JP5621189B2 - 液晶パネルのフォーカス位置決め方法 - Google Patents
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Description
NEC技報、Vol.55,No.2、pp.63−68(2002.2.25)
液晶パネルの移動に伴って、投射映像の投射画素の形状が変化するが、小型化された液晶パネルによる投射画素の変異は微小な上、投射映像が暗くなるため、従来の肉眼の視感度に依存したフォーカス位置検出方法ではフォーカスの画像変異を捕らえることが困難になってきている。さらに、4台のカラーカメラには感度にバラツキがあるところ、投射映像が暗くなってきたことにより、カメラの感度バラツキによるフォーカス調整の誤差が無視できないようになってきている。
本発明は斯かる問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光源と照明照射部間を適切なライトガイドにて連結し、カメラで撮像した画像の輝度設定を適切に行なうことにより、カメラ感度バラツキや肉眼による視感度に依存することのない、プロジェクタの小型化に伴う開口率の低下を補うことができ、ライトバルブの組み立て接合・画質検査時の投射映像の明るさを確保し、ランプ光原による熱の影響を抑制するとともに、ベストフォーカス位置に光軸位置を正確に合わせることができる液晶パネルのフォーカス位置決め装置およびフォーカス位置決め方法を提供する点にある。
(1)光源が出射する光を色分離した後各色毎に少なくとも四つに分割して光ファイバを介して液晶パネルの少なくとも四隅にガイドし、該液晶パネルを透過したL字パターンの光をダイクロイックプリズムを介してスクリーン上に投射する過程と、
(2)4個の撮像カメラを用いて前記スクリーン上に投射された映像の四隅をそれぞれ撮像する過程と、
(3)前記撮像カメラから得られるRGB三色の出力をデジタル値に変換する過程と、
(4)A/D変換された色信号を用いて濃淡画像を生成する過程と、
(5)生成された濃淡画像の輝度データを横方向(X軸方向)および縦方向(Y軸方向)に積分する過程と、
(6)前過程により得られた輝度積分の分散をX軸方向、Y軸方向別に算出する過程と、
(7)前過程により得られたX軸方向の分散とY軸方向の分散との比に基づいてフォーカス指標となるフォーカス値を算出する過程と、
(8)液晶パネルを、液晶パネルの表面に立てた法線方向に所定の距離移動させた後に上記の第(2)の過程から第(7)の過程までを実行することを、液晶パネルが予め設定された範囲内を移動し終わるまで続けた後、第(7)の過程で得られたフォーカス値に基づいてベストフォーカス位置を求める過程と、
(9)ベストフォーカス位置へ液晶パネルを移動・回転させる過程と、
を有することを特徴とする液晶パネルのフォーカス位置決め方法、が提供される。
(1′)光源が出射する光を色分離した後各色毎に少なくとも四つに分割して光ファイバを介して液晶パネルの少なくとも四隅にガイドし、該液晶パネルを透過したベタパターンの光をダイクロイックプリズムを介してスクリーン上に投射する過程と、
(2′)4個の撮像カメラを用いて前記スクリーン上に投射された映像の四隅をそれぞれ撮像する過程と、
(3′)前記撮像カメラから得られるRGB三色の出力をデジタル値に変換する過程と、
(4′)A/D変換された色信号を用いて濃淡画像を生成する過程と、
(5′)生成された濃淡画像の輝度データを横方向(X軸方向)および縦方向(Y軸方向)に積分する過程と、
(6′)前過程により得られた輝度積分の最大値と最小値とをX軸方向、Y軸方向別に求める過程と、
(7′)前過程により得られた輝度積分の最大値と最小値とからフォーカス指標となるフォーカス値を算出する過程と、
(8′)液晶パネルを、液晶パネルの表面に立てた法線方向に所定の距離移動させた後に上記の第(2′)の過程から第(7′)の過程までを実行することを、液晶パネルが予め設定された範囲内を移動し終わるまで続けた後、第(7′)の過程で得られたフォーカス値に基づいてベストフォーカス位置を求める過程と、
(9′)ベストフォーカス位置へ液晶パネルを移動・回転させる過程と、
