JP5616032B2 - 摺動部材用高力黄銅鋳物および摺動部材 - Google Patents

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Description

本発明は、耐摩耗性に優れた高力黄銅合金に係り、特に、すべり軸受やすべり板等の摺動部材用途に使用されて好適な高力黄銅合金および該高力黄銅合金を使用した摺動部材に関する。
従来から軸受等の摺動用途に使用される高力黄銅合金としては、日本工業規格JISH5120(非特許文献1参照)に規定された高力黄銅鋳物1種〜4種がある。これら高力黄銅合金は、Cu−Zn合金にAl、Fe、Mn等の元素を添加することにより耐海水性、強靭性、耐摩耗性及び硬さを向上させたもので、自動車のトランスミッション機構に用いられるシンクロナイザーリング、一般機械用の歯車、ベアリング(軸受)等の摺動用途に多用されている。
高力黄銅合金では、添加元素の亜鉛当量に従ってα相、β相、α+β相、γ相など様々な母相が出現する。亜鉛当量が低い場合には、α相が出現する。このα相が出現した高力黄銅合金は靭性が優れるものの硬さが低いため、摺動用途に使用した場合においてはアブレッシブ摩耗(ざらつき摩耗)が生じ易くなる。また、亜鉛当量を増加していくとβ相が出現し、さらに亜鉛当量を増加させるとγ相を呈する。γ相が出現した高力黄銅合金は、硬度が増して耐摩耗性が向上するという利点を有する反面、靭性が著しく低下して耐衝撃性が低下する。
従って、摺動用途においては、母相をβ相の単相とした高力黄銅合金が靭性の低下がなく優れた耐摩耗性を有することから広く使用されている。しかし、近年の機械装置の高効率化や長寿命化に伴い、高力黄銅合金からなる摺動部材の更なる耐摩耗性の向上が求められている。
母相がα+β相あるいはβ相組織の高力黄銅合金の耐摩耗性を向上させる目的として、母相中にMnSi等の珪化マンガン系の金属間化合物を分散させた高力黄銅合金(例えば、特許文献1参照)や、母相中にFe−Mn−Si系金属間化合物からなる金属間化合物を分散させた高力黄銅合金(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)が提案されている。
日本工業規格JISH5120
特公昭51−41569号公報 特公昭62−57700号公報 特公平2−38651号公報
母相中に珪化マンガンやFe−Mn−Si系金属間化合物を分散させることにより、耐摩耗性の向上に効果があることは知られているが、Siの亜鉛当量は10であり、高力黄銅合金の添加元素の中では極めて高い。したがって、Siを添加することで亜鉛当量が増えるため、母相をβ相の単相組織に維持するためには他の元素の添加量に制約を受ける。ここで、他の元素として例えばAlが知られている。Alは、耐食性を向上させるとともに母相を強化する元素であるが、Alの亜鉛当量が6と非常に高いため、添加量が多くなると母相にγ相が出現する。このため、上記したSiとともにAlを添加すると亜鉛当量が増大し、母相中にγ相が生成される。その結果、耐摩耗性は向上するが、伸びが著しく低下する。このため、Siの添加による耐摩耗性の改善を試みても、Alの添加量を減少せざるを得ず、β相の単独組織を維持しつつ耐摩耗性を改善することは困難であった。
本発明者らは上記実情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、耐食性を向上させると共に高力黄銅合金の成分中のFe及びSiとの間に金属間化合物を生成する元素としてCrに着目し、このCrを所定量の割合で添加した高力黄銅合金は、母相がβ相の単相組織を維持すると共にβ相にFe−Cr−Si系金属間化合物を分散析出することを確認し、高力黄銅合金の耐食性及び耐摩耗性の一層の向上を図ることができることを見出した。本発明は上記知見に基づきなされたものであり、その目的とするところは、母相のβ相の単相組織を維持するとともにβ相にFe−Cr−Si系金属間化合物が分散した組織を有する耐摩耗特性に優れた摺動部材用高力黄銅鋳物及び該高力黄銅鋳物を使用した摺動部材を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の摺動部材用高力黄銅鋳物は、
(1)質量比で、22.31%以上26.2%以下の範囲内のZn、4.02%以上5.47%以下の範囲内のAl、1.23%以上2.03%以下の範囲内のFe、0.9%以上3.57%以下の範囲内のCr、0.51%以上1.88%以下の範囲内のSi、残部がCu及び不可避的不純物からなり、
