以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の外観斜視図である。また、図2は、画像形成装置1の内部断面図である。図1および図2に示される画像形成装置1は、いわゆるモノクロ複合機であるが、他の実施形態において、画像形成装置は、カラー複合機、カラープリンター、ファクシミリ装置など、トナー画像をシートに形成するための他の装置であってもよい。尚、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置の原理を何ら限定するものではない。また、以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパーや画像形成処理を受ける他のシート材料或いは画像形成処理以外の任意の処理を受けるシート材料を意味する。
画像形成装置1は、略直方体形状の主筐体2を含む。主筐体2は、略直方体形状の下部筐体21と、下部筐体21の上方に配設される略直方体形状の上部筐体22と、下部筐体21と上部筐体22とを連結する連結筐体23とを含む。連結筐体23は、主筐体2の右縁及び背面縁に沿って延びる。下部筐体21、上部筐体22及び連結筐体23で囲まれる排出空間24に印刷処理が施与されたシートが排出される。特に、本実施形態では、下部筐体21の上面部に配置された排紙部241、および排紙部241の上方に配置される排紙トレイ242(図2)に、シートが排紙される。
上部筐体22の正面方向に配置される操作部221は、例えば、LCDタッチパネル222を含む。操作部221は、画像形成処理に関する情報を入力可能に形成される。使用者は、例えば、LCDタッチパネル222を通じて、印刷されるシートの枚数等を入力したり、印刷濃度等を入力したりすることができる。上部筐体22内には、主に原稿の画像を読み取るための機器や画像形成装置1の全体の制御を司る電子回路が収容される。
上部筐体22の上に配設される押さえカバー223は、原稿を押さえるために用いられる。押さえカバー223は、上部筐体22に上下に回動可能に取り付けられる。使用者は、押さえカバー223を上方に回動させ、上部筐体22上に原稿を載置する。その後、使用者は操作部221を操作して、原稿の画像を上部筐体22内に配設された機器に読み取らせることができる。
下部筐体21の右側面には、手差トレイ240(図2)が配設される。手差トレイ240は、下端240Aを支点として、上端240B側が上下に回動可能である。手差トレイ240が下方に回動され、手差トレイ240が下部筐体21の右方に突出する位置にあるとき、ユーザーは手差トレイ240上にシートを載置可能である。手差トレイ240上のシートは、操作部221を通じてユーザーによって入力された指示に基づき、下部筐体21内に引き込まれた後、画像形成処理を施与され、排出空間24へ排出される。また、下部筐体21の内部には、後記の各種装置が配置される内部空間Sが形成される(図2)。
画像形成装置1は、内部空間Sに、カセット110と、給紙部11と、第2給紙ローラー114と、レジストローラー対116と、画像形成部120とを備える。給紙部11は、ピックアップローラー112と、第1給紙ローラー113と、を備える。給紙部11は、シート搬送路PPにシートPを送り出す。シート搬送路PPは、給紙部11から、レジストローラー対116を介して、画像形成部120内に配設された転写位置TPを通過するように配設された搬送路である。
カセット110は、内部にシートPを収容する。カセット110は、下部筐体21から正面方向(図1の紙面手前方向)に引出可能である。カセット110内に収容されたシートPは、下部筐体21内で上方に送り出される。その後、シートPは、操作部221を通じて使用者によって入力された指示に基づき、下部筐体21内で画像形成処理を施与され、排出空間24へ排出される。カセット110は、シートPを支持するリフト板111を備える。リフト板111は、シートPの先頭縁を上方に押し上げるように傾斜する。
ピックアップローラー112は、リフト板111によって上方に押し上げられたシートPの先頭縁上に配置される。ピックアップローラー112が回転すると、シートPはカセット110から引き出される。