(1)光源が出射する光を色分離した後各色毎に少なくとも四つに分割して光ファイバを介して液晶パネルの少なくとも四隅にガイドし、該液晶パネルを透過したL字パターンの光をダイクロイックプリズムを介してスクリーン上に投射する過程と、
(2)4個の撮像カメラを用いて前記スクリーン上に投射された映像の四隅をそれぞれ撮像する過程と、
(3)前記撮像カメラから得られるRGB三色の出力をデジタル値に変換する過程と、
(4)A/D変換された色信号を用いて濃淡画像を生成する過程と、
(5)生成された濃淡画像の輝度データを横方向(X軸方向)および縦方向(Y軸方向)に積分する過程と、
(6)前過程により得られた輝度積分の分散をX軸方向、Y軸方向別に算出する過程と、
(7)前過程により得られたX軸方向の分散とY軸方向の分散との比に基づいてフォーカス指標となるフォーカス値を算出する過程と、
(8)液晶パネルを、液晶パネルの表面に立てた法線方向に所定の距離移動させた後に上記の第(2)の過程から第(7)の過程までを実行することを、液晶パネルが予め設定された範囲内を移動し終わるまで続けた後、第(7)の過程で得られたフォーカス値に基づいて複数のベストフォーカス位置を求める過程と、
(9)ベストフォーカス位置へ液晶パネルを移動・回転させる過程と、
を有することを特徴とする液晶パネルのフォーカス位置決め方法、が提供される。
さらに、光ファイバ照明により、偏光素子である液晶パネルに照射される面積、光量が少なくなり放熱、調整・検査時の光による液晶分子の劣化が抑制されるため、製品品質・歩留まりが向上する。
また、撮像画像の光強度をX方向およびY方向に積分して、フォーカス指標を得るための光強度信号を得ているので、プロジェクタの小型化に伴って投射画素の輝度が低下して視認性が劣化しても、自動的にフォーカス調整を行なうことが可能になり、精度の高いフォーカス位置調整を行なうことができる。
また、光ファイバ射出部の直後、つまり液晶パネル直前に偏光板と拡散シートを挿入することで、照明光の集光特性を向上させ照明むらのない均一な光を液晶パネルに照射できるので、画素サイズが微小な場合にもスクリーン投射映像の明るさを確保することができ画質調整時の調整精度を向上させ画素位置ずれを軽減することができる。
図1は、本発明に係るフォーカス調整装置の一実施の形態の構成を示すブロック図であり、図2は、図1に示すカラーCCDカメラの位置関係を示す平面図であり、図3は、図1に示すカラーCCDカメラの位置関係を示す側面図であり、図4は、図1に示すカラーCCDカメラによるスクリーン上の撮像位置を示す図であり、図5は、図1に示す画像認識処理部の構成を示すブロック図であり、図6は、図1に示す6軸ステージ部により移動させる液晶プロジェクタの光学部品の調整光軸と各色毎の液晶パネルとの位置関係を示す図であり、図7は、図2に示す調整用光源出力部5の構成を示すブロック図であり、図8は、図2に示すパネル保持部6と調整用光源出力部5との間の光路の構成を示す図であり、図9は、調整用光源出力部5の調整用光源部21の構成を示す断面図であり、図10と図11は、調整光源出力部からの光束を液晶パネルに供給すると共にパネルを支持するパネル保持部6と光学ユニット1との関係を示す図である。
カラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dは、図2および図3に示すように、投射型表示装置である液晶プロジェクタの投射部を構成する光学ユニット1からスクリーン2のスクリーン投射面に投射された投射映像の4隅を撮像する位置に配置されている。パネル保持部6には光学ユニット1に取り付けられる液晶パネルが保持されており、これに映像信号発生器4が接続されている。後述するように、調整光源出力部5からの光束をライトガイドでパネル保持部6に導入し、パネル保持部6の直前で光分岐器で光束を分岐した後、液晶パネルの検査領域に対応するパネル位置に照射し、映像信号発生器4から提供される単色ラスタースキャン映像に対応して、該当色に対応する液晶パネルに通過させてスクリーン2に単色の投射映像を投射する。
また、光学部ユニット1からの投射映像以外の光を遮光するため、暗幕45により外部からのすべての光を遮断している。
