JP5615484B2 - 5α‐リダクターゼ阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、5α‐リダクターゼ阻害剤、5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した飲食品及び5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品に関し、更に詳しくは、東洋カボチャ(Cucurbita moschata) 及び/又は西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子を有効成分として含有することを特徴とする5α‐リダクターゼ阻害剤、5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した飲食品ならびに医薬品に関する。
精巣や副腎で生合成され分泌されたテストステロン(男性ホルモン)は、血液を介して皮脂腺、毛包、前立腺などに移行した後、各組織に存在する代謝酵素である5α‐リダクターゼにより還元され、より活性なジヒドロテストステロン(DHT)へと変換される。各組織で生成したジヒドロテストステロン(DHT)は、皮脂腺や毛包では皮脂の分泌を、また、前立腺では細胞の増殖を促進することが知られている(非特許文献1参照)。
現在、5α‐リダクターゼによるジヒドロテストステロンの産生過剰に起因する疾患の代表的なものとして、男性型脱毛症、前立腺肥大、尋常性ざ瘡(アクネ)等がある。一般にこれら疾患の治療剤としては、ステロイド構造を有する合成薬剤が用いられているが、好ましくないホルモン様作用の出現や投与形態等の問題がある。しかしながら、ステロイド構造を有さない上記疾患の治療剤としては、未だ実用に供されているものはないのが現状である。
桑や甘草から単離されるステロイド構造を有さない化合物を合成によって得た化合物の中に、5α‐リダクターゼ阻害作用を有するものが報告されている。(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、化学合成によって得られた薬剤の服用は副作用を伴う場合が多いため、長期にわたっての服用は必ずしも望ましいものではない。
したがって、天然物由来の成分であって、副作用やリバウンドのおそれがなく、長期間にわたって安全に摂取することができる5α‐リダクターゼ阻害剤、5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した飲食品および5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品の開発が望まれている。
このような観点で、日常的な投与が可能である食品素材によって、体内5α‐リダクターゼの機能を阻害改善しようという試みがなされてきた。天然物由来では、ペルー原産のキク科植物であるヤーコン(例えば、特許文献3参照)、ホウセンカ(例えば、特許文献4参照)などの抽出物がテストステロン5α‐リダクターゼ阻害剤として開示されている。
しかし、これらには、比較的多量の投与を必要とするという問題、風味上の問題、飲料に配合した場合に保存中の沈殿がみられるなどの保存安定性の問題があった。そして、これらの植物は、原料として用いるには量的な面から大きな制約を受ける。
特開平3-68518号公報 特開平7-17858号公報 特開2006-273755号公報 特許3276327号公報 J.Steroid Biochemistry,11,609(1979)
従来の抗男性ホルモン剤、特にステロイド剤は、その強力なホルモン様作用による好ましくない副作用を有しており、安全性に問題があった。また、これまでに知られている天然物由来のテストステロン5α‐リダクターゼ阻害剤は、阻害作用は認められるものの、その活性成分の不明なものが多かった。あるいは、活性成分が特定されていても作用が弱いものが多かった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、5α‐リダクターゼによるジヒドロテストステロンの産生過剰を阻害する作用を有し、かつホルモン様作用のない高い安全性を備えた5α‐リダクターゼ阻害剤、5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した飲食品や医薬品を提供することにある。生体内で5α‐リダクターゼによるジヒドロテストステロンの産生過剰を阻害することにより、生体内の5α‐リダクターゼが関与するとされている諸疾患、特に、前立腺肥大、男性型脱毛症、アクネ等の予防、治療に有効である。
また、5α‐リダクターゼが関与する諸疾患、症状に関して医学的な治療に加えて日常的な投与が可能である食品素材を摂取することにより、生体内5α‐リダクターゼの作用を阻害することができる。また、本発明は、5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した飲食品および医薬品を提供することを課題とする。