(2)母相がβ相の単相組織を呈するとともに該β相にFe−Cr−Si系金属間化合物が分散した組織を呈することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の摺動部材は、
(3)上記(1)、(2)記載の摺動部材用高力黄銅鋳物から作製された円筒体の少なくとも摺動面としての内周面に、複数の孔または溝が形成され、これら孔または溝に黒鉛等の固体潤滑剤が埋設固定されていることを特徴とするものである。
ここで、上記目的を達成するための本発明の他の摺動部材は、
(4)上記(1)、(2)記載の摺動部座用高力黄銅鋳物から作製された板状体の摺動面としての表面に、複数の孔、溝または凹部が形成され、これら孔、溝または凹部に黒鉛等の固体潤滑剤が埋設固定されていることを特徴とするものである。
さらに、
(5)前記摺動面としての内周面または表面における固体潤滑剤の占める面積割合は、10%以上40%以下の範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、母相がβ相の単相組織を呈し、該β相に硬質のFe−Cr−Si系金属間化合物が分散した組織を呈するので、硬さが増大すると共に耐摩耗性が一層向上した摺動部材用高力黄銅鋳物及び該高力黄銅鋳物を使用した摺動部材を提供することができる。
本発明の実施形態の板状摺動部材の平面図である。 本発明の実施形態の円筒状摺動部材の断面図である。 本発明の実施形態の円筒状摺動部材の他の例の断面図である。 実施例における摩耗量の試験方法を示す斜視図である。
次に、本発明及びその実施の形態を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
本発明の摺動部材用高力黄銅合金は、質量比で、Zn:17〜28%、Al:3〜10%、Fe:1〜4%、Cr:0.1〜4%、Si:0.5〜3%、残部がCu及び不可避的不純物からなる。以下、本発明の高力黄銅合金の成分組成について説明する。
Znは、母相の強度、耐摩耗性、耐衝撃性及び潤滑油に対する耐腐食性を付与すると共に、母相の組織を決定する元素である。Znの添加量の多寡によって、母相の組織にα相、β相、γ相などの相が出現する。他の添加元素の亜鉛当量とその添加量によってZnの添加量が違ってくるが、添加量が17質量%未満では母相の組織にα相が出現して耐摩耗性を悪化させ、また添加量が28質量%を超えると母相の組織にγ相が出現して合金を脆くする。よって、Znの添加量は17〜28質量%である。
Alは、β相の生成促進元素で母相の強化、硬さの増大に有効であり、またSiと同様に亜鉛当量が大きくγ相組織の生成を助長するが、3質量%未満では耐摩耗性に必要な充分な硬さが得られないばかりか母相の強化を充分達し得ず、また10質量%を超えて添加する、γ相組織が生成されて合金が脆化する。よって、Alの添加量は3〜10質量%、好ましくは4〜6質量%である。
Feは、後述するSi及びCrと結合して硬質のFe−Cr−Si系金属間化合物を析出させ、耐摩耗性を向上させる。添加量が1質量%未満では、Fe−Cr−Si系金属間化合物の析出量が少なく耐摩耗性の向上に充分効果が発揮されないばかりか、合金組織の微細化が損なわれると共に機械的性質を低下させる虞がある。また4質量%を超えるとFe−Cr−Si系金属間化合物の析出量が多くなり、却って耐摩耗性を低下させる。よって、Feの添加量は1〜4質量%である。
Crは、前記Fe及び後述するSiと結合して硬質のFe−Cr−Si系金属間化合物を析出させ、耐摩耗性の向上に寄与する。添加量が0.1質量%未満では、耐摩耗性の向上に寄与せず、また4質量%を超えると機械加工性や鋳造性を悪化させる原因となる。よって、Crの添加量は、0.1〜4質量%である。
Siは、前記Fe及びCrと結合して硬質のFe−Cr−Si系金属間化合物を析出させ、耐摩耗性の向上に寄与する。添加量が0.5質量%未満では、耐摩耗性の向上に寄与せず、また3質量%を超えるとγ相を出現させ、耐摩耗性を悪化させる虞がある。よって、Siの添加量は、0.5〜3質量%である。
本発明の高力黄銅合金は、これを板状に鋳造して板状体を形成し、板状体の一方の面を摺動面として表面に複数個の孔又は溝を形成し、孔又は溝に黒鉛等の固体潤滑剤を埋設固定した固体潤滑剤埋込型摺動部材とすることができる。
図1は本発明の高力黄銅合金を使用した板状体の形態をなす摺動部材(すべり板)1を示す平面図である。高力黄銅合金の摺動部材基体2の一方の表面(摺動面)には、その厚さ方向に凹んだ複数個の凹部4が形成されている。この凹部4は、該摺動部材基体2の表面の面積に占める開口部の面積の総和が10〜40%の割合となるように形成される