スクリーン2の四隅には、図4に示すように、白色素材パネル2a、2b、2c、2dが貼られている。カラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dは、白色素材パネル2a、2b、2c、2d上の投射映像の4隅が十分収まる位置にそれぞれ設置され、投射された領域の投射映像を撮像する。図4において、カラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dの撮像領域をそれぞれ3a’、3b’、3c’、3d’にて示す。
画像入力部12では、投射映像の4隅に設置されているカラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dにより撮像され、A/D変換されたカラー画像を統合して、各色成分毎の画像データが生成される。
画像メモリ13は、画像入力部12により生成されたR色、G色、B色の画像データを色成分毎に記憶する。画像メモリ13に記憶された画像データは、認識制御部7の画像認識処理部14へ転送される。
濃淡画像生成部16は、画像メモリ13内に色成分毎に記憶された各色成分の画像データの輝度値を用いて被投射面での光強度に近い単色の濃淡画像を生成する。
フォーカス検査エリア生成部17は、スクリーン2の4箇所の撮像位置に対応するカメラ視野位置の画像領域にフォーカス検査エリアを設定する。
輝度投影処理部18は、フォーカス検査エリア生成部17により設定されたフォーカス検査エリア内のX、Y方向別に輝度積分を行い、X、Y方向別の投射画素領域の被投射面での光強度分布を強調して特徴変異を明確化する。
フォーカス演算部19は、投影処理部18で得られたX、Y方向別の輝度積分に基づいてフォーカス位置を特定するためのフォーカス値を計算する。フォーカス値の算出方法については後述する。
フォーカス探索部20は、パネル移動範囲内でパネルをステップ移動させた各位置での各フォーカス検査エリア毎のフォーカス値Fに基づいて、各フォーカス検査エリア毎にフォーカス値Fが最大となるパネル位置を投射映像が最も鮮明になるフォーカス位置として求める。
6軸ステージ部8は、位置制御部15からの指令値に基づいて光学ユニット1の光学部品の取り付け位置を調整する機構であり、図6に示す液晶パネル9a、9b、9cを液晶パネル9a、9b、9cからの光の色合成を行うダイクロイックプリズム10に取り付ける際のパネル位置の調整を行う。
図2、図3に示す構成では、光学ユニット1から投射される映像を直接スクリーン2で受けていたが、光学ユニット1の正面にミラーを配置し、これによる反射光をスクリーン2によって受けるようにしてもよい。このようにすれば、装置の大型化を回避しつつ光学ユニット1−スクリーン2間の距離(投射距離)を大きくとることが可能になる。
次に、図7〜図12を参照して調整用光源の構成について説明する。調整用光源出力部5は、図7に示すように、調整用光源部21と、光ファイバからなるライトガイド22R、22G、22Bと、ファイバ分岐部23R、23G、23Bとから構成される。ファイバ分岐部23R(23G、23B)において5つに分岐された光は、図8に示すように、光ファイバからなるライトガイド24によりパネル保持部6に挿入されたファイバ射出部25へとガイドされ、ファイバ射出部25から射出される。また、調整用光源部21は、図9に示すように、プロジェクタの光源部とほぼ同様な色分離光学系に構成されており、光源ランプ26、光インテグレータ27、偏光変換光学系28、視野レンズ29、全反射ミラー30、33、2枚のダイクロイックミラー31a、31b、リレーレンズ32、3枚のコンデンサーレンズ34R、34G、34B、3箇所のファイバ光入射部35R、35G、35Bを備えている。
前記色分離光学系では、2枚のダイクロイックミラー31a、31bと、全反射ミラー33とを備え、これらのダイクロイックミラー31a、31b、全反射ミラー33によりインテグレータ27から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
次に、本実施の形態の動作について図14を参照して詳細に説明する。図14は、本発明に係るフォーカス位置決め装置の動作を示すフローチャートである。本実施の形態においてフォーカス探索は、粗調整、微調整、超微調整の段階を経て実施されるが、いずれの段階のフォーカス探索も同様のプロセスで行なわれる(ステップA9での動作は異なる)ので、以下の説明は、特に断りのない限り、各調整段階での共通の処理動作であると理解されたい。