本発明者は、カボチャ種子の持つ薬理作用について鋭意研究を行ってきたところ、東洋カボチャ(Cucurbita moschata)及び西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子に、5α‐リダクターゼによるジヒドロテストステロンの産生過剰を顕著に阻害する作用があることを見出した。
したがって、本発明は、東洋カボチャ(Cucurbita moschata) 及び/又は西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子を有効成分として含有することを特徴とする5α‐リダクターゼ阻害剤である。また、本発明は、東洋カボチャ(Cucurbita moschata) 及び/又は西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子を有効成分として含有することを特徴とする5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した飲食品、ならびに東洋カボチャ(Cucurbita moschata) 及び/又は西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子を有効成分として含有することを特徴とする5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品にかかるものである。
本発明は、東洋カボチャ(Cucurbita moschata) 及び/又は西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子を有効成分として含有することを特徴とする5α‐リダクターゼ阻害剤を提供することにより、また、東洋カボチャ(Cucurbita moschata) 及び/又は西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子を有効成分として含有することを特徴とする5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した飲食品、ならびに東洋カボチャ(Cucurbita moschata) 及び/又は西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子を有効成分として含有することを特徴とする5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品を提供することにより上記課題を解決することができた。
本発明の5α‐リダクターゼ阻害剤、5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した飲食品、及び5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品は、これを摂取することにより生体内の5α‐リダクターゼを阻害することができるので、5α‐リダクターゼが関与する疾患の予防および改善に有用である。
本発明に係る5α‐リダクターゼ阻害剤、5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した飲食品、ならびに5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品は、東洋カボチャ(Cucurbita moschata) 及び/又は西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子を有効成分として含有することを特徴とするものである。
カボチャはウリ科の一年草または多年草で、大きく分けて東洋カボチャ(Cucurbita moschata)、西洋カボチャ(Cucurbita maxima)、ペポカボチャ(Cucurbita pepo)の3種類に分けられており、日本で一般に、食用に、又は冷凍食品や調理食品に加工されるのは、主に西洋カボチャである。東洋カボチャは日本カボチャとも言われ、粘質でねっとりしているが、現在はほとんど西洋カボチャが消費されている。ペポカボチャは殻のある種子を持つ東洋カボチャや西洋カボチャと大きく異なり、殻のない種子を持つのが大きな特徴であり、日本ではほとんど栽培されていない。小さなものや細長いものや特異な形を有するものもあり、西洋料理で用いられるズッキーニもペポカボチャの一品種であるが、ズッキーニ以外のペポカボチャは食用としてより、装飾用として用いられることが多い。また、海外で食用油(パンプキンシードオイル)として製造されるのはペポカボチャ種子から抽出した油である。本発明では、従来知られているペポカボチャ種子から抽出した油脂をパンプキンシードオイルと呼び、本発明で試みた西洋カボチャ又は東洋カボチャ種子から抽出した油脂をカボチャ種子オイルと呼ぶこととする。
本発明者らは、カボチャの持つ薬理作用について鋭意研究を行ってきたところ、東洋カボチャ及び西洋カボチャの種子に、生体内の5α‐リダクターゼによるジヒドロテストステロンの産生過剰を顕著に阻害する作用があることを見出した。
