/暖気の量を抑制できるので、設備機器が設置される居室内の空調負荷の低減が可能になる。
第1実施形態に係るエネルギー管理システムの概略構成図。 第1実施形態に係る上位コントローラの概略構成図。 第1実施形態に係る下位コントローラの概略構成図。 第1実施形態に係る条件記憶領域に記憶される条件の一例を示す図。 第1実施形態に係る下位コントローラにおける処理の流れを示すフローチャート。 変形例1Aに係る下位コントローラにおける処理の流れを示すフローチャート。 変形例1Aに係る下位コントローラの概略構成図。 第2実施形態に係るエネルギー管理システムの概略構成図。 第2実施形態に係る上位コントローラの概略構成図。 第2実施形態に係る下位コントローラの概略構成図。 第2実施形態に係る条件記憶領域に記憶される条件の一例を示す図。 単価情報の一例を示す図。 最安単価情報の一例を示す図。 エネルギー単価と時刻との関係を示すグラフ。 第2実施形態に係る下位コントローラの処理を示すフローチャート。 第2実施形態に係る下位コントローラにおけるエネルギー抑制制御の実行からの処理を示すフローチャート。 変形例2Aに係る下位コントローラの概略構成図。 所定時間毎の予測消費エネルギー量を示すテーブル。 所定時間毎の予測エネルギー価格を示すテーブル。 変形例2Bに係る、エネルギー単価と時刻との関係を示すグラフ。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るエネルギー管理システム100について説明する。
<第1実施形態>
(1)エネルギー管理システム100の全体の概略構成
図1は、本発明の一実施形態に係るエネルギー管理システム100の概略構成図である。
エネルギー管理システム100は、エネルギーをビルや工場等の建物である物件A、Bに供給する電力会社1と、設置される複数の機器(空調機40,40,・・・、40,40,・・・、給湯器、照明、その他動力を発生させる機器)によってエネルギーの消費が行われる上述の物件A、Bとの間において、エネルギーの需要に対する供給量を調整することで、電力会社1から物件A、Bに供給されるエネルギーを管理するためのシステムである。
具体的に簡単に説明すると、エネルギー管理システム100では、各物件A、B(具体的には、後述する下位コントローラ30、30)は、電力会社1(具体的には、後述する上位コントローラ10)に対してどれだけエネルギー量を抑制できるかを示すエネルギー抑制可能量を複数算出(決定)して提示する。次に、電力会社1は、複数のエネルギー抑制可能量の提示を受けて、そのうちの1のエネルギー抑制可能量を選択し、当該選択したエネルギー抑制可能量に基づいてエネルギー量の抑制を行うように各物件A、Bに要求する。なお、電力会社1は、当該要求を行わない場合もある。ここで、電力会社1から各物件A、Bへの、エネルギー量の抑制に関する要求を抑制要求という。また、電力会社1からの抑制要求に含まれ、電力会社1が、選択したエネルギー抑制可能量に基づいて各物件A、Bに対して要求する、物件A、Bにおける空調機40,40,・・・全体で抑制すべきエネルギー量を要求抑制エネルギー量という。すなわち、要求抑制エネルギー量は、複数のエネルギー抑制可能量のうち電力会社1に選択された1のエネルギー抑制可能量と同じである。
そして、各物件A、Bは、当該抑制要求を受けて、抑制要求をうけてから第1時間(例えば、5分)以内に、所定の条件に基づいてエネルギー量を抑制するエネルギー抑制制御(抑制制御に相当)を行い、且つ、各物件A、Bの空調機40,40,・・・のトータルの全抑制エネルギー量が抑制要求に基づく要求抑制エネルギー量に到達するようにしている。ここで、所定の条件とは、電力会社1によって選択されたエネルギー抑制可能量を決定した際前提となった条件である。
エネルギー管理システム100は、主として、電力会社1に設置され物件A、Bで消費されるエネルギー量の管理及び制御を行う上位コントローラ(エネルギー管理装置に相当)10と、各物件A、Bに設置され主として各物件A、Bに設置される空調機40,40,・・・のエネルギー量の直接の管理及び制御を行う下位コントローラ(エネルギー制御装置に相当)30とを有する。各物件A、Bには、空調機40,40,・・・の他、各空調機40,40,・・・に電力を供給する電源6と、電源6から各空調機40,40,・・・に供給されるエネルギー量を計測する電力メーター7とが設置されている。
なお、空調機40,40,・・・は、室外機41,41,・・・と、室内機42,42,・・・と、室外機41,41,・・・及び室内機42,42,・・・を接続する冷媒配管(図示せず)とから構成されている。図1の空調機40,40,・・・は、本実施形態では、マルチ式を想定しているが、ペア式であってもよい。また、図1では、電力会社1がエネルギー量を管理する物件としてA、Bの2つの物件のみを明示しているが、物件数は、これに限られるものではない。
上位コントローラ10と下位コントローラ30、30とは、インターネット80aを介して接続されている。また、各物件A、Bにおいて、空調機40,40,・・・と、下位コントローラ30とは、専用の制御線80bを介して接続されている。
エネルギー管理システム100では、以上のような構成の下、下位コントローラ30、30と上位コントローラ10とが制御指令等のデータのやり取りを行うことによって、各物件A、Bで消費されるエネルギー量の管理が行われている。
以下、エネルギー管理システム100を主として構成する各部の構成について適宜図面を参照しながら説明する。
(2)各部の構成
(2−1)上位コントローラ10の構成
図2は、上位コントローラ10の概略構成図である。以下、図2を用いて上位コントローラ10の構成について説明する。
上位コントローラ10は、図2に示すように、主として、通信部11と、表示部12と、入力部13と、記憶部14と、制御部15とを有している。
(2−1−1)通信部11
通信部11は、上位コントローラ10をインターネット80aに接続可能にするネットワークインターフェースである。
(2−1−2)表示部12
表示部12は、主として、ディスプレイから構成されている。表示部12には、後述する記憶部14に記憶される各種情報を示す管理画面が表示される。
(2−1−3)入力部13
入力部13は、主として、操作ボタン、キーボード、マウス等から構成されており、管理者等の入力を受け付ける。管理者等が入力部13への入力操作を行うことにより、後述する制御部15によって内部処理が実行される。
(2−1−4)記憶部14
記憶部14は、主として、ハードディスク等から構成され、管理物件記憶領域14aと、物件情報記憶領域14bと、提示内容記憶領域14cとを保持している。
(2−1−4−1)管理物件記憶領域14a
管理物件記憶領域14aには、電力会社1の管理対象の物件A、Bが記憶されている。具体的には、物件A、Bの名称、物件A、Bの規模、必要最小エネルギー量等に関する情報が記憶されている。
(2−1−4−2)物件情報記憶領域14b
物件情報記憶領域14bには、後述する下位コントローラ30、30から送られたエネルギー消費量に関する情報等を含む物件A、Bに関する物件情報が記憶されている。エネルギー消費量に関する情報とは、各物件A、Bで所定期間に消費されたエネルギー量に関する情報である。
(2−1−4−3)提示内容記憶領域14c
提示内容記憶領域14cには、下位コントローラ30、30によって提示された複数のエネルギー抑制可能量に関する情報が記憶されている。
(2−1―5)
制御部15は、主として、CPU、ROM、RAM等から構成されている。制御部15は、記憶部14に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、提示受付部15a、抑制要求送信部15b等として機能する。
(2−1―5−1)提示受付部15a
提示受付部15aは、物件A、Bから送られる複数のエネルギー抑制可能量を受け付ける。
(2−1−5−2)抑制要求送信部15b
抑制要求送信部15bは、提示受付部15aが受け付ける各物件A、Bから送られた複数のエネルギー抑制可能量に基づいて、各物件A、Bに要求する1のエネルギー抑制可能量をそれぞれ決定し、決定した内容に応じた指令(抑制要求)を各物件A、Bに送信する。
(2−2)下位コントローラ30、30の構成
図3は、下位コントローラ30、30の概略構成図である。
以下、図3を用いて、物件A、Bに設置される下位コントローラ30、30について説明する。下位コントローラ30、30は、各物件A、Bに一台ずつ設置されている。なお、以下の説明では、物件Aに設置された下位コントローラ30について説明するが、物件Bに設置された下位コントローラ30についても同様の構成であるものとする。
下位コントローラ30は、図3に示すように、主として、通信部31と、表示部32と、入力部33と、タイマー部34と、記憶部35と、制御部36とを有している。
(2−2−1)通信部31
通信部31は、下位コントローラ30を、インターネット80aに接続可能にするインターフェースである。
(2−2−2)表示部32
表示部32は、主として、ディスプレイから構成されている。表示部32には、空調機40,40,・・・の運転状態(運転/停止の状態、運転モード(冷房モード、暖房モード等)、風向、風量、湿度、吸込温度、設定温度等)を示す画面が表示される。
(2−2−3)入力部33
入力部33は、主として、上記ディスプレイを覆うタッチパネルから構成されている。タッチパネル上には、空調機40,40,・・・に対する発停信号のほか、設定温度の変更、運転モードの変更など、空調機40,40,・・・に対する各種指令を入力するためのボタンが配される。管理者等がタッチパネル上のボタンに触れることによって、当該ボタンに対応する制御処理が後述する制御部36によって実行される。
(2−2−4)タイマー部34
