JP5619695B2 - Pcb処理設備の活性炭破過モニタリング装置、ガス浄化装置の活性炭破過の予測方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、特許文献3で開示するオンライン分析装置として用いた場合、芳香族化合物を主体に計測することになるため、活性炭破過を瞬時に検知した場合、活性炭破過を事前に予見することは困難である、という問題がある。
図1に示すように、本実施例に係るPCB処理設備の活性炭破過モニタリング装置100Aは、PCB処理設備10から排出ガスラインL1を介して排気される排出ガス101中のPCBを含む有機化合物(例えば炭化水素類、絶縁油、トリクロロベンゼン、イソプロピルアルコール等)を活性炭102Aで浄化するガス浄化装置(浄化装置)103の活性炭破過を予測する活性炭破過モニタリング装置であって、前記排出ガスラインL1から分岐され、排出ガス101の一部101aを分岐する監視用排気ガスラインL2と、前記監視用排気ラインL2に介装され、前記ガス浄化装置103の前記活性炭102Aの充填容積よりも小さい所定容積のモニタ用活性炭102Bを有し、該モニタ用活性炭102Bにより分岐ガス101a中のPCBを吸着・除去する前記監視用浄化装置110と、前記監視用浄化装置110の後流側に設けられ、該監視用浄化装置110から排出されるモニタ排出ガス101b中の脂肪族炭化水素を検出する後流側脂肪族炭化水素検知器112とを具備すると共に、前記モニタ用活性炭102Bに予め脂肪族炭化水素を飽和吸着してなり、前記監視用浄化装置110のモニタ用活性炭102Bに飽和吸着していた脂肪族炭化水素とPCBとを置換吸着させ、置換吸着によりPCBと置換して脱離した脂肪族炭化水素濃度を前記後流側の脂肪族炭化水素検知器112で求め、求めた脂肪族炭化水素濃度からガス浄化装置103の活性炭102Aの破過を予測してなるものである。
このPCB処理設備10から排出される排出ガス101中には、PCBが微量に含まれている場合があるので、PCBを吸着する活性炭102Aを有する浄化装置103が設けられている。
よって、従来では、きわめて尤度の高い設計(破過想定の例えば10倍の量の活性炭を準備するなど)をして対応していたが、本発明により、その破過の予知が可能となり、浄化装置103における入口条件(PCB処理設備10内でのPCB放出量の多寡)のPCB濃度の変化によっても、活性炭の破過を的確に予測することができるものとなる。
この監視用の活性炭102Bには、予め脂肪族炭化水素類(例えばデカン(C10H22))を飽和吸着させておく。
また、飽和吸着された炭化水素の量を予め把握しておく。
ここで、脂肪族炭化水素検知器としては、本発明では特に限定されるものではなく、例えば1)非分散型赤外ガス分析計、2)GC-FID(ガスクロマトグラフ/水素イオン化検出器)装置、3)FT-IR(フーリエ変換赤外分光法)装置、4)四重極型質量分析計等を用いることができる。
また、浄化装置103及び監視用浄化装置110を経由した排出ガス101、101bは、PCBが吸着除去されているので、共にプラント外へ排出される。
よって、飽和吸着されているデカンの量を予め計測し、破過時における置換放出される全量を100として、デカンの積算値を求めて、破過までの推移を求めて、破過に至る前にアラームを発するようにしている。
監視用浄化装置110の監視用の活性炭102Bにデカンを飽和吸着させておき、その飽和吸着量を確認する。
この際、監視用浄化装置110の後流側にて、PCBと置換吸着により放出された脂肪族炭化水素(デカン)の濃度を、後流側の脂肪族炭化水素検知器112で分析する。
この検知の計測時間tは検出精度を向上させるために、短いほうが好ましい。例えば検知時間としては、10分以内に1回、より好適には1分に1回行うのが好ましい。
なお、例えば後流側の脂肪族炭化水素検知器112を用いて、光分析を用いる場合には、波長は3μm程度とするのが好適である。
各分析ごとの濃度にガス流量を乗じた積算値Σ(C)i×Fi×tiを算出する。
なお、ガス流量が一定の場合は、Fをtに置き換えるようにしても良い。
tも常時一定であれば、総計測時間をTとし、T/tとしてもよい。
積算値をプロットする(図2参照)。
図2中、横軸は時間を示し、縦軸は、破過時の積算値ΣCi×Fi×tiを100としたものを示す。