第1給紙ローラー113は、ピックアップローラー112のシート搬送方向下流側に配設される。第1給紙ローラー113は、シートPを更にシート搬送方向の下流側に送り出す。第2給紙ローラー114は、手差しトレイ240の下端240Aの内側に配設される。第2給紙ローラー114は、手差トレイ240上のシートPを下部筐体21内に搬送する。使用者は、カセット110に収容されたシートP、または手差トレイ240の上に載置されたシートPを選択的に使用することができる。
レジストローラー対116は、シート搬送方向と直交する方向のシートの位置を規定する。これにより、シートP上に形成される画像の位置が調整される。レジストローラー対116は、ローラー間にニップ部を形成する。レジストローラー対116は、画像形成部120において、シートPにトナー画像が転写されるタイミングに合わせて、シートPを画像形成部120に搬送する。また、レジストローラー対116は、シートPの斜行(スキュー)を補正する機能を備える。
画像形成部120は、感光体ドラム121と、帯電器122と、露光装置123と、現像装置124と、トナーコンテナ125と、転写ローラー126と、クリーニング装置35と、除電器50と、を備える。なお、感光体ドラム121と、帯電器122と、クリーニング装置35とは、後記のドラムユニット31Hに一体的に配置される。
感光体ドラム121は、円筒体の形状を有する。感光体ドラム121は、周面に静電潜像が形成されるとともに、該静電潜像に応じたトナー画像を担持する。
帯電器122は、所定の電圧が印加され、感光体ドラム121の周面を略一様に帯電させる。露光装置123は、帯電器122によって帯電された感光体ドラム121の周面に、レーザー光を照射する。該レーザー光は、画像形成装置1に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータといった外部装置(図示せず)から出力された画像データに従って、照射される。この結果、感光体ドラム121の周面には、画像データに対応する静電潜像が形成される。
現像装置124は、静電潜像が形成された感光体ドラム121の周面にトナーを供給する。トナーコンテナ125は、現像装置124へトナーを供給する。トナーコンテナ125は、現像装置124に順次又は必要に応じてトナーを供給する。現像装置124がトナーを感光体ドラム121に供給すると、感光体ドラム121の周面に形成された静電潜像が現像(可視化)される。この結果、感光体ドラム121の周面に、トナー画像が形成されることとなる。現像装置は、周面にトナーを担持する現像ローラー124Aを備える。現像ローラー124Aは、現像位置において、感光体ドラム121に対向して配置される。現像ローラー124Aは、回転駆動され、感光体ドラム121にトナーを供給する。
転写ローラー126は、転写位置TPにおいて、感光体ドラム121の周面に対向して配設される。転写ローラー126は、転写位置TPにおいて、感光体ドラム121と同方向に回転駆動される。転写位置TPにおいて、感光体ドラム121の周面に形成されたトナー画像が、シートPに転写される。
クリーニング装置35は、シートPへトナー画像が転写された後に、感光体ドラム121の周面に残るトナーを除去する。除電器50は、クリーニング装置35によって、周面が清浄化された感光体ドラム121に所定の除電光を照射する。この結果、感光体ドラム121の周面の電位が、均一化される。
クリーニング装置35によって、清浄化された後、除電器50によって、除電された感光体ドラム121の周面は、再度、帯電器122の下方を通過し、一様に帯電される。その後、上述のトナー画像の形成が新たに行われる。
画像形成装置1は、画像形成部120よりも搬送方向下流側に、シートP上のトナー画像を定着させる定着装置130を更に備える。定着装置130は、シートP上のトナーを溶融させる加熱ローラー131と、シートPを加熱ローラー131に密着させる圧力ローラー132と、を備える。シートPが加熱ローラー131と圧力ローラー132との間を通過すると、トナー画像は、シートPに定着される。