タイマー部34は、時刻、日、月、年、曜日、所定時刻を基準とした経過時間などの時間的要素を計測する。具体的な計測については、適宜必要な箇所で説明する。
(2−2−5)記憶部35
記憶部35は、ハードディスク等から構成され、主として、運転状況記憶領域35aと、条件記憶領域35bと、制御情報記憶領域35cと、メーター値記憶領域35dとを保持している。
(2−2−5−1)運転状況記憶領域35a
運転状況記憶領域35aには、後述する運転状況把握部36aによって把握された各空調機40,40,・・・の運転状況等が記憶されている。空調機40,40,・・・の運転状況には、空調機40,40,・・・の運転/停止の状態、設定温度、冷房/暖房等の運転モード、稼働時間、稼働率、稼働時の運転能力、室外機41,41,・・・及び室内機42,42,・・・の各種機器の状態値(ファンの回転数、圧縮機の回転数、膨張弁の開度、冷媒温度、冷媒圧力等)、室外温度、室内温度、吸込温度、設定温度と室内温度との許容乖離度、エネルギー抑制制御の実行/非実行等が含まれる。ここで、空調機40,40,・・・の稼動時の運転能力とは、空調機40,40,・・・の定格能力に対して、稼働時の空調機40,40,・・・(具体的には、例えば、圧縮機の稼動時の周波数)がどの程度の能力で動作しているかを示すものである。なお、運転状況に含まれる各種の温度や圧力等は、各種のセンサ等によって検出される。
(2−2−5−2)条件記憶領域35b
図4は、条件記憶領域35bに記憶された条件の一例を示す図である。
条件記憶領域35bには、上位コントローラ10に対して複数のエネルギー抑制可能量を提示するための条件が、空調機40,40,・・・毎に記憶されている。複数のエネルギー抑制可能量を提示するための条件には、図4に示すように、エネルギー抑制制御を実行する期間(以下、適宜エネルギー抑制制御の継続期間という)(分)と、エネルギー抑制制御時の運転能力(%)との関係が含まれる。具体的には、条件記憶領域35bには、エネルギー抑制制御の継続期間と、エネルギー抑制制御の実行時に許容できる空調機40,40,・・・の運転能力(以下、許容運転能力という)とが関連付けて記憶されている。
ここで、条件に含まれる許容運転能力は、ユーザによって入力された入力値に基づくものである。なお、許容運転能力は、演算式によって求められるものであってもよいし、ユーザの快/不快を学習することによって修正されるものであってもよい。
また、ここで、エネルギー抑制制御とは、上位コントローラ10に提示するエネルギー抑制可能量を実現するための制御である。
(2−2−5−3)制御情報記憶領域35c
制御情報記憶領域35cには、後述する抑制制御部36iやフォロー制御部36jによって生成された空調機40,40,・・・に対する制御指令の内容が記憶されている。
(2−2−5−4)メーター値記憶領域35d
メーター値記憶領域35dには、後述するメーター値取得部36bによって取得されるメーター値が空調機40,40,・・・毎に記憶される。
(2−2−6)制御部36
制御部36は、CPU、ROM、RAM等から構成され、主として、運転状況把握部36a、メーター値取得部36b、定期算出部36cd(定期エネルギー消費量算出部36c、定期推定消費量算出部36d)、定期抑制可能量決定部36e、定期抑制可能量提示部36f、提示制御部36g(第1処理部36ga、第2処理部36gb)、抑制要求受付部36h、抑制制御部36i、フォロー制御部36j等として機能する。
以下、制御部36の各機能の説明を行う。
なお、下位コントローラ30の制御部36は、空調機40,40,・・・(室内機42,42,・・・)毎に制御を行っている。各室内機42,42,・・・を独立して制御することにより、個々の室内機42,42,・・・や室内機42,42,・・・が設置される居室毎に対応した空調制御を行うことができる。ここで、制御には、エネルギー抑制制御の実行/非実行、エネルギー抑制制御の緩和/強化等が挙げられる。
(2−2−6−1)運転状況把握部36a
運転状況把握部36aは、所定の時間間隔(本実施形態では、5分間隔)で、各空調機40,40,・・・の運転状況を把握する。運転状況把握部36aは、当該運転状況を上述の運転状況記憶領域35aに格納する。
(2−2−6−2)メーター値取得部36b
メーター値取得部36bは、電力メーター7によって計測されたメーター値(エネルギー量に関するデータ)を所定の時間間隔(例えば、1分間隔)で取得する。メーター値取得部36bは、当該メーター値を、上述のメーター値記憶領域35dに格納する。
(2−2−6−3)定期算出部36cd
定期算出部36cdは、各空調機40,40,・・・毎の、定期エネルギー消費量と定期推定消費量とを所定の時間間隔(例えば、30分間隔)で算出する。なお、ここでいう算出には、予測や推定の概念が含まれるものとする。
ここで、定期エネルギー消費量とは、所定時間(例えば、30分)毎に算出される、エネルギー抑制制御を行わない通常制御を行う場合に消費される各空調機40,40,・・・のエネルギー量である。定期推定消費量とは、所定時間(例えば、30分)毎に算出される、図4に示す条件A〜Cのような条件に応じて、エネルギー量を抑制するエネルギー抑制制御を実行する場合に消費される各空調機40,40,・・・のエネルギー量である。
定期算出部36cdは、具体的には、定期エネルギー消費量を算出する定期エネルギー消費量算出部36cと、定期推定消費量を算出する定期推定消費量算出部36dとして機能する。以下に、これらの動作について簡単に説明する。
(2−2−6−3−1)定期エネルギー消費量算出部36c
定期エネルギー消費量算出部36cは、運転状況把握部36aによって把握された各空調機40,40,・・・の現在の運転状況と、メーター値記憶領域35dに記憶されている各空調機40,40,・・・のメーター値とに基づいて、定期エネルギー消費量を算出する。具体的には、定期エネルギー消費量算出部36cは、通常制御を所定時間継続した場合の各空調機40,40,・・・の定期エネルギー消費量を算出している。ここで、所定時間とは、条件記憶領域35bに記憶されたエネルギー抑制制御の継続期間(例えば、図4に示すように、60分、30分、15分)を指す。すなわち、図4に示すような場合、定期エネルギー消費量算出部36cは、各空調機40,40,・・・の通常制御を60分間、30分間、15分間行った場合のそれぞれの定期エネルギー消費量を算出している。
(2−2−6−3−2)定期推定消費量算出部36d
定期推定消費量算出部36dは、運転状況把握部36aによって把握された各空調機40,40,・・・の現在の運転状況と、メーター値記憶領域35dに記憶されている各空調機40,40,・・・のメーター値とに基づいて、定期推定消費量を算出する。具体的には、定期推定消費量算出部36dは、例えば図4に示すような各条件で、各空調機40,40,・・・の制御を行った場合の、空調機40,40,・・・毎の定期推定消費量を算出している。すなわち、定期推定消費量算出部36dは、各空調機40,40,・・・を、60分間、許容運転能力を80%で運転させる場合、30分間、許容運転能力を60%で運転させる場合、15分間、許容運転能力を40%で運転させる場合のそれぞれの定期推定消費量を算出する。なお、定期推定消費量は、定格電力(kW)と許容運転能力(%)との積により求められる。
(2−2−6−4)定期抑制可能量決定部36e
定期抑制可能量決定部36eは、所定時間(例えば、30分)毎に、現在の運転状況における各空調機40,40,・・・の抑制可能なエネルギー量である定期個別エネルギー抑制可能量、及び、空調機40,40,・・・全体の抑制可能なエネルギー量である定期全エネルギー抑制可能量を決定する。定期抑制可能量決定部36eの具体的な動作については、後に説明する。
(2−2−6−5)定期抑制可能量提示部36f
定期抑制可能量提示部36fは、定期抑制可能量決定部36eによって決定された、条件別の複数の定期エネルギー抑制可能量を、上位コントローラ10に提示する。具体的には、定期抑制可能量提示部36fは、複数の定期エネルギー抑制可能量を、通信部31を介して上位コントローラ10に送ることで上位コントローラ10に提示している。
なお、定期抑制可能量提示部36fは、後述する提示制御部36gの制御に応じて、定期エネルギー抑制可能量の提示を行う。これについては、提示制御部36gの箇所で説明する。
(2−2−6−6)提示制御部36g
提示制御部36gは、上述の定期抑制可能量提示部36fによる上位コントローラ10への定期エネルギー抑制可能量の提示を制御する。詳細には、提示制御部36gは、第1処理部36gaと、第2処理部36gbとして機能する。
第1処理部36gaは、定期抑制可能量提示部36fによる上位コントローラ10への定期エネルギー抑制可能量の提示を制限する。具体的には、第1処理部36gaは、後述する抑制制御部36iによって、エネルギー抑制制御を行う旨を示す制御指令が生成された後の所定時間、定期抑制可能量提示部36fによる定期エネルギー抑制可能量の提示を制限する。ここで、エネルギー抑制制御を行う旨を示す制御指令が生成された後の所定期間とは、エネルギー抑制制御を継続させる継続期間である。第1処理部36gaが定期エネルギー抑制可能量の提示を制限することで、上述の定期抑制可能量提示部36fは、上位コントローラ10に対して、零回答もしくは定期個別エネルギー抑制可能量及び定期全エネルギー抑制可能量を0kWとする回答を提示する。
一方、第2処理部36gbは、定期抑制可能量提示部36fによる定期エネルギー抑制可能量の提示を許容する。具体的には、エネルギー抑制制御を実行していない時間は、第2処理部36gbは、定期抑制可能量提示部36fによる定期エネルギー抑制可能量の提示を許容する。
なお、第1処理部36gaによって提示の制限が行われない限りは、定期抑制可能量提示部36fは、定期エネルギー抑制可能量を、所定時間(例えば、30分)毎に、上位コントローラ10に対して提示する。