1) 監視用浄化装置110の活性炭102Bに飽和吸着していた脂肪族炭化水素(デカン)とPCBとが置換吸着する。
2)監視用浄化装置110から排出されるモニタ排出ガス101b中のPCBと置換して脱離した脂肪族炭化水素(デカン)の濃度を、前記後流側の脂肪族炭化水素検知器112で求め、その積算値より、所定の脱離脂肪族炭化水素濃度であるか否かを判定する。
3)前記判定工程において、所定閾値以下であれば、そのまま浄化装置での浄化を継続可能と判断し、所定値以上であれば、前記浄化装置103のPCBを吸着・除去する活性炭102Aの交換時期と判断する。
4)例えば破過時の積算値を100とし、この100に対し、例えば50の場合を第1の警報閾値と設定した場合、この50の値を超えた際にプレアラームを発し、75を超えた場合にアラームを発するように設定することで、活性炭破過の検知を確実に予測することができる。
図3に示すように、本実施例に係るPCB処理設備の活性炭破過モニタリング装置100Bは、実施例1に係るPCB処理設備10の活性炭破過モニタリング装置100Aにおいて、さらに、前記監視用浄化装置110の前流側に介装され、該監視用浄化装置110に導入されるモニタ排出ガス101b中の脂肪族炭化水素(例えばデカン)を検出する前流側の脂肪族炭化水素検知器113を有するものである。
しかしながら、PCB処理設備10で使用する薬剤として、脂肪族炭化水素を含むような場合には、排出ガス101中に脂肪族炭化水素の影響があるので、これを除去する必要がある。
ここで、脂肪族炭化水素を含む薬剤としては、例えば「NSクリーン100(商品名)」(JX日鉱日石エネルギー社製)を挙げることができる。
図4に示すように、本実施例に係るPCB処理設備の活性炭破過モニタリング装置100Cは、実施例1に係るPCB処理設備の活性炭破過モニタリング装置100Aにおいて、さらに、前記監視用浄化装置110の後流側に介装され、該監視用浄化装置から排出される芳香族炭化水素(PCBを含む)を検出する芳香族炭化水素検知器115を有するものである。
よって、本実施例では、後流側の脂肪族炭化水素検知器112の後流側に芳香族炭化水素検知器115を設置して、芳香族炭化水素であるPCBを直接検出するようにしている。
例えば蛍光分析装置を芳香族炭化水素検知器115として用いる場合、紫外光(波長:250〜300nm)を照射し、発生した蛍光強度から、芳香族化合物の濃度Ccを求め、芳香族積算値 Σ(Cc)i×Fi×tiを算出する。
そして、予め芳香族量の閾値を設定し、この閾値を超えた場合、活性炭102Aの破過と判断し、活性炭破過のアラームを発報する。
これにより、急激に芳香族成分の吸着が起こった場合、芳香族成分が活性炭より排出されてしまう場合があり、それを検知することができる。これによって破過検知精度が向上する。
そして、芳香族量の閾値を超えた場合、初めて活性炭の破過と確認することができ、まだ十分に吸着できる活性炭102Aを廃棄することによるロスの低減を図ることができる。
図6は、本実施例に係るPCB処理設備の活性炭破過モニタリング装置100Aを用いて、連続してPCB処理設備の浄化を行う様子を示す。
図6に示すように、PCB処理設備からの排出ガスラインL1に2台の第1及び第2浄化装置103−1、103−2を設置しており、この排出ガスラインL1から分岐される監視用排気ラインL2に監視用浄化装置110を1台設置している。
この際、V1及びV2を開とし、バルブV3、V4を閉とする。
そして、第1浄化装置103−1で浄化を行い、活性炭破過モニタリング装置100Aの計測結果より、第1浄化装置103−1の活性炭102Aが破過付近となった場合、第2浄化装置103−2のバルブV3、V4を開き、その後第1浄化装置103−1のバルブV1及びV2を閉鎖し、その後活性炭を交換しておき、次の浄化に備えておく。
すなわち、図7の実施例においては、第1浄化装置103−1の監視を第1活性炭破過モニタリング装置100A−1で監視し、第2浄化装置103−2の監視を第2活性炭破過モニタリング装置100A−2で監視するようにしている。
そして、第1浄化装置103−1を監視する第1活性炭破過モニタリング装置100A−1により破過付近となった場合、前述したように、第2浄化装置103−2へ系統を切替え、この切替と同時に、バルブV5及びV6も切替て、第1活性炭破過モニタリング装置100A−1から第2活性炭破過モニタリング装置100A−2の監視に切替る。