画像形成装置1は、定着装置130の下流に配設された搬送ローラー対133と、搬送ローラー対133の下流に配設された切り替え部70と、下排出ローラー134と、上排出ローラー135と、を更に備える。搬送ローラー対133は、定着装置130によって、定着処理が施されたシートPを、シート搬送方向下流側に搬送する。切り替え部70は、搬送ローラー対133のシート搬送方向下流側において、シートPの搬送方向を切り替える機能を備える。下排出ローラー134は、切り替え部70の左方に配置され、搬送ローラー対133によって搬送されたシートPを、排紙部241に排出する。上排出ローラー135は、下排出ローラー134の上方に配置され、搬送ローラー対133によって搬送されたシートPを、排紙部241の上方に装着された排紙トレイ242に排出する。
次に、図3乃至図8を参照して、本実施形態に係るドラムユニット31Hの構造に加え、ドラムユニット31Hが、下部筐体21の内部空間Sに装着される態様について説明する。図3は、本実施形態に係るドラムユニット31Hと、下部筐体21の内部空間Sに固定されたドラムユニットレール200(レール部材)との位置関係を示す断面図である。特に、図3(A)は、ドラムユニットレール200の断面図であり、図3(C)は、ドラムユニット31Hの断面図であり、図3(B)は、ドラムユニットレール200にドラムユニット31Hが装着される過程を示す断面図である。また、図4は、ドラムユニットレール200の斜視図である。更に、図5は、ドラムユニットレール200に固定される除電器ホルダ203の斜視図であり、図6は、除電器ホルダ203に搭載される除電器50の斜視図である。更に、図7は、ドラムユニット31Hの斜視図であり、図8は、ドラムユニット31Hの拡大斜視図である。
図3(C)を参照して、ドラムユニット31Hは、感光体ドラム121と、帯電器122と、クリーニング装置35と、を備える。ドラムユニット31Hは、前後方向の両端部に、ユニット前壁31Fおよびユニット後壁31Rを備える。ユニット前壁31Fおよびユニット後壁31Rは、前後方向に面する一対の側板である。ユニット前壁31Fおよびユニット後壁31Rによって、感光体ドラム121が回転可能に支持される。また、ユニット前壁31Fおよびユニット後壁31Rによって、帯電器122およびクリーニング装置35が、感光体ドラム121に対向して、支持される。
感光体ドラム121は、図3(C)において、矢印DP方向に回転駆動される。感光体ドラム121は、回転軸121Aと、回転軸121A回りに回転する円筒面121Bと、を備える。円筒面121Bには、静電潜像が形成されるとともに、該静電潜像に応じたトナー像が円筒面121Bに担持される。感光体ドラム121としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。
また、ドラムユニット31Hは、前記ユニット前壁31Fおよびユニット後壁31Rに配設される固定部(不図示)を備える。ドラムユニット31Hが、画像形成装置1の下部筐体21に装着された際に、前記固定部が、画像形成装置1の下部筐体21に固定される。この結果、画像形成装置1において、ドラムユニット31Hの位置が固定される。前記固定部は、スクリューが締結される締結用穴などから構成される。
帯電器122は、感光体ドラム121よりも、左側に配置される。帯電器122は、帯電ローラー122Aと、クリーニングローラー122Bと、帯電ハウジング122Hとを備える。帯電ハウジング122Hは、感光体ドラム121の回転軸121Aと直交する断面視において、感光体ドラム121に向かって開口される略コの字型の形状を有する。帯電ハウジング122Hの上側は、帯電器上壁122Tによって画定される。なお、図3では、帯電ハウジング122Hの下側の壁部は現れていない。帯電ハウジング122Hの中に、帯電ローラー122Aおよびクリーニングローラー122Bが、それぞれ回転可能に支持される。帯電ハウジング122Hは、ドラムユニット31Hの一部を構成する。
帯電ローラー122Aは、表面がゴム材料から構成されるロール部材である。帯電ローラー122Aには、不図示のバイアス印加手段から、帯電電圧が印加される。帯電ローラー122Aは、感光体ドラム121の円筒面121Bに当接することで、感光体ドラム121に従動しながら回転される。帯電電圧が印加された帯電ローラー122Aによって、感光体ドラム121の円筒面121Bが一様に帯電される。