凹部4は黒鉛等の固体潤滑剤5を充填保持するものであり、該基体2及び固体潤滑剤5の耐摩耗性を良好に発揮させるためには、摺動部材基体2の表面の総面積に占める凹部4の開口部の面積の総和が少なくとも10%必要とされる。しかしながら、摺動部材基体2の表面の面積に占める凹部4の開口部の面積の総和が40%を超えると摺動部材基体2の強度低下をきたすことになる。なお、凹部4は、ドリルやエンドミル用を用いた孔明け加工あるいは切削加工によって形成されるが、その他の手段で形成してもよい。
摺動部材基体2の表面に形成された複数個の凹部4に充填保持された固体潤滑剤5は、相隣なれる固体潤滑剤5が一方向又は直交する二方向に互いに重畳(オーバーラップ:オーバーラップ代δ)するように配置されるのが好ましい。
図1は、摺動部材基体2の表面に形成された複数個の凹部4に充填保持された相隣なれる固体潤滑剤5が直交する二方向に互いに重畳するように配置された例を示す。
また、本発明の高力黄銅合金は、これを円筒状に鋳造して円筒体を形成し、円筒体の摺動面としての少なくとも内周面に複数個の孔又は溝を形成し、孔又は溝に黒鉛等の固体潤滑剤を埋設固定した固体潤滑剤埋込型摺動部材とすることができる。
図2は、本発明の高力黄銅合金を使用した円筒状ブッシュの形態をなす摺動部材(円筒軸受)1aを示す断面図である。高力黄銅合金製の摺動部材基体2aの内周面(摺動面)3aには、その長手方向に沿って配列された複数個のリング状の溝4aが形成されている。この溝4aは、前記摺動部材1と同様に、摺動部材基体2aの内周面3aの面積に占めるリング溝4aの開口部の面積の総和が10〜40%の割合となるように形成される。この割合の理由も、上記の10〜40%と同様の理由である。なお、溝4aは、バイト等を用いた切削加工によって形成されるが、その他の手段で形成してもよい。
図3は、本発明の高力黄銅合金を使用した円筒状ブッシュの形態をなす摺動部材1bを示す断面図である。この摺動部材1bには、円筒状の摺動部材基体2b、その内周面(摺動面)3bと外周面とに連通する複数個の円柱状の孔4bが形成されており、孔4bには黒鉛等の固体潤滑剤5が充填されて構成されている。孔4bは、前記摺動部材1と同様に、摺動部材基体2bの内周面3bの面積に占める開口部の面積の総和が10〜40%の割合となるように形成される。この割合の理由も、上記の10〜40%と同様の理由である。なお、この孔4bはドリル等を用いた孔明け加工によって形成されるが、その他の手段で形成してもよい。
固体潤滑剤5は互いに隣り合う固体潤滑剤5が軸方向に互いに重畳するように形成された孔4bに埋設固定されるか、固体潤滑剤5は互いに隣り合う固体潤滑剤5が円周方向に互いに重畳するように形成された孔4bに埋設固定されるか、固体潤滑剤5は互いに隣り合う固体潤滑剤5が軸方向及び円周方向に互いに重畳するように形成された孔4bに埋設固定されるのが好ましい。
図3は、円筒状の摺動部材基体2bに形成された複数個の孔4bに充填保持された固体潤滑剤5が該基体2bの軸方向及び円周方向の二方向に互いに重畳(オーバーラップ:オーバーラップ代δ)するように配置された例を示す。
次に、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されないことは言うまでもない。
(1)実施例1〜5及び比較例1〜2
表1の化学成分となるように、電解Cu、Zn、Al、Cu−Fe母合金、Si−Cu母合金、Cu−Cr母合金、Fe−Al母合金を低周波溶解炉で溶解し、1100℃以上の溶湯温度で内径50mm、外径80mm、長さ100mmの砂型に鋳込み、円筒体を作製した後、機械加工を施して内径60mm、外径75mm、長さ50mmの円筒状軸受を作製した。得られた円筒状軸受に肉厚方向に直径10mmの複数個の貫通孔を該内周面に開口面積が内周面の面積に対し30%となるように形成するとともに貫通孔に黒鉛からなる固体潤滑剤を埋め込んだ。次いで、固体潤滑剤部位に潤滑油を真空含浸させ、これを摩耗試験用試験片とした。また、硬さ(ブリネル硬さ)は、摩耗試験用試験片の高力黄銅合金部位を測定した。
(2)比較例3〜4
表1の化学成分となるように、電解Cu、Zn、Al、Cu−Fe母合金、Ni−Al母合金、Si−Cu母合金、Mn−Cu母合金、Fe−Al母合金を低周波溶解炉で溶解し、1100℃以上の溶湯温度で内径50mm、外径80mm、長さ100mmの砂型に鋳込み、円筒体を作製した後、機械加工を施して内径60mm、外径75mm、長さ50mmの円筒状軸受を作製した。以下、前記実施例と同様にして摩耗試験用試験片を作製した。また、硬さ(ブリネル硬さ)は、摩耗試験用試験片の高力黄銅合金部位を測定した。