予め、ベストフォーカス位置を含むように液晶パネルの移動範囲を決めておき、1ステップずつ液晶パネルを移動させつつ検査を行なう(液晶パネルの移動範囲と1ステップの移動幅は調整の段階が進むにつれて徐々に狭められる)。例えば、ダイクロイックプリズムから最も離れた位置からスタートさせ、1ステップずつダイクロイックプリズムに近づけさせつつ検査を行なう。まず、映像信号発生器4は、液晶プロジェクタ1に単色ラスタースキャン映像を提供し(ステップA1)、液晶プロジェクタは、提供された単色ラスタースキャン映像を該当色に対応する液晶パネル9a、9b、9cのいずれかを通過させてスクリーン2に単色投射映像として投射する(ステップA2)。単色ラスタースキャン映像は、フォーカス調整を行うための映像で、G色を担当する液晶パネル9aのフォーカス調整には、G色の単色ラスタースキャン映像が、R色を担当する液晶パネル9bのフォーカス調整には、R色の単色ラスタースキャン映像が、B色を担当する液晶パネル9cのフォーカス調整には、B色の単色ラスタースキャン映像がそれぞれ用いられる。本実施の形態では、粗調整および微調整時には、ベタパターン(全画面均等表示)が用いられ、超微調整時にはL字パターンが照射される。以下、G色を担当する液晶パネル9aのフォーカス調整を行う例を説明する。
I(x,y)=(m1*R+m2*G+m3*B)/m4
として計算し、モノクロ画像に近い単色の濃淡画像を生成する。ここで、重み付け係数を、例えば、m1 = 28、 m2 = 77、 m3 = 151、 m4 = 256とする。
フォーカス検査エリア生成部17は、図15に示すように、撮像された各画像データ内に例えば13×11画素のフォーカス検査エリアを設定する。フォーカス検査エリアは、スクリーンの4隅を撮像しているカラーCCDカメラの撮像領域3a’、3b’、3c’、3d’に対応させて設定する。濃淡画像内において投射画素の分布は、カメラ視野内のどの位置でもほぼ一定であることから、図15に示すように、フォーカス検査エリアのサイズは、投射画素数が10×10画素程度の範囲に設定している。これは、フォーカス調整のための演算に必要な画素数を最小限して演算回数を軽減することで高速化を実現するためである。
輝度投影処理部18は、フォーカス検査エリア生成部17により設定されたフォーカス検査エリアのX方向、Y方向について方向別に輝度積分を行う。輝度積分を行うことで光量分布の特徴を明瞭に捉えることができる。
次に、フォーカス演算部19により輝度投影処理部18で得られたX、Y方向の輝度積分値の平均値と分散値を計算する(ステップA9)(超微調整の場合)。あるいは、フォーカス演算部19により輝度投影処理部18で得られたX、Y方向の輝度積分値の最大値(Imax)X、(Imax)Yと最小値(Imin)X、(Imin)Yを求める(ステップA9)(粗調整あるいは微調整の場合)。
FX(z)={(Imax)X-(Imin)X}/{(Imax)X+(Imin)X}
FY(z)={(Imax)Y-(Imin)Y}/{(Imax)Y+(Imin)Y}
F(z)={FX(z)+FY(z)}/2
一方、超微調整の場合には、フォーカス値F(z)を例えば−|1−[{σx(z)}÷{σy(z)}]|等により計算する。ここで、σx(z)とσy(z)は輝度積分の分散値である。フォーカス値は、0以上1以下の値をとる(超微調整の場合を除く)特性値であって、(Imax-Imin)/(Imax+Imin)で算出する場合にはベストフォーカス位置に近いほど小さい値となり、−|1−[{σx(z)}÷{σy(z)}]|の場合には、逆にベストフォーカス位置に近いほど大きい値をとる。フォーカス値は、各撮像領域3a'、3b'、3c'、3d'毎に計算される。そして、パネルの位置(Z位置)と共にそのフォーカス値をフォーカス計算部19に記憶しておく。
Za=MAX{F(z)}orMIN{F(z)}
Zb=MAX{F(z)}orMIN{F(z)}
Zc=MAX{F(z)}orMIN{F(z)}
Zd=MAX{F(z)}orMIN{F(z)}
として表すことができる。