クリーニングローラー122Bは、帯電ローラー122Aに当接し、帯電ローラー122Aと線速差をもって回転する。クリーニングローラー122Bは導電性ナイロンの繊維で形成されたブラシローラーである。帯電ローラー122Aが、感光体ドラム121の円筒面121Bに当接することによって、帯電ローラー122Aの表面にトナーや異物などが付着する。クリーニングローラー122Bが、帯電ローラー122Aに接触しながら、線速差をもって回転されることによって、帯電ローラー122Aの表面に付着したトナー、異物などが、好適に除去される。
クリーニング装置35は、感光体ドラム121の上方に配置される。クリーニング装置35は、クリーナーハウジング35Hと、クリーニングブレード351と、搬送スクリュー352と、研磨ローラー353と、を備える。
クリーナーハウジング35Hは、クリーニング装置35内の各部材を支持する筐体である。クリーナーハウジング35Hは、ドラムユニット31Hの一部を構成する。クリーニング装置35は、感光体ドラム121および帯電ローラー122Aを上方で覆うように配置される。特に、クリーナーハウジング35Hの左側部分は、帯電ローラー122Aの上方に配置される。また、感光体ドラム121の回転軸121Aと直交する断面視において、クリーナーハウジング35Hの左右方向の中央部は、搬送スクリュー352を囲み、上方に向かって円弧状に突出した形状を備える。
クリーニングブレード351は、クリーナーハウジング35Hの左側の底部に沿って、水平方向に対して所定の角度をもって延設される。クリーニングブレード351は、ゴム材料から構成される板状部材である。クリーニングブレード351の先端は自由端とされ、感光体ドラム121の円筒面121Bに当接される。クリーニングブレード351の前記先端によって、感光体ドラム121の円筒面121B上に残留(付着)したトナーが除去される。
搬送スクリュー352は、クリーニングブレード351の上方において、クリーナーハウジング35Hに回転可能に支持される。搬送スクリュー352は、軸部と、該軸部周りに配設されたスパイラル状の羽根部材と、を備える。搬送スクリュー352は、クリーニングブレード351によって掻き取られ、クリーニングブレード351上に堆積した回収トナーを感光体ドラム121の回転軸121Aの軸方向に搬送する。
研磨ローラー353は、搬送スクリュー352の右側下方部分に配設される。研磨ローラー353は、感光体ドラム121の回転軸121Aよりも上方の円筒面121Bに当接する周面を備える。研磨ローラー353は、周面が粗面化処理されたゴムローラーである。研磨ローラー353は、感光体ドラム121の円筒面121Bに当接しながら、感光体ドラム121に従動して回転される。研磨ローラー353は、感光体ドラム121の円筒面121Bに付着したトナーを回収する。また、研磨ローラー353は、感光体ドラム121の円筒面121Bに付着した放電生成物などの付着物を、研磨する。この際、研磨ローラー353の周面に、所定量のトナーが付着することによって、前記放電生成物の除去性能(研磨性能)が向上される。
図3(C)および図7、図8を参照して、ドラムユニット31Hは、更に、右挿入片310および左挿入片311を備える。右挿入片310および左挿入片311は、ドラムユニット31Hが、下部筐体21の内部空間Sに挿入される際に、後記のドラムユニットレール200と係合される。
右挿入片310は、クリーナーハウジング35Hの上方において、前後方向に延設される壁部である(図7参照)。図3(C)を参照して、右挿入片310は、感光体ドラム121の回転軸121Aと直交する断面視において、クリーナーハウジング35Hから、上方に向かって突設される。更に、右挿入片310の先端部310P(第1被ガイド部)は、右挿入片310の先端側が、右方に向かって屈曲されて、形成される。換言すれば、右挿入片310の先端部310Pは、右方向(第1の方向)に向かって突設される。そして、先端部310Pのうち、鉛直下方に面する部分には、右当接部310Aが配置される。右当接部310Aは、後記のドラムユニットレール200の右支持部201Aと当接される。また、右当接部310Aの後側には、右突起部310Bが連設される。右突起部310Bは、右当接部310Aの後端部が、僅かに下方に突出されることで形成される。