図8は、PCB処理設備の概略を示す図である。
ここでは、PCBを含有する被処理物としてトランスを例にして説明する。
図8に示すように、本実施例にかかるPCB処理設備10は、被処理物であるトランス30からPCB21を液抜きする前処理手段である液抜き手段22と、前処理した後に、トランスを分離、破砕、洗浄等する容器処理システム23と、容器処理システム23から排出される分離品又は洗浄液又は有害物質をそのまま水熱分解処理で処理する有害物質処理手段である水熱酸化分解装置(以下、「水熱分解装置」ともいう)11とを、具備する。
101 排出ガス
102A、102B 活性炭
103 浄化装置
110 監視用浄化装置
101a 分岐ガス
101b モニタ排出ガス
112 後流側脂肪族炭化水素検知器
113 前流側脂肪族炭化水素検知器
115 芳香族炭化水素検知器
Claims (7)
- PCB処理設備から排出ガスラインを介して排気される排出ガス中のPCBを含む有機化合物を活性炭で浄化するガス浄化装置の活性炭破過を予測する活性炭破過モニタリング装置であって、
前記排出ガスラインから分岐され、排出ガスの一部を分岐する監視用排気ガスラインと、
前記監視用排気ガスラインに介装され、前記ガス浄化装置の前記活性炭の充填容積よりも小さい所定容積のモニタ用活性炭を有し、該モニタ用活性炭により分岐ガス中のPCBを吸着・除去する前記監視用浄化装置と、
前記監視用浄化装置の後流側に設けられ、該監視用浄化装置から排出されるモニタ排出ガス中の脂肪族炭化水素を検出する後流側脂肪族炭化水素検知器とを具備すると共に、
前記モニタ用活性炭に予め脂肪族炭化水素を飽和吸着してなり、
前記監視用浄化装置のモニタ用活性炭に飽和吸着していた脂肪族炭化水素とPCBとを置換吸着させ、置換吸着によりPCBと置換して脱離した脂肪族炭化水素濃度を前記後流側の脂肪族炭化水素検知器で求め、求めた脂肪族炭化水素濃度からガス浄化装置の活性炭の破過を予測してなることを特徴とするPCB処理設備の活性炭破過モニタリング装置。 - 請求項1において、
前記監視用浄化装置の前流側に介装され、該監視用浄化装置に導入されるモニタ排出ガス中の脂肪族炭化水素を検出する前流側の脂肪族炭化水素検知器を有することを特徴とするPCB処理設備の活性炭破過モニタリング装置。 - 請求項1又は2において、
前記監視用浄化装置の後流側に介装され、該監視用浄化装置から排出されるPCBを検出する芳香族炭化水素検知器を有することを特徴とするPCB処理設備の活性炭破過モニタリング装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一つのPCB処理設備の活性炭破過モニタリング装置を用い、
監視用浄化装置のモニタ用活性炭に飽和吸着していた脂肪族炭化水素とPCBとが置換吸着する工程と、
監視用浄化装置から排出される排出ガス中のPCBと置換して脱離した脂肪族炭化水素濃度を前記後流側の脂肪族炭化水素検知器で求め、その積算値より、所定の脱離脂肪族炭化水素濃度であるか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程において、所定閾値以下であれば、そのまま浄化装置での浄化を継続可能と判断し、所定値以上であれば、前記浄化装置のPCBを吸着・除去する活性炭の交換時期と判断する判断工程とを含むことを特徴とするPCB処理設備のガス浄化装置の活性炭破過の予測方法。 - 請求項4において、
前記判定工程は、
前記前流側の脂肪族炭化水素検知器で求めたモニタ排出ガス中の脂肪族炭化水素を求め、後流側の脂肪族炭化水素検知器で求めた値より減じ、積算することを特徴とするPCB処理設備のガス浄化装置の活性炭破過の予測方法。 - 請求項4又は5において、
前記判断工程は、
前記監視用浄化装置から排出されるPCBを検出し、所定閾値に達成した場合、前記ガス浄化装置のPCBを吸着・除去する活性炭の交換時期と判断することを特徴とするPCB処理設備のガス浄化装置の活性炭破過の予測方法。 - PCB処理設備から排気される排出ガス中のPCBを含む有機化合物を活性炭で浄化するガス浄化装置と、
請求項1乃至3のいずれか一つのPCB処理設備の活性炭破過モニタリング装置とを具備することを特徴とするPCB処理設備のガス浄化設備。
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