表2は、上記実施例及び比較例で得た円筒状軸受の機械的性質(ブリネル硬さ)及び摩耗量を示したもので、表2における摩耗試験用試験片の摩耗量は、図4に模式的に示すジャーナル揺動試験により行った。試験方法は、上記の実施例及び比較例の円筒状軸受Aに対して回転軸(相手材)Bを揺動回転させて行ったもので、円筒状軸受Aに荷重を負荷して固定し、回転軸Bを一定のすべり速度で揺動回転させ、所定の試験時間後の円筒状軸受A及び回転軸Bの摩耗量(μm)を測定した。試験条件は、次のとおりである。
(3)試験条件
すべり速度 0.47m/min
面圧 1000kgf/cm(98MPa)
試験時間 100時間
運動形態 揺動運動
揺動角度 ±45°
相手材材質 機械構造用炭素鋼(S45C)
潤滑条件 試験開始時に摺動面にリチウム系グリースを塗布
Figure 0005616032
Figure 0005616032
本発明の実施例による高力黄銅合金は、母相がβ相の単相組織を呈すると共に該β相に硬質のFe−Cr−Si系金属間化合物が分散した組織を呈する。これにより、実施例の高力黄銅合金は耐摩耗性に優れている。この高力黄銅合金に固体潤滑剤を埋込んだ固体潤滑剤埋込型摺動部材においては、ベース金属である高力黄銅合金の優れた耐摩耗性と固体潤滑剤の低摩擦性とが相俟って、軸受としての優れた耐摩耗性を発揮することが確認された。
一方、比較例1の高力黄銅合金は、母相がα+β相を呈しており、硬さが低く、軸受自身の摩耗量が多い結果となった。比較例2の高力黄銅合金は、母相がβ+γ相を呈しており、硬さが高く軸受自身の摩耗は少ない反面、相手材へのダメージが大きく相手材を摩耗させる結果となった。また、比較例3の高力黄銅合金は、母相がβ相の単相組織を呈するが、β相に分散された金属間化合物はFe−Cu−Al系金属間化合物であり、固体潤滑剤を埋込んだ摺動部材においては、自身の摩耗量が増大し耐摩耗性に劣っているのが分かる。さらに、比較例4の高力黄銅合金は、母相にFe−Mn−Si系金属間化合物が分散されているにも拘わらず耐摩耗性が著しく低下しているのは、該高力黄銅合金はZnの添加量が少なく、β相にα相が出現した母相を呈しているためと考えられる。
以上説明したように、本発明の高力黄銅合金は、母相がβ相の単相組織を呈し、該β相に硬質のFe−Cr−Si系金属間化合物が分散した組織を呈しており、耐摩耗性が向上されている。したがって、本発明の高力黄銅合金は、すべり軸受、ワッシャ及びすべり板等の摺動用途への適用が可能となる。
1、1a、1b 摺動部材
2、2a、2b 摺動部材基体
a、3b 摺動面
4 凹部
4a 溝
4b 孔
5 固体潤滑剤

Claims (6)

  1. 質量比で、22.31%以上26.2%以下の範囲内のZn、4.02%以上5.47%以下の範囲内のAl、1.23%以上2.03%以下の範囲内のFe、0.9%以上3.57%以下の範囲内のCr、0.51%以上1.88%以下の範囲内のSi、残部がCu及び不可避的不純物からなり、母相がβ相の単相組織を呈するとともに該β相にFe−Cr−Si系金属間化合物が分散した組織を呈することを特徴とする摺動部材用高力黄銅鋳物。
  2. 請求項1に記載の摺動部材用高力黄銅鋳物であって、
    質量比で、Znが22.3%以上22.87%以下の範囲内であり、Alが4.8%以上5.47%以下の範囲内であり、Feが1.2%以上2.03%以下の範囲内であり、Crが1.7%以上1.9%以下の範囲内であり、Siが0.9%以上1.12%以下の範囲内であることを特徴とする摺動部材用高力黄銅鋳物。
  3. 請求項1または2に記載の摺動部材用高力黄銅鋳物であって、
    1100℃以上の溶湯温度で型に鋳込むことにより作製されることを特徴とする摺動部材用高力黄銅鋳物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の摺動部材用高力黄銅鋳物から作製された円筒体の少なくとも摺動面としての内周面に、複数の孔または溝が形成され、これら孔または溝に固体潤滑剤が埋設固定されていることを特徴とする摺動部材。
  5. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の摺動部材用高力黄銅鋳物から作製された板状体の摺動面としての表面に、複数の孔、溝または凹部が形成され、これら孔、溝または凹部に固体潤滑剤が埋設固定されていることを特徴とする摺動部材。
  6. 前記摺動面としての内周面または表面における固体潤滑剤の占める面積割合は、10%以上40%以下の範囲内であることを特徴とする請求項4または5に記載の摺動部材。
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