ペポカボチャの種子に関しては良性前立腺肥大にかかわる泌尿器症状の治療に利用されると電子的技術情報の広告に記載されている(CUCURBITA PEPO L.カボチャ種子エキス、インデナジャパン株式会社インターネット、<www.indena.com/pdf/cucurbita_pepo_jp.pdf>、平成19年11月26日検索)。しかし、この電子的技術情報に記載されているカボチャはペポカボャ(Cucurbita pepo)の種子であることが明示されており、本発明者らが見出した東洋カボチャ(Cucurbita moschata)や西洋カボチャ(Cucurbita maxima)の種子ではない。このように、「カボチャ種子」や「パンプキンシードオイル」という名称の下に、種々の効果が述べられているが、これらはペポカボチャを由来とするものであり、現在、日本で一般に、食用に、又は冷凍食品や調理食品に加工されている西洋カボチャや東洋カボチャではない。ましてや、東洋カボチャ種子や西洋カボチャ種子が生体内の5α‐リダクターゼを顕著に阻害する作用を有することは知られていなかった。
本発明の5α‐リダクターゼ阻害剤等の原料である東洋カボチャ(Cucurbita moschata)および西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子は、冷凍食品などに加工される際の農産廃棄物であり、わたを含めて全国で年に約22,000t排出される。加工時に排出された、カボチャ種子やわたはこれまで家畜の飼料にしたり、農地に堆肥として還元されてきたが、加工工場の集約化による酪農農家との距離的問題や集中的に排出されるために飼料としての消費が限界に達している。堆肥として利用するにも発芽したり、完熟に長期間を要するなど堆肥に適しているとは言えなかった。このため、工業的に肥料・飼料化することも試みられたが、破砕・乾燥工程での高コストが課題となり実用化が困難であった。したがって、東洋カボチャ(Cucurbita moschata)および西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子は、未利用バイオマスであり、廃棄物でもある。この未利用バイオマスの有効利用と、廃棄物の軽減という面からも本発明は有用である。
5α‐リダクターゼを顕著に阻害する作用は、下記試験例に示す如く、ラット肝臓から調製した酵素液に対する東洋カボチャ種子オイル、西洋カボチャ種子オイル及びペポカボチャを由来とする市販のパンプキンシードオイル存在下の5α‐リダクターゼ活性を測定した。その結果、東洋カボチャ種子オイル、西洋カボチャ種子オイル及びパンプキンシードオイルの添加濃度に比例して、5α‐リダクターゼ活性阻害が増大した。よって、東洋カボチャ種子オイル及び西洋カボチャ種子成分に、5α‐リダクターゼの活性を阻害する物質が存在することが明らかとなった。しかも、東洋カボチャ種子オイル及び西洋カボチャ種子オイルは、ペポカボチャ種子オイルが有する5α‐リダクターゼ阻害活性より、有意に高い、顕著な5α‐リダクターゼ阻害活性を有することが認められた。
すなわち、本発明に係る5α‐リダクターゼ阻害剤、5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した飲食品及び医薬品は、東洋カボチャ又は西洋カボチャ種子を含むことを特徴とする。
本発明に係る東洋カボチャ又は西洋カボチャ種子を有効成分として含有する5α‐リダクターゼ阻害剤、5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した飲食品及び医薬品は、その優れた5α‐リダクターゼ阻害作用により、生体内の5α‐リダクターゼが関与するといわれている前立腺肥大、男性型脱毛症、アクネ等の予防、治療に有効である。
本発明では、5α‐リダクターゼ阻害剤の有効成分として、あるいは5α‐リダクターゼ阻害機能を飲食品や医薬品に賦与するために、東洋カボチャ種子又は西洋カボチャ種子を使用する。上述したような5α‐リダクターゼ阻害剤を製造する際に使用することができるカボチャの種類としては、本発明試験例の結果、ペポカボチャ種子オイルが有する5α‐リダクターゼ阻害活性より有意に高い5α‐リダクターゼ阻害活性を有することが認められた東洋カボチャ(Cucurbita moschata)種子及び/又は西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子を使用する。
本発明の5α‐リダクターゼ阻害剤の製造法は概略次の通りである。
東洋カボチャ又は西洋カボチャの種子から脂質を抽出する。脂質の抽出は、
子を加熱後、圧搾機にかけて油分を絞り集める加熱圧搾法で良く、集めた油分は濾別後、水を加えて生じた沈殿物を遠心分離で除いて精製する。また、加熱圧搾法は油分の抽出効果が悪く、抽出残渣にかなりの油分が残っており、この残存油分回収のため溶媒法を併用する圧抽法を用いるのも良い。この圧抽法は、加熱圧搾法の抽出残渣にヘキサンを加えて残存する油分を抽出し、溶媒留去の油分は加熱圧搾法の油分とまとめて精製するので効率の面で有効である。