左挿入片311(第2被ガイド部)は、右挿入片310と同様に、クリーナーハウジング35Hの上方において、前後方向に延設される壁部である(図7参照)。図3(C)を参照して、左挿入片311は、クリーナーハウジング35Hの左側端部において、左方(第2の方向)に向かって、突設される。詳しくは、左挿入片311は、左方、かつ、僅かに上方に傾斜して、突設される。換言すれば、左挿入片311は、右挿入片310の先端部310Pが突設される方向とは、略反対の方向に向かって突設される。左挿入片311の下面部には、左当接部311Aが配置される。左当接部311Aは、後記のドラムユニットレール200の当接面203Pと当接される。また、左当接部311Aの左側の先端部には、左立壁311Bが連設される。左立壁311Bは、左当接部311Aと交差して、僅かな高さをもって、鉛直方向に立設される壁部である。
本実施形態では、帯電器122が、左挿入片311の下方に配置される。そして、左挿入片311と帯電器122との間には、後記のとおり、除電器50が配置されるための収容空間50Sが形成される。
更に、ドラムユニット31Hは、清掃ブラシ90を備える。清掃ブラシ90は、左挿入片311と、帯電器122との間であって、前記収容空間50Sの後側に配置される(図7、図8)。清掃ブラシ90は、ユニット後壁31Rの外壁部分において、感光体ドラム121から離れる方向に向かって、延伸される複数のブラシからなる。清掃ブラシ90は、略矩形形状からなるシートに、前記複数のブラシが植毛されて形成される。
次に、図3(A)および、図4乃至図6を参照して、本実施形態に係るドラムユニットレール200(レール部材)について、説明する。ドラムユニットレール200は、下部筐体21の内部空間Sにおいて、感光体ドラム121の回転軸121Aの軸方向に延設される。ドラムユニットレール200は、ドラムユニット31Hの装着時に、ドラムユニット31Hを前記軸方向に案内する。ドラムユニットレール200は、上下および左右方向の断面視(感光体ドラム121の回転軸121Aと直交する断面視)において、鉛直下方に向かって開口される略コの字形状を備える。ドラムユニットレール200は、板金部材が屈曲されることで形成される。
ドラムユニットレール200は、上面部200Aと、前プレート200Fと、後プレート200Rと、後固定部200Lと、右レール部201(第1ガイド部)と、左レール部202と、除電器ホルダ203(第2ガイド部)と、を備える。
上面部200Aは、ドラムユニットレール200の本体部分であり、左右方向に所定の幅をもって、前後方向に延伸される。
前プレート200Fは、上面部200Aの前側端部において、上方に向かって立設される壁部である。前プレート200Fには、複数の孔部が形成され、前記孔部に挿通された不図示のスクリューが、下部筐体21の不図示のフレームに締結される。
後プレート200Rは、上面部200Aの後側端部において、下方に向かって立設される壁部である。前プレート200Fと同様に、後プレート200Rにも、固定用スクリューが挿通される孔部が配置される。また上面部200Aの後側端部であって、左側部分には、、後プレート200Rに対向して、後固定部200L(図3(A))が配置される。後固定部200Lの中央部には、開口部が形成され、下部筐体21の不図示のフレームから突設された位置決め用のスタッドが挿入される。
右レール部201は、上面部200Aの右側端部において、下方に向かって突設される壁部である。右レール部201は、前後方向に沿って延設される。右レール部201の下側端部には、右支持部201Aが連設される。右支持部201Aは、右レール部201の下側端部から、左方向に向かって突設された壁部である。右支持部201Aは、ドラムユニット31Hの右挿入片310の先端部310Pに、上下方向において対向して配置される。また、右支持部201Aの後側端部には、右段差部201Bが配置される。右段差部201Bは、右支持部201Aの後側端部が、下方に段差をもって屈曲されることで形成される(図4)。
左レール部202は、上面部200Aの左側端部において、下方に向かって突設される壁部である。左レール部202は、前後方向に沿って延設される。また、左レール部202は、右レール部201に対向して配置される。
除電器ホルダ203は、左レール部202の下側端部に固定される。除電器ホルダ203は、前後方向に沿って延設される。図3(A)および図5を参照して、除電器ホルダ203は、当接面203P(接触面)と、除電器支持面203D(支持面)と、ホルダ前壁203Eと、ホルダ後壁203Fと、を備える。