(2−2−6−7)抑制要求受付部36h
抑制要求受付部36hは、上位コントローラ10から送られるエネルギー量の抑制に関する抑制要求を受け付ける。なお、この抑制要求には、上述したように、要求抑制エネルギー量(すなわち、上位コントローラ10に提示した複数の定期全エネルギー抑制可能量のうち上位コントローラ10が選択した1の定期全エネルギー抑制可能量)が含まれる。
(2−2−6−8)抑制制御部36i
抑制制御部36iは、抑制要求受付部36hが上位コントローラ10から送られる抑制要求を受け付けると、エネルギー抑制制御対象空調機のエネルギー抑制制御を開始する。
ここで、エネルギー抑制制御対象空調機とは、エネルギー抑制制御の対象となる空調機であり、定期エネルギー抑制可能量の決定時においてエネルギー量を抑制できるとして定期エネルギー抑制可能量が決定された空調機である。
なお、抑制制御部36iは、抑制要求の受付時から第1時間以内に、エネルギー抑制制御対象空調機のトータルの抑制エネルギー量が要求抑制エネルギー量に到達するように、エネルギー抑制制御対象空調機の消費エネルギー量を制御している。抑制制御部36iの具体的な動作については後述する。
(2−2−6−9)フォロー制御部36j
フォロー制御部36jは、エネルギー抑制制御が終了した後に、事後フォロー制御を実行する。フォロー制御部36jの具体的な動作については後述する。
(3)エネルギー管理システム100で行われる制御処理について
図5は、下位コントローラ30における処理の流れを示すフローチャートである。
以下、下位コントローラ30における処理の流れを、図5を用いて説明する。
なお、本実施形態では、定期エネルギー抑制可能量を決定する際の前提となった条件で、抑制要求の受付時における各空調機40,40,・・・の制御を行うことを前提としている。具体的には、定期エネルギー抑制可能量を決定する際の前提となった条件で、抑制要求の受付時におけるエネルギー抑制制御対象空調機のエネルギー抑制制御を行うことを前提としている。より具体的には、例えば、ある第1空調機の上位コントローラ10から選択された定期全エネルギー抑制可能量が、図4のAに示すように60分間(エネルギー抑制制御の継続期間の分)、許容運転能力80%で運転するといった条件に基づくものであるとする。このとき、下位コントローラ30が上位コントローラ10から抑制要求を受け付けると、抑制制御部36iは、第1空調機を、60分間(エネルギー抑制制御の継続期間の分)、許容運転能力80%で運転することを前提としている。
図5に示すように、まず、ステップS101では、定期抑制可能量決定部36eは、定期エネルギー抑制可能量を決定する。
具体的には、定期抑制可能量決定部36eは、定期エネルギー消費量算出部36cによって算出された定期エネルギー消費量と、定期推定消費量算出部36dによって算出された定期推定消費量とに基づいて、各空調機40,40,・・・の抑制可能なエネルギー量である定期個別エネルギー抑制可能量を、所定時間(例えば、30分)毎に決定している。より具体的には、定期抑制可能量決定部36eは、定期エネルギー消費量と、定期推定消費量との差を、定期個別エネルギー抑制可能量として決定する(定期個別エネルギー抑制可能量=定期エネルギー消費量−定期推定消費量)。さらに具体的には、条件記憶領域35bに記憶されている条件別の各空調機40,40,・・・の定期個別エネルギー抑制可能量を決定している。
また、定期抑制可能量決定部36eは、空調機40,40,・・・全体の定期全エネルギー抑制可能量W(kW)(エネルギー抑制可能量に相当)を、式:W=Σ(定期エネルギー消費量−定期推定消費量)を用いて算出(決定)している。より具体的には、定期抑制可能量決定部36eは、条件記憶領域35bに記憶されている条件別の空調機40,40,・・・全体の定期全エネルギー抑制可能量を決定する。すなわち、条件が図4に示すような条件の場合、定期抑制可能量決定部36eは、3つの条件に対応した三種類の定期全エネルギー抑制可能量及び定期個別エネルギー抑制可能量(以下では、これらを総称して適宜定期エネルギー抑制可能量という)を決定する。
ステップS102では、定期抑制可能量提示部36fは、複数の条件別の定期エネルギー抑制可能量を上位コントローラ10に提示する。
このとき、定期抑制可能量提示部36fは、上位コントローラ10に対して、上位コントローラ10から送られる抑制要求を受付可能な抑制要求受付有効時間をさらに提示している。
ステップS103では、抑制制御部36iは、抑制要求受付部36hが、上位コントローラ10からの抑制要求を受け付けたか否かを判定する。受け付けたと判定する場合は、ステップS104へ移行し、他方、受け付けていないと判定する場合は、ステップS103の処理を繰り返す。
なお、ここでは、定期抑制可能量提示部36fが上位コントローラ10に対して複数の定期エネルギー抑制可能量を提示してから抑制要求受付有効時間が終了するまでをタイマー部34が計測している。そして、複数の定期エネルギー抑制可能量を提示してから抑制要求受付有効時間以内に抑制要求受付部36hが上位コントローラ10から抑制要求を受け付けた場合にステップS104に移行し、複数の定期エネルギー抑制可能量を提示してから抑制要求受付有効時間以内であれば、抑制要求受付部36hが抑制要求を受け付けるまで待機している(すなわち、ステップS103の処理を再度行っている)。
よって、抑制要求受付部36hが、上位コントローラ10からの抑制要求を、複数の定期エネルギー抑制可能量を提示してから抑制要求受付有効時間以内に受け付けない場合は、再度ステップS101に戻ってそれ以降の処理を行うことになる。すなわち、ステップS103においては、複数の定期エネルギー抑制可能量を提示してから抑制要求受付有効時間を経過していない場合は、抑制要求受付部36hが抑制要求を受け付けるまで待機し(ステップS103の処理を行い)、図示はしていないが、複数の定期エネルギー抑制可能量を提示してから抑制要求受付有効時間を経過している場合は、ステップS101に戻ってそれ以降の処理を行っている。
ここでは、定期エネルギー抑制可能量を提示してから抑制要求受付有効時間を経過した場合は、フラグの設定等を行って抑制要求受付部36hが上位コントローラ10からの抑制要求を受け付けないようにしている。
ステップS104では、抑制制御部36iは、エネルギー抑制制御対象空調機のエネルギー抑制制御を開始する。具体的には、抑制制御部36iは、エネルギー抑制制御対象空調機に対する、エネルギー抑制制御を開始する旨の制御指令を生成し、当該制御指令をエネルギー抑制制御対象空調機に送信することにより、エネルギー抑制制御対象空調機のエネルギー抑制制御を開始する。
エネルギー抑制制御を開始する旨の制御指令には、定期エネルギー抑制可能量の決定の際の前提となった条件に含まれる許容運転能力、エネルギー抑制制御の継続期間が含まれる。すなわち、抑制制御部36iは、エネルギー抑制制御対象空調機に対して、許容運転能力で、エネルギー抑制制御の継続期間運転させる制御指令を生成している。
なお、当該制御指令は、抑制制御部36iによって、制御情報記憶領域35cに記憶される。
ステップS105では、フォロー制御部36jは、エネルギー抑制制御対象空調機のエネルギー抑制制御の継続期間(抑制制御期間))が経過したか否かを判定する。経過したと判定する場合は、ステップS106に移行する。他方、経過していないと判定する場合は、ステップS105の処理を繰り返す。ここで、エネルギー抑制制御の継続時間は、具体的には、下位コントローラ30が上位コントローラ10に提示した複数の定期全エネルギー抑制可能量のうち上位コントローラ10が選択した1の定期全エネルギー抑制可能量を決定する際の前提となった条件に含まれるエネルギー抑制制御の継続期間である。
ここで、定期エネルギー抑制可能量の決定時及び提示時と、抑制要求の受付時との間でユーザの利用状況の変化(居室内の人数の増加等)や、外部環境の変化(外気温度の上昇等)等の種々の変化があった場合、定期エネルギー抑制可能量の決定の際の前提となった条件と同様の条件で、抑制要求の受付後の空調機を運転すると、ユーザの快適性に影響することが懸念される。
そこで、ステップS106では、抑制制御部36iが、エネルギー抑制制御対象空調機のエネルギー抑制制御を終了するとともに、フォロー制御部36jが、事後フォロー制御を開始する。具体的には、抑制制御部36iがエネルギー抑制制御を終了した後、フォロー制御部36jが、エネルギー抑制制御対象空調機であった空調機、すなわち、エネルギー抑制制御が終了した空調機(第1の設備機器に相当)に対する、事後フォロー制御を開始する旨の制御指令を生成する。ここで、エネルギー抑制制御対象空調機であった空調機、すなわち、エネルギー抑制制御が終了した空調機を、抑制制御終了空調機という。そして、フォロー制御部36jは、当該生成した制御指令を抑制制御終了空調機に送信する。
ここで、事後フォロー制御とは、抑制制御終了空調機を、所定期間、フルパワー運転させる制御である。ここでは、事後フォロー制御を行うことで、エネルギー抑制制御の実行時におけるユーザの快適性の低下をより早く回復させている。
フルパワー運転とは、抑制制御終了空調機の室外機へ供給される電圧及び電流と、抑制制御終了空調機の室外機に含まれる圧縮機の周波数と、抑制制御終了空調機の室内機のファンの風量とをそれぞれ許容できる許容最大値で固定し、且つ、設定温度を冷房時においては所定値(予め管理者等によって定められている任意の値)下げ暖房時においては所定値(予め管理者等によって定められている任意の値)上げる条件(所定の条件に相当)で行われる運転である。なお、事後フォロー制御中は、抑制要求を受け付けないようにする。