以上のいずれかの抽出法を用いて精製した東洋カボチャまたは西洋カボチャ種子オイルは、明るい黄色の透明な液状を呈し、そのままで、あるいは他の原料と配合して本発明の5α‐リダクターゼ阻害剤の有効成分として、あるいは5α‐リダクターゼ阻害機能を有する飲食品や医薬品として利用できる。
また、本発明の5α‐リダクターゼ阻害剤及び5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品の剤型は、特に限定されるものではなく、例えば、前立腺肥大症治療用であれば、粉剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤などにすればよく、経口的に投与する。また、これらの剤型は、従来から知られている通常の製剤方法で製造することができる。例えば、製剤の製造上許可される担体や賦形剤等と混合して成型する。賦形剤の例としては、ラクトース、デキストロース、セルロース、メチルセルロース、澱粉などがあげられる。
また、本発明の5α‐リダクターゼ阻害用飲食品については、精製した東洋カボチャ又は西洋カボチャ種子オイルを前記したような剤型の飲食品とするか、あるいは精製した東洋カボチャ又は西洋カボチャ種子オイルを飲食品に配合する。
本発明の5α‐リダクターゼ阻害脂質代謝改善剤、5α‐リダクターゼ阻害脂質代謝改善用飲食品及び5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品の投与量は、年齢、治療効果及び病態等により異なり、特に限定されないが、精製した東洋カボチャ種子オイル又は西洋カボチャ種子オイルを一回当たり0.1〜500mg、好ましくは0.5〜100mg摂取できるよう配合量等を調整すればよい。
以下に、実施例、参考例及び試験例を示し、本発明についてより詳細に説明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
[参考例1]
(西洋カボチャ種子オイルの調製1)
精選した西洋カボチャ種子を粗く挽いた後、圧搾機にかけて油分を絞り集めた。油分は濾別後、水を加えて生じた沈殿物を遠心分離で除いて精製し、西洋カボチャ種子オイルを得た。収量は25%であった。
(西洋カボチャ種子オイルの調製2)
精選した西洋カボチャ種子に水を加え、加熱し、圧搾機にかけて油分を絞り集めた。油分は濾別後、水を加えて生じた沈殿物を遠心分離で除いて精製し、西洋カボチャ種子オイルを得た。収量は50%であった。これは、このままで、あるいは他の原料と配合して、瓶、缶、プラスチックなどの容器に充填して、本発明の5α‐リダクターゼ阻害剤として使用できる。また、種々の剤型に製剤することにより、5α‐リダクターゼ阻害剤及び5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品として使用できる。
(西洋カボチャ種子オイルの調製3)
精選した西洋カボチャ種子に水を加え、加熱し、圧搾機にかけて油分を絞り集めた。この抽出残渣にヘキサンを加えて残存する油分を抽出し、溶媒を留去した油分を前記の圧搾で得た油分と混合して精製し、西洋カボチャ種子オイルを得た。収量は80%であった。これは、このままで、あるいは他の原料と配合して、瓶、缶、プラスチックなどの容器に充填して、本発明の5α‐リダクターゼ阻害剤として使用できる。また、種々の剤型に製剤することにより、5α‐リダクターゼ阻害剤及び5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品として使用できる。
[参考例2]
(東洋カボチャ種子オイルの調製1)
精選した東洋カボチャ種子を用いる他は参考例1と同じ条件で、東洋カボチャ種子オイルを得た。
(東洋カボチャ種子オイルの調製2)
精選した東洋カボチャ種子を用いる他は実施例と同じ条件で、東洋カボチャ種子オイルを得た。これは、このままで、あるいは他の原料と配合して、瓶、缶、プラスチックなどの容器に充填して、本発明の5α‐リダクターゼ阻害剤として使用できる。また、種々の剤型に製剤することにより、5α‐リダクターゼ阻害剤及び5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品として使用できる。
(東洋カボチャ種子オイルの調製3)
精選した東洋カボチャ種子を用いる他は実施例と同じ条件で、東洋カボチャ種子オイルを得た。これは、このままで、あるいは他の原料と配合して、瓶、缶、プラスチックなどの容器に充填し、本発明の5α‐リダクターゼ阻害剤として使用できる。また、種々の剤型に製剤することにより、5α‐リダクターゼ阻害剤及び5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品として使用できる。
[試験例1]
実施例で得られた西洋カボチャ種子オイル、実施例で得られた東洋カボチャ種子オイル及び市販のペポカボチャ種子オイルを試料とし、ラットの肝臓から調製した酵素液を用いて5α‐リダクターゼ阻害作用を調べた。
1)酵素液の調製