当接面203Pは、除電器ホルダ203のうち、上方に向かって面される壁面である。当接面203Pは、左レール部202から右方向に向かって延設される。当接面203Pは、ホルダ上面部203Aと、ホルダ傾斜部203Bと、ホルダ屈曲部203Cと、を備える。ホルダ上面部203Aは、除電器ホルダ203の上端において、水平方向に延設される壁部である。ホルダ上面部203Aは、左レール部202に連設される。ホルダ傾斜部203Bは、ホルダ上面部203Aの右側端部に、所定の角度をもって連設される壁部である。ホルダ傾斜部203Bは、左レール部202から離れるにしたがって、下方に向かって傾斜した傾斜面である。ホルダ屈曲部203Cは、ホルダ上面部203Aとホルダ傾斜部203Bとの間であって、前後方向に延伸される稜部分である。除電器支持面203Dは、ホルダ傾斜部203Bと交差するように、ホルダ傾斜部203Bに連設される壁部である。除電器支持面203Dは、鉛直下方側に向かって面される。ドラムユニット31Hが、ドラムユニットレール200を介して、下部筐体21の内部空間Sに装着された状態において、除電器支持面203Dは、感光体ドラム121の円筒面121Bに対向するように配置される。また、ホルダ前壁203Eおよびホルダ後壁203Fは、除電器支持面203Dの前後方向の端部において、除電器支持面203Dと交差する方向に向かって、それぞれ立設される壁部である(図5)。
除電器ホルダ203は、除電器支持面203Dに、前述の除電器50を備える。除電器50は、前後方向に延設される板状の基板502と、基板502上において、前後方向に間隔をおいて配置される複数のLED501とを備える。基板502には、LED501を駆動させるための、電気回路が配置される。LED501は、所定の駆動電流が流入されることで、除電光を発光する。基板502のうち、LED501が配置される面とは反対側の面が、除電器ホルダ203の除電器支持面203Dに固定される。この結果、LED501を搭載した除電器50が、除電器ホルダ203に支持される。ドラムユニット31Hが、ドラムユニットレール200を介して、下部筐体21の内部空間Sに装着された状態において、除電器50のLED501は、感光体ドラム121の円筒面121Bに対向するように配置される。なお、この際、除電器50のLED501は、除電器ホルダ203の当接面203Pよりも、感光体ドラム121の円筒面121Bに近い位置に配置される。
次に、図3および図9、図10を参照して、下部筐体21の内部空間Sにドラムユニット31Hが装着される態様を詳述する。図9および図10は、ドラムユニットレール200を介して、ドラムユニット31Hが、内部空間Sに装着される様子を示した斜視図である。図9は、後方かつ下方から見た斜視図であり、図10は、前方かつ上方から見た斜視図である。作業者は、ドラムユニット31Hのユニット前壁31Fに配置された不図示のハンドル部を把持して、ドラムユニット31Hを、後方向(ドラムユニット31Hの挿入方向)に向かって、内部空間Sに挿入する。この際、ドラムユニット31Hの右挿入片310が、ドラムユニットレール200の右レール部201に係合される。詳しくは、ドラムユニット31Hの右挿入片310の右当接部310Aが、ドラムユニットレール200の右レール部201の右支持部201Aに当接される。同様に、ドラムユニット31Hの左挿入片311が、ドラムユニットレール200の除電器ホルダ203に係合される。詳しくは、ドラムユニット31Hの左挿入片311の左当接部311Aが、除電器ホルダ203の当接面203Pに当接される。なお、左挿入片311の左当接部311Aは、当接面203Pのうち、主に、ホルダ屈曲部203Cに当接される。この結果、ドラムユニット31Hのうち、左挿入片311と帯電器122の帯電器上壁122Tとの間に形成される収容空間50Sに、除電器ホルダ203に搭載された除電器50が配置される。