ステップS107では、フォロー制御部36jは、空調機40,40,・・・が設置される、物件A、Bの居室内の温度(以下、室内温度という)が設定温度に達したか否かを判定する。すなわち、フォロー制御部36jは、空調機40,40,・・・(具体的には、エネルギー抑制制御対象空調機)のエネルギー抑制制御の継続期間の終了時から、室内温度が各空調機40,40,・・・(具体的には、抑制制御終了空調機)の設定温度(所定温度に相当)に達するまでの期間、事後フォロー制御を行う。
ステップS107で、フォロー制御部36jが達したと判定する場合は、処理を終了し、他方、達していないと判定する場合は、ステップS107の処理を繰り返す。ここでは、室内温度が設定温度に達した後事後フォロー制御を終了することで、エネルギー抑制制御を実行できない時間を極力短くできる。また、室内温度が設定温度に達するまで事後フォロー制御を行うことで、ユーザが快適性を取り戻すまで事後フォロー制御でフォローし続けることができる。
(4)特徴
(4−1)
本実施形態では、まず、下位コントローラ30、30(エネルギー制御装置に相当)において(物件A、Bにおいて)、定期抑制可能量決定部36eが、空調機40,40,・・・(設備機器に相当)のトータルの抑制可能なエネルギー量である定期全エネルギー抑制可能量(エネルギー抑制可能量に相当)を決定し、当該定期全エネルギー抑制可能量を含む定期エネルギー抑制可能量を上位コントローラ10(エネルギー管理装置に相当)に提示している。
そして、当該提示した定期エネルギー抑制可能量に基づいて、上位コントローラ10(電力会社1)は、エネルギー量の抑制に関する抑制要求を、下位コントローラ30、30に対して行っている。
ここで、抑制要求には、物件A、Bにおける空調機40,40,・・・全体の抑制すべきエネルギー量である要求抑制エネルギー量が含まれている。要求抑制エネルギー量とは、上述したように、下位コントローラ30、30が提示した複数の定期全エネルギー抑制可能量のうち上位コントローラ10が選択した1の定期全エネルギー抑制可能量である。
当該抑制要求を上位コントローラ10から受けた下位コントローラ30、30(具体的には、抑制制御部36i)は、空調機40,40,・・・全体のうち、エネルギー抑制制御の対象とするエネルギー抑制制御対象空調機のエネルギー抑制制御を開始する。なお、上述したように、抑制制御部36iは、抑制要求の受付時から第1時間以内に、複数の空調機40,40,・・・の全抑制エネルギー量(具体的には、複数のエネルギー抑制制御対象空調機のトータルの制御対象空調機抑制エネルギー量)を要求抑制エネルギー量に到達させている。
そして、本実施形態では、定期エネルギー抑制可能量の決定時及び提示時と、抑制要求の受付時との間でユーザの利用状況の変化(居室内の人数の増加等)や、外部環境の変化(外気温度の上昇等)等の種々の変化があった場合を考慮して、フォロー制御部36jが、事後フォロー制御を行っている。具体的には、エネルギー抑制制御対象空調機のエネルギー抑制制御が終了した後、フォロー制御部36jが事後フォロー制御を開始する。すなわち、上述のような変化があった場合のエネルギー抑制制御の実行時におけるユーザの快適性の低下をより早く回復させる事後フォロー制御を開始している。
ここで、事後フォロー制御とは、上述したように、エネルギー抑制制御が終了した抑制制御終了空調機(第1の設備機器に相当)を、所定期間、フルパワー運転させる制御である。フルパワー運転とは、上述したように、所定の条件で運転することである。
以上のように、本実施形態では、エネルギー抑制制御の終了後、事後フォロー制御を行うことにより、ユーザの快適性の低下をより早く回復させることができる。すなわち、ユーザの快適性をいち早く取り戻すことができる。
(4−2)
本実施形態では、定期抑制可能量提示部36fが予め上位コントローラ10に対して定期エネルギー抑制可能量を提示している。これにより、上位コントローラ10は、各物件A,Bにおいて抑制できるエネルギー量を把握できる。
(5)変形例
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(5−1)変形例1A
図6は、本変形例1Aに係る下位コントローラ30での処理の流れを示すフローチャートである。なお、ステップS111,ステップS112,ステップS114〜ステップS118は、図5に示すステップS101,ステップS102,ステップS103〜ステップS107と同様の処理を行う。
上記実施形態では、エネルギー抑制制御を終了した後にフォロー制御部36jが事後フォロー制御を実行しているが、これに限られるものではない。
具体的には、図6に示すように、ステップS112で定期抑制可能量提示部36fが定期エネルギー抑制可能量を上位コントローラ10に提示した後、フォロー制御部36jが、エネルギー抑制制御を開始する前(すなわち、エネルギー抑制制御の継続期間の突入前)にさらにステップS113の事前フォロー制御を開始してもよい。なお、ここでは、ステップS112の後、事前フォロー制御を行うが、事前フォロー制御は、エネルギー抑制制御を開始する前であって、事前フォロー制御の効果がエネルギー抑制制御の実行時に発揮されるのであれば、いつでもよい。なお、事前フォロー制御を行うタイミングは、例えば、前日に、翌日の空調機40,40,・・・の運転状態や抑制要求を受け付けるタイミング等を予測することによって、決定してもよい。
ここで、事前フォロー制御には、蓄熱/蓄電、予冷/予熱、除湿/加湿等を行う制御が含まれる。
フォロー制御部36jが蓄熱制御を行う場合の例としては、熱エネルギーを蓄える蓄熱槽(図示せず)を用いたものがある。このとき、蓄熱槽は、空調機40,40,・・・に接続される。この場合、蓄熱槽に蓄えられる冷熱エネルギーは、冷房時において、凝縮器として機能する室外熱交換器を流れる冷媒を冷やす役割を有する。また、蓄熱槽に蓄えられる温熱エネルギーは、暖房時において、蒸発器として機能する室内熱交換器を流れる冷媒を温める役割を有する。
また、上記の例以外にも、特開2004−3750号公報に開示のように、蓄熱槽に蓄えた水等の蓄熱媒体を冷却して凍らせ、蓄熱媒体の潜熱として冷熱を蓄える氷蓄熱装置を用いて、当該蓄えられた冷熱を冷房運転に利用する蓄熱制御がある。
また、フォロー制御部36jが蓄電制御を行う場合、エネルギー管理システム100では、さらに蓄電装置(図示せず)が必要になる。この場合、空調機40,40,・・・は、蓄電装置に蓄えられたエネルギーを補助的に用いて運転できる。
これにより、エネルギー抑制制御の実行時において、予め蓄えられた冷熱/温熱を利用することができるので、エネルギーの消費量を維持しながら、すなわち、全抑制エネルギー量を要求抑制エネルギー量に到達させながら、ユーザの快適性の低下を予め予防(緩和や抑制)できる。
また、フォロー制御部36jが、予冷/予熱制御を行う場合、フォロー制御部36jは、例えば、定期抑制可能量提示部36fが上位コントローラ10に定期エネルギー抑制可能量を提示した後、空調機40,40,・・・(具体的には、エネルギー抑制制御対象空調機)が設置される室内の温度を冷やす/暖めるために、当該空調機40,40,・・・(具体的には、エネルギー抑制制御対象空調機)に冷房/暖房を行う旨の制御指令を送信する。
また、フォロー制御部36jが、除湿/加湿制御を行う場合、フォロー制御部36jは、例えば、定期抑制可能量提示部36fが上位コントローラ10に定期エネルギー抑制可能量を提示した後、空調機40,40,・・・(具体的には、エネルギー抑制制御対象空調機)が設置される室内の温度を冷やす/暖めるために、当該空調機40,40,・・・(具体的には、エネルギー抑制制御対象空調機)に除湿/加湿を行う旨の制御指令を送信する。
以上の予冷/予熱制御や、除湿/加湿制御により、予め室内は、冷やされる/暖められるため、エネルギー抑制制御が開始されたとしても、エネルギーの消費量を維持しながら、すなわち、全抑制エネルギー量を要求抑制エネルギー量に到達させながら、ユーザの快適性の低下を緩和したり抑制したりできる。
また、上記実施形態では、エネルギー抑制制御の終了後、フォロー制御部36jは事後フォロー制御を開始しているが、当該事後フォロー制御に代えて上述の事前フォロー制御のみを実行してもよい。この場合であっても、エネルギー抑制制御の実行時におけるユーザの快適性の低下を予め緩和したり抑制したりできる。
なお、このような事前フォロー制御は、定期的に上位コントローラ10から下位コントローラ30に対して抑制要求が送られる場合に、より有効なものとなる。例えば、抑制要求が所定時間毎に送られる場合は、抑制要求が送られる所定時間前から予冷/予熱制御や除湿/加湿制御を開始すれば、省エネ/省コストに貢献しながら、上述のような効果を奏する。また、例えば、上位コントローラ10の抑制要求送信部15bが、抑制要求を送信してから所定時間後にエネルギー抑制制御を開始する旨の抑制要求を送信するような場合、エネルギー抑制制御の開始時間の所定時間前から予冷/予熱制御や除湿/加湿制御を開始すれば、省エネ/省コストに貢献しながら、上述のような効果を奏する。
なお、事前フォロー制御として上述した3つの制御は、適宜組み合わせて実行されてもよい。
また、フォロー制御部36jは、エネルギー抑制制御の前後でフォロー制御(事後フォロー制御及び事前フォロー制御を総称してこう呼ぶ)を行う制御以外にも、エネルギー抑制制御の実行時において、抑制時フォロー制御を行ってもよい。
具体的な例を以下に説明する。
図7は、本変形例1Aに係る下位コントローラ30の概略構成図である。
抑制時フォロー制御としては、例えば、空調機40,40,以外の他設備を制御することによって、ユーザの快適性の低下を抑制する制御がある。