図16は、Z軸をベストフォーカス位置を挟んで、パネルをZ軸方向に±50μm移動して撮像した時の図5に示す輝度投影処理部により輝度積分されたX、Yそれぞれの方向の輝度積分値の変化を示す図であり、図17は、図5に示す投影処理部により輝度積分されたX,Y方向の輝度積分値から算出した分散と、Z軸を移動して撮像した時のZ軸位置との関係を示す概念図であり、図18は、図5に示すフォーカス演算部により計算されるフォーカス値とZ軸位置との関係を示す図である。また、図19は、Gの単色を投射しパネルをZ軸方向3μm間隔で移動して撮像した場合に、図5に示す輝度投影処理部18により輝度積分された輝度積分値の分散値等のフォーカス指標とZ軸位置との関係を示す図である。
図16は、上から、−50μm位置、ベストフォーカス位置、+50μm位置での画像と輝度積分値を示している。同図より、ベストフォーカス位置においてX方向,Y方向共に輝度積分値が最小となっていることが分かる。さらに同図より、X方向の輝度積分値については、−50μm位置の方が+50μm位置の輝度積分値より大きくなっている。一方、Y方向の輝度積分値については、−50μm位置の方が+50μm位置の輝度積分値より小さくなっている。
つまり、フォーカス位置を挟んで手前(−方向)からダイクロイックプリズム10方向(+方向)に液晶パネル9cをZ軸に沿って順次移動させた場合に、投射映像パターンの光量変化量の性質は、X方向とY方向とでは、相反する。この性質は、投射レンズに入る光がレンズ中心と周辺部で集光特性、すなわちレンズのタンジェント値が違うため、ベストフォーカス位置でX,Yの集光特性が対称とならないことの反映である。
従って、フォーカス位置を挟んで手前(−方向)からダイクロイックプリズム10方向(+方向)に液晶パネル9cをZ軸に沿って順次移動させた場合のフォーカス値の変化は、図17に示すように、ベストフォーカス位置で相反する性質を有し、フォーカス値F(z)は、例えば前述の計算式で与えられる場合、図18の曲線で示すように、最も投射画像が鮮明となるベストフォーカス位置で最大値となる。
液晶パネル9aは、Z軸の光軸方向に対して、回転、傾き、X、Y方向のあおり角度があり、投射面までの光路長に差が出るため、各フォーカス検査エリア(左上、右上、左下、右下)をカラーCCDカメラ3a、3b、3c、3dでそれぞれ撮像したカラー画像からそれぞれ得られるフォーカス位置Za、Zb、Zc、Zdは、一致しない。従って、フォーカス位置Za、Zb、Zc、Zdから、液晶パネル9aの中心が通る真のフォーカス面位置を見つければ、最終的な液晶パネルのフォーカス位置を探索できる。
Z=(n1×Za+n2×Zb+n3×Zc+n4×Zd)/Σni
と計算され、例えば各光軸方向について重み付けを
n1 = n2 = n3 = n4 = 1
として、各撮像位置でのフォーカス最適位置のフォーカス重心Zを液晶パネルのフォーカス面としてもよい。
フォーカス探索部20は、真のフォーカス位置Zが決まった時の、X軸回り、Y軸回りの回転方向の調整補正量θx、θyを、
Δθx= (±)arcsin[ {(ZA+ZB)-(ZC+ZD)}/2] / Lv
Δθy= (±)arcsin[ {(ZA+ ZC)-(ZB+ZD)}/2] /LH
で計算し(Lv、LHは、液晶パネルの垂直方向の長さと水平方向の長さ)、真のフォーカス位置Zと共に調整補正量Δθx、Δθyを位置制御部15へ指令値として伝達し、位置制御部15は、フォーカス探索部20からの指令値に基づいて6軸ステージ部8により液晶パネル9aの光軸調整を行なう。Δθx、Δθyの符号については、それぞれの符号について調整を行なった後、ステップA1〜A10のフローを行なってそれぞれの場合のフォーカス値を算出して、粗調整および微調整の場合には、フォーカス値が最小となる符号をベストフォーカスとして採用する。粗調整によりおおよそのベストフォーカス位置を検出するすることができたら、続いてフォーカス探索範囲と液晶パネルの1回の移動ステップ幅を狭めて、粗調整と同様の手法で、微調整を行なう。続いて、微調整で得られるおおよそのベストフォーカス位置を検出することができたら、フォーカス探索範囲と液晶パネルの1回の移動ステップ幅を更に狭めて超微調整を行なう。粗調整、微調整、超微調整のいずれかあるいはそれぞれを複数回ずつ行なうようにしてもよい。超微調整までを行ない、最終的に位置合わせに問題がなければ、ダイクロイックプリズム10に液晶パネル9aをUV接合等で固定する。このフォーカス調整をR、G、Bの3枚の液晶パネルについて行なう。