ドラムユニット31Hの右挿入片310の先端部310Pおよび左挿入片311が、ドラムユニットレール200の右レール部201および除電器ホルダ203に、ドラムユニット31Hの自重によって当接されながら、ドラムユニット31Hが、下部筐体21の奥側(後側)に向かって、挿入される。この際、ドラムユニット31Hのユニット後壁31Rに配置される清掃ブラシ90(図7、図8)が、除電器50のLED501の表面に摺擦される(図3(B)、図9)。すなわち、清掃ブラシ90は、ドラムユニット31Hの内部空間Sへの装着に伴って、除電器50のLED501を清掃する。
更に、ドラムユニット31Hが内部空間Sの奥側に挿入されると、ドラムユニット31Hの右突起部310B(図3(C))が、ドラムユニットレール200の右段差部201B(図4)に係合される。この結果、ドラムユニット31Hの内部空間Sへの装着が完了する。この際、除電器ホルダ203のホルダ後壁203Fよりも、後側に形成されたブラシ退避部203Sに、清掃ブラシ90が配置される。このため、上下および左右方向の断面視において、除電器50のLED501に、清掃ブラシ90が対向することがない。したがって、LED501から照射される除電光を、清掃ブラシ90が遮ることが抑止される。なお、ブラシ退避部203Sを画定する壁のうち、除電器支持面203D(図3)と平行に配置される対向面203Tは、基板502のLED501が搭載される面よりも、感光体ドラム121から遠い位置に配置される。換言すれば、ブラシ退避部203Sに配置された清掃ブラシ90のブラシ先端と、対向面203Tとの間には、空間が形成される。この結果、ブラシ退避部203Sにおいて、清掃ブラシ90の先端部が、長期間、対向部203Tに接触し、ブラシの毛倒れが生じることが抑止される。
図3を参照して、ドラムユニット31Hの内部空間Sへの装着が完了した状態において、ドラムユニット31Hの帯電器122と、クリーニング装置35との間に、除電器50の除電光の光路50Lが形成される。より詳しくは、光路50Lは、クリーニング装置35の下面であって、クリーニングブレード351が延設される面と、帯電器122の帯電器上壁122Tとの間に、形成される。
以上、上記の実施形態によれば、感光体ドラム121は、回転軸121Aと、回転軸121Aまわりに回転駆動される円筒面121Bとを備え、円筒面121Bに画像を担持する。また、ドラムユニット31Hは、感光体ドラム121を一体的に支持しながら、下部筐体21の内部空間Sに、回転軸121Aの軸方向に挿入された後、下部筐体21の内部空間Sに装着される。ドラムユニットレール200は、内部空間Sにおいて軸方向に延設され、ドラムユニット31Hの装着時に、ドラムユニット31Hを軸方向に案内する。そして、感光体ドラム121の円筒面121Bに、除電光を照射する除電器50は、ドラムユニットレール200に固定される。このため、ドラムユニット31Hに除電器50が配置される場合と比較して、ドラムユニット31Hのコストが低減される。また、ドラムユニット31Hを案内するドラムユニットレール200に、除電器50が固定されるため、除電器50が感光体ドラム121に近接して配置されるとともに、除電器50と感光体ドラム121との間の位置精度が好適に維持される。また、ドラムユニット31Hに除電器50が固定されないため、除電器50から発せられる熱が、ドラムユニット31Hの内部に滞留することが抑制される。
また、上記の実施形態によれば、感光体ドラム121の軸方向と交差する断面視において、ドラムユニット31Hは、右方向(第1の方向)に向かって突設される右挿入片310の先端部310Pと、左方向(第2の方向)に向かって突設される左挿入片311と、を備える。また、ドラムユニットレール200は、右挿入片310に対向して配置される右レール部201と、左挿入片311に対向して配置される除電器ホルダ203と、を備える。そして、右挿入片310および左挿入片311が、右レール部201および除電器ホルダ203に係合されながら、ドラムユニット31Hが、内部空間Sに装着される。この際、除電器50は、ドラムユニットレール200の除電器ホルダ203に配置される。このため、ドラムユニット31Hとドラムユニットレール200とが係合する部分に除電器50が配置され、除電器50とドラムユニット31H内の感光体ドラム121との位置精度が好適に維持される。
また、上記の実施形態によれば、右挿入片310の先端部310Pおよび左挿入片311は、右レール部201および除電器ホルダ203に、ドラムユニット31Hの自重によって当接される。このため、ドラムユニット31Hの自重によって、ドラムユニット31Hがドラムユニットレール200に安定して保持される。