8週齢の雄性SDラットを24時間絶食後開腹し肝臓を摘出した。摘出した肝臓はKrebs−Ringerリン酸緩衝液(pH 7.4)で灌流して血液を除去し凍結固定した。凍結固定した肝臓を乳鉢で粉砕した後、5倍量の10mmol/L Tris-塩酸緩衝液(pH 7.2)を加えホモジネートした。これを9,000×g、4℃で10分間遠心分離し、上清を分取し、−80℃で凍結保存した。
2)反応液の調製
表1に示す組成の反応液を調製した。西洋カボチャ種子オイルは、実施例で得られた西洋カボチャ種子オイルを、東洋カボチャ種子オイルは、実施例で得られた東洋カボチャ種子オイルを用いた。ペポカボチャ種子オイルは、市販品のパンプキンシードオイル(ウルフ社)を用いた。酵素液を添加しないものを試料Aとした。酵素液を添加し、ペポカボチャ種子オイル、西洋カボチャ種子オイル又は東洋カボチャ種子オイルを添加しないものを試料Bとした。酵素液を添加し、ペポカボチャ種子オイル、西洋カボチャ種子オイル又は東洋カボチャ種子オイルを添加したものを試料Cとした。テストステロン溶液は500μg/ml(プロピレングリコール:10mM Tris-塩酸緩衝液(pH 7.2)=1:1 v/v)を用いた。補酵素溶液はNADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)を用いた。緩衝液は10mM Tris-塩酸緩衝液(pH 7.2)を用いた。被験物質である西洋カボチャ種子オイル、東洋カボチャ種子オイル、又はペポカボチャ種子オイルをテストステロン溶液と混和し、これに緩衝液を加え、酵素液及び補酵素溶液を添加して反応させた。
また、西洋カボチャ種子オイル、東洋カボチャ種子オイル、又はペポカボチャ種子オイル添加溶液の組成を表2に示す。種子オイルは50%エタノール溶液としたものを用い、緩衝液は10mM Tris-塩酸緩衝液(pH 7.2)を用いた。
3)測定前処理
反応液を37℃で30分間インキュベートし、70%過塩素酸0.05mlを加え、固相抽出カラム(OASIS HLB )に付加した。精製水2mlをカラムに通液して洗浄し、次いで、40%メタノール2mlをカラムに通液して洗浄した。溶出液(100%メタノール)1mlをカラムに通液してテストステロンを溶出し、溶出液を減圧乾固した。残渣を65%メタノール0.25mlで溶解した。この溶解液0.01mlを高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による測定に用いた。
4)HPLC条件
カラムはYMC-Pak ODS-AMを用い、メタノール:水=65:35 (v/v)の移動相で40℃付近、流速1.0ml/minで測定した。検出は紫外吸光光度計(測定波長:254nm)を用いた。
5)阻害率計算式
阻害率は次の式で求めた。

阻害率(%)=100−(試料Aピーク面積−試料Cピーク面積)/(試料Aピーク面積−試料Bピーク面積)×100

ピーク面積はHPLCクロマトグラムにおけるテストステロンのピーク面積を表す。
6)5α‐リダクターゼ阻害作用を調べた。反応液中のテストステロン抽出法として固相抽出法を用い、西洋カボチャ種子オイル、東洋カボチャ種子オイル、又はペポカボチャ種子オイル存在下の5α‐リダクターゼ活性を測定した。その結果を図1に示す。
図1に示されるように、西洋カボチャ種子オイル、東洋カボチャ種子オイル、又はペポカボチャ種子オイルの添加濃度に比例して、5α‐リダクターゼ阻害活性が増大した。そして、東洋カボチャ種子オイル及び西洋カボチャ種子オイルが、従来知られていなかった5α‐リダクターゼ阻害活性を有することが示された。しかも、東洋カボチャ種子オイル及び西洋カボチャ種子オイルは、ペポカボチャ種子オイルが有する5α‐リダクターゼ阻害活性より、有意に高い、顕著な5α‐リダクターゼ阻害活性を有することが認められた。
以上の結果から、東洋カボチャ種子及び西洋カボチャ種子は、5α‐リダクターゼを顕著に阻害する効果を有することが明らかになった。これにより、従来、加工用に利用した残余物であり、廃棄されていた西洋カボチャ又は東洋カボチャ種子を、5α‐リダクターゼ阻害剤という新たな、しかも有用な用途に使用できることとなる。
ペポカボチャ種子オイル、東洋カボチャ種子オイル及び西洋カボチャ種子オイル存在下の5α‐リダクターゼ活性を示す(試験例1)。

Claims (3)

  1. 東洋カボチャ(Cucurbita moschata)及び/又は西洋カボチャ(Cucurbita maxima) 種子を加熱し、圧搾機にかけて絞り集めた油分を有効成分として含有することを特徴とする5α‐リダクターゼ阻害剤。
  2. 東洋カボチャ(Cucurbita moschata) 及び/又は西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子を加熱し、圧搾機にかけて絞り集めた油脂である請求項1記載の5α‐リダクターゼ阻害剤。
  3. 東洋カボチャ(Cucurbita moschata) 及び/又は西洋カボチャ(Cucurbita maxima)種子を加熱し、圧搾機にかけて絞り集めた油分を有効成分として含有することを特徴とする5α‐リダクターゼ阻害機能を賦与した医薬品。
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