この場合、制御部36は、空調機40,40,・・・以外の他設備を制御する他設備制御部36kとしてさらに機能する。そして、抑制制御部36iによるエネルギー抑制制御の継続期間中、他設備制御部36kが他設備に含まれる外調機(例えば、換気設備)の制御を行う(具体的には、運転を停止する)ことによって、外部からの冷気/暖気の量を抑制する。これにより、居室内の空調負荷の低減が可能になる。よって、エネルギー抑制制御の実行時におけるユーザの快適性の低下を緩和したり抑制したりできる。
また、他設備制御部36kは、ユーザの快/不快を把握することによって、上述のような外調機の制御を行ってもよい。すなわち、ユーザが不快を覚えた際に、入力部33を介して自身の不快を入力することによって、他設備制御部36kが、外調機の運転を停止する。この場合、記憶部35は、ユーザの快/不快を記憶する快/不快情報記憶領域35eをさらに保持する。よって、ユーザによって入力された情報は、当該快/不快情報記憶領域35eに記憶される。
また、上述のような場合、制御部36は、ユーザの快/不快を決定する快/不快決定部36lとしてさらに機能してもよい。この場合、他設備制御部36kは、エネルギー抑制制御の実行時において快/不快決定部36lがユーザの不快を決定したときに、外調機の運転を停止する。
なお、例えば、快/不快決定部36lによるユーザの快/不快は、設定温度の上限値(冷房時)/下限値(暖房時)からの乖離度や、設定温度と室内温度との乖離度に基づいて決定される。具体的には、快/不快決定部36lは、設定温度の上限値を2℃以上超える/下限値を2℃以上下回る、或いは、設定温度と室内温度との差が2℃を超える場合は、ユーザが不快を感じているとしてユーザの不快を決定する。なお、上述の2℃のような閾値については、予め管理者等が設定した値でもよいし、空調機40,40,・・・の運転データに基づいて制御部36が決定した値であってもよい。そして、快/不快決定部36lは、ユーザの快/不快を決定すると、当該ユーザの快/不快の情報を、記憶部35が保持する快/不快情報記憶領域35eに記憶する。
これにより、よりユーザの快適度に基づいた制御が可能になり、上記と同様に、エネルギー抑制制御の実行時におけるユーザの快適性の低下を緩和したり抑制したりできる。
また、抑制時フォロー制御としては他にも、フォロー制御部36jが、室内機42,42,・・・から吹き出される吹出空気の量が上昇するように室内機42,42,・・・の室内ファンの風量を制御が挙げられる。この場合、吹出空気の量を上昇させることでユーザの体感温度の維持が可能になる。よって、ユーザの快適性の低下を緩和したり抑制したりできる。
また、抑制時フォロー制御としては、フォロー制御部36jが、要求抑制エネルギー量に基づいた個別に抑制すべきエネルギー量である目標個別抑制エネルギー量(すなわち、上位コントローラ10に提示した定期個別エネルギー抑制可能量のうち、上位コントローラ10が選択した1の定期個別エネルギー抑制可能量)に、エネルギー抑制制御対象空調機の抑制エネルギー量が到達するように、複数の室内機42,42,・・・(空調機40,40,・・・)を以下のように制御するものが挙げられる。
当該制御について具体的に説明すると、複数の室内機42,42,・・・(空調機40,40,・・・)を、1台ずつ順番に設定温度を第1設定温度(冷房時においては、現在の設定温度>第1設定温度、暖房時においては、現在の設定温度<第1設定温度)に変更する設定温度変更制御や、複数の室内機42,42,・・・(空調機40,40,・・・)を、1台ずつ順番に強制的にサーモオフし、複数の室内機42,42,・・・(空調機40,40,・・・)のうち強制的にサーモオフをした室内機42,42,・・・(空調機40,40,・・・)以外の室内機42,42,・・・(空調機40,40,・・・)の運転能力を上昇させる強制サーモオフ制御がある。これにより、室温劣化を緩和できる。よって、ユーザの快適性の低下を緩和したり抑制したりしながら、省エネ及び省コストに貢献する。
また、このような場合、室内機42,42,・・・(空調機40,40,・・・)毎に優先度の設定(フラグの設定や、重み付けの設定等)をしておき、優先度に基づいて、上述した設定温度変更制御や強制サーモオフ制御を行ってもよい。
(5−2)変形例1B
上記実施形態では、事後フォロー制御を行う所定期間は、空調機40,40,・・・(具体的には、エネルギー抑制制御対象空調機)のエネルギー抑制制御の継続期間の終了時から、当該エネルギー抑制制御対象空調機が設置される物件A、Bの居室内の温度(以下、室内温度という)が各空調機40,40,・・・(具体的には、抑制制御終了空調機)の設定温度(所定温度に相当)に達するまでの期間であると説明したが、これに限られるものではない。
例えば、予め管理者等が入力部33を介して設定した固定の期間であってもよい。
また、上述の固定の期間がいくつか設定されており、管理者等が空調機40,40,・・・の運用に合わせて選択した期間であってもよい。また、変形例1Aに記載したユーザの快/不快の把握/決定に基づいて、フォロー制御部36jが決定した期間であってもよい。この場合であっても、上記実施形態と同様に、エネルギー抑制制御を実行できない時間を極力短くすることができ、ユーザが快適性を取り戻すまで事後フォロー制御でフォローし続けることができる。
(5−3)変形例1C
上記実施形態の事後フォロー制御の実行時において、フォロー制御部36jは、抑制制御終了空調機がフルパワー運転を行うことによって消費するエネルギー量を、抑制制御終了空調機以外の空調機や、空調機40,40,・・・以外の他の設備の消費エネルギー量を抑制することによって、物件A、Bトータルでの消費エネルギー量に極力変動がないようにしてもよい。また、フォロー制御部36jは、変形例1Aに記載した事前フォロー制御を行う場合、抑制制御終了空調機がフルパワー運転を行うためのエネルギーを、蓄熱/蓄電によって補う制御を行ってもよい。この場合、省エネ及び省コストに貢献する。
(5−4)変形例1D
定期抑制可能量提示部36fの定期エネルギー抑制可能量の上位コントローラ10への提示は、上記実施形態に限られるものではない。
例えば、定期抑制可能量提示部36fは、抑制制御部36iが空調機40,40,・・・に対する制御指令を送信した後の送信後経過時間が所定時間を経過したときに、定期エネルギー抑制可能量を提示してもよい。なお、このとき、送信後経過時間は、タイマー部34が計測するものとする。
(5−5)変形例1E
上記実施形態では、下位コントローラ30、30から上位コントローラ10に送るのは、定期個別エネルギー抑制可能量及び定期全エネルギー抑制可能量であると説明したが、これに限られるものではなく、定期全エネルギー抑制可能量のみであってもよい。
(5−6)変形例1F
制御対象は、上記実施形態の機器に限られるものではない。例えば、照明や、給湯器等の他の機器を制御対象としてもよい(この場合、空調機40,40,・・・や他の機器が設備機器に相当)。この場合、これらの機器のエネルギーの量を計測するメーター等、エネルギー管理システム100における制御に必要となる機器等が必要になる。また、この場合、照明の運転状態や運転状況には、ON/OFF、明るさの段階等が含まれ、給湯器の運転状態や運転状況には、ON/OFF、給湯温度、給湯量等が含まれる。なお、各種の運転状況に含まれる各種の温度や圧力等は、各種のセンサ等によって検出される。
(5−7)変形例1G
上記実施形態では、各物件A、Bの空調機40,40,・・・のトータルの全抑制エネルギー量が抑制要求に基づく要求抑制エネルギー量に到達するようにしていると説明したが、これに限られるものではない。
例えば、変形例1Fに記載したように、空調機40,40,・・・以外の他の機器を制御対象とする場合は、物件A、Bに設置される複数の機器(空調機40,40,・・・や、空調機40,40,・・・以外の他の機器である給湯器、照明、その他動力を発生させる機器)のトータルの抑制エネルギー量を、上位コントローラ10からの抑制要求に含まれる、物件A、B全体で抑制すべきエネルギー量に到達させるようにしてもよい。この場合、空調機40,40,・・・以外の他の機器の消費エネルギー量等をメーター値等から把握することが必要である。
(5−8)変形例1H
上記実施形態では、定期抑制可能量提示部36fは一方的に上位コントローラ10に対して定期エネルギー抑制可能量の提示を行っているが、これに限られるものではない。
例えば、物件A、Bで抑制可能なエネルギー量を、上位コントローラ10が提示させる提示要求を行うことによって、下位コントローラ30が上位コントローラ10に対して当該物件A、Bで抑制可能なエネルギー量を提示してもよい。
(5−9)変形例1I
上記実施形態では、条件記憶領域35bに複数の条件が記憶されていると説明したが、1つの条件が記憶されていてもよい。
(5−10)変形例1J
事後フォロー制御を実施する必要がない場合は、事後フォロー制御を実施しなくてもよい。このような例としては、変形例1Aに記載の事前フォロー制御によって、エネルギー抑制制御後もユーザの快適性が維持される場合が考えられる。
(5−11)変形例1K
上記実施形態では、電力会社は1つのみを示しているが、複数あってもよい。
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態に係るエネルギー管理システム200について説明する。以下では、2つの電力会社が1a、1bが存在する場合を例にとって説明する。なお、エネルギー管理システム200におけるエネルギー管理システム100と同様の構成については、同じ番号を付し説明を省略する。
(1)エネルギー管理システム200の全体構成
図8は、第2実施形態に係るエネルギー管理システム200の概略構成図である。