また、上記の実施形態によれば、ドラムユニット31Hは、左挿入片311の下方に配置され、かつ、感光体ドラム121の円筒面121Bを帯電させる帯電器122を備える。そして。除電器50は、除電器ホルダ203に配置され、かつ、ドラムユニット31Hの左挿入片311と帯電器122との間に配置される。このため、ドラムユニット31Hの左挿入片311と帯電器122との間の領域を利用して、除電器50が感光体ドラム121に対向して配置される。
また、上記の実施形態によれば、除電器50は、除電器ホルダ203のうち、左挿入片311に当接される領域よりも、感光体ドラム121の円筒面121Bに近い位置に配置される。このため、除電器50が、感光体ドラム121の円筒面121Bに、より近い位置に配置される。この結果、除電器50と感光体ドラム121の円筒面121Bとの位置精度が好適に維持される。また、除電器50から照射される除電光が、感光体ドラム121の円筒面121Bに安定して照射される。
また、上記の実施形態によれば、ドラムユニット31Hが下部筐体21の内部空間Sに装着される度に、清掃ブラシ90によって、除電器50が清掃される。ドラムユニット31Hの脱着に伴い、下部筐体21の内部空間Sに、埃などが流入され、除電器50に付着した場合であっても、前記埃などが清掃ブラシ90によって取り除かれる。このため、ドラムユニット31Hの装着後、感光体ドラム121の円筒面121Bに、除電器50から除電光が安定して照射される。
また、上記の実施形態によれば、清掃ブラシ90は、ドラムユニット31Hにおいて、ドラムユニット31Hが内部空間Sに挿入される方向の下流側端部に配置される。また、清掃ブラシ90は、ドラムユニット31Hが内部空間Sに装着された状態において、除電器50よりも、前記挿入方向の下流側に配置される。このため、ドラムユニット31Hが内部空間Sに挿入されることに伴って、清掃ブラシ90は、除電器50を軸方向に沿って清掃する。更に、ドラムユニット31Hが内部空間Sに装着されると、清掃ブラシ90が、除電器50よりも、挿入方向下流側に配置されるため、清掃ブラシ90が、除電器50の除電光の照射を遮ることがない。
また、上記の実施形態によれば、除電器50は、感光体ドラム121の軸方向に間隔をおいて配置される複数のLED501と、前記複数のLED501を支持する基板502と、を備える。そして、除電器ホルダ203は、前記除電器50の基板502を支持する。このため、除電器ホルダ203が、除電器50の基板502を支持する機能と、ドラムユニット31Hを軸方向に案内する機能と、を兼ねることが可能となる。
また、上記の実施形態によれば、除電器ホルダ203は、感光体ドラム121の軸方向と交差する断面視において、鉛直方向上方側に向かって面され、左挿入片311と接触する当接面203Pを備える。また、除電器ホルダ203は、鉛直方向下方側に向かって面され、除電器50の基板502を支持する除電器支持面203Dと、を備える。すなわち、ドラムユニット31Hの左挿入片311と摺擦される当接面203Pは、上方に向かって面され、除電器50の基板502を支持する除電器支持面203Dは、下方に向かって面される。したがって、当接面203Pが、ドラムユニット31Hを軸方向に案内する際に、除電器支持面203Dに支持される除電器50の基板502に、ドラムユニット31Hの自重による負荷がかかりにくい。
以上、本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記の実施形態では、除電器50は、LED501と基板502とから構成される態様にて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。除電器50は、他の発光手段から構成されるものであってもよい。
(2)更に、上記の実施形態では、右挿入片310の先端部310Pおよび左挿入片311は、それぞれ、右方および左方に向かって突設される態様にて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。これらのドラムユニット31Hの被ガイド部分は、他の方向に向かって配置されるものであってもよい。