図23は、θx,θyの角度補正量を(−)側の符号で補正した時の自動フォーカス調整終了後のG色投射を行なった際の4つの実画像を合わせたものであり、図24は、図23の撮像画像の右下コーナー付近の投射画素拡大図である。また、図25は、θx,θyの角度補正量を(+)側の符号で補正した時の自動フォーカス調整終了後のG色投射での4つの実画像を合わせたものであり、図26は、図25の撮像画像の右下コーナー付近の投射画素拡大図である。図24を参照すると、(−)側に角度補正を行なった場合には、図26のようなフレアの発生も観察されず、ベストフォーカス位置にパネルが導かれていることが分かる。
また、本実施の形態では、投射型表示装置の光学系の液晶パネルの位置調整について説明したが、液晶パネルをDMD(デジタルミラーデバイス)を用いた光デバイスに置き換えたDLP(デジタルライトプロセッシング)型プロジェクタにおけるDMDの位置調整による投射画像調整にも有効である。
さらに本実施の形態で使用したフオーカス指標は、距離センサーや微小カメラモジュールを搭載したプロジェクタ製品の投射映像の投射レンズによるオートフォーカス調整にも応用可能である。
Claims (8)
- 液晶パネルを透過した光をダイクロイックプリズムを介してスクリーン上に照射して液晶パネルのフォーカス調整を行なう液晶パネルのフォーカス位置決め方法であって、
(1)光源が出射する光を色分離した後各色毎に少なくとも四つに分割して光ファイバを介して液晶パネルの少なくとも四隅にガイドし、該液晶パネルを透過したL字パターンの光をダイクロイックプリズムを介してスクリーン上に投射する過程と、
(2)4個の撮像カメラを用いて前記スクリーン上に投射された映像の四隅をそれぞれ撮像する過程と、
(3)前記撮像カメラから得られるRGB三色の出力をデジタル値に変換する過程と、
(4)A/D変換された色信号を用いて濃淡画像を生成する過程と、
(5)生成された濃淡画像の輝度データを横方向(X軸方向)および縦方向(Y軸方向)に積分する過程と、
(6)前過程により得られた輝度積分の分散をX軸方向、Y軸方向別に算出する過程と、
(7)前過程により得られたX軸方向の分散とY軸方向の分散との比に基づいてフォーカス指標となるフォーカス値を算出する過程と、
(8)液晶パネルを、液晶パネルの表面に立てた法線方向に所定の距離移動させた後に上記の第(2)の過程から第(7)の過程までを実行することを、液晶パネルが予め設定された範囲内を移動し終わるまで続けた後、第(7)の過程で得られたフォーカス値に基づいてベストフォーカス位置を求める過程と、
(9)ベストフォーカス位置へ液晶パネルを移動・回転させる過程と、
を有することを特徴とする液晶パネルのフォーカス位置決め方法。 - 液晶パネルを透過した光をダイクロイックプリズムを介してスクリーン上に照射して液晶パネルのフォーカス調整を行なう液晶パネルのフォーカス位置決め方法であって、
(1′)光源が出射する光を色分離した後各色毎に少なくとも四つに分割して光ファイバを介して液晶パネルの少なくとも四隅にガイドし、該液晶パネルを透過したベタパターンの光をダイクロイックプリズムを介してスクリーン上に投射する過程と、
(2′)4個の撮像カメラを用いて前記スクリーン上に投射された映像の四隅をそれぞれ撮像する過程と、
(3′)前記撮像カメラから得られるRGB三色の出力をデジタル値に変換する過程と、
(4′)A/D変換された色信号を用いて濃淡画像を生成する過程と、
(5′)生成された濃淡画像の輝度データを横方向(X軸方向)および縦方向(Y軸方向)に積分する過程と、
(6′)前過程により得られた輝度積分の最大値と最小値とをX軸方向、Y軸方向別に求める過程と、
(7′)前過程により得られた輝度積分の最大値と最小値とからフォーカス指標となるフォーカス値を算出する過程と、
(8′)液晶パネルを、液晶パネルの表面に立てた法線方向に所定の距離移動させた後に上記の第(2′)の過程から第(7′)の過程までを実行することを、液晶パネルが予め設定された範囲内を移動し終わるまで続けた後、第(7′)の過程で得られたフォーカス値に基づいてベストフォーカス位置を求める過程と、