図8に示すように、エネルギー管理システム200は、主として、電力会社1a、1bに設置される上位コントローラ20、20と、各物件A、Bに設置され、主として各物件A、Bに設置される空調機40,40,・・・のエネルギー量を管理及び制御する下位コントローラ230、230とを有する。上位コントローラ20、20と、下位コントローラ230、230とは、インターネット80aを介して接続されている。また、各物件A、Bにおいて、空調機40,40,・・・と、下位コントローラ230、230とは、専用の制御線80bを介して接続されている。
エネルギー管理システム200では、上位コントローラ20、20は、インターネット80aを介して、下位コントローラ230、230に対して、所定時間の間隔で(本実施形態では、1日間隔で)、エネルギー量の単価(以下、エネルギー単価という)を送信している。具体的には、所定期間(本実施形態では、1日)の時間帯別のエネルギー単価を送信している。本実施形態では、エネルギー単価は、電力会社1a、1bによって決定されるものであり、時間帯によって変動する。通常、エネルギー単価は、エネルギー量の需要が高い時間帯は高く、エネルギー量の需要が低い時間帯は安い。
以下、エネルギー管理システム200を主として構成する各部の構成について適宜図面を参照しながら説明する。
(2)各部の構成
(2−1)上位コントローラ20、20の構成
図9は、第2実施形態に係る上位コントローラ20、20の概略構成図である。以下、電力会社1aに設置される上位コントローラ20について説明するが、電力会社1bに設置される上位コントローラ20についても基本的には同様の構成を有する。
上位コントローラ20は、図9に示すように、主として、通信部21と、表示部22と、入力部23と、記憶部24と、制御部25とを有する。なお、通信部21、表示部22、及び、入力部23については、第1実施形態に係る通信部11、表示部12、及び、入力部13と同様であるため説明を省略する。
(2−1−1)記憶部24
記憶部24は、ハードディスク等から構成され、エネルギー単価記憶領域24aを有する。エネルギー単価記憶領域24aには、各物件A、Bに送信される、エネルギー単価が記憶されている。エネルギー単価は、契約内容に応じて各物件A、B間で相違するものであってもよい。なお、記憶部24は、第1実施形態と同様に、管理物件記憶領域14a及び物件情報記憶領域14bを有していてもよい。
(2−1−2)制御部25
制御部25は、CPU、ROM、RAM等から構成される。制御部25は、記憶部24に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、所定時間の間隔で(本実施形態では、1日間隔で)、各物件A、Bに対し、エネルギー単価を送信する。
(2−2)下位コントローラ230、230の構成
図10は、下位コントローラ230、230の概略構成図である。以下、物件Aに設置される下位コントローラ230について説明するが、物件Bに設置される下位コントローラ230についても同様の構成である。
下位コントローラ230は、図10に示すように、主として、通信部231と、表示部232と、入力部233と、タイマー部234と、記憶部235と、制御部236とを有する。通信部231、表示部232、入力部233、及び、タイマー部234は、第1実施形態の通信部31、表示部32、入力部33、及び、タイマー部34と同様の機能を有するため説明を省略する。
(2−2−1)記憶部235
記憶部235は、ハードディスク等から構成される。記憶部235は、主として、運転状況記憶領域235aと、メーター値記憶領域235bと、条件記憶領域235cと、単価情報記憶領域235dと、最安単価記憶領域235eと、制御情報記憶領域235fとを有する。なお、運転状況記憶領域235a及びメーター値記憶領域235bは、運転状況記憶領域35a及びメーター値記憶領域35dと同様の構成を採るので、説明を省略する。
(2−2−1−1)条件記憶領域235c
条件記憶領域235cには、複数の条件が記憶されている。ここでの条件とは、消費エネルギー量を抑制するエネルギー抑制制御の実行時に用いられる条件である。具体的には、条件は、エネルギー抑制制御の実行時に許容できる空調機40,40,・・・の運転能力(以下、許容運転能力という)である。条件記憶領域235cに記憶される複数の条件の一例としては、図11に示す条件A〜Cが挙げられる。
(2−2−1−2)単価情報記憶領域235d
単価情報記憶領域235dには、上位コントローラ20、20から送信されたエネルギー単価や、単価情報作成部236dによって作成された単価情報が記憶されている。単価情報とは、複数の電力会社1a、1bから送信される、複数の時間帯別のエネルギー単価を、1つのテーブルにまとめたものであり、一例としては図12に示すものが挙げられる。
なお、上位コントローラ20、20からは、エネルギー単価と併せて、エネルギー単価を送信した電力会社名も送信される。よって、単価情報記憶領域235dには、図12に示すように、エネルギー単価と、当該エネルギー単価を送信した電力会社名とが、関連付けられて記憶される。これにより、本実施形態のように、複数の電力会社からエネルギー単価を受け付けた場合にも、どの電力会社から受けたエネルギー単価であるかを判別できる。
(2−2−1−3)最安単価記憶領域235e
最安単価記憶領域235eには、最安単価情報作成部236eによって作成された最安単価情報が記憶される。最安単価情報とは、複数の電力会社から送信されるエネルギー単価のうち最安のエネルギー単価(最安単価)と、最安単価を提示している電力会社名とを、時間帯別にまとめた情報であり、その一例としては図13に示すものが挙げられる。
(2−2−1−4)制御情報記憶領域235f
制御情報記憶領域235fには、抑制制御部236kによって実行されるエネルギー抑制制御の内容やフォロー制御部236lによって実行されるフォロー制御の内容が記憶されている。
エネルギー抑制制御の内容には、後述する候補時間帯決定部236fによって決定された候補時間帯(具体的には、候補時間帯の数や、候補時間帯の開始時刻及び終了時刻)や、条件記憶領域235cに記憶された条件の中から後述する選択部236gによって選択された1の条件が記憶される。なお、候補時間帯とは、空調機40,40,・・・のエネルギー抑制制御を実行すべき時間帯である。
(2−2−2)制御部236
制御部236は、CPU、ROM、RAM等から構成されている。制御部236は、記憶部235に記憶されているプログラムを読み出して実行することより、主として、運転状況把握部236aと、メーター値取得部236bと、受付部236cと、単価情報作成部236dと、最安単価情報作成部236eと、候補時間帯決定部236fと、選択部236gと、算出部236hiと、抑制可能量決定部236jと、抑制制御部236kと、フォロー制御部236lとして機能する。なお、運転状況把握部236a及びメーター値取得部236bは、それぞれ、主に運転状況把握部36a及びメーター値取得部36bと同様に機能するため、説明を省略する。
(2−2−2−1)受付部236c
受付部236cは、管理者等による入力部233を介した入力情報を受け付けたり、上位コントローラ20、20から所定の時間間隔で(本実施形態では、1日間隔で)、エネルギー単価を受け付けたりする。受付部236cは、上位コントローラ20、20から送信されたエネルギー単価を、単価情報記憶領域235dに格納する。
(2−2−2−2)単価情報作成部236d
単価情報作成部236dは、複数の電力会社1a、1bから送信されるエネルギー単価に基づいて、単価情報を作成する。そして、作成した単価情報を、単価情報記憶領域235dに格納する。
(2−2−2−3)最安単価情報作成部236e
最安単価情報作成部236eは、単価情報記憶領域235dに記憶されるエネルギー単価や単価情報に基づいて、最安単価情報を作成する。具体的には、最安単価情報作成部236eは、複数の電力会社1a、1bのエネルギー単価を時間帯別に比較して、時間帯別に最安単価を決定する。そして、最安単価と、最安単価を提示している電力会社とを関連付けて最安単価情報を作成している。
なお、ある時間帯において、複数の電力会社が同一のエネルギー単価を提示するような場合は、例えば、どの電力会社のエネルギー単価を最安単価とするか決めておく、若しくは、その前の時間帯に最安単価を提示していた電力会社のエネルギー単価を最安単価とする、等予め決めておくことが好ましい。
また、電力会社が1つの場合は、送信された時間帯別のエネルギー単価がそのまま時間帯別の最安単価として使用される。
(2−2−2−4)候補時間帯決定部236f
候補時間帯決定部236fは、所定の時間間隔で(本実施形態では、1日間隔で)、最安単価記憶領域235eに記憶される最安単価情報に基づいて、所定期間(本実施形態では、1日)における候補時間帯を決定する。具体的には、候補時間帯決定部236fは、所定期間において最もエネルギー単価が高い時間帯を、候補時間帯として決定する。図13の例では、所定期間(当日午前9時から翌日午前9時までの期間)において、当日の13:00〜16:00がエネルギー単価が最大となる時間帯なので、当日の13:00〜16:00までが候補時間帯となる(図14も参照)。
そして、候補時間帯決定部236fは、当該候補時間帯を、制御情報記憶領域235fに格納する。
(2−2−2−5)選択部236g
選択部236gは、条件記憶領域235cに記憶された複数の条件の中から、ユーザの制御傾向に合った1の条件を選択する。具体的には、例えば、ユーザが予め「省エネ優先」、「快適性重視」、「バランス重視」といったユーザが重視する制御傾向を、入力部233を介して選択しておいたとする。このとき、選択部236gは、条件記憶領域235cに記憶された複数の条件の中から、入力されたユーザの制御傾向に合致する条件を選択する。より具体的には、複数の条件が条件A〜Cのような3種類の条件である場合を例にとって説明すると、省エネ優先であれば、最も消費エネルギー量の少ない条件C(許容運転能力40%)を選択し、快適性重視であれば最も消費エネルギー量に制限の少ない条件A(許容運転能力80%)を選択し、バランス重視であれば中間の条件B(許容運転能力60%)を選択する。なお、制御傾向は、3種類である必要はない。また、ユーザは上記のような概念的な選択肢から制御傾向を選択するのではなく、例えば、省エネモード1、省エネモード2、・・・等の記号から制御傾向を選択してもよい。また、ユーザは、許容運転能力の値そのものを選択してもよい。そして、選択部236gは、選択した1の条件を制御情報記憶領域235fに格納する。
(2−2−2−6)算出部236hi
算出部236hiは、エネルギー消費量と、推定消費量とを算出する。
エネルギー消費量とは、候補時間帯に入る直前(具体的には、本実施形態では、候補時間帯に入る5分前)の運転を候補時間帯に継続した場合に消費される空調機40,40,・・・のエネルギー量である。
推定消費量とは、制御情報記憶領域235fに記憶された1の条件に基づいて、候補時間帯に、エネルギー抑制制御を実行した場合に消費される空調機40,40,・・・のエネルギー量である。
算出部236hiは、エネルギー消費量算出部236hと、推定消費量を算出する推定消費量算出部236iとして機能する。以下、これらの動作について説明する。
(2−2−2−6−1)エネルギー消費量算出部236h
エネルギー消費量算出部236hは、運転状況把握部236aによって把握された空調機40,40,・・・の運転状況と、メーター値記憶領域235bに記憶されている空調機40,40,・・・のメーター値とを用いて、候補時間帯に入る直前の運転を候補時間帯に継続した場合の空調機40,40,・・・のエネルギー消費量を算出している。
具体的には、エネルギー消費量算出部236hは、エネルギー消費量を、候補時間帯に入る直前に運転状況記憶領域235aに記憶されている最新の単位時間当たりの消費エネルギー量(kW)と、候補時間帯の時間長さ(h)との積によって算出する。なお、候補時間帯が13:00〜16:00の場合、候補時間帯の時間長さは、3時間となる。
(2−2−2−6−2)推定消費量算出部236i
推定消費量算出部236iは、運転状況把握部236aによって把握された空調機40,40,・・・の運転状況と、メーター値記憶領域235bに記憶されている空調機40,40,・・・のメーター値とを用いて、制御情報記憶領域235fに記憶された1の条件に基づいて、候補時間帯にエネルギー抑制制御を実行した場合の、推定消費量を算出する。例えば、制御情報記憶領域235fに記憶されている1の条件が、図11に示す条件Aであったとすると、推定消費量算出部236iは、候補時間帯に、条件A(許容運転能力を80%)で運転させる場合の推定消費量を算出する。なお、推定消費量は、以下の(式1)を用いて算出する。
(式1)推定消費量(kWh)=(エネルギー消費量を算出した時の運転能力(%)×制御情報記憶領域235fに記憶される許容運転能力(%))×エネルギー消費量を算出した時の単位時間当たりの消費エネルギー量(kW)×候補時間帯の時間長さ(h)
(2−2−2−7)抑制可能量決定部236j
抑制可能量決定部236jは、候補時間帯においてエネルギー抑制制御を実行した場合の空調機40,40,・・・の抑制可能なエネルギー量(エネルギー抑制可能量という)を決定する。具体的には、抑制可能量決定部236jは、エネルギー消費量と推定消費量との差を算出する。よって、エネルギー抑制可能量は、以下の(式2)で示すことができる。
(式2)エネルギー抑制可能量(kWh)=(エネルギー消費量を算出した時の運転能力(%)―制御情報記憶領域235fに記憶される許容運転能力(%))×候補時間帯に入る直前に運転状況記憶領域235aに記憶されている最新の単位時間当たりの消費エネルギー量(kW)×候補時間帯の時間長さ(h)
例えば、現在、100%の運転能力で空調機40,40,・・・が稼動しており、1時間当たり100kWのエネルギー量が使用されていたとする。そして、制御情報記憶領域235fに記憶された1の条件が条件Aであり、エネルギー抑制制御の候補時間帯が1時間の場合、エネルギー抑制可能量は20kWhと決定される。
(2−2−2−8)抑制制御部236k
抑制制御部236kは、制御情報記憶領域235fに記憶される情報を読み出して、候補時間帯に、制御情報記憶領域235fに記憶された1の条件に基づいて、エネルギー抑制制御を実行する。すなわち、抑制制御部236kは、抑制可能量決定部236jによって決定されたエネルギー抑制可能量を抑制するように、エネルギー抑制制御を行う。
具体的には、例えば、制御情報記憶領域235fに記憶される1の条件が、条件Aであり、候補時間帯が13:00〜16:00の場合は、13:00〜16:00に運転能力80%で空調機40,40,・・・の運転を行うエネルギー抑制制御が実行される。
(2−2−2−9)フォロー制御部236l
フォロー制御部236lは、第1実施携帯のフォロー制御部36jと同様の機能を有する。具体的には、エネルギー抑制制御の終了後(すなわち、候補時間帯の終了後)に、事後フォロー制御を実行する。
(3)第2実施形態に係る下位コントローラ230の処理
図15及び図16は、第2実施形態に係る下位コントローラ230の処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS201では、受付部236cが、複数の電力会社1a、1bに配置される上位コントローラ20、20から、午前7時に、当日午前9時から翌日午前9時の時間帯別のエネルギー単価を受け付ける。
ステップS202では、単価情報作成部236dが、上位コントローラ20、20から送信される時間帯別のエネルギー単価に基づいて、単価情報を作成する。そして、単価情報を単価情報記憶領域235dに格納する。
ステップS203では、最安単価情報作成部236eが、午前9時よりも所定時間前(本実施形態では、10分前)に、単価情報記憶領域235dに記憶される時間帯別のエネルギー単価や単価情報を読み出す。そして、読み出した時間帯別のエネルギー単価や単価情報に基づいて、最安単価情報を作成する。そして、最安単価情報作成部236eは、最安単価情報を、最安単価記憶領域235eに格納する。
ステップS204では、候補時間帯決定部236fが、所定期間である当日午前9時から翌日午前9時の間で、エネルギー単価が最大である時間帯を候補時間帯として決定する。
ステップS205では、選択部236gが、条件記憶領域235cに記憶された複数の条件から、ユーザの制御傾向に合致した1の条件を選択する。そして、選択した1の条件を制御情報記憶領域235fに格納する。
ステップS206では、算出部236hiが、現在時刻が、候補時間帯の開始時刻の所定時間前(例えば、5分前)であるか否かを判定する。所定時間前であると判定する場合は、ステップS207へ移行し、他方、所定時間前でないと判定する場合は、所定時間前になるまで待機する。
ステップS207では、エネルギー消費量算出部236hが、エネルギー消費量を算出する。
ステップS208では、推定消費量算出部236iが、推定消費量を算出する。
ステップS209では、抑制可能量決定部236jが、エネルギー抑制可能量を決定する。
ステップS210では、抑制制御部236kが、現在時刻が、候補時間帯の開始時刻になったか否かを判定する。なったと判定する場合は、図16に示すステップS211へ移行し、他方、なっていないと判定する場合は、候補時間帯になるまで待機する。
ステップS211では、抑制制御部236kが、候補時間帯に、制御情報記憶領域235fに記憶された1の条件に基づいて、エネルギー抑制制御を実行する。
ステップS212では、フォロー制御部236lが、現在時刻が候補時間帯の終了時刻になったか否かを判定する。なったと判定する場合は、ステップS213へ移行し、他方、なっていないと判定する場合は、エネルギー抑制制御を継続して実行する。
ステップS213では、フォロー制御部236lが、事後フォロー制御を実行する。
ステップS214では、フォロー制御部236lが、室内温度が設定温度に達したか否かを判定する。達したと判定する場合は、事後フォロー制御を終了し、他方、達していないと判定する場合は、室内温度が設定温度に達するまで事後フォロー制御を継続する。
(4)特徴
第1実施形態に係るエネルギー管理システム100では、各物件A、B(下位コントローラ30、30)は、電力会社1(上位コントローラ10)に対してエネルギー抑制可能量を複数算出して提示している。そして、電力会社1は、物件A、Bから提示された複数のエネルギー抑制可能量に基づいて、物件A、Bに対して抑制要求を行い、この抑制要求に基づいて、物件A、Bは、エネルギー抑制制御を行っている。すなわち、第1実施形態に係るエネルギー管理システム100では、上位コントローラ10と下位コントローラ30,30とが双方向にやり取りを行うことによって、エネルギー抑制制御が行われている。
一方、第2実施形態に係るエネルギー管理システム200では、各物件A、Bに存在する下位コントローラ230、230は、電力会社1a、1bに存在する上位コントローラ20、20に対してエネルギー抑制可能量の提示は行わない。また、第2実施形態に係るエネルギー管理システム200では、下位コントローラ230、230は、上位コントローラ20、20からの抑制要求をトリガーとせずにエネルギー抑制制御を行っている。
具体的には、エネルギー管理システム200では、上位コントローラ20、20から、下位コントローラ230、230に対して、インターネット80aを介して、所定時間の間隔で、エネルギー単価を送信している。そして、下位コントローラ230、230は、上位コントローラ20、20から一方的に送信されたエネルギー単価に基づいて、自身でエネルギー抑制制御を行う時間帯(候補時間帯)を決定している。