(9′)ベストフォーカス位置へ液晶パネルを移動・回転させる過程と、
(1)光源が出射する光を色分離した後各色毎に少なくとも四つに分割して光ファイバを介して液晶パネルの少なくとも四隅にガイドし、該液晶パネルを透過したL字パターンの光をダイクロイックプリズムを介してスクリーン上に投射する過程と、
(2)4個の撮像カメラを用いて前記スクリーン上に投射された映像の四隅をそれぞれ撮像する過程と、
(3)前記撮像カメラから得られるRGB三色の出力をデジタル値に変換する過程と、
(4)A/D変換された色信号を用いて濃淡画像を生成する過程と、
(5)生成された濃淡画像の輝度データを横方向(X軸方向)および縦方向(Y軸方向)に積分する過程と、
(6)前過程により得られた輝度積分の分散をX軸方向、Y軸方向別に算出する過程と、
(7)前過程により得られたX軸方向の分散とY軸方向の分散との比に基づいてフォーカス指標となるフォーカス値を算出する過程と、
(8)液晶パネルを、液晶パネルの表面に立てた法線方向に所定の距離移動させた後に上記の第(2)の過程から第(7)の過程までを実行することを、液晶パネルが予め設定された範囲内を移動し終わるまで続けた後、第(7)の過程で得られたフォーカス値に基づいてベストフォーカス位置を求める過程と、
(9)ベストフォーカス位置へ液晶パネルを移動・回転させる過程と、
を有することを特徴とする液晶パネルのフォーカス位置決め方法。 - 第(9′)の過程の終了後、前記設定された範囲を前記ベストフォーカス位置を含む範囲内で縮小し、かつ、前記所定の距離を狭めて再度第(1′)の過程から第(9′)の過程までを実行することを1ないし複数回行なうことを特徴とする請求項2に記載の液晶パネルのフォーカス位置決め方法。
- 第(9)の過程の終了後、前記設定された範囲を前記ベストフォーカス位置を含む範囲内で縮小し、かつ、前記所定の距離を狭めて再度第(1)の過程から第(9)の過程までを実行することを1ないし複数回行なうことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液晶パネルのフォーカス位置決め方法。
- 第(4)または第(4′)の過程においては、下記式に基づいて各点の明るさI(x,y)を算出すること特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液晶パネルのフォーカス位置決め方法。
I(x,y)={m1*R(x,y)+m2*G(x,y)+m3*B(x,y)}/(m1+m2+m3)
但し、m1、m2、m3は定数、R(x,y)、G(x,y)、B(x,y)は、座標(x,y)における各色の強度信号 - 第(9)または第(9′)の過程においては、液晶パネルの4隅のフォーカス位置から、下記式に基づいて、X軸周りの回転ΔθXと、Y軸回りの回転ΔθYの角度回転させてパネル姿勢を補正し、その補正方向の符号を姿勢補正後のフォーカス値に基づいて決定すること特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液晶パネルのフォーカス位置決め方法。
ΔθX= (±)arcsin[ {(ZA+ZB)-(ZC+ZD)}/2] / Lv
ΔθY= (±)arcsin[ {(ZA+ ZC)-(ZB+ZD)}/2] /LH
但し、ZA、ZB、ZC、ZDは、各撮像領域のフォーカス位置、Lv、LHは、液晶パネルの垂直方向の長さと水平方向の長さ - それぞれの符号について、パネル姿勢の補正後に、第(1)から第(7)までの過程、または、第(1′)から第(7′)までの過程を行なってフォーカス値を求めること特徴とする請求項6に記載の液晶パネルのフォーカス位置決め方法。
- 第(1)から第(9)までの過程、または、第(1′)から第(9′)までの過程を実行するのに先立って、または、第(1)から第(9)、または、第(1′)から第(9′)までの過程を実行した後に、各色の液晶パネル同士の位置合わせ(コンバージェンス調整)を行なうこと特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の液晶パネルのフォーカス位置決め方法。
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