ここでは、上位コントローラ20、20から一方的に情報が送信される場合であっても、下位コントローラ230側でエネルギー抑制制御を実行できる。また、第2実施形態でも同様に、エネルギー抑制制御の後に事後フォロー制御を行うので、ユーザの快適性の低下を抑制できる。
また、第2実施形態では、最もエネルギー単価が高い時間帯を、候補時間帯として決定している。これにより、ピーク需要時に消費エネルギー量を抑制したいという電力会社1a、1bの意向に応じた制御が容易になるとともに、物件側にとっても省コスト及び省エネルギーを達成できるので有用である。
また、第2実施形態では、ユーザが予め自身の制御傾向を入力部233を介して入力し、選択部236gが当該制御傾向を基に、複数の条件から1の条件を選択している。そして、選択部236gが選択した1の条件を基に、推定消費量算出部236iが、推定消費量を算出している。すなわち、抑制可能量決定部236jは、ユーザの制御傾向に基づいてエネルギー抑制可能量を決定していることになる。
これにより、ユーザの意向がエネルギー抑制制御に反映されやすくなる。
(5−1)変形例2A
図17は、本変形例2Aに係る下位コントローラ230、230の概略構成図である。図18は、所定時間毎の予測消費エネルギー量を示すテーブルである。図19は、所定時間毎の予測エネルギー価格を示すテーブルである。
上記実施形態では、候補時間帯決定部236fは、最安単価情報に基づいて、候補時間帯を決定すると説明したが、これに限られるものではない。
以下、具体例について説明する。
例えば、制御部236が、図17に示すように、消費エネルギー量予測部236mと、予測エネルギー価格算出部236nとしてさらに機能し、記憶部235が、予測消費エネルギー量記憶領域235gと予測エネルギー価格記憶領域235hとを有するとする。
そして、消費エネルギー量予測部236mは、所定期間(本実施形態では、1日)における所定時間(ここでは、1時間)毎の消費エネルギー量を予測する。予測の方法としては、運転状況記憶領域235aに蓄積された所定期間前(例えば、1日前)の時間帯別の消費エネルギー量をそのまま利用してもよいし、過去1週間の所定時間毎の消費エネルギー量の平均値を利用してもよいし、当日の気象データから算出してもよい。消費エネルギー量予測部236mによって予測された予測消費エネルギー量は、予測消費エネルギー量記憶領域235gに格納される。
予測エネルギー価格算出部236nは、最安単価記憶領域235eに記憶される最安単価情報と、予測消費エネルギー量記憶領域235gに記憶される予測消費エネルギー量の情報とを読み出し、所定時間毎の積を算出することによって、予測エネルギー価格を算出する。より具体的には、図12の最安単価情報が最安単価記憶領域235eに記憶されており、図18の予測消費エネルギー量が予測消費エネルギー量記憶領域235gに記憶されている場合、図19に示すような、所定時間毎の予測エネルギー価格が算出される。当該予測エネルギー価格の情報は、予測エネルギー価格記憶領域235hに格納される。
上記のような場合において、候補時間帯決定部236fは、予測エネルギー価格に基づいて、候補時間帯を決定してもよい。具体的には、予測エネルギー価格が最大となる時間帯を候補時間帯として決定する。図19の例では、13:00〜16:00が候補時間帯となる。なお、候補時間帯決定部236fは、予測エネルギー価格に代わりに予測消費エネルギー量に基づいて、候補時間帯を決定してもよい。
(5−2)変形例2B
図20は、本変形例2Bに係る、エネルギー単価と時刻との関係を示すグラフである。
上記実施形態では、候補時間帯決定部236fは、最もエネルギー単価が高い時間帯を、候補時間帯として決定すると説明したが、これに限られるものではない。
例えば、図20に示すように、第1値を上回る時間帯を候補時間帯として決定してもよい。この場合、第1値は、予め、管理者等によって定められる固定値であってもよいし、毎日送信されるエネルギー単価によって変動するものであってもよいし、学習によって修正されていく値であってもよい。この場合であっても、上記と同様の効果を奏する。
(5−3)変形例2C
第2実施形態では、エネルギー抑制制御を行うための前提として、候補時間帯及び条件を決定するだけでなく、第1実施形態と同様に、エネルギー抑制制御対象空調機を決定してもよい。
(5−4)変形例2D
上記実施形態では、予め選択部236gが複数の条件から1の条件を選択し、選択された1の条件に基づいて、推定消費量算出部236iが推定消費量を算出しているがこれに限られるものではない。
例えば、推定消費量算出部236iは、条件記憶領域235cに記憶される複数の条件に基づいて、推定消費量を算出してもよい。このとき、エネルギー消費量算出部236hも複数のエネルギー消費量を算出し、抑制可能量決定部236jは、複数のエネルギー抑制可能量を決定する。
そして、この場合において、複数のエネルギー抑制可能量を表示部232に表示させれば、ユーザが、複数のエネルギー抑制可能量から1のエネルギー抑制可能量を選択できるようになる。
(5−5)変形例2E
エネルギー抑制制御部236kは、ユーザの快適性が確保できないと判断する場合は、エネルギー抑制制御を実行しなくてもよい。すなわち、上記実施形態では、エネルギー単価の送信が、物件A、Bがエネルギー抑制制御を行うトリガーとなっているが、エネルギー単価の送信は、各物件A、Bに対してエネルギー抑制制御を強制するものではない。
本発明は、消費エネルギー量の抑制を行う種々のエネルギー制御装置に適用可能である。
10 上位コントローラ(エネルギー管理装置)
30 下位コントローラ(エネルギー制御装置)
33 入力部
35 記憶部
36e 定期抑制可能量決定部(エネルギー抑制可能量決定部)
36f 定期抑制可能量提示部(エネルギー抑制可能量提示部)
36h 抑制要求受付部
36i 抑制制御部
36j フォロー制御部
36k 他設備制御部
36l 快/不快決定部
40 空調機
41 室外機
42 室内機
233 入力部
235 記憶部
236c 受付部
236f 候補時間帯決定部
236g 選択部
A、B 物件
特開2003−304637号公報

Claims (5)

  1. 物件(A、B)に設置された複数の設備機器のエネルギー量を抑制するエネルギー制御装置(30)であって、
    複数の前記設備機器のトータルの抑制可能なエネルギー量であるエネルギー抑制可能量を決定する抑制可能量決定部(36e)と、
    前記エネルギー抑制可能量を上位のエネルギー管理装置(10)に提示する抑制可能量提示部(36f)と、
    前記エネルギー抑制可能量に基づいた抑制すべきエネルギー量である要求抑制エネルギー量、を含む抑制要求を、前記エネルギー管理装置から受け付ける抑制要求受付部(36h)と、
    前記エネルギー抑制可能量に基づいて、前記設備機器のエネルギー量の抑制制御を行う抑制制御部(36i)と、
    前記抑制制御の終了後の事後フォロー制御を行うフォロー制御部(36j)と、
    を備え、
    前記抑制制御部は、前記抑制要求受付部が前記抑制要求を受け付けた後、前記要求抑制エネルギー量を抑制するように前記抑制制御を行
    前記事後フォロー制御は、前記抑制制御が終了した第1の設備機器を、所定期間、所定の条件で運転させる制御であり、
    前記設備機器には、空調機(40,40,・・・)が含まれ、
    前記所定の条件は、前記空調機の室外機(41,41,・・・)へ供給される電圧及び電流と、前記室外機に含まれる圧縮機の周波数と、前記空調機の室内機(42,42,・・・)のファンの風量とをそれぞれ許容できる許容最大値で固定し、且つ、設定温度を冷房時においては所定値下げ暖房時においては所定値上げる条件であり、
    前記フォロー制御部は、前記抑制制御を終了した前記空調機である抑制制御終了空調機の前記事後フォロー制御の実行時に、前記抑制制御終了空調機以外の前記空調機、および/又は、前記空調機以外の他の前記設備機器の消費するエネルギー量を抑制する、
    エネルギー制御装置(30)。
  2. エネルギー量の時間帯別の単価を受け付ける受付部(236c)と、
    前記単価に基づいて、前記抑制制御を実行すべき候補時間帯を決定する候補時間帯決定部と、
    をさらに備え、
    前記抑制制御部は、前記候補時間帯に、前記エネルギー抑制可能量を抑制するように前記抑制制御を行う、
    請求項1に記載のエネルギー制御装置。
  3. 前記所定期間は、前記抑制制御の終了時から前記物件の居室内の室内温度が所定温度に達するまでの期間である、
    請求項1又は2に記載のエネルギー制御装置。
  4. ユーザが重視する制御傾向の入力を受け付ける入力部(33,233)と、
    前記制御傾向に対応する複数の条件を記憶する記憶部(35,235)と、
    前記制御傾向に基づき、前記複数の条件から1の条件を選択する選択部(236g)と、
    をさらに備え、
    前記抑制可能量決定部は、前記選択部によって選択された1の条件に基づき、前記エネルギー抑制可能量を決定する、
    請求項2に記載のエネルギー制御装置。
  5. 前記設備機器のユーザの快/不快の情報を記憶する記憶部(35)と、
    前記ユーザの快/不快を決定する快/不快決定部(36l)と、
    前記空調機以外の他の設備である他設備を制御する他設備制御部(36k)と、
    をさらに備え、
    前記他設備制御部(36k)は、前記抑制制御の実行時、又は、前記抑制制御の実行時において前記快/不快決定部(36l)がユーザの不快を決定した時に、前記他設備に含まれる換気設備を停止する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のエネルギー制御装置。
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